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1950-11-08 第8回国会 参議院 通商産業委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月八日(水曜日)    午後二時二分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○通商及び産業一般に関する調査の件  (肥料行政に関する件)   ―――――――――――――
  2. 結城安次

    理事結城安次君) それでは只今から委員会を開会いたします。  本日は通商及び産業一般に関する調査の一環として化学肥料中心とする問題を議題といたします。当委員会において本問題を取上げましたのは、かねて硫安工業界並び貿易商社方々から化学肥料増産輸出円滑化について種々陳情があり、この機会業界から直接関係者の御参集を望み詳しく実情を聴取し、以て国政の円満なる遂行に資せんとするのが目的であります。尤も委員会開催の日程が段々遅れましたために、その間懸案の輸出問題は関係当局者間の協調により一まず解決したやに聞いておりますが、生産担当者たる通産省消費管理者たる農林省、その間にあつて需給の調節に当る安本当局の三者にあつて需給見通しについて尚数学的に多少の異つた見解を示している。特にこの冬における電力事情中心とする増産の能否、更に又輸出許可に随伴いたしまして懸念される国内価格の高騰並びにその対策など、検討を要する問題は多々あるように存じます。そこで本日はそられの点にも十分に触れて行きたいと思います。  さて議事進行順序といたしまして第一に硫安輸出のもつれ、並びにそれが漸く解決を見るに至つた八月以降今日に及ぶ経過の概要について、調停に当られました安本当局から説明をして頂く。第二にその解決方法については生産配給貿易の立場から業界方々から御意見なり御希望なりを聞かして頂きたいと存じます。まあこんな順序で大体話を進めて行きたいと存じます。殊に業界の方、或いは又役所の方にも申上げますが、若し永日のお話の中に速記に留めておきたくないという点がございますならばお申出を願いたいと思います。それでは安本産業局次長前谷さんからお願いいたします。
  3. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 安本産業局前谷でございます。委員長からお話ありました問題につきまして極く概略の経過を申上げたいと存じます。  御承知のように本年の八月から化学肥料統制につきましては、公団を廃止して統制撤廃いたしたわけでございます。その当時の状態といたしましては、国内生産も順調に参つておりまするし、又輸入予想外に入つて参りましたので、この際といたしましては化学肥料統制撤廃するも差支えない、こういう見解の下に関係方面と連絡を取りまして配給統制撤廃行なつたわけであります。その当初におきましては輸出問題につきましても、いろいろ見通しその他について議論があつたわけでございますが、その当時といたしましては、まだ調停関係も明確ではありませんし、又従来海外輸出が殆んど不可能であつた状態でありますので、海外の引合いというような状態も明確でありませんのでその問題は将来の生産需給状況によつて考えるということで、統制撤廃の際におきましては、肥料輸出問題については一種のぺンデイングという形になつておつたわけであります。ところが九月に至りまして、日台貿易協定ができまして、そうしてそれについては台湾の施肥の時期等の関係でいずれ本年内において輸出の問題が起るのじやなかろうか、こういうことが予想されたわけでございます。そこで前提といたしましては、勿論国内需要を確保しなければならないということは申すまでもございませんので、国内需給状況等についても調査を進めておつたわけであります。御承知のように配給統制撤廃になりまして自由取引なつたわけでありますが、肥料につきましては自由取引が長い間閉ざされて、十数年というものは配給統制の形で進んでおりましたので、需給の、と申しますか、配給状況、どういうふうな形で物が流れ、どういう形になつて行くかということが非常に見通しが困難でございましたので、その検討に時間を費やしておつたわけでございます。それで大体生産方面につきましても、電力割当方式等もその間に変更がありましたりいたしまして、その生産の方の見通しも又電力事情、或いは電力割当方式によつて変るだろう、こういうことで生産消費共になかなか掴みにくかつたわけでありまして、大体生産の方も電力割当方式改正も一応目鼻がつきまして、それに基きまして生産方面見通しも立ち得るということになり、農林省におきましてもいろいろその後の国内消費状況等調査も進んで参る。こういうことになりましたので、経済安定本部といたしましては、重要物資需給調整計画と申しますか、見通しを立てる上におきましても、関係省と相談をいたしたわけでございまして、それでいろいろ中間におきましては議論があつたわけでございまするが、六体これも現在安本として考えておりますることを申上げますと、大体国内生産を百九十万トンというふうに考えたわけであります。これは統制撤廃当時、或いは又その後におきましても、国内のこの肥料年度における生産というものを大体百八十万トンと考えたわけでありますが、国内需要も旺盛でございますし、又輸出の問題もございますので、でき得る限り肥料増産に努めたい、こういう考えの下に立つたわけでありますが、御承知のように肥料につきましては最も大きい制約は電力の問題でございまして、その電力につきましては肥料電力使用量ということが非常に割合が大きい、こういう関係でございまするので、少しの化学肥料増産ということが他の産業の面に対しては非常に電力の面において大きな影響を与えることになるのでございます。そういう点も考慮いたしますが、併し現実の問題としてはどうしても肥料増産にはできる限りの努力をしなければならない、まあこういう考え方を以ちまして現在安本といたしましては、この肥料年度におきましては従来の計画の百八十万トンを百九十万トンまで、少くとも百九十万トンまでは持つて行きたい、それ以上電力事情が許せばもつと増産に努めたい、かように考えておるわけでございます。そういたしまして、今度は消費の面がどういうことになるかと申しますと、昨年度の消費状況を見ますと、我々が当初予想したように消費が減るのじやないかというふうなことも昨年度の状況から参りまするとそう予想されませんし、又現に農林省におきましては増産運動も展開されておる、こういう考え方からいたしまして、少くとも昨年程度肥料配給はこれは是非とも確保いたしたい。かように考えまして二百十万トンの消費と見たわけでございます。そうしますと国内的な関係からいたしますると、まだ生産消費に追つ付かないということになるわけでございまするが、現在公団が解散の前におきまして四十五万トン程のストツクをこれは窒素肥料だけでございますが、持つておりまするから、これを適宜に放出をすることによりまして、国内不足を補い、且つ又できる限り必要な輸出には応じたい。かように供給需要考えまして、而も御承知のように肥料につきましては時期がございまして、春の肥料までには或る程度数量を持越さなければならない、こういう事情もございまするので、そういう月別の事情も十分考慮いたしまして、大体明年六月末までには十万トン程度輸出は可能ではなかろうかと、かように考えたわけでございます。で、この十万トンをどの時期に国内消費その他につきまして影響を与えない範囲においてどういうふうに出して行くのがよろしかろうかと、こういうふうな問題につきまして目下安本として考えをまとめておるわけでございます。勿論この申上げました数字は大体安本考え方でございまして、その点につきましては、通産、農林にも御意見があろうかと思います。まあ、我々といたしましては、いろいろな事情を勘案いたしましてこの安本考え方にできるだけ同調して頂きたい。こういう意味で目下関係両省には説明いたしておる、まあこういう段階でございます。大体安本といたしまして輸出問題につきまして申上げますのは以上の通りでございます。これは窒素肥料につきましてでございまして尚燐酸質肥料或いは加里肥料についてはいろいろ生産輸入の問題がございまするが、これらは直接現在におきましては輸出問題と関連いたしておりませんので、この窒素質肥料につきまして、更に安本といたしましては来年度の見通しについて検討に入りたい、かように考えております。
  4. 結城安次

    理事結城安次君) 次に通産省の方から……通産省は別に御意見がない、安本と全く同じだそうでございまするから、次に農林省農政局長藤田さん。
  5. 藤田巖

    説明員藤田巖君) 細かいものであることはございますが、大体安本説明で御承知を願いたいと思います。
  6. 結城安次

    理事結城安次君) 業界方々から一ついろいろ輸出その他に関連してこれは問題を限定いたしませんから、特に一つ十分な忌憚のない御意見をお伺いしたい。日本硫安工業協会会長荘野さんどうぞ。
  7. 荘野精二郎

