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1950-07-19 第8回国会 参議院 人事委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月十九日(水曜日)    午後二時一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○理事の互選 ○国家公務員給與問題に関する調査  の件  (寒冷地手当及び石炭手当に関する  件)  (給與改訂勧告に関する件) ○国務大臣及び政府委員出席要求の  件   —————————————
  2. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それではこれから会議を開きます。ちよつと御報告申上げますが、理事一名保留になつておりました。西田天香君を指名いたします。   —————————————
  3. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 本日は人事院総裁並びに官房長官出席を求めたのでありますが、人事院総裁はまだ来ておりませんし、来るか来ないか分かりません。それから山下人事官は来るというような都合を言つておりますが、まだ見えておりません。官房長官並びに大蔵関係当局の方が来ております。それだけであります。
  4. 千葉信

    千葉信君 今日の人事委員会官房長官並びに淺井総裁出席を要求してございますが、もう二時を過ぎているのにまだ人事院の方からはいつ出席するということは連絡がないようですが、非常に緊迫した情勢にありますので、できるだけ早くそれに対する措置委員長の方で講じて頂きたいと思います。官房長官がおいでになつておられますので、少々都合が悪いのですが、先に官房長官に対して御質問申上げたいと思います。  先ず最初に御質問申上げたいことは、国家公務員法の第二十八條による給與ース勧告、その他の労働條件に対する情勢適応の原則の問題におけるいわゆる勧告というものと、昭和二十四年の法律第二百号を以て制定せられました国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当支給に関する法律の中における第三條の第二項、総理大臣は、前項に規定する定をするについては、人事院勧告に基いてこれをしなければならない。この二つの問題を考えた場合に、私にはこの寒冷地給石炭手当勧告云々の問題は、この法律にも明記されているように、その基礎となるものは、どこまでも人事院勧告でなければならない。この意味は二十八條における勧告よりももつと具体的に規定せられておる。こういう点について官房長官はどういう見解をとられるか。最初にこの点についてお尋ねしたいと思います。
  5. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今の御質問につきましては、私は只今引用されました法律の第一條に、予算範囲内で寒冷地手当とあわせて石炭手当支給する。こう書いてありますのと、第二條の2におきまして、世帯主たる職員に対しては三トン、その他の職員に対しては一トンを、それぞれ公定小売価格によつて換算した額に相当する額をこえて支給してはならない。という二つ規定がありまして、総理大臣は、第三條二項によりまして、人事院勧告に基いてするのでありまするが、同時に三トンをこえない範囲内においてということ、これは世帯主でありますが、それと予算範囲内という二つ制約をやはり受けている。こういうふうに私は考えております。
  6. 千葉信

    千葉信君 私は官房長官に対してこの勧告に関する見解について、極限した御質問を申上げたのでありますが、非常に範囲を拡大された御答弁のようでございますから、私はその点について触れざるを得ないのであります。第一條の方に言われております「予算範囲内」という言葉は、御承知でございましようが、これは二十四年における議院提出法案でございまして、従つてこの予算範囲内という言葉は二様に解釈されておりまして、一方の解釈としては、一応予算範囲内という言葉を使つておるけれども、これは補正予算がこの問題に関連して編成さるべきであるという考え方があつたのであります。それに対象する考え方として、この予算範囲内というのは既定予算範囲内という解釈もなされましたが、併しいずれにしても、これは議院提出予算であつたということと、当時の情勢上からこの石炭手当寒冷地給の問題は人事院において勧告する程度データを当時持つておらなかつたという関係から、暫定措置として前年度の大蔵当局の実施した措置に基いて二十四年度においてやる必要がある。こういう考え方からこの予算範囲内という言葉が使われたのでありまして、従つて順序からいえば、本年度こそもつと恒久的の法律を作るべきでございましたが、そういう運びに行かなかつた。併しこの法律ができた以上は、勿論人事院として二十五年度予算編成される以前に、この第三條の第二項に基いて、寒冷地給石炭手当に関する金額であるとか、或いは支給地域、その他の問題が当然勧告されていなければならなかつたのですが、その点は人事院の手ぬかりから今まで勧告されておらなかつた従つて二十五年度の予算編成に対する基礎的條件人事院勧告云々の問題は看過されてしまいましたが、そういう状態からいつて、これは人事院にも問題があるけれども、併し現在の段階に至りますれば、私共の最も関心を持たなければならないのは、いわゆるこの第三條の第二項の勧告、それから又二十八條勧告、この字句の表現は同じでございますが、一方においては具体的な勧告に基いてこれをしなければならない。それ以外の要素やそれ以外の條件というものを、この寒冷地給石炭手当の場合には考えておらないということに対して、官房長官もこれを同様に考えておるか。それともこの具体的な規定の中にはおのずからその比重において違つた点があるのかどうか。こういう点について私は簡単に官房長官の御答弁をお願いしたいと思います。
  7. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今千葉さんのお話、私この法律ができましたときは直接これに関與しておりませんので、その当時のいきさつ等は心得ておらないのであります。それでむしろ大蔵省の政府委員の方がその点は知つておられるのではないかと思いますので、政府委員の方から詳しい御答弁願つた方が正確を期する上からいいのじやないかと思います。さよう一つお取計らい願いたいと思います。
  8. 千葉信

    千葉信君 この法律に基いてのいろいろな具体的な問題については、前の委員会における官房長官との質疑応答の中で、できるだけ事務当局の方から御答弁を願うということについては私も了解しております。併し今私が申上げたことは、何ら大蔵事務当局の説明を待たなくても、官房長官の方だけで、見解として私は答弁できないということは、どうも私は納得できないのですが、その点は如何ですか。
  9. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) この点につきましては、やはり私が先程申しましたように、この法律は全部一括して一つ法律なのでありまして、特に第三條とか、第何條だけに重きを置くというわけではないと思います。従つて内閣総理大臣は、第三條第二項によりまして、人事院勧告に基いてするのでありますけれども、同時に第一條或いは第二條規定制約を受けまして、その両方の制約の上に立つものと考えております。
  10. 千葉信

    千葉信君 この問題は別にこれ以上御質問申上げてもいたし方ないと思いますから打切ります。
  11. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 今ちよつと官房長官に一応話して置きます。法律條文の上から立つならば、あなたのおつしやるように、その経緯については分らんからというのは御尤もです。そこで前国会において予算編成期における状態は、一トンの価格二千五百円ということでは、当時も購入できないのだと、こういうことで大蔵大臣或いは大蔵政務次官主計局長編成当時にそれを話したところが、購入の時期、つまり支給の時期にこれを考慮するということで答弁しておる。この事実は、当時予算はこういうふうに組んであるけれども、支給の時期においては、いわゆる石炭を買い得る価格を出すということになるわけです。そこで今のあなたの答弁だけでは、解釈だけでは不十分だという根拠があるわけです。予算編成期にすでにそれが問題になつた、こういうことを一つお話して置きたいと思います。
  12. 千葉信

    千葉信君 主計局長にお尋ねいたしますが、いろいろ仄聞するところによりますと、今度の寒冷地石炭手当支給の問題に対して、政府人事院勧告を蹂躙した形において、三千円という非常にかけ離れた金額が決定されたようですが、この閣議における決定に際しては、河野主計局長が発言した意見通りに決定したという話でございますが、そううい事実があるかどうか。先ず最初にその点について御答弁願います。
  13. 河野一之

