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1950-08-31 第8回国会 参議院 大蔵委員会租税行政に関する小委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年八月三十一日(木曜日)    午前十時四十八分開会   ————————————— 昭和二十五年七月三十日大蔵委員長に おいて小委員を左の通り指名した。            愛知 揆一君            大矢半次郎君            小串 清一君            黒田 英雄君            九鬼紋十郎君            佐多 忠隆君            森下 政一君            清澤 俊英君            松永 義雄君            野溝  勝君            小林 政夫君            杉山 昌作君            高橋龍太郎君            山崎  恒君            木内 四郎君            油井賢太郎君            森 八三一君            木村禧八郎君 同日大蔵委員長は左の者を正副小委員 長に指名した。    委員長     森下 政一君    副委員長    杉山 昌作君   —————————————   委員の異動 七月三十一日委員野溝勝君は辞任し た。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○租税行政に関する調査の件   —————————————
  2. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) それでは今から租税行政に関する小委員会を開会いたします。本日は先ず第一に高橋国税庁長官から、先般米国視察より帰られたので米国における租税制度及び租税行政について、又その御視察の結果我が国の制度なりやり方についての御感想といいますか、そういうふうなものについての御説明をして頂きたいと存じます。初めにそれをお願いいたします。
  3. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 只今委員長からお話のありました最近におけるところの税の徴收状況その他税務行政に関するいろいろな問題につきまして、先般米国視察して来ました向う状態、又それを日本に移しましてなし得ること等如何なることがあるかというような点につきまして、簡單に御説明申上げておきたいと思います。  御承知の通り今年の春二月に申告所得税について大体全面的な更正決定をいたしたのでありますが、その反響といたしまして全国約五百余の税務署のうち二百に近いところの税務署納税義務者の不満から、又はその他の理由もあつたかと思うのでありますが、とにかく税務署に大衆が押かけましていろいろな紛争を大きな形において惹起したのであります。甚だしいところになりますと相当税務署の器物をこわしましたり、相当数の、四十人に近いところの税務署員が負傷を受けたというふうな不祥事まで発生したのであります。更正決定状況は昨年に比較いたしますると相当数も少くなつておりまするし、又内容についての調査程度も二十三年度におきましては実際の調査ができましたものが六〇%程度でありましたのが、二十四年度におきましては実績の報告によりますると大体納税者に対して一八%は調査ができた。その他の方につきましてもいわゆる権衡調査という言葉で呼んでおるのでありますが、いろいろな体系標準等資料收集につきましても二十四年度は二十三年度に比較いたしまして相当な進歩を見せたのでありまするが、尚且つ約九百万に近いところの納税義務者のうち四百万足らずの人に対して更正決定をしたという状況に相成つておるのであります。私共といたしましては、政府納税者との間の対立と申しますか紛争が、かくのごとく甚だしいことは非常に危險な状態でありまして、国民道徳という面から申しましても、又税自体が個々の人の所得を具体的にどう決定するか、どう判定するかという具体的な問題であるのにそれが大衆的な押問答によつて、又は力の関係によつて動かされる慮れがあるということは、これは今後の日本税務行政にとつて非常に重大な問題でありまするので、今後何とかしてこの種の事柄を絶滅していきたい、それにはどんなことがいいだろうかというと、このときからも私共反省をいたしましていろいろ研究しておつたのであります。  今回アメリカに参りまして向う税務行政につきましてもその点に最も注意を集中いたしまして、いろいろ税務署側も聞いて見ましたし、納税者の方にもいろいろ聞いて見たのでありまするが、勿論経済力程度又は社会道徳程度というものが非常に違つておりまするので、直ぐ様我々の参考にと申しますか、応用できるという部門はなかなか困難なのでありますが、大体の向うの様子を申しますると、日本制度は大体アメリカ制度に右ならえをしている制度でありますから、大体税の制度としては、税その他は変つておりまするけれども殆んど同様であります。又税負担程度国民所得百円当り二十五、六円程度でありまして大体日本とおつつかつつな程度であろうかと思うのであります。勿論この問題につきまして生活程度自体が違いますが、いわゆる食糧費等生活に必要な最低限度経費を除いて残つたところの所得がどれだけ残るかということを比較して見ますと、日本の方が遥かに少いということはこれは当然なのでありまして、その点から申しますると非常に日本の方が重いと申して差支ないかと思うのでありますが、とにかく国民所得百円当りを見ますと大体おつつかつつであります。又第二次世界大戰の前であるところの約十年程前の数字と比較して見ますると、アメリカでも租税総額が約十倍に上つております。十倍をちよつと超えた程度に上つております。従いまして各税共相当急激に多くなつておるのでありまして、社会的な問題といたしましても、向うにおきましてもしよつちゆう新聞に取上げられラジオでも取上げられる程でありまして、よく新聞等では、空気以外に税のかからんものはないとしよつちゆう言つておりまして、そういうような面もあるのであります。日本と違いまして例えば電話等につきましては相当高い税がかかつております。通行税も汽車に乗れば全部一割五分の税がかかる、ホテルにも勿論かかつているというような状況であります。而もそれが国税地方税と想重なつているというような状況であります。併しながら向うで一番大きな問題にしておりますのはやはり所得税の問題であります。総額四百五億ドルの税收入のうち所得税の占める割合は、二百九十六億ドルであります、七割五分が所得税であるという状況であります。日本の場合はたばこ等実質的の税に当るもの、直接税全体を入れて五割ちよつとであります。その点は向う所得税中心主義になつておると申していいかと思うのであります。ところが只今所得税と申しましたのは、向うでは法人税も全部所得税の中に包含してインカム・タツクスと申しております。この所得税納税義務者の数が五千三百万であります。申して見ますれば国民の殆んど全部が所得税を納めるのだという建前に相成つております。国民全体に対する割合から申しますると、日本申告所得税源泉所得税を入れましても、二十四年度において大体千九百万でありますから、五千三百万という数は日本よりも更に割合において多い。国民洩れなく大体納める税であるという建前になつております。先般の租税制度の改正におきましては、まだ今年の見通しはつきませんけれども恐らく三、四百万の納税義務者の減少を来たすであろうと思います。今度の新らしい税法に基くところの納税義務者の数から比較いたしますと、更にその差が大きいということが申されると思います。ところがこの五千三百万の納税義務者に対して政府がどの程度調査をしているかと申しますと、一九四九年昨年の実績で大体四%調査をしております。後の九六%は税の調査を全然いたしておりません。而もその四%の調査に対して更正決定をしておりますものは僅かに一%半であります。極めて僅かのものを調査しております。而もその三分の一程度しか更正決定の通知を出していないというのが向うの実情であります。私共税を扱つている人間として、直ぐその際にそれでよく税が入る、それで負担の公平が保たれているかという点を直ぐ我々は疑問を起すのでありますが、その点についていろいろ研究して見たのでありますが、アメリカ政府といたしましてもその点には非常に重大な関心を持ちまして、昨年サンプル・オーデツトというものを出したのであります。