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1950-07-29 第8回国会 参議院 電気通信委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十九日(土曜日)    午前十時三十二分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○電波行政に関する調査の件 ○電気通信事業運営状況に関する調査  の件 ○郡山市に電気通信職員訓練所郡山学  園設置請願(第一五号) ○郡山市に電気通信省逓信病院または  分院新設請願(第一六号) ○郡山市に電気通信工作工場新設の請  願(第一七号) ○福島川俣局電話回線増設に関す  る請願(第一九号) ○郡山放送局放送設備拡張に関する  請願(第二〇号) ○郡山福島両市間の電話即時通話制  度実施に関する請願(第二一号) ○郡山市に電気通信施設完成促進の  請願(第二二号) ○郡山電話局電話交換方式変更促進  に関する請願(第二三号) ○郡山電報局独立庁舎新築に関する請  願(第二四号) ○郡山電報局福島県第二中心局とす  るの請願(第二五号) ○福島県中野、郡山内局間に直通電話  架設請願(第七六号) ○白河電報電話局電話交換方式変更  促進に関する請願(第八九号)(第  一三九号) ○岡山県高梁町に電報電話局設置の請  願(第九〇号) ○福島中妻局電話交換事務開始の  請願(第一一九号) ○福島県玉野村に電話架設請願(第  一四四号) ○佐賀電話局舎新築等に関する請願  (第一六二号) ○岐阜県蘇原町電話那加電報電話局  普通加入区域に編入の請願(第四九  三号) ○大隅地区電話線増設および新設の  陳情(第三〇号) ○継続調査承認要求の件 ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) これより会議を開きます。  本日は前回決定によりまして、日本蓬協会会長であられる古垣君がお見えになつております。同時に副会長小松君も一緒にお見えになつておりますので、皆様の御質疑等がありますならばお聞きを願いたい。同時に日本放送協会といたしまして、新らしい発足に当りましての古墳会長よりの御方針その他についての御説明等があるそうでありますから、只今から古墳会長に御説明をお願いをいたします。
  3. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) 只今御指名にあずかりました日本放送協会会長古墳鐵郎でございます。先日も御案内を頂きましたけれども、よんどころのない仕事の上の差支えがございまして、参上できませんでしたことを深くお詫びを申上げます。又本日も御案内を頂きまして有難くお受けして参上いたしました。この委員会皆様方放送事業に、深く関心をお寄せ下さいまして、殊に我々がやつておりますこの日本放送協会のために深い御関心をお寄せ下さいまして、お招きにあずかつたことと存じまして、その点も深くお礼を申上げます。只今委員長からの御指令によりまして御説明を申上げます。日本放送協会は六月一日放送法に基いて設立されまして、二十五年間の我が国放送事業を継承いたしまして、再発足することとなつたのでありますが、この新日本放送協会今後の運営につきましては、設立委員によつて定められました事業計画收支予算等の線を守りまして、且つ経営委員会方針に従つつてこれを行い、全国的な施設拡充と共に、全国民輿論の上に立つ公共放送としての実を挙げたいと存じております。御承知のように皆様お力によりまして制定されました放送法その他の関係法律によりまして、一方において電波監理委員会というのがございます。又日本放送協会には経営委員というものが設けられまして、そうして私共はそういう機関の御決定を守り、或いは御決定の線に従つて実施を行うことになつておるのであります。  業務の概要を極く簡單に御説明申上げますと、大体におきまして、放送事業においては番組仕事をいたします編成放送部門、又電波を発射して音響に関係いたします技術部門、直接聴取者とつながつてこの事業普及徹底という事業部門というように三つに分けることができます。そういう基礎に立つて東京の本部の機構ができておりまして、全国地方放送局もその趣旨にならつて機構ができております。面この外に輿論調査とかいろいろ放送文化に関する研究調査をいたします放送文化研究所というものが東京にございます。更に技術の方の研究等放送技術研究所というものがございまして、ここで絶えず技術向上ということを研究いたしまして、それを直ちに実施して放送事業向上、改善に資するようにいたしております。そこでその最初編成部門で新日本放送協会発足以来特に重点を置いておりますのは、教育及び婦人番組でございます。これは勿論前々からやつて来たことでありますが、特に最近この方面に力を入れまして、この方面の新らしい番組機構を増設いたしまして、そうして絶えず新らしい分野を開拓するように努力しております。又これを單に一遍だけ放送するのではなくて、再生し、そうして周知徹底、そしてこの教育婦人番組を全国民の間に滲透して目的を達するようにいたしております。  又報道の面、これにつきましてもますます内外多事でありまして、国民に正しく報道されるという必要はますます加つております折から、私共は取材陣の強化ということをいたしまして、解説、更にこのニュースの解説時間も今までよりも増加して、そして国民に正しい報道と、正しい解読を与えることに努力いたしております。  最後広告放送というものが非常に機微の問題でありますから、日本放送協会におきましては広告放送とならないように、よくいろいろの機関を設けて注意し、且つ内容及び効果の考査といつたふうなことにも万全を期しております。  次に、技術方面では新規の計画経営委員会の議を経て成立するものでありますが、従来からの継続事業におきましても、我々の事業の一段と公共性が強化されましたことに鑑みまして、これら継続事業におきましても緊急必要なものを重点的にやつて行く、原則に捉われるというようなことでは予算面等でいろいろ窮屈になつております現在のところは、緊急公共的に必要なものを即時実行して行こうというようなことでやつております。  最後に、先程申しました聴取者との繋り、聴取者への放送普及徹底というような面におきましては、全家庭、全国民ラジオという目標で、みんなラジオを聴きましようという運動を展開中でございます。その他テレビジヨン列車を仕立てまして、九州の熊本から北海道の小樽の間にテレビジヨン列車を仕立てまして、全国国民テレビジヨンというようなものを見せるといつたようなふうにいたしております。かようにいたしまして、この七月十日現在で聴取加入者の数は八百七十万に達しております。この中には有料聴取者の外に無料聴取者も入つております。併しこの八百七十万という数は極く最近に私共が到達し突破した数字でございますので、一応御報告申上げます。設立委員会から頂きました事業計画收支予算等の線を守りながら、且つ経営委員会で議決されました方針従つて仕事をして行かなければならないというのが今日の現状でございまして、六月一日発足して未だ二ヶ月しか経つておりません。併し私共は二十五年の間の我が国放送事業の経験、これを活かしてやつて行きたいと思います。新法人趣旨は、旧日本放送協会社団法人を一層国民的な基盤として新事業をやるように皆様お力によつて法律で制定されたものと考えております。旧法人時代におきましても、私共はその考え方で進めて参りました。併し新らしい法人によつてそのことが法律化され、そうして一層公共性国民的基盤ということが明確にされ、その要請が強化されたということを深く心に入れまして、今まで理想としたところを著々現実に活かして行かなければならないと、かように考えて仕事をいたしております。簡單に御説明申上げます。
  4. 水橋藤作

    水橋藤作君 二、三御質問したいと思うのですが、技術方面全国的に放送が聴えるようになるために努力しておられることと思いますが、現在凡そどの程度に進んでおるか。又放送が聴けない地域がどの辺と、どのくらいあるかということにつきましてお分りでしたらちよつと。
  5. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それから、その前にちよつと私から御同意を得て置きたいことがあります。前回では古垣会長参考人としてお出でを願う、こういう御決定でありました。今日は副会長小松君もお見えになつておりますが、同じく小松君も参考人といたしまして、皆さんの質疑に応答を願うようにいたしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それではさように取計います。どうぞ……。
  7. 小松繁

    参考人小松繁君) それでは只今の御質問に対しまして、非常に正確な数字で以てお答えすべきであるかも知れませんが、非常に複雑でもありますし、総括的に一応お話申上げまして、それで不十分な点は或いは又後程資料にでもして差上げるというふうにしたいと思います。一応我々の考え方といたしまして旧法人と申しますか、むしろ放送協会ができ上りましたときからの根本的な方針は、最初から逓信省からお示しになりました方針従つてつて参りまして、全国如何なる地域におきましてでも非常に簡易なる受信機で容易にラジオが聴けるようにすべしということが命令書にございます。それによりまして成るべく全国平均化いたしまして、如何なる地点でも容易に各国民が聴けるためには一応受信機が対象になりますので、その受信機は大体におきまして現在は可なり標準型のように考えられております、国民型の受信機、これによりまして山間僻地におきましても聴こえるようにするのが第一段的な考え方でございます。現在はその受信機で聴こえる地域が大体におきまして九〇%以上の地域はその受信機で聴こえるようになつております。そのうちで一番電波に恵まれておちない地域はやはり北海道、それから東北方面山岳地帶、それから四国山岳地帶中国山岳地帶が大体その受信機で聴こえない所が少し残つております。そのうちで一番主な所は北海道東北山岳地帶であります。北海道につきましては一応割合人口が少いのを考えまして、取敢ず東北地方山岳地帶に先ず最初にこの放送の聴こえない所を改善したいというのが我々の考え方でございまして、事業計画の先程話に出ましたこの放送局拡充計画の中には、盛岡放送局を十キロにしたいというのが第一段階でございます。  その外に、もう一つ考え方として入つておりますのは、現在放送協会は財政的に非常に窮屈な状態でありますので、経済的にも或る程度何とかしてこれを打開したいという考え方をもう一つ織込みまして、同時に聴取者も今申上げました基準よりももつと楽にしたいということの二つの要素を考えまして、大阪放送局を大電力放送局にする。そういたしますと、これは最終決定……先程会長からの御説明にもありましたように、経営委員会においてこの事業計画は完全に議決されておりませんので、或いはこれから変るかも知れませんが、一応の考え方といたしましては、大阪放送局を大電力にいたしますると、京都、高松、徳島放送局は大体電波を出すのを止めてもいいのじやないか。それからその外に彦根、上野、姫路、これらの中継放送所も大体電波を出すのを閉鎖をしてもいいのではないか。これは最初に申上げました三つ放送局は、スタジオとして残して置く方がいいのではないかという番組の面からの考え方がありますから、その点は一応そういうふうにスタジオとして残すという考え方にいたしておりますが、それだけの機構を縮小することによりまして経済的に非常に有利になるという考え方でございまして、今の盛岡の十キロ放送局と、大阪を大電力放送にいたしますことが放送設備拡充の一番大きな仕事として考えておるわけでございます。それから尚済んでしまいました問題でありますが、先般網走に十キロの放送所建設いたしましたのは、これは非常に緊急を要しまする関係から仮設備をいたしたのでありまして、これを本設備にしたいというので、成るべく早くやりたい計画中に挙げております。その外に小さい従来の施設を改良する面もありますが、これは非常に細かいものが多いので、非常に主だつた大きい設備拡充の点を申上げまして、それ以外に新らしく電波を発射し、或いは放送局建設するというふうな予定のものは今のところ余り考えておりません。これが第一段の事業設備拡充計画でございます。これをいたしますと、先程申上げましたように、聴取者の殆んど大部分国民型受信機程度のもので十分聴こえるという状態になる。尚その外に可なり大部分の方は並四球のような簡單設備でも聴こえる方が大分多くなるというのが、我々の考え方として今進めておる計画でございます。
  8. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今説明の中に、網走を緊急に増設しなければならんのでやつた、こういう説明がありましたが、その緊急は如何なる必要が生じてやられたのですか。又いつ頃それをおやりになつたのですか。
  9. 小松繁