    政府委員河野一之君) 私共大蔵当局で案を立てたことは事実でありますが、その案を基礎にいたしましていろいろな案を御検討の上閣議決定されたわけであります。
  14. 千葉信

    千葉信君 その只今の御答弁によつても大体明らかになりましたように、大蔵当局の持つていた資料なり主張というものが、相当閣議で決定的な役割を演じておるのでございますが、一体大蔵当局としては、三千円の石炭手当支給した場合に、それから税金が二割も引かれ、それに又小運搬賃において三百円乃至四百円というものが引かれておるということは、どうしても経費として考えなければならない。そういう場合に三千円の石炭手当支給されて、実際に手取が二千百円乃至二千七十円という形で、一体北海道で一トン当りその程度金額で買うことが可能だという論拠は、一体どこから大蔵当局として出されたか、その点をお伺いしたいと思います。
  15. 河野一之

    政府委員河野一之君) 昨年の石炭手当は、一トン当り二千七百円ということで支給したわけであります。九月の中途におきまして配給統制が廃止されましたので、上半期の方の分は二千九百円、下半期の方は二千五百円ということで、平均二千七百円、こう考えたわけであります。そのときの石炭は五千二百カロリー石炭、これを塊炭が四五%、粉炭が四五%、見込炭が一〇%というようなことで計算いたしたわけであります。その当時もそうして計算しました。それに世帯主につきましては三トン分ということで一応計算したのでありますが、その当時も税金がかかつてつたわけであります。今回この三千円の案を出しまするにつきましては、すでに価格統制はないのでありますが、公廃止後におけるこの程度カロリーを有する炭の市場価格というようなことを調べまして、大体二千七、八百円、これに小売のマージンその他を加えまして三千円にいたすことが適当である、こう考えた次第であります。
  16. 千葉信

    千葉信君 御承知通り人事院勧告いたしました石炭カロリー計算は、六千カロリーが妥当であるという結論の下になされておるようであります。今主計局長の御答弁を承わりますと、大体五千四百カロリー程度のものを考えた、こういうお話でありますが、一体私共は非公式な会見でも主計局長から承わつておりますが、大蔵当局では、北海道暖房用石炭の六千カロリー以上、特に六千八百カロリー程度になると、暖房用のストーヴが崩れてしまう。溶けてしまう、こういう考えを持つておられるようですが、もうすでにその点からして大蔵当局実態調査をやらなかつたということが明白なんじやないか。私はかように考えているわけですが、仮にそういうふうに大蔵当局が非常に北海道実情を知らないで、いろいろな問題を考えておられるということについては、私はここでいろいろなデータを以て反駁する時間の余裕がないために一応見送りますけれども、今仮に主計局長が言われたように、五千四百カロリー石炭が九月に統制が廃止されてから、大体非常に安い金額購入できるというようなお話でございましたが、人事院調査によりましても、五千四百カロリー石炭単価というものは、塊炭において三千五百九十円、運搬賃を含まない小売価格で三千五百九十円、半塊炭においては三千九百円、粉炭においては三千三百十五円、これが実際に人事院調査しました結果に基く北海道石炭単価でございますが、他にもいろいろと石炭価格について調査した資料がございますけれども、大体人事院調査を裏付けるような数字でございますので、私はこの点では触れまいと思いますが、一体大蔵当局で言われた石炭単価というものは、どこの石炭単価で、どういうふうにして調査されたか、その点を具体的にお示しを願いたいと思います。
  17. 河野一之

    政府委員河野一之君) 物価庁調査によりまする北海道における一般中級炭統制廃止後における市場価格を見たのでありまして、例えばこれは月によつて非常に違つております。最近では少し下つておりますが、旧公を撤廃いたしました当時の価格は、昨年の十月におきましては旧公は三千三百三十四円でありますが、これが市場価格は三千三百七円と下廻つております。それから少し下りまして、一、二月頃に上つておりますが、二月におきましては二千八百二十三円というふうになつておるのであります。人事院の四千百四十六円に比較いたしまして非常に低いのじやないかというお話でありますが、この点御了解を願いたいと思うのでありますが、人事院CPSの一月乃至三月における数字基礎といたしておられるのであります。四千百四十六円、これもその期間において購入せられました〇・七トンの炭の価格であります。このカロリー内容は実は分つておらないのであります。同じくCPS調査いたしまして、昨年の四月から今年の三月までにおける全石炭購入数量を見ますと、一・六トンということに相成つておるのであります。CPSにまりまする石炭費支出総額は六千七百三十三円ということになつておるのであります。私共といたしましては計算基礎を五千二百カロリー炭価三千円ということに置いてはございますが、金額総体として九千円程度支給があれば適当であろうと、こういうような趣旨に解しておるのであります。千葉さんよく御承知のように、法律には、公定小売価格に対して三トンを掛けた金額を超えざる範囲内ということになつておるのでありますが、三トンを支給するということよりも、金額を積算する基礎というふうに考えておる次第であります。従いまして北海道職員につきましては、この程度金額石炭手当で十分であろうと、こういうふうに考えた次第であります。
  18. 千葉信

    千葉信君 非常に大蔵当局自分達意見には有利な資料を使われておるようですが、一体大蔵当局は昨年の統制価格の撤廃後に、昨年の十二月と本年の一月に、カロリー上級のものは、上級のもの程二回も値上りしておるということを御存じでございましようか。大体平均二百円から三百円ずつ二回とも値段が上つておる、それから又今言われた五千二百程度カロリー北海道暖房用炭が間に合うという考え方が私はそもそも実情を知らないで、机の上だけで仕事をしておられる大蔵官僚諸君の根本的の誤りがそこにあるのじやないか、私はこういうふうに考えて非常に不満に堪えない次第であります。今主計局長がはしなくも言われたように、大蔵当局世帯主三トン分九千円という数字を出したのは、そういう北海道における実情知つて実情調査してその結果大体この程度金額で妥当であるという考え方に立つてなされたものではなく、大まかに言つて北海道における暖房用石炭所要量計算して、一切のその他の所要石炭を控除して、北海道にばら撒かれておる暖房用石炭総量だけを計算して、そうしてその結果石炭総量北海道家屋数に割当てて出た結論というのが、今おつしやつた一・六トン、従つて一・六トンという石炭を貰うことができれば、北海道平均暖房用石炭は十分なんだという考え方に立つて大蔵当局は逆に九千円という金額を弾き出された。決して大蔵当局最初から暖房用石炭所要量とか、或いは又どの程度のものが必要であるかというようなことは毫も調査研究されないで、今申上げましたように、一・六トンという数字が出たのを幸いに、実際北海道においては一・六トン程度では足りないということの実情調査しないで、その石炭を一・六トン買えるという程度金額を抑えた、私はこういうふうに了解せざるを得ないのですが、只今主計局長答弁も、はしなくもその点に合致するようですが、私はこの際正直にその点主計局長からこの席でお話願いたい。一体今申上げたように一・六トンという数字が出たので、それを金額に割当てて行つたのじやないか、私はこう考えざるを得ないのですが、この点については如何ですか。
  19. 河野一之

