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1950-09-22 第8回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 閉会後第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年九月二十二日(金曜日)    午前十一時十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○未復員者給與法の一部改正に関する  件   —————————————
  2. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 只今より委員会りを開会いたします。今日は皆さんいろいろ御予定がありましたことと存じまするが、万障御繰合せを頂きまして御出席を頂きましたことを厚くお礼を申上げます。実は先の委員会におきまして、次回の委員会は次の国会の始まります前、三月間程の間に開会いたすように決定いたしておりましたが、目下のところいつ順次の国会が開かれまするかちよつと見通しがつきませんので、今日至急に御相談をして頂かなきやならん状況に差迫りましたので開会をさして頂いたようなわけであります。只今大蔵当局の方では補正予算案を製作中でありまして、引揚援護関係予算も他に流用される慮れが十分にございますので、ここに急速に委員会を開きまして、引揚援護関係予算を確保しなければならない段階に立至つたわけでございます。つきましては先ず引揚援護費予算の許す範囲内で、未復員者給與法の一部改正に伴う予算措置をいたしたいと存じております。ここに委員会を開きますることにいたしました次第はかような理由でございます。  先ず未復員者給與法の一部を改正する法律案を議題といたします。お手許にございまするのが事務当局の製作いたしました改年案でございます。改正案につきまして、事務当局より説明をいたさせます。今枝法制局第一部長。
  3. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) それではお手許改正法案につきまして要点を御説明申上げます。  最初の第三條の改正案でございますが、この部分は現在の未復員者給與いたします俸給額三百円というのが、現在の経済状況かち考えまして非常に低額に失しますので、少くとも千円程度に上げる方がいいんじやないかという趣旨でこれを千円に上げることにいたしたわけであります。  それから第八條改正は未復員者が死亡いたしました場合の遺骨引取旅費、それから埋葬費引上げようとする趣旨のものでございまして、遺骨引取旅費につきましては、先般公務員の旅費の定額が改正になりましたので、それに応じましてこれと同程度引上げるというのが前段の法案の千七百円を二千二百円に、それから後段の方は埋葬費が現在千五百円でございますが、これも現下の情勢におきましては非常に低きに失しておりますので、これを一万円に上げるという改正案でございます。  それから第八條の三の改正は未復員者療養を受けております間に死亡いたしました際の遺骨埋葬費引上げでございますので、これは八條について御説明いたしましたと同一規定でございます。  次に八條の四に一項を加えました改正は、現在は障害一時金を一度貰いました者は、その後療養給付を受けられないし、又障害一時金も與えないという規定になつておるのでございますが、この中で本来療養給付を受け得る筈であるところの復員後三年間につきましては、たとえ一度障害一時金を貰いましても、その期間内にその障害程度が高くなりました際には、更に療養をしてやるか、或いはその期間、三年の期間を経過いたしてしまいました際に、その障害癒つていない、或いは癒つても固定したという場合に、程度が高くなつたら高い程度に応じた一時金に改訂するということが公平ではないか。これは他の同趣旨の制度におきましても、多くは改訂する建前になつておりますので、それと同じような趣旨にこれを改正いたしまして、復員後三年間に程度が増進しました際には、それに応ずるような一時金に換えると、こういうことにいたす改正案でございます。  次に第八條の五の改正でございますが、この分ば一度障害一時金を受けました場合は先程申しましたように、その事由については更に療養を行わない、又障害一時金もやらないというのが現在の規定でございますが、少くとも今八條の四で御説明いたしましたように、復員後三年間につきましては、更に障害が再発したというような場合には療養を行なつていいのではないか。更に又その期間経過の際に障害程度が高くなつておれば、一時金を受けていいのではないか。こういう趣旨から前者、つまり療養を行わないということは削ることとすると同時に、今申しましたように障害程度期間内に高くなつた場合の障害一時金だけは殖やすという趣旨規定に第八條の方を改めようというのが今回の改正でございます。  それから八條の六の改正でございますが、この分につきましては、現在の規定がやや表現がはりきりいたしておりませんために、他の法令によりまして一度療養か、障害一時金か、どちらか一つ受けました場合には、この法律による療養も行わないし、障害一時金もやらないと、こういうふうに読む虞れがあるのでございます。本来は八條の六は、他の法令療養を受けたならば、この法律による療養はやらない。又他の法律によつて一時金を受けたならば、この法律による障害一時金もやらないと、こういう趣旨で出ておる筈でございます。やや表現の不備のためにどちらか一方他の法律で貰えば、この法律の分は、療養も一時金もどちらの給付も貰えないと、こういうふうに読む危險がございますので、この際にこの規定表現を改めまして、只今申しましたような趣旨の出ますように規定を改めたと、こういう趣旨でございます。  それから尚附則の中で、一項、二項はこれは施行期日関係でございます。それから三項におきましては、未復員者給與法を先に改正いたしました際の附則の中にある分でございますが、昭和二十三年の八月以前に復員した者につきまして経過的な規定を以て障害一時金或いは療養給付をする規定があるのでございますが、この分につきまして只今本則で申しましたと同様の趣旨改正をいたしまして、この附則障害一時金を受けた者は、只今申しました昭和二十三年の九月一日以後三年以内に障害程度が高くなつた場合には一時金の額を改訂する。こういう趣旨規定を設けたわけでございます。  尚この案を作ります当時、少し見落しがございましてこの案を訂正しなければならんところがございますので、ちよつと御了解を得て置きたいのですが……、それは附則の二項の第八條の四の下へ第八條の五というのが入るのでございます。それから三項の一部改正をいたしておりますところは、この案では附則の第四條に次の二項を加えるということでいつておりますが、これを四條の二項として加えるのでなしに五條として別個の條文にいたしまして、そうして冒頭の「前項の規定により」というところは「前二條の規定により」と、こういうことに訂正いたしたいと思つておりますので、そのように御了承願います。
  4. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 改正案につきまして御質問がございましたらどうぞ。
  5. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつとお尋ねいたします。三年を越せばもうこの法律は、現打法改正法も、三年を越したものについては、もう考えて呉れないということですね。
  6. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) さようでございます。三年間は見るが、それ以後は打切つてしまう。こういう趣旨でございます。
  7. 森崎隆

