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1950-11-16 第8回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十六日(木曜日)    午前十時三十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件連合委員会開会の件 ○地方公務員法案要綱に関する件   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会開会いたします。今日の議題は、かねて地方行政委員会の会報で予め御了承願つて置きました案件の審議をお願いする予定でございましたが、先週の金曜日、厚生委員長から、池上の特殊飲食店街事件というものにつきまして、地方行政委員会との関連が大分できて来たから、厚生委員会地方行政委員会連合委員会をやつて欲しいという申入がございました。尚その問題の特殊飲食店街が附近の学校に極めて近いというようなことから、文部委員会の方でも、これの調査を開始をいたしました。それで昨日は厚生委員会文部委員会との連合委員会が開催されました。そこで厚生委員長からの申込は、昨日になりまして、厚生地方行政文部の三委員会連合委員会を開くことにしたい、御承知願いたいということでございました。で、連合委員会に参加することに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは連合委員会に加わることに決定をいたします。尚本日午後一時から連合委員会をいたしたい心組でございましたが、文部厚生、両委員会の御都合で、今日これより直ちに連合委員会を開きたいということに申入がございました。そういうふうに予定を変更して差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではそういうふうに決定いたします。それでは地方行政委員会はこれで休憩にいたします。午後一時から再開をいたします。    午前十時三十六分休憩    ——————————    午後三時五分開会
  5. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会を午前に引続いて開会いたします。  今日の会議に付する事件地方公務員法案についてであります。政府におきましては、過般地方公務員法案につきまして、内決定をしたようであります。その要点につきまして、小野政務次官から説明を承わりたいと思います。
  6. 小野哲

