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1950-07-25 第8回国会 参議院 文部委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十五日(火曜日)    午前十一時二十六分開会   —————————————   委員の異動 本日委員加納金助君辞任につき、その 補欠として長島銀藏君を議長において 指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○昭和二十五年における教育委員会の  委員定例選挙期日特例等に関  する法律案内閣提出)   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員堀越儀郎君) それではこれより委員会を閉会いたします。  議題になつておりまする昭和二十五年における教育委員会委員定例選挙期日特例等に関する法律案質疑を続行いたします。  この際皆様にお諮りいたしまするが、この法案は本筋から申しますると地方行政委員会にかかるべき性質のものであり、内容から申して文部関係が深いものでありまするので、いろいろの諸種の状況の下に本委員会審議を進めておりまするが、地方行政委員会の方から最近に至りまして合同審査のお申込もあつたのでありまするが、何分会期も少いことでありまするので、その点話合いをいたしましたところ、先方の方から代表者を送つて質問及び意見を述べたいということでお見えになつておりまするが、地方行政委員会からお見えになつておりまする方に発言を許してよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは本委員会同様に、各委員と同じように発言を許すことにいたします。質疑のある方は発言を許可します。
  4. 岩間正男

    岩間正男君 この法案がこの前問題になつたのでありますが、事務当局の方しかお見えになつていなかつたので、今日は当の責任者官房長官の出席を特に私の方から要求いたしたのであります。で、お伺いしたい点は以下三、四点なのでありますが、先ず第一にこの法案といろいろ連関して、今後今問題になつておりますところの地方公務員法並び教育公務員特例法、或いは又教員政治活動に関する單独法案、こういうようなものの新らしい立法説、こういうものが巷間に伝えられておるのでありまして、こういうものとの連関におきましてこの問題を明らかにして置くことが非常に重要になつて来る問題だと思います。そこで先ず第一に官房長官にお伺いしたいことは、第八国会はこれは間もなく終了すると思うのでありますが、第九国会はいつから始まるか、伝え聞くところによりますと、政府並びに與党連絡会では九月に第九国会を召集する、こういうようなところの意見がほぼ一致したというようなことが新聞に伝えられておるのでありますが、この点について官房長官の御意見を伺つて置きたいと思います。
  5. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) この次に国会をいつ開くかということについては自由党、つまり與党側の方からもいろいろ注文があることは事実であります。併しながらこれについてはいろいろ研究する事項がありまして、ただ今お話のように九月に開くとが開かないとかいうことについては全然決定をいたしておりません。ただ一般的に申しますと通常国会の前にもう一度臨時国会を開く必要があるであろうという程度の見通しは持つておるのであります。
  6. 岩間正男

    岩間正男君 只今お話與党側希望という点でありますが、これはいろいろ補正予算の問題なんかと絡まつた問題でありますか、そのようないろいろな希望内容についてお聽かせ頂ければ非常に仕合せだと思います。
  7. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 具体的に申しますと、はつきりしておりますのは電力再編成の法案を取上げなければならんであろう、こういう点が一番主要のように聞いております。併しながら期日決定しておりませんくらいでありますから、まだ具体的に何と何とをやるというようなことは一向はつきりしたことは申上げられないのであります。
  8. 岩間正男

    岩間正男君 現在の段階ではそういうことだというふうに了承して置きたいと思います。併しこれは九月に或いは開かれるかというようなことに対しては、はつきり意志表示をされないので、或いはそういうことも起り得る可能性があるというふうに考えられるわけです。  次にお伺いしたいのは、先程問題にしました地方公務員法、或いは教育公務員特例法並びに巷間問題になつておりますところの教員政治活動に対して何らかの制限を加えるというような新立法、これは巷間に伝わつておる程度のものでありますが、こういうものは果して政府側において考慮されておるかどうか、或いは又今言つたような法案を今国会並びに米国会に提出する一体準備があるのか、こういうことはどうなつておりますか、この点をお伺いしたいと思います。
  9. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 御承知のように教育関係者を含めまして地方公務員は現在のところは法律的には何らその活動制限を受けておりません。併しながら地方公務員と雖も公正なる立場で仕事をすべきことは国家公務員と何ら変らないと考えております。ところが先般の参議院議員選挙に際しまして、教育関係者政治活動が特に目立つて行われたというような報道がしばしば伝えられておりましたので、政府としてはその実情調査中であることは事実であります。併しながら一体こういうものに対して法律若しくはその他の方法で何らかの制限を加えるかどうかという面につきましては、未だ何らの決定に到達しておりません。
  10. 岩間正男

    岩間正男君 もつと細かにお伺いしますが、第八国会に今申しました地方公務員法並び教育公務員特別法改正のようなものが提案される意図は現在のところ政府にはございませんか。
  11. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) もう会期も余りないことでありまするから、本国会においてさような提案がなされるようには私は予想しておりません。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 現在のこの予定はそういうふうに伺つておるのでありますが、今までもそういう例がありまして、会期間際にそういうものが突如として提出される、そうして或いは継続審査というような形で行くというような方法もあつたのでありまして、この点については、これはそういうような事態に立至らないことを我々は審議を公平にする点から考えて要望したいと思うのであります。  その次に地方公務員法でありますが、これは大体政府意図としては来国会あたりに提出される意図を持つておられるかどうか、その点を伺つて置きたい。
  13. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 地方公務員法はいずれにしても制定しなければならんと考えておりまするけれども、これについては尚研究を要する点が多々あると思われるのでありまして、こういう点を政府としては只今研究中でありまして、この次の国会に提出し得るやどうやらこれは今のところ明言できりないところであります。
  14. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) ちよつと関連して伺いたいのですが……。
  15. 岩間正男