    参考人荘野精二郎君) 私荘野でございます。御指名によりまして、輸出に関しましては、只今前谷次長からお話を頂きましたので、もう一応解決いたしたものと思うのでございますが、硫安情勢を先ずいろいろお聞取りを頂きまして、硫安製造業者の現状、又現在業者が困つておる点、又こうしてみたいと思つております点を申上げたいと存じます。  お手許に先程配付いたしました統計の拔萃がございますが、これは本当の参考にまで差上げましたものでございまして、過去の戰争の起ります前、平常時代の昭和九年――十一年の平均生産数量、それから戰争前における一番多くできたとき、先ず第一表は生産の推移を御覧に入れておりますが、昭和十六年に百二十四万一千トン、これは大体暦年でございます。一月から十二月までの暦年度数字でございますが、百二十四万一千七百トンという数字を作りましたのが戰争前最高数字でございます。その後どんどん生産が落ちまして、終戰の年には二十四万三千トンというような……、これは全部副産品が混つてございます、合成品だけではございませんので、副産品が入つて二十四万三千トンというような貧弱な状態になりまして、その後終戰後国を挙げて硫安生産復興に御援助頂き、又業者もすべてを犠牲にしてただ單に増産という面にのみ夢中になつてやりました結果、二十四年には百十八万二千トンという数字生産いたしました。尚次のページ御覧を頂きますように、暦年度会計年度肥料年度と三通りに分けておりますのですが、先程申しました百十八万二千トンというのは暦年であります。二十四会計年度、この二十四年の四月から二十五年の三月に跨りました会計年度は百二十五万五千トンという数字になります。そうして肥料年度、昨年の八月一日から本年の七月末までの肥料年度でこれを計算いたしますと、百三十九万トンという数字ができておりまして、これは昭和十六年の最高生産を突破いたした状態でございます。先程前谷次長からもお話がありましたように、これらの点が肥料統制撤廃するという大きな原因になつたのであろうと思います。要するに国内需要を十分満たすということは需要の面の消長によりまして、必ずしもこれがいいとか、これで足りるとか、もつと造らなければならんという数字は別に現われて参りませんが、一応昭和十六年の状態を突破した数字を昨肥料年度には作つております。  それから三ページのこれは窒素質肥料生産輸入との統計でございます。最近の二十五年度の予想といいますと、これは百四十五万トンの硫安生産をし、石灰窒素が四十万トン、それから尿素なり輸入硝安並びに輸入硫安というもので合計二百二十万七千トンの供給予想される、これは二十五年は済んでおりませんが、予想されるわけでございます。  次に、その次のページはこれは過去の輸出入状態を一応書いて見ました。輸入昭和二年から六年の平均は二十八万八千トンであり、輸出が二万一千トン、そしてその当時としては輸出の中に入りませんですが、朝鮮台湾が移出という形になつております。朝鮮の四方九千トン、台湾の一万四千トン、こういう状態で、昭和七年から十一年、十二年から十六年までの数字をここに御覧に入れております。その中の最高実績輸入におきまして、昭和四年に三十八万トン、それから移入、これは朝鮮から入つたものでありますが、昭和七年に十二万五千トン、輸出が約五万トン、これが昭和八年に輸出いたしております。そして朝鮮向け昭和四年の七万八千トン、台湾向け昭和十三年十五万五千九百トン、これが大体過去の実績でございます。そうして終戰後の分は下の段に書いてありますが、これが大体自由輸出ではございません。自由に輸出したのは、二十五年の八月以後の販売が自由になりましてからが、比較的自由にやつたものであります。その前のは、これは割当的に政府の御指示によつて出しましたものは、二十二年が五千七百五十七トン、二十三年に二万六千八百四十三トンというものを出しております。二十五年度は、七月までの間はこれは一部政府輸出として出しておつたのでありますが、八月以後は許可制による輸出で約二万トン程のものが出ておる、こういうことであります。  次のページは、硫安生産能力を書いているのであります。これは二十年の八月には大体十八万三千トンという設備の働き得る能力を持つてつたのであります。非常に小さな数でありましたが、これが、二十五年の三月、丁度段の下から四段目くらいのところにございますが、二十五年の三月には百八十六万三千トン、丁度十倍の能力復興したわけであります。それで、その後各業者は極力増産並びに合理化、ネックを直すことによつて生産を殖やすという努力をいたして参りました結果本年十月の実生産能力といたしましては、二百八万九千トン、約二百九万トンの現在生産能力を持つております。これを大体昭和十八年を百として考えますと、現在は大体一一〇%、一割の設備が殖えておるという状態であります。尚将来は、来年の七月になれば大体二百二十七万トン、それから二十七年の七月には二百五十万トンを突破し得る見込でございます。そうすれば、昭和十八年に比べまして大体一三二%、三割二分増ということでございます。この数字はかねて通産省増産計画をお立てになりましたその計画数量によつておるのでありますが硫安業者といたしましては二十四年、昨年一月に大体二百七十万トン造わたいという増産計画希望申出たことがあるのでございます。但しその当時はいろいろの原料資材、すべての面のために遂にその計画は一応立てただけであつて実行不可能の形に陥つたのでありますが、一年前にすでに二百七十万トンは造りたいということを申出たことがございます。  さて今度はその設備操業の率を次のページに書いてありますが、これは二十四年度の硫安の実生産能力百八十六万三千トンというもののうち電解法が大体三三%、それからガス法によるものが六六%ございます。これは従来、今から十数年前或いはそれ以前におきましては、電気原料として水分解によりまする水素を採る方法と、石炭コークス原料といたしまする水素を採る方法との間には、むしろ電気を用いる方が高くついたのでございます。いわゆるガス法といいますが、石炭法或いはコークス法によりますガス法が安くついて、電解法による方が五割以上も高かつたのであります。それで日本中の硫安工業が発達いたしますと同時に、ますますガス法会社が殖えまして結局この三割三分と六割七分というものが、電解法ガス法比率で、ガス法の方が倍くらいな主産力を持つておるという状態でございます。ここにaとbとございますが、bの方はできますところのアンモニア生産量硫安に換算したものでございまして、製品の生産実績としては、合成硫安が百二十一万五千七百八十トン、それから尿素一万六千九百七十九トン、  これは実数は七千五百四十六トンですが、これを硫安に換算しております。硫安に換算いたしまして一万六千九百七十九トン、合計百二十三万二千七百五十九トンというものがございます。  この外にガス会社その他でできます副産硫安というものが、大体三万九千トンばかりあるのでございますが、これによりますと、比率は大体二割六分と、七割四分ということになりまして、ガス法による方が多いのであります。従つてこの操業率を計算いたして見ますと、ガス法は八割一分、八〇・九八%の操業をいたしまして、電解法は五六二七%の操業をいたしております。総体平均いたしますと、七割二分八厘の操業をして二割七分二厘だけは操業短縮をしておる。この操業短縮の大きいものは、或るときには硫化鉱でありますし、或るときは電力に縛られておる。硫酸不足、又は電気不足によつて、両方が共に不足する場合もありますし、電気があつて硫化鉱がない、硫化鉱がありましても電気がない。これが交互に輻輳いたしまして、結局七割二分八厘しか操業をいたしておりません。二十五年、その次のページでありますが、本年の第一四半期、四月から六月までの四半期豊水期でありまして、この期間には電気を十分頂きまして、それでこのときにはむしろ操業が一〇〇%行かなかつたということは、このときはむしろ硫化鉱に基因している部分が多いのでありますが、このときには大体操業度が九一%、九割一分の働きをしております。この年には大体一四半期、特に第一四半期の五月のごときは月産十五万トン以上造りまして、非常に多くできておる。この当時でも電解法ガス法比率は、電解によりますものが大体全生産の三割三〇・六四、ガス法によりますものが六九でありますから、大体三対七くらいな割合でできております。要するにガス法の方は九三%までの操業をした。電解法は八七%までしか操業ができなかつたというのがこの第一四半期。次のページが第二四半期実績御覧に入れておりますが、これによりますと、操業率はずつと落ちまして七四%、これは七四%しか働いておりません。その理由は夏の渇水期ということが一つ、それからこういうガス工業でございますので、夏分はどうしても能力が落ちるのであります。それでその機会を利用して、各工場定期修理等工場を休む場合が多い、それでこの期間は当然パーセントが落ちるのがこれは常例でございます。こういう期間におきましては、ガス法電解法とは殆んど似た比率を以てやつております。ということはガス法電解法とは、ガス法の方が修理をする機会が多いのであります。それでこういうことになりますが、それでも総体数生産の内訳は、やはり大体大掴み三対七というような形でございます。それでその次のページは、これは過去の需要実績と言いますか、各方面で試算をされて発表になりましたものを私共が参考に集めただけのもので、安本農産課では大体窒素肥料として年に二百十三万八千トンという数字が過去に現われております。それから経済復興計画委員会では二百二十七万五千トン、農林省農産課では二百五十六万トン、農事試験場では二百七十万トン、こういうような、まあこれは希望もありましようし、いろいろどれがどれだか解りませんが、こういう数字が過去に発表されたり伝えられたりいたしておりますので、ここに参考に書いておきました。それから下の段は、これは昨年の九月でしたと思いますが、農林省が各府県に手紙を出されまして、そうして需要希望数量秋肥春肥に分けてとられました。このときの一応の報告の集計されましたものが農林省から発表になりました。その中から拔萃してここに書いてあるのでありまして、春肥が百四十八万九千トン、これは窒素肥料ばかりでございますが、秋肥が六十六万二千トン、合計で二百十五万一千八百八十二トンということになつておりまして、本年の春四月でしたか五月頃に再び秋肥をもう一遍御調査になりました。そのときには秋肥が六十九万八千九百トンで、前にお調べになつたよりも約三万五六千トン多くなつて現れて来ております。これは御参考に申上げます。その次に、昭和十二年から十六年の販売窒素肥料消費数量、これも農林省割当であります。これは農林省がその当時割当配給をしておられまして、割当られました数量がここに出ておるわけであります。昭和十二年には百九十万トン、十三年には百九十五万トン、十四年は百五十九万トン、十五年に百八十万トン、十六年には百六十五万トン、これは戰争が段々進行して配給するものが無くなつたことを意味しております。二十年から二十四年、これは戰後割当でありますが、これはトータルにおいて終戰の年は四十三万トンほどしか配給割当ができなかつた。二十一年に七十八万八千トン、二十二年には百三十八万トン、二十三年には百四十五万五千トン、二十四年度には二百十万九千トンを割当をしておられます。勿論これには肥料用以外の化学工業用或いは試験用その他防火用等がございますが、そういうものが多少含まれております。  次に、二十三年と二十四年両肥料年度窒素肥料種類別割当でございますが、これは硫安石灰窒素尿素輸入硝安、これを昭和二十三年と二十四年両肥料年度別にここに御参考までに書いておきました。それからその次のページには、朝鮮台湾等東亜地区窒素肥料需要でございますが、これも前の昭和十三年頃から後のものの中、最高記録をピックアップしてここに書いたわけでございます。朝鮮硫安として南北朝鮮で三十一万一千トンというのが一番大きいのであります。それから石灰窒素が五万七千トン、その他のものの窒素肥料として二十一万三千トン、合計窒素肥料として五十八万二千トンという需要が一番大きいものとなつております。台湾トータルで三十八万一千トンの硫安換算昭和十三年度の消費が一番大きいのであります。琉球が一万六千トン、インド方面に二十三万一千トン、フイリピンが七万二千トン、パキスタン方面に一万八千トン、こういう昔の記録がございますので、御参考に供しました次第でございます。これは需給情勢でございまして、御参考のために肥料説明を申上げました。後は多少懇談的に私の気持を申上げたいと思います。若し何でしたら少しいろいろなことを申上げますので、速記を止めて頂くことができましたら……。
  8. 結城安次