    参考人小松繁君) 網走は、丁度北海道施設の中で一番電波の不十分な所は、根室から北見方面にかけましての海岸地帶が、割合人口北海道としてはやや多いし、而も電波に非常に場恵まれておりませんので、従来は根室放送局建設をして欲しいという請願が非常に沢山出ております。この根室に新らしく放送局を作りますよりも、網走に十キロの放送局を……。網走と申しますのは北見に従来放送局があるのでありますが、網走海岸でございますので、網走に移しましてやりますると、海岸地帶がもう一齊に電波が強くなりまして、その地帶にいる方々は非常に電波に恵まれるわけでございます。そういうことを考えまして、北海道では一番先に網走に十キロの放送局を作ることが最も有効であるという考え方で、できるだけ早くやりたいという考え方をしておつたわけであります。あれが完成いたしましたのは、確か昨年の……ちよつと月は覚えておりませんが、昨年でございます。
  10. 水橋藤作

    水橋藤作君 第六国会だと思いまするが、北陸の方を視察した際に要望があつた点なんですが、石川県の能登、あの辺が新潟放送は入るけれども、福井の地元の放送は入らん、何とかして貰いたいという請願があつたのであります。その旨を帰つて来ましてからお願いしたのですが、あれはどうなりましたか。今完成しましたかどうか。
  11. 小松繁

    参考人小松繁君) 今の能登方面の問題でございますが、それを申上げます前に、それと類似の地点が非常に沢山ございますので、総括的にそういう地域に対する考え方一つ申上げようと思いまするが、能登方面石川県で、ございまして、金沢の電波には割合に恵まれておりませんが、隣りの富山放送局電波に可なり恵まれておりまで今の御質問は、石川県の県民であるが故に金沢放送局放送を聞きたいという要求がその地域の人から非常に強いのだろうと思います。この問題は一例を東京に取りますと、非常によくお分りだと思いますが、東京東京都の放送局じやございませんでして関東八州の放送局でございます。従いまして千葉県にいたしましても、茨城県にいたしましても、栃木県にいたしましても、群馬県にいたしましても、すべての人達は東京電波で聴く状態にあるわけでございます。それからもう一つの例を言いますと、もつと適切かと思いますが、大阪に大電力放送局建設いたしますと、大阪電波によりまして四国徳島県も香川県も、それから中国方面岡山附近の方……岡山はこれは放送局がございまして、廃止はいたしませんが、兵庫県から岡山県にかけたところ、それから奈良県、京都府、滋賀県、全部その電波放送を聴くようになるわけでありまして、或いはそのうちで徳島県、香川県の人は、やはり従来のように自分の所の放送局が欲しいという声は、これはローカル放途を聴く意味から非常に要望が強いのじやないかという気持は十分にするのでありますが、電波はどういたしましてもサーヴィス……要するに電波の上く聴える地域行政区画とは一致することは非常に困難でございましてこれを完全に一致させようと思いますと、厖大なる放送局を作らなければその要望には応じられないというのが実情でございます。すでに商業放送の申請も沢山出ているように伺つておりますが、そうしたものも併せ考えますと、電波の数がとても足りませんので、放送局を沢山殖やすということは殆んど困難だと考えられます。従いましてこの行政区画電波の聴える区域とを合せることはやはり困難でありますが故に、今我々といたしましてはそうした地域にはその一番よく聴える放送局が或る時間はそこの県民のために番組を作るということによつて今の問題を解決するようにしたいというふうに、番組の面に十分に考慮してやつておるわけでございます。ただ只今能登力価の問題も、先程の計画で申上げました北海道なり、東北方面のいずれの放送局電波にも恵まれておらない地域の人はどうしても優先すべきであつて能登方面方々富山放送所電波をお聴きになつておる方は、その石川県の人に必要な時間を富山放送局の中に織込みまして、その問題を差し向き解決して行きたいというふうに考えて処理しております筈でございます。
  12. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今説明でよく分りましたが、併し私の言わんとするのは、成る程東京大阪、大都市或いは関東関東として放送する場合は、関東に向く番組を組んで放送されることと、かように思うのであります。能登の方は石川県なら石川県に必要な放送を主としてされるのじやないか。それが自分の欲するところの放送を聴けないで、新潟、或いは冨山の海伝い放送が入る。そこに電力をもう少し殖やすか、或いは山の上に何か立てるとそれができるようになるとかという話がありまして、それがどうなるかと思つて聴いたのでありますが、放送番組によつて調節できると思いまするが、只今最後説明富山放送の中へ石川県の一部に該当する放送番組を考えていられるということでありましたが、そういうことで一時石川県の能登聴取名に満足を与えて頂けるならば、その問題が解消すると思います。結構でございます。  続いてお尋ねしたいのですが、朝鮮の問題が起りましてから、第二放送によつて使用されておる朝鮮向き放送の一日に使用される時間、それからその目的等につきまして御説明願いたいと思います。
  13. 小松繁

    参考人小松繁君) それは六月二十九日からこれを始めておりますが、現在の状態で申上げますと、東京の第一放逸は午後十一時から十二時まで一時間、それから第二放送は午後十時から十二時まで二時間、それから福岡、松江は全然同じに今やつておりまして第一放送におきましては午前七時四十五分から八時まで十五分間、それから午前八時四十五分から九時まで十五分間、午後八時三十分から九時まで三十分間、午後十時から十時四十五分まで四十五分間、午後十一時から十二時まで一時間。第二放送は午後十一時から十二時まで一時間、その外に趣く最近になりまして追加されておりますのは大阪、広島、新潟、鹿児島の四つの十キロの放送局でございますが、この放送局は第一、第二放送とも午後十一時から十二時まで一時間でございます。今韓国の放送をいたしておりますのはそれだけの時間でございます。これはどういうふうな意思でやつておるかという御質問に対しましては、関係筋の方から放送協会並びに電気通信委員会の方に要求がございまして、私の方も單独に相談を受けたことがございますが、先般管理委員会の方の方と十分打合せをいたしまして、この問題につきましては我々はお断わりする力もなければ、止むを得ず受けざるを得ないという考えで今この仕事要求によりまして現在行なつておるわけでございます。
  14. 水橋藤作

    水橋藤作君 その目的につきましては、まあ大体分りましたし、時間も分りましたが、放送局としましても放送協会としてはやはり国際的には親善を目的とするとか、日本実情を全世界に紹介するのを目的とするというようなこともありまするし、又第一第二の放送にしても日本放送の使命とはつきりここに目的を書いてありまするので、この目的に反する感のあつた場合に、やはり放送協会としての目的に反しておるわけなんですが、この第一、第二を通じて時間で行きますと、どのくらいになりますか、一時間くらいになりますのか、時間はちよつと計算しませんが、それだけ日本聴取肴目的と反すると同時に聴取者要求している時間が割かれている。而もその時間に聴取料を拂つておると、やはり聴取者にとつては相当な権利があるのじやないか、かように我々一応解釈するのであります。当委員会におきましても、これは終戰後放送局は何といいますか、接收されているというのか、或いは占領下にあるのだから止むを得ないのだという見解もありまするし、それは第一、第二を我々の方に、日本にあれして、專用的に第三放送はお使いになつておるということでそれで十分じやないか、第一、第二をお使いにならないで、第三放送によつて十分その目的を達するよう努力さるべきである。又一歩を進んでは、そういう朝鮮放送する場合に必要とするならば、日本の経済と違いまして相手は相当そういうことには力のあるあれでありまするから、その目的のために一つ放送設備をしてそうして十分に放送されることも可能じやないか、一応こういう見解に立つのであります。こういう意味におきまして、放逸協会の立場としての見解は、我々の見解と反するものであるかどうかということにつきまして御説明願いたいと思います。
  15. 小松繁

