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1950-07-30 第8回国会 参議院 在外同胞引揚問題に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月三十日(日曜日)    午後四時二十四分開会   ————————————— 本日理事互選の結果左の通り決定し た。            内村 清次君            木内キヤウ君            杉山 昌作君            千田  正君   —————————————   本日の会議に付した事件継続調査承認要求の件 ○議員派遣要求の件 ○次会の日程に関する件   —————————————
  2. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) これより委員会開会いたします。  先ず継続調査の件を議題にいたします。先程の委員長及び理事打合会におきましては、特別委員会継続調査要求を提出いたしまして引揚問題に関する調査を閉会中においても行うことを決定いたしました。つきましては、委員長及び理事打合会決定通り継続調査を行うことに御異議ございませんか。
  3. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それはどういう内容調査をされるかを聞かなくちや賛成反対もできん。委員長理事打合せの結果どういう内容継続調査がされるのか、その内容を聞かなければ賛成反対もできません。
  4. 石川榮一

    石川榮一君 今兼岩先生の御意見御尤もですが、今残つている在外同胞引揚促進を図ることを中心として特別委員会調査をするというのですか、全般的のことをひつくるめてやるというのですか。
  5. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 全般的なことです。
  6. 千田正

    千田正君 委員長理事打合会で決めました大体の骨子を御説明願います。
  7. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それでは申上げます。引揚者及び留守家族厚生援護に関する一般状況、並びに住宅問題及び失業問題と引揚促進に関する問題につきまして、この委員会継続して参りたいと思います。
  8. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 方針は非常に結構です。それを具体化するためにどういうふうに調査されるかということと、それから第二に一番中心問題になつているのは、海外にどれだけいるという問題について、国内留守家族調査をまじめに政府はしてないと思いますが、その点をどういうふうに扱われるか、この二点をお伺いします。
  9. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それは当局説明を聞きまして、それからそれに対しまして今申上げたような問題を漸次調査を進めて参りたい、こういう考え方でございます。
  10. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 二点あると思います。一つ引揚促進という問題、一つはもうすでに引揚げた厖大な数に上る戰争犠牲者をどうして我々がその人達生活を保障するかという二点だと思いますが、第一点と第二点においては、第二点の方がむしろ従来ないがしろに取扱われて来ておつて、この問題を精力的に取上げなければならんということを各派が御賛成なつた問題だと思います。併しながら前者についても後者についても進めて行くということは賛成ですが、併し具体的にどういうふうにそれを進めて行かれるか。
  11. 千田正

    千田正君 若しお差支えなかつたならば……理事委員長打合会骨子を今委員長から申上げましたが、尚具体的な問題につきましては、最初国内問題、これは先程田邊局長皆さんの前で申上げました通り、非常に引揚者、或いは戰災者の住宅問題は不足しており、これを一日も早く解決しなければならない状態に立ち到つておりますので、更に臨時国会におけるところ予算の提出その他に対しても十分案を練られて、それで皆さんにこれをお諮りしながら皆さんからの御協力を得たいという意味の御説明があつたわけであります。これに対して我々としましても、長年の間この問題を取上げて研究しておりますので、更にこの委員会としては強力にこの問題を解決したい。又これについてもつと具体的に当局の御説明を求め、更に我々が持つておる資料によつて委員会としての結論を見出して政府を鞭絶しよう、これを継続審査の俎上に載せたい、それが一つ。  それからもう一つ失業対策、これが政府失業に対するところのいろいろな対策予算は取つておりますが、現在の中で一番みじめな引揚者、或いは戰災者戰争犠牲者が未だ就労就農就職をしておらない。この点を長年に亘つて末端機関まで滲透するように我々はこれを強力に政府に向つて要求して来て、未だ十分でないに拘らず、最近に至つては非常に失業者が続出しており、諸般の事情は看過を許さないような状況でございますので、この点を優先的に引揚者、或いは戰災者、その他の戰争犠牲者就職就労就農に対し十分の政策を実施させるような措置を取つて行きたいという点。  もう一つの、引揚促進に対する問題につきましては、不幸にして勃発したところ朝鮮事件中心といたしまして、一時遥かなる望みがあつたのでありまするが、今や中絶したような観があるので、この休会中にも休んでおつてはいけない、それで政府を鞭韃しまして、国内に対するところの、いわゆる民間に対する調査の問題は勿論のこと、再に現在いわゆる朝鮮に起つておるような情勢下においても、政府は如何なる手を打つてこの引揚促進に対しての鍵を掴んでおるかというような面について政府説明を聞くと共に、この委員会としての要望並びに方法決定して、政府を鞭韃しようというのが、この継続審査の要項として委員長理事において打合せたことでございます。委員長の補足として足らない点を失礼でありますが、私から申上げました。
  12. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 千田理事の御説明で了解いたしました。我々大部分の議員の新らしい方向と殆んど一致しておるということは非常に結構だと思います。ただその場合に、特に私が繰返して御註文申上げて置きたいことは、外部にどれだけいるというようないろんな資料をあげつらつて、徒らに国際的対立を激化することではなくして、先ず国内での実際未だ帰らざる兵隊さん、或いは又未だ帰らざる市民がどれだけあるかということは、直ぐやればできることなんですから、第一に国内調査をまじめにやつて欲しいということ。それから第二に、さて帰つて来た人達生活が如何に惨憺たるものであるかという事実をこれ又虚心坦懐に正確に調べて、この委員会でそういう事実に立脚して政府を鞭韃すること。すべて第一、第二とも事実に立脚するということを私特に要望したいのであります。
  13. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それではその継続調査をその意味におきましていたしたいと存じまするが、御異議ございませんか。
  14. 曾禰益

