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1950-11-17 第8回国会 参議院 文部委員会 閉会後第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十七日(金曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○教育文化施設及び文化財保護に関す  る一般調査の件  (地方財政平衡交付金及び地方公務  員制度に関する件)  (ジエーン、キジア台風による教育  施設災害復旧費に関する件)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではこれより文部委員会を開会いたします。  この前に皆様にお諮りいたしまして、文部委員会において取上げました特飲街の問題、これが非常に教育上及ぼす影響が重大だと皆さんがお考えになりまして、連日に亘つて実情視察なり、又証人喚問に当つて御努力頂きました結果、政府当局といたしましても、現在の法に欠陷不備を認め、将来に備えて再びこのような問題の起らないよう十分な考慮を拂うことを約束いたしましたし、又当面の問題といたしましては、東京都なり又業者が寄つて善処する見通しもついたと思いますので、本委員会が取上げましたこの問題も非常に効果を奏し、将来に悪影響、又悪例を残さないよう、将来に不安が起らないような好結果を認めたいと思いまするので、一先ず先般取上げましたこの特飲街の問題は一応ここで打切つて更に情勢の推移を見た上で再び我々これに対して努力するということにいたしまして本日は直接の問題である財政面予算その他災害面のことについて御審議を願いたいと思いまするが、如何でしようか。
  3. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちよつとその点について……、これは今後の委員会のあり方にも関係しますので、一応お伺いして置きたいのですが、あの特飲街の問題を四日間やつて阻止でき、今後どういう立法をすればいいかというヒントを得たということは、私は今結果的に効果的だつた考えるのですが、あの審議の過程において感じたことは、東京都の責任者実地見聞もやつておらないし、都議会としても取上げていない一つ行政の問題を、立法府である国会が取上げて行つたというのはちよつと先走つているのではないかという感じを受けたのです。それで立法府として見たところ、地元の人が、或いは区とか、或いは都とか、そういう方面陳情してもできない。もうどうしても地方自治団体で取上げないから、これは国会のほうでやつて頂かなければできん問題だというので取上げたのかどうか。その取上げ方に私は今後のこともありますので、疑点があるように思いますが、委員長の見解はどうですか。
  4. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 私からお答えいたしますが、国会立法府であると同時に、国権の最高機関として立法が正しく行われているかどうかということも観察しなければならないし、又それに対して監督もしなければならないし、是正もして行かなければならない。と同時に国会国民の代表として国民の声を聞いて、それに副うて取上げることも必要であろうと思います。そういう意味において実地の視察もし、今後の問題に対して不備の点は改正しなければならないという意味で、文部委員会陳情を受けて起ち上つたのであります。それでありますから、行政府に干渉したというのではなくして、国会があらゆる面に監督の立場にあというふうに考えたので、それで皆さんの御賛同を得てこの問題を取上げたわけでございます。   —————————————
  5. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは災害復旧なり、予算の問題について御質疑頂きますか。或いは政府当局から、この予算説明を先にして頂いて、それから御質疑をお願いしますか。
  6. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 一応説明をして頂きたいと思います。
  7. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは会計課長司令部行つておられますので、平衡交付金の問題から先に御質問願います。
  8. 岩間正男

    岩間正男君 この平衡交付金教育費の面、こういう問題について最近地方財政状況なら考えて取上げて行かなければならん問題がありますが、文部省では最近のそういう状況をいろいろ掴んでおられるかどうか。地方財政の面から、殊に平衡交付金の面からいろいろ起つておる問題について掴んでおられるかどうか、政府に伺いたい。
  9. 辻田力

    説明員辻田力君) お答えいたします。平衡交付金関係は御承知通り本年度予算としては千五十億ございますが、その中で一〇%は保留してございますので、結局その千五十億の九〇%、地方税予定は千九百億といたしましてそれの七〇%、これを合計いたしますと約二千二百八十億になりますが、この二千二百八十億を枠といたしまして各地方へ出ております基準財政需要額を査定しておるわけでございます。で教育費について申上げますと、教育費総額は約九百十六億でございまして、只今の二千二百八十億から計算すると約四〇%になつておる次第でございます。その九百十六億のうち七百二十六億がこれは義務教育費に関する費用として認めてあるのであります。  大体これが大筋でありますが、私達が地方方々に会い、又地方方々からいろいろお話を承わつておるところによりますと、この義務教育費については概括的に言つて概ね妥当である。併し高等学校教育費、それからその他の教育費については著しく困つておるという陳情の声を聞いておるのであります。我々のほうでもこの点については一応それで事情承知しておるのであります。義務教育費につきましては地方財政委員会等におきましても特別考慮してくれたのでありますが、高等学校及びその他の教育費についてはこれは十分なことができていないのであります。併しこの点は、先ほど申しましたように、地方税余裕分と申しますか、全額地方税徴收できるといたしますと三〇%の余裕財源がございますので、その余裕財源の問題と、それから平衡交付金のほうの残りの一〇%、特別交付金のほうの一〇%を財源といたしまして調整することができるということに大筋としてはなつておる次第でございます。
  10. 岩間正男

    岩間正男君 今お話のは大体今までもお聞きした予算の概括、そういう点については別に議論するあれもないのでありますけれども、最近例えば武蔵野あたりに起つている問題として平衡交付金最初の、恐らくまあ交付が五千万円あるだろうとこういうわけで、五千万円予算に組んだわけです。それに対しまして今まで二千五百万円交付されたわけですね、前に。あれは地方税が通つていないために事前にやつたわけですね。ところが実際その後臨時決定を見たところによると、四百五十万円と、とんでもない全体の見積りの十分の一にも足りないところの四百五十万円、そういうことのために二千五百万円すでに交付したのを二千万円を返えしてくれと、こういう問題が起つているのです。ところが又地方税の中で問題なのは地方税徴收の問題だと思いますが、これまで武蔵野あたりで第一期がまた五〇%しか集まつていない。そこで財政の、税收が相当減額されているのですが実際やつて見ると財政の、税收のほうではこれは非常に最初の見込よりも下廻つている。従つてそこに大穴がある。もうぎりぎりどころじやない。とても今やり繰りがつかないというところへ、二千万円の還付請求政府から受けている。こういう形が起つている。單にこれは武蔵野のことだけでなくて、私の歩いて見ましたところでは仙台あたりでも同じようなことが起つております。そうしますと、この結果いろいろな面の交付金を配られるということが、例えばそういうものがどこに転嫁されるかというと教育費のところに転嫁されて行く。教育費が先に行くと拂えないという事情がすでに起りつつある。こういう現状なんです。これに対して今度の平衡交付金増額の問題が、今補正予算の中で地方財政委員会のほうから出されておるわけなんですが、これをこの前予算委員会で私は調査して見ますというと、これはいろいろな法改正とか、そういう臨時措置、或いは災害とか、そういうものに対する臨時措置の点だけやられているわけなんですね。併し臨時措置の問題だけでなくて、問題になつているのはすでにこの予算の面で、組んでいる面ですね。通常の予算の面でもそういうような税收が十分にないという、そこへ持つて来て平衡交付金配付が予想に反して非常に少いという、こういうことのために大きな欠陷が出て来た。これを教育費に転嫁されている。これを文部省が掴んでおるかどうか。これは地方交付金を以てするのか。農村における教員給與の不拂いという問題の一歩前まで行つているわけですね。そういうことに対してどういう措置をとられているか。これは非常に重大な問題だと思います。
  11. 内藤誉三郎

