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1950-09-08 第8回国会 参議院 電力問題に関する特別委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月八日(金曜日)    午前十一時三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○議員派遣に関する件 ○電力問題に関する調査の件  (見返資金に関する件)  (電気事業編成関係法案に関する  件)  (電力量割当に関する件)  (電気事業会社新設工事中止に関  する件)  (ジェーン台風による電気工作物に  対する被害に関する件)   —————————————
  2. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今から電力問題に関する特別委員会を開催いたします。議題に入ります前に一応御承認を得て置きたいのでございますが、八月の上旬に行いました委員会におきましては、議員派遣の問題を決定をいたしまして、途中において正式の委員会を開会する予定はなかつたのでありますが、その後御案内のような状況を以ちまして電力関係の問題は再編成の問題、或いは電力量割当ての問題、更に電源開発の問題等非常に複雑微妙な状態に入つて参りました。又一方議員派遣の方におきましても、最初の予定は八月の下旬から順次出発をいたすことに相成つておりましたが、電気事業界の内部における御案内のような事情がございまして予定を変更せざるを得なくなりまして、議員派遣は来る九月十一日から月末までの間におきまして逐次出発を願うことに相成つたのであります。従いまして丁度九月の上旬は第八国会におきましても、電源開発の見返資金の大凡の見通し政府は付けまして、そして九月の上旬においては何らかの措置を取り得るという答弁もあつたのでございます。丁度約束の時も参つたわけでありますからこの機会にあらゆる問題につきまして、一応政府の方の御努力の結果並びにその後の諸方策につきまして、意見の交換をいたしたいというのが本委員会予定外といたしまして召集いたしましたゆえんでございまして、多数委員会に御出席を頂きました点は感謝を申上げる次第であります。  本日の議題はさようなわけでありまするから大体五件を用意いたしておりまして、第一点は電源開発用の見返資金放出に関する問題、その第二点は電気事業編成法案に関する問題、第三点が電気事業会社新設工事中止に関する問題。この問題は御承知通り電気事業体集中排除法による指定を受けております関係上、嚴格に申しますると持株整理委員会監督下に入りまして、資産の変更を伴うような行為が禁止せられておるのでございましたが、今日までのところは一応厳格な規定の枠外にあつたのでございますけれども、再編成問題とからみまして法規の定めた通りに実行しなければならんような情勢に入りまして、そのために非常に電気事業業務運営上支障を生ずるような点に立至りましたので、この点に対する調査をいたしたいと思うのであります。  それから第四点が、去る九月の三日に内地を通りましたジェーン台風による電気工作物に対する被害についての調査をいたしたいと思います。  第五点は朝鮮動乱後におきまして日本産業界は非常な変動を生じつつあるのでありますが、これを発展せしめます基幹になる電力割当につきましては最も愼重でなければならないのであります。漸く第四・四半期の電力割当が実行せられようとしつつあるのでありますから、その割当の方針並びに具体的な内容につきまして政府側説明を求めたいとこう思うのであります。  以上五件でございまして本日は各方面から担当官出席を求めまして説明を伺うことになつておりまして、特に持株整理委員会からも御出席を願うことに相成つております。時間の関係上明日は委員会の開催にちよつと支障がありますので、本日は若干時間が延長と相成るかも存じませんが一日を以て全部を終了いたしたいと思います。先ず午前中に先程申上げました五つの議事の中で第一と第二、それから第四、これだけを終りたいと思います。それでは第一の電源開発用の見返資金放出に関する問題につきまして、政府側説明をお願いいたします。
  3. 武内征平

    説明員武内征平君) 見返資金放出に関する交渉の経緯を申上げます。  御承知のように昨年におきまして見返資金が約百億放出されまして現在はその資金延長において仕事をいたしております。本年度におきましては継続資金といたしまして、約百五十億ということが一応予定されましてこの前提の下にまあ工事を進めでおるわけでありますが、いまだにこの放出許可が下りませんことは御承知通りでございます。この点につきましては先般の国会におきまして当参議院会議におきまして、見返資金放出と申しますか電源開発に関する決議を頂きましたので、それによりまして通産大臣はその決議趣旨を十分取入れまして口頭を以てもマーケット少将に申入れをし、更に書面を以ちましてこの電源開発重要性及びこの資金放出が遅れることによる関連産業に及ぼす影響等を縷々述べまして、更に書面によりまして申請をいたしたのでありますが、これに対しまして八月七日マーカツト経済科学局長より覚書が示されまして、その趣旨といたしますところは電源開発重要性については十分こちらも認識いたしておる、この重要性という点につきましては通産大臣と同じ意見を持つている、併し電気事業会社過度経済力集中排除法によつて指定を受けているので、新たなる資金を借入れるという場合においては昭和二十三年二月八日付の集排法に基く手続規則によらなければならない。その手続規則によりますと資金を借りる場合は許可を得なければならない、従つてこの見返資金融資を受けるためには日本政府がこの再編成の問題について適当な措置を速かにとられることを切望する。こういうような趣旨の御回答がありまして現状においてはこれが見返資金放出が許されないという御回答があつたわけであります。併しながら政府におきましてはこれが許可せられないことによる影響の大きいことに鑑みまして、その後と難も全力を盡してあらゆる機会に御説明を申上げておるのでありますけれども、今尚許可される段階にいたらないというのが現状でございまして、これは我々の努力の足らない点が多々あると思いますが、この点は更に努力いたすつもりでありますけれども、実情といたしましては以上申上げたのが現状であります。
  4. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 第二番の電気事業編成法案に関する問題もいろいろ御意見の中で緒になる虞れがありますので同時に御説明を願います。
  5. 武内征平

    説明員武内征平君) 御承知のように第七国会におきまして再編成法案及び公益事業法案審議未了になりました。第八国会に速かに提出するようにという司令部からのサゼスチヨンもあつたのでありますが、これは政府としまして地方税法案関係から御提出にならなかつたのでありますが、我々事務当局といたしまして先般の第七国会におきまする議案に対しまする国会の御審議状況等も考慮に入れまして、修正の案を作りまして、そうして司令部ガス電気課の方には提出をいたしたのであります。  その内容といたしまするところは先ず第一に、先般の公益事業法案の第二十八條第三項というのは電気事業編成後における電気事業の独占を禁止するものである、即ち一地域に一会社以上は許さないとこういう條文であつたのであります。これに対しまして我々といたしましては地方公共団体におきまして若しこの電気事業地方公共団体が経営することがより公益に適するというような場合におきましては、これを許可することができる、こういうような修正案提出いたしておるのであります。  第二点は一般担保規定でありますが、二十五年四月十五日以前の社債権者に対しましては一般担保規定が適用せられるけれども、それ以後の社債権者には一般担保規定は適用せられない、従つて若しこれらの社債権者社債担保せられるならば、これは特定の担保を取らなければならないということになります。我々といたしましては電気事業におきましては、一般担保規定というものは、むしろ有望なる担保方法であるというふうに考えておりますので、これは四月十五日以前の社債権者の保護のためのみならず、それ以後社債を発行して社債権者ができましても、これらの方々にも適用になるように、かように修正案を出しておるわけであります。  第三点といたしましては、先般の法案におきましては、地方公共団体配電統合乃至日発の成立の際に、曾て持つておられました電気施設を提供いたしました代償といたしまして、電気会社の株を持つておるわけでありますが、再編成後において一定の期間、最長三ケ年、普通の状況において一ケ年の間にこれを処分しなければならん、こういう規定があつだのでありますが、これは公営を一定條件備つた場合におきましてはこれを認めるという我々の趣旨からいたしまして、若し公共団体がこれを長く保持しようという意思があるならば、永久に持つてもよろしいというふうに改正をして頂きたいということで提出いたしたのであります。  それから第四点は調整金の問題でございますが、地域差現状以上に拡げないという観念からいたしまして、そのために水力発電の一キロワットに対しまして一定賦課金を課しまして、火力を生産いたします一キロワットアワーに対しましてこれに調整金を與える、こういう制度の規定があつたのでありますが、その際これは税金に相当するようなものであるから、どれだけ取れるか、どれだけ貰えるかというような見通しが付かないと困るではないか。こういうことからいたしまして一キロワットに対する調整金最高限を決めて頂こうというので、一応最高を一キロワットに対して二千五百円、我我の実際の計算といたしましては、千五百円程度取れますれば火力一キロワットアワーに対しまして六十銭から七十銭補給できる、それで大体現状における地域差を維持することができる。かように計算いたしておりますが二千五百円を最高とするということになりました。  第五点といたしまして、現在電気事業法におきまして電気事業者土地使用或いは樹木の移植、樹木伐採等につきまして便宜規定があるのであります。併しながら先般第七国会提出せられました案におきましては、この規定が落ちておるのであります。これは我々としては当然に採るべき規定であるというふうに考えたのでありますけれども、所有権尊重という点から司令部におきましては、これは土地收用法においての一般原則に帰るべきだ、こういう強い主張からいたしましてついに折れざるを得なかつたのでありますけれども、その後の経緯におきまして鉱業法におきまして便宜規定が認められたのでありますから、その程度便宜規定をとの電気事業公益事業法の中に入れて、大体現在と同様な新しい建設或いは改良法のために、土地使用便宜規定を作ると、こういうふうにいたしておるのであります。以上のような五点が大体修正の主な点であつたのでございます。  これは事務当局といたしましては、一応ガス電気の方には説明をいたしたのでありますけれども、これは正式の閣議の決定を経てG・Sのガヴアンメント・セクシヨンの方に提出されるならば我々としては審議しないということで、先程申上げましたように第八国会には提出にならなかつたのでありますから、それにつきましての具体的なデイスカツシヨンにはり入つておりません、或る程度内容は伺つておりますけれども正式の意見は伺つておりません。その後各政党方面におきまして御研究を頂いておりまして、我々といたしましてはできるだけこの案が無理のないように各方面の御意見を承わることは結構であるというふうに考えております。ごく最近自由党方面におかれましても意見が或る程度お纏まりになつて、これが近く正式に政府の方にお示し頂けるというような段階になつておるようであります。この案を正式に拝見いたしまして更に我々といたしましては、只今述べました修正以上に修正するかどうか、又どの程度自由党の方で御研究になつた案を採入れて折衝するかということにつきましては、今後の問題にかかつておるわけでありますから、ごく近くこれがお示し頂けるというふうに我々も期待しております。それを拝見いたしまして速かに次の国会提出すべき法案を、正式に司令部との折衝を始めたいと、かように考えておるわけであります。以上が再編成法案経過概略であります。
  6. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今の二問題に対しまして、各委員からの御発言をお願いします。
  7. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 質問を申上げる前にもう一つお尋ねをして置きたいのですが、今の二つの御説明から関連して八月四日のマアカツト少将覚書によりますると、集排法決定が済まないと見返資金が出ないという形になつておるのでありますが、この見返資金が出なくなつた場合に、電気事業の上に従つてひいて産業の上にどういう影響を與えるかという御調査通産当局でできていなければならんと思うのでありますが、その結果を一応ここで御説明を願います。
  8. 武内征平

    説明員武内征平君) この点は非常に大切な問題でございますから、現状及びその影響を数字的に細かく御説明を申上げたいと思います。昨年度の二十四年度分といたしまして、先程申上げたように九十八億の資金が出ておるのでありまするが、これの資金によりまして、水力発電所拡充といたしまして二十六箇地点着工をいたしたのであります。大体これの出力が三十五万キロワットであります。火力拡充地点七箇地点でありまして、これのキヤパシテイは二十三万KWであります。そのうちすでに水力におきまして六箇地点火力におきまして二箇地点完成をいたしまして、約十二、三万キロというものはこのカウンターパートのお陰で完成をいたしております。従いまして先程申上げましたトータルの数が三十二箇地点で五十八万キロの計画が定まりまして、ちよつと古いのでありますが、六月末におきましては大体三〇%、場所によりましては二五%、平均して三〇%の進捗率を持つておりまして、これは予定よりもやや進行状況がよろしいというふうな状況でございます。  さてこの本年度期待いたしますところの百五十億が継続費として承認せられないといたしますと、現在自発におきましては資金を三つの段階に分けております、第一は運転資金、第二は自己資金による設備資金、それから見返資金、こういうふうになつております。この自己資金による設備資金とそれから見返資金を合せまして、継続中の工事の大きなものは見返資金によるものでありますから、これに充当いたしておりますが、これが如何にやり繰りいたしましても、八月が大体限度でありまして、運転資金で無理してこれに入れるということであれば、十月頃までは参りますけれども、さように運転資金を無理して参りますと冬の石炭も買えないとこういうことになりますので、恐らく限度といたしましては八月一杯ではないか、こういうことになるかと思います。この点は我々といたしましては非常に心配をしておるのでありますが、若しこれが現在の工事が止まるといたしますと、直接間接に、例えば土建業者のやつておるところの労働者、及び関連産業である機械工業等のやや直接的なこれに従事しておる労務者は、二万三千という方が従事しておるのであつて、この見返資金中止によりまして、全失業或いは殆んど失業状態に陥るという方が二万三千ある。これらの人が失業しますと、これに対して失業保険の金を拂わなければならん。或いは土建でありますと、山の奥に入つておるような場合に、帰郷旅費を拂わなければならんという、一時中止の場合にさような費用ばかりで大体十四億という金がかかるわけであります。これは一時中止するだけで、その労働者に対する措置だけで十四億かかる。それから若しこれが全部将来に対しても打切られたということになりますと、すでに建設いたしましたコンクリートの建設というようなものもそのままにして置けないからこれを取外さなければならんということになりますと、そちらの方の損害が約三十九億ということになりまして、一時中止による労働者の手当、或いは今度全部打切られたという場合においては十四億、合計五十三億という損失が出る、これは單価の取り方その他でいろいろ数字は変ると思いますが、大体この辺のところは常識的に影響としては妥当なところであろうということで我々は考えておるのでありまして、この損失工事中止による失業者影響、これは單に本人でございまするけれども、これに伴う家族の問題があるのでありまして、七、八万近くの家族が路頭に迷うということになりますので、この点も我々といたしましては非常に心配をいたしておるのであります。以上が大体の大要の御説明であります。
  9. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 私のお尋ねしたのは、そこで今直接のこの問題に対する中止によつて損害といいますか、その点ははつきりしたのですが、全産業の上に及ぼす影響その他についてのお調べはないのですか。という意味は、この冬の渇水期その他に対して火力の改修ができないというような問題から、又同時に朝鮮事変による需要の拡大に応ずる電力供給という問題に対して見返資金が利用できないために非常に不便を生ずると思いますが、そういうような産業界に與える影響といつたようなものについて御調査なさつているかどうか、その点も若しありましたら御説明を願いたい。
  10. 武内征平

    説明員武内征平君) 只今説明を申上げましたのはカウンターパートの方の中止でありまして、今稻垣委員からお示しのありましたのはこれは自己資金による工事計画中止という点にお触れになつたかと思いますので、その点も一つ説明を申上げます。  御承知のようにこの持株会社整理委員会許可は、自己資金による拡張改良工事につきましてもこれが要るのであります。ところがこの点は配電につきましては九配電合せまして約七十三億というものが自己資金による本年度設備改良費日発につきましては大体三十七億という資金がございます。
  11. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 それは今の七十三億のうちですか。
  12. 武内征平

