○
説明員(増原恵吉君) 私新設されました
警察予備隊の本部長官の増原でございます。本日は
参議院の
地方行政委員会で予備隊についての御
質問でありまするので、お答えを申上げたいと思います。予備隊は御承知のようにマツカーサー書簡によ
つて発足をいたしましたが、発足以来もとより司令部方面のいろいろの指示
勧告、或いは司令部に協議を要すべきものがありまして、
進捗状況はなかなか思うに任せないところがございまして、
国会方面においてもその点について御関心を持たれておることと存ずるのであります。八月の十日に政令を出しまして、基本的な設置の規定を設けたわけであります。御承知のように予備隊の定員は七万五千百名でありまして、半端の百名というのは私服の本部を置くということにな
つておるわけであります。私服の本部に本部長官と次長を置きまして、この私服本部の統轄の下に七万五千の部隊を置くという規定に相成
つておるわけであります。書簡に示されました七万五千は従
つて全部制服隊員であるということになるわけであります。制服隊にやはり中央本部を設ける
予定でありまして、その本部要員は約五百と
予定いたしております。その本部の下に
地方本部を約四つ設けるというふうに内定をいたしておるわけであります。その箇所は大概北海道、仙台、福岡、大阪、それぞれ附近という言葉をつけて頂かなければなりませんが、その四ヶ所に
名前は本決りでありませんが、
地方本部というふうなものを設けることにな
つておるのであります。そうしてその
地方本部の下に部隊を構成をいたしまして、部隊は小さいものは中隊、大隊、聯隊というふうな言葉で呼んでおりまするが、
地方本部に相当するものについてはまだ呼び名を明確に
決定しておらないのでありますが、数個の聯隊を統轄する
地方本部というものを四ヶ所に設けるというふうにな
つておるわけであります。現在大体四十万近い応募者がありまして、現在まで編成をいたしましたのは十八日現在で四万五千三百三十三名ということに相成
つております。これが殆んど全部が各部隊に分れておるわけでありまするが、少数の者は
只今越中島の元商船
学校跡にありまする私共の本部のところで講習を行うことにいたしまして、個々に召集いたしておるのであります。これはいわば幹部講習とも言うべきものでありまして、今まで扱いました者は人事の
関係を扱います者約四十名、経理
関係を扱います者約四十名、補給を扱います者約四十名、これを卒業いたしました者は試験の結果及び人物考査を行いまして、成績のいい者は二等警察士という階級を仮に與えまして各部隊へ帰しておるのであります。次の階級の者を一等警察士補の階級を與えておるわけであります。分り易く言いますと中尉の階級と曹長の階級というふうなことであります。そうして試験及び人物考査にうまく及第しなか
つた者は、元の警査のままで帰すというふうな措置をとるのであります。その外に幹部の講習としまして、最初合格者を各管区の警察
学校へお願いをして、集めているわけでありますが、ここで管区の
学校長その他に選抜をして貰いまして江田島に送りまして、江田島にあります
学校で教養をして賃
つておるのであります。これは一般の指揮官、普通の指揮官になる者の外に、通信であるとか、経理であるとか、補給であるとか、医務であるとかいうふうな技術区分別の講習をもいたしておるのであります。その普通の指揮官、いわゆる幹部たるべき人々の中で優秀な者を広島の管区
学校長に委嘱し、向うのアメリカのオフイシヤルである
学校長と二人で協議の結果、推薦をして貰いました者を四十名一昨日東京の本部に召集をしまして講習を開始いたしております。この人達は一等警察士若しくは警察士長、分り易く言いますと大尉若しくは少佐というふうな階級をも與える
予定で現在訓練をいたしておるわけであります。現在まで入りました人々の内訳は、軍籍のありました者と軍籍のなか
つた者が大体半々に相成
つております。最初募集をいたします際に、私共当時は予備隊設立の準備
委員という資格で事に当りましたが、私の
考えはやはり先ず幹部になるべき者を先に募集をするなり、任命をするなりして相当の幹部はこれを任命することが適当であると
考えまして、その他の幹部は募集をするということで幹部陣容を編成をしまして、これに或る
程度の教養と訓練を甘い、予備隊としての思想統一をしまして、これを各
予定部隊地に送りまして、その後で一般隊員を募集することが像の編成上好結果を得るものと
考えまして、そういう
方針で進めたいと
考えまして
関係方面に折衝をし、相当強くこれを主張いたしましたが、当初予備隊の編成を司令部としても非常に急いでやれということでありまして、当初は併行的に進むより外にあるまいという
