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1950-07-20 第8回国会 参議院 農林委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十日(木曜日)    午後一時十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○新農業政策確立に関する調査の件  (農林政策に関する件)   —————————————
  2. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それではこれより委員会を開会いたします。  過日の委員会で決定いたしました商品取引所法案に関する通商産業委員会との連合委員会が、明二十一日午前十時からと決定いたしましたので、各委員におかれましては、明日までに御配布になりました法案並びに参考貸料を十分御検討の上、御質問準備をなさるようにお願いいたします。  本日は去る十七日に承認されました新らしい農業政策確立に関する調査の一環といたしまして、農林政策について政府当局から説明を聴くことにいたしたいと存じます。  先じ廣川農林大臣の御臨席を得ましたので、農林大臣の御所見を伺いましてから、その次に具体的なこと等につきましては、各局長から説明を聴くというふうに運んで参りたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 御異議がないようでございますから、先ず農林大臣から御所見を承わることにいたします。
  4. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 私は実は精一杯今勉強中でありますし、尚又勉強の足らんところもあるので、皆さんからいろいろ御教示を仰いでいるなかでございます。この間参議院における岡田委員長質問に対して私は実は肚でこなして精一杯答弁したつもりでありますが、委員長はまだカンニング程度だからということで揶揄されましたので、非常に私心外に堪えないのでありますが、肚でこなして精々私の考えているところ、又省内として持つて起ることを申上げたいと思う次第であります。  農林行政は種々の有効な施策総合化することが必要でありますが、その目標といたしましては農業生産力向上させることと、農産物価格の適正を期しまして他の産業部門と均衡の取れた農業所得を維持して行くことでございます。  先ず農業生産基礎条件でありますところ土地條件を整備して行くことが根本でありましてこれにはでき得る限り財政投資を図つて行きたいと存ずる次第であります。長い間の戦争によつて荒廃した山を治める事業等を重点的に考えまして農家かあらゆる努力をなしても災害によつて、すべてを流失するというような悲惨事未然に防止いたしたいと考えております。  次には既耕地に対しましては用排水畑地灌漑等土地改良事業を行いまして、土地生産條件向上させますと共に、総合国土開発計画と結び付けながら開拓をも行いたいと考えております。国内における食糧自給度をできるだけ高めつると共に、農業における人口収容力増加を図りたいと考えております。かように土地條件改善の基盤の上に立ちまして農業経営合理化を図り、外国農業に対抗し得る鞏固な農業にしたいと思つておるのであります。このためには土地交換分合を進め、畜力並びに機械力利用促進によつて労力の節約を、図ると同時に、この余剰労力を以て有畜農業農村工業養蚕業等の一層の振興を図りまして、農業のいわゆる総合化多角化を実現したいと考えておる次第であります。一方これが裏付けといたしまして、農業改良制度普及促進農業災害補償制度強化に努めたいと考えて起る次第でございます。米麦等、主食の供出制度国民食糧確保重要性及び農家所得の大宗たる点に鑑みまして合理化しつつ、差当りこれを存置し、時局の推移を見て愼重に決定して行きたいと思う次第であります。麦の代替として供出される本年度の冬作雑穀につきましては、最終割当完了後は政府買上げを行いませんで、自由にして行く考えでおります。農業金融協同組合農業金融のことですが、協同組合育成には日本農業の零細であるのに鑑みまして、格段の努力をして行きたいと考える次第であります。  以上のように各般の施策を今後強力に実施いたしまして農業経営の安定と国民食生活改善を達成いたしまして、国の経済力の充実を促進したいと考えておる次第であります。
  5. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 只今大臣の方から御所見を述べられたのでございますが、これに対し反して、委員の方々よりの御質疑があろうかと存じますので、これから質問をして頂くことにいたします。どうぞ一つ
  6. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 只今大臣より農業政策の大綱について所見の一端を承わりましたが、目下農村に対しまして非常な悩みの種になつておりますところ金融方面の施薬について御意見の発表がなかつたように承わるのであります。金融方面については、すでに農林省といたしましても、農林中金をして八億に増資させ、預金部資金より三十億という……二十八億の二十倍の、五百六十億というような大きな枠を農村方面融資するの方途は講ぜられておりますけれども、その実際の運用に当りましては、約二百億程度融資できはしないかと思うのでございますけれども、この点におきしまして、農村の各自が希望しておりますところ長期貸付けに対しまして、如何なるところの手段をとり、今後如何なるところ方法をおとりになるか、先ずこの点を一つお伺いしたいのであります。  次に今日農村に対しまして、あらゆる指導機関を通じまして協同組合言育成農村安定化をお図り下さるという御方針と承つてつたのであります。然るに実情は御承知のごとく、各協同組合号を通じまして、すべての物価低落協同組合手持品低落によりましてその協同組合の運営に非常な困難を来たすと同時に、農村金融の行き詰りで、協同組合に対する信頼ある中心人物育成はかねて希望して、おりましたが、これらの方途つきましてもやはりこと欠くというような見解から、この組合言に対するところ預金も、従つて減じつつあるのでありまして協同組合中心人物育成と、組合強化拡充に対するところ政府の今後の方針、並びに政府といたしまして指導陣強化をなして、只今方針のような農村生産に対するところ増加、堅実なる発展の方針を高める、いわゆる自給度方策徹底化するという方針についての、協同組合に対する見解を承わりたいと思うのであります。  先ずこの、二つにつき、更にお答えによりまして漸次お尋ねいたしとかように存ずるのであります。
  7. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 農林行政を身を以て体験された池田さんからの御質問で、すでにあなたが十分御存じだろうと思うのでありますが、農村に対する金融は馬鹿の一つ覚えみたいに、農林中央金庫一点張りで来ておるのであります。この農林中央金庫も、只今説明のように非常に拡大されまして、貸付け得る金が大分できたことは誠に御同慶に堪えないのです。ただこれのみに頼つておることは実は私はどうかと考えておるのであります。特に土地改良、その他に要する金は長期であり、而も低利でなければならんのです。これはまだ政府意見はまとまつておりませんが、農業公庫とでも申しましようか、そういつたようなものを作りまして、これで運用いたして、それと農林中金とを相マツチして行つたなら何か面白い策がないかと思つて現在私研究すると同時に、農林省としても鋭意考えておるような次第であります。  今一番問題になつておりますのは郵政省ですか郵便局貯金がどんどん殖えておるのであります。これに逆比例いたしまして協同組合貯金がどんどん流れて行く。こういうような情勢にありまするので、この間に何か手を打たなければならんと思つて実は考えておるような次第でございます。  それから尚もう一つ農村金融に対して市中銀行が殆んど手を拱いておる、これはどうしても市中銀行のあり方についても、我々は一応考えなければならんと思うのです。金利の高いこと、或いは又この土地改革以後は市中銀行金融の対象に殆んどならんようになつておるのでありまして、これは我々といたしましても改善の余地をここに見出さなければならん、こう考えております。  協同組合育成につきましては、今申上げました通り協同組合に移行する当時の財産の引継ぎ、その他いろんなこの組織、或いは又もともとやつてつた肥料取扱、或いは又米麦取扱等のものが外れ非常にこれは狭められたものになつておりますので、こういう点を十分我々は直視いたしまし協同組合育成に、育成というか助長というか、この方面に力を盡したい、こう考えております。
  8. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 次に指導方面に対してはもう少しく大臣徹底化の御説明を頂きたいと思いますが、これは次官でも或いは局長でもつ結構でありますから、農村の将来に対しては土地改良、勿論国土計画と睨み合せて、それぞれその地方生産の増強に当たるという大きな信念においては敬服するものでありますが、これを徹底させるには何と申しましても、指導方針強化を図らなければならないとかように存じまして、この方法について更に説明を願うと同時に、次に肥料公団その他の廃止によりまして、農村に対する……ややともすれば肥料肥料商その他によりまして、不正肥料農村に流れるような傾向があるが、これに対しまして政府といたしましては今後どういう方法を以て取締に当たるか、その方針一つ伺いたいと存じます。肥料というのは肥やしの肥料です。  更に農村生産に対しましては、食糧庁においては一検査制度がありますが、農産物の将来又今後におきまして、貿易上において、相当輸出するような上においては検査徹底化を図らなければならん、いわゆる農産他の品種の向上を図るという意味におきまして、検査方針に対しましては政府並びに民間が協力してその方途を講する必要ありと考えますが、これに対する政府方針を承わりたいと思います。  更に幾多沈滞しておるところ農林方面人事に対しまして大臣は相当確信を以ていわゆる人事刷新をなして新たなるところ登用方針によりまて、有能な士をどしどし配置いたしまして、真に農村の立上りを指導する本省といたしまし、又それらの関係者当局といたしまして、そこにいわゆる農林行政刷新と同時に向上をお計り下さるようなふうに承わりますが、これに対するところの御方針を承わりたい、かように思うのであります。
  9. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 農産物輸出検査お話のようでありますが、これはやはり十分立派なものを外国に出し日本の品位を落さないようにするためには必要であろうと考えております。  それから人事のことにつきましては、まだ着任早々でありまするので、よく私承知いたしませんが、私の瞥見いたすところでは非常に忠実に農林官僚は働いておるのであります。ただ、農林官僚が働く上において、いわゆる潤滑油と申しましようか、国庫から出す金が足りなく腕を拱いているというような感じがするのでありまして十分本当に農村を全閣僚に理解して貰つて、今度の予算には是非農村対策を、真劍に対策に取組んで、農林官僚が働けるようにして行きたい、こう考えて起ります。
  10. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 先に土地改良及び農村の安定から治山治水及び山林行政に非常に強い方策をお立てになつて、これが強化をお計り下さると、いわゆる天災地変未然に防ぐというような方途に対しては、計画が十分に立てられつつあるということは同慶の至りに堪えませんが、更にこれに対するに大臣に、でなかつた局長でも結構であるが、具体的の意見があれば承わりたいと思います。  最後に御承知のごとく今日地方税を通じまして、或いは通過すれば九月よりあらゆる諸税の取立てに会いまして、さもなくも大臣がお知りの通りの、農村経済状態金融状態でありまして、一時に農村方面納税の義務を果すというようなことに相成りますれば、そこに農村の、今日の苦境になりつつある農村をし非常な苦しみになりつつあるところの点をよく御了承を下さいまして、それぞれ農村の、先程申しました金融方面にあらゆる農林中金のみならず、地方銀行或いは農協を通じまして、これが対策を十分に立てるの決意を新にされんことを希望しまして、私の質問を打切ることにいたします。
  11. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 治山治水のことですが、これは決してこと新らしいことでなく、今までの各大臣もこの点については力を注いだようでありますが、現在の状態からみ見ましてこの今回の六月の災害を見ましても、最小限度見積つて国費を四千億も投資しなければならんような状態になつておるのでありましていつでも災害の起きるたんびに莫大な中金を必要といたしますので、この方面には十分来年度予算には力を書して予算を多く出して頂くように今から私、お願いしているようなわけであります。  それから農村のいわゆる疲弊しておるときに、地方税改正等によつて負担が多くなつて、非常に困るということでありますが、誠にその通りであります。私、ちよつと聞いただけでありますが、三十三年度は一戸当り五百円程度借金つたものが、すでに一年で五千円の借金を持つようになつておる、かように非常に早いテンポで農村が痛められて参つておりますので、この地方税が非常に負担が重く、今度改正されてその負担が重いということはよく分るのでありますが、今の環境と申しましようか、いろいろからいたしましてあの程度より政府として出せなかつたことを非常に遺憾と思いますが、併し国税と睨み合わせて幾分軽減されることは非常にこれは喜ばしいことであります。今後の徴税の点に当りまして、我々に善処いたしたいと、かように考えておるのであります。
  12. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 農林大臣のいろいろ誠意のあるお話を承わりましたが、大臣素人素人だということで非常に上手に言われておりますが、私は素人の方がよいと考えております。併しながら今のお話を承わりますと素人でなく……真劍にやる人だからそういうお話が出たというふうに喜んでおります。お話によります農業についての御意見を承わる前に、二十四年度の米、甘藷の報奨物資のことについて、第七国会でなかなかやかましくやつて、とうとう解決がつかなく第八臨時国会に持つて来て前農林大臣ではなかなか困難であつたものが、今度の農林大臣でいよいよ明るみを見出し、予算化は今のところ困難ではあるようだが、大体確信のつくところまで運ばれて来たように承つておりますが、大臣から一つそこまで行つてどうなつておるか一応お尋ねしたいと思います。
