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1950-10-25 第8回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月二十五日(水曜日)    午前十一時五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方財政緊急対策に関する件) ○派遣議員報告   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより地方行政委員会開会いたします。  今日は地方行政改革に関する調査の一環といたしまして地方財政緊急対策に関する件につきまして御審議をお願いいたします。過般右問題につきまして小委員会を作りまして、互選によりまして西郷委員が小委員長になられたのであります。その小委員会の経過並びに結果につきまして、西郷委員長より御報告を願いたいと思います。
  3. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 地方財政緊急対策に関する小委員会におきましては、去る二十日並びに二十四日午前、午後に亘りまして審議いたしまして、現在のお手許に差上げてございますようか要望事項の条文を決定いたしました。尚この小委員会が設けられます際には、決議をするということであつたのでありまするが、その点は小委員会におきまして、事務当局のほうから過去におきまして、議会休会中他の常任委員会において決議というふうなことを取扱いました際に関係方面からの注意もあつたようなことでございましたので、決議という文句を要望ということに改めました。お手許に差上げてございまするが、一応この要望事項を読み上げます。政府はさきに新地方税法地方財政平衡交付金昭和二十五年度における災害復旧事業費国庫負担の特例に関する法律等国会に提案し、本年度よりこれが実施を見、着々地方自治確立を図りつつあると言うが、昭和二十五年度補正予算措置及び昭和二十六年度地方財源措置については、右法律の本旨に反し、地方財政実情を顧みない態度のうかがわれることは誠に遺憾である。  地方公共団体は節約の余地ある限り支出を緊縮し、可能な範囲においてその増加経費財源を捻出するに努むべきは言うまでもない。併し地方財政の現状においては昭和二十五年度平衡交付金額決定後、法令の制定改正による財政需要増加地方公務員給與ベース引上、年末手当支給、大災害に件う復旧費地方税減免に対する補填費等地方負担増加その他当初予定されない緊急財政需要をすべて支弁し得るだけの余裕がないことは明らかである。政府はすべからくこれら緊急財政需要に対して、右法律趣旨に沿い速かに地方財政平衡交付金国庫補助金起債、融資の増額その他適当の財政措置を講じ、以て地方自治確立を期すべきである。右要望する。以上の案文を昨日の小委員会におきまして決定いたした次第でございます。本日は地方行政委員会におきましてこの案文を御検討下さいまして皆様の御賛同を得たいと思うのであります。向且つこれの取扱い方法その他につきましては、委員長から本委員会の各委員にお諮りをお願いしたいと思います。  簡單でございまするが、小委員会の御報告といたします。
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 右の小委員長のご報告につきまして御質問を願い、又この要望事項案につきまして御意見を承わりたいと存じます。
  5. 鈴木直人

    鈴木直人君 この要望事項内容については賛成でありますが、要望事項というものは、これは今後どういうふうに取扱うかということは後の問題になると思うのですが、委員会として決議に付するというか、採決をして、そして他方行政委員会意思かくのごとき意思であつたということを政府に何らか要求を提出するという、こういう内容のものですか。
  6. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 只今鈴木委員から御質問がございましたが、ちよつと言い足りなかつたかと存じまするが、この要望事項を、ここに案文決定しておりまするが、本委員会においで御決定を願いました後は、いわゆるこれをオフィシャル・レターと言いますか……でありますので、これを官房長官なり適当な人を通じて書面で以て内閣に送付いたすわけであります。ただ單に口で言うだけでなく、説明を加えた上に、更にこれを書面政府に提出するわけであります。
  7. 石村幸作

    石村幸作君 この案文頗る結構だと思つておりますが、先に地方自治庁からの案が数字等で出ておりましたのですが、まあ皆さん非常にあの数字等に対しては御理解があつたようでありますが、この要望書では、具体的に数字等は示して要望しない方がよかつたというわけですね。