    理事結城安次君) ちよつと皆様にお諮りいたしますが、只今報告の方で、あとこれから少し懇談的にいろいろ申上げたいということで、速記を止めて頂きたいという御希望でございます。お差支ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 結城安次

    理事結城安次君) それではよろしうございます。速記を止めて下ざい。    午後二時四十一分速記中止    ―――――・―――――    午後三時七分速記開始
  10. 結城安次

    理事結城安次君) それでは速記を始めて……。  次に岩村さんから御説明を願います。
  11. 岩村一木

    参考人岩村一木君) 私は岩村でございます。この際窒素肥料のことは議員諸公よく御承知と存じますので、過燐酸石灰の認識を新たにして頂くというような観点から過燐酸石灰事情を申述べます。  過燐酸工業は今から六十四年前の明治二十年から起りましたもので、農家には非常に親しまれております肥料でございます。現在の製造会社数は十五会社でありまして、工場は二十六工場、北は北海道から九州、四国の方に散在いたしておりますが、主に東京、横浜、大阪、神戸附近工場が多数ございます。過燐酸製造は御承知とは存じますが、燐鉱石硫酸を混ぜて製造する工業でありまして大体燐鉱石を粉にした燐鉱粉一トンに硫酸一トンを混じえますと、約二トンの過燐酸ができる。こういうふうにお考えを願えればいいと思います。それでこの過燐酸工場は幸いにいたしまして戰災を大体免れましたので、終戰後復興も早く、現在実際の生産能力が月十九万トン、これを年産にいたしますと、二百三十万トンに回復いたしております。生産実績原料燐鉱石を初め硫酸原料硫化鉱その他資材電力等需給関係は不円滑でありましたけれども、或いは又制限を受けましたけれども、GHQ或いは関係官庁の御支援によりまして昭和二十四肥料年度即ち二十四年の八月から二十五年の七月の一ヶ年には約百三十九万トンの生産を收めました。戰前の昭和十二年、十三年頃に相当するものと思つております。これはお手許に昭和十二年以降年度別過燐酸石灰生産高調というものもお手許に差出してございますから御覧を願います。ここで昭和十四年が百五十七万八千トン、十五年が百五十一か四千トン、こういうふうになつております。二十四年は百三十九万二千四百二十一トンできておる。こういうことになつております。それならばこれだけ能力があれば、二百三十万トンも実際生産能力があるならばどんどん増産したらいいじやないか、こういうお考えもあるかも存じませんが、先程も申しましたように、主原料である使用できるところの燐鉱石は今の日本には一トンもございません。すべて輸入に待つておる、こういうような状況でありますので、戰争中はこの表にもありますように、十九年、二十年に至りましては、十九年は僅かに七千八百十六トン、二十年は二万八千八百四十トン、これより外できなかつたというようなことになつております。現在は貿易関係業者の意のごとくには勿論原料は入りません。この過燐酸の価格というものはかような次第で燐鉱石影響が非常に大きいのであります。本年四月からは民間貿易という建前になつておりますが、従来の政府貿易当時よりも相当よい質の原料、又多少安いものが輸入されておりますが、併しこれとても自由にはできず種々の制限を受けておりますので、今後の外貨割当資金の割当てや、或いは輸入方式如何によりましてはもつと安いものが入るのではないかと思つております。世界の燐鉱石事情から見まして日本へ出してもよいといういわゆる対日供給可能量は聞くところによると、燐鉱石種類別に申しますと、一年にマカテヤ鉱という燐鉱石がありますが、これは仏領でありますが二十万トンそれからコシヤ、サフアジア、これはエジプトでありますが、コシヤが十五万トン、サラアジアが五万トン、それからフロリダというのはアメリカでありますが、これは百万トンから百五十万トン、それからアンガウルが十五万トン、これはガリオアで来ております。この中でマカテヤ、コシヤ、アンガウルというのはポンド決済であります。フロリダはドル決済になつておりまして、その買付けました数字燐鉱石買付と輸入状況という表に示してございますが、買付けましたのが五十七万トン、そのうちで八、九、十月に入りましたものが十七万二千トン、今後これからどんどん入つて来る、こういうことになつております。それからモロッコとかチユニス、これはアフリカのものでありますが、これが二十万トン、こういうことになつておりますが、これは今のところ買付が不可能のようであります。日本需要量は大体百万トンでありますが、買付条件が非常にむずかしくなつておりまして、例えば物々交換、バーター方式のようなものになつてみたり、或いは米国物でもポンドでなければ買えないというようないろいろ事情がありますので、或いは期日が延びたり手数がかかつたり、或いは商期を逸するというようなことがないでもなく、なかなか容易なことではないのであります。これも又いたし方がない情勢かとも存じますが、これらの燐鉱石がストレートで買付ができるようになれば、できるような方法がとれ、外貨の割当ができ、且つポンドでもドルでも同時にオツフアーがとれるようなことになるならば、幸いのことと思います。それから硫酸原料である硫化鉱石については先程荘野さんからお話のありましたと全く同じ関係でありまして、総量におきましては生産、出荷が相当あるようになりましたけれども、関東西におきまして、関西の方が少いのでありますので、それらを一つよく御吟味を願いたいと思う。そうでないと関西の方の業者は不安であるということは、一つの今業界の問題にもなつております。それから伺うところによりますと、十二月から硫化鉱石の統制撤廃するというのが問題になつておりますが、これらについてもり一つよく議員諸公生産配給面担当者の方々に御考慮を願い、御判断を煩わしたいと思います。電力の方におきましては最近割当方式が改正されたというようなことでありあすが、過燐酸工場は殆んど三千キロワット以下でありますので、この改正によりますと、本年六月から過去一ヶ年の各月の実績によつて割当てるというような関係上、相当窮屈となりますので、火力を用いなければならない。そうすれば工場の原価にも非常に影響があるのではなかろうかというふうに感じられます。それから先程硫安輸出お話がございましたが過燐酸とても輸出考えておらないのではございませんし、尚過去における例につきましては、過燐酸石灰国別輸出数量表、それから輸出配合肥料表というような、この表がございますから、御覧を頂けばよいと思いますが、政府の方におきましては、需要を満たさないうちは輸出の許可は腱りならないということで、これは御尤もと思いますが、先程申しました通り、昨年の肥料年度、即ち二十四年の八月から二十五年の七月までに百三十九万トン生産した。而して一面農林省の昨年十月一日の有効需要調査によりますと、国内燐酸質肥料需要が約百五十万トンでありますから、そのうち過燐酸生産昭和十二、三年頃の百四十万トン程度と推定されておられますので、この有効需要量の調査を基といたしますならば、他に過燐酸石灰以外の燐酸質肥料もあるのでありますから、需給のバランスはとれているのではなかろうかと思つております。この際国策とされまして輸出を奨励されておられるので、過燐酸輸出して外貨を獲得する、これがために増産をする、そうすれば従つて価格も引下げができるだろうと思いますし、農家に安い肥料を与えることもできるだろうと思つております。尚関係方面では来年の過燐酸輸出分といたしまして燐鉱石十万トンを入れる、即ち過燐酸に直しますと、約二十万トンの輸出差支えなかろうじやないかという準備の燐鉱石が参ることになつております。従来輸出といたしましては沖繩に僅かに昨年の十二月から今年の十月まででありますが三万八千トン配合肥料が出ました。そうしてこの三万八千トンの中で輸出済みのものが二万二千五百トン、尚一万五千五百トンが残つておりますので、これの輸出方について昨今沖縄ミッシヨンに早く取つて貰うように依頼しておるようなわけであります。過燐酸石灰原料さえあれば、数量の如何にはよりますけれども、大体作りましてから出荷、叺に詰めて送り出すまで約一ヶ月くらいをみれば十分でありますので、内地に余計に溜めておく必要はないと思われるので、溜つたとき、要するに内地の不需要期に輸出さし、需要期に製造さすというようなことになれば、内地の、需要にも差支えなく、外国へも出して外貨が獲得できるのじやないか、こういうふうな感じを抱いております。荷、台湾輸出もあり、又朝鮮関係需要もあると思われますので、どうしても過燐酸輸出の実現を期し、更にその日の一日も早く来ることを望んでおります。こちらへも印度、パキスタン、東アフリカ等からも過燐酸の引合が参つておりります。  尚燐鉱石の金融面でも燐鉱石が主原料であるだけ、その運転資金、在庫資金というようなものについても、これはまあ外の産業も同じでございましようが、御多聞に洩れず非常に窮屈になつております。これも世間の一般の事情とあればいたしかたがありませんけれども、やはり肥料は農家と結びつくものでありますので、一つ何とかよくお考えを願いたい。一例を挙げますと、燐鉱石の入船計画が決定したものを推算いたしましても、十一月が六万九千トン、十二月が四万五千トン、十一、十二月で合計が十一万四千トン、この金額が約六億六千八百円、来年の一、二、三月に三十一万二千トンくらい、それからこの金額が十八億二千余万円、こういうようなことで、これらの金融関係運転資金借入等で昨今業者は苦慮をいたしております。尤も業者の自己資金でこれで或る程度は賄つてはおりますが、どうしても八月から十二月の間に自己資金で賄つたものを差引きましても、これらの金融といたしましては、二十四億程度の金融をしなければならないというので業者はいろいろやつておりますが、なかなかこれとても窮屈になつておるので、なんとかこれらにも打開策をして行かなければならないのじやなかろうかと、かように思つております。  それから先程も荘野さんからも言われた通り、業者としては肥料配給公団がまだ配給統制が完備しておらないときに、この八月から廃止をされたために全購連の方でも非常な御苦心もあり、支商人の方でもいろいろな御苦心もあるようでありますが、業者の金融面を今後案じられます。この金融面の今後の推移によりましては、過燐酸工業にも大影響があるのではなかろうかというふうに今案じておるようなわけでありますので、どうか篤と過燐酸工業事情も御推察を頂きまして窒素肥料同様に一つ御勘考を議員諸公に煩わして頂きたいと思います。委員長速記を止めるように願いたいと思います。
  12. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止
  13. 結城安次