  13. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 報奨物資の問題でありますが、これは閣議で大体了解を得て、もうとつくに出なければならん問題なんでありまし地方に非常に迷憾をかけておるのでありますが、これは私着任以前から問題になつてつたことでありますから、いろいろ心配いたしておつたのでありますがいろいろ折衝いたしました結果、今国会にこの予算を計上する考えでおつたのでありますが、御承知のような国会でありますので、この予算の計上を取止めまして、明日の閣議法律抜本を決定いたしましてそうして今国会にこれに関する所定の法律案を提出したい、その法律案を決定すると同時に政府預金部資金預託して参りまして、中金より刻出して貰いたい、出すということに大蔵大臣了解がついた次第であります。成るべく急いで出すような考えであります。
  14. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 長いことの難問題も大体一応の解決がつくことになつたようでありまして、この点感謝を、いたします。大臣からお話がいろいろされて、又池田さんも御質問が出たのでありますが、先ず取急いでおります、早念に決つております点からお願いをし、御意見を承わりたいと思いますが、今一番急いでおりますものは金融の問題であります。そこで中央金庫は一応金融できる形になつておりますが、前の農林大臣では農村金融は挙げて一本で中央金庫で行く、こういう御方針で何もかもそういうお話になつておりましたが、今度の非常に政治力をお持ちになつております新大臣では、金庫ばかり頼つてつても非常に都合の悪いことがあるようだから公庫のようなものを作つて、そうして、長期融資をしたらよかろうと実は考えておる、まだ閣議に話をしたわけでも何でもないが、実はそう考えておる、そういうお話で成る程非常に省ける策で、ありますし、成る成らんは別といたしまして、それまで御心配願うこともこれ又非常に感謝をします。それは今からのお話でありますが、取敢えず、目下の起きているところの問題は、御承知のように金庫に二十億の引受け優先株があつたのでありますが、先頃やつと十億の債券を出して、それは十億以上に希望者があつて、金になつたのでありますが、沢山申込みをいたして起りまする。長期用の金、それから農業会から協同組合に譲渡いたしておりまする財産讓渡資金のようなもの、それから突発的に大分金が要るような問題ができて来ておりますが、現在の金庫の金繰りでは、とてもその要望に副えないということと、実は第七国会で二十億の融資が得られることが確定いたしておりましたので、その二十億の融資が確定して、農林金庫農林債権を振り出されます大体百六十億に対するものの債権の振り出した場合の引受け場所について、とても普通の民間や我々では引受けはできないから、政府で当然引受けて貰わなければならんと思うが、前に出した債券復興金庫引受けて貰つたが、今度はそういうわけにはいかんのでどうしても大蔵省の預金部でお引受を願うより途かないか、どうだろう。こういう質問をいたしましたときに、丁度大蔵大臣渡米準備中で、次官が御列席になつておりまして、本年度中に六十億くらいの引受けは必らずすると、そこで預金部の金は御承知のように早速引受けるように、ならんかも知れんから、その時分には国で何とかそれをすると、こういう実は本会議で御答弁をされたのでありますが、なかなかそれがばかばかしく行かぬので、十億の今出した債権の振出した金では、非常に工合が悪い。それにおまけに二十億優先株引受けて貰いましたが、前に出した十八億を大引きされて、金の入つたのは二億だと、こういうわけで金庫も将来は、そういう融資のできる途を持つておりましても、今非常に困つておりまするから、これは是非もう少し早くどこかでもう少し多く引受けて貰いませんと、大臣承知のようにこの間金庫理事長のようなお話をして、月に五億、一年に六十億という金を出すのは容易じやないというので、現在の金庫債権を出すまで、その百六十億で三年は出さなければならんと、こういうようなことを言つておるが、あれではとてもどうにもならんのでありますから、今のお話のような御心配も大事でありますが、現在の金庫の振り出します債券も、是非どこかで纏めて引受けて貰うように御心配願わないと、農村金融は非常に不円滑になると思います。そこで幸いにまあこの預託ができておりましたが、今丁度止つておるようでありますか、報奬物資の金でもそういう預託ができれば結構でありまして、債券が僅かでも金が融資されるので農林中央金庫で貸出される融資は、大半の金はそう長い金でなくても、預託の金でも早急に貰うとやりいいのでありますから一つそういうふうに御心配願うということと、債券を出しまするときに、何とか国の方で引受けて貰えますように御努力を願いたいと思いますがどういうものですか。
  15. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 池田さんとよく相談いたしまして、目途をうけて御返事いたします。
  16. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 それから池田さんから光に御質問がありましたが、実は今問題になつておる地方税のことでありますが、実はあそこでなかなか大勢で質問を求めても簡單な御答弁で納得の行くことになりませんし、実はここで農林関係のことは農林大臣一ついろいろお尋ねをし、聞いて頂いて、そうして十分考えて貰う方がよいのじやないかというので、実はそういう考えでおつたのです。そこで我々の仲間では昨日あそこで農林大臣質問を求めたのでありますが、昨日御臨席がなくてそのままになつておるのでありますか、そこで問題は税金賦課する時分担税力があるかないかの問題が大事なんで、それを昨日お聞きしましたが、あると思つておるというお話で、これはよく分らない。実際に今計画いたしております地方税法賦課した時分に、全部とは申しませんが大体私の見当では、全戸数の六割ぐらいは、あの賦課に対する担税力は持つておらんと思つておる。そこで、二十四年度の所得税さえもまだ滞納しておる面があります。そういうことにあるのに、あれを賦課したんでは非常に困りますが、御承知のように作つた農産物生産価格標準にして買上げておるんでないのであります。パリティー指数により、物価指数によつて価格を決められておりまして、全然今の税を徴収しようというその趣旨から副わないことになつております。これはなかなか話が面倒でありますが、私は今、長いこと小作であつて、非常に困つてつた方がやつと地主になつて、非常に喜んでやつてくれておる分が多いと思いまするが、今の固定資産賦課率によりまして計算をいたして見ますると、今年は十七でありまするから、そこまで参りませんが、二十六年、二十七年、二十八年と三年の、百分の三を基準にして考えて見ますると、賃貸価格標準にした公定価格が出ますから、それは個々まちまちではありまするが、如何にまちまちでありましても、賃貸価格区々であれば、その区々のものを計算をして、一反歩の価格、或いはそれ以上の価格を出して、計算いたして見ますると、三回拂いますと、今公定価格によつて買収をし、自分の土地なつたその価格の二倍ぐらい、三年に二倍、そうしますと、三回拂うと元買つた値で丁度土地を二回買つた金がなければ、固定資産税が抑えないという勘定になる、そうすると又土地を持つたことによつてどうも方法がつかない現状になりますことを一つ心配いたしております。この間もその土地を、納税ができなくて滞納処分をした時分に競売に付したらどうなるかと、こう聞いて見たら、なかなか分らんものですから、そういうことはなかろうかと思う、そういうことのないようにしたいと言つておりますが、そうは参りません。そこで問題は市町村の自治体のやり方でありますが、それは吏員の給料も高く支拂つておりまして、我々協同組合職員とは全然違つて、今までは随いておりましたが、今年初めて随いて行けないことになつて市町村吏員協同組合職員はずつと低くなつております、そういうわけで非常に自由思想が勃興いたしております。日本の世の中で土地作つてやりますと、なかなか最低を取ろうとしないで、やはりゆつくりした予算を組むことが非常に多くて、それが弱る、農業者が迷惑することになると思いますから、これを何とかそうならんように、今あの法律通りましても、下に実施しまする時分に、今日のお話を聞きましても中央地方を通じて減税をするというような話をされておりますが、とてもこれは遠目で、決して期待するように参りません。だから、できれば法律に入れるのが本当と思いますが、そうでなくて参りますると、十分の御注意を願うかどうかしませんと、百姓税金を拂われんと思います。私はこの間拂われんと申上げました。ところがこれは非常に困るから、何とか抑えるようにして欲しいといわれましたが、拂われません。私は断然拂われんと、こう申上げておる。これは拂わんのじやなくて、拂えない、そうでありますから、これは大いに注意して貰いませんと、百姓のみが打撃を受ける、インフレが止つて、そうして常道に近い経済になつて行くから、百姓ばかり貧乏することはないじやないか、こう理論が立ちますが、それは別に今頃来たのではなくて、長い間の皺寄せがここに来て百姓が非常に困つておりますから、この点は大臣も十分に御注意をし、できるだけの努力をして農民のために非常に困つたことにならないようにして頂きたいと思いますが、どうお考えになつておられるか……
  17. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 徴税に関しましてはあなたと全く同じような意見をたびたび聞かされるのであります。現在直面している農村の実態からいたしまして、非常に苦痛だろうということはよくわかるのであります。併し政府が提出した案は、現化環境からいたしまして、どうしてもあれを出さなければならんようなことになつておることも御存じ通りであります。徴税当りましては、我々といたしましても強力に大蔵省の方にその点を十分伝達いたす考えでおります。
  18. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 大臣にちよつとお尋ねいたしたいのですが、只今農業政策に対して大体のことを聞かして頂いて非常に安心するわけでありますが、今後の農村問題というのは非常に重大なものであると考えるのであります。それに対して最前価格の均衡の問題をちよつとお話になつたのでありますが、これは非常に大事な問題でありますが、一体こういうふうに自由になりつつあるときに、価格の均衡を図つて行くということに対しては、どういうようなお考えをお持ちになつておるかお伺いしたいと思います。  その次には、特別の農作物に対して政府は農作物の価格維持政策というか、そういつたような方法考えられるお考えはないか、聞かして頂きたと思います。農作物の価格の何といいますか、価格保証制度、これを申しますのは、実は私は蚕糸に対して特に考えておるのですが、従来糸価安定の問題がたびたび出ておりますし、過去においていろいろな方法が取られましたが、併しその糸価安定なるものは盡く生糸において安定策が取られた。併し製糸家というのは、これは一つのやはり事業家であつて、製糸家をこういう一つの政策として包含して行くということは適当であるかないか、非常に議論のあるところであります。それで私は農家生産した繭というものに対して、一定価格をいわゆる保証するという方法を取つて行くべきである。そうすれば現在の、新聞にも出ております通りに、製糸家と養蚕家が掛合で非常に争つておられる。いつまで経つても争いが決まらない。そうしてやつた結果というものはお互いにその次の繭の生産に向つて掛引のし合いをするといつたようなことが常に繰返されておる。最近各地に参りますと、養蚕熱が非常に高まつている。それは現金収入の途がなかなか今後養蚕農村としては図られない。それには何としても蚕糸業だという考えが最近抬頭いたしておりますけれども、今日の一般の情勢からいうと、過去に繰返したような製糸家との間において、非常にいやな取引をすることを非常に嫌つておる。これはどうしても蚕糸業なるものは外貨獲得の唯一の品物であり、又一両は農村の現金収入の唯一の途なのでありますので、これをどうしても適正な価格で繭そのものだけを保証するということが最も必要である。そうすれば併せて対外価格の、いわゆる或る程度価格が維持されて、そうしてこれの増進を図ることができる。それがために何としてもこの際はそういつた方向に考えることかできないものかということが第二であります。  第三には、農業経営多角化というお話がありましたが、戰時中には作付反別の統制が行われまして、自由に農家は自分の好む作物が作れないが。しかし今日においてはそれは無制限に農家で自由に作付することは許されるものであるかどうか、その三点についてお伺いしたいと思います。
  19. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) お答えいたします。農産物価格についてのお尋ねでありますが、特に米麦等についてパリティー計算がいい悪いという論が非常に多いのでありまして、閣内においても、これは内緒話で甚だ失礼ですが、池田君のごときはこれはもうはつきり生産価格で行けというような説もあるのでありまして、又本年度の麦の価格を決定するようなことに当りましても、何とかして基本の変の価格を上げなきやいかんという声があるのであります。私たちといたしましては、米価を決定する場合にどうしても基本米価をもつと上げたい、こう考えております。併しこれもいろいろな関係でなかなか思うようには参りませんが、併し農村の希望に副うようにしたければならんと考えておるのであります。  それから次は糸価の問題でありますが、私たちも日本の輸出の非常に一応有利な位置を占めておるところの生糸の糸価の安定については、常々我々も考えておるのでありますが、私が党におつたときもこの問題は非常に問題化いたしまして、特殊な何か機関を作つて外国の企業家が安心して日本の糸がいつも買えるように、変動のないようにしたらどうかというようなことで、法律案作つて出すようなところまで行つたのでありますが、なかなかどうも思うに委せないのでありますが、併し我々も思い切ることなく、日本の糸価を安定いたしまして、そうして海外の企業家に安心をさしたい。糸価が安定いたしますというと、それに連れて繭も私は安定すると思うのでありますが、あの糸の価格の高低表を見ればわかるのでありますが、非常に高低の差が激しいのであります。それに連れで繭を買入れる上において農村がいつも歪められて行くということは、非常に農民の方々にとつて気の毒なのでありまして、これを我々は糸価の安定という方面に向つて今まで考えていたようなことを諦めずに努力いたす考えでおります。
  20. 白波瀬米吉