  8. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の件でございまするが、小委員会におきまして、各事項別項目を挙げるだけでなく、今のお話通り大体の数字も出ておるから、それをやはり案文に加えようかという議論もござましたのですが、数字を挙げますとなると、より以上詳しく検討を加えて行かないといけないと思いますので、むしろこの要望事項としては、数字は挙げませんで、ただ各項目を挙げまして要望した方がベターであるというようなことになりまして数字をここに掲げないことにいたしたのであります。
  9. 石村幸作

    石村幸作君 小委員長の今の御説明で十分納得できますが、先ほど小委員長お話で、官房長官を通じてこれを内閣に提出する場合に文書を付けると言われましたが、この外の文書ですか。
  10. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 いいえ、外のものでなく、案文でございますので、これを一応きめましたが、本日委員会にかけまして皆さんの御賛同を得ましたならば、この書面向うに出すわけでございます。これ以外には何も附加えません。
  11. 石村幸作

    石村幸作君 わかりました。
  12. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 尚この際御報告申上げて置きますが、お手許に廻しましたように、十月十七日附で全国町村議会議長会長斎藤邦雄君から、「補正予算平衡交付金増額措置要望の件」というものが出ております。   政府は今次二十五年度補正予算において、当初額一千五千億円の平衡交付金に対する補正措置として、單に義務教育費九億円を増額しただけであつて左記のごとき当然不可欠の費目については全然増額措置されていないことは、地方町村財政事情を全然無視するものにして、われらの断じて黙視し得ざる処である。   仍つさ政府は、この際、左記理由を十分諒承せられ、本年度補正予算において、少くとも、(一)短期債利子。(二)給與ース引上及び年末手当、(三)地方税法成立遅延による財源欠陥補填を含む二十億円以上はぜひとも平衡交付金として増額措置を講ぜられたく、ここに全国町村会議員の要請により、その議員を代表し、これが実現方法を強く要望するものである。  「記」のほうは省略いたします。又全国町村会長白鳥義三郎君から、「昭和二十六年度地方予算における平衡交付金増額要望の件」というのが出ております。   今般、本会においては、地方町村要望に基き、重ねて別紙要望書を提出いたします。   政府及び国会におかれては、本趣旨実現するよう御配慮煩わしたく、この段、お願い致します。   尚本件については地方町村へ連絡の都合もあり、文書による回答をお願いいたします。その内容は、   昭和二十六年度地方予算における平衡交付金増額に関する要望   政府は、昭和二十六年度予算案において、われらの数次の要望にも拘わらず、單に一千八十五億円の平衡交付金を計上しているに過ぎない。   然るに、二十六年度地方予算は、予定されている税收一千九百八億円の確保が極めて困難であるのみならず、他方歳出において、官吏の給與ベース引上げに伴う地方公務員給與ベース引上げに要する増一三七億円、厚生施設費補助その他国の施策に伴う地方負担の増一一八億円、小学校児童数人口等増加に伴う地方歳出自然増二五億円、計三一六億円に達し、また臨時費において、公共事業費及び失業応急事業費に伴う地方負担の増は二五五億円に達し、合計五一七億円の増となるのである。   従で二十六年度地方予算においては、平衡交付金は本年度に比し、少くとも、三一六億円を増加して一、三六六億円程度を必要とし、この程度増額措置が講ぜられなければ、来年度地方団体財政運営は再び危機に陥る実情にある。   仍つで、政府及び国会においては、右実情を十分賢察せられ、二十六平他方予算においては、前記平衡交付金増額措置を講ぜられたく、ここに地方町村の熱列なる要望により、これを要望するものである。こういうものが出ております。又兵庫県の町村会長から、「補正予算において平衡交付金増額するようお願い」というのが出てりおります。それから北信町会会長から、決議を送つて来ております。   国に於ては国家公務員に対する給與引上と年末手当支給決定せられたが地方公務員に対しても同様の給與をするための財源措置を計られたくという要望であります。それから同じく北信町会会長から、「平衡交付金増額について決議」というのが出ております。それから地方財政確立協譲会、これは神奈川県の県及び全市町村から要望書が出ております。これは同様の趣旨であります。  以上御報告申上げて置きます。