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1950-07-28 第8回国会 参議院 農林委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十八日(金曜日)    午後三時五十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○請願及び陳情の取扱に関する件 ○自作農創設特別措置法等の一部を改  正する法律案内閣提出)   —————————————
  2. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) これより農林委員会を開会いたします。  質疑を続けます前に、本委員会に付託されております請願陳情についての取扱い方について御協議を願います。お手許にお配りしてあります請願陳情一覧を御覧願います。非常に沢山の件数が出ておりまして、本来ならこれを小委員会でも設けて一々検討をいたしまして、これを採択するかどうかを決定しなければならんかと思うのでありますが、この国会におきましては農林委員会としては、そういう時間を持ちませんので、これは一つ委員会事務当局の方で御検討願つて、そうしてその結果を聴いて、こちらで採択するかどうかを決めるというふうにいたしたら如何かと思うのでございますが、それでよろしうございますか。    〔「賛成、異議なしと呼ぶ者あり〕
  3. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それではさようにいたします。
  4. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは自作農創設特別措置法改正案質疑に移りますが、それに先立ちまして江田委員から要求されました資料が参つております。この資料につきまして当局側の御説明をお願いすることにいたします。
  5. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 緊急のことをお尋ねしたいのですが、委員長が先程口頭でちよつと申出たが、北陸五県の地方の病虫害に対する施策及びこれに対し收穫の減退に対するところの至急防除方法について、何かあつたら又委員長において適当な時期に一つお諮り下さるようにお願いいたします。
  6. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) その問題につきましては、後程これを討議して、それに対する対策について協議したい、こう思つております。
  7. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 了承いたしました。
  8. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは一つ農地局長から。
  9. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) 御要求は耕作放棄の問題、それから闇小作料及び農地闇価格であつたのでありますが、農地闇小作料及び闇価格につきましては、政府としては実は調査をいたしたものがないのでありまして、ここには近藤教授調査を掲げてございます。近藤教授調査農地闇価格についてはございませんのでありますが、所有権移動等についての調査がございまするので、御参考までに掲げてございます。耕作放棄につきましては二十四年度の調査がございます。二十五年度分はまだ調査ができておりません。これはもう特に御説明申上げるまでもなく、御覧下されば分るのでありますが、耕作放棄の中で、農地が荒廃に帰しておるものは都府県で千四百九町歩北海道で四百九十七町歩、次に耕作を放棄しましたが、他の者が継承しておるというものが、ここにございまするように内地で約四千町歩北海道で二千六百町歩でございます。これはまあ本当の意味の耕作放棄と言えるかどうか疑問と思いまするが、御参考までに掲げて置きます。あと近藤教授調査から拔き出しておるのでありますが、これは一つ御覧を頂ければ分ると思いますが、数字だけでございますので、お分りになると思いまして特に御説明をする必要もないと思いますが、御魔を頂きたいと思います。
  10. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) ちよつと速記を止めて下さい。    午後三時五十六分速記中止    ——————————    午後四時十二分速記開始
  11. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) では速記を始めて。  それでは質疑を始めて頂きます。
  12. 三輪貞治

    三輪貞治君 法務府の新谷さんにお伺いを申上げます。  地方税法改正と同時に、土地台帳法等の一部を改正して賃貸価格制度が整理廃止されることになつておるのでありまするが、従来この農地統制価格賃貸価格基礎として定めてあつたのでありまして今回政府提案のこの「自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案」によりますと、農地統制価格は、従来の方法を改めまして、主務大臣中央農地委員会会議に諮問して定める基準に従いまして、市町村農地委員会が知事の認可を受けて定めることになつておるのであります。  尚改正規定によりますると、統制価格決定があるまでは、従前の統制価格を適用することに規定されておるのでありまして、この法案成立されれば、賃貸価格制度が廃止されても、農地統制価格存続することになつておるのであります。然るに今回政府提案の「自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案」は、昨日の農林大臣、或いは政務次官等に我々の行いました質疑においても分ります通りに、農地制度の根本に触れるところの極めて重要な法律案でありまして、しかく簡單に審議が進められる性質のものではないのであります。でありまするからして、必ずしも本国会において成立せしめめなければならないという必然性我我は今までの御説明で認めることができない問題でありますし、又実際の性質上そのようなものでないと思いまするので、この統制価格の問題は非常に微妙な問題として、ここに残つて来ることになると思うのであります。  そこで次の諸点について質問したいのでありますが、先ず第一に今回提案せられました「自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案」が万一今国会におきまして成立しないということになつた場合に、農地価格統制価格がなくなると思うのでありますが、この点は法務府においてはどういうふうに解釈されておりましようか。第二点は政府農地につきまして統制価格存続を望んでおられるかどうか。又それがかよう立法措置におきまして外れましても差支ないとお考えになつておるかどうかという点であります。第三点といたしましては若しこの法案不成立なつた場合は、農地統制価格がなくなり、政府の意思に反することになるのでありますが、その際に対応するところの臨時の応急の準備ができつておるかどうか。若しできておりまするならば、その準備法案如何なるものであるか。この三点について御質問を申上げます。
  13. 新谷正夫

