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1950-09-20 第8回国会 参議院 地方行政委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月二十日(水曜日)    午前十時二十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○地方行政改革に関する調査の件  (地方行政調査委員会議及び地方財  政委員会に関する件)  (警察予備隊進捗状況に関する  件)   —————————————
  2. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今より地方行政委員会を開会いたします。今日は地方行政改革に関する継続調査をいたすことにいたしまして、先ず地方行政調査委員会議につきまして調査をいたしたいと思います。  地方行政委員会議が今年の一月発足いたしまして、着々調査に取りかかられたのでありますが、過般シヤウプ種土が来朝せられまして、その要望によつて中間報告と申しますか、そういうような報告をなすつたというようなことを漏れ聞いております。又過般名古屋における第十二回全国都市問題会議の際におきまして、大野事務局長から会議の席上調査状況につきまして報告がありました。そういうような関係でありますから、本委員会におきまして、神戸議長から調査委員会議における調査中間報告を願いたいと思います。尚申添えますが、今日は地方行政調査委員会議定例集会日だそうでございますから、一応御報告を願いまして、それに対する御質問は明日委員会を続行いたしまして、その際にお願いをいたしたい、こういうふうに考えております。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 神戸正雄

    説明員神戸正雄君) 私神戸でございます。地方行政調査委員会議が本年の一月初めに発足いたしまして、その一面におきましては千葉、神奈川、兵庫等地方に出向きまして実態調査をいたしました。相当大部に亘りました報告を作りまして、私共委員の中の五名は三月の中旬に出発しまして、一月半に亘りましてアメリカの行政の、殊に地方国家との行政関係につきまして親しく調査を遂げました。そういたしまして他面におきましては一月以来引続き各省局に亘りまして責任者に来て頂いて説明を求め、更に我々と意見を交換いたしまして、或る程度国の方においての仕事地方との関係においての仕事の実際を大体知ることができました。それに基きまして専門調査員に委嘱しまして、いろいろ部局の担当を分けまして、そうしてそれぞれ調査をして頂きまして、かれこれ総合いたしました結果、逐次現状と、それからそれを修正する、改正するところの考え方とをまとめつつあるのでありまして、何せ非常な多方面に亘つておりますので、一つ仕事についてこうと決めましても、又帰りまして他との釣合いからしてもう一遍修正しなければならんということがありますので、誠に煩雑な手続がありまして最後決定がまだできておらんような次第で、私共の予定といたしましては先ず事務最後の案は十月末日までに大よそのまとまりをつけまして、政府に或いは政府を通じて国会の方に案を御提出するつもりで、できるだけ急ぎましてやつておるわけであります。そうこういたしている間にシヤウプさんが来朝されまして、税問題を調べると同時に、その関係において一つ行政の再配分案シヤウプ勧告案の中にも出ていることであるから、どういうような考えでおるか知りたいということであります。私共は予定は十月末であるから最後案をお示しできない。併しこれまで我々の考えているところはどんなものであるかということだけはお示しすることができるだろうということでまとめまして九月の十日を期して出してくれということで、十日が丁度日曜でありましたので、十一日に提出したわけであります。そのことが新聞の方に漏れて、従いまして私共の出しました試案の一部が現われておるようであります。多少この出しましたのとは違つた点もあるし、何か要約の、仕方が間違つた点もありますが、併し幾らかその中の或るものが漏れておつたようであります。恐らくそれによつて参議院におかれましても何か出たということを御承知になつたかと存じますが、いずれ私共の方が最終案を決めます前にまとまりましたらできるだけ早く議会の方におきまして、そちらの方でお聞きとりを願つてもいいかと存じますが、何分にも今のところシヤウプさんに出した案自身もまだ確定的のものでありません。中間的ないわゆる試案に過ぎないものでありますので、その点を御承知おき願いたいと思います。何か詳しく申しますか。
  4. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) もう少し詳しく一応御説明願いたいと思います。
  5. 神戸正雄

    説明員神戸正雄君) その案について少しく申上げよということでありますが、大体におきましては私共の案叱いたしましては国のやつておる仕事と、府県市町村のやつておる仕事をできるだけ分界をはつきりさせるようにという大方針、更にできるだけ下に下す、国よりも府県に、府県よりも更に市町村にできるだけやらすというような大きな方針に基きまして考えたのであります。併しどうもその趣旨に従うことが困難な場合もありますが、できるだけ市町村に下すという建前でやつております。只今のところ併しながらまだ府県の廃合というようなことは前提といたしておりません。市町村だけは今の規模では余り小さいものが多過ぎるから、先ずせいぜい人口一万程度くらいのものにはしなければできないではないか、余り小さくては仕事担当できないということで、市町村人口一万くらいにということを基準にし、併し府県の方は先ずこれは後廻し、段々やつて行つた結果或いは規模を修正しなければならんかもしれないが、今のところ府県規模につきましては現状のまま。これを前提として進んでおります。そういつたような次第でありまして、まあ一例を申しますと、例えば河川であるとか、道路というようなものにおきましても、従来のように国のものという考え方でなく、国の道路、国の河川府県道路府県河川市町村道路市町村河川といつたふうに分けて、責任の所属を明らかにしたいというような気持でやつております。それから学校につきましても私共の案では例えば新制の中学、六・三制の分だけはこれは市町村責任ということにいたしまして、嵩等学校などにつきましてはこれはむしろ市町村としては任意にし、府県の方の責任といつたよう考え方でおります。そういつたふうにいたしまして、すべてをできるだけはつきり分けて、併しできれば成るべく下の方に下すという建前でやつておるのであります。それから保健所のようなものにつきましてはまあ人口十万以上の市は必ずこれを持つ、併し十万以下の市町村につきましてはこれは市町村連合体で以て持つということにいたしまして、保健所市町村が独自で持つか、或いは連合体で持つて市町村責任においてやつて行くというようなふうの考え方を持つておるわけでありまして、成るべくその市民に接するサービス的なものは市町村ができるだけやるというようなことを考慮しておる次第であります。多々ありますので一々申しませんが、まあそういつたふうの考え方で進めております。それからシヤウプさんに出しましたのは、その配分と同時に、若干財政上緊要な問題を三つばかり取上げました。提出いたしました一つ補助金整理の問題で、一つ地方債の問題、一つ災害復旧の費用の問題でありますが、これらにつきまして大体申しますれば、補助金シヤウプ勧告では奬励的補助金だけ残して、あとはやめるか、乃至は平衡交付金の中に繰入れるというような考えでありましたが、私共だんだん調べて見ました結果、補助金の中にも直ちにこれを奬励金に入れないものでも、切捨てることのできないものがあると認めましたので残したい。国家義務に属するところの例えば地方団体の中に国家財産を持つておる。その財産に対する租税の代りとして、その地方団体に交付するといつたよう補助金は、補助金という名前がついておつても、実は政府義務に属するものである。こういつたものは名前に囚われないで補助金として残すというようなことを考えまして、それぞれ補助金整理をいたしたわけであります。それから多少この平衡交付金につきまして疑問を持ちまして、特別平衡交付金というものを作つて、そうして生活補助金のような動揺性のあるものはぶち込んで行くという考えを提出したような次第でありますが、これは聞くところによりますと、私共の出したのと違つたものが、シヤウプ勧告としては、今日か明日出るそうです。内報を聽きましたけれども、多少平衡交付金について食違つた点があるから私共といたしましては、一応特別平衡交付金というものを作つて動揺性のあるものをぶち込んで、そして互いに融通のきくようなふうにしたいと考えました。これはシヤウプ氏はとらなかつたということです。  それから災害費全額補助の問題でありますが、私共といたしましては災害費一定限度、これは地方団体税收入の一割という限度のものは地方団体が持つ、それ以上は国が負担する。全額補助につきましても各地方団体税收入の一割限度のものは持つたらよかろう。これを超えるものは国が持つてやるということで、地方財政困難を救うというやり方でありましたが、これも最近ではシヤウプ勧告案の中では三段構えになりました。何か例えば一定限度までは持つ。持つてもそれ以上のところは政府が貸すのだということだそうです。更に一定限度以上のところは政府が持つてやる。中間政府全額補助でなくて貸付の形で以て後で返さすということを入れたところが案で……、或いはシヤウプ案の方はもつとよくできているかも知れませんが、同時に地方といたしましては後で元金利子を返さなければならんというところで負担が殖えるわけです。我々はシヤウプ案が出ましたならば見て再検討いたしたい。それがよければその筋に従う。こういう気持でおります。  それから起債の問題ですが、これまでは地方債余りに制限し過ぎておるから、これは私共の考えとしては地方団体償還能力に応じた限度であれば、その限度内においては一々許可とか何とかを受けないでも自由にできるようにしてやりたいという気持考えたのであります。そんなようなことを私共といたしましては考えておるわけであります。これまでのように大蔵省とか地方財政委員会が干渉してやるのでなく、できるだけ自由に自主性を以て地方団体が自分の償還能力が許すならば、自由にできるような途を開いてやりたいという気持で私共の改正案考えた次第であります。かような案を大体出しましたが、私共の案と今度のシヤウプ勧告に出されるものとは多少の食違いがあるそうであります。大体そんなわけであります。
  6. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今神戸議長の御説明に関しまして御質問は明日にお願いしたいと思います。
  7. 中田吉雄

    中田吉雄君 只今神戸博士から御説明を承わりましたが、これよりもつと詳しいものがすでに新聞紙上に報道されておつたのですが、本日の委員会に対する説明はいささか親切の点で適当でないと思います。もう少し最終段階でないにしても、一つ動向をはつきりするように、明日で結構ですから資料に基いて、お願いしたいと思います。もう数回そういうことは新聞紙上にずつと出ておりました。
  8. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今中田委員からの御発言のようにすでに九月十二日の日本経済新聞なんかに相当詳しく出ております。又先程も申したように名古屋における都市問題会議において向うの事務局長から詳しいお話がありました。そういう詳しい資料を以て明日できるだけ詳しい御説明を願い、それに対して質問することにいたしたいと思います。
  9. 相馬助治

    相馬助治君 今の神戸先生随筆風お話だけでは、我々質問するめどが掴めませんから、是非資料をお示し願いたいと思います。それをよく見て私共もお聞きするところは聞いて確かめたいと思います。我々は新聞にこう出ておるからといつて質問をするのもどうかと思つてつておるので、その辺委員長から適当にそちらにお連絡願います。
  10. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 御尤もです。中間的に出されたシヤウプ博士に対する要綱を書面で出せませんか。
  11. 大野連治