    説明員内藤誉三郎君) 只今岩間委員お話によりますと、全体で五千万というお話がありましたけれども、国のほうでは、こういう事態は全国的に相当起きておりまして、私のほうでも今各府県調査をいたしております。府県基準財政需要額がどういうふうになつて平衡交付金がどれだけ府県行つたか。教育費を具体的にどういうふうに見積つたかという資料を全部集めております。それから尚市町村別に今調査を進めておりまする、本年度教育費基準財政需要算定の方法がいいか悪いかというような点も検討を進めておるのですが、一方只今岩間さんからお話がございましたように、地方税が未決定になつておりましたので、取敢えず四百五十億の概算拂いをいたしたのであります。それが従来の配付税基準にいたしましたので、行き過ぎのところと、足らないところと、こういう点がございましたので、そこで町村のほうは大体、殊に町村でも山間僻地のような町村には多少行き過ぎになるような傾向がありまして、市とか大都市に至つては、平衡交付金を余計に引揚げなければならない。こういう実情になつておるのでありまして、そこで問題が起きておるのであります。併し大体平衡交付金行き過ぎになつておるところでは、財政力の豊かなところが大部分のようであります。で、この問題をどういうふうに調整するかということにつきましては、地方財政委員会ともお話合いを進めておるのですが、まだ具体的な線まで行つておりませんが、或る程度は本年度基準財政需要額算定の仕方が、資料がないために、これは教育費だけではないのですが、全体につきまして相当無理がありまして、地方財政需要を完全に捕捉するような測定單位なり、測定費用というものができなかつたと思うのです。その点から特別平衡交付金といたしまして、千五十億のうちの一割が留保されておりまするので、この一割の財源によつて或る程度調整はできるかと思うのであります。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 大体その点はこの前地方行政委員会のとき財務局長もそういうような答弁であつたのです。特別平衡交付金ですね、これで何とか調整できるだろうというお話つたのですが、どうもその点これは実際執行して見なければ分らんのですが、税收が非常に意外に取れていないようですね。新聞なんかで見たのですが、東京なんか七五%で、二五%余り足りない。第二期、第三期にはもつともつとひどくなつて来るわけなのです。それから都市のほうは比較的財政の豊かなところだということを今お話になりましだけれども、これもなかなかそう行かんと思います。最近なかなか追詰められて、金詰りがひどいから、一応これはこの前の配付のときの基準が非常に大きな問題となつて来るわけでございます。こういう問題についても十分検討しなければならんでしよう。そこに教員給與の不拂いの問題と、もう一つ考えられるのは、ベースアップの問題ですが、べース・アップ財源をどういうふうにしてこれは求めるかという問題です。それから年末手当。この教員の年末手当の問題をどういうふうに求めるか、これは平衡交付金の中からやる。少くとも今までの、従来の例から考えまして、半額見積るということをしなかつたならば、これはとても地方負担になつて、この問題の解決はつかない。そういうふうになつて来ると、この問題は文部省にもう少しイニシヤチイブをとつて貰つて調査の面については全般的に地方行政委員会もなかなかまとまつていないということを聞いておりますが、大蔵省至つては、昨年度のものを取つているという市町村では、四十町村しか集まつていないとこぼしていました。そういう情勢だろうけれども、もう少しその情勢を敏速に察知して、概略であつてもいい、全体のそういうものを、統計的にぴちつとしたものではなく、傾向を大きく掴んで、その必ず起る傾向を予知して、これを財政委員会並び大蔵省と大きく折衝しないと先に行つて大きな欠陷が出て来る、それにぶち当ると始末が悪いと思いますが、これに対する対策はどういうふうにとつておられますか。
  13. 辻田力

    説明員辻田力君) 税收入の点につきましては私から申上げることが適当でないと思いますが、我々としては予定税收入挙つて、税源の確保されるように希望するわけであります。これは省略いたしまして、只今お話のございましたベースアップの問題、年末手当の問題についてお答えいたしますベースアップの問題はこれは只今の計画では国家公務員につきましても千円のベースアップをするということに一応内定しておるわけであります。それで関係方面等折衝中のように聞いておりますが、これに伴いまして地方公務員につきましても千円のベースアップをいたしたいという考えで、特に教員についてこれは悪い影響をもたらすようなことのないようにという考えの下に文部省におきましては、このため要します経費の十八億一千万円の半額九億円を、これは一月から三月までの経費でございますが、一月から三月までの経費十八億一千万円のうちの九億円を政府から、国庫負担として出して貰うように折衝しまして、その点は大体政府部内においては認められておるのでございます。あとの半額はこれは地方で持つて頂くということに大体なつておるわけであります。それから年末手当は、これは一月分を支出いたしますとすれば三十七億九千万円になるのでございますが、これは義務教育費と、義務教育関係先生方費用定時制先生方給與でありますが、この三十七億九千万円の費用の中で十八億九千万円、約半額政府のほうでと申しますか国のほうで負担いたしたいという考え折衝を重ねておるわけでありますが、この点は文部大臣以下文部省側全員一致して関係方面、或いは地方財政委員会等折衝いたしまして、地方財政委員会等におきましてもこの点は諒としておるのでありますが、国全体といたしましては只今のところは適当な財源がどこにもないというようなことで目下のところは計上をされていない状況でございます。我々といたしましては年末手当一月分を支出するということになりますと、地方財政の困窮の点から考えましても、是非これは政府のほうで保証するということが必要であると考えまして、この点は極力折衝をいたしておるような次第であります。併しまだ解決点至つていないことは甚だ遺憾に存ずる次第でありますが、今後ともこの点についてはあらゆる努力を傾倒いたしたいと思つておる次第であります。
  14. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 地方自治庁小野政務次官がお見えになりましたので、小野政務次官に先に平衡交付金のことで御質問頂きたいと思います。
  15. 岩間正男

    岩間正男君 ちよつと一点だけ今のに関連して……年末手当の問題ですが、去年は今度の補正予算で出されるとのことでありますが、今年はそれが駄目になつたというのですが、向うで挙げておる理由とか、折衝面で非常に障害点になつておるような、そういう点をちよつと簡單にお願いいたします。
  16. 辻田力

    説明員辻田力君) お答えいたします。昨年度の年末手当の問題は御承知通り、本年度補正予算で一応内定いたしておりますが、これは全般的に決定いたしますれば支出できることになりますが、本年度の年末手当につきましては只今申しましたような状況でございますが、その理由は、政府として適当な財源がないということが一つございます。それからもう一つはやはりこれは本来地方負担すべきものではないかというような意見も非常に強力なんでございます。と言いますのは、国家公務員につきましても、国家のほうの経費節約いたしまして、そうしてその節約いたしましたものを財源として支出するのでありますから、それを予定しておるのでありますから、地方におきましても、節約をいたしまして、それを財源として支出すべきであるという意見が相当強力なのであります。
  17. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 政務次官ちよつとお尋ねいたしたいのですが、地方財政收入になる地方税の一千九百億円の七〇%というものを標準において地方財政收入というものは考えられておるが、この際七〇%を確保できないという結果が起つた場合にその補填をどういうふうにして行くかということが問題になると思いますが、その場合にどういうふうな措置をとつておられるかということをお尋ねいたします。
  18. 小野哲