    説明員小野哲君) それでは私から地方公務員法案につきましての概要を御説明いたしたいと思います。御承知のように地方公務員に関する制度を確立するために、政府としましては種々考究を重ねて参つてつたのであります。尚又地方自治法の改正が行われました際以来の問題として、委員各位も御承知のような経過を辿つて今日まで参つておるのでありまして、できるだけ成案を得ました上で臨時国会に提案をいたしたいと考えておる次第であります。只今委員長から言われました今回政府で一応内定いたしました案でありますが、これは未だ法律案として御説明申上げるまでには至つておらないのでありますが、その考え方につきまして、私から大要説明いたしたいことを御了承願つて置きたいと思います。  この地方公務員法案目的といたしておりますところは、御承知のように国家公務員法が制定されまして、国家公務員に関する制度が制備せられて参つたに伴いまして、殆んど旧態依然たる状態に置かれておる地方公務員制度につきましても、これが根本基準を確立することの必要に迫られて参つておりますので、同時に又地方公務員地方公共団体職員であるという点、地方公共団体が多種多様な性格を持つておるという点、これらを考え合せまして、一面国家公務員制度との均衡を失しないように考えなければなりませんと同時に、地方公共団体の自主的な立場を十分に尊重をいたさなければなりませんので、かれこれこの間の調節を図つて行くというような考え方地方公務員制度については織り込んで行きたいと考えておる次第であります。従つてこの法律案目的といたしましても、さような見地から地方公務員制度に関する根本基準を確立いたしまして、地方公共団体行政が民主的に、能率的に運営されるように保障いたしまして、地方自治の本旨の実現に資して参りたいということにあるのであります。地方公務員法適用範囲につきましては、これ又大体において国家公務員法考え方と揆を一にいたしまして、一般職である地方公務員にだけ適用する、併しながら適用範囲を明らかにいたしますためには、特別職範囲法律で定める必要がありますので、やはり国家公務員法と同じような考え方で、特別職について列記いたしまして、これ以外のものについての一般職適用する、こういう行き方をとりたいと思つておるのであります。ただ国家公務員の場合よりは若干拡張いたしまして、各種の委員、顧問、参與等原則として特別職の中に入れる、こういう考えであります。で実施運用方法でありますが、先程申しましたように根本基準だけを規定しまして、地方公共団体自律性多様性とに即心するように、地方公共団体條例規則人事委員会規則等に委ねる幅を残してあるわけであります。この点が国家公務員法とやや行き方が異つておる点は、先程申しましたような理由からであります。地方公務員制度が円滑に運用されますためには人事機関を整備する必要があるという考え方から、現在都道府県に置いてありまする職員委員会、市町村に置かれておる吏員懲戒審査委員会、これらの諸機関を廃止しまして、これに代るものとして人事委員会又は公平委員会、こういう機関を設けることといたしたいと思うのであります。それで人事委員会につきましては、都道府県及び五大市はそれぞれ單独人事委員会を置くものとすることにいたしたいと思つておるのであります。五大市以外の市につきましては、これはその市の状況に応じまして、單独の場合も考えられるし、又他の市と共同して置くということも認め、或いは又他の人事委員会事務を委託する、こういう方法も認めるというふうな考えを持つておるのであります。人事委員会人事行政に関する事項の企画及び調査研究職員競争試験及び選考並びに勤務條件に関する措置要求審査及び職員に対する不利益処分審査等事務を処理することにいたしたいと思つております。人事行政が公正に行われますための措置として、又地方公務員の地位がこれによつて適正に保護されるということの立場から人事委員会を設けることにいたしておるのであります。ただ町村のごときにおきましては、人事委員会を置かないでよいものといたしたいと思うのでありまして、これは地方公共団体多様性に鑑みまして、必ずしも画一的に人事委員会の設置を強制する必要はなかろうと思つておるのであります。従いまして人事委員会を置かない市とか、或いは町村におきましては、人事委員会の担当する仕事をどこでやらせるかということが問題になりますので、従つて人事委員会に代るべきものとして公平委員会というふうなものを作ることがよいのではないか、この場合におきましても、共同して置くような場合、或いは他の人事委員会、若しくは公平委員会にその事務を委託する、こういう場合をも認めるということにいたしたいと思うのであります。で人事委員会及び公平委員会委員会制度でございまして、任期四年の三人の常勤又は非常勤の委員組織するものといたしまして、地方公共団体の長が議会の同点を得て選任するものといたしたいと思つております。任用とか、職階制、分限及び懲戒その他の問題につきましては、大体国家公務員法規定に準じて、その大綱を本法において決めることにいたしたいと思うのであります。服務の問題につきましても大体同様でありまして、国家公務員法規定に準じて、その大綱を定めることといたしたいと思います。ただ服務関係は御承知のように一種の特別な権力関係と申してよいかと思うのでありますので、従つて服務規律違反に対しましては、懲戒処分によるものといたしまして、原則として罰則は設けないものといたしたいと思つております。服務関係として問題になりますのは、地方公務員政治的行為制限の問題でありまして、この点につきましては、すでに国家公務員については法律に基いて人事院規則が制定されて、すでに実施されておるのでありますが、国家公務員との均衡を失しないようにという考え方から、地方公務員におきましても、政治的行為制限規定を置きたいと考えております。ただ地方公務員制度の特徴から考えまして、すべてのものを法律で以て規定するということは如何なものであろうかと考えられますので、重要なものだけを具体的に法律の中に規定いたしまして、その他は地方公共団体條例に委ねるものといたしたいと思うのであります。さような方法によりまして、地方公共団体自律性を尊重いたしますと同時に、国家公務員との間の権衡を維持して参るようにいたしたいと考えておる次第であります。  次は職員団体の問題でありますが、これはやはり概ね国家公務員法の場合と同じようなものといたしたいと思います。でここに掲げてありますように、職員団体が法令、條例等に違反しない限りにおいては、当該地方公共団体当局と書面による協定を締結することができるような途を開きたい、かような心組を持つておるのでありますが、この点につきましては、未だ実は最終的な決定にまではなつておりませんので、この点を予め御了承置きを願つて置きたいと思うのであります。ただ私共といたしましては、少くともこの線に沿うて地方団体交渉の問題を考えて参りたい、かように思つておるのであります。  次に、労働組合法との関係でありますが、労働組合法及び労働関係調整法地方公務員適用しないものといたしたいと思つております。ただ労働基準法及び船員法は、この法律に抵触するものを除いて、即ち抵触する規定はこれを除きまして、職員適用をいたすことといたしたいと思います。ただこの場合におきまして、但書に書いておりますような問題があるのでありますが、労働基準監督機関職権地方公務員との関係においてどういうふうに扱われるべきであるか、こういう点でありまして、労働基準監督機関の権限は、現業員を除いては、地方公務員に関しましては、人事委員会又は地方公共団体の長が行うものとする、即ち現業職員労働基準監督機関職権行使の対象にして置く、こういう考え方でございます。  次は、地方公共団体が営んでおりまする企業職員の取扱の問題でありまして、この点につきましても種々意見があつたのであります。例えば公営企業職員地方公務員であることには間違いがないのであるから、これを一本として地方公務員法適用を受けるようにすべきではないか、こういうふうな意見と、又一面公益企業というものは、その会計経理関係から申しまして、特別会計に属すべき事業の経営でありますので、従つてこれに従事しておる職員労働関係も、又別個に取扱わるべきものであるという考え方と、種々なる意見が実は出て参つてつたのであります。併しながら我々といたしましては、公益企業職員扱い方については地方財政法の第六條の規定にありますように、交通、電気、ガス、水道……。    〔委員長退席理事吉川末次郎委員長席に着く〕  こういう公益企業については、やはりその身分取扱い規定する別個法律を定めることが適当ではないか。併しながらこの法律の定めらるるまでには一応公益企業職員身分取扱い現状を認めて行く、こういう考え方で進むことが妥当ではないかという意見と相成りまして、政府といたしましても、この考え方に基きまして、要綱に書いてありまするような考え方に内定をいたした次第でございます。この法律の施行に当りましては、御承知のようにできるだけ速やかに施行いたしまして、現状のような不安定な状態を早く除却して参りたいという考えではございますが、任用とか、或いは職階制に関するような問題については相当準備或いは関係者の研修をいたさなければならんような点もありますので、多少将来延びることになろうかと思いまするが、原則としてこの法律公布後二ケ月を経過した日から施行するようにいたしたいと考えておるのであります。  大体以上が今日までに一応内定いたしました政府考え方でありまするが、尚これと関連いたしまして、附加えて申し上げて置きたいことは、公益企業職員に対しましては、新らしい法律ができますまでは現状通りで行くことになるわけでありまするが、従いまして労働組合法労働関係調整法及び政令二百一号を適用することになるのは、これは当然であります。これらの労働関係につきましては、先程御説明いたしましたような公共企業体労働関係法の建前に準じました法律を制定することによつて整備をいたして参りたいと、かように考えておりまして、できるだけ早い機会にこの法律を制定するように取運んで参りたいと思うのであります。尚、現業職員の中で地方公益企業職員以外の者に関する点でありますが、これは併しながら法律適用といたしましては、地方公務員法適用することになるわけであります。ただその労働法上の取扱い方につきましては、御承知のごとく国家公務員法におきましても、現業職員取扱い方について、今日の段階におきましては、これはやはり国家公務員としての取扱いがいたされておりますので、従つて地方公務員である現業職員取扱い方は、国家公務員たる現業職員取扱い方と合せて考えて行くことが必要ではないかと思つておりますので、これは国家公務員法と睨み合せまして、尚研究をして参りたい、かように考えておる次第であります。  以上極めて大要でございますが、私から一応御説明をいたした次第であります。
  7. 吉川末次郎