    説明員新谷正夫君) それでは私からお答えいたします。  この問題につきまましては、当委員会の方から法務委員会の方にも御連絡があつたように承つております。御承知の通り土地台帳法等の一部を改正する法律案」は先般衆議院の本会議通過いたしまして、参議院の方では法務委員会でやはり可決されました。併しながらこの法律案は、地方税法相互規定を引合つております関係上、地方税法案成立の見通しが付きました際に、或いは本会議に上程されるというような運びになるのではないかと考えておるわけであります。  そこで只今お尋ねの点でありますが、その点は法務委員会におきましても一応問題になつたのであります。併しながら法務委員会におきましては政府原案通り可決されておる次第でございます。その経緯と申しますか、原案通り可決されました事情についていろいろ考えられるのでありますが、我々といたしまして了解いたしております限りにおきましては、第一に「自作農創設性別措置法等の一部をと改正する法律案」、同時に「土地台帳法法等の一部を改正する法律案政府提案として国会提案になつております。いずれも政府としてはこの成立を期待して提案になつておるわけでありますので、「土地台帳法等の一部を改正する法律案の方いたしましては、勿論この「自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案成立するということを考えで、その措置を講じておるわけであります。そこでこの両案が国会提案されました以上、今お話通り農地調整法の第六條の二の規定改正によりまして、賃貸価格が廃止された後の措置が講ぜられておりますので、「土地台帳法等の一部を改正する法律案」におきましては、別途それに対応する措置は講じなくてもいいというふうに考えられるわけであります。それと、更に現在の土地台帳法によります賃貸価格基礎といたしまして、農地統制価格が仮に決定……農地統制価格が定められるというふうにいたしましても、今後も尚土地の分割とか、合併、或いは新らしく未墾地を開墾いたしまして農地にする場合等も生ずるわけであります。そういたしますると、そういつた土地につきましては、従来の賃貸価格をそのままに持つて参つりましてその農地賃貸価格にするということも或いは妥当ではないのではないかというふうな問題もあるわけであります。そういたしますと、この統制価格を公正に定めて行くという面から参れば、更に農業政策の面から、或いはもつと慎重な検討が必要じやないだろうかということが考えられるわけであります。そういたしますと單に、「土地台帳法等の一部を改正する法律案」でその整理をするというだけの單純な問題ではなくなるわけでありまして、或いは農林委員会の方でその点お考え頂くのが妥当ではないかというふうなことにあるのではないかとも考えるのであります。  それと、もう一点、先程もちよつと申上げましたが、「土地台帳決等の一部を改正する法律案」は、地方税法相互規定を引用し合つております関係上、この台帳法成立しない場合、或いはその施行が遅れるというふうなことになりますと、地方税法の、殊に固定資産税に関する規定が動かなくなる慮れがあるのであります。そういつた関係もございますので、「土地台帳法等の一部を改正する法律案」の中でこの問題を取上げるのは適当ではないのではないか。政府提案といたしまして「自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案提案になつております以上、その審議経過と睨み合わせまして、これに対する適当な措置考えて頂くのがむしろ妥当ではないか、こういうふうに考えられた結果、先程申しましたよう法務委員会の結果となつたのではないかと了解しておるわけであります。  先程お尋ねになりました点の中の、将来統制価格存続することを望むかどうかという問題でございますが、これは法務府の問題よりも、むしろ農林省としてどうお考えになるかという問題ではないかとも考えられます。
  14. 三輪貞治

    三輪貞治君 どうも只今の御答弁は私の質問に対して満足な御答弁と思えないのです。御説明になりました両法案或いは地方税法との関係等は、それは今御説明になつた通りでありますからよく分るのです。又政府提案をされる以上は、両法案同時成立をば目標といたしまして、御提出になつて起ることもよく分るのでありますけれども、今中しましたように或る場合には土地台帳法成立し或いは自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案が否決される。或いは審議未了になるということも決してないことではない。又その可能性も極めてこの問題の重要性から考えて、非常に短時日であるという場合に考えて極めて強いと思います。その場合に一体農地統制価格をどうするかということを私は聴いておるのです。  尚第二点の統制価格について将来これが存続を望むかどうかということについては、これは今御説明になりました通り農林省として将来考えるべきものであるということについてはまあ大体分るのでありますが、今の二点につきまして、第一点の統制価格というものが準拠すべき法律を失うのではないかということと、第三点のその場合に如何なる準備をされているかということについての満足答弁がなかつたことでございますからその点重ねて。
  15. 新谷正夫

    説明員新谷正夫君) 大体先程申上げましたところで御了解願えるのではないかと思つたのですが、或いは言葉が足りなかつたかもしれません。  第一点につきましては、若しも自作農創設特別措置法案が万一成立を見ないという場合には、統制価格はなくなるものと考えます。  第三点につきましては、これもその場合の臨時措置考えておるかというお尋ねでありますが、これも第二の問題と同様に農林省としてこの統制価格をどうするかという対策を立てられるのが適当ではないかと考えられるのであります。
  16. 三輪貞治

    三輪貞治君 それでは第一と第二ははつきり分ります。又第三点についてもその問題は只今においてどういうふうにしなければならないかということは農林省当局に対してお尋ねいたします。今質問申上げましたように、最惡の場合を予想いたしまして、農地統制価格決定さるべき基本的な法律がなくなつた場合において、又実際にこの土地台帳法成立して、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案不成立に終れば、今の御説明通り統制価格がなくなるわけですが、その場合にどういう措置農林省当局としてはお持ちになつておるかその点を。
  17. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 先般来たびたび申上げておる通り政府といたしましては、この法律案の通貨を予定いたしておりますので善後措置については考えておりません。従つて賃貸価格統制を望むかどうかという問題は、当然望むが故にかくのごとき法律提出いたしておるわけでございます。
  18. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) これはひとつ委員長からお伺いいたします。法案というものは審議如何によつて成立しない場合がある。成立したい場合において、それは法案成立を望むから何も手は打たんでよろしいという態度では、政府はあつてはならんと思う。過日地方税法案成立しませんでした。そのあと政府としてとるべき態度については政府ちやんとそれに対する対処方策を立てておつた。今の政務次官お答えを聴いておりますと、誠に無責任極まる態度であると言わなければならん。その点についてもう一度はつきりしたお答えをお願いしたい。
  19. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 政府通過を予定いたしておりますことは前段申上げた通りであります。従つてこの法律案審議について彼これ申上げるつもりではありませんが、政府提案をいたしました以上は通過を予定いたしておりますので、現在までのところ不成立なつた場合の措置については考えていないのであります。
  20. 三輪貞治

