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1950-11-10 第8回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十日(金曜日)    午前十時五十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電力問題に関する調査の件  (日発正副総裁更迭問題の件)  (右件に関し証人証言あり)   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今から電力問題に関する特別委員会を開会いたします。  本日は昨日に引続きまして、日本発送電株式会社正副総裁更迭問題を中心といたしまして調査を進めます。証人としては当事者及び関係人として前総裁大西英一君、前副総裁櫻井督三君及び稻垣平太郎君の三名と、又政府側としては横尾通商産業大臣首藤政務次官及び永山官房長においでを願うことになつています。以上の中で稻垣証人は診療の関係で、又通商産業大臣は閣議のために午前中はお見えになりませんので、従いまして午前中は大西櫻井証人だけの証言を聴取し、午後稻垣証人及び政府側を含めた証言及び説明を総括的に承りたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではそのようにして議事を進めることにいたします。本日の中心的議題日本発送電圧総裁更迭問題でございます。この点につきましては、当委員会として数回に亘り横尾通商産業大臣首藤政務次官或いは岡崎官房長官に対して説明を求めたのでございますが、辞職勧告理由につきましては友人としての好意的勧告と言つたり、政府案反対的態度であるからと言つたり統一を欠き、見返資金及び再編成に対する責任の帰趨も明らかでないのであります。又稲垣総裁論吉田首相との関連において各新聞に挙つて掲載されたにも拘わらず、直接責任者である通商産業大臣は誰からも稻垣氏の推薦を受けていないと答弁されておりまして、重要なる電気関係人事が如何なる理念で誰の手で取扱われているのか了解に苦しむのであります。従いまして電気事業編成問題をめぐるこれらの疑惑を解明し明朗化いたしまして、来るべき法案審議促進に資したいというのが主なる目的なのでございます。  次に証人喚問に対する注意事項を申上げます。証人の方に御証言願う前に議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第二條によりまして宣誓をして頂かなければなりませんが、大西証人及び稻壇証人につきましては昨日宣誓が済んでおりますから樫井証人宣誓を求めます。宣誓に入ります前に証人に念のために申上げます。これから宣誓を行なつて証言して頂くのでございますが、若し虚偽の陳述をしたときは議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第六條によりまして、三ヶ月以上十年以下の懲役に処する罰則があり、又正当の理由なく宣誓若しくは証言を拒んだときは、同法第七條によりまして一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつております。但し同法第四條により、民事訴訟法第二百八十條(第三号の場合を除く。)及び二百八十一條(第一項第一号及び第三号の場合を除く。)のり規定に該当する場合に限り、宣誓若しくは証言を拒むことができます。念のために先ず民事訴訟法第二百八十條の該当文を朗読いたします。   第二百八十條 証言カ証人ハ左ニ掲クル者ノ刑事上ノ訴追又ハ処罰招ク虞アル事項ニ関スルトキハ証人ハ証言拒ムロトヲ得証言カ此等ノ者ノ恥辱ニ帰スヘキ事項ニ関スルトキ亦同ジ  一 証人配偶者、四親等内ノ血族若ハ三親等内ノ姻族又ハ証人ト此等親族関係アリタル者  二 証人ノ後見人又ハ証人ノ後見ヲ受クル者  次に民事訴訟法第二百八十一條該当部分を朗読いたします。   第二百八十一條 左ノ場合ニ於テハ証人ハ証言拒ムコトヲ得  二 医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教又ハ祷祀ノ職二在ル者バ此等職ニ布リタル者カ職務知リタル事実ニシテ黙秘スヘキモノコ付訊問受クルトキ    前項ノ規定ハ証人カ黙秘ノ義務ヲ免セラレタル場合二八之ヲ適用セズ 以上でございます。  それでは証人の方に宣誓を求めます。証人櫻井督三君宣誓書を御朗読願います。宣誓書に署名、捺印を求めます。    〔証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事も  かくさず、又何事もつけ加えないこ  とを誓います。         証人 櫻井 督三
  4. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは大西証人から順次証言を願います。証言内容は予め御案内を申上げておきましたが、日本発送電株式会社総裁、副総裁辞職決定に至るまでの経緯を各方面との交渉を含めまして詳細に証言せられたいのであります。大西英一君。
  5. 大西英一

    証人大西英一君) 今回の辞職につきましての証言を申上げます。私九月の六日でございまするが、通産大臣からお電話がございまして官邸へ午後来るようにとこういうお話がございました。それで私櫻井君と同道して官邸へ参りました。その席には大臣山本次官電力局長とお三方が御列席になりまして、その席で大臣からこの際職を辞して貰いたいという懇切丁寧な御勧告があつたわけでございます。それにつきまして私共両名から大臣にその席でお尋ね申上げたことは、私共がやめることによつて見返資金が出るようになるのでしようかということをお尋ね申しました。というのは昨日も御質問がございましたように、我々がとつております行動が見返資金放出支障があるやの噂も前々からございましたので、そういうふうに感じましてお尋ねをしたわけです。ところが大臣は見返資金の問題とは全然何らの関係を持つて申上げたのではない、こういうお話でございました。それから尚私共からお尋ねしましたことは、御承知のように六日に呼ばれたのですけれども、五日の夕方、丁度私共両名会社を帰ろうとするときに、朝日新聞社の記者から副総裁電話がありましてどちらかに会いたい、こういう話がございましたので、それじやお前会つたらよかろう、こういうことで櫻井君が会いました。その話はこれはいずれ欄井君から申上げるだろうと思いますが、私がそのとき聞きましたのは今度二人やめることになつたらしい、それで若し拒めば電気事業法の三十七條か何條かちよつと知りませんが、それによつてやるのだというような話まであるというようなことを言つて櫻井君にそれに対する感想はということを聞いたそうですが、まだ何も聞いていないのに何も感想はないといつて別れたという話を後から櫻井君から聞いて、それで私先に帰つたわけです。ところがその朝の朝日新聞に皆さんも御承知のようにそれと同じことが載つてつたわけです。それで成る程新聞に出るくらいだから事実であろうといつておりましたら、先程申しました官邸へ来るようにという電話があつたわけです。で大臣に、我我が若し拒めばそういうお考えをお持ちですかということを実はお尋ねしたわけです。ところが大臣自分友人としてお願いをしているわけで決してそういうような考えは毛頭持つていません、こういうお話でありました。それからもう一つ後任については何かお考えがございますか、こういうことをお尋ねいたしましたところが、後任考えてあなた方に勧告するようなそういうことはございません、後任については全然何も考えていない、ただお願いしただけである、こういうような意味お話がございましたので、我々両名は大臣のお気持はよく分りました、よく考えた上でお返事を申上げます、こういうことで引き下つて参つたのでございます。それで私といたしましては、毎々いろいろお世話になつておる先輩友人等にこの問題を相談をしようかとも考えましたけれども、当日一晩考えました結果、自分としてはこの際大臣勧告を受入れる方が、何かこう電気事業上にいい結果が生れて来るであろうというような感じをいたしましたので、今回は実は先輩或いは友人にどなたにも相談しませんで、九日に辞表を出したわけでございます。  それで辞表を出しましたときに大臣お願いをしたことが二つ三つあるわけでございます。それは先ず第一に再編成後における株主社員差別待遇を受けないように是非一つお願いをいたします、それから後任につきましては是非とも社内から出すように御考慮を御願い申上げたい、それから電源開発工事は絶対に中止をするわけには行きませんから、かといつて私共は供給責任を持つておる関係上、石炭もどうしてもこの冬は買つて供給責任を果さなければなりませんからして、この点について支障のないように是非とも御配慮をお願い申上げたいというようなことをお願い申上げまして、大臣お話はよく分りました、自分としてできるだけのことをいたします、こういうお話がございまして、引き下つたわけでございます。  それで十三日の午後一時でしたか、二時でしたか、大臣のお部屋に呼ばれまして、その席で解職の辞令を頂戴したわけでございます。それで私共は永い間の肩の荷も降りたというような気持で宅へ帰ろうと思いまして、車の中でその日の夕刊を見ました途端に御承知の読売新聞のあのスキヤンダルが出たわけでして、この点については私は故意か偶然かは知りませんけれども、この点に対して非常に電気事業が世間から疑惑の目を以て見られ、且つ又全然御関係のない方々に非常な御迷惑をかけたということを非常に遺憾に考えておつたわけでございます。以上が大体私が辞職をいたしましたまでの経過であります。  それから各方面との交渉ということも今度のあれにございまするが、今回の辞職については只今も申上げましたように、絶対にどなたにも御相談もせず自分一個の考えでやりまして、辞表を出してから自分の最も信頼している先輩の二、三の方に、御相談もせず辞表を出したことを悪からず御了承願いたいということでお断りして歩いたのは、辞表を出したあとから断つて歩いたようなわけであります。以上簡單でございますが。
  6. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 引続きまして櫻井証くの証言を求めます。
  7. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 証言をいたします。大臣に呼ばれましたのは今大西総裁のおつしやつた通りでございますが、ちよつと大西総裁から触れましたその前の日の模様お話をいたします。  丁度五時前後でございましたか、もう帰ろうというので総裁部屋に私参つてつたのでございますが、丁度祕書の一人もそこへおりましてそこに電話がかかつて参りまして、祕書がその電話の応待をいたしたわけであります。朝日新聞記者の方からだということでありました。それで是非とも正副総裁のうちの誰かに会いたいというお話つた模様であります。そこで何か祕書がもう今から帰る際でありますというようなことを言つておりましたのですが、是非会いたい、直く行くからと何か二人でお見えになるような話だつたわけであります。それでは私がお目にかかりましようということでお約束をいたしましてから間もなく、一人の方がお見えになりまして、名前は実は失念いたしました。いきなりのお話が、政府正副総裁をやめることに決めたそうだがそれについて感想はどうか、こういうお話でありました。実は全く初耳なのでいきなり感想を求められても何とも感想はありません。若し君達が直ぐにやめないようならば法律何條かでやめるといつたようなことを言つておるが、そういうことはどうか、そういうことが不当と思わないかというふうなお話でありました。まだ何も話を聞かず、今初めてなのに当も不当も感想がないのだから何とも言えないというふうなお話をしたわけであります。それでその話は総裁に申上げたわけでございますが、それでその日は帰りました。  翌日午前中たしか十一時頃だつたと思いますけれども、二時に正副総裁両方とも官邸の方に来て欲しいというお話がありました。それで昨日の朝日の方のお話、それからその翌朝に出た新聞記事等がありましたから、呼ばれれば先ずその話だろうとは思つて参つたのであります。そのときの話で大西総裁の言われたことを少しく補足いたしておきたいと思うことは、通産大臣から私に申し付けられましたことは、電力編成の問題について大体の政府の方針も決定するのは近い。それでその再編成の結果は必ず諸君が今まで、主張していたところとは違うであろう。もう数ケ月のうちには結論が出て、その結論というのは諸君が従来主張したことと違うに違いないのだから、そこまでぎりぎりにいるよりはこの機会にやめられた方が適当な時期だろうと思う。友人として御勧告を申上げます。そういうふうなまあお話でございました。尚丁度電産の人員整理の問題がまだ終局に至つてはおりませんでしたけれども、通産大臣の言われるには、全く終つてはいないけれども、とにかく一つの段落の付いたときだから、この機会が最もいい機会ではないかと思う。それから返事は成るべく早く欲しいというようなお話があつたのであります。その他のことにつきましては只今大西総裁お話をいたしたと同様でございます。質問いたしたのは、見返資金のこと、後任総裁のこと、或いは新聞記者お話だというと法律何條かで私共をやめさせるというようなことを言われていますが、そういうことがありますかというような点、そういう点は只今大西総裁が言われたと同様でありまして、その答も総裁のおつしやつた答の通りでございます。  そうして引下つて参つたのでございますが、翌朝私共二人で本店における幹部役員社員等を集めまして一応報告をいたしました。皆がそれだけの重要な問題であるならば、とにかくやめるということで返事をして欲しいという話がその結果出て参つたのであります。私共のその日発本店幹部に申しました申し方は、今度は私共の思うようにさせて欲しいということを申したのであります。併しこれはどうしても役員に話したらよかろうという話でありまして、誠に尤もと思いましたので、丁度九月の十一日に理事会を開く予定になつておりましたのでありますが、その日急に各理事に通知をいたしまして、九日に繰上げたわけでございます。そういつた事情でありましたものですから、七日のお晝から私通商産業大臣をお訪ねいたしまして、一応私の方の役員と話をして頂きたいという、一とを申入れました。ところが通商産業大臣は、誠に御尤もですからそれで結構でございます、こういうお話でございました。それで九日の日に予定通り役員皆集まりまして、一応七日の朝本店の人々に申したと同じような経過申流べまして、何したわけでございますが、途中で丁度電産の組合との交渉というようなものが中に挾まりまして、役員会は午前中で一旦休憩をいたし、それから組合とお会いしたりしまして、そういうことになつたものですから、又私総裁とも相談の上で通商産業省に参りまして、事務、政務の両次官にお日にかかつたのであります。そうして今日は朝から役員会をいたしましたけれども、まだいろいろ打合せのことも残りますので今日は御返事はできかねますというようなふうに実は申したのであります。ところが両次官とも是非今日は返事が欲しいというふうなお話がありました。それで更に帰つて大西総裁といろいろ御相談を申しました結果、九日の午後七時に私共二人辞表を持つて辞表といいますか、辞職願を持つてお訪ねしたようなわけでございます。あとは十三日の午後二時に願いによつて職を解くという辞令を頂戴いたしたのであります。  あの証言内容の他との交渉云々というようなことがありますけれども、交渉というようなことはありませんで、只今のような通商産業省との間に私が使いをいたしましてやり取りがあつたという、この以外には他の交渉というようなものはございません。以上で以てやめるまでに至る経過証言でございます。
  8. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員長から概括的に御両人に対して御質問申上げたいと思います。特に御指名申上げませんが、それぞれお気付きの点を御証言願えれば結構だと思います。  先ず第一にお伺いをいたしますることは、昨日前稲垣通商産業大臣の御証言の中に、稲垣氏が大臣在任当時、当時の吉田内閣の閣僚の中にも総裁、副総裁更迭示唆をせられて、稲垣大臣としてはこの示唆に対して態度を持して取上げなかつたと、こういう証言をせられたのでありますが、あなた方は稻垣大臣当時にそういう空気が吉田内閣の中にあつたということを御承知になつておりましたかどうか、この点を伺いたいと思います。
  9. 大西英一

    証人大西英一君) お答えをいたします。その稻垣大臣の当時にそういう話があつたということは、うすうすそういうような噂は聞いておりました。併しどなたがどうおつしやつているというようなことは聞いてはおりませんし、又その当時は私だけの問題であつて、恐らく櫻井君の噂は出ていなかつたのじやないか、かように考えております。
  10. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) その当時の噂が、そういうことが政府部内で唱えられた理由はどういうところにあつたとお考えになりましようか。
  11. 大西英一

    証人大西英一君) その点は私理由は一向分りません。
  12. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、当時理由はお分りにならなかつたとしましても、非常に激しく再編成問題の論争がせられておつた当時でありますからこれに関係した問題であると、こういう工合にお考えにはならなかつたのでしようか。
  13. 大西英一

    ○一証人大西英一君) 当時はまだ約一年ばかり前のことですから、再編成問題も昨今のように深刻化していなかつたと思われます。まあ結局そういう噂が出るということは、私がその任でないというようなお考えをお持ちになる方から出たのじやないかというふうに考えておりまして、別に再編成問題に対してというような感じは持つておりませんでした。
  14. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 今度の総裁更迭問題で私は非常に性格的に重要な点があると思うのでありますが、その先ず第一点は先程大西証人勧告を受ける方がいい、こういう工合電気事業のためにいいと決議をした、こういうことを言われました。それから見返資金融資促進に資するためかという大臣への質問に対して、これとは関係がないということをはつきり言われた。その他辞職理由はどうも明確を欠くのでありますが、少くとも発送電総裁、副総裁というものは大臣によつて任命せられておりまするけれども、その出処進退というものはおのずから総裁に就任された当時から事業運営に対する大責任を持つておられるのでありますから、そういう曖昧な理由辞職をせられるということは、私は法人代表責任者としては如何かと考えるのでありますが、この点はどういう工合にお考えになつておりましようか。
  15. 大西英一

    証人大西英一君) お答えをいたします。法人としての行動として無責任でないかという御質問でございまするが、その御質問は御尤もだと存じますが、御承知のように日本発送電の仕事は非常に重要な職であることは申すまでもないところであります。私は二十二年の六月御承知の電産争議の最高潮のときに就任をいたしまして、約一年間というものは殆んど電産との交渉に沒頭をいたしておつたようなわけでございますから、一方戰災或いは酷使によります発つ電設備の減耗というような点もございまして、私といたしましては設備改良、復旧というものに非常な努力を拂つて参りましたわけで、幸いにも従業員諸君協力と、天候にも恵まれましたとはいえ設備改良その他は殆んど戰前以上に回復をいたして参りまして、御承知のように二十三年、二十四年と今日まで曾てない発電電力量を上げることができるように相成つたわけでございます。  一方昨日の御質問のございましたあの金融界の不況の時に、日本一の大増資を各方面の御協力によつて満足完了をすることができました。一方戰後多年国民の希望しておりました電源開発つも見返り資金放出によりまして、その緒につきまして、そういうような、ふうで私としてやるべきこと、やらなければならないということは殆んどやり盡くしておりましたようなわけで、この際やめさせて頂くのがいいというふうにかように考えておつたようなわけでございます。
  16. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 只今大西総裁も申しましたことも、その通りでございますが、その外に御承知かと思いますが、日本発送電役員正副総裁総会にも何にも諮らず、政府がら任命されておる。外の役員は一応株主総会候補者を倍数選びまして、そのうち半数だけが政府から任命されている。こういう形で多少なりとも外の役員につきましては株主総会というようなものが関連をいたしておりますけれども、正副総裁に関しまする限りは株主総会は何ら関連することなしに、政府から任命されておるというようなこういつたような立場にありますが、政府から正式に辞職勧告されたということは一つの事実でありますが、理由その他はとにかくとしまして、我々を任命した政府それ自身が私共に辞職勧告して来たということにつきましては、私共はやはりこれはやめるのが適当であろうというふうに考えた。これもやめるに至つた一つ理由でございます。
  17. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、櫻井証人に伺いますが、あなたは先程の証言の中で横尾大臣との話合いの過程におきましてですが、大西証人言葉を少し附言せられまして、電気事業分断が目睫に迫つておる。従つて主張が全然違う形で実現されるのであるからやめた方がよくはないかという言葉があつたように聞きましたが、これをもう少し整理して考えまするならば、あなた方は政府考えておる再編成の方法と違つたいわゆる電気事業分断反対の運動をせられたからやめてくれ、こういうことであつた考えるのでありますが、さように理解をせられておやめになつたわけでありますか。ここは先程理由は別としてとおつしやつたのですが、少くとも日本発送電総裁、副総裁でありまするから如何に法律の取決めがありましても、これは法律もそこまでの強制力はないと私は理解しておるのでありますが、漫然とした理由でやめさせるということはできない筈で、はつきりとした理由がなければならんわけでありますが、そういうふうに御了解になつておるかどうか、その点をお伺いしたい。
  18. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) お答えいたします。通産大臣から言われたことは先程申上げた通りでございますけれども、私共の考え、少くとも私の考えでは、その再編成の問題というのは前国会に出たのでありますが、必ずしも反対だから云々ということでのみやめなければならないとは考えません。  併しここで申上げたいことは、政府から任命されたものが、その政府から辞職勧告されたという事実。それから又我々がやめることによつて恐らくこの見返資金の問題でありますとか、その他いろいろな問題が幾らかでもいい方に向つて来ようという期待、そういう意味でやめたわけです。
  19. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) もう一遍重要な点として伺いますのは、先程あなたの御証言の中で、日本発送電総裁、副総裁株主総会決議を経ないで政府任命になつておる、こういうことをおつしやつたのでありますが、従つて自由に行動をしていいというようなふうに私は理解したのですけれども、総裁総裁と雖もやはり株主に対しましては資本管理の大責任を持つておられると思いますが、その点は如何でございますか。
  20. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) お答えいたします。そのことはまあ仮に総会関連なしで任命されましても、私共の與えられた職務でございますから十分の責任があると考えております。
  21. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、もう一点ですが昨年の暮に関係筋から政府に対しまして、電気事業者主要人事は再編成完了まで行うべきでないという覚書が来たのでございまして、これは恐らく再編成が進むに従つていろいろと困難な問題が起きて来る、その場合にいろいろな計画或いは考えによつて好ましくない人事が行われることに対する私は予防の措置であつたと思うのでありますが、そういうような覚書が出ておつたということをあなた方が御承知になつておりますかどうか。今度の大西総裁更迭というようなこういう問題は司令部のケネデイ氏も関知していないと言つておられる。全く政府考え方であつたわけでありますが、こういうことが非常に不明朗な形で行われるというようなことを防ぐために、関係筋はこういう人事に対する覚書を昨年暮出されておると思うのでありますが、これに対するお考えは如何でございますか。
  22. 大西英一

    証人大西英一君) 昨年の暮にマーケツト少将よりそういうメモが通産大臣宛に出たということは、御承知のように新聞にも出ておりまして私共もそういう話を聞いております。そういう写しも舞見したような記憶がございまするがどこで見たかということは記憶がございません。
  23. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ここにございますからどうぞ。
  24. 大西英一

    証人大西英一君) そうですこれでございます。ですから私はそれをやめるについては、いずれ政府筋がその筋と御了解も済んでおつたと私はかように考えておつた次第であります。
  25. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうするとこの覚書を御承知になつてつて、而もこれがある程度当時でもまだそのまま効力を持つてつたとお考えになつておりましたか。もうこういうものは全然お考えにならなかつたわけですか。
  26. 大西英一

    証人大西英一君) 効力の有無については私共存じません。ただそういうものがあるということは承知をいたしておりましたのですけれども、先程櫻井も申しましたように、発送電の事業を運営して行く上について、時の政府からそういう御勧告があればやめた方が事業運営上スムースであろうというふうに考えて、その問題に深く拘わらず考えを持つてつたのであります。
  27. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 横尾大臣は参議院委員会の場合にも大西櫻井両君に対して友人として勧告をしたということを繰返して述べておられますが、横尾通産大臣とあなた方御両氏とは如何なる友人としての交友関係があつたのか、その点を伺いたいと思います。
  28. 大西英一

    証人大西英一君) 横尾さんとは同じ産業人でありまして前々からいろいろな会合その他でお附合いをしておりました。非常にお人柄のいい方で私共深く敬意を表しておつたようなわけでございます。
  29. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 辞職理由を先程から私いろいろお聞きしておるわけでありますが、横尾大臣は十月十日の本委員会におきましてこういうことを言つておられます。これは発送電総裁、配電会社、日本発送電とも問題になつたわけでありますが、当時委員からの質問に答えられまして、横尾大臣はどうせ日本発送電は近く再編成すれば解散になるのだからして、従つて今一番いいチヤンスだからやめて貰う、こういう御意見があつたのでありますが、それならば日発も配電もどちらも解散になるのだからどちらもやめなければならんじやないか、こういう質問が重ねて出されましたのに対して横尾大臣は「配電会社の方からは政府の原案に賛成して参つておりますので“これはトラブルが起らんでうまく行くと考えるのであります。それで今の大西櫻井両氏に対しましては、私は深く争いをせん方がよかろうというのでお願いしたのでありまするから、きように御了承願いたいと思います。」こういう工合言つておられます。  それから又別の証言後任総裁をどういう人を任命するかということにつきまして横尾大臣は「政府の案に反対の方は任命いたしませんから、政府の案を呑んで下さる方を任命するのであります。」こういうことをはつきり述べておるのであります。こういうような考え方で横尾大臣が最初からあなた方に辞職勧告をせられておつたと言わなければならんのでありますが、これについてあなた方は御承服なされますかどうか伺いたいと思います。
  30. 大西英一