    説明員大野連治君) 新聞紙等中間報告の一部というような工合で出ましたけれども、これは調査委員会議として公表したものでも何でもございません。専門調査員その他関係する方々が沢山ありますので、恐らく新聞記者方々がそういう人達にいろいろ問合せて引繰り出したといつたものではなかろうかと思います。私共拝見しましても、中間報告として提出したものと語句与その他大分違つております。又想像記事も入つているのじやないかと考えるのであります。尚この委員会議といたしましては、先程先生からお話がありました通り、この問題につきましては各委員の闇で随分議論が分れております。本当はもう少しあとでなければ報告書として提出するわけには行かなかつたのでありまするが、先程先生からも申されました通りシヤウプさんが、とにかく個人的なのでもいいから一応考えを示して貰いたいというようなお話があつたそうでありまして、委員会議におきましてもその点につきましてお諮りになりました結果、それでは全然これはまとまつたものではないけれども、まあ個人的なものとしてお話になつたらよろしいのではないかといつたようなことでお話があつたのであります。従いましてその後の研究の結果、大分又訂正しなければならんといつたよう状況に相成つておりまして、本日の委員会議でも一部その点につきまして又論議が戰わされることになります。金曜日と来週の月曜日に引続いてこの問題について討議される予定になつておるのであります。従いまして又、現在の段階では相当まだこの前先生から提出されましたあの報告は訂正されるのじやないかというようなふうに、事務当局としては傍で論議を拝聽しておるのであります。そういうふうに考えられますので、あれをそのままこの前先生から話されました原稿を頂きまして、そのまま印刷するというようなことはちよつとできかねるのではないかと思います。
  12. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 皆さんに申上げます。委員長の手許に第一次試案というものが今朝入つております。それを便宜私の方で刷りまして皆様に今日中にお渡しをいたします。余り詳しいものじやありませんけれども、お廻しすることにいたします。それで御了承願いたいと思います。
  13. 鈴木直人

    鈴木直人君 参議院地方財政委員会において決定をしたものをそれに基いて審議するという、いわゆる勧告に基いて、その勧告されたものを審議するというような立場を現在とつておらない。いわゆる研究的態度をとつておるという程度で、今中間的な報告を聽きたいと、こういうまあ段階にあるわけであります。従いまして中間的な、まだ決定されないものは決定されないものとして受け取るわけでありまして、そのために地方財政委員会審議の上において、参議院の意思が反映するというようなことは絶対ないわけであります。そういう点で余りそう御心配になる必要もないと思うのです。地方財政法が、或いは地方税法でありますが、これは非常に重要な税法でありましたが、この税法参議院における審議の際におきましても、地方自治庁からは第一次試案、第二次試案、第三次試案、これはもうそのままを頂きまして、現在こういうふうになつているのだ、又シヤウプさんと折衝した結果こんなふうに変つたんだというようなことでして、その過程が常に地方自治庁から資料を頂きまして、その経過を実はお聽きしたわけです。その経過をお聽きしたために、政府に対して特に参議院としてどうとかこうとかいうような考えは持たないので、まあ一緒になつて研究する、成案ができた場合には資料としてその経過を知つて置くことが非常にいいものですから、地方税法においてはそういう方向をとつたわけですが、そういうような方法をとつておりました関係から、正式に提案されてから一週間か十日くらいしかなかつたにもかかわらず、十分の審議ができたわけであつて、その過程において地方自治庁からその資料を得ることができず、又中間的な説明を聞くことができなかつたならば、到底あれを一週間や十日で以てあの大冊の地方税全体を審議することは不可能であつた考えるのです。そういう意味で、決して地方財政委員会の内容がまだまとまらんから、それを参議院研究した場合に、地方財政委員会委員方々の御意見を掣肘するということは毛頭ございませんのでありますから……、財政委員会と申しましたのは調査委員会議の間違いでありますから訂正しますが、まあそういうような意味で、軽い気持一つ教えて頂けば結構だとこう考えます。  又今事務局長、或いは神戸議長からお話がありました通り、又審議過程でありますので、恐らく單独で提出されるということは、議長として或いは困るという立場があるかと思いまするが、本日幸いに調査委員会議が開かれるということでありますから、この参議院における考え方をお諮り頂きまして、委員の各個の御了承を得て、できるだけ一つ資料を提出して頂けるような方途をとつて頂きたいと、こう考えるのです。
  14. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今の鈴木委員意見に大体において賛成であります。地方税法と同様に今事務局長なんかも非常に秘密主義で、旧官僚的な言い方だけれども、そういうことでなく、会議としては世論を広く聞くことが最もいいことですから、担当のこの常任委員会に、決まらない案は決まらない案として二通りでも、三通りでも出して、この委員会意見を広く徴した方が、この結論を出す上に非常にいいのだと思うので、第一次の試案として是非提出するように要求します。
  15. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今申上げましたように第一次試案が出ておりますから、それを会議から取るなり、又はこちらで印刷するなりしてお廻しをいたします。尚外に資料の出せるものがあれば出して頂ければ、只今鈴木西郷委員から申されましたように、いずれ国会政府を通して勧告して来られるのでありますけれども、その前に国会のほうで十分前以て問題の論点、そういうところを知つて置いて、そうして研究いたして置いたほうが審議の上に工合がいい。そういう意味でありますから何も掣肘する意味ではありません。実は今まではあなた方の会議経過をお聞きするのを控えておつたのです。併しシヤウプ博士にも提出されたのであり、又都市問題会議でも発表されたのですから、まあ遠慮しないでこの委員会に驚いて質問したような次第です。そういう次第ですから資料の出せるものを成るべく出して頂きたいと思います。   —————————————
  16. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 次に地方財政委員会につきまして調査を行います。シヤウプ博士が再度来朝されまして地方税法施行状況、その他修正点なんかについていろいろ調査をされ、今日か明日勧告が又出るということであります。地方財政委員会との交渉経過につきまして御報告を願いたいと思います。又地方税法施行についての地方財政委員会規則が出ておるはずであります。そういうものがどういうふうになつているか、又具体的のその規則を御説明願いたいと思います。
  17. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) シヤウプ博士が先月来朝せられましたので、私共地方財政委員会として早速シヤウプ博士にお目にかかりまして、そのときには地方財政委員会発足以来の一通り経過説明申上げまして、更に地方財政委員会として要望すべき事項があればそれを文書によつて出して行く、又更に地方財政状態について財政委員会において調べておるところをやはり文書によつて出してくれという御希望がありましたために、財政委員会といたしましては文書によつて地方財政現状地方財政の二十四年度、二十五年度における税源、財源の移り変つたこと、それから地方債現状、殊にこの地方債については手続が煩瑣であるために地方団体としても非常に迷惑が多い。又地方地方債の枠が三百と七十億では到底賄い切れんから四百二十億にその枠を拡げて貰いたいこと、そうして又手続をできるだけ簡略にして貰いたいということを実例を挙げてその事情を説明して置きました。更に地方にいろいろ冗費が多い、節約すべきものが多々あるだろうというようないろいろの世間の批判があることに対して、地方財政委員会として地方財政状態から見てどういう点が冗費であるかどうかということについて、一通り説明をいたして置きました。更に法定外課税整理の実情を説明しました。今問題になつておるところの地方税の実施についてどういうように今後これを改むべきかどうかということについて、いろいろの方面の意見を二、のまま結論を付けないでありのままに紹介することにいたしたのであります。その他国税地方税との優先問題、或いは地方税差押え等に関する憲法との関係等につきまして、地方税滞納者に対する差押え等憲法等関係につきましても一通り説明を加えて置きました。シヤウプ博士に提出した書類の主なる点は大体以上申上げた範囲でございまして、更に今度の予算編成につきまして平衡交付金現状のままに据置かれるということにつきましては、我我としても地方財政現状に鑑みまして到底地方財政としてはやり切れないから、その増額を政府のほうへ要望しておりますから、その要望しておる点をシヤウプ博士に申上げて、シヤウプ博士の又御考慮を願うことにしたのであります。尚重ねて起債の枠の拡張、又先程の書類のうちに入れておいたものを申し忘れましたが、災害復旧に関する国庫全額負担のことをも強くその点は書類に認めておきましたけれども、更に重ねてシヤウプ博士にもこのことを繰返して御考慮を願うように申述べておるのであります。シヤウプ博士との折衝につきましては以上申上げた点でありますが尚御質疑がおありになればお答えいたしたいと思います。
  18. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) シヤウプ博士地方財政委員会との交渉経過について簡單に御説明がありましたが、御質問をお願いいたしたいと思います。
  19. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地方財政現状について更に改正を要望せんとせられ、例えば固定資産税地方住民税、その他遊興飮食税であるとか、入場税であるとか、その他地財として考えておる具体的な、例えば倍数をどうする、税率をどうだとかいつたようなこと、或いは減免客体の問題であるとかいうような具体的なことは何か書類でもあるのですか、ないのですか。こうお尋ねしたいのですが……。
  20. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 今仰せのうちで遊興飮食税の問題については、税率を下げたならばその徴收却つてよくなりはしないかということにおいて我我の見るところを申しておきましたです。市町村民税につきましてはこれを源泉課税にするがいいかどうかということについていろいろの議論があります。この源泉課税にするの是非得失につきまして、その両方意見を率直に紹介しておいたわけであります。尚非課税の問題につきましては、国鉄、専売公社放送協会、こういうものを非課税にするがいいかどうかについてのいろいろの議論がありまして、財政委員会としてはまだそこまで、その利害得失を判断するまでの状態に立至つておりませんから、これは余程愼重に研究し、審議せねばならん大きな問題と思います。ただ両方意見をこれ又率直に紹介することに止めておるわけであります。固定資産税の問題については別段倍率をどうするとか云々ということについては今の段階において財政委員会としては何にも具体的には申してはおりませんです。
  21. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 お差支えなければシヤウプ博士一行に出された地財委そういつた資料を御提出願いたいのでありまするが、これはお差支えなければ……、工合が惡いといえばお尋ねいたしたい点もあるのでございますが、問題は政府国税を今回減税して、地方税はそのままで行こうという状態であるように見受けられておるのでありますが、然るに今お話のありました鉄道であるとか、専売であるとか、或いは放送であるとかといつたような問題についての課税可否の問題は、お説の通り大きな問題として更に検討を続行せねばならないと思うのでありますが、平衡交付金とも関連することでありますが、今回の地方税法の結果、我々予想されておつたよう道府県等財政上に及ぼす困難というものは、ひとしく認められたところでありまして……或いは市町村の自治体が非常な予想以上の増收になつて来ておるというようなことなどから、災害復旧も、府県單位で負担した災害復旧費というような問題に絡んで、特に今回のような大きな災害のあつたような場合に対しての将来の問題、非常に根本的な問題を痛切に見せられたのでありまするが、こういつた府県市町村、これに絡む平衡交付金の枠を殖やしてくれという意味合だけでなく、平衡交付金配分の方法についても相当修正をしなくてはならん点が多少発見されたと思うのでありますが、こういつた点については何ら御意見は出されなかつたのでありますかどうですか。
  22. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 平衡交付金の問題については別段意見は申上げておりません。ただ平衡交付金の概算拂のことについて一通り説明を初めてお目にかかつたときに申上げて置いたわけであります。  それから先程書類差支えなければ示せというお話でありましたが、別に差支えはないと思いますから……。
  23. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それじや御提出を願います。
  24. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 地方税法及びその改正法律案を審議した中心は自治庁にあつたと思うのです。で末期において地方財政委員会が法律的にでき上つたので、最終に地方財政委員会がこの法律案に対する重要な立場にあらねばならんのが、いろいろの構成スタツフ等の関係であるかどうか、終始自治庁が地方財政法改正法律案の最終までいわゆる政府側と云いますか……を代表して、原案側としてこれに深くタツチされたのでありますが、地方税法が通つてから地方財政委員会がこの地方税法に関して、殊に地方財政委員会には荻田局長も転出されたような実情等から見まして、国会において論議された点、或いは政府自体が感ぜられた点等に及んで相当……折角シヤウプ博士が来られておるのでありますから、これらに対して地方財政委員会が相当の関心と、そして重大なる意見を提出されるであろうと我々見ておつた。併し又それぞれ政府は別個に、或いは各政党はそれぞれ別個に、或いは地方財政委員会も出されると思う中においても、特に政府地方財政委員会の出される……、シヤウプ博士の修正意見であるとか、或いは考え方につきましては、我々は重大なる関心を持つてつたのでありますが、我々の希望するところは、地方財政委員会シヤウプ博士に出されるものの焦点とする点はどういう点であつたか。前々国会論議に顧みて、而も荻田局長は終始これに携つてつた人でありますから、相当委員会にも意見を求めて、こういつたものはひとり財政委員会のみならず、我々地方行政委員会としても大いに関心を持ち、又シヤウプ博士に献策をせねばならん職責があると思う。そういつた点に我々も不勉強であつたかも知れませんが、地方財政委員会もそれに対して一向御意見も出て来ない。それで出された要領におきましても全く失礼ながら手ぬるいし、最も論議された焦点に触れておらない。又口の税法施行されてから後に感ぜられたいろいろの問題点等を殆んど取上げておられない。ただ意見をそのまま写したというだけでは、折角シヤウプ博士が貴重な時間を割いて来朝されて、この問題に対して突込もうというのに対してどうもまだぴんと来ない点があります。併し財政委員会としましては委員会でもつとこれを討議して、そうして改めて出されるというようなお考えはないのでありますかどうか。今まで伺つた内容で参考資料を頂かなくても、要点だけは分りましたけれども、我々多少遺憾と感ずるのでありますが、如何でありますか。
  25. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 税制改革につきましては第七国会以来の経過を詳細に説明もしてありまして、国会における御意見なんかもこれによつて十分盡しておると考えております。先程我々が財政委員会として提出した書類が生ぬるいというようなお話でありましたが、財政委員会といたしましてはシヤウプ博士現状をありのままに説明して、そうしてシヤウプ博士の御考慮を求めた方がいいのではないかと思いまして、その点に重点を置いてできるだけ詳しく丁寧に説明したつもりでおります。
  26. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 私達がこの税法が通つてから、各府県及び市町村が條例を制定するについて非常な論議を市会、県会、町会等で盛んにやつておる、その焦点につきまして実情を相当見聞いたしたのでありますが、これは自治庁においても財政委員会においてもいろいろの陳情があつたし、いろいろ予想以上の結果も現れ、又予想以上にいい点場も発見されたと私は思うのでありますが、これらを調整するのは今が絶好の機会であると思うのでありますが、その中でも取分けて府県財政市町村財政の今度の税種、税目の配分の結果に基くいろいろの問題、これは平衡交付金の分け前の問題等に関しましては地方財政の確立の上に重大な問題であると我々は思つておるのですが、こういう基本的な問題については余り意見を出しておられなかつたのでありますか。或いはそういう点はお感じにならなかつたのでありますかどうか。
  27. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 先程御説明申上げました中に申し落しまして相済みませんですが、府県市町村の各地方団体の、この地方税改正に伴ういろいろの状態をいろいろの角度から説明して、その点は明らかになつておると思います。
  28. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 今岩木君からいろいろ質問しましたが、この委員長の答弁ではどうもあいまいなんだが、委員長はさつきいろいろ説明された地方税について、最後に税目別に御意見を言われたのですが、その中に固定資産税については何も具体的に申しませんでした言われるが、問題の税目のうち附加価値税は延期しましたから、これはさて置いても、固定資産税は現に徴税令書が来てそれが重くて困つている。住民税然り、然るに固定資産税については地方財政委員会委員長として何ら申しませんでしたというふうなことでは……、第七国会参議院において否決され、地方財政が非常に窮迫しておるので、第八国会に今後全面的に検討を加えるという意見を以てあれを通したのですが、固定資産税のごとき問題について何も申しておりませんですというふうな委員長のお答えは、甚だ国会意見を無視したものであつて、甚だ受取り難いのですが、こういう固定資産税なんかが附加価値税と共に非常に論議になつたのでありますが、それに対して具体的に何も申しませんでしたとは、地方財政委員会委員長ともあろう人が、シヤウプ博士の再度の来朝に対して言われる言葉ではない。どうも輿論を無視したように取れるのですが、どうでしようか。
  29. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 固定資産税の問題については先程申上げたように、第七国会、第八国会以来のいろいろの経過を詳細に説明いたしまして、そうして国会の意のあるところなんかは十分紹介していると思います。ただ地方財政委員会として先程書類として、書類の中にそれは加えていなかつたというだけでありまして、税制そのものに関することは非常に詳しく我々は盡しておると思つております。別の項として出してあります。
  30. 西郷吉之助