    理事結城安次君) 速記を始めて下さい。
  14. 岩村一木

    参考人岩村一木君) 一応私の話はこれで終ることにいたします。
  15. 結城安次

    理事結城安次君) それでは次に太平商工株式会社社長藤野さんどうぞ。
  16. 藤野忠次郎

    参考人(藤野忠次郎君) 藤野であります。輸出業者の一社といたしまして最近の情勢かたがた御報告、御依頼、いろいろの点を申上げてみたいと存じます。  化学肥料海外への輸出は御承知のように八月初めに統制撤廃があると同時にぼつぼつ久し振りに行われたわけですが、八月以降まあ大した数字ではございませんけれども近東諸国へ輸出が実現化して来たわけでございます。勿論日華事変以前には相当先程から荘野さん、或いは岩村さんからお話がありましたように、窒素肥料及び燐酸肥料も相当量の輸出があつたわけでありまして、殊に窒素肥料はアメリカの東海岸までも相当数量硫安及び石灰窒素が現実に出ておつたことがございます。ニユーヨーク州の北部の方からかけてずつと南ノーホーク、チャールスあたりの辺まで窒素肥料が現実に相当石灰窒素も含めて行きましたし、過燐酸も過燐酸肥料としての輸出もあつたわけであります。そういうことに比べますれば極く最近ほんの三四ヶ月前に狭い比較的日本に近い所にのみ輸出の商用ができたわけです、その後一時的だとは思いますがいろいろの事情輸出許可停止という問題が御承知のように起つたわけであります。たまたまその時にはすでに或る程度数量の既契約かたがたそれのみならず海外の方からもすでに既契約に対して代金決済の信用状替手済の所もありまして、いろいろ輸出業者としましては心配をしたわけでございますが、先程からの安本前谷さんの御説明その他によりまして関係各御当局間にいろいろ話合いが進行しておられるようでございます。こういう問題も一応順次解決できるのではないかと思いまして、我々輸出業者も当面の既契約分に対しては一応胸を撫で下しておると、こういう状態でございます。御承知のように窒素肥料のみならず燐酸肥料といたしましても、何といいましても近東アジア全部に亘りまして日本が従来及び今後も化学肥料供給源になることには先ず間違いございませんでしようし、窒素肥料工業その他急激にこの近東諸国に増産或いは新設ということは日本以外にはむずかしい事情があるようでございますし、広く見まして将来ますます日本が各種化学肥料供給源ということには変りはないことと思いますし、かたがた終戰後特に貿易国家としても立たなければなりませんので、輸出の問題につきましては勿論国内農家の需要を先ず充たすということは当然これは根本問題でございましようが、その前提が充たされますればこれはいろいろ先程から数回話がございますように端境期がございまして、或る一定の期間には殆んど肥料は使わない、徒らにこれを国内生産を続けてストツクをさせておるのみで肥料自体又金融自体も日本全体としても不必要な負担が起つて来るでありましようから、そういう時期にはできるだけこれを海外に出して頂くということをお願いしたいと思います。やはり輸出ということになりますと、海外各地の実状からもこれを受けたり拒絶したり断続的に商談に応じたりして一向様子が分らんということでは、買手の海外の側でも非常に困りましようし、こちらもむずかしい事情が沢山ございますけれども、やはり我々としましてお願いしたいことは結局は化学肥料各部門に亘りまして最後は増産というところへ行くわけでよしうが、増産によつていろいろのこれには電力なり、硫化鉱なり、原鉱燐鉱石こういうものの困難な点は多々あることと思いますけれども、日本に比べてその他の近東諸国は更にこういう点において貧弱でありまして、とても日本化学肥料生産状態には今後濠洲の適燐酸以外は先ず見込はありますまいし、その他の近接諸国は当分将来に亘りましても日本供給を仰がなければならない。こういうことを考えられますので、肥料工業の発達それから増産、勿論国内需要家農家への需要の優先こういうことを充たされまして、輸出問題につきましてはできるだけ恒久的の政府各官庁におかれましても御研究を十分に今までおやりになつておることはよく分つておりますが、性質上将来に日本が近東の給源になることは明らかでありますから、それらの点も御考慮下さいまして、数量の高はとにかく恒久的の輸出対策というものもできるだけ早い機会にできますればお立てを願いまして、それらの数量が各官庁方面へ打合せが完了いたしましたらば、断続的ではなしにその数量を終りますまではできるだけ早い機会国内需要とも睨み合した上で海外の引合にも応じて頂きたい。こういうふうにお願いいたしたいと思います。  まだ輸出商談を始めまして非常に期間が短うございますので、引合先も今までのところはそう必ずしも広い範囲ではございません。主として中南支、タイ、そういう大体近東が多いわけですが、最近いろいろこちらの情勢も伝わりまして、新しい引合としては相当遠い地域からも参つておりますが、現在のところはこれらの海外引合に対しては一応見送つておる状態であります。輸出業者のお願いしたいことは、結局は硫安石灰窒素、過燐酸、各化学肥料の、一番むずかしいことだろうとは思いますが、増産をお願いいたしまして、そうしてこれを朝鮮台湾その他有利な先へ手広く早いところ売捌きまして、そうして貿易国家としての実を継続して行きたい。こういう点をお願いいたしたいと思います。
  17. 結城安次

