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1950-10-10 第8回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月十日(火曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○委員長報告派遣議員報告電力問題に関する調査の件  (電気事業編成問題に関する件)  (見返資金に関する件)   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではこれから開会いたします。  過ぐる九月八日の本委員会におきまして、電源開発用の対日援助見返資金融資促進するために、本委員会といたしまして決定された線に沿いまして政府申入れ、並びに連合軍当局懇請いたしましたので、その概略について委員長から御報告を申上げ御了解を得たいと存じます。詳細に亘りましてはお手許に印刷物を以ちまして会見の内容を細かくいたしてございますので、これをお参照頂きたいと存じます。  政府に対しましては九月九日の午後一時五十分から二時五十分まで一時間、委員長初め古池、吉田、加賀委員、並びに林専門員が参りまして、岡崎官房長官横尾通商産業大臣池田大蔵大臣は欠席をされましたが、この所管大臣に面会をいたしました。そして委員会決定の線に沿いまして、電気事業の再編成と見返資金放出とは関連をせしめないで、一日も早く見返資金放出について政府努力をせられたいとの意見を申述べたのであります。又再編成につきましては、政府に案がないために遅れておるのでありますから早急に案を作り、且つ臨時国会を早急に開会せられたいという要望を述べたのであります。それから第三点としましては、見返資金放出が文字通りストツプされました場合には、電源開発の順調に進捗しておりますものに対しまして好ましからん影響を及ぼしますから、従つて政府は何らかの工事行詰り打開につきまして措置を講ぜられたいということを申述べました。第四点といたしましては、七月末以来電気事業会社各種工事指定会社といたしまして厳重な監督を受けることになりまして、事業運営に少なからざる支障を與えておりまするのでこれが緩和について政府努力をいたすべきであるという意見を述べたのであります。これに対しまして政府側といたしましては、再編成と見返資金融資の問題とにつきましては、一応理論的には関連性のないことを認められましたが、談たまたま日本発送電の正副総裁の辞職勧告の点に及びまして、横尾通産大臣は、この辞職勧告は個人的なものであり、且つかような措置をとることによりまして、日本発送電責任者が従来とつて参りました再編成に対する態度の変更によりまして、見返資金問題解決に対しまして心証をよくし問題解決促進ができるのではないかと、こういうような横尾通産大臣としての所感を述べられたに止まつたのであります。その他臨時国会の召集の問題につきましては、岡崎官房長官から国際的な問題もあつて遅れており、且つその間の事情については司令部当局了解をせられておるというような意味を以ちまして、早期国会開会についてはその意思のないことが明らかにせられたのでありました。その他若干の各委員からのやりとりがございましたが、結局会談は非常に不明確なままで会見を終ることに相成りました。約一時間の会見を終つたわけであります。  次に九月の十四日十時から十二時十五分まで連合軍司令部経済科学局顧問ケネディ氏、又公益事業課長ロームス氏と委員長初め古池山川、稻垣、佐々木良作の四君と共に会見をいたしたのであります。この会見の趣旨は委員会決定いたしました通りに、見返資金放出促進並びに新規工事中止に対する緩和、この二点についての懇請中心なつたわけであります。委員長からケネディ氏に対しまして、委員会決定の線に沿いまして一応懇請をいたしましたが、これに対しましてはケネデイ氏から別紙の印刷物にありまするように、詳細に亘つて電気事業の再編成に関する基本点について、これと対日援助見返資金融資の遅れておりまする関係につきまして、具さに所信の発表があつたわけであります。そこでその間ケネデイ氏からは、今まで日本全体として再編成に対する努力が欠けているというような意味のことが強調せられましたので、そのうちに国会も含まれているように感じましたから委員長から、国会は決してさようなサボタージュを行なつた事実はない、四月におきましても連日委員会を開催いたしまして、とうとう日数が足りないために審議未了になつたのであつて、あらゆる全努力を重ねたということを強調いたしまして、この点はケネデイ氏の了承せられるところとなりました。次に伝えられるところの対日援助の見返資金が、再編成が完了するまでは見込がないということにつきまして立入つて伺いましたところ、総司令部意向といたしましては、法案国会を通過しなければ再編成措置が完了したものとは認められない、こういう強い意思表示がございまして、従つてその関すでに資金切れによりまして工事中止も止むなき段階に入つておりまして、これに対して何らかの便法をお考えになつているかどうかという質問に対しましても、全然考えていない、又最近労務者或いは土建業者関連産業に重大な影響を與えつつあるけれども、これにつきましても御答弁として、影響があるのは事実だけれどもそれらの人々のために再編成が混乱しつつあるのであると考える、従つて又止むを得ないというようなお答えがあつたわけであります。そこで私共といたしましては、最後に参議院の委員会といたしましては、電力事業編成促進することは全然異議がないのであつて努力を更に傾けて参りたい。ただ再編成促進ということは直ちに九ブロックだ、或いは七ブロツクだとかいう具体的な決定された結論の下に審議をするのではなくして、あくまでも集中排除法の精神に則りまして電気の技術的、経済的な特性を活かして再編成をしなければならない、あくまでも審議権国会は持ちまして、自主的な決定によつて民主的な結論を出したいということを強調して参りまして、この点もケネディ氏は了解されると同時にケネディ氏個人の意見としましては、総司令部がこれほど重大な関心を持つておることは、アメリカの資金が将来再編成されました電気事業会社に自由に投入せられることを考えておる、そうして本問題は国会特に政府の問題であつて、我々は意見を加えたり強い示唆を與えるようなことはしないつもりであるというような意味のことがありました。  それから特に山川委員から、これは若干懇談的な和やかな空気の中で発言がありまして、とにかく政府が熱意を持つて国会ともよく打合せの上で或る一つの実行できそうな案ができたときには、その案に免じて見返資金早期放出を願えないか、そういうような便法を講じて貰えないかということが話されたのでありますが、これにつきましてもケネディ氏はただイエスともノーとも答えられないで笑つておられた程度であります。以上のような二つの申入れ並びに懇請のことを、本委員会決定の線に沿いまして只今申上げました委員諸君によつて行われましたので、御了承得たいと思います。’  続きまして議員派遣調査報告を頂きたいと思いますが、その前に委員長から一言御挨拶を申上げます。  派遣議員の今回の派遣電力編成法案の審査を真近に控えております関係から、再編成問題を中心としこれに附帯する料金電力割当及び電源開発等に関して広く各地意見聽取することが目的でありました。従いまして、座談会重点を置きかねて電源開発進行状況或いは各種施設等視察計画したのであります。予算の関係から日数人員共に制約を受け御不満も多かつたと思われますが、幸いにして皆様の熱心な御協力により五班十名の派遣議員予定を完途せられ、更に各地において地元委員参加もあり実人員十四名、重複をも数えますれば十七名の委員参加を見ましたことは、今後の電力問題の審議に当り大いに効果を挙げることと存ずる次第であります。この機会にこの計画の円滑なる実施のため多大の御支援を賜わりました通産省並びに地方局日本発送宙、九配電会社、その他の関係各位に深く感謝する次第であります。  尚報告は議事の都合上一班十分を標準として重点的にお願いをいたしたいと存じます。詳細につきましては、資料記録類を一通、整理して専門員室に備えてございますので、御希望の方はそれぞれ御覧を頂きたいと存じます。それでは順次御報告を願います。    〔委員長栗山良夫退席理事橋本萬右衛門委員長席に着く〕
  3. 栗山良夫

    栗山良夫君 それでは第一班東北北海道班視察報告を申上げます。派遣議員栗山委員並びに水橋委員の両名でございます。東北班は九月十六日より二十五日までの八日間、電力問題に関し現地各界意見聽取と、電源開発工事進捗状況調査目的としまして、東北北海道地方視察仙台札幌両地において現地各界代表との座談会を開催いたしました外、日発東北支店東北配電本社日発北海道支店北海道配電本社を訪問、且つ日発日和田変電所、同宮下水力発電所、同沼沢沼水力発電所建設工事、同蘭越水力発電所建設工事、同江別火力発電所増設工事、同砂川火力発電所建設工事東洋高圧北海道工業所自家発電苫小牧製紙日発久保内水力発電所建設工事北海道配電洞爺湖建設工事等現場視察し、現地電力事情並びに開発進捗状況調査いたしました。尚仙台における座談会には石原委員の御参加を、又札幌における座談会江別砂川建設現場及び東洋高圧自家用施設視察には東委員の御参加を得ました。以下は本視察において調査し得た事柄のうち座談会において現われた主要意見と、現場視察を行なつた建設工事進捗状況を併せて御報告を申上げます。  仙台における座談会の概要でございますが、事力の再編成問題につきましては次のような意見が開陳せられました。第一点は、東北七県のまとまつた姿となる旧分割案に賛成の意見が多うございました。発電送電設備はすべて当該設備の所在する地域電気事業者に所属せしめること。第二点は地方公共団体電気事業経営を行わせるようにすること。第三点は地方公共団体電気事業を復元せしめること。第四点は公益事業委員会ができる場合は府県別下部機構を設けましてその運営地方実情に即せしめること。以上四点でございました。  電源開発問題に関連いたしましては、第一点として、目下電源不足状態にあるが、東北地方には優良な電源地帶が数多くあるから、これらをどしどし開発して貰いたい。第二点は只見川電源地域は別個の特殊地域として扱い、地域別電力会社から独立して開発経営をせられたいということでございます。  電力料金問題といたしましては、現行電力料金制度小口需要者負担がかかり過ぎておる。第二点は電力料金決定原価計算基礎にしてとれを行われたい。第三点は東北地方において輸入原料を使用する産業には運賃の負担の重い点を考慮し、電力料金決定に手心を加えられたい。以上の意見でございました。  電力割当の問題につきましては、第一点、特殊鋼生産工場通産局から生産要望が来ておるに拘わらず電力割当必要量の五〇%しかないので困つておるところがあり、実情に副うごとく善処せられたい。第二点として、国としての産業政策を確立し、これを基礎とした合理的な電力割当を行われたい。第三点は、電力割当を公平に決定し得るごとく委員会のごとき機構を設けられたい。第四点は、電力使用量の飛躍的に増大する事業に対し実績主義に基く割当を行なつていたのでは中小工業は壊滅してしまう。故に実情に副うごとく善処せられたい。以上でございました。  札幌における座談会といたしましては、電力の再編成問題に関しまして、第一点、再編成問題は北海道総合開発一環として考慮を是非ともせられたい。第二点、分断の結果、電力料金地域差が更に大きくなりはしないかという点と、電源開発支障を来すのではないかという点に非常に危惧の念を持つておるので、かようなことの招来しないように善処を願いたい。第三点は、公益事業委員会ができる場合には、北海道特殊性を認識せられて地方公益事業委員会是非とも設置して貰いたい。かような意見でございました。  電源開発問題といたしましては第一点、電力需給バランスの他地区よりの悪條件解決する途は電源開発以外にないので、これが見返資金の問題で行詰まつておることは憂慮に堪えない、緊急に打開をせられたい。第二点、北海道内地過剰人口を移入するためにも電源開発是非とも必要である。而もその資金北海道のみでは債務能力に欠けて調達見込薄でありますから、基本的には国に注込んで貰わなければならない。第一電気不足しておりますると、農村の開拓にも非常な支障がある。第三点、記源開発につきましては、政府電源開発公庫というようなものでも設けまして債務をカバーせられたい。第四点、当面の問題として開発地点をどんどん着工せられたい。第五点、自家用開発について、例えば電源開発資金から援助するとか、或いは自家用発電電力会社買取つて料金をプールして貰うとかというような自家用奨励策を採つて欲しいというような意見でありました。電力料金問題に関しましては第一点は、電力料金改訂後その重圧のため北海道産業の一部が倒壊しつつある。休坑止むなきに至つた炭坑もある。最近の現象としては旭川の昭和電工が電気料金の高騰から閉鎖するの止むなきに至つた。このままの状態では北海道産業は崩壊して汀く震れがあるので善処せられたい。第二点は電気料金値下げのためには炭価の飛躍的値下げか、水力開発があるのみと考える。  電力の割画問題につきましては第一点、大口に枠が余つた場合にこれを小口に融通できるような便宜措置是非とも講じて貰いたい。第二点は、電力割当の権限を地方通産局又は配電などに大幅に委譲して割当地方的に処理せしめて貰いたい、現在の割当は大企業に有利であつて中小企業に対して火力料金負担が過重になつておるので、是非とも考慮して頂きたいという意見でございました。  それから次に電源建設工事進捗状況を一通り御説明申上げたいと思います。東北地方において電源開発工事中のものは、日発秋田夏瀬水力発覚所新設と、岡福島沼沢沼水力発電所新設の二ケ地点でありまして、このたびは沼沢沼建設工事だけを実地調査いたしました。又北海道建設工事中の地点は、日発蘭越水力発電所新設、同江別火力発電所増設、同砂川火力発電所新設、同卸水力発電所増段、同久保内水力発電所新設と、これに北陸配電洞爺湖水道建設工事の六ヶ地点でありますが、このうち江卸を除きましてすべてを実地に視察することができました。沼沢沼水力発電所新設工事は、最大出力四万三千六百キロワツトでございまして、工事進捗率は非常に順調な足取りで三二%でございました。蘭越水力発電所新設工事は、最大出力五千七百キロワツトでございまして、工事進捗状況は五二%、予定以上に進んでおりました。江別火力発電所汽罐増設工事は、これは増設最大出力が五万キロになるわけでございますが、日立の争議のために機械の納入が遅れまして、若干年内に完成の予定が来年の二月までに延びているようでありますが、本年度の冬季渇水期には一応間に合う予定でございます。砂川火力発電所新設工事は、最大出力二万七千キロワツトでありまして、工事進捗状況は五〇%であります。これは内地清水火力、或いは東京の一部火力の移設でありまして、すでに機械は全部到着いたしておりました。久保内水力発電所新設工事は、最大出力七千二百キロワツトでございまして、工事進捗状況は三七%。北陸配電洞爺湖建設工事は、渇水期対策のために長流川の水をトンネルを掘りまして洞爺湖に引込む工事であります。この洞爺湖から更に発電所が水を利用いたしまして、虻田発電所というのがございまして、一万九千キロばかりの非常に高能率の発電所でありましてこれに長流川の水を洞爺湖に引入れておりまして、年間千八百九十五万キロワツトぐらいの発電量増加をするという計画でございまして、工事進捗状況は五五%に及んでおります。以上のような状況でありまして、どの工事現場も極めて順調に計画以上の進捗状況を示しておつたのであります。見返資金の問題につきましては、各工事現場とも非常に真剣に、早期実現要望がございました。  結論として申しますと、今回の視察の対象となりました東北及び北海道方面は、一言で申しますと、包蔵水力は十分その需用を充して余りあるのでありますけれども、現在のところ開発が十分に行われていないことと、従つて送電幹線設備も貧弱でありまして、将来の施策に期待するところが多いのであります。両地方意見結論的にはこれが強化拡充に関するものが中心でございました。  東北地方電力需用増加予想は、別の資料に細かくありますように平均年一五%を数え、昭和二十九年度におきましては最大電力約百九万キロワツト霊力量年七十一億八千万キロワツトに達する見込であります。これに対して東北地方水力供給量は、需用増加に伴わないで、昭和二十五年度までは一応バランスをとつておりましたが、昭和二十六年度以降は不足を生じ、昭和二十九年度末におきましては最大胴力九万キロワツト電力量年間一億五百万キロワツト不足となる予定でありまして、これが打開策としては、東北十五万ボルト縦断送電幹線回平線、及び秋田までの裏4本幹線促進強化奥只見筋本格的早急開発等が熱心に叫ばれているわけであります。  北海道電力関係内地と非常に異なつ特性を有しているのでありまして、例えば第一としましては貯水池式発電力が非常に強大でありまして、水力最大出力二十八万五千キロワツト中、貯水式発電所日発雨龍五万一千キロ、配電虻田一万九千五百キロ、阿寒系一万五千六百キロ、大沼系四万八百キロ、苫小牧製紙千歳系二方八千八百キロで合計約二十万キロ、総出力の四二影を占めております。第二点は強大な自家用設備があることでありまして、北海道自家用を含めた総出力五十万三千キロワツト中、北海道炭鉱汽船苫小牧製紙輪西製鉄所がその大部分を占めておりまして、自家用出力は二十一万五千キロワツト北海道の総出力の四三%となつているわけであります。第三点は需用特異性としまして、石炭鉱業を初めとする基礎産業需用が大部分を占め、電燈電熱用には僅か一一%足らずが割かれているのに過ぎないのであり、電燈普及率は七%程度で極めて低く、文化の発達のためにも将来大いに普及に努めなければならんと思うのであります。第四点は強度の電力制限下にあることでありまして、昭和二十一年度の冬季渇水期より電力制限が実施され、年々その度合は強化の一方を辿り、遂に昭和二十四年度は全国に例を見ない、豊水期においてすら制限解除に至らず、年間を通じて二割の生産減退という悪影響産業界に與えたようであります。  以上のごとき状況でありまして、北海道電力対策といたしまして考えるべきことは第一に電力拡充を急ぐことであります。北海道自家用を含めた火力発電電力量の割合は、すでに全国平均の二二倍に達しているのでありまして、水力開発重点を置くべきであります。北海道喧力対策協議会では、五ケ年間水力二十六万キロワツト火力六万五千キロワツト新設計画を有しているのであります。又前記の計画を遂行するためには、五ケ年間に約三百五十億円の資金を要するのでありますが、北海道経済力は、所得総計において昭和二十年四六%、二十一年度四五%、預金力昭和二十三年度九月五%、十二月六%で総じて全国平均の五%前後であります。到底北海道の独力では調達不可能であり、債務能力は極めて貧弱であるといわなければなりません。又他面現有水力設備とほぼ同等の新設備計画しているわけでありまして、このまま新設備費料金に加算いたしますならば、いよいよ北海道電力料金は割高となるのでありまして、北海道総合開発一環として人口問題の解決、即ち過剰人口収容地としても国家的見地から債務能力の低い北海道電源拡充を進め、内地並電力需給バランスと、需用者負担とを考慮施策する必要があるものと考えるのであります。  以上若干視察報告並びに派遣委員意見を申述べまして報告に代えた次第であります。    〔理事橋本萬右衞門退席委員長着席
  4. 石坂豊一

