○
千葉信君 先程からの各議員の
質問に対する
淺井総裁の
答弁を聞いて見ますと、大体
淺井総裁がどの程度の決意を持
つておるかということは私はやや分
つたわけでありますが、併し重ねてその問題について私がお尋ねしたいことは、午前中の私の
質問の中にもあ
つて、
総裁からも一応の
答弁を頂きましたけれども、今度の十四日の本
会議における
淺井総裁の
答弁と十八日に
淺井総裁が発表されました
談話との中にある明らかな
食違いに対する
淺井総裁の
責任については、事態の発展
如何によ
つて私は考慮するからということで、一応
総裁に対する
責任追及は
あとに延ばしたわけです。
従つて私はこの問題に対する
淺井総裁の今後執るべき
態度並びにそれに関連して
給與改訂の問題に対する
総裁の
態度等を勘案して、具体的に問題の
解決を図
つて行きたいというふうに、
責任追及の問題を
考えて行きたいというふうに私は
考えてお
つたわけですが、たまたまその問題に関連する
淺井総裁の今のお言葉として、自分の
給與べ
ース改訂の問題に対する
勧告に関する
考え方なり苦労なり、それから又決意というものは、六千三百七円の
勧告の当時から毫も変
つておらない、同様な決意を持
つておる。こういう
お話でございましたが、併し私は單にそれだけの決意では、今度の場合は乗り切れない。申上げるまでもなく今度の場合は従来の
勧告というものとは非常に違
つた意味を持
つておる。何故かと言いますと、はつきりと
給與べ
ースを
改訂しなければならないという
結論の上に立
つて、
人事院では
国会においてもはつきりとそういう
答弁をしたのです。而もそれから旬日以内にそれと相反するような、相反しないまでも非常に時期的にズレのある
勧告を行うというような、そういう表現をなされたということに対しましては、私は非常にこのために問題がむずかしくな
つて来ておる。例えば今私共一番心配いたしますことは、
総裁はこの
国会が済んだら、そのときにな
つてから
勧告するというような
態度を執
つておられますが、併し実際上従来の例から見ても容易に
勧告が出ても
給與ベースは
改訂されない。況んやその
勧告がどしどしこういうような客観的な
事情によ
つて遷延するということになりますると、我々は單に
勧告そのものばかりではなく、
給與ベース改訂そのものについても、非常に不安を持たざるを得ない。客観情勢を
考えて見ました場合にも、今朝鮮に事件が起
つております。ああいうふうな事件がこのまま終熄するか、それとも発展するかということについては、我々十分な関心を持
つておりまするけれども、予測はなかなか立ちません。
従つてこの前の七千八百七十七円べ
ースの
勧告の際に、
政府はこの
給與べ
ース引上げを拒否する理由として、
給與ベースの引上げは必然的に一般
労働者の賃金べ
ースの引上げに発展する。更にそういう事態は折角収束しているところのインフレが再びぶり返すというような懸念があるため、つまり自由党の探
つている、自由党
内閣の採
つている経済政策がそこから破綻して来るという虞れがあるからいけない、こういう理由で拒否された点もあ
つたのですが、若しも今起
つておるああいう朝鮮の問題が発展するということになれば、そこには現在の滞貨の一掃ということもございまするし、更に又いろいろな需要の増嵩ということが或る程度インフレ的様相へ追込むという
段階がないとは限らない。そうなればそれ以外にもいろいろな
事情が起
つて来るのではないかという懸念を持ちますが、この一点を捉えて見ても、この
国会のうちに、例えば
勧告がこの第八
国会に出されて、それに対する或る程度の先の
見通しが立つということと、それから又そういうものが全然立たなく、
国会が済んでから初めて
勧告をする、
勧告をするがこの次の
国会においてどういうふうに論議されるか、そういうふうな点についても時期的にも
見通しが付かなくな
つて来る。そうなりましたら、私は相当
公務員諸君の動揺が起るであろうし、又それに対する
地方公務員、
公共企業体の従業員の動揺も
考えられる。
従つてこういう方面からも私は今度の問題は單に
勧告が或る程度ずれたというだけに止まらない。こういう事態を引き起したところの、はつきり
国会に対して
勧告をすると言
つて置きながら、而も
国会の会期中に
勧告すると言
つて拍手まで浴びた
総裁が、一週間足らずの間にああいうふうな裏腹な
態度に変られたということに対する
責任の追及というものは、これは結局我々としてはその点は
考えなければならないし、更に又この問題は
総裁が六千三百七円当時から持
つていた決意だけではやはりこの問題は
解決できない。
従つて私は今
吉田委員も言われたように、この問題に対して
淺井総裁の形式的に六千三百七円当時から
人事院総裁としては、そういう決意を持
つてお
つたという程度の決意を聽いただけでは、私達は断じて
了解できない。こういうふうな
段階に追込んだ
淺井総裁の
責任というものも追及しなければならないけれども、一方我我としてはこういう事態からどういうふうにすれば、この
状態を修正して、この問題の
解決がスム
ースに行くようになるために、
総裁がどのような具体的な考慮を持
つておられるか、どういう具体的な決意を持
つておられるか、その点を私は一応ここではつきりと知
つて置きたいと思います。