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1950-10-09 第8回国会 参議院 内閣委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月九日(月曜日)    午前十時五十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○行政機構の整備に関する調査の件   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 只今から内閣委員会を開会いたします。行政機構改革につきましては、すでに政府においても十分に御検討中でりあるようであります。新聞等にはこれがたびたび漏れて載つておるのでありますが、政府の案がそのまま載つたかどうか、これは我々は存じないところでありますが、とにかく行政機構改革ということは最も重大な事項でありますので、それが只今杉田専門員の言われたるがごとくに、案が決まつてから委員会に示されるという、これまでのような例であつて審議上非常に差支えるのでありまするから、できるだけ早く、たとえそれが確定せずとも、大体の構想でも政府から説明を承わりたいという希望を申入れて置いたのであります。今日はその希望が容れられまして、大体の機構、それは今城政務次官から承わりますれば、まだ閣議決定にはなつていない事項でも、これを進んでお話ししようというつもりで出て来られましたわけであります。ただ廣川長官がお見えになりませんことは遺憾でありますが、大体そういう範囲においてお話を承わることにいたすのでありますから、さよう御承知を願いたいのであります。
  3. 城義臣

    説明員城義臣君) 只今河井委員長からお話がございましたように、今回の行政機構改革案というものは、まだ閣議にもかけていない、役所といたしましての方向だけが大体一つの作文という形で表われております範囲でありますので、そういうことを一つ前提としてお聞取り頂きたいと思うのであります。  只今委員長お話の中にもありましたように、これまで新聞雑誌等に臆測と申しまするか、いろいろのことが謳われておりまするが、管理庁の案といたしましても、いろいろと研究中であります。過程ではいろいろと変化をいたしておりまするので、必ずしもああいう新聞に出たのが正しいというわけではないのであります。本日は、これまでいわゆる天降り式と申しまするか、一つの確定したようなものが委員会に廻されて参ります関係上、委員会として審議に当ります場合も、非常に何かぎごちないと申しまするか、ゆとりのないような感じを持たれたやに考えられるのであります。そこで私共は率直に私共の考えております構想皆様方にも共に御検討頂きまして、無理のない、そうして少しでも理想に近い行政機構改革というものが遂げられますように考えておりますので、実は本日も、その考え方構想というものについての二、三の点をお話し申上げて、御了解を得たいと思うのでございます。詳細の点は中川部長も見えておりますので、部長から御説明をして頂くことにたしまして、私は先ずこの中央機構について前提として考えておる方針を申上げて見たいと思うのであります。  すでに御承知のように、これまでの経過から考えますというと、第一次行政整理におきましては、よく世間で申しますおつ取り刀というような態勢で、現業、非現業の例の二割、三割という、大体画一的な行政整理をいたしたのであります関係上、仕事のヴオリユームに対する正しい定員というようなものの測定には相当無理がある。或いは機構改革につきましても、いわゆる十二分でなかつたといういろいろの御批判がありましたので、その当時総理委員会ですでに御説明申上げましたように、次の機会においてこれらのでこぼこを修正して、最後の仕上げをしたいというような意味でのお話があつたのであります。つきましては、今回はそういう経過的な点も考慮に入れまして、無理のない、そうして科学的な検討に耐え得るような筋道を通した行政機構改革をいたしたいというふうに考えているのであります。更にこの際もう一言皆さん方に御了解を得たいと思いますのは、いわゆる行政機構の非常に複雑で厖大であるのを簡素化して欲しいという国民の要望に応えるゆえんは、国民の負担を軽減せしめたいということが第一点で、厘にはそういう行政費の節約による結果としては、公務員に対しまして待遇を成るべくよくしたいという考え方前提となつているのであります。で先ず今回考えております中央機構につきましては、内閣総理大臣行政各部に対する指導滲透力を強化いたしたい、こういうのが一つ前提となつているのであります。次には、現在総理府にあります各種事務というものは、これをできるだけ関係各省に移管をしたい。まあ理由は後程申上げます。第三には、各省を通じて外局たる庁というものは、特殊な審判的事務を行うものを除きまして、原則としてはこの庁を廃止して内局とする、こういう構想であります。それから第四には、郵政省及び電気通信省は除きまして、各省の官房及びこの局中の部というようなものはこれを廃止したい。そしてまあ必要に応じまして、次長その他の特別の職を置くことができる、こういうふうにしてはどうかと思つているのであります。これにつきましては、すでに第一次行政整理のときにも、参議院としては例の特定の局に限つて一年間は部を置き得るというようなことにいたしまして、成るべく部は置くまいというような皆さん方の御意向があつたのでありまするが、そういう考え方をこの際取入れまして、その方向へ進めて行きたい、こういうふうに考えております。それから第五といたしましては、天然資源保全利用総合的施策をやりたい。そうして又一方に社会保障一元的実施のために、行政機構所要の改変を加えたいと、こういうふうに考えているのであります。第六には、経済統制事務の解除、シヤウプ勧告に基く地方公共団体への事務委譲等事態に鑑みまして、更にこの行政制度審議会答申参考といたしまして、各省部局所要改組を加えたい、こういうまあ原則に立つて、今回の行政機構改革案を作成いたしつつあるのであります。右申上げましたような構想を、然らば具体的に各省に対してどういうふうにやるかというような考え方、現在の構想につきましては、部長をして御説明申上げることにしたい、かく考えておりますので、さよう御了承を頂きたいと思うのであります。
  4. 中川融

