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1950-11-15 第8回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十五日(水曜日)    午前十時五十六分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○行政機構の整備に関する調査の件  (特別調達庁終戰処理費運用状況  に関する件)  (出入国管理庁設置令に関する件)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  前回即ち十月二十七日の内閣委員会において特別調達庁行政事務運営状況の審査をいたしましたが、本日はその継続であります。前回カニエ委員から連合国軍要員健康保険組合積立金融資に関して質疑がありまして、これに対しまして特別調達庁から次回を期して説明するということになつておりましたので、今日は説明を承わろうと存ずるのであります。尚それにつきまして委員諸君から質疑等がありますればそれを願うつもりであります。特別調達庁次長堀井君。
  3. 堀井啓治

    説明員堀井啓治君) 先般カニエ委員から御質問のございました連合国要員健康保険組合のいわゆる融資問題について御説明申上げます。  全体的結論的に申上げますと、一部新聞に云々されましたような事実は全然ないと存じます。その点御了承願いたいと思います。  以下その個々の問題について御説明申上げたいと存じます。第一に北海道拓殖銀行に対する預金替の問題でございますが、これは昭和二十四年法律第二百号によりまして、北海道在勤国家公務員に対しまして石炭手当が支給されることになり、従いまして政府は応急の措置といたしまして同地区の国家公務員に対し共済組合から石炭購入資金を貸付けることといたしたのでございます。その措置によりまして国家公務員特別職でありまする連合国軍関係政府傭使用人に対しましても同様の措置を講ずる必要が生じましたので、極力終戰処理事業費労務費を以ちまして正当支出の促進に努力したのでありまするが、予算経理上手当支給の時期が著しく遅れる見込となりましたので、石炭現物入手の時期が一般公務員よりも甚だしく遅延するという虞れがありましたので、止むを得ず便宜措置といたしまして、使用人を被保険者とする組合保有預金を一時北海道拓殖銀行東京支店に移しまして、その本店から必要な金額を北海道知事が借受けることといたしまして、石炭購入資金の前貸の方途を講じたのでございます。  それから第二に、同様、この軍関係労務者福利厚生関係を担当しておりまする福利厚生を目的といたしておりまする民生協会関係融資問題について二件を御説明申上げます。第一は、昭和二十四年八月連合国関係使用人のうち警備員被服製品加工民生協会を通じまして降失繊維工業株式会社依頼をいたしましたところ、同会社服地購入資金が十分でございませんので第一信託銀行から借受けることを希望いたしましたが、同銀行は降失工業に対しまして十分な取引がありませんので、特別調達庁としましては組合に対し同銀行預金方依頼したのでございます。併しながら本件は、その後その服の注文をとりましたところ非常に極めて少量であつたという関係からその必要がなくなりまして、従いまして預金の預け替ということも取消しいたしました。実際問題としては預金の預け替はなかつたのでございます。他の一つは同じく労務者に対しまして使用人用麻シヤツ地配給を受けましたので、これを埼玉繊維被服工業株式会社開襟シヤツを作らせまして、この製品配給代金をやはり財団法人民生協会依頼をいたしましたが、同協会から前記会社に支拂うべき製品代金につきまして融資斡旋依頼して参りましたので、当時組合におきましては東京本店を有する銀行取引銀行といたしたいという考えの下に、丁度調査をいたしておりましたときでもありましたので、又たまたま民生協会取引銀行富士銀行でありましたので同銀行組合取引銀行とすることにいたしましたが、これは勿論被保険者である使用人利益であると考えまして、昭和二十四年八月回銀行預金替をするように組合依頼したものでごさざいます。  最後明楽工業に対しての融資ということに対して御質問がございましたが、これは全然そういう事業はございません。ただ本年の三月に帝国銀行預金替をいたしましたのは、これは組合取引銀行との関係でありますが、これは設立の当時に大阪銀行日本橋支店及び三和銀行東京支店、これを取引銀行といたしたのでございます。この二行は、いずれも一流銀行であり、設立当時に資金等融資を受けました関係がありましたので、これを指定したのでありまするが、組合といたしましては、ただこの二行のみということに限定することはいささか偏する嫌いもあり、且つ先ほど申しました通り東京本店を有する適当な銀行を追加しようと考えておりたのであります。尚組合の総会におきましても、東京本店を有しない銀行は種々の不便があるので、東京本店を有する銀行を追加しようという要望があつた次第もありまして、組合といたしましては、組合に何らの損害を與えないならば、その範囲において組合一般保険者福利厚生に関する便宜を図るために、單なる預金の預け替をすることは何ら差支ないものであるという見解を以ちまして、従つて改めて先ほど申上げました富士銀行及び帝国銀行が、東京本店を有する銀行として追加された次第であります。従つて銀行融資ということは、これは銀行独自の立場から融資されるものでありまして、何らこれによりまして預金に紐付とか、或いは預金を担保にするとか、そういう危險性を全然與えるものでないのでありまして、專ら被保険者利益になるという場合に、銀行希望がありました場合に預金の預け替をするという措置がとられるものでありまして、決して預金そのものに、只今申上げたように危險を有するものではなかつたのであります。  大体以上個々の問題につきまして、簡單ではございますが御説明申上げた次第でありますが、御了承を得たいと思います。
  4. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 尚附加えて申上げて置きますが、特別調達庁長官は御病気のために今日は出席がないということでありまして、そのことを先ほど申し落しましたから附加えて置きます。
  5. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今特別調達庁から、前回融資の件についてこの御説明がありましたが、この説明は前置きとして、全然新聞に発表されておるようなことでは全くないということを前言に言われておりますが、北海道の点にいたしましても、又その他の融資にいたしましても、新聞が書いている通りであるということを一応認めておられるようなふうに聞えたのでありまして、何ら新聞が報道しているような事実がないというふうには私は考えないのであります。そこでこの答弁だけを承わつておりますと、如何にも尤もなように一応は聞えるのでありますが、只今答弁では全然納得が行かないと思うので、これにつきましてはいろいろ調査をいたした点もありますので、御質問をいたしたいと思うのでありますが、特にこの前にも希望言つて置きました通り特別調達庁長官長官の名においてなされておる面が多いのでありまして、直接長官の御出席を求めてその機会質問をこの点はいたしたいとかように考えておるのであります。  尚只今の御答弁の外にこの組合を通じてタオル配給小口株式会社というものを通じて生産依頼したということについても現在まだこれが相当日月を経過しておるに拘わらず、そのままになつておるというようなことが一点あるのであります。これについてどういうような状態にあるのか、その前後の経過についても一応伺いたい。尚その他に薬品入札に非常な当を得ない形において入札をされ、而もその薬品が質的に言つても非常なよくない品物が納入された、それはサントニン足らずセメン円とか、それから又これは名称はビオ・テスチンというものの購入に関しましても、そういうような当を得ていないような購入がされておる。こういつたものの公入札の裏に何か世間でとやかく噂をされ得るようなことがあるのではないかというようなことが言われておるのでありますが、この三点について一つ説明を願いたいと思うのであります。
  6. 中村文彦