    石坂豊一君 第二班の報告をいたします。第二班の参加議員尾山委員と私と両名でありまして、九月十八日東京を出発し二十一日直江津において現地解散するまで四日間を費しまして群馬新潟両県における電力問題の意見及び説明聽取電源地帶視察を行なつたのでありまするが、関係者各位の御霊力によりまして滞りなく日程を終了し、短期間にもかかわらず充実したる調査を行い得たと信ずるのでありまして、この点は厚く各方面に感謝する次第であります。今回の調査におきまして見聞いたしましたところを要約して申上げますと、第二班においては再編成問題についての正式座談会はありませんでしたけれども、各地関係者とそれぞれ懇談をいたしました。  先ず第一群馬県におきましては、県及び電力協議会という熱心な機関がありましてその方々から次のような意見を承わりました。即ち尾瀬沼を頂点とする利根川上流貯水池式発電所建設して頂きたい、かくすれば電源開発と併せて治水、灌漑、水道等にも効果があるから、この実現は現下の急務であるということ。第二には不時出水等の場合に発電所における無効放流がしばしばあるから、これを活用して電源地帯需用先に有効に利用せしむるような態勢を整備してくれということ。第三には電気事業編成の遅延は電源開発既存設備維持増強等に著しい障害を及ぼしておるから速かに再編成実現すること。その場合特配電力の敏速な利用等の観点から、発送配電一貫経営を必ず実現して頂きたいということ。第四には電気事業は必然的に事業者独占形態となるから、消費者意向を反映せしむるために消費者側団体を公認して、これを電気事業運営に参與せしむることにして頂きたい。第五は電気料金現行制度は、割当方式とも絡んで甚だ矛盾が多いので、火力料金制をやめて適当な一本立料金として頂きたい。第六は電力割当制度については、特に小口電力において矛盾が甚だしく地区全体の小品電力使用量割当電力量よりも相当下廻つているにも拘わらず、個別的には多額の超過料金をとられている実情であるから、小口電力割当制をやめて貰いたいということ等でありました。  次に新潟県におきましては、東北配電支店長から新潟県の電力事情について説明を聴取したのでありますが、そのうち特に報告したいことは、第一新潟県においては、地形と土地の構成上農業用電力、特に排水用電力を使用することが必要であるが、その料金或いは需給電源県であるに拘わらず極めて不利なる現状であるから改正を是非希望するこういうこと。第二番としましては、又非常に雪の多い地帯であるため雪から生る 不利被害の多いのにかかわらず、雪から生ずる利益を受けることが少く、電源地帶として工場誘致を図ろうとすると東北配電所属のため北陸地方より料金が高いというようなことになつて極めて不利を蒙つておる。第三、従つて編成の実行については、この地域差の問題の合理的な解決が望ましい。第四番目には、又大送電幹線県内を多数通過しているにもかかわらず、県内消費電力がこれから供給を受けられず不足がちであるから、この幹線に直接繋がる大変電所建設によつて、豊富な電力地元において有効に使用し得るようにして貰うことが必要である。第五番目には、佐渡の電力事情が甚だしい原価高且つ供給不足であるため同島の産業開発の大きな支障を来しており、これについては何らかの打開策が必要であり、一策として世界最初海底ケーブルによる本土からの送電も検討されていることであるが、この実現について特に助力を乞うということが注目されました。  又新潟当局より只見川総合開発についていわゆる新潟県案を強く主張されました。  第三番目に、更に信越化学直江津工場視察したのでありますが、同工場はカーバイト、石灰窒素、合金鉄等を製造し、その生産高は本年度においてカーバイト四万トン、石灰窒素五万トンに達する見込みで、窒素肥料生産の重要な工場であり、その消費電力量は年間二億キロワツト・アワーに及び新潟県南部の六十サイクル地域消費電力の過半を占めておるのであります。同工場は元来妙高附近の約三万キロワツト自家用発電所群を以て生産を行なつて来たのでありますが、戦時中これを日発に接収せられ、更に志久見川系一万二千キロワツト発電所建設したところこれも接収されたため、その後の生産に多大の影響を来しておる次第であります。殊に同工場の作業の中枢である電気炉繰業については、多量且つ継続的に一定量の電力を必要とするにも拘わらず、渇水期等において絶対量の不足を見るのみならず、ピータ時における需用調節のため殆んど不意に送電を激減せられる状況で誠に困つておる。このために質と量の両面の甚だしい不安定のための技術的合理化や製品の品質について甚だしい不利を招いておるという訴えでありました。従いまして同工場としては前記自家吊発電所の返還を要望しており、殊に志久見川系については、両発電所の発生電力を殆んど同工場のみで発電している状況でありますのでこの返還は是非とも実現されたいと望んでおりました。このような事情は再編成実施の場合には十分考慮し得る問題だろうと我々は考えた次第であります。  次に電源開発として視察いたしました主要なものは、目下建設工事中のものとしては利根川支流吾妻川水系の日本発送電箱島、信濃川水系の国有鉄道山辺、これは国鉄信濃川発電所の第三期工事に該当するものであります。この両発電所工事既設のものとしては、いずれも信濃川水系の日本発送電信濃川、国有鉄道の千手、国鉄信濃川第一、二期工事分も併せまして作つた発電所であります。この建設中の箱島及び山辺は両方とも工事頗る順調でありまして資材の輸送、労務、食糧等いずれも好條件に恵まれておるように拝見しました。箱島は第一期工事として最大出力一方六千三百キロワツト計画でありますが、全体としてすでに三〇%できております。隧道についていえば五〇%できております。明年末には第一期工事の完成を見る見込の由であります。又山辺は差当り最大出力七万五千キロワツト計画で、全体として六五%できておりますが、隧道のみについては八〇%以上の進捗率を示しております。明年末通水開始の計画は九月頃に繰上がる見込でありまして、これにより国有鉄道の電化の促進及び火力用石炭の節約ができるわけであります。尚この山辺発電所の隧道工事におきましては、先日新聞に出ておりました落盤事故が発生し四十数名の貴重な人命が失われ誠にお気の毒であつたのでありますが、工事の進捗については殆んど影響なく進んでおることを認めました。又資金の面につきましては箱島は見返資金より十三億の投資があることとなつており、うち約一億の放出を受けております。又自発より約三億の立替支出をいたしておりますが、見返資金停止のため今後の工事継続に相当の困難が見込まれるものと見て参りました。又山地におきましては国鉄の建設勘定より順調に資金の支出が行われており、見返資金はこの建設勘定に対し総括的に繰入れられておりますので、今回の自発側のような問題は起らないものと考えます。尚箱島は現在の第一期工事完成後最大出力六千七百キロワツトの第二期工事、山辺は第三期完成後第四期工事として続けて五万キロワツト開発する計画をもつておるのでありますが、殊に後者のような大規模な土木工事を必要とする場合におきましては、工事を一旦打切りまして次期工事を着手の際に労務者の雇用、工事設備の設置、横坑の堀さく等をすべて新規同様に行わなければならんことになりますので、時間、労力、資材、資金等あらゆる面におきまして多大の浪費となるわけでありますから、この点につきましては現地におきましても次期工事の継続実施を強く要望しておりますが、誠に尤ものことと存じまするので、我々としましてもこれらについては引続き工事を行うことの必要を痛感し、皆様方の努力によりましてかくのごとき問題は速かに解決してやりたいと考えるのであります。  次に既設の日発信濃川及び国鉄千手の両発電所につきましては両者とも信濃川の広い流域から出る豊富な水量を利用し、前者は日本最大の十七万五千キロワツト、後者は十二万キロワツト最大出力を有する前者に次ぐ大発電所でありまして、その使用水量、水車、発電機、沈砂池等は東洋一、或いは日本一の大きなものが多いのであります。両発電所とも完成後はさしたる被害も事故もなく送電を続け、日本経済の復興に多大の貢献をなしているわけであります。この両発電所視察をして痛感いたしましたことは、事業用と自家用の両面におきまする相違であります。例えば信濃川の方でございまするが、これはできるだけ資金、資材を節約して経済的な工事を行なつているのに反しまして、国鉄の千手の方は電車運転という特別の用途のため、建設においても、完成後の保守についても十分な資金、技術、労力を投入して絶対無事故の運転を目標としている点著しいものがあるのであります。  以上簡単でありますが、第二班の視察報告といたします。
  5. 結城安次

    ○結城安次君 私は第三班の視察報告を簡単に申上げます。  第三班は予定通りに結城、三輪の両委員が担当いたしまして九月十一日に東京を出発して、先ず黒部発電所視察し、富山市における日産化学工場を視察してから北陸地区座談会に臨み、次いで大阪におきましては尼ケ埼第一火力発電所視察してから近畿地区座談会に出席いたしまして、次いで名古屋に参りまして名港火力発電所及び今渡水力発電所視察した後だ東海地区座談会に出席いたしまして予定の日程を終りました。  当班に対しては地元委員の特別参加が多く、冨山県下では石坂、尾山の両委員、大阪では森下委員、名古屋では古池委員参加がありました。又各地区における電力問題の意見聽取に当りましては、問題の程度及び対立関係を考慮いたしまして目発及び配電の当事者には座談会の前に単独に会合いたしましてそれぞれの特有事情聽取することに努めました。従つて座談会の席上では事業者側の発言は稀でありました。私共第三班の参りました所は、北陸地区電力供給機、関西地域一は完全なる消費地域、中部地区は消費地域にして且供給地域という三種三様のところでありましたので、それぞれ別々に分けて御報告を申上げます。  北陸地区から先ず申上げます。北陸地区全国でも有数の電源地帶をなし、目発北陸支店の調査によれば同地区内の既開発百八万キロワツト、未開発水力二百九十八万キロワツトといわれています。これを河川別に見ますると、既開発においては黒部川の二十四万キロ、庄川の十九万キロ、神通川の十五万キロ等が主なものでありますが、未開発においては神通川の百六万キロ、庄川の六十万キロ、黒部川の三十一万キロ、九頭龍川の二十七万キロ等であります。但しここでちよつと御注意申上げなければならんことは日発北陸支店は中部配電地区の岐阜県吉城郡及び大野郡を含み、この地区に神通川及び庄川の未開発水力の約三分の二が存在しているということであります。既設発電所送電系統を見ますると、里部川系の五発電所及び神通川系の二発電所は十五万ボルトの飛弾幹線を経て一部の電力は名古屋へ、大部分は大阪へ送られております。庄川系及び九頭龍川系の三発電所は十五万ボルトの北陸幹線を通じて直接大阪に送電され、これらの合計最大出力五十三万キロに対して豊永期の約五十万キロ、渇水期約三十万キロが地域外に送電されております。かような運用となつておりますので、給電指令も大阪における関西給電によつて直接指揮されております。電力潮流が前述のごとくでありますので、五十サイクルに運転する量は極めて少量であります。  次に電力需要の面から本地区の特色を上げて見ますと、豊富低廉なる電力を目指してできた工場が富山地区に非常に多く、そのために料金地域差構成の一要素である需要構成において、単価の安い大品電力及び特殊電力の占める比率が高くなつています。尚石灰窒素、カーバイド、電気製鋼、電解法による硫安等、低廉なる余剰電力の使用を目的とした工場が非常に多いのは他地区にその例を見ないところであります。これを端的に示すものは北陸地区の負荷曲線でありまして、配電会社の提出にかかる七月二十七日の負荷曲線を見ますると、晝間の使用電力二十一万乃至二十二万キロワツトに対しまして地区の消費の減少する午後九時から午前四時までの深夜間には二十五万キロ乃至二十七万キロと、晝間消費よりも五万キロワツト余計に使つているという状態であります。尚電力需給の大勢を戰前と比較して見ますと、終戦前の最高発電年度である昭和十八年度と二十四年度と比較しますと、地区内発生電力量は七億の増加となつていますが、地区消費電力量は十七億九千万から十二億九千万キロワツト時と、五億キロワツト時の減少を示しています。勿論その間における産業構成上の大変化を無視することはできませんが、電源地帶における割当制度の悩みがよく示されております。  前述のような全般情勢を反映して座談会における意見も大体再編成は速かに行え、その形は北陸地区を独立とする地区一貫会社とし電源はすべて地区に所属せしめ、融通は公益事業委員会を通じて行うこととの意見でありました。別に県の関係者からは富山、石川、福井三県連名の電気事業編成に関する第二次意見書に基きまして、一、原価計算の結果生ずる電気料金地域差は、そのまま存置すること、二、発送電設備はすべて地区会社に所属せしめること、三、地方公共団体電気事業経営を行い得るようにすること、四、福井県の若狭三郡を北陸の供給区域に所属せしめることの四項目の要求がありました。  又電気料金に関しましては、輸送及び気象上の不利を十分補充する電気料金の原価主義を認めよ、豊水期には深夜まで活用し、冬期には都会地の使用増加にもかかわらず、逆に減少するのであるから当然安くあるべき筈だとの意見の外に、超過電力料が低基本料金の利点を帳消にするから、超過電力料は段階制として漸次高額とされたいとの意見もありました。割当制の如何は本地区の最も関心を有する点でありまして、その撤廃ができない場合には地区公益事業委員会の支局を置き、地区事情を考慮の上取計らつて貰いたいとの意見でありました。一般消費者を代表いたしましては富山市長から、本地区の冬期気象状態を考慮して家庭割当増加されたいとの意見がありました。繊維業者からは市況の状況によつて生産額の変化が激しい事業に対しては、前年度の実績割当では困る、絹、人絹の八割が輸出であるから輸出を阻害するものであるとの意見もありました。大体北陸地区はさようなものであります。  次に関西地区を申上げます。大阪には九月十四日に着きました。去る二日のジェーン台風によつて非常に損害を受け漸く復旧したばかりのところであります。尼ケ崎第一発電所視察も、台風被害及び復旧作業の視察という結果になつたのであります。同発電所は大体損害が一億二千万円と推定され、それから電源被害と同時に配電線の被害は電柱一万二千本、工場側も甚大な被害を受けておりまするので需要も減退いたしましたが、発電所の復旧は、需要の回復に間に合う見込とのことでありました。被害の詳細は省略いたしますが、通産局の調べによりますと関西配電の被害約九億、日発約六億七千万円といわれております。復旧資金の国庫補助又は融資、復旧費の電気事業者共同負担の二件を通産省に要望しておられます。  関西地方における電力の特徴は地域内に水力電源の少いことであります。併し本地区は六十サイクル系の最大消費地として北陸における主要水力発電所の運用を直接指令し、中部地区の木曾川系、飛弾川系、その他に対しては東海給電を通じて指令し、六十サイクル全系統の統制を図つているのが現状であります。渇水期補給用とじて日発所属の火力発電所十三ケ所、設備容量合計百十六万キロがありますが、明年二月目標の可能出力は七十五万キロワツトと言われております。  座談会は災害後の悪條件にもかかわらず大変に出席者が多うございまして、再編成問題に関しましては商工会議所、工業会、経済連合会、経営者協会等が連合して、近日中に最後の意見を定める予定でありましたが、大阪工業会からは希望として電力配分及び料金地域差はなるべく公平に決められたい、大阪地区の需要を賄い得るだけの電源が欲しい、公益事業委員会には大阪を代表する委員を入れられたいという要求がありました。その他多くの発言におきまして政府案より多くの電源を関西に與えよという点は一致いたしております。関西経済連合会のパンフレットには政府案に追加すべき電源として、北陸の西勝原第一及び中部の川辺両水力発電所合計五万キロを挙げております。早く再編成解決して電源開発を急げという声が最も強うございました。発言の最も多かつたの割当関係であります。これには新扶桑金属の事変関係需要増加によるもの、又ガスや電鉄関係のごとく自然増加に追われるものと、東京、名古屋等における同種業種に比しまして割当の少いと訴えるもの等であります。割当不足は更に料金負担過車の話となり、結局電源帰属及び料金地域差緩和要望なつた次第であります。割当及び料金に対する特別の意見といたしましては、割当超過の場合に直ちに火力料金に入るときには階段的に上げて貰いたい。営利的事業と公共的事業との料金制を別にして貰いたい、工場には深夜電力の特典がありまするが、電鉄には日曜、祭日等の特別割引を設定して貰いたいという意見もありました。割当に対する不満につきましては、通産局から前年同期基準の現行割当方法にては、関西のごとく産業の伸びの早い地区が不利となつたが、次期以降については改善に努力するという回答でありました。その他の事項では東洋レーヨン及び電気化学から停電による損害は補償せいというこれは強い要望がございました。  次に中部地区を申上げます。当地区の概況は豊富な水力電源を擁しその一部を大阪に供給しておる点におきましては北陸に似ておりますが、大消費地としての様相は大阪に類似しておりまして、両者の中間的性格を持つておるものであります。再編成問題に関しては先ず経済復興会議伊藤氏から、強制されての再編成は不可であつて世論に従い明朗に施行して貰いたい、止むを得ずして政府案によるならば治水面及び中部地方産業の性質をよく考えて、木曾川及び飛弾川系は中部に残せとの発議がありました。愛知県議会の加藤氏からは七分割は反対である、十年の経験のある現在の九分割を支持する、地域差は当然である、再編成を終り速かに電源開発を行われたいとの意見がありました。名古屋市の田淵助役は関係筋から促進されての再編成では手遅れである、河川は治水、利水の面が大きいから地区に所属せしめる、余る電気は他地区に売ればよい、ダムの建設には治水の面から国も補助すべきである、丸山などは急速に着手されたい、小さな発電地区が沢山ありますがこれらを自由に開発せしめた場合、非常に電力緩和に役立つであろうというような議論がありました。又新大同製鋼の石井氏よりは当地の工場は電力料金の低廉を前提としてできたと考える、大阪にも同業者があるが鉄板や鋼管を大阪では扱つておりますから料金は三円で引合うのでありますが、当地の鉄鋼では一円五十銭以下でないと引合わない、再編成が必至ならかような事情を考えて、木曾川水系及び飛弾川水系は中部に帰属せしめよと述べております。これを裏付けるものとしましては、愛知産別の有賀氏からは大阪の大同は賃金一万円以上になつております。が、同じ会社の名古屋工場は七千円にも達しない、而も遅配勝ちであるということを述べております。以上のごとく電源帰属に関しましては強硬論が非常に多うございました。加藤氏からは木曾川系は開発の歴史から見て止むを得ないが、飛弾川系の瀬戸、小坂等、三発電所是非とも再考して貰いたいというような要望がありました。  割当に関しましては他地区と同様に意見がありましたが、特色のあるものといたしましては菊川鉄工所から工場機械、工場合理化に要する電力等も、これは是非割当制度は工場の合理化のため、機械の復旧その他を今のようなことでは阻害するから、本当に単なる機械、工場というのでなく特別に外の産業を助長するために必要なものとして特別な扱いをして貰いたいという意見がありました。その他の問題につきましても発言がありましたが省略いたします。  当地の視察においては、名港火力は実によく整備されておりまして石炭消費率の低い点に特色がありますが、九州北海道の両地に遠いために貯炭容量の大なることも目につきました。今渡発電所は木曾川及び飛弾川の合流点に位しまして、上流水力発電所の使用水量の不同を調整いたして、下流に対する水量の一定化を図つておりまするが、発電所帰属の如何によりましては操作に非常な困難を来たすのではないかというようなことが重な点でありました。  以上を以て第三班の報告を終ります。
  6. 古池信三