即ち五千三百万の中から十六万二千だけ拔き出しまして、これは普通の統計学的な消費計算等に使うところの数学的な方法であります。その方法によりまして十六万二千を拔き出しまして、その十六万二千について徹底的な調査をやつて見たのであります。ところがその結果の全貌はまだ発表になつておりません。又その結論は出ていないのでありますが、大体の数だけ出ておりますところを見てみますと、四人に一人は、サンプル・オーデツトの四人に一八は税において二ドル以上誤りがあるということを発見されております。もう少し正確に言いますと、二五・六%の人が二ドル以上の誤りがあるということでありました。その税について誤りのあつた人のうち九一%は政府に対して不利な、言い換えると税の納め方が足りない、所得申告の仕方が足りないのが九一%、後の九%は過大申告であり、又は納め過ぎであるというのであります。而してその九一%の誤りを犯した人、つまり過少申告をした人の本来あるべき所得に対するところの割合はどれ位低目に申告をしたかという割合を見てみますると、平均して二割、その九一%の人は低目に申告しておる。又納め過ぎた人はどれくらいになつているかと申しますと、これは確か八%か九%になつております。それを集計して見ますると、集計と申しまするのは十六万二千を五千三百万に推し拡げて推算をして見ますると、年額にして十二億ドルの税の不足、税の取洩れと申しますか、とにかく納め足りんものが十三億ドルになるという計算になるのであります。それから納め過ぎのものが約一億ドルあります。納め過ぎのものは勿論本人に返えします。それで然らば昨年度中において税務官吏が四%の調査をしたと先程申しましたが、その四%の調査、その中の一%半の更正決定によつてどれだけの税を所得よりも多く決定をして取つているかと申しますと、その差額が昨年度で六億ドルちよつとになつております。先程もお話しましたように所得税の昨年の徴收額が二百九十六億ドルであります。二百九十六億ドルに対して十三億ドルというのは四%ちよつとであります。而もその四%ちよつと不足しておると思われるうち税務官吏努力によりまして更正決定によつて政府が得られた金が六億ドルちよつとであります。約半分は政府調査で、僅かに一%半しか更正決定をしないで十分に取つておるわけであります。これを更に歩合的に申上げますと、全然更正決定をしなくても約九割五分は納税義務者が正直に申告をして税をちやんと納めてやるということがはつきりしておるのであります。それから税務署更正決定によつて更に三%程度は税を取上げておりますから、税務署努力納税者の非常な自主的な申告とによりまして、結局九七%程度は税が確保できているということがはつきりしております。  それで向うでも税務官吏の数をどの程度殖やし、どの程度調査すべきかという問題についていろいろな論議があるのであります。例えば国会においてもそういうふうなことが非常に問題になつて来まして、調査をすることによつて更に大きな金額を得られるのじやないか、つまり税務官吏を増員することによつて、又税務機構を拡充することによつて増加する経費を賄い、又は更に減税ができはしないかという点が国会で非常に問題になつたのであります。そのサンプル・オーデツトの結果によつて大体それに結論が與えられたということになつております。あとの七億ドルというものは更に能率の悪いところの調査にしかならない。従つて税務官吏を増員をして、そうして税務機構を拡充することによつて、これを増加するということは国家全体としては必ずしも得策ではないというふうな大体の結論が出ておるのであります。日本の場合と比較して見ますと誠にどうも何か夢のような話でありまして、実に感心をいたしましたし、又こういうふうな状態にどうしたらなれるかというようなことについては、非常な何と申しますか日本の前途に対して暗い気持にも襲われておるのであります。併し飜つて顧みますると、結局申告納税制度というものは、そういうふうなところに持つて行くので初めて成功するのでありまして、どうしてもこれを理想としてこの方向に我々もあらゆる努力を傾倒しなければならんと思うのであります。  それで納税者が自主的に非常に積極的に協力しているということの反面、税務官吏が、又は税務署が如何なる努力をしているかという面も、これは裏腹の関係でありまするから、当然に我々が最も大きな関心を拂つたところであります。その点につきまして一番簡單分りますことは、丁度この六月に私共行きました頃に、向う地方税国税を通して税関係の主だつた人が集まるところの一つのアソシエーシヨンがありました。そのコンヴエンシヨンがシカゴであつたのです。その席上で国税庁長官一つのメツセージを出しております。そこに書かれたことによつて大体どういうことを行い、どんな心構えでおるかということが分りますので、それを御紹介申上げて見たいと思います。現在向う歳入局として特に力を注いでおる点が七つあるのです。  その第一は、結局納税者申告し易いようにといろ意味で、申告書様式というものについて非常な研究をしておるのであります。申告書様式納税者に書き易いように又分り易いようにという、而も正確を期し得られるようにという面について非常な研究をしております。これはスタンデイングの委員会を数年前からやつておりまして、これには会計の專門家でありますとか又は広告関係專門家でありますとか、その他それぞれの專門家を約十名ばかり集めまして、その人が常時研究しておる、それで細かい点を今でも絶えず改正して来ておるということであります。これについて面白い話があるのでありますが、昨年やはりそれでも尚何か改正すべき点があるのじやないか。尚納税者がどうも申告書がむずかしくて困るという非難がありましたので、それをニユーヨークの或る有名な広告会社に頼みまして、広告という面から人に訴え人の注意を惹くという面から、このフオームをどこか改正するところがないか、それを研究して貰いたいということで相当な謝礼を出して研究を依頼したのでありますが、数ケ月一生懸命研究してくれた結果、結局その回答はこのフオームには我々の眼から見て一つも改正すべきことがない、これ以上のことは我々としてできないという回答をよこしたということを言つております。併しながら尚先程もお話したように、納税者側からのむつかしいという議論が相当ありますので今後も更に研究を進めて行きたいということを申しておりました。  それから第二の点は、税務官吏納税者に対して非常に親切であるという点であります。向うでは申告期限が一月一日から三月十五日まででありますが、日本ではこれが非常に短かくて一月一日から一月末までになつております。向う申告期限が非常に長くなつております。それはそういうふうないろいろな準備をしたり指導をしたり、お世話をしたりする期間が相当長い方が結局いい申告をして貰うことができるということで、二ケ月半という申告期限を取つておるのであります。それでその期間になりますと各地に税務署派出所を作りまして、そうして税務官吏が出掛けて行きまして各納税者について申告の書き方を教えて上げる、場合によつては書けない人には自分で書いてやるということをやつております。それは一昨年頃からそういうことをやつております。例を申上げますと、向うでは税務署は全部で六十四しかありません。例えばサンフランシスコ一つ税務署があります。サンフランシスコの市内だけでもその時期になりますと、三十ケ所程度派出所を作る、そうしてそういうふうな納税者に対するサービスをする、その場合には税務署の全員を挙げてそれに沒頭するということをやつておるのであります。この問題については、税務署公認会計士等職務妨害をする、営業妨害をするという重要な抗議がありましたが、そういうことは問題にならないということでやつてつたようであります。日本でもやはり法律的には今までもそういうことをよく言われたのであります。日本でも税務署申告書を書いてやつたりすることは税務代理士法違反ということで法律家がそういうことを言つておるのでありますが、そういう点では向うでも相当非難もされておりましたが、税務署はそういうことを振り切つてつておるのでありますが、そういう場合における税務官吏態度というものにつきましても、これはまあ非常に厳格な指導をしております。向う税務官吏に対するモツトーはいつでもナイスリーアンドジエントルマン、それから税務署納税者という言葉を使つておりません、タツクス・ペアーという言葉を使わないでカストマーということを言つております。要するにそういうふうな気持で対しなければ、やはりその間にどうしても金を出して貰う、又拂つて貰う、義務を履行して貰うという関係がありますから丁度銀行の人がお客さんに対するかのごとき態度で以て、そういうふうな心持で以て対しようということを絶えず言つておるのであります。