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1950-10-03 第8回国会 参議院 文部委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月三日(火曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件理事補欠選任の件 ○派遣議員報告教育文化施設及び文化財保護に関す  る一般調査の件  (文教政策の緊急問題に関する件)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは昨日に引続き文部委員会を開催いたしますが、審議を始めます前に皆さんにお諮りいたしたいのでありますが、文部委員会理事一名欠員でございまするので、この選任を如何いたしたらよろしゆうございますか。選挙にいたしますか、委員長指名にお任せ願いますか。    〔「委員長一任」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 御異議ございませんか。    〔「御異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは委員長から指名いたします。加納金助君を理事選任いたします。よろしくお願いいたします。   —————————————
  5. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは大臣の出席を求めて災害対策その他の審議を進めたいと思いましたが、大臣閣議閣議終了次第午後には出られると思いまするので、その前に、この前懸案になつておりまする教育職員免許法及び施行法、それに伴つて認定講習などの問題、それに更に文化財の問題などでこの休会中に三班に分れて御視察願つたのでありますが、その御視察報告を受けることにいたしたいと思います。木内さん御報告を願います。
  6. 木内キヤウ

    木内キヤウ君 御報告を申上げます。派遣議員としては私と高良とみさんとなつておりましたけれども、御都合がございまして、私一人が参議院文部委員会調査員の吉田氏と文部省の岸氏とで視察に参りました。そうして埼玉長野山梨参つたのでございます。  先ず一番先に六・三制施設整備状況について御報告申上げます。三県とも予想よりもすべて良好であつたことを私は感じさせられたのでございます。そのうちでも埼玉のを先ず申上げますと、二十二年度から二十四年度に新築校舎が三百九十一校で、増築の方が二十一でございました。この経済難の時に割合にどこも新築増築ができていたのが私驚いたのでございますが、埼玉県としてはまだ不足教室が随分ある、教室数からいつて千四百あり、又坪数から言えば五万五千坪ほどの足りないところがあるそうでございます。二十六年度に生徒自然増加があるし、又今までありましたけれども、それが老朽したり、腐敗してそれに相当の手を加えなければならないものが可なりあるということで、これも事実であるのでございます。長野県の方は戰禍がないために学校増築、それから増設というようなものが割合に少いのでございますから、国庫の補助が大変少い、そのために実情は可なり困難をしていることが行つた先々で感ぜられました。校舎不足していること、それから殊に長野県は御存じのように山の多い所でございますので、山間の学校がばらばらに少い生徒で散在しなければならないということが、校舎一つにすることができない理由であつて、そのために教室が非常に不足して教授の上に不便を感じておる。それがために責任者がリコールになつたりなんかする問題が諸所に起つておるということを非常に訴えられて来ました。尚支持されておるところ組合学校の拡張も、やはり中学校などにおいても土地の山であるというために困難を感じておる。けれども実際に行つて見ますと、やはりさすがは教育県と言われるだけあつて組合の作られたところ中学校などは実に模範的なものができておりました。千曲川沿いの川中島の中学校などは、実に想像以上の建築ができていることを見て参りました。けれども一般に使われたところ予算が……、内部の設備は整つておりませんでた。これは非常に努力しておりますが、この点に国家が考慮を拂つて貰いたいということを頻りに言われておりました。山梨県の方は二県より少し劣つているような感じを私はして参りました。これは戰禍のために校舎が非常に焼けてしまつた、それで復旧のためであろうと思つておりますが、ひどいところに行くと昔の兵舎をそのまま使つてつた。又罹災されないところであつても、罹災者学校運動場もないくらいに学校校舎に接近して建てられて、或いは戰禍のため止むを得ないことであつたのでしようが、それに通つて行くべきところの住居ができないために、生徒の遊び場がないばかりでなく、風紀上にも、衛生的にも実に惨めな学校が諸所に見られましたことは、県当局も非常に悩んでおりましたが、これはどうかしなければならない問題ではなかろうかと思つております。尚長野県と同じように、山国のために、やはり合併校舎の問題が非常に行き悩んでおるようで、これも考慮して貰いたいということを言つておりました。これが大体の六・三制の、私が見たところ施設整備状況でございました。  次には文化財保護法状況の方を申上げます。埼玉県は国宝が四十二件、重要美術の方が六十三件、計百五件でございました。その保存管理状況は、概して関心だけいいように感じました。これは文化財保護法ができたためで、国民の間にこれを尊重しなければならない、これに関心を持たなければならないという気運が起つて来たためだと思つておりますが、実際のその建築なり、或いはその他のものに対するところの取扱が、経済上の問題からおろそかになつて今非常に困つている状態は大きなものだと思つております。それでも川越市では東照宮だとか、或いは北院だとかというものは今修理中で、そうしてだんだんといい方に向いつつあり、又村民町民もこれに大きな期待をかけ、熱意を持つていることを感じて参りました。尚それの火災だとか盗難だとかという防備についても皆が心を用いておりますが、ただ経費の問題がうまく行かないので、それを非常に訴えて、国家としてこれをどうかして貰いたいということを切実に各所で言われておりました。これが大体のことでございました。それから長野県の方にも国宝として取扱われているものが八十四件、重要美術としているものが八件、つまり九十二件ございました。その外史跡名勝天然記念物などについても三十四件ありました。殊に長野県で感じましたことは、無形文化、伊那の黒田人形、これなどに大いに関心を持ち、又これを保存しなければならないと思つております。それから埋沒文化財がこの県には、非常に関心を持たれております。そうして平出の遺跡というものは、実はあの文化がなかろうというような地方において、これを指導する人が立派であると一緒に、村民たちもその熱意に動かされて実によくやつていたことを皆様方に御報告申上げたいと思つております。これも簡單にしまして、山梨県においても国宝が五十八件、それから重要美術が百十二件、名勝天然記念物というようなものが四十四件、つまり二百十四件というものが県として皆様方報告し、それに対して可なりのよき関心を持たれていることを言つておりました。関心と言いますことは、これが整備されているということではなくて、これからよくしようとして考えていることで、それについては国家要望する点もかずかずございました。その中でも取上げて、皆様方にここにもございますから見て頂きたいと思いますが、長谷寺の本堂、それから窪八幡神社の本殿、名勝としては猿橋、有名な猿橋を今修理中でありまして、これにも町民が非常な熱意を持つてつたことを御報告申上げます。概して申上げますと、文化財保護法というものが法律に制定されましたので、今まで関心のない人たちがここに関心を持つたということを非常に喜ばしいことだと思うと一緒に、文化国家としての使命が明らかにされつつあるということを感じさせられました。保護については具体的方法が真剣に研究されて、そうしてその実施に移されつつあるということでございます。いずれの場所に参りましても、保護修理するために国費が不足であるから、又は県費としても地元負担としてもとてもこれをやり切れないから、それに対する熱意はあるけれども、国家がいま少しこの方に予算を頂けるようにということを、どこのところでも切望されておりました。尚修理する事件は、到底短時日ではこれは不可能である、現在の予算では、県費及び地元負担では……。ですから思い切つて早く修理しないとこの大切なものが失われる危險があるから国として思切つてこの財源を捻出して、そうして早く修理をさして貰いたいということを、又しなければならないということを痛感して参りました。埋沒文化財発堀はその土地だけに任すべきものではなく、国家として教育上にも、歴史上にもこれをもう少し取上げて世の中に宣伝すると同時に、皆に関心を持たせるようにしなければならないことだと思いました。無形文化財については、郷土の色合いをなくさないように、又日本の尊い歴史文化を失わないために切実にこれは保護しなければならないということを感じさせられました。  尚認定講習状況を申上げますと、各県とも噂に聞いたよりも認定講習状況が悪くないように思つております。埼玉県では教育委員事務局埼玉大学当局教授教員代表とが各数人ずつ出て、そうしてこの認定講習の企画について協議してすべてのごときめておる。決してここでは争闘や不平不満がないという報告がございましたが、日教組の方々にお目にかかつていろいろのお話を伺つたときに、まだ徹底していない部分が可なりあるように私は感じておりました。実際の状況は小学校の分の方が九会場中学校の方が九会場高等学校の方が二会場という施設があつたので、その一部分を私は拝見したのでございます。習得單位は、二十八年三月までのうちに、本年度は七月十日までに四單位を終了した。その二次計画としては七月二十四日から八月十九日までやつて、これは六單位を習得した。受講人員は一千五百名であつて小中は、一級を受ける人が、二百十名、中学の二級が百七十名、小学のほうの二級が五百六十名、仮免のほうが五百六十名、こういうように実施して、少しもそれに支障がないという御報告でございました。又実際を拝見いたしますときに、非常に講師も熱心でありましたし、受講者もそれぞれ一生懸命にやつておいでになりまた。ただ講師の方にそつと伺いましたときに、小中一級を受ける人は本当に熱意があるけれども、仮免あたりになると事がわからないのか、或いは何か無理な点があるのか、だんだんと欠席者も多かつたり、支障の起るような状態があるということを言われておりました。経費のほうを伺いましたところが、実施者のほうの側では千六百七十万円を計上してある。受講者個人としての負担は、参考資料などが一人三百円程度だということです。足代では一番多い者と少い者とがあるけれども、平均二百五十円くらいの足代がかかつているということです。実施者側の方の意見としては、さつき申上げたように一級の人がいいということと、受講者側の方では経費の問題、それから旅費の問題を非常に言われておりました。長野県はさすがに教育県と言われるところだと感心したこともここにも現われておりました。それだけに教員の方からの申出も非常に多くて、こういう点、ああいう点をこれから考え直して貰いたいということで、県と主催者それから受ける方の間は決して争いになつたり、不平はなくて申合せでしつくりしておりましたけれども、長野県の方の教員要望は可なりどつさりございました。その一番大きな点として言われたことは、教師自身の人格の向上を図る施設を作つて貰いたい、天下り的にこういうことをしろ、ああいうことをしろというのではなくて、自分自身がおのおの教育者として研究したい、又研究すべき科目を自分の意思によつて開かして貰いたい。地の利から言つて長野県というところは夏休みなどには非常に講師を得るのに便利なところである。であるからあれこれというような、教師の希望するところの……優秀な講師地元に来て貰つて、その講習を受けて、それで單位を取つて貰いたい。今までにおいても、天下りにこういうことをしろと言われなくても、本県の教員は自発的に質の向上を図つているのだから、それをも認めて貰うことができれば幸いであるということを熱烈に言われておりました。これは私も教員としては非常にそうあるべきことじやなかろうかと思つて、これは参考文部省のほうでも、この講習をするにも考えるべきことではなかろうかと思つております。尚教育大学協議会あたりでは通信教授というようなものをもつと拡大して、そうして求める者には誰にでもその機会が得られるようにして貰いたい。それから経験年数を重視して、そうして上級免状を取るための單位の軽減をして貰いたい。経験年数を重視して、それをやはり單位の中に成績の悪くない者は考えて欲しい。尚講習でなくて、独学している者にも單位を與えて貰う機会が欲しいものだ、こういうような個條が幾つか挙げられました。それは合法的に受ける者と受けさせる者と、それからそれを主催する側とが一致して、このことについて協力している姿を見て大変嬉しいと思つております。  尚詳しいいろいろなことが今少しございますけれども、それはこの認定講習実施に関する意見要望という調査が、参議院文部專門室から出て皆様方に御配付してあると思いますから、今ここでは細かいことを省いて置きます。  長野県でいま一つ我々が参考としなければならないことは、講習に出る希望者が非常に多いために、一校の二十六人の先生のうち二十四人までこの講習を受けるために、残る者はたつた二人で、学校の授業がうまく行かないばかりでなく、無理なことになるために、そのうちで健康を害した者が四名とかある。そうして尚学校の運営がうまく行かなくなつた。ですから健康の点もよくして貰いたいということを言われましたが、熱意の余り無理に講習を受ける、こういうようなことの指導も御参考にしなければならないことかと思つおります。山梨県もなかなかこの認定講習については熱心であられましたが、旅費について悩んでおいでになりました。大体まとめましたものをあとで御覧下さいますればおわかりになると思います。  簡單でございますが、以上御報告申上げます。
  7. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 木内君の御報告に対して御質問ございますか。
  8. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 一点お尋ねいたしますが、認定講習の、埼玉県で個人一人三百円、足代一人平均二百五十円という報告を受けておりますが、何日間でございますか。
  9. 木内キヤウ

    木内キヤウ君 この講習に使うところ足代の方は一日です。それから資料のほうは、その一講習の六單位を受けますのに必要な資料つまり七月二十四日から八月十五日までのこの六單位を受けるべき講習に必要な資料参考書が三百円でございます。併し個人的にはどこでもそういうものが全般的にはやれないから、学校買つて貰つているところもあるそうです。
  10. 木村守江

    木村守江君 埼玉県の教育委員会予算が千六百七十万円というような報告がありましたが、どんなふうな内訳になつておりますか。
  11. 木内キヤウ

    木内キヤウ君 講師の謝礼、会場のいろいろの費用です。
  12. 木村守江

    木村守江君 それだけではきかないと思う。受講者旅費も入つていると思いますね。
  13. 木内キヤウ

    木内キヤウ君 受講者旅費は入つていないということでした。
  14. 木村守江

    木村守江君 これは大体二十ヶ所ですからね。二十ヶ所で十六百七十万円なんていう経費はかからないと思うのですよ。
  15. 木内キヤウ

    木内キヤウ君 向うではそう言つております。予算はまだ組むところまで行かないと思います。協議しておるところで、足代をやろうとは思つておるけれども……。
  16. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御発言なければ岩間君。
  17. 岩間正男