    説明員小野哲君) 御承知のように、地方財政平衡交付金算定する場合におきましては、地方財政委員会において全国的に客観的な標準の下にこれを算定するというこういう建前法律がとつておることは御承知通りであります。その場合におきまして、基準財政需要額算定基準財政收入額算定をいたしまして、その差額について按分をして行く、補つて行く、こういう建前になつておるわけであります。その場合において財政收入額の中で税收額基礎として考えるわけでありますが、要は税收が確保されるということが地方団体財政運営上極めて必要なことでありますので、従つてその七割を基準財政收入額といたしまして、そしてその算定基礎を求めて来ておるような事情にあるのであります。その場合に七割を割つた場合にどうするかということでありますが、一般平衡交付金算定が以上申上げましたような客観的な標準によつて算定されるわけでありますが、その後において或いは二十五年度の間におきまして特別な財政需要が起つた、或いは又捕捉いたし難い財政需要が生じた、例えば災害が発生いたしましたために、種種なる事情から歳入の上に不足を生じたというような事態が起りますことを予想いたしまして、別途特別平衡交付金交付法律建前から考えられておるわけであります。さような意味合いにおきまして具体的の事情に応じまして平衡交付金運用の上で考慮をいたして行くことが必要であろう、かように考えておるわけであります。御承知のごとく地方財政平衡交付金制度が本年度を以て初めて創設されまして、又運用されておりますような事情もありますので、この制度が果して具体的の実情に適合しておるかどうかということにつきましても、実施の状況に応じて検討いたして行かなければならない問題もあるであろうと思うであります。従つて今後の問題といたしましては是正すべき点が起りました場合においては、制度の上についても何らかの改正をして行く必要があるんではないか、かような考え方から取敢えずの措置として本年度から実施いたしておりまするが、よりよい制度として運用いたし得ますように、目下更に研究をいたしておるような次第であります。
  19. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 又重ねてお伺いしたいと思うのですが、地方財政收入になるものは平衡交付金とそれから地方税收入におると思うのです。平衡交付金地方税收入を見た上で地方自治体予算を組む、その予算を組んで執行する場合に予定しておつたよう地方税が集まらない、こういう結果になると、予算は組まれておるけれどもその金がないという結果が起つた場合、やはり事業を圧縮しなければならないということが起つて来ると思うのです。私の必配しておるのはその場合に予定されておつた教育費というものが削減される虞れはないかということを心配しておるのですが、そういう地方自治体予定しておつた收入が入らない、こういう場合にこれを補填する途が考えられておるかどうか、そういう点をお伺いしておるわけなんです。
  20. 小野哲

    説明員小野哲君) お話のように地方財政收入の大宗をなすものは税收入であります。地方団体の健全なる運営は何と申しましても一般税收入によつて行われなければならんということは、これは基本的な原則として将来も続けて行かなければならんものと考えております。それに対して財政調整意味から新しく地方財政平衡交付金という制度が設けられたわけでありまするので、この間の地方財政運営やり方如何によつていろいろの問題が生じて来るであろうということは察するに難くないのであります。例えば一般平衡交付金算定いたしました場合において、見積りその他の上で交付の額が過少であつたというふうな場合も或いは起つて来るかも知れないと思うのであります。さような場合においては地方財政当局といたしましては財政運営の上に支障を生ずる虞れがありますのでこれはやはり是正する必要がある、補つて行く必要がある、こういう意味合いからも特別平衡交付金を暫定的に交付し得る途を開いておるわけであります。さような関係から申しまして、要は地方財政平衡交付金総額地方財政の健全なる運営に対して果して妥当であるかどうかということが根本の問題になつて来ると思うのであります。この地方財政平衡交付金総額決定しまする場合におきましては、地方財政委員会が全国の各地方公共団体から詳細な資料の提出を求めましてそれによつて見積額の計算をいたす、政府といたしましてこれを国家予算の上に計上して行く、こういう筋途を辿つて参るわけでありますので、地方財政平衡交付金法並びに地方財政委員会設置法に規定されておりますところに従いまして、地方財政委員会大蔵当局折衝の上でその総額決定する、こういうことになるわけであります。併しながら昭和二十五年度は御承知のように地方税法の施行が非常に遅れて参つておりますので、従つて後半期において徴税が皺寄せをされておるというふうな事情もありまして、この二十五年度は必ずしも平常な状態における地方財政運営とは言い難い点があるであろうと思うのでありまするが、制度もだんだんとその運用が熟して参り、又関係当局もこれに対して習熟して参りまするならば、この制度を適正に運用することによつて教育費等支障を生ずるようなことは万なかろうと存じまするし、又さようなことがあつてはならないと私共は常日頃注意をいたしておるような次第でございます。
  21. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 臨時財政需要が起つて来た場合、例えば国家公務員については年末に何がしかの手当を出すという問題が起つた場合、地方ではその財源をどこに求めるかということが問題になつて来るのです。差当り本年の年末に国家公務員手当を出す。これに倣つて地方においてもやはり手当を出すということになると思うのです。そういう場合にその財源をどこに求めて行くかということについて一つお伺いしたいのです。
  22. 小野哲

    説明員小野哲君) 先ほど申しましたような地方自治団体財政運用をいたして行きます場合の基本的な問題は税收によつて賄うということであります。従つて若し地方住民の同意と申しますか、言い換えれば地方議会の議決を経た場合においては或いは臨時経費、特殊な施設をいたします場合においては地方税増税ということを先ず最初考えられなければならないかと私は思うのであります。併しながら二十五年度において地方税法を施行し、新たなる諸税を実施いたしておりまする現状から申しまして、地方住民負担力から考えますとこれらの臨時若しくは特殊な財政需要を賄うために増税をするということは非常にむずかしいと私は思うのであります。従いましてこの間の財政調整をいたして行きますためには、どうしても地方財政平衡交付金増額を図つて行くということが問題となるのであります。言い換えれば当該地方団体財政需要を満たすために、本来ならば住民の協力によりまして増税によつて賄つて行くという建前でやるべきではありますけれども、これが非常に困難であるという考えの下におきましては、地方財政平衡交付金増額によつて賄つて行くということが考えられると思うのであります。従いまして二十五年度の途中におきまして臨時需要が起つた、例えば国家公務員給與改訂に伴いまして地方公務員給與改訂をいたさなければならないという場合において、地方団体がどの程度財政運営の上で節約を図り得るかどうか、言い換えれば財源措置の問題が起つて来るのでありまして、できるだけ私共は地方公共団体においても節約を極力図ることによつて財源の捻出を期待するものであります。と同時にこれ又一定の限度がありますので、従いまして一つこの地方財政平衡交付金の或る程度増額考えて行かなければならない。只今お話になりましたように二十五年度における補正予算の上で地方財政平衡交付金増額が必要ではないかと、こういう考えの下に政府部内並びに関係方面と種々協議をいたしておるのでありまするが、先ほど関係者からお答えがありましたように、今日只今のところはまだ具体的の結論が出ておらない、こういう状況であります。併し地方財政を担当いたしております私共といたしましては、地方財政の現況を十分に認識いたしておりまするために、できるだけこれらの地方財政の上に歳出増の結果運営上大きな支障の生じないようにという心組みの下に従前から折衝を続け、尚今日におきましても努力をいたしておるような状態でございます。
  23. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 先ほど来各委員の方からも御質問がありましたが、いわゆるシヤウプ勧告による地方税の確保、こういうふうな見込が外れて、相当地方においては税收が少くなつている。現に北海道におきましても、約十九億の不足を生じておるというような実情にあるのであります。こういうふうな問題についてまあ私は一例として北海道の例を申上げたのでありますが、自治庁方面では、相当各地方の知事さんから、これについての陳情その他があるだろうと思います。実際において実相を挙げたならば、どういう情勢にあるか、不足というようなこと、それについてお伺いいたします。
  24. 小野哲