人の対応等に当つても、そういうふうな点に非常に注意拂つてつております。  それから第三に努力をしておりますのは、結局税法負担が重くなればなる程非常にむずかしくなる、アメリカ税法日本税法より更に詳細であつて更に困難であります。非常にむずかしいのであります。大体根本の筋道は同じようでありますけれども細かい点は非常に分り難い規定が多いようであります。従つて納税義務者、一般の国民税法がどうであるかということを理解するのに非常に困難になります。それで向うでは昨年百三十頁ばかりのパンフレツトを作りまして、これは法律用語は全然使わないで日常の言葉分り安く書いたのであります。これを書くのにはやはり專門家を集めて非常に苦労したということであります。それを書いて政府印刷局から一部二十五セントで売出したのであります。それが忽ちにして二十五万部出た。政府印刷物で相当売れるものはありますが、今までにおけるところのベストセラーズであるということを言つております。その後もどんどん売れております。これは非常な成功であつたということであります。併しながらまだこういうふうな弘報宣伝関係におきましては、向うはそれ程力を入れておりません。そういうふうな必要はなくなつているのじやないかという感じもいたします。その点についてはむしろ日本の方が進んでおるのじやないかという感じがいたした次第であります。  それから第五の点は機械を非常に沢山使つている点であります。内部事務機械化計算事務組織化ということが非常に進んでおります。これは全国一率に同じような機械を使つているのではなく、各税務署がそれぞれ違つた、而も新しい機械を使つております。而も驚いたことには、それらの機構は例えばI・M・B又はレミントンランドというような電気計算器会社、その他に二、三会社がありますが、そういうような会社作つたまだ試作の時代の機械会社としては売出す勇気はない、併しどこかでテストして貰いたい、そうしてそれを改善してしつかりしたものにして行きたいというような程度のものであります。作つたばかりの機会をどんどん入れて税務署で利用しております。クリーヴランドで見た機械のごときは、申告書が参りまするとそれをアドレスから、名前から、納税者番号から、その他申告書の大体チエツクしなければならんポイント数字でありますけれども、これが大体十二あるのであります、その十二のポイントをパンチ・カードに全部穴をあけます。それを機械にかけますと全部所得計算に間違いないか、所得計算に間違いないとすれば、その次に税率計算に間違いないか、税額計算に間違いないか、その験算が全部できましてそうして取り足らぬものは取り足らぬ金額として最後印刷が出て来る。それから返すべき金額がございますと、チエツクになつてアドレスまでついたものになつて印刷になつて最後に出て来る、而もこれが一時間六千通というハイ・スピードであります。従つてクリーヴランドでは三百五十万くらいの納税者を持つておると思いますが、これが一ケ月の間に全部片付く。従つて向うではリフアンドする金が非常に多いのでありますが、その返す金も忽ちにして直ぐ返すという状況であります。  側道ちよつと入るようでありますが、向うでは源泉所得税のごときものも全部所得申告義務付けておるのであります。従つて俸給から源泉で差引かれた人は年末にやはり自分所得計算して、すでに操つた金額計算して、そうしてあるべき税額を書いて申告するのであります。向うの考え方は必ず源泉徴收する分を税を返せるような程度税率を上げて行く。従つて申告書を出すと大抵五十ドルか七十ドルが政府から返して貰えるという組織になつております。それで皆四月、五月頃になりますと、税金ボーナスが来ると言つてつておるような、而もそれは思いがけない金で非常に喜んでおる、そういう組織を持つております。これは申告しなければ税金を返して貰えないので、従つて皆喜んでといいますか必ず申告するというようなことになつております。そういうふうなことでありますから、金を返すのも非常に能率的であります。数字で申しますと、昨年度は所得税で六億ドルということを先程申上げましたが、その他のいろいろな税を全部通じまして、昨年度の税務署更生決定その他のことによつて徴收した金額が二十億ドル程度であります。ところがそれに対して昨年度中に返還した金額が三十五億ドルに上つております。税務署更正決定によつて政府が得た金よりも、政府計算して返してやつた金の方が多いという状況であります。従つてそういうふうな組織自体が、或る程度は返すのだという建前の下にできておるような税法でありますから、返すことが敏速に行くということが非常に大事であり、又返すことが敏速であることが納税者に明るい希望を與えるということにもなるのであります。そういうことがなぜできるかというと、そういう大量な申告書を処理してその計算をやつて行くということは、最も進んだ電気計算器の応用によつて初めて可能であるというふうに見て参つたのであります。  それからその次の点は、調査の歩合は四%でありますが、何とかして直接の調査ではなく間接資料によつて税額を殖やして行くということも、これ又非常な努力をしておるのであります。と申しますのは第三者の通報も相当沢山あります。それから取引関係についてのいろいろな資料について、やはり提出の義務を命じておる点が相当多数あります。それらは一年に一億三千五百万の資料が集まつております。その一億三千五百万の資料を地理的にアメリカの中央にあるキヤンサスシテイを選んで、専ら地理的にまん中であるということだけでそのキヤンサス・シテイに全部集めまして、プロシーデイングということをやるのであります。言い換えますと、その資料納税者ごとに全部整理するという作業をやるのであります。それによつて相当各人ごと資料が整理できる。その資料によつて誰を調査すべきかということがはつきりするのであります。僅か四%の調査でありますから、最も脱税の多そうな人を調査するということが必要になる。そういうことから非常にそれが有効に役立つておる。而もその他のものについては調査をしないで、それだけの資料によつて更正決定又は注意を申上げるということもできるということになつておるのであります。ここは定員は約千八百人かになつておりますが、実際の人間は千三百五十人くらいが働いております。大量な資料を整理するところでありますから、恐らくは相当機械を使つておるのだろうという予想の下に行つて見たのでありますが、機械は全然使つておりません。これは全部人間の手でその整理をやつております。機械を一回使つて見たがこれは完全に失敗であつた、まだこれに応用できるところの機械はできていないというような話であります。こういうことは日本においても直ちにでも応用できることでありますので、今後何とか資料收集並びに整理ということについては、相当な努力を拂いたいと考えておる次第であります。それからその次には、現在納税者は各税についてそれぞれ調査に来られますので、場合によると税が十何種類もありますが、それらの税について調査に来られて納税者の方では相当迷惑をすることが多く、それによつて妨げられることが多いという実情であります。それを何とか救う方法はないかというので、これは成功の段階には全然至つておりませんが、併しながら試みとして一人の税務官吏にすべての税の調査をやらせるということをやつて見ておるようであります。その見通しについて聽いて見ますと、結局十数年の経験を経た者をいろいろな税について経験を積ましてやればできる、そういうふうな経験者が多数常時確保できるのでなければこれは不可能であるということを言つておりました。従つて日本のように平均年齢が二十五歳というようなところでは実行困難であると思います。  それから最後には地方税との協力であります。向うでも日本と同じように、法律上相互に税務官庁は協力しなければならないという規定はあるのでありますが、事実上の問題として殆んど協力なんかできておりません。従つて国の税務官吏と地方の税務官吏が別別に動いて別々な決定をする。又相互の資料をお互いに使わないものですから納税者の方も何度も調査に来られて迷惑をするという面があります。それを相互に協力して一回で済ませるという方法はないかということで、地方の連中を集めまして、相当会議を重ねました結果、漸次そういう気風が出て参りまして、今年度はノースカロライナ州とウイスコンシン州の二つの州について実験的にやつて見るということであります。シエネマン氏はそういうふうな努力をしておるということを申しておるのでありますが、それらの面から見ましても、税務官庁が如何に納税者の手数を省いてそうして而も便利を與えて自主的に申告をよくするという努力をしておるかということがよく分つたのであります。  