    説明員武内征平君) この七十三億は配電の分です。それだけの金は自己資金によつて復旧乃至は新しい建設をいたさない、業界に対する新しい需要と申しますか、建設ほどではありませんけれども、例えば雨龍なら雨龍ダムに少し附近の川の水を揚げまして、そうして常にダムを完全に一杯にして置くことによつて供給力を保てる、こういつたような大して金のかからない工事はこの日発自己資金でやるのでありますが、若しこれができない場合におきましては、或いは例えば鶴見の発電所におきまして、終戰以来爆撃によつてやられておりましたボイラーに本年度手を入れてそうしてこれの復活を見るということによつて出力が増す、こういうような多少改良多少建設といつたようなものはこの資金で行くのでありますが、これが新しい建設と相俟ちまして、先程お示しになりました新しい需要に対して応じ得るということのために大体この程度の金は毎年使うのでありまして、これが行えないということでありますると相当需給に対して影響を及ぼす、むしろこれは増加になりますけれども、一面におきましては現状の維持に裏付をし更に或る程度のプラスということでありまして、殊に配電会社工事のごときは、例えば新しい家ができましてそれに対しまして一本新しく電燈をつけるということも、厳格に申せばこれは拡張工事になるのでありますが、若しこれもいけないということでありますとサービスが全然できない、殊に電圧が下る、ロスの軽減といつたような面からトランスを換えるとか、或いは電線を太くする、或いは電線の質を改良するために取換えるというようなこともできないのでありまして、殊に朝鮮事変等に対しまして新しい需要が殖えて参りますが、これあたりはロスを或る程度減らすことによつて相当電力が浮くのでありまして、これらの点によつて或る程度かような新しい需要をカバーできるという点もございます。従いましてこれができないとさような供給に対しては応ずることができないということになりますが、この点につきましては実は最近通産大臣がミスター・ケネディにお会いになりまして事情をよく申上げましたところ、さような自己資金でやる、而も通常の業務の執行の範囲に属するものについてはそれまでやかましく言うつもりはないのだ、かような意見の開陳がございまして、それではそれについての具体的説明を聴こうということでありました。勿論ガス電気担当官の方には前々説明をいたしておるのでありますが、ケネデイ氏みずから聽こうということで実は本日豊島部長が十時からその説明をいたしておりまして、ここに出席できないのでありますが、この点は日発につきましては許可が参つております。配電につきましてはまだ許可は参りません。ペンデングということでありますが、この点につきましては我々は明るい希望を持つて、非常に大切なこの自己資金による分につきましては許可可能性が十分あるのではないか、かように考えておるのであります。
  13. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 実は只今までの稻垣委員お尋ねを含めまして御説明政府側から頂いたのでありますが、八月の上旬にこの委員会でいたしました当時の御説明と大して内容に前進が認められないと私は思うのであります。委員会が急遽九月になつて開会いたしましたポイントちよつと違うでありまして、私がその要点をもう一度申上げますから、政務次官或いは必要の場合には大臣の御出席を求めて、その点をもう少し掘り下げて見たいと思うのであります。  その第一点は見返資金の問題が非常に難航を極めておることは今御説明頂いた通りでございますが、これを打開するために参議院も非常に高い関心を持つて進んで参つたのでありまして、八月の初めの委員会において一応大臣並びに首藤政務次官から御説明を伺いましたポイントは、再編成の問題と絡み合いまして見返資金融資が思うように参らない。そこで政府としましては九月の上旬までにあらゆる努力を重ねて再編成に関する法案に対しての結論を得まして、これを以てGHQ当局と折衝いたしまして、そうして政府が再編成に関する具体的な実行の熱意があるということを示しまして、これを示すことによつて見返資金早期融資の問題を解決いたしたい、こういう工合に私共は委員会として承わつておるわけであります。従つて今日は見返資金の問題にしましても、再編成の問題にいたしましても、八月以来の政府の御努力の結果並びにその具体的な見通しを伺うのが目的でありまして、ただできない、余り進展しないということの御説明だけでは不十分ではなかろうかと思うのであります。その点につきまして掘下げて一つ率直にお聞かせを願いたい。又そう願わなければ参議院委員会といたしましても採るべき方策を定めることも困難だと思います。どうかさような工合に注釈を加えまして御説明願いたい、こう思うのであります。
  14. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 只今栗山委員長から八月初旬におきまするこの委員会における我々の答弁の要旨を述べられたのでありますが、全くその通りでありまして、先程来電力局長から申上げましたごとく、見返資金がこのまま停止されておりましたときの損害或いはその影響等々を考えまして、我々といたしましてはどうしても九月初旬までには本問題を解決いたしたいということの実は熱意を持つて進んで参つたのでありまして、ここでこれの具体的な方法といたしましては自由党の方でかねてから政府の原案に対しまして相当の議論があるのであります。従つてどうしてもこの自由党の意向と政府の案を調整する必要が前提となるというふうに考えまして、党の方に対しましては再三再四党の立案を実は急いでいたのであります。與党といたしましてもその後小委員会を再三再四開会いたしまして、できる限り速かに結論を得ることに努力して頂いたのでありまするが、どうも会議を開きましても相変らずいろいろな意見がありまして思うように進行しなかつたのであります。そこで党の首脳部に対しまして一週間前から毎日のごとく私の方の趣旨を伝えまして、一劾も早く結論を得て頂きたいということを申込んだのであります。党もその点はよく了解して呉れまして五日以来殆んど連日会議をやつて頂きまして、大体一昨日結論を得たのであります。そこで我々の政府案と一応振合せをいたしまして、そうしてその結果を関係筋に持つて行こうということになつておるのでありまするが、党といたしては愼重の上にも愼重を期しまして総務会に一応かけたいということで前日の総務会にこれをかけたわけでございます。と同時に我々といたしましては一応小委員会審議内容は逐次了承しておるのでありまするが、段々と案の内容がぼけたといえば語弊があるかも知れませんが、どうももうちよつとはつきりしないような結論になつて参るような情勢になりましたので、これだけでは恐らく関係筋の了解を得ることが困難じやないかというような気持がいたして参つたのであります。そこでそういうことで見返資金放出は引続き遅れることに相成りますれば、由々しき事態を招来する恐れあり、そこでもつと強硬な而も関係筋の了解を得易いような措置を取る必要があるのじやないかというような考え方から実はいろいろ事情もありましたが、この際日発首脳部を一応代つて頂いて、そうして後任者にはこの分割案を進める上において支障のない方になつて頂くということが相当見返資金放出或いは又今後の分割案を推進いたしまする上において効果的ではないかというふうに考えまして、現在その方針によつて措置を進めておる次第であります。まだ最終的なところまでは参つておりませんが、数日のうちには何らかの決定を見るのじやないか、それによりまして急速に関係筋との折衝を始めて見たいというふうな考え方を現在持つておるのであります。大体この問題に関する八月初旬から今日までの経過は以上申述べたような経過になつておりますので御了承願いたいと存ずるのであります。
  15. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 只今首藤次官の御説明を承つて、まあ私はもう政府並びに自由党の人云々という問題でなしに、この問題は非常に重要な問題でありますから御協力して一日も早く見返資金放出されるように協力されることが非常に必要だと思います。それについて今の御説明では一つ方法として自由党内の御意見を纏められるということ、或いは又日発正副総裁の罷免によつて何らかの打開の途を求めよう、こういつたような御説明であつたように思うのでありますが、そこでそういつた形で行かれてこの電気事業編成法案が議会に提出され、これが協賛を得るというところまで行かないでもその過程において十分見返資金の問題を打開する御成算がおありなのかどうか、その点念のために一つつて置きたいと思うのであります。
  16. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 稻垣委員の御質問御尤もであります。我々も是非共そういうところまで持つて行きたい、持つて行くのにはこういう方法を採ることが最も適切じやないかという考え方の下に進んでおるのでありまして、ここではつきりできるということは御返答し難いのでありますが、ここまでやつたならば大体御了解を得られるだろうという考え方の下に進んでおることを御了承願いたいと思います。
  17. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 それは御尤もでその方針でお進みになつておると私も考えるのでありますが、例えば自由党内の御意見が纏りた、こういつた場合でも参議院意見が纏まるかどうか私はまだ疑問だと思う。そこで仮に電気事業編成法案自由党意見が纏つたからパスする、見返資金を出して呉れといつて参議院もそれによつて必ずしもパスするとは私は限らないと思う。従つて今のそれで行くつもりだというお考えについてもう少し打たれなきやならん手があるのじやないかと私は考えます。これを根本的に決めるためには国会が開かれる、そうして電気事業編成法案が上程され、これが可決されるということがもうこれは根本的に、勿論これは全部可決することになると思うのでありますけれどもその国会の開会はいつになるのですか。十一月になるのか十二月になるのか存じませんが、そういうことになるというとその間の問題は大問題を惹起すことになりますので、今の二つのお考えでこれが打開できるという希望を持つておられるということに、私は非常な不安を持つておるのでありますが、こういう点について今度委員長お尋ねするのですが、委員長としてこの参議院特別委員会が何らかのこれに対して手を打つということについてのお考えはないか。無論そういう点についてこれから御論議があるのだろうと思うのでありますが、そういうような方向にまとめて頂くように私はしたいと思います。そうしないと影響するところ非常に大であると私は考えるのでありますが、この機会委員長の御意見もついでに伺つて置きたい。
  18. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) お答えいたします。只今稻垣委員からお説のありました点は御尤もでありまして、参議院が第一国会以来電力問題について非常な高い関心を持つていろいろな仕事をして参りました点からでも、私共よく承知をしておるところであります。実は電力問題が非常に複雑微妙になつて参りましたので、八月中にも一回委員会を開催いたしまして、そういうような問題を掘下げて参議院委員会としての方針を決定いたしたいというような考えを持つていたのでありますが、一応政府側のこの前の御答弁によりまして、九月上旬というのが公式の一つ段階を画する約束の時期になつてつたのでありますから、それまで待ちまして委員会を開催して委員会としての態度を決定いたしたいというような心組で参つたわけであります。従つて本日の委員会の皆様方の御議論の結果、或る一つの問題が集約することができましたならばそれによつて参議院としての使命を果して参りたい、こう私は考えております。
  19. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 先程来の次官の御説明を聴いておりますと、今の、或いは冒頭にもお話になりました九月上旬までに努力をして、そして見返資金の早期放出を図るというお約束の答えにはなつておらんと思うのであります。一点として自由党の議論とそれから自由党の成案というお話がありましたが、それは委員長の先程のお言葉の中にもありますように、八月初めの委員会でのお話は、政府として再編の熱意示し云々ということでありまして、それはたとえ與党意見をとりまとめる或いは参酌されるとしても、結果は政府の責任として九月上旬までに再編の何らかの具体的な見通しをつけるというお約束であつたと思うのですが、その点の期限の問題についても御言明は実現をしておりませんし、まして自由党結論或いは政府結論も出ておらんという点にお約束が果されておらんと思うのです。いわば政府の責任を自由党に転嫁してそしてこれの責任を逃れようとせられる御弁明のように聴くのであります。  それから日発首脳部の退職要求にいたしましても、これは政府の責任を早くいいますと一日発の首脳者に責任を転嫁しようというこれは方向としか考えられない。社会党においても本日政府にこの点について抗議を申し入れに参るということでありますが、世論にいたしましてもその点は政府の責任を一日発の首脳に転嫁しようと、こういう態度だと非難しておるように私は思うのです。そこで問題はもう少し政府自身としての責任の態度、それをどういう工合にとられるかを承わりたいのです。例えば稻垣委員の御質問に対してこの線でできるであろうと努力しようというお話でありますけれども、誰が考えましてもこの程度努力で或いは方法で問題が解決するとはどうしても考えられない。或いは具体的に今も多少お話が出かかつておりましたけれども、早急に臨時国会を開いて法案の成立を企図すると、こういう具体的な方法が出ますならば、これは実際に政府熱意といいますか、或いは問題解決の具体的な方法になるかと思いますけれども、お話のような自由党のああいう進捗或いは日発首脳部の解任というようなことでは問題は解決しないと私は思うのです。その点について臨時国会その他具体的にもう少し政府の所信を一つお伺いしたいと思います。
  20. 首藤新八