    政府委員河野一之君) 私は決してそういうふうに思つておらないのでありまして、昨年石炭手当炭価計算いたしますときに、五千二百カロリーという数字基礎として計算いたした。今年も事実又二十三年の配給等を見ましても、その程度の炭について二・三トンでありますか、そのような家庭配給になつてつたと思うのであります。そういう前年におけると同様な炭を買うといたしまするならば、今年度においてはどの程度の金が要るだろうということを計算いたしたに過ぎないのであります。ただ四千百四十六円、或いは四千百五十円というか、人事院勧告というものが果してどうであろうかという、これは逆に数字の面から解釈資料として申上げたに過ぎないのであります。人事院の御調査によりますと、一月から三月までにおける〇・七トンについて御調査になつておる。又そのCPS、百八十五世帯のこれはCPSでありますので、従来給與関係その他において非常に権威ある数字とされておるのでありますが、その内容を見ますと、一・六トンしか買つておらないようであります。或いは現物で買つて支給になつておる向きもあるでありましよう。その外薪をお買いになつておる点もあるでありましよう。併し石炭としてはこの程度金額になつておる。いろいろその他の燃料費使用状況というようなこともCPSについて当つて見ましたけれども、金額的にはこの九千円という金額で十分適当であろう。殊に北海道におきましては寒冷地手当が俸給の八〇%も行くというような関係もありまして、大体この程度が適当であるというふうに考えまして金額を算定いたしたわけであります。
  20. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは官房長官は先程二時半までと言われましたが、今十三、四分外へ行かれたので、あと二十分くらいここに……、そういうふうに予定して進行しておりますから……。
  21. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) その代り私は一時ちよつと過ぎからお待ちしていたので……。
  22. 木下源吾

    委員長木下源吾君) まあそういうふうに一つ……。
  23. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 二十分はちよつと無理ですね。四十分までおりましよう。向うとの時間もありますから……。
  24. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは官房長官の時間の都合もありますから、吉田君がさつきから申出ておられますから……。
  25. 吉田法晴

    吉田法晴君 今朝の本会議緊急質問でもお尋ねしたのでありますが、総理大臣その他の答弁でもはつきりいたしませんでしたが、あの席上でも申上げましたように、廣川農相、これは農相資格であるのか、或いは俗に言う私設官房長官資格であるのか何か分ひませんが、とにかく淺井人事院総裁を訪問されたということは事実だと思います。そこで政府としては暫定措置考えておるから、ベース改訂勧告は出さなくてもよろしいと、このまま言われなかつたかも知れませんが、とにかく暫定措置考えておると、こういう話があつたということであります。(千葉信君「人事院に対して政府勧告したのだよ。二十八條の逆をやつておる。」と述ぶ)まあそういうことだと思うのでありますが、或いは自由党根本政調会長、或いは衆議院の人事委員長がG・Sを訪問するとか、これは新聞記事なども出ておりますが、そういう動きがあつて、明らかに人事院政府が、或いは自由党で抑えようとした、こういう印象を一般に持つておるのであります。これらの点について政府としてどういう工合に考えておられるのか、その事実ありやなしやということについて御答弁を聞かして頂きたいと思います。
  26. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今の御質問のうちの前半の、政府人事院に対して何か干渉といいますか、何かそういうふうなことをしたことがありやなしやという御質問につきましては、今日総理大臣もお答えした通りでありまして、一切政府として人事院に働きかけたことはありません。この点は明確にいたして置きます。  尚只今の御質問のうちに人事委員長とか政調会長とかいう方の名前が挙りましたが、これは政府の、官房長官の干渉する限りでありませんので、我々の方としては何ともお答えができないわけであります。
  27. 吉田法晴

    吉田法晴君 答弁を以て満足しないのでありますが、押問答になると思いますのでその点は置きますが、これは選挙の際にも公約として給與ベース改訂問題が取上げられた。それから本国会劈頭におきます施政方針演説においても給與ース改訂をやる、これは少くとも公務員給與引上げの必要を認めた言辞がなされたわけであります。これは本国会劈頭においてこの施政方針演説でありまして、この次の臨時国会施政方針演説でもなければ、来年度の予算を審議すべき通常国会での施政方針演説でもない、本国会における施政方針演説であります。そういうことは取りも直さずこの給與引上げ問題ということが、将来の問題じやなくて、本国会における問題として、或いは眼前の施政の問題として取上げられたものだと考えるのであります。その後政府態度、或いは人事院に対しまする関係はないと言われますけれども、政府動き等を見ておりますというと、この施政方針演説なり、その他公約せられました方向がうやむやになつている。従つてこれは国民の間から、自由党欺瞞政策を以て選挙民を欺瞞する。或いは選挙法の違反であるんではないかというような言葉さえ聞くのであります。給與ベース引上げ問題について、具体的にどうする方針であるのか、時期その他明快に方針をお示し願いたいと思います。
  28. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは今いろいろおつしやいました中で、第一には、選挙の終りに近くなつて総裁の名において約束したその中に、給與ベース引上げということがあるのでありますが、これはその当時はつきり新聞等にも出ておりまして、私も大蔵大臣と共に記者会見立会つて、その内容を説明したのでありますから、自分でもよく覚えております。大蔵大臣はつきり来年度においては給與ベース改訂をするということで、この給與ベース改訂ということの公約を説明しておりました。但しその前においても、でき得る場合にはやることがあるということは説明して置きましたが、いつやるとか、どれだけやるとかいうことは全然説明してないのであります。これが選挙の当時の公約であります。その後この公約内閣方針として検討いたしまして、やはりこれを適切なりと見て、内閣方針として、政府方針として取上げたのであります。従つて今度の施政方針演説の中にもこの問題を取上げまして、政府としては逃げも隠れもしないという態度をとつているんであります。(笑声)施政方針演説の中にもあります通り、財政の許す時期及び限度においてということにしておりまして、これは検討して見ていつになるかははつきりは未だ言えないわけであります。但し来年度はやるということは、これはすでに公約とお考えになつて差支えないと思つております。尚施政方針演説には、本国会における直面せる問題のみを取上げるであろうとおつしやいましたが、例えば講和問題につきましても、その他本国会の直接の問題でないことでも、やはり重要問題と思われる点は取上げているのでありまして、その中に盛られてあることが全部本国会で実現するという意味ではないと私は了解しております。
  29. 吉田法晴

    吉田法晴君 講和問題を引合に出して、給與問題についての施政方針演説の部分は当面の問題ではないというお話でありましたが、これは講和問題について如何なる態度をとるかという問題であつて講和会議がこの国会中に実現するとかいう問題でないことは、これは三歳の童兒でも分る問題だと思うのであります。そういう問題と給與問題について、給與ベース引上げの必要を認める、而もそれを本国会劈頭において施政方針演説の中に盛り込むのは、明らかにこれは事実が違うと思う。方針が決まつておらんならば、引上げるという、本国会において補正予算を出し或いはベース引上げるという見込みがなければ、恐らく施政方針演説においてそういうはつきりした言明がある筈がないと思う。したいという希望があつた、或いは気持があつたということははつきりしておるのです。それを施政方針演説で国民の前にはつきり言明をしながら、それをうやむやに、講和会議と同じに、今度の国会或いは来年度以前においてはしないのだと、こう説明されても、私はもとよりのこと、これは国民の納得するところでないと考えます。その点についてもう少し具体的に政府方針或いは意向というものをはつきり示して貰いたい。
  30. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) どうも理屈を言うようで甚だ恐縮でありますが、今吉田さんがおつしやいましたように、講和会議は今度の国会では問題にならない。併し講和に対しては早期講和という方針で行きたいという希望といいますか、その点をはつきり述べたのであります。同様に給與ベースは必ずしも本国会にはできないのでありまするが、併し早くやりたい、そうして財政の許す範囲及び時期においてこれをやりたいのだという態度を表明することは、やはり同じようなことだと私は考えておりまして、実はあの案の起草も私はいたしたのでありまするが、やはりそういうつもりで書いたのであります。
  31. 吉田法晴