    岩間正男君 簡單に御報告申上げます。  一行は木村委員高田委員岩間でございます。八月七日に新潟を振出しにしまして、八日、九日は佐渡、それから十日は富山まで汽車の中でも過しまして、十一日が富山、それから十二日、十三日が石川、こういうようなわけで、中身七日の行程で、主として見ましたのは、講習中心としましてその他六・三制、尚文化財、こういうものを見て来たのであります。そうしていろいろ私の報告で足りないところがあると思いますが、これはあと諸君に補充して頂くことにしまして、私の報告簡單に申上げたいと思います。その前に今度の視察で我々のとつた態度でありますが、これはできるだけ実態を把握したい、こういうところからしまして講習現場を見たい、その現場に行きましたならば、講習支障のない限り時間を貰いまして、受講者諸君懇談会を開いた。これが富山県二ヶ所、石川で三ヶ所、こういうものがされております。それから六・三制の問題なんかでも、成るたけ現地実情を見たいということを考えまして、例えば佐渡でございますが、佐渡二日というのは、これは決して遊覧に費したのではございません。前の日は国中の、いわゆる佐渡中心部を見たのでありますけれども、その次の日はむしろ佐渡で殆んど視察の足の延びていない外の海のほう、つまり外海府と言いますか、そこに非常に大きな村があるのでありますが、その村のほうに行つて見ますと、これは我々としましてできるだけ県庁が組んだプランで、県庁が引廻すという方向に対しては殆んど賛成することができない、我々の方法で以て見たいところにずばりと入つて行く。現地のじかの問題に触れて見たい、こういうふうなコースをとつたのであります。従つて今の佐渡の場合なんかは外海府に参りまして、バスで山道を三時間も揺られて、そこから又船で二時間ぐらい乗せられまして、それから一番佐渡の外れの願というところに参りまして、この願というところ佐渡の一番突端でありまして、例えば一週間ばかり前の記事を見ますというと、何か浮遊機雷が流れて来まして、その機雷に触れましてその浜の中が爆破された。私たちの恐らく休んだと思われる宿のようなものが倒壊しておる、そういうようなことであります。そういうところへ行つて見ますというと、如何に荒涼たるものであるかということを、夏の海を行きながら我々は非常にそういうふうに想像を持つたものであります。あの西北風の吹く荒海佐渡というものは全く想像に絶つするものがあるというふうに考えられたのですが、その中に学校があり、分教場があるのであります。そこの先生たちにもいろいろな話を聞いた。中にはまだその半島部の道、道路がない、道路がない所が多いのですが、道路のない所も受講者先生たちは猿のように遠い道を通つておる。或いは海上を船で来なければならない、こういうふうな実態に触れたのでありまして、これは非常に今度の行程の中でも大きな收穫になるのではないかというふうに考えられるわけであります。  ここで検察の前にこういうふうなことを申上げるのもどうかと思いますけれども、この視察に対してこれは是非今後当文部委員会でも考えて頂きたいと思うのでありますけれども、こちらで十分にやはり視察の盲点というものを練つて頂きたい。それからできるだけ今申しましたように常に足を踏み込まないところに踏込んで行きたい。我我は去年北海道でもそういう方法をとつたのでありますけれども、県庁の立てたプランというものの中には、どうもしばしばば引廻わし主義がある。そうして向うの自動車を借りて向うのきめたコースを廻つて参りますが、我々が見たいところを十分見られないという不便がありますから、それは一面止むを得ないという面はありますけれども、そういう中にも我々が本当に現地の姿に触れるということを加味して行きたいことと、又石川県で感じたのでありますけれども、石川県の村には六・三制の建築を進めておる。進めておるのでありますけれども、これは認証外の工事をやつておるわけであります。石川県は非常にそういう点で六・三制建築を皆熱心にやつてつた。併し予算の内容を聞いて見ますと、これは何年計画でありますか、それを村民寄附に仰いで、そうして一戸二万円、三万円というようなこれは寄附を仰いでおる。而も現在においてはその三分の一しか集まつていない。残りの二分の二はどのようにして納めるかという問題がある。非常に大きな問題になるわけでありますが、その三分の二の問題につきましては、現在の町村の財政の中においてどういうことになるか。農村恐慌が非常に色濃くなつて来ておる今日の地方財政において、一戸二万円をどのようにして納めるかということにつきましては、できたら文部委員がそこに一週間滯在することによつてその状態を本当によく掴む、そういうことをすることによつて地方実情というものを、單に眼や耳だけでなくして、もつともつと立体的に掘下げて掴むということが可能でないか。こういうことを考えますときに、これは参議院全体の政策の、国会の国政調査の問題にもなると思うのでありますけれども、今後やはりそういうような点において当委員会は努力すべき点があるのではないかというふうに考えられたわけであります。最初にこういうことを申上げますのは、我々の視察をできるだけ現状に即したところのものにしたい。そうして我々のそれに対するところの今後の文政の乗せ方をはつきり現実の上に役立つものにしたい、こういう念願から申上げておるのであります。  講習の問題に入りますが、先ず講習の問題としまして、先程申上げましたように私たちはできるだけ現場に触れるということを一番建前として参つたのであります。ところ新潟県では現在講習は行われていないのである。七月十日に一応やつて見たけれども、それまでのやり方が非常にまあ激しい。それからとてもいろいろな点で、これは経済面、それから受講者の体力の面から考えて無理だというので、七月以後からまあ中止しておる。そこでこの問題を打開するために三者協議会というものが持たれておつたのであります。三者協議会というのは、教員組合側とそれから教育委員会側、更に又大学側、この三者が寄り合いまして、そこに最も妥当な線をはつきりしてやつて行きたい、こういうわけでありましたが、丁度私たちが参りましたときに、この三者協議会がなかなか成立しない、どういう点で成立しなかつたといいますと、これは大学側が強硬に自分の案というものを維持してなかなか譲らない。取りきめたところのものに、つまり日教組で問題が起りまして文部省との間に折衝を持ち、当委員会もこの問題を重大問題として取上げて、法案改正したのでありますが、その法案改正前の状況が固持されて、それで改正後の新しい状態に適応するという態勢がなかなか大学の方から出て来ないという形が出ております。そのために新潟では具体的なそういう講習の姿には接しなかつたのであります。  これに反しまして富山石川は非常に講習が行われておりまして、富山のごときは大体三分の二くらいは人員が動員されている。石川は殆んど全面的に動員されるという形でこれが行われておつたのであります。そういう講習会会場様子を一々申上げるわけには行かないのでありますが、都合一週間こういうところを廻つて来まして、大体まあ問題になりそうなところを拾つて見ますと、石川のような全面的にやつているところ、例えば石川の金沢市におけるところ講習会場を見たのでありますが、ここなんかは非常に一つ会場受講者が溢れている。約五百人の会員が雨天体操場のようなところ講習を受けているのでありますが、講師の声が無論聞こえないから、そこへスピーカーを設けてやつている。後の方で我々が聞いていたのでありますが、なかなかその声が割れて聞えない。天井もなかつたように思うのでありますが、そういう関係もありましよう。そうして会場様子を見ますというと、我々が行つたときには物凄い暑さでありまして、恐らく九十度を突破している。で受講者はどういう態度をとつているかということを我々は観察したのでありますが、これは非常にやはり疲れがあるのではないか、中にはうしろの方で居眠りをしている人もある、きよとんとしている人もあつたように見受けます。ここで講習が継続されるのでありますけれども、こういうような会場の姿を富山でも見ましたし、石川でも見たのであります。こういうように講習をやる組織が十分に準備されてなされたというふうには考えられない面が起つていると思います。その点をもつともつと合理化することが必要じやないか、やはり人間の限界を突破しているのじやないか、九十度の暑さの中で五百人くらいの人が入れられ、そこでスピーカーで一方で講師が話しているわけであります。そういう形の中に非常に何か講習会そのものの姿が暗示されているような感じを持つたのであります。  それから講師の問題でありますが、これは講師は先ほど申しましたように、必ずしも今の受講者の立場というものを本当に掴んでいるかどうか、或いは日本の教育の現状を本当に掴んでいるかどうか、従つて講習する講習内容が果して日本の現実の教育が最も求めているものにぴつたりしているかどうか、こういう点について質問を向けますというと、非常に離れている、或いは程度が高過ぎる、或いは我々の要求というものを入れて貰うことができない。どうもその講習の内容が天降り的な面があり、こういう点が受講者から一斉に話されるのであります。こういう点は非常に問題になると思うのでありますが、殊に先程申上げましたように、大学の権威ということが非常に大きく謳われている。大学の権威という言葉を私たち北陸に参りましてこれは初めて聞いたのであります。これは何ものだというので、しばしば我々は胸に問返して見なければならないということが起つたのであります。成るほど一応法案を見ますと、大学はこれに参加して講習をやれ、こういう方針によつてこの講習がなされておるのでありますが、併し果して教育実情から離れ、又現在の教育を担当しているところ現場教員大衆の要求から離れたところ講習というものが、どういう意義を持つかという点については深く考えて見なければならない。又もう一つ大きな問題になるのは、教育つまり天降り体制、上から何か権威というようなもので押付けて来るというようなことになれば、この講習そのものは意味をなさないものになる。折角やりながら内容はない。聞き放しになるし、或いは居眠り講習というような昔の形を繰返すという結果に陥るのであります。殊にそういう要求がありまして、第八国会におきましてあの法案改正されたのでありますから、この法案改正された後の情勢に十分に即応して、そうして二者の間に十分な話合いができるということが必要だと思うのでありますが、なかなか大学側はそれを譲らないという形が出ております。この点で我々は一体講習をされるものは大学のものであるのか、或いは受講者のものであるのか、この点やはりはつきり検討して、この性格を規定しなければならないということを痛切に感じて来たわけであります。何か聞きますというと、北陸では大学連盟というものができておつて、そうして三県か四県、それで協議会を開いて、そこで強力な一応線が決定されて、その線を譲らないという形を押進められておるということを聞いた、こういうことはやはり極端な教育に陥る一つの前提なのでありましてこういう点については、大学はむしろ逆に教員大衆の要望をよく聞き、日本の現状と教持界の要求しておるものを十分に把握して、その上に講習の内容を乗せ換えるというような、かような方法が絶対に必要である。大学教育とそれから中学や小学校教育を切り離して考えたのは過去の教育である。これは統一された面からしましても、又一面同じ職業に携わつておる点から申しまして、又同じ教員組合員であるというような面から見ましても、そういうような一つの階級から仮に発生するというような点については、これは問題につなるのじやないかというふうに考えられるのであります。それから受講者の問題であるますけれども、至る所で受講者の座談会をやつてつたのであります。我々が参りましてこもごも挨拶をいたしまて、又いろいろな点で向う意見を聞き、こちらからも聞き、向う意見も述べて貰つた受講者は非常に熱心でありました。何か旱天の慈雨のような感じを以て我々を迎えてくれたのじやないか、何か渇えておるものがあつて、われ々を欲しておつたのじやないかというような気がしたのであります。或る所では時間がないというので、我々には挨拶だけして、五分間くらいで引退ろうとしたところが、代表があとから追つ駈けて参りまして、どうしてここまで来て我々の意見を聞いてくれないのか、そういう視察ではなつてないじやないかというので、逆に我々がとつちめられて、そこへ戻りまして、それからしばしの時間をお互いに座談会を開くというところに向けた。そういうような意見を総合して考えますというと、何と言いましても一番やはり大きな問題になつておるのは経費の問題であります。これはいろいろな数が出て来ておると思います。ここで一々挙げることを控えますけれども、例えば新潟県全体から見ますと、県の負担が、一軍位四百円の足代がかかるということを言つております。これは県平均、これから見まして仮に二十三單位だと九千二百円というものが一人での平均です。新潟は一万八千人の教員がおりますから、一万八千人と考えて見ますというと、果してどれだけの一体二十三單位をとるための費用が要るか。これを今後二十六年度に決定された文部省予算と睨み合して見るときに、果して一体どういうことが起るか、新潟県一県だけを例にとつてもこういうことが言えるのじやないかと思うのであります。それが経費の問題で、その次にはやはり教員の体力の問題、健康の問題、これはしばしば口にされておるのでありますが、例えば石川の河内中学というのが相当僻陬の地にあるのでありますが、そういうところになりますと、そこで語られた話では、朝四時に起きて来なければならん、それで講習を終えて帰ると結局八時になつてしまう。こういうような所から、講習会場都合によつてそういう所を往復しておる、こういうふうになりますと、もう学校のいろいろな留守にしたために起る問題は処理できないばかりでなくて、人間の肉体的な條件から申しましても、これではまああと全部眠つたとしまして八時間の睡眠時間しかないということになります。こんなことではこれは当然この状態が長く続かない、こういう所ではもつと会場を殖やして貰いたいというような要求が非常に起つてつたわけであります。その外、これはいろいろありますけれども、殊に一番ここに大きく問題にしなければならんものは受講者の中の女教師の例であります。この点は是非ここで我々は大きく報告しなければならないと思うのであります。先ず第一にどういうことが起るかというと、休みですから、一体女の先生負担というものは、申すまでもなく二重、三重に現在なつておるのであります。それで休みはどういうことに使つておるかというと、常に勤務のためにすることのできない家庭向の仕事をやるというのが大概の休み期間にやる仕事になつておるのです。その中には姑に対するところ一つのいろいろな心遣い、務め、こういうことさえも含まれておる、いろいろな家事のことは勿論であります。ところがこういうふうなことがなかなか今度の講習で以て休み時間をすつかり奪われてしまつたために殆んどこれができない。或いは子供があるために姑に預けなければならない。そうすると姑との間にやはりいろいろな問題が起つて来る。その子供に対しては今度人工哺乳をしなければならないということが起つて来る。その人工哺乳の代だけでも大変なものになる。それから又子守りをわざわざこのために雇わなければならないということになる。或いは又経費の関係から、山から出て参りまして町に下宿する、下宿をするのでありまづけれども、そうすると新しい世帶を持たなくちやならん。鍋、釜の類まで心配しなければならない。そこで二重負担ということが起つて来る。それだけでなくて更に学校会場の脇なんかでも託児所なんかを作つて置いて子供を預けるという仕組でやつておるところもあります。これはまあついでに附加えますと、富山からそのあとで便りがありまして、実は我々が富山市で見たのであります。そこで我々見ただけで、ここでは座談会を持つ日がなかつたのでありますが、我々が帰りました後の地方新聞にこういう投書が載つてつたというのが報告されたのであります。それは何かというと、参議院視察団がやつて来たけれども、どうも参議院視察団は、上つらだけ見て行く。あの講習会場は成るほど人が溢れ熱心に、これは何か律文学、いわゆる韻文、短歌なんか日本文化の根源になる問題について高校の先生が話しておつたのでありますが、そこを見て我々帰つて来た。女の先生は沢山いた。実は会場の脇の方に託児所が作られておつた、何故そこを見てくれなかつた、これを見てくれないのでは実際視察団員は画龍点睛を欠くのではないか。なぜ一体案内して来たところ教育委員会も、或いは教育庁の関係の人たちも、そういう所をわざわざ見せなかつたのか。こういうことが投書に出たそうであります、新聞に……。実は私たちはそういう所を見たいと思つて随分気を配つたわけでありますけれども、ともすればそういう所は見せられないで引廻されるという点があるのであります。これは先程申しました一例ですからついでに附加えるのでありますけれども、こういう形で非常に女教師受講者の問題というものは、二重、三重の意味におきまして今度の講習会の中で大きく私は取上げられなくちやならん問題ではないかと考えるのであります。中には懐妊しておるのだけれども、どうも講習を受けないというと免許状が貰えない、そうなると前途の職業の不安のためにもう臨月近いのであるけれども、無理をしてその会場にやつて来た、そのために健康を害した、こういうことが切実に訴えられて、それを同行の木村委員は、そういうような感覚のない女の先生では困るじやないかということを言つておられたこともあるのでありますが、併しそれはそういうところに追込まれておる、講習そのものがそういうところに追込まれておる、そういう機構であるというところに又一つの問題がある。女の先生つまり自分の胎児に対する一つの思遣りそのもの、そういう感覚の問題でもありますが、同時に全体としまして講習をするものがそういうところまで追込まれておるということを見逃すことができない問題ではないか、こういうふうに考えるのであります。その他まあいろいろな経済上の問題、肉体上の問題、こういうものについて至る所で我々はそういう受講者の切実な声を聞いたのであります。成るほど講習ところだけをちよつと見て来るというと熱心のように見えます。併しながらその後に設けられたその座談会の席上で、あの人たちが如何にこの講習に対していろいろな観点からこの不合理を責め、或いは止むを得ないところに引込まれておる態勢に対していろいろな方面から抗議した、むろんこの中には、この講習自分たちの能力を高めるということについては何ら異存はないけれども、併しながらこれをもつと合理的に、もつと準備されたそういう態勢の中でやれないものであろうか。そうしてそのか中ら起つておるこのいろいろな教育條件の破壊、教育上の風紀というようなことについて問題が提起されておるのであります。要望点を大体取りまとめて申上げて見ますと、まあ経費については、是非これは国家で持つて貰いたい、こういうことであります。それから第二としましては、既得権であります。教員として今まで既得権があるはずで、これがまあ全然今度の免許法によるというと認められないということになると、そこから非常に不合理が起るのじやないか。これはまあ非常に今後の我々の研究で明らかになつて来ると思うのでありますが、これは医者の場合なんかは、医者には今までの免許状というものは一応認められるという建前になつておるのであります。新しい人だけに新しい今度は免許状を発して、そうして二段構の方法でこれは進んで行くということが要望されておると思うのでありますけれども、それに対して尚教職員だけがここで今までの既得権というものを全然考慮に入れないで、全部新しい態勢に切替られておるのであるが、この点は是非とも免許法を今後我我は検討して行く上においては一番やはり根本的な問題の一つになろうと思うのであります。第三としましては、先きほど申しました内容を、もつと実際に即応して役に立つところ講習の内容にして貰いたいという教員の要求であります。第四の問題としましては、女教師人たち、これが非常に免許法の施行によりまして、一番まあ端的にこの人たちは影響を受けるのでありますから、こういう人たちがむしろ恐怖に近い考えで以てこの講習の問題を考えておるのでありますが、この女教師の要求というものを十分取上げる必要があると思うのであります。その他まあ我々の触れました範囲内では、参考書がなければ折角の講習を聞き放しにしてしまつて、これは何にも役に立たない、もつと参考書を何とか與えて十分活きた講習を咀嚼する方法を考えるべきじやないかという問題と、それから盲聾唖の人たち講習の設備というものは非常に少い。東京に二ヶ所ぐらいある。そういう形で進められておるので、そこに出掛けて行つて資格を取るということは全く現在の給與状態においては全然不可能であります。こういうような問題、その他まあいろいろ細々した問題もございますけれども、大体以上の点が大きな皆の要望点じやないかというふうに考えられます。これはまあ細々したものは先きほどの木内さんと同じように、これは外の文書に譲りたいと、こういうふうに考えるのであります。  これで講習の方は一応終りまして、六・三制の問題でございますが、時間も余りございませんので、この点は簡單にしたいと思います。一概に言いまして、北陸地方の新制中学の校舎建築に対する熱情は非常に盛んなものだというふうに見て参りました。どういう形で行われておるかというところに問題がある。誰れでもこれは自分の子供の教育に対しましては親があらゆる努力をしてそうして外の村よりも、外の町よりもよい学校を建ててそうしてやりたいというふうに熱情を持つのであります。ただ私が先きほど申しましたように、大きな経済負担になつて来る、父兄の経済負担のみではなくしていろいろな負担になつて来る。精神上の負担、こういうものになつて来る、或いはそのために教育のいろいろな圧迫になつて来る、こういう点が問題になるのであります。それでこの富山石川もそういう点で今苦しい條件の中でそういうものを埋め合わせようというので認証外の工事を相当やつておるのであります。特にこういう問題を解消するために、各町村が寄りまして組合を作つて学校組合を作つて組合立の学校を建てるという方向でこの富山石川あたりは動いております。そこで今まで認証外の工事をやつたのであるけれども尚まあいろいろな点で十分できていない。殊に町村別に見たところの一番最低の〇・七坪については、満されるような條件が出て来ておるけれども、併し学校別に考えると〇・七坪というものはまだまだ到達していない。そこでそういうものに対する今後の補助というものが非常に要望されたわけであります。この点については、木村委員が今までの豊富に持つておられる実際上の経験を基にしてこの問題について触れておられたことを附加えたいと思います。尚足らないところはこちらで補充して頂きたいと思います。  それから北陸に参りまして建築面で最も特徴的な問題は、雨天体操場であります。この雨天体操場に対する要望というものがこれはこちらの太平洋岸の、或いは暖い地方のかたの考えることのできないようなものがあるのであります。これは北海道、東北、北陸の特徴的な、殊に降雪の非常に量が多くて期間の長いこういう地方においては雨天体操場そのものは教室に劣らないところの必要性を持つておるものである。これがなければ全くもう教育を完全に遂行することができない。それから又兒童の健康状態と深く連関して来る問題である。この点をどうしてもこれは早急に取上げて欲しいという要望がどこからも切実としてありました。富山の例ではありますけれども、富山の一年の大体天候状態を見ますというと、三百六十五日のうちに雨天が約二百十五日、曇天が百十八日、晴天、天日を仰ぐ日が僅か三十日、こういうような統計が出ているそうであります。これが又北陸地帶に非常に多いと言われるところの結核問題とも関連があるのでありますが、こういう條件を考えますときに、雨天体操場というものがどんなに必要であるか、ああいう所で憂欝な冬季に運動を幾分でもやることによつてこの健康を維持して行くということは、これは北欧あたりのいろいろな例を見ましても明らかなことだと思いますけれども、どうしても日本の教育行政の中で、雨天体操場の問題というものは積雪地帶、寒冷地地帶におけるところの最も特殊的な條件として早急に解決しなければならない一つの大きな問題であるというふうに考えられるのであります。  それから文化財保存の問題についても簡單に触れなくてはならないのでありますが、これは項目的に要項だけ挙げて置きます。佐渡でありますが、佐渡の新穂村というところに鬼太鼓とか野呂間人形とかいうような非常に土俗的なものが残つておるのでありますけれども、これが十分に保存されなければ消滅するという形になつておるので、これに対するところの保存に留意して欲しいという要望があります。それから富山県内に参りまして高岡山瑞龍寺というものを見まして、この保存状態はこの寺の住職さんが非常に熱心な闊達な方で、これは相当よく行われているように見受けて来たのであります。それから金沢市に参りまして、尾山神社というものを見て参りまして、それから同じく尾崎神社、これは現在三年計画でこれは修理中であります。これらの国宝保存の費用は国庫から大部分は出されたもので、現在その状態が進行しておるようであります。修理費用を一応申上げますと、一億一千五百万円でありますが、その八割が国庫で、残りの二割がまあ県費負担する。こういうような割合だそうであります。それから金沢城を見たのでありますが、この金沢城の中で問題になる点は、あそこの城門でありますが、この城門の管理が金沢大学になつておる。大学がこの国宝の管理という形になつてつて、外では手をつけないものですから、このまま行くというと、石垣が落ちて来たり、壁が非常に落ちて来たり、そういうものに大学経費では何とも手がつかない、こういう形が出ておるので、この点に対する要望が非常にあつたのであります。金沢市では成巽閣というものを見ましたが、これは前田家の邸宅になつておるので、現在国宝でありますけれども、非常にこれは厖大な徳川の初期の書院造りの全く代表的な立派な建物であります。この維持に大切な維持費が最小五十万円かかる、毎年五十万円かかる。併し全然国庫補助がないので、これをどのように処置したらいいか、ここに住んでおる方が二十何年来この成巽閣を守り続けて来られたのでありますけれども、もう方法に窮してしまつてどうしたらいいかというようなことが非常に深刻に語られたのであります。殊に蝶の間の土台に白蟻がわいて、管理者が僅かにDDTで防いでおる程度だ、これは何としてもこれを早く処理しなければならないのであるけれども、そういう手を何とか伸べて貰えないかということが、この文化財保存委員会の方に強く要望されておるわけであります。それから那谷寺というのを見ました。これは保存の手が伸びておりまして、拝殿とそれから三重塔、鐘樓のようなものが修繕されておるのでありますけれども、一つ非常に壞れておつたのは鐘樓ですが、鐘樓が非常に壞れて、下の方の板の羽目なんか腐つておるというのが見えておる。大体私たちの見た文化財はそれだけであります。  以上まとまりのないことを申上げたのでありますが、足らない所は是非外の諸君から補足して頂きたいと思います。終ります。
  18. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 木村、高田委員から補充がありませんか。
  19. 木村守江

