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1950-07-25 第8回国会 参議院 法務委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十五日(火曜日)    午前十時四十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件鉄道公安職員職務に関する法律案  (衆議院提出) ○土地家屋調査士法案衆議院提出)   —————————————
  2. 北村一男

    委員長北村一男君) それではこれより委員会を開会いたします。  先ず衆議院を通過いたしまして本委員会に付託になりました鉄道公安職員職務に関する法律案、並びに土地家屋調査士法案について、衆議院阿部法務委員長から提案理由の御説明を頂きたいと思います。
  3. 安部俊吾

    衆議院議員安部俊吾君) 只今議題となりました鉄道公安職員職務に関する法律案提案理由を申上げます。  終戰後道義の頽廃、犯罪の激増は一般的傾向となつているのでありますが、日本経済の動脈たる鉄道に関する犯罪も、昨年は実に四十二万件という誠に憂慮すべき状態にあります。なかんずく多府県にまたがる集団的兇惡犯罪輸送知識を利用する大規模な惡質知能犯の横行は、終戰後における鉄道犯罪一大特色となつているのであります。  然るに、鉄道財産保護輸送の秩序と安全を守る鉄道公安職員捜査権限は、現行法上單に列車停車場における現行犯のみに限定されておりますため、その機能を殆んど発揮することができない関係にありますから、ここに鉄道犯罪の特殊な性格に応じ、鉄道公安職員捜査権限を合理的に調整し、以て鉄道犯罪及び事故を防止して鉄道治安を確保し輸送機能を十分に発揮し国家再建の一助たらしめんがため、本案提出するに至つたのであります。  以下法案内容簡單に御説明申し上げますと、第一に、鉄道公安職員は、日本国有鉄道施設内に発生した犯罪日本国有鉄道運輸業務に対する犯罪について、非現行犯であつて捜査する権限を有することとしたのであります。  第二に、鉄道公安職員捜査は、刑事訴訟法の定める司法警察職員捜査に関する規定に準じて行うのでありまして、日本国有鉄道施設外捜査を行うことはできないのであります。  第三に、鉄道公安職員は、先程も申上げましたように、例えば昨年度について見ましても四十二万件もの犯罪と取組み、日常兇惡犯と戰つており重要な隧道、橋梁、発電所を警備するにも空手でこれに当つている現状なのであります。その職務の性質上常に危險にさらされているのでありますから、その職務を行うため小型武器を携帶使用することができるようにいたしたのであります。  第四に、鉄道公安職員警察職員とは互に協力すべきものといたしました。  最後に鉄道公安職員は、法務総裁運輸大臣が協議して定める基準に從つて日本国有鉄道総裁が推薦し運輸大臣がこれを指名するのでありまして、その捜査に関しては運輸大臣が監督することにいたしました。  尚本法案は、第七回国会以来衆議院法務委員会の小委員会において引続き審査を続けて参つたものでおりまして、その間関係各機関の意見も十分聽取し、七月二十一日運輸委員会との合同審査を終え、法務委員会提出法案と決定いたしたものであります。何とぞ、愼重御審議上速かに御可決あらんとをお願いいたします。  次に土地家屋調査士法提案理由説明いたします。この度、地方税法及び土地台帳法等の各一部改正によりまして、土地台帳家屋台帳税務署から登記所である法務局又は地方法務局に移管されることになりました。土地台帳家屋台帳に記載される事項は、不動産登記目的たる諸権利の基礎である事実関係を示すものとしてその正確性が大いに要求されるのであります。從来におきましても土地家屋調査測量をいたしておりました者は、各税務署の嘱託としてこれを行い税務署人件費旅費等の費用を節し、又その專門的技術を生かして土地台帳家屋台帳への申告、図面の作成に当つていたのでありましたが、何らその資格に関して法的根拠がなく、如何わしい者もこの調査測量を行なつていたのであります。この際土地台帳及び家屋台帳登録につき必要な土地又は家屋に関する調査測量及び申告手続が的確に行われるか否かは、国民の権益並びに国家経済にも極めて重大な影響を及ぼすこととなるため、本法によりまして土地家屋調査士制度を新たに法制化いたすものであります。  尚このような制度設立につきましては、先きに昭和十六年より五回に亘り請願が提出され、その都度採択されてての立法化政府当局に要望されていたものであります。  衆議院法務委員会におきましては、土地台帳法等の一部改正に伴いまして、この土地家屋調査士制度必要性を認め、土地家屋調査士法立案に関する小委員会を設け測量士司法書士等関係各方面とも種々協議いたし成案を得た次第であります。  次に法案内容につきましてその大要を御説明申上げます。先ず土地家屋調査士業務内容如何でありまするが、それは土地台帳又は家屋台帳登録に必要な土地家屋に関する調査測量又は申告手続をいたすことであります。從いましてこのような業務を行います者は、測量に関して十分な技能を有する者でなければなりませんので、その資格要件としましては、主として測量に関する技能を有する者を有資格者とし、尚資格認定については公開試験制度をも採用しております。  次に土地家屋調査士としての業務を行いますには、法務局又は地方法務局に備えた名簿に登録を受けまして、事務所を設置いたすことにいたしてあります。調査士は、みずからの品位保持業務改善進歩を図るため、調査士会及び全国の連合会を設けることができ、各調査士は任意にこの会に入会し得ることとなつております。  調査士がその業務を執行するに当りましては、業務の依頼に応ぜねばならず、又虚偽の調査測量をしてはならないのでありまして、本法違反に対しては法務局長又地方法務局長より戒告、業務停止登録取消等の制裁を受けるのでありますが、業務停止登録取消の場合には、当該調査士公開による聽聞を求めることができるのであります。  尚、現在土地家屋に関する調査測量申告手続を業としている者は、昭和二十七年九月三十日まではその業務に行うことを認められ、更に法務局他方法務局の長の選考を受けて、本法による調査士となることができるのであります。以上法案大要を御説明申上げました。  本法案は、御承知のように先に第七国会において衆議院におきまして立案可決され、参議院法務委員会におかれしても可決せられましたが、土地家屋台帳法等の一部改正法律案と共に、本会議においてその議決を見るに至らなかつたものと殆んど同一内容のものであります。何とぞ愼重御審議上速かに御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 北村一男