    吉田法晴君 それでは、これは今度の吉田内閣官房長官が変られる前の官房長官なり或いは労働大臣等にお目にかかつて我々が折衝をして参りました当時、本会議で申上げましたのでありますが、第一次専売裁定を呑み、そうして専売局が上つた、これは一時的でも上つた、これは国鉄それから一般公務員はどうするのだ、従来公社の職員であろうとも、或いは一般公務員であろうとも国に盡す地位においては同じだ、同じ取扱をしたいという言明をして来ておつたじやないかと言うて責めました場合に、政府としてもこれは必ずしも同一でなければならんとは思わないけれども、同一であつた方がよろしいのだ、尚一般公務員その他についても、鉄道職員等についても前進をしたい、こういう言明がありましたが、その言明と申しますか、方針というものは尚吉田内閣において、官房長官は変られましたけれども、持続しておるものと了解してよろしいのでありますかどうか。
  32. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今お話は、確か吉田さんの今日の緊急質問の中に一部あつたと思いますが、私は実は甚だ不敏にしてその点は、当時の状況を詳らかにしておりません。で実は分らないのでありますが、今おつしやつたことを伺いますると、これはやはり内閣方針として差支えないことのように思うのであります。併しじや内閣の政策とするかというふうにはつきりお聞きになりますと、どうも私は今のところは、実は初めてでもありません。今朝伺つた点もありますが、自分の識見といいますか、甚だ恐縮ですが、私の感じを申し上げるより仕方ないと思います。感じからは、どうもおつしやつたことは当り前のような気がするのであります。
  33. 木下源吾

    委員長木下源吾君) もう時間が官房長官の約束が一、二分しかありませんがね。
  34. 吉田法晴

    吉田法晴君 最後に……。
  35. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 一、二の人が済んで、官房長官の御都合ばかり伺つてつてつたのでは困るのだが、全部が質問をし、基本的に伺つて置かなければならないことがあると思うのです。冒頭から僕が言うように、人事院の方から総裁が顔を見せないし、官房長官が帰つてしまつたんじや、人事院の将来の運営にも関係するし、一人々々短時間でもいいのであるから時間を限つてつて貰いたい。
  36. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 今最初に何しておるのですが、あとで時間を約束して頂けますか。
  37. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 済めば来ますが、今日はちよつと遅くなりますがね。
  38. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 何時頃になりますか。
  39. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それがはつきりわかりませんが、ずつとやつておられれば……。
  40. 吉田法晴

    吉田法晴君 それなら二、三分でいいですが……。
  41. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 時間の約束があるのですよ。
  42. 木下源吾

    委員長木下源吾君) なかなかこの問題は、そう二、三分や十分でまとまりがつかん。そこでですね、私は今はお約束の時間で守る、と同時に貴方が、今日何時頃おいでになられるかを決めて、こちらは休憩をしておつて、又開いてもやろう、こう思つております。
  43. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) はつきり分りませんが、三時四十分頃には来られるのじやないかと思いますが。
  44. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは四時ということにいたしまして、四時からこちらで特にそれ迄継続するか、或いは休憩にして、それからやりますから、どうかそういうふうにして頂きたいと思います。一分や二分でなかなか終らん、そういうふうに一つ御了解願います。それではこの時間はお約束通り一つ……。  では今山下人事官が来ておりますし、大蔵当局が見えておられるので大蔵当局に対してでも、人事官に対してでもどちらの方から……
  45. 千葉信

    千葉信君 私の方は主計局長に……。
  46. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 外の方から主計局長にまだ質問ありますか。
  47. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 その前に又四時から更に官房長官が来るのですから、どこにおるか知らんが、人事院総裁は旅行しておるわけじやないから、だから探して出てこさせ、政府の責任者と人事院総裁のいるところで聞かなければならんところが沢山あるのですが、そういう運びにして置いて、会議を続行して頂きたい。
  48. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 今手配しております。それでは千葉君。
  49. 千葉信

    千葉信君 先程の質問を続行いたしますわけですが、とれ以上質疑を続けても、結局水かけ論になる傾向が非常に強いのですが、先程の質疑の中でもやはり明らかになりましたように、一トン六分が北海道における絶対の平均所要量、こういう結論を大蔵省の方で持つているのですか。一体大蔵省では従来北海道における石炭所要量については、御承知でもございましようが、戰時中から非常に現物の入手が困難であつたという関係上、石炭だけでは暖房用として賄い切れないというようなために、相当暖房設備を変更して、木炭だとか、或いは薪……主計局長いいですか。聞いていますか。そういうふうに暖房設備を変更してしまつて、そのために急には変更できないために去年なんかでも、相当多くの薪や木炭を使用しているという状況なんです。従つて石炭の配給量だけでは決して北海道における正確な暖房用石炭所要量というものは出て来ない。こういう点について一体大蔵省当局は、先程の答弁でも明らかのように、実際の状態というものについては殆んど調査をしておらないし、私共の連絡した点から見ましても、各官庁とも挙つて大蔵省当局でそういう実情調査北海道に対して行なつておらない。こういうことをはつきり言つております。それから又もう一つは、石炭カロリーの問題ですが、少くとも若し北海道実情というものを調査研究されてあれば、一体北海道で六千八百カロリー程度石炭を焚いた場合に、主計局長がしよつちゆう言われるように、果してストーブが熔けて流れてしまうかどうか。こういう点からしても、もうちつとも調査研究されてないで、頭の中だけで問題を処理されようとしておる点は明白であると思う。それから先程申上げたような、世帯主三トン分九千円という大蔵省当局の見解というものは、これは石炭の従来の制約を受けた当時にその程度に配船されておつた、この所要量を買うことができれば北海道における暖房用石炭の問題は解決するのだ、こういうかつこうで結論の方から先に出して置いて、そうして最後にこれを三で割つて、これが三トン分、一トン当り三千円だと、こういうふうに抑えたというように私は考えざるを得ないのです。御承知通り北海道における十二万の公務員諸君にとつて、非常に重大な問題であるばかりでなく、こういう公務員に対する給與というものが一般産業における労働者の給與にも非常に大きく影響するという立場から言いますと、少くともこういう問題についてもつともつと慎重に、もつと親切に基礎的な調査をしたあとで閣議に出て発言されるというような慎重な態度を私はお願いしたいと思うのですが、その点について、主計局長は従来の誤りを男らしくはつきりと清算して、新たに閣議に出て北海道実情調査に基いた数字で以て発言をする意思があるかどうか、この点の御答弁を承わつて置きたいと思います。
  50. 河野一之