    曾祢益君 どれとどれに主を置くというようなことは害えないと思うのです。ですから第一、第二、第三項ですか、今千田さんの言われた、それには同様のウエイトを置いて、そうして有効な調査継続する。必ずしも国内ばかりのことをやつて行くという趣旨でなくて、いずれも、国外のこともこれは調べて行かなきやならない。いずれもウエイトを同じに考えてやるべきだ、こういうふうに思います。
  15. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それは引揚問題に関する促進の問題の中に全部含まれるかと思いますが、国内国外共に……。
  16. 曾禰益

    曾祢益君 ですから、兼岩君が意見を出されましたけれども、外国のことも積極的にいわゆる政治問題化するというような気持がいかんことはこれはもう分り切つたことであるのであつて外国のことは遠慮するという必要も又ないのですから、国内国外も同じウエイトでやれと、こういうことを言つておるのです。
  17. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 曾禰君にお伺いしますが、僕は具体的なそういうことに何も反対し七ないのですよ。国内における問題はまじめに調べると共に、国外に残つておる者も調べることは賛成だが、先ず自国内において何村、何町に未だに帰らない人がどれだけあるかという、自国内調査もしない政府が、いろんな数字からこの徒らに国と国とに波瀾を起すようなやり方をしてはならないということを言つておるのです。それで御不満があるなら、苟くもあなたはどういう方法で、あなたは一つ具体的などういう案をお持ちか。どういう理窟でやるか、お聞かせ願いたい。徒らに抽象論反対されるのでなく具体的に……。
  18. 曾禰益

    曾祢益君 どういう方法でやるかということはこれは委員会なり継続審査の場合に仔細に考えればいいのであつて、今国外でどういうふうに調べたらいいかということについては、この前も高良さんからも言われたように、いろいろな方法もあるわけなんです。国内で調べるのも結構です。国外で調べる方法も何も毛嫌いしないでやつたらいいだろう。こういうことです。
  19. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は国外を調べるなと言つたのではないのです。国内でさえ調べないような政府、或いは委員会が、徒らに架空の数字、或いは根拠不十分な数字を以て国際対立を激化するような方法は止めて欲しいということなのです。それに対して曾禰さんは反対しておる。どこが惡いのです僕の意見の……。
  20. 曾禰益

    曾祢益君 国際対立を激化するようなやり方が過去においてあつたらしいということは、これは国民の一員としてそういうやり方はいかんだろうということはもうはつきり言つておるわけなんですし、それはもう問題にならない。併し国外における調査もやるべきだということを言つておるんで、何も兼岩君から食つてかかられることはないと思うのだ。
  21. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は曾禰君が食つてかかるから反対するのです。(笑声)君は新聞を読んでいないというならばいざ知らず、新聞を読んでいるならば、参議院の引揚委員会が第五、第六、第七国会でどういうことをしたかということは天下周知の事実ではないか。これを反ソ、反共の具として、国際的の摩擦を緩和するということでなく激化する方向に利用されたということは、新聞を見ていろんなら分つていることである。況んや外交の專門家である曾禰君がそういうことを気が付かんということはない。君が僕の議論を反撃するなら具体的に言え。僕は具体的に言つておるから君も具体的な反対論を以て対抗して貰いたい。具体的なことに対して抽象的の言辞を以て反対することは甚だ怪しからんと思います。
  22. 高良とみ