    説明員中村文彦君) 只今カニエ議員の御質疑タオル購入の件でありますが、それとそれから薬品購入の二件だと存じますが、本件は御承知通りこれは健康保險組合自体の問題でありまするので、調達庁といたしましては業主の立場所定保険料を納めておるだけ、それから選定議員というものを出しておるというだけのことでありますので、詳細のことにつきましては必要がありますれば組合のほうから係の者を出席させまして説明機会を頂ければ結構だと存じます。私実は労務管財部長といたしまして組合理事もやつておりますので、そういう関係からちよつと簡單に御説明申上げますが、タオル配給の件につきましては御質疑通り最初小口株式会社入札の結果落した。一番札をとつたわけであります。でその当時数社あつたのでありますが、一番低い価格でとつたのがこの会社であげます。その後に至りまして納品ができないというふうな申入があつて入札辞退がありましたので直ちに二番札、三番札と、こういうふうな措置を講じて実は出したのでありまするが、遺憾ながら切符の切替その他の事情がありまして遂に今日まで実現し得ない実情であります。これは私達といたしましては尚目下組合の中に委員会を設けましてこれらの実現に善処するようにやつておるわけであります。それから薬品の件でありまするが、先ほどお話セメン円、それからビオ・テスチンの件でありまするが、ビオ・テスチンのほうを先に申上げますと、この件につきましては実は五月に公入札をいたしましてやつたのでありますが、私実は專門家でありませんので分りませんので、検定をいたして……、厚生省のほうに頼みまして検査した結果によりまするに、許可を得ました内容を持つてつたのでありますので、質的には如何の議論もありましようけれども、許可を得た薬品であることにつきましては間違いないことだと私共思つております。尚これらの券は実はすでに配付いたしたのでありまして、G・H・Qのほうから手続上遺憾な点がありまして回收するようにということでありました。で回收に努めておりまして目下十六、七万の回收をいたしておるような状況であります。尚セメン円につきましてはサントニンの量の不足の件の御指摘がありましたが、この点につきましては実はこれも相当いろいろ議論が出ましたので、殆んど厚生省のほうに依頼いたしまして検定をいたして貰つたわけであります。その結果相当量不足ということは試験をいたしました限りにおいてはそういう結論が出ております。この点につきましては監督官庁でありますところの厚生省からの御指摘もありますので、そのほうの御指示を実は待つておるような次第であります。以上簡單でありますが、御説明いたします。
  7. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 只今説明されたこのタオルの件ですが、当初注文されて今日まで随分これは長いといつても一月や、二月や半年でないのでありまして、そこにいろいろな事情があつたものと簡單に申されましたが、一体どういうわけでこういうことになり得たのか、もう少し詳しく、成るほどそれじやそれは遅くなつたのも無理がないと納得のできるような一つ説明を願いたいと思います。その点の前後の事情はどうなんでしようか。
  8. 中村文彦

    説明員中村文彦君) 実は時期とか何とか明確な御説明をいたしかねますので、詳細なことになりますれば、入札の時期とか、或いは違約を申出ました日時とか、そういうようなことを詳しく申さなければならんと思うのでありますが、実は手許にありませんので、さような時期その他について申上げかねますが、小口が実は今年の三月でありますから、前期の割当のあります原糸切符でありますが、それが五月になりまして通産省のほうの方針として枠外にあつたものが枠内に入れられたような事情があります。従いまして生産の面で非常に支障を来たすような事情がありまして、小口から所定の時期までには納品できないというふうな事情で、辞退の申出があつたのであります。つきまして、さようなことによりましては、我々といたしましては事実上許されませんので、直ちにその辞退に応じて取消の措置を講じ、二番札、三番札と当つたのでありますが、結局この切符実現化現物化が困難になりまいしたので、今日までに至つたというわけであります。その間我々といたしましては、切符の更に新たな現物化について努力いたしたのでありますが、遺憾ながら今日まで思うような結論が出ておりませんので、結局今日まで送られましたのが約六万と記憶しますが、そのくらいの配付はいたしてありますが、計画通り配付は行えないという現況であります。
  9. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 どうも今の話では私の聞いておるのと非常に異なつておるのでありますが、事情はむしろ注文をすべきところに注文をしていなんだ、だからできないのである。これはタオル注文生産小口を調べて見ますると、この小口という商店はこれは糸の問屋なのであります。この糸の問屋タオルの納入を契約して一体できるのかできないのか。日本全国にはタオル生産業者というものは相当沢山あると思います。それがタオル製造メーカーとの間に契約をしておればこれは当然納まりておるものである。なせその小口に持って行かねばならなかつつたか。又当時は非常にタオル品物も公が定められておつて、誰が生産をいたしましても或る一定のタオル原価ができ得るという値段があるのであります。併しながら当初このタオル入札したときには三越、白木屋その他一流メーカーが行き、これを入札して札を入れた上拘わらず、途方もない値段の、安い値段小口が札を入れた。そういう安い値段では誰が考えでも糸の値段から生産原価から勘案してでき得ない値段であつた。そういうような無理なことを当初からやつておる。その結果がこういうようなことになつて来ておると私は思うのであります。尚当時これの切符等も現在どうなつておるのか。その切符を、糸の切符小口に渡したのか、或いは誰に渡したのか。その渡した切符は今どこに参つておるか、これらについても恐らく今完全なる御答弁はできまいと思うのです。これはただタオルの問題だけでありますが、薬にいたしましてもその他のものにいたしましてもどうも我々委員会が無理もないんだと納得の行くようなやはり私は御答弁を得なければこの問題の解決はむずかしいんじやないか。そこでそういう個々の問題についていろいろと私のほうも御質問を申上げたいと思つておりますが、そういう細かい資料が今お持ちでないということであれば、これもこの次の機会に詳しく適当なよく分る人に出て来て頂いて御答弁を得たいとこう思つておりますので、その三件については十二分なる資料の用意を願つて答弁を頂きたいとこう思つております。
  10. 中村文彦

    説明員中村文彦君) 重ねて入札の件その他についてでありますが、入札につきましては御承知通り指名入札と言いますかをいたしたのでありまして、その業者選定につきましては実は調達庁契約とも十分な連絡をとつて特にこの点は今御指摘のような疑問の点と言いますか、というような懸念もありましては如何かと存じまして、実は念のため特別に業者選定について注意をしたような次第であります。尚価格の問題でありますが、これは御承知のように、先ほども御指摘になりましたように○公であります。従いまして落札価格でやれるものと考えて、その措置をとつております。それから非常に安過ぎた、こういう点につきましても実はいろいろお話がありますが、我々といたしましては通産省とも連絡いたしまして、○公の点は実は掴んでおりますので、この程度ならやれるだろう。尚メーカーにやらすべきじやないかという御指摘でありますが、この件については、御承知のように当時の予定は四十八万ポンド予定いたしたのでありまして、相当の量であります。我々といたしましては、直ちに直接メーカー取引いたしますことは、御承知のようなタオル生産現況では到底困難であると考えましたので、実は中間的な供給者を選びまして、その手を経てメーカーと結び付いて入手しようというふうな考えであつたのでありまするので、そういうふうな措置を講じたわけであります。従いまして小口タオル業者でないことは御指摘通りであります。  それから切符の件でありますが、これは先ほどちよつと御説明いたしました通り、二十四年度の切符、而も枠外でやると我々は実は了解いたしておるのでありまするが、その後国内原糸、原綿の事情その他から、この枠外切符が枠内に組入れられたのであります。従いまして各メーカー割当てられます枠の範囲の中へ入れられましたので、実は非常にメーカーといたしましては意外の措置になりまして、それだけの生産をやりましても、それが予定以外の、つまり増量された措置とはならないというふうな結果になりまして、年間割当の中に入つて来たというふうなことから、さような大量を一時に予定通り、五月初めだと存じますが、までに納めることは困難だというふうな声が出たのであります。で我々どいたしましても、さような事情があるならば止むを得んだろうというふうな考え方を実は持つたのであります。ところが先ほども御指摘ありました、それではその切符はどこえやつたというふうな御質問であつたと存じますが、それにつきましては、実は落札者でありまするので、小口に手渡したのであります。ところがそれがさようなわけで、たしか、今明確な記憶はありませんが、その切符は五月末で切れるような措置になつてつたかと存じます。それでそれまでに措置をいたしませんと、無効になるような切符だと記憶しますが、さようなわけでありまするので、私共も急いでその切符回收、並びに都合によりましては書換えの措置その他のことも通産省にも実は御相談に参つたのであります。その結果、すでにもうその切符メーカーのほうへ渡つておる、こういうふうなことで、いろいろ混入つた、私共この点はちよつと明確にお話いたしかねるのでありまするけれども、回收はできない、こういうふうな結果になりました。通産省にも相当足繁く運んだのでありまするが、遺憾ながらさような状態で、再び切符発行方を実は希望いたしたのであります。ところが今日のような現況でありまして、そう簡單に参りませんので、実はその後新たに切符なしで、今度はメーカーのほうに渡りをつけまして、入札といいますか、指名いたしましてメーカー契約いたしました。その結果先ほど申上げました通り現在では約六万程度納品は見ておりますが、その他の納品につきましては相当困難な事情にあるという実情であります。