    古池信三君 第四班の視察報告を私から代表いたしまして申上げたいと思います。  第四班中国及び四国地方は九月十六日から九月二十二日まで私と江田委員と両名が参つたのであります。先ず最初に神野瀬水力発電所視察を始めました。更に広島市、松山市及び岡山市におきましてそれぞれ座談会を開催いたしたのであります。又大品需用家の多い特殊な電力事情にあります四国の新居浜地方の工場を視察し、又所在の工場の関係者からも話を聴いて帰つてつたような次第であります。以下順を逐いまして概況を簡単に申述べます。  神野瀬水力発電所は昨年の末に完成いたしたものでありまして、私共が参りましたときには丁度数目来の雨続きのためにダムは満水いたしておりました。最大発電力二万キロをややオーバーしておるような状況でありました。中国地方は御承知のように殆んど貯水池を持つ発電所というものが稀なのでありまして、この神野瀬発電所が新設されたことによつて常時電力を確保し、産業に及ぼす影響は誠に大なるものであると認めて参つたのであります。日本発送電支店の話によりますと、広島県の立岩貯水池におきまして先般のキジや台風の際に、豪雨のため毎秒千立米余りの水が入つたのでありますが、これを調節して毎秒七百立米余りにして放流したのでありますが、このために下流の広島地方は洪水の危険から脱することができたと考えるということでございました。これを見ましても電源の開発につきましては霊力の増強と共に洪水の調節、更に又灌漑用水の確保等河川の総合的開発利用が必要であるということを痛切に感じたわけであります。  広島市におきます座談会においては電源の開発電気料金及び再編成問題につきまして主として需用者側の意見を聴取いたしたのであります。この座談会におきましては多数の関係者が集まられまして誠に盛況でありました。  その前にちよつと中国地方の最近の電力需給状況について申上げて見ますると、八月におきましては、水力が八千四百三十七万五千キロワツト・アワー、火力が六千四百三十三万九千キロワツト・アワーでありまして、総需要量は億四千八百七十一万四千キロワツト・アワーとなつております。そのうち関西から受電した芳が二千八百三十三万一千二百キロワツト・アワー、逆に関西に塗りました分が九十四万九千七百キロワツト・アワー、更に九州から受けました電力が五百五十一万一千五百キロワツト・アワー、更に九州の方に対して送りました分が百二十七万二千キロワツト・アワーいうとことになつておりまして、差引三千百六十二万一千キロワツト・アワーの受電をいたしておるのであります。八月の自然流量による発電力は平水の六五彦、九月の上旬は相当雨が降りましたので一四〇%という状況になつております。八月は中国地方におきましては最も水の濁れる渇水時期でありまするので、電力事情は非常に窮屈になつております。従つて今申上げましたように関西と九州と両方から多量の電力の融通を受けて漸く需要供給の均衡を保つておるというようなわけであります。これは例年八月におきまする中国の電力需給はかような状態を繰返しておるように聞いて参つたのであります。  電源の開発につきましては中国地方は工業立地條件が比較的恵まれておるにもかかわらず、電力不足しておりまするので速かに開発をして欲しいという要望が致して非常に強く聞かされたのであります。又建設費につきましても本州の中央部からの送電線の建設、或いは送電中のロス等を考えますれば必ずしも高いとは言えない火力について見ますると山口県は宇部の安い石炭が豊富に出まするので、火力発電所増設につきましても十分考慮をして貰いたいという意味意見の発表がありました。更に山陰地方需用者が出席しておられまして、その発言には山陰は冬期においても降雨量が平均しておるにもかかわらず冬期料金が高いのは十分に納得が行かないところであるから、冬耕の料金制度をやめて、特に大口電力については特別の料金制度を設けて貰いたいというような意味意見が述べられたのであります。電力割当方式につきましては、でき得る限り中央が割当てるという方法を止めて、地方産業実情に明るいところの地方通産局で実施して貰うようにして欲しいという意見が出ておりました。  次に再編成の問題につきましては、中国地方需用者としては料金地域差の撤廃、地域間融通の確保、電源開発促進のこの三つの條件が満たされるような再編成であるならば、その企業形態如何を問わず十分に時期と方法について慎重な考慮の上決めて貰いたいというような意見が多くありました。又中には最もよい方策の考えられるまでは現状維持で行くのも一つの方法ではないかというような意見も聞かれたのであります。又出席中の電産の組合の代表者からは全国一社、それは公社の形態によつて運営されたいという意見の主張がありました。広島通商産業局管内の大口需要者百九工場について、第七国会提出の政府案に関する意見を徴ざれた結果を見ますると、この再編成法案並びに公益事業法案について賛成が七工場六四%、修正すれば賛成であるという意見が三十四工場三一・二%、反対六十八工場六二・三%という数字が出ておるのであります。その修正要望をした主な点を見ますると、第一は地域差を撤廃して料金全国均一化を図つて欲しい、第二は料金地域差は上下おのおの一割以内に留めて調整金は国庫の負担として貰いたいということ、第三は地帶融通の計画を立ててこれを法律の中に明記して欲しいという問題であります。第四は開発を強力に促進するために、日発及び配電に属しない別個の開発会社を設置されたいという意見であります。第五は公益事業委員会地方部局を設置して、その補助機関としては各府県に電気審議会を設けるようにして欲しいという意見、第六は電気事業の独占権を排除して需用家擁護の規定を法律の中に入れて欲しい、これらの修正意見であります。更に又政府案に対する反対の理由としましては、第一は電力の融通及び料金地域差の調整範囲が甚だ不明確である、第二は地域差が増大して産業の発展が甚だ不均衡不公平になる、第三は電気事業の独占性が増大し、従つてその弊害が大きくなる、第四は電源の開発が困難となり、電力の融通が現在よりも更にむずかしくなる、第五に分断の理由が不明確である、第六は公益事業委員会の実際上の実行の効果に大した期待が持てない、以上が反対の理由のようであります。  更に座談会の外に我々は日発の支店並びに配電会社を訪問いたしまして、それぞれの立場から意見を聴取いたしたのでありまするが、詳細は省略いたします。  次に四国に渡りまして松山市における座談会について主なる事項を御報告申上げますると、この座談会も非常に多数出席者がありまして盛会でありました。先ず席上四国電力復興会議の代表者から、四国の輿論は必ずしも一致しないが、料金地域差が甚だしくならない措置がとられ、更に電源の開発が進捗せられるのであるならば分割は必ずしも否定しないという意見が強く出ております。再編成に当つて水力の賦課金は特殊電力に対してはこれを安くし、水利使用許可は公益事業委員会の権限に属せしめ、事業者の土地使用、収用、樹木の伐採等については特権を認めるべきである、又建設資金を融通するために開発金庫のようなものを設けて新会社を援助する方法を講じて貰いたいというような意見の開陳がありました。又電力需用者協議会代表者からは、四国の後進性は電力不足によるものであるから、電源の開発促進し、料金は現行のごとき不合理な地域差料金並びに割当制度の矛盾を是正して、形態については独占の弊を排除するように十分考慮を拂われたいという意味意見の開陳がありました。四国市会議長会議の議長からは豊富、低廉、良質の電力供給し得るような再編成早期実現要望する、その企業形態については大体政府案に賛成をするという意味の発言がありました。高知県の代表者からは公営の要望が強く、電気事業の株式を県が保有しておる場合今後もこれを持続し保有し、無制限に保有し得るように考慮されたいという意見がありました。又住友共同電力からは、電源の開発については住友としても熱心に研究しておることで、日本発送電会社の存続が許されないとするならば、新しくできる会社と住友電力と二社が存在して競争をした方が、独占の弊を防ぎサービスの向上も期待できて望ましいのではないかという意見が述べられたのであります。  我々は翌日新居浜市に参りまして、日新化学、四国機械別子鉱業並びに住友共同電力の第二火力発電所等を視察いたしたのでありまするが、再編成関連いたしまして最も問題の多い住友共同電力の発電設備譲り受け要求について、簡單に申述べたいと考えるのであります。住友共同電力は、電力国家管理に伴いまして、日本発送電に強制出資をいたしたのであります。水力発電所七万一千三百キロワツトのうち四国における電力関係諸般の事精も考慮の上佐賀、津賀伊豫川大橋の四ケ所合計四万一千三百キロワツトに相当する発電所の返還を要望しておるのであります。これは四国の総発電設備の約五分の一に当りますが、現に住友が使用しておるだけの電力量以内であるから他には大きな影響はなく、而も電力会社が四国に二つできれば競争によつて能率が上り四国の電気事業の発展を促進するのではないかという意見が、住友共電の当局から述べられたのであります。これに対しまして反対の立場にある側からは、これらの四一の発電所はそれぞれ調整能力も持ち、日々の変化に即した需給の調整を行う上に重要な役割を占めておるものであるから、これを分割譲渡するとすれば渇水期の火力発電の稼働率はいよいよ高くならざるを得ない、場合によつては制限も、予想される、又二社の競争は事業の性質が異なるものであるから大した意味はないという意見が述べられたのであります。住友関係電力消費量は四国全体の約三〇%に当り、これだけの特殊なる需要に対しては別途独立の発電所を求めるのは一応理由の存するところと存じまするが、一般供給電力に対してこれを圧迫しないということを條件とするという意見が一般に強いように窮われたのであります。  以上で四国を終りまして岡山に参りました。岡山の座談会におきまする意見を申上げますが、これは広島市におきまする座談会意見と大体において同様であります。要するに料金地域差を調整して現産業が成立つように再編成されることが最も望ましいことであるというように意見は一致しておるようであります。その一つの例を申上げます。三井流船玉野製作所の代表者から詳細なる資料が提出されたのでありまするが、そのうち料金の改正以後の産業に及ぼす影響として次のような数字が示されたのであります。その数字を挙げて見ますると玉野製作所では、改正前は百三十五万キロワツト・アワーを使用した場合に水力ばかりの料金で計算すれば九十万円程度であつたものが、昨年来の料金改正後には税込みで二百七十九万円となつた、火力料金十万キロワツト・アワーとし、残りを水力料金で計算した場合を見ますると、三百五十四万円となるのであります。これを同量の電力を使用して関東地方水力一〇〇%で見ますると百六十四万円、関西の場合は二百二十万田、更に火力十万キロワツト・アワーを使うといたしまするならば、関東の場合は二百四十六万円、関西の場合が二百九十九万円ということでありまして、この両者を比較いたしまするならば、生産の原価に影響するところは極めて甚大であるということがはうきりいたす。分断されて料金地域差が大きくなつた場合には当地方における企業は全く成り立たない。割当についても最近の実績に即した割当をして欲しい、保留分を残してこれによつて相当調整を図るべきであり、又再編成に当つては或る程度の準備期間を置かれたい、その間に需用者の方におきましても十分再編成の受入態勢を整える必要があるというような意見も聞かれたのであります。大体以上を以ちましてこの岡山の座談会を最後として私共両名視察を終えたのであります。甚だ簡単でありまするが、以上を以て御報告といたします。
  7. 西田隆男

    ○西田隆男君 第五班の九州班についての視察の経過、状況についてその大要を簡単に御報告申上げます。  派遣されました議員は、私と共産党の須藤五郎委員現地参加として自由党の秋山俊一郎委員参加を得まして、九月の十日から十七十までの八日間、視察をいたしました箇所は、日発戸畑火力発電所港第二火力発電所、西谷変電所、熊本甲佐の開発工事現場及び大口電力消費工場として大牟田に東洋高圧の工場、電気化学工業工場を視察いたしました。自家発電の代表的工場としては旭化成延岡工場を視察いたしました。その間日発配電の九州支店を訪問いたしました。それぞれの意見を聴取いたしました。福岡と宮崎において座談会を開催し、関係方面から切切たる意見を聴取いたしまして帰つて参りました。観察の順序に従つて個々の状況を述べるのが順当とは存じまするが、総括的に本観察を通して聴取いたしました意見、その他の状況について述べて見たいと思います。たまたま本視察におきましてはキジア台風に遭遇いたしまして、風雨激しく、道路の決壊、河川の氾濫、鉄道の事故等によりまして視察は非常に困難を極めましたが、地方通産局電気事業関係者等の御協力を得て宮崎県営石河内発覚所を除く外は日程通り視察を終えたような次第でございます。何といいましても九州は電気料金、電源の開発地帯間の融通等の面において極めて不利の條件下にありまして、各種産業に、或いは住民の生活に與えている影響は深刻なものがあります。それだけに又地元民の電気に対する関心は非常に強いものでありました。特に電力の再編成の問題につきましては、非常に強い要望がありました。福岡におきまする座談会には、九州南部四県即ち熊本、宮島、鹿児島、大分の各県を除く県当局及び電気関係者で開催をいたしました。宮崎における座談会は南部四県の主として電気関係県会議員を主体として開催いたしました。九州は南北両地区に分れ、再編成に対する意見が強く対立していることを察知されたわけであります。宮崎におきまする座談会は途中台風のため交通事故に会いまして、開催時間を三時間も遅れて午後五時頃から開催をして、熱心な座談会が行われました。その意見の大要は、南部四県の各県会議員電力委員長の連名によりまして陳情書として提出されております。南部九州四県の特殊事情を考慮して、一般電気事業経営を新会社の独占とせず、地方公共団体においてもその経営を認めて貰いたいということ、及び電気料金原価計算主義に則つて地域差を設けるべきであるということと、新会社の配電区域においても甚だしく電力原価構成の異なる地域を含む場合においてはその地域に対して相当の地域差を認めて貰いたいということ、及び未開発水力電源を急速に開発させることの要望がありました。尚これに基き、再編成につきましては九州を南北に分割した十分創案にして欲しいという要望をされました。これにつきましても若しそれが出来なかつた場合には前に述べました地域差について十分な考慮をして欲しいとの強い要望がありました。福岡におきまする座談会におきましては、南部四県を除く各県当局及び電気関係者六十名以上の出席者を得まして、熱心なる論議が展開されました。その席上各電気関係団体電気産業労働組合、各県会議員おのおのその立場において再編成に対しては九分創案に全面的に反対する意見が述べられました。その意見を要約いたしますると、その大部分意見は現状においてすら九州は料金地域差電力融通、電源開発の面において他域と比較し、極めて不利な條件にあり、若し九分割をされた場合これらの條件はますます悪くなり、現在の政府の施策を以てしては到底これが改善は望めそうにない今日、我々は反対せざるを得ないという旨でありました。又消費者の一人は電気事業編成に際して九州配電日発それぞれから各種の資料が提出されておるが、同じ電気事業者でありながら同一課題に対して技術的計数の相違を来たし、全く相対立した意見を持つて妥協性のないということは誠に遺憾であり、我々国民としてはどこを信用してこの問題をお任せしたらよいか判断に苦しむものである旨の発言もありました。次いで各種産業別におのおの意見の開陳がありました。九州におきましては、他の地域と違つた産業構造を持つておりまして全国出炭量の五五%を占める石炭鉱業があり、その需要は全需要の二五%(使用電力量においては約五〇%)に及び、次いで化学工学の一四%、鉄鉱の一〇%等優先的に電力割当を考慮すべき要確保電力の占める比率が全国の場合に比し著しく大きく、鉱工業用電力需要は地域内総需要の八〇%を占めまして五百キロワツト以上の大口需要は七〇%等を占める等、需要構成上特異なものがあります。それだけに電力事情の如何は各種産業にとつて深刻な問題となつておりました。石炭鉱業協会からは年々炭価に占める電力料金のパーセントは上昇しており、現在ではトン当り昨年の百円程度であつたものが本年は二百十八円となり、材料費のトップを占める割合になつて来たのであります。電気事業者の方では低品位炭の利用その他により、北九州の特殊性から専ら火力に依存されて、炭価引下げに強い要望がなさておりますが、現在の料金割当において炭価引下は困難である、我々としては一日も早く電源開発が進行し、安価な電気が豊富に供給されんことを切望している旨の発言がありました。化学肥料関係者からは硫安、窒素肥料等の工場では超過料金等は到底生産原価の面から支拂は困難で、標準料金即絶対的電気料金と考えなければやつて行けない、割当が十分でなくて事業経営電気によつて困難を極めている、よく世間では合理化合理化と言われておりますけれども、もう工場経営の問題は合理化の問題ではなく、電気料金の如何に移つて来たと思つておる、特に多量の電気を原料とするカーバイド工場のごときはもはや九州では成算が立たない、殆んど工場は閉鎖の状態にあります。これ以上電力事情が悪くなるような再編成には反対である旨の発言もありました。又他の消費者から、若しどうしても客観情勢の然らしざるところによつて九分割を実施しなければならないようなときは、地域差料金、電源の開発電力融通の三原則が公正且つ円滑に行くような具体的処置について議会において善処して貰いたいという強い要望がありました。又再編成法の推移、日発正割総裁の辞職と見返資金問題等について、その真相を知らせて欲しいとの要求がありました。福岡県から農業用電力料金改訂の陳情も強く叫ばれておりました。次に日発配電の九州支店訪問の折はそれぞれ日発案、配電案についての説明がありました。両案は御承知のように地域差電源開発、融通の三点に関しまして全く相対立しておるような意見が盛られております。種々質疑応答を重ねましたが、納得の行くような御説明を聞き得なかつたことは誠に遺憾でございました。視察現場におきましては西谷変電所において九州の電力問題の解決策としては上椎葉の開発と、今一つ十万ボルト関門送電幹線の一回線増設が絶対に必要であるからとその実現について強い要望がありました。甲佐の開発工事現場におきましては工事予定通り進行し今が一番軌道に乗つたところであり、見返資金の停止により先行に非常な不安を感じ、若し見返資金の停止のために工事中止せねばならぬことにでもなつたならば非常な損失であり、又軌道に乗せるためには相当の日時を要するとして見返資金問題を早急に何とか解決して欲しいとの要望がありました。東洋高圧電気化学、大牟田工場の視察におきましては、電気料金地域差割当不足のために他地方との競争は困難である、はつきりしたものは現在掴めてはいないが、硫安においては生産原価で四五千円程度の相違が出るのではないかと思われる、経営の主眼点は経営の合理化より電気の問題にかかつている、再編成に当つて電力問題の解決には万全を盡して欲しいとの要望がありました。特に電気化学におきましては大淀川発電所の返還要求の陳情がありました。最後に延岡の旭化成工場を視察いたしましたが、化学工業に絶対必要な電力を自家の水力及び火力発電によつて総合的に経営している工場が、如何に現在の経営の面において強みを持つているかということを十分に察知することができました。最後に申上げておきたいことは電力編成の問題について、九州では電源の開発電力料金地帯間融通の三点に関して非常な不安を感じていることであります。以上極めて簡単でありましたが、九州班として御報告申上げます。
  8. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 各班の御報告に対して御質問その他御発言がございませんか…—御発言もないようでございますから、これで午前中の会議を休憩いたしだいと思います。    午後零時九分休憩    —————・—————    午後一時四十八分開会
  9. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 委員会を再開いたします。午後の議事の予定は第一に電力事業編成関係の問題に関しましてその後の政府並びに與党側の進めておられますところの経過について御説明を伺いまして、それから再編成問題に関するあらゆる問題の研究をいたしたいと存じます。第二に電源開発用日援助見返資金融資促進に関する問題を調査いたしたいと存じます。内容は日発設備資金資金繰りの問題、見返資金融資に関する見通しの問題、若し融資が見通しがないということになりました場合のその善後措置の問題、この三点について研究をいたしたいと思います。先ず第一点につきまして政府側説明をお願いいたします。
  10. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 電力編成に関しまして遅々として進まないのに対しては甚だ申訳ないと思いまして、且つ又心痛いたしているのであります。先般来これは典党の方と或る程度の交渉を続けておりましたのであります。ここでひとつお断りして置かなければならないことは、與党のみでこの法案が決まるのじやないのでありますから、外の方々にも御相談すべき筋合が至当と思うのであります。併し先ず與党内でもまとめて行かなければ、與党もまとまらんというような案ならば外の方々にお願いに行くのにも行き兼ねるので、そういう意味で與党の方と交渉したのでございます。その点あしからず御了承願いたいと思います。でいろいろと案を練りまして漸くお手許に差上げているような案がこの先月の末に成案を得たのであります。これで最も問題になりまするものは、電源の帰属でございます。電源がどこに屈するかという問題が一番困難なる問題であつたのであります。勿論幾つに分割するかということも大きな問題でありまするけれども、これは大体において九分割に早く了解を得ましたが、何といたしましても電源の帰属が一番利害関係が多いので、且つ新しくできまする会社にとりまして一番いわゆる利害関係が多いのでございますから、これの帰属がなかなか簡単にできかねろ。併し原則としては三に書いてありまするように「電源は、原則として各分割地つ域の会社に所属せしむろ」のが原則としているのございます。併しながら電流の流れ方、そして又電源が主に他地区に流れておるところの電流をサプライしておるものは、或る程度需要地の方の新会社に帰属せしめることも必要なりと考えるので、第四の項目に書いてありますように「当該発電所の発生電力の大部分が、他地区供給せられていると認められたる場合は、その電源の所属については例外措置を講ずるものとする」ということを加えたのでございます。一日かようにして決めました後でありましても、新会社成立後その実際の運営において多少の変更をし得るようなことにしたいと思いまして、第五の「新会社成立後その実際の運営により電源の所属の変更を必要とするときはこれを認める」ことができるというようなことにいたしたのでございます。それから電源の供給が新しき会社においてなされるといたしましても、その地区に電源を持たない地域がありますので「全部が他の地域にある地源をその供給の多いところに持つて行くということのできない場合があり得るので、融通電力が或る部分が残るのであります。これらに関しましては公益事業委員会を作りまして、それによつてこれを処理をさせるようにしたいと思うのであります。それが第六の要項に書いてあるのでございます。それからその他の項目を見て頂きまして最も問題になりますものは十一でございますが、地方公共団体が元所有しておつた電源若くは経営せる電気事業、又は工場、事業場が主として自己の用に供するために持つておりました電源の復元に関しましては、先刻の公益事業委員会において関係地方の電源供給事業に著しい悪影響を及ぼさんと認める場合に限つてこれを元の公共団体又は事業場、工場に復帰せしめることができるようにしたのでございます。それから次に料金地域差でございます。これが最も関連あることかと思いますが、この地域差は現在以上にしないことにし、これがために調整金制度によつて料金地域差を調整するようにしたい。けだしこれは電源開発と睨み合せまして調整金制度に五ケ年の期限をつける、こういうことにしたのでございます。資産再評価等によりまして、その他特別の事情によつて料金が引上げられる場合がないとも限らないという御心配があるというのは御尤もでございますが、これは合理化によつて極力低下を図りたいというのが趣旨でございます。そうしましてこの電源開発は急速にこれを行うということとしてこれがためには或いは必要であると思われますので、電源開発金庫のごときものを又考えなければいかんのじやないかというように考えておるのでございます。その他はお読みを願いましたらば大体御了承を得らつれるかとも思います。つきましてこの案を以ちましてケネディ氏のところに参りまして、これで行きたいからこれでお通しを願いたいというので、先週の火曜日か閣議決定守が済みました後に参りまして向うにお願しておつたのであります。私はこの一番現在において努力しなければならんことは何と申しましても現在工事中であるのに拘わらず、見返資金のまだ見込がたたないのでこれを解決をしたいと思うので、このために先ず向うにこの案を出しておきまして、幸い明日が定例の会見日でありまするから明日よりその方に全力は注ぎたいと考えるのでございます。先般参議院におきまして御援助を得ましてそして見返資金に対する御決議を願つておりまするので、これらを唯一の力といたしまして向うの方に交渉をいたしまして早い機会においてこれを解除して貰うことを懇願したいと思うのでございます。只今はそういう程度に参つておりまするのでさように御了承願いたいと出思うのであります。
  11. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 如何いたしましようか。第二の議事についてやはり説明を伺つてから一括調査いたしましようか、それとも個別にいたしましまうか。
  12. 山田節男