    高良とみ君 男の方のけんかはこのくらいにして、我々は具体案に入りたいと思います。
  23. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 具体案提案しているんです。
  24. 高良とみ

    高良とみ君 両方とも具体的であると思います。国内国外も具体的に行かなければならんということは賛成するのであります。それで国内の未帰還者調査方法ですが、それを兼岩さんもう少し具体的に御提案になればいいと思います。もう一つラジオなんかでは随分行方不明の人を尋ねておるので、出征してから帰らんということが分つておればいいので、ひよつとしたら引揚援護庁で何村の何某がという人数調査もできておるではないかと思います。それは国内における戰死者及び爆死者というものの外に、これを別にした調査ができるのじやないかと思いますが、その具体案はおありでございますか。
  25. 千田正

    千田正君 これは先程骨子は提示されておりますが、さつき兼岩君など、今高良さんからのお話になりました国内のいわゆる未帰還者の数の問題、これは非常にこの委員会でも問題になりまして、幾度となく外務省或いは引揚援護庁に向つて再三の実施方を要望して来たのであります。併しながら万全を期しておらない。それでこの次の継続審査会議の際に当局を呼んで現在やつておる状況、又皆さんの言わんとするところ、並びに我々委員会として要望する点、或いは委員会としてなさねばならない点、これを今後継続審査の席上において御議論して頂きたいと、こう思うのであります。本日はこの休会に当りまして、このまま休むことなく、この重大なる委員会継続するかしないかという問題について先程委員長から骨子を提示されておりますから、皆さんの御賛同があるならば、それを以てその席上においてやつて頂くように、一つ議事進行をお諮りを願いたいと思います。
  26. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 只今千田君から議事進行の問題で御発言がありましたが、つきましては、そのいろいろの具体的な問題に対しましては、この継続委員会において当局よりそれぞれ資料も提出して貰い、実情もお話願つて、その上においていろいろ御審議を願つたらどうかと存じます。故に只今はこの委員会継続調査をいたすという点についての御賛否をお願い申上げたいと存ずるのでありまして、御異議がございますかございませんか。その点をお伺いいたしたいと存じます。
  27. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 異議があるかないかということを判定するためには、大体次の委員会はいつ頃と考え、それをどんな要領でやられるか。理事会でやられたことについて見せて頂きたいと思います。その上で我々は賛否決定いたします。
  28. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 理事会の方では次回は八月一日、明日は休みますから八月一日にこの次の委員会を開きたいと、こういうので理事との御相談ができました。
  29. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 もう少し細かく、專門員が分つているなら、その考え委員長の口からでなくて結構ですから、もう少し細かに説明して頂きたい。
  30. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) そうして十時から開会いたしまして、さつき申上げました引揚者及び留守家族厚生援護に関する事柄、或いは又一般状況その他住宅問題、失業問題、引揚促進に関する問題について関係当局者の出席を求めまして、そこでよく話を聞きました上で、その議題決定して参りたい、こういう工合に考えております。
  31. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 そうすると、あの提案は八月一日に政府当局からそういつたことを聞くというだけ、それだけしたいというだけの継続審査ですか。もうちよつと内容のある話をして下さい。
  32. 千田正

    千田正君 それでは理事の一人として僭越でございますが申上げます。恐らく八月に入つてから休会中はなかなか皆さんにお集まり願つても、お集まりが今までの事例から見ましても、会を開くだけの人数が集まらないだろう、ですから在京の皆さんに主として出て頂く、一番よく集まるのは会期の直後である八月の一日、二日、三日頃までの間だと思います。それから次の国会の始まる九月の中旬なら九月の中旬の三日或いは四日前に二回ぐらい開きたい、こういうのが委員長理事の打合会の大体の骨子でございます。それで皆さんにお諮りしまして、その時日の決定並びに回数を何回ぐらいするかというのが委員長皆さんにお諮りするところの問題であろうと思います。これは私から補足して申上げます。
  33. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 言葉が足りなくて誠に……。
  34. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 言葉が足りんどころか、あなたは何も説明しやせんじやないですか。一つそういうふうに内容を主として……今私は千田理事説明で非常にはつきりして来た、なかなかよくお考えになつていることだと思うんですが、そういう内容を明らかにして諮つて頂きたいんです。それからもう一つ、そうすると八月になりまして一日、二日、三日の問に数回、それから次の臨時国会の始まる前に数回やられるというだけで、その外には今のところ予定しておられないわけですね。
  35. 千田正