    岩間正男君 今の方が都合がいいのですか。
  16. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) 工合がいいのです。私地方行政委員会相馬です。只今官房長官が、教員政治活動参議院選挙において非常に活撥であつたというので、政府としては調査しておるということは事実であると、こう只今岩間委員質問に対して答えておりますが、如何なる機関を以てこれは研究しておるか。推察するところによると、いわゆる国家警察で調べる方法もあるでしよう。それから文部省にやらせるという途もあるでしよう。教育委員会に指示して、教育委員会にやらせるという途もあるでしよう。要するに如何なる機関を以てこれを調査しておるか。このことを先ず官房長官にお尋ねします。
  17. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは文部省依頼しております。
  18. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) それは文部省依頼して調査しておるというのは、前提として教員政治活動は結果的に好ましくないという一つ前提に立つて依頼事項でございますか。それと同時にそれは何か法的な一つの準処すべき根拠があつて調査依頼でしようか。その二点をお尋ねします。
  19. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 教員政治活動が好ましいとか好ましくないとかいうことは別にしまして、今度の選挙を通じまして、各方面から教員政治活動が非常に猛烈であつたということを聞かされております。従つてどういう実情であるか、それを先ず調査するにあらずんば、他の点について考えを決めるわけにいきませんからして、実情を調べて貰いたい、こういう程度であります。
  20. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) そういう調査依頼依頼であるか、命令であるか知りませんが、文部大臣はいつ受けられましたか、日にちをこの際文部大臣にお尋ねします。
  21. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 政府委員にお答えいたさせます。
  22. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 正確な日取は忘れましたが、選挙が済んで暫く間があつてからだと思います。
  23. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) 文部省が調べる途はいろいろあると思いまるするが、文部省出先機関でそれを調査、担当するに好適であると思われる機関は我々には推測できません。従つてこれは文部省といたしまして、教育委員会事務局に命じての調査と推察されまするが、さよう了承してよろしいですか。それとも別な機関でございますか。文部大臣にお尋ねいたします。政府委員でも結構です。
  24. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 教育委員会教員状況につきまして調査することができますし、又文部省は、文部大臣はそういうことを教育委員会依頼することはできると、そういう意味依頼したのであります。
  25. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) 分りました。その答弁で分りました。それについていろいろ意見等もありまするが、今質問だけに止めて置きます。
  26. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) 関連して、私は地方行政委員小笠原であります。一般的な質問をしたいのですが、それは保留しまして、今の問題に関連して、非常に重要ですから、お伺いして置きたいと思いますが、官房長官只今方面から教員政治活動について論議があつたの政府調査をしておるというのが事実である、その後の質問に答えて調査しなければ考えを決めることができないから調査をさせておるのだと、こういうことを明言せられておるのであります。で、一般に選挙活動に対して検察当局以外の政府調査する場合には、各地方団体選挙管理委員会なり、地方課選挙事務を担当しておる者に対して、統計的な資料調査はこれはあり得る筈でありましようが、或る意図を以てこれを二部の社会層に関してのみ調査をするということは、これは非常に穏当でないように思われる。例えば、地方公務員選挙活動が旺盛であつた、じやあ調べる。自由党の諸君が選挙活動が旺盛であつた、じやあ調べる。料理屋飲食店女共選挙活動が非常に猛烈であつた、じやあ調べる。こういうこととは明らかに教員の場合の今回の調査意図下るところが違うと思う。で、何の考えを決めるがためにこういう調査をしようとしたのだか、その内容お話願いたいと思います。
  27. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは先程の参議院の本会議における文部大臣の御答弁によつても明らかな通り公務員として又教育者としての教育公務員は、公正なる立場にあるのが至当でありまするから、或る種の制限を受けるのは止むを得ないという趣旨文部大臣の御答弁でありましたが、政府としてはその通り考えております。従つてその意味調査を開始しておるのであります。
  28. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) これは非常に話が違うと思うのですが、過般も参議院の本会議における文部大臣答弁は、憲法上何ら矛盾しないということを言つただけで、その制限するとか、制限しないとか、片方に偏つた言明じやなかつた。ただ單なる理論的な解明を與えただけで、文部大臣の意向というものは何ら表明されておらない。それを官房長官制限をするという方の話にウエイトを置いて、こういうことを話されることは非常におかしいと思う。私は教員政治活動について調査をしたその責任は、主管大臣である文部大臣であるということがはつきりしたのですから、文部大臣にお伺いしますが、その文部大臣は、只今私が官房長官にお尋ねしたように、どういう意図を以てこの調査をなされたか。文部大臣から御答弁を願いたいと思います。
  29. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はこの教育者というものが、やはり社会的に重要な位置を占めておるものでありますから、そして教育者教育者という社会的な一つ身分と言いますか、在り方を持つておりますから、それに対して一定の制約が伴つて来るということは、これは当然認めなければならないということを申上げたのです、この前の参議院の本会議で……。そういう考えを自分は抱いております。ところで今の調査ということになりますというと、世間にさまざまの取沙汰があるということから、それなら一体教育者はどういうことをなさつておられるか、その実態を掴んでおるということは文部省が当然すべきじやないかと私は思うのであります。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 教員政治活動制限の問題、これは私は継続してやる筈であつたのでありますが、今御発言があつたわけでありますが、これは制限言つて教職上における、これは或る種の制限はあると思う。併しながら教職を行わない、家へ帰つてからのそういうような活動に対していろいろな制限、そういう点ははつきり分けられるべきものだというように考えます。文相が曾て答弁された憲法に違反しないというような精神も正にそこから来ておるのだと思うのですが、一体官房長官はどういうような趣旨において教員政治活動を一体調査する必要が生じて来たか。たまたま教員代表者が外の候補者に比べて二、三多く出た、こういうような実態のために、そうしてそのためにいろいろ地方でそれと対立した候補者あたりから問題が起つた。そういうことのために、時たまたまそういうような基盤を有するところの政府立場からそういうものを調査する、併しこれはどのような一つの與えられた当然なる政治活動の行使に対して制限になるか、こういう実態についてははつきり掴んでおられるかどうか、こういうことであります。これはさつき小笠原君の質問に連関して非常に大きな問題と思いますが、この点官房長官意見文相意見を質したい。
  31. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今文部大臣が言われた通り、その実態調査して見なければ、非難が当つているかどうかということは分りません。従つてその実態調査依頼しつつあるわけであります。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、すでに選挙終つてこれは何日、今日で五十日になりますか、五十日も経過しているのでありますから、敏速な政府機関のことでありますから、多分結論が出られたと思うが、どういう結論になつたか、それを伺いたい。
  33. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) お答えいたします。率直に申上げます。私の方では地方教育委員会に対しまして状況報告を求めました。報告はまだ全部出揃つておりません。
  34. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) 依頼をしたのですか。報告を求めたのですか。
  35. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 依頼したのです。依頼いたしました。そうしますと、報告の出て来たのもございますし、又調査中ということで報告のないのもございます。
  36. 岩間正男

    岩間正男君 いつまでこれをとられるつもりですか。五十日過ぎているので、文部行政の怠慢とも考えられる。五十日過ぎて結論が出ない。今来ているという話ですが、来ている工合ではどうですか。来ている内容でも分れば、或る程度中間報告でも結構ですから、こういうものはどういうように文部省として結論をつけておられるか伺いたい。
  37. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 報告内容は一応私も目を通して見ましたが、まちまちでありまして、一概に申上げるということにはならない。又材料も十分整つておりませんので、ここではつきりこうこうと申上げ準備はまだ私にはできておりません。率直に申上げ ます。
  38. 岩間正男

    岩間正男君 官房長官にもう一点伺つて置きたいのでありますが、教員政治活動の問題が出たわけでありますが、それと並行してあらゆる問題がいろいろ起つているわけですね。大きな選挙違反の問題とか、それからいろいろな問題が起つているわけでありますが、それは全般的な調査をされておりますか、お伺いいたします。
  39. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今の点ははつきりいたしませんから、もう少し詳しくおつしやつて下さい。
  40. 岩間正男

    岩間正男君 教員政活治動だけじやなくて、選挙後において随分選挙違反の問題とか起つているわけであります。我々も随分耳にするわけであります。こういう問題についてさつき官房長官お話では、たまたま教員のそういう問題が耳に入つたから、それでこれについて調査したというような話でありましたが、全般的にそういうような問題について広汎な調査をされており、それが進行中であるかどうか、その点伺いたいのであります。
  41. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 選挙違反の問題は、これは政府が直接関係いたしませんで、検察庁なり国警なり、或いは地方自治体警察なり、その方面に委してあります。
  42. 岩間正男

    岩間正男君 尚一つここで考えて置いて頂きたいのは、教育委員会という機関、これを使つたというのでありますが、教育委員会がそういうような調査をする機関であるかどうかということは、これは根本的に一つ検討して見なければならない問題だと思う。教育委員会法精神からいつて、そのような検察的な一体役目に任ずるところの機関であるかどうかということは、本委員会としては徹底的に検討して見なければならない。このことについては文部省責任問題として我々は残して置きたいと思います。それからそういうような機関で一方的に調査するというような態勢を取つて、そういうような結果をまとめられることについては、我々はやはり異論があるということをはつきり申上げて置きたいと思います。そこで私は問題を更に進めたいのでありますが、本法案に対するところの連関した問題であります。なぜ私は次期国会開会中に問題にし、更に地方公務員法案並びに教育公務員特例法改正、こういうようなことを問題にしなければならないかといいますと、この提出されました法案について一ヶ月期間が延長されておる、そうして一方においては又九月の国会開会説が伝つておる、こういう関連におきまして、当面したところの第二回の教育委員選挙に対して何らかの働きかけがあるんじやないか。つまりここに政治的な一つ方法がこの法案の中に隠されているのではないか。これは非常に大きな問題になつているわけでして、これは官房長官として一体そのような意図があるのか、この点が非常にこの法案審議する上において重要なんです。その点先ず伺います。
  43. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) この法案は国勢調査に関連して出したものでありまして、今おつしやるような妙な意図を内蔵してやつたものでは全然ありません。教育公務員その他の問題は別個の問題としては考えられる可能性はあると思いまするが、まあ率直に申しますれば、この法案に関する限りはそういう怪しげな意図を以て出されたものでは断じてないことをここで明言申上げます。
  44. 若木勝藏

    若木勝藏君 官房長官並びに文部大臣質問したいと思います。今の官房長官に対する岩間君のこの教育委員会法委員選挙を一ヶ月延ばすというこの特例法に対して、こういう提案に対して何か別な意図があるかどうか、そういうふうなことにつきまして今御答弁がありましたが、私はそういうことがなぜ考えられるかということを詮索して見ますと、やはり前から続けられておるところの教員の今回の参議院選挙におけるところのいわゆる選挙運動政治活動、こういうことに対する政府調査ということが相当誘因をなしているのではないかと考えられる。先程からいろいろ質問又御答弁を聞いて見まするに、はつきりしない点が多多あるのです。先ず私はその点につきまして、政府から文部大臣の方に調査依頼したそのことにつきましては、何か項目を定めてこれこれについて調査依頼し、こういうふうにしたか、その点が一つ。それからもう一つは、それに関連しまして、文部大臣の方といたしましては、教育委員会調査依頼した場合に、これも又項目を定めて依頼したものであるか、その点を先ず一つ伺いたいと思うものであります。
  45. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今はつきり記憶にありませんから或いは多少違つている点があるかも知れませんが、私の記憶ではそう項目を書いて、どれとどれというふうには依頼はしてなくして、こういう噂が非常にあるから、この点について文部省で分るなら何か知らして呉れ。こういうまあいわば軽い意味調査依頼した。こういうふうに記憶しております。
  46. 若木勝藏