    説明員中川融君) 只今政務次官から御説明申上げました三つ原則に基きまして、総理府法務府初め各省につきまして、只今行政管理庁といたしまして考えております大体の改組案というものについて御報告いたしたいと存じます。  第一の原則といたしましては、内閣総理大臣行政各部に対する指導滲透力、こういうものを強化するという点でございますが、これの具体的の現われといたしましては、目下内閣総理大臣仕事を補佐いたします官庁といたしましては、総理府というものがあるわけでありますが、この総理府機構を御覧になりましても、内局には例えば統計局でありますとか、或いは新聞出版用紙割当局でありますとか、こういうあまり総理大臣として特に行政各部を指導するに必要と思われるような部局がないのであります。却つてそういう目的のために必要な仕事、例えば明年度予算を作ります事務でありますとか、或いは総合的な経済企画を決めるものでありますとか、或いは行政各部機構定員等を査定いたします事務であるとか、或いは法律案政令案等政府部内といたしまとて、いろいろ統制いたします事務であるとか、こういうものは総理府内局ではなくて、外の省或いは例えば行政管理庁のような外局というようなところに却つてあるわけであります。これは政府機構全体として見まして、どうもあまり適当でないというように思われますので、でき得ればこれらの行政各部をいわば調整し、取纏めるための役所というものは、総理府むしろ内局にできるだけ持つて行きたい。そうしてこれがいわば機構的には総理大臣の直轄の下にこういう仕事をする、そうして閣議等におきまして総理大臣各省事務を取纏める際に参考資料等を提供いたしまして、これを補佐するのが適当ではなかろうかというふうに考えております。従いまして例えば行政管理庁といたしましての一応の考え方としましては、只今大蔵省にあります主計局事務、例えば予算事務総理府内局に持つて来たらどうだろうか、或いは経済安定本部のやつている仕事の中で、経済企画というようなもの、或いは調査というもの、こういうような問題は総理府内局に持つて来たらいいのではなかろうか、又行政各部機構定員等の問題、或いは法制をいろいろ審査する事務、こういうようなものも総理府内局に持つて来たらどうであろう、これは現在すでにございますが、統計事務、こういうようなものも……。そういうようなふうに考えております。これは御承知のようなアメリカの大統領府に予算局というものがありまして、予算をまとめているばかりでなく、更にいわゆる行政管理仕事をやつている、或いは法制的な仕事をやつている。統計仕事もやつているというものと大体平仄が合うことになるわけでありますが、そういうふうな考え方を一応持つております。  その次は同じ総理府であります。先程政務次官の御説明になりました第二の原則、即ち総理府にある各種事務はできるだけこれを関係各省に移管する。これは総理府には、只今でも非常に沢山の官庁総理府の中に形式的に入つているわけでありまして、この中には総理府はどうも直接関係のないと患われ、るようなもの、例えば電波監理仕事でありますとか、或いは賠償仕事でありますとか、そういうふうなものも入つておりますし、それから日本学術会議或いは科学技術行政協議会というようなもの、主として学門というようなものに関係したものも総理府に入つております。こういうふうなものは総理府として各省をまとめるためには必ずしも必要でない仕事でありますので、むしろできるだけ関係した省を選びましてこれに付けたらどうか、こういうことにいたしまして、総理府としての恰好をすつきりしたものにいたしまして、行政各部をまとめるために総理大臣補佐機関というものにできるだけしたいというのが総理府についての考えでございます。これが第三の原則といたしまして、先程申上げました外局たる庁は、できるだけこれを廃して、内局とするということも総理府大分関係があるのでありまして、例えば総理府には特別調達庁でありますとか、賠償庁行政管理庁、北海道開発庁、地方自治庁というような庁が沢山ございます。これらも今の総理府内局にするという部面も若干出て参りますが、総理府には置けない、例えば賠償庁というようなものは、これは外務省等に移管する。そうして外務省内局にしたらどうかというふうに考えております。又特別調達庁でありますが、これはどうも庁としてございますが、結局なかなか付くところがありませんので、これはまだほんの素案でありますけれども、例えば国家行政組織法の第八條にいろいろな機関を設けることができるということが書いてあります。まあ主としてあれは委員会とか、審議会とか、或いは試験所であるとか、実験所であるとか、そういうものをあそこでは考えているのでありますが、併し主としてこういうような行政に類さない現業的の仕事をしております役所、例えば調達庁のようなものは、或いは機関という概念に入れられることができはしないかというようなことも研究しております。これは恰好の方だけになりますけれども、特調というものをどうしても一律的に確立いたしますれば、こういうふうな機関として一段下げると申しますか、行政官庁から外すということができるのではないかというふうに考えております。以上が大体総理府でございます。  その次は法務府であります。これは一応の考え方といたしまして、法務府だけを総理府以外に府というのでありますが、一これは仕事内容が、必ずしも外の各省違つてはいない。結局やはり行政関係或いはその他の法務行政というものが、絹当事務量では多いのでありまして、これを府と申しました理由といたしましては、法務総裁内閣最高法律顧問であるという見地から考えまして、これを外の省とは違いました府という名前を付けたのでありますけれども、今の現状を以て見ますれば、必ずしもこれだけを別扱いにいたしまして、府という必要もないのではなかろうか。これはこの際法務省としたらどうかというようなことを考えております。又この機構的には、相当未だに法務府は複雑でありまして、次官がおりませず、長官が三人いるというような恰好になつておりますが、これらは、この際この省名を変えますのと併行いたしまして、外の省と同じように、事務次官を置くというような制度に変えたらどうかというように考えております。  次は外務省でありますが、外務省につきましては、先程申上げましたような、賠償庁内局とするということを考えております。これは事務その他の分量から言いましても適当であるというふうに思つております。それから出入国管理庁が、ポツダム政令によりまして、十二月一日からできておりますが、これも若し外局の庁を全部整理するといたしますと、これらも内局にすることになろうかと思つております。  大蔵省につきましては、総理府の方で申しました主計局総理府に移管するということを只今事務的には考えております。それから庁といたしましては、ここに国税庁造幣庁印刷庁という三つの庁があるわけでありますが、庁を全部内局とするという構想から申しますと、国税庁も、これはやはり内局とするということになるわけであります。内局にいたしますれば、主税局というのがまだ残つておりまして、主税局一緒にするということになろうかと存じます。造幣庁印刷庁は、先程調達庁のところで申上げましたように、これは主としてやはり現業をやつております機関でありますので、或いはこれを内局とはいたしませず、機関というようなことで考えてもいいのではないかというふうに思つております。  次は文部省でございますが、文部省につきましては、若干部局整理する程度で止めて置きたいと考えております。併し総理府のところで、実は日本学術会議科学技術行政協議会、あれは総理府機関としてあるわけでありますが、これは総理府事務をいろいろ整理するという点から考えまして、文部省に付けていいのではなかろうかというふうに考えております。