    三輪貞治君 どうも準備をしておられないということであれば、重ねて聴いても何も聴きようがないのでありますが、今委員長から御質問がありましたように、これは誠に奇怪な話でありまして、只今これは統制価格がなくなつてどうもその準拠すべき法律がなくなつた場合に、それが全部農林委員会責任が被せられるような気もいたしまして、誠に心外でありまして、前の地方税法提案なつた場合に、その前にそれがすでに、成立することを予想して一時法律がなくなつてしまつたということも考え合せまして、何かあとにはもう手がないということを知らせることによつて、強引に審議の期間を十分に与えもせず、強引に通そうとすることが感じられるのであります。どうも我々遺憾でございますが、これ以上質問しても満足答弁を得られることはないと考えますので、これ以上の質問はいたさないことにいたします。
  21. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 別に答弁を申上げるわけではありませんが、この際是非共この法律案定本委員会通過して頂くよう政府としては希望申上げまして、どうぞよろしくお願いいたします。(祭りワンマン・イデオロギーにならんようにね」と呼ぶ者あり)
  22. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) まあちよつとお聴きいたしますがね、政府がどういうように御希望にたつていることはそれはよろしい。併し政府成立しなかつた場合には何もしないとこういうことなんでございますか。
  23. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 目下のところ考えておりません。
  24. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 何もしない。
  25. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 どうも話を聴いておると、何でそういうことをするのか分らない。僕に言わせるとそうすると片一方法律が通らんと、片一方法律は役に立たん。両方通らなければ役に立たんとい法律を、何の施策もなくして、我々の審議権を無視するようなことをしてはいけない。それで法務府の方でも、農林省の方でも、国会というものは議員のものではない、政府のものではない、国民のものであるということをよく認識し、そうして提案しなければならん。自分ではこれは通過するのが当然だと、こういうことは誤りも甚しい。我々はそういう心で昔から審議して来ておる。だからしてこういうわけの分らんような、我々をでくの棒に使うよう法律の出し方は止めて貰つて慎重にやつ貰いたい。委員長、その自作農をやつてもいいんですか。
  26. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) はい。
  27. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今度は議題になつております自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案について、お尋ねばかりでなくて希望意見を申上げますが、私はこの法案がいろいろ事務的、それから自作農創設の大きな意義、いろいろに御議論がありますが、今となつて大体目的が達せられたような形になつております今日において、そう事務的のことを余り論議する必要もないと思うのでありますが、一番肝心なことは五條の二十三であります。これが満足になければ、今折角割期的な世界にない農地解放をやりまして、そうして日本農地解放をやり、マツカーサー司令官からまでもお褒めを頂いております。その効果は非常に心配をしなければならないと考えております。そこでこの五條の二十三を満足にやられますとその効果は永久に続くと思います。そこで昨日大臣委員に対する資金の問題を承わりましたが、大臣池田君と相談をするという御返事でありました。その前に山添事務次官から説明がありまして農地買收に対しまする金は、現在もこれによつたようなことにやつておるので、大した心配はないし、やれる。併しながら重点の一番大事な点は、今度自作農になりましたものの資金に対することが、最も重点であるという御意見を承わりまして、本員はその通りで、山添事務次官お話一つも変らん考えを持つておる、そうでなくちやならんと申上げて置きましたが、今の政府のやり方は、資金に対しますることは、口で言つたり、單に書いたんでは絶対に役に立たないのでありまして、本員はこの法律通過させますことに、大して心配はいたしておりませんが、この際やることが最も法案意義であり、裏付けになると考えておりまするがために、早速司令部行つてオーケーをとつて来て貰いたい。それは預金部資金をこの方面に使うのだという、金額は想像はつきますが、ここではつきりと長いことかかつてやらなくても結構だと存じます。若しそれがなければ、我々は国民を代表してここへ来てとや角言つてこの法案を決めても、昨日大臣がおつしやられますように、池田君と相談するというお話でありますが、尤も大蔵大臣にも御相談願わなければならんと存じておりますが、とにも角にも肝心の今我々が非常に期待しておりましてもなんの役にも立つておりません。大蔵省預金部資金をこれを契機にこの面に出すことが最もいいと思います。つまりこの裏付けがなければ通らん、どうにもならんから許可して呉れ、こういうことで押して行くことが最もいいと考えておりまするから、是非農林省ではできるだけ早急にこの解決をして、今会期中にこれを通過するようにしなければならんように存じております。私は各党の委員諸君もいろいろ御異議がありましようが、これが通るように、我慢してこれを通して貰いたいというふうに考えております。農林政務次官からお答え願います。
  28. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 岡村さんの先般来からの御熱意は、誠に我々といたしましてもさようであることを望んでおるのであります。甚だそこまでに今日までの経過が参らなかつたことに対しましては、誠に恐縮に存じておるところでありまするが、昨日事務次官から説明を申上げました通りに、この法律通過によりまして、法律で明らかに斡旋をし、そしてその貸付斡旋に関しては政令を以て定めるということにいたしておりまするので、この法律案通過後においては皆さんの御審議の趣旨を体しまして、是非とも早急にこの問題を解決いたしたいと、かよう熱意を十分に持つておることを御了解願いたいと思います。
  29. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 政務次官お話は分ります。今までも共に心配をして来ておつた一人でありますからよく分りますが、日本政府の現状が、そういうことでは私はこれは通らんと思います。そのために向うの方から非常に努力をして、キユアリングの金を出すことになつて、そうして五億円という見積りをして、大体それに対しては承認を受けておる筈なんです。ところがその後九千十万円しか出ないで、そのために自殺した組合長がある世の中ではありませんか。私は何と言われても、今の政府を信用せんわけではないが、これは非常に面倒で、政府が思うようにならないから、しつかりしたことをするのには非常にいい機会であると思う。一つやる、若しそれができたら通して呉れ、そうでなければならんと思う。若しその熱意がなければ、今おつしやるように、措置のことは政令で結構であります。後でもいいと思います。併しながら金が出るというオー・ケーがないと、オー・ケーオー・ケー、書いたものでなければ、言つたのでは駄目なんですから、そこまでせんと……私は非常に疑義がありますが、それを取消して、それができれば、この今期中にこれが通るように他の会派にもお願いする。それには條件がなければならん。このままではこれは通りませんよ。それだから私は申上げておる。
  30. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) お話の点は、先程申上げました通り、御尤もだと考えておるのでありますが、この法律案通過によつて一層その点が、一面から考えますというと裏附けということも考えられると思うのでありまして、御熱意のありますところをもたらして、我々は政府責任において、この問題の解決に全力を傾けたいことを重ねて申上げます。
  31. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 後から責任を問うたのでは何にもならない。いろいろつべこべ答弁をされないで、よし、そんならやるということでなければ、今までの反対の立場にあつた島村さんもよく分つておる。だからそういうことにならないで、意見はこうだから、よしやろうと言つて貰わなければ、政務次官なつたばかりに、そんな答弁では駄目だ。そうでなくして我々のことをよく考えて、そうして一番肝心なものはこれであると言うのだから、これに傑作を附けてこうするというので、それでいいと思う。
  32. 三輪貞治