    若木勝藏君 それでは、それに対して文部大臣の御答弁を願います。
  47. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 政府委員をして答えさせます。
  48. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) お答えいたします。私の方で照会いたしました、問合せをしましたのは、一般的な傾向について問合せをいたしました。
  49. 若木勝藏

    若木勝藏君 一般的な何について……。
  50. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 一般的な傾向について問合せをいたしました。
  51. 若木勝藏

    若木勝藏君 それだけですか。
  52. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) はあ。
  53. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の御答弁には甚だどうもはつきりしないものがあります。一般的な傾向についてというふうなことについては我々考えられんのであります。もつと具体的に答弁をお願いします。
  54. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) それでは具体的に申上げます。教育者選挙運動についての一般的な傾向と問題となつた諸点ということであります。尚細かく申しますと、教育者選挙運動について問題となつた事件なり、或いは確定したものがあつたならば、その件数とか、或いは概要、教育者選挙運動についての法的な不備又は解釈上の疑義の存する点、これらに対する御意見というものがあつたらば知らせて頂きたい、こういうことをいたしたのであります。
  55. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の調査事項の前の方では少しく問題があると思うのでありますが、そういうふうなことを教育委員会調査依頼するということについては、文部大臣としては別にそれに対しては何でもないと考えておるかどうか、この点を伺いたい。
  56. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、要するに教育者はどういうようにされておるかということを文部省はつきりつていることが万事によいのだと考えるのです。ですから世間から非難があつたらそればそれ、これはこうだと言えることもあるでしようし、或いはそういう点は如何にも、尤もだと言えることもあるでしようし、要するに文部省教員実態というものをよく掴んでいるということが必要だ、そういう意を以て調査教育委員会依頼したわけです。そういう関係です。
  57. 若木勝藏

    若木勝藏君 今のに関連いたしまして、そういう調査依頼した場合、地方のいわゆる教育委員会において、或いは国警であるとか、検察当局であるとかという方面へ又依頼するかも知れません。そういうことによつて必要以上に、いわゆる教育的な調査でなしに、或いはそのために暴き出すという方面に走りはしないかということも考えられるのであります。そういうことがあつたかないか、これについて文部大臣に伺います。
  58. 天野貞祐

    國務大臣天野貞祐君) 私はそれを詳しく知つておりませんから、政府委員からお答えいたさせます。
  59. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) さようなことは聽いておりません。
  60. 若木勝藏

    若木勝藏君 文部大臣にお伺いしたいのですが、いわゆる日本の民主的な発展ということについては、これは文部大臣としても或いは官房長官としても異論のないところであろうと思います。そういう点から、教育者政治活動というふうなものを制限することがいわゆる日本民主化に非常な妨害になる、支障になるというふうなことを考えられておるかどうか、この点を文部大臣に伺います。同時に文部大臣はこの前の参議院の本会議において岡田君の質問に対してこう答えていられる。これは教員政治活動の禁止問題でありますが、法律を出すことは政府がまだ決定していない、教員の使命には身分一つ制約が必要である、どうするかをこれから研究する、制約は直ちに基本人権を彈圧することでない、というところの答弁をしておるのでありますが、この制約については、道義的に考えたところの制約なり、或いは法律的ないわゆる政治活動制限するという方面までも考えておるか、この点を併せて伺います。
  61. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 先程の調査について警察云々ということをおつしやいましたが、それについて私の考えを述べます。私共はそういう出て来た資料をただ受動的に受取るわけじやないのです。出て来た資料を本にしてものを判断して行こうというのですから、そこに警察とかそういうようなもの、教育者にとつて不当だと思う報告があれば、そんなものは私共は耳を籍さないのです。ですから殊に今そういうものがないということですから、その点はそれで御了承願えると思うのです。  それから第二の点です。私はやはり教育者というものを尊重すればする程、そこにやはり普通の市民とは違つた一つ制約というものが出て来ると思う、併しその制約は何も直ちに人権を剥奪するというようなことには、基本人権の妨害だということにはならないということを申したのですが、それは一体道徳的な制約か、法律的な制約かという今お尋ねだと思います。道徳的な制約は当然の話でございますが、政治的な制約ということは社会概念の規定によります。只今の政治的な制約というものも私はないのではないかと考えております。
  62. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 荒木君に申上げますが、あなたはさつきから質問を求められておりますがどうしましよう、よろしいですか。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 今の政府委員の若木君に対する答弁の中で、私は最後の方が私には問題になる。それは教育委員会教員政治活動に対する意見を求めた、こういうことです。ところが現在教育委員会というものはどういう人達によつて構成されておるかということも我々は具体的に知つておる。而も十月の選挙を迎えておる、そういうときに、教員政治活動がどういう意味を……意見に対してどういう意味を持つかということを答えれば、これはまるでちやんと思う壷にあるような答弁をするのは当り前だ、そういうものを持つて来て、そうして調査の結果はかくかくである、こういうような事態か出て来たらば、これは非常に重大だ。單なる調査ではなくしてむしろ意見を聽取するというように解釈する。さつき調査ということが非常に崩れて来るのではないかということが一つであります。  もう一つ、先程の文相答弁によりますとどうしても教員公務員としての、それに準ずるものとしての制限はどうしても必要だ、こういうことを言われるのでありますが、併しなんです、一体教員の現在の生活実態については、これは天野文相も先刻よく御承知だと思う。又教育の現状については、これは文相もしばしば例えば大学の問題なんかについて、その実態については世間に発表されて来たところだと思う。だからこの教育の実情を憂え、又教育に携わる者として生活を改善しなければならん、しなければどうにもならない、もうその極にまで行つておる。こういうような立場に置かれるものはむしろ一つの政治行動を通じまして、そうして自分に許された範囲内で当然それらの活動を活発にするということは私は当然の姿であり、何らこれは日本の現在の憲法下の規定にこれは背くものではない、むしろそれらの権利を正しく行使しておるのだと解釈されるのでありますが、前提的な生活の條件、教育に対する徹底的な政策の問題、こういうものを解決することなくして單なる制限というものを、どういうものを処すると文相はお考えになつてておるか。この二点が非常に重大な問題であるからお伺いしたいと思います。
  64. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 先程私の答弁申上げた中で、或いは誤解でないかと思うのは、私の説明が間違つてつたのかも知れませんから、繰返して最後のところを申上げますと、御質問選挙運動についてこれを法的な不備或いは解釈上の疑義の存する点と、これに対する意見、法規上の不備がある、不備だと思うか思わんかというそういう意味意見でございます。もう一遍申上げます。法的の不備、解釈上の疑義の存する点と、これらに対する意見……。
  65. 岩間正男