併しこれにはなかなか反対もあるのであります。これらは文部省だけのことを……、必ずしも行政対象範囲文部省だけにならないように、依然総理庁に付けて行つた方がいいという議論もあるのであります。  次は厚生省でありますが、厚生省につきましては、これは厚生省労働省とが、今度の社会保障制度に関連いたしまして、非常に問題が出て来るのでありまして、御承知のように、社会保障制度審議会が一昨年作られまして、近く答申を出すことになつておりますが、相当これが社会保障制度統一的実施ということを強く主張するやに聞いておるのであります。従いまして、そういう事態になりますと、どうしてもこれは厚生省労働省というものをどういうふうに技術的に連繋させるかということを考えなければならない。一応案といたしましては、例えばこの二つを統合いたしまして、一つの省にするというようなことを研究いたしております。まあこの二つの省の中では、社会保障的なもの、例えば労働省でやつております労災保険でありますとか、或いは失業保険というようなものと、厚生省でやつております国民健康保険、或いは厚生年金というようなもの、こういうようなものと性格は非常にだんだん似通つて来ておりますので、こういう面においては確かに一つでやつた方が一貫してよろしいということが言えるのであります。併しながら、どうてもなかなか一緒になり切らない面といたしましては、例えば医者のことであるとか、薬のことであるとか、こういうことを厚生省がやつておりますが、これらの面と労働プロパー行政労働基準行政でありますとか、或いは労働組合設置に関するもの、こういつたような制度はなかなかそれだけ取上げて見ますと、必ずしも似通つたところがないということで、なかなかこれはむずかしいところでありますが、一応併し機構縮減というようなことも考えまして、これは二つの省を一緒にして見たらどうかというようなことを考えております。  その次は農林省でありますが、これは一般原則のところでも政務次官から申上げましたが、この天然資源保全利用総合的施策ということを考えております。これはその主たる内容治山治水を一元的に実施する必要がある、この治山治水一元的実施ということから、この間の行政制度審議会におきましては、国土省というものを作るがよいという結論になつております。併し又一歩進んで考えますと、国土保全治山治水を実施する主たる狙いは、やはり農業の増産にあるのではなかろうか、治山治水によりまして、年年の農業の災害を防止するという消極面の外に、又治山治水を行うことによりまして、現在の耕地をもつと広く、或いはもつと集約的に利用する、こういうことによりまして農産を殖すということが一番大きな狙いになりはしないかというふうに考えられます。勿論治山治水はその外工業でありますとか、或いは一般都市生活ということにも非常な関係はありますが、やはり何といつても大きな狙い農業の増進であろう、こういうことを考えますと、この際むしろ国土省思想よりも更に一歩進めまして、これによつて利用増進するところの農業というものをもつと広く取込んだらどうかというようなことを一応考えて見ております。これは勿論我々のところ限りの案でありまして、全く政府の外の部局とは相談しておりません。そういうことを考え研究しておるという状況であります。従いましてそういたしますと、現存の農林省と今の建設省の大部分というものが一緒になつて一つの省になるという恰好になるわけであります。いずれの省がいずれを吸収するというようなことではなくて、二つの省が解散いたしまして、一つの新らしい省を作るという思想であることは勿論であります。  次は通産省でありますが、通産省は何と言いましても、物資統制で非常に大きな機構を持つておるわけであります。資物別によりましていろいろの局が只今できております。こういうものを統合いたしまして、例えば商務と工務というふうに大きく分けまして統合するというようなここにいたしまして、この部局の数を三分の二くらいに減すことができるだろうというふうに考ております。又通産省には外局が沢山あるのでありまして、資源庁工業技術庁特許庁、中小企業庁とございますが、これはいずれも外局整理原則を以ちまして内局にできるのではないか、ただそのうち例外的なものは特許庁でございまして、特許庁は特許の審判という、いわば司法的な仕事、裁判所に似た仕事をやつております。これらは例外として庁として残してもよかろうと考えます。  次は運輸省でありますが運輸省につきましては、これも統制経済に直接関係はないわけでありますが、併し物資配給等による点から、大分機構的には膨れておるというふうに見えますので、これも部局の数を整理したい。これは行政制度審議会答申によりますれば、海運局と、確か船舶局一緒にするという案でございましたが、或いはそれによりますと、或いは陸運関係鉄道監督局自動車局とを一緒にするという案で行きますか、これは研究しておるところであります。それから運輸省につきましては、行政制度審議会の案では、港湾局国土省を作りまして、そちらに移管するという案であつたのでありますが、これは先程申しましたように、国土省思想がなく去りましたので、従つて港湾局仕事としては運輸省に残るということになります。この際併し港湾局を果して一つの局として残して置く必要がありや否やということにつきましてはまだ検討しております。この外局でありますが、この庁といたしまして、海上保安庁海難審判庁があるわけであります。海難審判庁は先程の特許庁と同じように審判事務を行うものでありますので、これは内局では無理であろう。海上保安庁仕事から申しますと審判を行うものではございませんけれども、これはどうもちよつと警察に似たような仕事をやつておりますので、これも内局にするのは無理じやなかろうかというふうに考えております。  郵政省につきましては、現業役所でありまして、国家行政組織法でも別扱いを認めておるようでありまして、まあ現状をさわらずに置こうかというふうに考えております。  電気通信省にいたしましても同じことであります。これは公共企業体とするということが行政制度審議会でも答申になつておるのでございます。電信電話復興審議会でも、やはり電気通信省公共企業体にするという結論が出ておるのでありますが、これは将来においてはそういうことにしたいというふうに考えております。併し現在果してそれがすぐするのが適当であるかどうかは、まだ研究の余地があろうといふう考えております。それからこれは総理府のところでありました電波監理委員会、これは電気通信省に付けるのが適当であろうというふうに考えております。  それからあとは経済安定本部でありますが、これは我々の今までの考えといたしましては簡素なものにいたしまして、総理府に付けたらどうかというふうに考えております。  以上が中央機構につきまして、政務次官から申されました三つ原則に基きます各省機構について、只今行政管理庁として研究しております段階での状況と或いは問題、事項の報告でございます。
  5. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 只今の御説明に対しまして御質疑がありますれば、尚又御意見がありますれば、この際御質問を願います。それでは御質問或いは御意見ということを申して置きましたが、更についでに出先機関整理の問題があります。これについてやはり政府意見はまだ確定的ではないようでありますが、併し或る程度の見通しは説明ができるということでありまするから、それを伺おうと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。
  7. 中川融