    ○白波瀬米吉君 今御心配になつておる点を聴きまして非常に喜ばしいと思うのでありますが、ただ今日までに幾多出ており、又幾多経験しておる糸価安定問題は、それはいずれも生糸で行われたのであります。それは生糸でということになりますと、これは非常にコストが高くなるのであります。それで私の考えますのが、繭で……とにかく農家生産物として繭を適正な価格で、つまり保証すると申しますか、そういう方法をとることが一番価格も低いし、そうして又一面その糸価でということは、製糸家は何としてもこれも一つの営業でありまして、儲けることを予想し、或いはその反面損するということがあるのであります。それまでは、今日相当多大な、つまり加工費が加わつておるのでありますから、やはり繭でそういうものを取つて頂くことが最も適当である、そういうふうな考えであります。
  21. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 繭自体の価格の保証についてのお話でありますが、これを農民各自の相互保険的なものにやるか、或いは又農村と国庫がタイアップして保証制度をやるかというようなお話のようでありますが、これについては今後十分研究いたします。
  22. 赤澤與仁

    ○赤澤與仁君 新大臣から農政に関しまする御方針なり御抱負を承わりまして、非常に心強く感ずるわけでありますが、従来ともすれば、その裏付となる予算的措措にことを欠きまして、空念仏に終つておる点が多々あるわけであります。前国会におきましても、先程同僚岡村君がお尋ねいたしましたことに対しまする報奨物資予算的措置がとられるように承わりますわけでありますが、前国会におきましてはもう一つ農業協同組合法の改正に伴いまして、検査制度を実施するという場合もこの予算的措置を條件にいたしまして一応賛成をいたしましたような事柄になつておるように記憶いたすわけでございますが、で今後におきまして、その大臣の抱負を実現さして頂きます場合におきましては、今後の補正予算なり、二十六年度の予算編成の場合におきまして、相当問題があろうかと思うわけでございますが、この予算的措置の場合におきましての新大臣政治力に私共は非常に期待いたすわけでありますが、それらに対しまする御方針なり、御抱負をこの際承つておきたいと思うわけで、個々の問題については具体的な場合に御願いも申上げましようし、又ときには御批判も申上げたいと思いまして、本日はそれを省略いたしたいと存じますが、ただ一点前回の国会におきまして農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律というものが成立いたしましたわけであります。これは農業災害に関しまする補助率の五割乃至六割五分の決定が基準率として示されましたわけでありますが、過年度災害を合せまして、現在私の記憶いたすところによりますと、農業災害が百七十九億に達しておると存ずるわけであります。ところがこの法律に基きまして国の補助以外に一割というものが地方公共団体の負担になるということになつておるわけであります。ところが一昨日でございましたか、地方行政庁から七月十二日に昭和二十五年度公共事業費起債査定方針なるものが、御決定になりまして、十七日に各地方長官に通牒が出されておるわけであります。それはその地方公共団体が負担いたしまする一割につきましては、補助財源に、実質は補助財源だから起債の対象としないというような意味で起債が許されないという通牒のようであります。併し地方庁におきましては、この災害を受けた府県におきまする財政出費その他からいたしまして、これは義務負担だから起債は許されて然るべきだという考え方を持つておるようであります。勿論この点につきましては農林省に御交渉かあつたかとも思うのでありますが、この結果から見ますと恐らく御交渉なしにやられたのではないかと思うわけであります。従つて土地改良に対しましても、非常に積極的な御抱負を承つたわけでありますが、この点も非常に最初にお願いいたしますについては消極的な面で甚だ恐縮なわけでありますが、一つ大臣政治力を以ちまして、この方針を変えて頂かなければならないと思うのであります。そういたしませんと査定を受けることもできませんし、現在指令を受けなければつなぎ資金の、資金的な金融措置もできずに事業を中止しなければならないというようなことになろうかと思うわけであります。従いまして現在百七十九億にいたしましても、五百万農家のうち三百万農家に関係を持つことなんでありますので、一つ農民に対しまする廣川朗報としてこれを最初にお片付けをお願いいたしたいと思います。  それと序でに肥料公団が配給公団と八月一日から御廃止になるように承つておるのでありますが、もしそういたしますと、肥料配給公団令の廃止ということにつきまして、本国会にお出しになりまして民主的な御措置をおとりになるお考えがあるかどうかを一つ併せて伺つておきたいと思います。
  23. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 只今協同組合の改正に伴いまして、これに予算を出さなくちやならんということはよく私承知いたしております。ただ本国会には御存じのような状態で……。今日も野党各派から特に農村を中心とした臨時国会を開けという申入れがありましたので、喜んで我々は開きたい、こういう答えをいたしておるのでありますが、九月頃を目指して私はどうしても臨時国会を開いて貰う考えでおるのであります。そのときにこういう予算を私は是非認めて貰うように骨を折るつもりでございます。  それから起債の点でございますが、これは今財政委員会の方と相談いたしておるそうでございまして、法律によつて明示されておるものを、そういつたようなことがある筈がないと考えておりますが、よく相談をいたします。それから尚小さな消極的なことというようなお話でありますが、私岡田君からよく聞いておるのですが、農業は大きなことはないのだ、小さな点をこつこつやつて行くことが農業の、本当の農村の力を出すものだということを教えられておりますか、小さなことをどんどんやりたいと思つております。それから公団廃止後についての、公団法の廃止を民主的にやるかどうかというお話でありますが、これは多分民主的でないかも知れませんが、政令か何かではないかと私は考えております。
  24. 赤澤與仁

    ○赤澤與仁君 只今の第二点の問題の起債の問題でございますが、法的にそういうことがないというのじやなくして、いわゆる一割というものは地方公共団体が負担するわけなんです。併し負担いたします場合の財源がない場合に、起債に仰ごうと地方がいたしました場合に、それを認可しないということの方針を決定いたしまして地方庁に通牒を出すということになりますと、地方庁として一割負担の議決ができないという問題が、具体的に起きて来るわけなんであります。これは運用の問題でございまして、その点をよく呑み込んで頂いて一つ政治力をお働かせ願いたいと思います。
  25. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 承知しました。
  26. 小林孝平

    ○小林孝平君 本年産米の早場米奨励金と超過供出の奨励金の取扱がどうなるかということを今農民は非常な心配をしておるのでございますが、この機会に農林大臣から明確にその取扱方針をお示し願いたいと思います。
  27. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 両方共出す考えでおります。そういうような考えで進めております。
  28. 小林孝平