    木村守江君 今度の視察の目的は、大体において教職員の免許法並びにそれに伴うところ認定講習状態、それから六・三制の建築状態、或いは文化財の問題等を主として視察せんがために出発したものだと思つている。そういう観点がら我々はこの免許法については相当考えなければならないというようなことを初めから考えておりますが、法の改正前はどうしても現行法を生かして、よりよき効果を上げるということでなければならないというような考え方を持つてつたのであります。そういう点で視察に参りまして、大体岩間委員から申された通りでありまするが、その外にちよつと岩間委員が報告漏れの点は、通信教育の際に文部省が一單位について五十円取るということをやめて貰いたいというような具体的な問題がありました。その外に結局の問題は、やはり経済的な大きな裏付をして貰いたい、それから経験年数を生かして免許法の簡素化を図つて貰いたいということに盡きるだろうと思うのであります。この認定講習の問題について、大学の権威というものが、特に新潟県では申されておりました。私の考え方はちよつと岩間君と違いまして、私は大学の権威があつていいと思うのであります。現在の教育機構におきまして小学校より中学校が一歩進んだ教育の権威を持ち、又中学校から高等学校が一歩進んでおり、高等学校から大学が一歩進んだ体系になる。従つて教育上に大学が現在の日本の教育法の上においては最高の権威を持つということを言つても差支えないのじやないかと思うのであります。今回の認定講習大学の協力によつて大学が行うということでありまするので、私は日教組等が、教員組合等がそれは大学に対して自分の考えはこうだというような参考資料を提出するのはいいが、日教組によつて大学の講義そのものを改編すべきものではないと思うのであります。飽くまでもこれは大学の権威の下に認定講習を施行しなければならないというような考えを持つておるのでありまして、その点ちよつと大学教員組合との間の考え違いがあるのじやないかというふうに考えるのであります。この問題も結局私余り大きく取上げるべき問題じやなく、結局大学教員組合とのいゆわる意思の疏通をされるという点は、結局は経費の問題、そ、の認定講習を受ける教職員の経費の問題、それからいわゆる関係上の大きな負担というような点が強くその大学の権威とか何とかいう方面に響いて来ているのじやないかというように考えた次第であります。  それから認定講習の問題では一体その程度に止めまして、次に六・三制の新制中学の現在の状態であります。この現在の状態も只今岩間委員から申された通りでありまするが、実際の問題におきまして、富山県においては実際新制中学校を造るのに要した実際の経費ですね、これは六億三千四百十六万九千六百七十五円であります。ところが国庫の補助が九千四百五十万二千五百四十四円、この国庫の補助を大体換算して見ますと、実際にかかつた経費の七分の一です。石川県におきましても一億二千百五十八万五千四百四十九円という実際の経費について、二千百二十二万四千百円の国庫の補助がありまして、大体六分の一であります。かような状態で本質から申しますならば、いわゆる建築費の半額を国庫が補助して、そうして新制中学校の充実を期するというのが文部省の建前であろうと考えるのでありますが、実際問題においては六分の一或いは七分の一というような状態でありまして、この状態下においては、町村の財政の窮迫した時代において尚大きな負担を町村に掛けておるということを申上げても差支えないと思うのであります。こういう点からどうしてもこの問題を解決して、そうしてよりよき新制中学校の様相を作るために国庫の補助を増額しなければならんということを痛切に感じられた次第であります。以上でございます。
  20. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 高田委員何かありますか。
  21. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 私は認定講習の問題について岩間さんの御報告、これはもう加えて申上げるところはないのですが、ただ一点過労と経済との裏付けのことは大きく取上げられましたが、私は特に女教師の問題は一つの社会問題を生んでおるように感じられたのです。それは先きほど取上げられました託兒所の問題でありますが、女教師講習を受ける場合に、託兒所は学校側において用意されておるとは言いながら、富山県の或る会場に参りましたときには、学校の宿直室のような、ちよつと暗い部屋でありましたが、そこに赤ちやんが三人ほど寝ておりました藪蚊が赤ちやんの足下に飛廻つておりましたが、これを守るべき何物もなかつたこと、それから人工栄養のために自分の子供が非常に衰弱しておるが、この子供を見捨てても尚且つ講習会場に来なければならない人たちに濡れた涙の目を以て訴えられました。私は單にこれは富山県のみならず、全国の女教師たちが嘗めておる非常に大きな母親の犠牲であると共に、大きな一つの社会問題を孕んでおるということをつくづく感じさせられたわけであります。更に妊娠中の問題のことでありますが、悪阻のために悩んでおる先生でもやはりこれは受講し、又しなければならな。講習を受ける受けないということは個人の自由であるとは言いながら、現実に自分が職業人としてその地位を保つためには、それらの大きな肉体上の犠牲にあえて振りのけて出なければならないというところに追込まれておるということを痛切に訴えられたのであります。更に子守の旅費の問題でありますが、この子守の旅費の問題は全く計算の中に入れられておらないのでありますが、非常に遠路を通つておられるような場合には、この子守の旅費というものが決してなみなみならん負担である。仮に二百円の旅費が本人に掛かるとすれば、その場合には四百円の旅費が要る。こういうような問題について是非取上げて貰いたいという非常に痛切な訴えを聞いたのでございます。特に私は女教師の今回の認定講習事項に対して、将来の日本を背負う小さな命がこの講習のためにいたいけな犠牲になつておることは、單に教育上の問題のみならず、一つの大きな社会問題を孕むものとして、この対策が真劍に考えられなければならないということを痛切に感じて参つた次第であります。以上であります。
  22. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 三人の御報告に御質問ございませんですか。
  23. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 岩間さん、新潟で一單位習得するには二百四十円と報告されたのは間違いないですか。
  24. 岩間正男

    岩間正男君 四百円です。全部平均して……。
  25. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 四百円ですか。新潟では一單位取るのにどのくらいのレクチユアをやつておりますか。その四百円という数字の出た根拠、それは一單位取るのに講義を何日間やるとして四百円ですか。
  26. 岩間正男

    岩間正男君 普通にやつているあれでしよう、七日……。
  27. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それだつたら随分安いな。
  28. 岩間正男

