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1950-07-17 第8回国会 参議院 文部委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月十七日(月曜日)    午後二時二十九分開会   —————————————  委員氏名    委員長     山本 勇造君    理事      大隈 信幸君    理事      木内キヤウ君            星   一君            梅原 眞隆君            西田 天香君            堀越 儀郎君            岩間 正男君 七月十二日右の者本委員辞任した。 昭和二十五年七月十二日議長において 本委員を左の通り指名した。            加納 金助君            川村 松助君            工藤 鐵男君            左藤 義詮君            平岡 市三君            荒木正三郎君            高田なほ子君            永井純一郎君            成瀬 幡治君            若木 勝藏君            和田 博雄君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            鈴木文四郎君            堀越 儀郎君            山本 勇造君            木内キヤウ君            谷口弥三郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君 同日議長は左の者を委員長に指名し た。            堀越 儀郎君   —————————————   委員の異動 七月十四日委員左藤義詮辞任につ き、その補欠として木村守江君を議長 において指名した。 七月十七日委員永井純一郎辞任につ き、その補欠として波多野鼎君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件理事互選調査承認要求の件 ○教職員免許法に基く認定講習に関す  る問題の件   —————————————
  2. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 只今から第一回の文部委員会を開きます。公報の日程に従いまして理事互選を行いたいと思いますが、互選方法は如何いたしたものでございましようか。
  3. 若木勝藏

    若木勝藏君 理事互選によつて決めるようになつておりますが、この際その手続を省きまして、委員長の指名によつて決めるようにする動議を提出いたします。
  4. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 若木君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは委員長から指名いたすことにいたします。加納金助君、成瀬幡治君、若木勝藏君、木内キヤウ君この四名の方に理事をお願いいたすことにいたします。
  6. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それから次の議題となつておりまする調査承認要求の件を議題といたします。これは今会期中に教育文化施設及び文化財保護に関する一般調査を行う目的議長宛に予め承認をとつておきたい。その後具体的にはどういう方法でやるかということは又お話合いをするのでありますが、取敢えず調査要求承認だけをとつておきたいと思います。この事件名称目的を申しますと、名称教育文化施設及び文化財保護に関する一般調査調査目的は、教育文化施設及び文化財保護現状調査し、これについて今後適切なる方策を確立する。それから利益、教育文化施設の充実、及び文化財保護の達成に寄與する。方法関係官民意見を聴取し、資料を要求し、又必要に応じて各地を視察する。期間は今国会開会中。こういうふうに予め調査要求をしておきたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは委員場長より議長に要求することにいたします。   —————————————
  8. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それから本日の議題になつておりまする昭和二十五年における教育委員会委員定例選挙の期日の特例等に関する法律案でございまするが、これは都合によりあとに廻しまして、昨日の懇談会でもいろいろ御意見が出ておりまする認定講習の問題を中心として、文部省責任の方にいろいろ質疑をする、又御答妻願うということにして如何ですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それではそういうことに進めたいと思います。
  10. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 懇談会の節に、今日は特に文部大臣に出席をして貰つて、いろいろ質問をしたいというのが大体決まつたように思つておるのですが、今日は見えていないように思うのですが……。
  11. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 文部大臣は現在衆議院の本会議質問答弁しておられるそうでありますから、間もなくすれば来られると思います。  ちよつと速記を止めて下さい。    午後二時三十七分速記中止    ——————————    午後三時七分速記開始
  12. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) それでは速記を始めて。文部大臣より発言を求めておられますから、許可いたします。
  13. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私が天野でございます。これからいろいろ文教のことについて御指導を頂きたいと思います。どうか何分よろしくお願いいたします。
  14. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 政務次官が発言を求めておられますから、許可いたします。
  15. 水谷昇