    参考人小松繁君) 只今の御質問につきまして、一番最初に我々が頭においてこの問題を処理いたしましたことは、放送協会は飽くまでも日本国民のための放送をするのであるということを前提といたしまして、聴取者には一切迷惑をかけないという方法によつてやりたい、時間で申しますと放送時間外なり、或いは又聴取者のための第一放送、第二放送以外の設備をするということを日取初に交渉をいたしたわけでございます。  それからもう一つ経費の問題につきまして放送協会の人、設備、すべてのものは国民のための放送でございますので、それの如何なるものも使うことは困る。或いは又使うということを前提といたしましても向うと交渉いたしたわけであります。その中で、先程の新らしい施設作つてつたらどうかという御意見に関しましては、これは従来関係筋が、如何なるものも放送に提供いたします場合に、新らしい施設を作る場合の施設建設閥向うで出しておりませんので、今度も同様にそれは困難だつたわけでございます。従いまして運転資金だけを貰いまして、或いは又最初設備償却費だけを頂くのでは、放送協会にそういう資金が、ございませんので、これはもう結局向うがそれを出さない限り不可能ということになりりまして、この問題は実現いたさなかつたわけでございます。  第二段に、第三放送施設を利用して欲しいということを向うに申出をいたしました場合に、向うでは第八軍の進駐軍のための放送であつて、これは現在でも時間が足りない状態であるから、これはもう絶対にいけないということが向うの回答でございましてこの点もこちらの申し出は受け容れられなかつたわけでございます。従いまして第一第二放送を使う場合には、時間はもうできるだけ最小限度の、而も日本国民が聴く場合の非常に大事な時間な避けるということを、我々として申出をして、確保ができましたことが最大の状態でございます。現状は大体先程時間を申しましたように、まあ大事な時間は全部外しております。そういうふうにいたしまして漸くそこまでで我々が食い止めたというのが現状でございます。  それから経費の点に関してでありますが、これはそれに要するする経費は一切向うから支拂うということが前提となつております。従いまして聴取者聴取料には一銭も触れておらないということが条件となつております。ただ問題になつておりますのは、そういう我々が占領下にあるがために、この要求は断われないという実情から、止むを得ずこうした範囲内でやつているわけでございますが、如何なる形においてこれを放送協会にやらせるかということにつきましては、関係筋の方のいろいろの案もございますし、又電波管理委員会の方におかれましてでも、その処理上どういう形を取つたらいいかということは目下協議中のように伺つております。又我々もその一部は伺つておりますが徹底しておらない状態でございます。
  16. 水橋藤作

    水橋藤作君 その後の、これを是正するためにどうするかということは管理委員会なり、経営委員会が無論担当なさることと思いまするが、放送協会としての目的をはつきりして頂きたいということを私はお願いしたいのであります。つまり先程言われるように、目的ですね、日本国民に対しての公約、或いは不備とか或いは迷惑をかけるようなことがあつてはならないわけなのでありまして、その目的のために放送協会は断乎とした態度で進んで頂きたいということをお願いするわけであります。  それからそれに関連いたしまして、経営委員会と、今度は電波管理委員会との連絡はどういつたような工合になつておるか。これはちよつと質問放送協会の方に聴くと変かも知れませんが、話が出たついですですからちよつと質問したいのですが、あれは定期的に何か連絡を持つておられるのですか、どうですか。
  17. 小松繁

    参考人小松繁君) ちよつとこの前に韓国語放送ということにつきまして、もう一つだけ御了解を得ておきたいので附け加えさして頂きたいのですが、先程から水橋さんのお言葉で韓国向け放邊という言葉がございましたが、私達は非常にこの問題につきましては意思を持つておらないということを表明する意味で韓国語放送という言葉を使つております、使うように注意もいたしております。或いは、場合になつてはもうその辺は非常に細かい問題ですから中には使つた場合もあり、或いは使う人もございますかも知れませんが、その点は非常に注意いたしまして徹底するように努めております。と申しますのはこの韓国語放送は進駐軍の要請によつてつております。と同時に現在の放送協会設備、それから人はすべて全く意思を持つておらないのであります。向うから参りまして、向う番組を作りまして、向うが演出をいたしましてやつておるのでありまして、我々は、ただ機械を動かすための人、それから場所を提供するだけでございますから、その点一言付け加えて御了解を得ておきたいと思います。
  18. 水橋藤作

    水橋藤作君 最後にこの朝鮮の問題は相当長期に亘るものとかように我々は一応考えるわけであります。で、現在ですらそうした行き方であり、又発展如何によつては段々と時間も大切な時間を使用される結果にもなるのではないか。放送協会の肚構えとしては、不本意ながら止むを得ないのだということでこのままお座なりにするならば、これからますます発展して、日本国民に本当の放送協会の持つ使命、目的国民要望に反する機会が来るのじやないか、ますますこれが拡大されて行く可能性があるのじやないかというので一応我々は関心を持つておるわけであります。以上でありますが、ちよつと技術方面でお伺いしたいのですが、放送する場合に電力関係はどういう工合になつておりますか、何ですか発送電、日発辺りとの連繋が……、つまり電力を使用するに放送局で欲しいだけを向うで送つて呉れておるか、或いは又あれは配給関係になつておりまするので、十合に要請するだけ呉れるか呉れないか、そういう方面はどうなつておりますか、ちよつとお伺いしたい。
  19. 小松繁

    参考人小松繁君) 今のところでは、この春に電力のいろいろな取扱規程が変りました関係で、少し関係方面との折衝が十分行つておりませんでしたが、最近では可なりはつきりいたして参つております。御承知のように電力全国関係配電会社から供給を受けておりますので、そこの場所との協定ということも可なり有望でございます。交渉でございますね、同時にこれは、正式には商工局の所管事項になつておりますので、商工局の関係の方に十分な資料を提供いたしまして、過去の実績なり、又現在の電力使用料の算出根拠の詳細なものを提供いたしまして、こういうわけで、放送協会は、割当が非常に削減された場合には電力を低下して放送するということができない性格のものであるから、必要な量は十分に頂きたいということを申出でたのでありまして、今のところでは割合に大部分はこちらの必要量に近い程度のものを頂いております。ですから、割当量よりも少なくしておるという所が何局かある程度でございます。
  20. 水橋藤作

    水橋藤作君 有難うございました。私の質問を終ります。
  21. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) それでは、水橋さんの最後の点について一言申添えたいと思います。日本放送協会はおつしやいますように、国民全体の意思に副うという先程の御趣旨はよく分ります。十分考慮いたしたいと思いますが、ただ国民がみんなそういうことを嫌つておるのだから、そういうことはしないようにというようなふうにおつしやいました点、その点等は私共が早まつた独善で、現在今申上げました程度の時間を割いておることが大局的に見て国民が本当に嫌やがつておるかどうか。又国民が現在の時局を顧みてそうして大きくそういうことを許しておるかどうかという点等も十分考えて我々が独善で、独断でしないようにして行きたいと思つております。
  22. 平林太一

    ○平林太一君 今水橋君の御意見に対して、正副会長よりお話がありましたが、私ここで聴取しておつたのでありますが、私自身の見解からいたしますと、全国放送局放送いたしております韓国向放送の使用時間というものは敢て聴取者全体の者に対しまして、非常な障害を与えておるという程度には達していないと思つております。諸般の今日の国の現状を静かに洞察しまして、この程度のことに対しましては、むしろ広い心持ちを以ちまして、受入れることを以て妥当と考えるのであります。従つて放送局当局におきましても、荷くも只今水橋君の質疑に対しましての御意見に、何か止むを得ず韓国向け放送はいたしておるのであるというような、ことばがあつたが、これは表現上止むを得ないこともあり得るかも知れないが、気持の上におきましては、やはり技術者という者はその放送に携わる以上は、親切に、それから誠実と、況んや、この放送に対しましては、最高の儀礼を尽すことを忘れないようにいたしまして、鋭意、この放送局としての職務の遂行に対しましては、その技術者としての本質を失なわないように、今後共これに当られることが緊要だと思います。一言所懐を申上げた次第であります。
  23. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今の平林さんの御意見は、それは一応私もあなたの御意見として聞いておきまするが、併し、放送協会目的ですな、その目的がどこにあるかということを、日本国民はあなたは一つも迷惑していないと言われるが……(「討論会じやない」)と呼ぶ者あり)それは私も放送を聴こうと思えば私個人が迷惑をします。第一、第三の放送を聴こうと思うと、朝鮮語で訳の分らないことを言われるので迷惑です。あなたは或いはあの放送を聴いてお分りになるかも知れないが、若し分らないとすれば、そのとき多少その多い少いはともかく、迷惑を感じておることは事実だと私はこう考えております。
  24. 山田節男

    ○山田節男君 先程、水橋君の御質問がありましたが、大体電波管理委員会の答弁があり、又放送協会の幹部の御回答で分つたのですが、この要請があつたのはスキヤツピンであるか、要請であるか、命令であるか、という問題でありますが、これは非常に重要なことだと思います。スキヤツピンであれば、いわゆるこれは覚書以上の命令、ディレクターである。そこの問題とこれはさつき水橋君の言われたこと、これは私も電波管理委員会質問した点で同じであります。もう一つお伺いしたいことは、放送協会としては施設について管理者であるという立場から、若し第四ですかAFRSについて第四の放送をやるということになつたならば、施設費は最小限度どのくらい要るという見通しがつくか、概略でもいいですから、それに対する人的、機械的器具、施設等においてどのくらいかかるものか、若しお分りになれば概略でもお示し願いたい。
  25. 小松繁