  11. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 今できなんだという事情は、そういうメーカーでないところに注文をしたということは、大量であつたがためにむずかしかつたのだというような曖昧なことを言われておるのですが、結局最後はいろいろやつて見て切符はどこに行つたか返つて来ない、だからしようがないので、又最後にはそれを取消してメーカーにやつて、そのうち幾らか出産ができて来たというようなことを今言われておるのですが、その一事を見てもやはりタオルタオルメーカーでなければ結局はできないのであるということははつきりしておると思うのです。この切符は御承知のように綿糸切符というものは非常に業者仲間では切符さえ持つて行けばいつでも現金化するのであります。この切符を仮に一千ポンドなら一千ポンド、一万ポンドなら一万ポンドの切符を持つて行けば、実際はこれは売買されておるのです。その切符をどこにやつたか分らない。而も当時はその切符が非常に貴重なものであつて非常な高価で取引されておつた。今日になつていろいろ統制方式が解除されてなくなり、そういうものが小口に渡したけれども、小口がどこにやつたはつきりしないというようなことじや、余り責任がなさ過ぎやしないか。又この枠外のものであつたというようなことを言われておるが、当時安本割当てたものはこれは各糸のメーカーから、各紡績の工場から余剰綿糸の在庫の届出があつて、その余剰綿糸割当てたのであつて、決して品物が当時入手できなんだというふうな事情にはなかつたというふうに商工省、並びに安本のほうも考えておるし、又その通りでなければならない。それが入手ができなんだというところにやはり先ほど私が指摘したようなやはり理由があるのであつて、又結局このタオルのこういつた入手ができなんだ結果、後でタオルメーカーに頼んでやつたと言われますが、それが果して前の場合と恐らく私は同額に行つていないのじやないか、そこには何百万円かの、何十万円かのものは前の契約より高く支拂つておるか、或いはそういう契約を又再度しておるのじやないか、そうなりますと、そういうふうな契約の不適当な処置によつて、やはり全従業員は高いものを買わなければならんという結果にやはり当然これはなると思う。こういう点を今私が申上げたようにここに質問をいたしましてもそれが全部詳しく答弁が、責任のある答弁ができるのなら、これから時間をかけても時間の許される限り逐次質問をいたすのでありますが、そういうことがはつきり答弁ができないと思うのです。だからあなたのほうでよく、今申上げた薬品並びにタオル等の件についてよく資料を出して貰いたい。こう私は申上げておるので、さようにやつて頂きたいと、こう思うのであります。
  12. 中村文彦

    説明員中村文彦君) では後日の機会資料を十分に整えまして御説明いたすようにいたします。尚この件につきましては実は先ほどちよつと申上げたのでありますが、健康保険組合のほうでできますれば組合担当者をして説明さしたほうが適当じやないかというふうに考えますので、委員長のほうで御了解頂けますれば、組合のほうの方に説明して頂くというようにしたはうがいいのじやないかと思います。
  13. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 承知いたしました。よろしうございます。
  14. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 勿論これは組合員の方も答弁がなんでありますが、私は当時やはり責任者であり組合長ですね、理事長に御答弁を願うと同時に、やはり関係のある役所側からもやはり御出席を願いたいと、こう思つておりますから、さようにお願いします。
  15. 河井彌八

    委員長河井彌八君) さように取計らいます。
  16. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは引続きましまして特調終戰処理費関係の問題について一、二伺いたいと思うのでありますが、それまで私は何故この特調のこういつた終戰処理費の問題をはつきりささねばならないかということについてでありますが、御承知のように終戰後終戰処理費として二十一年、二十二年、二十三年、二十四年、本年に入るまでの間の終戰処理費の額というものは実に四千四百二十三億何千万円というような厖大な実は数字になるのでありまして、而もこの数字というものは一二十五年度の我が国の予算総額四千七百三十一億円、この全部の予算額に匹敵するような大きな数字になつておるのであります。こういつた大きな金が特別調達庁の手を経ていろいろな形でこれが使われておるのでありますから、だからこれがどういう工合に使われておるかということについてはこれは国民にとつては非常な注視の的になつておるのではなかろうか。そこでいろいろ各新聞雑誌等に出て参ることを見ましても、全部が全部その通りかどうかということは別といたしまして、こういうことが世間でなにされるということは、これが国内経済に及ぼす影響は大なるものであろうとこういう見地から、なぜこういうようなことが出て来るのか、こういうことをやはり検討して国会としてもこれを是正し、そして国民の疑惑をここで一掃せなけりやあならんのじやないか、こういう点で質問を申上げたものでありますから、特別調達庁としてもそういう点を十二分に一つ頭に置いて御答弁を願いたいと思うのであります。先ず第一に二十三年度、去年度の……。
  17. 河井彌八

    委員長河井彌八君) カニエちよつとお待ち下さい。連合国軍要員健康保險組合融資の問題は、大体ここで今日のところは終了したと考えまして、次の問題に移りますから只今カニエ君の言われました終戰処理費の使用方について特別調達庁関係の内容の質疑に入りますから、さように御承知を願います。それでどうぞ……。
  18. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それでは引続いて申上げますが、二十三年度の特別調達庁のはうで行われた業務の中で会計検査院が指摘しております件数というものは非常に厖大な数字に実は上つて来ておるのであります。他のいわゆる各省から見まして終戰処理費の使つたものの批難事項というものは実にこれは厖大なものであります。特にその厖大な多くの件数の中から余りこれはひどいじやないかと思われるものが約三十七件余りある。これが金額にいたしますると十億円余りというものが三十七件に出て来ておる。それから職員等の犯罪によつて国に損害を與えておるものが、これも特にひどいと思われるものは十一件、これが三千二百十六万円という巨額になつておる。これらについてまあ御質問を申上げたいと思うのでありますが、特にこの三十七件の中にでもひどいものとしては二重煙突の、いわゆる俗に二重煙突事件と言われておるようなものがあるのでありますが、この二重煙突事件というものは何故こういつたようなできてもいない品物に疎漏な検收をして、そうして巨額な金を支拂つたか、又これも生産能力の当時あるところの工場、メーカーであつたかどうかというような点にもいろいろ疑問があろうと思うのでありますが、先ずこの二重煙突事件の経過について一つ説明を願いたいと思います。
  19. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 只今お尋ねの件につきまして、私からお答えいたします。  お話のございましたごとく終戰処理費は年々誠に厖大な額でございまして、経理に関することは国民経済にも非常に大きな影響を持つておる次第でございますので、我々及ばずながら職責の重大なことを自覚いたしましてできるだけの努力をいたしておるつもりでございますが、御指摘になりましたごとく二十三年度の決算におきまして相当多数の件数に及びます会計検査院の批難事項を御報告に相成りましたことは我々の尚努力の足らない結果でございまして、誠に申訳ないのでございます。ただ終戰処理費の経理という点から申しますと、只今お話のございましたごとく非常に多数でございまして、批難事項が全部で八十五件になつておるかと存じますが、そのうち役所の取扱個所としての区分から申しますと、八十五件中特別調達庁が直接関係いたしておりますものは約三十八件くらいであるかと存じます。その中で只今特にお取上げになりました二重煙突の問題でございますが、これにつきまして大体の経過を報告しろというお話でございますので簡單に申上げたいと思います。  実は二重煙突の問題につきましては、一部の雑誌等に非常に、背後に、或いは内部に大きな不正事件が伏在しておるかのような記事も出たやに記憶いたしますのでありますが、我々内部におりまして承知いたしております者といたしましては、さような事件ではございませんのでございまして、この点は特に御了承頂きたいと思うのでございます。ただ役所の事務が疎漏でありましたがために多額の過拂いをいたしまして、その過拂いの回收が今尚全部は済んでいないという事情にありますので、尚回收中であるという事情でございますので、この点につきましては誠に申訳なく存ず心次第でございます。この問題の経緯と申しまするのは、昭和二十一年九月にLD三五と申します軍の購入命令によりまして二重煙突、二重煙突と申しますとガス・ストーブ等の排気筒でございますが、その二重煙突、二十五万フイートの調達の命令を受けましたのでございます。