    三輪貞治君 今の御質問に附加えてですが、今までその点については、御折衝になつておらないのでありまするか。若し御折衝になつて、或る程度のところまで行つておるのだつたら、その経過でも一つ御報告願えれば仕合せだと考えます。
  33. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) 現在までのところ、G・H・QのN・R・S、それから大蔵省預金部等には話をしておりますが、まだ決定的な回答は貰つていないのであります。折衝中であります。
  34. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 実は地方自治庁の方の奥野さんが地方行政委員会の方へ呼ばれておりますので、地方税関係についての御質疑がありましたら、それを先にして頂きたいと思います。地方税関係についての御質疑はございませんか。
  35. 三輪貞治

    三輪貞治君 固定資産税についてでありますが、固定資産税のうち農地につきましては、現在においては公定価格の二十二倍半ということになつておるわけですが、これがその基準でありますところの現在の農地価格決定する基準になります賃貸価格がなくなつて、将来新たな本法によるところの農地価格ができた場合に、いつ頃からその新らしい農地価格による課税ということをなさるわけでありますか。
  36. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 農地につきまして公定価格存続しております間は、その農地価格基礎にいたして参ります。併し農地に対する固定資産税課税標準を決めます時期は、毎年一月一日現在において決めるわけであります。従つて毎年一月一日現在において定められております公定価格基礎にいたしまして、適当な倍数等を決めるということになるわけであります。
  37. 三輪貞治

    三輪貞治君 現在の公定価格賃貸価格の田において四十倍、畑において四十八倍というこの公定価格の二十二倍半の場合と、この改正法によりまする新たな決め方によりましての場合におきましては、相当に公定価格が暴騰することが考えられるわけです。そうしますると、現在上程になつておるところの地方税の中の土地に対する固定資産税が相当将来において上がる、決定当時よりも上がるということが考えられますが、そう考え差支えございませんか。
  38. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 農地公定価格が変りました場合には当然倍数もそれに応じて増減があるわけであります。まだ公定価格が変つておりませんのでどういうふうな倍数になりまするかは予定はいたしておりません。
  39. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) ちよつと私からお伺いしておきたいのですが……。先程の問題と関連してですが、若しこの自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案通過しない場合に、先程の法務庁のほうのお話ですが、農地公定価格というものがなくなつてしまう、こういうことになります。そういう場合には一体どういうことになるのですか。
  40. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 若し農地公定価格がなくなりましたならば、固定資産税課税標準の原則に基きまして適正な時価になるわけです。適正な時価をどう決めるかということは、個個の課税客体におきまして地方財政委員会がその基準を設定して参ることになります。
  41. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 外にございませんか。外にございませんでしたらば地方財政関係の方の質問はこれでお取止め願いまして、又先程の関係の方を続けて頂きます。
  42. 三輪貞治

    三輪貞治君 今の奥野さんに対するあれですけれども、地方税法の市町村民税の均等割の場合に、農業所得だけに頼つておるところの農家においては、世帶主だけに課税をして貰いたいということをば、そういうふうに解釈していいかということをば、しばしば政務次官との間に質疑を交したのですが、その場合に政務次官としては、自分としてはそういうふうに考えておるという御説明であつたのでありまするが、地方自治庁においてもさようなる考えにおいてあの提案がされておるのでありましようか、その点を伺います。
  43. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 市町村民税の納税義務者は成年者でありまして、前年において所得のあつたものであります。所得のあつたものと見るか見ないかというふうな問題、御指摘になりました問題について考えて参りますと、所得税の扱いにおきましては、世帶主に所得を全部総合して課税をして行くというふうな場合におきましても、必ずしもそれにとらわれるものではない、こういうよう考え方をいたしておりましたわけでございまして、個々の実情に即して前年に所得のあつたと看做して課税をいたして行つた方が、他の納税義務者との間においても、釣合がとれるというふうなことで認定をして行くべきだと考えております。
  44. 三輪貞治

    三輪貞治君 そのお答えでありますると、所得税の納税義務者と、この場合の市町村民税の納税義務者との間においては、必ずしも一致しないというふうに御説明があつたと思うのでありまするが、そうなりますると、今までのお答えになつておりました政務次官の御答えはどうなるのでありますか、その点……。
  45. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 先般来お答えを申上げておる通りで、地方税法の建前は所得のあつたものということになつておりまするが、自治庁と打合せまして事実問題を取扱う場合においては、先般来私が答弁を申上げた通りに扱い得るものと、さよう考えております。
  46. 三輪貞治

    三輪貞治君 そうしますと、それは市町村において適当に勘案をする余地があるという意味なんですか。或いは又政府において政令を出してそのようなことを全国に徹底させるという意味でありまするか、どういうふうにやつたらいいのか、ちよつとはつきりしないのですが……。
  47. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 尚先般も私が答弁申上げました通り、その疑義のある点を通牒によるとか、或いは何らか外の形式によるというような問題については尚自治庁と折衝を重ねまして、なるべくさように取扱うよう農林省としては努力をいたしたいと考えております。
  48. 三輪貞治

