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山田節男君 本休会中の
電気通信委員会の
派遣視察につきまして、第一班は
北海道に参りました。
平林議員と私並びに
柏原専門員、
電気通信事務官の吉田君と四名で、去る九月一日から四日まで四日間の
日程を以て参りました。その
視察調査の
概要を御
報告申上げます。
期間が非常に制限されております
関係上、
北海道の全土に亘
つて視察することは不可能でありました。勢い重点的な
視察しかできなかつたわけでありまするが、
札幌におきましては
電気通信省、
電波監理委員会の出店と申しますか、
札幌の
電波監理局、
電気通信局等主として
札幌、
室蘭、
函館等の
主要施設を一、二、尚又九月四日には
札幌におきまして
電気通信省関係並びに
電波庁関係の
利用者の
公聽会を開きまして、我々
議員並びに
電気通信、
電波監理関係の人も沢山見えまして、いろいろ
意見、批判、
希望等も承わりました。そういうようなことを以下
概要を御
報告申上げたいと思います。ただ我々としまして、特に
北海道の
視察で重点を置いて考えなく
ちやならんと思いましたことは、御
承知のように、
終戰後日本の領土は非常に狭くなりまして、而も
外国から五百万に余る同胞が
引揚げております。特に樺太、千島から
引揚げた人々はこの
北海道に沢山入
つて来ておる。面積の割合に
人口が少いというところからいたしまして、勢い
内地からも多数入り込むというような
状態でありまして、
北海道全体から見て
鉱物資源、
地下資源の
関係、或いは
農業、或いは
水産業、或いは
一般の
産業におきましても、将来これは相当慎重に国家として、これに
指導を加えなければならんというので、御
承知のように
北海道開発審議会も置かれておるのであります。こういつたような、今後の
北海道が
産業界における
重要性ということに、先ず我々が目を着けまして、そうして
電気通信関係、
電波関係の
実態と、又将来どうあるべきかということの見通しを掴みたいがために、主としてその点に我々は目安を置いて
視察したわけであります。先ず第一に
電気通信関係でありますが、この
電気通信関係におきましてはいろいろ
説明も聽き、又いろいろ困難を排してや
つていることに対して、非常に我々としても満足の意を表したのでありますが、第一に
電話の
加入の問題でありますが、
電話の
加入は、これは従来
北海道が僻陬の地にある、
内地との
無線がないときは、
電話というものが唯一の最も迅速な
通信機関であつたわけでありますが、我々が行
つて見まして先ず意外に思いましたことは、
電話の、何と言いますか
普及率が極めて低い。これは
電気通信省の方での、昨日
貰つた参考資料によると、大体今日
日本の全国的な
電話の
普及率というものは、世界の標準から言えば二・八、
日本の全体から言うと一・七ということにな
つておりますが、
北海道の
普及率は一・二、即ち
人口百人に対して一・二というようにな
つているのであります。そうして我々が見ました
室蘭、
函館、
釧路こういうところの
電話局の実際を見ますというと、もうすでにこれは
飽和点に達しており、
加入者の増設は非常に困難であるというような
状態でありまして、例えば
電話の
架設につきまして同じくこの
通信省が調べ、又
札幌通信局が調べているのを見ますと、例えば
電話の
架設の
不可能地、これは
札幌は一〇%、
小樽は三五%でありますが、
函館のごときは五一%、
旭川は七〇%、
釧路が七〇%、
室蘭が六〇%、こういうような
状態でありまして、こういうようなことの隘路はどこにあるか、昨日もこの席で
質問もあり、
政府委員からの回答もありましたが、かような
実態でありまして、
電話を更に将来
需要の
最大限度に応えるという
意味におきましても、こういつたような
不可能地域のパーセントが非常に高い、これは今後
通信局として
技術的に、或いは
予算的に相当な
考慮を拂わなくてはいけないという
結論に達するわけでありますが、昨日も
平林議員から
質問がありましたように、
札幌で極く最近
滞納者に対して差押がありまして、この
電話の
競売価格が十三万五千円という
状態でありまして、又
室蘭或いは
函館のごときも六万円乃至七万円というような
状況でありまして、これを以てしても、今日の
北海道における
電話の拂底が如何なるものであるかという
実態が分ると思うのであります。こういつたような