    岩間正男君 それはこういうわけです。山間の何も持たない人、それから市内の人、全部おしなべて四百円。平均が四百円です。
  29. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それはまちまちなんですよ、三日もあるし四日もあるし……。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 それにしても九千二百円かかるわけです、平均ですから。
  31. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 今の御報告の中で、石川県、富山県の建築費の補助、大部分認証外建築が主だろうと思うのでありますが、建築費の僅か七分の一、六分の一という国庫補助、こういうこともあえてしなければならないという地方実情をお調べになつておられるか、どういう事情でこういう結果になつたのか、おわかりでしたら一つ今でなくても、あとでもよろしいのですが……。  外に御質問ございませんか。では続いて荒木君に……。
  32. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 では失礼いたします。第三班は成瀬委員と私で、島根県それから島根県それから兵庫県を視察したのでございますが、その視察の結果につきましては、ここに可なり詳細な文書にいたしておりますので、これをあとで提出したいと考えております。従つてここでは極く概要だけを申上げて報告に代えたいと思います。  先ず六・三の問題でございますが、その前に私どもの視察態度といたしましては、できるだけ現地に参りまして、そうして現地の方々の各方面の意望なり要望なりをできるだけ多く聞きたい。こういうような考えで参りました。従つて当局の説明は一通りお聞きをいたしまして、その後は教育委員のかた或いは教育委員会の事務局のかた或いは教職員のかた或いは町村長或いは市会、県会議員のかたにできるだけお会いをいたしまして、そう方々の意見なり要望なりを努めて聞くようにしたのでございます。そこでこの実情につきましては、この報告書に詳しく書いておりますので省かして頂きたいと思いますが、要望なり意見というものを中心にいたしまして、どういうことを要望しておるか、そういう点を中心にいたしまして御報告をいたしたいと思います。  先ず六・三建築の問題でございますが、これにつきまして先きほどからどなたもお話になつておりましたように、認証外工事で地方では非常に困つておるということでございます。これは校舎を建てるとあとから国庫から補助金が来ると、こういうような文部省の意向であつたので、来るだろうというような予想の下にいろいろ無理をして学校を建てた。ところがその後方針が変つて、こういう認証外の工事に対しては全然国庫補助が来ないというので非常に困つておられました。これは視察をいたしましたどこでも一様に私たち要望せられたところでございまして、この中には農業組合とかそういつた方面から金を借りておる、ところがその組合自体が非常に苦しくなつて来て、急速に回收しなければならないような事情になつておるようであります。ところがそれを返す金がないこいうので、町村長の中には非常に多くの人がその職をやめなければならないというような気の毒な実情にあることを知つたのでございます。従つてこの認証外工事に対しましても何分の国庫補助を至急にして貰うようにしたい、こういう要望が非常に熾烈でございました。それから概して六・三建築につきましては、地元の協力というものは非常に強いものがございまして、私ども文部委員といたしましても、日本の教育復興のために非常に心強く感じたのでございますが、その半面又父兄とか一般市民の寄附というものが非常に多額に上つておる。私ども聞いた中で最も寄附金の高かつたのは、一戸当り一万円の寄附が課せられた、これは島根県の或る村でございましたが、これは私の聞いた範囲では一番高い例でございますが、そこまで無理をする熱意と共に、併しこれが経済的な父兄の負担の過重になつて、これだけ教育に金が要るのは困るというような声も同時に起つておるということも注意しなければならない問題だと考えたのであります。かようにいたしまして非常な努力によりまして追々に整備されておりますが、尚私の調査いたしました三県では可なりの仮教室が、或いは二部授業が行われておりまして、今後まだまだ努力しなければならない点が多いと、その一つの例といたしましてこれは島根県の例でございますが、島根県では〇・七坪の基準に達するのにはまだ一万六千八百八十五坪を建設しなければならないということを聞いたのでございますが、今後とも六・三建築には相当な政府の方において努力をして、そうして仮教室や或いは二部授業を廃止して、そうして〇・七坪の線を確保するようにする必要があるということを痛切に感じました。その次に〇・七坪という基準にしても相当の不満がございました。この不満は特に鳥取、島根県に多かつたのでございますが、御承知のように鳥取、島根県では冬期間は殆んど毎日のように氷雨が降りまして、生徒や兒童は校舎の外に出ることができないというような天候状態でございます。これが約五ヶ年間続くのでございますが、この〇・七坪という基準では、そういう雨天体操場のようなものを造ることができないので、生徒、兒童は殆んど冬期間は長期に亘つて運動ができない、そのために体位の点におきましても或いは健康の上におきましても多少悪い影響がある、従つてこういう気候の特殊的な所においては〇・七坪以外に、雨天体操場のような、子供の運動する所を是非認めて貰うようにして貰わなければならないということを強く要望されておつたのでございます。それからこの〇・七坪も又学校單位で確保しなければ、町村で平均して、或いは県で平均して〇・七坪ということになると、或る所では〇・八坪である、だからどうしても或る所では〇・六坪で辛抱しなければならないというような不合理が出て来るので困る、学校單位にこの基準を確保して貰いたいというよ方な御要望もありました。これらは尤もなことであると思つたのでございます。鳥取県の例でございますが、鳥取県は、過般の震災でそのときに応急的にバラツクのような校舎を多数建てたのでございますが、これらは殆んど使用に堪えないというような現状でございます。こういう老朽化校舎、老朽と言いますか応急に建てた校舎、而もその中ではもう危險で授業ができない、こういう校舎も又〇・七坪の中に入りておるので非常に困る。こんな校舎は早く潰れて呉れたがいいということを教育委員のかたやその他のかたも言つておられましたが、併し形だけでもあれば、それがまあ立派な校舎と同じように見られて〇・七坪の中へ入つてしまう、そのために非常に困つている。これを建直そうと思えば、どうしても県独自の予算でしなければならない。ところがそのことが困難であるので非常に困つている、こういうことが強く要望されておつたのでございます。  それからこれは特殊な例でございますが、島根県でスクール・バスというものを計画している、併し県費負担ではなかなか実現がしにくいので、せめて半額でも国庫補助を願いたい、こういうのであります。島根県では八キロ以上の通学距離を持つているものが四十校に及んでいる。従つて到底その小さい子供が毎日歩いて通うということは不可能である、あすこは御承知のように非常に山が多くつて、そうして非常に人家が疎らに建つておりますのでそういうことになる、そこでスクール・バスを運転して子供を運ばないとどうもうまく行かない、と言つてあんまり小さい所へ五十人や六十人の生徒單位として、一つ学校を設けるということは到底できないことであるから、このスクール・バスを経営したい、そのために国家のほうでも何らか考えて貰えないだろうかという御要望もありました。まあ六・三の建築及び関係した問題につきましては、以上でございますが、要するに父兄一般並びに地元の非常な協力と熱意によつて着々として進行はしておりまするけれども、まだまだ不十分である、どうしてもこの六・三建築を完成するためには、今後引続いて国家財政的援助が必要である、それを非常に期待しておるということに盡きるのじやないかと、かように思うのでございます。  次に認定講習の問題でございますが、私が参りましたときは、大体この三つの県は教員組合当局大学側とが協議いたしまして、新しく計画を立直して再出発するという方向にきまつておりました。併しこうきまるまでには可なりお互いの間において意見の相違があつてトラブルがございました。可なり激しい面倒なトラブルもあつたようでございますが、私が参りましたときには一応話合いが付きまして、新しい計画によつて行うというような事情でございました。そこでこのトラブルがあつたいろいろの問題の中で、やはり第一は経費の問題でございまして、地方としてはできるだけ教員負担をかけないように財政的な措置を講じたいという熱意はどこまでも私はあつたように思います。できるだけのことをしたい。ところがこれだけの講習をやるのに国家が何らの予算的措置をしていない、従つて地方県会にこの要求をしても非常に無理がある、こういうことを一様にお話になつておりました。これは尤もなことでございまして、今度は或る程度国家でも補助するようになつたようにこの間お話がございましたが、当然のことでございまして、少くとも半額くらいは国家で補助をする、こういうふうに持つて行くことが地方財政的措置をするめに非常に都合がいいのじやないかというようなことを感じたのでございます。勿論この経済的な負担が可なり教員に過重にかかつておる。特に遠隔山村の地に住んでおる先生方の負担というものは非常に大きいものがございまして、これはどうしてもこの解決のために文部省としても努力をして頂かなければならない問題のように痛感をいたした次第でございます。  それから講習は形式的であるという非難と申しますか、そういう声も相当に聞いたのでございます。どういうことかと申しますと、今度講習を受ける受講者は種々雑多でございます。一級免許状を取る人もあれば、二級免許状を取る人もあれば、或いは助教から仮免状を取るというような人もあります。ところ講師といい、その講師教授内容は、どれも皆一律に行れておるのでございます。助教の人に対する講習も、或いは小学校中学校一級免状を取る人に対する講習の内容、或いは高等学校の人々が一級免許状を取る講習の内容にいたしましても、同じ講師が同じような講演内容を以て教授をしておるというところがございました。これについては非常な不満がございました。こういう形式的な講習は困る、こういう声が非常に強かつたのでございます。これは兵庫県の例ですが、兵庫県は、私はまあ止むを得ない点もあるのじやないかと思いますが、全教員を一斉に講習をやつたのでございます。従つてその講師が一時に三百人要る。とれだけ多数の講師を揃えるのには、到底優秀な講師を揃え得ないということはわかり切つたことでございまして、講師の中には資格のない人いわゆる一級免許状を持つておらない人が、一級免許状を取る講習講師になるというような事実がございまして、これは可なり大きな不満がございました。それからこういうことは結局まあ枝葉の問題でございますが、むしろ今度の講習は、その根本において資質の向上という点にあるのでございますが、免許状を取るためにいや応なしに出席するというような講習会で果して資質向上ができるかどうかという点については、これだけの大きな動員をして、そうして経費を掛けて、そうして時間を費して行う講習の割に、私はその目的を達成することができないのじやないかということをまあ強く感じたのでございます。もつと自発的な講習、進んで勉強するというような方向に持つて行かないと、こういう大きな犠牲を拂つてもその割合に効果がないのじやないか、こういうことを痛感したわけでございます。この講習教育上にいろいろ悪い影響を及ぼしておることは先ほどもお話になりました。例えば多数の人が講習を受けるので、授業にも差支えが起つておる、或いは教職員の方々の肉体的、精神的な負担が非常に重くなつているとかいろいろな影響はございます。併しこれらの問題が起つて来るのは、私は根本に五十万の教職員を短時日のうちに免許状取得という理由の下に、広汎な講習を一律に行うというところに大きな無理があるんじやないかということを考えたのでございます。特にこの問題について、非常に教職員が不満に思つておる点は、既得権益といいますか、今まで資格があつたものが新しい免許法によつてそれが多少、多少といいますか、多く抹殺されておるという、この点に対する不満は非常に強いものがございました。これは前にもこの文部委員会で申上げたのでございますが、この不満がやつぱり根本的な問題ではないかというふうに考えます。御承知のように、アメリカでも新しい免許法を実施した場合に、多くの所ではこれからの教員に適用をしたのでございまして、今日現在まで勤めておる人たちには適用しなかつた。それを今後五十万の教職員に一律に適用するということになると、これは容易ならない問題だと思うのであります。そういう点は、今後免許法の問題が検討される場合に相当愼重に検討されなければならない問題だと思うのであります。それからこの問題を離れましても、私は日本の教員の資質向上を図らなければならない一番重要な面はどこにあるかという点をもう少し考える必要があるのじやないかと思う。    〔委員長退席、理事木内キヤウ委員長席に着く〕  それは現在の教員の資質というものは戰前に比べて非常に低下をいたしております。私どももそれを歎いておる一人でございますが、形の上から申しますと、約五十%に近い教員が無資格者である、こういう実情であります。で資格のある者、それは一応いいといたしましても、この無資格者の資質の向上を図つて、そうして有資格者にするというところに、私は今日日本の教職員の資質の向上を図る第一のめどを置くべきではないか、かように考えておるわけであります。従つて免許法に基く新しい資格を取得するために、無理やりに五十万の教職員の一斉講習をやるということは、如何に無理があるかということは、先きほど私が二、三申上げただけでも十分明瞭になると思います。  大体免許法につきましては、以上に止めたいと思うのでございますが、その他の問題といたしまして、特にこれは六・三建築についてちよつと落したのでございますが、この六・三建築は、教育委員会の管理下に置く必要があるのじやないかということを私は痛感いたしました。で今度いろいろ各地を視察いたしまして感じたことは、質よりも量というような観点に立つて文部省から補助された金額と地方負担する金額を合せて一教室一万六千円なら一万六千円の單価を一万二千円、一万一千円というふうに引下げて、そうしてその半面、十教室建てるところを十五教室建てるというようなことが多く行われております。これは誠に私は考えなければならない問題だと思うのであります。これも併し考え方によつては、二部授業、或いは仮教室というようなもので辛抱している、これをどうしても早く救いたいという気持はよくわかるのでありますが、併し今度の風水害でも、そのことが顯著に現われておることを考えましても、こういうやり方については考え直す必要があるのではないかと思つておりますが、教育委員会が実地に指導し、実地に当つたところでは、可なり堅牢にして、そうしてよいものが建つておるという事実を私はこの視察の中で見たのでございます。そういう意味から申しまして、この建築管理は地方自治体から教育委員会に移すべきではないかというようなことを感じました。  それから六・三建築ではございませんが、新制大学の問題でございます。私はこの三県とも新制大学視察をいたしましたが、いずれも大学としての設備を持つておらない。校舎にしても、設備にいたしましても非常に不十分である。これは最近昇格したばかりの新制大学としては止むを得ないと思います。併しその学校の運営に当りまして、教授会が設けられていないということについては非常に不思議に思いました。やはり学長などの專断によつて学校運営がまだなされておるというような実情を見まして、これは早急に新制大学においても教授会を正式に発足せしめて、そうして学校運営の責任をとらさなければならないかということを痛感したわけです。そのために教授間において可なり不平不満があるということも聞いたのでございます。これはちよつと横道に外れましたようでございますが、階加えたいと思います。  それから文化財の問題ですが、文化財視察はどの県もできるだけ多くいたしまして、特に私の行きました所はそういう所が多うございまして、現に出雲大社にいたしましても松江城、姫路城にいたしましても、国庫補助によつて大掛りな修理が行われております。併しその地元人たち要望は、これでは経費が少い、もつと出して貰いたい、これはまあ無理からぬ要望だろうと思うのですが、そういう要望がございました。又現在手に着いていない多くの国宝関係のものが多い、こういうものにも是非出して貰いたいという陳情は数限りなく私は受けました。これらは相当財政的の関係もありますので問題であろうかと思いますが、いずれにいたしましても、長い間修繕されないで放置されておつたというようなことやら、或いはそういう神社、仏閣が財源的な基礎を失つたというような点から、国家に依存しておる度合というものは非常に想像以上に大きいものがございまして、従つてこれらの問題につきましても、やはり文化財保護の建前から相当な考慮を加える必要があるのではないかというように感じたのでございます。  非常に簡單でございまして、要を得ない報告をいたしまして、誠に申訳がないと思いますけれども、速記のほうはこの文書によつて一つ出したいと思いますので、その点御了承を頂きまして報告を終らして頂きます。
  33. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 荒木議員に対する御質問がございましようか。
  34. 木村守江

    木村守江君 新制中学校教育委員会が管理して建てたというお話でしたが、どんな学校教育委員会に管理さしたのですか。
  35. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私は詳しいことを知らないのですが、西宮市の文教委員でした。矢嶋さんと私と一緒に行つたのですが……。
  36. 木村守江

    木村守江君 それは市会の文教委員ですね。
  37. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そうです。市会の文教委員です。
  38. 木村守江

    木村守江君 教育委員会には建築を管理する権限がないのです。
  39. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 だからあれは市会の文教委員です。非常に立派なものができておりました。
  40. 木村守江

    木村守江君 それはやはり市会が一緒になつておるからですね。教育委員会にはその権限を讓れないのですよ。
  41. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それであの、教育委員会が管理したということは間違いで、文教委員です。
  42. 木村守江

    木村守江君 市会のですね。
  43. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そこで結論は同じなのです。教育委員会に管理を移すことが立派な校舎が建つということですね。
  44. 高良とみ

    高良とみ君 認定講習のときの授業内容ですね、殊に一斉に各地で同じ講義をなすつたとすれば、何か筆記か何かございますのですか。講義内容、大学側がした講義の内容ですね、そういうものはお手に入りませんですか。或いはどこかでそれを取つていますか。
  45. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私は講習は見なかつたのですが、そういう先生方の考え、特にこのときは文教委員も行つておられました、文教委員のほうからも……。
  46. 木村守江

    木村守江君 どこの文教委員ですか。
  47. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 兵庫県です。
  48. 木村守江

    木村守江君 高良さん、富山県、それから石川県の方では概要だけのプリントを出しております。
  49. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 よそのほうはどうですか、大体似たようなことをやつておるんじやないですか。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 御視察おいでなつたかたに通じてお尋ねいたしたいのですが、大学側教授態勢ですね、大学の学長は、語弊があるかも知れませんが、大なり小なり文部省の圧力が加わつておると思うのです。それで学長は随分積極的協力態勢を示しておるでしようが、その下に仕えておる教授陣が果して十分の理解を持ち、協力態勢にあつたかどうか、それから又何か教授陣から希望とか不満はなかつたかということをお尋ねしたいと思うのですが、それが一つと、それからそれに関連するのでありますが、新潟県で大学の権威ということを叫ばれましたが、やはり大学のほうでは免許法のあれに基いて相当権威ということを考え、相当高い程度の講義をやられるわけですね。又東京都の先生方は相当質がいいわけですが、地方に行きますと、こんな人が先生が勤まるかというような、お下げをしたような、失礼ですがお孃さんタイプの人が沢山いるわけなんですね、そういう人に、これは熊本の例ですが、私の聞いたところでは、ものすごい哲学をやつて、聞いた人は高等学校から小学校先生までみんなわからない、それでわからないわからないというから、先生もプリントを出した。それから又一つの例で、これは内容の例なんですが、五十を越えた国語の先生一般教授を受けたところが、化学方程式の亀の甲が出て来た。中学で習つたけれどもわからないから、今度数学をやろうというので数学に行つたところが、コンビネーシヨンが出て来た、因数分解が出て来た、全然習つていないからわからない。考査を受けたとこるが殆んど誰もできん、でわからないわからないで、先生は非常に不愉快で、こんな講習はやりたくないというようなことを言われたということを聞いておるのでありますが、そういうのが各県であつたのじやないかと推察するのですが、そういう実情をお聞きにならなかつたかお伺いいたしたい。
  51. 木村守江