    理事吉川末次郎君) 御質問がございましたら、御発言を願いたいと存じます。
  8. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 小野政務次官にお尋ねいたしますが、そこで関係方面との問題点は第六の二、政治的行為制限問題と職員団体の場合とが関係方面との折衝でまだ未解決であるように承わりましたが、その経過はどういう経過と言いますか、向う様の御意見はどういうようなところでありますか。
  9. 小野哲

    説明員小野哲君) 関係方面との事務的な折衝はずつと続いて参つているんでありますが、大体においてこの程度のところで承認が得られるものではないかということを私共期待をしておる次第であります。
  10. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そうしますと、第六の服務の中の第二項の中程から末項の地方公共団体行政の公正なる運営確保ということは、これは何でございますか、地方公共団体行政の公正な運営確保ということは、地方公共団体関連する政治活動、例えば公共団体の長であるとか、議会議員であるとか、或いはこれを中心としたところの行政の公正な運営確保に必要なる政治活動は差支えない、それ以外の国家公共団体或いはそういつた方面行政の面にはタツチすることができないが、地方の場合には差支えないという解釈ができるんですか、これはどういうわけなんですか。
  11. 小野哲

    説明員小野哲君) この政治的行為制限を置きたいと思つておりますのは、地方公務員が政治的には中立的な態度をとる方が地方住民に対して公正なる奉仕ができるという考え方から出ておりますので、従つてさような政治的な中立性を持つた地方公務員によつて行われる地方公共団体行政の公正なる運営確保ができる、政治的な中立性を維持できるような地方公務員によつて地方公共団体行政の公正なる運営確保ができる、こういうことに相成るわけでありますので、これは單にその地方公共団体の政治的な問題については許されて、国家と申しますか、それ以外の政治活動には禁止される、こういうふうな意味ではないと考えておるのであります。
  12. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そうすると、この地方公共団体行政の公正なる運営確保というものの中には、例えば例の引き方が惡いかも知れませんが、私が前段に例を引きましたように、地方公共団体行政の公正な運営確保するために、自分らの地方公務員はこうした人を地方団体の長に選びたいとか、その議会議員に選びたいとか、或いは地方の長の政治的なことがいけないとか、議員がいけないとか、或いは一例から言えば、地方公共団体給料、待遇の改善上、行政上公平な運営ができないから、これを外部活動政治行動も差支えないというような解釈の生じ易い字句に思われますが、立法当時は仮にそうであつても、これが法文化して、全然こういう事情を知らない人がこれを運営する場合には、いろいろ解釈が生ずるような気がしますが、これはもう少し明確な言い方はないのですか。
  13. 小野哲

    説明員小野哲君) これは要綱でございますので、相当言葉は省略して要点だけが掲げられておるのでありますが、いずれも具体的の内要につきましては、法律案の内容として御質疑をお願いしたいと思いますので、その際十分詳細に御説明いたしたいと思いまするが、職員政党その他の政治団体の結成に関與したり、或いはその役員になつたりというようなことも、これは適当でない、又職員特定政党或いは政治団体、或いは特定内閣とか、或いは地方公共団体政府を支持したり、又はこれに反対するというふうな目的選挙その他の政治活動に従事するというふうなことも、これは政治的行為として大体認めて貰う必要があるだろう、こういうふうなこと等が考えられるのでありまして、これらに基きまして、若し職員政治的活動に従事いたすということになりますと、自然地方公共団体行政が公正に運営されるということが望み難いというところに私共の考え方があるわけであります。勿論職員がそれぞれの個人々々の立場において国民として選挙の投票その他をすることについて別に禁止しようというふうな意思ではないわけであります。
  14. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 そこで問題は、自分達職員生活改善利益の擁護、保護向上を図らんとするために、その目的自分達生活改善利益保護目的とするためでありますが、結局それが一つ政治活動的に、目的政治活動ではないのだが、手段として政治活動が起るということもいけないということなのでありますか、どうかということが一つと、そうして団体を以てそういう行動をするといかんのであつたならば、期せずして個人々々の同志が結集された場合には一つの労組といつたような組織じやなくして、別個給料改善特別委員会というものを職員が結成して、その給料改善特別委員会手段として政治活動を起すということもいかんというわけなんですか。
  15. 小野哲