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この案文決定になれば、宛は総理大臣になつて文書の提出をするというのでありますから、文書の体裁から言えば、要望事項要望書という形式になるほうがよいのではないかと考えますし、次に小委員長にお伺いしたいのですが、前例によつて委員会決議をつきつけるということは、関係方面お話があつてまずいということでありましたが、要望するという段取りの前提には、どうしても委員会決定を見て要望するということになるんじやないかと思うのでありまして、強くこの要望をするならば、文章表現上、若しも満場一致の議を経ることができるならば、右要望する。という所は、地方行政委員会委員満場一致による意思として要望するのだというような意味合い表現を用いたならばどうであろうかということを考えまして、決議によつて要望するということが、私有効なのじやないかというふうに考えるのであります。この点をお伺いしたい。  それから次には委員長にお伺いしたらいいかと思われるものですが、これは我々他方行政委員の職責にある者として、こうなければならんという決議をするわけでありまするが、一般に委員会決議は、その委員あとには各会派があつて会派意思も又ここに結集せられて賛否が決定するという仕組で運営されておるように思うのですが、この要望をするに当つてその背後にある各会派がこの実現について努力するという方向にあつて満場一致決定をするのだということになるという推定の下に我々この要望書を判断していいのかどうかということであります。と申しますのは、合後この実現方については、臨時国会等においても論議の中心になるであろうという場合に、歩調が乱れるというようなことになつては、これは本委員会が本日強力な決議を挙げたということと矛盾する点が出て来るのでは、我々国会議員としての行動としては如何かと思われるのでありましてこういう点についてお尋ねして置きたいと思うのであります。
  14. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 只今小笠原委員からお尋ねがございましたが、大体におきまして私自体といたしましても、この要望事項、又要望するということでなくて、お話のごとく決議文にいたしまして出したかつたのでありますか、先ほどちよつと申上げましたように、国会法とかその他の規則にそういうことをしてはいかんということは別段掲げてあるわけではないようでありますが、過去において四輪委員会でありましたか、やはり閉会中の委員会におきまして我々が同様な意味決議文を作ろうとした際に、関係方面から委員会決議するということは少し越権ではないかというようなことが言つて来られて、ためにそのときも決議文ということはやめまして要望と改めた、こういうふうな一つ具体例があつたわけであります。又我々が考えるのに、そういう事態には、恐らく常任委員会におきましては、小笠原君の今言われる通りに、各派の中から二三名出ております。いわゆる代表しているというようなかつこうになつておりまするが、やはり国会開会中で決議文という場合には、御承知のごとく委員会なり特別委員会なりで案文決定しまして、やはり各会派の承認を得且つ本会議におきまして説明して院内の同意全会一致なりの同意を得てその上で決議文決定するわけでありますが、今日は閉会中で本会議に上程するということもなく、そういうような点から考えまして委員会におきまして満場一致でやつても、果して本会議満場一致というふうになるとは限らず、或いは同じ会派の中でも棄権したり反対する者がないとも限りませんので、そういうふうなことを我々が考えましたときに、一応向うの言われるのも尤もじやないかというふうにとれましたので、今高小委員会におきまして決議の字句を使わずに要望に改めまして、やはり決議ということでなく要望というと、何か少し弱いような私も気がするのでありますが、そういうふうな注意があつたということで、まあそれでも尚且つやるのもどうかと思いまして、要望に改めたのであります。この点につきましては、岡本地方行政委員長が私以上に内容も御存じかと思いますから、足りない点は一つ岡本地方行政委員長から補足をお願いしたいと思います。
  15. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の申上げておるのは、決議文という形式を以てすることもうまくないという点は了解するところであつて、そういう話ではないので、私の申し上げるのは、決議文という形式を用いることができないにしても、要望する場合に、行政委員会がどういう手続をとつてこういうことを決して要望するのかということを、この本文上に明らかに記載する方がよいのではないかということなりのであります。それは決議となりますか、決定となりますか、議を経るということになりますか知らんのでありますが、少くともこの地方行政委員会の各委員意思が一致してこのことを要望するのであるという形式表現して頂きたい、この点はどうであろうかというのであります。と申しますのは、要望するというのは、委員長が考えて要望したのであるか、二三の者が話合つて單要望するのであるかはつきりしない点があるのでありまして、少くとも出す場合は、地方行政委員会代表者である委員長名を以て出すのでありませうが、その委員長はこういう経緯によつてこの議を決して要望するのである、こういう形式表現して頂くことはどうであろうか、こういう意味合いのことを、申上げておるのであります。