それから今一つ申告をよくするための一つの重要な欠くべからざる機関として、向うにありますのが査察の制度であります。向うでは査察に関する機構は全然国税庁内で別の機構になつております。本庁に一つの独立した外局がある、その局の直轄の地方機関が全国で十四あります。そうしてその査察官の数は現在千五百人、日本は五百人でありますから日本の三倍であります。総体の税務官吏の数はアメリカでは五万三千人であります。日本は、六万二千人でありまして約一万人だけ少いのであります。而も査察官の数はその三倍であります。而も査察部以外の普通の税務署日本調査課に当る。そこで二倍程度の人が査察の事件を事実上取扱うという制度を作つております。言換えますと査察官は令状を持つて権力を執行する官吏であります。ところがその下働きをするのが全部下の方で外の方でもやつておるという建前になつております。実際の件数を見てみますと、税務署の段階又は調査課の段階から査察部に送られる事件が取上げた事件の半数になつております。後の半数が自分で直接やられた事件であります。而も向うで感心しましたのは、査察をなす前に事前準備が非常に周到に行われております。言換えますと大体の証拠を外部から集めてしまつて或る程度動きのつかない証拠を握つて乗込むということであります。これは又その事務所に行つて見ますと設備が実に完備しております。例えば証拠に関する写真をとるというような、機械は携帶用の実に立派な写真機があります。直ぐそこで写し直ぐ現像できるという自動的な機械を必ず持つて歩くというふうになつております。又事務所にはその人達にそういう写真の印刷が忽ちできるという機械をどこでも必ず持つて行く。そういう証拠收集、犯罪捜査に関する施設が非常に完備しております。併しそうした完備した施設でも、査察官には税務官吏の中でも特に優秀な長年の年功を経た人でなければ採用しません。そういうことでありますから能率も非常にいいのであります。而も又準備をするのに長いものでありますと、二年間も監視を怠らずやつて、そうして手を着けるという事件すらあるということであります。先程お話しましたカンサス・シテイというところに昨年でありますかペンダガスの事件というのがありまして、これはそこで以て相当政治的に有力な人のつまり脱税事件を検査したのでありますが、ステートの議会にも又州の方でも非常に有力な勢力を持つてつた人だそうであります。いろいろな不正なといいますかいわゆる賭博類似の機関も持つており、又いろいろな料理屋も持つておるというような非常に厖大な組織のものであつたようであります。これらも査察によつて挙げられて六年間懲役になつてつております。丁度トルーマン大統領の地盤であります。そういうような点で相当問題がありはしなかつたかというような点も、やはり我々は相当聞いてみたのでありますが、実に勇敢にそういうふうな障碍も殆んど感じられずに遂行しているという点を見まして非常に感心をしたのであります。要するに査察関係の陣容並びに能率、機構が実に立派に活動しておりまして、どんどん脱税を摘発するというようなことが挙げられております。言い換えますと、民主政治の根本は大部分の人は正直であり少くとも善意であるということを前提として扱います。その信頼に背いた場合におきましては、徹底的に嚴格にこれを処罰して行くということによつて、初めて秩序が維持して行けるということのようであります。  尚今一つ申告がよくなるということについての一つの大きな理由じやないかと思えた点は、向うでは会計士の制度が非常に発達しております。会計士でも弁護士でも国税に関する仕事を扱う人は、必ず歳入局に備えつけてある名簿に登録しなければその仕事はできない。登録を願い出ますと、やはり査察官は身許調査をしまして差支ないと認めたときは登録を認める。そうしてカードを渡す、そのカードを持つていなければ仕事はできない。又常時査察官が活動しているのであります。その登録された人の数がアメリカで約五万。それで町の至るところで見受けるのでありますが、恰も向うではドラツグストアが非常に多く、又八百屋も多い。八百屋やドラツグストアの数ぐらいにインカムと書いた看板を見受けるのであります。それらの人が申告時になりますと非常に繁忙を極めてどんとんやつて行くということであります。或る床屋に参りまして、それは非常に少さい自分と雇人一人の床屋でありますが、髪を摘みながら君のところでは申告をどうしているということを聞いてみますと、それは会計士に任せるという話であります。二、三年前一度税務署に喚び出されてひどい目にあつた、そのときは自分の頼んだ会計士が悪くて酒を飲んで品行がよくなく悪い人間であつたの自分が非常に迷惑をかけられたが、会計士を替えた後は円滑に行つて問題がない。又中小に属する店にも相当入りまして、そうして税の問題を聞いてみたのでありますが、私は五、六軒しか行つておりませんけれども、それらの店では一軒残らず全部会計士に頼んでおります。自分の方じやちやんと記帳をしている、そうして後の整理は全部公認会計士に頼んでいる、月に大体四十ドルか六十ドルぐらいの料金で全部やつて呉れる、申告はその会計士が全部やつている、自分は直接税務署に行くことは殆んどない、何か調べに来たときは公認会計士に出て貰つてそれが解決して呉れる、そういうことであります。そういうふうに向うにおきましても税法自体が非常に困難でありまして難解でありますし、又記帳自体も相当技術的でありますから、記帳能力、整理の能力がないというものは相当数あるのでありますから、それらの人が公認会計士制度の発達によつて非常によくなつている。非常に正確な記帳ができるということが考えられるのであります。日本におきましては御承知の通りそれらの制度は非常に未発達であります。又それらの人が、現状を率直に申し上げますれば、納税者からは税を安くして貰うために頼む、又税務署から見ればどうもあれをやつたやつは臭いというような感じを持たざるを得ない人も無論あるというふうな状況であります。双方納税者からも信頼され又税務署からもあれのやつたことは間違いなかろうと言つて信頼されるという立派な会計士が相当多数できて、而も現在のように公認会計士二百人程度、税務代理士が三千人程度ではこれは問題にならん、相当多数できるということがやはり申告納税制度を発達させるために必要ではないかと思います。  尚これは附けたりですが、向う税務行政について興味のある問題は、向うでは、歳入局長官、これはコミツシヨナーという名前で呼んでおりますが、それとそれからアツシスタント・コンミツシヨナーが二人、それからもう一つスペシアル・コミツシヨナーが一人、本庁で四人大体六十四人ある。税務署の署長は全部ポリテイカル・アポインテイでありまして、言い換えますと大統領が両院の承認を経て任命するという制度になつております。従つて税務署長というのはその都市の名望家であり相当有力な政治家でありまして、前歴を見ますると選挙管理委員会委員長であつたとか、又はワールド・フエアの事務総長であつたという人が相当あります。金物屋の主人で相当ボスであつたというような人もおりました。そういう人が実に円転滑脱に税務署納税者の間の関係をよくするのに骨を折つておるのであります。而も向う組織は相互に牽制し合うところの制度が非常に発達しております。税務署の仕事の内容におきましても横に非常な分業が行われておる。従つて書類は横に流れてどこかでそれを直すということは到底困難である、到底できないという組織ができておりまして、そうしてそういうような政治家でありますからいろいろな納税者から頼まれることがないかということを聞いて見ましたら、これは頼まれる、頼まれるけれども一回も聞いてやつたことはない、又聞くことはできないという組織になつておるということであります。従つてそういうふうな人がおることによつて税法の円滑な施行を乱されるという心配は絶対にない。而もその人々の肚からにじみ出るところの大衆性と申しますか、それらのものが非常によく活用されておるということを面白く聞いたのであります。  又税務機構の問題について申上げますと、向うでは先ず第一に中央集権が非常に強度に行われております。先程お話いたしましたように、五万三千の税務官吏のうち四千五百が本庁におります。非常に大きな数であります。而もこれは昨年、一昨年頃までは約七千人本庁におつたのであります。それをもう少し地方に出して地方の第一線を強化するのが能率的ではないかということで相当数地方に廻した。その結果現在四千五百人になつたということであります。