    ○小林孝平君 その金額はいずれも予算に計上された金額をお出しになる予定でございますか。
  29. 安孫子藤吉

    政府委員(安孫子藤吉君) 予算に計上されておりますのは、超過供出奨励金が約八十億、それから早場米奨励金が六十億見当あるわけであります。で出すということは大体只今通りでありますが、その具体的な方法、或いは率というものについては未だ決定いたしておりません。少し細かく申上げますと、麦の超過供出奨励金は一・二五倍ということになつておることは御承知通りであります。これは麦の闇価格等との事情も考慮いたしましてそういうことに相成つたのであります。これにつきましては今後の情勢によりまして、その辺の率もおのずから決まつて参るだろうと思います。率につきましては予算通りというわけでございませんが、絶対金額はできるだけ農民に戻るような方向で考えて参りたいと思つております。
  30. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 今度は少し話が大きくなりましようが、大分金の要る問題で、是非農林大臣に御盡力願いたいと思うのでありますが、問題は食糧を自給の建前で行くか行かんかの問題で、これはしばしば論議されましても日給の建前で行く。こういう話はよく聞かされておりますが、実体がそれに即しておらんのであります。で、前の農林大臣が、食糧は国内生産で足らなければ輸入をするのだというので大分問題になつたことがあるのでありますが、決して大臣はそう言つたのではなくて、止むを得ん場合には輸入をするのだと、こういう御答弁であつたようでありますが、日本の島は御承知のように非常に耕地が狭隘で人口が沢山あつてどうしてもこの人口は日本生産では養われない、こういうことが数字の上であるそうでありますが、私今からお願いをしようと思いますのは、土地の改良事業が最も必要であり、どうしてもやつて貰わなければいかんのでありますが、目指しますものは干拓事業であります。遺憾ながら干拓を相当にやりかけておつたものが中止に近いものになつたり、又大体工事が完成をしかけておつても僅かな予算のためにそれができなくなつて、非常に今まで出した国費が損を見ておる部面も多いのでありますが、何といたしましても干拓ということは、山の上や山の横つぺたからやつても駄目とは言いませんが、非常に生産の割が鈍いのでありまして、何としても干拓はくぼいところをやるのが一番いいのでありましてこれは日本にはまだまだ沢山これから干拓の新規事業を始める部面も多いのでありますが、今手をかけております日本の干拓は急速に、少し無理でも予算を計上して買いましてそうしてでつち上げるように進めなければならんと思つております。  でこれは非常に陳情が参りまして、慎重に協議をいたしていろいろ聽いて見ますると、いずれも普通ならば放つて置けない。直ぐやらなければならないと思いましても、予算の関係がありましてなかなかそうできなくて日和見をいたしておりますので、非常に残念でありますが、これは日本の国は御承知のような島国で、どうしても他国を頼つて日本の人口を養をうといたしておりますことは、これは金輪際間違いであります。どうしても国の人口は国の生産で十分にやつて行けると思つております。私は現在の数字の上に現われた食糧の不足というものは不足には違いないが、これは大分開きがあります。役所の方で集計した数字と実際の穫り高は、大臣承知と思いますが相当開きがある。これは今そこに出ております数字から見ますると大分上向つておることは事実でありますが、これは順調に補うような価格で増産さえすれば必ず日本の人口を養えると考えておりますが、そこで問題は、現在でも配給いたしましても配給辞退ということで、非常に国民が何ぼでもいいものが入つて来るという観念を持つておりますために、配給をすれば辞退を、する。辞退をすれば非常に困つて、そのままで腐つたり、又現在の粉、これは酸つぽくなつたり何だりして、味が悪くなつたり非常に困るんでありますか、食糧がそう人づて来ないで日本食糧で間に合わせるということで少々まずくてもお互いが取るようにということにすればいい。俄かに賛沢になつて行くということは結構でありますが、さて朝鮮のあの事変が出たために、非常に食糧に脅威を與えて、買溜をしたり又いろいろな心配をいたしておりますが、これはどうしても根本は日本生産を上げて、国民を養う計画を立てるのでなければ、到底行かれないのではないかと思つておりますが、それには今申上げましたように、一番重要な、一審金はかかるが面積の割に収穫の穫れるのは干拓事業でありますが、私は終始一貫どうしても干拓事業をする場所のある限り、日本はどうしても干拓事業をやらなければいかんと思つておりますが、大臣はどう考えておりますか。
  31. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) お説の通りでありますが、この朝鮮問題を契機といたしまして食糧自給度を高めようという輿論が起きておりますが、これは非常に我々といたしましてはいい輿論だと思つておりますので、この輿論を実際施策面に活かすことが私は大事だと思つておるのであります。その一番手取早い干拓をすることが大事だから大いにやらんかというお話ですが、私も十分やりたいと思います。ただここで私大蔵省といろいろな話をして、予算の話をしていて感じておるのですが、どういうものか大蔵省には今まで内務省のあつた当時、内務省の予算農林省予算を多く削つた者が成績がいいのだというような悪風があるのでございますが、どうか皆さんの力でこういうものをぶち壊して貰いたいと思うのであります。いつも農林省が悪いことをくうのは、そんな考えが今でも残つておるやに聞いておるのであります。どうか皆さんの御援助をお願いいたします。
  32. 門田定藏

    ○門田定藏君 新大臣食糧問題について一つお尋ねしたいと思いますが、昨年の国会において森農相に私が外米輸入の件について質問いたしまして本年の外米輸入は価格についではつきりとアメリカならアメリカその他他国から輸入する食糧価格をお尋ねしたところが、大臣はまだ価格が決定していない、或いはひよつとしたら某方面から只で貰うかも知れない、それで価格が決定していない、こういう答弁で、それでは価格が決定したち又お尋ねしたい、その後お尋ねいたしましたけれどもまだ分らない、新大臣はこの問題についてもうこれはすでに本年も七月になつておるのですから、各国から日本に輸入するところの米の価格はおわかりになつておるだろうと思いますので、それを先ずお伺いしたい。  第二は、私は無制限に二千万石内外の米を輸入する、外米を輸入するということはこれは考えて貰いたい、このことは政府に度々申上げておるのですが高い、日本産の主食より、殆ど倍もかかるような食糧をどんどん輸入するために、今岡村委員から言われたように、国民食糧が一時豊富になつたために賛沢になつた、これ国策として十分我々日本国民が心しなければならん問題だと考えます。そこで私は今の政府外国米に出すところの高い価格差を、これを日本農業の、農民の生産なり、供出方面にこれを利用したならば、まだまたもつと増産なり供出ができると思うのであります。この頃農村を廻つて見ますというと、集団的に何十石、何石というような濁酒の違反が沢山ある、それから東北の方においては五十円が切れるような価格でどんどん闇米が流れる、これを政府はどういうふうに……内地米の生産なり、農民の実際の経済調査せずに、そうして一時米を輸入したために、こういう現象が起ると思うのであります。私は一町ばかりの百姓をやつておりますか、日本の供出政策、これをあんなに、供出すればする租税金で吸上げるようなことをすれば、農民は却て供出してもその増加供出に対する費用を税金に取られてしまう、それで闇に流したり、濁酒を作るということが全国的に行われる、これは実質的に本当に日本から出たものを成るたけ国民が利用して、そうして本当に足らんところを輸入するという政策を取つて貰わないと、日本農業政策は何回経つてもよくないと思うのです、こういうことについて新大臣は如何なる、どういう御方針でおられるのか、一つ方針を伺いたいと思います。
  33. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 外国から入る米に対する価格差補給金を、日本農業生産方面に振向けて自給度を高めて行け、こういうことですが、これは全く私も考えております。それから外国から入つて来る米の値段につきまして朝鮮は百四十ドル、タイが百二十ドル、麦が八十ドル乃至九十ドルだそうであります。この価格差補給金を高度に内地に利用することは最も好ましいことであります。そして又内地の自給度を高めて本当に足らないところを入れる、こういう方針が一番正しい考えであると思います。
  34. 門田定藏

    ○門田定藏君 私がこの問題について農民五百万戸と見て、私の耕作上から考えても、相当五百万石内外の農民の供出が、農林行政によつてこれは可能じやないかと思うのです。どういうふうにしたならば、この農民が生産なり、供出なりそういうふうな相当な米を供出するというような新大臣としての御見通しがあれば、私も父御意見を聞きまして私の考えているところを申上げて協力してやりたい。若しそういう大臣のお考えが、今大変賛成して貰つたはいいが、大臣の御抱負があれば御発表を願いたいと思います。
  35. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この供出後の余剰保有米と申しましようか、これを吸上げるのにはどうしたらよいかということは、前々からみんなで心配していることなのであります。特に濁酒等についての話もあなたの御説の通りで、すでにあの高い酒が東京辺りの市場でも闇酒に圧迫されて売れなくなつている位に大量に生産されております。供出後の多く持つている米を、何とか楽な気持でこれを中央に集める、こういう考えを我々党におつた時代も考えておりましてそれで切符制だとか、或いは又供出後の米には税金をかけないようにしようとか、或いはその他の方法を非常に考えたのですが、なかなかそこまでいかんのであります。で、供出米の済んだ後、自由販売にしようという考えで我々はおるのでありますが、そこへ朝鮮問題が起きたので、実は今我々は足踏をしているようなわけでありますが、よくいろいろな官規と睨み合せまして案を立てたいと思つております。
  36. 門田定藏

    ○門田定藏君 只今農相は供出後の米は自由販売を考えておるということを仰しやいますが、我々農民の実情を調査した結果によりますと、自由販売ということになると、現政府が取られておるあの米劵制度というようなことも聞いておりますが、自由販売ということになるとやはり米は金持の方に集つて、一般勤労階級が高い米をよう買わんからして、特殊の階級の人にのみその米が集つてこれはいけないと思う。そこで私はこれは政党政派を超越して本当に日本の国策として大臣考えて貰いたいと思いますが、大体農民が超過供出した分は、総合所得にして税務署がうんと税金をかけて来る。そこで或る人の話を聞さましたら、私はもう五六ヶ所も研究して見ましたが、超過供出して金を取つたけれども、税を計算して見たところが損だと言う。そこで安くても闇で米を流して、そうして隠した方が得だ、こういうことになりますと、結局今大臣が言われたように、自由販売で一部に米が固つて、そうして一般勤労大衆は普通の公定価格の米を食うことができんことになる。私は税の方面でも今も岡村さんの言われたように、我々の作つた米は本当の生産価格買上げられておらない。そこでこの点をしつかり大臣は考慮して頂いて、ぜひ我々は何とか特殊の方法でも講じて農民の超過供出に対しては、すべての主食はそういう総合所得のようなことをして、義務的に国民政府が安い米を出さしておいて、それを普通の一般に利益のある品物と同じ税を課けるということは、我々はどう考えても不合理なことだと考えますので、この点は一つ大臣はやはり我々と本当にお坐なりの質問答弁でなく、しつかり農民の立場を考えて頂いて一つ力瘤を入れて、今度の新農相はこの問題について御協力して貰わなければならんと思います。これは希望意見のようですけれども、後日又しつかりと大臣にお願いするかも知れませんから、そういう点で一つ私の希望を述べておきます。
  37. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 全くそれはお互いにこれは真剣になつて考えなければならんことで、この問題で私は池田君とこういうような話をしたことがあるのです。これは参考に聞いて頂くのですが、千二百億乃至千四百億滞納金がある。それであつてさえも国の財政は運行して行くのだ。超過供出くらいの小さな金を、こいつを削つたつてちつとも差支ないんじやないかというようなことで、池田君と大分やり合つたのですが、数字でごまかされて私は負けるのですが、(笑声)これは何か別な方法考えて、あの農家の持つておる、特に單作地帯の持つておるこの余剰米を、何とか楽に気持ち良く出せるような方法を是非お教え願いたいと思つております。
  38. 溝口三郎