  16. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今重ねて小笠原委員からお尋ねでございましたが、ここに要望する、どこどこが……例えば地方行政委員会全員要望するという言葉がないために今のお尋ねがあつたと思いますが、ここには御覽の通りにそういうものは肩書が何も書いてございませんが、実際にいたします場合には、今お述べになつた日付のあと地方行政委員長岡本某その他全員の名を連ねる、そういうようないろいろな方式があるかと思いますが、勿論今の御趣旨の点は、これを整備いたします際に委員からもかくかくの次第でこの要望事項決定したのである。その際は勿論各会派を代表しておる委員全員強き要望事項であつて、これは全会一致で可決したものであるというふうな説明はあらゆる場合にあると思いますが、ただこれを小委員会で作りました文面の中には、御覽の通りそういう点が入つておりませんが、今申上げましたように提出する際にはいろいろ名前を出しますでせうし、そういう点で御趣旨の点は向うに通ずると思います。尚委員長からいろいろお話があると思いますが……。
  17. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 了解しました。
  18. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 小笠原君の御意見御尤もと思うのでありますが、この要望事項とあるのを要望書と改めてはどうかということが一つの御修正の意見のようであります。又右要望する。と、こうあります所を、右本委員会全会一致決議により要望する。と、こういうふうに改めたほうがいいんじやないかという御意見のように思うのでありますが、私もそのほうがいいというふうに思うのですが、外の御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  19. 鈴木直人

    鈴木直人君 この要望事項ということを委員会決定しな例というのは余り私記憶しておらないのです。まだはつきりした意見は言えないのですが、先ほど委員長からも全国町村長会長ですか、その他いろいろな方面からも国会に対する要望であると思うが、そういう陳情的なものを附加えて御報告がありましたが、これはきつと御参考のために報告されなのだろうと思うのですが、この要望書請願なり、陳情なりというものの見方に立つて、非常にそれに好意を持ちつつ決定されたというようなものではなくして、曾て委員会において、地方自治庁も同一意見でありましたが、全国知事代表或いは町村長代表、或いは市長代表等において三百九十何人程度措置が、齟齬を来たすから、こうこういうような措置が必要であるというような陳情請願がありまして、岡野国務大臣もそれを是認されておつたのでありましたが、一方大蔵省の方におきましては、必ずしもそれに賛意を表し難いような、いわゆる見解を表明しておつたわけであります。それは相当地方財政にはまだゆとりがある。従つて平衡交付金増額するとか、起債を大幅に上げるとか、或いは国庫補助金を多くするとか、そういう点についてはまあむしろ考えていないという、又考える必要もないというような大蔵省方面見解を承わつたのであつて、我々地方行政委員会はその間に処して裁判官のごとき立場に立つで、そうして事の事実を究明しで、そうしてどうしなければならないかということを、独自の見解からこれを決定しようということで、地方財政緊急対策に関する小委員会というものができた。こう了解しておるわけです。その結果としていろいろの見解がある、或いは地方団体側のいろいろの考え方もある。併し又大蔵省方面考え方もよく研究をして見られたと思うのです。そうしてその結果、厳正公平な立場に立つて初めてかくのごとき要望事項というものが結論としてまあ決定されて、こういうふうになつたんだろうとまあ考えられるのでありますが、ただこの要望事項審議過程において、更に町村長或いは町村会議長方面の御説明もありましたが、往々にして地方行政委員会は、單に地方自治体陳情委員会であるがごとき見解を或は持つ向もあるかも知れないと思うのです。