    ○山田節男君 一緒にやつて下さい。
  13. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 一括していたしましようか。それでは第二の方の説明をお願いいたします。見返資金融資促進に関する問題であります。
  14. 武内征平

    説明員(武内征平君) それではお手許に差上げてございまする見返資金融資遅延による自発資金繰への影響というものにつきまして御説明いたします。日本発送電株式会社は昨年度見返資金より約七十九億の融資を得て電源開発工事を開始し、更にその後昭和二十四年度の継続分として本年度約百三十八億円を申請中である。本年度分については未だ解除をみないため、左記のように本年上期は前年度の繰越金によつて建設工事にいささかも支障を来さないこととして建設工事を継続しましたが、見返資金の解除遅延と繰越金の涸渇によつて現状のまま推移すれば十月以降電源開発建設工事中止せざるを得ない事態に立至るものと憂慮されるので、先般来見返資金の早急解除について政府関係当局に対ししばしば懇願折衝を行い、開発工事には支障なからしめるよう折角努力中でありますが、資金需給概略は左の通りであります。記、一、年度当初約七十六億円、その内訳は運転資金十九億円、設備資金二十二億円、見返資金三十五億円の多額な繰越をもつて第一・四半期に入つたのでありますが、第一・四半期は前年度第四・四半期に引続きまして比較的豊水に恵まれましたことによりまして收又は順調であつてのであります。手許資金によりまして建設工事を賄つた上に第二・四半期への約六十七億円を繰越すことができたのであります。その六十七億円の内訳といたしまして、運転資金三十三億円、設備資金十七億円、見返資金十七億円であります。第二といたしまして、運転資金につきましては第二・四半期まで資金繰は順調でございまして、第三・四半期に約三十四億円の繰越が見込まれてお錢のでありますが、これは下期に生ずることが予想されておりまするところの石炭代、固定資産税等の引当分でございまして、今後平水程度の出水では漸く年間の収支を相償い、年度末には約七億円の繰越を残すに過ぎないということであります。従いまして一応今手許には沢山あるのでありますけれども、第三・四生期、第四・四年期は石炭代が御承知の通り入りますが、十二月に参りますと固定資産税約十数億というものを拂わなければならないということでありますので、これを引当といたして、今あるようでありますけれども、この引当があるわけであります。第三といたしまして、設備資金につきましては第二・四平期に入りましても昭和二十五年度の見返資金が解除にならず、又工事の流用も認められなかつた上に、見返資金対象工事は一部を除き予定通り進捗いたしておりますので、一般工事を圧縮しても八月末には設備資金は約三億円不足となります。八、九月分の建設工事資金として止むを得ず一部運転資金を流用すると共に、麦押を圧縮いたしまして工事を継続しなければならなかつたのが従来の実情でございます。第四といたしまして設備資金に流用いたしました運転資金は下期の石炭代筆に充当さるべき資金でありますので、十月以降引続き運転資金を流用いたしますことは電気事業運営上困難でありますので、従つて今後建設工事を推進するためにもこれは早期に見返資金の解除を期待する次第でございます。従いまして従来上半期におきまして水の関係等がよかつたのでありまするから、今までは大分運転資金の方を立替えて見返資金による建設工事の方を進めて参つた。ところが三・四半期、四・四平期になりましては石炭代、固定資産税というようなものもありまするので、今後そういう操作をやることは非常に困難である、かような実情でございます。尚お手許に差上げております資料電気事業編成要綱の中で閣議におきまして字句の修正になつ部分がございまするので、誠に恐縮でございますが只今申上げますから御訂正を願いたいと思います。それは電源の開発問題の第九であります。「電源の開発は、急速にこれを行うこととし、これがため電源開発金庫の如き機関を」それ以降ちよつと変りましてり「機関を研究考慮する」ということになつておりまして、以下を消して頂きたい、かように考えております。もう一度申上げますと「電源開発金庫の如き機関を研究考慮する」かように御訂正を頂きたいと思います。
  15. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そうすると「助成の方途を講ずる」というのも削るのですな。
  16. 武内征平

    説明員(武内征平君) 削りますところは「機関を」までを残しまして「作り」以下を全部抹消願いたいと思います。それで「なお只見川の如き」というのはそのままでございますから、第一項の「機関を」まで残しまして「を研究考慮する。」ということにして頂きまして、「作り」以下を全部消して頂きます。第二項の「なお只見川の如き大電源の開発については別途に考慮する。」これは存置します。
  17. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 一応政府側説明を頂きましたから、自由に御発言を願います。
  18. 森下政一

    ○森下政一君 只今通産大臣から電気事業編成要綱の概略の御説明を承わつたわけでありますが、皆さんからもいろいろな御質問が出ると思いますけれども、一番私が関心を持つております点一つだけお伺いしたいと思います。只今の御説明によりますと、第三に示されておりますように「電源は、原則として各分割地域の会社に所属せしめる」ということになつた。電源が非常に大事な問題だということは大臣もおつしやいましたが、ところでその第四に「例外的な措置を講ずる」即ち「当該発電所の発生電力の大部分が、他地域供給せられておる」そういうふうに認められるものはその電源の所属については必ずしも分割地域の会社に属するものとは限らない、例外的な措置を講ずるのだということになつておるようでありますが、若しこれが実施されるということになれば、九地域に分割されるといたしまして、どの電源がどの地域に例外的に所属せしめるような措置を講ずることになるか、大体の御予定があるだろうと思うのですが、その御説明を一遍承わりたいと思います。同時にそのような措置を講ずることによつて、既往の実績に徴して見て分割されるところの各地域におけるところの需用家が、大体満足する程度にそれぞれ供給を受けることになるのかどうか、そのお見通しをどの地域にどれくらいの需要 があつて、それに対してどれくらいの供給ができる、これを一応承りたいと思います。
  19. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今の御質問、御心配御尤もかと思います。我々もこの点が一番重要な問題だと考えております。これはよく考究をいたしまして、所風は電源地帯が各所へ最も不服のないようにして行きたいと思つて今考慮中でございます。今ここでどこがどこに属するかということは非常に困難なる問題でありまして、この問題がある故にこういうものであとで考究をしようということにしております。で今お話のように或る地域が殆んど電源がないような所がある、そうして需要が非常に多いところがあるのだ、こういうことをよく考慮いたしまして電源の帰属を決めたいという考えであります。これは甚だ抽象的であります。併し今どこがどこということはこれはもう丁度送電線あたりも考えますし、そういうものを無視してやることは非常に無理なことになりますので、そういうのをよく勘案してやりたいと思つて今考究中であります。さようお承知願いたい。
  20. 森下政一

    ○森下政一君 それでは只今の御説明で原則をこういうふうに取り決めたいと思うがこれによつて実際の結果はこういうふうにやりたいと思うような、又具体的な成案は得ていないとこう解釈していいのですか。これは考究中である、そう解釈していいのですか。
  21. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) さように御了承を願いたいと思います。
  22. 山田節男

    ○山田節男君 ちよつと大臣にお聞きしたいのですが、今電力局長から説明のあつた見返資金の融通資金が少いために建設工事が非常に困難になつておる、而も第三・四半期以後は非常に困るという説明があつたわけですが、これは参議院の電力特別委員会が去る九月十四日に経済科学局のケネディ氏に会つた際にはつきりしたことは、要するに電力の再編成が完了するまでは見返資金の問題は現実の問題にならんということをはつきり言われておる。そうすると今こうして示された政府の毎編成の方はこれがまあ国会でいつできるかという問題になる。ところが見渡したところ今臨時国会が早急に開かれるという意思政府にないようであります。そうすると現実にこういう資金のやりくりができないために日発建設工事ができない。そこに非常に時間的なずれと申しますか、そうするとこの建設工事中止するのか、或いは政府が責任を待つてこの日発建設工事に幾分でも継続するという何かそこに案を持つておありかどうかこれを一つお伺いしたい。
  23. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今の御質問甚だ御尤もなる御萱門であります。十月まで先ずかれこれ辛うじて行きやせんかと思います。又これにつきまして社債を未発行の分がありますからそういうものをやりましてここで続継して行きたいと考えております。
  24. 山田節男

    ○山田節男君 この未発行の社債の総額はどのくらいでありますか。
  25. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 十月以降は三十二億あるようであります。
  26. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると例えば今の第一・四半期から今日までの間を見ても第二・四半期で六十七億円というものをすでに使う。そうするとこの内訳を見ても運転資金から三十三億、設備資金が十七億、見返資金が十七億円こういうわけで六十七億円と出ておるわけですが、そうすると十月以降においてもやはり大体第三・四半期或いは第四・四中期においてもこれだけの額のものが所要じやないかと思うのです。それだけの起債で果してこうした現状のままスピードでやり得る自信があるかこれをちよつと伺いたいと思います。
  27. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 現在月に十一億ぐらいの支拂をすればまずいいのでありますが、公債の発行額は五億でございますから、その差だけは運転資金から何とか都合するより外ないと思つております。
  28. 山田節男

    ○山田節男君 それは今大臣のおつしやるようにできるとしても、若しこれが第四・四半期に至つても再編成が完了しないというと、これは政府として万全の策を講ぜらるべきものだと思いますが、この点につきまして政府は第四・四半期に至るまでに電力の再編成が完了するという強い自信を持つてそういう措置をとられるかどうか、これを一つお伺いしたい。
  29. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私といたしましてはそれまでには何とか見返資金融資を懇願するより外ないと考えております。
  30. 山田節男

    ○山田節男君 先程大臣から関係当局の方へこの開議了解の案を一応提出されたかのごとく聞いたのですが、聞き違えだつたら訂正いたしますが、若しそうだつたら今の政府に対して関係当局が尚検討することを條件として、大体のアウトラインというものはいいと言うたか、若し洩らされれば一つ。
  31. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今のお話には確答はいたしかねますが、明日からその交渉に入りたいと思います。
  32. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 電力編成法案関係し、又見返資金を借りることによつて電力開発される、何を措いても見返資金融資しなければ開発できないということは我々及び政府も御了承の筈ですが、それに関係して政府としての誠意がどこまで努力されたかということにつきまして非常に私は疑問を持つのであります。先ずそれに対しましては、我々参議院の委員会といたしましては、見返資金を借りるために我々委員会は全力を盡さなければならんということをこの前の委員会決定しておるのであります。併し我々委員会はそこまで持つてつておるに拘わらず、政府がどうであるかということを考えまするときに、この法案を読みますると自由党が一本となつて法案を提出されておるような形であるけれども、我我から見れば自由党が一本になつておるかどうかということについて非常に疑問を持つのであります。それにつきまして完全に今の政府と協力されて今の法案は自由党が完全に一本であるかどうかということに我々は疑いを持つておりますが、これに対して大臣から鉄壁のものであるかどうかということを確証を得たい。もう一つは来るべき臨時国会にこの法案を提出される意思ありや否やこれをはつきりした態度を示して頂きたい。先ずその二つを……。
  33. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 與党側において意見が一致したかどうかというお話でありますが、これは要綱は全部一致しておるのでございます。但し帰属の問題に対しては多少の意見の違うのもあるかと思いますけれども、これは一つお互いに折衝して了解しようじやないかということになつておりますので、この期間のうちには了解が出来やせんかと考えるのであります。それから臨時議会に出すかというお話でございますが、私は臨時議会に出すことにしたいと思つております。さよう御承知置き願いたいと思います。
  34. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 出すようにしたいと思つておる程度ですか、これは出すことに決定しているのですか閣議その他で。
  35. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) まだ臨時議会をいつということにもなつておりませんので、出すということに閣議で決定しているというわけではないのです。今日は私臨時閣議があつたらこれを是非出して貰いたいということを要望しておつたのであります。
  36. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 只今の説明では、この重大な問題を早期臨時国会を開くべしという我々は意向を持つているのですが、これもいろいろな事情で止むを得ないというお言葉で、まあ仕方がないと仮定いたしましても、今度の臨時の議会にこの法案を出すか出さないかまだ閣議で決定していないということのみでも、もうすでにこの問題に対して誠意がないということを指摘したいと思うのであります。  それからもう一つ與党としてこの法案を一本にまとまつているというような只今お話でしたが、然らば参議院の自由党の諸公に聞きますと、その参議院の自由党の特別委員会委員ですらも、この法案に対しての自由党としての審議は十分に徹底していないというような状態で、ただ衆議院とか或いは自由党の一部の人で法案を決めてそうして衆議院はそれでいいか知らんけれども、衆議院の持つて来た形のままで参議院を通そうとされるような今日までの経緯では、私は満足できないのでありまして、もう少し両方面に誠意を持つてこの問題を解決されんことを要望いたしまして私の質問を終ります。
  37. 石坂豊一

    石坂豊一君 只今水橋君に対して大臣の方から出したいと思うという、大変何だかはつきりしないような御答弁があつたから突つかけて水橋君が御質問したのだろうと思いますが、この電気事業編成要綱を見ると第一項において「分割による再編成は、これを行うこととし、関係法案は最近の国会にこれを提出する」と、こう間髪を入れないでこの点は臨時国会があつたら必ず出す、臨時国会はこれは開くことは分つている話で、憲法によつて要求も出ていることだし、それから他の関係においても補正予算等もあるし、これが出ることは国民の常識において判断できる。そうすると臨時国会に出すということはこれは第何国会ということを指したも同然となつている。大臣はそう遠慮されんでも、関係法案は最近の国会において提出するということでも了解ができることと思われるのだが、余り丁寧にやられ過ぎると、皆議員はなかなか閃きを持つておりますので(笑声)曖昧なことを言つてお茶を濁すわけには行かんと思いますから、それははつきり言つて頂いた方がいいと思います。
  38. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今の御忠告有難うございます。ただ私は臨時国会の期間等について……今日までは臨時議会を私は強硬に主張しているのであります。出すということをここに書いてありますからそれで御了承願いたい、というよりも私の考え方を御返答して置いた方がよかろうというので、併し確定はしておらんので、閣議が確定しておりませんので、私が強く要望しているということの言葉でお答えしたわけであります。さよう御了承願いたいと思います。
  39. 石坂豊一