    説明員首藤新八君) お説のごとく臨時国会が急速に開会されますれば、只今私の申上げたような措置は或いは必要でなかつたかと考えるのであります。当初御承知通り臨時国会は九月に開会いたしそうしてこの臨時国会におきましてどうしても電力の分割案を通過さして頂きたいという実は希望を持つてつたのでありまするが、その後いろいろの事情から臨時国会が当分開会できないというような事情になつてつたのであります。ところが一方見返資金のほうはさような安閑な時を貸してくれないのでありまして、早急に解決しなければ相成らないという極めて緊迫した事情に追込まれておりますので、取敢ずこの際は法案の調整をやること、そうして関係筋の了解を得たい。又それだけでは今までの折衝の過程から考えまして甚だ困難な結果に陥りはせんかというような不安がありますので、関係筋に折衝いたしまする以上はもつとはつきりした効果的な方法を採る必要ありというような考え方から先程来申上げたような方針に進んでおるのであります。  で只今の御意見によりますると、政府自由党に責任を転嫁する、或いは又日発に責任を転嫁するというような御意見のように承りましたが決してさような意思はないのでありまして、何といつても今の自由党が大多数でありまするからその多数党の意見をまとめるということが、来るべき臨時国会においてこの問題をスムースに運びます上において最も大きなフアクターだというふうに考えましたので、その方面相当の力を入れて推進をして頂くということなのであります。同時に又日発首脳部の更迭の問題でありまするが、これも政府の責任を転嫁したのではないのでありまして、今日までの経過を考えますると日発首脳部は陰に陽にこの分割案に反対して参つたのであります。又恐らく今後もそういう方針を続けるであろうということも考えられまするので、来るべき国会に際しましてこの案を通過させまする上において、やはりそういう強い反対的な意向を持つておる首脳部はこの際一応交替して貰つたほうがいいのではないかというような考え方の下に進んでおるのでありまして、決して責任転嫁をいたしておるわけでありませんことを御了解願いたいと思います。
  21. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 自由党の点については、自由党が多数党であるしその了解と申しますか意思の疏通が法案通過のために大きな力になるから云々というようなお話でありましたが、それは衆議院に対してそうでありますが、それでは参議院についてどういうように考えておられまするか。いわば自由党の案を以て参議院にも押しつける、或いは強力にそれを推進するというお考えなのか、その点が第一点。  それからもう一つ日発の首脳が陰に陽に反対をして来たからそれを解任したのだというお話でありますが、反対をしておるのは一日発に止まらんわけであります。恐らく国民の大多数或いは我が党においてもそうでありますが、政党においても或いは個人的に見て参りますならば自由党の議員の諸公の中にも相当の異論があるということは御承知通りであります。問題はそういう反対論に対してどういう工合意見を聴いて参るか、或いは分割案、再編成問題をどういうふうに調整して参るか、こういう点について或いは世論に問うという方法、解散をする云々ということはこれはどうかと考えますけれども、或いは世論に問う方法としてはそういう方法もあり得ると考えるのです。ただ一つ日発に責任を転嫁しておるということは、これはまぎれもない事実だと思います。その点について他の反対論についてどういうあれをするつもりであるか、そういう点についてお伺いしたい。
  22. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 自由党に重点を置いて参議院の方をどうするかという御意見でありますが、先程申上げましたごとく何といつて自由党が衆議院の多数党でありまするし與党でありまするから、一応政府與党との意見を調整するということは先ず前提だと我々は考えておるのであります。そこでこの與党との意見の調節ができましたならば、参議院の方にもこの案を持つて参りましてとくとこの案を中心として御意見を承わりたい、できるだけ御協力をお願い申上げたいというふうに考えておるのであります。  同時に只今日発の責任転嫁の問題でありまするが、これを世論に聴いたらどうかという御意見であります。成る程一つの考え方でありまするけれども、御承知通り日発の分割は過度集中排除法という一つの至上命令的な法規によつてどうしてもやらなければならんという状態にあるのでありまして、ただこの問題をどういう方法でやることがいいかという問題だけだと思うのです。分割はどうしてもしなければならん。その分割をしなければならんに拘わらず、日発首脳部がとかくこれに反対的な言動をもてあそんでおるというのが今日までの経過であります。無論これは第三者がこれに対してとかくの批判をするということは御自由でありますから、如何に反対されてもいたし方ありませんが、少くとも日発自体その当事者であります、又同時にこれは特殊会社であります、そういう点を深く御考慮願わなければならんのであります。というような我々は考え方をいたしておるのでありまして、その我々の考え方と首脳部との考え方に相当の開きがある。従つてこの状態を続けて参りまするならば今後臨時国会が開会されましてこの問題を上程いたしましても、いろいろの面において支障を来たしはせんかというような不安がありますので、この際時期的にどうかと考えますが、この際そういう方には御交替願う方がいいのじやないか、特に先程来申上げましたごとく、見返資金放出が非常に緊迫な状態に追込まれておるこの際に、この法案の通過よりも先ず以て当面の対策は、見返資金を如何にして早く放出して頂くかという点に重点を置いて、それに対するところの対策を講じて行くということが必要ではないかというような考え方を持つております。その線で進んでおるということを御了解願いたいと思います。
  23. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 只今政務次官の御回答の中に、臨時国会がいろいろの情勢によつて開会できないと言われるのですが、そのいろいろというのはどういうことか一つお聴きしたいことと又我我いろいろの情勢で是非とも臨時国会を早急に開かなければならん、この電力問題とか今の日本政府として開かなければならんいろいろの情勢が来ているというふうに我々は考えるのでありますが、この問題を一つ。  それからもう一つ、見返資金融資して貰うためにこの法案を左右されている。つまり訂正したり或いは修正したり何とかしてこれを向うのOKを貰うために修正をされるという考え方は、本末顛倒したものじやないか。日本の経済として再編成の国民の要望に応えてやるべき案を立てられたことが、その見返資金融資して貰うが故にその法案を自由に訂正されていられるということは、非常に本末顛倒した感があると思うのですが、その点を一つ回答願いたい。
  24. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 臨時国会がいろいろの事情から開会できない、遅れている、その理由を開陳せよということでありまするが、これは一政務次官の私が申上げるべき事項でなくて、総理大臣一つお聞き下すつた方がいいのじやないかというふうに考えるのであります。同時にその次の今の法案関係筋の了解を得るように次から次へ修正しておるというお話でありますが、これはさようなことは絶対にないのであります。すでに政府案が一応向うの了解を得ておるのであります。ところがその政府案に対しまして、衆議院におきましても或いは又参議院におきましても相当反対がある。そこで何とかここに各議院の御賛成を得らるるような案を作つて頂く、そうして政府の案と調整いたしたい、こういう考え方を持つておるのでありまして、必ずしも調整は重点的には考えておりません。或いはこの先程から申上げております通りに、自由党の方で案を作られる、そうしてそれが政府との案に対して非常な懸隔はありましても、自由党関係筋の了解を得られましてOKが来ますれば結構でありまして、我々はこの案をとることに一向吝かでないのであります。飽くまでも国会中心で、我々が自由に関係筋の了解を得るような修正案を作つておるという考えは一つも持つておらんということを御了承願いたいのであります。
  25. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 いろいろの情勢で国会を開けないということを次官が言明されおるのでございます。いろいろの情勢ということを、具体的には次官としては回答はできん、総理に聞きなさい、それは結構です。総理にお伺いすることにしましよう。併し我々の考え方はいろいろの情勢によつて早急に臨時国会を開くべしという見解を持つておるのであります。それで政府としての総意は総理に聞くことにいたしますが、今あなたの、次官の回答ではいろいろの情勢で国会を開くことができないのだ、あなた自身がそれを言われておる。そうして私の見解はいろいろの情勢で開くべし、こういうような見解に立つておるのであります。でありますから政府全体の意見は総理からお伺いするといたしまして、次官、あなたの御見解をお伺いしたい。かように思うのであります。
  26. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 私の意見といたしましてはこの分割案を一日も早く通過さして頂きたいという一念から、臨時国会は一日も早く開会して頂くことを切望いたしておるのであります。併しながら先程申上げましたごとく、いろいろの事情から開会が非常に遅れざるを得ないということになつたということを総理から大臣を通じて聞いておりますので、止むを得ないというふうな実は考え方を持つておるのであります。ただ然らばいろいろな事情が具体的にどういうことであるかということを私から御回答いたしますることは、これはどうかと考えます。むしろ内閣にお聞下さることが至当ではないかというふうに考えております。
  27. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 私からちようと伺いますが、今出ましたいろいろな御議論の中で、大分見返資金の問題と再編成の問題とがポイントが交錯をしておるように思うのでありますが、問題は私は分けて考えたいと思うのであります。  それでちよつとお聞きいたしますが、見返資金融資の問題と再編成問題とを関連せしめることが是か非かということはこの前の委員会のときに随分論議をいたしました。そして参議院委員会の大体の空気と政府側のお考えとの間には若干喰違いがあつたようであります。即ち参議院の当時の委員会の空気はここに自由党の古池委員もおいでになつておりますが、資金問題と再編成問題とを組合せて物事を進めるのは過ちではないかという御議論が強かつたのであります。併し政府の方は事情万止むを得ないというので平行線のまま分けておるのでありますが、私は一歩を讓つて政府の方の御議論がそのまま正しいとしましてもその場合には再編成を実行する具体的なコースが明らかにされなければならん。そして連合軍との関係がありまするが、どの程度まで再編成問題の進め方を具体化したならば見返資金放出されるかどうかという見通しがなくして、探りをやつてつてもこれはナンセンスであろうと思うのであります。従つて臨時国会の召集をやらなければ再編成には魂を入れるわけにはいかないのでありますが、そういうことが俄かにできない、又多数党である自由党が党議でまとめられなければならん、この法案がまだ、一応まとめたけれども国会の方の承認、議決を得るには若干疑義がある。こういうような只今政務次官のお考えの程度で再編成法の具体的な連合軍の了解を得る見通しは立たないと思ふうのでありますが、これはどの程度ではつきりした見通しを立てられるのか、そういう確信を持つておられるのかということがこれは一番重要なポイントだろうと思いますので、この点を伺いたい。  それから第二点は日本発送電の首脳者陣の退陣を勧告せられておりますが、これは成る程再編成に反対して来たことは事実でありましようが、今当面の問題になつておるのは再編成に反対したから日発の首脳者陣を退陣せしめるというならば、先程吉田委員が言われたように再編成の具体的な促進コースを迫るのは政府なり與党でありまして、而も今お話を承わつた通り法案完成において或いは又それを議決に持つて行く国会の開会においても政府の方が十分ななすべきことができていないという状態にありますので、そういう状態において再編成ができないからというので日本発送電の首脳者の首を狙うということはちよつと早計ではないかと私は考えております。これは政府が十分に自分でおやりできることでありますから、それをしないで政府の代弁機関でありまするからして政府の意の通りに動かないというので、これに処置をせられるということについては、聊か穏当を欠くのではないかとまあ私は考えるのであります。それでこの日本発送電の首脳者陣の退陣が本当に犬死になるのか或いは犬死にならないのかという境目は、この二名の首脳者陣が退陣せられることによつて当面の見返資金融資ということがはつきりと決定して、電源開発只今頭打ちをしておる問題が一挙に解決される、こういうはつきりした見通しがあるならば日発の首脳者陣としては退陣しましても又瞑すべきであると私は思うのであります。従つてそういうことなしに政府法案が纏らない、国会も開けない、従つて関係筋の心証をよくするために日発の首脳者陣の更迭でもやつて見たならば少し事情も好転するのではないかというような意味で、この政府の代弁機関である日本発送電の首脳者陣の退陣を勧告せられるというようなことは、どうも穏当を欠くと私は思う。ですからこの二点について、すべては今私共が要求しております見返資金早期融資であります、それが日本発送電の首脳者陣の退陣によつて確実にできるのかどうか、又そういう目算の下にやられたのかどうか、こういう点は一つ明瞭にして置いて頂きたいと思うのです。
  28. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 見返資金放出と分割案とを一応分離して進めるということは、これはもう何人も御異論がないと思うのであります。私もできる限りその線に沿つて参りたいというふうに考えましてその後関係筋とも再三折衝をいたしたのであります。併しながらこの折衝の結果はどうしても分割案と切離せない、全く不可分の関係にあるということが極めて明確になつてつたのであります。と申上げますのは前々国会におきまして次の国会で必ず分割案を通過するということで第一回の見返資金放出されたそうであります。これはそういう明確な議事録は発見し難いのでありまするが関係筋はそういう気持でこの前一回出した、ところがその後この法案を通過させないじやないか、従つてこれ以上は出せないということが極めて明確に回答されておるのであります。そこでどうしても法案はこういう態勢を以て次の臨時国会には必ず通過させますという、向うに一つの安心感を與え向うの信頼感を得るということがどうしても一つの手であります。併しながら先程来いろいろ御意見もありまするし又今栗山委員長のお話もありましたごとく、異党との調整がいろんな御意見がありまするためにいろいろ延びて参つて来ました。更に又最終的な党の結論も果してこれでいいのかどうかという点に幾ばくの不安が残されておる。併しながらここまで来ました以上仮に党の方と我々の案とを一応すり合せまして、そうして調整がつきますれば結構であります。又調整がつかん場合にはどうするかという問題でありまするが、これは若しそういうようなことがありますれば政府案を何とか與党の御賛成を得て、その線で進めたいというふうに考えておるのでありますが、そういうふうな事情でありまするのでこの分割案がこういうことになつておる。この次の国会で必ずこれを通しますということを申上げましてもなかなかそれだけでは見返資金の了解を得るということは恐らく困難じやないかというような気持を持つておるのであります。そこでもう少しこちらの熱意と誠意を披瀝することがいいのじやないか、そうしてこれがためには先程来問題になつておりまする日発首脳部を一応更迭するということが相当効果的じやないかというふうな考え方を持つておるのであります。そこでその結果についてはつきりした見通しがついておるのかという御意見でありますが、苟くも人事を更迭いたすということはそう軽々しくできるものではないのでありまして、従つて我々もこれを断行いたしまする以上はそれに相当する何らかの結論を得られるというような考え方を持つて実は進んでおるのでありまして、ただここで必ずこれでできるということは申上げかねまするが、少くとも希望に副うような結論が出て来やせんかというような考え方を持つておるのであります。
  29. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 大体今のお言葉非常に婉曲におつしやつたのちよつと私も分りにくいのですが、結局一口に申しますと、日発の首脳着陣の総裁副総裁の退陣によりまして関係筋の心証をよくいたしまして、一方は政治的に再編成法案完成を急ぎ、一方は実際の電気事業の運営をやつておる責任者の退陣によつて、両方から何となく再編成を行う熱意を醸成しまして、そうしてそれによつて関係筋の了解を得られるような、これは見通しの問題でありますからはつきり断言はできませんが、そういう見通し、少くとも半々でなくて半ばより若干上越したような見通しをお持ちになつておる、こういう工合に理解してよろしうございますか。
  30. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 大体さように御了承願つてもいいと考えておるのであります。
  31. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) もう一つ伺いますのは、昨日あたりの新聞を見ますと、日発の総裁副総裁の退陣勧告を受けまして、政府が指摘せられたことく再編成に強硬な反対の論陣を張つたためにその責任を問われておるというような観点からしまして、そういう強硬な意見を開陳した首脳者団の人は、更に共にみずから職を辞そうというような空気があるやに伝えておりますがこの点に対する真相と、若しそういう工合にして現在の日発の首脳陣がみずから職を退いて行かれることについて、政府はどういう工合にお考えになつておるか、この点を一つ
  32. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 我々も只今委員長の言われたことは新聞で拝見した程度でありまして、これに対して別の面から何ら情報は入つておりません。ただ昨日理事会を開会いたしまして総裁副総裁が政府の意向を開陳されて同時に一身上に対する意見を述べられたことに対して、只今委員長の言われたような意見があつたということだけより外聴いていないのであります。従つてこれに対しまして我々は今のところ何ら考慮いたしていないのであります。更にもう一つの総退陣した場合にどうするかという御意見でありまするが、我々の見るところでは恐らく総退陣というようなことはないであろうという考え方を持つておるのであります。
  33. 古池信三

    ○古池信三君 只今の問題に関連してお尋ねをいたしたいのでありまするが、我々見返資金が一日も早く許可されまして電源開発が順調に進捗して行くということは、国民挙つて最も熱心に希望しておることだと考えますが、最近の新聞で今問題になりました日発の正副総裁が政府から免職をされるであろうという記事を見たときに、実は私は甚だ不明朗な印象を受けたのであります。併し政府としてかようなことを断行されるにつきましては相当な確信もおありのことだろうと考えます。又対司令部関係もあるものとも推察できるのでありますが、併し政治は飽くまで公正明朗でなくてはならんと考えまするので、国民の中に一人でもそういう措置について不明朗な印象を受けるようなことがあつたとしてはこれは甚だ望ましくないことであると考えます。従つて政府としてはこの委員会におきましてももとよりでありまするが、その他の方法におきましても国民に対して今回の措置は全く妥当であると納得させるような方法を公表されて、その真相並びにその正副総裁の責任のあり方、或いは若しこれが司令部からの指示に基くものであるならば司令部からの指示に基くものであるということ、又その結果として国民のひとしく望んでおる見返資金放出が速かに実現するであろうという政府の確信、かような諸般の事情をやはり天下に公知されることが私は必要ではなかろうかと思うのであります。ただ新聞に簡單に政府が正副総裁をやめさせるということが出ただけでは一般の国民は甚だ不可解な感じを抱く、そこに多少解せない不審が残るのじやないかと思うのであります。どうか私は政府としてはできるだけ速かにその真相を明らかにされて、国民が納得するような措置を講ぜられたい、そういうお考えがあるかどうかを一つお尋ねしたい。  更に又今日の新聞でしたかを見ますと、これに関連して政府部内の電力局の幹部においてもこれを転任させるというような記事が出ておりましたが、これは事実かどうか、これについてもお尋ねをしたいと思います。
  34. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 第一の御質問に対しましては、できるだけ御希望に副うような措置をとつて参りたいということにお考えを願いたいと思います。  第二の御質問でありまするが、これも今朝我々は新聞を拝見してそういう事実があるのかというようなことを実は知つたのであります。只今電力局長の手許で調査いたしております。若しそういう事実がありまするならば何らかの措置を講じなければいかんのじやないかというふうに考えているのであります。まだ調査中でありまして結果ははつきりいたしておりませんが、多分何かの誤報じやないかというような考えを現在では持つているのであります。
  35. 古池信三