これはまあ当然のことだろうと思うのですが、例えば通産委員会通産行政をやつておるものだから、通産的な考え方がよく理解されて、そうして国家全体的な立場から考えるよりも、むしろ通産重点主義思想傾向になりがちでありまするし、或いは又農林委員会も同じように農林国家という考え方なんかを持つて、国全体のことよりも農林のことに理解が多いと、こういう点から、それぞれの委員会はそれぞれの各省の行政理解を深く持つているという観点から、そういう傾向を持つことは当然であると思うのでありますが、従つて地方行政委員会も又地方自治体の最もいい理解者であるがために、往々にして国全体というものと地方団体というものと二つ取上げた場合には、地方団体に味方をするというような考え方も、これは当然起ることは考えられるけれども、併しながら我々はこの地方財政緊急対策に対するところの結論は、決して地方団体的な、それに従属した見方によつて政府陳情するとか、要望するとかいう内容のものではなくして、これは国全体の予算或は地方団体財政等と検討された結果、かくのごときことを政府としては講ずべきであるという非常な確信の下にこれは決定されたものなんだろうと思う。そうしますというと、どうしてもこれは政府に対して勧告といいますか、いわゆるかくすべきであるという、国会における地方行政委員会としての権威において決定されることでありまするから、これは單に我々委員会政府陳情するんだ、要望するんだというような、何だか請願陳情的な内容を持つているように誤解されないようにこれはすべきものであろう、こう私は考えます。それで、その要望事項というこの要望という言葉が、そうして最後に要望するというような言葉があるものですから、私は曾ての国会においてこういう決定余り経験がないものだから、何だか請願陳情のようなふうにちよつと考えたのであつて、むしろこれは地方行政委員会において、かく政府はなすべきであるという委員会としての大体結論がここに到達したものであるという内容のものであろう、従つて結論要望書ということになるんでしようけれども、もつと地方財政緊急対策に対する地方行政委員会決定というような意味内容のものであると思うのですが、そのことを一つそのようなものであるかどうかをお示し頂いて、そうしてどういうような措置をするかということをお伺いしたい。
  20. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 私からお答えいたします。西郷委員長から御説明もありましたのでありますが、尚鈴木君から御意見が出ましたからお答をいたしますが、実は当初この小委員会が発足しまして、皆さん方の御意見では決議をこの委員会でいたしまして、そうしてこの決議の実行を政府にやらせようと、こういうふうなつもりで、そういう決議文を作るために小委員会ができたのであります。併し事務当局と相談いたしまして、こういう決議という前例があるかどうか、そういう調べをしましたところが、事務当局が一日調査をしてくれまして、曾で第三国会において、文部委員会において決議をしたことがあります。それを内閣に通達したところが、関係筋より、それはやり過ぎである、権限を逸脱しておる、委員会で本会議と高じような決議をして置いて頂きたい、こういうこともあつたのであります。そこで小委員会におきまして、西郷委員長お話通り、それではそういうことにしようというのでその例に倣つて要望事項、こういうことにいたしたいのであります。その点御了承願いたいと思うのであります。それでなぜそういうことを関係筋で申したかと申しますれば、それはやはり国会全体の意思じやない、まだ地方行政委員会だけの意思なんである。それを国会全体の意思と同じような形式政府につきつけるということはいけない、こういう趣旨なのであります。この点は小笠原委員の御発言にも関係があるのでありまして、我々緑風会にいたしましても全員意思を聞いておりません。又閉会中ですから全員意思を聞けないのであります。そういうような関係がありますから、やはり地方行政委員会に出ておる地方行政委員意思なんでありますから、私は小委員会におきまして事務局見解も尤もだ、こういうふうに思つたのであります。そこで要望事項に止めたのであります。それで先ほど小笠原委員からのこれに対する御意見が出、又西郷委員長からお答えがありましたが、私はこういうふうに考えておるのであります。まあ結論から申上げて皆さんの御批判に待つわけですが、この要望事項はこのままにして置きまして西郷委員長の言われましたように、こういう書面を附けたい。それは、   参議院地方行政委員会は、地方財政緊急対策につき別紙通り政府に対する要素事項全会一致を以て議決しましたから右議決趣旨実現方につき特段の御考慮を煩わしたい。   参議院地方行政委員長       岡本愛祐   内閣総理大臣 吉田茂殿  こういたしまして、そうしてこれを官房長官のところに持つて行つて、そうして説明をし、書面を手渡しまして、そうして特段考慮を煩わす、こういうふうにいたしたい、こういうふうに思つております。
  21. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 趣旨はよくわかつたのですが、さつきから小委員長或いは委員長の話では、官房長官のところへ持つて行つて説明するということですが、さつき鈴木委員の御発言などの趣旨から考えますならば、総理大臣宛になつておる文書で、而もこの国会意思機関である地方行政委員会意思を持つて行くのであるから、総理大臣にお会いして云々ということがあつてもよさそうなふうに考えるのですが、会おうということは一言もないのですが、どういうことなんですか、この点は。