電話関係のものにつきまして、これは後程又ちよつと数字的なことを申上げたいと思いますが、かような
状態で、
電話に関する限りにおきましても、非常に
一般的な
需要に対して応じ得ないという事実があるのであります。
それから
電信業務でありますが、
電信業務は大きなところにおきましては勿論庁舎が別にな
つているところもありまするけれども、併し例えば
長万部とか、或いはその他小さい町の
郵便局も見たわけでありますが、
そこらあたりでやはり一番困
つているのは
郵便局と
電信とが同じ
建物の中にあるというようなことが、その局におきましていろいろ
業務の
能率上からも非常に困
つているようでありまして、殊に
長万部におきましては、
建物が非常に古いし、而も駅から非常に離れておりまして、
電報の
集配地も駅から一キロ半ぐらいありまして、駅で
電報を受付けるからいいというようなことでありまするが、併しこれはやはり
電報と郵政、片一方は非常に迅速を要するとすれば、私はこういつたようなものは全般的に行き悩んでいる
一般の例であるというように見まして、この点は将来特に
電気通信関係として十分考えて貰わなければならんというように見たのであります。
それから次にこれは極く簡單に申上げますが、
結論として申上ぐべきかと思いますが、これに
電気通信関係として並べて御
報告申上げますが、殊に
電気通信関係、
電話の
架設関係において、
北海道として非常に困る点を述べられたのでありますが、これは今の例えで
北海道の
電気通信局で、今年度なら本年度の
電話の
架設工事、そういうようなものに対しまする
予算が二十五年度の
予算が四月から実行されるに当りましても、
工事命令の
認証とか、或いはそれに伴う合計の
認証というようなものが非常に遅れるために、非常な
浪費が行われているという事実であります。御
承知のように
北海道は大体
工事をし得る
期間というものは、場所にもよりますけれども、大体四月の下旬からせいぜい十月の下旬までしかできない。ところが実際見ますると、当然四月乃至五月に貰えべきものであり、又貰えまするならば
工事としても最も
能率が
上り工事に易しい時期であるに拘わらず、そういつたような
会計上の、或いは
工事命令の
認証の時間的なズレが非常にあるために、現地としては十月に
工事を始めて、そこに
電柱を一本立てるのにも二坪くらいな所を掘りまして、而も夜間凍らないようにいろいろな
設備をしなければならない。そうして柱を立てる。ところがそういうように
苦心をして柱を立てましても、今度それが霜とか結氷のために夏にな
つて来ると、冬はしつかりしてお
つても、雪解けと同時にそれがふらふらして来る、又これに対して補強をしなければならんというような無駄もあるので、私は今日
日本としてまずしい
予算を最も有効に使うという
意味から
言つても、その他の
寒冷地にも同じことだと思いますがこういうような事態のために一切の
工事上について非常な
浪費がある、のみならず時間的な遅延を生じて来るということを実際に聞きもし、又我々十分それは想像し得ることでありまして、これは特に
電気通信省関係として十分
考慮して貰いたい。尚
会計上その他手続上の問題について
国会において
努力すべき点があるのははつきりさして貰うということが我々としても望ましいし、又
北海道としても当面の
責任者がこのことを痛切に言われておることを見まして、私は本
委員会においても十分
考慮して貰わなければならんと
思つたのであります。
それから次には
電波管理委員会の
関係のものでありますが、これは
札幌にありまする
電波監理局におきまして詳細な
説明を受けまして、
札幌郊外の
琴似にある
電波監視局に行
つて見たわけでありますが、
結論的に申上げますならば、この
電波監視局というものはいろいろ
技術上、位置というものが非常に厳密を要するわけでありますが、併しそれにもまして最もデリケートな
電波というものの
測定、或いは規制というものについて、人間の勘というものは或る
限度がある、それ以上はどうしても
機械でやらなければならん、そういう
観点から見まして、
電波監視局としての
琴似にある
機械を見ましても、必ずしもこれは最近のものとは言えない。非常に
従事者は
苦心をしております。
釧路にはあるとか
言つておりましたが、
札幌にはまだないようでありますが、いわゆる
測定をビジユアリーする
機械があるそうであります。そういうものがここにはない。それから又