    政府委員水谷昇君) 私が水谷昇でございます。いろいろ今後御指導願わなければならんと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
  16. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 事務次官も見えて、発言を求めておられますから、許可いたします。
  17. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) 今度文部次官になりました劔木でございます。どうかよろしくお願いいたします。
  18. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 大臣が見えておられますから、御意見のある方はおつしやつて頂きます。大臣の御都合で、もう一時間半程したら衆議院の本会議に出なければならんそうでありますから、それをお含みの上で御質疑を願いたいと思います。
  19. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 免許法に伴う認定講習の件について、大臣に二、三お尋ねいたしたいと思います。  四月頃から認定講習が行われておるのですが、私共の聞いておるいろいろの情報では、この認定講習実施されたために、学校の教育に非常な悪い影響を與えておるということを聞いておるわけです。というのはまあ主として土曜日曜或いはその他の日にこの講習が行われておる。而も相当多数の教員がこれに参加しなければならないというようなことから、平素の授業にも支障を来たすというような現状にあるということを聞いておるわけです。それからこの講習を受けるために教職員の経済的な負担が非常に重い。そのために教員の生活がそれでなくても苦しい現状において、耐えきれない状態にまで来ておる。まあその他いろいろの問題を聞いておるわけなんですけれども、この認定講習はこういう実情にあるということを文部大臣は果して御承知であるかどうか。この点を先ずお伺いしたいと思います。  それから第二番目に、こういうような実情になつておるのは、その根本免許法自体にあるんじやないかと私は考えておるわけなんですけれども、大臣はどういうふうにお考えになつておるか。  それから第三番目には、この免許法に対して相当考慮余地があるかどうかということについて、大臣はどう考えておられるかというような点。それからこの講習実施に当つて予算上の措置がとられていないということですね、このことについてどうお考えになつておるか。こういう問題について一応大臣に御見解を承つて、更に質問したいと思いますが、一応それだけお答え頂きたいと思います。
  20. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今おつしやいました第一の点、つまり実際にやつてみるといろいろそこに困ることが出て来るということは、私もいろいろ諸方から聞いておりますし、そういう点があるのではないかというふうに思われます。第二番目は、免許法改正は、これは十分検討をしてみて、実際にそういういろいろ困ることができて来ておるならばどうすべきか、十分これを検討してみることが必要だと思つて、現に私は文部省の者によくそれを調べてくれというふうに言つております。  それから第三番目の予算のことは、都道府県で以て講習をする方のことは予算を出してあるわけですね。ただその教員がその講習を受けに行く予算とか、そういうものが出ていないんじやないかと思いますが、そういうものも何か予算的措置を講ずるように考えたらよくはないかという考えを抱いております。
  21. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると大臣考えは、免許法は再検討する必要がある、こういうふうにとつていいわけですね。
  22. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) さようです。
  23. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 今日ですね、すでにこの講習実施されておるわけなんですから、再検討する必要があるということになれば早急にやらないと、教育界の今起しておる混乱を解決することはできないと私は思うのですが、このことについて早急にこの問題の解決のために免許法検討する、こういうお考えなんですか。
  24. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そうです。
  25. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは丁度今国会が開かれておるわけなんですが、この臨時国会検討を加えた上で改正をすべき点は改正する、こういう方針でございますか。
  26. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 若し改正すべきものをこういうように改正することがよいのだということがはつきり分れば、そういうようにしたいと思います。
  27. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 併しそういう改正すべき点があれば改正するということなんですが、現在……。
  28. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 改正すべき点があればというのはちよつと言い方が悪いかも知れませんが、こういうように改正すればよいということがはつきりすればいたします。
  29. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 このことについてもう少し、私共の考としては、今の講習についてはどうしても経済的な負担とか或いは肉体的な負担のために講習を受けることができないという実状が相当広汎に出て来ていると思います。従つてこの問題は早急に検討を加えて改正すべき点は改正して、そうして何とかうまく解決するようにしたい。私共国会議員立場からもそう考えているわけです。従つて時期的に相当早急にやらないと間に合わないのじやないかというふうに考えているわけですが、もう少し具体的に臨時国会で、こういう点について具体的に一つ考えを述べて頂きたいのですが。
  30. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私自身はやはりこの免許法というものを実際にやつてみて、いろいろ改正すべきものがあるのじやないかという考を抱いております。そうして又これが早急にそういうことをすることがよいということも考えております。併しこの国会に必ず提出してどうということは、私として言いかねるものがあると思います。
  31. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 若し今国会大臣としては必ずしもはつきり言えない、こういうことであれば、暫定措置として何かお考えになつておらないか。
  32. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そういう点をよく文部当局において検討して貰おうと思うのです。私もこの教育をよくして行こう。それから又これに無理があればできるだけ早急にやりたいという考においては皆さんと何も変りないと思つております。それをどういうふうに文部省としてやつたらよいかということも、私も不慣れですしはつきり分りませんから、はつきり今国会に出すということは言えないという考でございます。
  33. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 一応これで打切ります。
  34. 木村守江