    岩間正男君 それはあとで。文相の第二点についての御答弁を求めます。
  66. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はですね、政治活動という概念が非常にいろいろな曖昧なものを持つておると思うのです。で私の今考えているところでは、地方公務員の持つている程度制限、そういうものは致し方ないのじやないかと思うのです。で、教員の生活状態とかというようなことについては、私も幾らか知つておる考えでございます。ですからそれをよくするということについて何も岩間さんと私が違うところは少しもないのです。ただ私はそういう政治活動といつても無制限というわけには行かないと思うのです。だからそこに地方公務員の持つ程度制限は致し方ないのではないかと今考えておる次第です。
  67. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 先程の教職員の選挙活動調査の問題は、私も重要な意味を持つておる調査であると思いますので、荷二三の点をはつきりして置きたいと思う点がありますので質問いたします。これは(「文書で貰えよ」と呼ぶ者あり)この問題に対する質問は留保いたしますが、今日は二三の点を明らかにいたして置きたいと思います。  第一は文部省調査依頼したということでございますが、これは閣議の決定によつてなされたものであるかどうかということが第二点でございます。  次に文部省はこれを調査せられたということでありますが、文部大臣名を以て調査せられたのかどうかということが第二点でございます。  次に内容でございますが、調査内容は先程読んで頂きましたが、これはその内容は極めて重要でございますので、私は文書として貰いたいということを考えております。それで私の聞いておるところでは、文部省調査内容の異るものが二回に亘つて行われておるということを聞いております。第一回に調査せられ、そうして再び内容の異つた調査が行われておるということを聞いておるのでございますが、この点が事実であるかどうか、若し事実であれば二様の内容を同時に提示して頂きたい。かように考えます。私共も選挙は公正でなければならないという考えでは全く同意見であります。併しながらこの調査内容によつて選挙の公正を将来に亘つて阻害する虞れが非常に多分にありますので、この内容は重大であると思いますので、文書によつて提示をして頂きたい、かように考えるものであります。その上で改めてこれらの問題に関する質問をいたしたいと思います。本日はこの資料の提出の上で質問いたしますから、それ以上の質問は留保いたします。
  68. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 答弁は要らないのですか。
  69. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 答弁の要る問題があります。
  70. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今調査依頼は閣議の決定によるかどうかというお話でありますが、これは閣議の了解を得て、決定ではありませんけれども了解事項でございます。
  71. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) お答えいたします。文部省からどういう名前で調査依頼したか、これは地方連絡課長の名前を以て依頼をいたしました。  その次に二回違う調査依頼したのではないかという御質問でありますが、これは第一先程読み上げましたものの一部分の言葉を直してこちらの質問の仕方がはつきりしないかも知れないと思つて直して出しました。中味は違いません。
  72. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それでは第一回に出されたものと、それから訂正して出されたものと両様出して頂きたいということを申上げて置きます。
  73. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) どなたに質問ですか。
  74. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それは御決定をして置いて頂きたいと思います。できるだけ早く出して頂きたいと思います。
  75. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 文書でいいのですね。
  76. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 そうです。
  77. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは小笠原君。
  78. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) 実は我々が連合審査をお願いしたのは、これは一応尤もな話であると思つてつたのですが、官房長官は否定しておりますけれども、一部に何らかこの蔭に隠れた意図があるというようなことが耳に入るので、その点をさえ闡明にすれば我々の職責は果せると思つてここに出席したわけであります。ところが先程から長官並びに大臣の答弁によりますと、公式にはこれに関してのみは何らそうした考えはないということをおつしやつておりますけれども、主管大臣である文部大臣教員政治活動制限を加えるべきであるということを言明しておられる。そうすると結果として、事実として或はこの選挙の問題と絡んで、実際問題が起つて来るかも知れない可能性がここに生れて来ておるわけです。それで先ず第一点としては、私達も一般のこの公職選挙法に基いた選挙において、上教員の特殊な地位を利用して選挙活動を行なつてはならないという制限規定以上に文部大臣教員政治活動制限する、身分に鑑みて制限するという意図は、一般公人として、一般の市民としての政治活動選挙活動そのものにまで制肘を加えようとする。もう少し積極的な意図であるか。公職選挙法に盛られておる制限以上に積極的な意図のものであるかどうかということについてお尋ねしたいと思います。
  79. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) お答えいたします。私は今度の延ばすことが何か政治的な意図があるかどうかというようなことは、私に関しては御質問じやないかも知れませんが、私は断じてそういうような考えは持つておりません。  第二の点にお答えいたします。第二の点については、私は法律に暗いのですけれども、地方公務員の受けるような程度の政治的な制限というものは、致し方ないのではないかと、そういう考え方を持つております。
  80. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) その地方公務員が受ける程度選挙活動制限というものの内容はどういうものですか。
  81. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) いや、それは前から私が申しておるように、この政治活動という概念規定が非常にむずかしい。だから地方公務員というものでも、どれだけの政治活動制限を受けるかという概念規定をもつと研究して行かなければならないと思つて文部当局でもよく研究をいたしております。
  82. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) そうしますと、一般地方公務員が将来何らか措置せらるる程度の枠の中には教員も入るのであつて教員に対して一般地方公務員の枠外において特殊な政治活動制限をするのではない。こう了解してよろしうございましようか、お尋ねいたします。
  83. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) お答えいたします。それでよろしいと思います。
  84. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) そうしますと結局は、好むと好まざるとに拘わらず、地方公務員法なるものが、それらのことに関していろいろな法案を用意するであろうということが想像されるのでありまするが、それが意図しないにしても、この選挙の前に絡んで出て来るということになれば、やはりこれは結果としては、そうした意図を以て引き延ばしたのであるという一般の誤解を受けるのじやないかということが、我々としては心配されるのであります。従つて官房長官としても、少くともその地方公務員法なるものが、十一月の五日以前において効力を発し得るような地方公務員法であるのかないのか、こういう点をお答に願いたいし、答えられないというのであるならば、見通しをお話願いたいと思います。
  85. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 我々の方では、政府のみならず党の決定によりましても、つまり私の属しておる自由党決定によりましても、いろいろ政策は影響されることは当然であります。従つて今見通しも申上げられないのでありまして、党の決定がなければ、その点もはつきりしないと考えるのであります。
  86. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) では、他の関連した点は同僚諸君に譲りまして、第二の点についてお尋ねしたいと思います。  この提案理由の説明では、繰延べの方が有効であるような説明で、繰上げの方はうまくないというふうに、非常に御研究になつた提案なんです。併し一ケ月繰延べることについて、国勢調査の問題に絡んでおるのですが、地方の市町村が国勢調査の事務管理をするのには、幾日くらいかかる御予定であるか、都道府県がその集計を取つて、事務担当者がこれを完了するのはいつ頃であるか、国に取りまとめるのはいつ頃になつておるのか。政府委員の方で結構ですから、国勢調査に関する段取りの方を一通万御説明願いたいと思います。調査日以降の事務手続についてお伺いいたします。
  87. 吉岡惠一

    政府委員(吉岡惠一君) 今の国勢調査の点についてお答えいたしますが、国勢調査のやり方について詳しいことを私共は存じておりませんので、正確には申上げられませんが、大体聽いておりますところを申上げますと、市町村では余りやらないのではないか、表を書き込みまして、それを地方事務所、県を通して中央の方へ送つて中央の方で統計をとる、そういうふうに聽いております。
  88. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) それは本当のことですか。私らも過去においては再三調査員を仰せつかつてつたのですが、そんなことはないのですがね。もう一遍お伺いいたします。
  89. 吉岡惠一