  22. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) お答いたしますが、総理大臣に持つて行つてもいいと思います。いいと思いますが、先ず番頭役である官房長官に持つて行つてよく説明して、これは大蔵大臣にも言つて貰わなければなりませんし、そのほうが徹底する、こういうふうに思つた次第であります。
  23. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それから委員長ちよつと今委員会派との関係に触れられましたが、さつき質問した点について、委員長見解を明らかにして頂きたい。
  24. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) お答えいたしますが、私共こういう議決に賛成をして議決をいたしました以上は、全会員に呼びかけまして、緑風会はこの方向に勿論引張つて行くつもりであります。併し全員今賛成するかということはお引受けできませんが……。
  25. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 先ほど鈴木委員からいろいろ過当な御発言がありまして私も同感でありますが、この点について私から申上げて置きたいのは、いろいろ通産の例などにつきまして地方行政委員会でもこういうものを作る際に、地方行政委員会的になり易い傾向があつではいけない、こういうふうなお話で、私もその点御尤もだと思いまして、小委員会におきましてもこの点各委員から御議論があつたのであります。従つて大蔵省あたりは五百億の冗費がある、余裕があるのだ、国のほうの国家公務員の年末手当その他の財源はそういうふうな予算内の節約によつて捻出するのだ、であるから地方団体も又冗費を節約して、みずからの財源の中から捻出したらいいじやないかという議論もあつた。この間主計局長等からも当委員会におきましてこの要望事項を作る際にも、やはり地方公共団体においてもそういうものがあるならば勿論冗費を節約しなければいけない。岡本委員からも小委員会においてもこういう案を作る際に身贔負な、いわゆる身贔負的なことがあつてはならない。やはり公正な立場でやる必要があるという点が強調せられまして、皆さんの御意見もそうなりまして、この真中にあります「地方公共団体は節約の余地ある限り支出を緊縮し、可能な範囲において、その増加経費の、財源を捻出するに努むべきではいうまでもない。」こういう文句を特にここに挿入したわけであります。この点は各委員からもこういうような点がいろいろ御議論になりまして、特にこの点を差加えたわけでありますから、この点も併せて申添えて御了承を頂きたいと思います。
  26. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  27. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて。
  28. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は賛成です。そういう要望書を、そういう例えば委員長が読み上げられたものを一つ添附されて、そうして要望事項決定をするという点についで賛成です。
  29. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御異議ないものと認めてよろしゆうございますか。
  30. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この内容の点ですが、私昨日の小委員会を傍聽して、具体的に事項を掲けるという点でいろいろ手続事項を掲げられたのですが、その場合に災害援助復旧費というふうな公共事業費的なものの増加というふうなものも一つの事項に入つているように錯覚を越して実はいいことだと考えておつたのですが、よくよく見たらそのことに伴う地方税の減免についての平衡交付量等における負担を見ると、こういう点だけに限定された事項になつているので、そうであればやはり私地方側の肩を持つという意味だけでなくて、公共事業一般の膨脹そのものによつて地方財政が不安になつて来ているということは、公務員給與ベース、或いは年末手当等の以前からの問題があり、現在も尚それで困つているという点があるので、この点は何んですか、政府の計画にかかわる公共事業の実施等にもよつて、私非常に財政需要が大きくなつているという点を一つ指摘して、事項に挿入れて頂きたいという意見を持つているのであります。