    ○溝口三郎君 私は食糧増産と土地改良問題についてお伺いいたしたいのであります。  先程大臣の御説明でも食糧の国内の自給化を図りたい。それには土地改良を第一に考えるという誠に結構なお話でありますが、これにつきましては前国会でも総理の施政演説にも国内の食糧の自給化と農地の改良保全をやりたいというようなことでごさいましたが、本年度等の事情を見ますと、美は土地改良土地改良ということか非常に言われておりますが、土地改良予算は僅かに本年度あたりは三十億くらいしかないのであります。それで増産の目標はいくらかといいますと、二十九万石であります。今輸入食糧が三百万トン入つているときに、食糧の国内の自給化を図るために三十億くらいしか現在はないような実情であります。これは地方においても非常に要望があるのでございますが、殆んど手を束ねて待つているような状態であるのであります。自由党あたりでも土地改良の十年計画とか、又来年度は四百億を出すとかいうような噂も地方では広がつておりまして、非常にこれを期待しておるのでありますが、この点については積極的に一つおやりになる目標と、或いは計画等が政府におありかどうかを一つお伺いいたしたいと思います。  その次にお伺いいたしたいのは、先程大臣の御説明の中に、土地改良をやつて行くその種類でありますが、用排水の改良とか、畑地灌漑等を是非やつて行くというようなことを先程御説明があつたのですが、畑地灌漑というのはこれは非常に有効な施設だと思います。今まで殆んどなかつたのでございますが、これから新しくお取り上げになる反当収量も畑地の二倍にもなるので非常に結構だと思いますが、ただ用排水というと、今までの考え方から行きますと、これは大体農林省のおやりになつておるのは非常に大規模なものだけをやつておられる。畑地灌漑というものもその性質上から言いまして、一団地のところへ灌漑の施設をやるというようなことで、いずれも考えますと抽象的にどうも大団地のところを改良をやつて行くという御趣旨のように取られるのであります。地方におきましても無論こういうものも要望はしておるのでございますが、この点も是非積極的にやつて頂きたいのでございます。  もう一つ地方の山間僻地も、土地改良を是非やりたいというようなところは、そういう大きな団地は実はないのであります。いずれも小団地であつて、而もそのやることの必要は非常に多いのであります。こういうものは去年今年あたりは殆んど全部予算がないのであります。是非ともこういう小団地までも普及できるように畑地灌漑、用排水というようなことの御説明が実はないのでありますが、客土とか暗渠排水というふうなものも、これは昨年あたりから全然やつていないのであります。暗渠排水とか客土というのは、御承知のように食糧増産という面から見れば非常に効果の多い仕事です。実は土地改良というのは初めて十八年にいたしたのでありますが、十八年当時一冬に二億七十万くらいの予算を出した。今で考えますと一冬三百億くらいの経費を出しているのであります。十八年も、十九年も、二十年は混乱しておりましたが、二十一年も二十二年も大体三百億くらいの土地改良費でやつたのであります。そうして客土とか暗渠排水というようなことで六割五分から八割ぐらいまで食糧増産をやつたことがあるのであります。ところがそういう非常に効果の多いようなことになると、政府は先程大臣お話にありましたように、そんなに効果の多いものならば補助金は要らんじやないかというふうなことで、大蔵省なり経安本部で蹴られるとそれきりになつてしまつて、今年あたりは殆んどやつていない。こういう十八年、十九年にやつたようなものは、丁度更新期も来ておりますし、これは地方でも非常に要望があるのでありまして、先程の御説明の中には、今年も同じように暗渠排水、客土といつたようなものについては、予算に余り積極的に載せないのではないかというような印象を私は受けましたので、是非ともこういう点については考えて頂きたいと思います。ただ地方で言うておりますのは、大きなところばかり取上げて、小さなものは殆んど見ない、そういうような考え方を農林省は持つているのかというようなことを聽かれますが、この点についても明確に一つ答弁願いたいと思います。  もう一つお伺いしたいのは、農地の保全ということでありますが、これは農地の改良保全ということを一口に言われておりますが、無論水害は今年も大分出ておりますし、水害復旧の促進は是非ともお願いいたしたいと思います。水害防止のために治山治水というようなことは先程お話もあつたのでありますが、私共農業土木上から考えまして、防水溜池とか温水溜池というふうな施設が僅かにあるのでありますが、私は日本の水田の灌漑水温というものは、三百万町歩の水田殆んど全部が冷水の害を受けている。これは少し温度を上げれば、僅かの施設でもすれば、食糧の増産になるので、今年のうちに是非水温の上昇施設というものをやつて頂きたいと思います。これは二、三年前に農林省もやつたのですが、そんなに効果があるならば補助金は出さないというようなことで、皆大蔵省あたりで切つてしまつたというようなことがある。是非こういうことについては大臣政治力予算をうんと取つて頂きたい。  もう一つ防水溜池というのがある。これは水害の防止のために私は非常に有効な施設だと思うのです。御承知の、中央線の與瀬にダムがあります。あれは昭和十年に実は農林省計画を拵えて、最近でき上りましたが、あのダムは発電と上水道、灌漑用水と洪水防禦、その四つの目的を持つたダムでありますが、あれと同じ構想を持つた、もつと小規模のものを私は山間渓谷に分散配置すればいい。例えば日本で十万ヶ所くらいの小さな小堰堤を拵えますれば、與瀬のダムは六十ケ所に匹敵すると思います。それが若しできれば三百万町歩くらいの水害の防上は完全にできると思つております。こういうものについても殆んど現在二、三年前には金額国費でやつたのでございましたが、十ケ所くらいやつた、今は予算関係で殆んど出ていないようでありますが、農地の保全ということも一つおやりになるならば、そういう方面に積極的にやつて頂きたいと、こういうことについて大臣の御意見を承わりたいと思います。
  39. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 専門家の溝口さんからいろいろ教えられて有難うございます。これはあなたのおつしやるような通りのことを農林省の当局としては十分研究して持つておりますが、それをあなたの御存じのような情勢で蹴られていることを私は承知いたしております。それで今度はそういうことのないようにというので、安定本部長官は農林省のことをよく知つているので、私は都合がいいと思つているのでありますが、又池田君もどうしても教育しなければならんと思つて私は始終池田君のところに通つているのであります。(笑声)何とかして閣議におきましても農林予算と、それから公共事業費は本年は最優位に置くということを認めさしておるのでありまして、でき得る限り取りたいと思いますが、まだ力が足ませんからどうか御援助を願います。
  40. 三好始

    ○三好始君 お尋ねに入る前に一点お願いいたして見たいのでございますが、それは先程門田委員からお尋ねのありました輸入食糧価格に関連した問題なのでございますが、一応大臣の方から御答弁があつたのでありますが、我々にとつて詳細に承知して置かなければいけない問題でもありますので、食糧の輸入状況、これは数量、価格、輸入先等を含めての状況でありますが、こういうものを今会期中に資料としてお出し頂けるかどうか、お出し頂けるのであつたならば是非お願いいたしたいと思います。
  41. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 資料お出しいたします。
  42. 三好始

    ○三好始君 第一に私のお尋ねいたしたいのは、農林省の機構に関係した問題でありますが、前国会の内閣委員会農林省設置法の一部改正案が提出された際に、私から一応大臣にお尋ねいたした問題であります。それは戦時中以来の日本農林省の機構が農業政策の重点が、何と申しましても不足しておる食糧であるとか、農業川の資材等を中心に運営されて来たような関係もありまして、機構そのものも総合的な農業政策なり、農村対策を十分考慮したものになつておるかどうかについては、このあたりで検討して見なければいけない時期ではなかろうか、こういう気持が一応いたすのであります。嘗て農林省経済更生部が設けられて総合的な施策の上で、相当効果を発揮したことを私達記憶いたしておるのでありますが、そういう形に相当する本省機構を設ける意思がありますかどうか、という点を先ずお伺いいたしたいのであります。これは農業政策の重点が、農民経済の安定といつたような方向に向けられねばならないときに、一応考えて見なければならない問題ではないかと思つておるのであります。この点に関する大臣のお考えを先ず承つておきたいと思います。
  43. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 経済更生部というものかあつて農村の総合的なことをやつたことがあるというお話でありますが、今のところまだ機構そのものを、私改廃しようと考えておりませんが、よく相談いたしまして、実際に副うようにしなければならんと思つております。
  44. 三好始

    ○三好始君 前国会会における政府委員の御答弁では、特別に総合的な機関を設けなくても、現在ある局なり課なりの連絡を緊密に取ることによつて、相当目的を達することができるのではなかろうか、こういう御答弁であつたのでありますが、一応そういうふうにも考えられますけれども、農村の実情の推移如何によつては、嘗ての経済更生部に相当する機関を設けることが、より効果的だということも起つて来ると存じます。将来の問題として是非、御研究を頂きたいと思います。次に地方税法案に関係して、具体的な問題を数点お伺いしてみたいと思うのでありますが、この点につきましては、昨日連合委員会で、岡野国務大臣その他にお尋ねいたしたのでありますが、私としては農林当局の御意見をどうしても伺つて置きたい、こういう気持がいたしますので、具体的な点、数点に亘つて順次お伺いして見たいと思います。  地方税法案を農業政策的な角度から検討して見ますというと、私達にとつては納得の行かない不満な点が相当多いわけでありまして、すでに前国会におきましても参議院の農林委員会として修正意見をまとめて申入れをしたようなことになつておるのでありますが、これらは今回の法律案の中にも考慮せられておるとは申せないのであります。先ず第一番に附加価値税の問題でありますが、私達の気持から申しますというと、農業協同組合のような特別法人に対しては、附加価値税を課税しないということが望ましいのではなかろうか、こういうふうに考えるのであります。これは勿論農業協同組合の性格からこういう結論も出て来るわけでありますし、日本の零細な農業経営自体の実情からも考えられる問題でありますが、昨日岡野国務大臣にお尋ねいたしましたところ、非課税の範囲はなるべく拡げないことが望ましい、こういう意味の御答弁もあつたのであります。成る程租税政策的な角度から申しますと、そういうことも一応言えるかも存じませんが、農業政策的な角度から考えますというと、私達はどうしても協同組合に対しては附加価値税をかけないということにして貰いたいと思うのであります。これは農業自身に附加価値税がかけられないわけでありますが、その農業経営の一環と考えられる協同組合の事業に附加価値税をかけるということは、農業経営合理化を阻害するような結果にもなりはしないか、こういうふうにも考えられますし、現在の農業協同組合の経営の実態から考えましても、附加価値税をかけることが協同組合の経営上の危機を一層深刻化するような結果が起りやしないかということを憂慮いたしておるのであります。農林大臣がこの点についてどういうお考えを持つているかということと、この点について若し私達と同じような見解に立つておられたとすれば、直接の地方税法案を立案した岡野国務大臣との間でどういう折衝を行なわれたか、承わりたいのであります。
  45. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 便宜私からお答えを申上げたいと思います。協同組合に関する課税の問題は農林委員会の要望があるばかりでなく、農林省といたしましても数次関係当局と交渉を進めて参つたのであります。ところが、御承知通りに産業組合時代には法律で非課税のことが決められ、戰時中においては特殊法人としての減税をやつてつたのであります。今回はシヤウプ勧告案に基いて減税をやらないということが現在の法律の建前になつておるようであります。そこで先般来もこの問題で自治庁へ私就任以来いろいろ意見を質して見ますると、何條でありましたか、減免の中にいろいろ規定されておる事項の中で、協同組合が或る一定の利益を取る、その場合において附加価値に相当すべきものを割戻しをする方法考えられれば、それによつて或る程度の減免のことが実質上考えられるのではないか、これが一つと、それからお尋ねと直接関係はないようでありますが、協同組合中、例えば指導、教育等の関係の仕事をやつておるものは多く負担金の收入によつておるのが実態でありますので、そういうような部面は附加価値の中から除外するということを自治庁当局も言明いたしておるような次第であります。現在のところこの程度で、客観情勢がこれ以上を望むことは止むを得んのであるという結果になつておることは遺憾でありますが、実施後においての問題は更に研究を進めまして、農林省としては農民の立場からできるだけの努力を進めたいと考えております。
  46. 三好始

