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政府委員(
石原武夫君)
只今の
海外の
需要の
調査の問題でございますが、これは今後、
只今の
首藤政務次官からの言葉にもありましたように、
海外における
生糸の
状況等につきましては今後、現在ありまする
日本政府の
海外事務所とも緊密な連絡をとり、又こちらから申上げて、できるだけ
機会を利用して、向うの
需要を
調査するというような、直接
調査できるような
機会がありますならば、そういう
機会を利用して、十分の
需要の
調査を図りたいと、かように
考えておるのであります。尚この
機会に昨日
通産省の
所管物資につきましては、
繊維局長或いは
雑貨局長から
所管物資の
需給の
状況について
説明がありましたので、
生糸と繭につきまして、この
機会に私から簡単に
需給の
状況を御
説明申上げたいと思います。先ず、
生糸と繭は、外の
商品と違いまして、全部
国産品でありますので、外の
需給を
予定されておる
商品と違いまして、
原料の輸入の問題は全然ございません。昨日お配りしました、この一枚の紙について御
説明申上げますが、
生産は
生繭が千九百三十三万一千貫の
生産見込でありまして、これは昨年の
生産が、一千七百二十九万五千貫
程度でありますからして、これから見ますと、
相当二百万貫
程度殖えておるのであります。それから
生糸は二十五年度の
暦年の
生産見込が十五万二千俵でありまして、二十五年の四六の
見込が三万五千俵に対しまして、実績が三万一千俵と減つておるのでありますが、これは四—六にをきまする
手持の繭が非常に減少だしまして
製糸工場が操短をしたとい
つたような
関係からかように
なつておるのであります。この十五万二千俵の
生産に対しまして本年の初めの
国内のストックが約五万四千俵ありましたので、
供給が両方合せますと、同
暦年における
供給が約二十万六千俵
程度になるのであります。それに対しまして
需要の方は
輸出が大体九万俵
程度は本年はあるものと期待されておるのでありまして、又
国内の
需要から純
国内と
輸出絹織物用の
原料も加えまして九万五千俵から十万俵
程度はあるものと
考えられるのであります。從いまして
需要といたしまして両方合せますと、十八万五千俵から十九万俵近くのものになるのでありまして、本年末におきまする在庫は或いは一万五千俵から二万俵
程度減るものと予想されるのであります。
只今片柳委員からの御質問がありました
海外の
状況等につきましては、実はこれは年によつて非常に違うのでありまして、一九四六年には八万八千俵
程度の
輸出がありましたが、四七年には一万七千俵、四八年には約八万俵、昨年四九年には四万八千俵と、かように年によつて非常に違うのでありまして、これは
海外の
経済界の
状況が最も
生糸には敏感に響くという
関係でありますが、本年は昨年に比べますと非常に
輸出は好調でございましてこの
上半期の総計を見ますと、昨年の
上半期が二万二千俵でありましたものが本年の
上半期は三万七千俵と、かように非常に殖えておるのであります。尤も昨年の
上半期の二万二千俵と言いますのは非常に極端に不振であ
つたのでありまして、これは主として、
アメリカの
経済界が昨年の
上半期は非常に不振であ
つたということと、それから
アメリカに或る
程度のストツクがありましたので、そういうものを使
つたために、こちらからの
輸出が非常に少なか
つた。こういう
事情があるのでありますが、これに比べまして本年の
上半期は三万七千俵、この内訳を見ますと
アメリカが一万九千俵、ヨーロッパが一万七千俵と、かように
なつておるのでありますが、最近の
情勢から見ますと、
アメリカも依然として
需要は増加する傾向でありますし、それからヨーロツパの方もフランス、
イギリス等から
相当大量の
買付が来ておりますので、本年は年末までに九万俵の
輸出は先ず間違いないところだと、かように
考えておるのであります。面この下の
価格変動というところに
値段のことが書いてあるのでありますが、これは
生繭の建値といたしましては二十五年の六月前後の
価格が約四千八百
掛程度であ
つたのでありますが、本年の七月現在におきましては糸が非常に暴騰いたしたために、繭の
価格も或る
程度上つておるのでありまして、これは
地方によ
つて相当違いがあるのでありますが、まだ決まつていないところも多いのでありますが、大体五千二、三百
掛程度のところが
相当あるのであります。尚
生糸は本年の六月二十日頃には十一万五千円
程度であ
つたものが、七月十五日頃は十四万二千円
程度になり、事実又暴騰いたしまして、現在は十五万五六千円というところまで上つておるのであります。かように
生糸が暴騰しました原因は、一部の
思惑により
思惑買ということも無論あるのでありますが、その外に
横神市場における在貨が非常に不足しておるということ、從いまして
輸出商が
船積その他の
関係から
適品がないために非常に踏み上げておるというような
事情、それから
製糸家側としましては
先売をいたしておりますので、その新らしい糸を
先物約定に
荷渡しにする
関係なり、又
横神の在貨の量は普通七、八千俵から一万俵近くあるのが普通の在貨でありますが、それが三千五六百俵
程度に止まつておるというようなことから糸が暴騰しておるものと思われるのであります。これに対しまては
新聞紙上等において御
承知でございましようが、
閉鎖機関の糸を
放出するように
司令部からの覚書が六月の十日頃参りまして、これを現在
放出をいたしておるのでありますが、糸が暴騰いたしましたために
放出の数量或いは時期等も
相当繰上げをいたしまして
放出をいたしておるのでありますが、現在までに
閉鎖機関の
手持が約二万八千俵
程度六月の初めにあ
つたのでありますが、そのうちで約四千八百俵
程度を売りに出しましてそのうちで実際に落札したものは三千三百五十俵
程度あるのであります。これを今日の
情勢に鑑みまして、今後
相当繰上げをして
放出する
予定でありまして、この七月二十四日には更に二千二十俵、七月三十一日には約五千俵の糸を
放出する、こういう
計画をいたしておるのであります。 要しまするに
生糸の
需要の問題につきましては、
海外の
状況等によつて非常に大きな
変動があるのでありますが、現在は昨年に比べまして非常に好転をいたしておるのでありまして、
相当程度の、六、七割
程度の
輸出の増加が確実に期待し得ると
考えておるのであります。簡単でございますが
需給その他の点につきまして御
説明申上げた次第であります。