    ○古池信三君 先程お尋ねしました中で、日発の首脳者に対する免職と申しますか辞職の勧告は、これは司令部からの何らか具体的な指示があつたのかどうかということについて。
  36. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 私の承知しておりまする範囲におきましては司令部からこの問題に対して何らの指示は受けておりません。
  37. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 二つお尋ねいたしますが、電力編成問題はすでにこれは政治的な問題になつていると思うのであります。日発の首脳者、これは私共が委員として日発の全国給電盤を見学に参りました際にも、地帶間の融通その他に関連して、日発にいる者として、今までの案による分断が如何にロスとそれから地帶融通を阻害するかといつたような、日発にいる人としての意見があるのは当然だと思うのであります。そういう日発自体として考えられる意見があるということは、これはむしろ責任を果す上において当然だと思うのであります。問題は、若し日発の首脳者が政治的に再編成或いは九分断案に反対されたというならば、これは政府の言われるような罷免というような問題も一部理由があるかと思うのでありますが、その点について日発首脳部が政治的に再編成について、或いは分断について反対せられたかどうか、その点を承わりたいと思うのであります。そうでなければこの罷免は非民主的であるし、私は責任を転嫁するものであると考えまするが故にそういう点をお尋ねするのであります。  それから第二点は、先程次官のお言葉の中に自由党の案ができて政府案と調整した上で国会に相談したい、或いは議会の方で案を作られることも望ましいというお話があつたわけであります。この議会の案を待ち或いは相談をして参る、こういう点こそ再編成熱意を示す私はゆえんである、具体的に言いますと先程臨時国会の点もありましたけれども、臨時国会なら臨時国会が開かれないでも、或いはこの委員会においても再編成問題で継続し考えておるわけであります。その意向を待つということも一つの具体的な方法だと思うのでありますが、政府は再編の熱意示して見返資金の早期解決を図りたいというその再編の熱意示し方の当時の具体案は、そういうものも含んでおつたのであるかどうか。国会に対する政府の具体案或いはその他にありました再編の熱意の具体的な方法について承わりたいと思います。
  38. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 日発首脳部会社の経営の立場から分割案に対してとかくの批判をするのは当然だという御意見でありますが、併しながら先程申上げましたごとくこの分割は過度集排法という法的根拠によりましてどうしてもやらなければならん状態にあるのであります。従つてただ分割の方法に対しましてかれこれの意見を開陳をされることは極めて結構でありますけれども、原則的に分割に反対するということは我々の考え方といたしましては不穏当ではないかというような考え方も持つておるのであります。更に首脳部が政治的に反対運動をやつたかどうかという御質問であります。これは私から申上げなくてもすでに社会的には相当政治的に動いておるということが問題になつておるのであります。ただここで然らば具体的にどういうことをやつたかという点になりまするとそこまでの事実は把握しておりませんが、少くとも世評では政治的に相当動いておるということは一つの定評と申上げてもよいまでになつておるのではないかと我々の方では見ておるのであります。  更に政府熱意に関連いたしまして、この分割案を推進する上においてどういう要素を取入れておるかということの御質問でありますが、これは国会の御協賛を経なければ結論を得ませんので、国会の御意思を十二分に御尊重しなければならんことは言うまでもないのであります。ただその前提といたしまして、何と申しましても衆議院では與党が大多数であります。先ずこの大多数の與党の意向をまとめるということがこの法案を推進いたしまする上において最も重要性を持つ。従つてこれに先ず重点を置きましてこれをまとめた上でこれを基本といたしまして、各方面の御了解をお願い申上げたいという実は考え方を持つて進んでおるのでありまして、当初八月上旬の御回答の中で、九月上旬までに何とかこれを目鼻を付けたいということを御返答いたしましたが、只今申上げましたようなことが全部含まれての上の御返答でありまするから御了承を願いたいと思います。
  39. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 多少再質問が反論のようになりますけれども、集排法の指示するところに従つて編成しなければならんということについては、これは日発首脳部としても同じだと思う。私は日発の首脳者の具体的な動きというものは知らないのでありますが、或いは我々に対する説明その他から見ても、日発の首脳者としてのこれは経営上の意見或いはそれが、例えば委員なら委員に再編成の具体案に対する短所長所といつたようなものを配られること、これも含めて政治的な活動と言われるのかどうか分りませんが、政治的に多少動いたことは分るのでありますが、併しながらこれは例えば配電会社なら配電会社そういう方面において動かれたことと何ら違いはないのじやないかと思います。今までの動き或いは今の説明を以てすれば、十分日発首脳者の責任を取るという理由にはならんように思うのであります。その点についてもう少し明確さがなければ責任をとらせるという理由には相成らんと考えますので、その点もう少し詳しく承わりたい。これは今までの説明では納得いたしかねますということ。  それから熱意の点について、今までの説明や報告がありましたその一切を含めてということでありますが、それで九月の上旬までになんとかなる、八月の初めの御言明とは違つて約束が実現しなかつたということになるのであります。その責任を問うても仕方ないと思いますけれども、それでは先程来の方法でもつていつ頃実現するか。例えば具体的に言いますと、再編成法案の成案に至りましては尚相当かかるようでありますが、單にその熱意の具体的な現われは日発首脳者に責任をとらせるという一点にかかるように思うのでありますが、九月上旬までに解決すると言われたその約束のずれはそれではいつ頃になつたら実現をする見通しであるのか、その点を承わりたいと思います。
  40. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 熱意の現われがただ首脳部を更迭せしむるだけでその他には見つからないという御意見でありまするが、今日まで我々が法案の調整に対しましてこれを促進するためには相当熱意を現わしたつもりであるのであります。ただ御承知通り休会中でありまするので與党委員がややもすれば欠席者が多くて予定通りに進行しなかつた、従つて時間的に多少ずれができたということに相成つておるのであります。いずれにいたしましても我々といたしましては大体九月上旬までになんとか目鼻をつけたいということを御返答申上げておりまするので、この線に沿つて極く最近のうちになんとかこれの結論をつけるように今後も努力をして参りたいという気持を持つておるのであります。  もう一つ首脳部の更迭が明確を欠く、もう少し詳細に説明したらどうかという御意見でありまするが、これは先程来申上げました理由で御了承願いたいと存ずるのでありまして、それ以上に我々も別箇の理由は実は持合せていないのでありまして、先程申上げた理由で十分ではないかというふうな考え方を持つておるのであります。
  41. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 関連いたしましてちよつとお伺いいたしますが、先程この工事中止された場合に五十三億からの損失であるということを報告されておりまするので、我が国にとつて相当大きな問題であると思うのであります。而してこの工事命令は政府工事命令を出しておるものと仮定した場合に、この五十三億の損失政府が持つべきものであるか或いは日発が負担するものであるか、その点どちらがこの経済方面の責任を担当するかということについて次官の御説明を願います。
  42. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 若し工事中止した場合の損害負担の責任者に対しての御質問でありまするが、全く御尤もな御意見でありますが、今のところ法規的にこれは政府が持つとか或いは日発が持つとかいうような明文はないのでありまして、端的に申上ぐれば工事の請負業者が個々に損失を負担しなければならんというようなことになつておるのであります。そこでかようなことになりましては由々しい事態を招来いたしまするので、万が一にもかような事態の起らないような処置を講ずるようにしたいと考えておるわけであります。
  43. 山川良一

    ○山川良一君 これは質問から少し外れるかも知れませんが、見返資金の問題と再編成の問題は関連を持たしてやることはどなたも恐らく御賛成でないかと思うのであります。で再編成の問題は見返資金関係がなくても、現在の段階では一日も早く決定しなければならない問題と思うのです。それが例えば新聞で伝わるように、日発の正副総裁を欠員のままで放置することが長く続くこともいけないと思うのですが、見返資金関係がなくてもどうしてもこの再編成の問題は今日の段階では是非しなければならん。一方見返資金自己資金関係で後の方は一応解決する見通しということでありますが、いずれにしても放置することは重大問題でありますので、一方実質的には見返資金の問題に関連していささか曲がりなりにも再編成の案の見通しを付けるのが重要で、それが付かなければ私の見通しでは、政府の案ができただけで見返資金が出るかどうか非常に問題でありまして、やはりこの参議院の当委員会の動きというものが相当重要な影響があると考えます。委員長にお諮りするわけでありますが、何か今後この委員会をどう運営して行くか、更に又政府としてそれに対して御希望があるならば率直にお述べ頂きまして、何とか実質的には見返資金が一日も早く出ますように、尚再編成法案を我々一日も早く結論を持つて行けるような二つの目的を進めて頂けたらと思うのですが。
  44. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 今山川委員からお話がございましたが、この委員会も各党の陣営を以て構成しておるのでありまして、この委員会で俄かにまだ法案も形を出していないものに対しまして、結論的な取決めをいたすということは恐らく不可能であろうと私は考えております。従いまして当委員会が行わなければならん当然の任務といたしましては、とにかく見返資金融資決定を促進するような、あらゆる努力をするということが当面の仕事でありまして、それと同時に再編成につきましては当委員会といたしましては飽くまでも政府を鞭撻いたしまして、政府がその成案を早く国会へ諮られるような措置を講ずるより外に途がないと考えます。国会へ出て参りましたものにつきまして当参議院委員会で如何なる態度を以つてするかは、これは国会法の定めるところによる以外に途はないわけであります。さような方法で進みたいと私は考えております。
  45. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 先程委員長の話されました点でもう少し明確にしておきたいと思うが、この前の委員会は私欠席いたしましたが、この前の委員会で再編成問題と見返資金は切り離して考えるべきだという御結論であつたようでありますが、先程来の政府筋の御説明によるとそれは切り離してはいけないようにまあ聞えるのでありますが、この点はどうしても再編成問題と切り離しては見返資金の問題は交渉ができないということであるかどうか。一応たびたびの話でそう思うのですが、委員長はつきりしておいて頂きたい。それでその次の発言をいたしたい、如何ですか。
  46. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それではこれは委員会関係がある問題でありますから委員会として私が御答弁申上げます。政府側政務次官からお答え願います。  先程も申し上げましたように当委員会にこれはこの問題を特に取上げまして、委員会決定をいたしたわけではございませんからその点はお含みを願いたいと思います。議事録等で御調査頂ければ分りますが大体の傾向といたしまして、再編成問題と見返資金融資の問題と絡み合せて進みますることについては、いささか理論的に過ちではないか、こういう意見が各党の大勢であつたわけであります。又政府の方といたしましても、理論的にはこの点我々委員会の述べましたところの意見を肯定せられたように私は覚えております。併し諸般の事情からいたしまして、現実の問題として資金と再編成の問題が絡み合つておることを解くことはなかなか政府として至難である、こういうような御見解が述べられまして、これによつてこの現実の見解の上に立つて政府は万全の努力を傾けたい。こういうような御答弁であつたように私は考えます。
  47. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 只今稻垣委員の御質問でございまするが、理論的には成るほどこの再編成の問題と見返資金の問題を切り離した方がいいと考えまするが、実際問題といたしまして関係筋の意向は、この分割法案が通過いたさなければ実際に見返資金放出しないということをはつきり回答されておるのであります。従つてこの問題を解決いたしまするためには、どうしてもこの分割法案を一応了承のできるところまで完成するということは、絶対條件であるというふうに御了承願いたいと思います。
  48. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 只今のお話ではつきりいたしたのでありますが、そこで委員長お尋ねいたしますが、当委員会としては然らば関連を以てこの見返資金の問題を進めて行くということを各委員の方が了承されるのかどうか。又今政府の御説明を了として、その立場から今後先に見返資金の問題を関連させて論議しているのかどうか、その点をはつきりして頂きたいと思います。  それから政府の今の御説明について尚当委員会において念のために関係筋に更に照会するかどうか、それは聞き合せ方法は又別に考える、別に切り離してはどうしてもいけないという点について念を押すかどうか。そういつた点について一つはつきり……。
  49. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今稻垣委員から再編成問題と資金融資の問題と同時に絡み合わせて解決するのか、或いは別個に切り離して進めるのかを、当委員会として決定しておくべきだという御意見がございましたが、この稻垣委員の御意見につきましての各委員の御発言を願いたいと思います。
  50. 水橋藤作

    ○水橋藤作君 私は全面的に賛成するものでありまして、尚見返資金融資の問題と再編成問題は、先だつて委員会の空気と同じであつて段階も私は絶対分離して取扱うべきものであるというふうに考えております。
  51. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今稻垣委員の発言に対しまして、水橋委員から賛成の御意見がありましたが、さように決定してよろしうございますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  52. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 私の申上げたのに少し誤解があるといけませんので申上げます。政府においては切離せられないというこういうような御意見であると私は承知しております。そこで切離されないという御事情にあることも私には十分了承できるのであります。そこでこの前の切り離すという御意見に皆まとまつたようでありますが、切り離すということで、進めて行きますと何だか平行線のような形で、実際の問題が処理できないではないかというように考えますので、私はこの問題を提案いたしたのであります。そういたしますとこれは関連してやらなければどうしてもいけないという結論であれば、その結論趣旨に向つて我々がどういうふうに努力をするかという問題を私は第二段として提案したいと思つてこの問題を申上げたということは、今の政府の御説明を、私全面的に御支持申上げて今こういうことを申上げた。そこで私は政府の御説明を全面的に御支持をするかどうか、その前にこの委員会が念のために関係筋へこの問題をもう一遍懇願するかどうかという手段をお取りになるか。或いはもう政府の御説明によつてこれは関連を持たなければいけないのだということで、一応皆さんの御意見がまとまれば、然らば関連を持つた場合にこの問題をどういうふうに取扱うかということをその次に私は御意見を承わりたいと、かように存じておるわけであります。
  53. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今意見でありますが、当委員会といたしましても、又参議院といたしましても、関係筋からは一言もさようなことを伺つていないわけです。すべて政府との間の折衝になつておるわけであります。従つてその観点に立つて政府から御説明を頂きましたことについて信用するか、しないかは当委員会の全く自由であろうと私は思うのであります。従つて政府側が関連を認めていろいろと今後の政策を進めて行かれるのも全く御自由でありますが、当委員会はそういうようなことに何ら拘束を受ける筋合のものではないと私は思うのであります。従いまして今後関係筋へ当委員会といたしましていろいろと折衝いたします場合におきましても、そういうような問題は全く白紙の形におきまして、何ら拘束を受けない自由な立場で物事を進めた方が却つて円滑に行くのではないか、こう私は考えるのであります。従いましてそういう観点から只今稻垣委員の御発言を取上げまして皆様にお諮りをし、水橋委員の賛成を得まして、この委員会でそういうような意味において態度を決定して置きたい、こういう工合に考えたわけであります。
  54. 江田三郎

    ○江田三郎君 先程来の政務次官の話を聴いておりますと、再編成法案が通過しなければ見返資金は出ないということははつきりしている、こう言われるのですが、又その外の機会に述べられた言葉の中には、極く最近のうちにこれは結論を付ける、こう言われておるわけです。そうして極く最近のうちに結論を付けられるのには、国会の方はいろいろの事情で開かれないということも言われたわけです。そうするというと法案が通過しなければ見返資金が出んというのに、国会は開かれない、ただ與党であるところの自由党政府との間の話合だけ付けばそれでいいのかどうか、参議院というものは一体どうなるのか、そういう点についてどうもはつきりしない点が大分あると思うのですがね。
  55. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 江田委員の御質問でありますが、成る程国会はまだ開かれない、それにも拘わらず最近のうちに結論を付けるということはおかしいじやないかというようなお考えは御尤もでありますが、法案は申上げるまでもなく次の国会でなければ結論は得られないと思う。同時に先程来申上げましたごとく、関係筋の意向はこれも法案が成立しなければ見返資金放出しないということを言明されておるのであります。その点から考えまして、極く最近のうちに解決を付けるということを申上げたことが御疑義を持たせたことは御尤もと存ずるのであります。ただ我々といたしましては法案はどうしても臨時国会を待たなければ通過しない、併しそれまでに見返資金は何としても猶予できない、そこでこの際何としても見返資金放出だけでも関係筋の御了解を得たい。今日までは法案が成立しなければいかんということをたびたび明言されておりますけれども、少くとも国内の経済の事情、或いはこの工事を打切つた後にできまするところのいろいろな事態等々を詳細に申上げるし、又更にさようなことで次の国会では必ず法案が通過できるものと思うというようなこと、更に又併せてそれに関連して日発首脳の問題も申上げる、そうして政府熱意と誠意とを披瀝いたしまして、この際あらゆる懇請をやつてみたいということになりますれば、或いはこの問題は見返資金に関する限りは何らかの曙光を認め得るのじやないか、又認め得るように飽くまでも邁進いたしたいというのが我々の心持なんであります。
  56. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の御答弁から行きますと、結局法案の問題と見返資金の問題は切り離して考えてもいいということになるわけですね。
  57. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 或いは時間的には切り離されるかも知れませんけれども、併しこの見返資金を解決いたしまするためにはどうしても切り離せないということになるのであります。ただいわゆる実質的に成案を得るか得んかという問題だけは時間的にずれがあるかと存じますが、併し少くともこれに関して関係筋の十二分な信頼を得なければ、凡そ見返資金の問題も解決せんのじやないかというふうに考えておるのであります。
  58. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういうことになるとこれはいろいろな事情があつたところで臨時国会を開かなきやならんということになるのじやないか。政府では成案というものはもうすでに見ておつたわけです。で臨時国会を開かんでそういうことができますか。
  59. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 政府の成案はお説のごとく前国会に提案いたしたのでありますが、併しそれに対して国会では相当の御議論があることによつて審議未了になつたのであります。そこでこれをこの次の国会を開いた場合、さようなことの再びないように事前に調整いたしたいというのが現在我々の取つておるところの構想でありまして、従つてお説のごとく完全な対策を取りますのは、国会を急速に開いてこれの成案を得るということが一番いい方法でありますが、併しそれは先程来申上げましたごとくいろいろの事情から当分開会困難ではないかというふうに考えられまするので、それではこの見返資金が荏苒日を待つていられないという急迫した事情がありまするので、取敢ずこの今日までの法案の運び方の経過とこれを絡み合せまして、この際急速に見返資金だけでも解決いたしたいということであります。
  60. 江田三郎