    ○三好始君 只今の御答弁の中で附加価値税に相当するものの割戻しといつたようなことがあつたと思いますが、その点についてもつと具体的な御答弁ができましたらお願いいたしたいと思います。
  47. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 丁度今ここで條文を持つておりませんから、何條でありましたか、例えば販売手数料を取つた、それを手数料の中から十円なら十円のものを取つた、それを幾らかのものを割戻すという方法考えられます。それから今一つは手数料の代りに負担金の形を取る方法一つ考えられるのじやないか、これは立場は違いますが、前国会において本多国務大臣にも私他の機会にいろいろこの問題を質問申上げたことがあるんですが、当時の自治庁の考え方もそうであつたようであります。大体今申上げたようなことで進行することが一つ方法考えられております。
  48. 三好始

    ○三好始君 次に市町村民税であります。農業政策的な角度から農民負担を軽減する目的で、改正所得税法によつて扶養控除の対象になつておる者には市町村民税をかけない、こういうことにして貰いたいのが私達の希望なんでありますが、この点について農林省側ではどういうふうにお考えになつておるかということと、この点について地方自治庁当局と折衝されたことがありましたならば、その経過を承わりたいのであります。
  49. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) この問題につきましても御希望のありまする点、農村の立場、農民の立場から、いわゆる農家の次男三男に対する、いわゆる農業專従者に対する本税免除のことであろうと思うのでありますが、本日も衆議院の委員会においてこの問題も取上げられて、自治庁の方からも答えがあつたのでありますが、例えば農家の中で次男三男が実際の所得の計算上、今度は所得税の基礎になるのが分れるのでありますが、世帶主としての收入になつてつて、所得として上せざるものについては、地方税中で市町村條例で或る程度まで減免のことが決められるという答弁もいたしております。又、農林省としては交渉の結果は地方の事実問題によつて判断するというふうに、自治庁との交渉は進めておつたようでありますので、現在のところそれ以上ははつきりしたことは申上げかねまするが、尚、府県條例或いは市町村條例で決める場合における措置については尚更に自治庁との間に交渉する考えでおります。
  50. 三好始

    ○三好始君 只今のお答弁によります、と、相当彈力性が残されておるような模様でありますので、農林当局といたしまして十分に折衝されるようにお願いいたしておきたいのであります。  次に、同じく市町村民税に関しまして、すでに土地改良及び耕地整理組合等は非課税になつておるわけでありますが、農業協同組合農業共済組合等も同様の取扱いをすることかできないかどうか、こういう問題なんでありますが、これについて農林当局としてどういうふうにお考えになつておりますか。
  51. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 住民税の問題だと思いますが、住民税についても特別法人として税の減免をやつて貰いたいということの希望は再三その申出でを進めて来たようでありますが、現在のところはそこまで参つておりませんので、今後更に資料を以て十分折衝を重ねたいと存じております。
  52. 三好始

    ○三好始君 次に固定資産税に関しまして、数点お伺いいたしたいと思うのでございます。  農業に対して附加価値税が課されないのは、固定資産税を相当取ることになつておるのでかけない、というような意味のことを地方税法案の提案の理由の御説明の中にも言われておつたのでありますが、土地、家屋等を対象にした固定資産税を相当納めなければならないのと同時に、それ以外の償却可能の農業経営上の資産についても、やはり固定資産税がかかることになつておるわけであります。私は農業政策的な立場から申しますというと土地、家屋を除く農業経営上の資産に対しては、附加価値税をかけないということが望ましいと思います。これは今日最も痛感せられておる日本農業の近代化の促進という点から考えまして余り経営上の設備等に対して税金をかけることは近代化を阻害することになりはしないか、こういう気持もいたすのであります。むしろ今後の農業合理化を保証するために、近代化を促進するためにも、土地家庭を除く事業上の資産に対しては、固定資産税をかけないということを認めて貰いたい、こういう気持がするのであります。これについての農林省当局のお考えを承わりたいのであります。
  53. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 現在の提案されておる税法の免税点は一万円ということが大体予定されておるのであります。併し、お話通り農業経営の点、殊に農業近代化の機械力導入の点からいろいろ実例を上げて農林省は自庁治へ交渉を進めた結果、大体農業用の資産についてはなるべくかけないという指導方針を以て進むということで話合を進めておるようであります。電動機、或いはその他のトラクターというようなものを除いては、大体非課税の方針で進んで貰うように尚更に折衝を進め、且つ市町村における條例設定の場合においても、さような考え方で進むように自治庁と交渉を一層進めたいと考えております。
  54. 三好始

    ○三好始君 同じく固定資産税の問題で土地改良及び耕地整理組合農業協同組合農業共済組合、こういう特別法人の所有する固定資産については非課税にすることがやはり農業政策的な角度から見て好ましいのでありますが、これについてはどういうふうにお考えでありましようか。
  55. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 考え方としては、先程御答弁申上げた通りでありまして、それを進めたいと考えております。ただここで特に申加えたいと思いますことは、いわゆる農業経営の立場から土地に関する問題については、主としてさような考えを強力に進めたいと考えまするが、家屋についてはなかなか理論的にも、或いは判別をする場合にも困難なる事情がその間に介在することだけは交渉の経過においてあつたようであります。
  56. 三好始

    ○三好始君 次に昭和二十五年度分の固定資産税を課する農地の課税標準の問題でありますが、この問題は楠見議員、それから片柳議員等より連合委員会において強調された問題でありまして、公定価格の二二・五を乗じたものを課税標準にするということは、現在の農業の実情、収益力から考えて非常な無理があるのではないか、こういうことからその引下げが望まれるのであります。殊にこの二二・五という係数は賃貸価格の九百倍に統一するという方針から生れて来た係数なのでありますが、農地の公定価格賃貸価格の田の場合は四十倍、畑の場合は四十八倍ということになつておりますので、二二・五という係数を農地全般に適用するときには、畑の場合には賃貸価格の千八十倍に対して固定資産税がかかる、こういう不合理の結果が起るのであります。私はむしろ九百倍ということを固執せられる態度を取られるのだつたらば、むしろ少なくとも畑の場合に九百倍にして田がそれよりも軽くなる、せめてこの程度の考慮でもして貰いたかつたのでありますが、とにかく九百倍に統一するというところから、畑の場合は殊に千八十倍という不均衡な結果が起つておるのであります。これについて二二・五という係数を引下げる必要があるという我々の主張に対して農林当局かどういうふうにお考えになつておるかということと、恐らくこの点につきましても今までに相当折衝されたことだと思うのでありますが、その模様を承わりたいのであります。
  57. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  58. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 速記を始めて。
  59. 三好始

    ○三好始君 次にやはり固定資産税の問題でありますが、開田、開畑、土地改良施行地、こういうところに対して、減租年期を認めるということは、これは歴史的に考えられて来た農非政策上の一つの問題であつたと思うのですが、この点は地方税法案では考慮せられておらないように考えるのでありますが、農林当局はどういうふうにお考えになつておりますか。
  60. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 先程の小作料の倍率資本還元の倍率の御意見通りでありまして、折衝は同じように進めたのでありますが、結果においては前段申上げました通りであります。御了承願います。
  61. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それでは地方税の問題に関連しまして、楠見さんから委員外発言を求められておりますが、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  62. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 御異議ないと認めまして、許可することにいたします。
  63. 楠見義男

    委員外議員(楠見義男君) 委員外でありますが、お許しを得まして発言させて頂きます。丁度今三好君から御質疑になつておりました農地に対する固定資産税の倍率の問題であります。この問題については、昨日連合委員会で岡野国務大臣に私から、又片柳君からも質問がございまして、私はその際に農林大臣とよく打合せをして返答して貰いたい、こういうふうに言つておいたのでありますが、従つて或いはお耳に達しておるかとも思いますけれども、趣旨の不徹底になるといけませんから、この際改めて大臣に申上げ、又場合によつては御所見を伺いたいのであります。丁度三好君が今お話がありましたように、今回の固定資産税において、農地の課税標準は現在の農地調整法で定められておる公定価格の二二・五倍にする、こういうふうになつておるのであります。ところが現行法で、現在の農地調整法で定められておる小作料、最近は前年に比べて七倍上つたようでありますが、その小作料を資本還元いたして参りますと、只今申上げた二二・五倍に相当する課税標準は、大体七八倍、多くとも八・九倍という程度になります。又農地調整法において今回も提案されておるようでありますが、その場合に純経済的の立場から農地の価格を公定せられるような気構えもあるようにも承わるのでありますが、そういう場合に、税の面から見た課税標準と……課税標準は当然実際の経済価格に即応ずべきものであると思いますが、その課税標準と一方農地調整法の立場から、農政の立場から、そして又農地改革の後の農業経営を合理的にやらして行くというような農政上の立場から純経済的に定めた農地の価格がその間に矛盾撞着があつては、地方自治庁も日本政府の機関であるし、農林省日本政府の機関であつて、同じ日本政府の機関の中でそういうふうに政府意思が不統一になるということは非常に不合理ではないか。従つて実際の見地に即して農政上の立場から、又農業経営の立場から農林大臣が農地調整法において定める純経済価格に即応して課税標準をとるべきではないかということを質問いたしました際に、先程も政務次官からお答えがあつたように、一般の固定資産税の九百倍の倍率というものに調子を合せて今回はそういうようにしたのだ、こういうことであります。そうしますと結局その課税標準が採用せられるということになれば、勢い小作料に改訂を生ずることは当然であります。小作料に改訂を見るということになりますと、この問題は当然に米価に影響して来る。米価は現在はそういうような小作料の要素を採入れておらず、御承知のようにパリティー計算指数でやつております。そこで新らしい地方税に基いた小作料が、課税標準が定められそうして小作料が当然上げられなければならんということになれば、米価はどうするのだ、こういう質問に対して、それは当然地方自治庁としては米価の改訂があつて然るべきなのである、こういうように言つておられたのであります。そうすると結局我々はまさに目睫に追つた本年度の米価の決定、又今後の米価の決定に当つてパリティー計算方式が、これは随分固執された方式でありますが、そのパリティー計算方式が改訂せられるものと了解してよろしいかどうか、そういたしませんと、今申上げたように單に税の徴税の立場から農地価格をアトランダムに決められたのでは農政上非常に迷惑をする、従つてどうしてもそういうふうな立場からやるとすれば、当然米価の算定方式は改訂せられるべきものと了解しない限りは、今回の税法は再び農林関係の者にとつては呑めない。そこでその点を十分に農林大臣と御相談のあつた上で返答して貰いたい、こういうことを言つているのであります。いずれ岡野国務大臣からも伺うつもりでおりますが、若しまだ御協議でなければ別の機会に伺いまするし、若し御協議が済んでいるといたしますれば、この際その点を伺つておきたい。
  64. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 先程メモが来まして相談したいということが、多分そのことだろうと思いますが、よく相談いたしまして御返答いたします。
  65. 楠見義男