    政府委員(吉岡惠一君) 勿論調査表を正確に作るということは、市町村がやらなければなりません。又概数くらいは恐らく数えることは数えると思いますが、細かいところまでやることはないというように聽いております。
  90. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) 私は事務処理のために市町村なり県なりは相当の日数をこれに割くであろうということを予想せられるのであります。その者が選挙事務について重複した任務を持つているが故に、やはり忙しい点においては、一ケ月繰延べても忙しいのじやないか。ところが逆に私は繰上げの問題を考えるのですが、一ケ月繰上げの問題です。尚先程来言つておる意図をされているものがないという点から繰上げの問題を考えるのですか、繰上げは海区漁業調整委員選挙を八月十九日に行われる。それだけの障害がある。あとは何ら障害がない。而もこの問題については、過去の前例を考えるならば、第一回の衆議院の選挙なり、参議院議員選挙、或いは地方自治団体の首長、地方議会の議員の選挙は、一ケ月くらいの間にみんな選挙をやつた事実があるのです。そうしますと、二十日くらいの間をおいて海区漁業調整委員教育委員選挙をやるということは、さしたる障害がないであろうという点も第一に考えられる。それから第二の問題として考えられます点は、今も内閣の教育刷新審議会において学校暦の問題を研究しておられるようでありますが、九月を学年の始期としたいという前提の下に調査研究をしているのでありまするが、これから見ましても、教育委員の新たなる活動が学年の始期なり或いは学期の始めなりにおいて行われるということは、恒久的な施策から言つても、非常に教育上よい結果を見るのではないかという点も考えられる。  第三には、又この法案は十年目に一回ずつくらいは、出たり引つ込めさせて行かなければならない法案である。  第四の理由としては、十月五日という日が選ばれておるのは、教育委員会設立の当初の時期的な関係からそういう結果になつたので、教育上の何らの考慮が拂われておる選挙期日ではない。こういうような点について文部大臣にお伺いしたいのですが、教育行政の主管大臣としては、繰上げの点を、繰下げ、繰延べの点と比較考慮したことがあるのかどうか。そうしてその比較考慮した結果、この原案の方がよいと御決定になつた理由について、教育的な見地に立つての御説明をお願いしたいと思うのであります。
  91. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 学年の始期を九月にするというようなお話がございましたが、この点はよく御承知の通り、刷新審議会の方で研究しておりまして、結論にはまだ達しておらないのであります。彼此検討していずれに軍配を挙げるというところに達しておりません。これはよく御承知の通りかと存じます。つきまして、教育委員会の始まりを九月にした方がよいということについても、我々の方は確実な意見を、まだまとめるというだけの資料を持つておりません。その点から見ますと、今のお話の九月にした方がよいという結論はまだ出ておらないということを御承知を願いたいと思います。  それから繰延べるより繰上げる方がよいのではないかという御意見でございましたが、準備の都合から、まだ九月に一ケ月早くするということはいろいろの困難を伴うのではないかというふうに考えます。
  92. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) 私のお尋ねしたいのは、文部省が、選挙関係の方の所管官庁から、この原案的なものを作製する場合に、意見を徴されたであろうと思うのでありまするが、その場合のこれに同意せられた理由を、私は御説明を願おうと思つておるのであります。
  93. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 国勢調査の方の担当の者と、それから管理委員会の方からお申出があつたわけであります。それに対して、私共の方は相当考え調査もいたしましたが、若し十月五日にやるならば、今まで通りのやり方ならば、それが一番徹底しておりますから、それはそのままの方が結構ではないかと思いましたが、併しながら、両方の話合いを伺いますというと、これは却つて一ケ月延期する方が却つて結果がよろしいのではないかというふうに判断をいたしたのであります。
  94. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) それでは最後に文部大臣並びに官房長官に御意見を聽取したいのですが、どうしても繰延べは止むを得ない、而も巷間に伝えられておるような何らかの意図的なものがこの法案実施に当つてはないということを再三言明せられておるのでありまするが故に、事実の上にもそうした点が現われないでフエアーでこの選挙が行われるように措置するだけのお考えをお持ちになつておられるかという点をお伺いいたします。
  95. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はですね、今の繰延べをするということを全く事務上の便宜に出るものと考えておりました。少しもこれを利用して何か私が政治上のことをやろうなどということは思いも及ばないところで、私が小笠原委員からそういう質問を受けたことを非常に意外とするものでございます。フエアーにやるということは、当然の話であります。
  96. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) これは大臣のちよつと逆鱗に触れたようですが、官房長官の先程の説明の中に我が内閣は與党である自由党の政策も取入れて勘案しなければならんのであるということを言明しておるので、その自由党内閣の一閣僚として、天野文部大臣にお伺いしておるのであつて、その文部大臣只今のお考えを聞いて、私共意を強うしたのですが、その與党の政策が盛込んで来られても、主管大臣としてフエアーに行いたいという希望については変りはないものであるというふうに尚意を強うしたわけであります。官房長官の方の御意見を伺いたいと思います。
  97. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) ちよつとこの経緯を御説明すると分るのだと思いますが、私が官房長官になりましたのは総選挙の終る前であります。そのときにすでにこの法案の原案は、私聞いておりまして、研究を進めておつた選挙が終りまして、その時日まで覚えておりませんが、暫く経つてから教育公務員政治活動というような問題がぼちぼち出て来たのでありまして、この法案政治活動を何か制約するかという問題とは全然別個なもので、この法案は全く事務的なものと私は信じております。又今小笠原さんのお話では、教育公務員に対する何らの制約をしても、選挙はフエアーに行われないというような前提のように思いますけれども、仮に制約が行われたとしても、それは選挙をフエアーに行うための制約であろうと思いますから、この点は文部大臣のお答えの通り、来るべき選挙をフエアーに行うという点については何ら変りはないのであります。
  98. 小笠原二三男

    委員外議員小笠原二三男君) もうこれ以上の論議はあれでありますが、官房長官の今のお話で、公的に公職選挙法で選挙そのものを国民一般に権利と義務を規定しておる中で、特に教員の場合制限規定があるにも拘わらず別に又この選挙を控えて事前に何らか関係しておる教職員の選挙活動制限されるということは、政治問題として今回のこの選挙をフエアーに行えないという前提に立つて私はお話申上げておる。官房長官は尚制限を加えても、そのことによつて他の国民一般が選挙がフエアーに行われるならば、一部の者はそうなつても構わないのだ、このような意向のような点、この点が重大なんです。もう一度御見解を御発表願いたいと思います。再度質問はいたしません。
  99. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今の御了解は少し私の言つておることと違います。つまり教育公務員の中に何らかの制約が加わつて選挙をフエアーに行われないような制約は加わらないであろう、こういうことであります。
  100. 相馬助治

    委員外議員相馬助治君) 時間がありませんので、特に私は参議院文部委員会で而も天野文部大臣にこういうことをお尋ねして、ここで御返答を聞いて置きたい理由は、参議院文部委員会が早くから非常に物事に囚われずに、本当に超党派的な見事な業績を過去の国会において果して来ております。而もこの委員長は、是々非々を以てモツトーとする緑風会から出ております。同時に天野文部大臣に対する教育関係者の期待というものは、実に大きなものがございます。而も天野文部大臣が言われるように、教育者というものが、一人の者へ文化財というものを授與するというような極めて重大なる仕事をいたしておりまするから、職種の上から特殊である、こういうことは大臣説明の通りなのです。ところが問題は、そういうふうな制限の面だけでなくて、先程同僚の岩間君が言われましたように、そういう制限が行われるためには、当然その制限を許すところの前提があり得る、こういうふうにも我々は考えております。併しここで私は議論をすることは止めまして、とにかく教員に対してだけ政治活動制限するというような思付きみたいな、そういう法的措置、こういうものはこの際なすべきでもなかろうし、同時にどうしてもそれが必要であるというならば、臨時国会でも何でも召集して堂堂と地方公務員としての運の法的措置の中において、これを明確に規定するのが当然であると考えます。従つて又この選挙期日を変更することも、一応国勢調査という統計的な日にちを狂わすというと困る、という問題を孕んでおりますので、どこまでも我々はこれにけちをつけて反対しようとしておるのでは絶対なくて、こういうことにつきましても、思付きのようなことであつたのではいけない、という一つ考え方からして、地方行政委員会でこれを我々は問題としたわけでありまして、是非とも、是々非々であり、真理を追求するに勇敢である天野文部大臣は、内閣の閣僚でありますけれども、特に先程からみんなが心配しておりますように、教員だけ取上げて政治活動制限するというような、そういう片ちんばな法的措置というものが行われる場合には、断乎一つつて頂きたい、そうして広汎な地方公務員法立法の措置の上において、これを行使して貰いたい、ということをお願いいたして、私の発言を止め、同時にこの際聞かして頂きますならば、天野文部大臣に重ねてそれらについて御見解、御信念をお尋ねできれば有難いと存じます。
  101. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今いろいろ承つてつて痛み入る次第でありますが、文教のために十分やろうと思いますから、そういういろいろ不公平な、フエアーでないことをやろうという考えは全然持つておりませんからどうぞ……。
  102. 平岡市三

    ○平岡市三君 もう時間も非常に過ぎておりますし、大変質問もどうかと思いますから、この委員会はこれで打切つたらどうでしようか。
  103. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 官房長官がお見えになつておりますので、一つだけ、矢嶋として最後のお尋ねをして見たいと思うのです。官房長官が閣議の申合せとして文部省調査依頼した。文部省の方では教育委員会に先程発表されたような調査をやられた。この問題につきまして先程から官房長官並びに文部省政府委員の方々の答弁を総合して私考えますときに、次のように私はこれをキヤツチするのですが、間違つていないかどうかお伺いしたいのです、と申しますのは、この選挙を公正にやるために、先程からフエアーフエアーと言われておりますが、そうするために公職選挙法の中に、教師の地位を利用して選挙運動をしてはならないという制約がある。これはまあ大きな制約だと思いますが、制約がある。その制約がその通りに行われておるかどうかという点について、政府としても調査したかつたし、又文部省としてもその点並びに教育基本法の第八條の第二項の点について調査したかつたというふうに私は答弁からキヤツチしておるのですが、その角度から相違ないかどうか。
  104. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私も素人でありまして、はつきり今のお話は分りませんが、常識的に伺つたところではその通りだと思います。
  105. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 でありますともう一つ質問いたしたいのですが、それは文部省にそういう調査依頼して、例えば建設省とか或いは農林省とか他の省に対して調査依頼しなかつた理由はどこにありますか、答弁願いたいと思います。
  106. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それはただ文部省が一番適当であろうと思つたからに過ぎません。
  107. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 教員調査文部省が適当であつた……その質問でありませんで、建設省或いは農林省に対して、例えば例を挙げたのですが……、その所属の国家公務員、それらについての選挙運動について調査せずに、ただ文部省教職員のみについて調査依頼したということを伺つておるわけです。
  108. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それは教育公務員政治活動ということが特に大きく取上げられて我々の耳にも入つたからであります。
  109. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そうしますとどうも不快な感じがするのですが、朝からの応答を聞いておつて政府並びに與党である自由党は、教職員から推挙を受けて出て来た議員というものは、出て来る人間でないのが過つて出て来たのだ、だからこれを調査して何とかしよう、こういうふうに教職員から推挙を受けて入つて来た議員の資格というものを否定するような侮蔑的な意図があり、将来において、それを法的に解決しようというような何か潜在的な意図があるように私にはとれるのですが、その点はつきり答弁頂きたい。
  110. 岡崎勝男