    政府委員河野一之君) 千葉さんよくお分りになつておると思いますが、石炭手当というものは、三トンを買えという意味と少し私は違うと思うのでありまして、三トンで足りるところもありましようし、勿論それ以上のところもあろうかと思うのであります。ただその石炭を焚かなければならんという北海道の特殊事情のためには、幾らの金をやるのが適当であろうかというその算定の基礎として、炭価の問題があり、トン数の問題があるのだ、私はこう了解しておるのであります。法律の趣旨もそうであろうと思うのであります。それで千葉さんのよく御存じの通り、二十三年度におきましては二・三トンのこれは配給だつたと思います。その他に闇もあつたでありましようし、薪も買つたことと思うのであります。昨年におきましては、統制がないのでありますから、実際上どの程度の配給があつたか、これは個人々々いろいろ違いましよう。一トン六、これはCPSの相当権威のあるものでございますので、一応私は他の事情も調べて見たのでありますが、これは相当信頼していい数字と思います。勿論百八十五世帯のうちには、その外に調査こそ……百八十五世帯でありますが、その中には現物を引受けておられるものもありましよう。これはCPSに入つておらないものもあるのだろうと思います。それから又薪を買つておられるものもあるのだろうと思います。必ず石炭を買わねばならんというわけではなかろうと思うのであります。併しCPSをまあ非常に信頼するものといたしますと、カロリーの点、或いは炭価の点は別といたしましても、六千七百三十三円という数字が、一応信頼すべき数字があるわけであります。それから石炭手当の外に寒冷地手当というものが北海道支給されておるわけでありますが、これは東北その他の寒冷地においては、石炭を買わなくても薪を買うという事情があると思います。北海道地区のことを考えて見れば、石炭手当の外に寒冷地手当が大体四千円程度支給になるのじやないか。これは本俸と扶養手当、これを五千円と仮定いたしますと、その八割でありますから、四千円行くことになります。そうしますと、北海道地区の公務員は、一般俸給の外に右の石炭手当と合計いたしまして、一万三千円の特別手当が支給されるのであります。たびたびCPSをとつては恐縮なんでありますが、昭和二十四年度におきますCPSによりますと、札幌地区におきましては、燃料費が九千七百九十九円ということになつております。東京地区は五千七百二十六円であります。若し仮にCPS数字を正しいといたしまするならば、北海道地区の公務員に対しましては、右の差額である四千円の特別手当ということが一応沢山だとも考えられる。決して沢山だというわけじやありませんが、一応その差は四千円程度なんであります。これに対しまして石炭手当寒冷地手当両方合計して一万三千円要る、石炭手当というだけでも九千円要ると、こういう金額の睨合せを考えまして、一応積算の基礎として三千円ということはありますが、金額的にこれで適当であろう、或いは高い炭をお買いになりまする場合におきましてはカロリーの高いものになりましようし、又悪い炭でありますれば余計焚くというようなこともあろうと思うのであります。ストーブの実情からそういうふうに考えたということでは絶対にないのであります。
  51. 千葉信

    千葉信君 主計局長との先程からの質疑応答の中で、大体判明して来たことは、やつぱり私が相当最初から疑惑を持つていたように一・六トンの所要量だというところからこの金額を算出したということがやや具体的になつて参りましたが、主計局長は先程からCPSというものは非常に信頼すべきものであるということを言われておりますが、これは私も全く同感でございます。併し主計局長は遺憾ながら、このCPSをとられて、鬼の首でもとつたようにおつしやつておられますけれども、CPSというものは、御承知通り、非常に正確なものであるということを尊重すると同時に、この調査というものは価格調査を目的としたものであつて、実際の所要量、消費量の調査という点についてはCPSは重点を置いておらない、従つてこういう点からもどこまでもCPS基礎とした所要量を主張されるということは聊か筋が違つているのではないかと私は考えざるを得ないし、それから又一年間だけの所要量計算する場合に、そのCPSというものは、御承知通りに現金支出のみの調査でございまして、現物の収支であるとか、或いは繰越しなどという点については、ちよつともこれは計算の対象になつておらない、こういう点についてももう一度よく胸に手を置いて大蔵省主計局長にこの問題のよい解決のためにお考え直しを願いたい。以上私は御注文申上げて、これ以上質疑応答を繰返しても、結局これはもう押問答の形になる虞れがありますから、以上を以て私は打切ります。
  52. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 今の主計局長答弁を聞いていますと、その法律を作つた根本の精神をまるでひつくり返してしまつて、そうして大蔵当局は勝手に公務員の給與状態を決めて行くというような態度、これは一体大蔵当局にそういう権限があるのかどうか。(「ないない、あるもんか。」と呼ぶ者あり)これは甚だどうもけしからん。殊に給與に関することは、皆人事院の方へ何しているのに、あなたの何では、このくらいの程度ならば公務員が生きて行けるだろうというようなことで、給與自分の方でお手盛りして決める、こういうようなことに聞き取られるのですが、この点は一つ明確にして置いて頂きたい。どういうことですか。
  53. 河野一之

    政府委員河野一之君) これは大蔵省が公務員の給與を決めているわけでは絶対ないのでありまして、あの法律にもありまする通り人事院勧告に基きまして内閣でやる、こういう建前になつております。人事院勧告を十分尊重いたしまして、いろいろな予算の問題その他各般の問題を考慮の上内閣において御決定になつたのであります。勿論私共といたしましてはその基礎的な資料その他は提供いたしたわけでありますが、内閣においてお決めになつた、こういう建前は私共よく存じておるつもりであります。
  54. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それではその基礎的な資料は何々であつたかを一つ明示して頂きたい。
  55. 河野一之

    政府委員河野一之君) 人事院の御勧告一つ資料でありまするし、CPSもその通りでありますし、或いは物価庁価格調査、それから私の方の出先の財務部の調査、そういつたようなものをいろいろ勘案いたしまして、昨年と今年との状況というものを見てその結果の数字を出したわけであります。
  56. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それではあとで文書で資料を皆要求しますが、出す用意ありますか。
  57. 河野一之

    政府委員河野一之君) CPS資料なんかございます。これはお出しできると思います。
  58. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 物価庁は……。
  59. 河野一之

    政府委員河野一之君) 物価庁調査もありますから、その当時のできるだけ資料を差上げる……。
  60. 木下源吾

    委員長木下源吾君) できるだけじやない。あなたの方になければ物価庁を呼ぶから、ないのはないと言つて下さい。
  61. 河野一之

    政府委員河野一之君) 算定の資料ですか。
  62. 木下源吾

    委員長木下源吾君) あなたの方で内閣に提供した資料全部一つ……。そうするとあなたの方には物価庁資料は今ないわけですね。
  63. 河野一之

    政府委員河野一之君) こういう基礎資料調査したのでありますから、手許にはそういう基礎になつたものはございます。
  64. 木下源吾

    委員長木下源吾君) いや、あなたの方で……。
  65. 河野一之

    政府委員河野一之君) できるだけ資料を提出することにいたします。
  66. 木下源吾

    委員長木下源吾君) もう一つ、何ですが、市場の実際を調査したかどうか、この点を一つ
  67. 河野一之

    政府委員河野一之君) 市場の実際を調査したのであります。ただ地域によつて非常に違いますもので、大体私共は札幌を中心といたしてとつております。その資料も御希望でありますれば提出することにいたします。
  68. 吉田法晴

    吉田法晴君 私はその問題については寒冷地におりませんので、詳しいことは知らんのでありますが、お話を聞いておつても私共としても納得が行かない。寒冷地の特別手当もあるから石炭手当と合せて一万三千円あつたらそれで十分であろう、こういうお話。併し寒冷地の問題について第七国会での参議院の決議案の説明を聞いておつても、これは暖かい所よりもいろいろ設備にしても或いは被服にしても余計要る、こういうことで寒冷地の手当というものが考えられて参ると思う。それもあるから一万三千円あればよかろうという御議論は到底出て参らないと思うのであります。その議論はとにかくとしまして、お話を聞いておつて九千円の中からは勿論、千葉委員から指摘のありましたような、税金が引かれる、それから実際に石炭を買うためには小運送もしなきやならん、そういう要素は全然抜きになつておる。従つて手取りで以て実際に石炭を買うためには、九千円では大蔵省が考えられました石炭が手に入らんということが論議によつて明かになるわけでありますが、そういう点を今後について直す意思があるのかどうか、その点を一つ伺いたい。
  69. 河野一之

