○山縣勝見君 時間が余りありませんから、簡單に要点だけ御
質問を申上げたいと思います。今回の
地方税法に対しての
考え方なり、或いは
政府に対する要望の事項につきましては、午前中
総理に要点だけ要望し、又御
質問申上げた次第であります。私は総論的に
考えて、現在の地方財政の現実から見、いろいろな点から申しまして、今回の
地方税法案に対しては、午前中に
総理に
質問の際に申上げました
通り、大体その通過を期する一人でありますが、ただ先刻小野政務次官の御
答弁のように、今回の
地方税法案に関しましては各産業の中で
運輸事業が一番大きな関連を持ち、又一番大きな問題を蔵しておりますのであります。その
関係上、私は陸上
関係の
運輸事業に関しては村上委員の御
質問に任せ、海運業を中心とした問題につき御
質問申上げたいと思うのでありますが、先程、船舶に関しては、負担の均衡を期するために今回の
地方税法案においては独立税としないで一括その中に包含したという
お話でありますが、私はその点は多少間違
つていやせんかと思うのであります。私が午前中
総理に要望し、
総理に御
質問いたしたのは、現在の地方における財政の現状から見、日本の現状から見て、この
地方税法案に対しては、今
議会において通過を期する一人であるけれども、日本の税収入を確保するためには、どういたしましても、担税力の点よりして最も重要なる
関係にある基礎産業、重要産業というものの基礎の確立を図り、その担税力の培養を図らなくちやいかん、そういう点から見まして、今回の
地方税法が日本の重要産業、各産業はもとよりでありまするが、殊に重要産業に対してフエータルな、よれを破滅に導くような
要素を若し持
つておるなれば、
政府は虚心担懐にこれらの点については十分留意して、できるだけ早い機会においてその
修正を図るべく万全の努力と御研究を願いたいということを私は要望いたし、
総理からもそれに応ずる旨の私は御返答を頂いたのでありますが、その意味において、この
運輸事業におきましては、軌道等についても種々の問題がありますが、一番大きな問題は船舶についてであります。午前中にも申した
通り、昭和二十四年度の
地方税によ
つて船舶税として課せられた総額は八千四百万円でありますが、今回の改正税法によりますると、一躍十一億になるのでありまして、約十三倍、殊に今朝程も申しました
通り、日本の当面の一番大きな問題でありまする外航則般、この外航配船のための基本的な要件をなしまする新造船に関しましては、一ケ年一隻約一千万円の
地方税が
固定資産税としてかかるのであります。殊に日本の現状におきましては、海運界は、外航面においては幾多の制約があ
つて、外航配船上の多大の困難があり、内航面においても著しい船腹過剰の現状でありまして、現に百万トン近くの繋船をいたしておる実情であります。この繋船に対しましては、四月一日以降民営還元になりまして、繋船補助金が一応出ておりますが、大型船について申しますと、月額僅か七十一万五千円、今回の
地方税法案が
通りますと、普通の従来の戰標船等の大型船において月額約三十九万一千円、傭船料の約五割一分が
地方税によ
つて徴収されるのであります。そのために折角繋船補助金の支給を受けましても、僅かに船員費、保険費、船費が漸し支拂われるのでありまして、十分経費を支拂うことができません。況んや新造船のごときは年額一千万円の
地方税を支拂わねばならないのでありまして、如何に今回の
地方税が船舶に対して苛酷であるかが分るのであります。尚海運造船は日本の基礎産業の中でも最も重要なるものとして、例えば見返資金の貸出のごときは、御
承知の
通り船舶に優先されておりますが、折角さような見地から船舶に対して
政府その他の
関係方面においてその再建を期しておられるに拘らず、他面において不合理不適正な船舶税のために、折角の措置が却
つて何倍か消えてしまうというような結果となるのであります。私はこの点に関しましては、
政府に対して午前中、又当初申しました
通り、全体的の見地からこの
地方税法案に対して私は特に今回は忍んでその根本的な
修正は要求いたしませんが、先程
政府の御
答弁の中に、船舶に関しても負担の均衡を期するために、
地方税法案の中に一括これを包含したということに対しては、午前中
総理が、重要産業については、その産業の基礎を危くし或いはその再建に
支障のある点については将来
修正をいたすという御
答弁があり、尚又船舶に関しましても、これは
関係方面その他
政府においても、すでにその妥当でないという点は十分認めておられる点であります。さような点から、私は是非共船舶、特にこの
運輸業の中の船舶に関しましては、單に海運業の立場ということでなくして、日本経済の再建という立場から申しまして、是非これはできるだけ早い機会に
修正の措置を採られたいということを御希望申上げたいのであります。
それから、時間がありませんから要点だけ申上げますが、先程独立税に関して村上委員から御
質問がございましたが、私はどういたしても、殊に船舶に関しては、
地方税の
性質上、父船舶の本質上から、どうしても独立税とすべきものと私は思う。と申しますのは、船舶は最も国際性を持
つているものであります。尚又移動性を持
つているものであります。尚又そのオペレーシヨンの地域が、非常に広
範囲に亘
つておる
性質の産業であります。この
固定資産税は、承りますると、いわゆる収益に対して課するものでなくて、いわゆるプロパーテイに課する
性質を持
つておるということは、かねて
関係方面その他からもダイレクトに聞いておりますから、
承知いたしておりまするが、但し、私は船舶はどういたしても、例えば卑近な例を申上げますると、他の軌道でありますとか、電柱でありますとか、いろいろな固定の資産は、その地域に固定いたしておるものでありまするが、船舶は日本の近海のみならず、外国の至るところに参るのであります。定着いたしません。殊に船舶は、御
承知だろうと思うのでありますが、定繋港がありまして、船舶が新造されて廃棄されるまで一回も入らないような港に定盤港を持
つておるのであります。その港の住民が一回も見ないような船舶がその港、町、村に定繋港を持
つておるのでありまして、先程
地方税の
性質として応益原則について
お話がありましたが、さような見地から申しますと、その地方団体には何等の利益を受けていないのであります。尚又いろいろな点から見まして、外国におきましては船舶に関しましては、殊にオーシヤン・ゴーイングの船舶につきましてはかかる種類のタツクスはかけておりません。船舶税に関して
関係方面と
折衝した際におきましても、日本においても船舶が外国に就航した際に当然
免税すべきものだということを責任ある
方面より了承いたしておるのでありまするが、そういう点からして
政府はどういうふうにお
考えになりまするか、承りたいのであります。私は尚これは独立税といたすと共に、例えば船舶は先程も申しました如く新造船を三隻持
つておりますると、小さな村に定繋港を持
つております際には三千万円近くの
地方税がその村に入
つて行くのであります。さような大金をその村がどういうふうに使うかということについては、将来の租税政策の
関係から見ましても大きな問題であります。尚又一方におきましては船舶の
固定資産税による
地方税の収入が非常に偏頗になりますために、一方において煩わしい別途の措置を採らなくちやいかんということがあります。そういうふうな船舶の特殊の
性質から見て、どうしても私は
国税として独立税にすべきものだ、これはかねて主張しておるのでありますが、この問題につきまして、私は今回とは決して申しませんが、できるだけ近い機会において
政府は熱意を以て解決を図られたいということを特に要望いたしたいのであります。これに対して、先程の小野政務次官の
お話とは或いは言葉の綾で多少違うかと思いますけれども、船舶に関して絶対に、負担の均衡のために包含されたという
お話でありますならば、この点はお
考え直しを願いたいということを先ず以てお伺いしたいのであります。