    千田正君 誠にこれは委員長のあれを取つて申訳ありませんが、理事会の立場から申上げます。それはその間においてこの実態調査委員派遣しま押して過去の引揚者或いは戰災者その他の戰争の犠牲者が、一体日本の九州であるとか、北海道とか、東北においてどういうような生活を営んでおつて、どういう悲惨な生活をしておるかというような点の実態調査をその間において行ないたいというので、委員派遣の件も附してこの委員会皆さんの御審議を頂きたいというので、大体委員長からその点の御提案があると思います。それでいわゆる休みの間はそのような実態調査の方に重点を置いて頂いて、そうして今の委員会はこの八月の一日、二、三日の間、それから始まる五日なら五日前から三日間というふうに皆さんの御意見を頂いて、そうして決定して行きたいというのが大体の骨子でございます。ブランクの間は実態調査をして行きたいと思います。
  36. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 これは継続審査をやるかやらんかというのが第一の問題で、継続審査をやるやらないと……恐らくこの第八国会にこの在外同胞引揚問題に関する特別委員会設置する価値もなかつたのじやないか、たつた一日か二日のために置く必要があるにせよ、これは恐らく全員継続審査を必要としながらこの二日か三日の会期引揚特別委員会設置する必要をお認めになつたのではないか、従つてその具体的な方法は一応の目安はつくでしようが、先ず置くか置かんかが中心問題で、置くならこれを最も有効に兼岩君の主張のように進んで行くにはどうするか、次の議題で取上げてそうしてこれを有効なように使つて行かなければならない。
  37. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は今の草葉君の論は原因と結果は逆です。非常に非民主的な非科学的なものである。我々は内容を聞いて判断すべきであつて、それから飛び離れて一つ結論を出して置いて又内容に行くということは、我々は科学的にそういうことはできん。だからそれが一つ。もう一つ全員賛成したと言われますけれども、僕は反対討論したんです。この問題に反対しようという意思を、党を代表してそういう意思議院運営委員会において明確に出しておるんです。その理由は従来のようなああいう惡名の高いやり方を恐らく続けられるであろうと考えられる、そういう意味においてはこれは断乎反対である。だから僕はこの設置反対しておる。設置する以上は継続審査賛成するであろうというような、原因と結果を全く逆にしたそういう考え方には反対です。だからその内容を明らかにして貰わなければ我々は賛否を明らかにすることはできません。
  38. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 内容委員が決めるのであります。何も委員長一人が決めるわけではない、これはむしろ非民主的である、議員がこの委員会運営をどうするかということは委員が決めるので、それ以外に決める人はない。
  39. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 勿論であります。だから委員長に案を出して貰つてから可否を決めて貰おうと思うんです。碌な説明もせずに可否を先に決める、又草葉君も可否を決めてから内容に入ればいいというが、我々は内容を先に決めてから可否に入りたいんです。
  40. 草葉隆圓

    草葉隆圓君 内容はむしろ我々が決めるのであつて、仮りに理事が一案を出しておられるだけであると思う、必ずしもそれは絶対なものではない。
  41. 千田正

    千田正君 先程私が補足して申上げた点について皆さんにお諮り願いまして、いろいろな御意見もあろう思いますから、動向を決して頂きたいと思います。
  42. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 今千田君が申されました通りに、この委員会継続調査いたしまするについて、その具体的な調査方法は、千田君から御説明を頂きました通りであります。それにつきまして先ず継続をするかせんかという点について今お諮りをいたしておるのでありまするから、これを継続する方がいいとお思いになりまする方は……。
  43. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと質問があります。委員長で答えられなければむしろ千田理事の方がいいようですが、そういうふうにやられるというのは、八月の初旬にこの国会開会なつた直後の数日、それから次の臨時国会の少し前に数回政府を呼んで、それを中心にして政府がどういうことをやつておるかということを十分検討する、これは了承します。その間に何かこの設置とか何とかいう、言葉がよく聞き取れませんでしたけれども、その間にどういうことをされますか、科学的に具体的に一つ説明して頂きたい。
  44. 千田正