    木村守江君 一昨日もこの問題につきまして局長のいろいろ御答弁願つたのですが、今日のお話と一昨日の答弁とは相当距りがあると考えます。一昨日の局長の話によりますと、教職員免許法については考慮すべき余地がないというようにはつきり申されました。文部大臣においては考慮する点があると思うというようなことを話されました。私達実際長い間この問題を取扱つて参りました関係上、誠に有難く感じる次第であります。ところがこの問題を改正する必要があると認めるということになつて参りますと、現在非常な無理をして講習会をやつておる所と、又どうしてもでき得ないというためにやつておらない所と或いは何とかやつておけば、国家予算等を支出してそうしてやるだろうというような三つに分れておる所があります。そういう点どうなつて参りますか。私福島県において教育委員長をやつておりまして、非常な無理をいたしまして大体七月二十二日までの認定講習会には六千万円の純県費の予算を取つております。又夏休み中の講習に対しましては一千二百万円の予算を取つておりますが、これは本当に血の出るようなむずかしい面倒な予算でありましたが、これを取つて今非常な無理をして、受講者においても又講師においても非常な無理をしてやつております。こういうふうなところを、どうなつて参りますか。又文部大臣の話によりますと、この経費については、文部省においても支出してある、ただ出していないのは受講者経費じやないかというようなお話でありましたが、これについて局長は昨日、或いは四千円の旅費の中に一千円を考慮したとか、或いは平衡交付金の中にこれを織り込んであるというようなお話でありましたが、私は旅費の問題は一昨日論議いたしましたが、平衡交付金の中にどういう恰好で認定講習に要する費用を織り込んでありますか、この点お聞かせ願いたいと考えるのであります。理屈はいろいろありまするが、実際問題としまして、毎土曜日、日曜、殊に昭和二十八年までにこの認定講習を終らなければ、いわゆる四十八單位をとらなければ上級免許証を貰えないということになつております関係上、福島県におきましては、教職員の総数が一万六千名でありますが、その内の認定講習を受けなくともよろしい人は、いわゆる一級免許証を持つている人は四十名しかありません。いわゆる一万五千九百六十人というのは全部認定講習を得ていないために、これを三ケ年計画にしてやりますと、一年に四千五百名を少くともやらなければいけない勘定です。一年に四千五百名、いわゆる三分の一の先生を土曜日と日曜に講習をさせる。それから夏休み、或いは農村の休暇を全部やらして果して義務教育の上に支障がないかということを考えましたならば、私は大きな支障を来たすと考えるのであります。かような観点から考えまして、この講習会並びに、根本を遡りますれば、この免許法に対しましては、もう一遍考え直さなければ実際の教育支障を来たす、国家教育上に大きな支障を来たすのではなかろうかというような考えがするのであります。どうかこの点篤と御調査、御研究をなされまして、最もよき教育を施されまするようお考えの上御実施の程をお願いいたしたいと考えております。
  35. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 只今お話は如何にも御尤もなように承ります。で、できるだけそれに善処したいと思います。ただ先程申しました予算のことは私がちよつと思い違いかもしれませんから、局長からよくその点は御答弁いたさせます。
  36. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 只今お話旅費の問題でありまするが、旅費といたしましては、本年度予算において、義務教育国庫補助法に基きまする補助金の金額の計算において義務教育課程における教員一人当りについて三千円であるのを四千円に増額いたしておりまするから、それだけ分が、一般平衡交付金の中へ入つて地方財源として賦與せられる勘定になつている、こういうふうに先日お答え申上げたわけであります。
  37. 木村守江

    木村守江君 それから文部大臣にお尋ねするのですが、今やつている所とやつていない所ですね。それから現在やろうとしない所、やろうとしない所と言つては語弊があるでしようが、まあそういう所があると思うのですが、これを改訂するということになりますと、どういうことになつて参りますか、これは非常にむずかしい問題だと思うのです。
  38. 若木勝藏