施設でありまするが、非常に狭いので、
職員が
事務系統技術系統の者が一緒にな
つてや
つておるというような
状態であ
つて、殊に神経を使うオペレーターとしては非常な気の毒な
状態にあることを見まして、この
点等は十分考えて見なく
ちやならんというように感じました。それから丁度我々が
札幌におりまするときに、
小樽の
機船の
底曳網漁業協同組合の
代表者が
陳情に参りまして、これはいわゆる
漁業用の陸上の
無線電話局設置に関する
陳情であります。いろいろ事情を聞いたのでありますが、これは
小樽が御
承知の通りに非常な大きな港であり、又
漁港としても非常に重要な地位を占めておりまして、現在あそこには七十隻の
漁船がありまして、
無線電話の
受信発信の
設備を持
つておる船があるにも拘わらず、現在におきましては余市にある
協同組合系の、その方から
有線で
小樽に引いて来てあるという
状態であります。
小樽の
漁港の方の
漁業状況から見まするというと、
内地の
方面からも漁撈の
最盛期において三百隻以上の
漁船が来ておる。こういうような
観点から見て、どうしても
札幌の方に
漁業用無線を
設置して貰いたいという非常な切なる
要望がありまして、これはすでに
電波監理委員会等に
陳情が出ておるように私は聞いたのでありますが、これは單に
札幌ばかりでなくて、例えば
室蘭でも現在行な
つておる
漁業無線を見ましても、これに対する今後の
行政上或いは
技術上の
問題等について、
電波監理委員会として
一つ至急に具体的な方針を立て、又これの
設置に対するいろいろな
指導等についての
考慮が拂われる必要があるのではないか、こういうように我々は見て来たわけであります。
それから次には
放送関係でありますが、
放送関係は
札幌の
中央放送局、それから
室蘭、
函館の
中央放送局を見たわけであります。これも殊に
札幌も
中央放送局としては十分とは思えませんけれども、これは近くスタジオを増設するというようなことを聞きましたが、
室蘭はこれも現在の装備は極めて貧弱でありますが、これもやはり敷地を得て最近ここに建築するというようなことを聞いたのでございます。この
北海道におきまする
放送のローカル・
プログラム、それから財政上から見た
部面、いろいろと実地に見たのでありますが、なかんずく我々の興味を惹いた問題は、この
共同聽取、
共同で聽取するということであります。これは現に例えば美瑛のごときはすでに千八百戸が
共同聽取によ
つてや
つておる。これは
皆さま御存じかと思いまするが、
北海道では非常に
電燈の
普及がむずかしい
地域であります。いわゆる無燈帶の、無
燈地区地帶が非常に多いわけであります。そういうところには必然的にラジオの
受信機をや
つてもモーターか電池がなくては聽けないというような
状態で、
農村文化の向上という面に、又農民の
知識意欲と申しますか、そういう
地帶に
一つの
農業協同組合を
中心にし、或いはその他
団体を以ちまして、
電燈のある
地帶からしてそこに
親受信機を設け、それから
有線で五キロ十キロというずつと
山奧へ引張り、そうしてこれを聽取するという
状態でありまして、実際の
施設が見たいと思いまして
室蘭と長
萬部の間にある
豊浦という町がありまして、そこへわざわざ出向きました。この
豊浦町におきましては約五百戸の
共同聽取、
豊浦の
地帶から遠く十キロ余りの
山奧に
有線で、二ミリ
被覆銅線を
使つてなかなかしつかりしたものを
使つているのであります。これは
札幌中央放送局の
報告によりますというと、今年七月末の現在で以て百六十八の
施設がある。
聽取者の総数が一万一千三百二十三戸あるという
状態でありまして、これはますます殖える傾向にある。恐らく近い将来において三万戸を突破するであろうということであります。これは
北海道の
地勢から申しまして、誠にいいことに違いないのでありますが、併しこれに対しましていろいろな問題を我々として考えなく
ちやならんというような
結論に達したわけでありますが、これは勿論こういうように
普及した根本の
理由は
文化に対する
意欲ということは勿論ありますけれども、経費が非常に安いということ、それから
共同聽取によりますとそれに付随したいろいろな
利便があるというような面からこれは発達したものに遅いないというように私共は考えたのでありますが、こういつたように
共同聽取が非常に殖えている。而も現場へ行
つて見ますると、
親受信機にはやはり
マイクロフオンが附いておりまして、勿論