    西郷吉之助君 それでは再度伺いますけれども、例えば固定資産税税率、倍数についてはどういう意見を持つておられるか、それを御紹介なされたか。
  31. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 委員会としては意見は申しておりません。ただ現状をありのままに説明したということを申上げたと思います。
  32. 相馬助治

    相馬助治君 さつきの岩木委員の手ぬるいということも、強硬な意見を出せという意味じやなくて……私は岩木さんと同じ意見です。リアルに現在の状況説明なさつたというが、国会論議に鑑みても税種、税目の決定その他において民主党と言わず、緑風会と言わず、賛成なさつた方でも非常に矛盾は認めているが、この際いろいろな情勢によつて賛成すると、こういう討論がなされておるので、一致した見解はこの府県の財源というものが極めて微弱だということなんですね。これは地方財政委員長もお気付きのごとく、遊興飮食税であるとか、入場税であるとかいうような、ああいう一番あやふやな財源が府県に與えられて、而も災害復旧や何かの将来の見通しを考えろというと、府県の財源というものが非常に零細化した。こういうことがどの意見にもこれは超党派的に言われた意見で、自由党の方々もこれを指摘しておる。そういう意味シヤウプさんに説明されるにも説明の仕方があると思う。地方財政委員会としては国会できまつた法律だから、これに従わなければならんのだけれども、事実こういう法律では地方財政委員会としても自信がないとか、こういうふうにしろ、ああいうふうにしろじやなくて、こういうようなことはとても自信がないとか、こういう点は非常に矛盾があつてうまく行かないと、こういう意見を、意見というかそういう具体的な実例を説明されたのか、私共の立場から言えばして下さつたか、この絶好のチヤンスにそういう我々の立場気持、国民の要望、それから国会審議過程に現われた諸意見、こういうものを向うへ要望して下さつたかどうか。これを重ねてしつこいようですがお聞きしておきたいと思います。
  33. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 税制の問題については先程申上げたように、第七国会以来のことを詳細に紹介しておきましたが、この地方税法が実施せられてまだ一ヶ月でありまして、そのことについては具体的にどういう事実だということをシヤウプ博士結論として申上げる程の域に立ち至つておりませんから、その意味において実情を客観的に説明した方が却つて親切ではないか、誤りなきを期するゆえんではないかということを考えまして、今御説明のような、委員会としての結論は避けたのであります。
  34. 中田吉雄

    中田吉雄君 先に岩木、相馬両議員から今度の税の配分について一番弱い線が府県に現われた、これも誰も認めておる点ですが、二十六年度の予算を見ますると、それに対する補強工作とかいうようなことは予算の面ではないようでありますが、どういうふうに将来お考えになるでしようか。府県の自治体としての本質の把握の問題に関連すると思うのですが、一つその辺のお考えを承わりたいと思います。
  35. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 今の御質問前提といたしまして、将来府県の自治体としての性格がどうなるかということが根本の問題になるのじやないかと思つております。地方行政調査委員会議がどういう結論を出しまして、その結果府県がどういう事務を分担するかということも関連して考えて行かなければならないのじやないだろうかと思つております、併し今お説のような問題がやはり根本にあるわけなのでありまして、一つ府県税には府県住民が全体的に負担する税種に乏しいではないかという欠陷が一つあると思います。もう一つ府県の税は非常に景気の変動に影響され易い、安定性がないのじやないかというふうな議論一つあるだろうと思います。こういう問題につきましてはシヤウプ博士一行に対しまして十分問題の所在を話しておりますし、各方面から乞ういう意見が沢山出ておるわけであります。それらの見解に対しまして、税制便節目は一つには附加価値税というものが実施されるならこれは全県民が負担する税種ではないかというようなことを言つております。それに対しまして我々はどうもそういう説明では住民は直接に自分達が県税を負担しておるのだという気持にはならないのだということの話をいたしております。又或いは固定資産を両方で分割するとか、或いは県民税を起して貰いたいという府県側の意見もあるわけでありまして、そういう意見に対しましても必ずしも賛意を表していないのでありますけれども、それらの問題は必ずしも現在の税制の致命的な欠階だとは自分達は思わないというような意見を洩らしたりいたしておりまして、これに対しまして我々も更に意見のあるところを申しておるような状態であります。その結果どういう勧告がなされるか分りませんけれども、地方財政委員会におきましても、将来この問題は先程申上げました点と併せまして十分検討して行かなければならない点であろうと思つておりますが、未だ結論は持つていないわけであります。
  36. 中田吉雄