    森崎隆君 この三百円を千円、千七百円を二千二百円、千五百円を一万円、そのうち千七百円を二千二百円にいたしますことについては、改正に伴いましての現出によつて分りましたが、他の二点につきましては、何かこれは三百円を千円にいたしますにつきまして、理論的と言いますか、或いは計算根拠というものはあるのでございますか。或いは常識的に千円と決めたのでございますか。この点ちよつとお尋ねしたい。
  8. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) これははつきりした理論的な計算基礎と申上げる程のものは実はございませんのであります。で少くともこの程度までにいたさなければ、現状としましては困るのじやないか、こういうことでございまして、それ以上のはつきりした計算上の基礎はないのでございます。
  9. 杉山昌作

    杉山昌作君 次の一万円というのはこれは何ですか。何か外のこういうふうな類似のものが、埋葬料は一万円というようなことに変つておるのでございますか。
  10. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) 必ずしも他の類似の例が一万円になつているというわけではございません。大体現状におきましては、少くとも一万円はなければ埋葬は無理ではないか、こういう趣旨でございます。
  11. 杉山昌作

    杉山昌作君 外の方には何か一万円以下或いは一万円以上なんというのはないのですか。
  12. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) ちよつと今具体的に調べました資料手許にございません。或いは必要がございましたら調ぺまして……。
  13. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今下さつたこの所要予算二つ目の欄と三つ目の欄をちよつと説明して下さい。この予算ですね。一万三千二百円殖えますね、一番上の欄でいうと……その結果として二十五年度、二十六年度数字に出て来るのをちよつと説明して下さい。三億三千二百万円ですか、その次は十一億九千五百万円ですか。
  14. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 只今お配りしてあるのは、概算計算であるそうでございまして、改めて政府の方から説明をいたさせることにいたします。
  15. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 分つているだけでもいいですよ。概算で……これは多分予算の予定されたものに頭数を掛けたものでしようね。その辺どうですか。簡單に説明して下さい。そうむずかしくなくてもいいから、どういう意味か、分らなければいいです。
  16. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) これは実は法制局で作つたものでございませんので、私の了承している限度といたしましては、予想し得る單価に予想し得る未復員者の数、末復員者と申しますか、この適用例のある数を乗じて出した金額、こういうように了解をいたしております。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 委員長、これはいつ説明して下さるのですか。これは説明できる人がおられないわけですか。
  18. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 只今説明して頂く方がおいででございませんので、大蔵省の方へこの資料を正確に計算して出して頂きまして、それを後程皆さん方に御報告をいたすことにいたしたいと思います。
  19. 森崎隆

    森崎隆君 この改正に伴いまして当然予算措置がなされなければならない、それにつきましてどの程度お拂いになつておられますか、一応の一つ政府予算を組むとか組まないとか、或いは何か流用すべきものがあると思いますので、それにつきまして、勿論細かい数字、正確な、細目は別といたしましてその点はどうですか。
  20. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それにつきまして大蔵省主計官から……。
  21. 岩動道行

    説明員岩動道行君) この未復員者給與法改正につきましての案は、大蔵省といたしましてはまだ十分な検討もいたしておりません。これから検討いたさなければならないと思つております。これだけの新らしい改正をいたしまして、増加する財源について賄えるかどうかという点につきましては、本年度引揚が今後どれだけあるか、その見通しがまだ十分ついておりませんので、従いまして現在の給與態勢において計算したりする限度においてしか予算余裕がありませんので、従いまして年度末になつてみなければ恐らくどれだけの余裕が出て来るかということもはつきり申上げかねるのであります。従いましてこの改正をいたしますとすれば、新たに別の財源を見付けて追加補正予算を組まざるを得ないというふうに只今のところは考えております。
  22. 杉山昌作

    杉山昌作君 さつき一番初めのお話では大蔵省で今補正予算を組んでいるんだが、復員関係の方に若干余裕があるので、こういうふうなことで復員関係の方で必要な経費は、この際確保するような措置を講じないと……というお話があつたのですが、今の岩動君のお話ですと、所要財源を新たに設けなければならないというのでありますが、そこらが大体の打合せ等ができていないのですか。
  23. 岩動道行

    説明員岩動道行君) この場合についてどれだけの金が要るかという面についで、大蔵省は正式に何のお話も承つておりません。従いまして今のここでこの案を拝見いたしまして考えました点は、先程申上げましたように、本年度引揚に要する経費予算がどれだけ余るかということについても、今後の引揚見通しについてどれだけ余る、或いは足りなくなるかという点を、はつきりいたさなければならない。従いましてその点がはつきりしない以上は、この追加に対しましては新たなる財源を必要とするというふうに只今のところは考えております。
  24. 紅露みつ

    紅露みつ君 そうしますと二十五年度引揚については、相当の実際面から剰余金がある筈ですが、それを先程委員長お話なつたように、その補正予算を組んで、外の方面に財源としてそれを使うというようなことをお考えになつていらつしやるわけではないでしようね。それを伺いたいと思います。
  25. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 若しこれがいつどれだけの、どの時期にどれだけ余るかということによつて、この案を、或いは余れば、或いはこちらに廻わすということも方法としては考えられるわけであります。
  26. 紅露みつ