    説明員小野哲君) 経済上と申しますか、給與或いは勤労時間等の問題につきましては、これは又この法律案考え方としましては、職員団体組織が認められておるわけでありまして、従いましてこの職員団体勤務時間、休養等勤務條件に関しまして、当該地方公共団体当局交渉をするという途は開かれておるわけであります。ただそれはその目的のために政治運動と申しますか、政治的な目的を以て特定内閣を支持したり、或いは又特定地方公共団体政府を支持したり、反対したりするというところまで出ることは、これはこの法律といたしましては、政治活動に該当することになりますので、これは適当でない、こういう考え方で、従つて岩木さんの仰せのように、その間に経済的な活動としての職員団体行動と、それから政治目的を持つておるものとしての職員団体活動というものとの間には、これはおのずからそこに区別があるべき筈であると思うのでありまして、従つてこの点についての根本的な基準をこの法律案の中に定めて、相互紛淆を来さないようにして参りたいと、かように考えておるわけであります。
  16. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一点お聞きしますが、どうもとぼけているので、私は頭が惡いのですが、例えば具体的に言いますれば、今後地方公務員給料国家予算へ計上しない、地方予算ではこれが又財政上困難である。或いは年末手当をどうだといつたような問題について政府に、これは特定政府を攻撃するのではない、或いは議会要請運動をする、決してこれは政治運動ではないので、生活改善目的運動であるということも、あなたは政治活動だと仰せになる解釈なのか、それは構わんというのか、その辺はどうなんですか。
  17. 小野哲

    説明員小野哲君) これは具体的の問題として考えなければならない点であろうと思うのでありまして、給與問題等について或いは国会に請願をするというふうな場合もないことはないであろうと、私は想像するのであります。要は只今申上げましたようなところで線を引張りまして、具体的の問題として判定をしなければならない場合も起つて来るのではないか、かように考えております。と同時に、職員団体なりができまして、交渉いたします場合においては、御承知のようにいわゆる地方住民使用者であり、その地方住民を代表しておる地方公共団体との間で交渉をいたすことになりますので、いわば私企業における対等の交渉ということにはならないので、地方公共団体における予算その他議会の議決を経たり、或いは従つて條例によつて決まらぬような問題もあるわけでありますから、この点についての一つ限界というものはやはり設けなければならん。これが私企業違つた点ではないかと、私は考えておるのであります。
  18. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一点、この限界を測定するのは政府が測定するというようなことなのか、この前段に書いてある人事委員会がそれを測定するのか、それは出過ぎると人事委員会がやるのか政府がやるのか、政府がやるのだつたら、折角地方職員に対する民主的な制度確保しようとするのに、中央集権的にお見付役政府が依然として握つておるということになるので、例えばくどく言うようですが、国会に或いは政府にこれらの生活改善なり、勤務状況改善要求する、要求することが政治活動だとも、生活改善要求希望運動であるとも限界の点は極めて困難があると思う。そういつた場合に測定判定政府がするのだつたら、人事委員会意味がないのではないか。そういう曖昧模糊としたことでは、暗に彈圧というようなことになつて、却てこういう方面公務員の刺戟を求めるようなことになつて、折角こういう制度でうやむやになつてしまうと思うのですが、これはどつちがいいとか惡いとかという問題は別物としまして、もう少しこの辺を明確にして、惡いなら惡い、いいならいいと、議論がはつきりすると思うのですが、こういう何だか分らないような字句でこの辺をごまかすということは、極めて紛糾を将来残すかと思われますが、この辺をもう一点伺いたい。
  19. 小野哲

    説明員小野哲君) 職員の側から申しまして、或いは勤務條件について行政措置要求しなければならん、或いは又不利益処分に対して審査要求するというふうな場合が生じましたときには、人事委員会があるところでは、人事委員会がこれを取上げる、こういうことにいたしておるのであります。と同時に、政府なり或いは国会なりに陳情或いは要求をするという段階にまで立至らざる以前において、当該地方公共団体職員としては、やはり地方公共団体との間に交渉を持ち得る機会が與えられておるわけでありますから、直ちに今岩木さんのおつしやるように、職員が個々において、或いは団体行動として国会又は政府に直接要求するという段階が直ちに生ずるものとは考えられないので、当該地方公共団体職員という立場から申しますると、その公共団体財政その他との関連において、地方議会がこれに対して予算の上においてどういうふうに措置をするか、或いは勤務條件において如何なる條例を決めることが妥当であるかということを先ず以て考えなければならん問題であろうと私は思うのでありまして、直ちには国会若しくは政府に対する要求の問題には直ぐにはならんのではないか。さような意味合において、職員当該地方公共団体との間に交渉をなし得る途を開いておるわけであります。
  20. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 関連して……。それは具体的に言えば、例えば私が具体的な例をとつてお尋ねしたいのは、地方公務員に対する国家公務員同様の給與改善であるとか、年末手当給與であるとかといつた問題に対しては、現在は地方財政は許さないということなのか、地方自治理事者もこれを政府要求しなければならんといつておる。そうして地方の自治体の公務員も一緒にやりましようということで、道は違つてもやはり地方自治体の理事者も、或いは地方自治体の議会議員も、或いは地方のこれらの公務員も、挙げて政府に或いは国会に要請するといつたような事態が現に展開されんとしておる。そういつた場合は、地方議会段階があるとか言いましても、段階は一緒に附いて上つて来ておるんだという実情は、これを認めるのかどうか。地方議会についても言えることは中央にも言えるということなのであろうと思うので、それは認める意味解釈していいのかどうかという点をお伺いしたい。
  21. 小野哲

