○
説明員(
平田敬一郎君) それでは
目下政府で
考えておりまする
改正の
要点につきまして御
説明申上げます。但しこれは大体
閣議で内定いたしまして
目下関係方面に提出いたしまして、向うで審査を受けておるものでございまして、いずれド
ツジ公使がお見えになりまして、その際に
政府としましても本決りになる、こういう運びになるものでございますので、その
意味において御
説明申上げますことを御了承願いたいと思います。
税制につきましては、大体今のところにおきましては、先般
閣議で二十六
年度の分につきまして
大綱を決め、それから更に昨日
補正予算と関連いたしまして、それをいつ行うかということにつきまして
大綱を
政府としまして一応内定して
関係筋に出すということに相成
つたのでございます。その
内容を概略申上げるわけでございまするが、大体私共前かけ
考えていた
方針で極力
実現を図るという
趣旨でできております。
新聞紙等で現在書かれておりますように、
所得税を
中心にしまして
国税としましてはできるだけの
減税を行う。殊に
所得税は
税率控除等が
税自体としても合理的でない要素が多いから、そういうものを十分合理化することによりまして、税の運用をスムースにして税の
負担もより一層公平ならしめようという見地を重んじまして、
所得税を
中心にしまして
減税を図るという
考えが出ております。そういたしますと、今のところといたしましては、当初の
考え通り基礎控除は二万五千円を三万円
程度に
引上げる。
扶養控除は現在一万二千円でございますのを一万五千円に
引上げる。
税率もやはり順次
段階をずらしまして百万円ぐらいのところで
最高は行くようにしたいという
考えでございまして、そういう
考えの下に一応
計算を作りまして、資料を整えて
目下関係方面と話をしておる次第でございます。その他の点につきましては、
物品税についてはこれもやはり
生活必需品的性質の強いものはできるだけ
課税から排除する。それから主として事務にのみ使われるようなものは極力
課税から排除するということと、それから
税率もできれば
最高七〇%でございますのを
最高五〇%ぐらいに下げまして、順次下げて行くというような
体制を取りたいというふうな
考えでおります。それから
揮発油税につきましても、大体
一般の
要望が強うございますので、今十割ですが、それを七割
程度に
引下げる。尤もこの
揮発油税は一面軽度の
関税を
課税しますので、それとも併せ
考えまして七〇%
程度に下げると、こういう
考えでございます。併せ
考え……と申しましたが、
国税を七〇%に下げまして、その外に
関税がかかるということでございまして、
関税がかかるということを考慮に入れまして、七〇%
程度に
国税を
引下げるという
考えでございます。それからその外はまあ
砂糖につきましても、若干の
課税するものにつきましては
軽減を図りたいと
思つておるるでございます。それから
輸入砂糖に
課税するかしないかという問題といたしましては、まだ私共は
成案を得ていないのでありますが、できますれば
税率を下げて
輸入砂糖にも持
つて行きたいと
思つておりますが、この点は
はつきりいたしておりませんので
計算には入れておりません。
目下のところ一番問題なのは
酒税の
引下げでございますが、
酒税は大体私共は今の見方からいたしますと、すでに獲得しておる
原料でできておる酒、或いは獲得いたしております
原料を以て酒を十分造りますれば、
相当程度税率なり値段を
引下げましても、大体現在
予算で計上しておりまする千三十億から千五十億前後の
収入は確保できるんじやないか、こういう
計算をしておるのでございますが、まあそういう
考え方は現在でも尚同様に持
つておることでございまして、できるだけ当初
新聞に発表しました
通りの
引下げを行いまして、同様の結果をもたらすようにいたしたい。従いましてこの点は今の
予算から見ますと大した減にはなりません。ただ放
つておきますと、来年は若干の
自然増が出るのではないかと
考えられますが、その
自然増くらいは
減税するという
考えでございます。
税につきまして主な点は大体そういう
考え方で
目下進んでおるのでございます。問題が尚残
つておるものもございますが、制度のいろいろな細かい
改正につきましては
シャウプ勧告がまだ出ておりませんので、それを見た上で
相当細かに
検討をして、それぞれ採用すべきものは、採用しまして、すべてこれは
通常国会になるかと思いますが、
通常国会に提案しまして御審議を得るつもりでございます。それから今の
減税の
実行期日につきましては、少くとも
勤労所得税につきましては来年の一月から
実行する、これは殊に米価の
引上げ等との
関係もございますので、これは何としても
実現を図るように持