    三輪貞治君 その努力を将来に残されてこの法律案を可決するというようなことは我々非常に心もとないのであります。そういうことが解決をして、然る後に提案をされるということでなければ誠に心もとないのでありまするが、現在において地方自治庁との間の交渉で行きついておる点はどこまで行つておるのでありますか。
  49. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) ざつくばらんに申上げますと、法の建前の上から余り突つ込んでお話になるというと、今のような問題が非常にややこしくなると思うのであります。他の納税者との均衡の問題があつて、建前上は所得のある者ということになつておるわけですから、そこは、町村において、その法律の解釈の上でお話ように、例えば、次男で手伝いをしておつた者は事実上労務者ではありますまいが、労務者と同じよう考え方で取扱うならば、所得は、いわゆる世帶主にあるものと、かような解釈が取り得るものだと、かよう考え方を持つておるわけであります。その辺で一つ御容赦を願いたいと思います。
  50. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の政務次官お答えを聞いておりますというと、法は法だが、そこはいい加減にしておけばいいということですが、若しそうなると、例えば農地改革についても大きな我々は疑問を持つわけでありまして、そこは、そういうイデオロギーでやられているから闇小作料とか、耕地の闇の売買があつたと思うのでありまして、その点は今後我々として根本的な法に対する根本的の問題ですからはつきりして頂きたい。  それから今まで三輪君の質問に対して従来答えられておつたことは、地方行政の方と連絡なしの独断で言われておつたのか、或いは、はつきり連絡を持つて言われておつたのか。その点もはつきりして頂きたい。
  51. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) これは先般来も申上げておりまする通りでありまして、それ以上解釈の問題について江田さんの只今の御議論のように解釈されるということは、それは御自由でありましようが、私はさような意味で申上げたのではなくして、自治庁とも打合せした上でさような取扱いがなし得るものと考えておるわけでありまして、この点においては、別に誤解も、或いは錯誤もない、かよう考えております。
  52. 江田三郎

    ○江田三郎君 明らかに、今の自治庁の方が言われた答弁とあなたの答弁とは違うのではないか。これは従来の速記録とはつきり対照したら違うということになると思いますが、違わんとおつしやいますが、自治庁の方の答弁通りなんですかどつちになるのですか。
  53. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 所得に関する課税が客体になるということは自治庁のお答え通りでありますが、それは事実上その所得者であるかどうかということは、その村々の個人を掴えて、個々について実際に応じた上で判断をする。こういう結果になることを御了解願いたいと思います。
  54. 三輪貞治

    三輪貞治君 それは勿論個々の農家でなければ分らないことでありますが、私は前提として、こういうことを前提にして質問しておるのです。と申しますのは、農業以外の所得のない農家ということを言つておる。そうすると、全家族が七反なら七反という農地に労力を集中いたしまして、耕作をしておる場合のことを言つておるのであつて、それ以外の個々の場合、或いは日雇に行つておるとか、次男坊がどつかの工場の仕事をしておるとかいう、そういう場合は全然聞いていない。そういう場合は勿論分る。それ以外の純粋な農家の、農業の所得以外の所得を上げていないところの農家における場合を指しておるのでありまして、この場合には、我々は農業労働の特殊性から今まで二人で耕した所に三男坊、四男坊、出戻りの娘が帰つて来るということは、実は農家で家族労働が増したということは失業救済引受所になつような恰好で困つておる。それをば所得を増したというように見做されて均等割をかけられるということは、全くぶつたり蹴つたりの形になつて困る、その前提に立つて質問しているのであります。かようなことについても全く今まで述べた点と変らないのであるかこの点自治庁の方に……。
  55. 奧野誠亮

    政府委員奧野誠亮君) 成年者である限りは、成るべく広く納税義務者にして参りたいという考え方を持つております基本の考えは、市町村の自治に参加いたしまして、これに積極的に協力して行かなければならないものは従来市町村民税の納税義務者は世帶主だけでありました。このように世帶主だけであつてはならない。世帶主でなくしでも成年者であります限りは課税をして、その点は地方自治に協力して貰いたい。こういう考えを持つているわけであります。併しながら所得税につきましても、農業所得は特別の取扱いをいたしておるわけであります。かような特殊事情というものはやはり前年において所得があつたかどうか。言い換えれば支払能力があるかどうかということを判定いたします際には、十分考慮いたした方がよろしいのではなかろうかというよう考え方を持つておるわけであります。併したがら他の納税義務者と比較いたしました場合に、如何に家族従業者でありましても、もう子供さんが二人も三人もおつて、親爺さんと一緒に農業を手伝つている。血気盛りのその息子さんを前年において所得がなかつたのだと、だから市町村民税の均等制も納めて貰わないのだということは、如何にも不合理な場合があるのでありまして、このような場合には均等割をやはり納めて貰つた方がいいと思います。併しながら先程引例されました出戻りの娘さんが、農業を手伝つている、或いは成年には達しているけれども、嫁人前の娘さんが農業を手伝つているというような人人に対しては、前年において所得がなかつたと見て均等割を課さないように、我々は市町村に対して連絡をとつて参りたい。かよう考え方を持つております。尚又扶養親族につきましては、もとより個々に実態を調査しまして、前年に所得があつたかなかつたかということを見て行かなければならないわけであります。法律上においても扶養親族につきましては、均等割を軽減することができるということを書いておるわけであります。言い換えれば均等割の軽減措置を含めて行きたいということを御了解を願つておきたいと思います。
  56. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 何回も質問しているので大体承知いたしておりますが聞けば聞く程惡法なんです。極めて百姓にとつて惡法なんです。今のように道方自治体から、いろいろ客体に適用するようにすればいいというお話でありますが、地方自治の構成は農業者が多いことが原則ではありません。その他の階層のが多い構成をいたしております。これは通りはしません。だから例えば町村税、恐らく委員会或いは議会でやりましようが、それの構成が非常に農家に適応するよう審議することがいいようにできていればそれも通りましようが、全然前年の所得がありましたら必ず継続して従業しておる者が何ぼかあるに決つておる。所得控除がありましても、住民税は取らなければならんのだということを認識しておりますから私は初めからこれは惡法だ、取られるつもりでおりますからさほど苦労はありませんが、全員もそのつもりでおりませんと、あれを取らんのだという今政務次官のおつしやることはそれは一時のことでそんなことは永続するものではありません、はつきり書いてあることは永続しますけれども、こういうふうにということは永続しません、それを一々法律に書いて置けんものですから政令でやるといつても、それも恐らく当になりません、自治庁の方でも日本の農家の実態のことは御存じない、それでああいう惡法ができたりなんかするわけです。そんなことをここで言つても仕方がないから、私は聞いたときから惡法であるということを断定しておりますから、今おつしやることは取られることに間違いないのです。
  57. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の自治庁の方の説明は何しろ途中で、併しながら四、五遍ついたので、何かはつきりせんようなことがあるのでありますが、やはり原則として岡村さんが解釈されたように解釈する方がいいと思うのでありますが、若しこれはそうなると非常な大きな問題でありますから、改めて自治庁の長官の御出席を願いたいと思います。尚政務次官が言われたこととは大分違つて来たので、今後法改正に伴うところの土地資金についても、政務次官の御答弁は余り当にならんので、これは非常に参考なつたと思うのであります。これはこれといたしまして自治庁の長官の御出席をお願いいたします。
  58. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 外に自治庁の方への御質問はありませんか。
  59. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 委員長進行したらどうですか。
  60. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは江田さんからの御要求によりまして、地方自治庁の長官の御出席を求めることにいたします。私から新谷課長にもう一点お伺いいたしたいのでありますが、先程政務次官お話ですと、あと何ともしないと、例えばこの法案が通らなくてもあとは何ともしないとこういうようお話であつた統制価格がなくなることになるわけですが、これはいろいろ非常に大きな問題があるのである、そこでそれをやはり統制価格のまま続けて置くよう方法として、例えば政令でそれができるかどうかという点をお伺いしたいのです。
  61. 新谷正夫