    紅露みつ君 私の伺つているのは引揚関係以外の部面にです、引揚剰余金と申しますか、二十五年度に取つてある予算流用なさるというような御計画があるということを非常に恐れるのです。引揚関係いろいろ使つて頂きたいということがあるので、そういうふうな御計画があるということを恐れるのですが、外へ廻わすというようなお考えは今のところはないわけですね。
  27. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 只今のところではどれだけ余るか、又いつの時期において余るかということがはつきりしておりませんので、そういう計画についてはまだ十分な案は持つておりません。
  28. 安井謙

    安井謙君 今の、二十五年度補正予算はどうするか分らないというお話ですが、二十六年度只今閣議決定予算には入つておりますか、入つておりませんか。
  29. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 見込んでおりません。
  30. 安井謙

    安井謙君 いま一つ、それから附則でこの改正規定は二十五年十月一日から適用するというふうになつておりますが、そうすると、これは否応なしに要るわけですね。
  31. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 若しこの案が実現するとすれば当然要ることになるのであります。
  32. 安井謙

    安井謙君 十月一日から施行されることになるのですか、どうですか。
  33. 今枝常男

    法制局参事今枝常男君) これはまだ單純な事務的な案でございまして結局十月一日から施行になりますかどうですかは、御審議の結果によつて決まるわけでございます。
  34. 紅露みつ

    紅露みつ君 そうすると付ですか、二十五年度引揚関係予算についてはまだ年度末に行つて見なければというお言葉ですけれども、今後引揚げがどの程度にある、そういうようなお見越しがあるのですか。一般の私共としては、或る程度これは剰余金があればこれは外の引揚関係使つてもいいのじやないかという感じがいたしますが、そこのお見通しがありますか。今後年度末までに引揚げる……而も今残してあるだけの剰余金使つてしまうというような、まあそれは不足なこともありましよう。今のところそういうようなお見通しがあるのですか。
  35. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 私からお答えいたします。今のところは引揚が殆んどない筈であります。併し受入を担当しております我々といたしましては、いつどれだけの引揚が来ても受入れるだけの準備はしております。現在のところまだ年度の半ばにならない状態でありまして、今日もう引揚がないからといつて、金を要らないというようにやつてしまうことはまだ時期尚早でございます。これが第三期、第四期になりましてはつきりして参りましたならば、従つて金がこれだけ要る、金が余つたということになりますれば、我々はその金を他に流用するということについてはまだ案を持つておりません。その際には余裕財源を以ちましてできれば引揚援護関係する施策を拡充したいというふうな希望を持つております。これは又政府の他の要求等とも睨み合せた上で決定される問題だと思います。今日のところでは引揚はないから先ずこれだけ余るのだということはまだ断言するには早いのじやないかというように考えております。
  36. 紅露みつ

    紅露みつ君 局長にもう一つ伺いますが、お話のように引揚があつた場合に差支えるようなことをしてはならない。そうおつしやることはよく分りますが、本当に引揚が再開されてその費用が又使われるということであれば大変私共も嬉しいことだと思うのですが、今のような一般見通し引揚がない、年度末まで押して行くと、そうして剰余金が使われるということになりますね、引揚がなければ。その場合にはまあいろいろ使途も考えられるのですが、又概算だそうですが、この概算にしても十分剰余金の中から出して尚余る余裕がありますか。
  37. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) これだけの不用額が立つか立たんかということは年末の引揚状況を見なければ分らないということになるわけでございます。必ず余るということも申上げませんが、必ず余らないということも申上げられないわけです。
  38. 紅露みつ

    紅露みつ君 もう一点伺いますが、今のところでは十分ありますね、この予算には
  39. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 今のところではこれだけの経費は勿論計上されておるのでございます。
  40. 曾禰益

    曾祢益君 ちよつと援護局長に聞きたいのですが、そうすると仮にまあこの法律案通つたとしてこれだけやらなければならないということになりますね。そうすると年末までの年度末近辺まで見ていて余つたらまあこつちの補正予算として出す、そうでなければ大蔵省の枠で外から財源を持つて来てそれをする、両建になるつもりなんですか、どういうのですか。つまりこれをこれだけの法律案で仮に通したとするとそれだけの負担が出て来るわけでしよう。それを年度末まで見ていておいてから引揚関係のやつに振替をやるのか、それとも別の財源を取つてやる、追加的な財源を以て補正するのか、どういうふうにこれを見ておるか。
  41. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) これはまあ従来未復員者給與法法律がたびたび改正になつておりますが、その例を参考までに申上げます。年度末近くになりまして引揚関係経費がこれだけ不用になるということがはつきりいたします、そうしますと、それを睨み合せながらこの法律案が同時に審議されて行つて決定になる、こういうのが従来の例でございます。
  42. 曾禰益

    曾祢益君 そうすると従来の例から言えばやはりこの予算の方と見合いながら法律案を通して行く、こういうわけですね。
  43. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 従来はそういうふうになつておりますし、又そうすることが一番スムースではないかと考えられます。
  44. 杉山昌作

    杉山昌作君 この年度末になりまして予算が余るというのですが、それはその年度はそれでよござんしようね。併し法律のようなものはこういうような経費関係は翌年度に又問題が起つて来る、例えば年度末になつて二十五年度予算が余つたから二十六年の三月には法律改正する、二十五年度はよいけれども二十六年度予算はすでにもう組んでしまつている筈です。そこら見通しもあるから、やはり年度末になつてその年度予算が余つたらやるというのはむしろおかしいので、今からやつておいて二十六年度予算には大蔵省で堂々と組んで貰うというようなふうにする方がいいのじやないかと思うのですが。
  45. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 翌年度の分につきましては一応既定予算で実行して置きまして、不足を生じますれば法律事項でございますから当然補正予算でするということになるという建前でやつておるのでございます。
  46. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 この二十五年度と六年度所要予算という表はどこで作られたのですか。
  47. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) この表は事務局作つたのであるそうであります。つきましては非常に杜撰でございますので、大蔵省にもう一度殊に確実なるものを調査をして頂きまして皆様方のお手許に後日配付いたしたいと存じます。
  48. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうすると今日は決定しないつもりですか。
  49. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) いや、この原案としては決定して頂きたいと思います。
  50. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 だつてあんた、この予算関係がそういう杜撰な、説明ができんような場合ですね、そういう十分な準備ができていなくて我々賛成や反対しようつたつてできんじやありませんか。
  51. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) いや、私もこの表を今実は手許に貰いましたので、こういう表ができておることを知らなかつたものですから甚だ申訳ないのですが……。
  52. 曾禰益