    石坂豊一君 かくのごときことは横尾君と二人で争う必要はないのであるが、併しこれは閣議了解であるのだから、殆んど決議も同様の言葉で、閣議で了解しているから、何にも賛成しておらんものは余計いるというわけではないと思う。それですからわしらはこれを閣議決定ということの……第二義的に考えておるので、そう軽いものとは考えておらない。それですからして、そういう国務大臣としては所信を以て御返事下さらんというと、どうも如何にも不安を感ずるようなあれですから、この次の国会に出るものと心得ていいでしよう。
  40. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 結構です。
  41. 江田三郎

    ○江田三郎君 この前の委員会のときに、見返資金の見通しについて次官の方からお答えがあつたわけですが、そのときには一応政務次官の方では十日間以内に問題は解決つく見通しである、こういうことを言われまして、その後十日という日は取消されましたけれども、併し次官の言われることから解釈するというと、別に臨時議会が開かれ、或いは当国会でもよろしいが、そういう国会法案が決まらなければ見返資金が出ないということでなしに、それまでにおいて了解をつけて、短期間のうちに見返資金放出だけはとにかく見通しをつけるということであつたと思う。ところが午前中に報告を受けました本委員会委員長、その他各党代表者がケネディ氏に会われたその結果によりますというと、ケネデイ氏は再編成法案が成立しなければ見返資金を出さないと言つたのですが、その点は本委員会委員諸君が交渉されたときの答えと別の答えを政府の方にケネディ氏がなさつているのかどうか、或いは政務次官が取消されたとしても、近い期間のうちに非常に狂つて来たということは、どこに食違いがあつたのか、そういう点を一つ御説明願いたい。
  42. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 先月の八日のこの委員会におきまして、只今御発言のような成るべく短期間の間に見返資金放出実現することに努力したいということを申上げました。当時申上げましたが、見返資金はすでに九月末を以てどうにもならん状態に陷るため、而も若しいよいよあとの資金が続かないということになりますると、そのうち工事中止しなければならん、工事中止することによつて、凡そ五十億以上の損害を来す、而もこの百四十六億の見返資金は当然二十五年度の事業計画として放出される計画になつております。ただ前国会におきまして通過するであろうと予想された法案が打切られたことに、関係筋の信頼感が非常に低下しておるというようなことを承りましたので、我々としましては、今度の国会に必ず通過するという信頼感を持てるような体勢を取つて行づて、これならば成る程通過するであろうという御信頼を受けるような態度をとりたい、又同時に、その他の面におきましてもいろいろの情報が入つておりますので、これらの問題に対しましても、期待に副うような方途を講じたいということから、先ず法案の整理、いわゆる臨時国会に提出しまする法案が必ず通るであろうという予定のつくような体勢をとることに全力を盡さなければ相ならんということから、多分この問題も余り時間を要せずして実は調整ができるであろうと予想したのでありまするが、いよいよ党との調整をやつて見ますると、意外にもいろいろの御意見がありまして、この調整に以外な時間を必要といたしたのであります。我々の構想といたしましては、一応党との調整ができましたならば、早速各党の委員のお方にも試案をお示しいたしまして御審議を願いたい。それでできるならば、衆参共に大体これならばいいというところまで持つて行く、そうして関係筋に持つて行きましたならば、何とか御了解を得られるであろうという実は考を持つてつたのであります。然るに先程も申上げましたごとく、與党との調整に非常な時間を要しまして、大体我々といたしましては、九月の二十日頃までには調整ができるであろう、そうして後の一週間ぐらいで参議院の委員会並びに衆議院の各党との御審議もお願いしたいという実は構想を持つてつたのであります。これが意外にも與党との調整に手間を取り、而も先程申しました見返資金の金繰りの問題で御説明申上げましたように、九月末で一応資金は洞渇する、どうしても十月早々には何としても資金放出して頂かなければ相成らんという窮迫した事情になりましたので、取敢えず與党との一応できました両案を関係先に提出いたしまして、更に各党の委員の方に御審議をお願いしたいという実は構想を持つて進んだのでありますが、御承知のごとく、最返目発の総裁、副総裁問題その他で非常に大臣もその方面に多くの時間を取られまして、まだ各党との御審議を得るところに行つてないのであります。先程申上げましたごとく、明日はマーケット会談もございますし、今後全力を挙げまして関係筋の御了解を得て、そうして一日も早く放出できまするよう努力いたしたい、さように考えておるのであります。
  43. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういうことになりますと、大体政務次官の方の極く短期間のうちに見返資金放出ができるというのが外れて来たのは、政府と與党閥の意見の調整ができなかつたことが一番大きい原因だということになつて来て、従つて見返資金放出が今以てできないというのは、政府と自由党との責任だと解釈していいわけなんですね。
  44. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 見返資金が、こういう方法を講じて熱意と誠意を示したならば、多分放出して頂けるであろうという我々の希望的観測でありまして、かくまですれぼ放出するという明言は得ていないわけであります。従つて遅れたからといつて、その責任が党にあるとは我々は考えていないのであります。
  45. 江田三郎

    ○江田三郎君 今、政務次官の言葉の中に、後任の正副総裁の人事問題なんかも決らない、そういうことも一つの原因のように言われたのですが、これは明らかに通産大臣の責任だと思いますが、通産大臣はその点をどう責任を感じておられるか。荷附加えてお聞きしたいのは、何故一体人事問題が決まらんかということを一つ詳細に教えて頂きたい。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  46. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 今政務次官が言いましたことは早くそねを決めて行くがいいということを申上げ、そうして私がそれに対していろいろとやつておりましたことが、人事でありますからいろいろの支障もありますし、又選びますには最も公正な人を選ぱなければなりませんし、又社内の空気も勘案しなければならないというようなことで、いろいろ苦慮いたしまして今日に及んだのであります。遅れましたことに対しては私責任を痛感しておりますけれども、只今申上げましたような事情で急速に決定をし得なかつたことは甚だ遺憾に思うのでありまするが、ここ一、二日の間には決定発表ができると思います。さよう御了承願いたいと思います。
  47. 江田三郎

    ○江田三郎君 我々は前の正副総裁の更迭辞職ということにつきまして、非常な疑問を持つておるのですが、それはまあともかくとしまして、荷くもこの大事なときに正副総裁の更迭をやる以上は、二人の人の辞職を求めたならば、その次に誰を出すかくらいの見通しがなければならんと思うのですが、それが一体それ以来何日時間が経つたか、更にその間において或るときには稻垣氏が出て来て、それが又引込み、或いは小坂氏が出てそれにけちがつく、そういうことを新聞で見ておりますと、どうもその間通産大臣が責任を痛感されておるのかおらないのか、責任を果そうとしておるのかおらないのが、我々としましては大きな不満を抱くわけなんです。その点あなたの方が誠意を持つておやりになつておるということであれば、その間の事情を一つ何故そうなつたかということをはつきりと御説明願いたいと思います。
  48. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 他に大した理由はないのであります。ただ併し、これは先刻お話いたしましたように最も公平な方を選び、そうして又それが会社に取りましてもよく受入れられるか、或いは又その方と会社との対策の関連をどう結ぶかということを苦慮いたしまして、漸くいろいろの支障を排しまして二、三日中には決定することにしておるのでございます。さよう御了承願いたいと思います。
  49. 江田三郎

    ○江田三郎君 大体前の正副総裁の辞職を求められたときに、これは政務次官が本委員会で述べられたことですが、それによつて関係筋の信頼感を増すことができよう、こういうふうに言われたわけですが、我々も成る程そうかも分らんと思つておりましたが、併しその後の人事がこういうようになつて来たのでは、人事だけでもこれだけ混乱するということになれば、まして編成の要領が決まりましたところで、先程の電源帰属問題のごとくどこまで紛糾するか分らないということになり、とてもこれでは我々は問題が解決付くとも思われないのです。そういう点どうも努力する、努力するということを言いますが、何故そうなつたかということをもう少しはつきり言つて頂きたい。党内で意見の対立があるなら対立があるということを知らして、    きたいと思う。そうでなければ、我々は国民の前に一体この問題を、正副総裁はどうだと聞かれたところで責任のある答弁はできないし、又我々としても、この問題の解決に大きな責任を持つている。政府自体がそういう考えでは困ると思う。それから一体そういうようにして仮に人事の問題が片が付き、或いは又法案の要領が決つたら、臨時国会がなくても見返資金放出できるのかできないのか。この削の首藤政務次官の答弁からいたしますと、臨時国会で最終的に決定しなくても見返資金が出るように言われたのですが、我々の委員会の代表に対するケネディ氏の答弁はそうではないことになつている。その点もう少しはつきりした見通し、大臣から責任のある答弁を聞かなければ我々としては不安に堪えない。
  50. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今のお説の通り、委員会からお聞きになりました通りに、私らも案が決定しなければということも聞いているのでありますけれども、私は大体の見当がついて、そしてこれを以て是非つて貰いたいということを懇願するのでありまするから、向うが出してやらんとおつしやるのをどうして出すかということについては、これから向うに交渉しての上でありまするから、これに努力するというより外に申上げようがないのであります。さように御了承願います。
  51. 江田三郎

    ○江田三郎君 それはそれならそれとして、今の経緯をもう少しはつきりして頂きたいのでして、何故一体大西、櫻井正副総裁の辞職を求めたのか、その理由、それからどういう方法で辞職をさしたのかということ。何故稻垣氏が一旦候補に上つてそれが引込まなければならなかつたか。何故小坂氏が候補に上つて今尚決定できないでいるのかということ、その点はつきりして頂きたいと思う。
  52. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 前の総裁、副総裁に辞めて頂きましたのは、私はどうせ再編成ができましたならば、お辞めを願わなければならんことは極く当然のことだと思いましたので、又我々が考えておりまする案と、総裁副総裁がお考えになつている案とに踊りがあることは聞いておりましたので、今後再編成を討議するときに、又再び両氏と反対の立場に立つことは、両氏のためにも我々のためにもとらざることなりと考え、殊に赤パージの件を最もよく処理されたのでありまするから、この機会に辞めて頂くことが一番よくはなかろうかという私の考えだけでお願いしたのであります。懇談をしたのであります。そうしましたところ、幸いに私の言うことを聞いて頂きましてお辞め頂いたのでございまして、その外に理由はないのであります。それから稻垣さんの話というようなことは、これは新聞では承わりましたけれども、私は関連はしていないのでありますからさよう御了承を願います。且つ小坂氏の件につきまして、いろいろと問題が起つているがどういうふうになつているかというお話でございまするが、これは発令までどうなつているかということを申上げることを差控えたいと思います。後任総裁の発令は二、三日中にやることにいたしておりますから、そのときに改めて御了承を願いたいと思います。
  53. 江田三郎

    ○江田三郎君 大西、櫻井、正副総裁の辞職の問題について、今の大臣の御答弁から行きますと、赤パージについては非常な功労者であつたというのでありまして、そういう功労者を何故一体辞職を、求めなければならんのか。而もその後の後任決定ではこういうようにごたくして、更に関係筋の不信頼感をわざわざ増すようなことを何故おやりになるかということは、どうしても我々は納得することができませんので、この問題については前の委員会で自由党の古池委員からもこの更迭問題については国民の前にこれを明瞭にする必要があるということを発言なさつてつたわけで、私もそういう点につきまして尚今後もう少し只今の御答弁だけでなしに、明瞭にして行かなきやならんと思いますので、これはいずれ今後の委員会の議題の取扱い方について、そのとき発言したいと思いますので、私ばかり質問してもいけませんからこれで一応打切つて置きます。
  54. 佐々木良作

    佐々木良作君 江田委員から一応打切られたのですけれども、どうせ後で問題になると思いますが、今の問題で一応ちよつと聞いて置きたいと思うのであります。先程の大西、櫻井両氏の詰腹切りは、再編成をやればどうせ辞めて貰わなきやならんからというお話がありましたが、その理由は政府の意図する再編成に反対の立場をとつておられるからどうせ辞めて貰わなくてはならん、こういうことになりますか。
  55. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私の申上げたのは、再編成をやりますれば、会社が解散をいたしますので辞めなきやならんと、こういうのであります。そうして先刻もお話のように功労があつたものを何故切るかということでありましたが、これは私は功労のあつた方だから、いろいろと傷付奪いうちに辞めになつた方が一番いいんじやないかというのでお願いしたのであります。これは私は個人的にお話したのでありますから、さように御了承願います。
  56. 佐々木良作

    佐々木良作君 どうせ辞めねばならんというのは、再編成をすれば会社は解散するかと、こういう理由であるとすれば、現在の九つの配電会社も当然に会社は解散しなければならんということになつている。それに何故にここには一指も手を触れないで日発の正副総裁だけが辞めなければならないのか。たびたびの御説明で再編成は不等な立場からやられるということになつております。そしてみんなを解散して新らしい会社を建てるのだ、その案の内容のいい悪いは別といたしまして、ともかくそういう説明を途次繰返されておる。そうすれば会社の解散になるのは当然に日発配電会社も一緒の筈であるのに拘わらず、何故今のような措置が出て来たか、お伺いしたいのであります。
  57. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻申上げましたように、御意見が違つた、この上に争いを生じては御両所に対しても却つて不得策じやないかという考えから、私は個人的にお話をしたのであります。さように御了承願います。
  58. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると会社がどうせ解散するからという理由ではないということですか、先程言われました……。
  59. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) どうせ何ヶ月かの後にはお辞めになることになるから、そういうトラブルの起らん前に最もいい時期にお辞めになつた方がどうかというのでお話したのであります。
  60. 佐々木良作

    佐々木良作君 そのどうせ数ケ月の中に辞めなければならないという理由がですね、会社がどうせ解散するからだと先程言われたわけです。会社が解散するからだということならば配電会社も解散しなければならん。何故片一方だけにそれをやられたかということについて、それから荷もう一つ、意見の食い違つた云々という話でありますが、現在のこの要綱については特に電源帰属をめぐつて配電会社のおのおのの意見が違つております。何故それならそれも辞めさせられないのか、二つお答えを願いたいと思います。
  61. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 配電会社の方からは政府の原案に賛成して参つておりますので、これはトラブルが起らんでうまく行くと考えるのであります。それで今の大西、櫻井両氏に対しましては、私は深く争いをせん方がよかろうというのでお願いしたのでありまするから、さように御了承願いたいと思います。
  62. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると、数ケ月後にどうせ会社が解散しなければならないからということは、これはお取消しになるわけですか。つまり意見が違うというだけですか。
  63. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それであるからどうせお辞めを願うなら、最もいい時期にお辞め願つた方がいいというのでお願いしたのであります。
  64. 佐々木良作

    佐々木良作君 私はこれは何遍でも聞きたいと思うが、どうせお辞めにならなければならないから、その理由が、数ヶ月のうちにどうせお辞めにならなければならんという理由が、会社が解散するからだと言われるのでしよう。会社が解散することは日発配電も解散するのです。何故片一方だけをやるのですか。
  65. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻お話いたしましたように、大西総裁と櫻井副総裁の御意見は、我々の案と違つた意見であるから、それでこれから又いろいろとトラブルを起してはいかんから、一番いい時期でお辞めを願つた方が一番いいのじやないかというので私はお願いしたのであります。配電会社の方につきましては、今お話のように我々の意見と合致しておるのでありますから、これはそのままにしておつたのであります。
  66. 佐々木良作

    佐々木良作君 合致しておりませんが、どうしましよう。今の元の政府原案という案は消えてなくなつておるのです。第七国会で消えてなくなつておるのです。現在活きておる案というのはまだ原案にはなつていないが、今日配られておるこれなんです。これについては電源帰属を廻つて配電会社はおのおの意見を持つております。そうして衆議院の委員会におきましても高井関配社長みずからがそれを言つておるわけです。若し政府案と意見が違つたら私共辞めさせますかと言つておるのです。どういうことですか。
  67. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 大西、櫻井正副総裁はこれは政府が任命をするものであります。その外は普通の株主の推薦で、官はただ承記するだけ、認証を與えるだけです。さように御了承を願います。
  68. 佐々木良作

    佐々木良作君 お役所の方からお智慧がついたらしく舞築いたしますが、そんなことは初めから知つておりますよ。問題は実質的な問題なんですよ。武内電力局長にお伺いいたします。認証の問題と言うならば、政府決定の問題と実際に電気をあずかる機関としてどれ程違いますか。現在に電力国家管理が実施されとおる間において配電の仕事と日発の仕事との公共性の相違如何。冗談も休み休み言つて貫いたい。
  69. 武内征平

    説明員(武内征平君) 日発配電と只今法制上の扱いといたしましては、御承知のように日発は特殊会社で総裁、副総裁は政府任命ということでございます。配電会社は法制上の建前といたしましては只今株式会社で、その役員は政府の認可ということになつております。法制上の建前はかように違つておりますけれども、公共性につきましては両者相合体いたしまして電気供給ということをやつておる、かように考えております。
  70. 佐々木良作

    佐々木良作君 実質的に公共性の問題が同じであれば、手続の問題、役所の手続の問題はどうだつて構やしない、問題は案に反対する、賛成するということで考えられるということならば、案に反対するのだから却つて公共性を阻害しやしないかという慮れだけが唯一の理由になり得るものならば、その両者の差違がないならば電気を扱つておるものが電気の再編成に対して技術的にこれがいいとか悪いと言うのは当然の話、若しこれが問題になればそれは公共性を阻害する意味で、電力供給を阻害しやしないかという危険だけが問題になる筈ですよ。その場合に配電は阻害する危険はないし、自発は阻署する危険があるというふうにお考えになるわけですか。追いかけてもう一つ、若しそれを前提とするならば、後任総裁は飽くまでも決つておらない。今の政府案、これに逐一賛成し、これを逐一最初から了解しておるものでなければ日発の正副総裁に任命することはできない筈である。それをまだ案が決つていないうちに交渉を今やつておられるのはどういう意味ですか。明瞭なお答えを願います。
  71. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 私は現在我々が考えて、そして推薦している方に対しては全幅信頼し得るものなりと信ずるものであります。
  72. 佐々木良作