    説明員小野哲君) 実はこの委員会平衡交付金の問題についての御質問があることを、私は予想しておらなかつたために、種々の資料只今つておりませんので、北海道がどの程度の、例えば道についてどの程度の歳入不足があるか、或いは又市町村についてどの程度の歳入不足があるかという数字を、只今私正確には記憶いたしておりません。併し道庁関係の諸君がたびたび私のほうに参りまして、実情はよく説明しておりますので、大体のところは私も承知をいたしておるわけであります。北海道は御承知のように、特に市町村におきましては、従来地租、家屋税或いは住民税におきましては、標準税率以上に超過した課税をいたしておつたのであります。ところが今回の地方税法改正によりまして、原則として、各地方公共団体は、標準課率をいたしておるような次第でありますので、従つて北海道の特殊事情から考えまして、税收の見込額が本年度においては減つて来ておるということは、これは認め得ると私も考えるのであります。そのために、この間の調整を図つて行きますために、北海道に対して相当額の平衡交付金交付するように、地方財政委員会としても、種々考慮いたしておるはずでございます。併しながら御承知のように、二十五年度平衡交付金が、総額一千五十億になつておりますために、その運用上誠に窮屈な点があるわけであります。併しながら北海道は内地の都道府県と違いましてその地域の広さから申しましても、或いは気候その他の自然的な事情から考えましても、相当趣きが違つた点がありますので、これらの特殊な事情考慮いたしまして、平衡交付金その他地方財政運営につきましては、地方財政委員会におきましても、できるだけの考慮を拂つて行くようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  25. 岩間正男

    岩間正男君 ちよつとお伺いしますが、今年度の補正で、まあ地方起債を合せて三百億程度がその要求ですね、これが大蔵省との間の折衝で、なかなかうまく行かないということは、この前予算委員会で聞いておりますが、その後どういうふうになつておりますか、それからその見通し、これらについてお伺いします。
  26. 小野哲

    説明員小野哲君) お答えいたします。岩間さんが申されましたように、地方財政委員会としましては、二十五年度における補正予算に対しまして、平衡交付金地方債につきまして、その増額を要求いたしております。ただ一面できるだけ節約もいたさなければなりませんので、何がしかの節約額による財源の捻出も考えておるわけであります。そういうことで、地方財政委員会意見を取りまとめまして、一面予算当局に対する予算要求をいたしておりますと共に、政府に対しましても、又関係方面に対しましても、地方財政委員会意見を提出をいたしておるわけであります。これにつきましては、政府部内において、或いは関係方面との折衝におきまして、相当努力を続けておるのでありまするけれども、未だ正確にこの数字を申上げるまでの段階には至つておらないので、恐らく極めて最近の時期に、何らか関係方面から指示があるのではないかと、かように思つておるわけであります。私共の立場といたしましては、極力要求いたしました額を確保できるように努力いたして参つておるのでありまするが、果してこの程度の額が確保し得るや否やは、未だはつきり申上げるまでには至つておらないような次第でございます。
  27. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、先ほどこれは文部省の方にお伺いしたんですが、結局ベース・アツプと年末手当、それが平衡交付金から出るかどうかということは、それで決定されて来るわけですね、そういう見通しになりますね。
  28. 小野哲

    説明員小野哲君) 先ほどもお答、いたしましたように、二十五年度途中において新たに発生しました財政需要としての給與改訂に関する経費でございますので、地方税の増徴によつて取るということが困難であるという見通しの下に、地方財政平衡交付金増額によりたい、かように考えておるわけであります。
  29. 岩間正男

    岩間正男君 もう一点だけ伺つて置きますが、今のはまあ法改正とか、それから不時の災害とかによつて臨時的な支出の面で、三百何億かの増額を要求されておると思うのでありますが、もう一つは、先ほどからお話もありましたし、その前に私がここで問題にしたことがあるんですが、税收最初の見込通り取れない、そこに非常な欠陷がこの予算の中に起つて来るだろうと思う。それに対しては、今の次官の御説明でも、それからこの前財政部長の御説明でも、やはり特別平衡交付金の百五億円ほどを出す、こういう見込のようでありますが、百五億ぐらいの操作で完全にこの穴が埋まるという見通しを持つておられるかどうか、これもはつきりした資料を持つておられないのが実情だと思いますが、どういうふうな見通しを持つておりますか、この点併せて……。
  30. 小野哲

    説明員小野哲君) 地方税徴收につきましては、できるだけ各地方公共団体も熱意を持つてつて貰わなければなりませんと同時に、地方住民諸君も、地方団体財政運営のために十分な協力をして頂かなければならんことは申すまでもないのでありまして、收見込で非常に減つて来る、或いはその実績が落ちて来るということは、私共といたしまして、極力避けなければならない点であろうと思うのであります。税收額が減少することによつて地方財政平衡交付金によつて補うという建前は、地方団体の健全な運営には、余り私としましては歓迎すべき方法ではないと思うのでありまして、地方団体において必要な経費はその住民の納税によつてこれを賄つて行くという建前は、是非とつて行くことが、建前として必要であろうと思うのであります。併しながら歳入不足等の現実の問題を処理するに当りましては、特別平衡交付金によつて、或る程度つて行くということにしなければならんことは、申すまでもないのでありまするが、併しながら百五億程度特別平衡交付金で一体一〇〇%目的を達成し得るかどうかということは、これは疑問であります。私自身も決して一升の枡の中に二升、三升を入れるということは到底不可能であろうと思うのでありますので、勿論できるだけ地方財政平衡交付金のうち、特別交付金によつて賄うようにはいたしたいと思つておりまするけれども、全面的にこれによつて賄い得るかどうかということは、先ほど申しましたように、特別平衡交付金そのものの運用が單に財政不足を賄うということばかりでなく、その他の特殊な財政需要に対処いたして行かなければならない場合も予想して行わなければなりませんために、完全にということは困難ではないかと思つているわけであります。一般平衡交付金交付が終りました以後において特別平衡交付金につきましては、地方財政委員会においても検討を加えて行くようになつている次第であります。
  31. 岩間正男