    政府委員河野一之君) 私はそういうふうなことを申上げたのじやないのでありますが、勿論寒冷地手当というものは寒冷地における特別な生計費の増加を補うわけであります。石炭手当北海道における特殊の生計事情から支給せられるものであります。ただ石炭というものが、北海道におきまして石炭だけを焚いておるのじやないということと、一・六トンというものは非常に少いように、私らも言われるところも尤もだというふうにも思いまするし、薪とか、或いはガスとか、ガスはないかも知れませんが、薪なんかもやはり買つておられることは事実だろうと思います。それでCPSの中におけるいわゆる燃料費というものがどの程度あるであろうかということを計算いたしたわけであります。北海道以外の土地におきましては石炭を買つておりません。ガスとか……東京におきましてはガス代が一番大きく占めますが、ガスとか薪とかいろいろございましよう。北海道だけについては石炭というものの金額が多いことは事実であります。併しその外に薪も買つておられるであろう、従つて両方の、例えば青森と北海道と比較した場合に、燃料の関係はどうなつておるだろうか、総合的に見た場合のお話を申上げたので、決して両方が一緒になつて石炭を買うのだという建前で私は申上げておるのではないのであります。私共といたしましては以上の見地から算定いたしましたので、大体これが妥当であろうというふうに内閣でもお決めになつておるのでありまして、只今のところこれを変えようという考えを持つておりません。
  70. 吉田法晴

    吉田法晴君 寒冷地手当の四千円は別に考えるべきだという点は、先程の弁明から訂正されましたのでその点は了承いたします。これは、寒冷地手当について一万三千円になるから云々という御議論は不正確であるというか、間違いであつたという御訂正だつたと思います。その点は了承いたしますが、あとの私が尋ねました税金なり、小運送を考えると九千円という数字に違いが出て来るじやないか、その点について考慮する考えがあるかどうかということについては、今のようにやはり依然として考えがないというのでしようか、その点をお尋ねいたします。尚その点について申上げますが、若しも九千円としてのこの石炭手当というものが妥当であるならば、恐らく北海道その他から囂々たる非難が出て来る筈がないと思う。依然として石炭手当の問題について陳情が相次ぎ、或いは今度心配して来られましたゆえんのものはその計算が不正確である、或いはその算定が低きに過ぎると、こういう事実をはつきり物語つておると思うのであります。その点が先程委員長の実際の時価の調査もしたかというような表現になつたと思うのでありますが、それ等の点について更に調査をして再検討するという意思はないものでしようか。
  71. 河野一之

    政府委員河野一之君) 税金の点は、昨年も石炭手当にかかつておると思います。何も今年が初めての次第ではないのでありまして、殊に昨年よりは今年の方は減税になりまして、税金のかかり工合は少くなつておると思います。私共といたしましては、昨年の支給せられた石炭手当と同程度のものを本年度においても支給をいたすと、こういう建前で考えておるのであります。これは冒頭にも申上げた通りでありまして、昨年は五千二百カロリー程度の炭を買うということを前提といたしまして、二千七百円ということを決めたのでありまして、現実には或いはより高い炭をお買いになつておるかも存じません。或いは石炭を買わずに薪をお買いになつておるかも存じません。併し昨年と同様な状態を今年においても実現するという建前の下において、一応石炭基礎としては五千二百カロリー程度のところの時価を調べまして、この程度か適当であろうというふうに決めたわけであります。
  72. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 局長にもう一つつて置くが、予算が一トン二千五百円、今度三千円まで出すということだが、その差額五百円はどこから一体財源を持つて来たか。
  73. 河野一之

    政府委員河野一之君) これは非常に苦労いたしたのでありますが、先ず寒冷地手当、一応金額の概算を申上げた方が或いは早分りするかと思うのであります。お分り願えるかと思うのでありますが、政府において今、現在立てております案で、石炭手当が十一億三千六百万円程に相成るのであります。予算におきましては七億一千三百万円ありました。寒冷地手当は十七億本年度予算に載つておるわけでありますが、これは支給人員の実情、実績を調査いたしますと、約六千万円程度余る、こういうことに相成るのであります。併しそれにいたしましても、四億二千万円程石炭手当は不足するのでありまして、この寒冷地手当の余る額を流用いたしましても、尚三億円以上の不足が生ずるのであります。これは各省ごとにいろいろ事情が違いまするが、物件費の節約或いは定員法による予算で決めました予算定員以下に定員法が決まつたというような余剰額を利用いたしまして、各省共支障なく既定財源の中から流用いたしまして、支給できるとこういうことに相成つたわけであります。
  74. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ちよつともう一つお伺いしますが、これは教職員の分はどう左つておりますか、やはり今の予算の中に入つておりますか。地方の教職員ですね、国庫負担の分……。
  75. 河野一之

    政府委員河野一之君) 地方の教職員の分は、これは国で出すとは限りませんので見てございません。大学その他の学校の、国立学校の分は入つております。
  76. 木下源吾

    委員長木下源吾君) もう一つ、これは地方公務員の方はあなたがあつしやつた通り政府の関する限りではない。政府より上廻つて支給するという自治体があつた場合に、何か政府の方から、そういうことをしてはいかんとか何んとかいうことを言つてつておることがありますか。言うつもりがありますか。
  77. 河野一之

    政府委員河野一之君) 地方団体の自治に対しましては、政府は、原則として干渉できない建前になつております。従つて政府の方から、これはいかんとか何んとかいうことを申すべき限りでは現在のところないのでありますが、併し一般政府職員と均衡をとつてつて貰いたいということにつきましては、十分その通りの趣旨でやつて頂けるというふうに期待をいたしております。併しそれを強制する手は現在のところないわけであります。  これは、一般の方の問題も同様であります。
  78. 木下源吾

    委員長木下源吾君) そこで非常に曖昧なんだが、これは文書で次官通牒をやるとか、或いはいろいろ何かの方法でそういうことが今まで文書で行つておることがないか。若しあつたとしたならば、それを取消すというようなことをしなければならんと思うが、そういう点はあなたでは分りませんか。
  79. 河野一之

    政府委員河野一之君) こういう重大な問題は、これは地方自治庁或いは地方財政委員会の方の所管でありますが、政府職員に対しての重大な閣議決定のようなものにつきましては、自治庁の方からこういうふうな方針政府方針が決まつたということを、その写しと申しますか、そういう内容を知らしてやつておるということは事実であろうと思います。併しどうしろということは通牒の中には恐らく書いてあるまいと思いますが、その点は別の政府委員から……。
  80. 千葉信