    説明員小野哲君) 今の御質問の問題は、実はもう少し法律案が確定いたしまして、その場合に一つ御審議を願いたいと思うのでありまして、その時期まで一つ私の答弁も確定的な点につきましては保留をさせて頂きたいと思いまするが、給與改善等につきまして、只今岩木さんが御指摘になるような場合もあり得ると私は想像いたしております。
  22. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 今の答弁のようになると、聞いてもどうもはつきりしないかと思うのですが、保護立法であると言われるが、人事委員会がいろいろの権限を持つのですが、その人事委員会並びに地方議会が各種の條例を決める権限を持つておる。そうすると、交渉ができ得る範囲であつたものも面倒くさくなるというと、理事者側では條例でストツプさせるという問題が起らないだろうかという点が一つ。それから人事委員会條例を以て決めておる。それから不満であれば、その意見を取上げて裁定をするようになるわけですが、人事委員会がお手盛でいろいろのことを決めて、それで文句があれば、又人事委員会がそれを裁定するんだということであれば、初めからこれは民主的なと言いますか、止むに止まれん地方公務員の声というものが本当に人事委員会に反映されて、公正な或いは公平委員会のやるような公平な保護ができるかどうかという点が非常に不安心になつて来るわけですが、この二点についてお伺いしたい。
  23. 小野哲

    説明員小野哲君) 人事委員会ができます場合に、果して公正な措置ができるかどうかというふうな点が主な御質問だと思いますが、現今におきましても、都道府県には職員会というようなものがあるわけでありますが、今回人事委員会を作りますことは、言わば任命権者と職員とは直接の関係の外に人事委員会という公正な機関を置きまして、それぞれ人事行政に関する事項を司らしめることになるわけでありますから、従つて給與の問題であるとか、或いは勤務時間の問題等につきまして、種々問題があつた場合において、先程第一の御質問にありましたように、先ず交渉の途が開かれておる。それによつて当該地方公共団体がその交渉の結果に基きまして、或いは條例に該当する措置を講じなければならんということになりますと、地方議会にかけなければならんわけでありますが、要は地方公共団体が自治体としての自主的な運営をして行くという基本的な考え方からいたしまして、やはりこの方法によるのが最も適当であろうと考えておるのであります。同時に人事委員会が作られることによりまして、或いは職員に対する不利益処分等があつた場合において、審査要求をもこの機関において行い得るわけでありますので、少なくとも進歩的な要素を多分に織り込んだ機関としての運営が期待されるのではないか、私はかように思つておりますので、従つて勿論これは運営の問題にかかつて来ると思います。人事委員会に適切な人材を得るか否か、又人事委員会がそれらの公正な委員によつて十分に働き得るかどうかというところにかかつて来るかと思うのでありますが、少なくともこの機関を設けることによつて人事行政が公正に行い得る一歩前進になるものと、私共は考えておるわけであります。
  24. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 そういう話になるとなかなかうまいのですが、全国的に公正をそれで期し得ることができるか、各府県の人事委員会公平委員会が自由に決定をする、或いは地方議会があらゆる問題についてこの法律上で條例を以て定めるという点によつて、各種の問題を條例等によつて決めれば交渉でき得る範囲も狹まるのですし、又人事委員会に利害を訴える点についても、その途が狹まるということも懸念される理由は、この人事委員会なり、公平委員会なり、或いは政党所属の理事者がまあ勝手にというと失礼ですけれども、自由に任命するもので、それで一方において政党所属の理事者が気にくわないいろいろの問題がある場合に、例えば極端な例を挙げると首を切る、ところがその理事者と意思を通じた人事委員会なり、公平委員会のその方にそれを訴えて真に公正を期し得ることができるかという点が懸念が持たれる。それから又何を決定するにしても、全国的な給與なり或いは勤務條件というものが、條例等にのみ任せて公平を期し得ることができるか、国家公務員等における水準を期待することができるか、こういう点が心配されるのじやないかと思います。
  25. 小野哲