    ○江田三郎君 だから見返資金法案とを切り離しても何でもいいのだということになれば、今の次官の御答弁で我々も了解つくのですけれども、そうでないということになるのならたとえ自由党政府との間に意見が一致を見たところで、衆議院はそれでともかくといたしまして参議院の場合には必ずしもそう行くかどうかということは分らんわけですから、だから切り離して考えてはならんということになると、臨時国会を開かないということは政府がこの問題に対して熱意がないということにはつきりなるわけです。切り離して考えてもいいということになればそれで結構だと思うのです。
  61. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 政府は臨時国会を早急に開きたいという意向を持つておるのでありまするが、これは何回も繰返しますがいろいろの事情からどうしても現在は開会できないということになつておりまするので、止むなく延期しておるということになつておりますので、この点一つこういう程度で御了解を願いたいと存ずるのであります。従つてこれを開かないから熱意がないという御意見には我々はどうしても共鳴するわけには参りかねるのでありまして、その範囲内におきましてもできるだけこれを早急に解決いたしたいということに思いをいたして努力をいたしておるのであります。
  62. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 先程のお話でこの委員会が切り離して考えるという考え方、これはまあ委員会としてとにかく自由の考え方で政府に抑えられる必要もないということについては私は同感でありますが、そこでただ政府としては不可分でこれで今やつておる、臨時国会が開かれてこの法案が可決されるのを待たないで何らかの成果を得るように努力しておるのだというお話でありますが、それは併しながらただ漫然とその努力を待つておるということもこの委員会としては甚だ何であります。いつまでに大体どの程度に結末がつくのかという点をはつきりすることが必要だろうと思うのであります。それが一つ。  それからして又実際にいつまでにこれのけりがつくのか、どうしても法案を通さなければならないかどうかという点をこの委員会としても司令部に確めて見る必要があるのではなかろうかというふうに、私は第二段にそういうことをしなければならないと思うのであります。その結果どうしても不可分であり、而もこの法案が通らなければ見返資金が出ない、こういうことになりますとこれは非常に重大なる問題である、これは政府としても非常な責任をお感じになることだと私は思うのであります。五十万土建者は五十三億の損失を法文が出ないからということで結局負担するのだ、或いは配電会社が負担するのだということになるとそのままには放置できない問題になつて来ると私は思う。従いましてその場合にはどうしても政府としては好むと好まざるとに拘わらず、或いはいろいろの事情があるとなしとに拘わらず、どうしても臨時国会を開いてこの問題を決定して行かなければならないと思います。その辺は順序を迫つて政府の御見解をはつきりして頂きたい。この委員会としてはどうこれに対して態度をとるべきか、言い換えれば司令部その他に対して委員会がこれを表明するかどうか、或いはそのための腹を委員会としてはとらなければならないのであるかどうかと、かように思うのであります。  そこで第一番として一旦政府として御努力なすつておる、それは分りますが、それでいつまでに大体目鼻がつくのだということがはつきりしないと、この前八月下旬が今日になつて成果を得ていないのでありますから、これが漫然と十月になると五十三億というものはふいになつてしまいますが、何日過ぎますとはつきりといつ幾日ということは言えませんでしようが、ただ只今どういう問題でこの問題が白とか黒とか、はつきりしたことをお伺いしたいと思います。
  63. 首藤新八

    説明員首藤新八君) お説のごとく時間的にいつまでにやるということはできませんが、併し見返資金の問題と睨み合わせまして一刻も早く結論を得なければならない実情にあるのであります。この点は党の方も十二分に了解して頂きまして最近は相当熱意を以てやつて頂いておりますので、ここ十日間ぐらいの御猶予を頂きますれば大体一応の結論が得られるのじやないかというように考えております。
  64. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 今政務次官のお話では十日程というお話でありましたが、それは今のお話をちよつと私聴き漏らしまして間違えるといけませんからはつきりいたしますが、與党内の御意見が十日程でまとまるという御意見でありますか。或いは十日程の間に向うとの折衝が何らか白とか黒とかはつきりするという意味でありますか。その点をちよつと念のために。
  65. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 向うとの調整も是非とも十日以内にまとめたいと同時に、見返資金に対する結論も大体この範囲内においてやつて貰いたいというふうに希望を持つておるわけであります。但し先程も御意見がありましたように一応案が與党との調整ができまして、この参議院委員会にも御相談を申上げ一応御審議を願つた方がいいと考えております。
  66. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 まあ與党の調整ばかりでなく大体それの間に野党との調整もあり、参議院委員会にも諮られそうして向うと交渉をされる、大体それが十日ほどだというように承われるのであります。與党内の御意見が非常に簡單に四、五日でおまとまりになつたと仮定いたしまして、この当委員会に一応かけられ参議院の態勢も大体その筋で行くのだという形勢にそう至極簡單になるとお考えになつておるのかどうか、その点を一つはつきり承わりたいと思います。
  67. 首藤新八

    説明員首藤新八君) むろんこの問題は重大でありまするので、至極簡單に参議院の方に御了解を得ることは困難かと存じます。ただ先程来申上げましたごとく、見返資金の解決は何としても一刻も早くこの際解決しなければならない事情に追い込まれておるのであります。そこで我々といたしましては、この当面の問題としては見返資金の解決に全力を盡したいという気持を多分に持つているのでありまするので、参議院委員会におきましても是非ともこの際法案のスムースな運営に御協力をお願い申上げたいという気持を持つているわけであります。何とかどうぞこの点を御了解下さいまして、御援助を下さることをお願いいたしたいと思います。
  68. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと稻垣委員始め皆様方にお諮りいたしますが、大体只今までの論議で問題がどの程度に進展しつつあるか、勿論その見通しも分らんと思うのでありますが、当委員会としましては資金問題と再編成問題とを一応一束に束ねまして進めるか進めないかというようなことを委員会決定をいたしまして、そういうことを前提として本問題の審議或いは調査をするということは甚だ好ましくないと私は考えるわけであります。ただそういう現実の問題がありますることを、審議なり調査の過程において各委員が十二分に御了解の上で論議を進められるということについては、全く御自由であろうと思いますが、委員会として正式にそういうような重要な基本的な態度を決定をしましてそうして進めるということについては、甚だ好ましくないと思いますので、そういうような点を御了解頂きまして、本委員会は全く従来と同様に白紙の状態において自由な立場から、この問題の早期且つ最も効果的な解決のために委員会としての活動をいたすというような形で、先程申上げましたような点を取決めをいたした方がよくはないかと私は考えるのであります。稻垣委員の先程の動議を取上げておりますのでこれを一応決定をいたして、それから時間も大分迫つておりますから一応次の議事の進行に入りたいと、こう考えるのであります。如何でございましよう。
  69. 稻垣平太郎

    稻垣平太郎君 私は今の委員長の御解釈の通りが最も然るべきだと思つております。自分が動議を出しましたがその辺が曖昧でありました。前の委員会でそのお話合があつたからということで念のために申上げたのでありますが、殊に参議院が関連性があつたからと言つておるから要望いたしたのでありまして、はつきりしない方がいいと思うのでありますが、私は委員長の御解釈に賛成であります。
  70. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 賛成なんであります。政府意見従つて参議院のこの委員会が出て行きますならば、今日の会合も大した意味を持たんと思います。今日見返資金放出問題について特に休会中にも拘わらず開かれました理由は、この問題について何らかの促進策を見出そうという御趣旨が私はまああつたと思うのであります。具体的な方針についてはとにかくといたしまして、そこでいわば参議院として或いは委員会として独自なとにかく見解と動きをしよう、こういう御意向であつたと考えるのであります。政府の今の案によりますと、自由党内部にも多少の異論があるから自由党意見を取りまとめればそれで衆議院は勿論通る、それから参議院のほうもそれに賛成して呉れ、こういう御態度のように解釈しておるのです。それでは、成案と申しますか法案通りますについても、相当の紆余曲折、困難があると思う。それから又不可分だという観点からそういう法案の通過については自由党との調整を図り、今後通過をさせますからとこういうことで日発の責任者も処分し見返資金放出の懇請をしよう、こういう態度だと思う。私はそれでもつて言われますように十日以内なら十日以内にはつきり十日ぐらい経つてでも構いませんが、放出許可されるかどうかという点についても疑問がある。事態は私が申上げるまでもなく現地においては相当切迫した問題になつておる。私も宮崎県に行つたわけじやありませんが上椎葉の電源開発にしても工事が停滯いたしますために、沢山の人夫が入つた、或いは商人も入つた、それが工事が進捗いたしませんためにそういう者の中から泥棒をする者ができるとか、或いは失業問題が相当深刻になつておるということが新聞紙上に報ぜられておる。我々は国民の代表者として一日もこの事態を放置することはできない、こういう点から今日馳せ参じて参つたわけです。参議院として折角なすつた特別委員会がその問題について独自に動いて頂くことを希望するし、又切り離して進むのだということで或いは成案の点についても委員会としても考えて貰おうし、それから何といつても臨時国会開催の必要があるしそれなくしては本格的な解決もできませんので、そういう問題についての意見一つお取りまとめを願つて、この委員会としていや参議院としてどうするという点について御協議を願うことが私は望ましいことと考えております。
  71. 山川良一

    ○山川良一君 今の見返資金と再編成の問題は、先程ちよつと申しました再編成問題をそう放置できないから急いで何とか取りまとめるように委員会努力するということにして置いて頂ければ、そのことが又見返資金放出にいい効果を来すのだろうということで、やはり元は再編成の問題を急いで何とか取りまとめようじやないかという委員会の恰好にして頂いた方がいいのじやないですか。
  72. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) お諮りいたしますが、これで一応の質疑論議を終りましてここで休憩をいたしまして、午後再開の劈頭にこの問題を本委員会として如何ように取運ぶかを決定いたしたいと思います。さように御了承願います。    午後一時十四分休憩    —————・—————    午後二時二十五分開会
  73. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは午前中に引続きまして委員会を再開いたします。  先程のお約束によりまして只今から見返資金融資促進につきまして、参議院の本委員会のとるべき態度について各委員の御意見を伺いまして決定をいたしたいと思いますが、その前に政府側出席を求めておりまする第五の問題でありまする電力割当の件でございますが、係官が間もなく第三四半期の関係筋との話合いのために行かれなければならないそうでありまして、而も今日は相当重要な打合せであるやに聞いております。従いましてこの第五の第三四半期電力割当の問題につきまして、簡單だそうでございまするから伺いましてそれから進みたいと思います。
  74. 澤田達