    委員外議員(楠見義男君) もう一点これは農林大臣も含めた事務当局全部の農林省の方にこれはお願いでありますが、同じく協同組合に対する附加価値税の問題で昨日質問をいたしましたのでありますが、指導事業を行う農業協同組合、これには附加価値は当然ないのでありますから、質疑応答の結果勿論これはその方は非課税というか、課税客体がないので問題はないのでありますが、例えば販売事業について質問をいたしましたところ、附加価値税の非課税の対象になつておる農業の中には、当然農家がその生産物を販売する事柄も農業の中に含まれておる。こういうことでありました。併し農家が庭先で売る場合には附加価値税はかからないが、併し或る一定の建物でやる場合には附加価値税の対象になり得る。況んや農業協同組合でやる場合には対象になり得るような話でありました。その理由は結局販売業者と同様の立場に置きたい、こういうことでありました。私が今ここでこういうことを申上げるのは、法律の運用の問題に帰著し、法律の解釈如何によつては当然我々が年来、前国会以来主張しておつたような目的が達せられると思いますので、その法律の解釈なり、運用の上において、農林省の更に一段の御盡力を願いたいという意味で申上げるのでありますが、今申上げましたように、農家が自分の庭先で売る場合には税はかからない。こういうことであれば、協同組合の仕事として、或いは部落の実行組合の共同販売事業として、お互いが持寄つて、そうして物を販売する。こういう場合にはそのものについての附加価値は実はないのであります。附加価値の対象として考えられているのは、そういう場合にお世話をやく、斡旋をする人の人件費にかかる、こういうのでございます。併し如何にもこれは共同販売事業として政府が従来から奨励されて参つており、農家の立場からいつても、又購入側の立場から申しましても、例えば主要食糧のようなものについては、協同組合において、言葉は適当でありませんが、政府は共同購入を、一括購入をしておるようなものでありまして、その間附加価値の対象になり得べき筋合のものではないように思うのであります。従つて先程から申上げましたように、農林省の御努力と申しますか、御盡力如何によつてはこの問題は法規運用の問題として、或いは解釈の問題として、おのずから解決の付く問題であると思いますので、この点は特に大臣以下の御盡力を煩わしたい。これはお願いでございます。どうか一つ……
  66. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 承知いたしました。十分努力いたします。
  67. 土屋俊三

    ○土屋俊三君 冒頭に大臣から治水治山のことについて、新農林方針として承わりまして、大変心強く感ずるものでございます。だが、現政府の行なつておる政策の上から、ここに矛盾撞著がありはしないかという感を承わるのであります。それは何であるか、食糧増産という見地からお考えになつておる施策だと思いますが、山林を開墾し、平地林を開墾する面積、これは引揚者に職を與えてやる一面、食糧増産に貢献するというお建前からなされておることと思いますが、過般成る統計学者が出したのに、今の状態日本のこの山林を植林して行くのと、伐採して行く状態からすると、三十年の後に日本の山はから山になる。こういうようなことを言つております。憂うべき見地から治水治山に志しての政策だと思う。一面尚この問題を継続して食糧増産のために痩せた土地を、馴れない人に、引揚者に職を與えるために開墾事業を助成し、開拓させて今後行くつもりか。これであると、今農林大臣のおつしやつたことと、ここに矛盾撞著がある。食糧増産は結構なのであるが、外に職を與えて食糧増産の方針は、肥料問題もこのように自由になつた。反当割の……現在馴れた農家生産意欲を高めて、一反歩から余計に穫るという指導目標を立てて行く方がいいのじやないかと、私の私見ですが、思うものであります。果してこのような政策でやつて行くとするとここに矛盾があると考えるので、お伺いする次第であります。
  68. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 治山治水についてお話のようなこともあつたようであります。適地でないところに入植さしたことがありまして、いろいろな批判を受けているというようなこともあつたようでありますが、適地にはやはり農村の次男、三男の人の耕作地として、やはりこの開墾はやつて行くのがよろしいと思います。今のようなことのないようにして行きたいと思つております。
  69. 土屋俊三

    ○土屋俊三君 もう一つ極めてこれは小さなことで、先程委員長大臣の間に私語された言葉から感を強くし、意を強めて立つたのでありますが、極めて小さなことでありますが、早生米一に、早期供出した農家に奨励金を與えるということが今まで行われて、九月幾日に…、こういう三回中間に奨励金を出す、今年も出す。これは端境期を乗切るために、早く出して貰うという見地から奨励金を出すというお考えか、それとも農家が非常に自分の食べる物も後廻しにして、一般消費者がやはり困る、そんなような意味から……いずれにあるか。これは私の考えではこの日本全国を一本立てで、早場米奨励ということについては、如何にその政府のお考えの下に農家かやるとしても、一生及びもつかない。新潟方面の早生米は五月に田植えか終えてしまう、田植えが済んでしまう。千葉県のごときは七月の始めまでも田植えをやつておる。そこに一月以上の喰違いがある。それぞれの人の一生、その農家に……まじめなる農家に対してはハンディキャップがあつて、どう競争したつて勝てないのである。八月下旬に出る農家と、十月に出る農家と、親田から水田へ移して、こつこつやる丹精振りには変りがなくても、その恩典が與えられないということは可哀そうじやないか。こういう細かいことですが、願われれば考えて貰いたいという希望を持つております。
  70. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 今のお話は米価決定のときに、米価がまだ本当に農民の期待するような米価になつていないということも一つつたと思いますし、それから又端境期を乗切ろうという一つの気構へもあつてそういうようになつたと思うのです。併し私達にいたしましても、若干の農家が潤おうようにすることも本当だと思いますので、米価の決定については先程も申上げたように基本的に直さなきやならんという声があるのでありまして、十分我々考えたいと思います。
  71. 土屋俊三

    ○土屋俊三君 私の今言つたのは、八月下旬に出した早場米の一等と、十月に出したものも一等に見て貰えないか、こういうのであります。
  72. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) その耕作の候によつて大分違うので不服があるようでありますが、こういうものは全く一本にする方がよろしいのです。併し食糧の端境期を突破するために、端境期を乗切るためにそういうことが主にあつたのじやないか、こう思つております。
  73. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私は新大臣が対大蔵省の関係で勇猛心を働かすことを聞きまして非常に心強く思うのであります。そこでひとつ私は食糧管理特別会計の性格につきまして御認識を得たいと思います。これは実は私が在官以来持つております悩みでありますが、食糧事情が窮迫をしておりましたときには、三拝九拝をいたしまして超過供出をお願いしておりましたが、昨今の情勢は予算の制限を受けまして、或る一定の限度以上は買つてはいけないというような空気が、大蔵省方面に出ております。併しこれは私は食管の在職以来から持つてつた意見でありますが、これは大蔵省の関係局長とも終始意見を闘わした問題でありまするが、食管会計は現物会計でありまして、米ができるだけ多く買入れますればむしろ成功であります。予算を超過はいたしましても米ができるだけ買えますれば、これはむしろ国家のために私はなると考えるのですが、それが予算の制約を受けまして、或る一定以上買うことは抑制をされる。かような空気が出ておるようでありまするが、外の会計と違いまして、とも角できるだけ米が買えまする方がよろしいことは私は論ずるまでもないと思います。その意味からも超過供出の奨励金の問題も私は一定限度はむしろ出していいじやないか。特に先程他の委員からも御質問もありましたような関係で、現在では輸入食糧の方が国内食糧よりも高く貰いまして、その差額は補給金で補つておりまするが、少くとも補給金の相当額は報奨金を出しても国全体の財政には何ら影響がないわけであります。むしろ外貨を拂いまして外国から買えまするよりも、むしろ一定限度の奨励金を出しましてできるだけ米を買う。これは予算をオーバーしても買うことが国全体の利益になると思つておりますが、どうもその辺が従来大蔵省方面の認識を得られないわけですが、どうか先程の決心に基きましてこの問題を一つ是非とも解決をして頂きたいと思います。要するに補給金の範囲内でありまするならば、これはむしろ私は奨励金を出すべきではないかと思います。又補給金は一般会計の負担になつておりまするから、奨励金は場合によりましては消費者に転嫁しませんで、一般会計の負担としても従来と同様でありまするから、さような意味で私は今後の超過供出につきましては、無制限に買うというような考え方を是非探つて貰いたいと思います。これはインフレーシヨンの見地からも物の潤うことでありまするから、米であれば必ずこれは売れるわけでありまするからさような心配はないと思うのであります。どうか就任の機会にこの問題を是非とも一つ頑張つて頂きたいと思います。
  74. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 経験者のお言葉で私も実はあの特別会計については非常に疑問を持つておるのでありますが、どうも赤字になることを非常に心配しておるのです。私はこういうことを言うと叱られるかも知れませんが、赤字になつてもいいじやないか、と委員会の席でそんなことを言うと悪いのかも知れませんが併しあの中に沢山持つておる、これから悪くなるというような粉、粉食ですか、そういつたようなものを或いは又どうしでも今後置けないといつたものはどんどん出してこれを社会政策的に、何というか、今やつておるものとカード階級、方面委員の対象になつておる生活困窮者、或いは又労務者加配というようなものに、少し値段を割つても出してもいいじやないかというまで我々は考えているのですが、そういつたことをなかなか了解しないようです。只今お話のように米を多く買うことがこれがいわゆる農村自給度を全く高めることにもなり、又どぶ酒等にも流れないし保存も非常に楽であります。国民もこれを喜ぶのでありますから、この方面をやりたいと思つてつておるのであります。それで毎日ぐらいに私は池田君の教育に当つているわけでありますが(笑声)どうぞ一つ……
  75. 片柳眞吉

    ○片柳眞吉君 私も食管会計の赤字には異議を申さないような趣旨で、何ら心配するに足らんと思いますが、どうぞ頑張つて頂きたいと思います。それからもう一つ地方税法の関係で先程楠見君からお話がありましたが、私の質問に対しまして小野政務次官は今回の地方税法が施行されれば当然に米価は変える。こういうような答弁をされておりましたが、実は私は過去の経験なり、或いは客観情勢からそう簡単には行かんということを私は心配しております。又現在のパリティー計算では小作料が項目に入つておりませんから、小作料か上りましても米価は影響がないという点が心配であります。或いはパリティー計算をどうしても採り入れますれば、小作料を一つの項目に加えて欲しいという問題を御考究願いたいと思います。更に従来の主張でありますところの、そろそろ米価の決定を生産費に切換えて行きますれば、これは生産費の中では地代、耕作料が非常に大きなファクターを占めておりますから、そういう面にも進んで研究を願いたいと思います。
  76. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 今のあなたのお話のパリティー計算から生産費第一の方面に切換えろというお話でありますが、これは池田君はそれはあなたと全く同じで、外のことは大分違うのですが、(笑声)米価の決定にはあなたと全く同じなんです。今安本長官と私達で何とかしてこの基本米価を上げるということで努力をいたしているのでありますが、それから只今自治庁の方のお話、これはまだ私聞いておりません。これは十分打合せをいたしまして御返事いたします。
  77. 三好始

    ○三好始君 先程片柳委員からお話がありました食糧管理特別会計に関連して一言お尋ねいたしたいと思います。それは今月米価の問題が生産者の立場からは安過ぎるという不満が強いし、消費者の立場からは高過ぎるという不満があるわけであります。その大きな原因は、生産価格と消費者価格との開きが余り大き過ぎるのではないかということが考えられるので彫ります。これには公団のマージンの問題もありましようけれども、私は特別会計の問題が出たから特にお尋ねいたすわけでありますが、恐らくこの消費者価格設定に当つて食糧庁の人件費、予備費が加算されておつた筈だと思うのであります。そういうものは当然に一般会計から国の経費として支出されて、消費者価格に加算すべきでないと思うのでありますが、現在はとに角加算されている筈だと思うのであります。これは改める御意思があるかどうかを承わりたいのであります。
  78. 安孫子藤吉