    岩間正男君 それに当然これも先ほどから問題になつてつたのですが、そういうような百五億でも今のお話ですと、完全に一〇〇%その欠陷を補うことができないということになりますと、まあ税收の問題、今後の税收状況が大きく問題を決定するのでありますが、どうも地方の、殊にまあ農村、都市でもそうでありますが、最近の金詰り、不景気の状況を見ますと、こういう欠点が非常に大きく持込まれるのではないか、こういうふうに見られるのであります。そうしますといつでも今までの例でもそうでありますが、こういうものの欠陷教育面に押しつけられて、教員給與の不拂い、こういう形になるわけであります。これは昭和の恐慌時代に我々も農村あたりにおりまして、こういう実情を非常に嘗めて来た。この点について地方行政委員会としては尚やはり大きな問題として考慮される必要があるのじやないか、こういうふうに思いますので、こういう事態が起ることは我々は予測するわけでありまして、不幸にしてこういう事態が起らなければ幸いですが、恐らく現状においては、進行工合では起るのではないか、こういう点について地方行政委員会としてこの点今から大きく留意されて頂きたい、こういうことを私は切望して置きたいと思います。この点……。
  32. 小野哲

    説明員小野哲君) 岩間さんの御心配のような点が過去において異例の場合として起つたことは私も聞いております。併しながらその地方公共団体の中で占むる割合が教育費につきましては相当のものになつておりますのと、特に義務教育の重大なことにつきましては、地方公共団体並びに議会方面におきましても十分な認識を持つているはずでありますので、又中央におきましては、地方自治庁並びに地方財政委員会におきましても、御説のような点を十分に念頭に置きまして、さような事態の起らんように努めて参りたいと考えている次第であります。
  33. 加納金助

    ○加納金助君 私の質問、今希望の点につきましては、只今の質疑応答で大体了解しましたですからよろしうございます。
  34. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 この機会に地方公務員法の件についてお尋ねしたいと思います。御承知通り従来地方公務員と言われた範囲には種々雑多な何と申しますか、要素を持つて人がいると思うのです。例えば行政部門を担当している地方の吏員、或いはそれとは別個な教育の仕事に従事している教職員、或いはその外会計とか水道とか、そういう公企業的な面に従事している人、或いはその外に單純な労務を提供しているものと、こういう雑多な要素の者が含まれておつたわけでございますが、そこで地方公務員法を立法化せられるに当つて、こういう雑多な要素を持つている者をどういうふうに何と申しますか、会計を立てて行くかということについて、どういうふうにお考えになつているかということをお伺いしたいと思うのです。特に私のお伺いしたいのは、教職員と地方行政の任に当つている人との区別ですね、それを地方公務員立法に当つてどういうふうに実際上考えられたかという点でございます。公企業的な方面に従事している人達に対しては別途な考えがあるということを知つておりますので、これは私もそれは結構だと思つておりまして、いいわけなのでありますが、教職員と地方行政の任に当つている人とは非常に違いがあると思います。国家公務員法が制定されたときにも、教職員については特例法が制定されて、特殊な面についてはいろいろ規定されておるわけなんです。今度地方公務員法の制定に当つても同一に考えて行くということは実情に合わない点が多く出て来るということを私は思つている。特に私はこの義務教育の全国的な水準を確保して行くという見地からこの公務員法の立法に当つては、相当考慮を置いて頂かないと、義務教育の水準を確保するのに不都合な面が多々できて来るということを心配しておるわけなんです。特に半額国庫負担法が廃止になつて以後、その心配が非常に大きくなつて来た。御承知通り二十年余前になりますが、その頃は地方市町村自治体が、教職員の待遇その他について責任を持つておつたことがあるわけなんです。その頃においては地方地方によつて非常な凹凸があつて、そのために義務教育の水準というものは大きな凸凹があつた。それが国庫半額負担法によつて担当大きく救済さて来たわけなんです。ところが今度義務教育費半額負担法が廃止になり、そうして全般的に、地方特に市町村まで又移行して来た、こういう段階において地方公務員法の立法をせられるに当つて、この教員の特殊な面を十分考えて頂かないと、教育水準の低下或いは教職員の待遇の不公平という問題が起つて来ると思います。でそういう点についてどういうふうに考慮せられたか、その点をお伺いしたいと思います。
  35. 小野哲

    説明員小野哲君) 先ず最初の御質問でありますが、地方公務員法を制定する場合にその適用範囲をどうするか、この問題であります。大掴みに分けまして、地方公務員は、一般職と特別職とに分ける。地方公務員法の適用の対象となるものは一般職である。こういうことに考えております。従つてその適用範囲を明確にいたすためには、特別職が何であるかということを法律に明らかに規定することが必要となつて参るのでありまして、例えば公選による職員であるとか、或いは議会の同意を受けなければならんものであるとか、又は委員とか参與とか、顧問とかというふうに、そういうふうなものが特別職である。こういうことに限定をいたしまして、その他のものが一般職としての適用の対象になる。こういう大掴みな考え方をいたしております。  次に公益事業の職員につきましては、只今荒木さんのおつしやるように別個の身分取扱をいたしたいと考えておりまするが、これはいずれ法律案によつてお話を申上げる機会もあろうかと思いますので、説明を省略いたしたいと思います。尚もう一つは、いわゆる單純労務でありまして、このいわゆる現業職員と申しますか、各団体における清掃であるとか、そういうようなものに従事している職員の取扱方につきましては、やはり国家公務員の取扱方と睨み合せをして考えて行く必要があるであろう、かように思つておる次第であります。  教職員の問題につきましては特に地方教育公務員に対しましては特例法等も出ておりますので、その特殊事情法律によつても認められておるわけであります。併しながら地方公務員たる身分を持つておる地方教職員につきましては、やはり特別職でない限りは地方公務員法の適用はあるものと考えておるのでありまして、昨日も参議院の地方行政委員会において教職員は特別な職であるから特別な身分を持つているものであるから現業職員として考えてはどうかと、こういうお話もあつたのでありますが、この点につきましては政府部内で種々協議を続けて参りました結果、やはり教職員は現業職員ではない、こういうことになりまして地方自治庁といたしましては立案の過程においても十分研究の結果一般職の地方公務員として地方公務員法の適用があるものといたしまして政府意見を実はまとめたような次第でございます。
  36. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そこで問題は細かく入つて来たわけなんですが、教職員が現業でないという点ですね。これは私共相当疑義を持つているわけなんです。で従来の給與をきめる際に当つても現業、非現業が問題になつたことがあるわけです。で非現業については十五割の増額をする。現業については十七割の増額をするという問題があつたときに、教員を非現業とみなすか、或いは現業とみなすかということが問題になつておる。当時の政府の閣議においては非現業とみなして十七割を支給すると、こういう決定があつたわけです。それからその後においても教職員のいわゆる労働といいますか、勤労に対しまして労働基準局がこれを監督してそして勤労に対する適正を図つて来たわけなんです。ところが今度そういう現業でないというはつきりした考えに立てば従来の考えとすつかり変つて来るわけなんです。そういうふうで政府考えが時によつてつて来ている理由ですね、教員が現業でない、非現業だという理由が十分納得できないわけです。そういう点について、現業でなく、非現業であるというその論点ですね。それをお聞かせ願いたいと思います。
  37. 小野哲