    木村守江君 今矢嶋君の大学のほうの話ですが、大学のほうのかたですが、大学のほうでもこの各講習会場大学教授をみんな出しますと相当の数になる。非常に大学の講義を犠牲にしてやらざるを得ない、これは認定講習を受ける教職員の人も非常な犠牲だろうが、大学の方でも大きな犠牲を拂つておるんだ、従つて大学のほうにも協力して貰いたいという話があつた。  それから第二番目の大学の講義が非常に高過ぎるとか低過ぎるとかいう問題なんですが、これは私の県でやつたんですが、これは例えばどのくらいの講義をしたらいいかというので、教職員と一般の人を集めて、そうしてこのくらいの講義がいいだろうというので講義をやつたときに、初めはやつたがむずかしくて駄目だといつて、今度どのくらいにしたらできるだろうかというのでやさしくしてやつたところが、今度はこんな馬鹿らしいものは駄目だと言つて、どつちにしてやつていいかわからない、そうして大学のほうで講義をやつて、このくらいならわかるだろうといつてつて、そうして一番わからないというのは学校先生つたというので、学校先生が、やはりこれは学校先生ですが、あんなに恥をかいたことはない、学校先生が社会の一般人よりも一番わからないのですと言つておる。こういうことを言つて非常に困つてつた先生がありましたが、ああいうところを見ると、学校先生はわからないのではなくて、学校先生が本当にやる気がないのじやないかというようなことも考えられるのです。そういう点から言つて組合大学と協議することはいいことですが、やはり或る程度大学教授が、教授と言つてもピンからキリまでいろいろあるのですが、やはり大学に依頼した限りは、或る程度大学にいろいろの意見教員組合あたりで言うのはいいと思いますが、或る程度やはり大学に任して、大学教授の気持で進めるべきじやないか、そうして勿論大学教授のレクチユアーにしても、そのレクチユアーが全部わかるはずがない。そのうち少しでもわかつたら、それを一つの種子にして勉強する糧を與えれば私は大学教育は満足だと思つている。我々大学時代に、大学教授の言つたことが全部わかつてしまうということはないと思う。そういうところがやる気がないのではないかというふうに考えられて、非常にそういう点不愉快なんです。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今の木村さんの発言は、これは全国の教職員に相当重大な発言だと思うのです。それは或る一部を御覧になつて言うのかも知れませんが、先きほど報告されたかたが、それ以上に講師は熱心、それから受講者も熱心だということを発表されましたが、これが僕は実態だと思つている。あなたの見られたのは極く特例の場合であつて、やる気がないということは語弊があると思う。
  53. 木村守江

    木村守江君 私のほうで試験してやつて見た。どのくらいの講義でいいのかというので、大学教員組合と話合つて、どのくらいの程度でしたら教職員の人がわかるのかと思つてつて見た。実際そうなんです。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それは結局大学やら高等師範を出て元の中等学校の英語の先生とか数学の先生と、それから中等学校の師範を出ている英語の先生とかが一緒に授業をするのですから、みんなの人にわかる授業ができん。どんな講義をしても一部の人はどうしてもわからない講義というものが出て来ざるを得ないわけです。例えば数学專攻でない人でも、或いは微分とか積分、こういうものをやつて来たから一時間ぐらいのレクチユアーは数学判断でやるわけです。これが五、六時間となると講義が專門になる。そうなると一遍も聞いてない人はわからなくなる。そういう教授があるというわけで、大学教授がみんなわからないというのではない。
  55. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 その問題ですが、私大学先生に率直に質問した、個人的な質問でありましたけれども、やはり余り段階が教員の場合あるのですから、その段階を分けて貰つたほうが自分たちは大変しいいということを言われましたし、それからもう一つ経済上の問題をおつしやつておられましたけれども、相当に自分たちがここへ来るのに準備もしなくちやならないし、交通費も要るけれども、なかなかれそれをカバーするだけの費用というものが得られないということ、それから大学の学生に対して十分研究して頂くだけの時間的な余裕がなくなつているということを述べておられました。最後に木村さんは非常にわからないわからないと言いますけれども、昔の教員は如何にわからなくても、いろいろの場合黙つてつた傾向が随分ありましたが、今の教員自分がそのものを得ようとするときには、わかるまでわからないということを率直に言つて、それに取組んで行く。これは私は一つ熱意の現われであるというふうに考えても、その熱意の現われが、悪く言えば、教員をまるで馬鹿扱いにするような言葉になつて出て来ると思うのですが、これは一つ取消して貰いたい。皆非常に熱意を持つて今度の講習に立向つておることだけは事実だと思う。
  56. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  57. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 速記を始めて下さい。それではこれにて休憩いたします。    午後零時三十八分休憩    —————・—————    午後二時三十五分開会
  58. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) これより委員会を再開いたします。
  59. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 只今速記のない中に木村委員から年末手当について質疑されたのですが、全くこれと同一問題でありますが、今度ベース改訂をなさつた場合、現在の地方税法が実施された直後においては地方自治体はそういう余裕がないので、そのベース改訂に要する費用全額、或いは少くともその二分の一程度は中央において考慮しなければ実施できないと思いますが、これについての交渉経過を承わりたい。
  60. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) ベース改訂につきましては、千円の改訂のほうは、これは九億円大蔵省が出すということでございます。そういうふうに大蔵大臣は承認しております。併し人事院の勧告によるほうはどういうようになるか、まだ国家公務員に関してさえはつきりしないことだから、これはどうなるかはつきりしないということであつて、これはそのほうまでも中央で見るということはできない。すべてそういうものは地方に任すべきものである。それが今度の平衡交付金というものの制度なんだ、だからして、一体言うならば、九億というものを出すということも本当じやないけれども、併し自分はそれは出すのだという御説明でした。併し私はそれに対して、平衡交付金制度そのものが一体非常に不十分な制度なのでありまして、これは岡野大臣も非常に力説されておりまして、岡野大臣はこの標準義務教育費の確保の法律案ということについては十分お知りにならないようでしたが、義務教育は直接国家がそれをしなければいけないのだ。そういう御意見であつたので、私は当然これも中央でできないならば地方でやるとか、どちらかの方法で必ずできることと自分は信じております。その点については年末手当の場合と同じ確信を抱いて、これができんというのでは到底日本の教育はやつて行けんという私の考えでございます。
  61. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 今の問題に関連してお尋ねしたいことがあるのですけれども、それは少し後廻しにしまして、先ず初めに水害の復興費のことにつきましてお尋ねをしたいと思います。昨日それから今日に亘りまして、閣議においてこの問題が補正予算としてどれくらい組むかということが協議されておるということを聞いておるのですが、それで昨日水害関係の国会議員が集まりまして、その補正予算には公共事業費の復興費として百億円組んで貰いたい。こういう意向に一致いたしまして、その旨を要望することになつたのでありますが、昨日及び今日の閣議では、この補正予算がどの程度に進められているか、その模様を先ずお聞きしたいと思います。それから特に教育関係の復興費の件については、そのことをお聞きしてからお尋ねするようにしたいと思います。
  62. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) この災害の復旧に充当できる費用というのが非常に少いために、こちらで要求した額というものは到底できない。もとがない。それだからして私は現在あるだけの中でできるだけ教育の現実に即して十分その割合をよくして貰いたいということを周東安本長官に今日お願いして、周東さんもそれはできるだけするからということで、まだ未決定でございます。
  63. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そういたしますと、補正予算に組む災害関係の公共事業費の復興費の金額についてはまだ決定を見ていないわけでございますか。
  64. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 昨日の閣議で以て私は実はそれに参加しておりませんけれども、二十億殖やして全体で百億となつたのではないかと思つております。その百億を諾方面にみんな分けようというのですから、教育のほうの災害に充てる部分も到底自分たちの要求するものでないことは只今荒木さんが教育のほうだけで百億要求しようとおつしやいますが、それが全部で百億しかないという有様であります。けれどもそれならば全然もうできないことかと言うと、財源についてはまだ大蔵省や安本のほうなどでいろいろ研究されておるのではないかと私は期待いたしております。併し差当つてはそういう事情でございます。
  65. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 百億円という内容でございますが、これは五十億円は災害復旧費としてすでに予算化されておるものと、それから追加予算として五十億これに増額されて、合せて百億円という意味でございますか。
  66. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) そういう意味です。
  67. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 一応百億といたしまして、その中におきまして教育復興の費用ですね、これはどれくらの点まで進んでおるのでございますか。
  68. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 只今御指摘の教育関係の分が、全体の災害手当費の枠の中でどういう部分を占めておるかという問題でございますが、これは只今お聽きの通り、本日の閣議で大体百億五千万円という大枠がきまりまして、それの内訳の各省への配分、各事業費への配分というものがこれから安本でいよいよ正式に今日から始まるという形になるわけでございまして、今お手許にお配りいたしました資料、ここに一応示しておきましたように、国立学校の関係で大体三億二千万、公共学校の関係が三十二億六千五百万、それから私立学校の補助金、これが九千三百万、その三つのトータルが三十六億ということになるわけでございますが、その中の第三の私立学校の関係の分だけが一応これは面接教育費のほうに載せませんで、行政費の扱いになりますから只今のところ七千六百万ばかりの貸付金ということで大蔵省との話合いがついております。これにつきましてもまだ小中学校のほうは七五%の比率で、高等学校以上大学の分は五〇%の比率で一応計算いたしますと、それが六千七百万円という見当のものになりまするので、その辺のパーセンテージを全部合せて五〇%平均に並べて、その五〇%平均のものを補助金にして欲しいということで、今大蔵省と事務的に話を進めております。その分が多少そこに出にくくなつておりますが、これは公共事業費と関係なくそういう限度で大体落付きそうに考えております。上の二つの問題につきましてはこの間からずつと一週間ほど個個の被害対策について査定を大体やつおりますので、いよいよ正式に今日あたりからトータルの枠がきまつて参りましたから、私共は飽くまで八〇%の線を公立の関係において確保したいと思つておりますが、只今お聽きの通り百億前後で以てこれを全部終結させるということは可なり困難な形になりますので、この八十億がどの辺にとまるかということが、これからの掛け合いになるわけでございます。
  69. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そういたしますと、この数字は百億の中で教育復興としてこれだけの分は一応決定を見ておるものでございましようか。或いは文部省要望しておられる数字であるのか、その点をお聞きしたい。
  70. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) ここに出しております数字は、全部文部省が要求しております数字であります。これについて或る程度私共のほうの者が現地に行つて査定をやつて来ております。そうしてその後いろいろな意味での材料を頂いておりますので、相当正確なものでございます。ただ比率の八〇%、公立学校において比率を八〇%と抑えておりますように、数字の大きい動きがあるわけでありまして、これを一〇%落せばその比率から押して来ますから、ここに問題があるというだけであります。私共は計数としては相当確信を持つて安本に出しておる数字でございます。
  71. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そういたしますと、大臣にお伺いしたいのでございますが、この百億の中で教育復興としてここに載せられている数字を確保して頂きたい。勿論もつと百億を増額してやつて頂きたいということは言うまでもないことですけれども、これだけの数字を確保する。言い換えますと八〇%を確保するということについては十分な見通しがあるのでございましようか、どうでございましようか。
  72. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 大臣にお尋ねでありましたけれども、今月初めてその外のトータルの枠がきまつた程度でありまして、まだ大臣に私共事務側としての御連絡も十分いたしておりませんし、又閣議の内容も十分に私共伺つておりませんので、これで確かにやれますということを申上げることはまだ軽々だと思いますが、大体私立学校関係の分の九千三百万円のところが大体七千万円見当に收まつております。それらと合わせてそういう恰好に收めたいということに努力さして貰います。
  73. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 細かい点に亘りましては又監理局長のほうにお伺いすることにいたしまして、尚大臣にお尋ねしたい点があるのですが、この校舎の復旧費については中破以下の分が全然含まれていないように聞いておるのでございますが、併し今度の調査の結果でも明らかでありますように、中破以下の被害というものは、その総額においても約半ばを占めておるような状態でございます。これが全然国庫補助の対象にならないということになれば、この復旧には地方は相当困るのではないかと考えられますが、この点について大臣のほうではどういうふうにお考えになつているのか、又その対策についてどういうふうにお考えになつているかということをお尋ねしたいと思います。
  74. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 従来こういう災害の関係を扱います一つの形として中破が補助対象のものになつていないということは、荒木委員の御指摘の通りでございます。ところが今度の場合には非常に全面的な災害でございますので私共としましても、実際の査定をやります時分に、例えば一坪のものがまるまるつぶれた。これは全壞でございます。百坪のものがその場合にの比率で災害を受けたとしますと、これは百倍になるわけで補助の性質から申し、又それらを復旧させる実際上の比率から申しまして、單に性質上の区別ばかりではやつて参れません。それで災害自体の対象を相当加味して査定線にのつけて来ております。ここらは技術関係に入りますので必ず中破であるから落した、大破であるから取つたというだけが鉄則ではございません。併し従来ともそういう一つの型がありまして、或る程度標準を作らないと、比率の査定に困りますから、そうした考え方があるという程度に御了解を願つて、この計数の中にはその意味での中破は必ず取り入れられているというふうに御了承頂きたいと思います。
  75. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それからこの前災害地を視察いたしました場合に、今度の復旧については單に原状の回復ということだけでなしに、どうしても相当部分鉄筋校舎の復興をして貰いたいという地方要望が非常に熾烈でございます。これには又一々理由を申上げなくてもよく御了解頂いておる点であろうと思うのですが、今度の校舎の復旧について鉄筋校舎の復興という点についてはどの程度お考えになつておられるのか、この点をお尋ねしたいと思います。
  76. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 御指摘の通りでございます。戰後殊に建物がまずいという関係のことを懸念いたしておりますが、特に現地としての大阪市、堺市あたりの関係者が是非單なる応急措置でなくて復興的な意味で鉄筋のものを恒久的に構えて行くという態度で臨みたいということで非常な熱望も全部私共伺つておりますが、そういう意味の資料を頂いております。それを基礎にいたしまして同じ考え方で進みたいと存じております。
  77. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それから尚次にお尋ねしたいことは、この国庫補助金額が文部省が希望しておられるような数字が出ない場合、それは起債を許すとか、そういう方法をお考えになつておられるわけですか、そういう点を明らかにして頂きたいと思います。それからもう一つはこの学校の復旧に当りましてはその補助金は府県單位に補助せられるのか、或いは市町村に対して直接補助せられるのか、その上もお伺いしたいと思います。
  78. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 起債の関係については未だこの補助金のほどまで進んでおりません。併しいずれもこれは独立した問題として当然措置をしなければならん問題でありますが、御指摘のように進めなければならんと心得ておりますが、今の第二の補助金を市町村單位に持つて行くのか、直接県に持つて行くのかというお話でありますが、これは県を通して市町村單位に持つて行くのが今までの常例でありまして、これは変化はないと考えております。
  79. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 その次に私立学校のことについてお伺いするのですが、先程久保田監理局長の御説明ではできればその五〇%は国庫補助に持つて行きたい、こういうお話でございました。これは非常は私共もそうありたいと強く念願しておるところでございます。今度の視察におきましても私立学校は自力によつてこの復興をするということは到底思いも及ばないというような経済状態でございまして、どうしても何がしかは国庫補助をし、残りは貸付とする。或いはそういう方法によらなければ到底復旧がむずかしいのじやないかと思うのです。元来公立学校と私立学校とはその公共性において何ら根本的には差異がある性質のものではないと私共は考えておるのです。でこの私立学校に対する復興に対しても十分な御霊力をお願いしたい、かように考えておるわけでございますが、先程お話の七千万円ぐらいは補助金として出せる、こういうように受取つてよろしいのでしようか。
  80. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 小中学校を七五%にして、それ以外の学校を五〇%にしました貸付財政措置であります。これを五〇%平均に並べますと約一千万円ぐらい減ります。今現地の関係者やらその方面の責任者と御相談しておりますところでは多少減つてもよいから補助金で解決したいという線が相当強いと私共承知しておりますが、この際の一千万円は可なり大きいものですから、その單位学校が相当困られております。私共としても最後の決心をしますのに未だ迷つておる状態でございますが、今明日中にはこの関係者と協議して最後の線に持つて行きたいと考えております。大体一千万円を少し上廻るぐらい減らすことになると思いますが、それでも補助金がいいという考え方と、こういう性質の貸付金は相当長期の据置の問題がございますが、相変らず従来通りの性質に従つて貸付けるという見方も、この際のことでありますので成立ちますが、この一両日の間には十分その辺を関係者と最後の御相談をしたいと考えております。
  81. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 重ねて聞くようで恐縮ですが、この私立学校においては国庫補助ができない分については低利の貸付になるわけですね。若し国庫補助が全然できなければ全額低利資金による貸付、こういうことになるわけでございますか。その点とそれからもう一つは公立学校のほうで国庫補助が出される、その残額は全部起債が許可される。こういうふうに了解してよろしいでしようか。
  82. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 最後の私立学校に関します分は、財政措置としての貸付でありますので、金利の問題等、これは後ほどだんだんと片付けて行かなければなりません。公立学校のほうの起債関係の分は先きほど触れましたが、起債そのものの枠の決定が未だできておりませんので、その残額の分が全部であるとか、或いは残りの分のどれだけかになるかという問題は、これからの問題になるわけでございます。
  83. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それでは私からの災害関係に対する質問は以上で終りたいと思うのです。ただ大臣に強く要望したい点は、やはり災害復旧費の百億では今度のジエーン並びキジア台風の復興対策としては、これで非常に不十分であると思うのです。いろいろ財政的な見地もあろうかと思いますが、これの増額について大臣の御努力をお願いしたいと強く考えておるわけでございます。私共地元の国会議員といたしましては直接被害のあつた実情も見ておりますし、又その人たちの窮状も面の当り見ておるわけでございます。従つてこれについては時期的にもできるだけ早く措置をして頂くと共に、私たち要望しております追加予算において補正予算として百億円を組んで頂く、こういう点について尚一段の御盡カをお願いしたい。このことをお願いしまして災害関係の質問を終りたいと思います。
  84. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 只今荒木委員からおつしやつたこと私も全く同感でありますし、私だけでなく閣僚諸君も同じ考えではないかと思つております。ですからできるだけそういうように努力をいたしたいと思つております。
  85. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 くどいようでありますが更に質問いたします。さつき監理局長は規定では大破以上に補助を出すことになつておるが、実情に副うて中破以下にも出すつもりだ、こういう意味の答弁があつたわけですが、これは鉄筋コンクリートあたりで浸水して中の備品品なんかが全部流失し、相当の被害を受けたような場合にも同様な取扱いをするつもりであるか。それともこれに関連してでありますが、例えば芦屋市のごときは大破以上というものは殆んどないと思うのです。けれども殆んどの学校が中破以下になつておる。そういう場合に大破以上に補助するという形になると、芦屋あたりは除外されるということになると思うのですが、実際のところは中破以下の被害を受けておるというところにも補助を出される。こういうふうにとつてよいかどうか、お尋ねいたしたいと思います。
  86. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 第一の御質問の設備に関係したものは、今度は災害関係の手当は公共事業の関係でございますので、そういう設備関係のものは見ておりません。第二の問題の中破が大破にどういう形でまぜこぜに嵌まり込んでおるかという御質問のようでございますが、これは実際の査定をやります見地からいつても、相当全体のものが大きいという見方で計算上それを取入れるか、取入れんかという問題になりますが、芦屋だけについて今どういうことであるかという御質問でありますが、事実について申上げるより方法がないと思います。
  87. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 各自治体から提出された数字というものは、それぞれ自治体によつて標準が或る程度違つているかと思います。で希望でございますが、当局としては十分に公平に査定されて、実際に被害のあつたところには、その形の如何を問わず補助を出されるというように努力をお願いいたしたいと思います。  それからもう一点お伺いいたしたいのですが、さつき荒木委員から鉄筋建築について質問があつたのでございますけれども、はつきりしなかつたので重ねてお尋ねいたしますが、この鉄筋建築については浸水地域から随分切実な要望が文部当局にもあつたろうと思います。我々にもあつたのでありますが、具体的にこの復旧計画の中に何坪位入れられておるか、これをお尋ねいたしたいと思います。
  88. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) お手許に配付しております資料の二枚目の表のところの一番下のほうに書いてありますが、復旧計画の鉄筋と木造との比率をここに出しております。復旧計画の九千八百五十六坪、これが鉄筋での復旧計画であります。それからキジアのほうの関係の線では、三千八百十九坪、これが鉄筋の総坪でございます。
  89. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まあ私と荒木委員が大阪なり京都を視察したわけでありますが、さつき荒木委員からも切なる要望が文部大臣に出され、大臣の決意も承わつたわけであります。私も先きほどから監理局長の説明を承わつておりまして、まあ文部省としてはこの程度要求して行きたい。併しこれが通らない場合に全額起債とか、或いは私立学校に対する全額融資とか、こういう点についてまだ目鼻がついていないという点を承わつて非常に心細く思つておるのです。少くとも現在ここに文部省の掲げられておる線は最後の線として堅持されるよう私からも重ねてお願い申上げる次第でございます。次にこれと関連するのでありますが、二十五年度の補正予算につきまして、六・三建築についてお伺いいたしたいのであります。二十六年度のこの六・三建築に当つて六十三億要求してまあ閣議で四十五億と査定された。そのために〇・七坪の建築も維持できない。こういう段階になりまして、先だつて文部委員会では大臣も極力この十八億を二十五年度の補正追加予算として要望いたしたいという決意を表明され、努力されたようでありますが、承わるところによりますると、これが零に査定されたように聞いているのであります。これは非常にまあ由々しき問題でありまして、その交渉経過なり、今後の見通しについて、大臣並びに監理局長の見通し並びに決意を承わりたいのであります。大阪を視察いたしまして昨日も申上げましたが、老朽校舎というのが風水害の場合にまあ脆くいつているのであります。あの大阪の真中に昭和九年の台風直後に建てたところの応急建築バラツクが五百坪もあるのを見て私はびつくりいたしました。全く学校の形態をしていないのであります。それが今度の台風でやられてまあ中破以下くらいにとどまつているのもありますけれども、市当局としてもこんな建物を金かけて修理する気は起らないと、こういうふうに申されておりましたが、どうもこの大阪の真中に五百坪のバラツクのひどいのがあるのを見てびつくりしましたが、こういうバラツクすら〇・七坪の中に入れられておると言われております。結局六十三億を要求して四十五億になつたわけでありまして、是非ともあとの十八億というものを災害復旧とは別箇に、六・三建築の立場からこれはどうしても堅持しなければならんと、こう考えるわけであります。先般おいでなつたアメリカ教育使節団も勧告の最も冒頭に学校校舎建築が必要であるということを掲げておられます。昨日の吉田総理の談話の中にも文教政策に重点を置いて云々ということが発表せられておるわけでありまして、この〇・七を堅持するための十八億の補正追加予算、これの交渉経過並びに今後の見通し、並びに大臣の決意を承わりたいと思います。
  90. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) この六十三億要求して四十五億、後十八億というものが残つておるということは私も非常に残念に思つておることで、初めこの十八億は補正予算で出そうと私は考えておりましたが、併し非常な台風などのあつたときに一時にこれを要求して果してこれができるものかという点に私は疑問を持つておるので、今矢嶋委員は私がここで補正予算を出すと言つたとおつしやいましたが、私は言わないつもりであります。けれども出したいと内心思つておりました。併しいろいろなことを考え合わすというと、今これを押して無理にこれを出そうとしても、私は非常にむずかしいと  いうふうに思つております。それよりもむしろこの際は災害復旧費のほうを十分にやつて貰うという線でやつたほうがいいのではないかと考えております。併しこの十八億に限らず六・三建築というものは決してこれを以て打切つたわけではなく、機会のあり次第これを実現しようということは大蔵大臣も承認いたしておるところでありますし、総理も勿論自由党のほうでも承知しておられることであるから、私はこの際はむしろ災害復旧というほうに重きを置いて、この十八億というのはいわば必ず貰えることなんであるから、これを将来に期したいという考えでございます。
  91. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大臣の御意向も一応は納得できますけれども、災害地は日本の特殊な地域でありますし、全国的にこの新制中学の建築に非常に支障を来たしておるこの問題は、私は災害、六・三建築は六・三建築で、これは当然別箇の立場で進んで然るべきものだと、こういうふうに私は考えるのですが、大臣はそれでは閣議ではそういう発言はなさらなかつたのでありますか。
  92. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 実は今日はいろいろな問題があつて、この問題に及ぶことができなかつたのです。ですから私は閣議では何の発言もこれに対してしませんでした。けれども今矢嶋さんは災害は災害だ、六・三建築は六・三建築で他のことだと、成るほどそうです、併し金を出す途は一つです。だからしてやはり私はいつでも自分が本当に無理のない線を押したい。自分が適正だという線ならどこまでも押しますけれども、この災害のほうにも非常に支出して貰おうという際に、これを押すということは却つて無理ではないかという自分は考えを持つから申し出しませんでした。併しまだこれは打切つたというわけでも何でもないのです。今日はこの問題が出なかつた、そういう事情でございます。
  93. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 三点についてお尋ねいたします。ベース改訂の予算九億円含まれたということは大臣から御答弁がございました。併しこれと同時に級別推定表による改善が考えられなければなりませんが、この九億円の予算の中にこれが含まれているかどうか。即ち今後含まれていないとすればそれをどういうふうになさろうというお考えであるか。それから年末資金一ヶ月の問題でありますが、大臣からも大変良心的な御答弁があつたわけでございます。併し小中並びに全日制高校の分を合せ見ましても、四十五億というような可なり厖大な予算が要るのでありますが、果してそれを完全に大臣の御確信のように通る見通しがありやなしや。それから次の問題でありますが、これは産休並びに結核教員の補助教員に対する予算の問題でございます。これは枠外に二十五年度の予算の中にとられているはずでございますが、当初結核休養の補助教員と、それとこれに加えて産休の教員の補助教員予算とが組まれてあつたように承知したのでありますが、最近になりまして産休の教員の補助教員の費用というものが全然この中に含まれておらないやに聞いたのでございます。そこでなぜ産休をその枠の中から切つてしまつたか。そういう理由が私は知りたいのでありますし、又補正を今後これに対して組まれるかどうか。このことは非常に重要な問題でありまして、今補助教員がないために労働基準法に規定されておる十二週間という枠さえも教員がとり得ないことは補助教員がないためでございましようし、更に教員は団体協約におきまして、十六週間という線をとつてございます。政令二百一号で怠業は無効になつたと言いながら、個人についている厚生福祉の面における権利は獲得されていると、たびたび文部省側と私共は交渉の際に確認しておる事項でございますので、どうしでもこれは産休の補助教員はとらなければなりませんので、この点について大臣はどのようなお考えをお持ちになり、どのような具体的な方法を今後講じて下さるか。それをお伺いしたいのでございます。  次に学童給食の問題でありますが、学童給食の問題は東京都の中毒事件中心にいたしまして、非常に最近世論がこの方向に、注視の方向に向つているわけでございますが、勿論この問題は枝葉を改善する問題でなく、もつと根本的に学童給食の問題が考えられなければならないと思います。そこで各国のいろいろの事情、十分に私は調査しておりませんけれども、学童給食に対する立法措置というものが講ぜられて、完全な学童給食というものが合理的に行われる方向に行かないならば、東京都における中毒事件というものは單に東京都の問題ではなくして、全国にこういう問題が波及するであろうというようなことを火を見るよりも明らかでありますとともに、都市の交通に恵まれた学童にのみ給食が行われるのではなくて、真に学童給食の必要のある辺鄙な都市に全国的にこの学童給食が完全に滲透して行かなければならない。こういうふうに思うのでありますので、この辺の具体的なお考えなり、具体的な措置が講ぜられますならばお聞かせを願いたいと思います。
  94. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) まず第一の点について私の考えを申上げます。大蔵省では九億を見積られたのでありますが、併しそれは全体に対して九億であつてこのベース改訂に対する九億であつて、今後の人事院によるベース改訂があつてもこれを増すという考えは大蔵省にはないということであります。それから又この年末手当に対しては従つて何にも大蔵省のほうでは、中央のほうでは考えない。これは先ほど申上げた通りでございます。けれども私は中央であれ、地方であれ、どういう方法かで以て国家公務員が年末手当を受けるのに、地方の義務教育というような非常に地味な骨の折れる仕事に従事しておる人たちが年末賞與を受けないというようなことは凡そあり得ないことだということを考えて、そういうことに向つて自分が全力を盡そうと思つております。まだこれは決して否定されたことでも何でもなくして、そういうことができるように実は私と大蔵大臣と岡野大臣とでよく話合いをしようということになつております。そういうように御了承頂きたいと思つております。  給食のことについては、私は給食そのものは大変良いことだと思つて、できるならば十分な給食ができるとよいと思うのでありますが、この点と、第二点と第三の点については政府委員からお答えさせることをお許し頂きたいと思います。
  95. 寺中作雄