    政府委員(安孫子藤吉君) お話のように食糧管理特別会計の中に加算されております。昨年の米価審議会の際にも中間経費の節約という観点から、その問題が、取上げられまして食糧庁の人件費、事務費等は一般会計で持つべきであるということで、昨年の暮も大蔵省といろいろ折衝いたしたわけであります。只今もその点については折衝中でありますけれども、まだ見通しはついておりません。大臣にはこの点まだ申上げてありませんので、お指図を仰いでやりたいと思います。
  79. 三好始

    ○三好始君 只今の問題は折衝中のようなお話でありますが、地方税法案で折衝の余地のある問題等と併せて、廣川農林大臣の勢力に大いに期待をかけるのであります。(笑声)どうぞしつかりやつて頂きたいと思います。
  80. 西山龜七

    ○西山龜七君 私は主食の増産について廣川新農林大臣にお願いをしてみたいと思います。主食の増産は御承知のように国民斉しくこれに関心を用い、歴代の政府が大いにこれに努力をしていることは了承しておりますが、この増産がすべて予算が伴いまして、なかなか思うように行かないのであります。だからして私は自分の構想を申上げまして、予算の伴わない増産といいますか、そういうものを申上げまして、廣川農林大臣が或いはこれに対して賛意を表して頂くことができますならば、一つ増産の事績として新農相にして頂きたいとかように存ずるのであります。それは具体的に申上げますと、私が稻の刈入当時に各地を廻つて見ましても、同じ田圃の続き合いに確かに一割乃至二割もその作柄が違うというような田圃を見受けるのであります。これは苗床の研究、或いは施肥の問題、いろいろ農村努力の結果によりまして、同じ続き田圃において一割とか二割とかいう増減かそこに生じておることは皆さまも御承知通りであります。これを先程土屋委員からも言われましたように、私は予算を伴なわない、現在の農地において若し五%を増産いたしましたならば三百万石の増産が実現できるのでありますから、私は各篤農の人にいろいろ会いまして研究して見ますと、現在の生産額を倍にするとかいうような理想を聞かされるのでありますが、私はそういうような篤農家の理想によらないでも五%乃至は一割くらいのものは農村に利害を直結いたしましたならば、必ず増産をすると思います。御承知のように災害の場合には、政府におきまして災害田圃を検査いたしまして、その災害の度合によりまして災害補助を出しております。現在政府におきましては、各地方検査員が沢山ありますからして私は一定の地区にはそれぞれの地質によりまして大体の平均の数量が決つておると思います。この平均の数量を標準にいたしまして、或いは一%増産をしたものはどうするとか、二%増産をしたものはどうするとかいつて、その田圃ができ上りましたときに、その坪刈をして増産をしたものに対しては増産奨励金を出す、こういうことにいたしましたならば、私は予算を伴なわないで各農村肥料の改良とか、或いは肥料の施肥の問題を研究するとか、苗床を研究するとか、或いは堆肥その他努力を拂いましで、必ずや一反歩において五%乃至十%くらいの増産はこれは可能であると思います。それならば私は予算は伴なわないで先程も申されましたように、この超過供出というようなものと同じような意味になるのでありますから、是非共こういうような新しい制度を設けて頂きまして廣川新農林大臣がこういう制度によつて、現在のままで予算を伴なわないで増産できるようなことを是非共御研究を立て頂きたい。かように私は念願する次第であります。どうか私の申上げましたことは、理想と私はどうしても考えられないのであります。現実にそれが目のあたり現われまして、篤農家なんかは非常な増産をしておりますからして、そこに農村に利害を直結させましたならば、必ずや農村がその増産に努めることは火を見るより明らかである、かように思いますので、幾度も新農相がそういうような新しい農林行政を起して頂くように切にお願いしたいと思います。
  81. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) 承わつておきます。
  82. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今の西山委員の御質問と多少関連があるのでありまするが、私の場合は予算を伴なう面についてでございます。先程、先日から両院の本会議におきまして、朝鮮問題と食糧問題の関連についての御質問がありました場合に、農林大臣は直接の影響としては、韓国からの輸入契約済の二十四年度分の十万トンの中の残つておる部分が積出し不能になつておる部分と、本年度の日韓貿易協定で決つた数量の輸入が見通しがつかなくなつたということだけであつて、全体の食糧事情からは大した問題ではない。四ヶ月分の手持があるというような御答弁をされておつたのでございます。併しながら勿論四ヶ月の手持は輸入食糧の七百五十万トン並びに米麦、それから雑穀食糧等の二千数万石によりましてあるでありましようけれども、この朝鮮問題の示唆する日本農業政策についての大きな問題というものは見逃がすことのできないことであろうと思うのであります。即ちこれは朝鮮問題のみならず、相次いで起りました仏印のホー・チミン政権等によりまする反仏抗争戰の拡大化、その他を考えて見ましても南方にこれが波及する虞れも決して少くないと思うのであります。そういつた関係から日本食糧需給上の相当大きな影響を将来において持ち来されることが予想されるのでございまするが、そういう関係から、将来の農業政策は特に食糧需給関係の面から相当大きな政策の変換をばしなければならないのではないかと我々はかく愚考するのでありまするが、農林当局におきましては最近の微妙なる国際情勢を反映して農業政策に対して大きな変換を加えらるるところの御意図がありまするかどうかお伺いしたいと思います。
  83. 廣川弘禪

    国務大臣廣川弘禪君) この朝鮮問題を契機といたしまして農産物自給度を高めることに専念すべきじやないかという御質問ですが、全くその通りであります。それでこれを実際にやつて行く場合に、然らば一体どういう手があるかといいますというと、いつも聞かされておる個々の問題を着実にやつて行く、こういつたようなこと以外にないようであります。又農産物価格生産者が納得するようにやつて行くということも一つであるし、それから又土地改良もどんどんやらなければならんし、その他治山治水いろいろな面があるようでありますが、こういう面に強力に手を打つて、どうしても折角立派な考えが輿論となつているときでありまするから、どうしても自給度を高めたいというときでありまするから、この輿論の声を殺さないように生かして行きたい。それには来年度の予算の上に皆さんの協力を得て各部面に予算を取つて、そうして農村を振い立たせると、こういう以外には私はないと思つておるのですが、又名案がありましたら是非お教えを願いたいと思います。
  84. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私の質問に対しましても、その他の委員質問に対しましても、実に農林大臣の御答弁は誠に丁寧懇切であつて満足すべきものであるのでありまするが、問題は併し将来におけるその実行にかかるのであります。どうぞ今尋ねられました質問者に対する満足すべき答弁をば実際の実行の上に、或いは予算の補正、或いはその他来年度の予算編成の上において是非実現して頂きまして、我々の要望が実際に具体化するようにお願いを申上げまして私の質問を終ります。
  85. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 各委員からそれぞれ農林行政に対する適切なる質問に対して農相は非常な決意を以て受入れ、これを実現に移すというその信念には敬服するものでありますが、農村自給度の徹底を更に高度化すというような信念の一面において、我々は農林当局が農家に対するところの課税、そのうちにおいて所得税に対しまして幸いに勤労者と同じくその数によりまして控除を認められて、ここに初めて農村に対するところ所得税の公平適切化を実現する過程に入りつつあるのであります。併しながら超過供出によりまして、その超過供出の代金は即所得税となり、更に住民及び府県町村民税に倍加されて課税というような結果、残るものが何ものもなかつたという結果に陷るようなことに相成るといたしましたならば、精農の努力も空しくなるというような結果に陷ることを我々は虞れるのであります。要するに農相は一面増産に又農家努力に報いるという熱意がありましたならば、農家に対しては飽くまでも公平適正なるところの課税を大蔵当局に十分に認識させるの方途一つ講じて頂かなければなりません。私共農林当局と共に議員各位はこれを常に唱えまして今日まで来た。徴税の問題においてもここに重点があるだろうと確信いたすものでありまして、この点どうか一層の熱意を以て今後一層の努力を傾注して頂くことを希望いたしまして質問を打切ることにいたします。
  86. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 私少し遅刻して参りましたので、前にそういう質問が出たかと思いまするけれども、地方税法案につきましてでありまするが、地方税法案の市町村民税であります。この中で市町村に居住するところの者は、全部均等割で課税をされるわけでありまするが、農家におきまして農業以外の収入のない農村におきましては、農業労働の特殊性から考えまして、世帶主だけが課税されるべきであると我々は主張して参つたのでありまするが、この点農林当局としては、関係地方行政庁に対しまして、いかようなる御折衝をされたか、それと固定資産税につきまして、従来使わないところ農業用の家屋等は相当あるのであります。堆肥舎、馬車を入れるところ、その他の農具舎、その他いろいろあるのでありまするが、そういうものに対する固定資産税はこれは特別な配慮をすべきものではないかと、敢えて我々考えているのでありまするが、この点ただそういう御要望なしに直ぐにこれをば受入れられたのでありまするか、いろいろ折衝されたのでありまするか、その点を一つお伺いしたいのであります。
  87. 島村軍次

    政府委員(島村軍次君) 先程三好委員からのお尋ねがありましたので、詳しく、お答えを申上げたのでありますが、簡単にそれでは答えさして頂きます。第一の御質問の点は、住民税の基礎は前年度所得税を基準にする、そこで所得税で納付したものを対象にするというのが建前になつております。従つて次男、三男であつて、世帶主が所得税の基準になつておる場合におきましては、これは課税されないものと考えておりまして、尚その点がはつきりせない点もあるので、交渉を進めつつあるわけでありますが、御案内の通り市町村の條例で決定することになるので、その問題については或る程度ゆとりのある考え方であるようでありますから、更にこちらの方の資料を十分整えて、そうしてその実施、運用に当つて、成るべく御希望に副うような点に農林省として交渉を進めたいと存じております。それから第二の固定資産税の問題でありますが、家屋等については本年度はまあ一律に九百倍、賃貸価格の九百倍になりますが、シャウプの勧告にもあります通りに、本年度の九百倍で一応基準をそれに取つたので、評価委員会において決定をして、それらの問題を市町村の実情に応じたようなことに、町村で十分に考えさすというような指導方針を取りたいというようなことが自治庁の意見でもありますので、できるだけ御期待に副うようにこちらとしては交渉を進めております。
  88. 池田宇右衞門

    池田宇右衞門君 本日はこの程度でどうですか。
  89. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) 只今池田君から本日はこの程度でという御発言がございましたが、それでよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 岡田宗司

    委員長岡田宗司君) それではいろいろまだ御質問のある方も、ございましようが、これは次回にお讓り願いまして、今日はこれを以ちまして委員会は散会いたします。    午後三時四十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡田 宗司君    理事            西山 龜七君            片柳 眞吉君            岡村文四郎君    委員           池田宇右衞門君            白波瀬米吉君            瀧井治三郎君            土屋 俊三君            平沼彌太郎君            門田 定藏君            小林 孝平君            三橋八次郎君            三輪 貞治君            赤澤 與仁君            飯島連次郎君            加賀  操君            溝口 三郎君            三好  始君            三浦 辰雄君   委員外議員            楠見 義男君   国務大臣    農 林 大 臣 廣川 弘禪君   政府委員    農林政務次官  島村 軍次君    食糧庁長官   安孫子藤吉君