    佐々木良作君 今幅信頼の意味は、まだ固定的に決つていない政府案をそのまま呑み込む人であるという意味ですか。これに全面的に協力をするということを約束したという意味ですか。
  73. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) この九分割には賛成をしておられます。又その他の小さい問題に対してはこれから決めて行きますので、相共に相談もすべきところはし、すべからざるところはせんでも行きますが、ともかく我々と同様に協力して貰えるものと考えております。
  74. 佐々木良作

    佐々木良作君 そう簡単に言われますがね、九分制と言つても電源の帰属如何によつて電力の潮流が全部変るのです。こいつをそういうふうに考えられると非常に困る。従つてですよ、最初の日発の正副総裁が政府原案と反対の意向であるから辞めなさいというならば、新らしい人が完全に政府の原案を呑み込む人でなければならないということが当然の話になつて来なければならんと思う。それを前提として選任をされるつもりであるかどうかというのです。
  75. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 政府案に協力する方と存じます。
  76. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると、まだ未定の政府原案を必ず了承して、こいつをプツシユする人でありましよう。そうでなければ日発の総裁には任命しないということですね。
  77. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それを希望し得るものとして私は推薦するのです。
  78. 佐々木良作

    佐々木良作君 それをはつきりして貰わないと困るのですよ。辞めさせたのは現実に辞めさせたのですよ。反対だということで辞めさせたのでしよう。それならば次に来る人をそういうふうに言われるならば、そういうことを了承するということを前提としてでなければ渡せないわけじやないですか。
  79. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 辞めさせたとおつしやるけれども、私は両者に私の意見を採つて頂きたいとお願いしたのでありまして、圧制的に辞めさせたというのではないということを御了承願いたい。
  80. 佐々木良作

    佐々木良作君 そういう形式的なことはどうだつていいじやないか。実際辞められた事情はそんなこと言われなくてもよく知つていますよ。問題はそれが理由であれば、正副総裁をはつきりと、政府原案の紐付きということでないと認定しない。それとも認定でなくて日発総裁に任命することができないというのですか。政府編成案をブランクで呑むという、これが紐付きでなければ自発の正副総裁が任命されないかということなんですよ。
  81. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) その大綱においては賛成をしておられます。さように御了承願います。
  82. 佐々木良作

    佐々木良作君 しておられますというのは、今の小坂氏のことを言われていると思う。まだ決つていない限りは全部ブランクです。ですからその日率の正副総裁を任命されるのに、その二人ともこれを必らず了承することを前提としなければ政府は任命されないのか、こういうことなんです。
  83. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 政府の意図を十二分に了承された方と思つて私はやつておりますから、さように御了承願います。
  84. 佐々木良作

    佐々木良作君 推薦されている方がそういふうであるかどうかは私知りません。問題庶政府が新らしい正副総裁を任命するについて、今の政府案を必らず了承することを前提とするかどうかということなんです。小坂氏のことじやありませんよ。誰でもそいつを前提とするかというのですよ。
  85. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 政府の案に反対の方は任命いたしませんから、政府の案を呑んで下さる方を認定するのであります。
  86. 佐々木良作

    佐々木良作君 そういうふうな問題は飽くまでも実体論……、そういうことであればいつまでも粘りますよ。そういう理由はどういうのですか。政府は原案を飽くまでも了承する人でなければならんという理由はどういうことですか。なぜそういう人でなければならんのです。
  87. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 再編成をいたしますのに支障を来すと考えます。
  88. 佐々木良作

    佐々木良作君 再編成が実際にできるかできないかは国会法案が通過した後のことです。そして初めて国会意思決定される。それまでのところ国家意思はありませんのですよ。どうしてそれがそういうことにならなければいかんのですか。そして而もですね、電気を現在扱つておるものが電気運営について、そうすると批判的な意見も何にも言つちやならんということですか。
  89. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 国会の承認を得なければ成立しないことはお話の通りであります。国会の承認を得るような案を作る前に、いろいろと支障がありまというと、いろいろ反対な案が出ますというと、従つて政府案ができ得ないことになりますので、その点は政府に協力する方を入れることが最も必要と考えるのであります。
  90. 佐々木良作

    佐々木良作君 これは何ぼやつても同じですからこの辺で止めますが、私はつきり申上げておきますが、日発の正副総裁を決める場合は誰を入れようとも、政府がどのように言われましても、あの場合には見返資金が今の紐付きであつて私はあの当時閣僚の言つてつた見返資金が十日経つうちに必ず出ると言われる。私は必らず出ませんと申上げた。恐らくは今一つも出ておりません。第一に先程江田さんからお話がありましたように、そこに政府が先ずすでに認定違いがある。認定違いがあつたならば、直ちに認定の間違いを改められてこ次のプラスの工作をなされるのが当然である。それがいつまでも次々と悪手を打たれる。碁打ちの場合にも最初の悪手が本当に悪手となつて、二番目、二番目と苦労をされる。一番最初に悪手を打つたら次にプラスの工作をされるのが当然だ。それは電力をめぐつて繰返される。或いは或る場合には横尾通産大臣だけじやなくて、今の役所の中のいろいろな策動が行われておることも十分知つております。今度稻垣さんが出た場合に誰が新聞発表をしてこれを傷つけたかという問題、次に今度の小坂氏がどういう推薦経過によつてどういうふうにやられたかということも承知している。そういうことを見ました場合に、私は今横尾通産大臣との間に一問一答を繰返しましたけれども、内容は結局何にもなかつたということを意味する。問題はすべてこの一連の問題がともかくも国民の前にベールで隠されて、べルを蔽つた中でともかくもわけの分らんことで次々に第二の悪手、第三の悪手が打たれている。国民はそういう印象を持つている。議員も全部そういう印象を持つている。ここで私は飽くまでも以前の悪手に拘泥されずに、悪い点に拘泥されずにすつきりした立場を取つて貰いたい。もうすでに冬の渇水の準備をしなければならんということになつておる。それが電力界を挙げてこの問題のために手当も何もできん状態になつておる。それは形式的に後任総裁を今すぐに任命するとかせんとかの問題ではありません。これは或いはこの後任総裁が来られた場合は、尚悪人なるという印象を政府は十分に感じておられると思います。その辺も十分に了承の上政治的に、或いは妙な恰好で問題を処理されずに、飽くまでもブランクな立場によられて、今の通産大臣としての任務を遂行されんことを特に御希望申上げたいのであります。江田さんのお話が出ましていろんな問題が入りましたけれども、いずれ別な機会になつて、次の悪手を重ねられますならば、欠の別な機会にこの電力問題をめぐるあらゆるスキャンダル、それに動かされた人、或いはその動きについて全部を公開するなり、どうでもよろしいですから、本格的な見解を求めたいということを考えていることを御了承願いたいと思います。
  91. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 先程お示し頂きました要網の十一の、かつて地方公共団体が云々の問題でありますが、これについて少し御説明をお願いしたいと思います。電力局長からでも……。
  92. 武内征平

    説明員(武内征平君) これは十と十一との対照によつてお考え頂ければよろしいと思います。十の方は地方公共団体が公共の利益を増進するために特に必要があるという場合におきましては、かつて電源を持ち、或いは配電事業をやつてつた、或いは発送配電をやつてつたということではなくてもそういう場合においては許可するという場合が十でございまして、十一の方は、かつて地方公共団体が所有しておりました電源、若しくは経営せる電気事業、又は工場、事業場が主として自己の用に供するため……この工場、事業場の方は自家発の返還の問題でありまして、それ以前にかつて地方公共団体が所有せる電源若しくは経営せる電気事業の復元に関しましては、これは委員会関係地方電力需給に著しく悪影響を及ぼすと認める場合の外はこれを認めると、即ち県或いは市町村が電気事業をかつてつてつたところは相当数があります。或いは單に卸売に止まつたところもありますし、或いは配電事業、小売ばかりやつてつたところもありますし、発電所を持ち、尚且つ一定の範囲内におきまして配電事業をやつてつたところもありまして、種類は大体二種類に分れるようでありますが、これは若し法案が通りまして、公益事業委員会が成立の暁に、この復元によりまして、関係地方電力需給が著しく悪い影響を残さないという場合におきましてはこれを認める。只今申上げましたのは十一のうあの公共団体に対する復元でございますけれども、自家発の復元につきましても、その関係地方電力需給に著しく悪い影響を及ぼすと認める場合の外はこれを認める。こういうような趣旨でございます。
  93. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 そこで問題は復元の問題なんですが、そうすると十の規宿によりまして、仮に公共団体電気事業経営する場合においては、かつて地方団体が持つてつたところの電気を復元してもいいと、こういうことになるわけですな。そうすると、その場合に復元の内容なんですが、それは大抵の公共団体というものは、いわゆる日発に対する株式の形式、或いは配電に対する株式の形式で昔取得したのですが、その株を返せばいいと、こういうことになるんですか、その点はどうですか。
  94. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 復元の具体的方法に対する御質問かと思いまするが、成る程当初これを提供した場合、それに該当する株券を貰つておりますので、理論的にそういうことも考えられますが、併し実際において当時の価格と今日の価格には相当大きな開きができておりまするから、簡單に株式だけを返せばいいというふうには参りかねると思います。大体現在の市価を基準といたしまして、どの程度に折合うかということが問題になつて参るものと想像するのですが、この問題は委員会の方で具体的に決定いたしますのであつて、今日まだそこまでは検討いたしていないのであります。さよう御了承を願います。
  95. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 再編成問題につきまして、内閣を代表するというとちよつと語弊があるかも知れませんが、岡崎官房長官の出席を要請してありまして、只今お見えを頂きましたので、各委員から御要求がありましたので御発言頂きたいと思います。ただお断りして置きますが、何か非常に時間が少いので十分以上を出られないそうですから、どうかその点をお含みの上御質問願います。
  96. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 官房長官に早速ですがお伺いしたいのですが、この電力問題を来るべき臨時国会に提出される予定であるかどうか、官房長官としての今日までの政府としての見通しをお伺いしたい。
  97. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 只今のところはできるだけ成案を急ぎしまして、臨時国会に提出したいと考えております。
  98. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 では今度の臨時国会に提出されるものとしての委員会として見てよろしいと、こういうことなんですね。
  99. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) さようでございます。
  100. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 大臣にお伺いしたいのですが、この見返資金が若し融資されない場合に、各メーカー及び日発あたりの損害は最初三十五億と我々は聞いておりましたが、先程の政務次官のお話では五十億ということをお伺いしたのですが、この五十億の損失をこの前の委員会でお伺いしたのですが、これは自発が負うべきであるか、政府が負うべきであるか、どちらでこの責任を持つのであるかということを質問したのですが、それをまだ考えていない、こういうお話だつたのです。で大臣といたしましてはこれに対する損失をどちらが責任を負うべきであるか。工事命令は政府が出しているとするならば、この損害を政府が負うべきであるかどうか。この点を大臣としての見解を御説明願いたいと思います。
  101. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと水橋委員にお願いをいたしますが、官房長官は今のような事情で急がれておるそうでありますから後に廻して頂きたいと思います。官房長官に御質疑をお願いいたします。
  102. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 ではそれは後にいたします。
  103. 江田三郎

    ○江田三郎君 先程官房長官は臨時国会にこの法案を提出したいということをおつしやいましたが、その臨時国会はいつ頃開かれる予定でございますか。
  104. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 只今御承知の通りドツジさんも見えておりまして、いろいろ予算の問題等についても協議中でありますので、まだ正確な見通しはついておりません。準備のでき次第やるつもりでおります。
  105. 江田三郎

    ○江田三郎君 準備のでき次第おやりになるとしても、臨時国会を開かれるということだけは間違いないのかということ、それから臨時国会要求については、すでに他の問題で議員の方から衆議院も参議院も正式に憲法に基く臨時国会の要求が出ておるわけですが、それが今日まで開かれずに非常に延びたという理由は何であるか、この二つをお伺いいたします。
  106. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) それはいろいろ思いがけないと申しますか、朝鮮の問題等がありまして、いろいろ将来の経済の情勢に関する見通し等も新らしく考え直さなければならない点もありますし、その他国際関係等も考慮いたしまして政府の方では準備を鋭意進めておるわけであります。それやこれやで臨時国会の開催は延びておりまするが、臨時国会を開くということについてはこれは間違いないわけであります。必ず開かれるわけであります。
  107. 山田節男

    ○山田節男君 官房長官が見える前に責任の通産大臣に二、三の委員から質問があつたわけですが、併し明答が得られなかつた。私は再び官房長官に前以て申上げますが、この質問する理由は、見返資金が一日も早く出され、今の窮迫したこの建設工事を一日も早く実現したい、こういう意味で申上げるのですから、さよう御了承の上御返答願いたい。  それはさつき江田委員或いは佐々木委員からも指摘された通産大臣への質問でありましたが、この日発の総裁、副総裁の辞職勧告問題、それから稻垣君の総裁の風説、それが更に進んで小坂君になつておる、これは我々新聞で見ておると非常に二転三転して、このことが電力編成の問題、それに欠くべからざる見返資金融資許可、これに非常に私は重大なこれは何と申しますか、障害になつておると思います。今その経過を佐々木委員、江田委員からも求められたのですが、通産大臣としては、稻垣君の場合は私は與り知らん。それから小坂君の場合はこれは発令された後において説明する、こういうことであつたのですが、勿論官房長官としてこの点については責任大臣ともいろいろ協議があつてろうと思います。このことは先程申しましたように関係当局に対してもう非常に心証を害するというか、ますます以て業者の建設工事のための資金窮迫をますますこれは悪くしていると思います。ですから官房長で知られる限りにおいて自発の総裁、副総裁の辞職を実現した根本理由、それから稻垣君或いは小坂君の総裁についてどういう経過でありますか。それから小坂君の日発総裁任命について新聞で窺う限りにおいてもいろいろと自由党内でフリクシヨンがあるように聞いておるが、こういうようなことが我々、殊に委員会として非常に憂えておる次第でありますけれども、これをできるだけ一つ具体的に真相を暴露するということでなくて、真相をこの際はつりして頂きたい。この点について一つできるだけの御明答を煩したいと思います。
  108. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 第一の点、つまり正副総裁に対する話はここにおられる通産大臣がなさつたものでありまして、私も通産大臣から伺つておるだけであります。併し通産大臣は他の国会委員会においても確かお話になつたと思いまするが、それの又聞きをここで受け売りをするようなものでありますが、御本人から聞いたんだから間違いはないと思います。通産大臣は個人として、且つ友人として今辞められることが一番諸般の事情からよろしいという考えで勧告されたかと考えております。非常に簡単のようですけれども、それが真相だと思つております。  それから稻垣さんの問題については、新聞には出ておりまするが、私も知りません。そういうお話があつたのやら、或いはどの程度つたのやら、その点は存じません。小坂さんの問題につきましては通産大臣がここで言われたと今おつしやつたように、いずれ御説明はなされると思いますが、ただ今のお話に自由党内部にあいてもいろいろ議論があるということでありますが、これは私は任命が決まるまでは重要な人事でありますから、党においてもいろいろ議論があるのは当然であり、又これは決して答むべきごとではないと思つております。ただ党の総裁なり幹部なりが決めまして、又政府側で以てその責任の衝にある人が決めて、はつきりとなりますれば、自由党の内部においてもそれに従うごとと思つております。これがつまり当り前の話でありまして、決まるまではいろいろ意見であるでしようが、決まればそれによつて統一されるものと考えておるわけであります。それでこうごたごたしては見返資金影響するだろうというお話でありますが、新聞ではいろいろ言われておりまして、成る程ごたごたしておりまするが、見返資金の問題に影響があるかどうか、これは通産大臣の方がよく御存じだと思いますから、お答えは通産大臣にお願いしたいと思いますが、私の見るところでは特に悪影響があるとは考えられないような気がいたしております。
  109. 山田節男

    ○山田節男君 そうすると、稲垣君の総裁説というのは、これはもう単なる風説に過ぎなかつたということで了解いたします。それから今これは確か首藤政務次官からの御説明があつたのですが、参議院の電力委員会が九月十四日にケネディ氏に会つたときには、電力の再編成法案国会を通過すれば、それを電力編成の完了と見る、それが実現されない限りにおいては見返資金は出さないということをはつきり言つておるわけであります。そうすると今日発の陣容を変えて、そうしていわゆる再編成の方に同調して努力する総裁、副総裁を任命してやれば見返資金は必ず許可になるんだ、こういう一つのウイツシユフル・シンキングといいますか、希望的観測を持つてつております、こう言われた。少くとも自由党の内閣の官房長官として、前外交官として渉外関係の一とをやつておられるんだという仮宅の下に質問するんですか、こういう希望的観測が一体実現し得る可能性があるのかどうか、これは私は今後の電力委員会審議上、重要な一つの課題になると思うのですが、官房長官としてはそういう政府責任者が言つておるようなウイッシユフル・シンキング、そういうことをしていいのかどうか、これは必ず実現するかどうか、官房長官はそういうように認められるのかどうか、それを一つお聞きしたい。
  110. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) これは今お話のように、見返資金が出て工事が継続されるということは非常に重要なことであります。これは御同様に政府でも工事中止なつちや大変だという考えからあらゆる努力をしておるのであります。その中には無駄と思われる努力もあるかも知れませんが、無駄でない努力も無論あるわけであります。でウイツシユフル・シンキングとおつしやしましたか、無論出てみるまでは出るか出ないか分らないのでありますから、最善の努力をするよりいたし方ないので、通産大臣外、通産省の当局がやつておりますことは、要するに見返資金を早く出すようにあらゆる努力を試みたいということだろうと思いますので、それによつて出るか出ないか確答しろとおつしやつつもこれは相手のあることでありますし、私にも分りませんが、極力努力しておられる事実だけは私もはつきり認めております。これによつて成功することを祈るばかりであります。
  111. 山田節男

    ○山田節男君 今の質問した理由は先程申上げたように先月の十四日、参議院の電力特別委員会の代表者が関係当局責任者と目される経済顧問であるケネディ氏に対して質問した回答が、この再編成法案が成立しなければこの見返資金の問題は論議の余地なしということをはつきり言つておる。これは国会に対する一つ意思表示であります。こういうことがはつきりいたしておつて、これは政府に対してはそんなことは言わなかつたといいますか、こういつたような国会に対する明瞭な意思表示があつたに拘わらず、最も責任ある政府がそういうウイッシユフルシンキングでやるということはこれは私どうも解せない。であるからして今のような御質問を申上けたのだが、そうすると今官房長官のお話によると、政府に対しては国会に対すると同じような明瞭な意思表示はなかつたと見てよいかどうか、この点お答え願いたいと思います。
  112. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 政府側におきましても電力編成法案国会を通過すれば見返資金は必ず出ると、これ、は確信しております。併しながら、その前にでも何か出る方法はないか、無理でも何とかならんものかというので努力しておるのが現状であります。ですからその努力は無駄になるかも知れませんが、あらゆる努力をして、できるだけ早く出したい、こういうつもりでやつておるわけであります。
  113. 佐々木良作