    参考人小松繁君) 向うから出ております要請と言うのは、放逸協会に直接監督に当つておる省の方から、これはGHQの計画であつて、そちらの方からの要請であるというふうに我々は聴かされているのですが、手続は後でする、とにかく実行に移せというのが最初の段階でございました。従いまして始めますときは電波管理委員会と打合せて始めたのでありますが、その処理の仕方につきましては、そちらから直接放送協会に公文書が来るものとは私は考えていないのでありまして、恐らく日本政府側に出されるものではないかというふうに考えております。現在はNHKの方にはまだ参つておりません。それから経費の点でありますが、新らしく施設いたしますと、大体一つの十キロの放送所を作るだけでございますが、作るだけで大体最小限度五千万円はかかるかと思います。従いまして、今の東京、松江、福岡、その外に大阪、広島、鹿児島と新潟の四つ全部合計してこれは仮に十キロだけにいたしましてでも七局ございますから、これを七局作りましてもその七倍はどんなに少くても設備としては要ると存じます。これは極めて臨時的な粗末な施設としてそれだけの金がいると思います。
  26. 山田節男

    ○山田節男君 第一の質問電波管理委員会に何かスキツピンか、口頭による要請があつたのかはつきりいたしませんか。
  27. 長谷愼一

    ○政府委員(長谷愼一君) 御説明申上げます。山田委員から御指摘のように、これが全部スキヤツピンでカバーされるかどうかということは、極めて微妙な問題でございますので、目下一番妥当な処理ができるように折衝中でございますので、その点御了承願います。
  28. 山田節男

    ○山田節男君 今の小松会長から言われたことは、費用は最小限度のものである。そうして若しこれを作るということになれば、資材等は、例えば一ヶ月なら一ヶ月以内として整え得る可能性があるのでしようか。
  29. 小松繁

    参考人小松繁君) 只今の御質問は大体建設命令を受けて建設をして完成するまでの工期でございますか。
  30. 山田節男

    ○山田節男君 そうです。
  31. 小松繁

    参考人小松繁君) ちよつと今のところ正確に私確信を持つて申上げられないのでありますが、大体何の用意もしないで急に命令が出まして、それから作るということになりますと、一番時間のかかるのはやはり放送機だろうと思います。これは現在のメーカーの能力では最小限度八ヶ月はかかると思います。それから現場に搬入いたしまして、据付調整をやりまして、でき上るまでにはどんなに早くても一年以上かかるかと思います。
  32. 山田節男

    ○山田節男君 私はこの放送については極めて……、極めてではない。全然無知でありますから、その点で伺つておるということを御了承願いたいのですが、放送事業の中で私一番感じましたことは、受信機がまずい。これは殊に私昨年廻つて来て外国と比べて少くとも十年乃至二十年遅れておるということを痛感いたしました。これは電波管理委員会の方にも話をし、激励したわけでありますが、放送協会としてはこの放送法によると受信機の器具の認定乃至指定をするということであります。但しこれを規律干渉することはできない。こういう建前になつておりますが、この受信機の改良ということについて放送協会はどの程度のことをやつておるのか、又電波管理委員会との関係においてどれだけの努力をしておられるのか、これを伺いたい。
  33. 小松繁

    参考人小松繁君) 六月一日に放送協会発足いたしますときに、設立委員会から今の日本放送協会に引継がれました事業計画の第一番に、運営方針というのがありまして、その運営方針の中に技術研究所の部門の事項に明確に低廉にして且つ優秀なる受信機の研究というのがございます。これは放送協会が大体やれます。又やらなければならない事情にあり、大きな仕事一つかと考えますが、先程お話のございました受信機の指定とか、認定とかということはこれは放送法にございます製造業者又は販売業者の規制という範疇に入るかと考えまするので、これはできないものと我々は解釈いたしております。従いまして、協会は現在事業の発展普及のためには受信機の改善或いは又価格低廉化ということは非常に重要な要素と考えておりますので、これにはできるだけ力を入れたいと考えておりますが、メーカーの規制になることは非常に多いように考えられますので、この点非常に注意を要するところでないか、一例で申上げますと、我々のできますことは、今研究所の事項にも明記いたしてございますので、各研究団体、或いは又研究施設を持つておられるところの団体との連絡を密にいたしまして、そうした研究を進める上に無駄のないように十、又有効に早く効果を上げるような方法で進めて行くならば、外との関連におきましても、又協会自体といたしましても、はつきりやつて行ける、又法律に触れない方法ではないかというふうに今研究いたしております。
  34. 山田節男

    ○山田節男君 それからもう一つは私AFQSの放送を聴いて、日本と比べて痛感することは、日本のプログラム放送は殊に外国人の名前とか、言葉を入れて放送することが非常にあるわけですが、どうも外国語、これは英語もあり、ドイツ語もあり、フランス語もあるのですけれども、とてつもないアクセントをして意味が分らないようなアクセントを使うことがしばしばある。これは私はAFQSでついこの頃丑の日の放送をしたのを聴いて感心したのですが、例えば「ウシノヒ」というようなアクセントを、向うはこれを「ウシノハイ」というような発音になるだろうと思います。「ウシノヒ」というようにアクセントをつけて四度も五度もやつて日本語らしくしようと非常に努力している。日本放送を聞いて見るとこの間に相当注意をしておられるのだと思いますが、極端な例が沢山ある。この点についてやはりこれは何も英語やドイツ語の分らん者が聞いておるからいいじやないかといえばそれまでですけれども、併し人名にしても用語にしてもこの点の注意が非常に足りないのじやないか、これは希望ですけれども、その点を特に私は注意をして貰いたいのであります。それから新聞にしましても放送にしてもそうでありますが、誤植のないこと、殊に人名ということに対して誤植があるということはこれは非常な失敗でありまして、ロンドン・タイムスのごときはどんなむずかしい日本人の名前でも実に正確に書いておるのを見て感心しておるのでありますが、これは放送においてもそうでなければならん。放送の誤植と申すと、要するに発音が違うわけでありますが、そういうような点はこれは例を挙げれば沢山ございますが、こういう点を一つ放送協会としては特に注意をして頂いて、これがいわゆる外国語を日本化するときの一つの発音の基準になることは申すまでもないのであります。従つてこれにいろいろな訓練等もあるだろうと思いますが、現状においてはそういうことは全然やつておられないのかどうか、その点を一つ
  35. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) お答えいたします。誠に適切な御批評を頂いて有難うございました。そういうような点は以後一層気を付けたいと思います。御説明として申上げますと、放送協会には用語調査の研究会、これは外国語の権威者も集めて、そうして外國語の読み方その他日本語の読み方、表現、そういうようなものにつきましても、毎週定期的にいろいろな会合が開かれるのでありまして、そうして外部の権威者もそれに参加してやつておられまして、日本語につきましても放送協会の読み方というようなことが文部省におきましても最も有力な資料の一つになつておるのでございます。従いましていろいろの研究機関それから又その結果というようなものも相当にございます。併しお説の通り私自身が聞きまして私自身も間違いを発見したような場合もありますし、又聴取者の皆さんからいろいろ御注意をうけておりまして、これらのことは決してやり過ぎるということはないので一層力を入れてやつて行きたいと思つております。有難うございました。
  36. 山田節男