    説明員中川融君) 地方出先機関につきましては、この間のシヤウプ勧告、これは一年前のシヤウプ勧告でありますが、あれに基きまして、御承知のように国と地方事務を再配分せよという勧告がございまして、それによりまして総理府地方行政調査委員会議というものが設立されました。ここで目下再配分の案を検討しておる次第であります。その結論が出ませぬと、果してどの程度地方機関整理なり、事務委譲なりをやつていいのか方針を決めかねますので、それを待つて根本的な措置をとりたい。それが若し近いうちに結論が出れば、或いは機構改組案に織り込むことができるわけであります。どうも只今までの様子をいろいろ聞いて見ますと、正式の勧告というものは来年に持越されるようでありますので、そういたしますと、ちよつと機構改組案は根本的な出先機関整理なり改革というものを織り込むことが時間的に間に合わないかと存じます。従いまして今回するとすれば、その根本的なものに、触れずに、現在あるものを大体の基礎といたしまして、できる限りの簡素化ということをやる程度になるのではないか。これは行政調査会議結論の出次第にやるつもりであります。只今状況ではむしろそういうふうになりはしないかと考えております。
  8. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次官にお尋ねしますが、今機構改革についての或る程度政府考え方伺つたのでありますが、つまり定員整理と言いますか、それについてどんな構想を持つておるか。初めから定員をこれだけ減らすというようなお考えではないだろうと思うのでありますが、そういうような点についてのお考え方と、それからもう一つは、さつきお話のあつたように行政簡素化してそうして経費を減らすというような、従つて公務員待遇もよくするというような御意見もあつたのでありますが、予算関係においてどういうふうに現われて来るかという点と、もう一つ最後に伺いたいのは、しよつ中行政整理というものは始終しなければならんのでありますが、大きな整理をすれば、もう大体一段落になるとか何とかいうようなことも必要であつて、然らざれば政府のやつたことが、その職に安んずることができないというよういな虞れもあるのですが、ここで相当な思い切つた整理ができればもう大体においてこれで止める。そういうような三つの点について政府はどんなふうな考えを持つておられるか、お洩らしができれば伺いたいと思います。
  9. 城義臣