    説明員小野哲君) 昨日もその問題は相当活溌な意見の交換があつたわけでありますが、立案当局である地方自治庁といたしましては教育行政を担当しておる文部省意見を十分に尊重し受入れまして、教員は現業職員でない、こういう判断の下に立案をいたしておりますので、政府意見といたしましてもこの線で決定をいたしておる次第でございます。
  38. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 これは丁度文部省の方もおられるから文部省からも表明して頂きたいと思うのですが、私は文部次官にも会つて文部省の見解というものを質しているわけです。その文部省の見解ではこういうふうに聞いておるのです。省議としては、教職員は非現業ということも言えない、或いは現業ともはつきり言うことはできない。こういう態度であるということで、本日も私は文部次官に会つてそのことを確かめているわけです。ところが今政務次官お話では文部省考えが現業でない、非現業だと、こういうふうに言われると、そこに食い違いが出て来ておると私は思うのですが、その点どういうふうになつておるのでしようか。
  39. 相良惟一

    説明員(相良惟一君) 文部省の見解を一応申上げたいと思います。只今荒木委員からお話のありました通り、実は今日文部大臣、文部政務次官と日教組の方と議員の方達の会見の際にさようなお話が出たのでありますが、文部省といたしましては、教員は現業ではないという大体の考え方を持つております。但し現業、非現業の外の第三種のものではなかろうかと、こういうふうな考え方を持つております。
  40. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) ちよつと小野政務次官は外に御用があるので、政務次官に御質問のある方は先にして頂きたいと思います。
  41. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは今文部省の御見解も表明されて、文部省は現業でもない、非現業でもないと、全くそれとは範疇の異なるものだ、こういう見解ですね。そこで地方公務員法の立法に当つては相当私は疑義があると思う。この問題についてはつきり非現業であるというふうに規定して、そうして一般公務員と同等に地方公務員法で規制するという点については疑義があると思うので、尚今後について十分に自治庁においても御検討をして頂いて、この問題について御善処をして頂きたいということを申上げて終りたいと思います。
  42. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 小野政務次官にお尋ねいたしますが、概算拂い交付金が渡つておる関係上、愛知県で例えば名古屋の例なんか取つて見ますと、返さなければならない。それで教員に対する皺寄せが出て、金がないということで、退職しても退職金を支拂つてない現状がある。そこであなたのお話を聞きますと、大いに考慮しようという、こういうことは出ておりますが、それで実際問題として法律にあるから嚴重に取立ててしまうのか、それとも一千五十億の一割の百五億あるから、それで勘案して何とかそこの打開策を講じて行こうとしておるのか、或いはそれについての見通しは或る程度つておる、徹底的に取返してしまうのだと、この大きなコースが二つあるのですが、どちらのコースにあるのか。或いは結論が出ておつたら結論をお聞かせ願います。
  43. 小野哲

    説明員小野哲君) 平衡交付金を概算交付をいたしました関係上、これを返還して貰わなければならない公共団体ができたということはお話通りであります。又地方財政平衡交付金法審議に当りまして、私もさような御質問に対しましては余計に行つておるところは返して頂くことになるということを言明いたしております。従つて返還をして頂くということについては何ら変りがないわけであります。問題は概算交付を受けました地方公共団体がそれぞれの方面経費として支出をいたしておることはこれ又事実であります。従つて今早速現金を揃えて返すということが事実困難な市町村等もあるであろうということも察するに難くないわけでありますが、これは取扱といたしましては返還をして貰うことに地方財政委員会としては決定をいたしておるわけであります。ただその場合にどういう方法で以て、例えばこれを返す場合に融資の方法であるとか、そういうふうなことについてどうすればよいかということについての問題は残つて来るんではないかと、この点につきましては地方財政委員会においてもできるだけのことを考えて行きたい。かように思つておるのであります。その場合に直ちに特別交付金によつて賄うかどうかということになりますと、それとこれとはちよつと問題が別になるわけでありまして、地方公共団体で返さなくちやならない、返すべき義務があるということは十分承知しております。ただ返す場合の時期とか、方法について何とか考えてくれないか。こういう点でありますので、特別平衡交付金の問題とは別にその点については何とか研究して行く必要があるであろう。何とかよい方法を考えて無理の行かないようにして参りたい。かように考えている次第であります。
  44. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先ほどの例で以てとりましたように、弱いと、こう言つちやおかしいのでありますが、一番皺寄せが現われて来るようなのが今まで例をとりましたように、教員のすでに退職金に現われておる。それで他の人達は支拂われておるかどうか、それらを調査しますと、そういう人達には支拂う。それであなたのほうとしては教員と言いますか、教育の面に関しまして特別にこういうすでに現実にこう皺寄せが現われておるような弱い部面に対しまして何か特別に標準義務教育費というようなそういうようなものについて何かこれを尚保護して行こうというようなお考えがありますか。
  45. 小野哲

    説明員小野哲君) 只今の問題は全般的な地方公共団体の共通の問題とも限らない場合もございまして、それぞれの地方公共団体の具体的の財政問題になつて来ると思うのであります。従いまして地方財政委員会といたしましては、勿論さような手拔かり或いは困つた事態が起ることを避けなければならないので、できるだけのことはいたしたいと思つておりますけれども、同時にその当該地方公共団体におきましてもさような場合において何らかの措置を講ずるような措置、工夫をして頂かなければならないので、そのために教員諸君だけが迷惑をこうむるということではこれは甚だ申訳ないわけでありますので、具体的の事実によりまして、地方財政委員会におきましても研究はいたして参りたいと思いますが、全般的に見ましてさような場合において特別平衡交付金で賄うということは、これは少し平衡交付金運用の趣旨から申しまして如何なものであろうかと私は思うのであります。いずれさような場合には具体的に個々の公共団体から又地方財政委員会実情の申出もあろうかと思いますので、さような際にとくと御相談をいたしたいと、かように考える次第であります。
  46. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 何かその平衡交付金関係がないようなお話ですが、私達は基準財政需要額の中で一つの單位費用の中にそれが計算されていると思う。そこでそういつた教育費全体が今言つたように弱い部面皺寄せが事実現われておる。あなたがおつしやるのもこれで十分ではない。平衡交付金全体が十分でない。事実私は地方公共団体としては十分ではないと思う。それをあなたのお認めの通りですね。そこでその十分じやないものが地方へ渡つて行く場合、地方においてまあそれでは十分ではないから弱いところを削らなければならない、こういうことになる。ですからあなたは地方公共団体において解決すればいいのだ、こういうのでなくして政府としてそういう弱いようなところはもう少し親心を発揮してそれを何か守つて行きたい、こういうことは毛頭考えておられないというのですか。
  47. 小野哲

    説明員小野哲君) 理窟を申して甚だ恐縮でありますが、あんまり地方公共団体が国ばかりに頼るということでは健全な地方自治の運営がなかなか実現いたさないのでございます。併しながら政府は、と申しまして全然これを放擲して面倒を見ないという考えは毛頭持つておりません。それでこそ一千五十億の予算を計上いたしまして、地方財政平衡交付金制度を設けまして、余りに貧弱な市町村がないように、大体水準の行政が維持できるような工合に持つて参りたいということを実は念願といたしておるような次第でありまして、従つて決してお言葉のように全然うつちやつておいてそのままにして捨てて置くというふうな考えは毛頭持つておりません。
  48. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 どうも私は納得が行かないのですが、その捨てて置くのじやない、何とかしなくちやならんのだ、こう言われるのですが、事実そう弱いところに皺寄せが現われておるということは私は各県とも同じだと思うのです。それに対してあなたは地方のことにかれこれ云々するのだから、これは地方に任せるのだ、こう言われるし、片つ方においては何か面倒を見て行くのだ、こういうようなところでは、それじやどういうような方法でそういう弱いところに皺寄せしないように指導というか、方針を政府として講じようとしておられるのか。
  49. 小野哲