    曾祢益君 どうも、改正法律案だけ審議して……、結論先に言うと変ですが、非常にいい趣旨だと思うのですが、法律案だけやつちまつて、表の方に関する御答弁がなくては委員会としても非常にどうかと思うのです。権威上から行きましてね。やはりもう一度援護庁の方と話をして、大蔵省の方にも話をして、それからやはりこの予算措置見合つた大体の段階で、法律案も早くそのときにやろう、こう思うのですが如何でしよう。
  53. 森崎隆

    森崎隆君 私もまあ曾祢さんのおつしやられた通りでございます。ただ許される面は現在組んだ予算範囲内においてこの改正に伴いますところの金が十分出る、若し年度末足らない分につきましては責任を持つて政府が組むということのお約束さえ頂けますればそれで問題はない、そうして後から成るべく早くこの表の正確なものを出して頂く、それだけははつきり約束を頂けますれば一応予算措置はできたものと我々は予承できると考えます。それについてはつきり一つおつしやつて頂きたい。  重ねて同じことを申上げますがね、是非とも補正予算を組めと言つているのじやございませんです。大体年度末まで、流用その他の面で賄えるということをお約束頂きまして、花し足らない場合には補正予算を組むということだけをはつきりして頂きますればこれは問題ないわけであります。その点について一つ……。
  54. 岩動道行

    説明員岩動道行君) たびたび申上げておりますように、本年度どれだけの経費が余るのか、或いは足りなくなるのかという点については、只今のところ何とも申上げかねる状態であります。従いまして流用であると申しましても、その流用財源が足りなくなるかも知れない。又十分あるかも知れないという状態でございますので、今この案を御決定頂いてもそれだけの財源が果して出るかどうか、非常に疑問な点があるわけです。仮に実行して、先になつて足りなくなつたら補正予算を組むという問題につきましても、これはちよつと重大な問題で更に十分研究して頂かねばならんと思います。
  55. 森崎隆

    森崎隆君 それは結局今日はこの改正の面につきまして最後的な決定は我々としてできないことになるわけですね。
  56. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 今日は最後的決定ができないばかりでなく、その予算のそういう問題と、そこがはつきりしなければ動けないとなつて来るとこれは随分長く得なされる。まだまだそれ以上先の方まではつきりできないようなことに、言葉の上では受取れるのでありますが、こういうふうに措置してやろうというような、して置かなければならんというような、段々そういう空気が起つて来たというような心持から考えれば、それでは困るのではございませんか。
  57. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) いや、こちらとしてはとにかく予算が外へ流用されるということを止めて置きたいという事柄です。それから余りに現在の給與が低いものですから、それを何とかして増額をして参りたい。それで只今の残つておりまする予算内において、大体において賄えるのじやないかということの見通しの下に、実はこの案が出ておりますので、その点をお考え下さつたならば、この原案の大体の趣旨だけにおいて御賛成を願つて置けば、数字の上のことはもう少し時間を頂いて、大蔵省なり援護局とよく折衝の上で正確な数字を御報告申上げたい、こう思うのであります。
  58. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 局長ちよつとお尋ねしますが、二十五年度は何人帰るという根拠で現在の予算を幾ら組んでおられますか。
  59. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 本年度予算帰還人員を、たしか三十七万程度と記憶しておりますが、それを基礎人員として経費を組んでおります。
  60. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それ以上説明できないのですか。それがあなたの説明の全部ですか。
  61. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 今年度は何人帰るという前提で引揚援護費を組んでいるかという御質問でございますか……。
  62. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 遺骨になつて帰る人もありましようし、それから療養する人もありますし、主管局長つたらもう少し誠意のある説明をして頂きたい。
  63. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) それは未復員者給與法におきましてはその中で病人として帰る者もあり、いろいろ率は計上してございます。それは併し従来の実績によつて経費計算してございますが、実際の人員は従来の率によつて計算してございます。
  64. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 その数字は今お持ちでしよう。
  65. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) これは未復員者給與法でございまして復員局の所管でございますので、私直接担当しておらないんです。
  66. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ああそうですか。僕は先程から数字を問題にしているのは、各委員の予算流用或いは予算技術上の心配をすることは他の同僚議員の諸君と全く同じでありますが、その外に僕はもう一つ三十七万いる。シベリアで二十三万三千いる、樺太に八万いるとか、満洲に何万いて強制労働に服しておるというような、これは各議員のお立場によつていろいろなお考えはありましようけれども、私共はこれは荒唐無稽な反ソ反共の具に供しているという、私共は確実にそういうこれは一つの虚構の事実であるというふうに私共は主張しているのであります。只今そういう虚構の事実を基にして厖大な人の頭だけを殖やすために月給が三百円になつて見たり、或いはその遺骨の引取料が千五百円になつて見たり甚だ非常識に低い、非人道的に低い、誠に戰争犠牲者に対して申訳のないような、單価がぐつと下つてしまつておる。結局これは本当に戰争犠牲者に対する愛情のある合理的なりやり方でなくて、反ソ反共の具に供する、三十七万云々というものを生かすためにわざと單位を下げておる。而もやつて見るとそんな人が来やしない。それで予算が余つておる。この点私共議員諸君と明快に解決することが私は不幸な戰争犠牲者に徹底的に恵むことだと思う。私はこの金のごときは、この増額の案は少きに失するものであつて、決して多くない。誠にお気の毒だと思うんですが、その半面に三十七万説というふうな荒唐無稽の事実があるならばこの点徹底的にこの事実を討議して、そうして私はこの法律改正をして不幸な戰争犠牲—者を恵むようにして欲しい、そういう意味で私は先程からこの数字は單なる数字でなく、非常に政治的な内容を持ち、未復員者の諸君に対して非常に大きな影響があるということで私はこの数字を非常に先程から問題にしている。ちよつと同僚の委員の方々に私の趣旨を申述べてお考えを願いたいと思います。
  67. 曾禰益