    説明員城義臣君) 只今の第一点でありますが、定員の方は日本国有鉄道及び専売公社を除いた国の行政機関の職員数は八十七万でありますが、これを昭和六、七年頃の職員数の三十六万に比べますと、二・四倍の膨脹になつているのであります。ついでに機構のことを申上げれば、現在各府省庁の局部数は二百五十でありますが、当時の数、百十に比較いたしますと、二、三倍の増加になつているのであります。それで今回の行政簡素化におきましては、第一次の整理をいたしましたときとは違つて、今後二ヶ年くらいの余裕を以ちまして、その間にできれば先程の数字から見ましても、成るべく縮減したい。できれば三割くらいのところはする必要があり、又可能ではないかと、こんなふうに大体のところ考えているのであります。予算関係につきましては、只今のところではまだ調査研究中でありますので、率直のところお答えできないのでありますけれども、成るべく一つ余計に節約いたしまして、前のような二百億も縮減で言できれば大変いいのだというふうな見方をいたしておりますけれども、これもただ單なる大掴みな目標でありますので、何とも現在のところでは申上げられない状態であります。もう一点、行政整理をしよつ中やるということによつて公務員の諸君が絶えず不安一を覚えておられるということは御尤なことであり、そういう事態を成るべく避けたいと思うのであります。私当初経過的な点に触れてちよつと申上げましたように、今回の第二次行政整理というものは、第一次行政整理の際に非常に急速に何と申しますか、やりましたので、いわゆる仕事のヴォリュームを科学的によく把握して、その仕事の分量に適切な定員というものを定めるという方針について、具体的にはいろいろの無理もあつただろうということで、今回それを是正いたしたいという考え方であるので、更には経済統制の解除であるとか、或いはシヤウプ勧告に基く国家事務地方委讓等の新措置に鑑みまして行いますので、いわゆる機構いじりをやつて朝令暮改するということは極力避けたい、こういう考えを持つておりますので、今回の整理を思い切つていたしまして、いわゆる機構いじりに堕するというようなことは避けたいと思つているので、さよう御了承頂きたいと思つております。
  10. 河井彌八