    証人大西英一君) 今朗読されましたようなことを当時私共が勧告を受けたときには一言もそういう意味お話はございませんでした。そういような関係で私は気持よくやめさして頂けるというふうに考えてやめたようなわけで、それは後からそういう考えをお持ちになつていたことは全然私はその当時予知もしなかつたわけであります。
  31. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 樫井君何か御意見ありませんか。
  32. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 只今大西さんからお話申上げましたように、当時は私共としましては後任総裁日発から出して欲しいということを強く申上げてお願いしたわけなんでありまして、でき得る限り善処するというようなふうにおつしやつておられたのでございます。今のお話のような政府案の賛成の者でなければ出さないというようなお話は承わつておりません。
  33. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それで私先程からこの理由をくどくど繰返して申上げておりますることは、政府が少くともこうついう大人事を行い、而も政府みずから任命した者を更迭する場合でありますので、はつきりとした理由が立たなければならんと思うのであります。仮にもそこに言葉を操りましてそうして当面を糊塗するというような人事が行われたということになれば私共としては問題とせざるを得ないので、その点を繰返し七お聞きしておるので、あなた方が辞職理由というものをもう少しはつきり御確認になつておるのか、おらないのかという点でありまして、今の御証言によつて大体明らかになつたことは、政府が少くとも横尾大臣が、参議院委員会で最後に日発更迭理由後任総裁に対する考えというものを述べられた、そのことは全然御承知なかつたとこういうことをはつきり御証言願えたものと考えてよろしうございますか。
  34. 大西英一

    証人大西英一君) 当時はそういうことは全然私共関知いたしませんでした。
  35. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それから個人の心境は承おつたわけでありますが、個人でありますと同時に法人責任者でありまするので、理事会にこれを諮られたことは妥当であつたと思うのでありますが、その理事会の空気並びに理事会結論というものはどういうものでありましたか、承りたいと思います。
  36. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) お答えいたします。理事会は先程も申上げましたように午前中で結論なしのままで、一応休憩になつたのであります。それでその後両次官にお目にかかりまして何とか返事をしたいと、今日中に返事が欲しいというようなお話がありましたものですから、その次は私共二人の方からいろいろ御意見もあろうけれども今度はやめさして頂くから御承知を願いたいというふうに申したのでございまして、理事諸君もそれを了とせられたという形でございまして、従いまして予め理事会結論が出てそれによりまして私共は行動したというようなことではないのであります。
  37. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私の伺つたとりころによりますると、発送電理事会においては電気事業の再編成に対する日本発送電の方針を一致協力して推そうというようなお考えが、前にまとまつてつたということを聞いておりますが、そういう事実がありますかどうか伺いたいと思います。
  38. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) お答えいたします。たしか理事諸公が集まつてそういう話合いをしたことを聞いております。聞いておりますが、それは私共の辞職願によつて職を解くという辞令の出たあとのことだつたと記憶します。
  39. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私のお聞きいたしますのは、もつと前に今年の春でありましたか、去年の暮でありましたかよく存じませんけれども、再編成問題がいよいよ発展して参りましたときに、発送電理事会は、挙げて一本の線でその実現を期するのであるというような意味の申合せ的なものをされたことがありますかないか、これを伺つたのであります。
  40. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) お答えいたします。理事会でそういうことをはつきり申合わしたというような、一つの項目として決議をしたという事実はありません。併し日発の従来取つて来た、何と申しますか態度と申しますか、そういうものは一貫して今お話のような筋でやつて参つております。
  41. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そういたしますと、あなた方が理事会にお諮りになつて、大体理事会の了承を得られたということになるわけでありますが、そうしますと、その理事会におきましては今度の辞職勧告をめぐりまして、日本発送電として理事責任におきまして新らしい何らかの方向というものを一応見出しまして、そうしてあなた方の辞職勧告というものを了承せられたのか、或いはそういうことは全然なかつたのか、その点を明らかにして頂きたいと思います。
  42. 大西英一

    証人大西英一君) その点につきましては自分は先程櫻井の申しましたと同様に辞表を出す前に理事の集まつている所に参りまして、了承して貰いたいということで了承を得て出しまして、私の方はそれであとあとのことをいろいろ考える必要があるだろうというようなことで、翌日理事各位といろいろあとあとの問題についてご相談をしまして、又私共の意見も問われたのですが、そのときには後任についてはどうする、それから今後再編成問題についてどうして行くかというような点も議論になつておりまして、私共その席で申しましたことは、後任総裁を社内から出すということはこれは非常に結構なことである、その点については自分も過日通産大臣お願いしてある、併し自分総裁になつた体験から考えて、万一我々が理想とするような人を後任総裁に推薦された場合には、よく考えられた方がいいのじやないかということをその席で私は意見を述べました。と申しますのは、御承知のように私は名古屋の矢作水力に殆んど一生を捧げて参りました。日発へ十七年に参りまして、全く田舎の猿芝居がお江戸へ出て来たようなわけでありまして、そうして図らずも二十二年に日発総裁を拝命いたしまして、この大世帶をやつて行く上につきまして、実は技術屋出身であつた関係もございますし、財界その他の方々には殆んど知己も縁故もなかつたのであります。従いまして、あらゆる会合に出ましても常に控え目にしておつた。そういうような関係で幸い自分が就任いたしました当時は、金融その他については復金が主として心配して、いろいろのお世話も復金に主としてお願いをしておりましたので、その面においての苦労がなく済んだわけであります。併し漸く三年以上経つて今日ではお陰でどんな会合へ出ましても挨拶せずに済むような立場になつた、その間の苦しさというものはこれは容易でなかつたのであるので、今後段々自己資金或いは社債、そういうようなものによつて事業をやらなければならないような場合に、そういう点の苦労もあることだから、万一諸君が全員で希望されるような方があつたならば、あながち反対するばかりが能じやないのじやないかというような意見もその席で私は述べたわけでございます。併しその最後のいろいろのどういうふうに決をするかということについては、そこまで辞表を出した自分が立会うことは遠慮するというので、途中で私と櫻井は中座いたしまして、その後理事各位が今後の行き方というものについて相談をしたという次第であります。
  43. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 今度のこの総裁更迭問題につきまして、意見の対立は別に考えまして、同僚事業として常に唇歯輔車の関係で運営せられて参りました配電会社の首脳部の方は、あなた方の更迭問題をどういう工合にお考えになつており、どういうふうな気持で見ておられたか、この点をお考えのまま率直に述べて頂きたいと思います。
  44. 大西英一

    証人大西英一君) その点につきましては、配電会社の社長さん方も、あれが新聞に出ました翌々日くらいでしたか、全部お揃いで私の所においでになりまして、とんでもないことになつたというようなことで、非常に遺憾の意を表しておられたことは事実でございます。
  45. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) もう一度繰返し私くどいようでございますけれども、お願いいたして置きますが、先程からの御証言を承つておりますと、横尾通産大臣は表向きは友人として辞めて貰いたいと、而も御丁寧なお言葉でおつしやつたようでありますが、その衣の下には考えなければ拔くぞという強い意思が表明されておつたように伺うのでありますけれども、そういうような形ではつきりした辞職理由がつかないのに、強要せられたということにあなた方が服せられたということで、そういうことが各方面で今度の日発人事更迭が不明朗であるということの根本であろうと思うので、その点はあなた方の責任において今少し毅然たる態度でこの点を明らかにせられる必要があつたのではないかと思うのでありますが、この点の御所信は如何でございますか。
  46. 大西英一

    証人大西英一君) そういうような脅しの言葉或いは態度がございましたならば、私も決して辞表を出すような考えは持つておりませんでした。非常に御丁寧におつしやつて頂きましたし、先程来申しましたように、私としてやるべきことをやり通し、三ヶ年の任務を無事に終らせて頂けたという気持でお受けをいたしたようなわけでございまして、決してそういうことを考えて怖くて辞めたわけではございません。
  47. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) その点につきましては、大西さんもおつしやつた通りでございますが、六日にお目にかかつたときも、七日に私が役員会を開きますからそれまでちよつと待つて欲しいと申上げたときに、それらを通じまして通産大臣態度なり、私共の受取つた感じなりというものは決して何か強制する云々というようなことは、私共は全然印象を受けませんでした。
  48. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうであるならば、あなた方がとつておいでになりました電気事業の再編成に対する主張というものが、今度の主張が、政府の意向するところと反対であつたからこういう結果になつたのだという点については、だめを押されなかつたかどうか、ここがまあ後の横尾大臣の言明で明らかになつた点でありまして、こういう理由政府更迭せられたことは覆うべくもないのでありますが、その点をあなた方のお話合いの中で政府側に解明を要求せられなかつたか。この点をもう一度だけお願いいたします。
  49. 大西英一

    証人大西英一君) 勧告を受けました席でその点のだめを押すことはいたしませんでした。ただ昨日も御質問がございましたように、見返資金が出ないのは我々が反対しておるからだというような印象をその節に持たれておるということで、私にその釈明にその筋へ行くようにという大臣からのお話がその一ケ月か二ケ月くらい前にございました。その席で私は決して再編成そのものに反対しておるのではございません。日本の電気事業があらゆる産業に大きな影響を持つておる関係上、自分達は全国的視野において電気事業を見ております関係上、下手な分割をされては産業に非常な悪影響を来たす。だからして電気事業を十分認識して頂きたいという意味において賛成をすることに全力を挙げておるので、決してどなたにも反対して下さいと言つて一言も頼んだことはございません。仮に政府の案に私共が反対しておるならば、我々は政府任命正副総裁であるからしてお辞めさせになつたらいいじやないかということを実はこの二ケ月くらい前に申したことがあるのでありますが、そのとき大臣は、そう角張つたことを言わなくとも、とに角一応会つてよく釈明して貰いたい、こういうお話がございまして、昨日申しましたようにロームス氏とケネデイ氏にお会いして私の心境を申上げたということはございましたけれども、勧告を受けましたときに、再編成問題に反対しておつたからですかというだめを押さなかつたわけであります。
  50. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 関係筋からあなた方が政府の主張に反対行動をとられたことについて何かお話があつたことがございますか。
  51. 大西英一

    証人大西英一君) 関係筋からは決して私共の態度について何ら御注意も何も受けたことがございません。
  52. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 辞任されたときの御両人の感想の中で、大西証人は適当な時期であると快く辞めた、こういうことをおつしやつたのでありまして、その事情は先程お述べになつたのでありますが、櫻井証人は当時新聞紙上を通じて自分が辞めることによつて電気事業にプラスになるならば喜んで辞める、こういう工合におつしやつてつたと思うのでありますが、非常にこれは含みのあるお言葉だと私共は解釈をし、又非常に結構なお言葉だと解釈をしておりましたが、今伺いますと、見返資金と全然関係がないということを御両人と前から大臣との御会合で御承知の上であつたようでありますが、そういうことを御承知の上で、尚且つ辞任されたときの御心境を櫻井証人はそういうような工合におつしやつたということは、電気事業にプラスになるならばという意味はどういう意味なのでありますか。
  53. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 九月の五日に朝日の方がおいでになつて、翌日の新聞にプラスになるならばというようなふうに書かれた。私自分は読んでおりませんのですが、そういうふうに書かれたということを聞いております。併し具体的に私がそのときにプラスになるならばと言つたかどうか、実は記憶いたしておりません。この見返資金のことにつきまして、通商産業大臣は私共初めにお目にかかつたときに、それは直接の関係はないのだということを繰返して言われたわけなんであります。さつきも申上げましたように、今大西からも申上げました通りに、私共は冬の石炭をできるだけ確保しなければならん、同時に工事も又止められない、だからそういう点について是非全力を帶して欲しいということを言つたわけなんであります。そういうような意味合におきましても、仮に大臣がそれとこれとは直接関係がないということをおつしやいましても、私共といたしましてはそういう期待をやはり持つたわけであります。
  54. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員長質問を一応終ります。各委員から御質疑を願いたいと思います。
  55. 西田隆男

    ○西田隆男君 私、大西さんと櫻井さんとどちらの御答弁でもよいと思いますが、お尋ねいたしますが、大西さんの御証言では、横尾通産大臣は個人の資格で友人として大西さんに辞職勧告をした、大西さんはそのままこれをお受けになつておるように御証言を拝するのであります。櫻井さんは日発正副総裁政府の任命にかかるものだ。だからその任命をした政府辞職勧告したからこれには従わなければいかんという御証言をしておられる。御両人一緒に横尾さんにお辞めさせられになつて、一緒に横尾さんのお話を聞かれ、一人は友人としての勧告としてこれを受ける。一人は政府当局の話としてこれを受けるというこの二つの関係を御両人はどういうふうに勧告を受取りになつたか。これに対する御所見を一つ承りたい。
  56. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 私といたしましても、又大西さんといたしましても、正式に官邸まで呼ばれて参つたわけでございますから、全くの個人としての勧告とは考えでおりません。ただ、併しそういうふうにお考えになつて勧告下され、横尾通産大臣がやはり我々に親切な個人的な考えも支持つておられたであろうということは納得ができます。
  57. 西田隆男

    ○西田隆男君 大西さんの御答弁を願います。
  58. 大西英一

    証人大西英一君) お話のときは、先程来申しましたように、個人的友人としてというお言葉があつたわけでございますが、併し一方官邸において通産大臣であられる横尾さんからお話があつたのですから、横尾さんとしては政府の意を体しておられるのではないかということは感じてはおりました。それではつきり政府を代表してというお話はございませんでした。私はそういうふうに取つてつたわけでございます。
  59. 西田隆男

    ○西田隆男君 只今お二方の証言を聞きますと、友人として、個人としてという呼び出しではあつたけれども、官邸に行つて現在の通産大臣である人から言われたから、政府の代表として勧告したと受取つたというふうに私は解釈いたしますが、それで差支えございませんか。
  60. 大西英一

    証人大西英一君) さよう御解釈願つて差支えないと思います。
  61. 西田隆男

    ○西田隆男君 それでは大西さんの今までの御証言は、ただ友人として御勧告を受けた、而も横尾さんとの関連委員長から質問されておるのに対して、財界でいろいろ関係を持つてつたから友人としての立場でこの重大な問題に対して大西さんの善処方を横尾さんが勧告されることは柳かも無理ではないというような御証言と、只今の御証言は食い違いがあるように私は思いますが、この点はどうでしよう。
  62. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 今の御質問でございますが、仮に政府……私共は政府から勧告されたと思つていたのでありますが、政府から御勧告になるにしましても、やはり親切なお考えで個人としての、友人としての親切な心からするのと、そうでない場合とがあると思うのでありまして、あすこで御列席は山本事務次官と、武内電力局長であつたわけでありますが、少くともそういう状況下に言われたときはやはり政府部内の人としてこれは解せざるを得たいのであります。併し同時にそれは横尾さんはやはり我々に対して親切な友人としての気持を持つていられたというふうに考えております。
  63. 西田隆男

    ○西田隆男君 非常に婉曲な御答弁ですが、私がこういうことをお尋ねいたしておりますのは、あなた方が日発総裁、副総裁をお辞めになるについての御決心の如何、どういう理由によつて辞めねばならんかということをあなた方がどういうふうにお考えになつておるかということをお尋ねしたい前提として聞いておるのでございます。で、若し今あなた方御両氏が御証言なさつたようなお気持に受け取つておられるとすれば、日発正副総裁としてその辞職勧告に対してはもつと積極的な意思表示をされる必要があつたと私は考えますが、御両氏はそういうふうに受け取つておられても何も言うことはなかつたというふうにお考えになりましたかどうか。
  64. 大西英一

    証人大西英一君) 何も考えていなかつたかというお話でございまするが、先程も申しましたように、発送電の現在当面いたしておりまする問題といたしましては、再編成後における株主各位の利益の擁護、従業員の身の振り方ということ、それと現在継続しておる工事を継続し、見返資金なり何なりの金融の途が開け、そうしてこの冬の供給責任を果すということが当面の重大問題でありましたので、私共はその点を特に御懇請を申上げて辞めたような次第でございます。
  65. 西田隆男

    ○西田隆男君 あなた方の御証言を承つておりますと、その御証言の中には大西さんが昨日も本日も証言されましたように、関係筋の方で日発総裁として再編成案に反対しているから見返資金が出ないのではないかというようなことを通産大臣から大西総裁に話された。而して大西総裁司令部に行つてマーカツト少将に会見された結果においては、司令部ではそういうことは考えていないという御返答を受け取られた、こういう御証言でございました。そうすれば、司令部では考えていないことですら、当時の責任者である通産大臣は、多分日発正副総裁反対の意見を持つているために見返資金が出にくくなつたのであろうという考えを持つていたということだけは、これはあなたの証言から推しても私は事実だろうと思います。そういう事実があり、且つ櫻井さんから本日御証言のあつたように、何かプラスになることがあるならばというような御心境の下において、個人横尾通産大臣辞職勧告を聞かれた場合において、あなた方の今まで御証言なさつたように、本当に何もなかつたような気持でその辞職勧告を聞かれたというふうには私にはどうしても受け收れんのですが、やはり見返資金関係があり、電力編成問題に対して反対をしておつたから俺たちは辞めろと言うのだなというふうにしか受け取れませんが、ここまで私が申上げても、御両氏はそういうことは全然頭にも浮ばなかつたというふうに良心的に今でもそうお考えになつておるかどうか。その点について御両氏の御意見を伺いたい。
  66. 大西英一

    証人大西英一君) それは先程も申上げましたように、私共が辞めることによつて、事業のために何かいい結果が生れるであろうという予感を持つて辞めたということを申上げております通り、私共は、大臣はそれに関連はないとはつきりおつしやいましたけれども、前々からの経緯から考えまして、私共の辞めることが、或いはそういうことに何らかの好転する途を開けるのではないかというような感じは持つてつたことは事実であるのであります。
  67. 西田隆男

    ○西田隆男君 今大西さんの御証言で、或いはそうであろうということは考えておつたという御証言でありますから、これ以上の御証言大西さん、これについできにくいかとも考えますが、私は今の大西さんの御証言から判断して、あなた方御両氏は横尾さんから辞職勧告を受けた当時、すでに電力の再編成に対する政府案反対意見を持つておる、そのために見返資金放出も困難になつた、だからお前達は辞めた方がいいのだぞというふうに御解釈になつて辞職勧告を聞かれたというふうに私は了解して匿いて、あなたの御証言に対する質問を終ります。
  68. 江田三郎

    ○江田三郎君 櫻井さんにお尋ねしますが、五日の夕方朝日の記者と会見されたわけですが、そのときに、辞職をされることになつておる、拒めば電気事業法の三十七條で強制的にやるのだ、こういうようなお話があつたというのですが、そのとき当然あなたとして、一体政府の中の誰がそういうことを言つておるのかということをお尋ねになつたと思うのですが、そういうことはどうなんでしよう。
  69. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 余り突然な話だつたので、そういう話を聞かされても誰が言つておるというようなことは遂に聞き漏らしました。
  70. 江田三郎

    ○江田三郎君 ちよつとおかしいと思いますね。そういう話があれば、誰がそういうことを言つているのだ、馬鹿なことを、ということが当然出ると思うんですが。
  71. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 或いは馬鹿らしいと言われても仕方がないと思いますけれども、実は全然聞きませんでした。
  72. 江田三郎

    ○江田三郎君 それではその朝日新聞記者の名前は分りませんか。
  73. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) はあ、何でも秘書の者が聞きましたときには、政治部の人と経済部の人と二人ということでありましたが、お見えになつたのは経済部の人、一人だけであります。で、名前は実は覚えておりません。
  74. 江田三郎

    ○江田三郎君 そのときにあなたのほうで名刺でも受け取つておられませんか。
  75. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 受取りました。
  76. 江田三郎

    ○江田三郎君 あとで調べて頂けば分るだろうと思いますが。
  77. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) ちよつとその名刺、大体記者の方の名刺は沢山ありますし、どの記者の方か分らないのでございますから、あとで調べても、この記者であつたということは、私今、あとでこの名刺だつたということはちよつと分りかねます。
  78. 江田三郎

    ○江田三郎君 問題が違うのですが、日発のほうでOCIとの契約をなさつたわけですが、あの契約を進めて行かれる内に政府のほうでは反対の意見があつたように聞いておりますが、そのときの経緯を証言して頂きたいと思います。どちらでも結構です。
  79. 大西英一

    証人大西英一君) OCIの契約につきまして政府反対があつたということは、再編成まで延ばしたほうがいいじやないかというようなお話があるということはちよつと聞きましたけれども、私共としては、これは再編成に何らの関係がないのだということで、その後お願いに参りまして、引続き約束通り三十日の日に許可になりましたようなわけであります。
  80. 江田三郎

    ○江田三郎君 ただ、ちよつと話があつたというように言われますが、これは政府の中の大臣から反り対があつたのですか。政府の中のどなたですか。
  81. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) OCIの契約をする、OCIから先ず調査をして貰うにつきましては、私予め横尾通産大臣の御了解を求めたことでありまして、それからそのあとで二人の方がお見えになりまして、いろいろ調査をされて、約二十日、三週間足らずでまあ一応仮契約ができたわけであります。それで事柄といたしましては、私共の考え方はドル資金を貰わなければならないというだけについて政府関連がある、こういうふうに考えましたので、契約ができた後大蔵省側に申請を出したわけでありますから、通産省側との連絡は余り取らなかつたわけであります。初め申上げましたようにそういうものを連れて来て調査して貰つて、今やつている工事、或いは今後の計画について検討をして頂いてアドバイスを得たいというその事柄だけは、通産大臣お話をしまして御了解を得たわけでありますけれども、その後の調査の段階として或いは仮契約のことについてはお話を申上げておきませんでした。というのは繰返して申上げますが、大蔵省、或いはあの外国為替の委員会といつたような機関に御承認を得て、ドル資金が貰えればよろしいという考え方もしていたわけなのであります。その方は九月の二十二日に認可になりまして、その後通産省内部でこれはやはり通産省としても承認を與えるべき事柄であるというふうなお話が出て参りました、ですから改めて急に通産省に認可の申請をいたしました。それはもう私共の辞めて後九月の何日か押迫る頃だつたと思います。その結果認可申請を出しまして、二日程いたしまして認可か許可か分りませんけれども、とにかくお許しを得たような收用であります。
  82. 江田三郎

    ○江田三郎君 最初契約をなさることについて横尾通産大臣に話されたときに、横尾通産大臣としては了解された、そしてその後になつてちよつとこう先程大西さんの言われました反対のようなことを言われたというのですが、するとその反対というのは通産大臣のことですか。
  83. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 初め通産大臣に御了解を求めたことは、契約をするということについて御了解を求めたのではございませんでございまして、こういう方々を呼んで調査をして貰いたいということについて御了解を求めたわけであります。それから後で何か反対らしいというような噂は確かに聞きました。併しそれは通産大臣が御反対なすつたのか、或いは部内で御反対なすつたのか、その辺のことは私共的確に掴んでおりません。
  84. 江田三郎

    ○江田三郎君 若しそういう反対らしいという噂があるとか話があるとかいうことになれば、当然日発の方としても重大な関心を持つて、どういう点を反対されておるのだということを確かめられたと思うのですが、何故政府の方では反対したのですか。
  85. 大西英一

    証人大西英一君) その問題は実は私共辞めました後の問題でありまして、その後どういう理由でやつてつたかというような点については当時の総裁心得であつた森君が主としてやつてつたようなわけで、私共はたまさか行つてその様子を聞いたようなわけでございますので、どういう点に反対しておつたかどうかということについてまで確めておりませんです。
  86. 島清

    ○島清君 大西櫻井両君に、どちらからでもよろしうございまするが、大体において問題は辞職勧告を受けられましたときに、通産大臣は友情として勧告した、こう言われておりまするし、併しながらあなた達もそうであるかのごとくそうでないかのごとくぼかされておりまするが、山本次官電力局長と三人の役人の立会で、役所で、大臣官邸、役所と見てよろしうございましようが、役所でそういう勧告を受けられた場合には、大体において常識上これは職務に基きますところの通産省の省の意思の伝達であると考えて間違いないと思うのですが、西田さんの質問に対しまして肯定的な御答弁をされておられる。そこで委員長の御質問の中に、閣僚の中に稻垣大臣時代両君に辞めて欲しいというような示唆があつたということも耳にしておられる。それから横尾大臣言葉は鄭重でございますけれども、あなた達がお辞めになりまする理由といたしまして、政府電気事業分断に対する考え方にあなた達が異なつた考え方をしておられる、こういうことを理由の一点に述べておられる。それからあなた達も又辞職勧告を受けられますときに、何か見返資金のことで念を押しておられる。そういたしますならば、あなた達は辞職勧告を受けられてから素直にその勧告を受理しておられますが、私達が受けまする印象は非常に長い間あなた達は争いをして来られた、あなた達の思想と信念に基きまして、日本の電気事業というものがかくあらねばならないというような信念に基いて或いは行動され、いろいろと政府或いは自分達と考えを異にするという人々に対して反対して来られて、又最後のところまで来て敗北をして、よんどころなくこれを受理しておるという印象を私達は受けるのですが、そこで電気の再編成をめぐりまして、あなた達がこの対外関係をどういうふうに展開をして来られたか、この経緯について御説明を願いたいと思います。
  87. 大西英一