    曾祢益君 三十七万というものが反ソ反共の宣伝の具に供せられておるというふうに言われたけれども、三十七万という数字根拠についてまだ委員会として十分にこれは審議していないと思うんです。これはこの前から兼岩君らが主張しておられまして、これは速かに政府当局を呼んで如何なる根拠に基くかということを十分に調べる必要がある。併し一応我々の常識としては三十七万が如何なる生態でいるか、生きているか、死んでいるか分らないけれども、日本の計算によれば三十七万が帰つて来ていないということは事実だ。三十七万といえば直ちに反ソ反共だとして親ソ親共の宣伝をされるのは私は適当でないと思う。ただこの場合事務当局考え方も分らないんですが、三十七万ということが今年末までに実際の問題として帰り得るかどうか、常識から考えて真に三十七万が如何なる形態において復員し得るということを考えておられるか知れないけれども、帰り得る段階において三十七万を全部取つて置いて、この必要な現実の国内における措置に対して振替もまだできない。さような馬鹿々々しいことは私は考えられな。速かに時間的、又物的設備からいつて三十七万人をこれから年度末までに帰すなどということば不可能に近いのですから適当な振替を厚生省としても当然考えて、速かに決意をして補正をやるべきだ、こう私は考えます。
  68. 紅露みつ

    紅露みつ君 曾祢さんの言われる通り私もそう思います。そういうことがあつて三十七万が全部帰れるということであつたら、私は大変結構なことですけれども、これはもう少し常識的に、理論でなく常識的に考えて頂いて、こういう有効な面に廻して頂くということが肝心だと思うのです。
  69. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 私も、実はこの十月の一日に国勢調査がございますので、この結果において相当正確な数が出て参つて、兼岩君の言われる荒唐無稽とまで極端に言うこともどうかと思いまするし、又三十七万あると当局の見ておられることも余りに不正確であるように考えられます。実際の面においてはこの国勢調査の面で相当はつきりしたものが出て来るのじやないか。こう私は考えております。
  70. 紅露みつ

    紅露みつ君 それで今委員長が言われるように、国勢調査の結果でまあ或る程度正確なものが出るとしましても、その人達が帰つて来る費用に取つて置くと、これは全部必要はないと思うのですね。全部必要はないのだから、だから或る程度のものを残して、そうして先ず緊急な面に使つて頂くということを大蔵省としても考えて下さらなければいけないと思うのですね。援護局局長さんも一つそういうような考えになつて頂きたいと思う。第一大蔵省はそんなにこちこちにおなりにならないで、もう少し融通性を持つて頂きたいと思うのです。如何ですか。そういうふうなお気持になつて頂けませんか。
  71. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 外の方如何ですか。紅露さんの御説も私は御尤もだと思うのですが。
  72. 曾禰益

    曾祢益君 そうすると委員長の先程のあれだと、一応これは通して置こうではないか、計数の方はあとで折衝するから、こういう御発言のようですが、それでもよし、或いは議院としてやるのならば、或いは参議院の予算委員会で合同の予算まで取組んだ審査をやるという方法もあると思うのですが、私は先例はよく知りませんが、それとも引揚委員会としては、これはもう実行できるのだ、振替えてこのくらいのことならば、そういう大体の達観的見通しの下に計数の方はやつて頂くということにして、通してしまうかという問題なんですが、この点を一つ皆さんの御意見をお諮りになつて決定されたらどうですか。
  73. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 只今の曾祢君の御説如何でございましようか。
  74. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 二つあつたでしよう。
  75. 曾禰益

    曾祢益君 つまり委員会で大体このくらいの数字は当然浮いて来るからという見通しの下に、予算措置についてのことは折衝に残して置いて、法律案を通してしまう、或いはもつとこの委員会、或いは予算委員会との合同委員会大蔵省の幹部にも来て貰つて、或いは厚生省の幹部も来て貰つて詰めた話をして、もつと確信を得て同時に出すこともあるのじやないか。いずれにしろ余りいつまでも待つて予算の、もう会計年度の末期になつてからでなければこの法律案も出せないということは、これは私らとして承服できないと思うのです。
  76. 森崎隆

    森崎隆君 私はこの改正法律案は大賛成なんです。流用すべきものが十分にあるのでございますから、或る意味でこの実施期日も本当は遡つてもいいじやないかと思うのです。十月一日など言わなくても、極端な場合には本年の四月一日に遡つてもいい。又足らないというような不安がありますれば、まあ十月一日といたしましても、是非とも足らない部分については当局として責任を持つて善処するというような、それだけのことははつきりして頂きたいというのがさつきの私の申上げたことなんですが、その点さえはつきりして置けば……。
  77. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それは厚生省の方では、そこははつきりできないということでございます。
  78. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 又はつきりよろしいとは言えないでしようが、とにかく何もないところで決めてどうというのではなく、大体三十七万人を限度にしてとにかく帰つて来るというならば、予算はあるのですから、それでまあこの改正の法の内容は結構なことなんで、今森崎さんのおつしやつたようにもつと遡つてもいいくらい結構なことですから、まあ一応これはこれで進めて、予算のことにつきまして予算を取るとか、余り詰めてぎくしやくするとなかなかありますから、曾祢さんの二つおつしやつた中の第一の方ですね、あれは又紅露さんも別の言葉で願つておることであります。大体そういうような心持で又この法案改正に出立して来たと思いますが、私はそれに賛成いたしたいと思つております。
  79. 森崎隆