    ○收府委員岡崎勝男君) その点は先程文部大臣もお答えしました通り、事実が判明すればそういう非難は根拠のないことだといつて反駁することもありましようし、或いは事実が逆に、その逆のこともありましようが、必ずしも制限するという前提の下に調査依頼したわけではありません。ですから反駁材料としても必要な場合が十分あると考えております。
  111. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 官房長官への質問はそれで終ります。文部省政府委員の方に一つお尋ねするのですが、先程からの文部大臣答弁から考えるというと、どうも一点政府委員答弁の中に分らない点がある。それは法的不備ということをあの調査の中に入れてあるのですが、法的不備というのはどういうことを予想して法的不備という言葉を入れられたのか、その点併せて答弁頂きたい。
  112. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) お答えいたします。公職選挙法の中に御存じの通り教育者としての地位を利用するという言葉がございます。この点についての見解がいろいろあると思います。これらについてかような用語では適当でない、或いはもつと適切な表現が必要ではないか、そういつた議論はまま聞くことでございまして、こういう点について異議があるならば、不備だと思うならば、そういう意見を聞かして貰いたいということであります。我々の方は御存じの通り極めて事務的に課長名を以て問合せております。どうぞそういうふうに御了承願います。
  113. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その点は法の解釈上の疑義というところに入つているのじやないかと思う。その通牒の中に……、この法的不備というものの意図がどうもはつきりしない。而もその法的不備の調査さつき岩間委員からも言われましたように、單なる一局部である教育委員のみの法的不備の回答を求めたということは、そこに何らかの意図があるのではないかというふうに考えられるのですが……。
  114. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 今の法的不備という問題でございますが、法的不備或いは解釈上の疑義の存するところという行き方をしております。でございますから今お話通り、これは解釈上の問題だと言つてしまえばそうでございましようが、併し尚表現の方法をもう少し適切にする方がいい。そういう見方からすれば法的不備も成立つのではないか。法的不備又はといつて全然別個なこととは解釈しておらなかつた。関連した問題として解釈しておりましたのですから、そういうふうに御了承願いたい。
  115. 岩間正男

    岩間正男君 官房長官文相質疑いたしました支点は、今から私が申上げることにむしろ多いと思うのでありますが、簡單に時間がありませんから要点だけかいつまんで申上げます。  この提案理由の説明を見まして、私達ば非常に不思議に感ずることは、期日を一ケ月引上げる問題についていろいろ親切に理由を挙げている。併し、引延ばしたことについては何らの故障もないように言われている。併し果して政府は十一月五日というのが全国的に見て、丁度農家の收穫期に当り非常にこれは投票する立場から見ますというと、非常に不利な期日である。そこで恐らくこの事務を担当する官僚の立場からだけ考えて、官僚のいろいろな準備の都合から見て、どうも国勢調査とぶつかると工合が悪い。それから又二ケ月前の八月には何々の局部的な選挙があるのでこれもいけない。こういう理由だけ挙げておられますが、選挙する人民の側からの見たところの便宜については、御検討をなされておるかどうか。この点について検討されて引延ばされたのであるかどうか、この点伺いたい。
  116. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 我々も選挙につきましては、いろいろ経験があるんでありまして、そういう点は無論考慮に入れました。入れましたが、この重要な教育委員選挙であれば、多少の繁忙は何とか考えて、投票には別段差支ないであろうという見解と、それからどうしても事務的に考えて繰上げるよりは延ばした方が工合がいいというような点を考慮しましてやつたわけであります。
  117. 岩間正男

    岩間正男君 今官房長官の挙げられたような理由から言いますというと、国勢調査教育委員選挙はダブつたにしても同じようなことが言えるのだと思います。理由から言いますとね、これは非常に官僚の方ではいろいろな準備をするために手続が面倒だ、それから国勢調査員が事前運動員として事前運動するような点が起るとまずい、こういうようなお話でありますけれども、これはそういうことはあり得ないと、こういうふうに考えられるのでありまして、今の点から言うと、官房長官の挙げられた理由は非常に私は微弱だと考えます。どうも理由として我々判断することに苦しむ。国勢調査を一方でやつて教育委員選挙はなぜやれない。これは小笠原君もさつき言いましたけれども、一ケ月前にあの五、六種の違つた選挙が連続行われた、あれから考えればものの数ではないと考えるのでありますけれども、その点もう一度これは伺つて置きたい。
  118. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはやはりいろいろ考慮しましたけれども、提案理由の説明のときに申上げました通り結論に到達したのであります。
  119. 岩間正男

    岩間正男君 この点は意見の相違でありますから、ここで議論することは止めます。  次に天野文相にお伺いしたいのでありますが、これはこの法案と直接の関連のある問題ではないのでありますが、この前の教育委員選挙におきまして第三国会かと思いますけれども、新らしく教育委員会法立法されたわけです。そしてそれが相当大幅の修正を見まして両院を通過した。ところがその実施状況を見ますと、この法案通り教育委員会法が必ずしも実施されないところの事態が起つておる。当時我々はこれに対しまして文部省の注意を喚起したのでありますけれども、執行機関としての文部省はこの法案に忠実な態度を貫くことができない事情が起つております。これは抽象的ではお分りにならないと思うので、具体的に申上げますが、この教育委員に現職教員が立候補するということは何ら差支ないということが修正されたわけであります。そしてそれが通過したが、ところが実際におきましては各地方においては、こういうような現職教員は立候補しては罷りならん。或いは立候補したがそういうような要請によつて止めたという事態が、瀕々と起つたのであります。こういうことは当時関係方面のOKも受けて我々は修正をしたのでありまして、その立法府の権威というものが守られないで、執行面においてこれが阻害されたということが起つたのでありまして、これは私は甚だ遺憾なことだと思う。無論教員の現職立候補の問題は今度の公職選挙法におきまして変更されておりますから、その技術的のことだけを言うのではありません。教育委員選挙法に盛られておる精神を執行機関として忠実に貫く決意を持つておられるか、この点を伺つて置きたいと思います。
  120. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 今の御質問の最初の部分につきにましては、大臣か御就任前のことでありますから、私の方から代つてお答え申上げます。教育委員候補者としてどういう人が望ましいかということがいろいろ問題になると思うのであります。この点につきましては、この制度の多年の経験のある国々の御指導があつたというふうに私共は承知しております。その御指導の内容からいいますと、どういう方が教育委員として最も適当であるかという指導があつたと思いますが、公平でなくてはいかん。それから教育に対して非常な熱意を持つた人でなければならん。市民全体の信望を集め得る人々でなければならんというようなお話があつたように思います。それは地方によつてつたように思いますが、経験によると教育委員はいわゆる一般市民の代表であつて、特定の職業なり身分なり人の代表というふうに解しない方がいい。それを尚具体的にいいますと、仮に学校の先生或いは校長先生というような方がそれを代表するような考えで出られるというようなことは、先輩の国々では常識上考えておらん。その代り教育長には是非裏門の知識の深い経験のある方に出て頂き、教育委員の方は市民代表の立場において関與して頂くのが望ましい。これは昔からの経験上そういうことがいいことであるという御指導があつたと聞いております。それは地方によつてつてつたように聞いております。前段の御質問に対して簡單でございますが、御答弁申上げました。
  121. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今政府委員からお答えしたようなわけで、それもたしかに常識として考えられると思います。教育委員というものは報酬も何も貰わないというのが普通だとすると、我々教師をしておる者がそれに出て、報酬も何も貰わんでやるということは、これは普通ではできないことだから、そういう考えも私は一理あると思いますけれども、私自身はどこまでも教員の諸君が教員を辞めて一個の市民として出られるというのならば、それを止める権利もなければ止めようという考えもございません。
  122. 岩間正男

