○兼
岩傳一君 ああそうですか。僕は先程から
数字を問題にしているのは、各委員の
予算の
流用或いは
予算技術上の心配をすることは他の同僚議員の諸君と全く同じでありますが、その外に僕はもう
一つ三十七万いる。シベリアで二十三万三千いる、樺太に八万いるとか、満洲に何万いて強制労働に服しておるというような、これは各議員のお立場によ
つていろいろなお
考えはありましようけれども、私共はこれは荒唐無稽な反ソ反共の具に供しているという、私共は確実にそういうこれは
一つの虚構の事実であるというふうに私共は主張しているのであります。
只今そういう虚構の事実を基にして厖大な人の頭だけを殖やすために月給が三百円にな
つて見たり、或いはその
遺骨の引取料が千五百円にな
つて見たり甚だ非常識に低い、非人道的に低い、誠に戰争犠牲者に対して申訳のないような、單価がぐつと下
つてしま
つておる。結局これは本当に戰争犠牲者に対する愛情のある合理的なりやり方でなくて、反ソ反共の具に供する、三十七万云々というものを生かすためにわざと單位を下げておる。而もや
つて見るとそんな人が来やしない。それで
予算が余
つておる。この点私共議員諸君と明快に解決することが私は不幸な戰争犠牲者に徹底的に恵むことだと思う。私はこの金のごときは、この増額の案は少きに失するものであ
つて、決して多くない。誠にお気の毒だと思うんですが、その半面に三十七万説というふうな荒唐無稽の事実があるならばこの点徹底的にこの事実を討議して、そうして私はこの
法律の
改正をして不幸な戰争犠牲—者を恵むようにして欲しい、そういう意味で私は先程からこの
数字は單なる
数字でなく、非常に政治的な内容を持ち、未
復員者の諸君に対して非常に大きな影響があるということで私はこの
数字を非常に先程から問題にしている。
ちよつと同僚の委員の方々に私の
趣旨を申述べてお
考えを願いたいと思います。