    森崎隆君 それははつきり言えなくても、大体の見通しということもまあ一つ聞かせて頂けないでしようか。
  80. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 従来は先程から申します通り、補正予算に細まれますその機会にいろいろこういつた要望が漸次高まつて参りまして、具体化されるというのが一番都合がいいようでございます。今ここで必ずこれだけの金が余るだろうというようなことを言われましても、大蔵省としても我々としても、余りますということは申上げられないのでありますが、まあ三十七万という数字予算が組んであるということから、まあ実際に帰つて来るだろうということを仮に考えましても、どのくらいの数字が余るかということは大方御想像がつくだろうと思うのです。今この際責任を持つてこれだけ余せということになりますと、ちよつと我々の方でも承知いたしましたとは言いかねないのじやないか……。
  81. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 大体においてお含みはあるように我々聞いておるのでございますがね。殊に又三十七万といつなところで、それが全部一遍に帰られることでなし、予算はそれだけあるのだから……。
  82. 曾禰益

    曾祢益君 私ああいうふうに二案みたいなことを言いましたが、大体の趣旨は、皆様が必ずしも今日出ておる政府事務当局の言質を取つてからといつても、それは気の毒だと思いますし、これは我々が達観的に見て大丈夫だと思うならば、法律案を通していいと思うのです。
  83. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 そうです。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
  84. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 如何でしよう。皆さんそれで一つ原案を通して頂くようなことに……。
  85. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どういう意味ですか、もう一遍言つて下さい。委員長明確に繰返して下さい。どういうことを賛成しろといつうのですか。
  86. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 曾祢さんの言われますのは、大体の見通しがつくようであるならば、この予算の大体の見通しがつくようであるならば、原案としては賛成であるから、ここで決定してもいいじやないか。、こうおつしやるのです。
  87. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 今單価の更正ですね、單価の更正は賛成で……。
  88. 曾禰益

    曾祢益君 法律案を通してもいいのじやないか。予算措置については達観的に振替えできるだろう。こういう見通しの下に單価の更正を含めた法律改正案は通してもいいじやないか。こういうことです。
  89. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もう一つありましたね。
  90. 曾禰益

    曾祢益君 いま一つの方は、もう少し予算のあれについて詰めた議論を政府の当局者、局長というかもつと責任者を呼んで来て、我々として更に数字的に確信を得て通すという案ですね。それをしなくても厖大に余りそうだという達観的の見通しがつくのじやないかと思いますから、それならば單価のことを規定した法律案を通してもいいのじやないかといつたわけです。
  91. 森崎隆

    森崎隆君 それで欲を言えば、大体の今の見通し基礎にいたしまして、附則の一の適用年月日をこれ以上遡ることは見通しとしても不可能かどうか。できたら一月や二月は遡つてやりたいという希望を持つている。そういう観点から行きましてこれをお聞きしたわけです。もう十月一日はぎりぎりという見通しであるかどうかということについて。
  92. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) この法律がいつ国会に提出になるか存じませんが、原則として法律が遡及するということはなかなか面倒なことであります。又これを遡るということになりますというと、それだけ財源が要るわけでありまして、その問題につきましては先程の問題と同じような問題で、細かに計算して見ないと分らないのじやないかと思います。
  93. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 大蔵省の立場から、この法律案の内容につきましては私共初めて拝見したわけでありまして、それぞれの單価或いはその数字についていいか悪いかについても政府当局といたしましても十分に検討いたしたいと思つております。その点が一つ。それから先程から問題になつております財源の点についての問題、更に本年度仮に余裕があつても来年度において、今拝見しました案によりますと十一億ばかりの負担増になりますが、これも新たなる財源を見付け出して組まなければならないというような問題もありますので、非常に政府といたしましてば財政的にも大きな問題になります。十分に検討させて頂きたいと思います。
  94. 安井謙

    安井謙君 政府として原案提出個所と大蔵省と又多少気持の上に行違いがあると思いますが、今まで、どれも議員の皆さんのおつしやつたような趣旨で、私はこの單価の改正法律案の採決をしたいと思います。
  95. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 外に御意見ございませんか。それではこの原案を次回の国会で議院立法として提出することに御異議のない方の挙手を願いま    〔挙手社多数〕
  96. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 過半数と認めます。つきましてはこの改正が現実するためには実は総司令部と大蔵当局との了解を得なければならないのでありまして、この折衝に在京の委員の方を三人ばかりお願いをいたしまして、今のようないろいろの問題について御折衝を願いたいと存ずるのでありますが、如何なものでしようか。
  97. 曾禰益

    曾祢益君 委員長も含むのですか。
  98. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) はあ。
  99. 河崎ナツ

    河崎ナツ君 適当な方をよろしくお願いします。
  100. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 何名くらい……二名くらいと思つておりますが……。(安井謙君「委員長一任」と述ぶ)
  101. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それでは御一任を願いまして、人選も一つ御一任願いまして、いずれ御報告を申上げることにいたします。  それではこの原案については御決定を頂いたものといたしまして、御異議ございませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  102. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 御異議ないと認めます。よつて決定をいたします。
  103. 紅露みつ