    若木勝藏君 文部大臣並びに政府委員質問いたします。この問題については一昨日でしたか、懇談会でも相当文部当局との話合いもあつたのでありまするが、私は簡單に申上げたいと思います。今起つている認定講習のいろいろな大きな問題の根柢をなすものは、何と言いましても法の不備にあると私は考える。この点につきまして我々は前の国会におきまして十分審議したのでありましたけれども、少数のために、これは修正も通らないで今の法が通つてしまつたことを非常に遺憾に思つておるのであります。法の不備な点はいくらもあるのでありますけれども、今その詳細について述べることは余り細々しくなりますので省きますが、非常に不備な点がある。ただ要点といたしましては、非常にとらなければならないところの單位が、とらなければならない年限に対して非常に多過ぎるということが第一であろうと思います。それから九月一日以前に校長になつた者と、その以後に校長になつた者との間において差異が余りに甚しい。九月一日以降になつたところの校長というものは一日違いで以て非常に不利な立場に置かれる。そういう点も不備な点として考えられるだろうと思う。そういうことが禍いたしまして、先生方といたしましては、一日も早く講習を受けて資格をとりたいというところに非常な、経済的にも身体的にも無理がかかつて来ておる。こういう現状でないかと思うのであります。次はこの法が施行されるについての予算的な裏附けが非常に少い。この前もお話した通りでありますが、そういうふうにこの法は予算裏附けなくして施行されるような工合になつておる。これを我々は前の国会におきまして幾度か教育に関するところの、或いは文化財保護法でも同じでありますが、そういう教育文化に関するところの法律について審議をした場合には法律で以て整然と出て来ますけれども、その間において、全くこれは予算裏附がない。そういう法律ばかりが出て来る。その果てが地方財政を非常に圧迫したり、今度の免許法なんというようなものは非常にこれれば、就中地方財政を私は圧迫するものであろうと思うのであります。そういう状態になつている。個人の負担を重くしたり、或いはP・T・Aに過重をかけたりするというような恰好になつて来る。そういう非常な欠陷をもこの法律は十分に含んでいる。それから教育空白ができる。教育につきましては、我々は六三制の完全実施ということについて、その理想に向つてつて来たのでありますけれども、先ず中学校の建築費において非常に予算が少いために、ここ三年間、或いは四年間というものは教育空白作つてつた。これは私は詳しく申上げるまでもなく大臣もよく御存じであろうと思うのであります。それが更にこの認定講習によつて更に空白を重ねておる。それが今後三年乃至六年空白を続けて行つたということを考えて見たならば、日本の教育上これは由々しき問題であると私は考える。そういうことが文部省といたしましては、この法律施行に関してどういう手続を以て今講習をやらしているか。この前のお話では局長はこれは教育委員会でやるのであるが、こういうようなお話がありましたが、その教育委員会で以てやる実際の手続は、書類か何かによつて指示しておるのであるか。その手統についてちよつとお伺いしたいと思うのであります。  それから第二の点は、最早や全国先生方は、或いは先程申上げました経費の点において、又身体的に耐え切れない、これを拠棄しなければならないというふうな本当の実情がそこまで来ておるようであります。これは私は全く緊急な事態だと思うのでありますが、それに対して文部省はどういう調査をなされておるか。これを一つ伺いたいのであります。大臣でもいいし、又政府委員の方でもいいと思うのであります。そうしてどこに一体この講習欠陷があるか、こういうことをどういうふうに突き止めているか、こんなところを率直に聴きたいのであります。  最後に今やこの問題はもう緊急な状態に来ている。緊急措置として如何なる方法を採つて、この混乱しているところの状況を、文部省はこれに対して処理するところの考えがあるか。新聞紙上あたりで見ますと、全国におきましてはこの認定講習に対して先生方が拒否したり、不参加を申合せているというようなことがどんどん出ているのでありますが、そういう点から考えまして、文部省はどういう緊急措置を採られるつもりでありますか。こういうような点につきまして先ず伺いたいと思います。
  39. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) この点については政府委員からお答えいたさせます。
  40. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) 認定講習実施について、省令等において詳細な定めがあるかという御質問の点につきまして、第一にお答え申上げます。  これに関しましては、免許法施行法施行規則という省令がございます。この省令は、文部大臣に対しまして主催者でありまする都道府県教育委員会が、都道府県教育委員会自体において教員であるとか、或いは都道府県教育委員会の職員、又は大学関係者と共に地方々々で協議会作つて諸宗講習計画を作り、その計画文部大臣に提出いたしまする書類手続その他についてのみ規定している規則でございます。従いまして文部大臣といたしましては、地方の自治的に定めましたこの大体の計画につきまして、日数であるとか、その他主要な基本的事項を審査いたしまして、大体都道府県計画通り認可して参つて来ているわけであります。大体規則関係につきましてはそのようになつております。  それからそれについて実施上いろいろ混乱があるが、それに対して如何なる方法を以て緊急処理するつもりであるか、こういう点であります。大体この免許法それ自身の精神から申しまして、免許状の授與であるとか、それに関連いたしまする教員の再教育というようなものを、すべて中央の権限でありましたものを移して、地方自体権限に渡したのが免許法一つの特色であると存ずるのであります。従いまして先程申上げましたように、地方実施されます場合においては、大学の助言と協力を得ながら、先程申しましたように自治的な企画の協議会作つてこれを実施して行くわけであります。こういうことになつておりますから、若しその実施運営上改善する必要があるといたしますれば、地方教育委員会においてこうした自治的な協議会等と御相談になつて運営の是正がありますことを、私共としては期待いたしているわけであります。若しその場合に従来文部大臣に提出して認可を受けました実施計画、これを改正するという意向でありますれば、文部省としてもの実施計画改正に対しまして協力を惜まないつもりであるわけであります。  更にもつと根本の問題になつて参りますれば、先程からお話免許法、或いは免許法施行法それ自体改正でございまするが、これにつきましては先程大臣からもお答えがありましたように、目下文部省といたしましては研究すべき事項につきまして研究いたしておるような次第でございます。
  41. 若木勝藏

    若木勝藏君 今のに関連いたしまして、今の局長答弁を聽いてみますというと、如何にも地方教育委員会に全責任があるように窺えるのでありますが、(「その通り」と呼ぶ者あり)向うの方面から来たものに対して文部省が認可したということになると、責任根本的な所在は私は文部省にあるように考えられるのであります。その点から伺いたいのでありまするが、第一は、先程お話したように、今非常に緊急な事態に来ておる。そこで不幸にして全国先生方がこれを拒否して、この講習を受けない、こういう結末になつた場合において、文部省はどういうふうなお考えを持たれるか、これを大臣一つ伺いたいと思います。  それから今非常に一人々々の先生方経費が不足して困つておるということは、一つ地方財政の力にもあるであろうと思いますけれども、余りにも二千数百万円という文部省のこの補助が少いためにそういう結果になつておると私は考える。これに対して文部省としてはどういうふうに責任をお取りになるか。この二点について伺いたいと思います。
  42. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 始めの点でございますが、そういう事態に立至つたらどうするかというお話でございなすが、私はどうかしてそういう事態に立至らんようにすることをこの間から文部省相談をいたしております。  それから第二番目の予算のことについては、私もそのことは十分そういう知識がございませんが、できるだけこの予算を何とか多くするというようにこれから考えて行かなきやいけないのじやないかというふうに思います。ただ詳しいことは局長から……。
  43. 稻田清助