    説明員小野哲君) 地方財政平衡交付金制度が本年度初めて実施されておるような実情でございますので、そういうふうな事態も或いは起り得るかと思つております。従つて若し地方財政平衡交付金制度自体に欠陷があるならば、これは進んで是正もいたして行かなければなりませんし、又具体的にさような事態が起りました場合においては、政府もできるだけこれに対して手を盡して行くということにして行かなければならんかと思います。ただ余りに地方財政平衡交付金制度に依存し過ぎまして、或いは徴税の面で怠つて見たり、或いは当然やるべきことをやらないというふうなことがあつては、地方自治が適正に運営ができなくなる虞れがありますので、その辺は地方団体としましても、十分自主的にやつて頂くようにみずから一つ考えて貰う必要があるであろう、こういうことを申上げたのでありまして、決して今のような具体的の事情が起つた場合に御相談に乗らない、こういう意味ではないので、この点につきましては具体的の問題として又いろいろと研究をさして頂きたいと、かように考えております。
  50. 木村守江

    ○木村守江君 今成瀬君が質問したことの起りは、結局今まで学校経営をやつておつた、教育財政を掌つて来た人が大きな矛盾を来たす点があるのです。それは結局高等学校の、何と言うか、教育費算定基準において非常に今までと違つて少額になります。これは結局高等学校の適正規模の経営をしておる七百五十人というようなのを線に置いて計算するから、それは東京都のように七百五十人以上の学校の沢山あるところは問題でないのです。ところが小さな学校が、二百名或いは三百名というような学校があるところが沢山あるというようなところでは、特に愛知県とか私のような福島県とか、大きいところではそういう学校が非常に多いのです。そのために今まで実際かかつた経費、これだけは貰えるだろうというようなところからそれを出し合つてやる。あと実際来たやつはその半額にもならない、大体四〇%というところに、非常なあとから困つた問題が起きて来る。それとそれからその他の教育費の問題で、その他の教育費算定基準が大体面積を考えていないので、いろいろしておるものですから、旅費その他の件で非常に減額されている。そういうような矛盾は実際問題としてある問題だ。これはその実際問題を調査して本当にいけないという場合は、これは百五億の金から支出して上げるように御努力されるべきじやないかと思うので、恐らくは成瀬君の話もそうだろうと思うのですが、どうぞそういうふうに、今法の改正ができない前はそういうように考えてやらなければいけないと思います。
  51. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 途中でしたから、私もこれで打切りたいと思いますが……。
  52. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 小野政務次官は公用で出掛けなければならんそうですから、簡單に。
  53. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 教育費ばかりでなく、單位費用の計算方法について算定基準は実際意義があるという点が一つと、これは特にもう一点それがために出て来たところの被害がすべて教育費に廻つて来る。それだからそこを何とかして頂きたい、こういう趣旨なんです。
  54. 加納金助

    ○加納金助君 小野次官は曾て地方長官として令名をはせたのですから、この方が自治庁におられることは地方公共団体が非常に意を強うしておるのであります。先ほどからだんだん曾ての長官としての御体験から地方団体に対して非常に財政的にお骨折りのあるとを感謝しております。ただ私の経験しておることでありまするが、地方公共団体の吏員の待遇をいたすことにつきましては、国家の官公吏を基準してやつておる、そこで若し年末賞與等につきまして国家が與えた場合においては、やはりこの地方公共団体の吏貫はもとより、学校職員に対しましてもこれと同等、或いはそれ以上のやはり施しをしなければならん、そのように皆苦慮するのであります。そこで先ほど文部のほうのお話では、まあ国家のほうも節約をしてこれに出すのであるから、地方団体もやはり節約して地方公共団体の力で以て考えろ、こういつたような思召しでありますが、そこに十分思いやりが甚だない。というのは、国家財政的に非常に大きい、非常な大きな幅を持つておる。従いまして節約の余地もありますが、地方の公共団体におきましては、県或いは都市におきましては、幅が極めて少いのです。従いまして、これに対して工夫するということはできません。今次官もお話のように、今日の地方財政の逼迫の際に中途において増税をするというようなことは至難中の至難です。そういうようなことを十分お考え下さいまして、特別交付金等の点につきまして、より多くの幅のあるものを與えまして、今申しました地方の緩急に処し得られるように十分一つ強くお骨折りを願いたいと、かように希望して置きます。
  55. 小野哲