    委員長河井彌八君) もう一つお尋ねしますが、今極く大要の構想伺つたのですが、更にこれをもう少し具体化して、案が決まるのはいつ頃になりますか。
  11. 城義臣

    説明員城義臣君) 大体十月の終り頃になるのじやないかとも思つております。
  12. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 十月の終り頃ですか。
  13. 城義臣

    説明員城義臣君) はい。
  14. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それは政府部内だけですか。関係方面の側との交渉も……。
  15. 城義臣

    説明員城義臣君) 部内だけでという見通しなんでございますが……。
  16. 楠見義男

    ○楠見義男君 正式にまだこの案がお、決まりになつておらぬようであります。から、この案についての質疑は後日にしまして、大体考え方について二、三、伺つて見たいと思います。それは行政整理の問題というのは、御承知のように非常に景気のいい、内閣としては景気のいい題目なんですが、同時にその行というものは御承知のように非常にむずかしいのです。そこで私共考え方について一つお伺いしたいと思う点は、先程も方針一つとしてお述べになりました国民負担の軽減という点から見て、きるだけ官庁簡素化し、又人員を整理する、こういうお考え方なんですが、この考え方については決して私は反対し、又は否定するものではないのでありますが、ただ現在の経済状態或いは職員の生活状態、それから又役人を辞めてからのそれらの人々の受入態勢、こういう問題については率直に申上げますと、内閣は、いずれの内閣でもそうでありますが、特に現内閣は景気のいいことばかりを先走りせられて、それの受入態勢というものがややもすると欠けておるのは、今までの経済統制解除の経緯に鑑みても、そういうことが言えると思います。そこで若し新聞で伝えられておるように、二十五万の人間が整理されるという場合に、その整理自体はともかくとして、それらの人々に対する受入態勢、いわば失業保険だとか、その他の方面でもお考えになつておられる社会保障制度との関連、こういう問題の準備なくして、厖大なこういうような整理が行われるということになりますと、そこに非常に大きな問題が起ると同時に、私は又これは、私見でありますけれども、別の観点から、国民経済の立場から国内の購買力と言いますか、有効需要と言いますか、不景気と言いますか、こういう面から非常に大きな問題が起りはせぬかということを懸念する一人なんでありますが、そういう点との睨み合せをどういうようにお考えになつて、この行政機構簡素化案が出ておるのか、先ずこの点についての考え方にづいてお伺いしたいと思います。
  17. 城義臣

    説明員城義臣君) 只今楠見委員からのお話では、どうも景気のいい行政整理というようなお話がありましたが、決してそんな気持ではなくて、先程来申上げております通り、少しでも国民の負担を軽減したいという考え方に合せまして、公務員待遇を改善したいという目途でやつておりますので、私は率直に申上げて、いずれの内閣にいたしましても、行政整理は言うべくしてなかなか行われにくいことで、見ようによれば、まあこれは景気がいいどころか、貧乏くじを引くような仕事になるのでありますけれども、併し一応の数字的な膨脹率から見ましても、尤も昭和六、七年当時と現在とは違いますから、それが二・四倍程度に膨脹しておることを以て、直ちに数字的な、機械的な膨脹だとは見られないと思いますけれども、併し日本の経済力に相応して、何とかこれを簡素化しなければならんということだけについては、私国民の最も待望するところである、こういうふうに考えますので、このやりずらい行政整理と何とか取組んでやつて行きたいと、こんなふうに考えておるのであります。そこで、巷間伝えられる二十五万の整理というお話、これは御尤もでありまして、この数字につきましては、現在の職員数が八十七万で目標三割にいたしますというと、二十五万という数字が出て参りますけれども、まあ理想と申しますか、一応あとの受入態勢ということは別にいたしまして、ただ先程来申上げるように、何とか簡素化するという主題に添つて、でき得べくんば、更に三割程度の目標を掲げて整理をしたいという気持でありますけれども、現在のところでは、只今研究中のところでは、とても行きそうにないのであります。従つて、私少くとも整理をするという点から行きますというと、或いはずつと数が減つて参りまして、三割どころか一割もどうかというふなことに或いはなりはしないかという情勢も見られぬではないのであります。そこで成るべく出血を避けたいという考え方からいたしまして、二年間ぐらいの今後期間を置きまして、自然にお辞めになる方などの数も相当あるようでありますし、だからといつて、新進気鋭の有能な土を全然採用せんということでは、又却つて国政の将来に向つていろいろな禍いができますので、入れないことにはなりますまいけれども、成るべく辞めた欠員ということなどにつきましては、これを補充しない、新規採用というものを抑えてでも出血を避けて行きたい。これは消極的ではありますけれども、そういう考え方で進んで参りたいと思つております。更に積極的に、然らばいずれにしても出て来る整理者という者をどういうふうにして受入れるかということにつきましても、私共いろいろ心配いたしておりますので、各その担当者と申しまするか、専門の各部局責任者に対しましては、いろいろと只今鋭をいたしておる次第でありますので、本日のところでは、私といたしましては、その程度の御説明しかできないという点も一つ御了承願いたいと思います。
  18. 楠見義男