    委員長北村一男君) 只今説明を頂きました両法案について質疑のおありの方は御発言を願います。
  5. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 私は只今提案になりましたる鉄道公安職員職務に関する法律案に関しまして、この際資料提出を求めたいと思います。それは昭和二十三年に制定されましたる警察官等職務執行規定に基きましてこの規定ができましてから以来、拳銃使用によつて殺傷事故の起りました件数、並びにこのピストル警察官使用することによつて生じましたる被害件数、この一つ今日までの総件数を照会して本委員会の方に御発表をお願いいたします。  それから尚丁度この鉄道公安職員の一職務に関しまする法律と相並んで、今日すでに大蔵委員会の方に関税法の一部を改正する法律案がやはり委員会において審議をしておるのでありまするが、この関税法の一部を改正する法律案中におきましても、この鉄道公安職員職務に関する法律案の第八条に該当いたしまする公安職員武器使用に対しまする規定がやはり設けられておるのであります。関税法の一部を改正する法律案のいわゆる税関官吏武器使用に対しまする規定内容と、それからこの鉄道公安職員に対しまする武器使用内容とは若干の点において相違いたしておりまするが、大体大同小異のようであります。この点について私は前回会議においても主管大臣質問を試みたのでありまするが、すでに昭和二十三年に警察官等職務執行法が制定されましてから後に僅か二年に足らない間に、相当数殺傷事件が起つておるように聞いております。当時参議院においてこの法案審議されますときに、あれは内務省関係のことでありましてこの委員会には付託されなかつたのでありますが、法務委員会合同審査で参加いたしまして、当時参議院法務委員会といたしましては全員この法案に対して反対意見を述べましたけれども、遂に多数を以て通過いたしたのであります。その法律が制定されまして後に間もなく、我々の当時反対いたしておりました趣旨によつて心配しておりましたように続々被害が起りますために、相当深刻なる批判を受けておる法案だと思います。前回法務総裁の答弁によりますると、目下その点に対して研究中であり大体改正考えであるということに承わつておりますけれども、その途上において今度鉄道公安職員規定に新らしくそれが設けられ、又関税法の一部改正に対しましても設けられるのであります。この改正に対しましては政府の方においてこの程度にしか改正しないのであるか、或いは又改正するについてはこれは百尺竿頭一歩を進めた抜本的な改正考えておられるのであるか、この点を一つこの際一応承わりたいと思います。
  6. 北村一男

    委員長北村一男君) 鬼丸委員に承わりますが、今御出席になつておるのは衆議院議員提出になつておりますので、法務委員長並びに法務委員会方々でございますが……。
  7. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 政府に対する質問……。
  8. 北村一男

    委員長北村一男君) 政府でなしに、衆議院法務委員会の御見解を御発表願つても差支えないのですか。
  9. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 結構でございます。
  10. 北村一男

    委員長北村一男君)  それでは一つその点についてお考えがございましたら……。
  11. 安部俊吾

    衆議院議員安部俊吾君) お答え申上げます。この鉄道公安職員職務に関する法律案の中の小型武器を携帶しなければならんというのは、実は職員公安官というものがありまして、從来は單に列車内に暴動的な、集団的な妨害があるとか、或いは又いろいろな鞄であるとかそういうようなものを窃盗するのが多かつたというようなことで、この鉄道職員の中より公安官というようなものを設けまして、そうして單に停車場内であるとか或いは又その列車内だけの現行犯だけを取締るような制度であつたのでありまするが、現在におきましては非常に鉄道に関する犯罪が多くなりまして、先程も御説明申上げましたように四十二万件というような多い犯罪があつたのでありましで、而もそれが他府県にまたがる集団的な犯罪が多いのでありまして、又それが智能犯的な傾向があるのでありまして、そういうように小型武器も持たんようなものであつては甚だ職務を遂行するのに支障を来たすというような現在からいたしまして、今回は單に停車場であるとか或いは又列車内であるとかを問わず、苟くも鉄道の沿線内における犯罪に関しましては捜査することもでき、又逮捕することもできるようにすると同時に、警官と同様な武器を持つことが必要だというのであります。只今指摘になりましたような、二十三年度のこの拳銃とかいうものを警官が携帶するようになつてからいろいろな怪我人が起きたというようなことがありまするが、併しそれはいろいろな警察官の誤りであつて、例えば警察官がその拳銃を磨いておる場合に誤つて人を傷けたとか、或いは又酒乱の結果いろいろな突発事件が起きたというようなわけでありまして、武器を携帶したがためにそういうようなことがあるわけじやない、そういうような個人的欠陷のあるものとか、そういうような過失を行なつた者があるのでありまして、若しこれがよく訓練を施しまして、例えば第一回におきましては威嚇的に室中に発砲するとか、それでも尚且停止しないとか或いはその逃走を継続する者に対しては足部の方に発砲する、それでも尚且止めなければ正当防衞においてその拳銃使用する、こういうような訓練が行き亘りましたならばそういうようないろいろ只今指摘になりましたような事件が少なくなると思うのであります。警官の本来の職務を遂行するにはどうしても最小限度におきまして小型武器を携帶する必要があると思うのであります。又税関の方にいたしましても私共はやはり鉄道公安職員が必要なように、これもそういうような小型武器を携帶することが必要と思うのであります。
  12. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 只今衆議院法務委員長の御説明がありましたので衆議院法務委員会におかれましても、恐らくはこの点に対しましては非常な大きい関心愼重なる御研究の結果、提案されたものだと確信をいたします。只今説明に從いますると、警察官ピストル使用を許した後に起つた事故としては、大体警察官個人過失による場合の事故だと御指摘になりましたか、私の知る範囲におきましてはすでに二十三年の何月でありましたか、あの法案施行になりまして間もなく二ケ月を経ずして先ず最初に静岡県において起つたと思つております。これはもう殺害であります。それが第一着であり、その後、私の少くとも聞いております新聞を通じて知る範囲におきます事故といたしましては、恐らく十件以上に及んでおることは確かであります。すでに警視庁管内におきましても確か二件か三件挙動不審者の誰何によつて警察官武器使用をして殺傷をした、いわゆるピストル使用によつて法令行為によつて殺傷いたしましたことがあります。ところが刑法の三十五条に從いまして、いうまでもなくその武器使用によつて生じました殺傷については法的責任がないのであります。それ故に事件の終末はどんな手続によつているかは私も知つておりません。が、少くともこの法令行為として多分不問に付されておると思います。そこでこれは在野法曹間における極端なる人の批評でありますが、私共非常に当時憤慨して、その極端論者に反撃したことなんですけれども、曾て警察官帶劍規則によつて嚴格にこれを規定されておつたのであります。然るに今警察官教養程度においても、一方においては憲法に一般生命身体に対する最大の尊重さるべき人命及び自由の保護があるにも拘わらず、警察官のいわゆる武器使用に対する法令行為として両院がこれを承認したことは、何を出しても今ならもうわけなく通るのだという、こういうような極端なる実は酷評を受けたことがある。これは私共当時、先程も申上げました通りに少くとも参議院法務委員会としましては猛烈な反対をしたにも拘わらず、実は遂にあの法案が通過してしまつたのでありますが、施行後間もなくそうした現実の過りが沢山できまして、私の聞いております範囲においては、すでに国警の幹部においてこれではいけないのだから何とかこれは使用については改正をせねばならんであろうというようなことで、研究をしておるということに聞いております。前回法務総裁もその点は私の質疑に対してお答えになつておりまして、これはもうどうあろうとも少くとも人命を奪い身体傷害を受けるということに対しましては、教養高き裁判所が愼重審議をした後、その確定判決がなければできないに拘わらず、一警察官教養低き者の判断によつて、直ちに殺傷行為が而も法律行為となるにつきましては、やはりこの刑法の三十八条、三十九条の正当防衞若しくは緊急避難範囲において私は少くとも限度を決めて行かなければ危險ではないか、かように思つておるのであります。委員長先例に対して御関心がなかつたとは存じませんが、事実この資料を取寄せますと、使用によつて殺傷被害を蒙つておりますのが最近あることは私聞いております。
  13. 安部俊吾