マイクロフオンを使う場合には
放送が終れば自動的にスイツチが切れまして各
聽取者の
スピーカーの方は声が聞えないようにな
つている。例えば
豊浦町のごときを見ますと、
町役場、或いは
警察等の達しを
親受信機から
放送しまして、そうして
聽取者全体にこれを伝達するということをや
つている。これがために
村役場、或いは
町役場、或いは
警察署の
文書費の
費用が非常に節約されている。
豊浦のごときはそういうようなことで
組合に対して
村役場から
一つ補助金くらい貰いたいというように申入れたところが、そういうことを言うんだつたら
電柱税をかけるぞというようなことで、一本四百五十円、莫大な金になるので、まあ帳消しというようなことです。更にこれを巧妙に使うということになりますと、いろいろな私は問題が予測されると思うのであります。例えばそういつたようなものが政治的な
目的に使われる場合どういう危険があるかということ、それからこれは
豊浦の例でありますけれども、この
共同聽取というものが僻地の
電燈のない
地域に行
つているのはよろしいのですけれども、それらの五百戸の
聽取者の中で二百戸だけは
豊浦の町の
電燈の引かれている町の中に引かれているのであります。これは勿論経済的な
理由から一個の
受信機、例えば数千円するものがこの
共同聽取によれば三百円内外の
スピーカーだけで、後は二千円乃至三千円の
入会金と六十五円の毎月の会費その他
聽聽取料三十五円納めればいいというようなことで、そういうような経済的な
理由もあるからと思いますが、これに
伴つて、例えば町内におきまして
電話線とそれから
有線でや
つている
共同聽取の線とが交錯することによ
つてトラブルを起す
可能性があるというような問題、これは十キロというような長い距離におきましてはできないにしても
親受信機の
マイクロフオンとそれから
受信者の間で以て一種の何と申しますか、
インターホーン式の、一キロ幾らという、
インターホーン式の
通話ができるのじやないか、という問題もある。こういうようなことから考えて見まして、いろいろの問題があるのでありますが、更にそういつたような
共同聽取者というものが、これは料金の
関係上
放送局はその人数と
組合の所在地をよく知
つておるわけでありますが、
電気通信省として何ら私は今日これに対する手をのべていないのだと見たのであります。で少くとも数百以上の
共同聽取者を持
つておる、そういう
親受信機を使う者に対してはまあ
技術上の
指導という問題もこれは現在
放送局が若干行な
つておるように思いますけれども、併しこれは
電気通信省としてどういうような考えを持つべきか、同時にそういつたような
共同聽取をやる
団体は今のように任意なものでなくして、少くともこれは登録をさすべきものでないか。先程申上げましたように、これは政治的な問題に利用されるというようなこと、或いは
北海道の
地勢から見まして第三国、
外国からの
放送を、
日本向
放送等が今方々で行われております。こういうものが、これを通ずれば
受信者に行くわけであります。こういつたようなことも考えられる、という点から見まして、私はこの問題は現在の法規上から見て、どういうような取扱をすべきか、又この
電波監理の
関係になるかと思いまするが、この問題は
内地においても若干あるように見ておりましたが、この点についてやはり
放送局の実際の取扱
つておる実情を聞きますと同時に、
電波監理委員会並びに
電気通信省もこれに所管、
関係があるものとして、これを
一つ何かもつと合法的に、又もつと便利に行くことを
目的といたしまして考える余地があるのではないかと、こういうふうに考えたのであります。この点は又、数字的なものを又別個に御
報告を申上げていいと思いますが、それより先に行きますが、かようにしまして、この
電波監理委員会、
電気通信の問題、
北海道の極く重点的に見ました点から見て、この
電気通信省並びに
電波監理委員会で最善を盡しておられることは十分分るのでありますけれども、併し実際の
需要に対してまだまだ満し得ない悩みがある、これに対して
国会ができる
範囲においてこの
需要に応ずるような措置を講ずることが、殊に
北海道に対しては意義があるのではないかと感じました。これは数字的にいろいろ申上げればいいのでありますが……。尚
電報の
電信料、
電報の
業務でありますが、これはやはり、
札幌、
室蘭、
函館その他で実際を見ましたが、非常にこの
札幌のごときは