日本におきましては国税庁の定員が今年増加して頂きまして七百名、全体の六万二千に対して七百人でありますから、その比率は非常に地方分権的であると申していいと思います。  それからいま一つの点は監督の制度が非常によく行われております。すべ税て務署等において調査いたしました結果は書類が全部本庁に集まりまして、本庁において最後の監査をやつておる。これに相当多数の人を割いて事務の監査をやつている。どこかに不正があり不当なことがあり又取扱の間違つた点があるということはここで直しております。そういうふうに監督の制度が嚴重になつておりますから、向うでは歳入に関しては会計検査院は全然タツチしておりません。又その書類を日本のように細かい書類まで全部会計検査院に送るということはしておりません。歳出についてのみ検査をする、歳入については国税庁に委せきりである、又それが当然であるというように考えられております。  それからいま一つ機構についての特異な点は全部縦割りになつておる。先程お話いたしましたところの六十四の税務署では所得税のうち七千ドル以下の納税義務者を扱つております。それから徴收の面は全部これは税務署で扱つております。金を受取るものは全部税務署であります。これが六十四の税務署であります。これが本庁に行きますと何と申しますか、コレクシヨン・アンド・アカウンテイング・ユニツトという徴收会計局といいますか、それの直轄になつております。その系統に一貫しているのであります。  それから今一つ所得税局というのが本庁にあります。その所得税局の税務署全国に三十九あります、それが日本調査課に当ります。これは個人の所得税で申しますと所得七千ドル以上の納税義務者、それから法人は全部この所得税局の地方部局によつて行われているということであります。  それから酒の行政につきましてはこれは酒税局というのが本庁にありましてその地方部局が十五地方にあります。これは税務署と全然関係ありません。又今の所得税局の地方部局とも全然関係ありません。全然独立の機関として十五の地方部局、これが酒の税の関係は全部やつております。密造取締も又これがやつております。それから先程お話いたしましたように査察局が全部独立いたしまして十四の地方分局になつております。  それから協議団の問題でありますが、日本では協議団を国税局又は国税庁に附属せしめているのであります。向うでも大体国税所得税局の地方部局、大体税務署にそれぞれ協議団を置いております。その上に更にその上の機関としてテクニカル・スタツフというのが全国に十二だけ置いてあります。これは協議団の、而も所得税局の段階においてまとまらなかつた事項を更にこのテクニカル・スタツフにおいて扱つております。又裁判を提起された事件を裁判の進行中においてもよく話合つて、裁判の判決を待たずにまとまるものはまとめるという建前であります。そういうふうに全部縦割りになつているという点が非常に興味のあることであります。日本におきましてはそういうふうに縦割にいたしますと税務官庁相互の協力関係が非常に困難でありますが、向うにおいてはそういうふうに縦割になつているにも拘わらず相互の協力関係が非常によくできている。これは国民性のいたすところで私共残念に思つておりますが、縦割にいたしますれば能率も上りますし又責任の限界もはつきりする。併し相互に協力の関係が失われて俺の責任じやないというふうになるのが欠点でありますが、そういうふうな欠点もありませんし実によく行われでいるということに感心をいたしたのであります。  尚これもアメリカ国民性の一つの現れであろうと思いますが、先程お話いたしましたように更正決定をいたしますのは僅かに全納税者の一%半ばかりでありますが、これに対するアツピールといいますか、審査の請求と申しますか、異議の申立と申しますか、これは非常に多いのであります。それで裁判になつている件数も年に八千五百件ある。日本では御承知の通り今累積しているもので二百件であります。これは尤も日本におきましては裁判になりますとなかなか判決が出ない。結局数年かかるものですから本当に救済の手段にならないという点が根本的な点であろうと思うのでありますが、向うではどんどん判決を下すということが一つの特徴であると思いますが、とにかく裁判になつている事件が八千五百件ある。かくのごとく僅かの更正決定しかないのにこういうふうに多くの裁判の件数があるということは注目すべきことでありますが、要するに自分が正しいと思うことは飽くまでも主張する。税務署がこわいとか後の崇りが恐ろしいとかいうようなことは言わたい。どんどん自分の思うことは言つてそれで相互の間に理解の程度も深まるということに貢献していると思います。  大体向うの様子はそういうふうな状況でございますが、飜つて日本状況を考えて見ますると、先程お話ましたが実に寒心すべき現状にあります。又一旦更正決定をなし又審査の段階も済みましたものにつきましても実は滯納が非常に多いのであります。本年の六月末の現状から申上げますと、六月末におけるところの滯納の金額は千百三十九億円になつております。件数で申しますと七百八十万件程度になつております。向う状況を見てみますと、そういうふうに賦課の段階において非常に納得して又殆んど大部分の人が自分も当然納むべきであるという考えの下に出ておりますので、徴收の面では殆んど納まらんというものがない。従つて滯納処分も殆んどやらんでよいというような状況であります。ニユーヨークのニユーヨーク・セカンドという税務署に行つて見ますと、そこでは過去十年余りそういう事件が起きてないので公売処分は一回もやつておらん。だから公売処分をする必要はないのだということを言つておりました。それからブルツクリンの税務署に行つて見ますと、ここは三百六十万人くらいの納税者のいるところでありますが、ここで年に十二、三件程度の公売をやるという程度であります。誠にうらやましい状況でありますが、併しながらこの千億を越えるところの滯納を何とか処理しなければ結局負担の公平が期し得られないのでありまして、我我はこれをどうしようか、どんな方法を採つてやつたらこの滯納の整理ができるかということについて、日夜苦慮をいたしておる次第であります。減税と申しましても、又は負担の軽減と申しましても、結局かくのごとく巨大な滯納を擁しておる限りにおいては非常に困難でもあり、又負担の公平という面から見ましても甚だ寒心に堪えないところであります。仮にこの一千億円が直ちに整理ができる、收納ができるとすれば忽ちそこに千億の減税ができ得るのであります。支出の削減とかいうようなこともできる。而もこれをやるためには非常に努力を要するのであります。よく面白半分に滯納処分をやるというふうな御非難も受けるのでありますが、税務官吏もあの仕事を最も嫌つております。何とかしてあの滯納処分の係から外に移して貰いたいというのが一人々々の僞わらざる要求であります。もう暫くやつたら移して貰えるからという熱望を各税務官吏が持つております。私共もできる限りこういうことを避けて行きたい、にも拘わらず何とかしなければ負担の公平ということも保てないし、今後の減税ということもできないのであります。ということから涙をのんでと申しますか本当に勇気を鼓してこの仕事に当つておりますので、これらの点につきましては国民の代表である皆さん方におかれましても、是非何とか全体の気風をよくするように御協力をお願いいたしたいと思います。  先程お話いたしましたように、アメリカ制度がとにかく大部分の人は正直であり善意であるという前提の下に、相互の信頼の上に制度ができておる、運用ができておるということは採つて以て私共の範とすべき点だと思います。私共は今後何とか税務官吏の頭を切換えて、そういうふうな規定の下に、そういうふうな考え方の下に指導して行きたいと思つております。それによつて滯納が著しく減るというようなことにならなければ結局そういうふうな転換はでき得ない。どうしてもこれは一つ国民運動として、むしろ税務官吏の我々がそういうふうなことを声を大にして叫びましてもそう効果はないのでありますから、国民の側に立つておられる皆さん方においてそういうようなことに力強い運動をして頂いて気風を作つて頂きまして、それによつてこういうふうな悪循環を断ち切り日本の行政の改善に邁進したいと考えております。こういうふうな機会を以て申上げますのはどうかと思うのでありますが、どうぞそういう点について今後是非何分の御協力、御盡力をお願いいたします次第であります。
  4. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) それでは今の御説明に関連いたしまして何か御質問がございましたらどうか。
  5. 清澤俊英