    証人大西英一君) 対外関係と申しますとどういう方面のことを言うのでございましようか。
  88. 島清

    ○島清君 純粋なる日発の事業以外に、或いは総司令部関係、或いは政府関係、或いは政党関係、純粋なる日発の事業以外の対外の折衝といいますか、そういつたような関係です。
  89. 大西英一

    証人大西英一君) 先ず司令部関係を申上げますと、御承知のように最初ユーテイリテイにピアスさんという方がおられました、この方が七分割の御意見を持つておられたのでございます。それにつきまして私共も日本の電気事業はこういうふうだということでいろいろ七分割のいかない点を御説明を申し、御了解を得るように努力をして参つたわけでございますが、その後五人委員会に来られまして、主としてバーガーさんという方がこれに当つておられました。それでバーガーさんにも私共は再々御面会をいたしまして、私共の意のあるところを申述べておつたのでございます。その後私の方の今度副総裁になりました森君をバーガーさんがお呼びになりましてお示しになつたのが七分割の案でございまして、これは決して公式に示された案ではない点だけお含み置き願つて置きます。こういう案についてはどうであるかというお話があつたのでございます。それにつきまして森君としてはやはり同じようなことで、これは非常に困るであろうというような意見を御説明を申して参つたわけでございます。その後バーガーさんがお帰りになりまして、今のケネデイさんというのが来られました。ケネデイさんにもやはり同様意のあるところをお訴えをし、又ユーテイリテイの方々にも我々の主張は再々申して御理解を得るように努めて参つたわけであります。それで私共の意思が向うに通じたかどうかという点においては私共察知できかねますが、併し努力としてはできるだけのことを努めで参つたのでございます。それから政府関係につきましても、やはり同様電力局その他に対しては、我々の考えを開陳して、そうして日本のために悪影響がないようにお願いするように常に努めて参つております。政党関係の方々には各党の方々に当社の意のあるところをパンフレツトなり、或いは指令所を御覧を願いまして、そうして事業に対する御認識を得るように努めて参つたのでございます。
  90. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 大西さんのお答えを少し補足いたします。今申上げたようなものの外に、私共といたしましては、やはり産業団体と申しますか、各地方における商工会議所でございますとか、一般需用者全部というわけには参りませんけれども、今こういう電気の不足の際に下手に分けますというと、とんでもない悪い影響を産業界に及ぼす危險がある。どうしても初め私共は再編成の何と申しますか、再編成案というものを出すときには、全国一社案というものを出したわけでございますけれども、その後になりましてGHQに対しても現状維持がよろしいというふうに書面を出したようなわけでございますものですから、この際にあらゆる混乱を起すことはよろしくない、殊に料金の上でございますとか、或いは電力融通の上でございますとか、いたずらに分割をしたら必ず悪い影響を及ぼすに違いないということを感じますから、そういうような大西さんの申述べました以外に各種の実業団体と申しますか、一つの例はさつき申上げました商工会議所あたりでございますが、そういつたところにもやはり印刷物を送りましたり、或いは場合によりましては、その土地々々の会社の社員を差向けまして御説明を申上げる、こういうようなことをいたしました。
  91. 島清

    ○島清君 各方面に亘りまして、活発な動きをなさつたようでございますが、それには相当の費用もかかつたことだと直ちに想像されるのであります。そういう費用につきましての御説明を頂きたいのでありますが、もう時間も一時前でございますから、若し続行されるならば御説明を頂きたいのでありますが、そうでなければ一時前ですからお書を頂いてから……。
  92. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 島君に御注意申上げますが、本日は総裁更迭問題を中心にしまして大体論議をいたすことになつておりまして、再編成自体の問題は一応昨日で証言を終りまして、更にこれを続行するかしないかは改めて委員会で又協議をいたすことに相成つております。従いまして、その点をお含みの上で御発言を頂きたいと思います。
  93. 島清

    ○島清君 私が只今お聞きしておりますのは、この質問の冒頭に申上げた通り、友情に基くものであるが、乃至は政府の意思の伝達を受けたのであるかということについて、いろいろと御説明の一致点を我々は明確に把握することができませんので、そこで非常に長い御証言の中に、若し闘争の経過を経て、そうして急に敗北という姿で受理されたのではないかというような印象を受けましたので、その経過について御説明を承つておるのでございまして、他意はございませんから御了承を願いたいと思います。
  94. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 午後は政府筋の全部御出席を願えることになつておりますので、又総裁の問題の観点が変るわけでありますから、できますならばここで引続きまして、あなたの御質問を簡潔に一つ終つて頂きたいと思います。
  95. 島清

    ○島清君 只今のお聞きしたところを御説明願いたいと思います。
  96. 大西英一

    証人大西英一君) 再編成につきまして如何程の費用を使つたかということは、実は只今記憶がございません。主として印刷物を全国に配ります関係上、印刷代とか、或いは指令所を御覧を願いまして、お晝これのために食事を差上げるとか、そういうような費用を使いました。その額が何程であるかということは、只今ちよつと記憶がありません。
  97. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでいいですか。
  98. 島清

    ○島清君 今のところはよいでしよう。
  99. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 前の電力委員会におきまして、政務次官はこういうことを言つておると思うのです。大西櫻井正副総裁を辞めさしたのは、二人が分断反対の急先鋒だつたから、この二人を辞めさせることによつて見返資金を出して貰うため、そういう見通しの下で二人を辞めて貰つたのだ。こういつたことを発言していらつしやると思うのですが、大臣との発言に非常に食い違いがあるのですが、そういうことを政務次官が言つたことを見ると、何か二人に辞めて欲しいと言つたときにも、お二人が辞めれば見返資金の問題も好転するというようなことを大臣からおつしやつたのではないかというふうに私達考えるのですが、そういうことは絶対になかつたのですか。
  100. 大西英一

    証人大西英一君) その点は、先程も申上げましたように、私共はそういうふうに実は感じましたものですから、その点について一番目頭に大臣に念を押しましたのですけれども、今度・辞めて貰いたい。問題は辞めたら見返りが出るとか出ないというような意味はちよつとも含んでいないという御説明でございました。ちつともそういう点は発言がございませんでした。
  101. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 もう一つ伺いたいのは、あの当時相当理事会が紛糾して理事も総辞職しようというような意見が出たというようなことが耳に入つたのですが、そういうことはなかつたのですか。
  102. 大西英一

    証人大西英一君) 最初の九日の理事会で冒頭に私、先程櫻井も申しましたように、今度は自分のただ思う通りにするから、是非勝手をさして貰いたいということを申しましたので、理事諸公もこれに対して何らの発言もなく、ただ困つたつたということで、別に我々が辞めるからともども総辞職をしようというような決議をしたことは、私が住職中の理事会ではございませんでした。併し個人的にはそういう気持を持つて呉れた人もあつたかも知れませんですけれども、全部揃つてそういう決議までしたということは、私の在職中の理事会にはなかつたのでございます。
  103. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 正副総裁の任期というものがあるのですか、ないのですか。
  104. 大西英一

    証人大西英一君) 任期はございます。五年でございます。
  105. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 今まで日発ができてから総裁は何代か経ていると思うが、それぞれ皆任期を全うされてやめたのですか。或いは途中で政府と意見を異にしてやめたという例がありますか。
  106. 大西英一

    証人大西英一君) はつきり年数は覚えておりませんが、初代は御存じの増田次郎さんでございます。約二年でおやめになりました。それから二代目が池尾芳藏さんでございます。このかたも約二年ちよつとでおやめになりました。それから前総発の新井章治さんは約三年六ケ月くらいですか、私より少し長かつたと思いますが、このかたは御承知のようにパージになりまして、ぞれでおやめになりました。それで私があと三年四ケ月勤めさせて頂きました、こういうわけでございます。
  107. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 最初の増田さん、池尾さんはどういう理由でやめたのですか。簡單に……。
  108. 大西英一

    証人大西英一君) 当時私まだ御厄介になつておりませんし、その理由その他は伺つておりません。
  109. 森下政一

    ○森下政一君 証人が大変くどいと思われるかも知れませんが、もうちよつと念を押して質して置きたいのですが、大西さんは九月の六日に通産大臣から辞職勧告を受けられたその一、二ヶ月前に、連産大臣の懇請によつてマーケツト少将にお会いになつて、あなた方が再編成そのものに反対しているのじやないのだ、再編成には賛成なんだ、ただ再編成後の電気事業のあり方について自分たちはこういう信念を持つてこれを主張しているのだ、それに過ぎないという了解を得に行つておいでになる、而も尚辞職勧告を受けられたときに、冒頭のあなたの質問が、私共が退職することによつて、見返資金が出ることになるでしようか、という質問をされたということは、当時やつぱりあなたのお気持の中では、自分たちが政府の希望するところと違う主張をしている、電気事業の再編成後のあり方について違う信念を持ち、主張をしていることが、見返資金放出を阻んでいるのじやなかろうかという懸念を持つておられた、だから冒頭にそういう質問が出たと、こう思うのですが、そう解釈してよろしいのですか。
  110. 大西英一

    証人大西英一君) 最初にお断り申して置きますが、先ほどから二度ほどマーケツト少将の名が出ましたが、私が参りましたのはケネデイさんでございまして、その問題について、マーケツトさんにはやめましたあと御挨拶に参つただけですから、御了承願います。ただ私共ケネデイさん或いはロームスさんに私共のとつている態度説明し、併せて見返資金を懇請し、ときには、昨日も申上げましたように、お前たちの反対しているということは、それは間違つている、集排法の適用を受けている会社の、法の命ずるところに従つて今回は処置をしているのだから、それは違うというお話があつたことを昨日も申しましたが、そういうようなお話がございました。併し私はその後もだんだん見返資金が出なくなりますし、御承知のように電源開発工事に対しまして、仮にこれが中止をするというような場合になりますれば、発送電といたしまして、見返資金を使わして頂く分は、これは僅かにその工事を監督している社員の給與、こういうような点だけで、発送電自体で困ることは、建設の人間の給料を拂うごとだけで済むわけでございますけれども、大部分はあらゆる関連産業に影響を持ちまして、それに従つて多くの失業者が出る。こういうことになつては大変であるということは、常々念頭を離れなかつたわけなのです。そういうようなわけで見返資金もいつまでたつても出そうにもないというようなことで、或いはまだそういうお気持がどこかにあつて出ないのかというような危惧の念願は常々持つておりましたから、お話を受けた途端に、それを大臣にお伺いしたようなわけでございます。
  111. 森下政一

    ○森下政一君 櫻井さんは一部の勧告を受けて辞職をされたというのは、先刻も御証言になつたのですが、その一部に、自分たちがやめることによつて、見返資金その他がうまく行くのではないであろうかという期待もあつたという言葉つたと思うのですが、ということは言換えると、やはりいろいろ通産大臣からは懇切な言葉を以て、或いは友人としての勧告ととれるような言葉もあつたかも知れませんけれども、自分たちがおることがやはり見返資金の出ることを阻んでおるのじやなかろうかという一抹の危惧をお持ちであつたろうし、従つてやめることによつてそれがうまく行くのじやないだろうかという期待をお持ちになつたのじやないかと思うのですが、そうではございませんですか。
  112. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 繰返して申上げますように、その席上では通産大臣は、辞職をお勧めし、お願いすることは見返資金とは関係がない、こういうことを言われておりまするから、見返資金が直ちに私共やめるから出るというふうには考えませんでしたけれども、その際にも私共申上げましたように、見返賛金であれ、或いは外の資金であれ、とにかく私共としましては、冬の石炭供給を止めるために工事は止まるだろう、同時にこれからの工事も止められない、これだけはお願いしたいと実は申したのでありまして、必ずしも駐返資金ではございませんでも、冬の石炭が買え、工事が続けられるということが私共の念願なのでありまして、そういう点について、私共がやめることによつて何らかの好転する途がありはしないかということを期待しておつたようなわけでございます。
  113. 森下政一

    ○森下政一君 好転することを期待されている中には、やはり見返資金も含まれておるわけですね。
  114. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) その通りでございます。
  115. 森下政一

    ○森下政一君 それでですね、大西さんが劈頭にやはり危惧を持つて、見返資金が我々がやめることによつてうまく出るということになるのでしようかという質問をなされた。これはいよいよ辞職を決意される段階になつても、櫻井さんが、或いはそういう点が好転するのではなかろうかという一抹の期待を繋いでおられたというふうな御証言から考えて、通産大臣は表面いろいろなことをおつしやつておられるけれども、結局自分たちの在任することが政府の希望に反する、自分たちが在任することが見返資金のみならず、その他の資金の面でもとにかく好転を阻むことになるのじやないかという一抹のお考え方があつたのじやないかと思うのですが、御両所どうでございますか。そういうことは全然無関係で、素直に友人としての勧告ができる、一うお考えになつたのではないと私共には受取れるのですが、そういう点はどうでしようか。
  116. 大西英一

    証人大西英一君) その点は先ほどから申しておりますように、その席で大臣はそういう問題については全然お触れになつておりませんし、前々からも大臣にも是非見返資金の出るようにその筋のほうへ御助力をお願いしたい、万一これが出ないような場合には、或いは政府の預金部資金でも一部出して頂くように御努力をお願いしたいということは、数回私共お願をしておるようなわけでございます。そういうような関係上、私共としては、大臣はそうはおつしやいませんですけれども、私共のやめることによつて、或いはそういうような、好転しやしないかということは、これは私共だけが判断したわけで、大臣がそういうふうにおつしやつたというわけではございません。
  117. 森下政一

    ○森下政一君 そこで今おつしやつたように、大臣が言つたのじやないが、あなた方の判断ではやはりそういう点も好転するのじやなかろうかという判断をなすつた、こう了承していいわけですね。
  118. 大西英一

    証人大西英一君) その点はそういうふうにお考えつても差支ないと思います。併し私のやめました理由は、先ほど委員長からお叱りを受けた、個人として無責任じやないかというその点については誠に申訳がないのでございまするけれども、先ほど来御質問のございましたように、歴代の総裁もいずれも僅かの期間でおやめになるほど非常にむずかしい会社でございまして、その間非常に苦労をして、そうして大体先ずやるべきことはやりおうして、私としても実は心身共に疲れておりまして、人間は余り失敗しない前にやめたほうがいいというような個人的な考えもありましたようなわけで、(笑声)その点は一つ御了承願います。
  119. 山田節男

    ○山田節男君 これは委員会を懇談会の問題にして貰つてもいいのですが、幸い只今証人もおられますから、お願いしたいことが一つあります。それはこの日発正副総裁辞職勧告の問題について、九月五日の夕方に日発の本社のほうへ電話をかけた朝日の記者ですね、政治部と経済部の記者、それから明日……、そうして来たのが経済部の記者だということを副総裁言つておりますが、これを一つ究明して置きたい。若しここに新聞社の人が来ておれば、そういう者がここにいるかどうか、ちよつと会つて見て貰いたい。これは一つ朝日の新聞記者がそういう電話をかけたか、それから櫻井総裁に会つたのか、これは一つ是非究明して貰いたい。そうしてこれをここへ呼んで頂きたい、これを一つお願いしたい。  もう一つは、これは櫻井さんに聞きたいのですが、櫻井総裁は、今農林大臣をしている廣川弘禪君と公的、私的な関係はおありになるのですか。そうして今回横尾通産大臣から申出た辞職勧告、これについては何か廣川君並びに他のかたから、或いは自由党の幹部等に御相談になつたことがあるのかどうか、この点を一つお聞きしたい。
  120. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 山田君、只今の第一点のほうは、委員会へ動議として御提出になつたわけでございますか。
  121. 山田節男

    ○山田節男君 これに関連してお願いして置きます。あと委員会或いは理事会でこれを取上げて御協議願います。
  122. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは第三の点を櫻井さん。
  123. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 廣川さんは、自由党の幹事長をしておられましためで、そんな関係で数回お目にかかつたことがございます。併し廣川さんと公的、私的に、特に親しい、そういうようなことはございません。その他本問題に関連いたしまして、廣川さんと別段お話合いをしたことはございません。
  124. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではこれで休憩に入りたいと存じます。一時半から再開をいたします。証人のかたにお願いを申上げますが、午後は稻垣君並びに横尾、首藤、永山の二君も御出席になりますので、関連事項でございますから是非とも御出席を頂きたい。お願いを申上げます。    午後零時五十五分休憩    —————・—————    午後一時五十八分開会
  125. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今から委員会を再開いたします。  午前中の委員会で、山田君から動議のようなかつこうで提出をせられました件、即ち櫻井督三君の証言の中に、政府から辞職勧告を受けまする前日の、九月五日の夕方、朝日新聞記者から面会を求められ、そうして会見された結果、政府側更迭の意思を決定されておる。而も拒めば法律の定めるところによつて罷免せられるであろうというような意思を伝えた。その真僞を明らかにいたしまするために、その記者の氏名を明らかにせられたいという要求があつたのであります。この件は、御証言のことでございまするから、必ずや朝日新聞の中にさような記者があろうかと存ずるのでありますが、櫻井証人も御氏名の記憶がないようでありますから、委員長に御一任を願いまして、朝日新聞の中にさような記者がありましたかどうか取調べをいたしたいと思いまするが、さよう御了承を頂きたいと思います。如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  126. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) よろしうございますか。ではさよういたします。  引続きまして各証人から逐次御証言を求めたいと思うのでありますが、先ず稻垣平太郎君から、日本発送電株式会社後任総裁推薦問題に関する当事者としての御本人の立場並びに四囲の動きにつきまして詳細に証言せられたいのであります。
  127. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 後任総裁問題に関して話をしろというお話でありますが、私がこの問題についてお話を聞きましたのは、九月の二十二日だつたと覚えておりますが、そのときに同僚議員である林屋氏から、吉田総理が日発総裁を引受けないかという話があるのだが、それについて一度総理に会つたらどうかというようなお話がありました。総理が会いたいということであればお目にかかることは一向差支えないことだと思いまして、こういうことで翌二十三日に外相官邸で総理にお目にかかつたのであります。そのときは一般の経済問題についていろいろお尋ねもあり、私自身の意見も申述べておりましたわけであります。日発総裁問題だけでなしに、そういつた話の末に、座談的に日発総裁のよい引受手がないからやつてくれないかというお話を受けたのであります。これに対して私は御返事を保留いたしておいたのであります。なせ保留したかと申しますると、このときにも私は総理に申したのでありますが、自発を仮に引受けるといたしましても見返資金のめどがはつきりついていないでこの仕事をお引受けすることはこれは困難です。そこで見返資金放出されるということがはつきりするまではこれはなかなかお引受けできない、放出されるということが先ず條件の一つでなければならないということと、それからもう一つは、私この五月の末から七月にかけてアメリカへ参つたのでありますが、その渡米の際、私の従来関係いたしておりました横浜ゴムの会社の共同投資者であるビフ・グッドリッチ・ラバー・カンパニーの姉妹会社のグッドリッチ・ケミカルとの間に、化学工業に関して或る種の契約を結びました。私がその契約に対して調印をいたしておりまする関係上、この仕事を内地において促進することが、私としては相手方に対して、殊に相手方が外国人でありまする関係上、これを是非その創立について責任を以て私は仕遂げなければならん義務がある。それでこれに対して若し仮に総裁を引受けるというような場合には、先方に対して了解を得ることが必要である、それには相当の期間の猶予がなければ相成らんことである、こういつた二つの点がありまするので、即刻に御返事をいたすことはできない、この点については私の御返事は暫く考慮中ということで差延ばして貰いたい、かようにお話をいたしまして、罷り下つたわけであります。そして見返資金が第一点である。見返資金が果して出るや否やということについての見当と、それからもう一つの、第二の條件であります対米国のグッドリッチ・ケミカルとの間の意見の交換といつたようなことのために、時間を経過いたしております間に小坂氏にきまつたということであります。私自身としては非常に肩の荷を下したような感じがいたしたのであります。私がこの  問題についてお話を受けてからの大略は以上のようなことであります。その間に勿論いろいろ是非引受けるようにお勧め下さつたかたもあるし、又これをよすようにというように御注言下さつたかたもありますが、私はいずれにいたしましても二つの條件の推移を見ておる間に、他にお話がきまつたということで、私自身としては甚だ安易な気持になつた、かように申上げて置きます。
  128. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今の御証言の中で問題になりますのは、引受けるように勧めた人と、よすように勧めた人と二色あるということをおつしやつたのでありますが、引受けるように勧められたかたというのは、あなたの所属される党のかたでありますか、或いはその他の政党のかたか、或いは経済界のかたでありますか、その点を伺いたいと思います。
  129. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) これは党の人にもあり、又経済人にもあります。又私の師事する先輩の中にもそういう人があります。これは一々名前を言えとおつしやれば名前を申上げても差支ないと思いますが、無関係のかたでありますから私申上げなくてもよろしかろうと思いますが、私の友人もあり、中には経済人もあり、政治方面の人もあり、又文筆の人もあります。
  130. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 引受けないようにという、両方とも……。
  131. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 両方とも同じです。
  132. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) その氏名を一つ両方に分けられてお述べを願いたいと思います。
  133. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) これは友人の名前を申述べるのでございますか、私関係ないとも思いますが、申述べろとおつしやるならば申述べます。例えば私の友人の名取氏、或いは……。
  134. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 勧められたほうを……。
  135. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 勧められたほうを先に申上げております。私の友人でありまするところの伊藤正徳さん、ごういつた人は勧めた側であります。又その他の私の友人の中で、この際好き好んでそんな難役を引受けるには当らんじやないかというような人は、例えば私が関係しておりました会社の首脳者、横浜ゴムの首脳者の御連中のごとき、或いは又私の先輩の方々、こういうような人たちが、別に関係のない人でありますから……、まあそういつた主として経済人のかたであります。
  136. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) よすようにと勧めたかたの中に政界のかたはございませんか。
  137. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 政界の人はございません。私政界の人はございませんということは、もう一遍申上げますが、勧めたほうにも、よせと言つたほうにも、こういつた問題についての話合いを当時しましたのは、私自身当時、先ほど申上げました化学工業の創立に関して忙しくておつた関係と、それからしてその他産業関係の私の関係会社の仕事の相談を受けておつた事項がたくさんありましたので、当時余り私実は自分で所属しておる党にも出入りもしなかつたというような関係がありましたので、自然政界の人の御意見を伺う機会を失したということであるかも知れません。
  138. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) あなたは通産大臣を長くしておられたわけでありますが、今度の総裁問題につきまして、通産省の内部或いは資源庁とか、或いは電力局、或いはその他通産省の内部で、この問題についてあなたにお勧めをするとか、或いはその他の進言をするとか、或いはそういうような意味の会見を申込まれたということはございませんか。
  139. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) これは前日、吉田さんに会う前日だつたと存じますが、だから二十二日であつたと記憶いたしておりますが、官房長の永山氏から面会を求められました。私はたまたま実はおりませんので電話で終始お話をしましたが、たまたま私の出先にお訪ねを頂きまして、こういつた話を聞いたかというお話でありました。これについては私自身まだ吉田さんに会つていない時でありましたので、近く、明日と言つたかも存じませんが、吉田さんに会うことになつているが、その話は聞くことは聞いたけれども、明日吉田さんに会つた上で私自身は私の態度をきめるつもりであると、こういう返事をいたしたのであります。これについて私が通産省におつた当時とは、電力編成関係が大分違つておるので、あの当時私が考えておつたような考え方ではなかなかこの問題は結末がつきにくいんであるという話を受けたわけであります。私はそういつたような事情を知らせてくれたものと、かようによく解釈いたしておるのでありますが、そういつたことが会う前にはあつたわけであります。その他通産省のほうからは何にもお話を受けたことはありません。
  140. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今の再編成の、あなたが大臣在任当時と再編成の問題に対する事情が違つて来たので、話がつきにくいという永山官房長があなたに知らしてくれたと考えると、こうおつしやつたのでありますが、話がつきにくいというのはどういう意味でありますか。
  141. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) いや、私の言う永山君の恐らくそのときの意味は、私が昨日証言いたしました中にありましたと思いますが、こういう時間的な段階を持つという考え方の再編成方針というものではもういけない事態に今入つている、そういうようなことを頭へ入れて置いて、引受けられるならば引受けられることがいいのではないか、こういう意味であります。
  142. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 稲垣君に対する各委員の御質問を願います。
  143. 森下政一