    説明員小野哲君) お説は誠に御尤もであつて、その今回の人事機関を設けるということは、我が国では初めての問題でありますので、従つてこの機関が我々が期待するように公正に又十分にその職責を果して貰いたいということを考えておるのでありますが、今言われたような御心配は私も御尤もだと思います。と同時に、地方自治運営についての基本的な考え方から申しますと、できるだけその自主制を高めて行くという方向に進んで参らなければなりませんがために、これ又御心配の各地方公共団体職員給與等が全国的に不均衡な結果になりはしないかというふうな点についての御懸念もおありになるであろうと思うのでありますが、まあこれらにつきましては、幸い地方自治庁もございますので、私共は地方公共団体人事行政が、この地方公務員法が成立された場合におきましては、十分に確立されますように、よい地方公務員制度運営されますように一つ協力して参りたい、と同時に、技術的な助言もすることができるようにいたしたいという考え方から、地方公務員法の中に、この種の考え方を織り込んで行きたいと、かように思つておりますので、全国多種多様な地方公共団体人事行政に関しましては、地方自治庁が中央にむける担当機関となつて、この間の調整も図り、技術的な勧告もするということによつて、或る程度御趣旨に副うような調整が可能ではないかと考えておる次第であります。
  26. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 そういう部面で自治庁が助言をし、指導するという点はいいのですが、それは一部分であつて、逆にコントロールする部面が出て来るのではないかという点も心配される、ということは、現在教育委員会が全国的にできておるが、やはりこれには教育委員会の全国的な協議機関があり、教育庁の全国的な会議がある。文部大臣以下局長が助言或いは指示的なことを言えば、それがそのまま統制的に、全国的に行われる。地方自治のうまみが出ない。或いはこの間あつたように、標準義務教育費法なんというものが出かかつて来るというと、自治庁の方では、知事会議或いは地方議会を指導するのか何するのか分らんが、一齊に反対陳情、請願をやらせる。或いは商工関係でも、各種の民主的にできた地方委員会というものも、それぞれの全国的な統一機関というものに政府がいろいろタツチし、介入をしておられる。その場合に名は指導であり、助言でありながら、どうしても大きいものには巻かれろの方で、政府考えというものが、或いは中央官庁の考えというものが強過ぎると、地方のこういうものに影響を與えるんじやないかという逆な部面も心配されるわけであります。指導も助言も必要であるが、併し自治体は自治体として、人事委員会人事委員会として自主性も持ち得るし、公正も期し得るという方法をまあ考える必要があるのじやないかということを、まあ考えるのであります。もう一つは、話は別ですが、現業、非現業ということもよく御説明にあるのですが、これは国家公務員法における枠付け同様の定義で、現業、非現業ということをお話しになつておられるのですか。
  27. 小野哲

    説明員小野哲君) 大体地方公務員関係の現業と申しますと、主として單純労務ということになるかと思います。或いは清掃関係であるとか、或いは動物園の園丁であるとか、まあそういうふうな関係職員が一応例として取上げ得るのではないかと思うのであります。国家公務員との関係もありますので、先程申しましたように、現業職員労働関係扱い方については、大体国家公務員と睨み合せをして考えて行くことが穏当ではないかと、かように考えておるわけであります。と同時に、今回準備しております地方公務員法案におきましては、その適用の対象となるべきものが、いわゆる一般職、言換えれば一種の行政職と申しまするか、そういうふうなものを対象と一応考え得るわけでありますので、従つて特別職というものを或る程度限定的にこれを列挙的に決めませんというと、その適用範囲がぼやけて来るわけであります。さような意味合において特別職法律に明定をいたすと同時に、現業職員については、身分は地方公務員である、国家公務員たる現業職員とこれは同じような考え方を以て取扱つて行くことがよいのではないかと、こういうふうに考えておる次第であります。    〔理事吉川末次郎君退席、委員長着席〕
  28. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 單的にお伺いしますが、しよつちゆう問題になるのは、その定義の範囲においても、どうも不確かなのは地方公務員である教職員なんですね、これについてはどういう理由で非現業であるのか、この際御説明を承つて置きたいと思います。
  29. 小野哲

    説明員小野哲君) 私共の考えとしましては、教職員現業職員とは考えておらないのでありまして、公益事業に従事しておる職員は、これはまあ別といたしまして、少くとも教職員はやはり一般的に教育行政部門に携つておると、こういう解釈をしておりますがために、現業職員の中には入れておらないのであります。恐らく教育行政を担当しておられる文部当局においても同様の考え方ではないかと思つております。
  30. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 これは歴代内閣の中で改めて新らしい解釈を聞いたんですが、教職員は教育行政部門の担当者であるということは、いつ決まつた解釈ですか。
  31. 小野哲

    説明員小野哲君) 行政部門の担当者ということは、少し言葉尻をおとりになつたように思うのでありますが、少くとも教育行政関係にある職員でありまして、私の言わんとするところは、いわゆる労務に従事する單純労務、現業に従事しておる者と違うと、こういう意味でありまして、清掃の関係に従事しておる者と教職員とを同列には考えるわけには行かないと、こういう意味でありますので、一つ誤解のないように願いたいと思います。
  32. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 それは何か職業について身分的なというか、或いは筋肉労働、精神労働、いろいろ考えると、どうもあり来りの解釈のように考えられるので、例えば交通の方で運転手、車掌、これも確かに交通行政の部門を担当する職員であるが、併しこれは現業なんです。清掃をやる者は衞生行政の部門を担当する一員ではあるが、教員も確かに言われた通りなんですが、教員が時の政府なり、或いは地方公共団体のいわゆる政党政治と言いますか、そういう政治に対して中立を保持する公益事業なんであります。その職員が何か非現業であるということになると、真にその行政担当者の命令その他の支配を受けて、そうして自由なる教育に対して……教育者自身の持つ自由な教育というそれが、逆に行政的な部面で支配される結果になるんじやないか、そういうふうな考え方に立てば、そう思うのですが、ぴたつとこれは非現業であつて、明らかに現業ではないとおつしやるのですか、それとも現業ではないこともはつきりしておる。併し一般の官庁における地方公務員とそのまま同じものだというふうには考えないという点なのですか、もう一度はつきりその点をお伺いして置きたい。
  33. 小野哲