    岩間正男君 どうも私の質問の御趣旨が御了解にならないのじやないかと思います。私は先の關口政府委員の御答弁はまるで的外れじやないかと私は思います。そうじやない、我々は現職教員の立候補の問題については原案にはなかつたわけです。併し当委員会におきまして、多数の意見を以ちまして、これは関係方面のOKをとつて現職教員可なりということにつきまして法案は通過したのであります。その限りにおきましてはこの法の権威というものは守られなければならないわけです。然るにその法案通り立候補したところの現職教員の諸君が実際においていろいろな干渉を受けたり、要請があつたりしまして、間際になつてから止めたり、そういう事態が非常に多く起つておる。こういうことが文部省調査の必要があると思うのでありますか、文部省では一体調査されていられるのですか。或いはされていないのだらうと思う。こういうものは頬被りされないでびしびし調査されて貰いたい。日本国会の権威に関する問題である。実に私はそのことを言つておる。国会の自主性にも関する問題なんだ。国会がOKを貰つて通過した法案が守られないで、出先の関係方面とか、そういうことによつて、それが歪められるということはこれは非常に大きな問題だろうと私は考えます。そういう点から考え国会によつて立法されましたその立案を飽くまでも守るところの決意を文相は執行機関として持つておられるかどうか。この点を私は伺いたいと思うのであります。ですから今の現職教員の問題は過ぎたことであるからもうこのことについて私は伺つておるのじやありません。これは例として私は挙げたに過ぎないのでありまして、今後又第二回目の教育委員選挙が行われる筈でありますが、それに当つてこれは文部大臣の御意見を、御決意を伺つて置きたいというのが私の趣意なのでございます。
  123. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はどうもよくそういうことの趣意が分らないというのは、何か私などを初めから不都合なことをする人間だろうというようなことで質問なされるような気がしておるものですから、つい質問の要旨を掴めないということがあるのです。今の岩間さんのおつしやることならば、当然な話である。それは心ずそういう考えを以てやつて行きます。
  124. 岩間正男

    岩間正男君 それは文相個人としてそういう決意を持つておられることを非常に私は貴く思うわけであります。併し文部省全体としてそういうことを貫く精神に欠けるところがあつたわけである。我々はこの委員会において再三会合をしまして、そうしてこれは文部大臣に対してそういう申出でをしたわけである。併しながらその問題を解決することなしにずるずる行つてしまつたわけである。ですから無論文部大臣はそういう決意を持つておられるようでございますから、文部省は挙げてそういう方向に行くのが当然なことです。この当然なことを当然として貫かれない問題があるのが日本の現状でありますから、この点について当然なことを当然として通して頂きたい。これだけ私は簡單なお願いであります。
  125. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) よく分りました。そういう趣意でやりたいと思います。
  126. 若木勝藏

    若木勝藏君 まだ発言を要求なさつておる方もありますが、もう一時近くになつております。お腹の工合も催促しておりますから、これは二時から質問の続行、こういうふうにして頂きたいと思います。
  127. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 書から大臣は司令部に行かれますから、もう一人か二人ですから御辛抱願つて……。
  128. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 これは関連の関連問題になるかも知れないのでありますが、現在の教育委員会法によりますと、教育委員会を市町村にまで設置するということになつておるわけであります。ところが日本の教育の実情から考えましたときに、市町村にまで教育委員会を設置するということは非常に無理があると私は考えるわけであります。これに対しまして大臣はどういうふうにお考えになつておるか、お聽きしたいと思います。
  129. 關口隆克

    政府委員關口隆克君) 市町村のうち町村に設置した例は先日配付しましたものに出ておりますが、いろいろ問題があるように伺つております。この点について私共の方ではこの夏現在始めておりますが、教育委員会の設置單位をどういうふうにしたらいいかということについて、実態的な具体的な調査を始めております。
  130. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 私は調査をお聞きしておるのではないのでございます。大臣はこの問題について特に町村にまで教育委員会を設置することについて見解があるかどうかお聞きしたいと思います。
  131. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私はどうも甚だ申訳ない話ですが、それに対して十分な見解を持つておりませんから研究したいと思います。只今差当つて町村までそれを置くのがいいか、悪いかということを十分まだ研究しておりません。
  132. 荒木正三郎

    ○荒木正三郎君 それでは要望して置きますか、これは前から非常に論議された問題であります。従つて大臣としても早急に研究の結果、大臣の決意をお伺いしたいと思います。
  133. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 承知いたしました。
  134. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは本案に対する御質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは御異議ないと認めます。  それでは本委員会はこれで一時休憩いたしまして、午後二時半より討論採決に移ります。それでは暫時休憩いたします。    午後零時五十八分休憩    —————・—————    午後二時五十五分開会
  136. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは午前に引続き文部委員会を開催いたします。本日の議題の昭和二十五年における教育委員会委員定例選挙期日特例等に関する法律案を議題といたします。本法案に対してはすでに質疑を打切りましたので、これから討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いとうございます。
  137. 若木勝藏

    若木勝藏君 私は社会党を代表いたしまして、この法案に反対の意見申上げます。理由といたしましては、この教育委員選挙というふうなことにつきましては、これは日本のいわゆる教育制度の改革から見まして、将来の日本の文教政策から見まして極めて重要なものであるのであります。それがいわゆる国勢調査というふうな一国政の義務のために、この選挙が左右される、こういうふうなことは私は相当考えなければならないところであると思うのであります。この選挙を規定しておるところの法が、それによつて左右ざれるということは、第一法の権威から考えましても、私は容認できないところでございます。殊にこの国勢調査は四、五年乃至十年、十年目には本調査があると言われておりますけれども、従来の我々の経験から申しますというと、これは四年乃至五年頃にいわゆる本調査であるか或いは小部分の小仕掛の調査であるかは分りませんけれども行われておつたのです。そういうことは必ずこの国家の事情から私は再三再四行われるものと予想しなければならない。そういうふうなことのある度にこの大事なところの選挙期日が変更されるということは、これは到底法の権威の上からも考えられないことである。こう思うのであります。  それから尚その点について細かくなりますけれども、今度の特例法によりましては、今度新らしく選挙されるところの委員は任期において一ケ月少くなる。今のいわゆる四年委員というふうな人々は一年延びるということになるのでございます。そういうふうに巌として決められてあるところの委員の任期が動かされるようになつてしまう。こういうことも教育委員会のいわゆる教育行政の上において、非常に私は支障を来たすのではなかろうか、こう考えるのであります。更にですね。今度の選挙期日が十一月の一日ということに延長されますれば僅か四十万程度のいわゆる国勢調査調査員の事務の繁雑というふうなことのために、この重要なところの教育委員選挙に当るところの多数の農家の人達が、丁度大事なところの農繁期に衝突いたしまして、非常な危險が予想されるのではなかろうか。そうなりますというと、いよいよ火事なところの教育委員選挙ということに対しましては、考えなければならん点が多々あるのではなかろうか、こう思うのであります。  第二の理由といたしましては、この提案理由の中にこういうことが言われておるのであります。今回の国勢調査は全国約四十万人の調査員が各人五十世帶を担当し、各戸戸別に訪問して所定の事項調査表に記入する方式で行われ、十月一日から数日間が調査員の活動時期となりますので、これが選挙運動に利用される虞れがある。若しそのようなことになりますれば、到底選挙の公正を期し難いと思われるのであります。そういうところの理由があるのであります。これはもう初めから調査員はそういうことをやるものだと、これは九分通りやるものだと予想されてある一つ提案の理由であると思うのであります。かくのごとく国勢調査に当るところの調査員が、不公正な立場を持つところのものであることを予見するということは、甚だ調査員に対するところの権威の失墜になるのではなかろうか、こういうふうな二つの理由から、私はこの特例法を設ける必要がない。現行法通りでよいと、こう考えるのであります。以上の理由を以ちまして反対いたします。
  138. 梅原眞隆