    ○楠見義男君 景気のいいという話は、税金に苦しんでおる国民は、例えば選挙なら選挙のときに、これだけ税金が多いのだ、これは行政役人が多いのだ、だから整理すれば税金が安くなるのだという、こういうようなことで、これは城さん御存じのように、自由党は選挙ごとにこの問題を掲げて来ておられるのです。その事自体は先程私お話申上げましたように、決して役人が少な過ぎるとか、むしろ場合によつては多いのですから、その事自体については繰返して申上げるように、私は決して否定をし、又反対はしないのであります。ただこういう案ができるときには、又発表されるときには、同時にそれらの人々の受入態勢ができてから発表して頂きたい。これは今までのたびたびの先例で、城さん自身もお認めになつておるように、それが常に欠けておるのです。ただそれでこれだけのものがぽつと発表されると、発表されただけで職員に不安動揺を来たし、又明日の日からの仕事も手に着かぬ。これより国家行政事務の停滞の損失をそれだけ大きくするということは、これはよく御承知の通りだと思われまする。従つてそういう意味から十分にお考え下されると同時に、この案が発表されるときには、一方の案の成案を得て発表して頂きたい。これはまあ希望でありますが、そういう感じがするのです。それから二十五万人というこの何ですが、先程お話の国有鉄道と専売を除いて八十七万、こういう数字のお示しがあつたのですが、この案で見ますと、郵政省その他の省は現状通りと、こうなつているのですが、郵政省所管の職員の数は一体何人でございましようか。それで整理の対象になるのですか、ならないのですか。
  19. 城義臣

    説明員城義臣君) 郵政、電通併せまして約四十万。
  20. 楠見義男

    ○楠見義男君 それで整理の対象になるのですか、ならないのですか。
  21. 城義臣

    説明員城義臣君) これは現業です、から整理できないのであります。場合によつては足りないようなことを聞いております。
  22. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうすると、八十七万から四十万を引いて、この四十七万に対して二十五万の整理、こういうふうになるわけですか。
  23. 城義臣

    説明員城義臣君) それは根拠は実はないのでありまして、先程申上げましたように一応三割と目安を置けば、こういう数字が出るのです。これは数字的な結果なんでして……。
  24. 楠見義男

    ○楠見義男君 私の伺うのは、仮に八十七万から四十万を引いて、四十七万の三割とすると十四万ですね、ところが二十五万という数字が出て来ておるから、そうすると、五割以上になりはせぬか、三割々々とおつしやるけれども、五割以上になりはせぬかという数の問題なんです。それで伺うのです。
  25. 中川融

    説明員中川融君) その点は、三割ということは一応三割というふうなことを考えたわけでありまして、具体的に人員をどういうふうにするかということは、結局現業職員というものは殆んど整理の余地がないから、非常に無理しなければ、ここから一割取るということはできない。そういうことになりますと、この前の行政整理の際にも、現業は軽くなりまして、あとのものは三割ということになつた。三割ということも別にそういうことがここで決定しておることもないのでありまして、巷間伝えられる程度であつて従つて数等については全然我々まだ計算しておりません。恐らくその何割というようなことで、整理することも恐らく結局はないのじやないかと思いますけれども、若しはつきりと数を出して整理するということになれば、おのずからその整理の対象になる。具体的な数はその総数に対する三割ということについては非常に違つて来ると思います。
  26. 楠見義男

    ○楠見義男君 そうしますと、考え方の問題で、もう一つお伺いするのですが、国民負担の軽減とかいうふうな観点から言えば、人員の整理というものが先ず先に立たなければ、そういう問題が起つて来ない。單に行政機構簡素化、或いは二つの省を一つにして六臣一人が浮くとか、政務官が、浮くとかいうことでは、これはもう問題にならないので、あくまで負担軽減ができれば人員整理という方針になるのですが、この考え方はそういうふうに人員整理というのを先ず頭に置いて、そうして機構改革をやつておるのか、人員整理ということは全然ないという場合になつたらとることがないかも分らない。ただ機構の合理化と言いますか、刷新と言いますか、そういう観点からこの問題を取上げてお考えになつておるのか、どちらなんでしようか。
  27. 城義臣