    清澤俊英君 いろいろお話をお伺いしましたが、まああなたの言う日本の徴税上に沢山の不合理が伴つて更正決定の論議が多いということは、それ自体が御調査の上でこういう機関がないからということだけでありますか。それとももつと突込んだものがあるのですか。お話によると機関がないからそういう情勢になつておるというふうに聞えるのですが。
  6. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 私の申上げましたのは、これはそういうふうな個々の機関がどうであるとか又は税務機構がどうであるというふうな、そういうふうな問題じやなしに、納税者の心構えも税務官吏の心構えもこの際大転換をしてお互いに信頼し合う。税務署国民を信頼して国民がすべて低目に申告をしておるという考え方でなしに、それは低目に申告して来る者もあるかも知れないけれどもそれは善意でやつて来るのだという考えの下に指導して行く。どこまでも親切にしてやるという心構えが必要である。併し納税者にしましても税務署をもつと信頼して、又更正決定を吹掛けて来るのだ、正直に出しては損だという考えでなしに出して頂く。相互歩み寄つて相互信頼の上に立つてやるより途がない。これはこまごまとした機構や何かで解決される問題でなしに、大きな信頼の問題として解決するより外に途がないのだということを申上げたのであります。
  7. 清澤俊英

    清澤俊英君 そうすると大体納税というものの認識が足らないからという一点で盡きると、大体まあそういうふうに結論して差支ないのですか。
  8. 高橋衛

    説明員高橋衛君) そう簡單に……。
  9. 清澤俊英

    清澤俊英君 併しそれより外に大体負担が持てるか持てないかというような点で、もつと考えるべきところがありますが、大体国民的な所得とそれを納める者の生活との関係等で、成るほどそういうような関係があるからそういう理解ができなかつたというあれがありましようか。
  10. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 実は私税務行政を担当しておりますので、税制につきましても或る点まで見て参りましたけれども、この席で申上げますのはどうかと思いましたので御遠慮申上げておつたのであります。
  11. 清澤俊英

    清澤俊英君 分ります、その点で……。
  12. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 税制の主税局長からお話があるかと思いましてわざわざ遠慮して申上げなかつたのであります。勿論税務行政がよくなるためには、或る程度の減税が一つの非常に有力な要件になるということは我々もそう感ずるのでありますが、併し私見に亘つて恐縮でありますが、日本の国際的に置かれた現状から考え、又今後の復興ということから考えると、そう大幅の減税が急速にできるということはそう期待ができないのではないか。併し減税をしなければ税務行政がよくならないということで捨ててしまつてはいけない。とにかく與えられた條件の下に最善を盡して行きたいという心構えでおる次第であります。
  13. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この際長官に参考のために伺つて置きたいのですが、アメリカにおける国民所得と最低生活線のいわゆる必需品に対するところの費用ですね、それはどのくらいの程度になつておりますか。更に又日本では大体どのくらいに見積られておりますか、お分りでしりたらこの際。
  14. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 問題が税制に関するものばかりでありますので、私からお答えするのが適当でないかと思うのでありますが、まあちよつと速記を止めて頂けますか。
  15. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) 速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  16. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) 速記を始めて下さい。
  17. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 アメリカじや大へん所得税に重きを置いているようですが、日本でも何ですか、今度間接税を大幅に軽減したいというような政府の方針のようですが、それはアメリカにならつてそういうふうに持つて行くつもりなんですか。私は今の日本の情勢からいうと却つて間接税を普遍的に取つておいた方が無難じやないかと思うのですが、長官としてアメリカにお出でになつ感じとして日本の現状はどんなふうな感じですか。
  18. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 事は税制の問題ですから私から私見を申上げることは差控えたいと考えます。
  19. 愛知揆一

    ○愛知揆一君 これは必ずしもアメリカの問題と関係はないのですが、先程お話のように二十四年度で千九百万人の納税義務者、これが大体二十五年度は三、四百万人減少というお話ですが、私の感じではもう少し減り方が多いのじやないかと思うのですが、それはともかくとして、国税の改正によつて税務署国税局とまでは行かんかも知れませんが、税務署の配置を相当合理化するという必要があるんじやなかろうかと思うのですが。例えばたしか福島県かと思うのですが、県下の或る税務署では大体納税者が四百人ぐらいになつてしまうのじやないかというところもあるように先般聴いたのですが、そういう所を引上げて、納税者の比較的多いような所で徹底的に御調査をなされるということが必要じやないかと思うのですが、そういう点についてはどういうふうなお考えでしようか。
  20. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 根本的に申上げますと実は日本税務署というのは税務官吏個人々々が働いているといろ感じが非常にするのであります。いわば一人々々の税務官吏が相当な権限を持つておりこれを監督するのに非常に困る。だからして税務署の適正規模は百人ぐらいが適当だという説があります。又そういうふうな考えの下に今までは税務署の増設をするということに相当力を盡して来たのであります。私共飜つて考えて見ますと、どうも税務署員が個々に働くというふうなやり方、こういうふうな不合理的なやり方では絶対にいけない。どうしても税務署が卒先して働くという方向に向つて行かなければ能率の向上もできなければ合理化もできないと考えますので、今後は私自身の考えといたしましてはできるだけ細かい税務署は整理して、そうして税務署の規模もむしろ大きくする。それによつて機械化とまでは行かんとしても内部の事務組織をはつきりさせて、流れ作業自体についても能率を増進するという方向に是非行きたいと考えております。ただこの問題につきましては、国会の皆様方の特に御協力を一つお願いしたいのですが、税務署の配置等の問題になりますとなかなか具体的な問題として御賛成が困難なので是非一つ御協力をお願いしたいと思います。
  21. 愛知揆一