    ○山田節男君 韓国語放送については、これは政府並びに放送協会として諸般の事情から万事止むを得ないということは了承するのでありますが、ただこれをカバーする一つの方法として、私古垣会長に対する個人的な関係から曾て御意見を伺つたことがあるから、特にこの際に申すのでありますが、若し第二放送において韓国語放送のプログラムを設置される、而もこれが当分長期間続くという見通しの下において、これは曾て古垣会長が何かの本に書かれたと思いますが、イギリスのロンドンのBBC中央放送局でやつておるような第三放送日本でいえば第四放送になりますが第三放送的のものをやる、今第二放送が犠牲に供せられた、特に知識階級の者があれを復活して行きまして、最も落着いた時間に聴取される効果があつた、これが犠牲にせられざるを得ないという客観情勢があるということになれば、放談協会の新しいこの現情勢に即応する一つの企画として、丁度BBCの第三放送のようなものを企画され得るか。或いは曾てこれについて電波監理委員会等へこのことについて交渉されたことがあるのかどうか。又今日の情勢においては尚更この必要を痛感しておられるかどうか。これは古垣会長の個人的の御意見としても伺いたいのですが、尚放送協会として又現在の韓国放送による第二放送のプログラムの犠牲ということについてその必要性があるかどうか、この点を一つお聴きしたいと思います。
  37. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) 日本において第四放送作つて行く必要があるかどうかということでありますが、非常にデリケートな問題でございまして、私個人といたしましてはそういうことを書いたこともありますし又今日別に意見を異にしておるわけではありませんが、一方において民間放送も出願者がありまして、そうしてそういう人達にできるだけその民間放送の希望に添いたいというときに更に第四放送をNHKがやるということはそれに反対の方向に行くということになります。それから現下の国際情勢の下でこの韓国語の放送等について聴取者が一層その直接に聴くほどの被害を蒙らないという点からは、勿論第四放送を設置してそちらに廻せば結構でございますけれども、それは單にその放送を聴くという、或いは韓国語放送が行われているときに、その韓国語放送日本聴取者が聴かないで済むという小さな問題だけの一つの案のように思います。現在の日本の置かれておる情勢においてはもつと前に要請されるものが沢山あるものですから、私の御返答はこれ以上申上げられないと思います。
  38. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 時間が余りありませんので極く要点だけ質問したいと思います。いろいろな問題についてお尋ねをしたいのでありますがそれは次の機会に譲りまして、今度の国会は放送関係の三法案ができまして、そうして日本放送協会が新しい性格を持つて誕生いたしまして以來の初めての国会であります。従つてあの二法案を審議いたしました場合にも検討せられたことでありますが、国民の側から申しますとあの二法案は一方において日本放送協会にいろいろの特権を与え、或いは役員、職員等に対しまして従来と違つた取扱をするというように、いろいろと性格が変つたに伴つて法律関係が非常に変つて来ておるのであります。先ず国民としてやはり知りたいと思うことは、日本放送協会がこういう新しい計画を以て法律の基礎の上にできたというこの現在の状態で、日本放送協会が今後従来と違つてどういうところに重点を置いて仕事をされるか、放送協会目的簡單放送法の第七条に書いてありますけれども、あれを今度具体化して参ります場合に、放送協会がどこにどういうふうなことをやつて行きたい、又それはここ何年の間に必ずこういうことをやらなければならないということは当然考えられなければならないし、その責任があるだろうと思うのであります。その点について私はこの国会で電波監理委員会からも承わつたのでありますけれども、放送協会会長である古垣さんからは、先ずその点についてあなたの方からも御説明を伺い、そうして国民にやはりその点を知らせて納得させる必要があると考えるのであります。抽象的でありますけれども、この頂きました事業運営方針とか、つまり事業計画とか、予算、或いは資金計画等に現われましたところは、殆んど従来と大差のない計画のように私は拝見したのであります。これでは折角新しい性格で以て発足した日本放送協会としてはもの足りないという感じが相当強くするのであります。これは新会長から当然国民に訴えられなければならない点であるかと私は思うのであります。その点を先ず明らかにして頂きたい。  それから次に先程の山田委員からの御質問に対して小松会長から御答弁がありましたが、大体は私も了承するのでありますが、要するにこの受信機の問題に限らずに技術研究の方の問題にもう少し拡めて頂きたいのであります。今日どこの研究所を見ましても、経費関係で十分に動いておりません。まあ今日この放送関係で動いております研究所は、日本放送協会の研究所なり或いは電通省の通研とで、これらは割合経費にそう束縛されずに研究を続けておられるという状態であろうと思うのであります。併しこの放送をもつと国民に十分に聴かせようということになりますと、どうしてもこの研究機関をもう少し経費をかけてそうして各メーカーの持つております特色のある研究所も活かして使つて、そうしてその技術研究の結果を総合いたしましてそうして我が国としてこれが最高であるというものを使つてこれを一日も早く実現するように持つて行くのが、少くとも今日は必要であろうと私は考えるのであります。それに関連しまして私は具体的にお尋ねしたいのですが、これは定款とか或いは法文とかを多少離れて申上げるのですが、仮りにそういうふうな研究の総合団体のようなものができます場合に、これは放送協会官林の直接の仕事には関係しなくても間接にやはり放送技術向上させるという意味において、そういつた方面日本放送協会が相当の経費を割いて、一般の日本放送技術向上を図るということについて、何かお考えを持つておられるどうか、或いはこれに協力せられるお考えがあるかどうかということをお伺いしたいのであります。  それからもう一点伺いたいのは、いろいろの問題もありますけれども、私共法案を策製いたしますときに心配いたしましたのはこの経営委員会の問題であつたのであります。経営委員会は各地から地方的な代表を選んでおられますけれども果してこれでうまく動くかどうか。而も放送協会の一番重要な機関として意思決定をされる機関でありますから、これに全幅の信頼を置いていいかどうかということについては非常に懸念をしたのでありますが、発足以来この経営委員会がどういうふうに動いておるか。又この経営委員会においてこの最終的な意思決定をするような非常に重要な問題について再々審議を重ねられておるかどうか。又その結果はどうであるか。経営委員会運営の状況につきまして抽象的でも結構でありますから、概括的に御説明を頂きたいと思います。以上三つの点についてお伺いいたします。
  39. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) いろいろ非常に適切な御質問や御意見を頂きまして有難うございました。最初に協会運営方針についての御質問でございますが、十時平の開会劈頭に委員長から丁度同じ説明の御要求がございまして、私丁度新谷さんにお答えしなければならないことを申上げたつもりでございます。極くそれでかいつまんでその点を申上げますと、この六月一日に放送法によつて発足いたしました私共といたしましては、設立委員によつて定められました事業計画收支予算等の線を守りそうして同時に経営委員会方針従つて行うという立場にございまして、大変お買被りになつていらつしやるようですが、私からこういう方針でやつて行くということは申上げる立場でないのです。併し、勿論その方針を体して実施に移しておりますがその点は先程申上げました。要するに私共はこの二十五年間の放送協会の実績というものが惡かつたから変えるというのじやなくて、一層これを強調して行く一層国民的基盤に立つてそうして一層公共性を大きくして行くという線で法律ができておるというふうに解しまして、そういうふうにして一層これを強化して行くという仕組でやつております。そういうことを申上げたのです。そうして例えば先程小松会長からも申上げましたように、安くてよく聞える受信機の研究なんかをいたしたい。或いは全国電力配置の点でも大阪の大電力によつて若干の放送周波数を減らすというような意味で、経費の負担が少いものでよりよく放送できるように、かようなことを具体的に説明いたしました。  又番組の面につきましても教育とか婦人番組というような点について先程縷々申上げた次第であります。若しお許しが願えましたならばそれを先程少しく詳しく申上げましたところをあとで御覧頂きたいと思います。  次に受信機技術方面の問題、これも非常に関心を持つて仕事を進めております。又調査をしておりますのでそれは專門家の小松会長から詳しく申上げたいと思います。  最後経営委員会の問題は、経営委員会は六月一日に発足いたしましたけれどもその前から数回会合も開きまして、そうして六月一日正式に発足をいたし、そうして一日、二日と会合しましてこの設立委員会から渡されましたいろいろの書類、收支予算事業計画等についても終日熱心に検討いたしまして、又協会から事業方針についての案を長い時間又熱心に検討して、そうしてその方針従つてやることになりました。そうして次回の会合はこの八月の三日から三日、四日と会合することになつております。必要がある場合にはいつでも集まろう、遠隔の人もこれを厭わないでやろう、新しい放浪協会の使命は非常に重大であるから、殊に現下の情勢において一層重大性が倍加されておるから、自分たちの責任が重いということで熱心にやつておるわけであります。
  40. 小松繁

    参考人小松繁君) それでは先程新谷委員から御質問のございました技術研究の問題につきまして只今考えておりますし、又可なり方針的に考えております点を申上げたいと思います。  先程誠に適切な御意見なり御質問なりを受けまして、私達がこれから進んで行く上にいろいろ考えておる点と可なり一致もいたしておりますし、又いろいろ示唆に富んだ御意見を伺つたような気がいたすのでありますが、実は放送協会技術研究といたしましては、放送法に定めておる範囲外に出ることは勿論できないわけでありますが、できるだけ広い範囲に、何と申上げましてもこの放送技術部門は可なり技術科学の総合的な一つの分野のように考えられますので非常に関係するところが広いわけでございます。従いまして少くとも放送関係のある科学技術に関しましては、できるだけ広く又外部のそうした団体とも十分連絡をとりつつ研究をやつておる状態でございます。具体的にその主なものを申上げますと、真空管などに関しましては相当規模のある各メーカーと協同研究をするなり、又協会の持つております技術を請われるままに、如何なる団体に関しましてでも重なる実費を頂くだけで全部公開をする態度をとつて今やつております。それは音響関係におきましても、又受信機技術に関しましても同様でございますが、一番多いのは何と申上げましても今具体的に述べました真空管と受信機関係部分品が一番主なものでございます。又技術研究所におきまして研究いたしましたものは、その以外に毎月出しております「放送技術」又純粋なる技術の研究雑誌といたしまして三ヶ月に一回出しております協会の「NHK技術研究」という雑誌でどん会、公開発表をいたしておる状態でございまして、この無線技術に関しましては或いは通信学会なり或いは電波協会なり、或いは又そうした常置の団体以外にいろいろな委員会なりに殆んど日本のあらゆる無線技術の分野の方が集まられますので、我々といたしましても又そういう面の御示唆も受けますし御協力も受けますが、我々といたしましても自分の持つておりますものを全部そういう機会に最大限度に発つ表いたしまして御利用願つておるような実情でございます。  先程一つお話がございました受信機の問題に関しましては、例えば運営方針に書いてございますが、最近通産省が主となられまして今取りまとめ中のラジオ受信機改善委員会に協会が参面すべきであるという考え方には我々は豪も変つておりませんが、ただこの委員会が定款或いは規約の決め方によりましては放送協会放送法に趨れるという問題が可なりございますので、電波監理委員会の方でもまだ研究中のようにも伺つておりますし、又CCSにおきましても可なり協会の入り方につきましても疑問を持つておりまして、必ず決定以前に相談に来いということも言われております。そういうような非常なむずかしい点がございますが、方くとも純粋技術に関しましてはこれは我々は放送法に触れるところは豪もないという考え方で、純粋技術の面を中心といたしましてそういう外部の方方と協力いたして我々の技術も磨きますし、同時にその成果を最大限に国民の利益になるように効果を挙げたいというふうに考えながら仕事をやつておる状態でございます。
  41. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 もう時間がありませんのでこれ以上は質問を止めまして次回に譲りますけれども、最後に古埴会長の御説明に対しましてもう一点伺いたい。これは事業運営方針なんかについて冒頭でお話になつたそうですからこれは速記録で拝見いたしますが、放送法の七条に書いてありますように、結局日本のどこへ行つて放送が聞えるようにというのが放送事業の第一の目的になつております。今日尚放送が聞えない箇所が相当ありまするがこの計画を拝見いたしますと、相当に例えば中継所を拵えるというような建設計画もあるのですが、逐次これは整備されるといたしまして、今後大体何ヶ月くらいに、特に支障のある地域を除きまして、日本全国放送を聞かせることができるかという見通しを一つつてみたいと思います。
  42. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) その点につきましては先程外の委員の方からの御質問に対して小松会長が具体的に述べましたから小松会長から説明をして頂きます。
  43. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 遅れましたから聞きそこねたのでせう、それでは速記録を拝見いたします。
  44. 古垣鉄郎