    説明員新谷正夫君) 統制価格を決めますには、法律基礎がなければできないのではないかと考えております。
  62. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 農地価格が手放しになつて、それが非常に騰貴するとか何とかいうようなことについてはあなたの方ではどういうふうにお考えになつておりますか。これは例えば農地の移動が統制されたが故に、実際上は非常に騰貴するというようなことが起らないというふうにお考えになつておりますか。
  63. 新谷正夫

    説明員新谷正夫君) 今お話よう統制価格はなくなりましても、現在農地の移動が非常に大きく統制されておるわけであります。統制価格が問題になります場合は、売買とか、或いは交換とかこういう場合だろうと思いますが、そんな場合はいずれも農地調整法の第四條の規定によりまして統制を続けております。自由な移動はできないわけであります。従いまして仮に統制がなくなりましても、そのために農地の移動が頻繁に行われるということにはならないと思います。従いましてまた農地価格というものが、そのために一挙に暴騰するというふうなことも制度としては考えられないのでないかとかよう考える次第であります。
  64. 三輪貞治

    三輪貞治君 この前私は、本員が前に土地台帳法と、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案において行いました発言のうち、将来に誤解を残さないために一言附加えたいと思うのでありますが、その点は土地台帳法の一部が通過し、自作農創設特別措置法等の一部を改正する法律案不成立なつた場合に統制価格が宙ぶらりんになる、それに対して政府は用意をしてないのは、何かすべての責任農林委員会にかぶせるような恰好になるということを申したのであります。これは決して農林委員会責任ではないのであります。この際夙に発見をして、これを政府に迫つたにも拘わらず、仮定の事実に対しては答えられない、用意がないということは、自由党吉田一家のこれは変らざる家憲でありますからして、この責任は挙げて政府にあるということを申上げまして、前の発言に対するお答として誤解を解いて置きたいと思います。
  65. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 外に何か……両者に対する御質問がなければ、今度は農林省当局に対する御質問を継続することにいたします。
  66. 江田三郎

    ○江田三郎君 耕作権の放棄の問題について、資料の御提出を願つたわけですが、この数字を見ましても相当大きな面積になるわけで、而もこれは二十四年度の数字でありまして、その後二十五年度になりまして我々はこの傾向が更に大きくなつて行くと思うわけです。それから尚又農林省の方のこの調べに出ていないところのものが相当残されていると思うのでありまして、我我が別な方面からいたしました調査によるというと、この数字よりは相当大きなものと考えているわけですが、それは別にいたしまして、農林省では二十四年度と二十五年度と比べたときに、この数字の傾向はどういう工合になりつつあるとお考えか、その点を承わりたい。
  67. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) 先程御説明申しましたように、二十五年度につきましてはまだ調査ができておりませんので、今の御質問の点ははつきりお答はできんわけであります。
  68. 江田三郎

    ○江田三郎君 はつきりした数字は分らなくても傾向としてはどうなつているかということは、苟くも農林省責任の立場におられる人であれば、傾向としてどうなつているかということだけは分る筈でありまして、若しそういうような傾向の察知さえできないということになれば、これはもう行政官としての資格を失われることになるのじやないかと思うのでして、そういう点はどうお考えになりますか……。
  69. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) お答えございませんか。
  70. 江田三郎