    政府委員稻田清助君) まあ只今大臣の御答弁において盡きておるわけでございますが、元々免許法の條章を考えまするに、すべてが受けなければならんという義務の問題ではなく、従つて地方教育委員会において、地方のいろいろな実情考えて、成るべく多数円滑に受けさせるという計画の下に案を立てておられることだと思つております。従いましてこれを受けさせなけりやならんという義務の問題は法律的には存在いたしてないと思います。
  44. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 質問の結論を申上げます。  この免許法の問題について、これを修習して、そうして全国教職員が気持よく最も有効的に講習が行われるような善後措置を講ずるために、文部大臣として現在講習計画し、或いは継続中のものを全国的に一度ストツプして、そうして法の再検討と、予算の裏付けあたりについて十分検討した上で、改めて発足する意思がないかということが質問の結論であります。  理由を簡單に申上げます。先程から稻田局長さんが、これは地方自治体の問題である、だから自治体でやりたくまければやらんでもいいのだ。それから更に、教育委員会はこれは義務的でないから、受けたくない者は受けなくていいのだ、受けたい者だけが受ければいいのだ、こういう血も涙もないような発言というものは、私は極めて無責任なものだと思うわけです。(「その通り」と呼ぶ者あり)末端における教師が、或いは地方教育委員会が中央からの指示をどういう気持で受けているかということを私はお考え願いたいのであります。我々は法律を作るわけですが、法の不備とか、或いは実情に副わないところの法律を作ることによつて、不当な犠牲を国民に強いてはならない。国民を苦しめてはならないと思う。免許法実施というものが本当に日本の教育にプラスになり、教育職員の資質向上に有効ならば、万難を排して受けましよう。併しながら先程から皆さんの御意見通りに、法の不備と、現実から遊離した法律というものがどんな摩擦を起し、又不能率を起しておるかという点について十分再検討しなければならないと思うのであります。自由党の木村さんが先般の懇談会以来、本日もあれ程活溌な御意見を吐かれておるのは、末端においてこれを教育委員として取扱われて知られておるからであります。ここにおられるところの各委員の方々が、こういう免許法を研究されるなんかということは勿論必要ありませんし、又免許法を呑み込むためには一週間を要すると思います。私等相当に研究したつもりでありますが、未だに分りません。果してこれを可決したところの国会議員諸公、それから文部委員の方々、それからもう少し突込んで文部省の係りの方も或いは地方教育委員会の担当者も、あの免許法、或いは施行法というものがあれ程苛酷なものであるということは、法律が成立した時には及び思い至らなかつたのではないかと思うのです。実際やりかけてみたところが、これ程ひどいものかというふうに皆がびつくりしているのがこの法の実体ではないかと思います。こういう免許法のことで長く時間を取りますと、御存じない方はさつぱりお分りにならぬと思うのですが、これを詳細に説明を聞いたならば、現在の日本の教育界における実情に副わないものである、早急に何んとかしなければならないものであるということは何人も異口同音に出て来ると思うのであります。更に又稲田局長さんは大学当局の協力ということを申されておりましたが、地方大学当局は協力ができないと言つております。経済面一つとりましても、新制大学の教授というものは非常に現在、資質向上にみずから勉強しなければならない立場に追い込まれておりますのに、僅か一時間百円程度の講習会に一年中、土曜、日曜、夏休み、冬休み、春休みに引つぱり出されては大学教授として勤まらないと言つて悲鳴を挙げておるのであります。九州の各県の教育委員長会議では、百円では気の毒だから一時間百五十円までしようという協定をした程度であります。かくの如き状況で果して立派な講師を手に入れて、そして講習をする。講習をする側も受ける教員も本当に気持よくこの認定講習というものが行われるかということを考えるときはつきりして来ると思います。現在では子供が犠牲になつております。講師も犠牲になつております。教員の経済的負担というものは申すまでもありません。のみならず、地方公共団体もこの免許法予算については随分苦慮をいたしております。これは皆様方が地方の知事会議あたりでお聞きになればはつきりすることであります。十分これは検討しなければならない段階に、しかも火急の問題になつておるのであります。従いまして、この問題を最も妥当に解決するためには、現在まさに困難が起ろうとしておるところのこの認定講習に対して、文部大臣は法の再検討と、それからこの運営の面について更に再検討するか、暫くこの認定講習を中止せよというような通牒を出す意思がないかどうか、私はあつて欲しいと思うのでありますが、それを端的にお尋ねする次第であります。
  45. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 只今つておりますこの講習についていろいろ起つておる困難ということは、私は今矢嶋さんのおつしやいました通りだろうと思います。私も直接知つておる者から度々そういうことを聞いておつて、何んとかしなければならないということを痛切に感じていることはたびたび繰返して申した通りであります。それなら一体これをどうしたらいいか、差し迫つておることをどうしたらいいかと言いますと、私はこれを法律でちやんと決まつておるものを文部省がそれをやめるとかそういうことはできんのではないか、法律上のことはよく明かに存じませんが、できないのではないか、何か少しここに教員諸君と皆同様にこの日本の教育のために考えておるのですから話合いをして、穏かにこれを解決して行く方法はないものであろうか。
  46. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止
  47. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記を始めて下さい。
  48. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そういうわけでありますから、できるだけこのことを円満に解決するように私共も熱心に又、早急にやるように努めると言うより以外に私は申し上げることのないことを遺憾とするものです。
  49. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 先程木村委員がこの認定講習を真面目にやつておるところの県の教育委員会と、やつていないところの県の教育委員会は、これらについて云々という質問があつたわけでありますが、これこそこの認定講習は無理だからやれないでおる県の教育委員会があるわけであります。従いまして、各県の教育委員会が足並を揃つてやれるようにしてやらなければならないと思うのです。それには法律でできておるから法律的に云々という法的な立場考えられるかも知れませんが、具体的にやろうと思えば、例えば文部大臣教育委員長会議を招集して、実情はどうか、と聽いて、これは法の検討の必要がある、更に予算関係についても再検討の必要があるというような一つの意思表示をすれば、教育委員会というものは、地方教育委員会というものは適当な処置が取れると思うのです。上の方で無理な法律省令を出しておいて睨みつけるようにしておるから、下の方は怯えておつて、無理に何とかしてやろうというところに困難が起きておるのでありますから、何か冷たいことを言わなくても、血を通わして考えたら打開策があると思うのでありますが、重ねて大臣に率直にお尋ねいたします。
  50. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私も自分は教育のことを冷たく考えようとか、教職員諸君に対して冷たく考えるという考は毛頭ございません。自分もすべての点について血を通わし、日本文教のために常に日本の、殊に義務教育のために盡そうという考は十分に持つております。ですから只今おつしやつたことも確かに一理あることでございましようから、私もよく考慮する考でございます。
  51. 梅原眞隆