    参考人(古垣鉄郎君) 併しまだ十分話しておりません、何年くらいということは。
  45. 小松繁

    参考人小松繁君) これは公式にはなつておりませんが、私の方で数年前に大体五ヶ年計画というものを立てましたが、それの内容については或いは非公式に現在の電話監理委員会の一部の方々にも或る程度内容を御了解になつているように考えておるのでありますが、勿論これは情勢の変化或いは又協会の財政の如何によりまして修正を加えつつ今日に参つております。その五ヶ年計画の約第三年目が終つたような現在状態でございます。残つておりますのは先程申上げたのでありますが、主なものは大阪を第二電力にいたしますことと、盛岡を十キロ放送局にいたしますことと、網走の十キロが仮設備でございますのを早く本設備にいたしますこと、これを大体いたしますと日本の国土といたしましては、僅か数。パーセントを除くだけで、国民型受信機程度のもので十分に如何なる地点でも聴かれるようになります。それから国民の数で行きますと、大体一〇%ぐらいを除きまして殆んどその程度受信機で聴えるような状態になるのであります。我々が一番最初に五ヶ年計画を立てました趣旨は、全国の如何なる場所におきましてでも国民型受信機で全部国民が聴えるようにしたいというのが念願でございましたが、まだそれだけでは一部極めて僅かな所が残るというような事情でございまして、今申上げましたものは後二ヶ年半くらいで完了する予定でございます。
  46. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは日本放逸協会会長並びに副会長に対する御質疑はこの辺でよろしうございますか……。御質疑もないようですから本日は誠に有難うございました。  それでは続いて田村大臣も御出席でありますので、御質疑等をお願いしたいのでありますが、前回に御了解を得ておりました委員外の千葉議員から電通行政に対する発言の申出がございます。只今から千葉議員に発言を許します。
  47. 千葉信

    ○委員外議員(千葉信君) 御質問申上げます。問題の性質上大臣でなくても事務次官でも山下電信監からの御答弁でも差支ない次第でありますが、御承知のことだと思いますが、北海道の八雲における研究所に不正事件があつたようでございます。これは私が申すまでもなく寮生の食糧を横領したとか或いは又その他いろいろな経費を流用したとかいうことが相当伝えられておりまするし、更にこの問題については検察当局とも腐れ縁があつたために、問題を糺明しながらも司法処分としては一応不起訴処分に移すということも伝えられておりまするが、更に行政処分に至りましては單に転任というような措置で以て問題を結着させようというような態度があるということを承わりましたが、この際八雲におけるこの事件についての当局の調査の結果と並びに今後のこれに対する解決の方針とをこの際承わりたい、かように存じます。
  48. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答え申上げます。本件は今千葉委員からの御指摘の通り不正事件がございましてこの点誠に遺憾に存じております。当初これは検察当局の方で調べを受けまして昨年の暮にその事実が明らかになつたのでございますが、当省といたしましても監察課の者を派遣いたしまして一月早早それを調査いたしました。併しながらいろいろの書類等はすでに検察当局の方に持つて行かれてあつたために、はつきりした点はよく掴めなかつたのでございますが、合計十二万八千円余りのものを接待費或いは職員の税金の年末調整等、ともかく流用すべからざるものに流用したという事実は明らかなのであります。勿論これは刑事事件になりましたのでその後の検察当局の措置を俟ちますと共に、私共といたしましてもこれにつきましては当然行政処分をする考えで本日に至つてつた次第でございますが、検察当局の不起訴処分というふうに只今言われましたが実は私共の方はまだはつきり決つていない、これに対して正確な通達を受けていないのであります。行政処分にりきましても、検察当局の方のそうした状態がありますのでそれを待つてやるという考えで、実は本日まで行政処分は留保しておつたのでございますが、この八雲学園は本年の四月からの何と申しますか授業をやることを停止いたしましてこの学園は閉鎖する考えになつております。従いまして、その中にいまする職員につきましてはそれぞれ転任の行く先等を只今までいろいろ措置して参つたのでありますが、当該の責任者である庶務課長、学園長につきましては本件の問題もありますので、今異動等、場所を変えることによつて糊塗するというような態度でなく保留いたしておるような次第であります。今千葉委員からおつしやいました通り私共これについては厳正な態度をとりまして、検察当局の最後決定を待つた上で相当の処分をいたす考えであります。
  49. 千葉信

    ○委員外議員(千葉信君) これは希望でもあるわけですが、地方へ私共参りますと、相当地方における理事者諸君が最近の反動的な情勢に便乗して、非常に従業員諸君に対して高圧的な態度を以て臨んでおるという傾向が非常に多いわけです。従つてこういうふうな段階の場合に、当局は若し従業員諸君が心配しておるように非常ににこういう問題に対して微温的な態度を以て臨まれるということは統制上私は憂慮すべき点があると思いますので、できるだけ問題の解明を待つて明確な処置をとられるということを私は希望申上げておきます。  それからその次の問題ですが、承わるところによりますと最近海底線修理のために朝鮮の海峡に多数の従業員が派遣されておるようでありますが、非公式な会談では一応釜山までの間では危険はない、こういうような言明でございましたけれども、併し日一日と事態は非常に危険の度を加えておりますし、発展するところ現在はまだ予想がつかないという恰好でございまして、従いましていつこれらの派遣された従業員が危険にさらされる状態になるかも分らないし、或いは又生命の危險すらも十分本人達は感じておることであつて、若し我々の憂えているような状態になつて従業員から犠牲が出た場合にはそれに対する措置を考慮されておられるか、適当な措置を今から考慮されておられるかどうか、この点について御答弁を承わりたいと思います。
  50. 靱勉

    説明員(靱勉君) お答えいたします。不幸の事態が生じた場合に適当な措置を講ずることを用意しているかどうかという点でございますが、これにつきましては御存知のように船主協会と全日本海員組合との間に、今回の危険水域におきまするところのいろいろ事態に対する特別な措置につきまして協定ができ上つております。公務員につきましては御承知のように公務員の給与に関する法律等によりまして勝手に給与ができないことになつているのでございますが、これらにつきましては相当すでにこの問題に関連いたしまして人事院或いは大蔵省等と非常に折衝をこれまでやつているのであります。大体見当がつきまして近く法制的措置ができるという段階に至りました。不幸の場合におきまして私共としましては当然民間の一般船員と同様なる措置をとる考えで、又その方針で現在おりますが、ただ法制的な正式な手続はまだ終つていないということで、当省といたしましてはそういう方針ですでに用意をいたしているような次第でございます。
  51. 水橋藤作

    水橋藤作君 只今の千葉氏の御質問と同じ質問が当委員会で二、三回繰返されているのでありまして、今日の委員会にその待遇問題その他が具体的に説明できる段階になるだろうというお話のように承わつてつたのでありまするが、まだそれができていなければ止むを得ないといたしまして、この海底線に使用されている人数はどのくらいであるか、それから日数が凡そどのくらいかかるか、それからその工事はどことどこの間であるかというような点を具体的に御説明願いたいと思います。
  52. 靱勉

    説明員(靱勉君) ケーブル・シップは現在当省におきましては二度ございます。大体千三、三百トンのものでございますので約百二、三十人の職員がそれぞれ乗船しているわけでございます。只今の日数その他どういうふうなことかということにつきましては別の機会に御説明いたすことにお願いをいたしたいと思います。
  53. 水橋藤作

    水橋藤作君 山下通信監にお伺いいたします。第六国会だと思いまするが私設電話買收問題に絡んで従業員の暴動問題、或いは会社の引受条件等につきまして当委員会で相当問題になつた筈ですが、あの結果はどうなつておりますか、御説明願いたいと思います。
  54. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 日本電話設備会社の業務を引受けますことにつきましては、前国会でも水橋さんから御質問がございました。あの際に一点まだ申上げられないはつきりしない点がございましたが、その他は全部業務的には順調に進んでいるということを申上げました。その一点未解決の問題と申上げておりましたことは、日本電話設備会社の方からは常業権の補償をして呉れという申出であつたのであります。ところがスキヤッピンの精神から見まして明らかに営業権の補償という銘を打つて何がしかの金を出すということは、司令部側でどうしてもこれを認めないというために、その営業権の補償というものは何がために必要かという本質的のことを研究いたしますと、従業員に対します退職手当を支給しなければならん、その退職手当に引充てるものが今の線から見ると非常に心許ない、そのいわゆる補償が根本であるということがはつきりいたしましたから、我々の方も従業員が安心して移つて貰わないというと引継ぎますところの仕事運営上困りますので、この点を強く司令部側の方にも押しまして、退職金といたしまして三千五百万円の資金を認められたのであります。でこの点の解決がつきましたから殆んど大部分の人を引受けることができますし、又参りました人も進んで非常に成績のいい効果を挙げて只今従業しているわけであります。かようにいたしまして日本電話設備会社との業務引継の関係は完全に終了いたしております
  55. 水橋藤作

    水橋藤作君 従業員は大凡そ、どれだけの人数がこつちに移管されましたか。
  56. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) 向うの従業員全体は約千七百名でございましたが、ちよつと今計算ははつきり何しませんが、約千三百人内外の人は我々の方に参つているわけであります。尚あと引続いて参る筈でございますが、それは会社側といたしましても四月三十日までずつと仕事をやつてつたわけでありますから、その他残務の整理がございますが、その仕事の片付き次第参る人もあるわけであります。まだ全然我々の方に来ることを止めて外のことをなさる方もあるように見受けますが、大体多数の人が我々の方に来ることになつております。
  57. 水橋藤作

    水橋藤作君 もう一つお伺いしますが、その際に何というか俸給その他の問題がいろいろあつたと思いますが、そういう問題は円満なる解決が付いて全部こちらへ移管されたことになるのですか。そういうふうに了承してよろしうございますか。
  58. 山下知二郎