    ○説明員(寺中作雄君) 御指摘のありました産休教員の補充につきましては、これが平衡交付金の基礎に算定されていないじやないかという御質問でありましたが、これは算定されていないのでございます。結核教員については基準の経費の平衡交付金の中に算定いたしておりましたが、産休教員は決められておりませんでしたが、ただ平衡交付金の総金額並びにまあ地方税による財源それを合したものと、それから地方経費を、いわゆる行政基準経費というものを算定したものと比べて見ますと、尚地方には相当の財源の余裕があつて、平衡交付金は多少そこに穴を持つておる、余裕を持つておるというような関係になつておりまするので、地方において産休教員の補充をやろうと思えばできる形になつておるわけであります。平衡交付金というのは非常に融通性のある考え方によつてできておりまして、できるだけ地方の融通性のある運営をし得るというような形によつて考えられておりますので、そういう意味でそこまでは基準経費には計算はしなかつたが、併しそれを必要に応じてやり得るように考慮して貰うことを期待しておるわけでございます。
  96. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 ちよつと給食のほうの何がございますし、まだ私は御質問申上げます。
  97. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 給食の関係でお答え申上げますが、給食の関係の東京都にありました中毒事件のことにつきましては、先般のこの会合でも経過的な関係を御報告申上げておいたと思いますが、その後ウイールス菌の疑が非常に濃厚だ。ところがこのウイールス菌は不幸にしてまだ日本では培養試験に成功しておりませんので、目下その方面からかからなければできないといつたようなことがございまして、都の衛生部、衛生試験所の関係者が目下懸命にそれをやつてつてくれます。併しそれにしても中毒事件に直接の問題ではなくして、むしろ給食がそういう関係を惹起したということによつて、私共は給食のことに自身直接の問題でないにしてもこの際給食について大いに反省もしなければならず、又一方その関係者に特別に注意もして貰いたいといつたようなことで、給食のほうに関係を持つております審議会がございますので、その辺にもだんだん御相談をいたしております。取りあえず罹災の関係学校にだけはそのまま平常通りの給食をするのは不適当で、こういつたようなことが父兄や学童たちに心配を起させる本でありますので、取りあえずパンとミルクに一応限定しまして、それ以外のものは給食の委員会なり、PTAの関係者に相談しながら再開するという形に持つて行きまして、現在ではどの学校も全部再開の段階に来ております。今簡單に便利なところだけやらないで、もつと交通不便であつても、給食の実際の必要のあるところにやつて行つたらどうかというお話でありましたが、この問題は只今のところはガリオア関係の物資で賄つております関係から、或る程度技術的な必要から特定の場所に限られて行くとうい結果になつているので、その点から申しましてもみずから自分のほうのグループとしてそういうことをやりたいという御希望のある向きに持つてつているという実情でございます。たまたま今現在の段階で申せばそれだけでありますが、そもそもこの給食の仕事自体が国から物を持つてつて、こういう形でこういう仕組でやれといつてつて行く筋合いのものではないと考えております。むしろそうした御希望の筋から物が動いて行くべきものであるというふうに考えておる次第であります。
  98. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 ちよつと重ねてよろしうございますか。産休の補助教員が基準経費に入れられなかつたということは婦人教師の産休というものに対しての考え方が全くこれはなつていないと私は指摘したい。そういう補助教員がないからこそ婦人の先生がたに折角の法律できめられた保護ができないということ、こういうようなことは私は明らかにこれは文部省の手落ではないと思うのです。どういうわけで一体婦人教師の産休だけ基準経費の中に入れなかつたか。その理由を私は伺いたいのですが、どういう理由で入れられなかつたか。そうしてあなたは今後地方財源に余裕のあるところがあるだろうから、それは考慮に入れることを期待するというようなお考えでありますが、御承知のように今の地方財源に余裕があるなんということは私は余り聞いたことがないのです。そういうことは非常にごまかしの御答弁であつて、もつと私の質問の本質に触れたことをお答えになつて、これに対してどういうふうな積極的な手段を講じて下さるかということを伺いたいのです。  それから学童給食の問題でありますが、そうするとこれは基本的な方法はもう講じないで、枝葉の問題だけを彌縫しながらこれをのろのろ進めて行こうというような非常に消極的なお考えのようでありますが、それでよろしいのですか。基本的な方法については何にも考えていない、こういうふうにとつてよろしいわけですか、どうでしよう。
  99. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 産休女教員のことでございますが、これは今その係の者がおりませんから、この次にお答えいたすことにいたします。それから先程地方財政にも余裕があるのではないかという趣旨のことを会計課長が言われたように思うので、高田委員からその点そんなことは決してない、地方に余裕などあるところは何にもないということでしたけれども、併し私はこの点については本日の大蔵大臣から、中央もこの通り自分らの財政をひどく締めて、そうしてやつているのだから、地方ももう少し財政を締めて行くということが必要ではないかということ言われましたが、私はこの点はやはり地方としてもお考えになる必要があるのではないか、私はよく財政のことは分りませんが、いろいろの点から私は中央ももつとこの儉約をしなければならない点がありはしないか。併し地方にもあるのではないかと自分思つております。全然もう捻り出すものがないというては如何なものでございましようか。私は財政のことは十分知識がございませんが、我々何と言いましようか、政治の局に当る者は、私は予算を取るということばかりに一般に注意が集中してしまつて、その予算をどう使うかということの配慮が自分などもまだ足りないのではないか。だから自分らもそういう点に大いに気を付けて行きます。私は先だつてこの予算閣議の終つた後で、総理にこういうことを申しました。この際一つ総理は官公吏に告げるどいうような談話を出されて大いにこの綱紀を粛正して、そうして金なんていうものは全然無駄に使わない。国民の出した金は全然無駄に使わないと、そういうような心掛けを私共に言つて頂くことが一番いいのじやないかということを申したくらいで、私は今の中央といわず地方といわず、私共はもうこれ以上何もないのだということはどうか……、どうやつてでもこの教員の例えば年末給與とか、そういうようなものは何とでもして私は出すべきであるという考えで、全然もう何も出るものはないのだというお考えは、私には如何かと…、これは私の財政経済の知識がないからかも知れませんが、私共の心掛けとしてはできるだけ無駄なことを省いて、そうして公務員、殊に義務教育先生がたに対してこういうことを考えなければならないという私見を抱いておるわけでございます。
  100. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) ちよつと御注意申上げますが、四時までは大臣都合をつけて下さるのでございますが、その後はもう絶対的にいらつしやることができないということなので、成るべく大臣に直接のことを先にお置き下さいまして、久保田監理局長及び会計課長のほうはお残りなさるそうですから、それは後廻しにして御質問をお願いしたいと思います。
  101. 岩間正男