当時はこの調達事務は戰災復興院が担当いたしておつたのでございますので、この軍の要求に応じまして戰災復興院が足利工業株式会社と購買の契約をいたしましたのでございます。その後、この足利工業株式会社におきましては、逐次納入をいたしておりましたが、二十五万フイート中、最後の五万フイートの納入をする時期に相成りまして、その前座にこの事務を戰災復興院のほうから特別調達庁設立になりましたのでこの事務を引受けまして、納入をさせておつたのでございますが、従いまして、最後の納入をする時期におきましては、すでに特別調達庁でこの事務の引継ぎを受けておりましたのでございますが、当時この二重煙突に限らず、相当建設工事が活溌に行われておりました時期でございまして、各種の非常に厖大な購買、購入要求が出ておりました際でありますので、そうした多種類の、又厖大な数の検收を役所が少数の人間を以ちまして、検收事務を直接いたすわけに参りませんので、止むを得ず便宜の処置といたしまして、当時の納入代行業者等に検收事務の一部を委託をいたしまして、その検收事務の委託を役所が監督をするというような建前で納入をいたさせておつたのでございます。ところが、そういう事情でありましたので、この二重煙突の最後の納入、最後の五万フイートを納入いたしまして、それに対する検收調書を今申上げましたような関係で、検收事務を委託いたしておりました太平工業株式会社と申します納入代行業者が検收調書を発行いたしましたのであります。従いまして、当時といたしましては、そうした委託いたしました業者の検收調書によりまして、役所の中の支拂いの事務をいたしておりました次第でございますが、当時、できるだけそうした委託をいたしました検收事務につきましての役所の監督はいたしておりましたけれども、何分、先ほど申上げましたように、丁度調達の最盛期ごございまして、事務が非常に輻湊いたしておりますので、それに比較いたしまして、役所の職員の人数が比較的少うございますので、全部につきまして一々この検收調書の確認をすることができませんので、いわば拔検査のような恰好で監督をいたしておりましたのでございますが、たまたまこの足利、二十五万フイートの二重煙突の検收調書につきまして、その確認が十分でありませなかつた関係上、支拂いの後におきましてその検收調書と実際の納入数量とが合つていなかつた、数量が足らなかつたということが後で発見いたしまして、結局、過拂いの結果を生ずるというようなことに相成りましたのでございます。当時、特別調達庁といたしましては、そうした過拂いをあとで発見いたしましたので、直ちに関係業者を招致いたしまして、各種の或いは保証書を取るとか、又直ちに提供のできます不動産を担保に入れさせる約束をするとか、できるだけこの過拂い金の回收を確保する措置をとりましたのでございますが、金額も多額でございました関係上、約六百万円は回收済でございますが、尚約千六百万円の未回收金がございますので、その善後措置につきまして、只今この未徴收金の回收につきまして、先般来責任者ともだんだん話合いを進めました結果、去る十月起訴前の和解が成立をいたしまして、結局その未拂い、未徴收残額を今後、本年から昭和二十八年末までの間におきまして返納をさせるということに一応話が落ち着きました次第でございます。尚これにつきましては、責任者の連帶保証等もとつてございますので、この未徴收金につきましては、間違いなく回收のできるものと考えておるような次第でございます。大体の経過は以上の通りでございます。
  20. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 こういうような結果になるまでにですね、十二分にこの問題は私は防げたんじやないかというように考えるのですが、この生産過程におきまして、もうこの二重煙突は要らないからということを軍から言つて来て、これがキヤンセルになつたということを聞いておるのですが、そういう事実があつたのかどうでしようか。
  21. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 二重煙突が軍のほうからキヤンセルになつたのではないかという御質問でございますが、これは或いは途中で御説明いたしたほうがよろしかつたと存じますが、こういう事情でございます。これは先ほど申上げましたLD三五という指示によりまして、昭和二十一年に軍から調達要求がございましたのは、この二重煙突だけでなしに、非常に沢山な品目につきまして購入の指示が参つたので、それによりましてそれぞれ購入をいたしておつたのでございますが、その後LD八〇という別の指示がございまして、それによつてLD三五の要求は一応全面的にキヤンセルに相成りましたのでございます。ただそのときの軍のほうの意向といたしまして、LD三五は一応全面的にキヤンセルをするが、その中で特に日本側から見てそのままキヤンセルして、後始末に困るものについては別に申出よという指示がございましたので、実は当時そういう事務につきましての直接の、つまりそういう軍からの要求に対する生産責任商工省が持つておりましたので、軍から只今申上げましたようなLD三五の中でキヤンセルをして困る品目については、別に申出よという指示が商工省のほうにございましたので、商工省のほうからそうしたものをより出して報告いたしましたが、その中に二重煙突も入つておりましたので、商工省といたしましては、二重煙突はキヤンセルしないほうがいいと結論に達しまして、そうしたことに取計らいをいたされたのであります。尚、特別調達庁といたしましても直接納入を受ける関係にありますので、商工省のほうから勿論連絡があつたことと存じますが、特別調達庁といたしましても当時二重煙突はキヤンセルをしないで、そのまま納入を続けて行くほうが適当だという商工省結論に対しまして同じ意見を持つてつたようでございます。と申しますのは、その理由といたしますものは、当時キヤンセルになりました当時におきましては、すでに二重煙突当時の材料につきましては、大部分手配済でございましたので、これをキヤンセルいたしますと、当然損害賠償の問題が起りますので、その問題があとに残りまするのと、又当時何分まだ家族住宅、その他建設工事の最中でございまして、今後まだそうした二重煙突の必要がある、ないというはつきりした見当が付きませんので、この二重煙突は、御承知のように、石綿にいたしましても、鉄板にいたましても統制品でございまして、そうした統制品を折角確保したものを、そのままキヤンセルにしてしまうということは、そうした資材の活用という点からいつても、将来の利用という点からいつても、むしろここまで生産工程の進んでいるのは、そのまま完成さして置いたほうがいいじやないかという結論に達しまして、商工省におきましても、特別調達庁におきましてもそのまま購入を継続したいという結論に達しましたので、軍のほうに話をいたしまして、軍のほうの了承を得まして、購入を続けたような事情でございます。
  22. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 商工省が何故これを作らしてくれというような要求を何故したかということは、これはまあ後日商工省の方を呼ばなければ分らないと思うのですが、当時二重煙突は軍のほうで早急に急いでこれが要ると、必要であるというような事情にあつたのかどうか。又当時一体ストツクがなかつたのか、それほどその品物が枯渇しておつたのかどうか、その点の事情について御説明を願いたい。
  23. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 当時、キヤンセルになりました当時、二重煙突が軍のほうで緊急の必要にあつたかどうかという点につきましては、軍のほうの内部の詳細の事情は存じませんでございますが、と申しますことは、当時将来において建設計画があり、それに対してどの程度二重煙突の必要があるかということにつきましては、当時の事情といたしましては、全然日本側で承知することができない事情でありましたので、この点につきましては十分に承知いたしかねるのでございます。ストツクがあつたのではなかつたかというお尋ねにつきましては、お尋ねの通り、当時二十五万フイートの要求に対しまして、大部分納入済になつており、又向当時は実際に使用いたしましたのは比較的少数でありましたので、相当のストツクがあつたことと考えられるのでございます。ただ先ほど申上げましたような事情によりまして、残りのものもそのまま継続購入をしたということでございます。
  24. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 私が聞いておるところでは、この二重煙突の品質等も可なり悪質なものであつて、誰も快く、軍のほうでも使わないというような状態で、ストツクがあつた考えられるようなことが出ておつたのではないかというように考えられるのでありますが、この品物は非常に優秀なものであるのか、或いはやはり言われておるように粗悪な品物であるのか、その点についてお伺いしたい。
  25. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 二重煙突の品質の問題でございますが、これは軍のほうの検收を受けて納めた品でございますので、品質の点で心配はないと考えております。