    説明員城義臣君) 楠見委員のお話のようになれば、誠に当然のことでありまして、ずつと私一貫しておる趣旨から申上げておるように、只今の三割というようなものは、実は今部長からお話ししましたように、こう解するということを言つておりますのは、できればそういうようなことにしたいという考えを持ちましても、実際に具体的に研究して見ますと、なかなかならない。併しいかないからと言つて、それではただ景気のいいことだけ言つて、具体的には整理できないのじやないかというお話になりますけれども、そう割切つて考えて頂かなくて、そういう方針で成るべく冗員のあるところ、或いは機構簡素化をしなければならないところも事実あるようですから、そういうものに副りまして、できるだけはその冗員というものを整理して参りたい、そういう程度で御了承になつて頂きたいと思うのであります。
  28. 楠見義男

    ○楠見義男君 これは最初申上げましたように、また成案ができて来ないのでありますから、こういうお考えなつた経過についての考えについて御質疑を申上げているのであります。そういうことで申上げておると御了承頂けばよいのであります。行政機構簡素化、合理化の問題で現在国民が困つておるのは、いろいろの役所に跨つて役所でも又それぞれのセクシヨンに跨つて、例えば一つの申請したことが十数ヶ所を通らなければならんとか、そういうことも国民怨嗟の的になつておる。この点は機構の一本というか、簡素化するという場合に、同時にそういう点を併せお考えになつておるか。
  29. 城義臣

    説明員城義臣君) 御承知の通り非常に窓口が幾つかに分れて煩雑であるという怨嗟の声があるということはよく承知しております。成るべくそういう趣旨を取入れまして進めたいと思います。
  30. 楠見義男

    ○楠見義男君 もう一つ外局たる庁の間の問題であります。この問題は例えば国税庁にしましても、或いは食糧庁にしましても、半ば現業的の機構であり、そうして多数の地方の管下職員を持つておる。従つて外局としての存在の理由と言いますか、仕事をする、能率化をする上において却つていいところがあるのであります。例えば何万人という職員を国税庁なら国税庁が持つておる、それが内局になりますと、それらの部面の人事に関することは、すべて秘書課なり、会計課というもので、省全体の仕事として扱うために事務が非常に澁滯するということがあるのであります。勿論特別会計とか、いろいろな外局たる要素としての條件は別としまして、そういうような事務の能率迅速化という観点も見逃すことのできない一つの特長なんであります。ただそれを庁を局にして内局にするという簡單な問題で私はないように思うのであります。それらの点についての考え方はどうなんですか。
  31. 城義臣

    説明員城義臣君) 只今私共の御説明申上げておりますのは、まだ原則論について申上げておりますので、そういう御注意の点は尤もだと存じますので、そういう点は画一的な形式的な持つて行き方については、私どうかと思つておりますので、十分気を付けたいと思つております。
  32. 梅津錦一

    ○梅津錦一君 新聞で見ると、今度の中央行政機構簡素化の案のために、整理の対象、或いは機構改革の対象になる官庁或いはそれに関係する職員から猛烈な反対があると、こういうことは、その反対の主な理由はどういうことを反対の理由としているか、それをちよつとお尋ねしたいと思うのであります。
  33. 楠見義男

    ○楠見義男君 ちよつとそれに関連しまして、今梅津さんからお話があつたのと関連しておるのでありますが、新聞ではこの原案に対する各省からの反対意見も可なり強いので、政府案を得るまでには可なりの声があるものと予想される。こういうことが九月二十四日の日本経済新聞に載つております。それで今の梅津さんの御質問と同時に、各省でこれらに対してどういうような意見を持つておるか、参考までにお耳に達しておる程度で結構でありますから、お漏らしを願います。
  34. 城義臣

    説明員城義臣君) 速記を止めて下さい。
  35. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を止めて下さい。    午後零時十二分速記中止    —————・—————    午後零時二十一分速記開始
  36. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 速記を始めて……。それでは本月の内閣委員会はこれで散会いたします。    午後零時二十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            大島 定吉君            仁田 竹一君            梅津 錦一君    委員            郡  祐一君            カニエ邦彦君            楠見 義男君            林屋亀次郎君   説明員    行政管理政務次    官       城  義臣君    行政管理庁管理    部長      中川  融君