  31. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の小笠原委員の御議論でございますが、いろいろ各項目別に挙げてあるわけであります。いろんな点がございまするが、それは今のお話のこと等とも……、例えば法令の制定、改正による財政需要増加という項目が挙げてございますが、そういうふうなこの文句はいろいろの場合を、公共事業費というお話がありましたが、こういうふうないろいろの予算決定後、法令の改正とか制定とかその他によりましていろいろ増減がございまするので、そういうふうなすべてのものをここに広い意味において組んでいるわけであります。又災害の点につきましては、小委員会におきましても、昨日相馬委員、民主党の岩木委員が見えまして、そういう点も強調されました結果、最初はもう少し簡單に書いてあつた大災害の文句を、大災害に伴う復旧費地方税減免に対する補填費等、地方負担増加、そういうふうな各項目別に分けて入れまして、自由党の高橋委員からもその他の御要望もございましたが、これもやはりここに挙げただけではなく、その他というふうなものも入れてございまして、いろんなものを含んでいる意味でございます。いろいろ一々御議論があると思いますが、その他とかさつき申上げました財政の需要の増加、いろいろそういうふうな抽象的な文句が入つてつて、いろいろ御議論もあると思いますが、そういうふうなすべてのものを大体余り重要ではないかもしれませんが、この文句の中にこういう点を含めて書いた気持なんです。
  32. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 了解しました。
  33. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それではもう一度お伺いいたしますが、要望事項につきまして御賛成の方の挙手を願います。    〔総員挙手〕
  34. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 全会一致と認めます。それでは皆さんの御賛成を得ましたので、先ほどお諮りをいたしましな前文をつけまして成るべく早く内閣へ持つて行くことにいたします。御了承願います。
  35. 鈴木直人

    鈴木直人君 今決定いたしましたからそれでよいのですが、ちよつと自由党のかたにお聞きしたいのですが、例えばこれは臨時国会等において同じような文句が、決議等によつて出るようなことがあり得ると思いますが、これは先ほど縁風会等のほうは委員長が言われたし、これは大体問題ないと思いますが、自由党はどうでございますか。
  36. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 高橋委員、それから安井委員に、今おいでになりましたから申上げますが、おいでになります前に問題になつ一つのことは、この決議をするあとに各会派全員一致の賛成ということがあるかという小笠原委員からの御質問つたのです。緑風会としてはできるだけの努力をして賛成するようにする。併し全員一致ということはむずかしいということを答弁したのです。自由党はどうかという鈴木君の質問ですが、この点についてお答え願います。
  37. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 この要望事項につきましては、実は今までの経過については、今も自由党の政務調査会で報告したのですが、併し休会中であり、自由党の全員に諮つたわけでもないのでありますから、従つてここで自由党が全部これに賛成かどうか、こう聞かれても、これはちよつと答弁が非常に困難なので、ただまあ我々としては、小委員会及び地方行政委員会に出席した者については、できるだけこの線に皆が賛成するように説得と言いますか、十分誠意を盡したいと考えておりますが、これも我々の力の限度もありまして、果して皆さんの御期待に沿うだけにできるかどうかわかりませんが、できるだけこの線に沿うように努力いたしたいと思います。
  38. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 鈴木君、それでよろしうございますか。
  39. 鈴木直人

    鈴木直人君 よくわかりました。
  40. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 その点は緑風会からのお話でありますが、社会党はどうなんでございましよう。
  41. 相馬助治