    岩間正男君 只今の産休のことから伺いたいと思いますが、大臣の今のお話は高田さんの質問されたところと或る程度食違いがあるのじやないかと思います。つまり産休の国庫面の予算を取つていないことが、地方ではこれが産休に対して地方財政から支出しない一つの大きな原因になつております。最近も私は新潟方面でつい最近ぶつかつたのでありますけれども、やはりどうしても国庫が少くとも補助しなければならん。これは結核教員の待遇のようにしなければ、地方では出す熱意を欠くというのが現状であります。ですから文部省としてはこの問題は積極的に解決すべき問題じやないか、結核教員も非常に重要でありますが、産休の問題も非常に……、これは私はここで多く申上げる必要もないほど重要だと思います。地方財政の問題に対して池田蔵相はそういう見解を持つておられるかも知れませんが、例えば地方財政委員会なんかはまるで反対な意見を持つておるということを大臣は御存じと思います。併し地方に対してシヤウプ勧告以来非常に地方にいろいろな仕事が委讓された。委讓されたことが非常に多いので少しくらい平衡交代金を増しても地方では到底やり切れない。こういう実情です。今の中央財政地方財政を比較して論ずる必要もないと思うのです。この地方財政の困難の程度はもうとことんまで行つておることは大体我々にも推測されることなんです。それを具体化させるためにも産休の交付金における計算をすべきである。この点は非常に重要だと思う。婦人の問題だというといつも後廻しであります。併しすでに高田さんが切実に言われておるように、これは單なる婦人だけの問題ではなくてこれは大きな次の国民の健康の問題にも関係するのですから、補助の問題はお考えを願いたいと思うのであります。そこで私の質問に入るのでありますが、第一にお伺いしたいことはこの百億の災害復旧費が認められたということでありますが、全体の各省の要求額をトータルしたものを御存じですか。その中で文部省が幾ら要求したか、この関連は非常に重要なんであります。これは大臣は総額について御存じでありますか。この点を伺いたいと思います。
  102. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 私は先ほどの産休のことについては、今文部省でそのほうをやつている者がいないからそれにこの次お答えさせるといつて、産休の問題については私は一言も触れなかつたのです。ただ地方財政予算があるかないかということについて私の感想を述べたのであります。私の話は決して見当か違つておりません。先ずそのことを岩間委員に御承知願います。第二番目にこの総額を知つておるかということですが、これは私は誠に恥かしい話ですが、総額を存じておりません。甚だ済まないと思つております。
  103. 岩間正男

    岩間正男君 総額をお伺いしましたのは、いつでもやはり総額で締められて来るのですね。この点がはつきり掴めないと、文部省がさつきから申しておりました、八〇%の線を堅持するとか七五%に移るとか、問題がどれだけ実現するかということの大体見当がつくと思つて実はお伺いしたわけなのです。併しこれは全体が掴まれていないということでありますから、これは明日にでも又おいでのときお伺いしたいと思うのでありますが、その次にどうしても災害復旧の今度の予算の中で問題になると思いますのは学校建築の場合、何と言いますか全額で、例えば河川とか港湾のようなものですね、こういうような公共施設は全額で復旧する、そういうようなちやんと範囲がきまつておると聞いたのであります。ところ学校は残念ながらそれに入つていない、こういうことを聞きました。併しこのたび同僚の荒木君たち視察されまして、その報告を見、又いろいろな寫真なんか見ますというと非常に惨澹たるものだと思うのであります。従つてこういうような点から考えると、河川や港湾と同じような重要性を以て、学校をそういう重要なものに繰入れて置くということが、今後やはり災害が起る場合に重要ではないか、こういうふうに考えたのです。昨日からこれは問題になつたのでありますけれども、殊に学校は避難所として災害の場合には非常に利用されておる。この建物が非常に多くの人を災害から救つておる。文避難所としてそれが利用されたということを聞いたのである。又先ほどから言われますように吉田総理はたびたびこの教育というものを重要に取上げる、大きな政策の重大な一つとして取上げるということを再三言われておるわけであります。これは恐らく天野文相の補佐大いによろしきを得て、そういうことになつたのであろうと考えるのでありますが、一面から考えますと当然やはり十三億、大体去年のそういう具体的な現われが……、我我としては日本の教育改革の現状から見ると空念仏では困る、やはり文部行政の長年の結果を見て来ますと、予算がどれだけ取れたかということが裏付けになるわけです。又精神の何はなくてもいいと思う、我々は精神訓話はもう沢山です、これは要りません。精神訓話を以て日本の教育復興をやるということは非常に滑稽なことである。少くとも六・三制の発足以来敗戰後の日本の教育の現状に携わつて来た者からいいますと、もうそういう訓話は要らないわけでありまして、予算がどれだけ取れるかということにかかつておると思う。従つて或いは中外にも声明されたか分らないようなあれだけ大きな見得を切られたのでありますから、これに対して当然教育を第一に考えるというのならば、例えばそういうふうな港湾や河川や道路、こういうような全額を負担する、こういうようなときに一緒に取上げて、災害復旧の際に第一順位に取上げてやるのだということが、実際具体的な裏付けとして決定されていいと、こういうふうに我々は思う。あらゆる面から考えましてその根拠は十分出ておると思うのでありますが、恐らく文相はそういう点を根本的にこれが日本では平中行事みたように起る問題なのでありますが、こういうものに対して今後の文部行政に対して、基本線を打込む、こういうことにして頂きたい。若しまだこれをおやりになつていないといたしましたら、これは是非明日の閣議あたりに持つてつて基本線を打込んで頂くことが必要だと思うのであります。そのお考えがありますかどうか、その点お伺いいたします。
  104. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 河川、港湾関係のものが一応全額負担の形をとつて教育関係のものがその都度一応の査定を受けて扱われておるという点の区別の問題と承知いたしますが、港湾土木関係の分では一応本年度だけの取扱いとして百万円以下の分は地方負担でやる。百万円を超える工事については国で直接賄うといつたような線が一応仮の決定のような形で本年度に限つて扱われております。大体百万円以下の工事は地方に委されておる。その單位々々のものを見ますと、学校の場合はどういう関係になるだろうか。仕事の個々のものを抑えて見ないと分りませんけれども、百万円の工事で切られるということでそれ以下のものは今度地方負担でやるということになれば、これは地方負担は到底堪えられないと思う。だからこれがいよいよや、つて見て、本格的な工事と決まるということであれば、又大きな問題としてすぐ取上げなければならん問題でありますが、一応仮にどういう形がそこに出るだろうかという線を出すという見当でありますので、本年度はそういう百万円見当ということについては一応承知をいたしたわけであります。明年度からの扱いについてはまだ不安定な状態で、どんなふうにするかという点は又研究したいと思つておりますので、今年の模様によつておつしやるように公共事業のウエイトをどういうふうにやつて行くかという問題について、徹底的に考えなければならんと考えております。
  105. 岩間正男

    岩間正男君 全額国庫負担を来年からやれという問題については、当面土木関係その他から非常にこれは今全国の町村から大きな反対が起つておるだろうと思います。とてもやり切れない。こんなことをしてはどこで一体負担するのか、負担の主体性がないというような地方財政状況から、この問題は大きく政治問題になつておる。我我はそういう点から当然これは再検討されなければならんと思いますが、やはりこの問題と連関して学校の災害の復旧問題についてこれをやはり同じような順位におく。この点の文相の閣議における発言並びにそういうような点について基本線を打込まれるということは非常に重要でないか。こういうふうに私は考えるのでありまして、これは是非おやりになつて頂きたいと思うのでありますが、文相如何でございますか。
  106. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) その前にちよつとお答えいたしますが、先程各省の出しておる総額はどれだけかということをお問いになりましたが、私は今それを知らんと言つたのであるけれども、それを知つておるほうがよいのですが、知らないと言つたので、文部省が知らないという意味ではございませんから、岩間さんにその点御了解を願いたいと思います。今は覚えていなくても文部省はそれを何もなしにものを考えておるのではないという意味で言つたのであります。それから今の点は私はよくその点が自分にはつきり分りません。よく研究してそういうことを本当に主張する場合は自分は主張いたします。要するに私は人が納得するような、どうしてもなければならんというものは主張いたしますけれども、そうでない、自分がはつきりせんものは主張しない考えでありますが、あなたのおつしやつたことはよく研究いたします。
  107. 岩間正男

    岩間正男君 これは教育優先という面から、当然文相は取上げなければならん一つの問題だと思います。是非御研究になつてこういう点に基本的な線を打込んで頂きたい。といいますのは、先ほど矢嶋君の質問だと思いますが、やはり六・三制の十八億がこれでどうも飛びそうになる。そうすると結局これを極端な言い方をしますと、地方によつて六・三制の十八億の補正予算にも大体努力したいとあなたはおつしやられたと思いますが、それが吹飛んでしまうことになる。そうすると、日本の基本的に進めている教育の基本的な政策が絶えず海のほうから来るお孃さんたちによつて変えられる、これは甚だ残念であります。無論現状において辛いということはありますけれども、少し何回も繰返すようでありますが、教育政策を大きな政策として考えられるよう、この点をはつきりやはりやつて貰いたい、こういうふうに思うのでございます。それでこれは文相のさつきのお話を伺いますと、十八億についてはまだ発言の機会があるというお話でございましたが、これはどうでございましようか。例えば大阪の場合を考えますと、復興の場合、非常にその方に全部とられてしまう。そして全額国庫負担でないので、三分の一とか四分の一は起債に仰がなければならない。そうすると地方負担がその方にすつかりとられてしまつて、六・三制のレベルから言うと、全国でがたんと落ちてしまう。こういう姿が出て来る。ですから基本的なものと臨時に起つたものはこの政策についてはやはり二本立の建前を堅持されるという方法でなければ、これは台風の多い、とにかく三つも四つも台風が、日本の台風史の中に残る日本としましては、これは、六・三制はいつまで待つても百年河清を待つというような、こういうことになると思うのであります。ですからこれは文相があの中で発言しにくいかも知れませんが、恐らく日本の全国民は非常に要望しておる問題で六・三制の問題は六・三制の問題で進めて貰いたい。台風の臨時の問題については臨時の問題として取扱い、それでこの二本を取上げて貰いたいと思うのでありますが、この点についても文相は御努力頂けないでしようか、十八億の復活問題ですが。
  108. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 私は十八億が風によつて吹飛んだとは思わない。延ばして頂きたいと大蔵大臣が、決して六・三予算がこれによつて、六・三建築は打切つたもんじやないと、こういうことを言われて暫く待つて貰いたいということをこの前に言われてそれで待つておるのです。決して吹飛んだのではない。これはついでに申添えますが、只今のお話だと何か私が吉田総理を鼓舞して吉田総理が教育に熱心だそうでありますが、吉田総理が日本の教育に熱心なために私のごとき一介の書斎人を引出された。これは吉田総理が実に深甚な愛国の精神から国家の再建は教育によらなければならんという考えからおつしやつたことで、決して私ごときが吉田総理を鼓舞する筋合いのものではないということを申添えておきます。
  109. 木村守江

    木村守江君 先ほど高田委員から質問された再教の問題につきましても、私教育委員長であつて県下の教職員、殊に女子教員に約束した関係から是非お聞きしたいと思うのでありますが、文部大臣の御答弁によつて了承いたしましてやめようかと思います。ところがこの問題につきまして、会計課長が平衡交付金の中に剰余金が出て来るはずだ、教育費が相当剰余金で出て来るはずだというようなお言葉があつたようでありますが、実際平衡交付金ですね、剰余金のできる県もあるでしよがこれは一律に言えないと思うのであります。これは人口の稠密度によつて平衡交付金の中の教育費の算定は違うと思います。殊に高等学校を持つておる、県立の大学校を持つておるところにつきましては非常に違うと思うのであります。高等学校の算定につきましては一律に普通科の高等学校というような算定基準を示しておりますが、実際問題におきまして普通科の高等学校と、職業科の高等学校とは非常な経費の相違がありますが、一例を申上げますならば、普通科の全日制の高等学校と、定時刻の高等学校教育費の差は、大体全日制の一・四倍が定時制高等学校のそれであります。それから工業高等学校というものは二倍半の経費がかかる農業高等学校を優に越しておるというような状態でありまして、こういうようなものを一括りに普通科の全日制の高等学校というような基準を示しては、人口の稀薄な県において高等学校があると、特に県立の大学のある学校においては、義務教育費が非常に減少して来て、そうして会計課長が言つたような再教の予算が取れるというような考えは一応改めて貰いたいと思うのであります。尚その平衡交付金の中の教育費の算定方法をもつと検討して行かなければならないと考えまして、この点文部大臣に切にお願いして止まないものであります。次に先程から論議されました大阪市その他の災害地における災害復旧の問題、これにつきましては非常なお骨折を頂きまして我々も文部委員として大臣に感謝する次第であります。併しこれは最後まで最大の予算を取ることに御努力下さいまして、若しも補助金が出ない、この限度まで来ましたならば出ないところに到達いたしましたならば、若しも市町村が校舎の復旧をする場合には文部省学校の復旧に関する限り起債をできるだけ沢山取つて、そして学校の復旧を一日も速かならんことをお願いして置きたいと思います。
  110. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 只今のお考えは誠に御尤もなことと思います。私も決して女教員を粗末にしようなどという考えは持つておりません。女性に対して敬意を持つておるという点は人後に落ちないということを確信しております。第二の点もよく考えて研究いたしたいと思います。
  111. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 先ず人事課長にお伺いします。その結果によつて大臣に質問乃至要望いたしたいと思います。それは先般九月二十一日に政務次官名を以ちまして人事院の事務総長のほうに学校教職員の給與改善についてという文書を手交されておりますが、それらの点から教員の給與というものがよくなければならないし、特に現在の給與体系というものに非常に不合理な点があつて、例えば学歴が長い程不利である。そういうような不合理を是正する意味においてこの文書を人事院のほうに送付された点につきましては私敬意を表するものでありますが、それに対してその後人事院の実施課のほうからこの級別推定表の案なるものが発表されておりますが、これに対する文部省態度はどうなつておるか、先ず承わりたいと思います。
  112. 岡田孝平