  26. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それではこの現在まだ千六百万円からの巨額な金が過拂いになつておる。品物がないのに過拂いになつたという原因である検收の点でありますが、一体かような厖大な金が過拂いになるまで分らなんだというようなことは、どういうところに原因があるのか、その事情については一つ詳しく御説明願いたいと思います。
  27. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 先ほど申上げましたように、当時物品納入の検收事務は主として輸送代行業者等に委託をいたしまして、役所自身では手の足りない関係上、その委託した検收事務を上から監督するというような形で検收をいたしておりましたのでございます。従いましてそうした委託業者によつて発行されました検收調書は、これは役所の検收調書としての性格を持つたものでございますので、これによつてこれを支拂いの証票といたしまして支拂いをいたしておつたような次第でございます。ただ先ほど申上げましたが、一々の検收調書をその都度役所のほうで監督をし、チエツクをするいとまがございませんので拔検査のような恰好でありましたので、たまたま検査に漏れた検收調書が実際納入数量と異なつた調書であつたということから、只今のような過拂金を生ずる結果になりましたのでありまして、これは役所のほうの委託検收事務に対する監督の不行届であつた結果でございまして、この点につきましては誠に申訳なく存じておる次第でございます。
  28. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 そういつた制度上における多少の欠点があつたとしても、これを上から監督しておればそういうようなでたらめなことができないと思うのです。又こういうようなことが行われておるというようなことでは恐らくこの沢山な業務のものがどうなつておるかというようなことも実際疑わしいと思うのでありますが、この検收が果して実際その疎漏であつたのか、或いは意識的にそういうようなことに当時やつたのかというようなことはいろいろこれは噂されておるのでありますが、それはそれといたしまして足利板金工業組合というものになぜこの二重煙突をさしたかと、と申しますのは名前を見ただけでも一つのこれは組合であつて、大きなメーカーであるようにも考えられないのであります。その点の事情についてはとかくそのうしろにいろいろな事情があるように噂を聞いておるのでありますが、この点について御説明を願います。
  29. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 当時この二重煙突の問題につきまして検收事務が疎漏でありましたことにつきましては誠に申訳ないのでございますが、役所といたしましては二十三年の年末に過拂いをいたしましたことが翌年一月に発見されましたので、非常に実は驚愕をいたしまして直ちに検收事務につきましての再検討を加えまして、直ちに是正をいたしましたので、只今御心配になりましたようなその他のものについても同じような間違いがあるのではないかという御質問、これは誠に尤もな御質問でありますけれども、我々といたしましてはその後検收事務には万全を期しておるつもりであります。尚次に足利板金工業株式会社に何故に二重煙突の発注をしたか、これは一組合であつて有力なメーカーではなかつたのではないかという御質問でありますが、当時は先ほども申上げましたように、戰災復興院がこの事務を処理をいたしておりまして、戰災復興院の契約でございますので、実はその事情は詳細には存じませんのでございます。ただ承わるところによりますと、当時こういう二つの排気筒の二重煙突というものが日本では製品がございませんので、どこでもその規格なり、使用について知つていなかつた、たまたまこの業者がどういう径路でありますか研究をいたしまして、自分のほうならできるというような申入があつたので、外に競争者もなし、ここに契約なつたように承わりましたのであります。尚当時この業者選定いたしましたのは契約は戰災復興院でございますが、実際の業務の選定をいたしましたのは商工省であつたように承わつております。
  30. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 当時この戰災復興院のこういつた任務に当つておられた最高幹部は復興院総裁かどなたか、或いは又復興院の次長は誰がやつておられたか。
  31. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 私ちよつと只今記憶いたしておりませんので、調べまして後ほどお答えいたします。
  32. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 私は聞くところでは当時の戰災復興院の実際の実権を握り、業務をやつておられたのは大橋、今の法務総裁であつたとうように聞いておるのですが、それに違いないのですか。
  33. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 私迂闊に……申訳ありませんが、はつきりした記憶がございませんので、後ほど調べましてはつきりしたお答えをいたします。
  34. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それではこの返済未納額であるところの千六百万円というごの金額が今のその話で聞いておりますと、どうもその回收ができないのじやないかというようなことが懸念されると思う。と申しますのは、当のこの足利板金工業組合というものはすでに解散してしまつておると、現在そういうようなことも聞くのでありますが、これはもう契約通り取れるということの御確信があるのですか、その点を一つ……。
  35. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 未納額の回收の問題でございますが、先ほど申上げましたように、去年の強制和解も成立しておりますし、又当時社長と専務の個人保証もとつてございますので回收につきましては確実にできるということを考えております。
  36. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この点につきましても、まだ重要な点一、二点質問が残つておりますが、この質問ばかりをいたしておりますと、又他の質問が少しできなくなると思うので、次にこの同じく会計検査院が指摘いたしておりますものの中で、三百九十八号でありますが、このウオーター・プルーヒングというものでありますが、これはセメントの防水剤、その購入に当つて可なり大きなそのやはり損失が見受けられるというようなことを会計検査院が指摘しておるのでありますが、この内容を見て見ますると、相当大きな額が支拂われておるのでありますが、との事情について説明を願いたいと思います。
  37. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 只今お尋ねのウオーター・プールヒングはセメントの防水剤でございまして、これが軍の要求によりまして四万一千四百九十九個購入いたしましたもののうち、会計検査院から指摘されましたように、当時四万一千四百九十九個の在庫があつたのでございます。当時会計検査院から御批難になりましたのは多数の購入をして置きながら使用のため出荷したのは僅かのものに過ぎない。需要のないままに殆んど全部が二年以上に亘つて退蔵されているということを指摘されておるのでございますが、これは会計検査院の御指摘通りでございます。ただ併しながら特別調達庁立場といたしましては、現在もそうでございますが、当時も要求品目、種類、品目、数量等につきましては軍の要求により指示によりまして購入をいたしますのでありますし、又出庫につきましても軍の建設計画に必要なものを出荷いたしますので、その当時要求されなかつたものはどうしてもそのまま在庫として残さざるを得ない実情でございまして、特別調達庁といたしまして、なんとも措置の講じ得ない範囲の問題もございますので、この点は特に御了承をお願いいたしたいと存じます。尚軍側の需要といたしましても御承知のように、軍側の建設計画がだんだん縮少になりましたので、その結果当初の計画通りのものが入らなくなつたものが相当の品目について相当の数量が出て来たのではないかというふうに考えられるのでございます。
  38. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 この購入されました総金額ですね。これは何ぼでそれからそれに附随した購入輸送の諸掛りが幾らかかつておるか。或いはこれに要した倉庫料、現在まで大体どのくらいかかつておるのですか、送品にですね。
  39. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 只今のお尋ねの数字ちよつと正確に只今記憶いたしておりませんので調べましてお答えさせて頂きたいと思います。
  40. カニエ邦彦