    ○森下政一君 稻垣さんにお尋ねしますが、二十三日に総理と御会見になりまして、そのときには総裁問題について返答を留保されて、いろいろな事情がおありになつて延ばして参りたい、こういうことをおつしやつている。ところがその後小坂さんにきまつてしまつたというお話でございましたが、小坂さんにきまりますまでに総理から、こういうことをあなたに頼んで、まだ御返事を聞いていないが、別に適任者を得たから一つあの話はやめにして貰いたいとか、或いは話がなかつたものと思つて貰いたいとか、何とか小坂さんにきまるまでお挨拶はなかつたのでありますか。
  144. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 受けておりません。
  145. 森下政一

    ○森下政一君 全然なかつたのですか。
  146. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 受けておりません。私自身はこういうふうに解釈しております。私が返事を保留いたしましてから相当時間がたちましたから、これはまあ私がノーの返事だと考えられて、或いは何も御通知がなかつたのであろう、私はこういうふうに善意に解釈いたしております。何ら御通知は受けません。
  147. 森下政一

    ○森下政一君 それは何ですか、今度はあなたからは御返事をなさつていな  いと、それに対してあの話は一体どうであろうというような返事を向うへ督促せられたこともなかつたのですか。
  148. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) ありません。
  149. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは横尾通商産業大臣首藤政務次官永山官房長の出席を求めておりますので、日本発送電株式会社首脳部辞職勧告理由並びに後任決定に至るまでの経緯に関しまして、各方面との表裏の折衝を含めて詳細に説明を願うことにいたしたいと思います。尚前回の本委員会の申合せ決定によりまして、政府側は特に証人として喚問はしないことにしたのでございますが、証人と同様の態度で、本委員会の目的に協力せられたいとの要請をすることに、本委員会として決定をいたしておりまするから、さようなお心組みで御発言を頂きたいと思うのでございます。先ず通商産業大臣の御発言を求めます。
  150. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先ず大西総裁櫻井総裁に私が辞職勧告いたました経緯を申上げます。  御存じの通り電力編成のことに関しましては、早くこれを解決をしたいという希望であり、又そのことが最もいいことと考えておりましたので、かねて電力編成に対しては、日発大西総裁、副総裁は御意見が違つておるように聞いておつたことがありました。で政府の目標としておりまする案と、そうして政府の任命しております総裁、副総裁のほうの案と懸け隔てがありますということは非常に面白からんことであると思うのであります。長く日発が存続することがないのでありますから、むしろ我々が再び出そうと思つておりまする案を出します前にお引きを願つたほうがよくはなかろうかというので、私は私の率直な意見を大西櫻井正副総裁お話をいたしたのでございます。幸いに両氏は私の心情をお汲み取り下さつて御賛成下さつたのでございます。  それから後任総裁問題でございます。どこの委員会でありましたか、その正副総裁をおやめを願うときには後釜の総裁を何故きめてなかつたかというようなお話をよく承わるのでありますが、私は私らが今までやつて来ております事柄からして、後任をきめてから、そうして段取りができてからおやめ願うというようなことは甚だ非礼である、私はこう考えたのでございます。国家の大事な事業を一日も停頓させるということは甚だ相済まないと思いますけれども、私はあと理事のかたもおるから、そのかたにあとをよく引継いで貰つたならば、暫時の間、私が後任をきめてそうしてお願いするよりも、私の常識では、先ず私の意見を申上げて、御善処願うのかいいじやなかろうかというので、後任をきめないでお願いをしたのでありまする。それから小坂氏の後任問題でありますが、私いつ頃の新聞かは確実に覚えませんけれども、いろいろのかたの下馬評が新聞に出たのでございます。稻垣さんのお名前も出たと存じます。これにつきましては、私は稻垣さんにはまだ深き御交際もいたしておらないのでありまする。ただ参議院に当選いたしましてから、国務大臣である稲垣さんに廊下でお目にかかつてお辞儀をするくらいの程度のものでございます。で、私は総理から稻垣さんにお話しがあつたかどうかということは、実は私が余り総理のうちに行かないものでございますから、そういうことのために私は、この総理にお会いになつたのは二十三日ということでありますが、その前に新聞に当時出ておつた時分に、私の考えは、稲垣さんは大臣のときに電気問題が起つたので、これはまだそのままになつておやめになつたような次第であるから、この日発総裁お願いすることは却つて御迷惑だと、若しも自分がその地位にあつたとするならば、私はこれは私なら受け得られたいような気がするので、自分が受け得られないような気がするのを人様にお願いするというのは、私の良心が許さないので、稻垣さんということを私は頭に入れていなかつたものでございます。それからいろいろと新聞に出まして、私は最初総裁のほうを外からお願いするか、部内の方をお願いするか、どちらかでなければならないという考えを持ちましたけれども、おしまいにいろいろの事情を勘案すると、外からと内からの方々をここに一人ずつお願いすることが、このときによくはないかというような考えを起しましたので、丁度そのときにどういうことであつたか知りませんが、新聞に麗々しく私が小坂さんと森さんをコンビで推薦しておるというようなことを誤り伝えられたのでございます。それで私は閣議の後に、私が若しも私の意見を発表いたしますならば、総理に一言お断りしてからでないと、発表はできないものというのが私のかねての考えでありまするから、新聞にああ出ましたけれども、私の関知せざることでありますと、さように御了承願いたい。併し私の聞いておりまする小坂さんというかたは、至つていいかたと私は思いまするから、私としては若しも小坂さんが受けて頂くならば結構と思いますということを明らかに申したのであります。なぜ私が小坂さんをそういうふうに申上げたかと申しますと、私は小坂さんの名は、たしか小坂さんが祕書官をしておられたことがあるのであります。私の身内の者もよく小坂さんの仕えておられる大臣がよく出入りするところのかたであつたので、時々小坂さんの名を聞きつつあつたのであります。それが私の耳に残つておる小坂さんであり、且つ又私の二十年近くの友達である者が同じ党派であつたので、小坂さんのことをよく話しておつたのであります。そういう関係上、そうしてこのかたは長く議会にも出ておられ、又最後にはたしか枢密顧問官と思いますが、私は存じませんが、そうであるからして、政界の経歴もあり、更に相当の御年配であるから、俗に言う酢いも甘いも噛み分けておられるかたと私は考えたのでございます。これは私の判断でございますから、皆様の御判断と或いは違うかも知れませんが、私はそう考えたのでございます。それで私は小坂さんのお話を総理に、小坂さんならば適当であるかと思いますということを申上げたのでございます。いろいろと世評もありますけれども、私は実は財界のかたを余りよく知らないのでございます。ためにいろいろと問題になられたかたが如何なる人物のかたであるかということを不幸にして知り得なかつたのでありまするので、そういうために小坂さんを推薦いたしまして、省内に帰つても、政務次官あたりにも、こういう考えを私して来たとそのとき初めて政務次官なんかにも話しましたかと思います。そういうようななんでありまして、私はかかることが問題になるとは今まで考えなかつたので、記憶もそれぐらいな記憶でありまして、外のことは余り考えておらなかつたのでありまするので、或いは皆さんの御満足の行くような回答ができ得ないのではないかということを恐れるのであります。さように御了承を願います。
  151. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 念のためにお尋ねを申上げて置きますが、稻垣氏の総裁就任に関する問題は、この前本委員会でお述べになりましたように、あなたは全然御承知なかつた、こういう工合に変りございませんでございますか。この前相当問題になりまして、あなたはこの委員会で速記録にも残つておりますが、推薦問題については、自分は全然関知しない、こういうことを岡崎官房長官と口を揃えておつしやつたわけでありますが、それと変りございませんか。
  152. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は推薦問題に関係したことはございません。ただ問題は、そういう話があるということは聞いております。
  153. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) わかりました。それから小坂氏の推薦問題については新聞に出るまで御存じなかつた、こういうことに理解してよろしゆうございますか。
  154. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) その前にも新聞にちよつと書いてあつたかと思いますけれども、よく記憶ありません。
  155. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 小坂、森ですね。
  156. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 森さんは、私は社内からとれば森さんが一番上席だというので、森さんがどうであろうかということを私は考えました。併しそれはいつ誰にも私は申し上げたことはないのであります。私の意中で考えただけであります。
  157. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 昨日からのいろいろな論議を整理いたしまして、先ず委員長から御質問申し上げますが、これは稻垣証人横尾大臣に主としてお尋ねをいたすわけでありますが、昨年の暮にマーケット少将から、電気事業の再編成に関しまして、日本政府における再編成審議会の設置以来、電気事業の再編成に関しては大いに進捗している。このような重要な、且つ困難な仕事について全ての関係者による継続的な能率と協力を確保する為に現在の政府統制官吏又は政府、事業者の何れを問わずこの問題に関係ある執行者の更迭は再編成完了迄は行わざることを勧告する、こういう手紙が日本政府参つておるのでありますが、このことにつきまして、昨日稻垣証人は、当時の資源庁長官でありました進藤氏と十分に御協議の上、この手紙は自分の任期中は十分にこの考えで進めておつたと、こういうことをこの覚書の趣旨に副うべく努めておつたということを証言せられたのであります。ところが横尾大臣が、これも他日の委員会でありましたが、この覚書は受領をしてから数日後に関係筋へ返却したということを申されておるのでありまして、非常に食違いを生じておるわけでありまするから、少くとも関係筋との間における重要な文書の取扱でございますので、この間の事情を明らかにいたして置きたいと思います。又この覚書の趣旨は、再編成問題がだんだんと重要な段階に入りまする場合においては、この中に書かれておりまする通りに、かりそめに人事更迭することによりまして困難を深めるというようなことがあつてはならないと、こういう老婆心の結果であろうと思いますが、そういう点から申しましても重要視しなければならないと思いますから、一応証言を願いたい、こう思うわけであります。
  158. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) これは私昨日も申上げましたように、この書面がいつだつたか、私昨日もお答えしたように日にちははつきり調べておりませんから記憶ございませんが、十二月末に受取つて、私はそのままずつと受取つておるものだと記憶いたしております。尚この趣意は、今委員長の御説明通りの趣意であると我々は解釈いたしておりました。従つて電力局の人事に至るまで、それから又これに関連した電気事業に関する人事の異動についても、再編成の終るまではできるだけこれをいじらない、こういう建前で私は在任中はやつてつたことをはつきり申上げます。
  159. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) このことに関しましては、私は前に報告を受けておるのでございます。二十四年の十二月二十一日附で今の書類が二十四日に到着しているのでございます。そうして一月の十三日、たしか十三日でございますが、十三日に通商産業省の渉外局長がヴエルテイー氏にその物を特つてお返しをしておるように承わつております。それが私の聞いております報告でございます。
  160. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 通商産業省に渉外局というのがありますか。
  161. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 課長でございます。池尾という人です。
  162. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 重ねて御質問をいたしますが、当時の現職の電力問題を専管しておられたところの資源庁の長官並びに通商産業大臣も御承知のないのに、こういう文書が往復をしたということはちよつと私共も了解しかねるのでありますが、それはそれといたしまして、大体この覚書は向うからどういう径路を経て最初に稻垣大臣のところまで行つたのか、先ずそちらのほうから、横尾大臣或いは首藤次官或いは永山官房長か御存じのかたで結構でございますが、お知らせを願いたい。
  163. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) これは私の所へ、おる時代に来たのですから、私から御返事申上げます。これは当時この前の、昨日の委員会でも私はお答えいたした、申上げたと思うのでありますが、御質問にもありました通り大西総裁更迭してはどうかといつたようなことが恐らく新聞等にも現われておつたのではないか、そういうようなことでこの際人の異動ということについて非常に関心を持たれて、その書類が私は出て来たものと、かように私は解釈いたしておるのであります。そういうつもりで私は受取りましたから、従つてその後の処理についても、それを十分念頭に置いた上で私自身はすべての処置をいたしたつもりでおります。
  164. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そういたしますと、そこまではよくわかつたわけでありますが、それを返されるようなことをせられたのは一体誰で、それはどういう工合な部内の取廻しを以てされたのか、その点を政府側として明らかにせられたいと思います。
  165. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 只今の問題になつております人事に関するメモでございますが、これは私もこちらに参りまする直前に調べて参りまして、先ほど通産大臣から御報告申上げましたように、二十四日にこちらに到着いたしまして、それで一月十三日に返還に相成つたようなわけでありますが、これは渉外課長が、当時のFSSの次長をやつておられたヴエルテイー氏のところに返還に来られたということは当人が申しておりますので、はつきりいたしておると思います。それからその当時如何なる経緯でこれが撤回になりましたか。その点は私も記憶がはつきりいたさないのでございますが、渉外課長に尋ねましたところが、ヴエルテイー氏から司令部の方から渉外課の方へ電話がありまして、それによつて撤回をすることになつたということを申したのであります。それ以上私も存じておりません。
  166. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 渉外課長が関係筋から電話で話を受けて自分でこういうものを返しただけで、あと部内の事務の取扱というものは済むものでございますか。重ねて伺いますが、渉外課長が関係筋からそういう依頼を受けて返したいということは官房長は御報告を受けておられましたか。
  167. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) もとより重要な問題でございますから、その日の電話がありますれば私も報告を受けますし、無論大臣にも渉外課長なりから御報告を申上げるという筋のものでございます。で、当時の記憶が何分にも一年近く前のことでございますので明瞭いたさないのでございますが、撤回になつた経緯は先ほど申上げましたように、どういう理由で撤回をすることに決意をされたか、その点は明瞭いたしませんが、電話がありまして渉外課長が返すことになつた。これも稻垣さんが先ほど御証言でございますが、恐らく御記憶を喪失しておられるのではなかろうかと私推察するのでございますが、私も返したという事実は記憶がございます。そして渉外課長も現に自分言つておりますので、これはいろいろな記憶を持つておりまして、渉外課長の曰くは稻垣さんも御存じのはずであるということを申しております。
  168. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと伺いますが、資源庁長官も昨日はさようなことは知らんということをはつきり言われたのでありますが、資源庁長官にも報告がなかつたのでありますか。
  169. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 資源庁長官に渉外課長なり私から報告をしたと、これは渉外課長に聞いて見なければわかりませんが、私から報告をしたという記憶は、報告をしたのかしないのかそこの記憶はございません。ただ問題はこういう問題でありますから、やはり当然資源庁の長官にも当時伝達をされておるものだろうと、かように推察するだけでございます。
  170. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 稲垣証人が記憶を忘れられたのかどうか、進藤長官が又忘れられたかどうかはつきりしませんが、重ねて御証言願います。若し忘れておられるとしますれば、昨日の証言は事実と相違いたすのでございますから然るべく御発言がなければならんと思いますが。
  171. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) だから私は昨日も実は皆さん御承知のように、念のために進藤さんにもこれを確かめてそれで私自身記憶をいたしておりませんので、そういうことはないと、かように申上げたわけであります。
  172. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) わかりました。次にこの問題は随分懸案の問題でございますから、若し各委員で更に御質問がありますればこの際御質問を頂きたいと思います。
  173. 西田隆男

    ○西田隆男君 私は永山官房長にお尋ねしますが、委員長からの今のメモの話によるあなたの御答弁を聞いておると、最初あなたは、私は今日来るときに二十四日に、十二月の二十四日にメモが来て、一月の十三日に渉外課長が返したということを言つておるのを聞いて来ましたという証言が、今お話がありました。その次は、私自身は手続上受けるであろうことば常態であるのだが、受取つたか受けんかよく記憶しないというようなお話もありました。そうしますと、この次には、稻垣さんが多分お忘れになつておるのであろうという話がありました。その次には資源庁長官に言つたか、言わないかすらあなたは記憶してないというお話であります。どの話を大体我々は本当の話として聞けばいいのか、官房長に一つお話をもう一遍伺いたい。
  174. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私の言葉が誤解を頂いておりますようで、重ねてこの点について申上げますが、私が調べて参りましたと申上げましたのは、日にちの……、言葉が短かくて甚だ申訳なかつたのでありますが、日にちの点がいつこちらが受付をいたしまして、いつ返還をいたしたものであろうか、その辺がはつきりいたしておらなかつたものでございますから、それを調べて参りましたということを申上げたのでございます。それによりますと、十二月の二十四日にこちらへ受付をいたしまして、そうして一月の十三日に渉外課長が返還したということでございます。それで私もこれがメモランダムが出されたという事実、それから返還をいたしたという事実、これについては記憶がございます。ただどういう経緯でそれが返還になつたか、その点についての記憶がはつきりいたしておらなかつたのでございまして、その点は先ほど申上げましたように、渉外課長に尋ねましたところが、渉外課長は先方からの電話で撤回をするということで、それが契機になつて撤回をすることになつたということに聞いたのであります。只今申した通りでございます。
  175. 西田隆男

    ○西田隆男君 重ねて永山官房長にお尋ねをします。あなたの今のお話によると、メモランダムを返還せねばならないということはあなたは御承知であつた。記憶があるというお話、それならば官房長として、当時の通産大臣の稻垣さんに、こういうことになつたということを何日の日にどこの場所でお話になつたか、御報告になつたか。これを御記憶がないはずはないと私は考える。若しあなたが稻垣さんに御報告になつておるならば、何日の日にどこの場所で稻垣さんに御報告されたかをお話し願いたいと思います。
  176. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私はこのメモランダムの来た事実につきましては、稻垣さんは御承知ですから問題はないと思いますが、返還をいたしたという事実も、私としては稻垣さんは御承知のことと思つておりますが、先ほどのお話通り承知でないということで、これは私は記憶を喪失しておられるのではないかということに推察をいたすのであります。返還することになつた事情なり何なりにつきましては、私自体が先ほど申上げましたように、どうして返還ということになつたか、その辺の記憶を十分持つておらないくらいでありますから、従つて私が稻垣さんに報告をしたということを申上げることもできませんし、或いは報告をしないということも申上げかねるのであります。
  177. 西田隆男

    ○西田隆男君 あなたの話を聞いておると甚だ我々は奇怪に考えるのですが、稻垣さんがお忘れになつておるということは、記憶が薄らいで記憶がなくなつておるのだろうということをあなたは確言される。而もあなた自身が稲垣さんに言うたか言わんかわからないというようなお話をされる。大体これはどう解釈したらいいのです。もう少し本当のことを良心的にお答えを願いたい。我々が常識で判断をすれば、いやしくも日発その他電力関係人事に関するこういう重大なメモランダムを返還せねばならないというような事態が通産省に起きておるのに、官房長と大臣との間の連絡がそれほど記憶が薄らいでしまうほど簡單に取扱われるような問題ではないと私は考えます。若しあなたのおつしやるようなことであれば、あなた自身が何日の日にどこの場所で通産大臣に報告したかという御記憶があるべきだと思う。稻垣さんの御記憶が薄らいでおるとか、記憶が喪失しておるということでなくして、あなた自身が記憶が喪失しておるのじやないですか、どうですか。もう少し本当のことを良心的にお答え願いたい。
  178. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 先ほど来申上げておりますように、私自体も記憶を喪失しておるのでございます。(笑声)それは私と稻垣さんとの関係は当時大臣と官房長との関係でございますから、始終殆んど毎日のようにお会いをいたしておつて、常に密接な連絡が保たれておつたのでございます。従いまして私の只今からの、記憶を失つております現在からの想像からいたしますれば、当然、稻垣さんには御報告を申上げておると、かように考えておるのでございますが、然らばいつどこで報告をしたかということを言われますと、私にはその記憶は、はつきりいつどこで報告を申上げたという記憶はないと申上げるよりいたし方ないのであります。
  179. 西田隆男

    ○西田隆男君 重ねてお聞きします。そうしますとあなたは官房長として勤めておられて省内における大臣に報告しなければならないどんな重要な用件でも、一年したら記憶がなくなつてしまう。だから俺は職責上せねばならんことは当然やつたんだろうというふうに考えて、平常の職務を執行しておられますか。どうも私たち常識で考えますと、あなたの御答弁は実に誠意がない。稻垣さん自身が記憶を喪失しておるだろうと言いながら、稻垣さんが記憶を喪失しておるということを何で裏書きしてあなた自身おつしやるのか。今の御答弁によると、私も記憶を喪失しております……、記憶を喪失しておる人が、人が記憶を失つておるかおらないかという判断が付くはずがない。もう少し本当のことを御答弁なすつたらどうですか。そのくらいのことを御答弁なすつたつてどうのこうのという問  題ではないじやないですか。あなた方は委員会を何と心得ておられる。委員会は国民の声であります。余り委員会を侮辱した御答弁をなさらずに、もう少し良心的の言葉で御答弁をしなさい。
  180. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 只今お話通り私は私の承知しておる事実を全部申上げているのでございます。又それを承知しておる事実を故意に曲げたり或いは隠したりしても、別段どうということもないことは承知しておりますので、私は私の記憶しておる限りのことは全部申上げておるつもりでございます。それで甚だ失礼でございましたが、稻垣さんが記憶を喪失しておられるのじやなかろうかと申上げましたのは、無論私自体の記憶喪失、記憶を喪失している私から申上げることは甚だ口幅つたい言い分でございますが、私がそう申上げましたのは、当の渉外課長が、稻垣さんも承知しておられるはずだ、自分は稻垣さんからその話を受けた、稻垣さんと話をしたということを当の渉外課長から聞きましたので、稲垣さんが記憶を喪失しておられるのじやなかろうかと、かように申上げたのでございます。
  181. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 今の問題はこれ以上話を進めましても、今のような工合に、話が更に他人の意思のほうへ発展をして参りますと、水掛論のようなかつこうになりまするから、重要問題でありますので、若し皆さんの御同意を得られるならば、渉外課長の出席を求めまして、その上で話を進めたほうがよくはないかと存じますが、如何でございますか。
  182. 西田隆男

    ○西田隆男君 渉外課長をお呼びになるのはいいと思いますが、私はもう一言官房長にお尋ねいたします。あなたの最初からの御答弁を聞いていると、質問をするたびに御答弁の内容がだんだん変つて来る。今は渉外課長が言つたから私はそう思つたのだと言う。渉外課長の言うことは信頼されて、以前、前大臣としてあなたは官房長として密接な関係にあつた稻垣さんのおつしやることは、これは記憶の喪失であるというような判断をされろところに、我々は委員として、国会議員として疑惑を持つのです。大臣の言われることは本当であるが、渉外課長はそう言つてつたが、もう一遍確かめて見ましよう、或いは問合わして見ましよう、調査しましようとかいう御答弁ならば、まだ納得が行くのである。渉外課長の言つたことは本当である。稲垣さんの言つたことは記憶を喪失しているなんというあなたの言は、前大臣に対して侮辱的な言辞であります。そういうことは当委員会では看過できません。これから先のことは委員長は委員諸君に諮られて如何ようともお取計らいを願いたい。
  183. 中川以良

    ○中川以良君 私は官房長並びに当時の大臣であられた稻垣さんにお伺いしたいのですが、大体通産省と司令部との間の折衝、殊にマーカット氏との会見の模様、その他メモランダムが来る、或いは向うに通産省としての公文をお出しになる、こういうものの書類の整理は如何なる方式をとつておられるのでありますか、おられたのでありますか。
  184. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 只今の御質問お答えいたしますが、司令部との文書の往復は、すべて正式なものは渉外課を通じてこれを行なつております。従いまして先方から参りましたメモランダムなり、デイレクテイヴなり、通産省宛のものは、渉外課にその原本が保存してございます。それからこちらから司令部に正式に提出をいたしますものも、やはりそのときは必ず渉外課に送つて来るという建前なのでございます。
  185. 中川以良

    ○中川以良君 そういたしますと、その書類の決裁には一々関係の局長、官房長、大臣等の判を取つておられるのでありますか。
  186. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) これは建前は、原則はやはり一般の書類と同じように、それぞれ起案の局から順次に官房長、次官それから大臣というように決裁を受けて行く建前になつておりますが、ただ渉外関係の文書につきましては、これはおおむね急いだり、或いは機密のものが比較的多かつたりいたしますので、必ずしも所定の文書の形式を用いないで、実際上の口頭の連絡ということで済ますことりも往々あるのでございます。
  187. 中川以良

    ○中川以良君 そういう口頭の連絡にしまする記録というものは、何ら残しておられないのでありますか。
  188. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) これはその係官の意思によりまして、その書類にメモ式に書付けるということもときにあるのでございますが、必ずしもそういうことになつておらないので、何らそこに跡が残つていないということもあろうと思います。
  189. 中川以良