    ○梅原眞隆君 私は緑風会を代表して、この提案に賛成するものであります。理由はこの国勢調査及び今問題になつておる教育委員選挙は、共に重要なものであると信じます。この二つの重要な選挙が接近して行われるということは、両者の運営の上に正確を欠き、又迅速を失しやしないかという多分の憂慮があるので、この二つの調査なり選挙が正確に行われ、又迅速に行われるということが、今日の日本にとつて非常に必要なことであると信ずるので、この際止むを得ずこの法案に賛成をすることが穏当であると信じまして、我々はこの提案に賛成するものであります。
  139. 谷口弥三郎

    ○谷口弥三郎君 私は国民民主党を代表いたしまして、この法案に賛成するものでございます。そのお話のように、教育委員会並びに国勢調査、共に極めて重要なものでございまして、殊に国勢調査は、現在世界各国の文明国においては、全部すでに国勢調査なるものをやつております。しておるのでございますが、そのかかる重大な国勢調査と、今回は不幸にも極めて接近したということは、どうしてもこれをその期間を分離する必要がありまするので、本案を賛成するものでございます。
  140. 岩間正男

    岩間正男君 私は日本共産党を代表しまして、本法案に不賛成の意を表するものであります。その理由としましては、先程の午前中の質問の中にもいろいろ出たのでございますが、大体要約して次の二、三点を挙げたいと思います。先ず法は厳正なる実施が非常に望ましいと思う。教育委員会法が一昨々年制定せられましてから、いろいろな訂正がなされました。又この法案の実施面におきましても、午前中も文部大臣質問したのでございますけれども、必らずしもこれが我が国会の権威を高めるというような方向においては、実施されていなかつた面があるのであります。然るにこの度国勢調査ということを最大の理由としまして、この法案に定められておりますところの選挙期日を一ケ月延期するというようなことが言われておるのでありますが、成る程国勢調査そのものも重要かと思うのでありますけれども、併し今までの政府のやり来たつたところから見まして、こういうような重複は、それ程これは実行面において故障を生ずべきものと考えられない。従つて政府の挙げておりますところの理由は極めて薄弱なものと言わなければならないのでありまして、こういうような立場から、法案がしよつちゆう変更されるということは望ましくない状態なのであります。これは同時に教育委員会法の権威そのものに反する。この法案そのものの権威に反するだけでなくて、実はこの法案の実施によつてできる教育委員会の権威そのものとも深い連関があるのでございます。御承知のように、今日の教育委員会がどのような一体日本の現状におきまして役割を果しておるかということは、これは日本人民諸君の知つておるところである。果してこれが敏速に日本の教育振興のために最大限の自主性と、それから責任を以て行われておるかどうかという点については、十分にこれは検討せなければならんところの現実であるのでありまして、これは法の厳正実施と非常に深い連関があるということを私は指摘せざるを得ないのでございます。このような点からしまして、これは私は根拠が薄弱であり、便宜的なものによつて法案一つの権威というものが左右されることにつきましては、根本的に先ず反対せざるを得ないのであります。  次に問題になりますのは、この法案と連関しまして、教員政治活動制限問題でございます。これは過般いろいろ巷間に噂されているのでございまして、参議院選挙が終つた後におきまして、教員政治活動はこれは非常に行過ぎじやないかとか、それからこれに対するところの政府側調査、更に文部省側の調査、こういうものによつて教員政治活動そのものが非常に圧力を加えられておるというような情勢下にあるのであります。このこととこの本法案の延期という選挙日の延期というものは、全然無関係とは考えることができないのでありまして、来るべき教育委員会選挙に当りまして、先ず一方において教員政治活動制限をなした後に、このような教育委員会選挙が行われる危險性も十分に考えられることであります。然るに現状から見まして、このような教員のこの教育委員会に対する参加というものは、現状の教育委員会の運営から見ますときに、非常に必要な面があるんじやないか。つまり教育の実態を、教育委員会実態を見ますときに、教員からこのような参加がなされておち、そうして教育界の意見が非常に反映されておることは、何と申しましても、現場における職員諸君が一番深い関心を持つておる。こういう点から、日本の教育を憂えるというこの気持が非常にこういう選挙を通じまして浸透する、こういうことが現実的には必要だというふうにはつきり考えられるのであります。ところが現状におきまして、非常に生活的に恵まれない、待遇の面においても恵まれないところの教員の生活はそのままにされておりまして、教員政治活動だけが制限されるという形で、そのいろいろな教育に対するところの愛情或いは欲求或いはいろいろなこの教育に対する希望條件というものが、本当に一つの政治の形を通じまして表現される途が大きく制約される点は、これは日本の教育の今後の発展のために私は非常に憂うべき問題と考えます。こういう意味からしましてこの法案で一方において延期し、そして事前において若しも教員政治活動制約するというような方向を取られて、教育委員会選挙が行われるという場合におきましては、形式的にはいろいろな議論もあるでありましようけれども、やはり甘木教育の現行状態から考えまして私は望ましくない状態が招来されるということを考えるのであります。こういう観念におきまして私はこの法案そのものが先程の官房長官の説明によつてはそういう意図はないんだということが繰返されて話されたようでありますけれども、併し一方におきましては現在のいろいろな動向から考えまして、我々は先程挙げました非常に根挙の薄弱なるところの法の改正を今の段階において急速になすべき必要のないものである。こういう段階からして私は反対の意を表明するものであります。
  141. 木村守江

    ○木村守江君 私は自由党を代表いたしまして政府の原案に賛成をするものであります。  賛成の理由といたしましては、御承知のごとく教育は国家再建の根幹をなす最も重要なものであると考えるのであります。これが主幹をなすところの教育委員会委員選挙こそは最も適正なる條件下において施行さるべきものであると考えまして、海区漁業調整委員会委員選挙並びに国勢調査の混乱と離れまして十一月十日を以て施行されますことは最も適当であると考える次第であります。
  142. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私は本法案に反対するものであります。理由を申上げます。特例というようなものは相当の強力な理由がなければ設けないことに限ると思う。末端ではいろいろごちやごちやと法律が次々に出て来て、全く事務処理に惑乱されておるのが実情であります。そういう角度からこの提案理由を眺めますときに任期二年で選ばれた委員に一ケ年間その権限を延長し、更に委員会法の第八條の任期が四年となつているのをこれを三年十一ケ月に縮める、そうする特例法を出してまで十月の選挙期日を農繁期の十一月まで持ち込むという理由というものは私は薄弱だと判定するものであります。  特にもう一つの理由としましては、この教育委員会法が制定されて早々のうちに、委員会法の精神というものが徹底しないうちに委員会選挙がありまして、皆様方御承知の通りにこの委員会の構成が、法の趣旨が徹底していなかつたために十分なものになつていない。そのために各府県では教育委員会の運営その他について随分と支障があるわけでありまして、府県によりましては一日も早く改選をして、本当に委員会法の趣旨の徹底した、今日最も適材を得て委員会の運営をよりよくしたいという声は澎湃としてあるわけであります。そういう国民の希望に副う意味から申しましても僅か一ケ月と雖も特例法などを設けて混乱を起し、理由が薄弱でありますよりは理行法でぴしやりとやつた方が私は適当だと考えまして、この提案に反対するものであります。
  143. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 他に御発言はございませんか……。御意見も盡きたようでありますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 堀越儀郎

    委員堀越儀郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。昭和二十五年における教育委員会委員定例選挙期日特例等に関す法律案、これを議題といたします。本法律案を可決することに賛成の方の御起立を願います。    〔起立者多数〕
  145. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 多数でございます。よつて昭和二十五年における教育委員会委員定例選挙期日特例等に関する法律案は多数を以て可決することに決定いたしました。  それから本院規則第七十二條によりまして委員長が議院に提出する報告書には多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とされた方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     木内キヤウ  工藤 鐵男     長島 銀藏  平岡 市三     川村 松助  木村 守江     梅原 眞隆  高良 とみ     鈴木文四郎  山本 勇造     谷口弥三郎
  146. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 荷本会議における委員長の口頭報告内容は本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を経なければならないことになつておりますが、これは委員長において本案の内容の説明並びに本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することといたしまして、御承認を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 御異議ないと認めます。  それではこれにて散会いたします。    午後三時十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            成瀬 幡治君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            川村 松助君            木村 守江君            工藤 鐵男君            長島 銀藏君            平岡 市三君            荒木正三郎君            高田なほ子君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            鈴木文四郎君            山本 勇造君            谷口弥三郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   委員外議員           小笠原二三男君            相馬 助治君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    全国選挙管理委    員会事務局長  吉岡 惠一君    文部政務次官  水谷  昇君    文部省大臣官房    総務課長    森田  孝君    文部省調査普及    局長      關口 隆克君