    中田吉雄君 そうしますと地方行政調さ委員会議ですか、あの方の事務の再配分もつかないわけで、来年度の予算については府県段階は現在の状態そのままを織り込んで行くわけですね。
  37. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) さようでございます。
  38. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一点この際委員長もおいでになつておられますのでお尋ねいたしたいことは、先般のジエーン台風による大災害は、実に日を経るに従つて広範囲であるし、深刻であることは政府も、増田大臣が政府を代表されて、現地に行かれて、その実情に驚いて帰られた。更に二十三日には林副総理及び二、三の閣僚も現地に親しく出てその実情を見、そして現地の者といろいろ協議して、政府の対策なり方針をきめられるというくらいに相当大きな問題になつておるのであります。で政府に要望する。或いは一時的な低利資金、或いは起債の枠の振割り増大であるとか、或いは補助金の増大であるとか、利率その他いろいろのことについてそれぞれ関係機関を通じ、又一般に政府に向つて地方自治体なり、経済団体等から要望されておるのであります。ところが問題は、非常に今回のジエーン台風の一般の罹災者は和歌山、大阪、兵庫だけでも約九十数万、百万人近いという災害状況であつたことは御承知の通りであります。大阪の五十五万、神戸の二十八万、和歌山の十二万、私詳しくは分りませんが、徳島、高知、香川、滋賀、京都、福井、石川といつた広範囲に亘つておるわけでありまして、これらの罹災者の中に最も水害を顕著に受けたような所などは二十三日の被害で殆んど蒲団が濡れて、畳も腐つておるし、衣類も濡れておる。僅かに十五分か三十分の間に津波が来たわけでありますから、何を取出すにもそのひまがない。家財なんかもそのままで着のみ着のままで身の廻りの品物も、あらゆる商品、資材というものが殆んど水中に没して腐つてしまつたというような実情であります。でこれは政府の貯蔵物資の衣料であつても、或いは食糧であつても、或いは化学肥料でありましても、棉花類、或いは海外輸出商品などでも莫大なものが濡れておることは御承知の通りでありまして、一般住民の被害を受けておることは甚大であります。のみならずこれによつて未だに水溜りのところがあるし、これがために営業を放棄せねばならん、或いは今後の営業が不能に陥つた際におけるいろいろの不利な状態から、生活どころじやない、もう大変な最近惨状を呈しておるような実情に対して、地方税法に対しては地方自治体のそれぞれの議会でどうするかこうするかあれやこれや気を揉んでおるだけでありまして、実際に政府がどれだけ平衡交付金を増加し、或いは地方自治庁にどういう措置、方法をしておるか、地方財政を賄うか、或いは助成するかという一点にかかつてつて、この税法の問題は二の足を踏んでおるのであります。まあ差当り延納の形はそれぞれとられたと思いまするが、併しいつまでも延納ばかりで済ませるのであるかどうか。或いはこれらに対して地方自治体がそれぞれの議会でこういう段階で、こういう方法で、こういう手段で、この限度なら減税は妥当だといつたよう工合に、実は地方財政委員会平衡交付金その他の方法によつて地方自治体の財政の樹立……、これらの欠陷を補うつもりはあるのかどうか、つもりがあるならばこれらに対してどれほど地方財政委員会政府と折衝されて、こういうジエーン台風に対しまするこの税金の欠陷に基く地方自治体の歳入欠陷を補うつもりであるか、或いは固定資産税においてはこういう方針を持つ、或いは住民税においてはこういう方針を持つ、その他においてはこういう方針を持つという一つの模範的な見解でも地方財政委員会は有するものかどうか、こうした点についてこの際責任ある答弁をこの席上においてして頂きたい。丁度私はあなたのほうへ今日、明日にでも陳情に参りたいと思つてつたところでありますので、責任ある見解をこの際はつきりおつしやつて頂きたいのです。
  39. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 災害が頻発して誠に国家のために私共遺憾に思い、又皆様と同じように憂えをいたしておることで、この災害の復旧についてはできるだけ速かに応急と根本の策を立てて、その実を挙げなければならないと思ます。政府に対しても財政委員会としては常にその督励と申しては相済みませんけれども、これを督励いたしておる次第であります。財政委員会としてできることは、例えたならば長期、短期の起債の問題、或いは又租税の減免に伴う特別交付金の配分の問題について、篤と研究し、又これに協力いたしておるのであります。政府のほうでも災害対策審議会を設けてその施策を講じておられるようでありますが、私共は、この財政委員会からもその審議会へ事務当局が出ておりますが、事務当局を通じて審議会の促進に努めておるようなわけであります。只今仰せのように財政委員会としてできることに十分に協力し、又推進して行きたいと考えております。具体的に今どうするかということを責任を以て答弁せいと仰せられても、具体的にこれを申上げることはできませんが、私共の意のあるところはここにあることを御諒察願いたいと思います。
  40. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 非常に遠大な御親切な態度には感激いたしますが、遠大な御親切だけでは、現在未だに濡れた畳や臭い板の間に住つておるような者、便所もその辺の水と一緒に、小便も垂れ流しといつたような実情、それから飯を炊くことができない、水がない。水道、瓦斯が止まつて、電気は未だにつかない所がある。又大阪、兵庫の中の二十万人ぐらいの住宅に未だに電気のつかない所があるし、薪があるわけではない。遠くの区役所から乾パンと握飯の配給を受けておるといつたような実情の所もあるわけでありまして、政府審議会を作り、官房長官が主宰されておる。やつておるということはこれもよく分ります。二回も三回も私はその席上へ参りました。それは誠に緩やかな御審議であつて、火急なこれらの罹災者の救済策というものについては、各地方自治体は非常に苦しい状態にある。ところが御案内の新税法が通つてから、九月に徴税せんとしておつた。その九月三日に来たのでありますから、委員長さんも御案内の通り地方財政は極度に窮迫であります。べら棒な高い利子で、辛うじて地方銀行からいろいろの手段、いろいろの方法で高い利子で間に合せの財政空白に対する処置をとつておりますので、これはもう枯渇してしまつて、今日明日は火の車も廻らんという錆ついた状態であります。それを審議会で鞭韃して促進に努めるとか何とかいうことでは困るのでありまして、徴税を延期する、延納するという問題は仮に別問題にしましても、地方自治体の財政空白というものは一日を待ち得ざる状態であります。金がないから毛布を買うこともできない状態であります。或いは又例えば福神潰のおかずでも持つて行くことができないという状態であります。そうして未だに学校や教会やお寺に避難しておる人は莫大な数であることは御承知の通りであります。三坪建の仮住宅を建ててやることもできない、こういうような実情ですね。実に思想問題、財政問題は深刻なる様相を呈しつつあると共に、延納というお指図はあなたのほうがやられたか、政府がやられたか。御親切はよく分りますが、延納ということだけでは一般住民は何ら措置はとれないのでありまして、どうしてもこれに対してどれほどの低利資金を出す、特に税金の分に対してこれこれ、或いは平衡交付金の増額についてこういう配慮がある。こういつたようなめぼしがないというと、地方自治体が又地方銀行から借入れをすることができない。そのめどがつかないときに銀行はもうこれ以上貸さないのであります。こういつた実情、荏苒とは申しませんが、もう早や十八、九日も経過した今日において非常なやかましい状態で、ひとたび災害地に足を入れられたならば非常な自治体に対する猛烈なデモ的な陳情のあることは御承知の通りであります。こういつた状態では極めてこの地方自治体、或いはこれらに住いしている住民の心理的、或いはもう実際人道問題に至つておるよう院な状態に対して、そういう手ぬるいことでは到底承服はできないと思うのです。どれだけどういうふうにするつもりであるのか、その辺をこの際どうしても承わつておかないというと工合が惡いと私は思うのであります。
  41. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 只今お話通り私は役人生活というものをしたことはありませんから、今度の災害に対する役所の処置というものは実際手ぬるいと思つております。(「その通り」と呼ぶ者あり)どうしてこういうようにこの緊急な、むしろ火急なことをあんなに手ぬるいやり方でのほほんとして、よくやつておられるものだというように、私も同じように考えております。(「同感」と呼ぶ者あり)従つて私は政府のほうに対してもそのことを後の一億よりも今日の一千万円の方が有効なんであります、早く何とか応急の処置を講じてやつたらどうかというようなことも常に申しているのであります。あなたの今のお話のように、誠に手ぬるいことで遺憾に堪えないのであります。只今の具体的のことについて、今我々財政委員会として処理し得ることについては事務当局から詳細に御説明申上げますから御了承願いたいと思います。
  42. 武岡憲一