つて行きたい。それから法律の形態としましては或いは一月から三月までの
暫定立法という形にならざるを得ないかと思いますが、いずれにしましても
勤労所得税の
軽減ということは時期といたしまして何と申しましても
補正予算と
一緒に出さなければならんという
考えであります。それからその他の
間接税につきましてもできるだけ一月一日から
実行できるようにいたしたいという
考えで進んでおります。ただそのうちに酒は
正月の
需給の
関係がありますので、十二月一日から
実行できよるうにいたしたい。ただこの
間接税の
実行時期につきましては尚若干いろいろ問題がございまして、果してその
通り行きますかどうか、これは
相当疑問があるようでございますが、まあできるだけ私共としましてはさような方向に行きますように努力いたしたいと
考えておる次第でございます。それから問題として若干残
つておりますが、それは二十六
年度の本
予算を決める際においても残
つておるのでございます。
平衡交付金を幾ら殖やすかということでございますが、
シヤウプ勧告では最小限百二十億、
荷余裕が出れば二百二十億
程度殖やしたらどうかという
勧告が出ております。この点につきましては
目下大蔵省の
主計局で
荷歳出面をいろいろ
検討しておりまして、今までの
検討の結果によりますると、全体としてはそれ程殖やさなくても配分の
方法をうまくやりますれば、大体今後増加する
財源で
地方団体で或る
程度賄
つて行けるのではないか。来
年度の
予算としては大体におきまして
教員俸給の
増俸分の半分、これは
平衡交付金を殖やすという
考え方にな
つております。まあその他の分は原則として各
地方団体が自弁するという
建前にな
つておりまして、成るべく地方自治体がそれぞれ自己の
財源で節約なり或いは必要な
措置を講じましてやる
建前にいたしておるわけでありますが、その辺がなかなか簡単には参らない。もう少し増額すべきであるという
議論がございまして、最終的にこの点はまだまとま
つておりません。ただ一応先般の
閣議ではその点或る
程度検討するということは言われておりますが、一応決めておりますので、その
決つた線で
目下作業を進めておる状態であります。従いまして、この
平衡交付金を或る
程度増額しなければならんという
議論が出ますその際には、
減税は或る
程度少くするか、或いはこの外の
歳出を少し少くするかという問題を
検討しまして、若干の補充を必要とするのではないかと
考えます。それは今後の
関係方面との折衝の過程におきまして、できる限り妥当を期するように持
つて行きたいと、こういう
考えで
目下進めておる次第でございます。そうしまして、来年は大体
所得税が大
部分でございまして、六百二十億
程度の
減税になります。それから酒の税が今年より五%くらいの
自然増が出るというふうに一応
計算できそうですが、そうしますと、それに対しまして約四十億ぐらい減るが、本
年度の
予算と比べますと
余り減らないのでありますが、そういう
考えで
物品税は来年百八十億くらいになりそうなのを百億
程度に
減税する。まあ
揮発油税その他若干
増収になりますものの一部を
減税することになりますが、今年の
予算と
大差はございません。全部合せまして七百五十億
程度の減少になるという
計算であります。本
年度におきましては、
勤労所得税は大分出ておるが、約三ケ月分で五十億くらいの減を来すのではないか。それから
物品税が一ケ月乃至二ケ月分の減で十四億、それからその他今年の
収入を若干見積り変えましたところによりまして
計算いたしますと、尚二、三億ありまして、全体で七十億ぐらいの減収になる。ただ公務員の給与の
引上げその他によりまして例のはね返りがございますので、或る
程度の
租税収入の
自然増が出て来はしないかと
思つております。それを二十五億
程度増収に組んでおりますから、
増収を差引きました分が四十五億という
程度に相成るわけでございます。大体まあ先程申上げましたものを本年一月あたりから
実行しますと、そのようなことになると、かように
考えております。従いまして問題の点は荷若干残
つておりますことを御了承願いたいと思います。
尚
平衡交付金で
財源がどうしても
減税財源に食われた場合はどうするかという問題でございますが、この場合につきましては、やはり
所得税が大
部分でございますから、
所得税の
控除なり
税率等の
調整によ
つて税を減らすより外ないということになるのではないか。或いは外の
歳出を削
つて貰うとか、その辺は先程から申しましたように今後の問題と思いますから、一応
閣議といたしましては、先般決定いたしました
ラインで進めるということになると思います。
大体
要点は以上でございますが、お尋ねがありましたら
お答えをいたしたいと思います。