    説明員(山下知二郎君) そういう点につきましては組合側からもいろいろ希望もございまして、又電通省側の方にも差別待遇をする意思は全然ございません。在来の向うにおける経験年数というものは十分に考慮いたしまして採用いたします。従いまして大雑把に申上げまして大きな不満はなくみんな来て下さつたということを申上げておきます。
  59. 水橋藤作

    水橋藤作君 この海底線の修理に従事している大体百二、三十人の従業員は向うへ作業に行く場合に、特殊技能者をまあ役所で指定したといたしまして、皆さんがそれで喜んででみんな行つたことと思いますが中に行くのを嫌がつたといつたような人がなかつたかどうかお伺いしたい。
  60. 靱勉

    説明員(靱勉君) 嫌だという者は全然なかつたと思います。
  61. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 尚靭次官から発言が……。
  62. 靱勉

    説明員(靱勉君) 前委員会におきまして山田委員から御質問がありまして多分本日土曜日の委員会においてお答えできると申上げまして御約束いたしておつたのでありますが、そのとき御質問の契約の問題につきましては今尚折衝中でございましてまだ決定いたしておりません。甚だこの点申訳ございませんが御報告いたしましてお許しを得たいと思います。
  63. 山田節男

    ○山田節男君 今お話のありましたように、こういつたように外地へ派遣された場合に、若し自分の意思で行きたくないという問題ですが、これは実は私の聞いたところによると何でも最近よく隊の中に相当責任的な立場にある者が行きたくないという、これはちよつと速記止めて頂きたい。
  64. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記止めて下さい。    〔速記中止〕   —————————————
  65. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記を始めて下さい。請願陳情の審査をいたしたいと思います。前回お手許に配付いたしました一覧表の第十と第十三、これが再調査の上政府答弁が残されておりますので一応これを伺いたいと思います。尚お手許に配付いたしました追加の分の十八、十九、陳情の部で一号も……。
  66. 橋本萬右衞門

    ○橋本萬右衞門君 十三も事務次官に答弁をお願いしたいと思います。
  67. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) 請第二十四号の郡山電報局独立庁舎新築に関する請願につきまして一昨日私から御答弁を申上げた件に対しまして、橋本委員からこの御答弁に関連して事務次官の言質と行違いがあるとの御発言がございましたので、この点につきましてはこの際事務次官よりお話を願うことにいたしまして御了解を頂こうと存ずるものであります。更に又請第八十九号の白河電報電話局電話交換方式変更促進に関する請願でありますが、この点に関しましても私から当日御答弁を申上げた要旨に対しまして、橋本委員から当時前政務次官圖司次官の言明と私との答弁の喰違いの点について御発言がございました。当時の事柄につきましては前任者のことでもありますので、当時の実情につきましてこの際事務次官から詳細その経緯の御説明を申上げることが御了解を得る途であると考えますのでどうか御了承を頂きたいと思います。
  68. 靱勉

    説明員(靱勉君) 郡山の電報局独立庁舎新築に関する請願につきまして、政府側の答弁と私の言質と申しますが、この点と喰違いがあるというようなお話でございますが、橋本委員に私この点につきましてはまだ本省の態度は決つていないということを申上げたのであります。今回の答弁が政府の決定した意見というふうに御解釈を願つたらどうかと思うのであります。尚詳細に申上げますればこの局を私拝見いたしましたのでございますが、当時なかなか予算関係等もありまして、地元の皆さん方の御希望のように直ちに独立した電報局を建てるということは極めて困難な状態にあつたのでありますが、併しながら全体的に電報電話局の庁舎につきましては、非常に多く改築或いは移設を要するものがあるのであります。勿論将来の体制といたしましては、或いは現在の電話局が中継所として更に具体化されなければならんという場合に、どうしても現在の郵便局等の庁舎でも足らんということから大きな計画も考えなければならんということにも相成りますし、又郡山の自動化という問題とも関連している。更に電報につきましては集中局制度を探るということでございまして、福島県の集中局をどこにすべきか、これに対しては一局でいいか、福島県の地形から見て二局にすべきかという問題もあるし、いろいろな点から考究せねばならんので、将来の体制といたしましては、いずれにいたしましてもいつまでも郵便局の庁舎にいるということは考えられないけれども、これにつきましてははつきりいつからやるということは申上げられないということを、私ははつきり申上げたことを自分としては記憶いたしておるのであります。この政府の答弁におきまして差向きと申しますか早急実施は困難であるというふうにお答えになつておるのでありまして、絶対にこういうことはできないと申上げているものではない、早急に実施は困難であるという回答でございますので、その間喰違いはないものと私は考えます。  第二の白河の問題につきましては今政務次官から御答弁がございましたがまだ私前政務次官から承わつておりません。それでこの点につきましては業務局長から御答弁願いたいと思います。
  69. 田邊正

    説明員(田邊正君) 白河電報電話局電話交換方式変更促進に関する請願でありますが、圖司政務次官が当時どういうことを言われましたか我々何も承わつておりません。尚念のために圖司政務次官と連絡いたしまして当時どういう言明をされましたか確めようといたしましたが只今まで連絡が取れませんので、従つてその間の事情を明らかにすることができないのは非常に遺憾でございますが、私達の考えといたしましては、先般政務次官から御答弁申上げましたように、今の白河電報電話局の交換設備現状からいたしまして直ちに改式いたすことは困難である。その救済といたしまして昭和二十六年の下半期に交換局を設置して暫くやつて行きたいという考えでございます。
  70. 橋本萬右衞門

    ○橋本萬右衞門君 今の十三号ですが白河電報電話局電話交換方式変更促進に関する件は、圖司政務次官からはつきりと二十六年度において土地の配慮並びに庁舎の新築を言明しましたから、その点術御連絡下すつて……、私お任せしますからそこははつきりと言明しておりますから……。
  71. 田邊正

    説明員(田邊正君) それについて圖司政務次官に連絡いたしまして、御説明申上げます。
  72. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 尚時間も非常に詰つて参りましたが続いて少しピッチを早めて頂いて十八、十九、それから陳情一の先ず説明をお願いいたします。
  73. 後藤隆吉

    ○專門員(後藤隆吉君) 佐賀電話局舎新築等に関する請願の要旨でございますが、現在当市の電話施設は九州各県庁所在地中最も不完備な状態で通話上支障も多いから、速かに佐賀電話局の庁舎を新築せられ交換方式も現在の手廻式を他の方式に変更せられたいという趣旨でございます。
  74. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) 私からお啓えいたします。佐賀電話局庁舎の新築は二十五年度の下半期計画として認証申請の予定であります。従つて本年度中には機械等を新築いたしまして来年度において事務所等を新築の予定でございます。荷自動交換方式変更につきましては二十六年、七年度の二ケ年継続工事として計画をいたしまして二十六年度の建設勘定予算に全工程の五〇%を計上している現状でありますから、今後においても御要望に副うべく鋭意努力いたしましてその遂行を期する所存でございます。
  75. 後藤隆吉

    ○專門員(後藤隆吉君) 岐阜県蘇原町電話那加電報電話局普通加入区域に編入の請願、岐阜県蘇原町の電話は全域が那加電報電話局の管轄内にあるにも拘わらず、町の南の端が普通加入区域で中部及び北部は特別加入区域及び加入区域外であるため、電話の普及上支障があり町民の不利不便も多く、町の発展を著しく阻害しているから全町を那可電報電話局の普通加入区域に編入せられたいという趣旨であります。
  76. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) 蘇原町は那加局との距離が約三キロでございまして、本省として区域設定の基準として五級局千六百メートルという基準によりますれば只今のところ困難でございます。だが那加町と人家が連続いたしておりまして総合大学設立本部、会社、或いは工場等がございまして、目下計画中の電話局移転が実現しさえすれば那加局との距離も短縮されますので、尚実情調査の上普通加入区域編入につきましてはでき得るだけ御請願の御趣旨に副いたいと考えておる次第であります。
  77. 後藤隆吉

    ○專門員(後藤隆吉君) 大隅地区電話線増設及び新設の陳情でございます。鹿児島県大隅地区は開発特定地区に指定され着々諾計画が実施されているが、当地方における電話通信の状態は極めて不便で、開発計画の遂行に多大の支障を与えている時に野方、岩川間は交通上及び開発計画遂行上緊急を要する線である等、当地方の重要性を考慮されて大隅地区電話線を増設及び新設せられたいという趣旨でございます。
  78. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) 本陳情にお答え申上げます。市外電話回線増設につきましては、最近の予算範囲では一日一回線平均百五十通話時数以上、又直通回線の新設につきましては八十通話時数以上の区間を計画の対象といたしておるのであります。且つ通話事務開始につきましても未開始局が全国で二百五十あるのでありまして、本年度におきまして僅かそのうちで六十局程度しか実施ができない現状であるのであります。大隅地区の市外回線及び通話状況等を調査いたしますと、通話時数は野方、志布志間回線を除きまして、いずれも遺憾ながら右の標準に達しませんので早急の増設は困難でございます。野方、志布志間は現在百十五時数で相当輻湊はいたしておりますので、二十六年度計画におきましてはできるだけ実施するように考慮いたしたいと考えております。
  79. 山田節男