    紅露みつ君 法律案がそれでは成立したわけですが、予算に関連して一つ質問させて頂きたいと思います。援護局長に伺いますが、引揚者の集団の住宅ですね。あれの補修がないとのことですが、住宅問題が解決していないで非常な困難があるのに、どういうふうなお考えで補修をすることを打切つていらつしやるのでしよう。二十五年度には随分あつた筈ですが、もつと二十五年度より多く今度は百取つて頂かなければ段々家も傷んで来ますし、それからこれは十分に御承知の筈ですけれども、保健所からもあんなふうに、集団で非常な不衛生な生活なんですが、あれも何か疎開するということも考えられることです。どういう方針でいらつしやるのでしようか、一つ伺いたいと思います。
  104. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 集団住宅宅補修問題は前からいろいろと御要望がございまして、真剣に研究をいたしております。昨年度におきまして、引揚援護庁の余つたものを流用いたしまして一億八千万円ばかり大蔵当局に認めて頂きまして、全国的に集団住宅を補修する方針でありますが、それだけではまだ十分でございませんでした。当初府県からの申請では割合これについては少なかつたと思つておりますが、正式に予算ができて、各県に紹介しますると大分沢山出て参りました。当初よりも補修の程度を下げまして、全国均一的に補修したわけであります。従いましてまだ現在各県からの調査によりますといろいろ補修して頂きたいものが具体的にはつきりいたしております。これにつきましては今年もやりたいと思いまして目下大蔵省の御当局の方と折衝中でございまして、去年の例に倣つて何とかしで頂けるのではないか、かように思つております。尚できますれば、もう倒壊しかかつている集団住宅も若干ございますので、これは補修をしても無駄でございますので、もう壊してしまいまして、新らしい住宅を建てたい。これは公共事業費になりますので、これも今年の追加予算等の前にそういう措置を講じたい。近日中に具体的に計数を出して、いろいろ関係当局と折衝いたしておりまして、只今申上げました過去の集団住宅の問題は先般引揚同胞対策審議会におきましても十分取上げまして、これはよく調べて、直せるものは直して今後恒久的な住宅を作つたらよいのではないか、苦し直しても無駄であるというような腐朽した施設はこの際むしろ壊してしまつて、その入つている人を新らしい施設に疎開するようにして貰いたい、こういう決議がありまして、この決議に則りまして、できるだけの措置を講じたいと努力いたしております。
  105. 紅露みつ

    紅露みつ君 大蔵省に伺いますが、今局長さんからお話がありましたように、そういうことであれば私共大変結構だと思いますのですが、大蔵省としてはどんなお気持でいらつしやいましよう。お認めになつて下さるというお気持が十分おありだと思いますけれども……。
  106. 岩動道行

    説明員岩動道行君) この話につきましては、田邊局長からも先日お話がありまして、私共実情はよく承わりました。ただ財源の点で先程の問題と同じように、もう少し見通しがつきませんと、今すぐどうこうという御返事はいたしかねておるわけでございます。
  107. 紅露みつ

    紅露みつ君 どうも岩動さんはお堅くて、どうも歯が立ちませんが、これは無暗に面子をどうというわけではございませんけれども、もう少しお見通しなり、あなたが押して頂けばこれは獲得できると私共は思つておりますのですが、そういうお気持でお進め頂いておるのでございましようね。
  108. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 実情は十分に私共も了解いたしておりますから……、ただ関係方面といろいろ財源流用につきましても、いろいろむずかしい問題が毎年起つておりますので、そういう点からも、いろいろと研究もし、十分に向うを納得させるだけの資料も揃えなくてはならんので……。
  109. 紅露みつ

    紅露みつ君 それでは、やはり予算に関連するのでございますが、もう一遍局長さんにお願いします。前に更生資金と言いましたけれども、生業資金と言つておるそうですが、引揚者を中心とする小口の貸付のあれですが、あれは今度はないように思うのですが、一体どうしてあれをもつと大蔵省の方へ押して頂かないのですか。これは国民金融公庫一本で行くというお話でございますけれども、それはもう私が申上げるまでもなく性格が違う。その経過を一つ……。
  110. 田邊繁男

    説明員田邊繁男君) 更生資金制度につきましては、来年度も本年度同様新規財政支出を認めて頂くように大蔵省予算を要求しております。来年度この予算がなくなつてしまうというふうには我々ならんように努力しております。多分なくならないようになるだろうと、かように考えております。まだ最後の予算決定になりませんからはつきり申上げられませんが、一応話合いはついております。
  111. 紅露みつ

    紅露みつ君 では大蔵省はそれで御異議ないのですね。そう承知してよろしいですね。
  112. 岩動道行

    説明員岩動道行君) 田邊局長がおつしやつた通りです。
  113. 紅露みつ

    紅露みつ君 どうも有難うございました。
  114. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は單価の改正にはむしろ少きに失するという意味で賛成にも拘わらず三十七万という架空な数字を前提として……現在の予算の組方はその問題に及んで検討すべきだという意味において私は態度を保留したのですが、三十七万説、これは吉田総理だつて大した根拠はないということを言つておるし、それから新らしく出て来られた議員の方は御承知ないかも知れないけれども、第一回から七回の国会と、こういうふうな形で現われて来ている事実を指して僕は言うのですが、こういう問題はこれから委員長はこの法律案と関連したその経費の問題は十月の国勢調査を基礎にして合理的な予算を組むような方向に進めて行こうというふうにこの委員会を運営されるのか、その辺をどういうふうにやられるのですか。
  115. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 私共としては勿論外務当局の方へ……、数字の点は今おつしやる通りに本当の確実なものであると私は思つておらんのです。それですからそれは一つ責任のある外務省の方へ問合せまして、その説明皆さん方にもこの次の委員会に聞いて頂きたいと思つてその準備をいたしたいと思つております。それと共に国勢調査の方もそのうちに十月には行われるのだから、追い追いと内面的にこの国内的に数字が現われて来るのじやなかろうか、それと照合せれば殆んど正確なところが出るのじやないかと感じ美す。
  116. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 了解いたしました。
  117. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) その外にもう御質問ございませんか。
  118. 曾禰益