    理事結城安次君) 次に全国肥料工業組合連合会会長鷲見保佑君にお願いいたします。
  18. 鷲見保佑

    参考人(鷲見保佑君) 私は肥料業者の立場から二、三申上げたいと思います。  統制が解除になりましてからのここ三ヶ月のことを申上げる前に、先ず肥料商が過去においてどういう姿であつたかということを前提として申上げたいのでありまするが、昭和十四年の八月頃までは肥料販売肥料商も農協も特に政策的とか、政治的に数量を決められて売つてつたのではございません。極めて自由におのずから需要者を求め生産者のものを取次いでおつたのでありますが、昭和十四年の八月に商業系と農協系との販売が段々エキサイトして参りまして、何らかそこに調停の必要があるだろうという政治的の根拠が生まれましていろいろそこに交渉があつたのでありますが、結局二元制、農協系で販売する数字と商人系が販売する数字を国家が定められたのであります。その比率は大体商人系が四九%、農協系が五一%、こういう割合に決定されたのでありますが、本当の実績はどうであつたか。これを数字で調べて見ますと商人系は六八%、農協系が三二%ぐらいの実績で農村に肥料が流れておつたのであります。ところがその後漸次戰争状態なつて参りまして昭和十九年にはこの肥料商は一軒もなくなつたのであります。全部肥料営業というものを政府に返上いたしまして日本中には肥料商というものは一軒もなくなつたのであります。その当時肥料商はどういう状態でストツプざれたかと申しますと、約一万五千九百六軒肥料商があつたのであります。これは組合に参加しておつた者の数でありまするがその外に組合に入らない肥料商も多々あつたのであります。且つその当時の取扱い実績というものを調べて見ますると、四九%に決定されておりましたが実際に扱つてつた数字は約四八・五%でありました。これは化学肥料であります。この外に有機肥料、動植物肥料を約五一%強扱つておりました。かような形におきまして肥料商は全部肥料営業というものを国家に返上して一軒もなくなつたのであります。そうして肥料配給は農協系統一手で農村に入つてつたのであります。その後公団ができまして一手買取り一手販売という形末の端機構として、公団から農村に肥料を流す段階の小売登録店が生まれまして、この規則によりまして肥料商も再び公団の末端販売店としての資格を得て公団の一機構として行なつたときの肥料商の数が約四千軒でありました。これは全く農村に接触した小売商がそうでありまして卸とか元売とかいうものは当時その仲間に入つておりませんでした。そうしてどのくらいの数量公団を通して肥料商の系統から農村に流しておつたかと申しますと、約一五%程度のものを四千軒の肥料商が扱つてつたのであります。この四千軒の肥料商というものを十九年廃止しました当時の肥料商の数量を比べて見ますと約二五%がそのときに復活したわけであります。かようにして扱い数は約一五%くらい。この四千軒の肥料商は公団の小売店の総数のどのくらいに当るかと申しますと約二〇%。小売店の二〇%の肥料商が一五%の実績を持つて公団の品物を流しておつた。こういう過程になつたのであります。  さてそこで公団がなくなりまして八月から肥料商として再び活動を開始したのでありますが、これはまだ統計が取れておりませんが我々の推測しておりまするのに約八千軒くらいな肥料商ができたのではないか。四千軒から八千軒までくらいに殖えたというような観察をしております、只今名簿その他を調査しておりまするが。そこでこの三ヶ月の間にそれでは肥料商系統でどのぐらいの品物を流しただろうか、流通過程においてどれだけの実績ができたろうか。こういうことになりまするが、この数字もまだ分つておりませんけれども二、三メーカーの方々に承りますと約四〇%弱ではないか。農協系が六〇%商人系が約四〇%、このくらいのものは商人系から出たろうということを一、二承りました。先般農林大臣に肥料公団廃止問題の当時、一体お前は商人系でどのくらい売れるか、こういうように聴かれましたのですが私はこれは四〇%はできると思います。かように私はお答えしたのでありまするが、略々その数字がこの秋肥三ヶ月間の実績においては完了し得たと思うのであります。尚我々の観察といたしましては一、二年後には約四分六の形にまでは行くのではないか、かように観察をしております。  そこで申上げたいことは、かように公団が廃止になりまして極力販売に努めたのでありまするが、公団が廃止当時における金融措置というものは極めて商人系には冷たくて、閣議決定の新聞記事もありましたが、農協系の方は農林中金というバツクの下に日本銀行と繋がりができて、メーカーに対する肥料代の支払いというものは非常に安定した形ができたのでありますが、商人系は一般財界の金融の中に肥料金融も放り込まれてそこに政府その他から水増しがされておらないのでありますから、他の金融を食うか或いは自分の過去の肥料統制中の自己の金融以外には金融力というものは持たないのであります。かように金融的に不利な状態に置かれましたのでありまするが、メーカーの方々の理解ある販売政策等のために、例えば三十日後に払つてやる、四十日後に払つてやる、それでよろしいというようなことで先ず三十日乃至四十日間において品物を流して貰つて金を吸上げてメーカーに払込まなければならない、こういう非常に苦しい状態の下に自己資金を全部使い尽して尚金の吸上げを行なつて激しい販売戰を行なつているわけであります。その結果において尚先刻申上げたような数字が出たということは、私は肥料配給面においても商業機関がやはり農村の機構に適しておるためではないかと思うのであります。勿論これは全購連方面も必要でありますし、又商人系にも必要であろう、この両者を通して農村に肥料を流すのが一番いいというのが農林省当局並びに政府各位のお考えがあつてその形が生れたのでありまするから、大体公団当時のような実績よりも肥料商は実績を挙げたということが言えるのでありまして、政府の方針先ず当つたと私は思うのであります。  さような意味合におきまして今後の情勢もこれをそのまま引延ばして考えてもよろしいだろうと思うのでありまするが、そこで考えられることは我我はこの農協と商人系とが過去におきましては相当争つた例がありまするけれども、我々の現在の考えは全然そういうことを持つておりません。どうかこの二本建で平穏に農村に肥料を流したい。それにはどうすればいいかということを先ず考えているのでありまして、これが若し商人系が漸次数字を延ばして逆に四分六分にでもなりますれば又そこにいろいろな問題が起ると思うのでありますが、でき得ればこれを五分五分の線に抑えて大体の数字を農協系から五〇%、商人系から五〇%流すような或る一つのアンダースタンデイングを設けるか、或いは過去においても閣議において大体の数字を決定した例がありまするので、この慣例に習つて五〇、五〇という線に抑えてメーカーのものを流すならば無用の競争を廃すると同時に、中間で売つたり買つたりするような過去の差金売買の弊害を除去することができるのではないかと思つている次第であります。さような意味におきまして、私は機会がありましたならば御考慮を願つて商人系と農協系の取扱い数を、これは工場から出る数字であります、半々くらいのところに何らかの政治的御処置を願うことができますれば肥料界のために非常によいことだとお願いする次第であります。  次に金融措置でありまするが、これは現在も変つておりません。これはなかなかむずかしいようでありまするが、商工中金の制度におきましては只今申上げました五分五分ということになりますると、化学肥料で金額が約六百億になりますれば、その三百億の金融を商工中金に仰ぐということは枠が大き過ぎて無理であります。二、三私も商工中金に参りまして理事者諸公と会いましたが、どうも「たらい」が小さ過ぎて「こい」がはみ出すというような恰好で乗つて呉れません。でありますから、これを例えば農林中金が肥料金融を扱つておられる現状でありますから、肥料商の肥料金融も農林中金で御考慮を願い、又農協の肥料金融も中金が見るというように、肥料の金融の一元化或いは市中金融で業者に対して肥料金融の水増しをして頂いてその安定を図るならば、我々の金融問題は解決ができると思うのでありまして、これを格別にも御考慮願いたいと思つておる次第であります。  それからもう一つお願いいたしたいことは、これは甚だ申しにくいことでありますが八月から肥料は自由になつたと、かように申して一般的には考えておりますけれども実態は完全な自由になつておりません。と申しますことは肥料生産公団が品物をストツクしておる、これは政府の手においで処理をする、これと会社から売出す品物の売出との勘案ということで、完全な自由にはまだ公団の尻つぽが残つておるためにいろいろなそこにいがみ合いができて参りまして、販売する方におきま  しても困難な面が起きておることと、もう一つはこれはいろいろ販売の問題になりますが、売手と買手が値が合い買いましよう、売りましようと、大体売手と買手との間において価格が決つたと思うその価格を、農業政策とか或いは肥料価格が高いとかいうようなことから抑えられるというような面が起きて参りますればこれは売買ができない。私はその売買のできないことを申上げるのじやありません。肥料販売と申しますのはそう簡單にできるものではありません。前輸送も相当の時間を要しましてあらゆる機会を掴えて農村に入つて来るのでありますから、祭があつたとか法事があつたとかで或いは町に出たとか農村に行つたからというようないろいろな条件で農村に品物が入つて行くのであります。もう一つは季節的に例えば現在冬に向つて参りますと、今から商談が行われませんと雪の降る国は輸送ができないのであります、雪が固つて。それで「そり」で品物を運ぶ。それは何であるかというと来年の雪が解けた後の品物を送るのであります。でありますから現在すでに来年の三月乃至五月の品物の商売の話を進めていなければ農村に適宜な配給が困難な場合が多いのであります。公団時代は前輸送というものがありまして公団のリスクにおいて各地方にストックしてありましたから、季節に直ちに手近なところから輸送ができたのであります。現在ではストック・ポイントに入れるということは非常に費用も嵩みまして、メーカーの立場からできれば工場からすぐに田圃に送りたい、代理店より持つて行くのが一番安い。そうすると季節に輸送ができない。そうなりますと一番近いのは農村に成るべく早く入れてやる。それには雪の降る当時はその雪を利用して「そり」で運ぶ、こういう慣習になつておりますのでそれに持つて行くにはそれより一月乃至二月先に商談ができていなければ間に合わないというような季節的並びに地理的いろいろな条件がありまして、肥料というものは農村へ入つて行くのであります。これの売買をいろいろな事情から高い安いというようなことから抑えられますと、その値段の生れるまでに相当長い間会合なさいまして、漸く一つの価格の線が生れて来たのにそれが崩れてしまうということは、ひいて農村の肥料買付けに非常に影響が参ります。根元が動けば先が余計揺れるようなものでありまして、こういう面が自由でありながら自由でない、ここに何らかの調整或いは完全な自由を持つてつて販売させる何らかの措置をして頂きませんと、非常に販売する面において苦痛を生ずる、時期を失して適期に入らなかつたということがあるのじやないかと思うのです。現にこの八、九、十の結果を見ましても、八月廃止と同時に販売にかかつたのでありまするが殆んど八月は出ておりません。関東のごときは十月十五日にはもう麦の肥料には遅いのでありますが、九月も大して出なかつた、十月になつて非常に出荷が殖えた。やや手遅れの感で農村に肥料が流れているのでありますが、さような工合でありまして、一ヶ年間の肥料消費量は大体秋が三割、春が七割、こういう割合で農村に出しております。秋はここで三割の消費はどうやら済みましたが、来春にかけて七割の厖大な数字をこれから売つて参りますには、少くとも数ヶ月間の販売期間というものを要すると思うのでありますが、こういう点に販売上の苦心があると同時に、これを御理解願つて自由にしたならば、成るべく前にいろいろな準備を民間にさせて季節に間に合うように売ることのできるような形にして頂きたいと思うのであります。大体以上の通りであります。
  19. 結城安次