    衆議院議員安部俊吾君) 鬼丸委員の御質問御尤であります。私共至極同感に堪えないのであります。ただこの法律施行するものはこれは差当つて警察官でありまして、要するに警察官そのもの法律といつてもいいのでありまして、こういうような警察官に対しては、十分彼らがその職務を執行する上においてまあ身の安全を保障しなければならないのであります。又拳銃なら拳銃というものの使用方法におきましても十分なる訓練を與えて、そうして苟くも本来の目的を逸脱してそうしてこれを濫用しないように取締ることにいたしましたならば、その弊害もないと思うのであります。この点を御了承頂きます。
  14. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 それから尚実は前回審議のときに私共申上げたのですれども、やはり刑法にありまする例の過剩防衞規定も実はない、そのままやつてよろしいというだけで打切つて刑法の三十八条、三十九条の正当防衞、或いは緊急避難の場合における過剩の殺傷に対しまする責任規定も実は作つてない。かたがた余りにも広汎と言いますか自由に失しておりますので非常に私杞憂いたしましたが、不幸にしてその杞憂が当つておりますので、速かにこれを改正して貰わなければならないと考えております。今日資料委員会の方から請求いたしますと共に、政府の方の意向も又十分に承わつて本案審議に当つて行きたいと思つております。
  15. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 簡單に補足的に私から只今鬼丸委員の御質問に対してお答えいたします。おつしやる通り人権擁護の上から見ると、警察官小型武器使用が甚だ遺憾な不祥事を惹起しておるという例は若干あるようです。現にその最も典型的なものは、浦和地方裁判所過失傷害致死罪として今審理中であります。かように当局はやはり嚴にその使用を戒めてうやむやに結果を葬らずに、糺すべきものは糺しておるようであります。併し尚そういつたような刑事裁判による以外に、これらに対する行政的処置とか使用限界をもつと制度上明確にするというようなことも対策として、これは当局只今発言にあつたように研究中のように承わつております。実はかような各官吏小型銃器を携帶するということについては、仄聞するところによると政府も一元的な立法で行こうというような議もあつたように承わつておりますけれども、取敢ず鉄道公安職員についてはその必要性が十分認められるために、只今衆議院法務委員長から御説明があつたように、本法案においてはこの規定を採入れたような次第であります。どうかその点を御了承願つて審議を進行して頂きたいと思います。
  16. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 たまたま提案者法務委員長がなられているのだから、殊に衆議院法務委員会委員方々にも実はいろいろと御示教蒙りたいとこの点について思つていたのです。この席でもつてこのことについて更にこれ以上いろいろ申上げますることは私愼みたいと思いますが、御同様法務関係に立つておりますものとしましては、この点は特に一つ愼重な検討を加えて、人権擁護に欠けることなき線まで引戻したいという希望を持つていることだけを申上げて一応質問は終ります。
  17. 一松定吉

    一松定吉君 今鬼丸委員の御質問の点に関して私も少し疑義を質して置きたい。この八条を特に設けなければならない理由一つ承わりたい。なぜ刑法の三十六条、三十七条の規定では満足ができないのか、こういう立派な規定があるにも拘わらず、この第八条というような規定を設けるから、今鬼丸君の言うような疑問が生ずる。而して刑法の三十六条、三十七条という法文の解釈については、もう法曹界においてこれは多年に亘つて幾多の判例も出ている。そして警察官武器使用していろいろな事が起つたときに、それが刑法の三十六条に当るか三十七条に当るかというようなことは、いろいろ研究を遂げているのであるからして、その刑法正当防衞並びに過剩防衞規定だけあれば私は十分だと思うのに、然るにこの第八条を特に設けなければならない理由、それを一つ説明して頂きたい。どういうわけで刑法の第三十六条、第三十七条では不十分なのか。だからこういう規定が要る、或いは三十六条、三十七条ではこういう点について欠陷がある、それだから第八条が要るのだというわけを一つ説明して頂きたいと思う。
  18. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 第八条は特に自己又は他人の生命又は身体保護に関し、止むを得ない必要がある場合を除いては、鉄道公安職員武器使用してはならないという趣旨規定であります。勿論只今一松委員から御質疑がありましたように、刑法一般的規定に委ねてもいいわけでありますが、鉄道公安職員本法によつて特にそういう武器使用法を認めるという第七条の規定を設けるために、その鉄道公安職員武器使用する限界を、やはりこの法律自体において一応明確にして、只今たびたび御質疑がありましたように、その濫用等によつて人命を損傷するような不祥事を予防するための、いわば訓示規定として明確にして置いた方がいいではないかというような趣旨に基いて第八条を規定した次第であります。
  19. 一松定吉

    一松定吉君 今あなたの言うことでは尚私は分らんようになる。私のお尋ねするのは刑法の三十六条、三十七条、これで十分だ。然るにこれを拜除して特別に八条の規定を設けるということについて何か特別に事情があるのかとお尋ねするのでありますが、それに対してこういう七条の規定を設けた以上は、この武器使用するについての訓示規定意味において八条を設けられるということであれば、ますますこの法律運用において関係者をして異議を生ぜしめるのです。そのあなたのような御趣旨であれば、第七条の武器使用についての運用に関する説明を、刑法第三十六条、第三十七条に当て嵌めて納得の行くように教えてやれば、それでいいわけです。特に八条というものを設けるから、何か三十六条、三十七条と第八条とは細工があるかのような気持を持つからして、今鬼丸君の言うような議論が出て来る。私はこの八条は当然刑法三十六条、三十七条の規定に包含されておるのでこういうものを設ける必要はない。第七条の規定があつて小型武器を携帶することができるということだけでよい。その小型武器を携帶しておつてどういうものにこれを使用すべきかということは、一々具体的に例を挙げて説明をして聴かせればいいわけです。今あなたの言うように第七条を設けたから第八条を設ける必要があると言うなら、第八条だけでは分らん。汽車の乘務員だとか或いは警察官知識では分らん。この刑法三十六条、三十七条の解釈でさえも專門家が随分これに頭を悩まして研究し慣例もできておる。それにこれよりもつと簡單な八条の規定を設けただけでは、却つて解釈疑義を生じてよくないのではないか。むしろこれは削つて刑法三十六条、三十七条の規定に委したらそれの方か完全だとこう考えるのであるが、どうしてこれをその三十六条、三十七条があるのに、細工的にこういうような規定を設けるか。若しこれを設けたとしてもこれなら危險です。やはり三十六条、三十七条のような詳細な、納得のできるような、解釈疑いのないように規定しなければいけない。こう私は考えるがもう一遍御意見をお願いしたいと思います。
  20. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 曾て暴力行為取締法なる法律案におきましても、正当防衞或いは過剩防衞に対する刑法一般規定では明確にならない場合があるというので、特別にその点に関する規定を設けた先例がございます。法律があるならば実際三十六条、三十七条等によつてかなりその限界が明確になるのでありますけれども、一般の公務員にそういつたような知識を求めることは実際上困難ではないか、疑いを一掃する意味において特別に規定を設けることが必要であり、且つ妥当ではないかというような趣旨に基いて、かような特別な規定が設けられることに相成つておると思うのであります。現に只今申上げました法律以外において、極めて本法案類似性を持つた海上保安庁法において十九条と二十条に、本法案の七条と八条と全く同趣旨規定を設けた次第でございまして、要するに嚴格法理論から申せば、勿論一松委員がお尋ねのような刑法一般規定で賄い得るのでありますけれども、尚かような先例從つて法案も明確にする意味において第八条を設けた次第でございます。
  21. 一松定吉