    千葉信君 今日、実は、人事委員会を開催するについて、官房長官と、淺井人事院総裁をお呼びしたのでありますが、まだお見えにならないのは一体どういうわけでございますか。ということを御質問申上げるのは、非常に重大な問題として淺井総裁が去る十四日の本会議における答弁と全く背馳するような談話を昨日発表せられておりますので、どうしてもこれは徳義上から言つても本人からはつきりとこの際我々の前へ出て、この間の事情を釈明願わなければ恐らく納得行かないだろうということを私は考えておるわけでございまして、特に先程からのいろいろな非公式な話では、十二時頃から行方不明だというようなお話もございますし、まさか人事院総裁ともあろうものが連絡なしに勝手に飛び廻つているというようなことはないだろうと思いますが、大体第七国会におきましても、職階法その他の重要な案件の上程に際しても、ときどき淺井総裁は御都合ができたり、お身体が悪くなられたり、特に最近では吉田総理大臣と非常に身体の調子が似て来ていて、都合の悪いときには都合よく病気になられたりする傾向が非常に強いから、今日若しできるならば、私共待つていても淺井総裁の御出席をお願いして、いろいろ御質疑を申上げたいと思う次第ですが、これに対して人事院の方では出席が可能かどうか。その点についてのお見通しをはつきりとここで承わつてから質疑に入りたいと思います。
  81. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 今の御質問につきましては、今人事院総裁ちよつとはつきり分りませんが探しておりますから、若し帰りましたら直ぐ来ることにたつております。ただ人事院総裁が申しましたことでも、人事官が申しましたことでも、これは責任は同じことでございます。私でもよろしければ私に御質問になれば大体のことは答弁できると思います。
  82. 千葉信

    千葉信君 只今山下人事官の御答弁から行きますると、総裁同様に責任を持つて答弁なさることができるようでございますから、それでは私、直ぐ質問に入りたいと思います。
  83. 吉田法晴

    吉田法晴君 ちよつとその前に……、それは山下人事官の言われるように、人事官と雖も人事官として同様の権限と申しますか或いは職責を持つておるという点は分るのですけれども、併し先程お話通り十四日の本会議での答弁、これは淺井人事院総裁自分でやられた、而も相当そのときには政府態度方針如何に狗わらず、人事院としては近い将来において勧告をするのだと、いわば相当強く見得を切られた、而もその後になつても依然としてそういう話でありましたが、昨日になつてまさに豹変された、そしてその談話は淺井総裁の名前で出ている。従つてこれは国会に対しても、或いは国民一般に対しても人事院を代表する総裁として言明をせられた。或いは昨日の変更にしても、そうされたという事実はこれは間違いないのです。従来この人事委員会においても淺井総裁はめつたに出ないで、山下人事官がしばしば、何と申しますか代りをされると申しますか、その点は御苦労にも存じ、私からそれらの点についていろいろ申上げるのではありませんけれども、少くとも今度の問題について淺井総裁はみずから責任を感ぜられるべきだという点については、これは何人も異論はなかろうと思います。千葉委員の言われるように、みずから進んで出て来で釈明せられるのは当然だと思う。それにどこに行つたか分らん、恐らく実際には分らんことはないと思う、都合が悪くて逃げておるとしか考えられないのであります。そういうことは、これは委員会なり或いは参議院を無視せられておると申上げても差支ないと思う。もう少し真剣になつてといいますか、熱のある態度で……、山下人事官は認めておりますけれども、人事院総裁が出て来られることを当然私共として要求しなければならん、その点だけは尚念を押して申上げて置きたいと思います。
  84. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 私は要求の点については、今まあ別の問題でありますが、要求しても故なく出席しなければ彈劾の方法もあるのでありまして、これは別の問題として、今は総裁が来なくても、総裁が来たときに質問する、いろいろの必要があるというならば山下大事官にいろいろお尋ねすることもよかろうと思うのですが、お諮りいたしますが、やはり山下人事官質問になりますか。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  85. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 その点は私は山下さんで結構と思うけれども、問題によりけりで、今日我々が質問しようとする問題に対しては山下人事官では好ましくないと思います。それから最初から我々が申上げておるように、よかれあしかれ、人事委員会に新らしい議員が出て来た。その委員会の第一回の委員会には不幸にして見えられなかつた。二回目には総裁が来て、人事院の在り方或いは総裁の考え方を先ず委員全体に挨拶をして、それから人事院のすべての問題を人事官に一任する、自分が出ないときには人事官にやつて頂くというような順序を踏んでやらなければなりませんし、今日の我々が伺わなければならん問題は、基本的な、根本的な問題になると思うので、人事院の存在如何という問題が中心であります関係上、あとでいいとか悪いとかいうことでなく、一遍総裁の意見を聞いて見て、更にあなた方の御意見を伺おうと思います。
  86. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 四時から再開することにして……。
  87. 千葉信

    千葉信君 発言続行中に他の委員に対して発言を許すことは委員長において十分お考え願いたい。
  88. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ちよつと……。
  89. 千葉信

    千葉信君 委員長発言中です。
  90. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ちよつと待つて下さい。今進行上……。
  91. 千葉信

    千葉信君 だから進行にも関係するのですよ。
  92. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 委員長の言うこと、あなた聞きなさいよ。今一方では吉田君から話もあり、根本に触れる問題だから、人事委員会を四時まで延ばすということにもなるのであるが、尚それまで山下さんに聞くかということを今皆に諮つて、若しも四時まで来なければ、我々は我々で彈劾の方法でも何でもあるのだから、その余裕をもう一回與えて、そうしてやるかということを委員長考えておるので、御相談しておるわけです。
  93. 千葉信

    千葉信君 その問題に関係があるのですが、先ず冒頭にお願いして置きたいことは、今も申上げたように、質問を続行中に他の委員に発言を許すようなことは、委員長において嚴に愼んで貰いたい。それから申上げたいことは、これは吉田委員や重盛委員の言われたことにも関連する議事進行上の問題なんですが、先程私の質問に対して、山下人事官から十分人事院総裁に劣らないような責任を持つて立派にお答えするという御答弁がございました。私はそういう御答弁がある以上、一応山下人事官に対して質疑を続行することがこれは礼儀だろうと、私はかように考えております。そうして又その御答弁が不満であれば、これはやはり依然として総裁としてはどうしても出て来なければならんという結論が出るだろうと、こう私は考えます。そうして又吉田委員からさつき発言されたところですが、今日淺井総裁が来られないのは、当参議院の人事委員会を軽視するものである、侮辱するものであるというような御発言でございましたが、私はこの点に対しては柳か所見を異にしておりまして、他の場合は別といたしまして、今日のような場合に、淺井総裁が来られないのは、決して当委員会を侮辱したり軽視したりするのでなく、むしろ非常に尊重して、非常に恐れておるから来られないのじやないか。(笑声)私はこういうふうに考えますので、敢えて私は淺井総裁出席を今すぐ要求しなくても、山下人事官に対して私は質疑を続行したい、こういうふうに考えます。
  94. 木下源吾

    委員長木下源吾君) どうですか。私は今日は山下人事官を呼んだのではないので、総裁を呼んだのに来ないから、その方が筋道が立つと思うの、だから、……(千葉信君「私の方が筋道が通つております」と呼ぶ)そこで私としては総裁を、四時まで、官房長官を待つているのだから、四時にここへ並べて置いて、そうしておやりになつた方が非常に効果が挙がるのではないか、こう考えたのです。皆さんが山下人事官でやるということならば、それで異議ないのですが、どうですか、一つやりますか。
  95. 吉田法晴