    理事結城安次君) これで参考人としておいで願つた方々お話を終りましたが、これからどうぞ委員の方から御質問をお願いいたします。
  20. 境野清雄

    ○境野清雄君 只今いろいろなお話を承りまして、大体当面の輸出量としては十万トンのものが計画せられている。併しそのうち二万トンは既契約のものであるからこれから内定するものは八万トンだというような話でありますが、先程来お話を伺いますと、中南支或いはタイ或いは台湾だけでも二十五万トンというようなものを要求しているやに聞いているのでありまして、大体輸出の要望量はどのくらいあるのか。それに対して僅かに八万トンだけで予定を立てたということに対しまして一つ通産省としての御意見を承りたい。  それから又今日の新聞なんかを見ますと、大体台湾の買付がトン五十ドルくらいだ、日本国内でも五十ドル上廻つているのに五十ドルという安い値のために業者自体がこういうものに対して気乗薄のようなことが報道されているのでありますが、これは大体におきまして日本自体は民間輸出でありますけれども、台湾自体の方から見ますればこれは台湾日本との通商協定というものの中に含まれているものなのでありまして、若し業者が価格が安いというためにこのものの輸出を渋る、或いは輸出が不可能になつたような場合に対して政府自体はどういうような考えを持つておられるかどうかというようなこともお聞きしたいと思うのであります。  尚完全な自由販売なつておらんというような話を只今鷲見さんから承わつたのでありますけれども、その理由の一つといたしまして、公団の手持の在荷の四十五万トンというものが癌をなしておるというような話であつたのでありますが、先程安本の方からの御説明によりますとこの四十五万トンをやや計画には乗せておるようでありますけれども、これが期限的にいつまでに処理してしまうのだ、いつまでにこの四十五万トンをなくしましてそのあとが先程鷲見さんのお話のような軌道に乗つた完全な自由販売になるのかどうか、この三点について政府当局の答弁を願いたいと思うのであります。  尚先般これは何かで見たのでありますけれども、タイその他の方面におきまして大体現在年に二回の收穫をしておる。併し若し日本から肥料を出して呉れるならば三回收穫もできるのだというようなことを何か経済雑誌で読んだのでありますけれども、そんなような点も政府自体としては総括的な日本からの輸出というようなものに対する計画があるかどうか。現在は暫定措置として十万トンなんだ、それはゆくゆくはどのくらいにしたいか、特に外貨を獲得しなければならない日本の現状におきまして、国内肥料における農村方面の問題も重大ではありましようが、同時に輸出計画としては先程来各参考人方々からおつしやる通り日本においては重要な輸出品の一つであるというようなお話でありますので、特にもう少し通産省自体としても力を入れられたこの計画があるかないか、そういう点について一つ政府当局の御答弁を願いたいと思います。
  21. 長村貞一

    説明員(長村貞一君) 只今の御質問のうち私共の方からお答えできるものについてお答え申上げたいと思います。  先程お話のございましたように、この輸出の問題につきましては、差当り十万トンばかりの数字は計算されるわけであります。そのうちには二万トン余りのもりがすでに出ておりますので八万トン、何がしというものが、今後の差当りの輸出として需給バランスの上からは輸出されるということになるわけでございます。一方只今日タイ通商協定によりますと、二十五万トンというような数字もございますし、その外台湾以外の地域におきましても、相当大きな海外需要があるわけであります。海外需要の推算は非常に困難な問題でございますけれども、見方によりまするならば、百万トン内外のものの需要というものも一応数字としては考えられるような大きな需要があるわけでございます。これに比べますと、只今の十万トン或いは八万トンと申しまする数字は甚だ少い数字でございまして、肥料輸出と申すこと自体も如何かと思われる程の数字であるわけでございます。私共といたしましては、差当りの問題といたしまして、現在の肥料供給とこれに相対しまするところの国内需要、これらを見合いまして、国内需要を先ず充足させまして、国内需要に御迷惑をかけないような措置をとつて、然る後に余力を以て輸出いたしたいということから、只今申しました差当り八万トン或いは十万トンという数字が一応計算されるわけであります。この数字は申します通りに差当りの数字でございます。先程安本前谷次長からも御説明がございましたように、来年の五月頃までを一応予定しました数字がここにあるわけでございます。もとよりその間におきましていろいろの問題もございますけれども、増産の措置は着々とつて参りたいのであります。今肥料年度といたしましても、その後の国内需給バランスを考えて、これ以上の数字考える余地があれば考えて参りたいと思つておるわけでございます。私共通産当局、化学局といたしましては、二十五、二十六、一十七と年度を追いまして、二十七年度におきましては、少くとも五十万トン程度輸出余力はできるように、生産の方も殖やし実績も挙げて参りたいという心組で各種の準備なり措置を進めて参りたい、かように思つておる次第でございます。
  22. 前谷重夫

    説明員前谷重夫君) 只今御質問のございました公団の放出の問題でございますが、これはこの八月統制撤廃の場合におきまして関係方面といろいろ交渉いたしまして、大体原則的には春肥の足りない部分を公団の放出によつて補う、こういう原則的な了解の下に大体明年の五月までに放出を終る予定でおります。大体個々のケースにつきましてはその都度関係方面の承認を必要とすることは勿論でありますが、ただ現実の問題といたしまして時期的に処分できるかということはこれは別問題でありますが、計画としては五月末までに処分する、こういう計画でございます。
  23. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 只今肥料輸出の問題についてのお話でございますが、当局といたしましては肥料輸出品目に入れたいという考えでおります。併しながら輸出と申しましても先刻から局長あたりから申上げましたように国内需要を満たしてからということが前提条件であります。且つ又輸出によつて国内の価格を絶対に上げないという条件の下でないと農林当局は賛成をされないのであります。且つ数量においてもその通りでございます。現在お話なつておりまする台湾の約八万トンの問題に対しましても、過般安本、農林と相談いたしまして只今申上げましたようにこの輸出によつて価格が上らないということを前提といたしまして、そうして又数量も確保するということを前提にしようじやないか、その前提の下に輸出することに対しては農林当局としては同意をするということでありますので、先般硫安製造方々にそのことを御相談を申しておるのであります。実は本日マーカット会談に参りましたときにこの輸出に対して現在どうなつておるかというようなことを聞かれまして率直に只今の現状を話したのでございます。そのときに向うの方々からこの輸出をすれば台湾の砂糖をこれの見返りにやると、又それも相当の数量であつたのであります。それで私は是非この輸出業者方々の御同意を得て、価格を押しつけるわけには行きませんけれども、現在ようやく開けんとしておる肥料輸出の先駆でありますので、決して私は肥料業者方々が利益を得ておられるということは考えませんけれども、国策的に御同意を得て早くこれを決定したい、実は明朝向うの台湾から来ている方が帰えられるそうであります。今日は早く決定をせよということであつたのでありますが又後刻御相談をしたいと思います。且つ又増産と申しましてもただ業者の方に増産をせよというだけではこれは私も無理だと思います。業者方々の御要望も或る程度聞き得るならば聞き入れて上げることが至当であると考えますので、この前のお話の節にありました硫化鉱を私は今日は約二十万トン以上至急に入れることを懇願をして置いたのであります。多少値段は高いようでありますけれどもかくして増産ができましたならば又今後におきまして輸出の量も増し得はせんか、殊に生産能力があるというし且つ又多量生産によつて価格の引下げができることは、我々工業に従事していた者はよく分るのでありまするから、成るたけ増産がされるように政府としては努力をしたいと思うのであります。そういうような状態でありまするから、輸出に対しては当局としても多大の希望を持つておりますし又嘱望をしておるのであります。重ねて申上げますが国内事情が許す限り早くしたいと思いますので、そのことを努力したいと思います。
  24. 結城安次

    理事結城安次君) 外にございませんか。
  25. 西田隆男

    ○西田隆男君 私は政府当局と今日お見えになつておる参考人方々にお伺いしたいのですが、吉田さん、荘野さんにお伺いいたします。  あなたのお話を承りますと現在の硫安生産原価というものは、コークスの値段が高いこと電気の料金が非常に高いことというような関係から、現在でも生産原価は償わないような価格で販売しておる、値上げをして貰わなければならないというような御意見のように私は拝聴しました。とするならば少くとも日本の現在の情勢下においてコークスの原料たる石炭が魚速に値下りをするであろうということは考えられません。政府でも現在三ヶ年或いは五ヶ年計画によつて石炭の生産原価を切下げようという案を今作つておられる程度であります。尚電力の問題は値上りは考えられても電力再編成後において電力料金が下げられるということは考えられない実情にあります。従つて石炭を原料とするコークスの値下りも考えられないのですが、あなたの言われた三つの要素は値上りをしないという段階において、肥料がどれほど生産の増強を図つたならば、現在の販売価格で事業の生産が継続して行けるかという問題についてのあなたの御見解を承りたい。政府当局に承りたいのは、そういう状況下にあつて肥料を仮に十万トンでも輸出する、二十七年度においては五十万トンの輸出可能な生産の増強をしたいというようなお考えのようでありますが、併しながら原価が現在においてさえも償わない状態において、肥料生産業者方々にどういう方法と、どういう指導と、どういう援助をすることによつて、二十七年度において五十万トンの肥料輸出をするために生産の増強を図ろうという具体的な考えを持つておられるか、この点を特にお伺いしたいと思います。
  26. 荘野精二郎