    説明員(武岡憲一君) 今回の災害が、地方のまあ財政的に申しまして非常に時期的に惡かつたということは只今御指摘の通りでございます。各公共団体がまあ財政空白の状態にあつたということはその通りだと思うのであります。従いまして、これに対して何よりも必要加ことは応急の金融を講ずることでございましたので、これにつきましては地方財政委員会といたしましても大蔵省と即刻協議をいたしまして、補害額或いは又復旧に要しまする所要資金の額の大体でも判明いたしましたものにつきましては、逐次金融の措置を講じまして預金部資金から応急の融資をいたしておるような状態であります。それから尚全体的な土木の復旧でありますとか、或いは農耕地の復旧、或いは女御指摘になりましたような生活保護に関しまする問題、こういうものはいずれも政府の直接の責任におきまして復旧いたすものでございまして、それぞれ所管の各省におきまして着々その事務を進めておるように伺つておるのであります。それから尚今回の災害に伴いまして租税の減免等を行いました地方団体財政欠陷をどうするかという問題につきましては、地方財政委員会といたしましては、いずれ特別交付金によつて補填を考えなければならんじやないかということは考えております。ただ平衡交付金は御承知の通り、先ず一般的な平衡交付金配分に関する事務只今進行いたしておりまして、大体近く決定する見込でございますが、特別平衡交付金につきましては尚この建前といたしましては一般平衡交付金で補填のできなかつた財政需要を補填するというのが建前になつておりますから、災害その他による特別の財政需要の補填はこれによつても賄わなければならんのが当然でありまするが、額の算定等につきましては只今のところ的確なる数字を持合せておりません。併しながら実情によりまして、できるだけ地方財政に大きな迷惑を来たさないように手を盡したいと、かように考えております。
  43. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう少し具体的におつしやつて頂かないと困るのです。この間私は大蔵省の長沼次官にお会いしたときには、大蔵省としての国税に対する考え方は、相当具体的に、今から五六日前に明確に私に話をされました。西川政務次官もこの点については明確な話をされましたが、今の地財のほうの御意見は、まだ額は分らんか折角それに努力したいというだけでは困るのでありまして、凡そ特別平衡交付金が今回の災害に対して何十億、或いは百何十億、或いは何百億予想されるのかどうか。それに対して第一回はこれくらいで、こういう方法で出せるのだ。その基準については或いは住民税、固定資産税の場合のこういつたことに対してこういうものを充当したいとか、もう少し具体的なことを、もうはや十八九日も経過した今日でありますから、国税のほうはもう一週間も前から大体の方針を私は承わつておるのでありますが、この点を少し明かにして頂きたい。
  44. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 地方財政平衡交付金の特別交付金の配分は、これは総額に限定がございますので、年間において捕捉し難かつた財政需要がどの程度あるかというような問題は、やはり今後起きる問題も合せて検討いたしませんと、具体的に幾らかかるという数字は出ないのじやないかと思つております。ただ減税の問題につきましては、地方配付税制度が存続しておりました時代から、大体国税につきましては減免に関する法律が公布せられておるわけであります。それに大体準じまして、地方体が條例で減免の措置を講じました場合には、その程度の減收額は補填するという方針をとつてつているわけであります。従つて今回の災害によりまして、大体国税に準じました減免措置をとつた結果、減收を生ずるであろうと思うのであります。その場合にはその分だけ、平衡交付金を算定いたします際に計算いたしまして、財政收入額から控除しなければならぬだろうと思います。言い換えれば大体それをめどにして特別交付金が交付されるというふうなことになるだろうと思うのであります。ただ申し上げましたように総額が一体どれくらい必要であるだろうかというふうなことの結果、必ずしも金額が配分し難いというふうな状態の生ずることは御了承願つておかなければならないだろうというふうに思つております。
  45. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう二点、今明確にその数字を把握できないという御意見は分ります。その御意見は分りますが、実際問題としてそれでは今の奧野課長の意見を私がかように解釈してよろしいですか。各自治体が地方議会で、今度の災害において、凡そ議会において慎重審議した結果これだけの減免措置を講じたということにおいて、その地方自治体の財源が五〇%欠陷を生じた、或いは三〇%欠陷が生じたということの、穴といいますか、欠陷分は特別平衡交付金で、政府責任を以て需要を満たすように引受けられますか。
  46. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 先程お答えいたしましたように、国税では例えば家が流失した場合にはどれだけとか、或いは家が半燒した場合には、どれだけというような規定がございます。こういうふうな規定に準じました減税の措置をとりました部分については、その減收額は特別交付金配分の基本額になると思つております。その基本額が全体合せまして、單に減收の問題だけではございませんで、いろいろな伝染病の発生、その他の問題があるわけでございますが、全体を合せましても特別交付金の総額に合うようでありましたら一〇〇%参りましようし、それが、数が超えるのでしたら、超えた額に按分せざるを得ないだろうと思つております。そういう点をお含みの上でお話し頂きましたら、従来もそういう方針をとつておりますし、今回の場合もそういう方針をとらざるを得ないと思います。
  47. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 国税が減免の措置を講じたことに準じてということでありまするが、今回の税法に基きまして、自治体の取るいわゆる住民税、それから固定資産税の性格と、国税の所得税であるとか、そういつたよう状態の税種等は実際問題として今度の災害は非常に違いがあると思うのですが、実際それが殆んど住むこともできない、売ることもできないならば、その土地も一割の地価しかなくなつて来た。そういう高潮で石や砂に埋もれて来たというようなときに、固定資産税或いは住民税の性格と、国税の取る性格とは非常に違うのであつて国税は商品が流失したり営業收益が上らないということにおいての……、いわゆる住民税と固定資産税の減税のそれとは大分違うと思うので、国税の減免措置になつたことに準ずることは当らないと思います。これは県税の場合でも市町村税の場合でも同じでありまして、特に遊興飮食税、或いは入場税の場合については或いは関連するものがあるかも知れませんが、その外のものにつきましては関連を欠くと思いますので、ちよつとそれでは当を失する虞れがあると思うのですが、どうでしようか。
  48. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 大体間接税の問題につきましては、原則としては余り減免の問題は論議したくないというように考えておるわけであります。間接税と言いますのは特別徴收にかかる税收であります。直接税につきましては全面的に十分考慮しなければならないと思つておるのでありまして、若干の地方団体においては、大体国税方針に準じてやつておるのですけれども、何のためにこういう姿がとられたかということを聞いておるところもあるようであります。画一的にするのも一つの方法でありますけれども、減免の問題などにつきましては、單に補填されるということだけじやなしに、政策的にも地方団体考慮したほうがよいと考えられたので、従来からも大体国税に準じたものについては考慮するということだけを認めておるのでありまして、こういうふうな減免をせよというような指図はいたしておらんわけであります。併し只今お話もございますので、伺かそういうふうな事柄について触れてみることを更に研究したいと思つております。併し従来からとつております方針地方体でも承知しているはずでありますし、又今回の災害に当りましても、只今申し上げておりますようなことは十分お話をいたしておりまして、この点も了承しているはずだと思つております。
  49. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 もう一点国税に準ずるというようなことを……、少くとも地方税地方自治体の財政確立だといつて大きく旗を掲げて来た税制改革につきまして、国税に準ずるというようなことでなしに地方税地方税として特殊の見解に基いて地方財政の欠陷をどうするか、平衡交付金なり特別交付金をどうするかということに、超然たる基礎をおかないと、国税に準ずるというようなことになりますと、又地方によつて市街地区と農村漁村地区と、いろいろの業種、業態、住民の実情において偏することができると私は思うのですが、飽くまでも独自の見解としてやれないのでありますか、そして重ねて私は申しませんが、要は私の解釈としては国税に準ずるという問題に私は疑問があるし、それには同感できないのでありますが、地方自治団体が減税の措置を講じた場合において、平衡交付金の分を控除して、そうして尚欠陷のあつた場合には、一〇〇%特別交付金で充当するという方針の基本線だけ一応きめて、ここで確立さして頂きたいと思います。
  50. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 減税の問題につきましては地方団体が実際どの範囲まで減税するかということは、全く地方団体の自由裁量に委ねられているわけであります。ただどこまで何をカバーするかという問題になりますと、成るたけ地方団体間において均衡を保持しなければなりませんので、成るべく地方団体の自由裁量を拘束しない、而も又各地方団体間の均衡のとれた減收の補填をして行こうという意味合において、只今申上げたような方針を従来とつてつておるわけであります。尚災害の場合にそれは減收の問題だけでありまして、後更に今お話のように高潮が参りまして土砂が道路の上に沢山上つて来てしまつたとか、或いは伝染病の問題もある、これを更に新らしい財政需要として計算をして行かなければならないわけであります。こういうものはすべて特別交付金を算定して行きます際に、基本額になると申上げておるのであります。この基本額非常に大きな額になりました場合には、到底一〇〇%のものを配分するわけには行かないだろう。併し特別交付金額以内に止まるなら一〇〇%を交付しなければならない。かような考え方をしておるわけであります。
  51. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 これは野村地方財政委員長の御意見として承知してよろしうございますね。
  52. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) よろしいですね。
  53. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) ええ。
  54. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) よろしいそうです。
  55. 相馬助治

    相馬助治君 今の奧野説明員の説のように地方財政委員長が承知されたとあつては、このまま放つて置くわけにいかない。御承知のように地方自治の将来の財政の賄いの上で行くと、仮に大阪が今度の大水害を受けて、地方団体が当然政府のきめたような方針に基いた減税をして、そうしてそれをカバーして貰おうとしたときに、今度は政府自身のやり繰りがつかないために一〇〇%の交付をして貰えなかつた。そのときには新たなる税種目を地方団体が起して税收入を取るわけにいかない。今度の地方財政と……高潮で泥が上がるとか、伝染病を何するとか、新らしい仕事を今少しく抜きにしても、そこに出て来た財政の欠陷は将来そういうことになると地方自治体自身が長い間かかつてですね、埋めなくちやならないということになると思うのです。それで地方財政委員会というものが貰つた金だけを配分しておるんだつたらこれは誠に妙な、あつてなきがごとき、又つまらない委員会になつてしまう。そういうときにあの財政委員長としてはですね、政府に向つてどういうふうにこれを要求し、今言つたよう地方財政の欠陷を補つて下さるつもりか、事実の問題としてこれが大阪なら大阪という大きな自治体の場合にはまだしも、これがもう少し小さくなつて来た場合には処置ができない問題が起きて来ると思う。さればと言つて起債もできないということになります。奧野説明員は現実の今の姿をただ説明されたと思つて了解しておる。財政委員長としては将来そういうものに対してはどういうふうな御見解があるか、それをお聞きして置きたい。
  56. 鈴木直人

    鈴木直人君 それに関連して……、具体的に私只今の答弁を聞きますと、平衡交付金については千五十億ある、その一割は特別交付金として取つてあるがそうすると百五億ですか、百億近い程度の金は持つておるということになるのです。ところがその百億はどんな方面に使わなければならん金であるか、勿論それを風水害の場合に特殊の地方において減税をされ得るであろうということも予想して、百億は取つてあると思うけれども、今回のように非常に災害が大きくして、大阪、神戸その他の方面において減税をしなければやつて行けないというような、地方自治体の実際の要望によつて地方自治体がそれをやつたという場合においては、この百億近くのものが減税に当てられてしまつておるかも知れないということは考えられます。その際にその外に特別平衡交付金というものはもう使うことができないということになつてしまうと思います。そこで問題は奧野君の答弁としましては、それでは困るのだ。百億というものはもう既定の事実なんだから、いろいろな財政需要があるんで、それと按分をして、大阪なら大阪についてはその按分比例したものだけを交付するのだという答弁だろうと私は思うのです。それではいわゆる一般、例えば特別警察なんかが非常に重大な問題が起つて、警察の金が必要だというような場合には、更にその方面に特別平衡交付金を向けるでありましようし、多くのものにいろいろな特別平衡交付金を使う用途ができて来るのです。それでできて来たものをこつちもそれを皆計算して按分して、百億をやるん、だということでは、ちよつと満足できない。そこで私達の要求としては百億を殖やして貰うということは、地方財政委員会に要求しなければならないものだとこう私は思うのです。併しながらそれは予定されていなかつたものが出て来たということになるんでしようが、又災害の百億、これは全額国庫負担の災害につきましても、災害復旧工事につきましてもこれは百億ということになつているのだから、実際四百億程度の災害が本年度にあつても、これは百億限りしか本年は出せない。だからあとの三百億というものは来年度、再来年度に繰延になるのだというような建設省方面の答弁もありますが、私共はそれではいけない。やつぱり百億では足らないのだから二百億、三百億の全額国庫負担の要求をして貰わなければならない。それと同じようこその枠をこの際政治力を以て殖やして貰いたいというように講ずベきだ。その点についての委員長のお考えをお伺いしたい。非常に役人は手ぬるいという気配がありますが、今度は役人ではなくて政治力によつて一つつて貰うということならばできると思うのです。
  57. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 今奧野課長が申上げたことは現状において申上げたのであります。将来のことについては将来私共最善を盡して行きたいと思います。それ以上申上げるわけには、責任を以てここでお答えすることはできません。
  58. 鈴木直人