    ○相馬助治君 私たちは、これについては本当ならば、もうちよつと具体的な金額まで入れて強硬な要求を本当は持つている。併しながらこの参議院の地方行政委員会として、全会一致で行くという建前と、もう一つは、金額を現わすためにはその基礎になる資料が必ずしもまだ我々十分でない、こういう観点から特に第一点の満場一致で行きたいというので、金額をここへ明示しないで、こういう抽象的な文句の要望書になることに、小委員会に出た私もやや不満ながら同調したのであつて、これは緑風会が自由党に要望したことに少し輪をかけて、我々のほうは強力に、現異常である自由党に本趣旨実現のために努力して頂きたいということを考えております。
  42. 高橋進太郎

    ○高橋進太郎君 なぜ私がそういう質問を申上げたかと言いますと、実は今下で聞きますと、大蔵委員会等について、むしろ社会党のほうがどうもこの問題についていろいろ異論があるというような向きがあるという話も聞いたものですから、そこでまあ一応伺つて置いたのですが、今相馬委員の御答弁を聞きまして非常に心強く思いました。
  43. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 外に御意見ございませんか。それでは只今までの問題はこれで打切つてよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは打切りにいたします。
  45. 相馬助治

    ○相馬助治君 昨日も小委員会で非公式に話が出たことですが、先般四日間に亘つて開かれた地方行政委員会についても、大蔵省側からは主計局長が出ただけで、大臣の出席を我々は見ることができなかつたことを遺憾として私も強く岡本委員長に先般要望した通りです。そこで私共、同僚の鈴木、岩木、私と三人で先般災害地等も視察いたしまして、その結果特に大きな財源を必要とし、大蔵省措置して貰わなければならん点もありますし、又別途地方公務員給與ベース引上げ、年末手当支給について百四十億に上る財源を地方は必要として、これに見合う何らかの財源政府において用意して貰わなければならんということを言つておりまする際に、私共は早急に大蔵大臣の出席を求めてそれらについて本日決定しました要望事項を含めて質問をし、明快なる解答を承つて置きたいと思うので、委員長において措置されるようにこの際希望いたします。
  46. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今相馬委員から御要望が出ましたが、明日地方行政委員会開会いたしまして、この間御視察願つた風水害の緊急対策について、視察になつた各位から政府当局に質問をせられるというので、大蔵大臣岡野国務大臣地方財政委員会の野村委員長並びに事務局長、これらの出席を昨日から要望いたしております。今日私尚必ず出席するように交渉をいたすことにしてあります。それから尚その際、今日の議決に関する事項につきまして政府の決意を質したいというお話でございますから、大蔵大臣の外に官房長官も出席を要求して置きます。   —————————————
  47. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 実は前の委員会に出席しなかつたので御報告できかねたのでありますが、去る九月院議によつて、同僚石川委員と鹿兒島県、大分県の国政調査に出張したのでありまするが、その報告をいたしたいと思うのでございますが、如何でしようか。
  48. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今小笠原委員から過般御出張御調査を願つた鹿兒島、大分両県の調査事順を御報告したいということでございますが、御異議ございませんか。それではお願いいたします。
  49. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今回の調査については文書も作つてありますので、詳しくはその文書を速記に載せて頂いて御報告に代えたものとさせて頂きたいと思うのであります。
  50. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは只今御要求がありましたように、詳細は別に提出される調査書を速記録に載せることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  52. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて、今御報告がございましたが、詳細はそれでは別の調査書を速記録に載せますから、それで御承知を願います。  それでは本日の委員会はこれで散会いたします。    午後零時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    委員            石村 幸作君            高橋進太郎君            安井  謙君           小笠原二三男君            相馬 助治君            西郷吉之助君            鈴木 直人君