    参考人荘野精二郎君) 私は先程説明いたしましたときに電力が上るということは申上げなかつたのであります。電力原料としておる製造方法によるものと、それからコークス、石炭を原料としてやつておる製造方法、いわゆるガス法電解法、この二つの方法によるコストの縮め方は現在のようなコークスなり石炭が上つて行きつつある現状では到底近寄れないという意味のことを申上げたのであります。それからコークス代がその後上りました、これは確かに上つております。但しコークスは今日まで原料石炭に比較してコークス業者はむしろ損して売つておると私は感じております。これはガス会社などは会社の公共事業性から考えて損するからといつて止められない結果コークスがどんどんできるものでありますから、自然在荷に押されて多少損を覚悟で我々に捌いて来て頂いておつたのでありますから、何かの機会にはコークスは上るものであるということは覚悟せざるを得ない状態であります。それが今回いろいろの特需関係等の貨車廻り等で荷物が動けなくなつて困つた際に、コークスは値が戻つて来て上つて来たということを申上げたのであります。同時にコークスにいたしましても石炭にいたしましても、我々肥料業者は買いますときには私共使用者の工場着値でやつております。ところがこういう情勢なつて輸送の状態が不都合になつて参りました結果として、自然コークスは生産者のお手許で我々が買つて輸送は我々がしなければならんという情勢につい追い込まれておる。従つて普通運賃がこれだけかかると思うだけの価格をその着値段から引き去つて、そうしてその値段で以て生産者の手許で山元で買つております。そうしますと輸送は従来船運賃が、普通習慣法によつて運んでおるCQDの船契約が、この頃はそういう形ではいかんというので自然ランを切られまして、それで積み何日、揚げ何日というふうにランを切られておるために滯船料がかかる、運賃が上るというわけで、船運賃でもすでに工場によつては違いますが二百円、三百円トン当り上つております。それからコークス代そのものも二百円以上上つております。従つて合計して五、六百円は少くも上つておる情勢であります。このコークスの上らない情勢においても我我のコスト計算は引合わなかつたのだということを先程申上げたわけでありまして、ますます引合わない情勢になりつつあるので、若し我々の原価いわゆる売手方という面から見ればどうしても上げて貰わなければならないものである。若し増産をそれでどれだけカバーできるかということになりますと、これは会社によつてよほど違うと思いますから一概には申上げかねると思いますが、大体ここで我々が計画いたしておりますのは今年度百六十五万トンでどれだけコストが下がるか、先ず言う人にもよりますが平均して五%くらいしか下がらないのじやなかろうか、ですから仮に一万八千円のものならば約トンに七、八百円の安値にはなり得るのじやなかろうか。これも製造方法工場の立地の如何によりましてはそれ以上下り得る会社もあると思います。又それだけ下ることもできない会社もあると思いますが、まあ平均してそれぐらいのものじやなかろうかしらん、これは私の勘であります。実際に原価計算的にどの会社がどれだけ、中には総体において百六十五万トン生産するといつても、それが一割殖える会社もあれば二割殖える会社もあるしでこぼこがありますから、各社の原価計算を集めて見ないと的確のことは申せませんが大掴みに見てその辺じやなかろうかと私は考えます。それぐらいに下りましたのではまだ足らないと思います。現在十貫にして計算いたしまして十貫当りに十円下りますと、大体これは二十六俵余りで一トンになりますから二百六十円ぐらい、ですから五、六百円下るということは二十五円下る、六百円から七百円ということは二十五円ぐらい下るのじやなかろうか、これは下る面だけを見ての考えであります。ただ他に叺のごときもここのところ大体一枚五、六円は上つております。そうしますと十貫にこれは五、六十円、折角増産によつて努力した値下げも、そういう叺のような原料が五円六円ぐらい上るわけでありまして、甚だすべてのものが上り気味にあるということで、我々がただ増産によつてその上りをちつとでも抑えて行くという状態であります。  尚誤解が後日あると困ると思いますので一言申上げたいと思いますが、我我は丁度見栄を張つた生活を年中やつておるようなものでありまして、台所は火の車を廻しながらもお客が見えれば止むを得ず御飯を出しお酒を出して接待これ努める、台所じや昼の御飯を拔くというような形を業者は止むを得ずやつております。そういう体裁を飾るのでなければ、借りた金は非常にやかましく催促されますし新規に金を借りるということはなかなか困難でございます。又増資も必要とする情勢でありまして今日まで資本の増加をしないで借入金々丸々でやつて来ましたから自己資本と借入金とのバランスは非常に悪い。甚だしいものに至りますと資本金の三倍も五倍も借入金があるというのが沢山ございますので、こんなのはどうせ増資と借入金とのバランスをとらなければこれば非常にまずいのであります。そういう増資又は社債等を取るという関係上まあなすべき償却をしないで一口にあつさりいえば「たこ」配でありますが、なすべき償却もしないで「たこ」配をしておつても借入金利以上の配当ぐらいのものをしなかつたら経営が成立つて参りません。それですから先程申上げましたように、丁度台所は火の車を廻しながらお客様に酒振舞をするというようなことを業者はやり続けておりますので、とかく奴らは派手だから儲かつているんだろう、あんな配当をしているんだから……
  27. 結城安次

    理事結城安次君) どうぞ質問の点だけにお答えを願います。
  28. 荘野精二郎

    参考人荘野精二郎君) そういうことでございますから、下げられるだけは下げて見ましてもその辺の点ぐらいしか下らんと思います。
  29. 西田隆男

    ○西田隆男君 結局今の荘野さんのお話を承りますと、肥料工業の方では生産原価と販売価格との差を増産によつては埋め得られないという結論に承つて結構ですか。
  30. 荘野精二郎

    参考人荘野精二郎君) ええ全部はなかなか埋め得られない。
  31. 西田隆男

    ○西田隆男君 それでは今の荘野さんの私の質問に対する答弁を基礎として、政府当局においてはこれに対する政策をどうするお考えであるのか。そうして現在のままの状態下において二十七年に五十万トンの肥料海外輸出ができるという見通しを持つておるか見通しを持つていればどういうところにどんなものを持つておるかということを肥料業者の得心の行くような御答弁を願いたい。
  32. 長村貞一

    説明員(長村貞一君) 只今荘野さんも御発言のございましたように、肥料のメーカーを定めまして現在の価格の下で生産をし供給をされるということが、非常に無理と申しまするか困難かいろいろな事情があるということは、私共よく承知しておるわけでございます。御承知の通り今肥料につきましては公がございませんので、私共といたしましても個々の企業体につきまして原価計算を行いましてどの企業体は現在の価格でどうこうという資料も持合せておりませんし、又それをやつておらんわけでございまするが、大観いたしまして現在の生産状況、原材料の関係、その他の関係等から見まして、非常に無理な努力をされて生産を継続して頂いておるということは分つておるわけでございます。先程申しましたように、将来この生産の規模が拡充いたしましてでき得べくんば二十七年度において五十万トンの輸出もでき得るような体制に持つて参りたいという目標を私共は考えておるわけでございます。先程お話のございましたごとく石炭とか或はコークスとかいうものはこれはひとり肥料だけで使うものでございません。全般的に私共といたしましても炭価その他の問題を大きく取上げて、いわゆる合理化その他の方法によりまして極力これを合理的な線に持つて行くということに努力いたしておるわけでございます。電力の問題といたしましてもこれから大きな問題としましてこの供給力がどう殖えるか、それに従つて肥料工業に対しましても豊富な電力をどう供給されるかというところによりまして、今後の一年先二年先の採算の状態も変つて来ると思うのであります。又価格の問題にいたしましても先程申しましたように公定価格というものはない今日でございますので、どの価格が適当であるか、或いはどこになければならんかということも申しかねる状態ではございますが、これは公を撤廃しました今日におきましては当面非常に問題になつておりますことは別といたしまして、結局日本の国の肥料工業が健全な基礎において成立つて行くような価格、これと消費者或いは需要家であります農家経済と両立し得るところの価格に自然にこれは決まつて行く性質のものではないかと思うのであります。私共といたしましては今後も電力供給その他につきまして極力関係方面とも協議し協力を願いまして、生産に支障のないようにやつて参りたいと思つております。  又増産によります価格の引下げは只今お話によりますれば極く僅かなパーセンテージしかしがらんようでありまするが、これ又増産程度によりましてそのことによります合理化と申しまするか、価格の低下ということも当然考えられるのでございます。具体的に増産によりまして何%のコストが低下し又電力生産の価値がどうなるということは申上げかねる現状でありまするけれども、かようなことすべてを総合いたしまして、これは肥料のメーカー或いは消費者、関係方面の全部の協力によりまして、私共といたしましては肥料工業全体としての規模を一応そこから成立つて行く方策を逐次考えて参りたい、かように存じている次第でございます。
  33. 西田隆男

    ○西田隆男君 もう一言今の御答弁に関してお尋ねいたしますが、あなたの御答弁を聞いておりますと、健全な企業面に立つた肥料生産によりいわゆる肥料の価格というものが自然に決まるだろうという御答弁でした。自由経済の原則の下においてはあなたのおつしやる通りですが、今日の参考人諸君の御意見を聞いておりますと、肥料工業は極めて温室育ちだから、自然に発展すべきものが、肥料を今沢山作つているという状態では、無理をしてただ国家の政策に沿うために不健全な状態にあつたものを、肥料だけを余計作つた工場が相当あるのだというような参考人諸君の御意見がございましたが、今のあなたの基本的な考えからしますと、自由経済の下においてはそういうものはもう潰れても仕方がないというふうに私は受取れるのですがそういうおつもりですか。それとも二十七年度の肥料生産の中から五十万トンの輸出が可能になるまではそういうふうな肥料生産も尚続行するようなふうに政府当局は何らかの手を打つつもりがあるか。荷通産大臣は輸出することによつて肥料の値が上つては困る、値を上げたくないという御意見のようですから、そういう点は当然考慮されておらなければならんと思うのですが、ただ肥料生産の実状がどうであつても現在の値段からは上げないのだという一点張り。肥料業者諸君も肥料増産は不可能と考えますが、そういう点でどういう見解を持つておられるか、それは業者諸君の得心の行くような御答弁を願います。
  34. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻私は肥料の値段を上げては輸出はやれないと申しましたのは差当りのものでありましてさように御了承を願います。
  35. 西田隆男