    鈴木直人君 今私申上げたのは現状のことを申上げている。いわゆる大阪とか神戸とかというものの現状を、出すだけ出して、あと将来その足りないものをどんどん取る。これは将来の問題でありますが、将来取るということを肚に置きながら、現状の対策として思い切つて、その免税程度のものを思い切つて出すという処置をとるかどうか、いわゆる現状の問題として今お聽きしているわけです。
  59. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 将来については、その将来の事柄につきまして私共は最善を盡すということ以外には申上げられません。
  60. 鈴木直人

    鈴木直人君 将来のことについてではありませんで、今岩木君がお話しました大阪とか、或いは神戸とか、その他の団体において議会が免税の措置をとつたという場合に、それだけのものは思い切つて特別平衡交付金から出すがどうかということを聞くわけです。そうしてそれは今の問題です。百億に足りなかつた場合においては、これは将来の問題です。併しながら将来のことを考えずして今出すということには行かないでしようか。
  61. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 いやそれは出すということを言つているんです。
  62. 鈴木直人

    鈴木直人君 按分するという話……、按分せずして、その総額を出すかどうかということについては、さつき課長からも話は願つて……。
  63. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 僕の按分は神戸、大阪、和歌山の被害についての按分である。
  64. 鈴木直人

    鈴木直人君 全国的の按分だ。
  65. 相馬助治

    相馬助治君 それは間違いだ。それはとんでもないことで、百五億の範囲内で地方議会がきめた減税に対して特別平衡交付金で補填するということに僕は了承したのです。そうじやないから私は聽いた。
  66. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 先程申上げましたことを技術的に敷衍して申上げたいと思います。御承知のように各地方団体配分いたします地方財政平衡交付金が、各地方団体の基準財政需要額から、基準財政收入額を差引きして、言い換えれば生活費の不足額に交付金の配分可能額を按分して交付するわけであります。併しながらこういう際に基準財政需者額としては、捕捉し得なかつた財政需要もございますし、需要財政收入としては捕捉し過ぎた財政收入もあるわけでございます。言い換えればその後に伝染病が発生したために、伝染病対策として相当の出費をした。これは捕捉し得なかつた財政需要です。更に又その後に大災害が起きたために減免措置を講じなければならなくなつた。こういうものは捕捉した財政收入の中にこれは不当に高く入れた、これは減額しなければならんと言うのです。こういうふうに算定の際に捕捉し得なかつた財政需要や財政收入につきまして再計算をいたしまして、特別交付金を配分したい。かように考えておるのであります。再計算をした結果特別交付金の基本になりますものが非常に大きい場合は、言い換えれば特別交付金額を超えます場合には、これらの内容を検討いたしまして、或る場合には或る程度の基準を設けなければならんだろうと思います。私は單純に按分するということを申上げたのではないのでございまして、超えました場合にはその内容を検討いたしまして、或る程度引下げなければならないだろうということを主張しておるのでありまして、かように申上げでおるのでありまして、地方財政委員会としては算定基礎に入りません部分につきましては十分にこれを補填するように、能う限り可能な範囲において、予算においても修正が加えられるならば幸いであるというふうに考えております。いろんな面について不足額は充足されるように努力して行かなければならんという考え方は根本的に持つておるということを御了承願えれば幸いだと思います。
  67. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 今の奧野課長の御意見平衡交付金の一割というものは、特別平衡交付金をオーバーした場合に意味されるものと解釈しておるのですが、チフスが起つた、土砂工事をしなければならん、橋梁をどうしなければならんというような、普通の経費以外のものに対してのみを特別平衡交付金でやるというようなことであるならば、平衡交付金特別平衡交付金意味合いがないので、普通に考えられない、特別の災害に対する予備金であるから普通に考えられない。特別の災害に対する予備金は即ち百五億を重点的に近畿地方に出すならば近畿地方に、そのうちの一〇〇%とか九五%とかは知りませんが、大体ああいう台風時期が経過したならば、凡そ九〇%の推定相当額に入るものだということで、百五億の九五%をこの際近畿地方に充当するという方針に基いてしないと、今の御意見でありますと、結局地方自治体が普通に要る財政需要に基いて平衡交付金なり、税種税目によつて課税徴收が行われておるものであるならばめちやめちやになつて地方自治体の存立というものができなくなる。こういうことでは全く平衡交付金の、特別平衡交付金意味もなくなるし、それじや地方自治体の財政需要というものを政府はどういう方法でやるのか。やれない地方自治体はのたれ死にして赤化すれば赤化するほど放つておくという方針なのか、間に合わないという問題がたくさん深刻に迫つておるのでありますから、こういう問題については平衡交付金特別平衡交付金を重点的にその方へ振向けるという方針をとつて貰わなければいかんと思うのですが、重ねてお尋ねしておきます。
  68. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) もとより地方財政委員会は各地方団体財政が確立するように努力して参りますのは、單に地方財政平衡交付金だけではございませんで、災害土木につきましては、全額国庫負担という制度になつて参ります。農業災害につきましては三分の二国が負担するということになつております。或いは災害救助法というものによつて応急の救助につきましては、国がそれぞれの額に応じまして、或る場合には全額を国が負担しなければならないというふうな制度になつておるわけであります。更に生活の困窮者につきましては、生活保護法の適用も生じて参るわけでございまして、いろいろな制度がこれらの災害の問題をめぐりまして設けられておるわけなんでございます。ただ地方財政平衡交付金の中の特別交付金の配分につきましては、地方財政平衡交付金法に掲げられておりますように、あそこに掲げられております算定方式では捕捉し難かつた財政需要がありましたり、或いは把握し過ぎたりした財政收入がありました場合には、そういうふうな点を考慮して特別交付金を配分するということを書いておるわけであります。従いまして、災害が起りました際に新たに財政需要が生じて参りまして、又財政需要を把握して来る必要が生じて参りますので、十分これらの点は勘案しなければならないのであります。併し單にそれだけに止まりません。例えば道路の費用が、道路の面積に対しまして單価を乗じて計算する。或いはそれが都市であるか、或いは町村であるかということによつて若干の補正もするというふうなことにいたしておるわけでありますけれども、例えば進駐軍の関係上非常に道路の損傷が多い、それがために道路関係財政需要が特に多いということであれば、それもやはり財政需要に把握していなかつた分でありますから、こういうものもやはり特別交付金の算定の基礎に入れなければならないであろうというふうに考えておるわけであります。我々は特別交付金の算定の基礎になりますものが、今後どういう事態が生ずるか分りませんし、尚十分な検討を了しておりませんので、具体的にどれだけの額になるということを個々に地方団体別に申上げることは尚困難な状態にあるということを申上げておるわけであります。併しながら減税による減收の分につきましては、これは基準財政收入として把握した額が大き過ぎた場合は、これはもとより引下げて計算をして行かなければならないわけでありますが、そういう問題は單にそれだけではないということを御了承願つて置きたいと思います。、併しながら地方財政の確立というものは、必ずしも当該人に起きた問題を当該人で片付けなければならないという問題ではございません。当該人で片付けることが理想でありますが、併しながら将来に亘つて、その地方団体が勝手な措置を講じたのではなく、誰が考えてもその程度の措置を講じなければならないのだ、その結果相当に財政需要を来たしておる、或いは財政收入の欠陷を来たしておるということであれば、国の財政その他とも睨み合せて当該人において措置しなければならないことは、来年度或いは再来年度において逐次是正しなければならない。当該地方団体財政が危殆に陥ることのないように地方財政委員会として十分に措置を講ずべき職責を持つておるということを考えておることを御了解願いたいと考えております。応急措置としては、或いは地方債の一時融資の問題もございましようし、或いは恒久的な地方債もございましようし、先程申上げました国庫からの補助金等の問題もございます。いろいろな問題がありますので、総合的に十分当該地方団体財政が危殆に陷ることのないように私共は努力を重ねて行きたいと考えております。
  69. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 最後に一点だけだめを押して置きますが、ここで特別交付金を何ぼよこすとか、どういう基準についてとか、いろいろ御意見があるだろうと思いますが、それは私はその御意見を了承したわけではありませんが、ただ最後に奧野課長が言われたように、地方財政委員会としては、地方自治体がこのような災害によつて減税減收の欠陷になつたということの補填の方法は、国の方からの低利資金とかいろいろの方法もあろうが、要するに特別交付金を広義に解釈して、その欠陷を補うことに努力をすることを誓われるということに私は解釈してよろしうございますか、間違いありませんね。
  70. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) ちよつと私外の用事で話をしていたので、十分に聞き取れなかつたために、今他の説明員から聞きましたのですが、そのときは十分考えたいと思つております。
  71. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 考えたいじやない、十分善処するということで……。
  72. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) ええ、そういう意味でございます。
  73. 岩木哲夫

    岩木哲夫君 では誓われたことに私は解釈いたします。
  74. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) ええ、よろしうございます。
  75. 小笠原二三男