    一松定吉君 明確になつておらんのでますます不明確になるのだね。一体この八条の規定を今あなたのような解釈をするということになると、刑法三十六条、三十七条の規定があるけれども、それでは解釈もできないようなところがあるんだからとおつしやつたようですが、若しそうであるならばどこが解釈できないか、それを一つ明らかにして貰いたい。私はこの八条のような規定を設けるからその小型武器使用したようなときにいろいろな疑問が起る。例えば止むを得ない必要がある場合を除いては武器使用することができないのだから、止むを得ない必要がある場合ならば武器使用してよろしい。そうすると止むを得ない必要があつたのだというようなことは、その武器使用した人の主観的だけに解釈するのか、或いは客観的にこれは果して止むを得ない必要があつたのであるかどうかということを判断するのか、それによつて過失傷害とか過失殺傷とかいうような問題も起つて来る。だからしてこの八条があると却つて曖昧模糊になつてよくないのじやないかということが私の疑問なんです。むしろこれはなくて刑法の三十六条、三十七条にこれできちんと当て嵌つて、すべての行動がこれで準用ができる。然るにあなたのおつしやるには、海上保安庁法規定はこういうことがあるから、何があるからということで、これを設けることの理窟にはならんです。何故かというとそういうものがあつても、そのことがよくなければそんなものは運用しない方がいい、そんなものは準用しない方がいい。だからして外に規定があるからこれをやるのだというようなことであれば、私共はむしろこういうものはなくて刑法の三十六条、三十七条に正当防衞、過剩防衞というものについては、立派に余すところなく規定され而も解釈も一定しておるのだから、むしろこの方が重要ではないか。然るにこういう三十六条、三十七条のこれ以外に八条というものを設けるが止むを得ない必要があると私は認めるのですというようなことで、発砲して人を殺すというようなときには一体どうなるか。正当防衞になるか、過剩防衞になるかというような点に疑いが生ずるのですから、私の今の疑問が生ずるわけですが、もう一遍一つ三十六条、三十七条の規定と八条との規定を比較して三十六条、三十七条では不十分だ、これだけでは武器使用についての運用ができないのだという、そこを一つ釈明して貰わんと納得がいかない。
  22. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) この根本精神を一応申上げて置きたいのでありますが、先程鬼丸委員からも御指摘なつたように、この小武器の携帶使用というものは人命に重大なる影響があるために、相当使用限界を明らかにしなければならん。というのは人権擁護の根本精神から見て当然生ずる制約であろうと思うのであります。さて刑法三十六条等による過剩防衞若しくは過剩避難は、これは刑法学者或いは判例等においても相当疑問がありますが、殊に必ずしも過剩防衞、過剩避難の具体的な範疇というものは明確にされていないのであります。而も法律の上から見ますると、正当防衞にせよ或いは緊急避難にいたしましても、相当これによつて保護せんとする法益の種類を拡げておるのであります。一般の説にも認めておりますがごとくに、必ずしも権利の擁護という場合に限らず、この重大な利益というものは法益を認めて、そのための正当防衞緊急避難は認めてよろしい。從つてそういう法益に対する過剩防衞とか或いは過剩避難もあり得るということに実はなつております。そこでこの第八条はここに文理解釈が明らかにされておりますように、「生命又は身体保護に関し、」というふうに極めてそれを限定いたしまして、こういう生命身体保護に関して止むを得ない場合には武器使用を認めるというふうに、法理的にこれを三十六条以下の場合に比較するならば、非常に本法の第八条は限定的である。こう申上げて差支えないと思うのであります。要するにそれは嚴にこの小武器使用を制限しよう、そうして人権の擁護を一面においては全うしようという立法精神に外ならないのであります。從つて尚この以外において鉄道公安職員武器使用した場合はどうなるかという問題が起きた場合に、初めて刑法三十六条以下の一般原則によつてこれは解決するということになるのではないかと考えられる次第でありまして、決して第八条はそういう観点から見まするならば、蛇足な規定でも不合理な規定でもないと私共は考えておる次第であります。
  23. 一松定吉

    一松定吉君 そうしますとあなたの今御説明によると、この鉄道公安職員がここに規定してある自己又は他人の生命、又は身体保護に関してでなくて、刑法の三十六条に規定してある自己又は他人の権利を防衞するため、止むことを得ざるために発砲して人を殺した時分には、これはどうなるのですか。これは刑法の三十六条で行くというのですか。
  24. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 刑法一般解釈で行くべき場合は刑法に讓り、第八条の解釈で決まるべき限度においては第八条を適用して行くという考え方であります。
  25. 一松定吉

    一松定吉君 それならば、八条としては正当防衞の権利が縮められておるという解釈になりますか。
  26. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 鉄道公安職員に関する限度においてはそういう解釈も成立ちます。併しながら然らば刑法一般適用が拜除されておるかどうかということになりますると、そこに尚法律上いろいろな解釈が出て来ると思いますが。
  27. 一松定吉

    一松定吉君 つまり私の解釈では、今あなたのおつしやるように生命保護に関して、こちらは権利の保護に関して、三十六条の権利の保護の方が生命保護より範囲が広いというのは、これは異論はないのです。そうすると生命身体保護に関しては八条によるのだが、それより範囲が広くなつたときには三十六条によるのだということになると、この鉄道公安職員正当防衞の権利の行使は狭いのだ、こういうようになるとすると、あなた方の設けた趣旨と少し反対ではないかと私は思うのです。私の解釈では、こういうように狭くしなくても折角三十六条という立派な範囲正当防衞権を認められたものがあるのに、特にそれを小さくこれを分けて、それも窮窟に分けて、そうして身体保護生命保護以外のときには、止むを得ない、緊急防衞のときには三十六条による、今度は生命身体保護のときだけは三十六条の中に入るのだけれども、第八条で処理するのだということになるように思うのだが、それよりもむしろ範囲の広い三十六条をそのまま準用した方が、この鉄道公安職員職務を執行する上においてむしろいいんじやないか、こう私は思うのだが、そこをもう一ぺん一つ明らかにして下さい。
  28. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 先程衆議院法務委員長からも具体的な事例について若干申上げましたが、一般警察官拳銃使用による事故というものは、大体が過失が多いのであります。併し中にはいわゆる威嚇発砲というものが程度を超えて人命身体を損傷するという場合も生じておるというのが現況であります。そこで鉄道公安職員にかような過ちを再び、少くとも小銃器の濫用を起させない、それを防止するというためには、一応この使用を認めた本法においてその限界を明らかにするというのは当然であろうと思うのであります。さて刑法一般規定に委ねるということになると、先程も申上げた通り、又一松委員も御指摘通り極めて広く使用することができる。具体的に申上げるならば財産の保護のためにもときには拳銃使用することができるということになる。そこで本法の第八条では生命身体というものに限定いたしまして、成るべくそういつたような重大な法益を保護するために、止むを得ない場合に一応限定して置く。よつて以て濫用される機会を少くしようというのがこの法案趣旨ですが、若しこれを刑法一般の原則に委して置くということであるならば、これは財産保護のためにも武器使用するというような事態が事実上多くなるのではないか。さようになれば必然的に濫用されて、人権侵害というような不祥事を惹起する場合も多くなるのではないかというのでありまして、要するに一松委員の御見解では、第八条を削つた方が警察官は非常に広く武器使用することができるのではないかということに帰著いたすのでありますが、それでは極めて濫用による不祥の事態が発生する機会が多いのではないかというようなことを恐れて、かように第八条に基いて成るべくそれを制約するという趣旨でこの規定を設けた次第であります。
  29. 一松定吉