    千田正君 これはさつきから兼岩君から、過去の委員会を大分御批判、御叱責を頂いておると思いますが、そのうちで休会中に委員派遣しまして実態調査を、引揚げて来た受入態勢、この問題について各方面出張しまして、いろいろ現地について調査して、その報告に基いて更に政府を鞭撻し、新しい施設に対してはその施設要求するわけであります。そういうわけでありまして、今先程の厚生省引揚援議庁あたりから住宅問題、或いは就職就労その他について、勿論現在のところは非常に不足しておりますので、いわゆる現実の姿を見て来て頂きたい、見て、そうして把握しで来て我々委員会が更にこの秋の臨時国会において受入態勢に対するところ参考資料にして、我々としての実際的な問題に取つ組んで行きたいから、その間は委員出張によつて調査して頂きたい、こういうような点から御提案申上げておる次第であります。
  45. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 その具体的な案はないんですね、まだどういう方向へ行くとか、どういうあれするということは……。
  46. 千田正

    千田正君 それで引揚者の帰つて来た実態、これが場所によつて非常に違うのであります。例えば九州方面最初終戰直後中国の大陸から帰つて来た人達、或いは南方から帰つて来た人連は大体偏つてはおりますが、九州に比較的大部分おられる。それからソ連からの帰還が始まつてからの引揚者は大体東北大県北海道に受入れをしておるのであります。そうしてその間、東京、大阪、名古屋のような密集地帶においては、これは分散したあらゆる形にして複雑な生活をしておるのが現状なんであります。それでこの三方面を十分に、若しも予算が許すならば各委員が御出張願つて、そうして現実の姿をはつきりと把握して頂いて、この九月の臨時国会において、我々委員会として政府を鞭撻し、或いは予算要求する、その他の方途を講じたい、こういうのが大体この趣旨でありますので、その点を十分皆さんに御勘考願いたいと思います。
  47. 石川榮一

    石川榮一君 只今理事会の御協議の内容を伺いまして、私共それに賛成であります。  それから、八月も早々に一回乃至二回、又臨時国会が九月にあると予想しての場合における臨時国会開会前の一、二回というようなことにお話を伺つておりますが、若しその間に今の実地の調査等をなさるという、或いは当局意見等をお聞きなすつたので、その関係で新しく仕事が若し生まれた場合には私共はその理事の諸君にできる限りお手間がかかりましても、御活動を願いたい。殊に八月の一、二回、或いは九月の一、二回ということにばかり拘泥をしないで、その間に随時に必要がありましたならば御活躍を願いまして、必要があれば委員会を開いて頂きたい。一つ継続してこの引揚同胞のための霊力が徹底できますように御高配願いたいと思います。
  48. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それは理事の方とよく御相談をして、随時に開きたいと思います。では、継続調査は御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 御異議なしと認めます。本特別委員会継続調査を行うことに決定いたします。委員長より継続調査の手続をいたします。  次に、議員派遣の件を議題といたします。北海道東北及び九州の三班に分けまして、各班三名ずつ議員派遣することに委員長及び理事の打合会決定いたしましたが、さよう決定いたしまして御異議はございませんか。
  50. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 僕は議院運営委員会委員をずつと前国会からやつている関係で……、この前もそれが引揚委員会から議院運営委員会に提出されましたし、殆んどの会派から非常にどうも余り賛成できないのじやないかという意見も多かつたのであります。その結果として提出されましたものが反対になりましたか、極く少数だけ派遣なつたかどちらかに落着したと記憶しております。極く少数だけ……。それで派遣して行く以上は余程のやはり正確なる目的を以て行くだけの値打のある仕事ができるかどうか、私は多少疑問に感ずるのです。従来の実績に鑑みまして……。
  51. 千田正