    曾祢益君 他の議題じやないのですけれども、ちよつと緊急動議的な意味でお諮りしたいのですが、御承知のように世界の五十九ケ国が今国際連合の総会を開いておりまして、いろいろ世界の平和を如何にして確立するかということで非常に真劍に論議をしておられるのです。その議題の一つに我が同胞の抑留問題が上げられておるようであります。そこで我々はこの委員会といたしましても、前から特に紅露さんが言われたように、対外的ないろいろなアツピールをやるべきだという御意見もあつて非常に適当な機会だと思いまするから、この人道問題として、まあ世界平和のためにこの問題を国際連合の総会に来る各国に実情を訴える、かような措置をこの委員会委員長の名前で電文を打つ、更にできるならばこの際日本の国会の代表者、或いは適当なる団体の代表者が現にレイク・サクセスに行つて実情を訴える、かようなことをやるのがいいのじやないか、こういうふうに私は思うので、この点を一つ委員会にお諮り頂きたいと思います。
  119. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 只今曾祢君のお話によりますると、国際連合が開かれておるのに対しまして日本としての、国会としての歎願と申しますか、アツピールと申しますか、そういうような手を打つた方がいいのではないか、又でき得べくば衆議院、参議院の議員の中からあちらへ派遣をして、そうしてその引揚問題に対します国連としての同情を高からめるように運動をしてはどうか、こういう思召のように私は聽き取つたわけであります。ただ兼岩氏なんかはこの歎願するについても、三十七万とかなんとかいう不確実なる数字の上に立つてのことに対しては多分不賛成をされるのじやないかと私達は思いますが、尚まだとにかくたとえ千人にしても、五百人にしても残つておるということだけは事実でありますから、その点について今の曾祢君の御発議は大変結構なことじやないかと私は考えておるのでございましてどうぞ御遠慮なしに皆さん一つ御意見を披瀝願いたいと思います。
  120. 紅露みつ

    紅露みつ君 ちよつと速記を止めて下さい。
  121. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  122. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 速記を始めて。
  123. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと曾祢君にお尋ねします。曾祢君の意見と委員長の意見とちよつと食違つておるように見えるのです。それで両方にお尋ねしたいのです。全世界どこであろうとも残つておる戰争犠牲者は早く帰して欲しいという意味のように曾祢君の意見を聴いた。ところがあなたは三十七万ではないにしろ少し残つておるだろうから、少しでも帰して呉れというふうに行くというのですか、その辺曾祢君にちよつとお尋ねいたします。
  124. 曾禰益

    曾祢益君 在外同胞のこれは要するに捕虜としての、その他の抑留者としても、まだ残つておるものがあるから帰して興れ、こういう歎願をしようということです。
  125. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 どこどこにですか。
  126. 曾禰益

    曾祢益君 それは全部でしようけれども、一等数が多いと我々が認定しておるのはやはりソビイエト連邦及び中国だと思います。別に何もソビイエト連邦、中国という必要はない、趣旨としては……。
  127. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 委員長の意見も同意見ですか。
  128. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 同意見です。それでこの問題を大体に御承認願えるようでしたら、又手続上のこと等につきましては、在京の方を又お二人程お願いしましてよく御相談をしまして、実際問題に移つて参りたいと、こう実は考えておるようなことでありまするが、如何でございましようか。御意見ございませんですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それでは国連に対する歎願或いは議員派遣というような点につきましては、よく衆議院の方とも相談をいたしまして、成るべく実現をいたしまするように手続を進めて参りたいと存じます。さよう御承知置きを願います。  では次の委員会をいつ頃開きますのが皆さんの御都合がよろしいでしようか。
  130. 曾禰益

    曾祢益君 今日一番先に委員長がおつしやいましたこの前の委員会で決めた規則ですね、臨時議会が大体九月初めか中頃に開かれるだろうという一応の予想に立つてつたと思うのであります。そこで今日緊急の議題があつてお開きになつたのは誠に時宜に適しているのですけれども、臨時議会がいつか分らないから、次の委員会とも関連するのですけれども、もう少し一般的な方針として、臨時議会の開会期日というものを予定せずに、成るべくどんどん必要なものを取上げて委員会を開いて行くという方針にして頂きたいと思います。
  131. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 原則として一週間に一遍か十日間に一回ぐらい開くようにしたらどうでございましようか。皆様の御都合日もございましようけれども、相当強力にやつて参りませんと、なかなか事は運ばないように思いますけれども……。
  132. 鈴木直人

    ○鈴木直人君 この未復員者給與法の一部を改正する法律案というのは、これは二人程委員長において選任されて、関係方面との折衝をしたりするようになるようですけれども、そうしますと、その結果などにしても集まらなければならんような状態が出て来るのじやないかと思いますが、原則としてそういうことはいいですけれども、必要な場合にはそれに拘わらず開くというようにされたらいいと思います。
  133. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 必要に応じて開くことをお許し願えますですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それではさようにこれから先はさして頂きます。  では今日は誠にお忙しいところ有難うございました。今日の委員会はこれで散会いたします。    午後零時三十八分散会  出席者は左の通り。    委員長     大谷 瑩潤君    理事            高良 とみ君    委員            安井  謙君            河崎 ナツ君            曾祢  益君            森崎  隆君            杉山 昌作君            鈴木 直人君            紅露 みつ君            兼岩 傳一君   法制局側    参     事    (第一部長)  今枝 常男君   説明員    引揚援護庁援護    局長      田邊 繁男君    大蔵省主計官  岩動 道行君