    一松定吉君 そうすると三十七条の過剩防衞というようなことは、この鉄道公安職員使用に関しては規定が必要ないですか。
  30. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) これは刑法一般問題に委して解釈すべきことではないかと私は考えます。
  31. 一松定吉

    一松定吉君 そうすると過剩防衞のときとかいうのは三十七条の一般に委せる。そうでないものは三十六条に委せられないで、八条の規定が必要だと、こういう御趣旨ですか。
  32. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 刑法一般規定に委せても一応いいというような見解もありましようが、今申上げましたように鉄道公安職員武器使用を嚴に戒めるというために、第八条による訓示的な規定を設けたのであつて、その意味においては刑法一般原則の範囲内において特にかような制約的な規定を認める理由がある。刑法以外に拡大するということであるならばこれは勿論不合理なことでありまして、許されべきではないと思うのでありますが、第八条以外の刑法一般解釈によつて解決さるべき分野もあるということは、これは法理的に当然生ずる問題であろうと考えます。
  33. 猪俣浩三

    衆議院議員(猪俣浩三君) ちよつとそれに関連して。一松委員の主張なさる刑法規定は、これは違法阻却原因という方から規定されておるものであつて、私は、立法の狙い、立脚点が違うのじやないか。この公安職員の第八条は公安職員武器使用する場合のことを訓示的に指定したものであつて、これは両方があつても矛盾はしないし、又煩雑でもないこういう場合に限つて武器使用していいという武器使用の条件を出した刑法規定はこれは違法阻却の行為が現われた場合に、その違法阻却原因、だから立法の狙い所が違つておると思うのであります。でありまするから内容は同じ問題が起つて来ても、立場が違つた規定と我々は理解しておるのであります。
  34. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 いろいろ御高説を拜聴したのでありますが、只今提案者の説明に從いますると、第八条は公安委員に対する訓示的規定だという御説明であります。併しながらすでに法律を以てこの規定を設け公布いたしました以上におきましては、対内的の効力のあるものではないのです。言うまでもなくこれがやはり法令行為刑法三十五条による一つ法令行為となつて罪の性質を阻却する、対内的な規定なんというものが私は一般を拘束する筈はないと思う。それでこの規定は若し対内規定のためであつて一つ訓示規定だなんというふうに考えられましてはとんでもない間違いではないか。国民一般を覊束する法律を制定して公布いたしました以上は、この法律にはひとり公安委員のみならず、国民全体がこの法律に從わなければならない。国民を覊束いたしますることは言うまでもなく、いわゆる対外的の効力がありまする行為である。只今委員の方より御説明がありましたが、罪の阻却に対しまする正当防衞或いは緊急避難犯罪の成立を阻却するものは独りそれに限りませず、法令行為であり、又罪の阻却を成立いたしまする刑法の三十五条によるいわゆる法令行為というものが、この規定が出まするならば、すでに八条が制定されました以上におきましては、この条件を備えました行為によつて生じます殺傷事件についてはそれは責任を負わない。從つてこれに対する一つの超過防衞若しくは超過傷害、その場合に対しまする責任も又負わない。いわゆるこの規定ができまする限りは、言うまでもなく刑の執行、いわゆる死刑を執行いたしましたことと同等に法律は取扱うものだと私共は解釈いたします。すでにこの法規が明文を以て定められました以上におきましては、これを対内的効力があるというようなふうに軽々に考えたらばとんでもない誤りであると特に申上げたい。現に八条にありまするその職務を行うに当つて、特に自己又は他人の生命又は身体保護し、止むを得ない必要があると認めた場合においては殺傷してよろしいということになるのであります。よろしいということを法律が認めました以上はそれは正当行為である、言うまでもなく法令による正当行為である、そういうように私共は解するのであります。その点訓示的の規定があることによつてその訓示規定が国民全体を覊束いたしますることになりますならば、例えば鉄道公安員或いはその他の警察官が、上司より訓示を受けてその訓示に基いてなしたる行為によつて国民に害を與えた、それが有効に国民に適用されるという道理はない、訓示的規定なんというものが国民を覊束するというようなことは絶対にあり得ない。況んや過剩の場合におきましては、この規定がありまする場合においては過剩の行為に対する責任の追及はできない。この条件さえ充たしておきまするならば、よしんばそれが超過いたしておりましようがその場合に加えた急迫不正の侵害の軽重があるといたしましても、その分についての責任がない。かように存じておりますのみならず、私は二十三年の百三十六号の法律、即ち警察官等職務執行に関しまする法律提出いたしましたときに、その聞くところによりますれば恐らく両院はこれを承認することは到底できないであろうというところの考えを持つておつたということを聞いております。殊にこの鉄道公安職員に関しまする法律は極めてすつきりしておりまするが、ところが丁度大蔵委員会に今提出してあります関税法の一部改正に関します法律案の、やはり本条と同一なる規定を見ますると、いよいよ以てむずかしく書いてあります。分りにくいのでありますが、只今説明のあのましたいわゆる対内規定である、訓示的規定であるという趣旨に対しまする私の私見に対しての御所見をこの際承わりたいと思います。
  35. 一松定吉