    カニエ邦彦君 それではこの件につきましては、現在どれだけの金を現在までに支拂つたか、それから現在どれだけのものが軍に使われ、又どれだけのものが不用品として買却したか、それから買却したのはどのくらいで、買入れた値段はどのくらいで買入れておるかということ等についで詳しく次の機会一つ説明願いたいと思います。
  41. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  42. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を初めて。
  43. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 この前資料をお願いして置いたのですが、私のお願いしたのは二件だつたのですが、先ず最初の一件は受注関係について、これは非常に詳しい調査をして頂いたのですが、工事関係、役務関係、需品関係のほうで、これを見ると大体地方需品に関係する横浜のがあつて、中央需品関係調査一つもないのですが、私の要求したのは全部の受注関係を要求してあるのですが、これは横浜だけですが、地方、中央をこの次全部揃えて頂きたいのですが……。
  44. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 最初事務の方からの御連絡で横浜局のものを御希望だということで一応用意をいたしましたのですが、その後文東京局でやつておるものも用意するようにというようなことで、用意して参つておりますので、お手許に差上げるように手配をいたしております。
  45. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 これは全国を全部欲しいのですが……。それは非常にお忙しいとは思うのですが……。
  46. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 畏まりました。
  47. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 それからもう一つはそれに関連して私のお願いしたのは、昭和二十二年の九月以降に辞めた方の、自由退職した人が今どういうところに就職しておるか。その就職先ですね。それから二十三年に自由退職した者と、それから二十四年となりますと行政整理ですね、定員法によつて整理されたものがありますから、その人達の行つている先と、それから自由退職されたその人達が就職された就職状況、それから二十五年はやつぱり自由退職者があると思うのですが、その人の行く先が分つてつたらこれを調べて貰いたい。現在法律によつて規定されているように、二年間は官庁におつた者は、これに関係するところに就職できないわけになつておるのです。就職する場合には人事院の認可が要るのですね。その認可済の者と無許可で就職しておる者があるわけですね。これも一つ正直に調べて貰いたいと思います。
  48. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 自由退職者の中で人事院の承認を得て他に就職しております者につきましては、お手許に差上げております一覧表の通りでございますが、その他に外に就職しておるのもあるかも分らんと思うのでございますが、役所のほうではその関係が実はどこに行つておるか分りませんので、役所に退職の申出があります際にはそういうものがはつきりしておらんのが多いようでございますので、それをちよつと……これは差上げました以外につきましては十分分りかねるのでございます。
  49. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 それは非常に問題だと思いますが、私の関係しておる限りにおいて、この整理された者、或いは自由退職した者の行先は大体分つております。調達庁だけが分らないということはあり得ないと思います。大体これはもう人間がおつたのですから、これは大体分ると思うのです。どこに就職したかということは、これは定員法に関係し、現在の就職状況、或いは失職状態を見るのにどうしても必要で、これは是非むずかしいことではあると思うのですが、大体まあ特別調達庁のほうはそう心配しないでもどこにでも就職できると言えばそれまでですが、退職された者、或いは整理された者がどこにも就職されないで困つておる。こういうことがあるのですから、当然調達庁でも就職には御心配になつておると思います。こういうことで幸いにして完全就職されておればこれに越したことはないと思います。だとすれば定員法を作るときに参考になりますので、他の官庁との比例を取つてみたいと思います。こういうふうに思いますので、是非就職状況を見たいと思います。定員法をきめるときに重要資料になりますので、調達庁も是非ともそういうところを御調査願いたいと思います。
  50. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 何分二十二年度以来三千五百三十二名の退職者になつておりますし、相当年数も経つておる者がございますので、果して全部はつきり分るかどうかということにつきましては心配いたしておりますが、御希望がございますのでできるだけ調べまして、できる範囲一つお答えをさせて頂きたいと思います。
  51. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 この横浜のほうからは詳しい金額が大変こう詳しく書いてあるので分るのですが、東京の特別調達局の需品者の登録名簿があるのですが、登録名簿に是非契約金額を今御挿入願いたい。それを推計しますとカニ工さんの言つたように四千何百億の需品関係はつきり分る。こういうことになつて日本の現在の態勢がよく分るわけです。そういう点もお調べ願いたいと思います。
  52. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 実は大変恐縮でございますけれども、その調査が実は大変なことになりまして、その一覧表に載つておる業者が全部契約したわけでもございませんのですが、併し人別にそれをやるということになりますと、実は契約件数だけでも十万……何十万かございますので、ちよつと……。
  53. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 私の申上げておるのは、各々ここに出ておる需品関係を、その会社がなんぼ引受けているか細かいことは要らないと思います。その会社が幾ら契約したか納入したか、こういうような会社別のやつが欲しいわけです。そう何万も各会社はないと思うのです。
  54. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) それが同じ会社にいたしましても、毎年契約でまあ何十件かやつているのがございます。それを各年度に亘つて帳簿をめくつてトータルを出して参るということになりますと、これはなかなか簡單に参りませんのでございます。それと尚それを寄せ集めて四千億になるだろうというお話でございますが、終戰処理費の総額はそういうふうになりますけれども、調達庁で扱つているのは鉄道関係と逓信関係は別になつておりますので、相当そのほうに行くだろうと思います。
  55. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 逓信、鉄道は一括してやつて貰えばよろしうございます。その関係会社は総数でいいのです。
  56. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 鉄道関係、逓信関係はそれは問題ないと思います。その他の業者別は非常に手間を食いまして申訳ないのですが……。
  57. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 それでは譲歩いたしまして小さいのはむずかしいと思いますから、大きな特別な会社の大勢が分るようなことになれば大体予想がつくと思いますから、受注関係の非常に大きい会社はずつと頭から順々に揃えて来ればはつきりすると思います。順々に揃えて十なり二十なりできると思います。
  58. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) それは各年ごとにでございますか。
  59. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 そうするほうがはつきりすると思います。結局は出さなければ合計金額は出ませんから、各年度別にやつて貰うと大勢がよく分ると思います。これは重大な問題だと思うのです。これができないということになれば、この委員会はそういう問題に対して非常に都合が悪いと思うのです。要するにこういうことが分らなかつたならば、会計経理をやつておるところでそれができませんということになれば少々おかしな話になるんではないかと思うのです。ですから無理なそう古い小さなものはもう殆んど調査不可能かも知れない。併しながらこういう調査は非常持出になつておりますから、ない筈はないと思います。非常持出書類の中から選び出すわけです。
  60. 辻村義和