    説明員(澤田達君) 安本の澤田電力課長でございまするが、只今お話のように関係筋の折衝の時間の関係がございまするので、この間さしはさんで頂きまして若干時間御説明を申上げたいと思います。  電力割当制度の改正につきましては、七月以来第三四半期から実施いたすべく国内的にも愼重審議を重ねつつ、且つその筋とも数次に亘つて接触を保ちつつ交渉を進めて参つていた次第でございまするが、いろいろ紆余曲折を経ましてあとで御披露申上げますが、国内的に漸く妥結しかかつた安本案によつて一時はまあ或る程度まとまりかけたのでございまするが、その後事情の変化がございまして、九月二日だつたと思いますが一つの案が示されまして、それによりますると電力割当制改正の大きな指示が明らかになつたわけでありますが、先ず第一に、従来の割当制度の経験に徴しますると、割当制度を單純にして安定させることができるということが分る。單純化、安定化すると二つの目的が達せられる。その二つというのは、官庁並びに電気事業者割当事務の人員の節減、従つてそれに伴う経費の節減が可能である。それから第二番目といたしましては、産業経済に対しましては標準料金で供給できる電力量というものがはつきり需要家に対して安定して通知されるので、需要家側としては生産計画も立つし企業の合理化もできますので、それによつて日本経済に寄與するところが大きい。この二つの目的が達せられる。こういうことが第一項であり、且つこの案の根本精神でございます。  それから二項におきまして然らばどういう方法によるかと申しますと、料金規定の種類によりまするとC1と申しますが大口電燈業務電力C2、それから五十キロ以下の小口電力D1、それからD2のところの三千キロ未満、三千キロ以上を除きましてD2の三千キロ未満の大口電力、これに対しましては需要家別、月別に標準料金で使用できるキロワットアワー決定することによつて割当を安定することができる。この割当制は然らばどういうふうに決定するかと申しますると、本年の大月三十日までの過去一ケ年、つまり昨年七月から今年六月までの一ケ年間の月別、各需要家当りの当初割当、安本の基本割当、つまり追加割当を含まない当初割当か、もう一つは各需要家の月別の需要実績にある一定の率を掛けたもの、そのいずれか大きいものをとつて個々の需要家、の各月の標準料金で使えるアワーを固定する、こういうことであります。この一定率と申しまするものは、会社別に豊水期は何%、渇水期は何%、各地区の水力発電比且電気事業の收支から公正に決められた率であります。  そして三つ目に、電気事業者は上記の計算をする必要な資料を持つており、又電気事業者は以上の計算をすべきであり又レコードを記録をすべきである、つまり電気事業者に任かせるということでございます。  それから第四番目の新たな電気の需要者、つまり六月以降新規需要者に対してはどうするかと申しますると、新規需要者に対しましては、同種類の既設の需要家なみに扱う、こういうことであります。新規需要者とはニューコンヅマーとなつでおりますが、新しい需要家は既設需要家なみに扱う、こういうことであります。それから五番目にA1定額電燈、A2メートル電燈については変更する必要がない。それから三千キロ以上の大口電力につきましては、従来通り割当をするということでございます。  それから六番目に、この改正は十月一日から実施することとしその改正はできるだけ早く需要家に周知徹底するようにする、こういう趣旨であります。  本問題につきまして重要な点は、経済界の変動の激しい過去一ケ年間の各需要家の非常に変動した需要実績で、今後将来の生産活動を縛るということは産業の実態に副わず、非常に重要な影響を與えるということ、そのことにつきましてなお折衝中でございまするが、なかなかむずかしい次第でございます。右の案は冒頭に申上げました通り割当制度の單純化と、安定化によりて人員の節減、それから各需要家に安定した生産計画なり、企業合理化ができるような処置を講ずべきである、この根本原則は何とかして実施したい、こういう意向が非常に強いようでございます。非常に産業影響が重大でございまするので、本日御呼出しにより若干の時間を頂きまして速報いたした次第であります。  然らば政府としては如何なる案を持つているかというと、電気事業者の牧支もある程度はつきりし、電気需要者も納得する線であるべきは勿論でありますが、産業界、使用者側においても納得する案であり、且つ三四半期、四半期、渇水期を控えた現在でございますので、余り急激な変化を起さないように漸進的な案で、でき得る限り割当制の簡素化を図りたいという根本思想に基きまして、かねて関係方面とも或る程度話を進めて来た原案を更に修正いたしましてなんとか案をまとめたいと考えております。その安本の当初案に基く具体的な案を簡單に申上げますると、C1大口電燈とC2業務電力、それからD1五十キロ未満の小口電力、これにつきましては、前年同期の実績を基準に割当をいたしておつたわけでありますが、これを次のような方法で料金規定の中に入れてしまう。その方法といたしましてはC1大口電燈につきましては、契約電力一キロワット当り一ヶ月六十キロ時まで、冬は四十五キロまで、これまでは標準料金を適用してそれ以上は超過料金、それからC2業務電力につきましては一キロ一ケ月当り百二十キロ時、冬は九十キロワットアワー、これを標準料金を適用段階といたします。それからD1五十キロ以下の中小産業につきましては契約電力一キロ一ケ月当り三十キロ時まで標準料金を適用いたしまして、それ以上の超過料金を適用する分につきまして若干の逓減を図りまして、三十キロ時超過して二百五十キロ時までの間の起過分に対しましては、普通ならば全額超過料金がかかるわけでありますが、夏は超過分の一割程度の超過料金をかけて、冬は二割程度アワーに対して超過料金を取る。但二百五十キロ時以上につきましては全額超過料金を適用する。超過料金の適用の幅に若干の制限を加える、かような処置を講じて個々割当を廃止して供給規程の中に織込んでしまう、こういう考え方でございます。これによつて現在発券いたしておりまする八十数万軒の需要家のうち九七%程度は発券が廃止されまして料金計算に移るわけでありますので、事務簡捷化は相当程度達成せられる案でございます。それからいわゆる大口電力につきましては如何ようにするかと申しますると、大口電力のうち五百キロ以上のものにつきましては従来通り割当をする、但現在いわゆる特定小口というように五百キロ以下でありながら大口なみの需要家から個々申請を取りまして安本でアロケーシヨンしておつたものは、これはこの際廃止いたしまして純粋に五百キロ以上のもののみ約四千三百軒ほどでございますが、その約半分程度に整理をしてしまつて、従来安本が個々に発券いたしておりましたものの半分程度に縮減してしまう、こういう案でございます。それから大口電力の中の五十キロから五百キロまでのものにつきましては、前年同期の実績を基準にいたしておりましたのですが、一年前の使用実績でございまするので非常に実情に副わないで多々問題がございましたので、これを最近三ケ月例えば第三四半期の例で申上げますると、十月——十二月分につきましては、最近の五月——七月程度の実績を元にして一定式で割当をするということに改善、いわゆる改善実績主義で行きたい、これは約一万七千軒ほどございまして、従来の切符を発券しておりました総数に対しまして、約二%でございます。五百キロ以上の安本割当をいたしまするのは、従来C1C2を含めてアロケーシヨンしておりました総需要家の〇・二%に当る約二千軒程度需要家だけに安本割当を存続する、こういう案でございます。誠に徹底し切らん案でございますが、諸般の情勢からこの程度漸進して、更に実情を見つつ簡素化して、経済の情勢に合致しつつ割当制を廃止して行きたいというのが安本の考え方でございます。  尚この案に対しまして問題点が二つあるわけでございますが、このC1・C2・D1についてアロケーシヨンを外して料金を規定する場合の、例えば六〇キロ、四五キロというものにつきまして、或いはD1の二割、一割というものにつきまして地域差をつける、各地区の水力水力比によつて地域差をつけろという考えがあるわけでありまして、仮に安本案を採るとしましても、地域差をつけるというわけでございます。要するにアロケーシヨンに地域差をつけるというわけでございまして、このことは現在の料金そのものに地域差がついておる上にアロケーシヨンに地域差がつくわけでございますので、更に地域差が激化するというわけでございまして、政府といたしましては再編成を目前に控えまして地域差を激化するということはとるべきではないので、でき得れば一律で行くべきであるという考えを持つております。仮に安本案を採るにしましてもその点についてやはり一つの折衝問題が残つておるわけでございます。  それからもう一つ全般を通じまして電気事業の收支にひどく影響を與えるような案では工合が悪いということが問題として残つておるわけでございますが、我々の試算によりますと、安本案におきましては電気事業の收支には決して影響は與えないという推算をいたしておるわけでございますが、この点についても仮に安本案を採るにいたしましても問題が残されておる次第でございます。  それからもう一つの問題は大口電力の扱いにつきまして只今純粋に五百キロ以上のもの、五百キロ以下で五百キロ以上の扱いをされたものは廃止するけれども、安本といたしましてはそれ以上大口電力の範囲を縮少する考はありません。仮に安本案を採るにいたしましても三千キロ以上の大口工場だけ割当をする。三千キロ以下のものは割当を廃止するという線が出ておりますが、この点も問題として残つておるわけでございます。以上かれこれ大きい問題それから細かい問題について話を進めつつある次第でございます。  以上簡單でございますが重大な問題でございますので、こちらから御連絡がありましたので早速伺いまして極く新しい状況を御説明申上げた次第でございます。尚資料はちよつとございませんので、明日でもでき次第お届けしたいとかように考えておりますので御了承願います。
  75. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 割当問題でちよつと私から一、二点質問を申上げたいのです。実は八月の委員会のときに私が資料要求をいたしまして、いわゆる現在の地域差料金、現在の割当方法が妥当であるかどうかの検討のできるような各地区別の、又業種別の内訳表を作成願いたいというので安本のあなたの方で拵えて頂いたのでありますが、これを拝見して非常に私は電力地域差料金を含めての割当が各地区別に均等になつておるということが分つたのであります。これは本年四月、五月、四月は冬期であり五月は夏期でありますから丁度工合のいい数字が出たわけであります。総括的に申上げますと火力料金の徴收状況を見ますと、一番酷になつておりますのが従量電灯、その次に小口電力、それから大口の電力の甲、乙という分類に入るのであります。丙の方が段々逓減しておるに拘わらず又きびしくなつておる、こういうような現象が出ております。最近大口工場から盛んに電力の標準割当の増加の運動がありますが、これは私この実績から見てもやはり無理があるのだということが分つたわけで、それからもう一つは地区別に見ますとここで非常に驚いたことは、北海道のごときは従量電灯が火力料金の方の負担の方がパーセンテージで行くと多いのです。四月などは標準料金で拂つたのが四〇・七%、火力料金で納めたものは五九・三%、こういうようなことになつております。而もその影響は九州なども高いのであります。それから中国、四国も高いわけであります。従つて地域差料金が高くて而も標準電力量割当がうまく行つていないために、火力料金を織込んだ後でネットの需要家の支拂料金というものが全国的に非常にアンバランスになつておるということがはつきりしておるわけであります。従つてこういうものを土台にして過去一ケ年間の実績としてそれで今後やつて行こうということになりますると、これは今国内にある各消費者の不平というものを一つも解決しないで不満の実績の上に更にいろいろ積み上げて行くということに私はなると思います。従つて今あなたから御説明頂いた点は事務的には一つの基準をお作りになるわけでありますけれども、それを適用する現在の電力割当、或いは電力料の支拂状況というものがこういう不均衡なものになつておるということをよく認識されて、而もこれで関係筋と折衝せられておるのかどうか、その点を私は明確にしておきたいと思うのです。それでまだ実は資料を頂いただけで若干の数字的な検討を加えておるに過ぎませんので、細かいところを一々申上げられませんが、この次の委員会までにはこの間頂いた資料で私共の立場で一応数字的な検討を加えて、そうしてもう少しあなたの方の御意見を伺い、又我我意見も述べたいと思つておりますが、こういうような内容を若し国民に発表いたしまするならば、私は恐らく納まらないだろうと思うので、その点を一つ説明願いたいと思います。
  76. 澤田達

    説明員(澤田達君) 地域的でなく前段の部門的の火力料金の不均衡の問題につきましては、安本案におきましては当初例えばメートル電灯につきましては現在冬は二〇キロ、夏は四〇キロ乃至五〇キロ、月によつて違うわけでありますが、までが標準料金でございまして、それ以上は火力料金が適用されるようになつておりますが、且つアパート、同居世帶につきましては何家族つておりましても一軒当り一契約でございますので、二〇キロまでが標準料金ということでございます。そのためもありましてメートル電灯の料金と火力料金收入とが他に比して多い、又議会等におきましてもいろいろ非難もございましたので、今度の割当改正案からは若干外れた問題ですが、第一項にメートル電灯については冬は二五キロ程度まで上げる、その代り夏はむしろ余しておるので三五乃至四五程度修正し、又アパート、同居世帶は一定の証明に基いて契約口数の増加を図るという案を立てたのでありますが、現在の制度は合理的なものであり又これを変更することによつて、例えば二十キロを二十五キロにすればそれだけ電気料の收支に影響をいたしまするので、なかなか話が捗りませんでしたので、割当量の大筋を早く決めたいため一応これは切離した次第であります。御趣旨の点については我々といたしましてもできる限り今後とも努力したいと考えておる次第であります。  それから御指摘のように、C1・C2に比べましてD1の電力料金即ち小口料金の平均の負担化の方がむしろ非常に高く出ておりまするので、この案につきましてはC1C2はむしろ比較的安くなつておりますので、それらを勘案いたしまして六〇、一二〇、それから三〇以上の火力料金の適用の或る枠をはめるという案を起案いたした次度でございます。それから地域差の問題につきましては、先ず或る案といたしましては御指摘のような各地区の部門別の、例えば業務電力で申しますると、北海道地区辺りは一キロ平均一七〇くらい使つておりますが、或る地区では一〇〇以下の平均になつております。その各地区の部門別の実績、それを取つてその地区の機械的な標準料金の段階にいたすという案もございまするが、それは御指摘のような現在のアンバランスをそのまま規定化してしまうということでございまするので、それは取らないで各地区の実績を検討しつつ、むしろ一定の各地区一律のアロケーシヨンをするという考えを規定化に持つて行くというのがこの案でございます。  尚六〇、一二〇等の絶対数につきましては更に検討して直すことなど考えておりますがまあ大体においていい案ではないかと考えておりますが、料金は部門別又は地域別についてはさような配慮をいたしつつある次第であります。それから五十キロ以上のものにつきましては、これは従来の個々割当方法が残されるわけでございまするので、個々割当の際に大口の一番上の方が火力が強かつたり或いは下の方が強かつたりすることのないように、残つたアロケーシヨンの範囲内において直して行きたい、かように考えておる次第でございます。
  77. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) まあこの問題はもう少し研究しなきやならんと思いますが、関係筋が電気事業の收支バランスのことを非常に考えておられて、このために電力料收入のことを懸念されて余り決定された案の変更をしないようにという趣旨は分るのですけれども、電力事業の牧支バランスは大局的な観点に立つてすべきである。若しそれが成り立たなければ全般を上げるとか直すべきものである。不合理に満ちた点が発見されたのにこれをしも押して強行するということは、これは電気事業者として又各個々の消費者として堪えられないと思う。又そういうことは許されないと思うのです。あの電力料金制度が昨年十二月十三日に発表された時にも当時私は力説したのでありますが、当時の政府側説明では基本的のものは非常な合理化にあるのだけれども、内容において若干そこに方法があるであろうからそういうものを将来に亘つて修正することは吝かでない。関係筋もそういうことについては拘泥せられないということを聞いておつたのでありますが、今のお話を聞きますと少し奇異に感じますから、その点は少し私共も資料を整えて大いにあなた方と意見の交換をしたいと思いますが、政府の方も今のお話のようなことでなくてもう少し国民の意思に十分副い得るような形で改善に是非とも努めて頂きたい。私共はこの研究の結果を公けに発表することはちつとも躊躇いたしません。若しこれが直らないということならば国民に発表してその結果を問わなければならんと思いますが、その前に是非とも政府において十分な処置を一つつて頂きたいことをお願い申上げて置きます。
  78. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 今問題になつておる新しい割当方式と直接関係はないかと思いますが、火力問題と関連して私共の信じておる事柄、そういう疑問に関連してお尋ねするわけであります。  只今割当方法の変更に関連しても、小さい所は何と申しますか負担が大きくなるような感じがするのです。これは私は炭鉱に関係しておりますので炭鉱で知つた事実であります。中小炭鉱で保安電力の大きい所で非常にそれがコストに響いて来るのですが、金利その他にも影響して来るわけです。先程頂きました電気事業編成資料を時間が十分ございませんので全体を見ることができませんけれども、例えば石炭産業関係だけ見てみましても、二十三年に比べまして順次安本案にしましても減つておるように見受ける。これは一つは石炭重点主義の修正がはつきり電力量割当にも現われておると思うのであります。これを経済九原則その他で以て合理化を進めて参りましたが炭鉱の中だけでは限度に来ておる、例えば労務費の節減等もすでに限度に来ておると思うのです。その上に電力量割当従つてトン当りの電力量が高くなるという、これは逆に言えばこの数字から言いましてそういう筋も出て来るわけです。炭鉱、鉄鋼方面の合理化審議会の結論も出ておりますが、これ以上の合理化或いはコストの引下げについては大きな設備資金という問題も出て参ると思います。日本経済全体としても例えば重化学工業への指向といつたような必然的の方向もあると思います。私共は労働者の生活、賃金という面から出発いたしますけれども、合理化が行詰つており、或いはそれが生産費の中の電力量の問題に関連して参りますと、この逓減しておる電力量が問題として出て来るわけです。この点についてもう少し考え直すといいますか、石炭産業全体について割当を増加するという考慮はないものかということについて伺つて置きたいと思います。
  79. 澤田達

    説明員(澤田達君) 御質疑の点で、中小炭鉱が五十キロ以下に入らないだろうと思いますが、若し入るといたしますれば、安本案におきましては五十キロ以下の中小企業については、特に火力料金の過度の適用がないように相当の考慮をしてあるわけでございます。それから仮に五十キロ以下に入らないとした場合に、五十乃至五百の場合につきましては従来は一年前の実績でございましたが、先程御説明申上げましたように最近三ヶ月をとりまして、成るべく実情に副うように配慮いたしておるわけでありますが、尚これらの小口にどの程度行くか、これらは従来と同様に、或いは従来以上に配分につきましては超過料金の適用が不公正にならないように考慮したいと思うのですが、案そのものは超過料金がひどくかかるようにはなつておらないのであります。
  80. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 もう一つの質問についてお答えがなかつたんでありますが、総枠についてこれは二十三年度から二十五年度の第一四半期までですが、先程頂きました再編成関係の書類のその五によりますと、総枠において石炭産業において相当割当が減つておるということについて、それが石炭産業に及ぼす何といいますか、無理を先程申上げたのです。それで総体において考慮する余地があるかないかという点について先程お尋ねしたわけであります。
  81. 澤田達

    説明員(澤田達君) 先程申上げたように個々割当の残るものについては部門別は勿論産業別のアロケーシヨンも過去においていろいろ御指摘のような当初意図しなかつたような結果が出ておるものにつきましては、成るべく今後とも公正に直して行きたい。こういうことを申上げたつもりでございます。
  82. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それでは電力割当問題はこの程度で打切りたいと思いますが、よろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御異議がないようでありますから打切ります。   —————————————
  84. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 次に、電気事業会社の新設工事が今度の再編成問題に関係いたしまして、中止をせざるを得ないような状況に相成つております。これは過度経済力の集中排除法指定を受けました日本発送電並びに全国九配電会社であります。その法の定めるところによつて、厳重な処置を受けなければならんということが新たに関係筋から明示せられたためなのでありまして、この点が実行されますると、只今電気事業の日常運営にも非常に大きな影響を及ぼしますので、これの直接衝に当つておられますところの持株整理委員会の方の御所信を承りたいと思うのであります。持株整理委員会委員長の野田さんにお願いします。
  85. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) 只今御紹介にあずかりました持株整理委員会委員長の野田であります。過度経済力集中排除法に基く手続、規則というものがございまして、集中排除法指定されておりまする会社一定の規則を適用されるわけでございますが、特にそのうちで第七條、第八條というものがございまして、そのうちにはいろいろ規定がございますが、事業設備の新設、拡張、又は移転ということはやはりこの集中排除法の運用に当つております委員会の承認事項になつております。只今御質問の日本発送電、及び九配電会社の申請にかかります新規事業若しくは或る種の財産処分というものは不許可若しくは却下というような形になつておるものが相当ございます。これは委員会の運用の特殊性と申しますか、常にその関係筋の承認を得て初めて持株整理委員会が承認ができるという手続になつておりまして、今まで却下若しくは不承認となりましたものは、すべて関係筋からの指示に基くものであります。その不許可若しくは未措置、若しくは却下の根拠、或いは理由は極めて簡單でありまして、電力事業は再編成の遂にあり、而も電力事業再編成法案というものは、政府関係筋との間に一応了解に達しておることでもあるのであるから、これが実現するまではこれを許可しない。若しくは却下して置くという理由だけでございます。勿論委員会といたしましては再編成の方針等につきましては全然関與しておりませず、その手続だけに關與しておるのでありまするが、或る場合は我々が單独に許可したようなものでも、後で関係筋から不許可という指令を得たというのもあります。以上が今御質問にあずかりました点に対する御説明であります。
  86. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御質問ございませんか。
  87. 山川良一