    ○愛知揆一君 先程カリフオルニアのお話がございましたが、申告時期に派出所を設けるというような制度日本ではどうなんですか、その税務署の規模を相当大きくして。それから申告期限を延ばすということは非常に私結構なんじやないかと思いますが、その際に便宜な場所に大いに出張してやつて貰うというようなことならば、今の税務署の配置分合ということと関連して考えられるのじやないかと思うのでございますが。
  22. 高橋衛

    説明員高橋衛君) この問題につきましては、議論としては又税務行政上の立場から考えますと、どうしても申告時期、納期限をもう少し、一ケ月延ばして貰うということは是非お願いしたいと現在考えております。又税務署の派出をどうしても沢山造るということが必要な関係から、先程お話しいたしましたけれども、アメリカでは四百の税務署があり派出所が千三百あります。それによつて直接納税義務者の便宜はできるだけ図つております。而も事務能率は最高度に発揮できるというような非常に弾力性のあるやり方をやつておるのであります。従つて派出所に現実に働く人間は非常に少い。繁忙の時期だけにそこに応援するというような恰好に行つておるのでありますが、併しながら私非常に心配いたしますのは、日本制度アメリカと違いまして、歳入予算についてやはり政府が責任を持つという制度になつておりまして、愛知さん御承知かと存じますが、アメリカの予算におきましても、歳出予算だけが決定されて歳入予算は單に参考に付せられるだけでございまして、そうして国税庁は歳入予算の責任を持たない。国税庁の責任というものは税法通りに如何に公平にやるかということにあると思います。それを日本に持つて来れば税務行政の運営も画期的に勇敢になし得ると思います。どうしても歳入予算の責任を持たせられる以上非常にハンデイキヤツプを感ぜざるを得ないのであります。只今の申告期限の延長等につきましても、一ケ月延長することによつてそれだけ滯納の整理と申しますか、徴税の実施をなします期間が短縮される、短くされると歳入が減りはしないか、それによつて納税者の協力を得る程度と、それから後に滯納整理の努力をする期間の短縮の欠陷、双方睨み合してどつちが取るべき態度であるかということを考えて決定いたしたいと考える次第であります。
  23. 愛知揆一

    ○愛知揆一君 もう一つ参考に伺いたいのは第三者通報制はその後日本ではどういうふうな状況になつておるのですか。
  24. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 只今ここに数字を持つて来ておらんのでありますが、引続いて相当多数の第三者通報制の通報を得ております。併しながらそのうち本当に有力な資料になるものは割合に少いようであります。ただ数字を今はつきり覚えておりませんけれども、予算もあの報奨金に二千五百万円を計上しておるのでありますが、昨年の支出高はたしか千六百万ぐらいになると思います。その程度に相当に実績を挙げておると申して差支ないと思います。
  25. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 先程の滯納の内訳を税別にちよつとお分りになりましたら発表して頂きたいと思います。
  26. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 源泉所得税が八十九億円でございます。それから申告所得税が七百六十五億円、法人税が百七十一億円でございます。それから酒税が六億円、物品税が三十二億円、その他が五十七億円であります。その外に古い税金として財産税とか、戰時補償税とかいうものが十九億円あります。合計しまして千百三十九億円ということになつております。六月末の現在であります。
  27. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この申告税というのは個人の所得、或いは事業所得、法人の申告みな入るのですか。
  28. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 全部入ります。
  29. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 全部合せてその内訳は分りませんか。
  30. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 申告所得税でございますが。
  31. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 その申告所得税の滯納の更に内訳は。
  32. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 申告所得税というのは個人の申告所得税であります。
  33. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それだけですか。
  34. 高橋衛

    説明員高橋衛君) それが一番大きなものを占めておるのでございます。
  35. 松永義雄

    ○松永義雄君 僕の思うところによりますと、税務署がどうして成績を挙げるかということは税務官吏の人柄の問題じやないかと思います。それから知能の問題、それから給與の問題、給與をよくしなければならない。それと別に一つお尋ねしたいのですが、具体的な問題ですが、生産管理をやつておる労働組合で、賃金に引当てられておる手形を銀行で割引いたその金を押えておる、御承知でしようかどうか、御存じないでしようか。
  36. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 聽いておりません。
  37. 松永義雄

    ○松永義雄君 再三あなたのところへ行つて話しておりますが、労働者が工場主の承諾の下に生産管理をして、ただ売掛代金の受取手形を割引くために会社の口座を利用しておる。そうして銀行で割引くと、或いはその手形が落ちるとそれを会社の財産として、会社の滯納税金というかそれによつて差押えておる。そのため労働者に対しては賃金が拂えないということになる、非常に困つておる。税務署は下谷税務署です。御存じありませんか。
  38. 高橋衛

    説明員高橋衛君) ありません。
  39. 松永義雄

    ○松永義雄君 ちよつとお調べになつて下さい、法律関係は調べております。これは生酒の問題です。重大な問題です。先程の税金更正決定をしておるときに、税務署が差押えるということは、その裏面に何か存在していはしないかと疑われるような想像すらないではないが、こういうふうに考えられることがあるのです。十分調べて貰いたいと思います。非常に困つておりますから、一千万円くらいです。
  40. 小林政夫

    ○小林政夫君 アメリカなんですが徴税費は徴税額に対して何%ですか。
  41. 高橋衛

    説明員高橋衛君) アメリカでは昨年の徴税費が百ドルあたり五十二セント、言い換えると〇・五二%、非常に少くて済んでおります。
  42. 愛知揆一

    ○愛知揆一君 ちよつと乱暴な疑問かも知れませんが、今滯納のお話で戰時補償特別税の金額が出ましたが、これは一体取れるものなんでしようかね。
  43. 高橋衛

    説明員高橋衛君) これは実は大口のもので裁判にかかつているものが大部分なんです。判決の結果を待たなければ整理もしにくいかと思つております。
  44. 愛知揆一

    ○愛知揆一君 余り大きなものは裁判にもなつてあれでしようけれども、小さな所でまだ滯納を抱えているところは到底もう拂う見込のないというものが相当数にしたらあるのじやないかと思いますが、もう大分年限も経つておりまするし、適当の時期に何か適当の措置ができんものかと思われるような例が一、二あるように思うのですが。
  45. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 非常に古い滯納であつて整理に非常に困難だという問題につきましても、現在の日本制度においては單なる強制ということが法律的に非常に困難でございますので、その面では我々非常に苦労しております。アメリカには一つの棚上げ式な制度があるのです。言い換えますと、それを一応棚上げ勘定に入れましてそうして五年間は毎年一回は必ず調べに行く。そうして徴收するものがあれば必ず取つて来る。五年間経つて尚なければ帳簿から消すという棚上げ勘定式なものがあるのです。或いはそんな制度政府が作るということが一つ方法として考えられるのじやないかと思います。法律的には相当研究すべきことがあります。
  46. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 この際長官に滯納の一千百億という厖大な金額を将来どういうふうな方針で処理されるつもりか、又現在の状況からいつてもう絶対に取れそうもないというふうなものになるのがどのくらいに予想されるのですか、発表して頂きたいのです。
  47. 高橋衛