意見が強か
つたので、私共の
考え方が残念ながら承認せられなか
つたのであります。従いまして一般隊員の募集を早急に始めたのであります。そうしてこれは父司令部方面においても予備隊の直接の係の、私共のところに来ておる係の外に、別に募集の係が任命をされておりまして、日本側としては目下
地方警察が募集を担任する、私共は募集については権限もない、
責任もないという取決めにな
つたわけであります。そうして目下
地方警察の非常な努力によりまして、一般隊員の募集は好成績裡に今尚進行中でありまして、四万五千の編成を現在すでに終
つたわけであります。ところが幹部のほうは、その後この幹部に旧軍人を起用すべきかどうかという問題が相当長い間に亘
つて決定ができなく、幹部人選が相当に遅れました上に、その後幹部の任命についてもいろいろと問題が起り紆余曲折がありまして、更に又選任が遅れまして最近に至りまして二百名の幹部を任命することの了承をやつと得たというふうな
段階であります。そうして約八百名の者については従来行いました二十歳から三十五歳までの隊員募集の外に、この隊員の中にはもとよりそれぞれ経歴、職歴、軍歴等によりまして幹部に適当な人々は幹部に採用いたしたわけでありますが、その外に三十六歳以上四十五歳までの幹部を募集したい、及びそれぞれの技術を持つ方面については三十一歳まで下げて募集をしたいということを折衝の結果了承を得まして、約八百名の者は三十一歳から四十五歳の年齢の間においていわゆる幹部募集を行な
つているわけであります。これに多少の誤解が現地の部隊のほうにありまして、従来二十歳から三十五歳までで入
つた者は幹部になれないのだ。今度募集する八百名或いは二百名が幹部になるのだというふうな誤解があるようであります。これは全然さようなことはないのでありまして、二十歳から三十五歳までで募集をした人々もこのたび募集をする八百名も全然扱いは同一でありまして、それぞれ職歴、経歴、軍歴等によりまして適当なる人々は幹部に採用する。その間絶対に甲乙はつけないということで進んでいるわけであります。二百名の人々は適任者を選抜して一応試験をしないで任命をするという形をと
つているわけであります。併し二百名にしろ、八百名にしろ、
関係方面の期待し、要望をします者はその大部分が技術職員であります。特に医務
関係が非常に多いのでありまして、先方の予想しますものは八百名及び二百名を加えましたものの中で、四百名以上の医務
関係を希望し、期待をしているというふうな実情でありまして、その外に通信、経理というふうな
関係の技術者、工務等の技術者をも
予定をしておりまして、一般の指揮官、一般の幹部というものは先方の要望するところは非常に少いのでありまするが、そういうことでは部隊の編成及びその指揮、そういうものがうまく行かないので、これは折衝の結果相当数のそういう指揮系統の幹部をも採ることができるように了解を得ている実情であります。現在のところそういう
状況で実は私共のところには制服部隊には幹部がおらないのであります。制服部隊の長たるべき人々もまだ任命ができておらない。従いまして各部隊は
国家地方警察の骨折りで、現地にはそれぞれ
地方の民事部の将校が参
つて、いろいろ面倒を見ているわけでありまして、
国家地方警察の職員は現地の民事部の将校等の選抜によりまして、仮に中隊長、小隊長というふうなものを任命いたしているのであります。この仮隊長が現在訓練に当
つているということでありまして、これは部隊編成としては私共も適当とは
考え難いやり方でありまして、従いまして部隊員の教養にしろ、訓練にしろ、部隊員中より幹部を選抜するにしろ、部隊の指揮を保持し、技術を維持するという面にしろ、思うに委せぬ点が相当にあるわけであります。尚それを訓練をして部隊の秩序を維持する上に、現在
新聞等でも報ぜられておりまするが、給與の
関係をまだ
決定し得ないような実情がありまして、これは連日
関係方面と折衝を続けているのでありまするが、まだ
決定をいたし得ないというようなことのために、部隊の秩序維持、或いは訓練の上には相当のむずかしい條件が出て参
つているような次第であります。併し国警方面でそれずれ各部隊の
状況を見て貰
つておりまするところでは、おおむね秩序を保持しまして、それぞれ基礎的な訓練を現在進行をいたしているという
状態でありまして、私共の方では早急に二百名の幹部の任命、八百名の幹部の募集の試験及びその結果
決定をいたしまして、及び東京でだんだんと行いまする幹部講習の終了者簿も適当に配置をいたしまして早く部隊の幹部構成を終了をいたしたい。そうしてそれによりまして部隊の訓練、教養を秩序づけて参りたいというふうに
考えている次第であります。