    ○中川以良君 殊に只今のメモランダムは極めて重要なものでありますので、それが電話を以て返還したいという要求を聞いて、これをお返しになつた際に、何かやはりそれを返す際に通産省としての公文をお付けにならなかつたのでありますか。その辺はどうでしようか。ただ莫然とそれを持つてつて渉外課長が返しただけでありますか。
  190. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) これは向うから参りました原本をそのまま渉外課長が持つてヴエルテイ一氏のところへ置いて来たという事実であります。
  191. 中川以良

    ○中川以良君 そういたしますると、その返す場合には、少くもそういう重要な書類でありまするから、官房長には少くも渉外課長は報告し、了解を求めただろうと思います。官房長はそれを大臣に報告をされて、更に了解を求められることが正常な私は官庁の事務を処理する行為であろうと思うのでありまするが、然るに通産省における渉外関係の書類、殊に渉外課を通じてのそういう書類の往復に対する整理、或いはそれの監督等に対しまして極めて遺憾な点があつたのではなかろうかと思います。そういう点に対する官房長の御見解はどうでありますか。
  192. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 只今のメモランダムが返還をされたという事実は、私は最初から申上げておりますように承知いたしております。返された事実については記憶があるのでございますが、ただこれ又先ほど申上げましたように、私は常々の大臣と官房長との緊密なる関係からいたしまして当然大臣にも私からも申上げてあると思いまするし、それから又そういう問題につきましては渉外課長から直接に大臣に申上げるということもしばしばございまして、何らかの順序によつて大臣も御承知であつたことと、かように考えておつたのでございます。
  193. 中川以良

    ○中川以良君 今の件に関しまして当時の大臣であられた稻垣さんにお伺いしたいのでありまするが、渉外関係のことに対しては特に当時稻垣通産大臣は熱心にいろいろ御折衝を頂いておつたのであります。私共その点は非常に感謝をしておつたのでありますが、そういう事務上の処理、そういう重要事項に対しましては、大臣は十分御監督を頂いておつたと存じまするが、そういう点について当時いろいろ御指示があつたと存じますが、今官房長の申したような、ああいうルーズなやり方で大臣はいいと思つておられたのでありましようか、どうでありましようか。
  194. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 今官房長の言われたような順序で、他の書類につきましてはいわゆる便宜主義の形で書類が行つておりましたが、渉外関係のものは特に他のものに関係のない、直接関係のない局の人たちに示すことが非常に不都合な書類なんかもいろいろありまして、その点は渉外課において書類を取扱うと同時に、或る場合にはこれを普通の文書にしないで、直接に口頭によつて官房長から次官、或いは次官から私、或いは場合によれば次官がいないときには官房長から直接、場合によれば渉外課長から直接の場合もあつたろうと存ずるのであります。そういう形で口頭で伝達しておつた。こういうふうに取扱つてつたわけであります。というのはこれは書類が、ESSの関係の書類が漏れましていろいろ問題を起したことがありまして、そのために実は折角話合いがうまく行つてつたものも壊れるといつたような事実が、二三にとどまらないので、それからは渉外関係の書類は官房長の言つた道順で取扱つてつたのであります。これが自然書類があとに残らないことになつたろうと思うのであります。甚だその点は遺憾と思いますが、併しながら当時においてはそうしなければいろいろな不都合が生じたという事実でございます。
  195. 中川以良

    ○中川以良君 そういたしますると、もう一点稻垣さんにお伺いしたいのでありますが、渉外課長が向うから返還を求められたので急を要するので、大臣相談せずにそれを向うの命ずるままお返しをして事後報告をしたと申すか、或いは事後報告をせずにしたか知りませんが、そういう事態があつたといたしましても、当時通産大臣といたされては渉外課長の行為に対して別にお咎めになるような筋合いではないのでございましようか、どうでございましようか。
  196. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) それは私自身先ほど申上げましたように、そういう記憶を実は持つていないのでありまして、これが事柄自体は重大な問題でありますから、それが若し私に伝わらないでそういうことがされるということは、私としては非常に遺憾だと思います。その当時そういうことがあつたとすれば、或いは一応その当時に私は訓戒をしただろうと思います。
  197. 中川以良

    ○中川以良君 そこで私は横尾通産大臣にお伺いをしたいのでありまするが、大臣は恐らくこういういきさつは何ら御承知なく、又渉外関係で返してしまわれたことであるので、そういう行過ぎはないものとお思いになりまして、恐らく官房長その他次官等の報告によつて日発人事更迭の際にはそういうようなものは最早何にもないのだと、こういうように御承知になつたのだろうと存じますが、その辺の御見解はどうでございましようか。
  198. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は今の中川委員のおつしやるように、それは返つている、そうするとそのメモランダムは効力ないもの、効力を発生しないものと、こういうふうに考えて措置したのであります。
  199. 境野清雄

    ○境野清雄君 私のほうで聞いたところによりますと、何か一月十三日にヴエルティー氏から午後の二時頃電話があつた。そうしてそれを池尾渉外課長が聞いて来たけれども、永山官房長相談の上でこのメモランダムを返したというようなことを聞いておるのでありまして、先ほど官房長の話によりますと、一年も前のことなのでどうも記憶がない。こういうふうな話にもかかわらず、片方では電話があつたのが午後二時というように、時間までわかつておるのに、それには記憶がないというようなお話をさつきから聞いておりますし、又そのことに関して西田委員からの質問に対して我々も同じように納得できない返事をされておるというようなことから考えて、又こんな重大な問題を当時の通産大臣の稻垣さんにも通告をしていないというような形になつており、又午前中の大西証人証言によりましても、大西証人として日発総裁という重要な位置に坐つておりながら、このメモの出たことは承知はしておるが、これが撤回されたということは承知しておらないというようなことを勘案しますと、私のほうの考えでは、何か意図がありまして、官房長の手許でこれを握りつぶしたのじやないかというような考えもあるのでありますが、その辺に対して一つ官房長の答弁を伺いたいと思います。
  200. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) どうも私が記憶がはつきりしておりませんために、いろいろ御想像を煩わしておることは甚だ遺憾なことでございますが、私は決して只今境野議員の御想像のような考え方は毛頭持つておりません。只今境野さんからのお話の中で午後二時という事実は、これは私は初耳でございます。私は公然そういうことは聞いたこともありませんし、私議会の前には申したことはございません。更にもう一度私の、何といいますかいろいろ誤解を受けておるようでありますから、この間の経緯を、私が承知しておる事実を申上げますと、メモランダムが来た事実、それから返したという事実、これは承知をいたしております。これは先刻申上げた通りであります。ただ日にちについては記憶がないということで、ここへ参ります前に調べましたところが、先ほど来申上げたような日にちにそれぞれこちらも受付けをし、それから返還をしておるということに承知をいたしたのであります。それで然らば如何なる経緯でそれが返還になつたかということについては、私自体明瞭な記憶がないので、これは渉外課長に尋ねましたところが、先方から電話があつて撤回することになつたということで、私もさようなことであろうかと、今から考えればさようなことであろうかということに考えるだけであるのでございます。それで稻垣大臣との関係につきましては、私は当時大臣と官房長との密接な、常々の日頃の関係からいたしまして、これは私からも御報告申上げたというように思われるのでありますが、想像されるのでありますが、これは飽くまで想像でございまして、私のほうもいつどこで申上げたということの記憶も書付けも持つておりませんので、従つてこれは私は当然申上げたはずだという程度に考えるよりいたし方がないのでございます。ただ渉外課長の言葉を引用いたしますれば、渉外課長が向うへ持つてつたときには、これは稲垣さんとの何といいますか、話が交換をされて、その上で渉外課長は持つてつたということに申しておりますので、私は稲垣さんは当時は御承知で、現在記憶を喪失しておられるのではなかろうかと、かように想像すると申上げたのでございます。
  201. 境野清雄

    ○境野清雄君 そうしますと、池尾渉外課長が永山官房長と二人で相談の上でこのメモランダムを返したということに私は聞いておるのでありますが、そうでなく池尾渉外課長がこういうような重大なメモランダムを返すということを、渉外課長一人の考えでやつたことか、或いは官房長と当時相談をした上でやつたことか、この点に対して官房長からの御答弁を願いたいと思います。
  202. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は返したということを事後これを承知したのではないのでございまして、渉外課長が返す前に、その返すことになつておるということは承知をいたしております。
  203. 島清

    ○島清君 官房長にお聞きしますが、余計なことは拔きにいたしまして、あなたはこれが来たという事実をお知りになつた。この事実に基きましてここのメモにも書いてありまする通り関係ある執行者」、こういうことが謳つてありますが、関係ある執行者に対しまして或いはこのメモに基いて、或いは指令通達を発するのは、私たちが見まするに官房長の仕事だと思いまするが、これは併し大臣了解の下に官房長のやる仕事だと思いますが、この来た事実に基きまして、この関係者並びに執行者に対してどういう示達をされたか、どうか。これをちよつとお聞きしたいと思います。
  204. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) ちよつと御質問の点がはつきりしないのでございますが、関係者と申しますと……。
  205. 島清

    ○島清君 いや、ここにですね、「関係ある執行者の更迭は再編成完了までは行わざることを勧告する。」こういうことが謳つてありますが、この「関係ある執行者」ですね、例えばそういうことだというと、日発の人々であるとか、或いは配電会社の人々だとかということを指すのだと思いますが、これをあなたたちが受けられたり以上は、この人々に対しても当然に何らか指令通達を発しなければならないのだと私たちは思うのです。そこでそういうことをおやりになつたかどうかということをお聞きしたい。
  206. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) メモランダムが来た場合に、それぞれこれを連絡をいたしますのは私たちの役目でございますが、その場合に私の役目は例えば只今の問題でございまするが、資源庁なり、電力局なりに伝える。それで更にそれを日発なり、配電会社に伝えるべき問題でごさいましたらば、それは電力局なり、資源庁から伝えるということになるのでございまして、私はメモが来たという、この人事に関するメモが来た場合には、当時資源庁、或いは電力局長に連絡をとつてつたはずだと、かように考えます。
  207. 島清

    ○島清君 そうすると電力局長なり、或いは資源庁の長官には官房長が連絡したはずだ、当然あなたの自分のとらなければならん義務だということをお認めになるわけでございますが、はずだということでまだ記憶喪失をされておるようでございますから、これ以上追及はいたしませんが、そうするとこれは何か池尾渉外課長から、向うの代理の者を以てして返還するようにという要求を受けたときに、返還しなければならないという事実というものをお知りだつたようでございますが、この事実に基きまして電力局長なり、或いは資源庁長官にこのことの撤回要求をされたどいう事実を伝達されておるかどうか、このことについてちよつと……。
  208. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) その点については私は連絡をしたという事実は記憶は持つておりません。持つておりませんで、私は今まで、今日までの感じからいたしますと、それぞれ御承知のはずだと、かように考えるのでございますが、或いは当時の資源庁の長官の進藤さんは、このことは御存じない……、撤回をされたということは御存じないという話だといたしますと、そこのところは私が果して連絡をしたか、しないか、その点につきましては私はつきりした記憶を持つておらんのであります。
  209. 島清

    ○島清君 今日の委員会へのあなたの出席の要求というものは、日発の正副両総裁の罷免問題に関して、証人的な、立場において委員会に御出席を願つたのでございまして、そのことは事前にお知りだつたはずでございまするし、そのことにつきましては衆議院関係委員会においても非常に問題になつておるのでございますから、あなたにおかれましてもここに来られる前に、あなたは池尾渉外課長に尋ねられて、いつ返したか、いつ要求があつたかと、こういう日時をあなたは確かめて来られるだけの用意を以て来ておられる。用意を以てこの委員会に臨んで来ておられながら、この重要なるメモの処理については非常に、確めて来るだけの用意を怠つておられる。西田さんが言われる通り非常にこの委員会を侮辱しておられるように思うのだが、あなたはこの善良なる官吏としての職務を怠つてつたように我々は思わざるを得ない、あなたもそれをお認めになるのか、それとも又後日御調査を下さいまして、この発言の真相を明らかにして貰えるかどうかそれについて御答弁を願いたい。
  210. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は先ほど来申述べておりますように、その書類につきまして、それぞれ連絡をしたということを申上げるだけの記憶を持つておりませんので、従つてそれぞれ調査をいたしまして、必要なものについてはお答えをいたします、ということにいたしたいと思います。
  211. 西田隆男

    ○西田隆男君 私は官房長にはもうお尋ねしませんが、通産大臣に一言お聞きしたい。あなたの御答弁、委員長からの質問に対する御答弁の中において日発の正、副総裁に対しての辞職勧告をされた時に、あなたは日発の正、副総裁は、政府反対電力編成に関する意見を持つておるので、このことを率直にお話をして辞職勧告をしたという御答弁をなさつておるが、これは間違いありませんかどうか。もう一遍お答えを願いたいと思います。
  212. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は今の正、副総裁政府の意見に御賛成になつていないということを聞いておつたのであります。それで私らが出します案は、前の案と同じような分割案でありまするので、それには御賛成にならんものだと、個人として御賛成にならんものだとこういうふうに私は感じたのであります。
  213. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 先ほどのメモの問題が中途半端になつておりますが、これを結論的なことだけしておいて、今の問題に移りたいと思いますが……。
  214. 森下政一

    ○森下政一君 その点で一言だけ官房長に聞かせて下さい。永山さん、お尋ねしますが、今日ここへ来られる前に今問題になつておるメモランダムを、いつ受取られて、いつ返したかということを調べて来たとおつしやつたが、これは何によつて調べたのですか。
  215. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 渉外課長から報告を聴取したのでございます。
  216. 森下政一

    ○森下政一君 渉外説長の報告は、渉外課長の記憶に基くものですか、何か記録があつたのですか。
  217. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 受付けた日にちのほうは、役所の記録に載つてつたのだろうと考えますが、八月十三日に返したということは渉外課長の手帳に記載してございました。
  218. 森下政一

    ○森下政一君 それではその受付けたのは、役所の記録にあるのだろうと思う、想像なんですね、あなたの。
  219. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 渉外課長から、あれはいつ来たのだと質問をしましたところが、渉外課長から二十四日にこちらへ到達しましたという話でしたから、それをそのまま信用いたしたのでございます。
  220. 森下政一

    ○森下政一君 それからもう一つ確かめたいのは、これは可なり重要な書類なんですから、電話で返すということを言うて来たにもせよ、こういうことを言うて来ましたということを渉外課長からあなたに相談をかけただろうと、報告を受けただろうと思うのですが、そういう電話が来たということを池尾渉外課長から聞かされたという、そうしてどう処理しましようかという相談があつたかどうか、そのことの御記憶はどうなんですか。あなたの御記憶はそういう事実があつたという、そういう御記憶ははつきりしませんか。その点はどうですか。電話が来たということを渉外課長があなたに報告しまして、どう処理しましようか。尚返してよいでしようかどうかということが、あなたに御相談が来たと思うが、そのこと自体はお忘れになつておりますか。その場所がどこであつたか、時間は何時であつたかということはお忘れになつても、そういう事実があつたかどうかということも御記憶に残りませんか。
  221. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 返すという事実は、前に返さなければならんという事態になりまして、私はこれは渉外課長に持つてつて貰うというような点までは記憶がございます。
  222. 森下政一

    ○森下政一君 私の尋ねておることは、そういう電話があつたという報告を受けられて、どうしようかという相談を受けられた、言い換えると、課長はあなたの指図を待つておると思うのですが、そのことの記憶はありませんか。返さにやならんという事態になつたということを記憶しておると言われるが、課長がその報告をし、あなたがそれに対して判断をして、そうして判断をしてこれは自分独断ではいかん、重要だから上の人に、上司に意見を聞いて見ようか、報告をしてこういうふうに計らつてよろしいかということをあなたが確かめに行つたか。或いは自分独断で、それは渉外課長に返してよろしいと言つたか、その辺の記憶がはつきりしませんか。時間とか、日時というものは、これは一々人間覚えておるわけにいかんが、併しかような重要なメモランダムを返せと言うて来たということについて、電話が来たという報告を受けられ、それについての処理ということについて相談を受けられ、或いはそれについてあなたがどう判断したか、そういう記憶は残つておりましようか。これを念のためにもう一遍、そこのところをあなた一つ記憶を呼び起してはつきりしたことを言うて貰いたいのです。
  223. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 返すということについて、例えば渉外課長が持つて行くとかというようなことを相談をしたということは、さような記憶はございません。
  224. 森下政一

    ○森下政一君 どうも明瞭を欠くのですね。
  225. 江田三郎

    ○江田三郎君 先ほど島君のほうから質問が出ましたように、若し返したとしておられれば、当然資源庁の長官か、電力局長か、そういう人に返したということを伝えなければならん、ところが進藤前資源庁長官は、昨日のこの委員会証人として、そういうようなことはないということを証言されているわけです。それから高井関東配電の社長も、前日発総裁大西さんも、このメモランダムが来たということは知り、同時にそのコッピーを受取つた、併しながらこれが返つたということは全然知らんと言う、そうなると、そういうところから判断すると少くとも、返したのか返さんのか知らんが、仮に返しておつても、それに対してとるべき措置はとつていなかつたということになると思うのです。あなた自身は忘れたと言われるのだけれども、外のほうからずつと判断して行くというと、どうも仮に返しでおつても、とるべき措置はとつていなかつたということになると思うのでして、その点、稲垣大臣を記憶喪失症と言うてきめつけられるあなたですから、そういうような大きな態度をとつてやられたのと違うのですか。はつきりして下さいよ。
  226. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は何度お尋ねを受けましても、やはり返すということにつきましては、私はやはり稻垣さんは御承知つたはずだ、かように考えるだけでございまして、その返すに至つた経緯というものは、やはり渉外課長の報告の通り電話で返すということになつた、かように考えております。
  227. 江田三郎

    ○江田三郎君 返したか返さんかということを私は聞いておるのでなしに、仮に返したとすれば、当然関係のある方面に伝達をしなければならん、その一番関係のある進藤前資源庁長官にしても、こういうものが返つておればですよ、忘れるはずはないと思うのです。一旦出たメモランダムが返つておれば、忘れるはずはない。そういうものが返つておれば当然日発、配電という所に連絡があるはずなんです。そして日発、配電の人もそういう連絡があつたら忘れるはずはないですよ。あなたが忙しいと言えば忙しいのだけれども、特に自分たちの首に関係があるから、それを全然知らないと言つているのでしよう。仮にメモランダムを返したとしても、そういう所に伝達しなかつたということははつきりしているじやないか。
  228. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) その点は先ほど来からお尋ねの点でありまして、私も進藤さんにはつきりどういうように連絡したという記憶はございませんが、尚よくこの点につきましては、私のほうから言わせますと、進藤さんは御存じのはずだと、かように考えておつたのでございますが、尚よく調査をいたしましてお答えをするということにいたしたいと思います。
  229. 江田三郎

    ○江田三郎君 これはもう西田委員と同じように、あなたの発言は本委員会を侮辱していると、そういう印象を強く受けたということだけ申上げて置きます。
  230. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 官房長にちよつとお尋ねいたしますが、あなた自身が、先ほど各委員から発言がありましたように、記憶を喪失されまして、いろいろ記憶を辿りながらすつきりしない形で御答弁になつておりまするために、いろいろと問題が紛糾しておるわけでありまして、併しながら、これは如何に紛糾しましても、あなた自身に関することであればこれはまあ問題外でありますが、それを根底にして極めてはつきり証言しておられる稻垣或いは進藤両証人に対して、そのあなたの現在の記憶の状態から類推して、この明白な証言に若干疑いをかけられるということは、これはいささか穏当を欠くのじやないかと私は思うのであります。そこでこの場合、あなた自身のことは別といたしまして、稻垣氏の証言について若干怪しげであるというような言葉を述べられた点については、この際ここで適当な発言をせられたほうがよろしくはないかと私は思うのでありますが、如何でございましようか。
  231. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私はもとより稻垣さんに対して失礼なことを申上げるつもりは毛頭ないのでございまして、ただ私と同じように、池尾渉外課長は返したという事実は無論自分言つておりますから、これは記憶というより、よく承知しておるものでございますが、同時に返す時に稻垣さんも池尾君の話はよく承知しておられるという話でございましたので、従つて先ほど申上げたような、或いは失礼だつたかと思いますが、そのようなことを申上げたのでございます。従いまして私といたしましては、どうもその当時のことを稻垣さんは、重ねて申上げるようでございますが、お忘れになつておるのではなかろうかと、かように想像するのであります。
  232. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、私の今の発言に対しまして、あなたは善処をされる意思がないということをはつきりされたと理解してよろしゆうございますか。答弁を求めます。
  233. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は先ほど来申上げた通りでございます。
  234. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に西田委員から御質問横尾大臣にありました。勧告理由の問題に移りたいと存じます。
  235. 西田隆男

    ○西田隆男君 私の質問に対して、通産大臣は個人的に考えたという御答弁でありました。私が今あなたに御質問したことは、あなたが委員長からの質問に対して、正、副総裁辞職勧告をするその時に、その事情を御両所に率直に話して了解を得たという御答弁になつておりましたが、これはその通りで間違いありませんかという質問を私がしたのでありますから、そのつもりでお答えを願います。
  236. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 個人的にというのは、私が個人的にお話したというのでありますか、或いは個人的に反対なさるということでございますか。
  237. 西田隆男

    ○西田隆男君 あなたの私に対する答弁は、個人的に……、私はそう考えましたという御答弁でした。委員長質問に対するあなたの御答弁は、両氏に対して辞職勧告する場合に、あなた方の御意見と政府電力編成に対する意見とが違うので、困るからということを率直にお話申上げて了解を得たという御答弁でした。この答弁の通りに間違ありませんかと聞いておる。
  238. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 今のにお答えいたします。私は先刻個人的と申しましたのは、個人的に反対の意見をお持ちだと言つたのでありまして、若しもこれが公に反対意見を真向にかざしておいでになるようなことになると、それは非常におかしい問題になりますので、個人的に反対の意見をお持ちになりましても、そういうことも影響するからということの表現をいたしたのでございます。
  239. 西田隆男

    ○西田隆男君 重ねて私が問いますが、私はそういう質問をしておるのではない。あなたが日発の正、副総裁辞職勧告をされる場合に、御両氏に対して、御両氏は個人的に政府の意見と反対の意見を持つておられるから困るのだということを率直にあなたはお話になつたという答弁を委員長質問にされておるのだが、その通りであるかどうかということを聞いておるのであります。
  240. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) その通りであります。
  241. 西田隆男

    ○西田隆男君 大西さんと櫻井さんにお尋ねいたします。あなた方は午前中の証言において、横尾さんからは個人的にお話を、辞職勧告を受けた。櫻井さんは、政府当局としての意思表示であるというようにも考えるという御答弁であり、且つその御証言の中には、電力編成に関して意見が違つておるというような点については通産大臣からは一口もお話がなかつたという証言をされておるのです。今の横尾通産大臣の御答弁とあなた方が午前中された証言とは非常な食違いが起きている。この点に関してあなた方御両氏はどういうふうにお聞きになつたのか、もう一遍証言をして頂きたい。
  242. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私が先に証言さして頂きます。申上げる時は、私は意見が余り違うからいかんからこの際やめたらどうかということを申上げたのであります。
  243. 櫻井督三

    証人櫻井督三君) 今の委員の御発言で、私共はその際に毛頭再編成に触れられないで辞職勧告を受けたというお話でございますけれども、速記録をお調べ頂きますと恐らく分ると思いますが、私はこう申上げたつもりでございます。その際横尾通産大臣は私共に、政府としての再編成の案も最近にできるであろう、それは必ず諸君が今まで主張せられたものと異なるであろうと、そうならばそのぎりぎりの決まるまでおられるよりは、この際お辞めになる方が適当ではないか、こういうふうなお話を受けたということを午前中私は証言いたしました。そういうふうに私は言つておるのであります。どうぞそのように御了承を願います。
  244. 西田隆男

    ○西田隆男君 大西さんの御証言を承わります。
  245. 大西英一

    証人大西英一君) 今櫻井が申しましたように、私も申したように記憶いたしております。
  246. 西田隆男

    ○西田隆男君 それでは、言われる意味は非常に違いがあるとは考えますけれども、証言の速記録を読みまして、私の今質問したことが間違つておるか、あなた方の御証言が間違つておるかを確かめた上で質問したいと考えております。
  247. 島清