    佐々木良作君 官房長官にお伺いいたしますが、御存じのように今先程もお話がありましたように、日発の正副総裁の後任という問題が今目下の問題になつております。これにつきまして、政府は後任の正副総裁を選任される基準を政府としてはまだ確定していない。今度の再編成案を丸呑みにするということを前提として選任される予定であるかどうか、私はこの問題は別に、フエアーな人であるということが恐らく選考の基準になつてつたのだと思つたのですけれども、必ずしもそうでなさそうなお話があつたのですが、念のためお伺いいたします。
  114. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) これはもう常識でもお分りになると思いますが、只今まだ決定いたしておりません。法案丁を丸呑みにするというような條件を出すわけはないのであります。
  115. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうしますと、後任にどなたが見えるかも知りませんが、後任の正副総裁が再編成問題につきまして電気技術、或いは公共の立場からこれに対して批判をし、意見を述べることはこれは自由だとお考えになりますか。
  116. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 法案決定する、案として決定する前にはいろいろの意見が出るのはこれは当り前だろうと思つております。
  117. 佐々木良作

    佐々木良作君 それ以上追打ちはいたしませんが、先程通産大臣にお伺いしました場合の意見とは相当に食違つておることを速記録を後で十分お調べになりました上で、この問題の御善処を願いたいと存じます。
  118. 江田三郎

    ○江田三郎君 この電力の問題につきまして、今更申上げるまでもなく、関係筋からこれについて大きなスキャンダルがあるということが指摘されて、衆議院の考査委員会ではいろいろやつておられるわけですが、この問題はただサゼスシヨンを受けた衆議院の考査委員会だけがやるのでなくして、政府自身としても日発というような政府と特別な関係のある会社の問題については十分に調査をしなければならんと思うんですが、この問題について政府として今までに何か御調査をなさつたかどうか、或いはその調査をなさつておられれば今日まで明らかになつた点を御報告願いたい。
  119. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 政府の部内におきましては、こういうものの調査は法務総裁の下において主として行われるわけであります。法務総裁の報告によりますと、今までのところ何と申しますか、疑獄事件のようなことには識拠若しくは材料というものは発見しておらないということであります。
  120. 江田三郎

    ○江田三郎君 若し政府の枢要な立場にある人が仮に将来疑獄等の関係が出て来た場合には、政府としましては或いは総辞職というような措置をとられますか。電力の問題は今日本の経済にとわまして最も重要な問題だと思います。その点の政府のお考えを承りたいと思います。
  121. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 政府としては現政府の枢要な地位にある者がこういうことに引つかるようなことはないと確信しております。従いまして只今のような仮定の御質問にお答えする立場にないのであります。我々はそんなことはまだ一度も考えたことはございません。
  122. 江田三郎

    ○江田三郎君 これは外の方から取上げられたのでなくして、関係筋の方から出された内緒というものは相当私は根拠を持つて出されたと思うんですけれども、それについて政府がどれだけの調査をされたか、法務総裁でなければ分らんと言えばし方ございませんが、ただ簡単な調査で以てそういう強い発言をしておられて、後になつて仮にもそういうことがあつた場合にはやはりそのときのことも考えなければならん。どうされますか。
  123. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 私はやはりそういうことはないと確信しております。
  124. 江田三郎

    ○江田三郎君 一応この問題は今ここで細かな点に触れてもいけませんので、我々としましても或る程度の根拠を以て発言しておりますけれども、これは委員会め後程の問題にしたいと思います。それを附加えて置きます。
  125. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私がちよつと官房長官に念のためにお尋ねをして置きたいことがあります。それは日発の後任総裁の問題でありまして、小坂候補の問題については大体只今までの論議で意見があるないは別としまして明らかになつたわけでありますが、稻垣氏の問題であります。これは新聞にも三、三報道されたことも事実でありますし、政府筋からのいろいろな意見があつたことも私は大体事実だろうと思いますが、これについて横尾通産大臣は完全に否定されました。関知しないと言つて否定されました。又官房長官も関知しないと言つて否定をされたんですが、然らば吉田総理大臣を含めて現閣僚は誰一人稲垣問題については御存じないのか。閣僚の中にどなたか一人くらいは関係された人があるのかどうか、この点を一つ。
  126. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) その点は、私は確かめておりませんから只今お答えするわけには参りません。只私に対する御質問でしたからして、私は知らなかつたということを申上げただけであります。
  127. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、分らないということであつて、あつたかも知れないということがその中に入つているわけてすね。
  128. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 私は知らないということしか申上げられないのです。知らないのであります。
  129. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、もう一つ伺います。少くともですね、総裁問題で内閣を挙げて、もう少し誇張いたしますならば、党を挙げて非常に苦慮されておる問題であつて、而も更迭の最初に稲垣氏の問題が新聞に報道されてああいうような恰好で取上げられた場合に内閣としてですね、各大臣一人もこれに関心をお持ちになつていなかつたということは政治常識上どうしても考えられないのでありますが、その点はどういうのですか。
  130. 岡崎勝男

    説明員(岡崎勝男君) 私の見るところでは、この問題につきましては主管大臣である通産大臣の良識に信頼しておりまして、閣僚も別に心配せずに通産大臣のお考えの決まるのを待つているのだろうと思います。それで別に騒ぎ立てなかつたのだろとこう思つております。内閣に関する限りは閣議といたしましても、非常に常に和やかにやつておりまして、主管の大臣のやることは殆んど主管大臣に任しておるというような状態であります。それから主管大臣から報告されるならば、総理からお話があつたなら……。ということになつておるのであります。
  131. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうすると、もう一つ横尾大臣に戻つて御質問いたしますが、先程来横尾大臣は、後任総裁に非常に苦慮されていることをしばしば伺いました。そうして今私が官房長官に質問を申上げましたような趣旨から申しましても、最も苦慮されておつた後任総裁のことでありますから、新聞に出た当時からいたしましても、恐らく関心をお持ちになつてつたと思いますし、そういう話が出るならば必ず何らかの形で調査もされたでありましようし、いろいろとその経過について主管大臣としての責任においていろいろ話なしをされたと思いますが、先程のお話ですと完全に否定されたんですけれども、本当にそうであるのかどうか、もう一つ念のためにお聞きしたいと思います。
  132. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 今のお話は、私には誰も稻垣さんを推薦した人がないのであります。私は稻垣さんに対して何らの関心を持つていなかつたので、新聞には書いてありますけれども、これは私は関知せないことである。
  133. 石坂豊一

    石坂豊一君 私の出る幕じやありませんが議事進行について。実は今見返資金等の関係関連しまして、日発総裁、副総裁の退職した場合、あとの補充のことが問題になつておるので、この事実を極めて明らさまに国民に知らしめるということは、これは必要だと思います。これについていろいろ疑惑を持ち、これに質疑応答があるのは当然でありますが、すでに立ち消えになつつてしまつて問題になつておらんものを蒸返して、あれはどう、これはどうということを委員長がおつしやることは、これは却つて議事の進行上面白くないのですが、それよりは今現に問題にされておる総裁が何が故に速やかに任命ができないのか、又総裁、副総裁は日発がたとえ解散されようとされまいと、当面しているところの問題は台風によつて被害があつた。それを復旧す喝ために日夜寝食を忘れて皆職員が心配しておる。その際において頭株の者はぽかんと大事のときにおいて替えられるということに余程のことでなくちやできないので、先程来通産大臣が説明するところによると、解体されるときに当然罷められるのであるから、この際にできれば今罷めておいた方がいいだろうとおつしやるが、国民はあなた方の行動について彼れ此れ疑惑を何するのでないけれども、私は新聞記事に現われておるところによるとかように考えておる。即ちこれは與党が言い出して、そうして通産大臣を呼びつけて総裁、副総裁罷めろ、こうなつてそこで横尾君が早速総裁を呼んで罷めさした。そうしてあとの後任については甲もあり乙もある、そうして当局の支持しておる者が、いわゆる総裁の側近の者共が牝鶏曉を告げたような恰好になつてつたのである。こういうことになつておる。如何にも私共は吉田総裁を仰いでおる與党の一人として、その点について誠に心配をしておるわけであつて、聰明なる総裁がさようなことは惑わされるわけもなかろうし、若しそういうことがありとすると、これは非常によくなしことである。例えば民主主義はよろしく硝子張りの中で処理されなければならん。推薦すべき機関でもない者がやるからにそれが実現されることになると、政党政治としても民主政治としても非常に由々しい問題である。私は先程来の通産大臣の答弁で、自分が全責任を持つて処理されたということになれば、これ程結構なことはないと思う。たとえ與党が何と言つても総裁、副総裁の任命については政府がこれを握つておる。私が処理する。諸君に彼れ此れの指示を受けないというくらいの見識ですぱつと処置を取る。処によつて適材を挙げられて行くことについて私は何も言うことはない。言を左右にしていろいろ新聞の発表することと違つた説明をなされるからますます迷宮に入つて、どうも盡くるところを知らんということになる。でありますから、私はその点について通産大臣は全責任を持つて自分の所見を以てやつたんであるという一言で以てこの問題は打切れる筈じやないか。そういうような権限を持つておる大臣に対して、その要求するところはいつまでもこれを解決せずに毎日毎日お引摺りになるということは、先程官房長官は見返資金についてそう心配はないとおつしやつた。心配はないどころじやない、毎日毎日日発の事務が澁滞する。このことをお考えにならなければならん。日常国民生活と密接な関係がある日発の事務が停滞する。現にその証拠を述べると言えばいつでも言います。そうなると、今日国家再建の途上にある。我々として申上げるまでもないことで大変なことであるから、余程通産大臣が責任を痛感されて速かにこれを決定され、所信を持つて断行されるより外ばない。伊その辺は佐々木君などの意見もあるのでありますが、あなたと佐々木君の意見の相違である。どうも仕方がない。それを明瞭にここにあなたが職権において、全責任を持つて委員の納得するようにせられたい。どうも我々見るところによりますと、我々與党の一員でありますけれども、何でも衆議院でも片付けるように今電力特別委員で星島君が委員長になつてつておるが、我々にはこれつばかりも相談がない。そうして参議院というものは関知せられない。衆議院は與党の勢力で一気呵成に怒濤のごとき勢力を以て押し倒すことができるけれども、参議院はそうは参りません。かく申す我々自由党員であるけれども、正しからざることについては敢然立ちます。それ故に参議院についての了解は、もつと誠意を持つて得るようになさらんことを私この場合議事進行に併せて申上げます。
  134. 江田三郎

    ○江田三郎君 再編成要綱について一二承わりたいのですが、曾てストライク財団の方が電力開発についてこちらにお出でになつていろいろ重要な進言をされたと思うのですが、ストライク財団としては再編成については何か意思表示をされたことはなかつたのかどうか、あればどういう意思表示をされたかということが一つと、それから第六に書いてありますところの公益事業委員会の問題ですが、これは先般各地調査に出られました委員報告を聞きましても、多くのところで公益事業委員会地方委員会を必要とするという要望が強かつたように思うのですが、この政府の要綱に書いてあるところの公益事業委員会はどういうものであるか、その点についてどういうように考えられているのかということ、それから第八の資産再評価その他の事情によつて料金が陣上げになる場合止むを得ないが、合理化により極力その低下を図るということなんですが、一体この合理化により極力その低下を図ると言う以上は、現在の経営に不合理な点があるということを認められて書かれているわけでしようが、どういう点が今後合理化し得る点か、その点を説明願いたい。
  135. 武内征平

    説明員(武内征平君) 第一のお話のストライク、ミッシヨンのことですが、これは御承知のように曾てストライク、ミッシヨンで来られた方が中心となりましてオーヴアーシー、コンサルタントインコーポレーテツド、O・C・I・というものを作つでおりまして、御承知のように只今建設中の電源開発についての技術的面からいろいろ援助を頂くということで、自発との間に契約ができまして、契約成立までにお二人ばかり見えたのですが、契約が正式にできましたので数名の方が近く来られて技術的の指導をするということになつております。もともとお二人の方が来られたのはこの技術的指導の契約に来られたのでありまして、実は日発との接触においてこの話ができたのでありまして、我々も直接これらの方々に実はお目にかかる機会がなかつたのであります。特に私はこの方々から再編成に関する御意見が出たようには聞いておらない。私は実はその方々の御意見を直接聞いたことがないのでありまして、又今回正式に契約ができまして来られるという場合におきましても、技術の指導に限るというようなことに関係筋の御了解も得ておる。それから第二点でございますが、公益事業委員会地方の事務局のお話でございますが、実は公益事業委員会委員制度の行政機関でございますが、その下に中央に事務局ができることは勿論でございますが、アメリカの公益事業委員会と多少違いまして、今暫くは電気の足りない間は少くとも需給の調整というようなことがございますので、日本公益事業委員会はただ料金の調整というだけでは済みません。さようなことになりますと、地方の事務局が必要となつて来るのであります。幾つの事務局を如何なる地方に置くかということにつきましては、只今決定をいたしておりませんけれども、相当の数の地方の事務局を、大阪でありますとか、或いは名古屋でありますとかいつたような、概ね現在の通商産業局のある地方には必要ではないか、かように只今考えております。第三は合理化の問題でございますが、御承知のように電力料金に入つておる原価計算で大きい事項は給料問題、それから石炭と補修費でございます。石炭の問題につきましては、一キロワツト出しますのに、石炭の使用量大体一トンで千キロワツトアワーということに一応なつておりますけれども、千キロワツト出すのに〇・九トンで起せるということになりますと、相当大きい節約になる。我々といたしましては、この燃料を節約するような設備的改良というようなものは、たとえ一時的には金がかかりますけれども、将来に亘つての合理化という面からは、非常に大切な点でありますから、この点火力を入れる。それから成るべく人手は省いてそうして能率を上げて行く。そうして一人の人には余計賃金を拂つても、成るべく少い人で能率を上げて行くというような程度であります。それから修繕費でございますが、これは御承知のように火力につきましてはどうしても定期修理というものが必要でございます。併しながら今後の審議に当りましては、成るべく能率のよい発電所に力を入れまして、もう直しても余り使えないというようなところには、主力をおかないといつたような、修理の方法等につきまして考えるというようなことが、電気事業の合理化につきましてはまだ外に多々あろうと思いますけれども、大きい三つのアイテムである、かように考えております。
  136. 江田三郎

    ○江田三郎君 この給料と石炭と補修費を挙げられたわけですが、給料の問題についてはまだまだ人の整理が可能なようなお話でありましたが、現在の電気の方の従業員の余剰人員があるというお考えなんですか。
  137. 武内征平

    説明員(武内征平君) 只今の電気事業の使用者は十四万三千程度と思います。勿論これは余剰の人員があるかどうかということにつきましては、経営者みずからが御判断になることでありまして、我々はその御報告を聞き、又実際に業務監査等もございますから、それから勿論我々といたしましても愼重に研究しなければならんのでありまするが、その余剰があるかどうかということにつきましては、経営者みずからお考えになるべきことだろうというふうに考えております。
  138. 江田三郎

    ○江田三郎君 少くとも通産省としては人員の問題がまだ削る余地があるとお考えになつておるわけですか。
  139. 武内征平

    説明員(武内征平君) これは実は関係方面からもそういうことをよくサゼツシヨンを受けております。御承知のようにアメリカは現在二十七万ぐらいの人で、約日本の七・八倍に当る、キロワツト・アワーを出しております。それから比べますと大変多いように見えますけれども、併しながら設備その他が違つておりますので、アメリカのようなケースで物を考えることはできないと思います。併し比較的には多いということは言えると思いますが、併しながらどこの部分が多いかというようなとにつきましては、これは経営者自体の問題である、かように考えております。
  140. 江田三郎

    ○江田三郎君 この関係筋の方で人の整理を必要で、人の整理ができ得ると考えておられて、而も将来外資がこの方面に入つて来るんだというようなことが出ておりますが、そうなるというと将来の電気事業合理化の線は專ら人の面に主力が置かれる、こう解釈して大体いいわけですね。
  141. 武内征平

    説明員(武内征平君) 主として人の問題ということを申上げてはおりませんです。やはり石炭の節約といつたような点は非常に電力料金の補正上大きいことだと考えております。
  142. 江田三郎

    ○江田三郎君 併し関係筋の方で人の節約の余地があるということを認めておられ、而も外資は導入して来るんだというようなことになつて来ると、勢いそれが重要な要素として取上げられるということはありますね。
  143. 武内征平

    説明員(武内征平君) これは先般の整理以前におきましては非常に人の数のことを言いましたが、実際のところ私はその後のことを聞きませんですが、併し或いはそういうことがあり得るかも知れないと思います。これは勿論想像と申しますか、でありますから、正確なことは申上げられません。
  144. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 只今江田委員からの質問で、重ねて御質問がなかつたの関連して質問するわけでありますが、即ちストライク・ミッシヨンの日発電源開発の契約について見返資金を出すか否かについても、日本電気事業の再編成がその前提であるということを言つておる矢先におきまして、実際にここに電源開発の具体的な契約をするストライク・ミッシヨンが日本電気事業の再編成について何らの意思表示もして行かなかつたということはこれは考えられないのです。現在只今の御答弁では全然そういう発表をされていないし、又自分も直接聞いていないとのことでありますけれども、これは我我の方では或る一つの意思表示をしておるということをば聞いておるわけなんでありますが、政府におきましては全然このストライク・ミツシヨンの御意見はなかつたというふうに飽くまでもおつしやいますか、その点一つお伺いいたします。
  145. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) ストライク・ミツシヨンから政府に対しまして、分割案に対するところの意見の開陳は何らなされておりません。ただ風聞的にさようなことがよその面で行われたという点は聞いたことはありますけれども、それ以上の具体的なあれは何もないのであります。
  146. 三輪貞治

    ○三輪貞治君 それでは只今電力局長の御答弁では、ストライク・ミツシヨンが近いうちに見えるということでありますが、一体その近い機会というのはいつ頃であり、それが判明したのはいつ頃でありますか。
  147. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) これは日発からの報告で、これは正式な報告ではありませんが、話によりますると、大体今月の二十日には見えるであろうということを開いておるのであります。
  148. 佐々木良作

    佐々木良作君 関連して。先程の電力局長が江田委員に答えられた話の中にその〇・C・Iとの契約ができて来るという際に、関係当局からも技術、指導に限るというふうに言われておりまする云々というお話でありましたが、これはどういう意味ですか。契約面には当然そういうことになつておるわけですか、何故そういうことになるんですか、他の行動を禁止したと見ていいのでございますか。
  149. 武内征平

    説明員(武内征平君) 別に禁止したということでなくて、御承知のように契約の内容を御覧になれば非常に技術的のことでありますから、技術の指導ということであれするという軽い意味であります。
  150. 佐々木良作