    説明員小野哲君) 現業、非現業の問題でありますが、これはこういうふうな考え方ができるのじやないかと思うのでありまして、先ず現業職員地方公務員たる身分を持つておるということには間違いはないわけであります。而もその給與等の支出が一般会計から出ておる、こういうことも御了承が願えると思うのでありますが、併しながら一面公益企業のごときものは、その企業の性質から申しまして、会計整理が特別会計になつておる、或いは独立採算制をとつておるというところに、一つの線が画されるものと考えるのであります。これと比較して教職員はどうかと申しますると、やはり一般的な予算によつて支出されておるものであり、又教育公務員の特例に関しては一つ法律がありますが、それ以外の点につきましては、やはり一般地方公務員としての身分を持つておるものと、これについては疑いはないと思うのであります。先程申しましたような観点から言いますと、教職員を以て公益事業に従事しておる職員考えることは妥当でない、こう考えますので、従つてやはり教職員というものは、又私共が予想しておるような、いわゆる單純労務に服しておるような職員ともこれを考えるわけに行かない、その公共団体の会計制度との関係、その企業自体の性質或いはその職員の何と申しますか、取扱つておる仕事そのものの比較検討というふうな点から申しますと、どうしても教職員を以て現業の職員である、或いは公益事業の職員であるということにはなるまいと、私共は考えておるわけであります。
  34. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 くどいようですが、もう一度……。義務教育費半額国庫負担法が実施されてから、地方の教職員は待遇官吏というものであつて地方の官吏そのものではなかつた。それが官吏となつたのは、終戰後教職員の待遇が格段に一般官吏と懸隔があつたために、これを救済しなくちやならんという立場から官吏になつたわけであります。そういう歴史的な経緯から言つても、單に一般官吏そのものと同然であるという考え方を以て従来やつて来たものではなかつた考えられる。而も御承知でありましようが、二千九百円ベースの改訂の場合には、閣議決定を以て教職員は現業であるとして、十七割という線で給與を支給するという決定になつて、いわゆる非現業十六割、現業十七割、こういうことで給與がなされて今日に来ておる。そういう経緯があつて、而も労働基準法適用も受けて教育事業場として、就業規則その他の監督を受け、保護を受けておるものが、突然にこの一般地方公務員同様であると措置せられるということについては、もう少し説明をお伺いしたいと私は考えるのであります。どうしてこういうふうに変つて来たかということをお伺いしたいのであります。
  35. 小野哲

    説明員小野哲君) ここに私が説明いたしました現業職員というのは、くどいようでありますけれども、清掃人夫であるとか、そういうものを予定しての現業職員でありますので、従つて職員がそれでない限りは、やはり一般地方公務員としての身分取扱いをすることが妥当である。こういう考え方から地方公務員法案が立案されておるのでありまして、この点につきましては、文部省とも十分に協議をした結果と私も考えております。尚又更に詳細の点につきましては、文部当局と十分に意見の打合せをいたしまして、将来近くこの法律案の御審議に当る場合に事務当局等からも説明をさせたいと思いますが、少くとも私の考え方は如上申上げるような次第でありますので、御了承を願つて置きたいと思います。
  36. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 では最後に、今非常に面白い論理を聞いたのですが、清掃人夫その他を現業としたのであつて、現業の範囲はこれだけだと決めたのだから、それに当嵌らないものはみんな非現業だと、こう言う。それだけの理窟だというように御説明をお伺いしましたが、それならそれでもいいわけです。
  37. 小野哲

    説明員小野哲君) 現業、非現業というまあ抽象論と申しますか、公益事業の場合におきましても、やはり現業ということは考え得るわけであります。併し公益事業の方は地方財政法によつて定められた範囲に限定して、一応只今申上げましたような特別会計、独立採算制というような企業経営の特殊性に鑑みて、別個取扱いをするという考え方であります。一般地方公務員たる身分においては変りはないが、併しその従事している仕事の性質から考えまして、これを分けて行くというのが、この法案を立案するに当つて考え方であります。その点は御了承が願えるかと思うのでありますが、その場合に教職員との関係においては、私は少くともこの法律案を立案するに際して考えている公益事業以外の現業職員には該当しないという考え方を私は持つているわけであります。
  38. 相馬助治