    一松定吉君 一緒に答えて貰いいたいのですが、今の委員、どなたでしたか名前は存じませんで恐縮ですが、刑法の三十六条は違法阻却の規定である、八条はそれと違うのだという御説明がありましたが、それで今そういう御説明をなさつたからあなたに特に伺うというわけじやないのですが、これは政府委員からお答えして頂けばよろしいのですが、今のような解釈一つは違法阻却の規定であり第八条は職務執行に関する規定だということになると、今鬼丸君のような説明ができる。第八条の止むを得ない必要がある場合には武器使用することができる、こういうことになる。必要ある場合を除いては武器使用することができんということは、半面からいえば必要があるときには武器使用することができる。必要のある場合に武器使用するということを認められた以上は刑法の三十五条のいわゆる正当防衞権の行使ということになつて、それによつて人を殺害しても犯罪は成立せんということになるのですから、この三十五条と八条の規定を比較してみると、今のような三十五条は違法阻却であり八条は云々という解釈は成り立たん。だからして八条の規定生命身体保護に関して止むを得ない場合に武器使用することができる、こう解釈する。武器使用することができたときには、三十五条の法令又は正当の業務によりなしたる行為はこれを罰せずということになるのですから、八条の規定だけではすぐに三十五条の原則的な正当防衞権の行使になつて、三十六条とか三十七条という解釈の余地がなくなる。それで今鬼丸君の疑問は私も賛成でありまするが、そういう点について明確なお答えを願いたい。即ち質問をもつと明らかにいたしますならば、八条の規定によつて武器使用した場合は、刑法三十五条の法令によりなしたる行為に当るのか、それならば三十五条の規定によつて当然無罪。武器使用したけれどもそれがいわゆる正当防衞になるかならぬかという、過剩防衞になるかならぬかというような問題を三十六条三十七条で解釈するのだということであれば、今三十五条の規定によつて当然正当防衞というような疑いを生ずるような八条は設けん方がいいということになる。その辺を一つ説明して下さい。
  36. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 尚、その説明のときに御説明を願いたいと思います。刑法三十六条によりまして急迫不正の侵害による鉄道公安職員に対しまする場合に、正当なる行為による場合であつても尚且つこの規定によつて殺害してもよろしいのだ、いわゆるこれは正当防衞と違うと思うのであります。特に正当防衞であります「急迫不正ノ侵害ニ対シ」それを除いただけが違うのであります。不正でなく正当なる行為に対しまする場合におきましても殺傷して敢えて法令上のこの規定によつて罪でないか、これはどうして一体そこまで乘越えて飛躍的に行かなければならんという理由がいずれにあるのでありますか。正当なる行為である場合であつても、少くともその生命身体保護することについて止むを得ないことができたときには正当なる行為であつても尚且つそれを殺傷して罪となることがいいのかどうか。それも合わせて御説明を願いたいと思います。
  37. 北村一男

    委員長北村一男君) ちよつと一松委員にお尋ねいたしますが、御質問のうちに政府委員の答弁を要求するというお言葉もございましたですが、この法案衆議院議員提出でありまして、只今ここにおいでの方は衆議院法務委員長を初め法務委員方々でございますから、先刻お答になりましたのは猪俣委員がお答になりましたが、猪俣委員から只今の御質問に対してお答を頂くことにして差支えございませんか。
  38. 一松定吉

    一松定吉君 結構です、誰でもいいから疑いを解いて頂ければ構いません。
  39. 猪俣浩三

    衆議院議員(猪俣浩三君) 私は立法の、狙い所が刑法のそれとこの八条とは違う、刑法は或る犯罪行為と見受けられる行為があつた場合には違法を訴却するという観点から規定されておるのであります。第八条はこういう場合に限つて武器使用する、こういう場合は使用してはならんという、してはならんというこの公安官に対する一つの命令、こういう場合には使用していい、こういう場合には使用してはならないということを規定した、それを越えて三十五条以下のものとどう関連あるかは、これは一般刑法の観念で行つて差支えないところであり、この八条があるがために刑法規定が訴却されるようなことはないと思う。八条の規定があるために刑法三十五条以下が何かこう拜斥されるような点があれば、皆さんが御心配するような状態が起ると思うのでありますけれども、ただこういう場合には武器使用してはならないという観点からのみ規定したのであつて一般の違法訴却原因があるとかないとかということを規定しておるのじやないというのが私共の趣旨であります。そこで今さつき佐瀬委員のお答えもございましたように、防衞について非常に制限されておる点が一つあると共に、尚発砲して他人を殺傷したときのみ違法訴却の問題が起つて来る。但し発砲したために他人を殺傷しないようなことであつても、それはこの八条があれば八条違反になる。そういう点からいうと刑法の違法訴却原因よりも尚取締が嚴重になつておるとも考えられるのであるから、これは武器使用の方面から書いたものであつて刑法一般原則と何ら矛盾していないし、それを拜除しておるものじやないというふうに御了解を願いたいという意味で申上げたのであります。
  40. 一松定吉

    一松定吉君 それならばあなたにもう一点お尋ねいたしますが、そうするとこの八条は武器使用することの必要のある場合は使用してもいいということになると思うのでありますが、そうなりますね。そうするとそれと刑法三十五条の関係はどうなりますか、それを説明して下さい。
  41. 猪俣浩三

    衆議院議員(猪俣浩三君) それと刑法とは、僕は刑法の三十五条と矛盾対立しておるものじやないと思うのであります。あなた方が矛盾対立しておると言うことが我々にはどうもよく分らない、矛盾対立しておるのじやない。そうして刑法の三十五条以下を適用するには、それが止むを得なかつたかどうかというようなことを審議して、そうして初めて刑法の三十五条以下の問題が出て来ると思うので、狙いはこういう場合以外は使つちやならんという一つ意味において、訓示的であるから国民が守らなくともいいものを作つたわけでもない。ただ武器使用に対して公安官に対する一つのそういう命令をこの法律で出しておる。こういう場合以外は使つちやならないという命令を出しておるわけで、刑法規定と私は関連せしめる必要がないと思う。これは過剩防衞なり、或いは越権行為があつたりする場合にはよろしく刑法の原則に從つて処断されるべきである。何も矛盾していないと私はこう考えます。
  42. 一松定吉

    一松定吉君 矛盾していないと言うから尚私は非常に危險法律だと言う。この八条の規定刑法三十五条の規定と矛盾していないということになると、これは八条によつて武器使用した場合には三十五条の法文によつて正当防衞権の行使であるということになり、矛盾しておるということになると、八条の規定武器使用して人を殺した場合に、それが直ぐに三十五条の正当防衞にならんというようなときに矛盾しておるということになるのだから、あなたの言うように矛盾しておらんということになると、八条の法令によつて認められた行為によつて人殺傷した、それは三十五条と矛盾していないことによつてその行為正当防衞だということになると大変危險です。あなたの言うように矛盾しておるとかおらんとかというお言葉は、今私の言う言葉が違うのか、或いはそうでなくてこの八条の規定があつて刑法正当防衞規定と互いに照し合わせて合法的に解釈するのだという意味のことか、その点がよく分らんが、矛盾しておらんということになるとそれは正直に解釈すると、この八条の規定によつて人を殺した、法令による行為である、だから三十五条の法令によつてなした行為はこれを罰せずだから正当防衞だということになる、そこはどうですか、それを説明して下さい。
  43. 猪俣浩三

    衆議院議員(猪俣浩三君) そういうふうにこの八条を規定したのじやないと思うのであります。
  44. 一松定吉

    一松定吉君 解釈がそうだということであります。
  45. 猪俣浩三

    衆議院議員(猪俣浩三君) それは「武器使用してはならない。」というところで、使用して殺傷した場合が起つたときには刑法規定によつてこれを考えなければならん。
  46. 一松定吉