    ○小笠原二三男君 只今の災害に関しての応急な措置として、将来特別平衡交付金でこれはカバーして貰うということは第一点でありますが、緊急なこの事態において、地方の現在の財政收入、或いは支出を、地方財政委員会が緊急に見てやらなくちやならんというこういう一つの面があろうかと思います。この二つの面で考えて行きますと、今まで第一点でけはいろいろお話が出ておつたところでありまするが、この点についても今の奧野課長なり野村委員長の話ですと、将来において調査の上で、平衡交付金が予算の範囲内において超過の場合、比例配分になるかも知れんというような話でありましたが、これは逆に言えば手ぬるいかも知れませんけれども、手ぬるいと思つている地方財政委員会が、本日で十八日にもなり、そうして百五億という金は、前年度において、どうしたものに使えるかということが大体予想される金額であつたかと思うのに、緊急にそれだけの災害が起つて、尚それも含めて百五億で間に合うか間に合わないかという点は、大体見通しがついていいはすじやないかと思う。然るにもかかわらず、時期的には来年にもなつて、そうして最終的な調査の上にそのことが考えられるのだということでは、それこそが手ぬるいと私は思うので、少くとも減税減收ばかりでなくて、災害のために特別に各方面、殊に支出している金額が厖大であると予想される場合においては、臨時国会における補正予算等の問題もあるのでありまするから、地方財政委員会として緊急にこれらについてめどをつけて、百五億の特別平衡交付金で間に合わない、同じ比例配分するにしても非常に地方負担が大きいという見通しがつく場合には、直ちにこの平衡交付金の増額方についていろいろな措置をとらるべきであると私は考えるのでありまして、そうしたことが例えばできない場合には、只今課長のお話通り、災害補助法の方において、今回の場合は国が全額を見るとか、或いは生活保護法の対象になる部分の費用を国が大きく補正予算で見る。或いは医療保健等について、或いは一般の土木関係、或いは農業関係の災害の方でこれを見て貰つて、そうして尚地方財政が枯渇しない、危殆に瀕しないというような措置を講ずるというふうに、財政委員会或いは自治庁が総合的な計画の上に立つて緊急にこれに対して態度を決すべきものであろうと私は考えるのであります。ところが技術面の御答弁だけであつて、そういう財政委員会の、或いは自治庁の責任において、各方面について万般の手を打つということについて、少しそれこそが手ぬるいのじやないか、こう思われるのでありまして、一応第一点について市上げましたことに対して、委員長の御意見をお伺いしたいと思うのであります。  第三点としましては、それは将来の問題でありまするから、第二点として質問したいのは、今現在の地方財政需要をどうして委員会が特別にカバーしてやるか、こういう点であります。この点については預金部のほうからも融資等によつて逐次これをやつておるというような話でありましたが、例えばこの点についても二つに分けましてお伺いしますが、一つは預金部のほうの融資というようなものはどういう手続で、そうしてどれだけの金額をどういう方法で緊急に地方自治団体のほうに流しているかというその経過内容についてお伺いしたい。それから第二点としましては、将来特別平衡交付金を渡す場合に、現在の特別支出簿に要するがために災害のための起債をしておる。併しこれは土木関係その他はつきり国から来る金額でない金額、即ち平衡交付金において、或いは地方の税金を以て将来その起債を償還しなければならないという部分に当る起債については、来年度以降の平衡交付金等において特別にそれを見てやるのかどうか、こういう点を第二点としてお伺いしたいと思うのであります。
  76. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 特別交付金の見通しについての御質問でありますが、私共もこういう不時な災害があつたことについてはこの特別交付金で果して賄い得るかどうかということについて懸念を持つております。従つてこの特別交付金を更に増額せねばならんようなこともやはり考えております。従つて私共はどうしてもこの現在の百五億で賄い切れんという場合においては、その増額に対して財政委員会としても適当な処置を講じなければなるまいと思つております。
  77. 武岡憲一

    説明員(武岡憲一君) 臨時融資の問題についてのお尋ねがありましたので、私からお答え申上げたいと思いますが、只今までのところ今回のいわゆるジエーン台風によります災害の分として預金部資金の放出されておりまする状況は、大阪府が五億、それから兵庫が一億五千万、それから和歌山が一億一千万、徳島は正確に記憶いたしませんが、一億くらいだつたかと思います。尚その外京都、三重についても融資をするように大蔵省のほうに私の方からも申入れてございますし、大蔵省のほうでも只今検討しておられるというふうに伺つております。その方法といたしましては、本省から地方の財務局にその枠を渡しまして、その枠参の範囲内で財務局所在地の財務部を通じまして各地方団体に融資をいたしております。それから災害によりまする起債の償還についてその負担平衡交付金で見るかというお尋ねでございますが、これはいわゆる地方財政需要額の基礎額として算入をいたすことにいたしております。
  78. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは別問題ですが、ちよつとお聞きして置きたいと思いますが、これは事務の方で結構です。今回住民税が確定して各府県とも市町村において條例が決定して、今月末の徴税令書が配付されておるわけです。ところがそれは非常に従来よりも住民税が高くなつているということは御承知の通りでありますが、今後来年の三月までの間に三期に分けて三分してこれを納めるというような徴税の趣旨になつておるわけです。ところが具体的にこういうふうな問題が発生いたしております。これは板橋の例でありまするが、労働組合全体が一緒になりまして、これを一ヶ年分をこれから三回に分けて納めるということは勤労者として非常にこれは不可能に近いような状態になつておる。これは納税が非常に遅くなつた関係もあるわけでしようが、徴税が遅れてこういうふうになつた今年だけの特例かも知れませんが、そういうことがあります。又工場主、事業主におきましても、非常にこれは勤労者の辛さを考えると尤もに思われるということで、労働組合全体、或いは工場主全体が一緒になりまして、そうしてこの三回に区分して分けるのを毎月毎月納めて行きたい、そうしてその納めるにつきましては工場主が責任を持つ。来年の三月までに全部納めてしまうということについては当然工場のほうから金を拂うのでありますから、工場主が責任を持つ。従つて毎月これは源泉ということになりますが、便宜的に毎月拂う俸給からこれからの支拂うべき徴税令書に書いてあるところのものを何分にしますか、三月までの間の月で以て割つてその数のものを俸給から差引いて、そうして区役所に納めだい、まあ便宜的にそういうことをしたい、こういうことで昨日あたりも区長等といろいろ研究しおるようですが、そういうことができるかどうかということに関して事務的にお聞きした場いと思います。成るべくそういうふうなことをやりたいというような希望の上からお聞きするわけです。
  79. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 地方団体の中には市町村民税徴收を毎月々々行うというような方針をとつておるところもあるわけでありますが、今お話になりましたような問題は條例でどういうふうな徴收の方法をとるかということでありましたが、部分的にそういう方法を容認しても差支えないと思つておりますが、ただ一つ問題がございますのは工場主に特別徴收させるというような恰好でありますと、地方自治法で源泉で徴收する税以外の問題について、そういうことを禁じている面もございますので、それらとの間の調整を図る必要はあるだろうと思います。併し細かい問題は別にいたしまして、大筋は地方団体が條例で規定することによりまして月別に徴收して行くことも可能でございます。
  80. 鈴木直人

    鈴木直人君 まあ大体内容的には説明の趣旨は分りましたが、恐らく東京都の條例、或いは各県の條例は毎月納めるようになつていないのではないか。九月と一月と来年の一月の三回に納めるように條例はなつていると思うのです。従いまして実際的には條例を今改正するということはできないかも知れませんけれども、そういう場合に工場主が源泉でなくて、便宜労働者と一緒になつて毎月それを俸給から取つて置いて、そうしてその納税時期に納めるという方法もありますが、あらかじめ先に毎月納めて行つた場合に、区としてはそれを取ることができるものでしようか、いわゆる毎月々々先に納めるというような場合にそれは……。
  81. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 今お話のように東京都では三回に徴收するという方針をとつております。その制度を変えないで尚できるかという御質問であるといたしましたならば、その部分的に延納を認めて行くという方法をとれば可能であると思つております。私が毎月徴收しておる団体もあるということを申上げたのは、もとより東京ではありませんで、若干の……例えば函館市であるとかいうような所では、そういう方針をとつておるわけです。
  82. 鈴木直人

    鈴木直人君 私のお話したのは先に納める部分もありますし、延納する部分もあるわけです。いわゆる一月々々納めて行きますから、納める月よりも早くまあ納めるというときもありますし、一、ニヶ月遅く納めるという場合もある。こういう場合に現在のきめられた條例の中において、便宜的に先き納めたものは区役所が取ると、後納めたものも延納という場合にはどういう形で延納を許すということになりますか、それをお聞きしまして、それをやるということができるか、或いは三ヶ月分だけを工場等において便宜保管しておいて、そうしてその都度々々納めるということであればできると思いますが、そうでなくして毎月々々直接その区役所ですか、先へ納めたり一ヶ月くらい遅く納めたりする結果になるわけですか、そういうことができるかということです。
  83. 奧野誠亮

    説明員(奧野誠亮君) 今お話のような問題を條例の、何と言いますか、運用において解決するという問題よりも、根本的にはやはり條例を改正して貰いたいというふうに考えるわけであります。併しながら尚條例で何かごまかす方法はないかというお尋ねであるなら、延納の方法もございますし、又納期の来ていない部分も徴收する、納付を認めることができる規定もございます。その場合には、報奬金ですか、報奬金を交付できるというふうな規定も地方税法の中に入つている点は御了承だと思います。だからそういう点を噛み合せまして無理な運用をすれば、運用もできないことはないというふうに申上げてみたいと思います。併しながら根本的に條例を改正して頂くことが一つ、もう一つは工場ごとに納税組合を作つて頂きまして、その組合長に工場主がなつたらいいのじやないだろうかと思います。そういう方法があるのじやないかと思います。更にその納税組合が納税準備預金を扱つて行くというふうなことにいたしますれば、納税者は毎月々々準備預金をして行く。それを納税組合が管理いたしまして時期の来た時々に管理者から納税の手続をとつて行くというようなことをすれば、一番理想的に行くのじやないかというふうに考えております。
  84. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 ちよつと関連した問題で……。只今の住民税の問題でございますが、先程委員長がこれは源泉課税ということも我々考えているということを言われましたが、私のほうにおきましても工場が非常に大いのでございますが、そこでまあ組合長の連中が言うのは、所得税でまあ源泉課税になるというと、貰うときに差引かれると非常に出しいい、併し一遍自分の懐ろへ入つたものを出すということは非常に苦しい、実際十倍くらいになる労働者もあるわけである。そういうことになると、非常に各市町村が困つておる。でありますから私は地方財政委員会が源泉で取れるというふうにこれを変えられる意思があるかどうか、こういうふうにして貰うと非常に滞納がなくなる。こういうことがありますか、そういうことを御研究になつておられますかどうか。
  85. 野村秀雄

    説明員野村秀夫君) 先程シヤウプ博士へ提出した書類の中には市町村民税源泉課税にするがいいかどうかということの両方議論があるということを、両方議論を紹介しておいたわけでありまして、地方財政委員会として源泉課税を是とするということを申上げたわけではありません。その点御了承願います。併し地方財政委員会としてはこの点についてもいろいろ研究しておりますから御了承願います。
  86. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは冒頭に申上げましたように又地方財政委員会につきまして最近平衡交付金の仮決定算定に関する規則というものが作られているはずであります。そういう問題がありますから、午前の部はこれまでで休憩にいたしまして、午後一時半に続行いたします。    午後零時三十五分休憩    —————・—————    午後一時五十六分開会
  87. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) それでは委員会を開会いたします。先ず過日発足いたしました警察予備隊進捗状況、そういうことについて、増原本部長官から説明を求めます。
  88. 増原恵吉