    ○説明員(岡田孝平君) 只今御指摘の教員の給與の改善につきましては、私共あらゆる努力を平素惜しまないでやつておるつもりでありますが、御承知の通り最近人事院に対して一つの案を出しております。これは人事院のほうで教員の給與問題につきましていろいろ研究して、国会並びに政府に勧告をしなければならんことでありますが、人事院でもいろいろ研究されましたところ、なかなかむずかしい問題で容易に結論を得ないので、文部省のほうの意見を聞かして貰いたいというようなことがございまして、かねていろいろ資料なり材料なり、意見なりを申述べておりますが、更に今回案を出したのであります。これは根本的な問題といたしましては教員の給與につきましては、できればこれは別表といたしまして一般の公務員とは別の体系を建てまして、根本的に改善いたしたいと思うのでありますけれども、この問題は暫く時間がかかりますので、取りあえず現行の級別推定表を改正いたしまして、できる限り協議は早く、昇給昇格等、要するに俸給が上るということを狙いまして、暫定案としてやつたのであります。それにつきましては、人事院でかねてから研究いたしておりまたわけでありますが、文部省とは又違つた別な案を提示して参りまして、それにつきまして更に私共の方からいろいろ意見を申述べまして、大体において文部省の案と殆んど同じような案を作つております。それによりまして目下折衝中でありまして、まだ決定にはなつておりません。要するに問題は暫定的に級別推定表を改正いたしまして、教員の俸給を全面的に引き上げようということに只今折衝中であります。
  113. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 人事院の実施課の推定表の案というのは、現在の不合理というものを相当に是正できるよい案のように私は見ているのでありますが、それに対して文部省はあの線で、歩調を合せるのかどうか、その態度はどうなつているかということをお伺いしたい。
  114. 寺中作雄

    ○説明員(寺中作雄君) 最近の案は大体文部省の考えとほぼ同じでありまして、一致に近くなつておりますので、両方お話合いすればうまく行くのではないかと思つております。
  115. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それには文部省の担当官、並びに大臣に特にひと肌ぬいで頂きたいと思うのであります。それは教育復興をするに当つては、お互い皆経済生活をしておりますので、給與体系がどうかということが教育復興に微妙な影響をもたらすとか……随分と不利な点がいろいろと教職員の間では問題があつたのでありますが、文部省並びに人事院の実施課の努力によつて現段階においては不満ながらも次善の案ができているように思います。承わるところによりますと、六日には人事官会議で、人事院の案を決定する段階に来ているというのでありますが、文部省の事務当局は勿論のこと、大臣の良心的な政治力によつて、一肌ぬいで人事院の実施課の案というものを外させて頂きたい。これを私は要望するわけであります。
  116. 岩間正男

    岩間正男君 さつき言い漏したのでありますが、それは来年度の補正予算の中で今年度の講習予算教員負担を既往に遡つて取りたいという、こういうことが御返答にあつたと思うのであります。結局これを今度の補正の中でどういうふうにされておりますか。この点を述べて頂きたい。
  117. 岡田孝平

    ○説明員(岡田孝平君) 教員免許法によります認定講習の研修旅費の関係で、来年度の予算に相当額の補助金を認められたのでありますが、それと同じ計算の基礎によりまして、昭和二十五年度の補正予算の中に認められておるのであります。ただその額は今のところ約二億足らず、一億九千四百万円ほどになつておりますが、これは今申しましたように、計算の基礎は大体来年と同様でありますが、多少それを、約その八割程度の関係で計上されたのでありまして、実は今年度の研修につきましては、いろいろこの夏予定通りの実行ができなかつた。出席者が多少少かつたり、又府県によつてはいろいろ問題を起したというようなことによりまして、その八割を見るという形で、それだけの予算が、認められた次第であります。
  118. 岩間正男

    岩間正男君 それでは八割ですね、今年のやつは。そうすると大体なんですか、二十六年度は一億五千万円とこの前聞きましたが、概算で約二億ということですか。それと大体の見通しを伺いたいと思います。
  119. 寺中作雄

    ○説明員(寺中作雄君) 今年度の実施計画、来年度の実施計画、昭和二十七年度までに亘ります全体の講習実施計画を立てまして、その中で今年度分に当る計画に必要な研修旅費、その八割を認めたわけであります。
  120. 岩間正男

    岩間正男君 見通しはどうですか。とれそうですが。
  121. 寺中作雄

    ○説明員(寺中作雄君) それは大体本月の閣議で認められまして、その通り実施されることになるのではないかと思つております。
  122. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 大臣に対する御質問、もうないようでありますから、大臣にお帰りを願うことにいたします。
  123. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 大変急ぎまして済みませんが、いろいろな用があるので失礼いたします。
  124. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 大分皆さんお疲れになつたようでありますが……。
  125. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 お疲れの前にちよつと発言さして頂きます。私は先程学童給食の問題について政府委員からの答弁を願いましたが、学童給食はガリオア関係なので文部省自体がその手伝いのような形であるというような、極めて重要な御答弁があつたのであります。それに対して私は更に質問をしたのでありますが、質問に対して何らのお答えもされなかつたことを非常に遺憾に思うのです。私は伊達や醉狂で学童給食の問題についてここに質問しているのではない。東北の一寒村のように、鷄のような生活をしているあの惨めな子供たちのことを考えるときに、学童給食ということは本当に私共が子供を護ろうとする熱意があつたら、本質的に立法措置の方向に行かなければならない問題ではないかということを申して、これに対してどういうようなお考えかということを申したのに対して先ほどのような御答弁なので、甚だ遺憾と思つてこれを衝いたのです。こういう問題はたとい質問は短くともやはり鄭重に答えて貰いたい。私は更に後で個人的に質問をいたすつもりでおりますので、一言苦言を呈して置きます。
  126. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 只今の関係で岩手の具体的な関係は伺つておりませんが、それは前の会のことではありませんか。今申上げましたのはガリオアの関係がございますので、たまたまどこへ持つて行くかということについて、私共が非常に消極的であるということ。それにいま一つは給食は單なる給食という意味でありませんので、教育的な活動から見て地方の自発的な発意を持つている形で、成るべくそうした形にこの給食関係を持つて行きたいということを申上げました次第でありまして、別に岩手の関係は具体的な関係を伺つて答弁したわけではありません。その点は何らか間違いではありませんか。
  127. 高田なほ子

    ○高田なほ子君 間違いではございません。
  128. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 これは大臣に質問したほうがよかつたのでありますが、災害の補助金を出す場合に、これは事実の調査に基いて、この学校は幾らの損害だ、この学校は幾らの損害だ。そういう集計に基いて出ると思うのです。計算では。従つて市町村ではつきりすると思うのです。そうすれば県を通して市町村に出して、県が自由な裁量によつて配分するのじやなくして、この文部省で査定した教字というものが基礎になつて配分されるものだと思うのですが、その点はどういうふうになつているのですか。
  129. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 全部の集計を作り出します時分に、個々の査定をやりますので、そのデータとしては非常に明確なものができ上るわけでありますが、県に持つて行くときには県、郡ということで事実上單位学校に流されるというわけでございますから、個々の学校に紐をつけるという形は従来の形にはございません。
  130. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 ちよつと意見をこの際申述べておきたいと思うのですが、又府県でこの市町村の配分についていろいろ問題が起ると思うのです。そこでできればこれは市町村にまあ府県を通つてもいいと思うのですが、可なりはつきりしたことを出しておかないと又これで悶着が起るのじやないかと思うのです。できれば市町村自体に出したほうがいいじやないか、こういう意見を持つているのですが、これについて十分考える余地があるかどうか、ちよつとお尋ねしたいと思いますが。
  131. 久保田藤麿

    ○説明員(久保田藤麿君) 一方から申しますと、今荒木委員の御指摘の通り非常に明確な線を出しておいたほうが配分をし易いという利益があります代りに、トータルの額を私共としましては安本から府県のほうに取次ぐという仕事の便宜から言いますと、むしろ一方にしておいたほうが便利なこともまあ御想像できると思うのであります。現在のところでは紐付きにする方法を考えておりませんが、まあ五大都市といつたようなところについては、特に今度の大阪府の災害関係といつたようなものは、可なり特殊なものと考えますので、又御相談しなければならないと思いますが、現在のところでは紐付きの形をとる前提では動いておりません。
  132. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 監理局長に要望いたします。この災害復旧、それから先ほどから問題が出ました六・三建築は全国民の視聽を浴びておる重要な問題でありました。先ほどからあらゆる角度から大臣に質問しましたところが、大臣は御承知のように非常に嘘の言えない良心的なかたであつて、吉田総理以下皆がああいうふうなお考えになれば、日本の政治はよくなると思うのですが、なかなか実状はそうでないので、あな夫が大臣の後におつて、十分一つこれは頑張つて頂きたいと思うのです。(「異議なし」と呼ぶ者あり)文部大臣はあの線で閣内の教育を徹底して頂くことは将来の日本政治のために結構だと思うのですが、あなたの特に御奮起を国民に代つてお願いいたします。
  133. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 これは前に私は大臣に考慮をして頂くように要望した問題です。それは結核教員の療養期間の問題ですね、ここでどなたがその担当をしておられるかよく分りませんけれども、従来健康保險におきましても一年半という期間が来年からはこれが三年に延長される。そうしてその間手当を出すというふうに改正を見ているわけであります。ところ教員の結核療養の期間については、当初は三年であつたわけです、それは労働協約においてあつたわけです。それが法律になる場合に二年に短縮されて行くわけなんであります。ところが現在の情勢は一年半が三年に延期をされるというような情勢にあるわけなんであります。来年からそういうふうに実施をされるわけであります。そうすれば教員の結核療養期間というものは三年に延長されることが非常に適切な措置ではないかというふうに私は考えておるのです。特に最近、もう全国至るところの療養所からそういう要望が私共の手許へ来ておるわけなんであります。と申しますのは来年の一月で二ヶ年という期間が満了するわけであります。そうすればもう給料は全然貰えない。そういうことになるとその家庭の生活というものが維持できない。そういうことから非常にまあ悲痛な思いで私共のところへ陳情が来ているわけなんであります。そういう点に鑑みまして、この際三年に延長するような法律改正を、……あれは公務員特例法であつたと思うのです。あれを改正して、三年に延長するという措置をとつて頂くことは、非常な有効な措置ではないかというふうに思うのですが、これは前に大臣要望いたしましたが、余り明瞭な答弁がなかつたわけなんです。併しその後あれは……、前の国会でありました……、それから相当日も経つておりますので、この問題については文部省も考慮を願つておると思うのですが、このことについて一つどういうふうに考えておられるのか、お聽きしたいと思うのです。これは單に教員だけの問題じやなしに、一つの社会問題としてでも考慮されなければならんのじやないかというふうに考えておるわけであります。
  134. 岡田孝平

    ○説明員(岡田孝平君) お答えいたします。今お話の問題につきましては、全国の教員からそういうお話を伺つております。これは教育公務員特例法の改正問題になるわけでありますが、それにつきましては文部省でその関係が集まりまして、いろいろ研究いたしておりますので、近くできればお話のようなことにいたしたいと私は考えておりますが、ただ私直接の所管ではありませんが、そういうふうにやつておりまして、さようなことは十分研究いたしまして、できればそういうふうにいたしたいと思つております。ただ県によりましては、これは閣議決定がございまして、最初の一ヶ年はそのままで現職のままで療養ができるという閣議決定がございます。これは地方公務員にその趣旨は準じて適用されますので、最初の一ヶ年間はそのままで現職で休養いたしまして、それから二ヶ年間結核のいわゆる休養をいたすというふうにいたしますれば、通計三年というものはできることになつております。そういうふうなことをやつておる県もあるようでございます。それは一つの運用でございますが、いずれにいたしましても、これははつきり法律にすることは望ましいことでありますが、そういうことになつております。
  135. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それでは初めの一年は現職でやつてあとの二年間は法規でやるということになつて差支えないわけですね。
  136. 岡田孝平

    ○説明員(岡田孝平君) それは私共の解釈では違法ではない……。
  137. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それから次は、今日このことを持ち出すのは、この問題に関連しておるから申上げるのですが、この文部委員会としても、諸君としても私は考えて頂きたい。というのは、この間多くの陳情をここで可決して参議院の本会で可決しておるのです。その中にこの問題があるのです。こういう院議を以て可決した問題が執行の責任者においてその後如何に取扱われておるか。この問題について、私は新米の議員ですから、あれが單なる形式で、文部委員会で幾多問題を決定しています、それを又院議を以て可決しても問題がなおざりにされるのだつたら、今後こういう陳情の決議というものは、私は重大に考え直さなければならんと思つております。非常に何十何百という陳情が可決されておる。それが何ら後において措置されておらない。これは一体どういうふうに表現したらいいか分りませんけれども、これはどうなんでしよう、私は文部委員長にも、政府の最高責任者にも尋ねなければならん問題ですけれども、だから今日はその問題を私は持出すことは余り好まないのですけれども、これに関連しておりますからちよつと申上げたわけです。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  138. 木村守江

    木村守江君 只今の荒木君の発言ですが、私はいいことは院議で決定せられていいと思うのです。併し、その決定したことを、可決したことを行うのは、やはり財政が伴うんです。財政を伴うために、これはいいと思つてもできないことはあると思うのです。そういう点からいつて、そう青筋を立てて話をするまでもないと思うんですが……。(笑声)
  139. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 今日ここで議論をするんでしたら、私は十分議論できますよ。財政的なことを考慮しないで、会議でこれをきめることに反対です。実施されるかどうかということをもう少し検討して、政府にも質して、その上で愼重にきめて行かないと、一つでも何か実現されたことがありますか。
  140. 岩間正男

    岩間正男君 だから一体その今の問題です。その問題ですが、何回会議を開いて、どのように文部省では一体処置したか、これを聞こうじやないか。この際重要なのは、それを三年でやつたのを二年で切つて又三年に戻そうというのだから、而もこれは重要な問題だから、聞かして貰おうじやないか。
  141. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  142. 木内キヤウ

    理事木内キヤウ君) 速記を始めて。  ではまだ盡きませんけれども、又明日もございますからこれで散会いたします。    午後四時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            木内キヤウ君    委員            川村 松助君            木村 守江君            平岡 市三君            荒木正三郎君            高田なほ子君            高良 とみ君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   説明員    文部省管理局長 久保田藤麿君    文部省大臣官房    人事課長    岡田 孝平君    文部省大臣官房    会計課長    寺中 作雄君