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証人(
高井亮太郎君) 先ほど
大西さんから
お話がありましたように、昭和二十三年の二月に電気会社が
集中排除法の適用を受けまして、大体
日発、配電十社とも経営者会議におきまして
何事となくいろいろ打合せをいたしまして事業を運行いたしておりますので、集排に対する対策といたしましても、でき得るならば事業者として相互
お話をしてという筋におきまして
日本発送電、配電上数回
お話合いをいたしましたが、遺憾ながらこの再
編成対策だけが
意見が相反しまして、甚だ遺憾であ
つたのでありまするが、別々な再
編成計画書を提出せざるを得なか
つたのであります。二月に予備調書を提出いたしまして、四月に正式の再
編成計画書を提
出したのでありますが、電配会社は九社一致いたしまして、いわゆる九ブロツク案を提出いたしたのであります。その内容は、御
承知のように九ブロツクの会社を作りまして、実際的に可能なる範囲において発送、配電一貫の会社を作り、料金の
地域差に対しましては、そもそも料金の
地域差が出て参ります主要なる原因は、水力の安い原価と、火力の高い……石炭による高い原価との差によるものでありまするから、水力の発電からは供出金を
出し、火力の発電に対してはこれを適当に受け入れるというやり方におきまして、料金の
地域差の不当に開くことを防止して行こうという、先般第七
国会に提出せられましたいわゆる
政府案なるもの、或いは通称
松永案と称せられるものと殆んど同様なものでございました。
配電会社といたしましては、これを提出いたしますると同時に、九社連名のパンフレツトを作りまして、その
趣旨を各
方面に御理解願うように努めますると同時に、英訳もいたしましてGHQ
方面等にも御覧を願うようにいたしました。一方同年四月末、
電気事業民主化
委員会が、水谷
商工大臣の頃でありまするが、
政府の発案によ
つて組織せられまして、各界の代表が
電気事業のあり方について
論議せられたのであります。併しながらこの
委員会の
結論は、私共配電のほうの
要求を入れることは極めて少か
つたので、我々としたならば不満なる
答申が出たのでございます。一方七月初め、
持株整理委員会から、
配電会社に対しては機構上の再
編成を必要としない、
日本の
経済界に與える波瀾といいまするかを成るべく少くするためにあらかじめこれを公表するというような発表もございましたし、九月終りか月初めに、民主化
委員会も
答申はなされたのでありますが、間もなく内閣が変わられましたり、その他のことがございまして、再編に関することは何ら進展を見せなか
つたのでありまするし、私共といたしましても、何か中だるみのような靜観の
態度をと
つたように記憶をいたしております。そのうちいわゆるバーガー氏等の入
つておられた五人
委員会がいろいろ研究をせられて、七ブロツク案というものをお作りにな
つたと聞いておりまするが、これに対しては或いは
日本発送電に何か御内示があ
つたということを聞いておりまするけれども、別段公表というものがありませんので、いろいろの噂が出ておりまして、従いましてこの七ブロツク案というものに対しまして、
配電会社九社一致しての賛否運動というものはありませんでした。そのうち昭和二十四年十一月末に、先ほどから申されておりまする
電気事業再編
委員会が組成いたされまして、再び再
編成関係が活溌に
動き始めました。併しながらこの
委員会の
結論として出ましたものは、いわゆる
融通会社案を含むものでございまして、私共としてはこれは不満でございました。いわゆる
松永私案なるものが附属しておりまして、この案に対しては我々は大局において賛成でございました。一方いわゆる十
分割案なるGHQの
方面の意向であると称せられるものがやはり伝えられて参
つたのでありますが、これに対しても私共は反対でございました。とにかくこの五人
委員会の
結論は、今申上げた通りでありましたが、
政府におかれまして、結局
政府案として
松永案とほぼ同様なものをおとりになりまして、いよいよ議会にかかるというような機運になりました。私共といたしましては、改めて種種印刷物を用意いたしまして随分広い
方面に配付いたしまして御覧を願
つたわけであります。この
政府の提出の案は、第七
国会におきまして遂に流れてしま
つたのでありまするが、一方大局といたしましては、再
編成を非常に急ぐべき状態にな
つて来ていると私共は感ずるのでありまするが、これに対して一方配電のほうは甚だ
動きが緩慢であるというような批判を受けて来てはおりますけれども、私共は御理解願えたならば是非
お願いしたいという
態度で、主に印刷物、それから普通の説明というものによりまして
只今まで参
つたのでございまして、余り体系立
つた特別な運動というものは申上げるようなものはないのでありますけれども、御
要求のありまする各界に対する
動きを説明せよという御
質問に対しまして、強いて分類して申上げますれば、次の通りでございます。
第一に官界でございますが、これは勿論
商工大臣或いは
通産大臣といいまするか、所管の
大臣、或いは
資源庁、
電力局というような所管の
方面に対しまして、文書或いは口頭を以て何度も陳情はいたしております。同時にその
趣旨は、大蔵省であるとか、
持株整理委員会、或いは
経済安定本部であるとか、場合によりましては通産局であるとか、物価庁であるとかいう
方面にも成るたけ御理解を願うように努力いたしました。総理
大臣にも九
配電会社揃いまして官邸に
お願いに出たこともございます。
それから財界でございまするが、勿論各配電におきまして、地元の商工会議所であるとか、いろいろな
経済団体に対して印刷物又は口頭を以て働きをかけておりまするはずであります。尚中央といたしましては、
日本商工会議所、
日本産業協議会等に対しまして印刷物又は口頭を以て説明をいたしておりますし、或いはお集まりを願
つて特に説明に出たこともございます。
それから政界でございまするが、これは非常に大切なところでありまするので、各党の政調会等から資料の御
要求があ
つたり、説明の御
要求があれば積極的に参上いたしまして、主に議会の中でございましたが、或いはどこかの
委員室とか、いろいろなところに出まして説明をいたしまして、尚
部分的に参
議院のほうでも、衆
議院のほうでも特にお集まりを願
つて説明をさして頂いたということもあ
つたように記憶いたしております。尚今年、前
国会議員のかたに対しまして、パンフレツト、従来のものを一揃ずつお配り申上げております。
それからその他でありまするが、その外関東配電の例で申上げまして、大口の需要家五百キロ以上だとか、或いは何株以上の株主であるとか、或いは各県の電気協議会であるとか、或いは各県のいろいろな経営団体であるとかいう
方面にも印刷物を配付いたしまして、御理解願うように努めた次第であります。
それから報道機関に対する点でありますが、これは新聞、通信社の
電力問題の担当の記者のかたか、或いは論説
委員というような
方々に対しまして再三御説明を申上げまして、御理解を願うようにいたしております。又座談会等にも出席いたしまして御説明をいたしております。
以上でございます。