    梅原眞隆君 私が申上げることは重複するかも知れませんが、この免許法なり施行法を通したということは、我我にいわば責任がある。それでその当時から成立する過程を知つておる人は御覧の通り、殆んど今日起つて来るような困難が立法する時代にもすでに想像され、而も当時の客観的情勢上我々が相当な修正をしようとした点も実現が不可能であるというのが実情であつた。そこで今我々が憂慮しておつた欠点の一つが、三級職講習という認定講習の上で現れて来ておるのが現状なんです。先程から大臣なり、文部省の方方の御意向を見ましても、まあ大体その点については我々も同感であるように私は理解しておる。それでそれは甚だ困難であるが、何とかしてやりたいが、思うように行くかどうかというところに我々問題があるのだと思つておる。それで私は率直に一つお尋ねするのは、徒に議論しておつても仕方がないから、何かこれを今の事態に向つて急に処するだけの用意がなくちやならん。その用意をなすに当りまして私は、一つ文部大臣責任ある見通しを聴きたい。つまりこれを、三ケ年という年限をこれを六ヶ年に延ばすだけの見込が立つかどうか。それから講習方法に通信教育という方法を代用するだけの見込が立つかどうか。それから経済的措置の上においても何程か文部省に今の現状の上でもうちよつと何かこれを裕りをつけるだけの見込が立ち得るかどうか。これを一つ率直にお聞かせを願つて、その実情の現実の実体を掴んだ上で、我々は精々今起つておる問題に向つて困難を少くしたいというのが私の考であります。だからして今徒に私は当局の何をかれこれ質疑するという考は持たない。ただ率直に実体を示しさえすれば、あなた方のお考を示して貰つたら、我々は検討し、これを考えるのに極めて具体的であるというので、一つこの点を率直にお聞かせを願いたい。
  52. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 今おつしやりましたことはこの教育刷新審議会の採択されたこととほぼ同一のことを考えております。少し年数が違つております。私は確かに一つ考え方ではないかと思つております。ただ通信教授のことはすでに九月からはでき上るそうでございますから、問題は二つの点でございます。予算のこともこれも何とか努力したいと自分は思います。その第一の点なんですが、そこに難点がありますが、併しこれは私は考慮する最も一つの重要な点である、自分はこの間から思つておるような次第で、そういう点において何か解決の途を見出せないかというのが私の考でございます。
  53. 岩間正男