    ○島清君 横尾大臣にお尋ねいたしますが、友人として、その友情に基いて辞職勧告をしたのだという御証言でございますが、この友人として辞職勧告されまするその決意をされるまでに、あなた以外の人の意見なり、要素が加わつたかどうか、その辺のことをちよつとお漏らし願います。
  248. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は外から何ら指示も受けないし、外のことも考えなかつたので、私がお話したのであります。それから先刻申上げますように、再編成法案が決まりますれば、どうせ辞めて頂かなければならんようになるから、その前にお引き願つた方が一番便利であり、且つ又丁度その頃に電産問題も解決したから、この際申上げるのが一番いい時機じやなかろうかということで申上げたのであります。外に何らの指示も受けないし、何らの指針も受けておらないということを御了承願います。
  249. 島清

    ○島清君 あなたが辞職勧告されました場所はあなたの官舎であり、お立会いになつたの次官電力局長だと、こういうことになつておりまするが、友人としての勧告をされる場合に、何故に山本次官電力局長を立会わされたのか、ちよつとその辺のことをお尋ねいたします。
  250. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 丁度その日外のことで官邸電力局長といろいろな話をしておつたときにおいでになつたのであります。このことは私は祕密に申上げる必要もないので、その際電力局長がおつたかどうかということは、私ちよつと記憶ありません。次官はおられたと思います。
  251. 島清

    ○島清君 電力局長がおられたかどうかということは詮議立てはいたしませんが、そういう場合お考えに当然なつたことと思うのですが、大臣として、勿論友人としての御勧告ではございましようけれども、これを大西さん、櫻井さんがお断わりになるということも当然考えられることなんです。そこで若しそういうことが即座に断わられた場合には、大臣の面子もあろうことかと思うのであります。そういうことも当然にお考えになつたことと思うのですが、その辺の御考慮の程はどうでしようか。
  252. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は実は大西さん、櫻井さんは、私が申上げることを御了承願えると思つてお話したので、若しも御了承がなかつたらどうするかということは、そのときは考え及んでいなかつたのであります。
  253. 島清

    ○島清君 大臣は辞めさせるまでは何んの要素も加わらないで、あなた御自身の友情に基いて辞めさせたのだ。ところが後任総裁を御推薦に相成つておるのは、あなたではなくして総理大臣の方が先に御推薦になつておられる。当然に大西櫻井両君を辞めさせるについては、あなた御自身真先に後任の人を物色されなければならない。そういうような前後の経緯から考えます場合に、辞めさせる場合にも何人かの意思が加わつてつたのじやないかということは容易に想像できることなんですが、何故前者を辞めさせて、後任を決定される場合において、総理大臣なり、あなた以外の人々が後任を物色されたのかどうか、この点についてちよつと経緯をお漏らし願いたいと思います。
  254. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻お話いたしましたように、後任については、私が小坂さんについては私から先に申上げたのであります。その前如何なることがあつたかということは、私は実は総裁の所に余り行きませんので存じていないのであります。
  255. 西田隆男

    ○西田隆男君 永山官房長にお尋ねいたしますが、あなたは稻垣さんの所に日発後任総裁の問題についてか、その外の用件かは知らないけれども、行つてお話になつたことは、稻垣さんの証言によりますと、日発後任総裁の問題についてお話になつておられるが、稻垣さんが総理大臣にも会われないうちに、あなたは稻垣さんが日発後任総裁たる資格というか、その候補者に上つておるということを誰からかお聞きになりましたか。
  256. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は横尾通産大臣から、そういうお説があるという意味のことを聞きました。
  257. 西田隆男

    ○西田隆男君 只今の横尾通産大臣の御答弁を聞いておると、以前に小坂さん以外は誰も知らないという御答弁であつたが、今官房長官のお話を聞くと、横尾通産大臣から聞いて稻垣さんの所に行つた言つておるが、通産大臣はどうなんですか。
  258. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) これは先刻お話いたしましたように、そういう方の名前も上つておりましたが、私は稻垣さんにはお願いはせん考えでおるということを申上げたので、それは私自身その前に全く知らなかつたということを申上げておらんのでございます。
  259. 西田隆男

    ○西田隆男君 重ねて官房長にお尋ねいたしますが、あなたは今通産大臣から聞いて稻垣さんを訪問されたと御答弁なされた。それならば通産大臣から何かあなたに稲垣さんの所を訪問せよというような意味合のお話を受けて行かれたのか。或いは官房長の單独の考えで行かれたのか。その点を御証言願いたいと思います。
  260. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 先程申上げましたように、稻垣さんが日発総裁の候補に上つておられるということにつきましては、横尾通産大臣からお話を伺つたのでありますが、ただそのときの大臣お話は、自分は稻垣さんを知らないということを言つておられたのでありまして、私といたしましては、大臣は判断に迷つておられるのではなかろうかと、かように考えたのであります。尚私としましては、稻垣さんに約一年近く官房長として仕えまして、稻垣さんの特に電力問題についての御意見も大体承知をしておつたのでありますが、先程稻垣さんのお話にもありましたように、稻垣さんがお辞めになつた当時と現在とでは多少その間の事情も違うということになつておりますので、従つて私個人的に申しましても、稻垣さんに参考のために現在の実情をお話を申上げて置くことが、適当ではないか、かように判断をいたしたのでございます。そうして横尾通産大臣の御承認を受けまして、稻垣さんを訪問いたしまして、先程稻垣さんからお話通りの話があつたのでございます。
  261. 西田隆男

    ○西田隆男君 今の御答弁を聞いていると、通産大臣は知らんと言うし、官房長は通産大臣の内命を受けて稻垣さんを訪問したと言われる。而も官房長が稻垣さんにお話になつたことは、ただ單に電力編成の問題に対して、稻垣さんが通産大臣当時と事情が違うということだけのお話を聞いたと稻垣さんは証言をしておられるけれども、そういう経過から見るというと、何か通産大臣の内命というのは、承諾を受けたというのは、稻垣さんに今頃は日発総裁を引受けない方がいいのだぞ、なつたつてお前の立場が困らないかということを勧告しにお出でになつたように私は受取りますが、官房長はどういうふうにお考えになりますか。
  262. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 稻垣さんとのお話内容を簡單にしかお話申上げなかつたので、誤解を招いたようでありますが、稻垣さんにお話いたしました際には、稲垣さんがお辞めになつた当時に、再編成問題についてはステップ・バイ・ステップで行かなければならない。時期的に若干ステツプを付けて行こういうお考えつたに対しまして、現在ではそういう情勢になつていないということをお話を申上げたのでありますが、それと稻垣さんからは、先程稻垣さんのお話にもございましたように、見返資金放出の問題がはつきりしない。それから又グッドリッチ・ケミカルでございましたかのお話もございましたが、自分は目下考究中だというようなお話がございました。話の内容は以上の通りであります。そうして帰りまして、大臣にその話を御報告申上げた、かようなわけであります。
  263. 西田隆男

    ○西田隆男君 今のお話を承つておりますと、通産大臣の内命を受けて稻垣さんを訪問されて、稻垣さんの電力編成に対する御意見と考え方を聞かれて、それを通産大臣に官房長は御報告されたということですね。そうしますと、私達国家公務員法の建前から、公務員である人がそういう面にタッチして意見を聞いたり、復旧をしたり、或いは或る意味においては就任拒否勧告とも思われるような行動をすることは、公務員として適当であるかないかという問題を考えねばならんのですが、官房長はそれに対してどういう御見解を持つておりますか。
  264. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私が稻垣さんを御訪問申上げたことは、横尾通産大臣と御相談の上で、その御承認を受けて参つたのでございます。而してその内容は別段稻垣さんにその拒否の勧告をするというようなことではないのでございまして、私としては現在の情勢を御説明を申上げるということと、稻垣さんのお考えを承つて、それを大臣に御報告申上げたというだけのことでございます。
  265. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 横尾大臣にちよつとお尋ねいたしますが、私はこの前の委員会のときも、わざわざ政府代表として岡崎官房長官の出席を願い、それから日発総裁推薦の直接の責任者としてあなたに御出席を願いまして、後任総裁の問題をいろいろお尋ねいたしましたときに、稻垣さんの問題については全然知らないと、新聞に出ておつて、そうしてあなたが総裁を罷免されたから、後任総裁のことについて直接お知りになつておるのが当然だが、併し御存じないことに関して、私が念を押したときに、新聞に出ておることは知らないとはつきりおつしやつた。官房長官も知らないとおつしやつた。そうしてそれじや吉田総理大臣を含めて閣僚全部が御存じないかと私が念を押しましたら、そのときにあなたも官房長官も、外の大臣のことは知らないが、少くとも自分は知らない。こういう工合に言われたと思いますが、そういうことをあなたがおつしやつていながら、只今お話を聞いておると、実際私ちよつと了解しにくいのでありますが、若し只今の形が御証人として御発言を願つていないというために、そういうことをおつしやつておるということなら、この委員会の権威のためにも考えなければならんのですが、その点は如何なものでしようか。
  266. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私はこの前知らないと申しましたのは、誰がどういうふうに推薦せられておるか知らなかつたのでありまして、ただ新聞に書いてありましたので、稻垣さんの名が出ておつたということは知つておりました。併しそのときに新聞に出ておつたというのは、ずつと前簡單に出ておつたので、深く総裁に推薦しようとか何とかいうことが公になつておることを知らなかつたのであります。その点御了承願いたいと思います。それからもう一つお話したいことは、只今官房長が言いましたことは、その新聞に出ておつたときに官房長が丁度来まして、稻垣さんがよく知つておるから、稻垣さんはどういうお考えであるか聞いて見ましようかというので、これは若し後任総裁の問題に関しての参考になることがあれば、そのときに聞いて置いてもいい、併し私の考えは初めから稻垣さんにお願いしようということはなかつたということだけを申し添えて置きます。
  267. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それならば官房長が稻垣さんに面会をされて、就任をされない方がよかろうというような意味の発言をせられるということは、あなたの御意思と一緒でございますか。
  268. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私はそういうことは申しておりませんです。
  269. 西田隆男

    ○西田隆男君 私の引続きで、これだけですから……、今委員長も言われましたように、通産大臣の当委員会における今までの御答弁と、本日の御答弁とには非常な大きな食違いがあるということを一つ御確認を願いたい。それから官房長は、稻垣さんのところに日発総裁就任方の拒否運動、牽制に行つたかのように私達には今日の答弁で深く印象付けられるのですが、今後は少くとも通産省関係においては、そういうことのないように御善処を願いたい。私はこれで質問を一応打切ります。
  270. 境野清雄

    ○境野清雄君 只今横尾通産大臣からのお話しによりますと、新聞を見てから永山官房長が稻垣さんにお会いに行つたというようなお話に聞いたのでありますが、事実九月の二十二日か二十三日、二十四日頃の新聞に出たと思うのですが、この官房長が稻垣さんを訪ねたこと自体は、新聞稲垣さんが日発総裁になるぞというような新聞辞令の出る前と私は考えておるのでございますが、その点に対して通産大臣一つ説明を願いたいと思います。
  271. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今私が新聞に出たと申しましたのは、大きく取上げて新聞に出たのはお話通りであります。私が永山官房長お話したのは二十二日の夕方かと思います。丁度その日大阪から帰つて参りましたので、そのときにその前から新聞にちよいちよい小林さんとか、何とかいろいろの人の名前が出ておつたのです。そのときにそういう問題が出ておるので、稻垣さんは特に議員でもあるし、併し私は稻垣さんにお願いできぬということをその前から考えておつたのでありますが、官房長がよく存じているから、稻垣さんがどう考えておられるか聽いて見ましようかというようなことを、その当の稻垣さんの日発総裁問題に対するお考えはどうであるだろうかということを言いますので、それならば、君よく知つているならばお話を承つて来てもよかろう、こういうことを申したのであります。で、拒否して来いとか、その他いろいろの條件を付けてお話をしたのではないということを御了承願いたいと思います。
  272. 境野清雄

    ○境野清雄君 稻垣さんの所へ官房長が参りますときに、官房長自身は、現在なつております小坂さんの問題に関して、総裁の候補に上つているというようなことを知つてつたかどうか、官房長に伺います。
  273. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 全然私は承知いたしておりません。
  274. 境野清雄

    ○境野清雄君 もう一つ伺いますが、そういたしますと、稻垣さんの問題に関しましては、大臣の意を酌んで、官房長は先程西田さんからお話のあつた通り、大体就任を拒否するようにお勧めに行つたというふうに解釈するのでありますが、同時に今度の小坂さんの問題に関しても、同じように官房長が大臣の意を酌んで動いたかどうかということについてお伺いいたします。
  275. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私が稻垣さんにお会いいたしまして、就任しないようにお勧めしたというように断定をなさつておられるようでありますが、さような事実は全然ございません。それから小坂さんにつきましては、全然事前にも私は何も承知しておりませんので、従つて小坂氏にお目にかかるとか何とかいうことは全然ございません。
  276. 森下政一

    ○森下政一君 横尾さんにお尋ねするのですが、稻垣さんの後任総裁として新聞に出ておることは承知になつておる。ところがあなたの御心境としては、稻垣さんを煩わしたくない、煩わすべきでない、こう考えておる。その考えを持つておられるあなたが、何しに官房長を稻垣さんの所にお遣わしになつたのですか。そこのところをはつきり聞きたいのです。どういう心境であなたが頼みたいと思つていらつしやつてない稻垣さんの所へ、何しに官房長をおやりになつたのですか。
  277. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 特別に私が行つて呉れと言つて頼んだのでなしに、よく自分が行くから行つて見てはどうでしようかというので、それならば結構だ、行つて来いというので……。
  278. 森下政一

    ○森下政一君 官房長が行くと言つたときに、当然あなたは何しに行くかということをお聞きにならなかつたのですか。
  279. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) よく日発総裁後任問題について新聞なんかに書いてあるので、そうしたことについてどういうお考えかということを聞きに行くのだろうと思つてつたのです。こういう御意見を聞きに行きたいからと言いますので、それは結構だという程度で、何も指示して、これを必ず聞いて来いというような意味で行つたのではないのであります。
  280. 森下政一

    ○森下政一君 当時のあなたの御心境からすれば、新聞でどんな噂をしておるかとか、或いは閣内の誰かが、稻垣さんを是非起用しろということを万一言つても、あなたとしてはそれはとるべきではない。峻拒するくらいの気持は持つておられると思います。その当の稻垣さんの所へ、後任総裁としてどういう考えを持つておられたろうか、こういうことを稻垣さん自身の心境を確めるために人を派する必要はない。稻垣さんの所に行つて、誰か適当な後任はいないか。そういうようなことを察知できるような向きがあるかも知れない。案外掘出し物のよい後任後補者の名前を指摘して呉れるかも知れないということをお考えになつたのですか。本日あなたはその当時の心境をまじめにおつしやつておる。その心境は私共も成る程と頷ける。それならわざわざ稻垣さんがこのことについて就任しようと思つているかいないか、そんなことを打診に行く必要はないじやないですか。
  281. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 稻垣さんが就任なさるか、なさらんかという打診ではないのであります。
  282. 森下政一

    ○森下政一君 誰か適当なものはないかということで……。
  283. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) ただ後任総裁就任問題に関して、御意見があるかないかとも、聞いて来いとも甲さんのであります。とはかくいろいろな雑談に行きたいと言うから、それは結構でしよう。そのうちに総裁問題について、又何かいい話を承わることができるかと思つて期待しておつたのであります。(笑声)
  284. 森下政一

    ○森下政一君 官房長官にお尋ねいたしますが、あなたは大臣から、稻垣さんが後任総裁の下馬評に上つておるようだ。ところで自分としてはお願いする気持はないということをおつしやつておるように、さつきのお話では私は聞いたのですが、そういうことを、大臣は稻垣さんを起用しよう、お願いしよう、煩わそうという気持でないということをはつきり知つておられる。そんなのに何故稲垣さんの所に行つて見ましようかというようなことを言つたのですか、何しに行つたのですか。
  285. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は横尾通産大臣が稻垣さんをお断わりになるというお考えは、私はそのときには拝聽いたしておりませんでした。ただ稻垣さんが日発総裁候補者に上つておられるということを大臣から聞かされまして、同時に大臣は、自分はよく稻垣さんを知らないのだがというお話でございましたので、私は判断に苦しんでおられるのではなかろうか、かように想像いたしたのでございます。併し私といたしましては、先程も申上げましたように、稻垣さんには一年余り仕えまして、恩顧を蒙むつておる方でございますから、現在の事情もお話申上げて置くことが、事実総裁候補者に上つておられるならば、それがいいのではなかろうか、かように二つの考え方を以ちまして、大臣相談をいたしまして、その承認を得て参つた。かように了承願います。
  286. 森下政一

    ○森下政一君 横尾さん、どうですか。官房長官は、あなたが稻垣さんを煩わす意思はないのだということをおつしやつたように言つたと先刻聞いておるのですが、そんなことは聞いておらないというのですか。どうですか。
  287. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は官房長に、私のはつきりした意思を一回も誰にも言うたことはありません。
  288. 森下政一

    ○森下政一君 もう一つ通産大臣にお尋ねしたいのですがね。大西櫻井正副総裁政府と隔絶した意見を持つておる。そこで政府が前国会に提案したと先ず近いような再編成案を近い国会に提出する前に辞めて貰うことがよいと思つた。こういう先刻お話があつたのですが、そこで結局あなたが友人の立場で、この両者に辞職勧告される動機というのは、違う考えを持つた正副総裁がおるということは、政府の思う通りの再編成をやろうというのに困る。それはおらない方がよいのだ。これが動機なんですね。それであなたの御心境をお伝えになるときに使つた言葉は、率直にその通りつたというようにおつしやつたが、その言葉は包んでおられる。そうはおつしやつておらない。だが肚の中の動機は、この人達が日発正副総裁であることは、政府の思う通りの再編成をやるのには障害になりこそすれ、利するところはないのだ。困るのだ。これが動機なんですね。そう解釈してよいですね。
  289. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 日発総裁政府が任命しますので、政府の意見と違うということになりますと、その間に面白からざることが起ると因るので、それで私は申上げたのであるので、さように御了承願いたいと思います。
  290. 森下政一

    ○森下政一君 そこで今あなたのおつしやつたことを解釈すると、正副総裁に留まつて貰わない方がよいのだ、これなんですね。
  291. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私の内心は、むしろこの際お辞めになつて頂いた方が可なりと、こう考えたのであります。
  292. 森下政一

    ○森下政一君 ということは、おつて貰わぬ方がよいということですね。そうなんですね。そうでないですか。
  293. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 横尾大臣、私先程から官房長とあなたの間の稻垣問題についていろいろ論争になつておるのを、私もう一遍繰返して速記録を読合して置きまして、それに事実相違するかどうか、確認を願つて置きたい。それはいろいろとやり取りをいたしまして後に、私からこういうことを申上げたのであります。最もあなたが苦慮されておつた後任総裁のことでありますから、新聞に出た当時からいたしましても、恐らく関心をお持ちになつてつたと思いますし、そういう話が出るならば必ず何らかの形で調査もされたでありましようし、いろいろとその経過について主管大臣としての責任においていろいろ取りなしをされた と思いますが、先程のお話ですと、完全に否定されたのですけれども、本当にそうであるのかどうか、もう一つ念のためにお聞きしたいと思います。これに対してあなたは答えられまして、今のお話は私には誰も稻垣さんを推薦した人がないのであります。私は稲垣さんに対して何らの関心を持つていなかつたので、新聞には書いてありましたけれども、これは私は関知しないところであります。こういうふうに言われております。ですからもう稻垣さんの問題については全然知らないということははつきり二回に亘つておつしやつておるわけでありますから、そういたしますと、先程のいろいろな論争の結果でありますが、官房長が稻垣さんにこの後任総裁の問題で会いに行かれたということは、あなたはこの委員会の当時の御所信そのままであるとするならば、全く官房長のお考えであつたと私は判断せざるを得ない、ところが官房長は、先程私がそういうことを言つたというような工合に、ここで結論が出かかつておるのは承知ができない、こういう工合はつきりおつしやつておられたようでありますが、どうも今日は重要なポトンイが全部ぼやけておりまして、委員会の取まとめにも非常に困つておるわけでありますから、この点を明らかに一つして頂きたいと思います。
  294. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先程来伺つておりますと、今日は証人として来て頂いておるというのでありますが、委員の諸氏の中にも、この委員会が侮辱されておる、こういう公けの発言もあつておりますように、証人として来られました通産大臣であり……。
  295. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつとお答えをいたします。証人ではございません。
  296. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 それじや証人じやなくても同じことでありますが、ここで事態をはつきりいたしますために御発言を願つておる、或いは御証言を願つておるということには間違いないと思います。私共が判断いたしますのに、悪意であるのか、或いはそうでなければ能力が欠けておるのかという判断をせざるを得ないような答弁をせられますことは、誠に私共遺憾であります。もう少し誠意を以てお話を頂きたい、証言を頂いておつて尻からばれて来るような証言をしながら、故意にとにかくごまかそうとせられるような御意向のように承わる、その点を一つ公けの席上でありまするので、証言のあるなしに拘わらず、もう少しまじめに真相を明らかにして、国民の疑惑を解いて頂くように一つお願いをしたい、この点を一つ委員長からお取計らいを願いたいと思います。
  297. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今の吉田委員のお話は、私共先程から感じておるところでありますから、特に先程発言を求めました線に沿いまして御発言を願いたいと思います。
  298. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先般速記録に書いてありまするような発言をいたしましたことは事実であります。それは私はこのずつと初めの方の簡單なる新聞記事についてのことは読まないでお話したので、(笑声)そういうようにおとりになつたと思うのでありますが、これに対しては前言を取消しまして、再びお話をいたしたいと思います。初めの方に、あれは三、四名の名を書いてあつたのは何かの……事実であります。小林さんであるとか、何とか書いてあつたのがあるかと思います。そのときに今お話するようなことは私はお願いできないというので進んで行つたのであります。ただ後任総裁を選ばれるについて如何なる心構えが要るかということを苦慮しておつたときでありまするので、それで官房長が稻垣さんの所に行つて見ようと思うがという話だつたから、私はそれは承知するでもなし、又お勧めするでもなし、ただそういう新聞に書いてあつた記事に対して、どういうお考えがあるのか、それを聞き、他に又いろいろ後任総裁に関する問題なんかの話が出て、どういうようないいことでも伺つて来ることができるかと思つて同意したのであります。承知をするようにというようなことも頼みもせず、又丁度そのときは御承知のように関西に下る日だつたのであります。深き意味において同意したのでなしに、そのくらいならよく知つておると申しますから、御意見を伺つてもよかろうと、こういうことを賛成したのであります。先刻、そこに証言に書いてありますこと等については、公然というか、或いは大きく取上げておるのは、稻垣さんだけのことについてお話したつもりでありますので、その点を御了承願つて御訂正を願いたいと思います。
  299. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の大臣の話を聞いておりますと、ただまあ稻垣さんがどういうお考えを持つておられるかということを聞きに行くということだつたのですが、先程稻垣さんの証言で、永山官房長が来られて、稻垣さんの大臣に就任しておられた当時とは情勢が違うから、当時と同じ考えでは困難なんだ、こういうようなことを言われた。稲垣さんが証言なさつたわけですが、そうしますと、そういう発言というものは、大臣の官房長に行つて来いという気持とは相当かけ離れがあるということですな。
  300. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は先刻から申上げますように、こういうことを特に聞いて来いというようなことではなかつたので、そういうことに御了承を願いたいと思います。
  301. 江田三郎