    千田正君 従来の派遣の中で、殊にその運営委員会の方で問題になりましたのは、いわゆる舞鶴派遣、それから函館派遣で、ややもすればそれが宣伝に供せられるような恰好になつたというようないろいろな御批判の下にその問題が出たのであると私は思います。併しそうじやなく、いわゆる東北大県受入態勢であるとか、九州受入態勢或いは未亡人や孤児の引揚げ人達が如何に苦しんでおるかという、殊に実態調査におけるところの貴重なる資料は実際に役立つて厚生省施設に非常な拍車をかけたということは事実であります。そういう点は私は実質的にこの際委員会の、殊に新らしく委員になられた方の特段の御研究をお願いした方がいいんじやないかという点を参考までに申上げたいと思います。
  52. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 ちよつと千田君にお尋ねいたしますが、どういう機関を通してこれをなさるのですか。と申しますのは、私の住んでおります青山には、悲惨な大きな引揚寮で建築の面から見ましても全く危険な状態にあつて、私はそこに住んでおるという理由で足を運んで見ましたが、引揚委員会にもお願いしたのですが、まじめな極く近い青山の引揚寮に対してさえも本格的に調査されていないのでありますが、一体遥々九州に行つたり、東北北海道に行つてどういう機関を通してどういう点を調査なさろうとするのですか。
  53. 千田正

    千田正君 九州北海道、或いは東北、特に北海道東北というのは、北海道東北も事実において初めにおいてはこの無縁故の引揚者を進んで引受けるというような情勢じやなかつたのであります。ところがどうしてもこの広大な土地……更にこの農業その他に伺とか就職できるんじやないだろうか。殊に無縁故者、樺太・千島から帰つて来るところの内地に縁故のない人達、この人達の数が非常に多くありましたので、この人達を何とか受入れをしなければならんということで、大体一道大県の知事、或いは議長会議に対して、当国会並びに厚生省から特にお願いして、この受入態勢を作つて貰つたわけであります。そうして受入態勢を作つてつたのが実際それならば入つた後においてどうなるかというと、結局先き程も問題になりましたように元の兵舎を変えて入るとか、或いは村の曾ての倉庫を改造してその中に入つておるとか、而も就職ができていないというような悲惨な状況現実に起つておるのであります。そこで結局調査するとすれば、厚生省において集約的に受入れをしているところ中心として先ず実態調査をやる。東京都内における問題も、再三これは起つておりますが、例えば上野の引揚げの寮であるとか、誠にこれは悲惨なものであります。東京都内の寮の問題も調査に行つて来ておる筈であります。こういちようなわけで、実際から言えば我々が調査して一応の調査資料が整つてつて、それによつて幾度となく政府にこれは迫つておるのでありますが、過去の委員会は、それを完全に実施するまでの或いは力がなかつたという御批評を受けるかも知れません。併しながら、今度新らしくできたこの委員会が、更に一層の今までの足りなかつた点を改善されて、力強く政府なり或いは国民の要望するところを強行したならば、必ずやこの戰争の犠牲者生活に両一層よい方法が生まれるのじやないかという点から見まして、然らばどういう部門を、どういうところ調査するかという問題になると、只今ところは集約的に入つておるところの県或いは市、或いは町村の中で引揚寮或いは引揚家族の比較的多い所、そういう所を重点に置いて調査する以外に今のところは直ぐにはできないのではないか、かように私は考えております。
  54. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 さつき申しましたが、同じようなことですから尚委員長、それに附加えさして頂きます。大分この前そんなに引揚委員会は視察しなくてもいいじやないかというようなことが、初めは違つて中頃でまあそういう少し千田委員おつしやつていらつしやいましたけれども、多少いろいろと外の問題に片寄つて行つたということもありましたんですが、以前までは、初めの頃はどういうふうな受入態勢引揚者を受入れるか、その受入態勢はどんなふうにしておるか、できなかつたならばもつとしなければならん、それだけするならばもつとごつちの予算も取つてというような受入れの準備の方に随分力を入れましたのですが、あのときに見ました様子で、引揚者の寮なんかは一応は寮と言つておるようでありますけれども、その建物が手を省いた——本当に少しすると雨が漏つたり、少しすると建物がもう傷んでおるのじやないか、外の設備も不十分です。それから子供が沢山……丁度引揚者の方々は小さな子供の産み盛り、育て盛りで非常に数が多い、その子供連の学校のことが大分問題でございましたが、それからもう三年も経ちますと、更に学校に行つておる子供の問題をどこまでやつておるか、あの時でさえ手を束ねておつたのですが、殊に学校については厚生省関係がございませんので文部省を促しまして、大分むずかしくて困つたのですが、そういう問題、その外に厚生施設として集団の所がお湯がない、風呂場がないので大分やかましく申しましたのですが、それがどこまでやられておるか。つまり今日引揚者の問題に力を入れますならば、帰つて来ない人達促進の問題と一緒に帰つて来た人達のこれから後の生活の仕方に足らないところはどうであろう、殊に私が心配しておりますところさつき申しましたように建てた家が非常に不親切な建て方で、これは恐らく今日気の毒な様子じやないかと思いますが、そんな意味調査という言葉だと何だか監督官庁へ行つて数字貰つて来たりするように思われ勝ちですが、実際あの人達生活を訪ねて、そうして足りないところ、又みんなの言えないところをまとめて言う、そうして連絡を取るとか、そういう意味におきまして、今日は是非行つてその後の様子を見るということにつきましては、殊に必要じやないかと私は思つておる者でございまして、その意味においての派遣におきましては、若し議運の方々が又前のような、この間からの引続きで多少削られるんじやないかというようなときには、理由を言つて新たに又考え直して頂きたいと思う者の一人でございます。