    佐々木良作君 それはどこから、例えば海外との貿易契約をしてもこれは契約面に現われて来ることが当然の契約内容でしよう。その際にあなたは技術の指導に限るということを関係当局も言つておるから、それで許可した云々、こう言われたわけですか。
  151. 武内征平

    説明員(武内征平君) 契約を政府で認可いたします際に、関係筋に一応伺いを立てたのであります。そのときに簡単なメモということではありませんけれども、そういつた趣旨の文章を頂いております。そのことをちよつと申上げたわけであります。
  152. 佐々木良作

    佐々木良作君 そのメモは誰から誰宛てに出されていますか。いつ……。
  153. 武内征平

    説明員(武内征平君) 手許に持つて来ておりませんので、よく調べましてお答え申上げますが、ケネディさんから出たことは確かであります。
  154. 佐々木良作

    佐々木良作君 誰宛てですか。日附けは。
  155. 武内征平

    説明員(武内征平君) 目附けはちよつと持つておりませんので、調べます。
  156. 佐々木良作

    佐々木良作君 あとでそれはお願いします。もう一つその内容は、ミツシヨンの来られる方がその電源開発の技術、指導以外のことを一口もしやべつてはいかんということか、或いは電気関係しておる者が従業員も全部含めて受けておる技術指導以外のことを一つもしやべつてはいかんということになるか、その両方を含んでおるのか、お答え願いたい。
  157. 武内征平

    説明員(武内征平君) その点は一応飜訳いたしたものを持つて参りましてなにしますが、もう今おつしやられましたような広い範囲ではないと、こういうふうに一応考えております。
  158. 佐々木良作

    佐々木良作君 その問題は一応止めます。それで先程江田委員とのお話の中で企業合理化云々の問題の中で、人員の問題が出まして、関係当局も云々という話が出ましたが、その関係当局はいつ誰に向つてそういうことを言われたか。
  159. 武内征平

    説明員(武内征平君) 私も数回伺つております。ただいつ何日という日まで覚えておりませんが、整理以前におきましては数回伺つております。
  160. 佐々木良作

    佐々木良作君 整理以前の話ですか。
  161. 武内征平

    説明員(武内征平君) さようでございます。最近は余り聞きませんです。
  162. 佐々木良作

    佐々木良作君 そうすると、この再編成案要綱云々のことが出たときにはもうすでに整理以後になつておりますから、特に事務当局として物を言われる場合には特に気を付けて貰いたいという希望を申上げておきます。整理以前の話のやつを、今問題になつておるのはこの問題です。その中で似たようなものを広めかされるということは非常に迷惑ですから、以後気を付けて頂きたい。
  163. 結城安次

    ○結城安次君 ちよつと、要綱についての字句をお伺いしますが、第四の電源というのはどういうような……。
  164. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 発電所のことを表現しておるわけであります。
  165. 結城安次

    ○結城安次君 そうするとこの再分割の、仮に分割をしたとした場合に、どこの発電所とどこの発電所と行つたとした場合に、それ以上はよそへは電源は参らんということに了解してよろしうございますか。例えば北陸地方の甲乙の発電所とした場合に、その後大阪が如何に電力需用増加しても丙丁戊は行かないと了解してよろしうございますか。
  166. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) さようではないのでありまして、これはいわゆる電源の帰属という問題につきまして、全部をその所在地にできまする配電会社に帰属せしめるという案と、それでは消費地の方で到底承認せんであろうという御意見で、いろいろ折衝いたしました結果、一応或る程度幹線は消費地の方の配電会社につけるべきではないかというのがこれの原則であります。従つて電力需給は別の面でありまして、それ以上現在の実績から考えましても、到底その帰属せしめた電源の電力で充足はできないのであります。この需給関係はすべてそういうことを拔きにしまして、大局からこの委員会全国的な需給関係を見まして調節をするということに相成つておるのでありまして、電源の帰属とは別個に考慮することにしております。
  167. 結城安次

    ○結城安次君 どうも今政務次官の御説明では納得できないのでございますが、初めには発電所という意味で、その次には水系というようにも取れるし、その後になると委員会でこれを決めるのだというようになつておりますが、どれなんですか。
  168. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 只今結城委員の御質問は、一応電源の帰属が決つた場合、それに過不足ができてもそれは放つておくのかという御質問のように承りましたので、そうはなくして、電源の帰属と電力需給は別問題として考えまして、電源は、これこれの発電所はこれこれの会社に帰属せしめるということになりまするが、需給の問題は委員会の方で調節するということに考えておるのであります。
  169. 結城安次

    ○結城安次君 そうしますと、今の政務次官の御説明需給関係、つまり電源を持つておるのではなくして買電するという意味ですか。或いは発電所そのものが関西なら関西に付くという意味ですか、どつちですか。
  170. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 仮定的な御説明になりまするが、例えば甲の電源、発電所が関西に帰属いたした、ところがその甲の発電所は十万キロである、関西は三十万キロ要る、そうした場合二十万キロ不足する、それはそれだけ関西では買電するということになつて参ります。
  171. 結城安次

    ○結城安次君 もう一つ第十と十一の関係ですが、十の方は譲渡、譲り受けという字を使い、十一は復元という言葉で、ちよつとすらすらと読むと如何にも両方の間に扱いが非常に違うように考えられますが、ちよつと見ると、十の方では讓り受けするのだから、若し調停できなかつた委員会でこれを決定する、十一にはそういうことがなくて、ただ復元して、つまり復元を許可すればもうそれでそのまま買えるということになつておりますが、その場合の価格とか何とか、これはどうなりますか、今度の何では新旧全部の日発配電すべてが解体されて、新たに全部できるもののように了解しておりますが、やはり差別はつけるのですか、どうなんですか。
  172. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) この委譲する場合の価格でありまするが、現在のところまだ具体的に何ら決定しておりません。挙げて委員会の裁定に任せるという考え方を持つております。併しながら常識的に考えまして、戰前公共団体がこの日発に吸収された当時の情勢と今日の情勢はここに格段の相違を生じおりまするから、当初譲渡した場合の価格そのままで復元するということは至難ではないかというような考え方を持つておるのであります。
  173. 結城安次

    ○結城安次君 第十の場合には、両者の調停がでてなかつた場合のことを書いてあるのでありますが、十一には書いてないのは、何か特別の理由がありますか。
  174. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) 十の場合と十一の場合の相違でありまするが、十一の方は只今申上げましたごとく、戰前公共団体或いは事業者団体自家用として持つてつた発電所が自発に吸牧されている。従つて今度は復元して貰いたいというその復元の方法を十一で表現してあるわけであります。十の方は例えばこの発霊所の電源の問題でありまするが、一戦電源の帰属は決まつた。更にこれではどうしても只今新らしい会社では不足する、買電その他では困る、そこで安心し得るように発電所を買収いたしたいということも又起り得るのじやないか、そういう場合のことを十の方で挙げてあるのでありまして、その場合は両者の間で一応協議をして頂し、併しその協議が整わない場合には委員会がこれを裁定して最終的な決をするというような意味でこれを書いたのであります。
  175. 結城安次

    ○結城安次君 私の伺つたのは、十の場合には話合いが付かなければ、委員会でこれをやる、十一の場合にはそれがないのはこういうわけですかと伺つている。十一の場合もやはり協議が整わなければ、十の場合のごとく委員会で決めるのですかと何つている。
  176. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) さようであります。その場合もやはり委員会がこれを裁定するというように考えております。
  177. 結城安次

    ○結城安次君 書いてなくともそうなんですね。
  178. 首藤新八

    説明員(首藤新八君) そうです。
  179. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 皆様にちよつとお諮りいたしたいのですが、大分時間も経過いたしましたが、まだ電力委員会としての今後の議事の運営につきまして重要な御相談もあろうかと存ずるのでありまして、一応早目に政府側と御対戦願いたいと思つているわけであります。質問をさような意味で一つ御展開頂きたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  180. 森下政一

    ○森下政一君 通産大臣が要綱を説明されたのですが、説明を殆んどなさらなかつたところが第七項であります。これを一遍とにかく説明を聞きたいと思います。  もう一つ、この第十三項に「地方公共団体指定会社及び新会社の株式の取得」云々とありますが、指定会社、新会社と分けてあるのは、どういうことを考慮しておられますか。その二点をお伺いいたしたい。
  181. 武内征平

    説明員(武内征平君) 第七でございまするが、只今は日発が殆んど全部の発電所を持つておりますので、自発が自社内で融通と言えば融通ですが操作をいたしているわけであります。ところが新会社になりますと、新会社は必ずしも所属電源とそれから需用とが合致をいたしません。需給が必ずしも合致をいたしません。そこで電気の公共性からいたしまして不足する地帶には比較的余裕のある地域から需給計画におきまして供給する。即ち融通契約に基きまして融通をするということが起るのであります。併しこの場合に単に特別の機構を持たずに会社間でやれるかというと、多少我々といたしましても不安があるのでありまして、やはりここで言いますように機構が必要じやないか、それは各新会社の契約に基いて一つの例えば融通委員会といつたようなものを作る。これは併しながら政府の機関ではなくして、会社間が申合せて作るのでありまして、従つて会社間の融通は会社の契約に基きましてその機構を作る、そうしてその機構の指令には従うという、こういうふうな機構を作つて、その機関の実施すべき項目には、この契約の履行とそれから公益事業委員会が公益上の必要から命令を発するという場合があるのでありますが、その二つを実施するために各会社間の申合せによる機関を作ることが必要な場合には、委員がそういう機関を作ることを命ずることができる。こういう趣旨でありまして、国家の機関でなくして、会社の契約に基く機関を作ることを命ずることができるという趣旨でございます。  それから十三でございますが、御承知のように只今地方公共団体日発配電を通じまして大体一〇%ぐらいの株式を所有いたしております。ところが第七国会に提案されました法案におきましては、地方公共団体は現在の会社の株を三年以内には少くともこれを処分しなければならん、こういうような規定になつてつたのであります。併しながらそれは地方公共団体に対しまして酷であるというところから、これは新会社成立後も地方公共団体がその株を持ち得る、而も前の提案におきましては決議権のない株ということになつてつたのでありますが、これは決議権のある株をそのまま若し公共団体が保有したいということであれば持つて行けるようにしたいというのが十三の趣旨でございます。
  182. 森下政一

    ○森下政一君 只今の説明の第七ですね、そうすると、会社間で電力需給関係で契約を結ぶ、ところが単にその契約を履行するのを会社だけに任しておいたのでは履行されないということが予想される、その点甚だ不安だというわけですね。そこでその契約当事者或いは双方の会社が協議の上で別の機関を設けると、こう解釈していいわけですか。若しそうであるならば、需給関係の契約が発生するたびにその会社双方の間にそういうふうな機関を設定して置かなければならん、こういうふうに考えられますが、そうですが。
  183. 武内征平

    説明員(武内征平君) 大体東北地方は関東の方に年々今までの実績におきましても相当数量融通いたしております。それから北陸地方は関西の方に相当数量を今までの実績によりまして流しておるわけであります。従いまして、年間一定の数量は或る地区から或る地区に流れるものであることは過去の実績によつて明らかになつておるわけであります。それから新会社ができましてもやはり会社間の融通ということはこれはやるという根本的な考え方で、従いましてこういう融通というものは相当数量あるのでありますから、而もこの融通契約というものは年間月別に大体決めるという趣旨であり、現在もさようになりておるわけでありますから、その一応年間を通じて地区別に決まつておる契約の実施及び委員会から特に命令があつた場合の融通を実施するために、会社間の申合せによる機関を作る、かような趣旨であります。
  184. 森下政一

    ○森下政一君 ということは、融通が行われる拠ろうと予想しておる。これはよく分るのでありますが、その機関というものは甲の区域と乙の区域、それに融通が行われる。そうして甲の区域と乙の区域の新らしい二つの会社の申入れによつて一つの機関を設定して行く、こういうことなんですね。
  185. 武内征平

    説明員(武内征平君) 関係会社でありまするから、例えば五十サイクルで申しますれば大体東北と関東ということになるかも知れませんが、六十サイクルになりますとやはり北陸関西、中部、一部関東、一部中国といつたような関係が出て参りまして、その融通の行われる関係会社、こういう趣旨であります。
  186. 森下政一

    ○森下政一君 そうなると、先程質問しましたように、その機関というのは、契約が締結されるその場合ごとに一つの機関が設定されることを予想せねばならんというのですか。
  187. 武内征平

    説明員(武内征平君) 場合のことを申しますが、毎日々々融通が行われる場合であります。従つてそれは常に融通が行われるというわけでございますから、それをよりよく……そういう機関を設けないよりも設けた方がよりよく行くであろうということを、実はこれはアメリカのニユージヤーシーに多少趣旨は違いますけれどもこれと同じような機関があるものでありますから、従つて常に行われている融通に対処するためには一つの常設的なさような機関が要る、かように考えておるわけであります。
  188. 森下政一

    ○森下政一君 そうすると、つまり会社同士の話合いだけではたとえ契約を結んで4その通りの融通が行われないという場合が慮られる、こういうことなのですか。
  189. 武内征平

    説明員(武内征平君) この機関があつた方がよりよく行くだろう、こういう考えであります。実は一定の契約がありましても、水の出方その他は一応の各地区の情報をとりましてそうして明日の関東地区の出水はどうである。北陸の出水はどうである、東北はどうである、中部はどうであるというような予想を立てまして、操作はその契約に合せるということでありますが、一日々々水の出方等が違いますので、そういう出水の予想だけは或る一つのセントラルのボードがありまして、予想をとつてやるということが必要でありまして、丁度現在日発が中央船電指令を持つているといつたようなことに相対応いたしまして、その方がよりよく行くであろうし、又そうであろうというふうに只今のところ考えておるわけであります。
  190. 森下政一

    ○森下政一君 それから十三の点ですね、先程の御説明でよく分るのですが、それならわざわざ指定会社という文字を入れたのはどういうわけですか。
  191. 武内征平

    説明員(武内征平君) 指定会社が只今の集排法によつて指定されておる日発配電のことであります。それから新会社と申しますのは、再編成によりましてできました会社のことです。従つて現在は指定会社の株を持つているわけであります。再編成後は新会社の株を引継ぐ、こういうことであります。
  192. 森下政一

    ○森下政一君 分りました。
  193. 江田三郎

    ○江田三郎君 一つ大臣にお尋ねして置きたいのは、大体大臣のお考え方ではこの要綱が仮に通過した場合の実施については、いつからということをお考えになつておりますか。実施の時期……。
  194. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それはできましてから約一年の間に実施できるものと思います。
  195. 山田節男

    ○山田節男君 議事進行ですか、先程委員長からも諮られたように、政府委員をして……時間がもう相当たつてますから今日はこれで止めて、尚今日出席された政府委員ばかりでなくて或いは関係方面の方、又吉田総理も出て貰いたい。質問もあるのです。ですから、今政府委員の退場を願うにしても、その前に我々が休会中少くとも最近の機会において関係政府委員に質疑をするという機会が與えられるかどうかそれを決めて頂いて、今日の委員会を進めるかどうかそれを先に決めて頂きたいと思います。
  196. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつとお諮りいたしますが、山田委員からの御意見もありましたが、委員長の考えといたしましては電力問題が段々と重要になつて参りますので、臨時国会の会期が十一月の中旬になりますか、或いは上旬になりますか、或いはずつと延びまして下旬になりますかは予測を許しませんけれども、一応成るべく早い機会に委員会を開きまして、そうしで重要問題の調査を続行して行きたい。こういう気持でおるわけであります。従いましてこういう点について後程お諮りをいたしたいという私の気持でおつたわけであります。従いまして本日政府側委員に対して御質問がまだ盡せなかつた点或いは質問洩れの点につきましては、後日の委員会の機会に十分盡して頂けるだろう、こう考えておるわけです。
  197. 山田節男

    ○山田節男君 ですから、又他日機会があるということを一応確認して頂いて御退席を願う。
  198. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今山田委員からそういう御意見がありましたが、私が述べましたような構想でこれからあと御相談を願うことにいたしまして、一応政府委員の御退席を願つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  199. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは御退席を……。では、お諮りをいたしますが、只今申上げましたような状態によりまして、次回の電力委員会の開催の時期並びに議事の内容等について御意見を伺いたいと思います。それから又その外いろいろな問題で御意見があれば御相談を申上げたいと思うのであります。一応速記を止めまして懇談に入つてまとめたいと思いますが如何でございましようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  200. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を止めて。    午後四時三十五分速記中止    —————・—————    午後五時六分速記開始
  201. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 速記を始めて下さい。今後の委員会運営の問題でありますが、先程御懇談を願いましたように、電力問題が非常に重要な段階に入つて参りましたので、成るべく近い機会に引続きまして委員会を開催いたしたいと思います。それから第二点としましては、最近電気事業の再編成問題をめぐりまして、国民各位が納得をしかねるような事態がいろいろと派生をいたしております。従いまして本委員会といたしましては、この重要な電気事業の再編成の重要段階に入りまして、こういうような国民の納得しかねるような問題をそのままにいたして置きますることは、参議院としての任務を完遂するゆえんでないと考えますので、その徹底的な調査をいたしたいと存じます。そうしてその具体的な方法等につきましては、追つて理事会等に諮りまして具体的に取進めたいと考えますが、大体調査の目標は電気事業の再編成に関する政界、官界、民間の関連性について真相の調査を進めるという点にいたしたいと考えます。  本日は委員会の定足数を満たしていたのでありますが、懇談会の途中から若干人数が欠けております。従いまして、各委員の御意見によりますと、各会派共、只今の懇談会の各委員の御意見にはさしたる異論もないのでございまして、必ず御退席になりました委員の御賛成も得れると思いまするが、問題が重要でありまするから一応本日は正式な委員会決定をいたすことは差控えまして、そしてこの次の委員会において決定をいたしたいと思います。ただ本日の懇談会の空気を各委員は十二分にお察し願いまして、それぞれ各会派にお持ち帰りになつてよくお伝えを頂き、そして委員会において只今の趣旨を決定いたしまするように、御努力をして頂きたいとお願いを申上げます。  それから次回の委員会の開催の日取り等につきましては、一応委員長に御一任を願えれば幸いと思います。よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  202. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではさよう決定いたします。本日はこれにて散会をいたします。    午後五時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事           橋本萬右衞門君            三輪 貞治君            結城 安次君            西田 隆男君            佐々木良作君            水橋 藤作君    委員            秋山俊一郎君            石坂 豊一君            石原幹市郎君            古池 信三君            高橋進太郎君            江田 三郎君            島   清君            森下 政一君            山田 節男君            尾山 三郎君            加賀  操君            山川 良一君            須藤 五郎君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   説明員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    通商産業政務次    官       首藤 新八君    資源庁電力局長 武内 征平君