    ○西田隆男君 通産大臣は差当りの問題とおつしやるが、それから先に上げるというお話ですか。
  36. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それは局長から申し上げましたように、自由価格でありますから農家の人達、肥料生産者もそれに副い得るような価値もおのずから決つて行くのではなかろうかと考えております。
  37. 西田隆男

    ○西田隆男君 どうも通産大臣の御答弁を聞いていると私は得心行かないのですが、暫定的なことで年度的に言つて何年かという意味では私はおりませんけれども、来年の米の価格ももう大方決るだろうという現段階において、若し来年の農家の肥料が現在よりも上り得るようなことがあつた場合には農家の生産に非常な影響を及ぼすことは、私はもう当然と思うのですが、少くとも来年の肥料くらいまでは上げないつもりであるのか、来年になつたら或は上げることもあるのかないのか、そういう点ぐらいはもう少しはつきりした一つ御答弁を願いたいと思うのであります。
  38. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻私は価格を上げないで貰いたいと申しましたのは、現在問題になつております肥料輸出の点に関してのみでございます。さよう御了承願います。
  39. 西田隆男

    ○西田隆男君 私は輸出肥料の価格を上げるか上げんかということを聞いているのではない。国内の農家の消費される肥料の価格を上げないで行くのか或いは上げるのか、その点をお伺いしているのです。
  40. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) それは先刻から局長からも申しますように絶対に上げないということは申していない、さよう御了承願います。
  41. 西田隆男

    ○西田隆男君 もう通産大臣にお尋ねしません。局長にお尋ねしますが今通産大臣の御答弁で分らんのですが、来年の米価決定があつている際において、通産大臣の言われたように来年度は恐らく肥料が上るだろうという査定に基いての決定はなされておらんと私は思う。そうすると通産当局としては肥料の問題を、来年度から何とか自由価格ではあるけれども、或る場合においては勧告でもして少くとも現在の状態に置くというような強い意思が働いて、今通産大臣の言われるように暫定的に肥料の価格を上げないというようなお考え方を局長は持つておられるのか否や。肥料業者の言われるように、どうしても生産原価が現在の状態にそぐわないという立場にあるものに対しては、何らかの方法を講じてやるという考え方で暫定的に肥料の値段を上げないということをおつしやつているのか。この二つのことをお答え願いたい。
  42. 長村貞一

    説明員(長村貞一君) 肥料の価格の問題でございます。只今大臣の仰せの通りでございまして、先程私も差当りの問題は別としてと申上げて置いたのです。差当りこの肥料輸出に関連しまして国内価格が当面の重要な問題になるわけでありまして、私は先程申しましたように肥料の価格につきましては公というものはない今日でございますので、これは差当りの問題は別としまして、現在の肥料工業の健全な経営なり生産の基礎の上に立つておる値段と、又需要家、消費者である農家経済と調和する点で決つて行くべき性質のものであろうと申上げましたのであります。先程荘野さんその他のお話では、如何にも現在の日本肥料工業というものは戰争後傾斜生産と申しますか重点生産と申しますか、特にこの面に力を入れてこの量を殖やすという点に官側も業界の方も総力を結集して戰前以上の実績を上げるに至つた。そのために個々の企業としてはかなり無理をして今日に持つてつたというお話であつたのでありますがその通りと思うのです。私共としましては今日のこの現実のあり方と申しますか状態を基礎にしまして、そうして更に国内需要に対する面も開拓し供給も殖やしまして、そうして今日の企業体全部が更により健全なる基礎の上に肥料工業全体として持つて行かれるような態勢をとりたい。かように考えておる次第であります。  この見地からできたと申しまするか、監督庁といたしましては、只今のところ肥料の価格はこれ以上でなければならないというさような点を考慮しましての、ことさらに価格の点を下げるというようなことは只今のところでは考えておらんわけであります。只今問題になつておりますいろいろな問題は別の問題でございます。これにつきましてはいろいろ又考慮すべき点もあろうと思いますがこれを除きまして全体として、肥料価格を、特に生産価格を或る点で頭打ちをするという考え方は持つておらんのであります。
  43. 西田隆男

    ○西田隆男君 まあそれ以上の御答弁はこの際困難かとも考えますが、農民諸君の聴きたいところは、今肥料生産業者方々の御意見を聞くと生産原価が償わない、どんなに能率を上げて見てもやはり六、七百円か七、八百円程度の原価しか上らない、それでは肥料生産はできないということの御意見政府当局の御意見としては暫定的には肥料は今上げたくないが抑えられることなら将来も上げたくない、これに対する手段その他の点については詳細な計画は持つておられんという。若し農民諸君はこういう国会内における討論を聞いておつたなら、先は肥料は上るだろうという予測を恐らくするだろうと私は思うのですが、これは安本長官と通産大臣と農林大臣の三者の会談においてそういうふうな考え方でこの問題の解決を付けられたのかどうか、最後に通産大臣にもう一遍御返答願います。
  44. 横尾龍

    ○国務大臣(横尾龍君) 先刻から私は至つて不明瞭な御答弁をしております。と申しますのは肥料の価格につきましては非常な関心を国民は持つておられます。甚だしくこれは上げるとか上げないとかいうことを今日申上げる資料は持合せていないのであります。ただ先般安本長官と、農林大臣との話合は只今問題になつておりまする八万トンの輸出の問題でございまして、これを輸出を許可するかせんかというようなことであつたのであります。それについての討議でありましたので、先刻申上げましたそれをやるために現在の十月の価格を上げたならば、それをやるから上げたように言われるからこの際はこの国内の価格は十月の価格に漸次据置いて貰いたいというようなことであります。先程の問題につきましては今日私ここで御答弁申上げかねるのでありますが悪しからず御了承願います。
  45. 西田隆男

    ○西田隆男君 もう結構です。
  46. 結城安次

    理事結城安次君) 若し今日御参考人としてお出になつ方々で何か御発言があるなら……。
  47. 荘野精二郎

    参考人荘野精二郎君) 今輸出と絡んだ内地の価格の問題がございますが私は先程……。
  48. 結城安次

    理事結城安次君) どうぞ時間もございませんのでポイントだけ。
  49. 荘野精二郎

    参考人荘野精二郎君) 先程ちよつと簡單に申しましたように、輸出の価格とそれから輸出するせんという問題と、それから内地の価格というものとが差し違いのような形になることを非常に残念に思うのであります。輸出はこれは国としてやるやらんということは結構でありますが我々の価格自体がすでに非常な無理な価格で出しておるのでありますから、成るべく価格は輸出の有無に拘わらず我々のペイするところまで、暴利を取りませんからペイするところまで戻して頂きたい。それが我々業者の願いでございます。これは輸出というものがぶつかりまして、輸出したから上げると解釈されるのでありまするが、輸出の問題で上る前に、すでに価格を上げるべき素質を買手と売手の間に進めているのであります。これは先ずこういう情勢がございますから何とか無茶はせんようにということを考えておりますが、輸出と両方で差し違いになることは甚だ残念に存ずる次第であります。
  50. 結城安次

    理事結城安次君) 何かございませんか……、ございませんければもう大分時間ですからこの程度でやめてよろしうございますか。
  51. 西田隆男

    ○西田隆男君 今日の問題はこれでお閉いになるのは結構だと思いますが、引続いてこの間の問題の結末をつけておいて頂きたいと思ひます。   ―――――――――――――
  52. 結城安次

    理事結城安次君) それではこれで今日の会議は終りたいと思いまするが、この間ちよつとお話合になつておりました例の小滝炭坑問題でありますが、政府当局においては今その準備をいたしておりませんので、当問題には通産省ばかりでなくて大蔵省にも関係がございますので、大蔵省と通産省ともよく連絡して、次のときに政府の資料その他を整えて御質疑に応じたいという申出でございました。それで一体いつ頃までにこれはできるだろうかといつたところが来週中の水曜日頃までには大体できようというお話でございましたので、来週中になるべくできるように督促いたしますが、その日取りは一つ委員長にお委せを願いたいと思いますが如何しようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 境野清雄

    ○境野清雄君 何か聞くところによると衆議院の方で鉱業法を盛んに継続審査をやつているというようなので、こちらでも余り遅れても何ですから、次の委員会をやるときには小滝問題も、長くなるでしようが時間がありましたら一つ鉱業法をこちらでも並行して審議して行きたいとこう思いますので議題の中に入れて頂いて、鉱業法の審議ということで政府の方の関係の方に出て来て貰うようにお取計らいを願います。
  54. 結城安次

    理事結城安次君) 委員長においてさよう取計らいましよう。それでは今日は参考人方々は大変お忙がしいところを長い時間、殊に又聞きたいことも相当お話下さいまして大変に参考になりました。誠にありがとうございました。お礼申上げます。  それでは今日はこれで散会いたします。    午後四時四十七分散会  出席者は左の通り。    理事            結城 安次君            廣瀬與兵衞君            栗山 良夫君    委員            小野 義夫君            上原 正吉君            島   浩君            西田 隆男君            境野 清雄君            高瀬荘太郎君            駒井 藤平君   国務大臣    通商産業大臣  横尾  龍君   説明員    経済安定本部産    業局次長    前谷 重夫君    通商産業通商    化学局長    長村 貞一君    農林省農政局長 藤田  巖君   参考人    日本琉安工業協    会会長     荘野精二郎君    燐配肥料経営者    親交会理事長  岩村 一木君    太平商工株式会    社社長     藤野忠次郎君    全国肥料工業    組合連合会会長 鷲見 保佑君