    説明員小野哲君) 只今いろいろと御質問がございました点について私からもお答えして置きたいと思いますが、地方財政平衡交付金の問題のところで測定標準の問題も御指摘になつたのでありまするが、これらの点につきましてはそれぞれの行政経費に応じて測定單位をきめまして、そうして数字を出し、更に單位費用によつて額を決定する。こういうやり方になつておるのでありまして、この算定の方法の中に果して具体的の実情に照らし合せまして、必ずしも適当でないものが出た場合におきましては、地方財政委員会において更に検討して改善するに吝かではないわけであります。さような心組みで地方財政委員会に対しましても研究をするように私からも申しておる次第でございます。この点御了承願つて置きたいと思います。  又加納さんからのお話がございましたように、地方公務員給與ベースにつきましても、国家公務員と並んで、或いは又国家公務員の例によつて、これを解決しなければならないというのが現行の建前になつておりまするので、私共さような考え方から、及ばずながら盡力しておるような次第でございます。ただ只今加納さんが言われましたように国の財政におきましては或る程度、例えば価格調整費の問題であるとか、或いは終戰処理費の問題であるとか、その経済の事情の変更なり、或いは客観情勢の推移によりまして、多少なりとも彈力性を持ち得る費目があるのでありますが、地方公共団体におきましては、さような費目は全然ありませんので、従つて仮に節約をいたすといたしましても御承知のように地方公共団体経費の大部分が義務的な経費は属するものが多いのでありますので、従つて彈力性が非常に乏しい、こういう状態に置かれておりますことを私共重々承知いたしておりますがために、平衡交付金等の運用によつてできるだけのことをすべきである、かような心組みの下に折角努力をいたしておるような次第で、これ又御了承を願いますと共に、委員各位におかれましても十分に地方財政の点につきまして御関心をお持ち下さいまして、これが実現方について御協力を賜わりますれば大変仕合せに存ずる次第でございます。
  56. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 補正予算説明を承わろうと思つたのでありますが、会計課長司令部から二時頃しか帰られませんので、これは明日に譲りまして、施設部長が見えておりますから災害復旧についての御質問を続けたいと思います。
  57. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、一般のキジア、ジエーンの災害復旧について文部省は三十九億六千万円を政府に要求して折衝中であるという段階で先般の文部委員会は閉じておるわけですが、その後の経過並びに結果を簡單に承わりたいと思います。
  58. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) 前回三十九億六千万円を要求しておると申上げたのですが、その後安本からキジア台風、並びにジエーン台風に対しまして今年度の予備費の残額五十億のうち、四十五億を支出することになりまして、ジエーンに対しまして二十四億、キジアに対して二十一億という数字を承わつております。そのジエーンの二十四億のうち、二億三千八百万円が文教施設災害復旧費として内定を得ましてその通知を受けました。そのうち国立関係が五千八百万円、公立災害関係が一億八千万円、計二億三千八百万円が一応の内定を得まして通知を受けました。現在この予算を各府県別に解明いたしまして教育委員会に通知を出しております。更にキジアの三十一億につきましてはまだ文教施設災害関係の内示を受けておりません。尚その後の補正予算七十一億につきましてはまだ検討中とのことでありまして、今後この四十一億の中に如何なる程度の文教の災害復旧費が計上されるかということ、尚更に次年度に亘りまして更に三十九億六千万円に対してどの程度予算に組まれるかということについて目下安定本部と折衝中でございます。現実のこの厖大な被害に対しまして、この僅かの予算では我々といたしましても配分に非常に苦慮いたしておるところでありまして、一応これは災害の一部分の予算ということといたしまして、地方に内示しておりますが、更に今後の四十一億なり或いは来年度予算におきまして少くともこの災害の大部分を完成するだけの予算を計上するように目下折衝いたしております。
  59. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先般の委員会では六二建築の六十三億中の十八億の補正予算を抛つて三十九億六千万円を取ろうという問題を悲壯な決意で示されたのでありますが、今承わりますと余りにも災害復旧は市重大問題だと思いますが、このジエーンの配分に当つて、全壊並びに半壊についてどういう取扱方をしたか、並びに私立学校の災害復旧に対してどういう取扱方をしたか、そうう点について伺いたい。
  60. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) この僅かの予算の配分につきましては全壊並びに半壊に対しましてこの予算を以て処理することができませんために、地方に対しましてはこの予算はできるだけ大破の部分に使用するようにし、更に半壊、全壊に対しましては次年度において是非この予算を取る予定にしておる。従つてその方面の建設の予算は成るべく延ばすようにというようなことを地方教育委員会施設課長にも口頭を以て伝えてあります。特にこの災害につきましては全壊或いは半壊分につきまして改築を要する場合におきましては建築基準関係の防火地域における不燃質構造を必要とすることとなる関係上、是非やはり鉄筋コンクリートを築造したいという考を以ちまして予算折衝をしております。従いまして今年度におきましてはできるだけ大破程度のものを修理いたしまして、耐久建築の改築につきましては次年度にこれを計上するように考えております。  尚私立学校関係におきましては、補助金を出すということに相成つておりましたのですが、これはむしろ政府低利貸付金によつてこれを処理するのが適当ではないかというようなことからいたしまして、これは低利資金を以てこれを修理するということになりまして、今年度数字ははつきりいたしませんが、相当金額のものが計上されることに相成つております。
  61. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その今の私立学校の低利資金の問題ですが、相当額というようなお話なんですが、大阪附近は私立学校が相当ひどくやられているようでありましたが、その要望の金額に大体近付いておりますか。
  62. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) 私立学校の助成金につきましては、公立並みということにいたしておりますが、それ以上の数字が出ておるように記憶しております。
  63. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 七千八百万とここに出ております。これなんでしよう。
  64. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) ええ、そうです。でそれは非常に有利になつておるというようなことを聞いておりまして、そのために又公共方面としては私立学校並みにして欲しいというような声も又持ち上つております。相当私立のほうは有利に出ておるようでございます。
  65. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ジエーンの二十四億、キジアの二十一億と、それから更に補正の七十一億もまあ検討中と、こういうお話ですが、つなぎ資金として今までキジア、ジエーンに出ているのは総額幾らになつておりますか。でないとさつきの平衡交付金みたいに又返すようなことになる。地方は困るのですが……。
  66. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) ジエーン台風には預金部資金のつなぎ資金といたしまして十二億五千万円が出ております。
  67. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 キジアは……。
  68. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) キジアにつきましても問題の十二億五千万円が出ております。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは最後に、施設部長に希望と、それから所感を承わりたいのですが、先ほどから施設部長のほうでは非常に復興についてこれは遺憾であるという遺憾の意を表明されております。本員もその通りだと思うのです。この文教の施設部長として今の政策の末端の現われとして映画館、それからカフエー、キヤバレー、待合というようなのが続々とできて来る。それで学校はバラツクで雨の漏れるような隅つこにちよつぴりしている。こういう事態ですね。これは私は文化国家の再建とかかわいい子供とかいろいろなことを言われておりますが、そういう事態を見る子供に及ぼす影響というものはこれは非常に大きいと思います。文教の一端に関與しておる本委員としても非常に遺憾に思うのですが、施設部長はどういう所感を持たれ、尚政府部内においてどういう強力なる意見を発表され、今後も努力をされるか、その決意のほどをこの席上で承わつて置きたいのですが……。
  70. 田中徳治

    説明員(田中徳治君) 最近に置きます歓楽街の建設の問題とか、或いは文教施設以外の映画館の増築が盛んであるというようなことにつきましては、もともと学校建築の財政面の裏付けが非常に貧弱であるというようなことに起因するのではないかというふうに考えますが、尚国家全般からの考えといたしましては或いはイギリスにおきますように非常に住宅制度を遂行するような、或いは小学校の建設に対する財政の裏付けを堅実にすると、こういつた社会面の大きな政策を取上げて頂く以外に手がないのではないかというふうに考えております。現在の建設事業の面から考えましても、日本の国内の少くとも二〇%を学校建築として遂行するようにいたしたいというのが実は我々の考えでありまして、こういつた面からいたしましても、実は六三制の予算財政的の数字を出して今日に至つておりますが、この数字そのものがなかなか財政の裏付けとして十分な予算が取れずに今日に至りまして、そのために小学校或いは中学校、尚新制大学等の建築として十分教育を家施するための裏付けができないというような現況になつております。住宅もさりながら特に義務教育の振興のためには住宅の建築と同時に学校の校舎の不足もこれもやはり国内の建設量の面からしてそれに相当する建設を必要とするような予算の裏付けを国としてやはり地方財政の上に反映させるだけの途を講ずる必要があるのではないかというふうに考えます。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 施設部長は大阪で親しくジエーンの被害のひどかつたこと、並びに防火地域並びに防水地域に鉄筋コンクリートの必要があるということを親しく視察されて来たわけですが、今後も格段の御努力をなされますよう要望しまして私の質問を打切ります。
  72. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御発言はございませんか……それでは本日はこれにて散会いたしまして、明日午前十時より再開いたしまするが、明日は主として補正予算説明国会に提出される法律案の説明及び大臣に対する質問を行いたいと思います。    午後零時五十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            成瀬 幡治君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            木村 守江君            工藤 鐵男君            荒木正三郎君            高良 とみ君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   説明員    地方自治政務次    官       小野  哲君    文部省初等中等    教育局長    辻田  力君    文部省初等中等    教育局庶務課長 内藤誉三郎君    文部省大臣官房    総務課長    相良 惟一君    文部省管理局教    育施設部長   田中 徳治君