    説明員(辻村義和君) 勿論これは理窟から申すと当然できる筈でございます。ただ私共は時間のかかることを心配しておるわけでございますから、できるだけ大きな範囲内で出せということでございますからそれだけ早くまとめまして御報告申上げます。
  61. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは休憩いたします。二時から委員会を開会いたします。    午後零時四十三分休憩   —————————————    午後二時三十一分開会
  62. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これから内閣委員会を開会いたします。出入国管理庁設置令は政令を以て制定せられているのでありますが、これにつきまして政府の御説明を願おうと存じます。政府の御説明に先だつて、杉田專門員からこの件の要点につきまして、委員諸君の参考のために発言をして貰います。杉田君。
  63. 杉田正三郎

    ○專門員(杉田正三郎君) 本日の日程に上つておりまする出入国管理庁設置令につきまして、皆様の御審査の御参考のためにちよつと一言お話して置きたいと思うのでござりまするが、この出入国管理庁設置令は本年の九月三十日に公布せられたのでありまして、これはポツダム政令の形によつて出ているのであります。この設置令は翌日の十月一日から施行せられることになつたのであります。この設置令によりまして、外務省に外局として新たに出入国管理庁なるものができたのでありまして、その仕事としては外国人が正規に我が国に入つて来る者の管理、それからその外国人の登録、他方におきましては不法なる方法によつて我が国に入つて来た者の取締などに関する仕事をこの管理庁でまとめて扱つて行くという建前になつているのであります。従来は今申しましたような外国人の出入、即ち正規の入国なり、不法な入国などにつきましての仕事は外務省の内局として置かれておりました入国管理部、それから法務府の民事局、それから不法な方法によつて入りました者の取締につきましては、法務府の検務局、海上保安庁、国家警察、又厚生省の所管でありまする收容所におきまして、これらの事務をまちまちに扱つてつたのでありまするが、この管理庁ができ上りましたので、これを一括してそういう事務を扱うようになつた次第であります。この設置令によりまして各種の法律命令が改正になつているのでありまして、その改正になつたものは八つございまして、その中でこの内閣委員会として関係のあるものを拾いますると、その一つは行政機関職員定員法の改正を行なつているのであります。第二には国家行政組織法の改正を行なつております。第三には外務省の設置法の改正を行なつております。第四には法務府設置法の一部改正を行なつているのでありまして、この委員会といたしましては、かくのごとき定員法の改正、国家行政組織法の改正、それから外務省、法務府設置法の改正などは本来法律を以て規定せらるべき事柄でありまして、それがかくのごときポツダム政令の形によつて規定せられることになりましたことにつきましては、そこに重大なる緊急の必要が予想せられなければならない。どういう緊急の必要に基いてかくのごとき設置法がポツダム政令によつてでき上つたかというその理由を政府において明らかにして頂くことが当然必要と考えられる次第であります。  尚ここに御参考のために、この設置法によつて定員法以下今申上げましたような、法律のどういう点が改正せられてやるかと申しまするに、先ず定員法の関係を見ますると、法務府におきましては、定員が四名減少せられることになつております。外務省におきましては結局この出入国管理庁の設置に伴いまして、定員が六百二十六名増加せられることになつております。運輸省におきましては海上保安庁の関係におきまして六十名の定員が増加せられることになつたのであります。それから次には国家行政組織法の一部改正でありまするが、これは外務省のところで今までやりました入国管理部というものが、この新たな管理庁の設置に伴いまして当然これがなくなつてしまつたのであります。尚先ほど申しましたごとくに、この管理庁は、外務省の外局として設けられることになつたのでありまするので、従つて外務省設置法の一部がそれに伴つて改正せられることになつております。法務府のほうも、今まで外国人の登録の仕事を民事局で扱つておりましたのが、この管理庁ができ上りましたので、そのほうに仕事が移りまするので、法務府設置法の一部がそういろ点において改正せられることになつたような次第でございます。尚今申上げました以外に、この設置法におきまして出入国の管理に関する政令、外国人の登録令、北緯三十度以南の南西諸島に本籍を有する者の渡航制限に関する臨時措置令、関税法のそれぞれの一部改正が行われておりまするが、主としてこの内閣委員会関係する法律は、先に申上げました四つのものでございます。これから外務省のほうから尚この設置法の内容について詳しい御説明があろうと思いまするが、私からは一応御参考になる点を簡單に一言説明いたした次第であります。
  64. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 本日は出入国管理庁長官鈴木君が御出席はできない、九州地方に出張しておられるというので、そこで太田外務次官と、それから田中出入国管理庁第一部長が主として説明に当られることになつておりますので、その点を申上げて置きます。
  65. 田中三男

    説明員(田中三男君) それでは出入国管理庁設置の経緯、それからその管理庁の機構の概要、並びにその運営の概況につきまして簡單に御説明をさせて頂きます。  先ず出入国管理庁設置の経緯でございますが、実は昨年の六月二十二日に総司令部の覚書を以ちまして、昨年の十一月一日以降、進駐軍要員を除いたすべての外国人の出入国に関して日本政府においてその監督取締を行うように、こういう覚書が参つたのでありますが、これに基きまして昨年の八月十日に政令を以ちまして外務省に入国管理部の設置がきまつたのであります。このときの覚書によりますると、各地の税関に入国監理官というものを置いて、そうして外国人の日本への出入りを監督するということ、並びに中央にその記録を保存するセントラル・ロケー・フアイルスというものを設けろということが明示してあるのでありますが、これに基きまして入国管理部ではこの二つの点の事務と、更に外国人の出入国に関しまする関係機関の事務の連絡調整を行うという目的で、入国管理部が設置せられたのであります。ところが昨年の十一月三日に、そこにお手許に配りました指令二〇五五号というのが出たのであります。これによりますと今までの外国人の正規の出入国のみならず、不法入国者についての取締を行うために日本側において司令部の係官と話合いをするようにと、こういう指令が出たのであります。更に引続きまして今年の二月の二十日に至りまして税関出入国及び検疫に関する新しい覚書が出たのであります。これによりますると税関出入国及び検疫に関する現行手続を再検討して、そうして一般に認められている国際慣行に一致するようた組織を作り、そういう必要な措置をとるようにと、こういう覚書が出たのであります。これに基きまして関係省におきまして再三協議を重ね、又その間司令部の係官とも始終打合せを継けたのでありまするが、その結果こういう外国人の出入国、それは正規並びに不正規を通じてでありまするが、これを統括的に行う機関の設置につきまして、どういう役所にこれを設けるのがいいか、又どういうふうにするのがいいかということでいろいろ協議が続けられたのであります。そういう問題につきまして行政管理庁が中心になつて案を進めて行かれたのでありますが、その結果本年の八月二十九日にお手許にありまする出入国管理機関設置に関する閣議決定が行われたのであります。これによりまして従来外務省の入国管理部で行なつておりました出入国に関する記録の整理、並びに入国監理官によつて監督をして参りました外国人の出入国の外に、従来法務府で行なつておりました外国人の登録に関する事務、及び警察、海上保安庁等において行なつておりました不法入国者の逮捕、護送等、及び九州の佐世保の援護庁にありました不法入国者の收容所の維持運営、これらの事務を一括して事務を行う新しい出入国管理庁というものを、外務省の外局として設置する、こういう方針が決定されたわけでございます。これに引続きまして本年の九月十五日に又新しい覚書が司令部から出たのでありますが、これによりますると、この外国人の出入国に関して包括的に、統一的に行う役所を早急に設置するように、こういう趣旨の覚書でございまするが、これによりますると指令が出ましてから十五日以内に所要の計画を立てて、そうして司令部に提出するように、こういう期限付の覚書なのでございます。そこで先ほど申しました閣議決定によりまして、外務省におきましては大急ぎで準備を進めておる矢先、こういう二週間以内に整備をするようにという覚書が出ましたので、更に準備を早めまして、今年の九月三十日に出入国管理庁設置令を出すような準備を進めて参つたのであります。今申上げましたように非常に時間がなかつたので、当時国会が開かれておらなかつた等の経緯から、こういうポツダム政令によつて設置令を発布することになつたわけでございます。  次にこの出入国管理庁の設置令の内容について概要御説明をいたします。