器具が古いのであります。驚いたのでありますが、アンダーウツドの極めて古い
日本のイロハタイプを使用しております。
誤謬率は非常に
減つたと
言つておりますが、併しこれは單に
従業員の
能率が足りないというようなことよりも、その
器具が非常に故障が生じ易いために
誤謬が多いのであります。これをカバーするために非常に全国の
職員が涙ぐましい
努力をしておるということを実際見まして、
電報に関しましては、迅速と正確を必要とする建前から見ましても、
従業員の訓練を
考慮することは必要でありますが、
器具の点において、これは非常に遺憾な点が多いと見たのであります。
電報の
発送状況等を見ましても、時間は非常に短縮されております。従来
北海道の先程も申上げましたが、
公聽会におきまして、
北海道では、殊に
終戰後においては
電話と
電報が、
至急ということをつけないと、それでも昔の普通くらいにしかならん、
電話は特急、
電報はウナということにな
つておるので、経済上も金がかか
つて困ると
言つておりましたが、そういう輿論がありましたが、併し実際我々見ますと、
電報の
配達状況は非常に短
期間の間に改善されまして、私共はむしろ感心したくらいスピードアツプされておるという事実を見ました。
それから
電話の
加入者とそれから実際の
加入申込者の数字的な問題でありますが、これは数学的に亘りますので、この
報告としては、ここには申上げませんが、先程も申上げましたように、非常に
需要と、それから
架設との間に開きがある。
従つて内地に見られない
電話の
闇売買価格があるということを申上げることによ
つて御了解できると思いますから申上げません。
それから
警察電話でありますが、これは
警察電話は、御
承知のように、今度
電気通信省に移管されました。その後の
状況を見ますと、整備強化されております。それで移管された線、
回線と申しますか、そういうものに対しましても、これは非常に
努力を拂
つておりまして、我々の見ました
範囲におきましては、非常に
電話の分は整備されておりました。これは同時に又、今日の治安という
部面から見ましても、
警察等が、これに対して非常に大きな
利便を得るというようなことも、これは可能であるというように見た次第であります。
それからこれについていろいろ
結論的に申上げればございまするけれども、後程
質問なり、又他の班の御
報告があると思いますから差控えるといたしまして、
放送の画について、もう
一つ私が考えましたことは、
北海道地区だけで見ると、これは今申上げたように五三%の
聽取者がある、
北海道の現在の
聽取者が、七十四万七千二百二十九世帶の中で四十一万九百三十一世帶、約五五%の
聽取者があるのであります。そういう点から見ると、私は
北海道だけの
放送としたならば健全な黒字じやないかと
思つたのでありますが、
放送局に聞いて見ると
赤字にな
つておる。これは例えば
網走における
放送の
架設というようなこと等にも金が要るというようなわけで、この
北海道で聞いたのでありますが、今日
放送協会が全国的に見て
ブロツク別に区別をして
收支を見ても
赤字が出ていないのは、
名古屋を
中心にした中部だけで、外は全部
赤字だということの
報告に接して、実は意外に
思つたのであります。こういう点は、私共は現有の
聽取料の三十五円というものが、物価高或いは
プログラムの充実ということについて非常に
費用が嵩む、三十五円の
聽取料が安過ぎるということも聞かされたのでありますが、この点は又
電波監理委員会等が、
一つ十分この点を
考慮してやらなければならない問題じやないかというように考えました。それから
北海道として特に聞かされましたことは、例えば
北海道では
札幌、
旭川、帶広、
釧路、この
放送局には第二
放送設備が完了しております。先程申上げました
網走の十キロ
放送が完成いたしますれば、
北見局も完成するわけでありますが、この
札幌が
中央放送局としまして現在十キロ
放送をや
つておるわけでありますが、これが非常に弱い、それで少くとも
北海道の
重要性から見て、その
キロ数を増して頂いて、できれば百キロ
放送にして貰いたいと
言つておりましたが、これもやはり
電波監理委員会として、
北海道の
重要性から見まして
考慮されるべき問題ではないかというふうに考えております。まだいろいろございますが時間を取りますので後程又
質問等によりましてお答えすることにいたしまして、第一班の
視察報告はこれを以て終りといたします。