    ○相馬助治君 途中からで、同僚の小笠原委員とダブることがあるかも知れませんが、はつきりこの点を聞いて置きたいと思いますことは、先に両院を通過して国家公務員法ができましたその当時の討論過程の中に、明らかにこういうことを人事院の総裁が言つているのです。というのは、教職員というのは財政がどこで賄われるかという点、それから一般公務員職階制というものを等しくしないという点、それから任免監督の権というものが人事院にあらずして、特別な法規によつてできている教育委員会というものによつて万事が行われている、こういう特殊性に立つて、教職員に対しては当然地方公務員法というようなものが将来問題になつたときには、別な枠でこれを考えなければなるまい、こういうことが言われております。これは後の委員会においてその速記を見て重ねて聞くつもりですが、確にそう言われております。今小笠原委員からも衝かれたように、清掃人夫というようなものを現業員と決めた場合に、教職員が清掃人夫でないことは明らかでありますが、種別が男と女しかない場合には、これは男でないと、こういうように論理的に説明すれば、これは女だということになるが、それとこれとは大分違うと思う。このことについては次官と相当意見のやりとりがあつたと思うので、この際はつきり聞いて置きたいことは、只今小野政務次官文部省ともよく研究して云々と申しておりますが、政府提案の今度の地方公務員法であると我々は了承するのに、今から文部省と相談するということは甚だ以て受取れない。従つて今までどういう折衝をなされて来たか、そうして文部省の意見は如何なものであるか、それは文部省の意見だから、私の知つたことではないということでなしに、文部省としてはこういう意見であつた、併し我々の方はこうだという、そういう意見がぞうであつたかという対文部省との交渉過程について、この際篤と承つて置きたい。第二は、人事院とこういう点について交渉を持たれたか、持れないか、持たれたとしたならば、どういう交渉過程があつたか、この二点について次官にお尋ねいたします。
  39. 小野哲

    説明員小野哲君) 只今お話のように、勿論政府提案の法律案でありますので、政府としては一致の意見を持つて出すわけでありますから、この間には何らの相違のあるべき筈はないのであります。私が文部当局と打合せ云々と申しましたのは、今から打合せをする意味ではない。すでにこれはやつておる筈でありまして、私は一々事務当局の会合に出ておりませんから、詳細のことは事務当局から経過については答弁いたさせます。御了承願いたいと思います。従いまして、この只今の問題につきましても、勿論政府としての見解として申述べることになるわけでありますから、いずれ法律案の御審議に当りましては、十分にこの点については説明をいたす考えでございます。それから人事院との関係でありますが、これは地方公務員につきましては、地方自治庁が主管といたすことに人事院ともすでに前々から話ができておりますし、さような考え方地方自治庁が主体となつてこの法律案に当つておるわけでありますが、同時に人事院、言換えれば国家公務員を担当しておる機関といたしまして、十分に連絡をとりながら進めて参つておるということを申上げて置きたいと思います。
  40. 相馬助治

    ○相馬助治君 そうすると、現在の段階においては文部省とも意見を等しうして、いわば小野政務次官が述べられておることは、政府の責任において、即ち内容的には文部省の意見をもそれと同じであるという前提に立つて申されておると、かよう了解してよろしいのですか。
  41. 小野哲

    説明員小野哲君) その経過等につきましては、いずれも関係者から御答弁をいたさせまするが、少くとも私の今日までの知る範囲におきましては、文部省もさような考えである、かように聞いておりますので、私から御説明申上げたわけであります。
  42. 相馬助治

    ○相馬助治君 第二点の人事院との問題は、人事院をつんぼ棧敷に置いて、この地方公務員法というのが作られたと一説に言われておりまするが、さようのことはないと、これ又政府の責任において次官は言い切れるのですか。
  43. 小野哲

    説明員小野哲君) 決して私は人事院の淺井総裁をつんぼ棧敷には置いておりませんので、私自身も淺井総裁と懇談しながら今日まで参つておるのであります。
  44. 相馬助治

    ○相馬助治君 これは逆に聞いて来るというとはつきりするのですが、一言だけ……私は緑風会が迭つておる、いわゆる最も超党派的な公正な立場に立ち、又立ち得る立場に立つておる小野政務次官の良心に一つお尋ねしたいと思う。これは答えられないと言えばそれでも止むを得ません。第一の問題は、先の第八国会において教職員だけの政治活動制限するという極めて常識を以てしては考えられない、基本法に手を付けず、そこだけピツク・アツプして何か膏薬を貼るような、そういう常識を以てしては考えられない立法措置を自由党の政調会が中心になつて行わんとして、これが輿論並びに関係方面の反対にあつて成立しなかつた経緯というものは、次官御承知の通りです。そういうふうな意味から、どうしても教職員というものを現在の置かれている立場から政治的活動を奪うために、こういうふうなあとで付けた理窟、これは現業でないとか、何とかいうようなことが理窟付けられた、かように了解しなければならないような節もあるのですが、それは私の誤解ですか。
  45. 小野哲

    説明員小野哲君) 私が緑風会の所属であるからという御質問でありますが、私は少くともこの地方公務員なり、或いは地方自治の仕事を担当する限りは公正な立場で物事を判断して参りたいと思つておるわけであります。従つて今回の地方公務員法を立案する場合におきましても、さような考え方からこの衝に当つておるわけでありますので、特に地方職員の問題を解決するためにという意図ではなくして、一般の地方公務員制度を確立して行くことが妥当である、こういう見地から考えておるわけでありますので、この点は御了承願いたいと思います。
  46. 相馬助治

    ○相馬助治君 了承したわけではありませんが、質問を終ります。
  47. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。
  48. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 質問はまだまだ沢山あるわけですが、本日はこれを以て打切る、こういうことです。
  49. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 大体要綱説明ですから、本法案が提出されたのではございませんから、本日はこの程度で散会いたします。    午後四時十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            吉川末次郎君    委員            石村 幸作君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            西郷吉之助君            鈴木 直人君            岩木 哲夫君   説明員    地方行政政務次    官       小野  哲君