    ○山川良一君 今の見返資金関係でなしに、ちよつとお尋ねしたいことがあるのですが、よろしうございますか。
  88. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 結構です。
  89. 山川良一

    ○山川良一君 電力の集排関係経緯ですね、近く持株整理委員会の方はそう関知しないような恰好になつて全然離れてしまつて政府並びに国会決定で万事運ぶようになつておりますが、あなた方の手を離れておりますとすれば、どういうふうなことになつておるか、集排の関係から言いますと……。
  90. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) 集中排除法指定を受けましたのが二十三年の二月でございまするが、一応日発及び配電から再編成の意思があるかどうかというような仕事を、趣意書を徴しました。これを一応関係筋及び委員会に配付して頂きました。その後四月三十日頃閣議決定をして、商工大臣の諮問機関たる電気事業民主化委員会というものが設立いたされました。その頃から持株委員会といたしましては、事が極めて專門的でありますことと、それから影響が極めて大きいということ、それから国自身がその再編成に当つた方が一つの機関が当るよりも適当ではないかというような結論に、GHQでも委員会でも達したわけであります。そのときから再編成自身の問題につきましては、委員会としては關與しないという方針で今日まで来ておるわけであります。その間それでは全然集中排除法では何をしておつたかという御疑問もあると思いますが、今の手続をやつて手続規則の運用をやつておりますということと、それからその外には丁度集中排除審査委員会が五人委員会と通常言つておりましたが、司令部内に設けられまして、この電力問題を担当しておるバーガー氏が鋭意研究の結果、いわゆる電気事業の一貫経営、そうしてそれを七分割という結論に審査委員会が到達しました頃、これが集中排除法でやれるかどうかという問題が疑問が起つて参りましたので、我々といたしましては、現在の集中排除法では指定されたものが集中であるのであります。配電会社は集中であり、それから発送電も集中であるのでありますが、片方の方だけ割つて配電の方を割らないで、それをくつつけるということは、集中排除法の現在のままの規定ではいけないという答申をいたしました。結局新らしく電気事業編成法案というものを国会を通して作つて、そうして過度の経済力の集中を法的に排除ができるがごとく措置をするということになりました。従つてその頃より電気事業の問題は持株整理委員会の域を全然脱してしまつたというようなことになつております。
  91. 山川良一

    ○山川良一君 そうしますと、今のこの再編成の問題は集中排除法そのものにはこだわらずにやつていいというふうなことになりましようか。
  92. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) 現在の集中排除法では少し不備なところがございますが、過度の経済力集中ということは免れ得ないという結論に到達しておることでありますし、それから関係方面覚書を以て先ず第一番にそれを前提として来ておりまする関係上、過度経済力集中としてこの問題を取扱うということにはなると思います。但しそれと同時にさつきから申上げましたことは、集中排除法上の持株委員会が持つております職権等を再編成法案によつて全部新法へ委議するという形になつております。
  93. 東隆

    ○東隆君 今の場合にこれはどういうことになりますか。再編成をするに当つてそれに対して決定指令が出る、その決定指令とそれから議会で以て決定されたものとどつちが強いのですか。というのは決定指令が出ましても、いろいろな形で以て日発にいたしましても、発送電のそれに対する訴訟の手続ができるのじやないのですか。
  94. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) 集中排除法下の決定指令につきましては、総理へ申請することができるのであります。総理はこれを受取りました場合に、一ケ月以内にそれが適当であるかどうかを採決するということがあるわけであります。それからそれでも尚不服の場合はやはり訴訟という手続が残されていると思います。
  95. 東隆

    ○東隆君 そうすると議会で以て仮に決定をいたしたものは、これは裁判になりませんね、この場合……。
  96. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) 勿論集中排除法での決定指令は、委員会に出しましたようなことで、今のような手続になるのでありますが、この電力事業再編成法と申しますものは、私共の了解するところでは、集中排除法では欠陷があるから、これを以て償いつつ再編成をこの再編成法案でやつて行くということになると思いますから、勿論この再編成法案で取られた措置は、集中排除法で與えられました持株会社整理委員会の権限を更に超越するものと考えます。
  97. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) ちよつと具体的にお伺いいたしますが、御案内のように電気事業のごときは、詳しく申上げまするならば末端の個々の住宅の小口のところまで需用をもつておるのであります。而もこれは日々更新が続けられておるわけです。例えば最近のごときは住宅金融公庫か設定されましたために、各個人は新らたに国家資金を借りましてどんどんと家屋を建設しているわけです。ところがそういうものに送電するところの送電設備は、只今説明になりました第七條によつて集排法指定を受けているという関係から全然工事ができない。そうすれば片方国は住宅緩和のためにどんどん家屋の新築をやつている。そうして住居に不可欠な電燈工事は全然止められてしまつて動けないというような、一例を挙げますると大きな矛盾が出て来ます。こういう問題は一住宅の問題でなくて、産業設備におきましても、その他公共施設においてもいろいろなものに出て来ると思います。そういう問題を考えて見ますときに、少くとも電気事業の日常経営に、大設備の問題は別といたしまして、日常経営に大きな支障のあるような点だけは何とかして回避しなければならんと思いますが、こういうことについてあなたの方ではどういう工合にお考えになつておられますか。
  98. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) お答えいたします。誠に御説の通りでございまして、今お話になりました仕事のうち、一部は全然許可を必要としないでやれる分もあるのでございます。ただ新規事業を許可しないという点につきましては、これは我々がそのポリシイの上に容喙することは許されませんので、関係筋の覚書に基きましてこれを移牒するという手続だけをとることを許されておるのでございます。尚又発送電等が今の仕事のうち如何なる部分を申請をし、それから如何なる部分は申請をしなくてもできるかという表もここにございますので、若しもそれが御必要でございますれば、ここにその実務に当つておりまする監理部長をして御説明申上げさしてもよろしいと存じます。
  99. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 要はその表の中でどうなつているのか分りませんが、電気事業只今申上げましたような観点に立つて日常運営に支障を及ぼさない程度の緩和内容を持つておるかどうかということでございます。常識的に考えまして、例えば発電所なり変電所なりが急に故障を起したというようなときにやはり相当設備更新をしなければならない、そういうときにも一々許可をするとか不許可になるとかというようなことになるとこれは大変なことになる。そういうことについて御説明を願いたい。
  100. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) ここにそれにお答えできる表もございますし、それをかい摘みまして、部長からお答えさせたいと思います。
  101. 前原勇

    説明員(前原勇君) 日本発送電の資金の用途を大体大別いたしますると、只今関係筋の許可、不許可を根拠にして分けますと、運転資金設備資金、それから見返資金、大体大別いたしますと、この三つの部類に分れるわけでございます。そのうちの第一の運転資金と申しますのは月々料金の收入がございまして、この料金の收入で賄いますうちで、大きく申しますといろいろの維持運転費という名前になつておりますが、小修繕とか小修理とかそういつたようなもの、それから石炭を買う代金とか税金とか、こういうものは第一の部類の運転資金に入つております。第二の部類は設備資金でございますが、これは見返資金以外の設備に要する資金でございます。第三は見返資金は見返資金でございます。この第二と第三の設備資金と見返資金手続規則によりまして、私共を通じまして関係筋の認許可になつておりますけれども、第一の運転資金はこれは何ら許可事項でございませんので、この範囲内におきましては小修理並びに維持運転のための工事はできることになつております。会社内の勘定で申しますと、大体経費勘定で計上されております分は皆許可事項になつておりますが、それ以外は料金收入で賄う、而もこれは非常に厖大な数字になつておりますので、この範囲内で賄えるというものは自由にその範囲でやつてよろしいのであります。私共の認許可の範囲外になつております。いろいろ数字その他も詳しいものがございますけれども、大体大別いたしますと三部類で、今のような応急の処理は第一の部類に入つております。自由に料金收入の手許資金で賄えるということになつております。
  102. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) その手許資金と申しますのは、これは事業経営でありますと、いわゆるバランスシートの問題と金繰りの問題とは別になるわけでございまして、結局料金を以て直ちに必要な経費を賄うということはできないために、自己資金を廻すためには或いは長期、或いは短期の銀行融資をどうしても仰ぐわけでありますが、そういうようなものも大体含まつておると思つてよろしうございますか。
  103. 前原勇

    説明員(前原勇君) 大体事業設備資金乃至見返資金の方に廻されまして、運転料金は料金收入が殆んどその大宗をなしておるように考えます。
  104. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 料金收入をいわゆる担保のような形にして相当融資を受けますね、そうしてそれを廻して貰うというような……。
  105. 前原勇

    説明員(前原勇君) それもやはり料金收入に入ります。併しそれはこの資金面におきましては関係筋の許可事項以外、私共の許可事項以外になつております。私共の手続規則と申しますのは事業設備許可だけしておりますので、設備以外の借入金とか、そういうようなものは全然私共は関知しておりません。
  106. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうしますと、先程の住宅ができたのでそれに電気を送るために電気の設備をするというのは、大体これは……。
  107. 前原勇

    説明員(前原勇君) これは当然運転資金になります。
  108. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) これは設備勘定へ上ることは上るんですか。
  109. 前原勇

    説明員(前原勇君) 若しもそれを設備勘定にいたしまして、そうして一九五〇年度の事業設備計画の中にそれを織込みますと、やはりそれは許可事項になると思います。
  110. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 大体併し各企業会社というものはそういうことになつておるんじやありませんか。
  111. 前原勇

    説明員(前原勇君) そうでございます。大体なつております。
  112. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) そうするとできないんじやないですか。
  113. 前原勇

    説明員(前原勇君) 併し例を取りますと、例えば或る設備、支店の敷地を購入するというようなことがございます。現実の例でございますと、只今福岡支店の敷地購入がございますが、この敷地も福岡支店の継続事業といたしまして年々ずつとやつておりますが、その一部としてこれを取上げますときは事業設備になりますので申請事項になるのであります。併しながら他に借入金乃至料金の收入を以て小修理をするというような場合は、これは運転資金の方で賄いますので許可事項になつていない、こういう状況になつておりまして、要は会社の勘定科目の整理方法によつてつて参るわけであります。
  114. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 電力局長お見えになつたようでございますが、この点只今電気事業の経理整理は大体あなたの方で担当しておやりになつておるわけでありますが、その点どう調整されて大体行けるお見込みですかどうですか。
  115. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) 引込み線はやはり申請書の中に入つておりますから、一応正面から言えばできないことになつております。まとめて承認を得ることは……。
  116. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 何だかこう余りすつきりせん答弁ですがね、電気事業会社指定会社なつたときには私自身が丁度委員長時代で、マーケット将軍と会見しまして、その問題が出て具体的な措置は別としても、とにかく日常の運転に差支えないようにする、変電所の変圧器云々、動かし得るかということも適当にやるということになつておつた筈ですが、少くとも去年まではそういうことに支障はなかつた筈だと私は思います。ですから形式的の問題はどうともあれ、とにかく指定以後そういうことは言つとつた筈だし、行けとつた筈だと思いまするがね。違いないと思いますがどうですか。
  117. 武内征平

    説明員武内征平君) 昨年はそれが許可になつたのでございます。年度の半ばぐらいでございまして、今年はそれがいけないということに日発の場合は来たのです。配電の場合はまだ審議中、こういう事情になつております。
  118. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 そうしてその扱いは先程部長の方からは、日発だというお話でしたけれども、指定会社全部一律でしよう。
  119. 前原勇

    説明員(前原勇君) 指定会社全部じやございませんで、配電会社の方は未承認になつておりまして、まだ握られておるわけでございますが、ここに却下して返つて来ないわけでございますが……。
  120. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 取扱いは同じでしよう。
  121. 前原勇

    説明員(前原勇君) 取扱いは同じでございます。第七條、第八條に関する限りは同じでございます。実際の申請は配電会社は未処置になつておりまして、その後まだ返つておりません。日発の方は全部却下になつてつてつたのであります。
  122. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) これはそういうようなことが新しく起きて参りましたのは、正確に申しますと時間的にはいつからでございますか。従来慣習上電気事業の特性からして自由に或る程度認められておつたものがそういう拘束を再び受けなければならなくなつた時日はですね。
  123. 前原勇

    説明員(前原勇君) 大体はつきり現れて参りましたのは本年の七月の下旬でございます。これらの申請はいずれも一月乃至それ以前に提出した申請でございますが、七月下旬に私共の手許に返つて参りましたものが却下になりました。これが最初でございます。七月三十一日、それ以後八月の十一日、八月の十七日と、この三回に亘つて皆返つて参りました。
  124. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今の日にちを契機として法規的にも何にも、前と後と形式的な差違はない筈でしよう。
  125. 前原勇

    説明員(前原勇君) ございません。
  126. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 通産省としてはこういう事態が起きて厳格に行われれば、只今私から申上げましたように電気事業の日常運営すらストツプせざるを得ないような状態、これは電気事業家でなくて、消費者の側、いわゆる国民の側から考えて非常に工合の悪いことになるわけでありますが、そういう問題を打開しなければならないのでありますが、どういう工合に考えておられるか、又どういう工合にしようとしておられるのか、その点をちよつと伺つておきたいと思います。
  127. 武内征平

    説明員武内征平君) 実は只今委員長が仰せられますがごとき結果になりますので、通産大臣からマーカツト会談でミスター・ケネデイに直接お話を頂きました。ミスター・ケネデイの御意見でそんなに日常の業務に非常に差支えるようにするつもりはないという御意見がありましたので、それで本日その件につきまして豊島部長が午前中にケネディ氏の所に参りましたので、或る程度の御意見を承つて来たと思いますので、その会談の結果につきまして御報告申上げたいと思います。
  128. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) この問題につきまして先般からケネデイ氏にお願いするように手続きをとつてつたのでありますが、なかなかお忙しくて、昨日実は来いということで行きまして、やはり一時間の上待たされまして会えませんでした。又今朝来いということで、そのときにはその申請の内容を細かく知りたい、こういうことでございました。自発及び配電会社の申請書を持つて行きまして、どういうものが緊急なものであるか、そういう質問がありましたから、一々工事説明をいたしまして、こうした工事がどうしてもやらして貰わなければならんものだということでお願いをいたしました。ケネデイ氏もそれならばよく分つた、ただ余り申請件数が多過ぎる、本当に緊急なものをもう少し厳選して持つて来い、そうすればどうしても絶対やらさないというのではない。それを嚴選して持つて来て呉れ、そういうことでございましたので、これは工事件名が数千件あるものですからなかなか直ぐ今日できませんから、又私の方でこれの厳選をいたしまして持つて行けば、恐らく日発配電も両方共或る程度許して貰える、ただそのときの御意見にはやはりこれも再編成ができるまでは余りお金を使わしたくない、資金をつつ込みさしたくないというような御意見でした。若しそれができないと無駄になるので、そういうふうに厳選して来れば、緊急のものは支障のないようにしてやると、大体こんな御意見でございました。
  129. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 只今のは何でございましようね。勿論お聞きするまでもないと思いますが、工事種別によつて、例えば引込線の工事とか、そういつたような概念的な工事種別によつてお話になつたわけでしよう。
  130. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) 引込線のごときはこれは共通の問題ですからそういうふうになつておりますが、後は全部  一々番号をつけまして一件々々洗つたんです。
  131. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) それは併しあれじやないですか、引込みまではいいとしても、今度は引込みをやるためには配電線をつけなければ電気が行かないんですが、配電線の方はやはり申請するということになるとどうしても繋がりがつかんことになりはしませんか。日常の何か抽象的な名前で許可を取つて置かないと、引込みはできた、今度は配電線を延長しなければならん、張り替えしなければならんということは申請事項だということになれば、どうも国民はえらい迷惑すると思うんですが。
  132. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) その点につきましては、今度持つて行きますときに、これは一括で、これは一々どこど  この引込線ということは何ですが、それはできると思いますので、至急にやつております。
  133. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 今のお話をこう聞いておつても、どうもこうちつともすつきりしたところが分らんのですが、どういう折衝をされたわけですか。例えば緊急性の重大なものをよつてつて行かれたんでしようが、もつと厳選せいと言われれば、何件くらい適当に減らそうかというような考え方をされるのですか。それともそれ自身が政治折衝であるならば、大臣とか何とかそういう政治折衝の任に当る者がせなければならんし、それから今の理由を聞いておりますと、まあ再編成が済むまでは余り金を使わせたくない。それが尤もであるならば、同じ意味で今の問題になつておる配電日発等にも両方にそのことが言える筈だし、非常にそういうこま切れな事務折衝をされておるのですか。それとも何か包括的な折衝をされておるのですか。
  134. 武内征平