    岩間正男君 いろいろ先程から伺つたのでありますが、これはこの第七国会から先程梅原委員からお話もありましたように、我々も今日の事態が起ることを予見して、あらゆる場合にこの問題について討議して来たわけなんであります。何と言つてもこの講習をやつて行く上において問題になるのは、これが教員負担であるということ、この経費の殆んど大部分、それで国家財政としては、会場とかそれから講師の費用はとつておるけれども、大部分の位置を占めるところの経費が殆んど教員負担である。これは六千三百円べースの現在の低賃金の教員にとつて負担し切れるかどうか、ここにいろいろデータがございますけれども、莫大なものになると思う。このことは多く申上げませんが、今までも言われました。更に第二の問題は、これによつて起るところの、つまり教育の組織上運営上の欠陷が非常に大きく起る、これを夏休み、それから休みなんかを使いまして全部やつても、少くとも七分の一の教員がいつでも欠席しなければならないということが起りますというと、日本の義務教育においては七分の一が向う三ケ年間いつでもこれは欠になるということであります。こういうものに対する何らの措置なくしてこれを発足した、従つてそこに何が起るかということは、これは言うまでもなく現在問題になつておりまするところの学力低下、それに更に不良化の問題、これは拍車をかけられている。こういう事態は現に刻々起つているのですから、今日教員がこの講習を非常に大きな現在の問題としている中には、自分の負担が学力的にもそれから経済的にもやり切れないということの他に、もう一つ教育的な運営をどうするか、自分の受持の小供達を本当に現在の困難な状態の中でどのように護つて行くかという教育良心からもこの声が起つているということを文相にはつきり掴んで頂きたいと思います。  その次に私は問題にしたいのは講習内容の問題です。これだけの犠牲を拂つても、日本の教育が将来に向つて大いに利益されるだけの講習内容であるならばまだ考え直す余地もあるけれども、一時的な犠牲を拂つても、それが大きな意味を持つならこれは考え直してもいい。併し文相も是非現地に赴いて御覧になつて頂きたいと思うのでありますが、今日一体どのような講習が行われているか、先程から講習が問題にされておりますが、大学の、現在これは文相が非常に問題にされておりますところの四年制の問題、これはとても欠格條件が多いから、これは二年で短期にしようかというようなお考も文相は持つておられるのでありますが、これと連関しまして、現在どのような一体教授によつて埋ずめられているか、これらの教授が果して講習に任ずるだけの学力を持つているかどうか従つていろいろな運営で、我々がしばしば耳にし、その実態を聞くのでありますけれども、殆んどこれは利益するところのものがない。單にこれは法によつて縛られて何時間かをこれで守らなくちやならない。時間を削ればいいということでありますから、よくこの頃講習会のやつている居眠り講習で、今日のように暑いときには、とにかく出席をとる。そうして眠つている。こういう形が起つており、これは丁度曾て教職にありました頃の天降り的のこの点だけを講習が真似ている。上から押付けるのでありまして、本当に教員の欲しい、現在必要なところの知識技能というものを自分から進んでこれを贏ち取るということでなくして、押付けられるという形になつて来ておる、こういうような点が最も大きくこの講習会の中にある問題だと思います。そこで先程から差し迫つた問題としてこれを論ぜられておるのでありますが、文相は、いろいろな点で今までもこういうような教員の困つておる教育の運営がつかないという問題について認識されておるというお話でありますけれども、併し何と言つてもまだ就任されてから日が浅くて、本当に認識の程度が残念ながら浅くいられるのではないか、こういうふうに思われる。一体教員が今日実際講習を拒否しなければならないというところに行つたのは、これは自分達のそういうような私意から出たのではなくして、本当にこれを今後三年乃至二年持続したら日本の教育はどうなるかという切実な一つの現実的な有様から起つて来ている。この点をはつきりお掴みにならなければ、先程から文相は、何とかこれを緊急調査して、そうしてこれを始末したいというお話なんでありますけれども、これは今日国会において差し迫つた問題として、急速にこの措置を講じなければならないと思うのです。これについてはやはり法の改正の問題も出ているのでありますが、法の改正なんということについては、必要があればこれは簡單にいつでも文部省側から一部改正を提出してやつておるのでありますから、こういうようなことが急速に進まなければ、私はあと二週間のこの国会で間に合わないのではないかと、こういうように私は思うのです。それから又経費の問題でありますが、先程稻田局長答弁を聞きますというと、四千円の旅費を取つておる、一般旅費として四千円取つておるということを言われておるのでありますが、この四千円をこれは講習の方に使うというお話なんですが、我々はこの日教組の代表の諸君が大臣並びに次官と会見した。その会見の顛末を知らした情報によりますと、これは使わないということを確認する。そうして今度の国会には間に合わないと思うけれども、何とか一般の旅費とは別にこの講習経費を計上する、こういうことをはつきり確認しておつて劔木次官もおられるようでありますが、こういうことが私達の手に入つているのでありますが、こういう措置は一体どうされるのであるか。私は先程の矢嶋君なんかの質問と関連して申上げたいのでありますが、今差し迫つた問題としては、ここで法の改正をどうしてもやらなければならない。そうして一時この混乱した事態をどうしても整理しなければならない。そのためには法の改正並びに急速に緊急調査をしなければならない。若しどうしてもこれを持続するのでありましたならば、先程私が申上げましたところの三つの條件を少くとも充たさなければ、これは日本の教育の大きな私は混乱に陷る、破壊になる。これは明かでありまして、こういう点から申上げているのでありますが、文相の教育に対する熱情を披瀝されたことは私共も聞いたのでありますが、本当に日本の教育を思われるならば、この現状はつきり立脚して、どのようなこれに対する、いろいろな実情を知らないところからの要請があつたのに対しましても、こういうものは我々の現状を愬えることによつて、私は打開できるのだと思う。問題は日本の教育がどうなるかということが一番大きな問題でありますから、この点について文相はどういう見解を持つておられるか改めてお伺いしたいと思います。
  54. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私の意見は今まで述べたところに盡きていると自分は思つております。只今おつしやりました実情というのは、私も確にそういうふうであろうかと思いますから、できるだけ速急に何とか方法を講じたいと言うより以上には、私が必ずこうするということを、私はどうもここではつきり言うことができません。
  55. 岩間正男