    ○江田三郎君 少くとも吉田総理と明日会うという人のところへ行つて、而もですよ、それを稻垣さんの証言によりますと、留守の間に電話を何遍もかけて来て、そうして最後にどこか出先で探し出されて……、非常に熱心に探されたわけですね、非常に熱心に探されて、そうしてただ稻垣さんの意見を聞くのでなしに、大臣に就任当時と情勢が違うのだから、当時と同じ考え方では困難だろう、こういう非常な示唆に富む意見を述べておられるということは、官房長のやつておられることと  あなたの意思は相当違うですね、それは確認できるでしよう。
  302. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 稻垣さんが翌日呼ばれておるということも私はよく存じませんです。従つてそれを前以て阻止しなければならんということも私は考えていなかつたのであります。そういうことは全く無関心でおつたのでございます。
  303. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういうあなたがそういうことを知つておられても知つておられないでもいいのですが、とにかくあなたが今そう言われる気持と、稻垣さんの証言が正しいとすれば、官房長が稻垣さんのところに行つて話したことは非常に食違いがある。それは私はまあ横尾大臣は正直なお方だと思う、嘘を言つておられるのじやないと思う。そうすると、永山官房長が、あなたの意見とは非常にかけ離れたことをやつておられるということだけは確認できましよう。その証言が事実なら……。
  304. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私の申上げておるのは、私の考えだけでありまして、永山官房長がそうこみ入つて深く聞いたかということに対しては、私はよく存じませんのであります。
  305. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先程少し大臣の御答弁の態度について申上げたのでありますが、横尾通産大臣は、官邸なり、公の席上で次官電力局長列席の上で報告をして、それが友人としての話だと、それから官房長を稻垣さんのところにやつて、そうしてそれが雑談に行くんだと、後で多少御訂正になりましたけれども、永山官房長は承認を受けてと言われますけれども、正式の使いでなしに官房長をやつたということ以外には考えられんわけであります。あとはとにかく言を左右にして本当のことを言われん、ごまかしを言つておられるというようにしか考えられんわけです。その辺もう少し官房長なり、官房長を使つてやられるならば、そこに大臣としての意図があつたということは、はつきりどつちの方向を向いておつたということは、これは別問題でありますけれども、大臣の使いで官房長が行つた、これは雑談をしに行つたとか何とかいう問題でないということは明らかであります。その内容一つありのままに御説明を頂かんことには私共納得が行きません。
  306. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 特に使いにやつたという意味じやないのでございまするので、ただ電話を、あちこちへ尋ねて行つたということも、実はそこまでやつて頂いたかということは存じませんでございます。ただ先刻からお話しいたしますように、私にはその当時から稻垣さんにお願いするという意思はなかつた、これは事実でございます。それから但し官房長をよく稻垣さん知つているから、稻垣さんのお話を伺つて来ましようかと言つたから、それも結構だと言つて同意したのであります。承認と同意とは同じようなことでありますけれども、さような意味でございます。
  307. 西田隆男

    ○西田隆男君 通産大臣にお尋ねします。官房長からお答えでもいいのでありますが、稻垣さんの日発総裁就任如何に関する新聞記事について、非常に神経過敏になられて官房長を稻垣さんのところにやられた。その席で官房長がお話になつたことは、稻垣さんがおつしやる通り、而も稻垣さんは総理大臣に明日会うことになつているから、こういうことをおつしやられたように聞いておりますが、総理大臣に会われた後、総理大臣から稻垣さんの日発総裁就任方について何かお聞きになつたかどうか。
  308. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は丁度その日から関西に行きまして、留守いたしまして、そのままになつてつたのであります。そうして先刻申上げました小坂さんの問題が出ましたので、それで小坂さんをお願いしたのでございます。
  309. 西田隆男

    ○西田隆男君 通産大臣は関西地方からいつお帰りになりましたか。
  310. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 二十五日の朝でございます。
  311. 西田隆男

    ○西田隆男君 総理大臣にいつ会いましたか。
  312. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) その日の閣議であつたと思いました。
  313. 西田隆男

    ○西田隆男君 その日に閣議の席において小坂さんを日発総裁に決定したということをお聞きになつたわけでありますか。
  314. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 二十五日の閣議決定の後でなしに、小坂さんにお話したのは二十九日かと……はつきりいたしませんが、二十九日の金曜の閣議のあとでなかつたかと思いますけれども、それははつきりいたしません。
  315. 西田隆男

    ○西田隆男君 そうすれば、通産大臣が二十五日にお帰りになつて、稻垣さんが総理大臣に会われた結果については、総理大臣にお尋にもならなければ、総理大臣からも何もお聞きにならないで、且つ官房長からもそれに関して何もお伺いにならなかつたのでありますか。
  316. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 二十五日の閣議では総理にもお会いしておりません。二十九日の金曜の閣議後に話したので、その前はお会いしていないのであります。
  317. 西田隆男

    ○西田隆男君 官房長から何もお聞きになりませんか。
  318. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 官房長からは稻垣さんと官房長が話したような事柄はちよつとも聞いていないのであります。
  319. 西田隆男

    ○西田隆男君 総理大臣が稻垣さんと会われたことについてはお聞きになりませんか。
  320. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 聞いておりません。
  321. 境野清雄

    ○境野清雄君 先程来通産大臣お話によりますと、電力の再編成に対して当時稲垣さんが通産大臣をやつていらつしたから、そこで自分の立場から判断しても、稻垣さんに自発の総裁をお引受け願うことはなかなか困難でないかというような御同情的な言葉があつたのでありますけれども、先月かの東京新聞にあつたのでありますが、これは現実に通産大臣お話として、稻垣さんが通産大臣のときに、自分本位の仕事ばかりやつたということで、日発でもその調子でやられてはたまらないというようなことが出ておるのでありますが、これは若し新聞自体が根拠のないことを書いたのか、或いは若し通産大臣からそういうような話が何か通産大臣の親友から聞いたというような話があつたのでありますが、これは稻垣さんのためにも一つ通産大臣から一応の御説明を願いたいと思います。
  322. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私はさようなことは申した覚えはございません。
  323. 境野清雄

    ○境野清雄君 そうすると、この新聞記事に対しましては、通産大臣は全然関係のないというように承知してよろしうございますか。
  324. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) さようにお考え下さつで……。
  325. 江田三郎

    ○江田三郎君 大臣は小坂さんのときでも、政務次官なんかにお話になつたのは、閣議で自分が発言してから、それから後だ。そうして大西さん、櫻井さんの辞職問題に関しても一人の意思でお決めになつたように言われたわけでありますが、この大西さん、櫻井さんの辞職の問題については、大臣一人の御意思でお決めになつたのでありますか。
  326. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 小坂さんの方は閣議でないのであります。総理にお会いしたが、閣議の席でなかつたのであります、帰りましてから、政務次官その他に、実はこういうことで来たのだ、こういうことでお話したのであります。それから正副総裁の問題に対しては、実はこういうように考えるということは、或いは言うたかも知れないと思いますけれども、それははつきり記憶がないのであります。
  327. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういう工合態度をお決めになつたのは、無論五日にお決めになつたのでしようが、六日に官邸に呼ばれたわけでありますね。五日にお決めになつたのでありますが、五日に若しどなたか外の人にお話になつておるとすれば、事前にどなたにお話になつたのでありますか。大体こういうような重要な人事ですから、話合いは決まつておると思いますが、どなたにお話になつたのでありますか。
  328. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は政務次官と、それから事務次官には多少私の意向は話したかと思います。その外にそういうことは余り漏らしておらんつもりであります。
  329. 江田三郎

    ○江田三郎君 そうしますと、先程大西さんの証言櫻井さんも同じですが、その中には五日の夕方に朝日の記者から電話がかかつて来てですね、そうして政府の方ではやらすことにしている。若しこれを拒めば電気事業法の三十七條でやるという話だが、こういうようなことが出たわけですが、そのときに政務次官、事務次官等のお話合いのときに、三十七條というようなこともお話になつてつたのですか。
  330. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私はそういうことは申しておらんのであります。
  331. 江田三郎

    ○江田三郎君 併しそうしますと、そういうように大臣言つておられるのに、この新聞の人でも三十七條なんというものを持出すというのは、全然根拠のないところから、そういうものは持出さない、誰かが言われたと思うのですが、そうすると、この大西さん、櫻井さんを辞めさせられるときにも、大臣と別な意思の人が何か言われたというようにはお感じにならんのですか。先程の稻垣さんの問題について、大臣のお気持と、それから永山官房長が出て言われていることには、明らかに相当の食違いがある。今の大西櫻井、正副両総裁のときでも、三十七條ということが仮にも新聞社の方から出て来るということは、何か一貫して人事の問題については、あなた以外の人が別な線で別な行動をとつているというようにお考えにならんのですか。そういうことを……大臣が何人もあると言われたというような話があるのですが、そういうことはない、大臣は一人に決まつているのですが、そういうことはお感じにならんのですか。
  332. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 今のお話の三十何條なんという法律も、実は私は知らないのでございます。だからして私は三十七條ですか、三十七條というようなことを申したことはないのであります。それから又今のお話のように、外に運動した者があつたか、なかつたかというお話でございましたが、私は実はそういうことは余り考えないのでございまして、(笑声)外の人がやつておられないということは、余り私自身では考えるようなことはしないたちでございますので、その点は従つて私は誰がやつておるか、或いは大臣が二人あるとか、三人あるとか、或いは松永電力局があるとかいうようなことを言われますけれども、私はそういうことは余り考えたくないので、その当時も私はそういうことは考えていなかつたのです。
  333. 江田三郎

    ○江田三郎君 私はこの大臣の風貌を見まして(笑声)非常に正直にものを言われる方だと思つてつたのでありますが、先程委員長が言われたように、今までこの委員会において、稲垣さんの問題その他について言われたことと、今日言われたこととは、こう非常な食違いが出て来たわけです。やはりそこで大臣もときには間違つたことを言われるのじやないかという気がするのですが、やはり誰かあなた以外に、人事の問題を推進する別な行動をとつている人がいると考えなければならんような條件になつて来ませんか。
  334. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今の御忠言有難く受けまして、(笑声)今後よくその点も考慮してやつて行きたいと思います。先刻西田さんからも御忠言がありましたので、今後に対しましては是非善処して行きたいと思つております。
  335. 島清

    ○島清君 どうも大変お気の毒でございますが、(笑声)差当つて二、三点……小坂さんをお決めだなつたときに、小坂さんを知つておられるし、更に又政界に二十年ばかり苦労された人だつた、こういう話でございますが、この小坂さんを御決定になりましたときに、この前後の総理大臣との折衝の経過ですね、その内容、それをちよつとお漏らし願いたいと思いますのと、もう一点念のためにお聞きして置きたいのですが、小坂さんという人と自由党の代議士の小坂善太郎君との関係ですね、それをちよつとお漏らしを願いたいと思います。
  336. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 小坂さんのことに対しましては、先程来お話いたしますように、私が小坂さんを是非お願いしたい、小坂さんなら結構だと思うと総理にお話をしたときに、小坂さんは体が悪いかどうか分らんから、それをよく聞いて置こうというお話があつたのです。それで返事が来るものと思つておりましたときに、明日の午後会いたいと言うて参りましたので、実は私党内でいろいろと言われているのを多少聞きかじつてつたので、これは小坂さんと同席してお話しをすることは如何かと考えて、小坂さんがおいでになつておるということは存じていなかつたのであります。そのときに行きまして、総理に会いまして、私の意見を二、三申上げた。総理はそのときそういうことは心配要らんからというお話でありました。それならお会いいたしましようというので、それで会つたのです。それで私が行くとき小坂さんが来られるということを知らなかつたということは事実なのです。私うつかりすると小坂さんに退席させられるのじやないかというような予感がしたので、向うの官房長、秘書官に聞いたのです。ところが秘書官はそんなことはないでしようと言われた。そうしてそれでは翌日と、こうおつしやつた。その日は丁度閣議があつた日でありますから、閣議の後にちよつとお話ししようと思つてつた。ところが丁度そのときには佐々木何とかいう方を呼んでおられたかと思います。それで話ができなかつた。そうすると、あとから三時に小坂さんがおいでになつた。そうして二階でお会いしたときに、総理に小坂さんが、党内は差支えないか、党内はそう問題はないというお話であつたのです。それでそのときに党内の問題がなく、且つ又閣議で決定したらば受けてもいいというお話であつたのです。それでそのときに私は、それならば私が希望を特にお願いしたい。副総裁は必ず一つ社内から取つて頂きたい、それには森氏を推薦いたします、こういうことを言つた。それも納得いたしましたので、会見は確か五分か十分でお別れしたのであります。そのときに総理は体はどうかといつて小坂さんに聞いておられたようです。それで、体はこの通り達者であります。こういうお話でありました。それからもう一つ、小坂善太郎さんというお話でありますが、実は私は同じ党でありますけれども、余り党本部に参りませんので、小坂善太郎という方はまだお目にかかつたことがないのです。その後私はどこかでお目にかかつたか知れませんけれども、顔と名とまだはつきりいたしません。それくらいなのでございますから、小坂善太郎さんに対しては、私は何も考えも持つておらんし、又批評もできないのであります。さように御了承願います。
  337. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 時間も大分経ちましたのですけれども、我々としては今一つ重要な問題を今日解明したいと思つておりますので、まだ御質問は多々あろうかと思いますけれども、この問題を一応終りたいと思いますが、如何でございましようか。
  338. 山田節男

    ○山田節男君 もう一つ、これは稻垣さんにもう一遍一つ証言はつきりさして頂きたいと思うのですが、先程来横尾大臣の方から、永山官房長から、永山官房長が稻垣さんを訪問したときのことについて、いろいろ説明があつたわけですが、今そばで横尾大臣並びに永山官房長が縷々はつきり申上げたのですが、稻垣さんとしては、ああして稲垣さんが日発総裁に擬せられておるというような新聞記事なり或いはとかくの風評が立つておるという状況を感じ、永山君があなたのところに来て、先程永山官房長が言われたように、昔の日発経営の状況と大分変つて来ました、こういつたことを言つておるのですが、稲垣さんはそういうことを考え、訪問を受けた稲垣さんは永山君にそういう電話でもかけまして聞いて、永山君が今言われたようなことをお聞きになつたそのニユアンスから暗に稲垣さんは日発総裁になられん方がよかろう、こういつたような意味に取られたかどうか、そのニユアンスですね、ニユアンスをどういうふうにお感じになつたか、それをもう一度はつきりおつしやつて頂きたいと思います。
  339. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) 先程も申上げましたように、私は前にこちらのいろいろなお話の中に、前に新聞に出ておつたというお話がありましたが私出たかどうか知りませんので、私の記事が新聞に出たのは二十七日以後であると思いますが、二十二日の頃は全然そういう話も出ておりませんし、二十二日に総理の言伝を私が承わつた、こういうことでありましたので、永山氏が訪問されてそういうお話があつたかどうかということであつたので、私はまあ総理からそういう言伝があつたという話をし、明日会うつもりだ、会つた上で自分考えをまとめるんだとこういう返事をしたので、先程申しましたように、引受けられるについても電気事業編成の問題は私が当時考えておつた考え方ではもう進行しにくくなつておるのだと、それを頭に入れられてお受けにならんと、従来と大分変つておるということを御承知ないとお困りになるということであつたのでこの事情を聞いたわけであります。そういうわけでありますので私としてはまあ永山君がどういう意味で……、先程のお話では大分意味はつきりしたのですが、その当時どういう意味で訪ねて来られたか私は知りませんが、長い間一緒だつたものですから、若し引受けるとして実際の電気事業編成の事情が変つておるということに対して注意を喚起する意味で来られた、私は軽い意味でかように考えておつたわけです。いずれにしても私はその翌日総理に会わないと総理はどういう考えで私にやつて貰いたいというのであるかははつきりいたしませんので、その日別にその問題についてどういう考えで来られたかということを私は自分で特に考えたこともないのであります。
  340. 山田節男

    ○山田節男君 先程来お聞きのように、横尾大臣はもう日発総裁としては稲垣さんはもう全然問題外であるとこういうふうに考えておると言つておる。そうして而も永山官房長があなたを訪問するということについても先程大臣が言われたような経過なんです。そういうような関係から又永山官房長があなたのところに行かれたというのですが、その話の前後に、現通産大臣横尾君はあなたを全然第一に日発総裁とする、そういう意思を持つていないということをあなたに申上げたかどうか、そういう事実があつたかどうか。
  341. 稻垣平太郎

    証人稻垣平太郎君) そういうことは全然ございません。但し何か日発総裁に対するお話があるそうでという話で、誰から聞いたのかということを私は確めたについては横尾大臣から承りました、こういうことであります。但し今お話のような横尾氏はこういう考えを持つておられる云々というようなことの話は全然ございません。
  342. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に総裁問題に関連しまして通商産業省内部のいろいろな情勢の問題、やり方の問題に入つたわけでありますが、私共は最近起きました重要な問題で是非共質して置かなければならんと思つている問題がありますので、その問題に移りたいと思います。私から二、三質問をいたしたいと思います。御案内のように日本発送電会社からは電漁開発に対しまして高度の技術を持つております、アメリカに教えを請いますために技術指導国と申しますか、OCIの派遣要請をせられておつたのであります。これに対しまして通商産業省は九月の十一日附を以ちましてマーカット少将に対しましてそういうような団体の派遣は必要ない、お断りしたいという意味の書簡を出されておりますが、横尾大臣はこういう書簡を出されたことがございますか。
  343. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) ございます。
  344. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 重ねて伺いますが、こういうような意見が出ましたのは省内でありますか、省外からでございますか。
  345. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それは日発からOCIを呼びたいという話を聞きましたので私よくその事情は分らんから官房長、それから次官と思います。それからその外に誰だつたはつきりいたしませんがそれくらいのものと思いますが、これは集まりましてどうしたものであろうかというので会つたときに、どうも日発は最近に赤字というようなことになつているので、それに対して契約をするということはおかしい、新らしい会社ができてからしても遅くはないんじやないかというお話が出ましたのでそういう手紙を出したのであります。
  346. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) これはあなたの御意思というよりはそういう会合等から出た御意思、こう解釈してよろしうございますか。
  347. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) さようでございます。
  348. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうすると永山官房長にお尋ねいたしますが、あなたはこの手紙の趣旨と全く同意見をお持ちになつてつたかどうか伺います。
  349. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) その当時は手紙と同意見を持つておりました。
  350. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 横尾大臣に尋ねますが、吉田総理大臣がOCIの派遣要請につきまして賛成でございましたか、反対でございましたか。
  351. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 初めの中は賛成でありましたけれども、私の方からこういうようなことにしたら、古い会社とするよりも新らしい会社とするのが至当であるであろうということをたしか官房長にかお話したと思います。丁度吉田総理大臣は箱根におられたのじやないかと思います。
  352. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この手紙を起草せられたのはどなたでございますか。
  353. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私が起草いたしました。
  354. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 重ねて伺いますが、こういうようなまあ政府の中にも総理は賛成であり、通産相は反対である、日本発送電は要請をしているというような国内の意見の対立があつたわけでありますが、このことに関しまして関係筋のマホーニー氏と横尾大臣と官房長がお会いになつたことがあると私共伺つておりますが、そういう事実があるかどうか。
  355. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) その手紙を出しました後でございましたか、マホーニー氏が私のところにやつて来ましてこれは技術的のものである、そうして又後で引続いて貰つてもいいからこれは是非契約して貰いたいというようなお話がありましたけれども、私らは新らしい会社ができてからやつても遅くないんじやないかというような意見を申しまして先生に帰つてつたのであります。
  356. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この問題は資源庁、特に電力局、そちらの方の意見はどうでございましたか。
  357. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 契約の許可の問題でありましたので我々だけでやりました。資源庁の意見は私は聞かなかつたと思つております。後からはその話はしております。
  358. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうすると資源庁方面の意見を聞かないで純契約の問題として、横尾大臣永山官房長が起草されたものにサインをされた、こういうことでございますか。
  359. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) そうでございます。
  360. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 重ねて伺いますが、これは飽くまでも技術の調査団の要請であります。電源開発の技術指導をやつておられるのは資源庁であろうと思います。その資源庁の意見を聞かないで、單なる一片の契約書という考え方を以ちましてあなた方がこれを御承認になろうとなされました御趣旨はどこにあるのでございましようか。
  361. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それは私が只今申上げますように、新らしい会社でやつても遅くないから新らしい会社と契約したらよかろうという考えの下にやつたわけであります。
  362. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それからこの手紙の内容について伺うのでありますが、全文を訳文しておりませんから途中から申しますが、丁度マホーニー氏があなたに会うという申込があつたんだろうと思いますけれども、その会う前に出さなければならんというので非常にこの手紙は珍らしい手紙でありまして時間まで入つておるわけであります、「本日午後一時マホーニー氏がこの書簡に同封されているごときOCIと日本発送電株式会社間の契約に関し、私の承認を求めに来る予定でありますが、私は下記のごとき理由によりこの契約は承認できないと返事をするつもりです。一、日本発送電株式会社は電力事業再編成計画の施行によつて近い中に解体される筈であります。又このように直ちに解体されるべき会社がOCIから技術援助を受けることは無意味なことであります。二、上記契約の條項は日本発送電が解体されて後は旧会社の全債務は新たに設立される会社に受継がれることを規定しており、これは再編成計画の見地より法律的に不可能なことであります。併しながら私はこの契約に述べられている技術の援助は今日の日本において最も望ましいことであると思いますので、再編成計画の施行後において行われるならばかくのごとき技術援助に反対する理由はないと思います。」こういうことなのであります。併し私共はこの内容了解しかねますことは、まだ外に何か意図があるのではないかと考えますことは、解体されるべき会社がOCIから技術援助を受けることは無意味であると書いてありますが、この電源開発は解体に関係ないのでありましてどんどん工事が進んでおるのであります。そうして而も一日も早く最高技術の指導を受けて、より少い経費でより能率のいい、より堅固な設備をするというところに目的があるわけでありまして、この一の理由は全く私は当らんと思うのであります。第二点は、日発が解体されるから旧会社の債務は新たに設立される会社に受継がれることを規定しており、これは再編成計画の見地より法律的に不可能なことであります。こういうことになつておりますが、凡そ会社が合併分離をいたしまするときの旧会社の債権債務というものは適当に処理されまして、必ず新らしい会社に引継がれて行くのでありまして、こういうことが若しあるとするならば、日本発送電、配電会社は何も仕事ができないということになる筈であります。従つてこれも私は当らないと思うのでありますが、こういうような二つの理由を立てて、そうして通産省に意思表示をされる。而もこの意思表示をされたにも拘わらず、OCIの団体はすでに日本へ到達をされて電源開発の指導をされようとしておるのであります。これに対する責任をどういう工合におとりになるつもりか、これを伺いたいと思います。
  363. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 初め一ケ所でなく二三ケ所の問題のように書いてありましたので、それならば同じ新会社であれば非常にいいけれども違う新会社もありますから、それで古い日本発送電と契約しても又新たに引分けをしなければならんように、経費の分け方等もありますので、それで新らしくできた上にやつたらよかろうというのでやつたのであります。それから今来ておるという話がありまするが、それからよく調べてみますと、六ケ月以内にはその話が大体の見当がつくというような意見であるし、且つ又私は実は沢見川という所は冬になつたらいかんから、来年の三月まではむずかしいじやないかというような考をしておつたのであります。実際向うではすぐ来てというようなことをいろいろ又話があつたようでありますので、それで後六ケ月以内ででき、そうして又行く前に調査ができるならば、日発の再編成も行詰つている今日だから、その前に完了し得るという見込があつたので新たに許可をしたのであります。それで今やつて来てすぐさま調査にかかるようになつてつているようであります。
  364. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私が御質問を申上げたのはそういうことでなくて、 OCI団の日本の電源開発に対する貢献を期待する、その性格から申上げておるのでありまして、少くとも先程から私非常に不思議に思つておりますことは、日発総裁、副総裁を決めるにしましても何するにしましても、通産省が責任者でありますから、その大臣中心になられることは当然なことであり、又同時にその行政の流れといたしますならば資源庁であり電力局である、こういう所が主流になつて行政が運営されるのが当然であるのでありますが、そういう流れが只今通産省の中にどうもないように私は見受けるのであります。特にこの問題は純技術問題である。そうして技術を担当するのは日本発送電であり、これを監督しておるのは通産省の資源庁である。その資源庁の方の意見を全然聽かれないで、ただ一遍の債権債務の処理のような考え方でその行政を進める、主流から外れた所でこういう問題が起案され、そうして処理されておるところに私は了解し得ないものがあるわけであります。でありますからそういうところを明確に私共の納得の行きまするように御解明願いたい、こういうことなのであります。
  365. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 技術の面において援助を受けるということはお話通り非常に望ましいことであります。但し技術的に今来て貰うよりも後で来て貰つた方が然るべきだ、こう考えたのでそういうふうに取計らつたのであります。それで資源庁のことは、私は資源庁の長官には何とも申しておりません。他の人が言われておるかどうかということは私は存じませんが、三人集まつたときにこれは先に延ばした方がいいのであるという提案であつたので、私はそれは尤もだ、どうせ今申上げるように今契約しても只見川の調査は来年三月以後でなければならんということになると、それだけの間に急にやらなければならんという意見でもなし、それが若しできるといたしますならばその上でやつても遅くはないというような考えをしたのであります。併し後で六ケ月くらいのうちに案を作り、そうしてすぐさま調査に取掛るというように言つて来られたので、それならばその方がいいからというので許可したのでございます。
  366. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 官房長官にお尋ねいたします。関係筋とのいろいろの御折衝は極めて愼重を期せられておるわけでありまして、特に関係筋の担当官の意向については、政府としては常にこれに副うように御努力をされておるように思いますが、こういう工合にマホ一二ー氏そのものが意思表示をせられておりまする問題について、その上級官でありまするマーカット少将に対して、マホーニー氏の意思を曲げるような意味の手紙を出して、これを拒否するというような、こういうことを今までおやりになつたことがありますか。
  367. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 委員長に誤解があられるようでありますから私申上げますが、マホーニー氏はスキヤップの人ではございませんので、これはどういう立場でしようか、OCIの顧問か相談役か何かそういうような関係の立場の人のようであります。従つてマーカット少将と上下の関係はないわけであります。
  368. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それからいま一つ伺いますことは、あなたは資源庁方面とこの問題の結論を出すことにつきまして、十分にお打合せをし了解をされておるか、或いは全然されなかつたか、この点を伺いたい。若しされたとしたならば誰とされたか、この点を伺いたい。
  369. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) この問題につきましては電力局長或いは電力局の開発部長の意見も聽きました。電力局長或いは開発部長の意見は、やはり内容的にはこれは結構なものだという話でございましたが、ただ然らば日発という解散を目の前に控えた会社がこれをやることが適当かどうかという点については、私の納得のできるような返事は得られなかつたのでございます。特に私の心配をしました点は、只今委員長のお読上げになりました文書にもございまするが、契約の内容は一応日発の解散後に及ぶというように考えた点でございます。これは新会社にはそれは当然には引継がれないのでございます。日発の債権債務を新らしく再編成ができました場合の子会社が引継ぎます場合には、そこに法律の根拠がなければ当然には引継がれないのでございまして、従つてこの契約内容に、日発で完成しない場合には次の新らしい会社でやつて行くんだというような義務の履行ができない、かように考えたのでございますが、この点については電力方面におきましてもさつき確たる内容、意見というものを持合せておらなかつたのでございます。
  370. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは前述のあなたの御希望の通りにこれができなくて、あなたの御希望通りに実現しましてOCIが来られなかつたということならば、あなたの心配されたことはないわけですが、現に日本に来られたわけですが、そうするとどういうふうにされるおつもりですか。私はそういうことは十分に処理したと考えておるわけでありますが、どういうふうにされますか。
  371. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) その点は、その後段々と調査をして参りまして、又マホーニー氏もこの問題について一、二回大臣次官の許へも訪れたことがございます。その際の説明等によりまして、これが大体日発の解散前にその契約の履行が終了できるということが段々と判明して参りましたので、事柄の内容につきましてはもとより我々も大賛成のものでございまするので、従つてそれでは許可をしようということに相成つたのでございます。
  372. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 先程あなたが、資源庁と打合せしたときに納得できないような説明を受けたとおつしやりながら、この手紙を出されたという意味はどういう意味ですか。資源庁の意見を聽き反対があつたけれどもこれを押して出したと、こういう意味ですか。
  373. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 資源庁の方面におきましては、この日発の解散前にこの契約の履行が完了するという点は、その説明にはなかつたのでございます。むしろ我々の説明から受けた感じ日発は解散をしてなくなると、併しこの事柄の内容は尚継続をするという感じを持つたのでございます。
  374. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) あなたはブース・ムーアーという方を御存じでございますか。
  375. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 名前だけは聞いておりますが存じておりません。
  376. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この方がこの前日本に来られてから、再編成の問題についてどういう考を持つておいでになつたかを御承知でございますか。
  377. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 存じておりません。
  378. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) OCIの問題につきまして私が伺いたいのはこの程度でございます。その他各委員から御質問がありますれば……。
  379. 島清