    説明員武内征平君) 実はこの問題の全体につきましては、先程申上げましたように通産大臣とケネデイ氏とお話を頂きまして、その門口を開いたわけであります。我々事務当局といたしましては、ガス、電気の方の担当官にはすでに説明をしてあるわけです。ただそれがミスター・ケネディの方に上つていなかつたわけであります。従つてミスター・ケネデイみずから聞きたいということで、実は今日豊島部長が行かれたわけでして、申請の内容を見ますと、日発は何級とは必ずしも付けていない。配電の方はA、B、C、Dと、こういうふうに緊急性から四クラスに分けてある。従つて少くとも日発につきましては、今出ておる数千件のうち、これが緊急であるというやつのセレクトをしなければならんという問題が一つあります。それから配電の方も又A、B、C、Dと分けてございまするけれども、今日示されましたケネデイ氏の標準と配電会社から出ておりまするA、B、C、Dの四つとが必ずしも合うかどうか、又トータルの数においてどの程度になるかというところを至急に今日からやつて持ち込もう、こういうようなところまで行つております。
  135. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 もう一つだけ。今のセレクトの基準になるのは今日示めされた標準と言われましたけれども、その標準というのは何ですか。
  136. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) 今局長が申上げましたA、B、C、Dという標準は、Aは去年からの継続している部分、Bは新規工事であります。
  137. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 いや、向うから……。
  138. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) 四つありますが、向うではどうしてもやらなければならんというのは、まあ大体特需のようなものだと思いますが、そういうものはどうしてもやらなければならんから国でやろう、そういうふうな非常な強いはつきりした標準を示したわけではありませんが、とにかくサービス上どうしても換えることのできないようなものはやつてもよろしいというのですから、これは非常に抽象的な問題ですから、例えば電圧が低いのを直すということも、それを直さなければならないのですけれども、それを今許すかどうかということについてはもう少し折衝して見ないと分らないと思います。
  139. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 ともかくその基準を引くならば、例えば継続とか何とかそういう重要性という意味か、或いは需用種別の方で特需なら特需関係という恰好でやるか、どちらかでなければ、僕はどうも話の筋道が通らんと思うのです。ですから今日若し折衝されるならば、そしてそれに基いて今度は政府内部で或る程度整理をされるということならば、その標準がなければ全然やりようがないのじやないですか。若し又いい加減に十のものを八つか九つに狭めて折衝して行くわけですか。
  140. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) そういうわけではありません。今やつておりますのは、継続の方は問題ありませんが、新工事の中にはサービスの改善、ロスの軽減、それから新らしい新規需用ですね。そういう三つのものがあると思いますが、そのサービスの改善なら改善で一番有効なものを順位を上げて行つて、それをそう重要でないものを下げて行くということでB、Cが出る。Dはそれ程緊急でないというもので、そういう考えで今までやつておりますから、やはり今度持つてつてもそれで押し付けるよりしようがないのです。その外の特需というものは最近のものですから、これは非常にどうも最近何か情勢で変つたことがあるかということは盛んに申しておりましたから、向うはそのつもりで、私共の方から言つたのは、非常に困るということを言つたのは、それは相当大きく考えているのだろうと思うのです。
  141. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 もう止めますが、ともかく戻つて来てはつきり合理的な説明がつくような、そういう折衝をともかくやつて頂くように私はお願いしておきます。
  142. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この問題は、丁度持株整理委員会委員長もお出でになつておるから、私からもう一つ最後にお願い申上げておきますが、大体電気事業の経営者という人々は非常に何というのか、正直な人が多いのですね。それでこういう一つの法律発動が出ますと、真正直にそのまま実行するのです。従つて私が一番懸念しておりますことは、今、日発もそうでありましようし、配電会社も勿論そうであろうと思いますが、電気関係のいわゆる建設並びに補修用の資材というものは、今日要るから今日買い求めをするということはなかなか困難です。これは相当長期の引当を要するわけですね。例えば発電気のようなものはだれは特別な設計でその都度やらなければならないし、どこでも買えるような電気器具とか電球のように、少しこれは数量が沢山ありましで、その数量のものを全部整えるというわけには参らない。これは相当の年次計画なりを立てて引当てをしておるわけです。そういうものをもう工事ができないからというので、それから経費を節約しなければならんからというので、そういう言明がありますとぱたつと止めてしまう。そうすると、相手の関連産業なりに非常に大きな影響を直接與えて来る。日本経済に対して相当多額の資金供給しておる電気事業を、そういうようなことによつて突然変異的に非常に大きな営業政策を変更しますと、その影響するところは非常に広汎に亘るわけです。従つて私はそれを一番恐れておるのですが、どうかそういう点を一つ十二分に御調査願いまして、余り大きなダメージの来ないように善処をお願いしたいと思います。これは持株整理委員会にもお願い申上げますし、通産省の方にも一つそういう工合で更に御研究を願いたいと思います。
  143. 吉田法晴

    ○吉田法晴君 委員長から大体言われたことですけれども、私共聞いておつて驚くのですが、一応法律ができてまあ結局七條の五号ですか、そういつたような問題の中味になると思うのですけれども、小さい電気工事一つ一つにさえ許可とか了解を求めなければならんといつたような実態になつておる点について驚きを感ずるのでありますが、これはやつぱり委員会なり、或いは政府当局においてももう少し自主性を回復するように御努力を願うということです。その点について特にお願いをして置きたいと思います。  それからもう一つ、例えば再編成問題にしましても、法の建前から言いますならば、結局特例として指定はされた。それから特に公共性を持つと申しますか、影響が大きいから特に法律を作つて云々というやり方については大体了解をするのでありますが、それじや持株整理委員会というものはもう何にもすることがなくなつておるのか。或いはこの成行きに委せて見ておられるという実体のものでございますか。持株整理委員会というものは指定されたその後の成行きについて、これは一般的に言つてでありますが、そういうことでよいのかという点についてちよつとお伺いして置きたいと思うのです。
  144. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) なかなか痛い御質問でありますが、集中排除法指定いたしました会社は三百二十五ございまして、その中に電気事業の発送電と旧配電会社が千社残つておるだけでありまして、他のものは全部集中排除の措置が完了いたしております。この残りました十社につきましては、今までの委員会の厖大な集中排除運用の施設若しくは人員というものをそのまま置いて行くわけにも参りませんので、すべて集中排除法関係の部課は全部廃止をしておる状態でございます。勿論十電気会社集中排除法下の指定会社ではありまするけれども、実態において委員会から手続き以外のものはすべて手を離れておるのでありましてこれは政府において、通産省においても内閣においても或いは国会においてもすでに長期間に亘つて研究、御折衝相成つておるものでございます。我我委員会といたしましては、全部手を引いて指示を待つておるという状況でございます。
  145. 佐々木良作

    ○佐々木良作君 野田さんにお伺いしたいのですが、法規的に見まして、指定会社が基本の集中排除法に基く整理をされたかどうか。実質的にそれを判断するのはどこですか。例えばAという一つ会社集中排除法によつて指定を受けて、こいつを適当に整理をしなければならんという場合に、それが原案が出る。或いは法律になる以前でも以後でもいいのですが、それが集中排除法による正当な整理であるかどうか。最後に認定をするところはどこになりますか。
  146. 野田岩次郎

    説明員(野田岩次郎君) 集中排除法で再編成いたしますときには決定指令というものを出します。これに対して不服が当事者においてございましたらば、総理ヘアツピールができるということになつておりまして、若しも総理はこのアツピールの趣旨が正当である場合においては、更に決定指令を委員会へ突き返して練り直すということになつております。集中排除法上の適当な措置であるかどうかを判断するのは、結局具体的にはそこいらで行くのじやないかと思いますが、その前にはいわゆるとヒヤリング、公聽会を開きまして、各関係当事者の意見、若しくは異議等を聞きまして、それを慎重研究してとつた指令案でございます。結局は総理のところでそれを愼重検討いたしまして、不満があれば、不満を正当と思う場合には、これを更に再検討を命ずるというところが、具体的にこの正当であるどうかを見るのじやないかと思われます。尚又それに対しても荷不服のときには、行政訴訟もございます。
  147. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) この程度でこの問題を打切りまして、最後に今朝程論議をいたしましてその態度をとりまとめることに相成つておりました電気事業に対する見返資金融資促進につきまして、当委員会のとるべき方法につきましてお打合せを申上げたいと思うのであります。一応意見をまとめまするまで、懇談会に移りたいと思いますがよろしうございますか……それではさよういたします。    午後三時五十五分懇談会に移る    —————・—————    午後四時十九分懇談会を終る
  148. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 懇談会を終ります。  本日午前中御論議願いました電気事業の再編成の問題並びに電気事業へ対日援助見返資金融資の促進の問題につきましては、本委員会といたしましても非常に複雑微妙な段階に入り、且つこれを放置いたしますときには、その影響日本の経済界、産業界に與える点も重要であると考えられまするので、関係部署に対しまして委員会の空気を伝えまして、善処を要請いたしたいと考えるのであります。只今御懇談を願いました線に沿いまして、明日午前中にGHQの係官の所へ参りまして、見返資金融資促進の問題と、集中排除法の第七條によりまして工事の非常な制限が行なわれることになつておりますが、これの緩和の問題を要請することにいたしたいと存じます。そしてこの場合関係筋から只今問題になつておりまする電気事業の再編成問題についての参議院の態度についてお尋ねがありました場合には、我々といたしましては、再編成は急速に行うべきである、そして集中排除法の定めるところによりまして、只今のような不明朗な形に電気事業を放置するのでなくして、早く結論を見出しまして、再出発をさせるべきであるということにつきまして、一応各委員の一致した意見として答えをいたしたいと考えます。  それから第二点としましては、午後政府に申入れをいたしまして、こういうような事情に相成つておりますることは全く政府の責任でもあるわけでありまして、最近はこれを促進するために政府としてもいろいろと苦慮せられまして、先日はそのために日本発送電の総裁、副総裁の更迭勧告すら行なわれたような事情でありまするけれども、これを政治的に考えまするときには、国会において決定すべき問題でありまするから、早急に国会を開会せられまして、そうして国会法の定めるところによつて本問題を結論に導かれるのが妥当であるということを申入れをいたします。前申しました見返資金融資促進、並びに集中排除法の第七條によりまして電気事業の日常運営すら支障を生ずるような段階にありますが、これも政府があらゆる努力を拂つてその支障を除去するように努めらるべきである。この二点を強く申入れたいと考えるのであります。  従いまして、本日の委員会は閉会中でございましたが、過半数の御出席を頂きまして、本委員会のこの問題に対する熱意の所在を明らかにいたしたわけでありますが、明日は各委員の御多忙のところでありますけれども、多数御集合を頂きまして、只今委員会で一応集約をいたしました目的を達成するために御協力を頂きたいと存ずるのであります。   —————————————
  149. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 最後に、去る九月三日関西方面を襲いましたジエーン台風の被害について政府から報告を受けることになつておりますが、お手許に配付いたしました印刷物によりまして御覧を頂きたいと思います。  それからその前に政務次官から発言を求められております。
  150. 首藤新八

    説明員首藤新八君) 午前中の委員会におきまして、稻垣委員の御質問でありました分割法案並びに見返資金に対する結末が凡そいつ頃つくかという御質問に対しまして、私は大体十日以内であろうということを申上げましたが、御承知通り相手方のあることでありまして、この際十日というような期日をはつきり切りますることは如何かと存じまするので、御趣旨に沿うて成るべく早い期間に目的を達したいというふうに一つ御訂正を願いたいと思います。
  151. 豐島嘉造

    説明員(豐島嘉造君) それでは去る九月三日のジエーン台風による電力施設の被害について、御手許に御配付してありますこれによつて極く簡單に被害状況及び復旧状況をお話し申上げます。今回の台風は丁度大阪におきましては昭和九年の台風よりちよつと風速が低いくらいですが、現在までに集つております被害状況から見ると、大体同じ程度被害を受けております。大阪では火力発電所が十三ケ所ありますが、そのうち台風の当日は四ケ所を除き全部運転不能となりまして、出力もその当時四十七万キロあつたものが一八%に低下いたしました。大阪全体におきまして大体二十時間の停電をいたしました。火力の復旧状況は、九月二十五日に大体五〇%、九月末日に六〇%、十月末日には全部復旧いたします。火力の中で一番被害の大きかつたのは尼ケ崎の東なのでありまして、尼ケ崎第一、第二と防波堤が崩れまして相当被害を蒙つております。水力発電所におきましては大阪は被害はありません。送電線も大阪方面に参りますと、送電線は一時大分断線がありましたが、十五万の送電線十回線のうち、点燈の破壊したのが一ケ所だけで、幸いにして当時漏度が減りましたために水力地帶から大阪に送る送電には十分の容量がありました。漏度の復活に送電容量が足らないというような事態は起りませんでした。それから配電線路は、この資料に差上げてありますのは倒壊三万本と書いてありますが、只今私が大阪から受けましたのでは四万五千本の電柱が倒れました6これは全電柱の約七・五%くらいになります。相当ひどい倒れ方であります。そのために電燈の点燈工合は九月四日には大阪は五%しかつかなかつた。和歌山が一〇%、そういうような非常にひどい状態でありましたが、今日では浸水しておる地点以外は全部ついております。それから大口電力、小口電力についても殆んど回復いたしました。大阪の南の方と尼ケ崎の端の南の方の浸水地帶が多少残つております。損害は大阪で日発が五億五千万円配電が七億五千万円、後の地帶も北陸、中部と多少損害はありますが、大阪に比べれば非常に少く、全体を通じても四国、北陸、中部合せましても恐らく二億二千程度だと思います。そういう意味で大体只今では概ね送電を開始いたしまして、電燈も浸水地以外は復旧しております。簡單でございますが御報告を終ります。
  152. 栗山良夫

    委員長栗山良夫君) 御質問ございませんか。それでは本日はこれで閉会いたしたいと思いますが、御了解を願つておきたいことは、こういう工合電力問題が非常に微妙な段階に入りましたので、今月末か、来月の上旬にもう一度この委員会を開催いたしたいと考えますので、改めて御通知申上げますけれども、お含みおきを願いたいと思います。それで明日の結果、或いは十一日からは一齊に議員派遣になるわけでありまして、一応現地の模様も全部月末までには分るのでありますが、丁度その頃合いを見計らいまして、招集いたしたいと思います。どうぞ御了承を願います。それでは閉会いたします。    午後四時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     栗山 良夫君    理事            岡田 信次君            結城 安次君            佐々木良作君            水橋 藤作君    委員            石坂 豊一君            古池 信三君            中川 以良君            江田 三郎君            吉田 法晴君            尾山 三郎君            加賀  操君            山川 良一君            稻垣平太郎君            東   隆君            須藤 五郎君   説明員    通商産業政務次    官       首藤 新八君    資源庁電力局長 武内 征平君    資源庁電力局電    力開発部長   豐島 嘉造君    経済安定本部産    業局電力課長  澤田  達君    特殊会社整理委    員会委員長   野田岩次郎君    特殊会社整理委    員会監理部長  前原  勇君