  55. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 私の考えますのも、ただそこを見て来たということだけでなく、親心を以て足らないところ、或いは不便なところ、或いは至らないところを十分に当局に何と申しますか進言する材料をそこに派遣された方々に見て来て頂いて、そうしてこれから先にそういうふうな不自由な点、又困つておるような点を当局の方から大いに緩和をして頂くような手を打つて頂く材料を一つ集めて頂きたいと、こう思うのでありまして、これによつて別にどうこうという外の目的があるわけではないのでございますから、その辺一つお含みの上で議員派遣という点につきましては、御賛成を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  56. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 御異議ないものと認めまして、北海道東北及び九州の三班に分けまして、各班三名ずつ議員派遣をすることに決定いたします。つきましては委員長より議員派遣の手続をいたす都合もございますので、御希望の方は委員長まで申出て頂きたいと存じます。尚予算の都合もありますので、日程、人選等につきましては、委員長及び理事に御一任を頂きたいと存じまするが、この点につきまして御異議はございませんでしようか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 御異議ないと存じます。では日程及び人選等につきましては、委員長及び理事に御一任を頂くことに決定いたします。   —————————————
  58. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 次に次回の委員会でございまするが、委員長及び理事打合会におきましては、明日は休みまして、八月一日午前十時より開会いたしまして、先程申上げました引揚者及び留守家族厚生援護に関する一般状況、殊に住宅問題及び失業問題と引揚促進に関する問題につきまして、関係当局より説明を聽取することに決定いたしたいと存じます。  この外に何か議題がございましたらどうぞ申出て預きたいと存じます。——では次回は八月一日午前十時より引揚者及び留守家族厚生援護に関する件と引揚促進に関する件につきまして、委員会を開催することにいたします。速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  59. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 速記を始めて、それでは只今高良委員並びに千田委員からお話がありましたような、休会中におきまする小委員会を作りまして一週間に一回或いは……お集りの方方は在京の方々にお願いをするというようなことにいたしまして、いろいろ海外との連絡等のこともございまするので、お集りを願う、いわゆる小委員会どいうようなものを拵えて参りますという点につきまして御異議ございませんか。
  60. 兼岩傳一

    ○兼岩傳一君 それは、今千田委員の言われるように、八月一日にしたら如何ですか、懇談会の形で決めても余り急ぎ過ぎませんか、如何ですか、もう少しこの問題は海外との問題ですから、一言で片寄けて賛否を問わないで、一日にどういうふうにやられるかもう少し具体的に拝聴してから賛成……。
  61. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) それでは八月一日の委員会皆さんの御意見を持ち寄つて頂きまして、その上でその小委員会のことを決めて頂きたいと存じますが、御異議ございませんか。    (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  62. 大谷瑩潤

    委員長大谷瑩潤君) 御異議ないものと認めましてさように取計らいをいたします。  これを以て委員会を散会いたします。    午後五時十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     大谷 瑩潤君    理事            内村 清次君            木内キヤウ君            千田  正君            杉山 昌作君    委員            河崎 ナツ君            森崎  隆君            曾祢  益君            小酒井義男君            石川 榮一君            草葉 隆圓君            長島 銀藏君            安井  謙君            高良 とみ君            兼岩 傳一君