この出入国管理庁の設置の任務、並びに権限は、設置令の第三條及び第四條に謳つてあるのでございまするが、第一番には外国人の出入国の管理であり、第二番目は外国人の登録であり、第三番目は不法入国者の退去の強制でございます。この不法入国者の退去の強制は、一般の外国人の外に、北緯三十度以南の南西諸島に籍を有する者、これはいわゆる沖縄人でございまするが、この沖縄人の不法入国者の退去強制も行うことになつておるのでございます。この三つが管理庁の主なる任務と権限でございます。  機構の概要につきましては本庁に、そこに表を用意して差上げたのでございまするが、本庁に官房と第一部に第一課、第二課、第二部に第一課、第二課という二部五課の機構になつておるのであります。官房につきましては説明を省きます。第一部におきましては、不法入国者の退去強制に関する事務を行うことを主たる任務としておるのであります。第二部におきましては、正規の出入国者の管理に関する事務を行うことを主たる任務といたしております。これには登録も含んでおるわけであります。  更に本店以外の機構といたしまして不法入国者の退去強制を行うものの收容所といたしまして、長崎県の針尾に收容所を設け維持管理運営をいたしております。更にこの不法入国者の逮捕護送等を行うために各地に地方の出張所を設けることにいたしました。現在は東京、神戸、下関、福岡及び松江の五ケ所に出張所を設けております。特に出入国管理庁の特別の職員といたしまして、先ほど来御説明いたしました出入国監理官というものを、これは各地の税関に配属しておるわけでありますが、この出入国監理官は、身分は大蔵省の職員たるの身分を持つておりますが、その職務に関しましては出入国管理庁が監督いたしておるわけでございます。それは出入国に関しまして旅券等に証印をしたり、又外国人が日本から出て行く場合にその許可を與えたりする役目を行なつておるのであります。第二に、入国審査官というものを各地の出張所に配属することにいたしておるのであります。これは従来は都道府県知事が退去強制令書というものを発付いたしておつたのでありますが、新しいこの管理庁の機構では各出張所に配属いたしました入国審査官が本庁の長官の訓令に基いて退去強制令書の発付をすることになつております。第三に入国警備官を持つておるのであります。入国警備官は不法入国者の取締につきまして司法警察職員としての職務を行うことになつており、従つて武器の携帶使用も許されることになつておるのであります。この入国警備官の職務は退去強制令書の執行、即ち不法入国者の逮捕なり、取締なり護送の任務であります。更に入国者收容所の警備に当るというのがその任務でございまして、この入国警備官は入国者收容所並びに地方出張所にそれぞれ配属することになつておるのであります。  以上が出入国管理庁の機構の概要でございまするが、最後にこの出入国管理庁の機能の概要を御説明をしたいのであります。正規の出入国者の管理につきましては先ほど申上げましたように管理庁の第二部でこれを管轄いたすことになつているのであります。先ず第二部のうち第一課では、先ほど申上げました各税関に配属しておりまする入国監理官を通じまして外国人の出入国を監督いたしておるわけであります。尚本庁におきましてはこれらの外国人の記録を全部保管いたしており、又外国人の出入国の異動に際しましては、一々この記録の整理を行なつておるわけであります。第二部の二課におきましては、在日外国人の登録の事務を掌つているのでありますが、これは全国の都道府県知事及び町村長に依頼いたしまして、外国人の登録の報告をして頂きまして、それぞれカードを整理をいたしておるわけであります。これが正規の外国人の出入国に関する管理の事務でございますが、不正規の出入国者に対しまする取締につきましては、先ず第一部の第一課におきましては各地の出張所並びに入国者收容所の管理設営並びにこれらに配属いたしまする警備官の訓練その他の仕事をやることになつております。一部の第二課におきましては不法入国者に対しまする退去強制令書の発付が主たる任務でございますが、従来の密入国者の取締の機構と、この新しい出入国管理庁によりまする不法入国者の取締のほうの概況は、お手許に差上げまして表によつて御覧を願いたいのであります。従来の密入国者の取締機構の状況は、小さいほうの九月二十二日付の入国管理部で作りました表を御覧願いたいのであります。その概要を御説明いたしますると、不法入国者が上陸地で検挙される場合と、上陸地を離れて国内の他の地域で検挙される場合とあり得るわけなんでありまするが、上陸地におきましては、従来は国警及び自治警又は海上保安庁でこれを検挙しておつたわけであります。海上保安庁で検挙した場合には、直ちにこれを国警及び自治警に引継いでいたわけであります。国内潜入の場合には、国警及び自治警がこれを検挙いたしまして、これらの不法入国者は検察庁に送致せられるのであります。検察庁におきまして、これらの者が不法入国者であるということが分りました場合には、知事にその事惜を申しまして、これこれの者が逮捕されたが、これは不法入国と思うから退去令書を発付されたいということを知事に申請したわけであります。知事はこれに基きまして法務総裁に訓令を仰ぎまして、法務総裁の訓令があつた場合に知事の名前で以て退去強制令書が発付せられたわけであります。この退去強制令書が出ました場合に国警又は自治警がこの令書を以ちまして不法入国者を長崎県針尾の收容所に護送をいたしまして、この收容所で或る程度人数がまとまりました場合に船を用意いたしまして、これをぞそれぞれの本国に送還いたしたわけであります。これが従来の不法入国者の取締の機構の概要でございまするが、出入国管理庁になりましてからこの趣きはやや変つてつておるのであります。これは十一月十三日に私共のほうで用意しました大きいほうの表を御覧願いたいと思うのでありますが、この新しい機構によりますると、不法入国者の場合には従来通り海上保安庁及び国警、自治警が検挙いたしました場合はこれらの身柄を一応出入国管理庁の出張所又は收容所にある入国警備官に引継ぐということになつておるのであります。併しながら入国警備官もみずから不法入国者を検挙することができることは当然でございます。更に登録令の手続違反者があるわけでありますが、これは專ら国警及び自治警において検挙してこれを検察庁に送致する。こういう建前になつておるわけであります。これらの不法入国者を入国警備官に引継ぎました場合は入国審査官の審査を受けまして、入国審査官が取調の結果明らかに不法入国者であると認めた場合は退去強制令書の発付を出入国管理庁長官に請訓することができることになつております。この請訓に対しまして出入国管理庁長官が訓令を出しました場合、この退去強制令書を以ちまして入国警備官は身柄を入国者收容所に護送する。この收容所に一定の人数がまとまりました場合に、出入国管理庁におきましては、運輸省方面と連絡をとりまして配船の準備をし、そうしてこれを本国に送還することになつておるのであります。この海上におきまする護送は、海上保安庁でやつて頂くことになつておるわけであります。これが新しい出入国管理庁によります不法入国者の退去強制の概要でございます。  最後に申上げますのは、実はこの新しい退去強制はまだ出入国管理庁では実施をいたしておらないのでありまして、まだこの設置早々でありまして準備が整つておらないために目下その準備をいたしておるのであります。この政令の設置以後、附則の二に謳つてございます通りこうした事務はこの十一月三十日までは従前の例により引続いて警察においてやつて頂くというふうになつておるのでありますが、今当管理庁におきましては入国警備官の募集を漸く終りまして、明日から約一ケ月の訓練を実施することになつておるのであります。従つて実はここに十一月三十日と書いてあるのでありますが、実際の執務は十二月中旬以降になると思うのであります。又退去強制令書の発付の手続につきましてもまだ準備が整つておりませんので、これはやはりその附則の三に規定してあるのでございまするが、十二月三十一日までの間で政令で定める日までは、暫定的に都道府県知事が、外務大臣の訓令に基いて強制令書を発付いたしております。これも本年の終りまでに管理庁のほうで引継ぐことになつておるわけであります。  以上簡單でございまするが、御説明を終ります。
  66. 河井彌八

    委員長河井彌八君) この際何か御質疑がありますれば大体のことをお尋ね願います。……それでは本日はこの程度に止めて置きまして、更にもう一度説明を煩わすときがあるかと思いますから……。では本日はこれで散会いたします。    午後三時八分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            大島 定吉君            梅津 錦一君    委員            郡  祐一君            上條 愛一君            カニエ邦彦君            楠見 義男君            林屋亀次郎君   —————————————   事務局側    常任委員会專門    員       杉田正三郎君   説明員    特別調達庁次長 堀井 啓治君    特別調達庁労務    管財部長    中村 文彦君    特別調達庁官房    長       辻村 義和君    出入国管理庁第    一部長     田中 三男君