    説明員高橋衛君) この一千百億のうちどの程度徴收できるかということは非常にむずかしい問題でありまして、今後の経済情勢によりますでしようし、又その他いろいろな條件が加わりますし、又税務官吏の能力にも限度がありましようしいたしますので見当も申上げかねるのであります。併しながらこれをどうして処理するかという問題につきましては、別にそういう変つた方法というのはありようがないのです。もうやはり納税者の一々の事情はよくお聴きいたしますけれども、又本当に苛酷なことは避けるべきでありますが、どうしても負担の公平からいいますればどんどん差押さえもするし競売も積極的にやつて行くということより途がないのです。
  48. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 日本の一体事業に対する法人の経済事情というものは、アメリカあたりと大分内容が違つておると思うのです。現在では一体法人の自己資本というものは極めて少くて、金融機関の支援によつて事業を継続しておるというふうな状況になつておるのですが、そういう際において一時的にちよつと利益があつたからといつて税金をかけられる、納める頃になるともうすでに情勢が変つて金融機関から締められると、そつちの方へ先に勢い資金というものが持つて行かれてしまうというものが相当多いと思うのですが、こういう点から見るとなかなか国税庁の立場から考えると誠に御同情申上げたいのですが、もう少し何かスムースな徴税の方法がありそうだと思うのです。事業に支障なく徴するという方法もあると思うのですが、そういうお考えはないのですか。
  49. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 私共もそういうふうにもつと円滑に、もつと摩擦を少くしてやる方法は何かないかということで、いろいろ研究はしておるのでございますが、実は今のところ智慧がないのでございます。非常にむずかしい問題でございますが、お話の通り法人税法等につきましては今年の改正前におきましては成るほど相当な苛酷な程度のものだつたと思うのですが、今度の新税法になりましてからはもう法人税は世界で一番安いのじやないかという感じがするのであります。アメリカでは御承知の通り三八%であります。その外に地方税がかかつております。その他各種の税がかかつておりますし、而も今度の国会ではこれに対して二割の増税をやろうというふうな案が出ておるようであります。従つてそういうふうな点からいいまして日本法人税が高いということは、事法人に関する限りは絶対に今後言えんのじやないかという感じがいたしております。又個人につきましては今までの税が現在滯納になつておりますのはいずれも旧税法の分の滯納でありますが、これが非常に高かつたということは勿論あると思うのでありますが、所得はあつたけれども生活費その他に使い込んでしまつたという人があつたと思います。そういう場合に本当に財産がなくて本当に支拂能力がないという場合には不能欠損という方法によつてできるのでありますが、その不能欠損の証明をするには実は非常に手数を要する、とことんまで調べなければならんという制度になつておりますので、その点に非常に困難を感じております。とにかく現在滯納数が七百二十万になつておりますが、これは滯納者の数でありませんで件数であります。人間の数といたしますと大体その半分ぐらいかと思うのであります。こういうふうに多数の人が滯納とておりますと、滯納するということについてのつまり何と申しますか恥かしさと申しますか、滯納が悪いのだというふうな感じが相当薄らいでいるのじやないか、従つてそういう面の運動を起して、そうして国民全般が滯納が悪いのだというふうな感じを持つてつて頂けるような方向に向わなければ、これは税務官吏がどんなにしやつちこばつて見たつてこれはなかなかできるものじやないという感じをいたしておるのであります。
  50. 小林政夫

    ○小林政夫君 アメリカの徴税費は非常に外と比べて少く済んでおりますけれども、その長官の見られたところはどういうところに原因がありますか。
  51. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 先程ちよつと御説明申上げましたように、日本では殆んど全部に更正決定いたしております。又調査をするにいたしましても昨年におきましても一八%程度調査をいたしております。今年度は大体四〇%程度調査ができるかと思います。それをやらずに尚且つ先程お話しましたようないい申告が出て来る、そういうふうになれば徴税費は当然に減るのであります。問題は税務官吏態度もよくない、併しながら納税者の方々の協力も非常に悪い、それが徴税費を高くしているゆえんであります。現在の状態において徴税費をアメリカ程度に滅らせば日本においては税が殆んど入らないことは極めて明白だと思います。その点をお考え頂きたいと思います。
  52. 小林政夫

    ○小林政夫君 税務官吏の方の平均年齢というものは日本は二十五歳でありますが、向うはどのくらいでありますか。
  53. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 向うはそういう点に関する統計は全然ありません。学歴別、年齢別の調査がないかということでいろいろ聞いて見たのでありますが全然作つておりません。大体どんなふうだろうかということを聞いて見ましたところ、平均年齢は三十五歳じやないかということを言つておりました。日本では二十五歳でありますからその点非常に大きな差があるわけであります。
  54. 清澤俊英

    清澤俊英君 滯納の件数、人員を中心にして十万円、百万円、千万円、一億円くらいのところで各滯納率に対しての件数と人員の表を一枚貰いたいんですがお願いできますか。
  55. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 実は私共本当に大きな滯納だけ、五百万円以上だけは報告を取つておりますが、そういうふうな区分にしては報告を取つておりませんので。
  56. 清澤俊英

    清澤俊英君 ちよつと時間がかかつてもよろしうございますが。
  57. 高橋衛

    説明員高橋衛君) それを取るということは随分手数なのでございます。誠に手数なことを申上げて恐縮でございますが、それをやるには一々カードを集計しなければなりませんので……。
  58. 清澤俊英

    清澤俊英君 五百万円以上でも欲しいんですが。
  59. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 今の資料要求ですが地方別、成るべくなら各税務署ごとに徴收すべき税額と、そのうち滯納になつておるのはどれだけというふうに、御面倒でも一つ出して頂きたいと思います。
  60. 高橋衛

    説明員高橋衛君) 実は私の方に局別のものが来ておりますが。
  61. 油井賢太郎

    油井賢太郎君 それで結構です。
  62. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) それでは午前の会議は大体この程度にいたしまして午後は一時からいたしますが、午後は大体平田主税局長においでを願つて税制の改革等についての説明を伺いたいと思つております。午前はこれで終ります。    午後零時十七分休憩    —————・—————    午後一時十九分開会
  63. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) これより引続いて午後の委員会を開きます。速記を止めて下さい。    午後一時二十分速記中止    —————・—————    午後二時三十四分速記開始
  64. 杉山昌作

    ○副委員長杉山昌作君) 速記を始めて下さい。本日はこの程度で散会いたします。    午後二時三十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     杉山 昌作君    委員            愛知 揆一君            大矢半次郎君            小串 清一君            黒田 英雄君            清澤 俊英君            松永 義雄君            小林 政夫君            油井賢太郎君            森 八三一君   説明員    国税庁長官   高橋  衛君