    吉田法晴君 千葉委員が言われたのは御尤もですが、それは軽視したのではないということは、これは半面からいえばいいかも知れませんが、併し本会議の言明からいたしまして、人事院を代表してやられたというのであつても、一応御本人の本会議における答弁、昨日の談話、恐らく談話については、山下人事官と雖も、知らぬと言われんと思います。人事院を代表してここで御答弁願えると思いますが、問題の実際的な意味ではなくして、当然これは総裁が来てどうしても願わなければならぬと思いますが、山下人事官に対する礼儀上、千葉委員がここで続行しておやりになるというのであれば、一応それをおやりになつて、どうせ四時には官房長官も来るわけであります。それまでに総裁を呼んで頂く、こういう手続きをとつてつたら如何でしようか。
  96. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それならばそういたしますか。呼んだ者が出席しないで……。
  97. 千葉信

    千葉信君 委員長、少数意見も聞いて下さい。一人の意見だけで運んでは困る。
  98. 木下源吾

    委員長木下源吾君) ちよつと待つて下さい。あなたは委員長に注意しているが、委員長はあなたに注意します。故なくして出席をしないということは、癖になつていかんから、私は言つているのですが、いつでもそういうことのやり方では、今後の運営はよくいかんと思いますから、これは筋道を立てたがよいと思いますが、只今山下人事官に聞くというこちらの御賛成もありますから、千葉君の言われたように、今日だけは特にそういうように取計らつてやることにいたしたいと思います。
  99. 千葉信

    千葉信君 その前に委員長の先程議事進行について言われたことは、私は一応考慮の余地があると思います。果して四時まで待てば官房長官人事院総裁は御出席になれるかどうか。その点を確かめて頂いてから私は賛否を明らかにしたいと思います。
  100. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 順序を盡せるだけ盡すのです。官房長官は目の前で言つておられるのだから、こちらは盡せるだけ盡して、そうしてどうしても、来ない時には、委員会の諸君も決意があろうと思いますので、そういうようにしたらどうかと私は考えておつたのです。
  101. 千葉信

    千葉信君 それは一理があると思いますので、総裁がその時間に出て来られるかどうか、先に確かめてから……。
  102. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 現に総裁はおられないので、ただこの場合に山下人事官に託して委員会の空気はこうであつたということを十分御考慮願つて、そうして四時にこつちへ一つ来て貰うことを山下さんにできるだけ努力して頂くということより方法は今はないと思う。
  103. 千葉信

    千葉信君 不確定ですか。
  104. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それは不確定……。
  105. 千葉信

    千葉信君 山下さんにちよつとお尋ねしますが、どうでしよう、あなたの方で極力総裁の居所をおつきとめなつて、四時頃迄にここへおいで願えるように取計らつて頂けましようか。
  106. 山下興家

    政府委員(山下興家君) 最善の努力はいたします。とにかく本当の意味において最善の努力をいたします。
  107. 千葉信

    千葉信君 本当に探せますか。それで人事院総裁が勤まるとは不思議だなあ。行方不明だなんて……。九十二万の公務員にとつて重大問題だ。委員長意見に賛成いたします。
  108. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは四時迄休憩いたします。    午後二時二十五分休憩    —————・—————    午後四時二十五分開会
  109. 木下源吾

    委員長木下源吾君) それでは休憩前に引続いて開会いたします。  御報告を申上げますが、約束した官房長官も、それから新たに出席要求を督励した人事院総裁も来ません。人事院総裁はその後督励する方法も手段もないわけであります。というのは、総裁の行方が分らないためです。官房長官は四時ということを現に約束したのですが、これは何らの挨拶もなく、すでに四時二十五分になつておりますけれども、出席いたしておりません。以上御報告を申上げます。
  110. 千葉信

    千葉信君 御承知通りに、本日の委員会で我々は前以て人事院総裁に対して出席を要求しております。ところが遺憾ながら到頭休憩前は出席がないし、再開後においても、もうすでに二十五分を経過しておりますけれども、一体出席するのかしないのか、それさへも連絡がない。ところがこれは我々が問題にするばかりではなく、給與ースの問題に関する監督という点については、十四日の本会議における人事院総裁答弁と大よそ食違つた政治的な責任も、徳義上の責任さへも生ずるような豹変振りをしておるというようなことが新聞に報道されておりました。従いましてこういう問題に対しましては、我々としては徹底的に人事院総裁に対してその責任を追及しなければならんし、人事院総裁自身も恐らくそのことは十分にお考えだろうと思う。而も前以て通告されておるところの出席要求にも応じないばかりか、出席しないことの理由も何ら釈明されておらない。況んや人事院総裁どもあろう者が行方不明だというに至つては沙汰の限りです。併しまあ私共この席上でいない者を相手に責任を追及しても始まりませんので、一応至急委員長においても今日中に連絡をとつて、明日適当な時間に委員会を開会する運びにして頂いて、正式な出席要求を出すことの動議を私は提出いたします。そうして又更に若し不幸にして明日も御出席がないという段階におきましては、一応この委員会を打合会に切換えてそめ後の態度についてお打合せ願つて、そうして更に正式に委員会を開くという形にお願いしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 只今千葉君の御意見に御賛成のようですが、従来国務大臣、政府委員に対しては正式の出席要求の手続がとられておるかどうかははつきりしませんが、ただ慣例で出席を求めるというようなことでやつておられたと思いますが、その結果今日のような事態になつておるので、今回は国会法に基いて正式に議長を経由して出席要求するようにしたいと思います。御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 吉田法晴

    吉田法晴君 淺井人事院総裁の方は分りましたが、官房長官の方の、四時に出て来ると言いながら出て来ない、何らその連絡というものがないという話でありますが、その後の情勢或いは実際についてこちらから連絡して調べられたところを一つ御報告を願いたいと思います。
  113. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 何らの音沙汰がありません。たびたび秘書官を探し或いは本人をつきとめるために努力を続けておるわけですが、何れも反響がないわけです。
  114. 吉田法晴

    吉田法晴君 従来の例からしましても、この人事委員会には官房長官なり或いは国務大臣の出席率が非常に悪かつた。今度の給與問題について、公務員、公社職員のみならず、これは国民的な関心の的にあり、又政府としても従来の行きがかりから行きまして、政治的な責任を持つておる今日、この緊急なベース問題についての人事委員会の要求に対して出席をしないということについては、これは当委員会として不満の意を表明せざるを得ないのであります。そういう意味においても官房長官に対しましても次の委員会なり或いは事前においても委員長から然るべく委員会の意思を伝えて貰いたい。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 了承しました。そこで明日は今いろいろの、この委員会の時間を決定する上に調べておりますが、大体明日開くということには御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  116. 木下源吾

    委員長木下源吾君) そこで出席を要求するのは官房長官人事院総裁総理大臣は要らんか……。
  117. 千葉信

    千葉信君 総理大臣もです。委員長が今お話になつた総理大臣も一応ここに政治的な責任があるわけですから、当委員会出席を要求したいと思います。動議を提出いたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 総理大臣が出れば官房長官はどうですか。
  119. 千葉信

    千葉信君 要らない。
  120. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 要らない……、そういうことで御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  121. 木下源吾

    委員長木下源吾君) 明日は午前十時から総理大臣、それから淺井人事院総裁出席を求めて開会する。こういうことに決します。  では本日はこれを以て会議を閉じます。    午後四時三十三分散会  出席者は左の通り。    委員長     木下 源吾君    理事            加藤 武徳君            西田 天香君            千葉  信君    委員            重盛 壽治君            吉田 法晴君            大隈 信幸君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    人  事  官 山下 興家君    人事院給與局長 瀧本 忠男君    大蔵省主計局長 河野 一之君