    一松定吉君 使用して人を殺した場合にはこの法令の規定によつて刑法で罰するということになると、この法令で行なつ行為は二十五条の規定によつては罰せんという規定がありますよ。この八条は法令ですよ、この法令の規定によつて発砲した、そうして人を殺したのだ、そのことは刑法の三十五条の規定によつて罰しないことになる、これはどうなるか。それは八条の規定、法令の規定です。
  47. 田嶋好文

    衆議院議員(田嶋好文君) 今いろいろ御質問がありまして、衆議院委員会の方でお答え申上げておりますが、こういう解釈問題は主として佐瀬委員が当ることにいたします。予め御了承を願います。  私はその第八条と刑法の三十五条、三十六条、三十七条の解釈問題につきまして、これを論ずる前に一応武器というものにつきまして、武器というものの性質、何がために今回鉄道公安職員武器を持たしたか、これをもう一度、委員長説明もありましたが詳細に亘りませんので御説明申上げまして、それがおり分りになりますとこの八条の規定がなぜ生まれたかということが御了解願えるのじやないか、こう思うわけであります。  御存知でありますように第七条によつて特に小型武器を持たしたといいますことは、国内治安の今後の見通し並びに国際情勢の今後の見通し等からいたしまして、私達は一応鉄道公安官に対しましても小型武器を持たせなければならない、こういうような考えも織込んでおるのであります。例えば現在の鉄道公安官がダムを防衞しているような場合を目撃します。関門トンネルを防衞するような場合を御想像願います。これはまるつきり無手、ただ人間がそこに立つておるに過ぎない。ところが今後こうした重要地点を鉄道公安官が防衞するような場合には、空手では防衞するということが予想できないのでありまして、どうしてもここに一定の防衞と同時に相手への攻撃、ただ單なる一個人の防禦でなくして、この大きな物件の破壞に対する防禦というような場合が予想されるのであります。これがここに小型武器を持たせなければならないというやはり大きな原因になつておるのであります。して見ますと武器というものは一個人の権利、身体を擁護するというその場合の武器よりも、もう少し公安的な国家秩序の公的な立場においてこの武器の御解釈考えて頂かなければならんと思います。この武器は擁護すると同時に武器であります以上は多少攻撃というものが考えられます。防禦と同時に攻撃が考えられなければなりません。併しその場合に鉄道公安官に攻撃まで含めて武器を持たすのか、相手を攻撃する場合にその武器を使つていいかどうか、これは大きな解釈上の問題が起きて来るのであります。若し第八条の規定が設けられるといたしますと、そうした趣旨の下に鉄道公安官小型武器を持たしたことになりました以上、その使用の制限は如何なる範囲使用していいか、恐らくこれは持つ者自体が相当苦慮する点じやないか。して見ればやはり武器の性質上、立法の性質上、どうしてもここに武器使用に対する一つの法規を設けんことには、この法律法律としての形体をなさない。法律としての形を十分生かして行くためには、精神を生かしてこの法の運用を全からしめるためには、どうしでも一つ武器というものがここに存在します以上は、使用に対して明確な規定を設けてやらなければいかないというのが、今回第八条の説明であります。  尚これは私の趣旨説明でございまして、この趣旨がお分りになりますれば、おのずから解釈問題の落ち着く先も分るのじやないかと思います。尚解釈につきましては非常にいい何がここに書かれているのでございますから、尚佐瀬委員から十分説明をして貰いたいと思います。
  48. 一松定吉

    一松定吉君 今あなたの御説明ですが武器を持たせなければならない必要を私は千も万も承知しておる、その通り結構です。それならば今八条の規定をお設けになることも結構だが、この八条をこのままの規定では、今我々が言つておるように三十五条三十六条三十七条の適用について疑問が起るのです。だから疑問の起らないような条文にこの八条をもう少し修正をして頂くとすれば異論も何もないのです。この八条がこのままであるが故に刑法第三十五条の疑問が起つて来るのです。この八条の規定を設けるのがいいとか惡いとかという問題ではないのでありまして、ただこれだけでは刑法の総則の正当防衞規定とどうもじつくり合わないところがあるのです。そういう必要によつて使用させるならばさせるような、疑問を起さないような条文を規定することがよくはないかということを最後に申すつもりで今疑問を発しておるのであります。だから八条の規定が私をして言わしむればこれは不十分だというのです、結論すれば。その点についてお答え願えればいいのです。
  49. 田嶋好文

    衆議院議員(田嶋好文君) その点につきましてはよくこれが法規として整備せられることが私共の望むところでございますから、敢て衆議院委員会にいたしましてもよくなることに異議を挾むものではございません。どうか御愼重審議の上法の改正等をして頂きますことを望むものでございます。
  50. 一松定吉

    一松定吉君 よく分りました。そういうようであれば私共これをどこまでも生かして本当に効果的な、而も法律解釈に疑問のないようにこれを完全に一つ修正をいたした方がよかろうという考えを持つておりますので、あなたの意見と一致いたしますから、この点については又第二読会第三読会で申上げることにいたします。
  51. 北村一男

    委員長北村一男君) 鬼丸委員の御質問に対するお答えを。
  52. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) この第八条が訓示的規定であるということと、刑法三十五条の関係がどうなるかという点については何ら矛盾するものではないと申上げたいのであります。訓示的規定であるが故に鉄道公安職員はこれだけ守ればいいというのでは断じてないのでありまして、すべで憲法以下それぞれ、法令の命ずるところに從わなければならんのは当然であります。又国民もそれに服從する、国民の作為不作為が要求される場合はやはり同様に覊束されるものである、これは法律一般性から見て当然であります。  さてこの八条に基いて鉄道公安職員武器使用した場合は、刑法三十五条の法令による行為であるかどうかということにつきましては、これは勿論第八条に基いた行動はやはり法令による行為であり、刑法解釈においては何らさように解釈して矛盾はないと考えます。ただ然らばそれが当を失した場合にはどうなるか。御承知のように刑法三十五条には、三十六条以下の過剩防衞とか過剩避難に相当する規定はないのであります。併しながらこれは刑法の理論としてやはり三十五条の正当行為もそれが当を失しているという場合には或いは訓示内容として犯罪になり、或いは又超過行為であるということであるならば過剩防衞等に準じて解釈すべきものというように定説がなつておるように私は承知しております。でありますから三十五条の適用によつて本法第八条による行為は当然刑法の問題になつた場合にはさように規制されて行くものである、かように解釈して差支えないと思います。ただ問題は先程も鬼丸委員指摘されたように、急迫不正の侵害という文字がこの第八条にはないのに、鉄道公安職員がただ自己又は他人の生命又は身体保護に関してやつた場合はどうなるかという御疑問は、これは一応御尤もであると思うのであります。併しながら大体これは鉄道犯罪捜査の過程における出来事であります故に第八条は「この職務を行うに当り」ということを謳つております。然して又一方においては「やむを得ない必要がある場合」というふうに限定しております。つまり鉄道犯罪を行うものがある場合にこれを捜査するに際して「やむを得たい必要がある場合」というふうになるのであります、この字句の意義についてはこれ又相当いろいろな疑問があろうと思いますが、やはりやむを得ない必要性ということはただ拳銃を行使する、その外に手段がないというような意味に限るべきではなくして、やはりこれも判例、学説等ですでに明確にされておりますように、いわば武器使用することがその具体的な場合において相当である、いわゆる相当性がなければならんというふうに相成ることと考えるのであります。要するに犯罪捜査に当つて、而も生命身体という重大な法益を保護するために尚且つ必要性があり、而もそれが相当であるという場合に限つてこれが武器使用が許されるのだということになり、それが実質的にはやはり刑法の問題になつた場合には三十五条或いは三十六条等の正当行為なり、正当防衞なりに概念的には一致すべき場合が多い。併しそれは先程猪俣委員も言いましたようにそれが犯罪になるや否や、公安職員の行動が犯罪になるや否や、この違法性を阻却するや否やいう問題に当面した場合に、それが初めて起る問題でありまして、第八条はそういう場合の起らないように、嚴に武器使用を一定の基準によつでなさなければならんという訓示的なことを海上保安庁法等と相並んでここに明確にしたというのが、この第八条の立法趣旨である、かように御了承願います。
  53. 北村一男