    ○江田三郎君 お答えがなければ……お答えがないということは、私の申上げたことを肯定されたものと解釈してよろしいですか……それでお答がないということになれば……。どうもお答のないものは仕方がございはまんから次に進むわけでありますが、一体我々はこの耕作権放棄の数字が増しつつあると思うのでありまして、これは二十四年度に始まつたことでなしに、すでにその前から出ていることでありまして、実に折角作り上げたところの自作農の維持ということ、耕作権の保護ということは、前々から問題になつておるのでして、それをことここに至つて漸く金融措置考えられて、それも先程のお話を聞きますというと、まだE・S・Sあたりは全然当つておられんということで、一体それで済むかどうかということでありまして、一体もう少しはつきり司令部との交渉の経過、いつから交渉を始められて、どうなつておるかという経過、及び大蔵省との交渉の経過、そういうことをもう少しはつきりして頂きたいと思うのです。
  71. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) この耕作権放棄につきましては、ここにも書いてございますように、耕作権放棄の原因は主としてこれは税金徴收等の関係でありまして、率直に言えば融資の問題とは直接の関係はないように思うのでございます。今の融資の問題の交渉の経過につきましては、先程御説明申したような点でございます。
  72. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 只今岡村委員より資金貸付、又はその斡旋について質問をいたしましたところが、農地局長は交渉中だという。恐らく法案を出すにはO・Kを取る上から言いましても、……速記を止めて下さい。
  73. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) ちよつと速記を止めて……。    〔速記中止
  74. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 速記をつけて下さい。
  75. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 資金に関する問題について先程岡村さんの御質疑に対してお答え申上げました通りに、今日までの段階では、まだ決定的な結論を得ていないということは誠に遺憾と存じておるのでありますが、本法案提出が、これがいわゆる裏付けの問題であるということは御諒解を願えると共に、本法案成立後における、或いは又成立と同時にこの問題を至急に片付けたいという熱意は先程申上げた通りでございます。法案通過後一、二日の間に結論を出せという御希望に対しましては、或いは御意見の点はよく了解できるのでありますが、御案内の通りでありまして、熱意の足らんということでなくして、なかなか金額が、或いは又その関係方面との諒解は、会期中にその問題を是非共解決するということは、現在のところなかなか困難ではないかと私共は予想いたしますので、この点は先程も申上げましたように、皆さんの御希望の点を体しまして、是非とも実現するの熱意を以て政府責任において実現することを努力いたしたい。かような点で御諒解を願いたいと思うのであります。
  76. 山添利作

    政府委員(山添利作君) 政務次官の言われた通りでありまして、元来この維持資金の問題につきましては、これは農地改革の結果として必要があることでありまして、この法案に書いてあるか書いていないかということを離れましても、元来必要なことであります。この必要なことを実現するために法案に書いたのでありますが、遺憾ながらこの提案をいたしますまでに実現を見ておりません。併しこの問題につきましては、前々から私共関係方面と話しているのであります。NRSのよう農地改革をいたしましたところでは、直接この問題については必要性を痛感している。古い話をいたしますと、昭和二十三年当時からこの問題を話合つているというようなことなのであります。併し丁度昨年度におきましても、ドツジ政策が行われましたようなこともありまして、遂に実現できなかつたのであります。引続き政府は努力をいたしているのであります。近い機会に是非共実現をしたい。これはこの前の国会におきましても、藤野さんから句々とお話が出ております。私共これにつきましては非常に重要な問題といたしまして、早急に結果を得ますように努力をいたしたいと考えます。
  77. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 両次官兵熱意と努力と責任を以てするということについては満足をするものでありますが、先さんはともかくも大蔵当局は内輪のことであります。大蔵当局が大臣が参りまして、金額のことは言えないが、必らずこれに対する裏付けをしてできるだけの預金部資金でも、預金部資金といわないでも、できるだけ努力をして、これが裏付けを確実ならしめるというよう答弁がございますならば、相当皆さんも御了解する余地があるだろうと思います。どうか次官初め局長において、内輪の大蔵当局に対してもう一段と努力の必要ありと認めます。一層の努力をいたすようにこの際重ねて希望すると同時に、早急にこの方法をとられたい。かように申上げて置きます。
  78. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 事務次官政務次官には私は余り言いたくないのであります。農地局長に特に申上げますが、私共心配いたしておりますのは、今度の地方税改革によつて日本の農業の中以下の農家は、非常に重い負担を受けなければならぬということになると考えております。そこで農地局では折角長い間の小作農の方が地主になつて頂いて、そうして大いにやろうと考えておつてつてつておりますが、その重い負担を受けなければならないのは、殆んど土地解放によつて地主になられた方が多いのであります。そこで農地局の方ではそこまで考えて仕事をして貰うのでなければ、局長としての責任は全うせないだろうと思います。一番の肝腎は、できた農家が満足に農業ができるようにすることが一番の肝腎でありまして、土地改良が能ではありません。そこで私は前に今の地方税改正によつてどうなるかということを聴きましたが、その答えもありませんが、そこまで頭が行つていないようでありますから、その御答弁はなかつたと思いますが、それを考えて見ますと、容易ではありません。今度私要求申上げまして出て参りました、現在の農地価格は今度変りまする税の負担とは相当開きがあります。今度これから公定価格が変ることがはつきりいたしておりますが、これは決して安くならないで高くなることは当然であります。そうしますと又必要以上の負担を受けるということになりますので、非常に困るというので、これは差押えによる農地の競売まで実は心配していると聞いております。そういうわけでありますから、どうしても前に申上げました、維持資金が当然なくちやならぬと思います。これは私共は北海道で現に借りて、維持資金を使つて参りました。それでどうにか百姓の急場を凌いで参りましたが、これは今は自作農によつて地主になられた方は言つておりますが、全般の農業者まで維持資金を借らなければ、百姓は成り立たない時代が来ると思います。そこでそれまで若し局長が心配してやつておられんということになると、誠に遺憾千万でありますが、実はこの前否決になつてその間に余日がありました。そこでその余日の間にその交渉がなされておらんということは、私は今後これからするということは、さうおつしやる意気だけであつて、絶対不可能なことである。これはよい契機だからこれを以てやらなければならん。これがなくてはこの法案は通らない、非常に困るから是非つて欲しいということを先方に迫つて〇・Kを取るということが最もよい機会だと思つておりますが、尻込みをしてなかなかやろうとされませんが、かまうことはない、二日でも三日でも話合をしてやつたならば必らずできると思います。じわじわする必要はないと思います。是非そのつもりで必らずこれが貫徹するように努力をすることが、将来の日本の中農以下の方々が非常に助かるゆえんであり、これをこの機会を逃しますと、どうも実現は非常に不可能だと思います。ドツジさんがおいでになりましても一層惡くするかも知れません。一体ドツジ公使のやり方は、農業者をちつとも顧みないで、そうして一つも眼中においておらんのが現状の実情です。それでは困るので、是非この際これだけの途を開くことを最もいいことだ。是非一つ農地局長が先頭に立つて両次官は後押しになつて、無理やりにやつて貰うことを重ねてお願い申上げます。
  79. 江田三郎