    説明員(増原恵吉君) 私新設されました警察予備隊の本部長官の増原でございます。本日は参議院地方行政委員会で予備隊についての御質問でありまするので、お答えを申上げたいと思います。予備隊は御承知のようにマツカーサー書簡によつて発足をいたしましたが、発足以来もとより司令部方面のいろいろの指示勧告、或いは司令部に協議を要すべきものがありまして、進捗状況はなかなか思うに任せないところがございまして、国会方面においてもその点について御関心を持たれておることと存ずるのであります。八月の十日に政令を出しまして、基本的な設置の規定を設けたわけであります。御承知のように予備隊の定員は七万五千百名でありまして、半端の百名というのは私服の本部を置くということになつておるわけであります。私服の本部に本部長官と次長を置きまして、この私服本部の統轄の下に七万五千の部隊を置くという規定に相成つておるわけであります。書簡に示されました七万五千は従つて全部制服隊員であるということになるわけであります。制服隊にやはり中央本部を設ける予定でありまして、その本部要員は約五百と予定いたしております。その本部の下に地方本部を約四つ設けるというふうに内定をいたしておるわけであります。その箇所は大概北海道、仙台、福岡、大阪、それぞれ附近という言葉をつけて頂かなければなりませんが、その四ヶ所に名前は本決りでありませんが、地方本部というふうなものを設けることになつておるのであります。そうしてその地方本部の下に部隊を構成をいたしまして、部隊は小さいものは中隊、大隊、聯隊というふうな言葉で呼んでおりまするが、地方本部に相当するものについてはまだ呼び名を明確に決定しておらないのでありますが、数個の聯隊を統轄する地方本部というものを四ヶ所に設けるというふうになつておるわけであります。現在大体四十万近い応募者がありまして、現在まで編成をいたしましたのは十八日現在で四万五千三百三十三名ということに相成つております。これが殆んど全部が各部隊に分れておるわけでありまするが、少数の者は只今越中島の元商船学校跡にありまする私共の本部のところで講習を行うことにいたしまして、個々に召集いたしておるのであります。これはいわば幹部講習とも言うべきものでありまして、今まで扱いました者は人事の関係を扱います者約四十名、経理関係を扱います者約四十名、補給を扱います者約四十名、これを卒業いたしました者は試験の結果及び人物考査を行いまして、成績のいい者は二等警察士という階級を仮に與えまして各部隊へ帰しておるのであります。次の階級の者を一等警察士補の階級を與えておるわけであります。分り易く言いますと中尉の階級と曹長の階級というふうなことであります。そうして試験及び人物考査にうまく及第しなかつた者は、元の警査のままで帰すというふうな措置をとるのであります。その外に幹部の講習としまして、最初合格者を各管区の警察学校へお願いをして、集めているわけでありますが、ここで管区の学校長その他に選抜をして貰いまして江田島に送りまして、江田島にあります学校で教養をして賃つておるのであります。これは一般の指揮官、普通の指揮官になる者の外に、通信であるとか、経理であるとか、補給であるとか、医務であるとかいうふうな技術区分別の講習をもいたしておるのであります。その普通の指揮官、いわゆる幹部たるべき人々の中で優秀な者を広島の管区学校長に委嘱し、向うのアメリカのオフイシヤルである学校長と二人で協議の結果、推薦をして貰いました者を四十名一昨日東京の本部に召集をしまして講習を開始いたしております。この人達は一等警察士若しくは警察士長、分り易く言いますと大尉若しくは少佐というふうな階級をも與える予定で現在訓練をいたしておるわけであります。現在まで入りました人々の内訳は、軍籍のありました者と軍籍のなかつた者が大体半々に相成つております。最初募集をいたします際に、私共当時は予備隊設立の準備委員という資格で事に当りましたが、私の考えはやはり先ず幹部になるべき者を先に募集をするなり、任命をするなりして相当の幹部はこれを任命することが適当であると考えまして、その他の幹部は募集をするということで幹部陣容を編成をしまして、これに或る程度の教養と訓練を甘い、予備隊としての思想統一をしまして、これを各予定部隊地に送りまして、その後で一般隊員を募集することが像の編成上好結果を得るものと考えまして、そういう方針で進めたいと考えまして関係方面に折衝をし、相当強くこれを主張いたしましたが、当初予備隊の編成を司令部としても非常に急いでやれということでありまして、当初は併行的に進むより外にあるまいという意見が強かつたので、私共の考え方が残念ながら承認せられなかつたのであります。従いまして一般隊員の募集を早急に始めたのであります。そうしてこれは父司令部方面においても予備隊の直接の係の、私共のところに来ておる係の外に、別に募集の係が任命をされておりまして、日本側としては目下地方警察が募集を担任する、私共は募集については権限もない、責任もないという取決めになつたわけであります。そうして目下地方警察の非常な努力によりまして、一般隊員の募集は好成績裡に今尚進行中でありまして、四万五千の編成を現在すでに終つたわけであります。ところが幹部のほうは、その後この幹部に旧軍人を起用すべきかどうかという問題が相当長い間に亘つて決定ができなく、幹部人選が相当に遅れました上に、その後幹部の任命についてもいろいろと問題が起り紆余曲折がありまして、更に又選任が遅れまして最近に至りまして二百名の幹部を任命することの了承をやつと得たというふうな段階であります。そうして約八百名の者については従来行いました二十歳から三十五歳までの隊員募集の外に、この隊員の中にはもとよりそれぞれ経歴、職歴、軍歴等によりまして幹部に適当な人々は幹部に採用いたしたわけでありますが、その外に三十六歳以上四十五歳までの幹部を募集したい、及びそれぞれの技術を持つ方面については三十一歳まで下げて募集をしたいということを折衝の結果了承を得まして、約八百名の者は三十一歳から四十五歳の年齢の間においていわゆる幹部募集を行なつているわけであります。これに多少の誤解が現地の部隊のほうにありまして、従来二十歳から三十五歳までで入つた者は幹部になれないのだ。今度募集する八百名或いは二百名が幹部になるのだというふうな誤解があるようであります。これは全然さようなことはないのでありまして、二十歳から三十五歳までで募集をした人々もこのたび募集をする八百名も全然扱いは同一でありまして、それぞれ職歴、経歴、軍歴等によりまして適当なる人々は幹部に採用する。その間絶対に甲乙はつけないということで進んでいるわけであります。二百名の人々は適任者を選抜して一応試験をしないで任命をするという形をとつているわけであります。併し二百名にしろ、八百名にしろ、関係方面の期待し、要望をします者はその大部分が技術職員であります。特に医務関係が非常に多いのでありまして、先方の予想しますものは八百名及び二百名を加えましたものの中で、四百名以上の医務関係を希望し、期待をしているというふうな実情でありまして、その外に通信、経理というふうな関係の技術者、工務等の技術者をも予定をしておりまして、一般の指揮官、一般の幹部というものは先方の要望するところは非常に少いのでありまするが、そういうことでは部隊の編成及びその指揮、そういうものがうまく行かないので、これは折衝の結果相当数のそういう指揮系統の幹部をも採ることができるように了解を得ている実情であります。現在のところそういう状況で実は私共のところには制服部隊には幹部がおらないのであります。制服部隊の長たるべき人々もまだ任命ができておらない。従いまして各部隊は国家地方警察の骨折りで、現地にはそれぞれ地方の民事部の将校が参つて、いろいろ面倒を見ているわけでありまして、国家地方警察の職員は現地の民事部の将校等の選抜によりまして、仮に中隊長、小隊長というふうなものを任命いたしているのであります。この仮隊長が現在訓練に当つているということでありまして、これは部隊編成としては私共も適当とは考え難いやり方でありまして、従いまして部隊員の教養にしろ、訓練にしろ、部隊員中より幹部を選抜するにしろ、部隊の指揮を保持し、技術を維持するという面にしろ、思うに委せぬ点が相当にあるわけであります。尚それを訓練をして部隊の秩序を維持する上に、現在新聞等でも報ぜられておりまするが、給與の関係をまだ決定し得ないような実情がありまして、これは連日関係方面と折衝を続けているのでありまするが、まだ決定をいたし得ないというようなことのために、部隊の秩序維持、或いは訓練の上には相当のむずかしい條件が出て参つているような次第であります。併し国警方面でそれずれ各部隊の状況を見て貰つておりまするところでは、おおむね秩序を保持しまして、それぞれ基礎的な訓練を現在進行をいたしているという状態でありまして、私共の方では早急に二百名の幹部の任命、八百名の幹部の募集の試験及びその結果決定をいたしまして、及び東京でだんだんと行いまする幹部講習の終了者簿も適当に配置をいたしまして早く部隊の幹部構成を終了をいたしたい。そうしてそれによりまして部隊の訓練、教養を秩序づけて参りたいというふうに考えている次第であります。
  89. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今までの説明に御質問ありませんか。
  90. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 この問題につきましてはいろいろ長官の方から返答される問題に対しましても又問題がありますので、これを秘密会にせられてはどうかという動議を提出いたします。
  91. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 只今竹中委員から祕密会の動議がございましたが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  92. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) ではさように決定いたします。参議院議員の方以外は暫く御遠慮願います。    午後二時十七分祕密会に移る
  93. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) これより祕密会に入ります。速記を止めて。    午後二時十八分速記中止    —————・—————    午後四時二十九分速記開始
  94. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 速記を始めて、これで祕密会を終ります。    午後四時三十分祕密会を終る
  95. 岡本愛祐

    委員長岡本愛祐君) 本日はこの程度で散会をいたします。    午後四時三十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     岡本 愛祐君    理事            堀  末治君            吉川末次郎君            竹中 七郎君    委員            岩沢 忠恭君            安井  謙君            高橋進太郎君            相馬 助治君           小笠原二三男君            中田 吉雄君            西郷吉之助君            鈴木 直人君            岩木 哲夫君            石川 清一君   国務大臣    法 務 総 裁 大橋 武夫君   説明員    地方財政委員会    委員長     野村 秀夫君    地方財政委員会    財政部長    武岡 憲一君    地方財政委員会    財政課長    奧野 誠亮君    地方行政調査委    員会議議長   神戸 正雄君    地方行政調査委    員会事務局長  大野 連治君    警察予備隊本部    長官      増原 恵吉君