    ○島清君 どなたでもよろしうございますが、この次官は事務次官ですか、懇談のところでその手紙を御決定になつたということがありましたがどの次官ですか。
  380. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 政務次官です……間違いました事務官です。
  381. 島清

    ○島清君 それじや改めてこの話を持出されたのはどなたからでございますか。
  382. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 多分永山官房長でなかつたかと思いますが、三人で懇談した時であつたのでありますが気  に止めてなかつたのであります。ただ反対が強いということを耳にしたので……。
  383. 島清

    ○島清君 永山官房長にお聞きしますが、この話を次官にしてそうしてあなたの意思通りにさような手紙を起草されて、それをその関係者に手交したいという意図の下にその会合を催されたのかどうか、その経緯をちよつとお聞きしたい。
  384. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) その会議はそれほど重苦しい会議ではないのでございまして、簡單に話合をした程度でございます。従つて私が言い出したのか、或は又外の方も同じ御意見を持つておられたか、とにかく私は先程来私が申上げた意見でございまして、或は私が言い出したのかも知れませんが、それで簡單にその会議としてそこでは、それがよかろうということになつたのでございます。
  385. 島清

    ○島清君 只今委員長がお読上げになりました手紙の文章からいたしますると、非常に時間的な切迫感といいますか何といいますか、そういうものをあなたたちは非常に身近に感じられて、そうして慌てふためいて起草されておることが歴然として分る。又その技術団のここに来朝されるという問題については、電源開発と並びに大臣あたりが日頃考えられておりまする外資導入の問題と関連いたしまする非常に重要な問題なんであります。その重要な問題であるが故に、日発の首脳部の諸君もそういうところに思いをいたされまして、その技術の指導を仰がれるように決意されたと思うのですが、あなたがこの三者会談に持ち出される前に十二分に資源庁や関係電力局長あたりの意見を聽取されたかどうか、そこら辺のいきさつをちよつと。
  386. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 私は電力局長、それから開発部長の本件に関する意見は照会をいたしました。それで尚私共は、この内容そのものについては先程の手紙にもございますように十分賛成をしておるのでございまして、ただ日発がこの契約の当事者になるのは適当でないと考えたのでございまして、従つて仮にこの日発のこういう形式のものはこれでやめるにいたしましても、代つて政府が契約の当事者になつてやるというような方法もあろうかと、かように考えておつたのでございます。
  387. 島清

    ○島清君 そのことにつきましては、日発の首脳部に対してもお話合をするという襟度を持つて眺められたかどうか、乃至はお話をされたかどうか、その点を一つ
  388. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 日発の首脳部に対しましては話合をしておりません。
  389. 島清

    ○島清君 お知りの通り日発は日本でも有数な会社である。而もこれが政府の監督の下に業務を遂行している会社なのであります。その会社の首脳部の諸君が日本の電源開発はかくあらねばならんという決意の下にそういう契約をされようという場合に、何らの意見も聽取することなく直ちに手紙を以て断われるならば断わろうとしたようなことについて今でも正しかつたと思つておられるかどうか。
  390. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 日発の方から我々の方に対しても必ずしも十分な連絡がなかつたのでございます。私は日発からこの問題の説明を直接受けたこともございませんし、恐らく事務次官日発から説明を聞いたこともなかろうと思います。我々は無論そうした経緯に基く感情的な処置をいたしたのではございませんが、電力局から一応説明を受けましてそれで契約の性格というものについては理解を持つたつもりでございます。従つて、この書類を先程申上げましたような方法で決定をしたということで処理を進めたのでございます。
  391. 島清

    ○島清君 巷間、あなたがそういう取計らいをされたということについてのその裏面には、白洲次郎さんという方が非常にあなたと密接な連絡をお取りになつた上でそういうお取扱いになつたんだというふうに伝えられておりまするが、その真相についてはどうですか。
  392. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) そういう事実  は全然ございません。
  393. 島清

    ○島清君 あなたの契約の法律的な解釈によつては、又大臣もさようでございまするが、分割、解散されるであろうという会社に契約をするよりも新らしい会社の方によつて契約した方がよかろうとこういうように思つたので手紙を出したんだと、大臣はそういう説明であり、又永山官房長は、こういうことは国家が契約の主体にならなければならないというような考えでそういう手紙を起草されたんだと、こういうことなんですが、両者間においては新らしい会社に契約した方がいいというふうに意見の一致を見たのか。乃至は又これは国家が契約すべきものであるというふうに意見の一致を見てやつたのか、どつちが本当なのでございますか。
  394. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) この手紙の内容として現われましたまでの意見の一致は、日本発送電が契約の当事者になることが適当でないというまでの意見の一致でございまして、その後はこの始末を新らしい会社にやらせることが適当であるか、或いは国がその当事者になることがよいかというところまでの相談には至つていなかつたのでございます。私は、契約の性格から国が当るべきだということを先程申上げたのではないのでございまして、すぐに契約を締結して実行に移さなければならないということであるならば、国がその当事者となつて契約をするという方法もあるのではなかろうかと、かような考え方を先程申上げたわけであります。
  395. 島清

    ○島清君 そういたしますると、今の日発が契約されるのが妥当ではなくして、新らしく分割されるであろう分割後の新会社によつて契約するのが当然であるというような意見の一致を見てああいう手紙を出されたと、併し今は国家が契約の当事者になることも又考えられると、今はそういうことなんでございますね。
  396. 永山時雄

    説明員(永山時雄君) 要するに、この契約の内容から行きますれば本来は新会社がこれに当ると、それはあたかも前提が、その当時考えておりましたように、契約の内容の履行が日発解散までには済まない、その後に引続き継続するということに考えておりましたので、従つてそういう契約については、この契約の締結の形式は新らしい会社がこの契約の当時者になるということが本来の方法であろうと、こういう考え方におきまして、私も同じ考え方を持つておりました。ただすぐにこれを実行に移さなければならないと、契約を締結した方がよろしいということであるとすれば、国がその当事者になるという方法も考えられるのではなかろうかということを申上げたわけでございます。
  397. 島清

    ○島清君 もう一点だけお聞きしますが、契約の債権債務というものは新らしい会社が挙つて継承するのが、これは今までの商法にも規定されておりまするところのことなんですが、なぜそういう分り切つたものを、特に大臣はそういう事業界から出て来られた方なんで、そういう新会村に迷惑をかけるのではないかというようなことを殊更に御心配になつたかどうか、その点をはつきりして貰いたいのですが。
  398. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 申上げますことは、このOCIが来ましてそうしてあの技術援助をしてくれるということが、私はもう冬期にもなつておるから調査等においても来年三月以降ではなかろうかという期限的に考えたのが一つ。そういたしますと、今困難だという契約をやりましても、どうせ又先で費用の割当なんかの問題もあるから、あれはたしか九州の有馬にも行くようになつております。そういうようにいろいろ分れるところへ行くとしますと、費用の分割等も面倒くさいからむしろ先の方に新会社で契約した方がよい、こういう考えでございます。併し現在来ておりますのは、その後向うの申出によつて早く来て早くやつてしまうのだからその期限は六ケ月以内だ、そうして調査も直ぐ始めるというようなことであつたから直き許可したものと思います。
  399. 島清

    ○島清君 大臣に聞きますが、新会社というものは大体いつ頃発足する見通しでございますか。
  400. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻申上げますようにこのOCIが来て調査をすることが来年四月以降じやないかと思つたから、その前には分割案も成立するだろう、こういう考えでございます。
  401. 島清

    ○島清君 そうすると、来られるのは来年四月頃であろうと、そういうような予想の下にお手紙を起草すべく永山官房長に言い付けられたか、或いは官房長に要請されたか知りませんが、三者の結論はそういうところに落ちたわけなんですね。さように理解してよろしうございますか。
  402. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は期限も先になるから、今ここでやることは無意味である、そうして又一面には契約は新会社でやつた方がよいという案が出たので、私としてはそういう考えの下に今契約をせんで、そうして新会社と契約するのが一番よいと考えておりましたので賛成したのでございます。
  403. 島清

    ○島清君 ちよつと了解しにくいのですが、新会社ができるだろうしその新らしい会社と契約した方がよろしいと思つたので、ああいう断わりの手紙をお書きになつたのだということと、それから時期的に来年の四月頃しか来朝できないだろうというので、ああいう拒否の手紙を出されたということですか、二つなんですか。二つが條件、要素になつでおるのでありますか、それとも一つなんですか。先程の御説明の中にはたつた一つしがなかつたのでございますが。
  404. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 表面の解釈の理由一つでございます。併し私がこれを判断するために当然先になるのだからよいじやないかということを私だけの考えで賛成する要素にしたのでございます。
  405. 島清

    ○島清君 あそうですが。
  406. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) だから会談は先の方がよかろう、今やつてはというお話つたのでそれもそうだ、それに加えるに自分が技術的に考えるのに直ぐに山に行けるものではない、当時雪解けであるから来年の三月或いは四月以降に、あすこは雪の深いところと聞いたものですから私は早くいつても四月、雪解け頃でなければいけない、君の言うのも至当だが自分はこうも考えるというので私の判断をしたのでございます。
  407. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 どうでしよう、大変時間も過ぎましたし論議も盡きましたからこの程度で如何でしよう。
  408. 島清

    ○島清君 もう一点だけ。やはりウエイトは新会社に契約された方がよかろうということにあつたのでございますので、一体まああなたの内閣は我々が要請いたしました臨時議会の召集を非常に遅延されて、むしろ拒否に近い態度を取つておりますが、この臨時議会の方に法案を出されましてもこれは通過の見込はないのですね。そういたしますと通常国会の方に持越すということになると思いますが、申すまでもなく通常国会というのは十二月の上旬に開きまして百五十日間、そういたしますと晩春にしかこれは成立しないということなんです。それからいたしまして会社の分割というようなことを始められても新会社が発足するというのは、あなたが御期待になるような時期においては発足しないわけです。そういたしますと、あなたの御期待は新会社の方で御契約をして貰いたい、それから技術団は来朝して欲しいという御希望であつたかも知れませんが、あなたの御希望とは恐らくそぐわないで実際の方向はずつと遅れる。そうなりますとあなた自身電源開発を促進しなければならない任務にある方が、それを阻害したことに結論的にはなるのでございますが、今そういうことに思い当りませんでございますか、最近。
  409. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 甚だ答弁に苦しみますが、私は通常国会でも早い期間にこれを可決して頂くこともお願いしたいと思います。ということはこれに見返資金の問題もありますので、先になりますと見返資金がないと現在やりつつある工事すらできんから、できますならば早い機会で年内なり一月一杯ぐらいにはして頂きたい。その前は早く臨時議会を開いて貰つて、そう考えましたからこれは実は私が申上げていいか分りませんが、予算の御存じの通りドツジさんの返事がまだ来ないので今でも非常に困つておるような状態であります。それで臨時議会の開会も問題になつておりますけれども、初めその当時考えたのは私は成るべく早くこれをやつて早く皆さんの御同意を得て成立さして貰いたい、こういう気分であつたのであります。併し今のお話を承りますとこれは甚だ私の考えが迂遠であつたかも知れません。併しこれは是非何とかあなた方皆さんにお願いして(「お願いできん」と呼ぶ者あり)何でしようか……。
  410. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員外の発言は愼んで頂きます。
  411. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) これはお願いすることが私の希望でございます。さように申上げます。
  412. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 長時間に亘りまして御証言を願い、問題の盲点の打開に努めまして厚くお礼を申上げます。昨日今日を通じまして委員会の結果私の感じました点を一言申上げて、且つ当面の責任者であります横尾大臣の善処をお願いしたいと思います。 私共は、電気事業の再編成をめぐりまして非常に不明朗な空気があるやに国内に流布せられておりまして、国政に参與する者といたしましては非常な責任感じ、その解明に一意努力を傾けて参つたわけであります。そうしてその結果が昨日、今日の証人喚問とも相成つたわけでありますが、その結果本委員会感じました空気を委員長が代表して申上げますならば、先ず日本発送電総裁、副総裁更迭問題をめぐつて感じましたことは、最も基本に司令部考えられておりましたと私共は考えております人事異動禁止のメモにつきまして、永山官房長の言われましたことが真意であるといたしましても、取扱いの手続におきましては極めて遺憾な点がありました。従いまして永山官房長証言は全く私共の理解を許さないところであります。本委員会を侮辱するも甚だしいという言が委員の二、三から出ましたが、この点は特に横尾大臣に銘記せられて善処されたいと思うのであります。  第二点は、稲垣後任総裁推戴説に関しまして永山官房長の取られた行動は、大臣の意図と喰違う点が相当あるやに見受けられまして、この点は政治的に甚だ遺憾な行動であると見なければならんと思うのであります。  それから第三点はOCIの問題に関しましては永山官房長が資源庁並びに日本発送電会社との間に円満な話合いの完了を待たないで、OCIの拒否の態度をとられ、而もこれが横尾通産大臣も承認をせられたということは、我が国の必要とするアメリカの技術指導、外資導入等の上におきまして、遺憾な点があつたと認めなければならんと思うのであります。  以上三点を要約いたしまするならば、大臣はこと電気行政につきましては全責任を持たれる主管大臣であられる筈でありますけれども、その責任の所在が若干曖昧化されているやに私共は見受けたのであります。従いましてそういう形がありまするために通産省内部は不統一のような現象が現われておりまして、このようなことでは国家のために誠に重要な由々しい問題であろうと考えまするから、折角昨日今日の参議院委員会における空気をよく察知せられまして、そして深甚なる考慮と善処を要望いたしたいのであります。特に長時間に亘りまして、証人並びに政府大臣以下各係官の方々が我々の目的に協力せられまして御熱心に解明に当られましたことにつきましては、委員会を代表いたしまして厚く御礼申上げる次第であります。証人並びに政府側の御退席を……、ありがとうございました。
  413. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) いろいろと御迷惑をかけたことを厚く深謝いたします。只今委員長から委員各位を代表されまして私に対して御忠言を頂いたことに対しては、今後私よく御趣旨を体して善処して行きたいと思いますから、委員各位におかれましてもさよう御了承を願いまして、今日までの私らの不明朗なる答弁に対して御寛容をお願いしたいと思います。
  414. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 本委員会の次期の開会はいろいろと考慮をいたしましたが、臨時国会の召集も間近かになつておりまする関係上、召集日の前々日に委員会を開会いたしまして、懸案  の松永証人を喚問いたしまして、引続きまして第七国会以来発足いたしました本特別委員会調査承認に従いまするところの調査の報告書を作成いたさなければなりませんので、これについて御協力を頂きたいと考えているのであります。従いまして臨時国会の召集日の前々日、それから前日と二日間委員会を開くことにいたしたいと思いまするから御了承願いたいと思います。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  415. 島清

    ○島清君 二日間に亘りまして、この不明朗な事態について私たちは証人を喚問してお聞きしたのでございまするが、今日又昨日証人として非常にまじめな証言を頂いたのでございまするが、政府側におきましては、私たちの期待するものを根柢から覆して、その質疑応答の中に委員会を侮辱するのじやないかということを、西田委員並びに吉田委員、私もそういうことを申したのでございまするが誠に遺憾なものがあつたのであります。従いまして私は時間がございまするならばその理由を申上げたいのでございまするが、永山官房長に対しましてはこの次はどうしても証人として喚問をして証言を頂かなければならない、かように考えます。そういう意味におきまして動議を提出いたしまするが、更にもう一点私たちが証人証言して頂いたところによりますと、何か氷山の頭みたいなものが出て参りまして、その海の下には非常に巨大なところの疑惑が今以て包まれている。そういう意味におきまして、私たちがそれを掘下げなければならんのではないか。そうすることによつて私たちはこの不明朗なことが本当に究明されるのではないかと思います。そのことは私は日発諸君が各界に亘りまして運動いたしましたこの運動の経過並びにそれに要しました経費等につきましても、これを究明せんことにはどうしてもこの真相というものがはつきりしないのではないか。私の質問の中にどうもあなたたち最後に非常にあつさりと屈伏されている、敗北されておるということは、長い戰いに疲れて大西さんは問わすに落ちるで、要するに非常に疲れているから休みたいのだということを言つておられまして、非常に長いことやはり主義主張のために戰いをしておられる。その戰いということは我々は想像できるのでございまして、ですからそういう意味におきまして、次の松永さんを喚問いたしまする場合には、是非とも旧発の両君を証人に喚問いたしまして、こういつたような、勿論私も不本意ではございまするけれども、やはり究明をいたしまして、国民の前に明らかにする義務があるのではないか。私はこう思うのでございまして、その点を委員会におきましては、永山官房長証人として喚問することと、更に日発の両君をもう一回御苦労でも来て貰いまして、その氷山の底の方を一つお聞きしなければならんのではないかという二点の動議を提出いたします。
  416. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今の島君の動議を採択することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  417. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 異議ないものと認めて採択いたします。只今の動議に対して御意見を伺います。
  418. 山田節男

    ○山田節男君 今の島委員の動議に賛成しますが、先程申上げたように九月五日に日発総裁、副総裁に対する申込、新聞記者ですね、これは先程委員会で何か取上げて頂いたようですがそういうことを、若し永山官房長を喚問するのだつたら一応渉外課長も併せて喚んで頂きたい。
  419. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 山田君にちよつとお尋ねいたしますが、新聞は取材の祕密があるそうでございまして、十分に目的が達せられないのではないかという專門調査員の言葉がございますが、それを解明いたしまするために、あなたが証言としてその記者に対して要求される内容はどういう点でございましようか、一応明らかにして置きたい。
  420. 山田節男

    ○山田節男君 それは今朝申上げましたが、要するに、今我々が究明しようとするのは前総裁大西君、前副総裁櫻井君、この辞職に至つた経緯を究明したいのです。そうすると今日の日発給裁、副総裁の知らない前に、そういうものが新聞記者に洩れて、而も今日かなり具体的なことを副総裁の名で聞いておる。これは重要なキー・ポイントだと思います。ですからこれを究明する必要があると思うから、今我々の当つておる辞職勧告問題の事実を究明するために一つのキー・ポイントだというのでお願いしたのであります。
  421. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 分りました。そういたしますと、動議が三つ出ております。永山官房長証人として次の委員会に呼びたい。松永証人を呼びまするときに、大西櫻井両君を併せて呼びたい。第三点は朝日新聞記者を氏名を明らかにいたしまして、その氏名が明らかになりましたならば、その記者証人として喚問いたしたい、この三点でございます。
  422. 山田節男

    ○山田節男君 先程申上げた通産省の池尾渉外課長の問題、これを取上げて貰います。
  423. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 池尾渉外課長ですか。そうすると山田君から追加がありまして朝日新聞記者並びに通産省の池尾渉外課長。
  424. 中川以良

    ○中川以良君 朝日新聞記者の問題は、私は新聞記事についていろいろ出ていたということをそういうふうに取上げることになりますると、これは今お話のあつたような点にも触れて参りまするので、この際朝日新聞記者証人としての喚問はやめた方がいいという私は意見を持つております。
  425. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 私も中川委員と同様に考えております。
  426. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  427. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて下さい。永山官房長証人として改めてお願いすることについて御決定を願いたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  428. 島清

    ○島清君 これはさつきそれと、日発の両君のこれを先程私が動議を出した時にあなたは諮られて異議なしと決定したようでしたが、それでその次に出て来た。これは決定しております。どうぞその点を……。
  429. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それじや御確認を願いまして、永山官房長と松永、大西櫻井、高井氏を改めてお呼びすることにつきましては御決定を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  430. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それから今一つ山田氏の動議を出されました通産省の渉外課長並びに朝日新聞記者証人として呼びますることについてお諮りをいたしますが、渉外課長とこの新聞記者の方はちよつと今のような関係がありましたから別個に切離しまして、渉外課長を呼びますことは如何でしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  431. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それじや異議ないものと認めます。朝日新聞記者を呼びますことにつきましては……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  432. 石原幹市郎

    ○石原幹市郎君 異議なしにしてまあどうでしようかね、実際問題としても。
  433. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を止めて下ざい。    〔速記中止〕
  434. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を初めて下さい。朝日新聞記者の招喚に就ては    委員長に御一任願います。これで散会いたします。    午後五時五十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            岡田 信次君           橋本萬右衞門君            結城 安次君            西田 隆男君            水橋 藤作君    委員            石原幹市郎君            古池 信三君            高橋進太郎君            中川 以良君            江田 三郎君            島   清君            森下 政一君            山田 節男君            吉田 法晴君            小川 久義君            境野 清雄君            須藤 五郎君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   説明員    通商産業政務次    官       首藤 新八君    通商産業大臣官    房長      永山 時雄君   証人    全日本発送電株式    会総裁     大西 英一君    前日本発送電株    式会社副総裁  櫻井 督三君    元通商産業大臣 稻垣平太郎