    岩間正男君 ただ問題が差し迫つている問題でありますから、一つの大体の見通しがなければ……。具体的な問題として提出されているのでありますから、問題が差し迫つているから、これに対する対策はどうするか。併しできるだけそういう事態が起らないように努力したいと先程文相は申されました。併しそういう事態が起らないようにするためには、適切なる手が打たれなければ、それは一つの希望的な観測に終ると思いますから、その具体的な措置をどうされるかという点についてお伺いしておきたい。なんせ全国教員諸君がこの二十日を期して、こういうような破壊的な講習に対してはこれを拒否するというようなことが一応決定されておると聞いておるのです。これに対してどのような手を打たれるのか、具体的にお聞きしたい。
  56. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) その具体的なことは、先程梅原委員からおつしやりましたようなところにその途があるのじやないか。先程梅原委員にお答えいたしましたから、私の具体的な答えというのは、そういうところにあると考えております。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 それから文相がこれに即刻取掛かられるということを前提として、我々はそういうように了解してもよろしゆうございますか。
  58. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 取掛かつております。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 それを促進される……。
  60. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そうです。
  61. 岩間正男

    岩間正男君 そういうことについて、できるだけ早く我々に対して何か貰えますか。
  62. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そういう努力をしつつありますからして、できるだけ……。
  63. 岩間正男

    岩間正男君 さつきの旅費の問題ですが、序にこれはこういう事実があつたのかどうか、劔木次官にお伺いしたい。
  64. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) 先般日教組の方とお話をしましたときに、平衡交付金の中に旅費を組んでありますが、結局いろいろお話合をいたしました結果、あの旅費は大体一般の旅費並びに赴任旅費とか、そういつたようなものだけを計上しておるのでございます。若しそういつたような旅費が、勿論予算上の残額はできればこれは又他の講習等に使つても悪いということはないと思います。併し計算といたしましては大体そういうふうにできておるというふうに考えております。
  65. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと、やはり国庫の負担ということがどうしても必要だということは、これはお認めにたつていらつしやるのでありますか。これは文相にもお尋ねしたいと思います。
  66. 剱木亨弘

    説明員剱木亨弘君) 大体一般旅費を計上いたしましたのは、例えば教員の研修でございましても、学校から公務出張を命じたときにのみ旅費が支出されるのであります。自由な意思に基いて研修を受けます場合にはこれは旅費から計上できない。従つて今度の認定講習につきましても、旅費講習を受けますには現在のところでは各個人が自発的に講習を受けるという形を取つております場合においては、その個人が講習を受けるために泊ります旅費についてはできるだけ、先ず第一におきましては、地方教育委員会において旅費補助する、若し国家的にこれができますればその旅費補助につきまして国家が相当の考慮をする、こういう筋であろうと考えております。
  67. 岩間正男

    岩間正男君 どうも私の質問に対して明確な御答弁を頂けないのですが、どうしても私はこの前も、先程も大臣に伺つたのでありますが、一体義務教育なのです。義務教育教員国家の必要に応じて資格を向上させる、内容を豊かにしたい、こういう意図から発したものである、従つてこれを現在のように全部個人の負担でこれをやらせるということは非常に問題である。で文相としては国家予算並びに地方予算におきまして、こういうものはできるだけ出したいとお考えになつていらつしやるかどうか、この点を文相の御意見をお伺いしたい。
  68. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) できることならできるだけ早く出したいと思います。
  69. 木村守江

    木村守江君 大体話が盡きたようですから、今日はこの辺で散会をお願いしたいと思います。
  70. 若木勝藏

    若木勝藏君 先程来緊急措置について私は質問したのに対して、更にそれが一歩一歩矢嶋君或いは梅原君或いは岩間君の質問によつて、だんだんはつきりして来たようでありますが、まだ私は的確なところを文相の答弁を掴み得ないで、いわゆる靴の上から痒いところを掻いておるような気持でおるのであります。それで、大体この問題について何とかしたいというところの気持だけは私は分りました。そこでこれからどういう方針で行くかについては、今すでにその方法を採りつつあるということを聞きました。そこで私はもう一歩把握したいために、今この問題解決のためには日教組からの交渉も余程以前に行つてつたように覚えておるのでありまして、それ以来今日まで、大臣はどういうところの措置を採られて来たか、その経過について私はお伺いしたいのであります。
  71. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) ちよつと速記を止めて下さい。
  72. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記を止めて。    〔速記中止
  73. 堀越儀郎

    委員長堀越儀郎君) 速記を始めて。他に御発言がなければ、本日はこれで以て閉会いたしますが、できれば次会は十九日の午後一時に開会いたしたいつもりでありまするが、その前に実地調査の問題は関係府県の実情を今調査しておりますので、それが分り次第にお諮りいたすことにいたします。ではこれで本日は散会いたします。    午後四時九分散会  出席者は左の通り。    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            成瀬 幡治君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            工藤 鐵男君            木村 守江君            荒木正三郎君            高田なほ子君            波多野 鼎君            和田 博雄君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            鈴木文四郎君            山本 勇造君            谷口弥三郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    文部政務次官  水谷  昇君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君    文部省大臣官房    総務課長    森田  孝君   説明員    文部事務次官  剱木 亨弘君