    ○山田節男君 これは議事の進行ですがもう臨時国会が閉会に入るというような時間が切迫しておりますので、この処理は成るべく今日やつてしまいたいと思うのでありますが、今日この付託された約二十件の陳情、請願があるわけですが、とにかく政務次官からのこの請願に対する回答でその趣旨分り、而も請願の約二十件のうち第七国会で保留になつておるのが四件で、それから第七国会で採択されたものが三件であります。第三、五、七国会の三国会を通じて採択されたものを更に第八国会に出しておるというような非常に特殊な請願もございます。更に十九件の請願のうち十六件は橋本委員がお出しになつておる。こういう特殊性がありますので、これは議事の進行上からいつて一つ特に御考慮願いたいことは、すでに去る第七国会で保留になつ請願を更に第八国会に出された、それから第七国会で採択されたものが又更に本委員会に出されたというような点から鑑みまして、保労されたものに対して又出されるということは必要によつて出されたのであろうと思いますが、少くとも国会に採択されたというもの、而もそれが承わるところによりますと、内閣に送付を要するものという手続がとられているということに私は了解しているのでありますが、而もその内閣が行政措置を報告されるべき義務を負わされた請願に対して、只今政務次官から各個別の御回答があつたのであります。これは私は常任委員会の性質から又権限から見ても、それから而もこれが一旦採択された以上は、やはり行政的実効が現われて来ることを委員会がこれに対して要求しているわけであります。加藤政務次官のいろいろお話を聴きますと現状として止むを得ない、又再三本院から行つてこれは不可能であるというもの、それから更に例えば第七号の請願と思いますが、このごときは一回線の増設をすでにやられておるというような、すでに行政効果も現われておるというようなものもあるように承わつたのでありますが、これはやはり常任委員会の性質から見て、これは政府当局ともいろいろ私は資材関係、或いは特にこれは郡山市だけの限られたものが多いのですが、全国的に見れば政府当局として一区域に偏重の施設をすることは勿論できないことはよく分るのでありますが、せめてこの国会において採択して而も内閣に送付を要するものという手続きをとつた請願に対しては、これは一つ全部とは申しませんがこの四件の中で、政府が最大限度にやり得るものは請願趣旨に副うということが、本常任委員会として、新しい憲法の常任委員会として、即ち当然これは処理した請願によつて行政措置が生まれて来ることを予期しておる、わけであります。これに対して是非御考慮を願いたいということにして、この一件々々について審議することは時間的にも非常に無駄でありまするし、大体政府当局の説明によつても了承し得るのでありす。この常任委員会の採択と行政措置の不十分、これを一つどう調整するかということの御議論を願つて、私はこれは希望ですが、何も橋本委員に肩持つわけでありませんが、お互い委員としまして、これはもう一地区に限られた問題としても採択をされすでに三つの国会に採択されておつて尚これが実現しないということ、これは委員の面目というよりも常任委員会の権威に関するということに了解するのでありますが、こういう点を一つ主眼にして陳情、請願を一括して御承認願うということにしたら時間的にも経済じやないかと思うので上ありますが、一応私の議事進行についての御意見を申上げます。
  80. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御質疑はありませんか。ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕   —————————————
  81. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記を願います。一、電気通信事業運営状況に関する調査、一、電波行政に関する調査、右の二件につきましてはまだ調査を終了していないのでありますが、一応未了の調査報告書を提出いたしたいと思います。右報告書の内容につきましては、委員長にお委せを願いたいと思いますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御異議ないものと認めます。右報告書には多数意見者の署名を附することになつておりますから御賛成の方は順次御署名を願います。   多数意見者署名     水藤 藤作 橋本萬右衞門     山田 節男  平林 太一     新谷寅三郎  鈴木 恭一   —————————————
  83. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それから第二の調査事件につきましては、閉会中も荷引続いて調査をいたしたいと存じまするからその要求書を出したいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは調査の方法等につきましてはいずれ御相談を願うことといたしまして、さよう御了承をお願いいたします。   —————————————
  85. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それから議員派遣等についてのスケージュールができておりますから、專門員から今御相談を申上げます……。
  86. 水橋藤作

    水橋藤作君 その方法その他場所とか班とかということは專門員にお委せして、いつからいつまでという日程だけを決めて、後は当局にお委せ願つたらいいと思うのですが如何ですか。
  87. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 水橋君の御意見通り今のは委員長にお委せ頂くのですね。
  88. 水橋藤作

    水橋藤作君 そうです。
  89. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) お委せを頂くことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御異議ないものと認めます。それではさよう取計らいをいたします。   —————————————
  91. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) それでは私が御答弁申上げました点につきまして、これを総括的に概要申上げまして御参考に供したいと思います。文書表番号の十五、郡山市に電気通信職員訓練所郡山学園設置請願に対しましては、只今のところ実現不可能でありまして当局としては国難と申上げたのであります。
  92. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 保留ですね。
  93. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) ええ。それから十六番に対しましては、只今は困難でありますが将来は努力すると申上げてあるのであります。十七番に対しましては只今のところ見込が立たないのであります。十八番も同じく見込みが立たないのであります。十九番は福島川俣局電話回線増設に関する請願でありまして、請願趣旨には副い難いが但し新回線を増設して緩和を図る計画でございます。
  94. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 簡單でよろしいですから留保乃至は可能とかというようなことで結論だけ願います。
  95. 加藤隆太郎

    ○政府委員(加藤隆太郎君) 二十一番郡山福島両市間の電話即時通話制度実施に関する請願に対しましては、回線増設をいたしましてすぐ様実施しろという点については不可能でございます。二十二番の郡山市に電気通信施設完成促進請願は、これは只今考えておりません。件名は省かせて頂きまして二十三番は急には間に合いません。二十四番も同様急には間に合いかねます。二十五番は只今のところ不可能でございます。七十六番は直通線はできないが回線増設を図る考でございます。八十九番はちよつと困難でございます、不可能でございます、いずれ将来は考えるつもりでございます。九十番はこれは御請願に副うつもりでございます。百十九番は只今のところ不可能でございます。百三十九番も同様不可能でございます。百四十四番はこれは可能でございます。百六十二番は可能でございます。四百九十三番は可能でございます。三十番の陳情の件は一部実施に営めたいと考えております。
  96. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) ではこれは如何にいたしましよう。
  97. 山田節男

    ○山田節男君 これを見ると先程申上げましたように三つに分類されて、不可能なものと、現在は困難というもの、それから可能とこういうふうに分れると思うのですが、請願者の立場からいえば不可能や困難のものと雖も実現されたいという願意でありますが、これは委員会の意見として、不可能なものを可能にしようという請願趣旨説明も間いたわけでありますから、大体今結論として出て来た政府側の可能、不可能、困難と分けて、可能なものの中で請願者の趣旨に副うようにできるものは一つ是非採択して、国会に又更に出すということのないようにするためにも、一応可能のものを先ず第一にピック・アップして頂いて、それから請願者の立場から見て困難なもの、これに対して審議して是非全般的に見て政府に要望したいものがあるかどうか、そういう標準で一つ御審議願えれば早いだろうと思います。
  98. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 私は今のお話のように政府側が可能と認めるものと、その外に従来の国会で採択したもので特に情勢の変化があつたために今度不可能になつたというものは別でありますけれども、要するに清勢の変化がないとすれば第八国会の以前にこの委員会が検討してそして採択に決したもの、それはやはり今回も採択すべきだと思います。この二つをこの委員会で採択せられるようにしたらどうか。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  99. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) そういたしますと、新谷委員の御発議のようにすでに前国会で採択になつて情勢の変化のないものは採択をするということ、更に可能であるというものに対してはこれを採択する、不可能だというものに対してはこれは一応留保の形にする。こういう御意見ですがさように取計らつてよろしうございますか……。政府の御説明を御報告いたします。不可能なるものは一番上位の番号におきまして第一号、第三号、第四号、第八号、第十一号、第十五号、第十六号、これが不可能であるとのことであります。従つてその外のものは前国会採択をされたか乃至は可能であるか、或いは近い将来可能である、こういう部に属するようであります。従つて只今の一号、三号、四号、八号、十一号、十五号、十六号を除いた請願、陳情に対しましてはこれを採択をするということに……、ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕   —————————————
  100. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 速記を始めて下さい。
  101. 山田節男

    ○山田節男君 一号、三号、四号、八号、十一号、十五号、十六号、これは政府側で言えば不可能であると、あとは採択するという何があつたのですか、どうですか。折角ここまで審議して政府当局の意向も聞いたのですから、一つこれを今不可能でないものは全部採択するということにしたらどうでしようか、それで決をとつて頂いて……。
  102. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それでは先ず先程政府から不可能であると報告のありました一号、三号、四号、八号、十一号、十五号、十六号を除いた他の請願、陳情を採択するということに御賛成の方の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  103. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) それではさよう決定をいたしました。  この請願の採択を議院に回付し内閣に送付することに決定して御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  104. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 只今採択になりました陳情につきましては参議院規則第百七十一条によつて、議院に提出すべき意見書案の作成は委員長に御一任願つてよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) さよう取計らいをいたします。
  106. 水橋藤作

    水橋藤作君 視察の出発は二十日頃出発するよう取計らいを願いたいと思います。
  107. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 水橋君の御発議のように八月二十日頃視察に出発するということに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 寺尾豊

    委員長寺尾豊君) 御異議ないものと認めます。さよう取計らいをいたします。それではこれを以て散会いたします。    午後一時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     寺尾  豊君    理事            村尾 重雄君            新谷寅三郎君    委員           橋本萬右衞門君            鈴木 恭一君            山田 節男君            水橋 藤作君            平林 太一君   委員外議員            千葉  信君   国務大臣    郵 政 大 臣    電気通信大臣  田村 文吉君   政府委員    電波監理委員会    委員長     富安 謙次君    電波監理長官  長谷 愼一君    航空保安庁長官 松尾 靜麿君    電気通信政務次    官       加藤隆太郎君   事務局側    常務委員会專門    員       後藤 隆吉君   説明員    電気通信省業務    局長      田邊  正君    電気通信省事務    次官      靱   勉君    電気通信監   山下知二郎君   参考人    日本放送協会会    長       古垣 鉄郎君    日本放送協会副    会長      小松  繁君