    ○江田三郎君 先程農地局長の答弁の中に土地放棄の一番大きいのは供出や税金の重圧であるから、これは土地資金融資の問題とは別の問題だと言われたのですが、それならば一体どういう融資をこれにしようというのでありますか。この融資というのは自作農になる場合の土地所有権を取得する場合と、自作農なつた者の維持、両方の融資ということにあなた方の原案にはなつておるわけでありまして、供出や或いは税金の重圧の場合には、それは別問題だということになると、如何なる場合に融資しようというのであるか、その点をはつきりお伺いしたいのであります。  それから第二はこの金融措置については事務次官の御答弁によりますと、二十三年度からやつておられた。ところが、二十四年度はドツジ政策のために、そういうことができなかつたということになるのならば、大蔵大臣はドツジ政策は一歩も変更するものではないということをおつしやつておるのでありまするから、これは全然見込みがないという結論になるのではないかと思うのでありまして、尚政務次官の方もこの短期間の中に答えを出すことが不可能だ。そういうことが見込みがつかないのならば、そういうことを法案に謳つておきながら、その見込みがつかないというならば、この法案を本国会通過させるというところに無理があると思うのでございまして、その点についてお伺いいたします。
  80. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 江田さんの御解釈をされることは別に私の方で彼れこれ申上げる筋合ではないと思うのでありますが、たびたび繰返して申上げるように、言葉の不十分なところはあろうと考えまするけれども、熱意を以て努力いたして、早急に実現さしたいということについては前段申上げた通りでありまして、それによつて御了知を願いたいと思います。
  81. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) 先程は言葉が足りませんで、大変な誤解を頂いたと思うのでありますが……。
  82. 江田三郎

    ○江田三郎君 誤解じやなしに正解です。
  83. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) 私申しましたのは耕作面積を拡げておりますと、惡い土地につきまして、これを耕作することによりまして、却て保有量が減つて参る場合があります。又税金にいたしましても、反別を規準に、課税されるような場合が多いのでありまして、そういう点で却て面積を広く作つて、惡い土地を作つているというようなのが不利なために、耕作を放棄するという場合が多いということを申したのであります。勿論今考えておりまするように、融資につきましては、農家の経済力を養うための生産的なものに融資をやつて参りますとか、或いは農家の必要な資金を供給して参るのでありまして、税金等が全然無関係というようにお聴取り頂きましたのは、言葉が不十分でありまして訂正いたします。
  84. 江田三郎

    ○江田三郎君 今のお答弁でも駄目でありまして、まるで供出や税金の重圧は無意義耕作面積を広げて、従つて生産力の低いところも作るようになるから、そういう重圧が出るんだというよう考え方でして、これは農家に対する税金の重圧という面の問題を一つも認識されておりません。これは全く落第でありまして、これ以上質問しません。
  85. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 農地局長にちよつとお伺いいたしますが、江田さんの要求で資料を頂きましたが、耕作を放棄した面積がありまして、その下に耕作権を放棄された土地が他のもので耕作権を継承しておるとありますが、これは正式に権利を譲渡したのでなくて、土地が空いておるから作つておるという面積ですか。正式に譲渡された面積でありますか。
  86. 佐野憲次

    説明員佐野憲次君) これはやはり正式の手続をとりまして、耕作権の棄権が行われておりますものであります。
  87. 三輪貞治

    三輪貞治君 たびたび御質問を申上げたのでありますが、地方税関係でありますが、地方税固定資産税課税客体でありますところの、農地価格が、この法律によつて将来改訂をされました場合に、本年度の課税につきましては、本年一月一日の農地価格基準とされまするから、別にこの法律改正されましても影響はない。併し来年度以降におきましては、その法律によりまして、改訂された農地価格基準になりまして課税をされて行くのでありますが、その場合に固定資産税農地に関する部分が昂騰することをば避けるところの折衝が今までなされておる。又将来においてそれをされる、或いはそれをばはつきりと確言をされるところの御自信がおありになるだろうか。これは政務次官の方にお尋ねいたします。
  88. 島村軍次

    政府委員島村軍次君) 社会情勢の非常に変転のありまする場合に只今お尋ねの点は、いろいろの点から考えられると思うのでありまして、只今この固定資産税の増加に伴う農地価格が暴騰するというような問題も考え得ると思うのでありますが、別にどこに交渉し、或いはどういう方法を講じたというようなことは、私もまだよく存じておりません。
  89. 三輪貞治

    三輪貞治君 これは社会情勢の変化でなしに、今からはつきり予想されることなんです。もうはつきりこれは予想されるのです。来年は来年の一月一日の農地価格によつて課税されるのですから、今度の倍数ほど来年は昂騰することはこれは事実なのです。その点ははつきり私は……(「間違いない、それは」と呼ぶ者あり)御折衝になつて置く必要があると思うのです。そうして農家にはこれ以上の迷惑をかけないのだということでなければ、この地方税法が制定された当時よりも、半年か一年の間に数倍という課税になるということであるならば、これは私は農林当局としては十分の折衝をさるべきだろうと思う。又折衝される相手方もちやんと分つておると思うのです。
  90. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 農林当局よりも、これは大蔵当局によく言つて聞かせるのですね。
  91. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 本日は委員会はこれを以ちまして閉会いたしまして明日は午前十時から開会いたします。そうして証人がよんでありますので、その証言を聴き、午後の委員会に大蔵六百、農林大臣、それから地方財政委員会委員長等をお呼びいたしまして、本日問題になりました点についての御質疑を願いたいと思います。  それでは本日はこれを以ちまして閉会いたします。    午後五時二十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡田 宗司君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岩男 仁藏君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            土屋 俊三君            平沼彌太郎君            江田 三郎君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三好  始君            三浦 辰雄君   政府委員    地方自治庁財政    課長      奧野 誠亮君    農林政務次官  島村 軍次君    農林事務次官  山添 利作君   説明員    法務府民事局第    三課長     新谷 正夫君    農林省農地局長 佐野 憲次君