    委員長北村一男君) よろしうございますか、それで。
  54. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 はい。
  55. 一松定吉

    一松定吉君 もう一つだけです。今佐瀬さんのお話よく分りましたが、あなたの今の見解で八条はいわゆる刑法三十五条の法令による行為だとこれをお認めになつた。そうするとそこで私は、八条の規定で発砲したような場合に人を傷害をしたとか、殺人をしたとかいう事件は、三十五条で正当防衞で無罪であるというようなことではいけないから、そうかといつて三十五条の規定を今この公安職員の銃器携帶について改正はできないのですから、三十五条の原則は大原則だからこのままにしておいて、三十五条の規定に嵌まらないように違法とか或いは越権とかいうような場合には、八条をもう少し疑いの起らないように修正をして、そうしていろいろな疑問を解くことがよろしいというあなたのお隣りの委員の方からのお話もあつて、私も賛成したのですが、あなたもやはりそういう御意見ではありませんか。
  56. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 私共はこの規定を、十分一松委員の御疑問を予防し得る、又これで運用に過ちなければ妥当な法であるというように考えたのでありますが、尚参議院法務委員会の方でさような点について愼重に修正されようというならば決して異議はございません。
  57. 一松定吉

    一松定吉君 委員長質問は終りました。
  58. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 一点だけ、この刑法の三十五条中にありまする正当行為をこの中から特に除きました趣旨はどこにありますか。急迫不正の侵害が正当防衞の条件になつております。この八条によります場合には正当、不正に拘わらずこの条件がある場合には直ちにそれが法令行為になります。正当なものを特に除いた趣旨はいずれにあるや否や、これが第一点。  尚私共は提案者の方の説明なさる各委員衆議院法務委員会の各委員であるということは存じ上げなかつた、それ故質問が少しどうも外れた嫌いがございます。言葉の過ぎました点はこの際お詫びいたしておきます。
  59. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 先程も一言申上げたのでありますが、三十五条によるのは正当行為であつて、三十六条以下が正当防衞に当るわけであります。第八条に基いた場合は一松委員も御指摘されたように、これは法令による行為というふうに刑法上は問題になると思います。ただ鬼丸委員がこの八条において正当行為に対する武器使用が許されるかどうかという点を御疑問になつておるように存じますので、その点を御説明申上げますが、これは先程も簡單には申上げたのでありますが、要するに本法鉄道犯罪に対する公安職員職務執行でありまして、それ以外の場合は違法であり侵害であるということは当然であると思います。この鉄道公安職員がその捜査上、生命身体保護上止むを得ないという場合だけに武器使用を限定する。でありますから決してこれは無条件にすべての正当行為に対してまでも武器使用を許すというのでは断じてないのでありますから、その点も御了承願いたいと思います。
  60. 北村一男

    委員長北村一男君) よろしうございますか。
  61. 鬼丸義齊

    鬼丸義齊君 よろしうございます。
  62. 一松定吉

    一松定吉君 そこで佐瀬さんに伺いたいのですが、第八条の「やむを得ない必要がある場合」というのは主観的でしようね。発砲するその人が俺は止むを得ないと認めたときですか、或いは警察官等職務執行法の第六条に「已むを得ないと認めるときは、合理的に必要と判断される限度において」という条件がありますね、これは客観的に合理的と判定できますね。この八条の方の「やむを得ない必要がある場合」というのは、主観的に自分だけがそう思つて発砲すればこれでよいのですか、そこはどうなつておりますか。
  63. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) これは解釈問題でありますが、要するに止むを得ないというのは、武器使用することが客観的諸条件の上に立つて見て相当であるというふうに、これは客観的に決まるべき問題であります。ただその客観的に決まるべき問題を、鉄道公安職員がその場合に当るのだという判断の上に武器を行使することになりますから、その行動の際の判断は勿論主観的だ、併し判断されるのは客観的に決まるのだ。
  64. 一松定吉

    一松定吉君 相当というのは犯意論ですね、犯意がなかつたということになりますか。俺が丁度止むを得ないと思つて発砲した、この場合犯罪の意志はないのですね。そうして見ると犯意がないから犯罪は成立せんということになる。どういうふうになるか。この解釈だけでは犯意を阻却することになると思うかどうか。
  65. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 刑法一般理論に從えば二つの解釈がある。犯意論、いわゆる誤認したのだ。誤つた認識をしたのだからそこに犯意はないという行き方は要するに違法性を阻却する問題です。違法性というのは客観的な価値判断の問題である。であるから止むを得ないと判断して不当にその枠を出た行為は、法の全精神から見て違法であるというふうに、今度は客観的な問題として取扱われる。犯意論は主観的な問題でありますけれども、違法の問題としては客観的な問題として取扱われるというふうに二本建てになつておるのであります。これは恐らく一松委員もしばしば法廷で御論議なさつた点だと思います。
  66. 一松定吉

    一松定吉君 それならばそういう疑いの起らんようにもう少し修正した方がいいのではないか。
  67. 佐瀬昌三

    衆議院議員佐瀬昌三君) 私共も可なり苦心したつもりでありますが、参議院法務委員会において尚よいお考えがあるならば、是非これに御修正願いたいと思います。
  68. 一松定吉

    一松定吉君 質問終り。
  69. 北村一男

    委員長北村一男君) もうよろしうございますか。  それではこの両法案については明日午後一時から委員会を開きまして更に続行いたしたいと存じます。  本日はこの程度で散会いたします。    午後零二十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     北村 一男君    理事            鬼丸 義齊君    委員            佐藤 義詮君            鈴木 安孝君            長谷山行毅君            山田 佐一君            棚橋 小虎君            岡部  常君            一松 定吉君   衆議院議員    法務委員長   安部 俊吾君            佐瀬 昌三君            田嶋 好文君            猪俣 浩三君