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1950-07-26 第8回国会 参議院 厚生委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十六日(水曜日)    午前十時四十七分開会   —————————————   委員の異動 七月二十五日委員長島銀藏君辞任につ き、その補欠として加納金助君を議長 において指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○災害救助法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これより厚生委員会を開会いたします。本日は日程に從いまして災害救助法の一部を改正する法律案の御審議をお願いいたします。昨日附を以ちまして正式に付託に相成りましたのでございます。直ちに質疑応答に入ります。御質疑のあります方はどうぞ。
  3. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 今度の改正費用のことでございますが、費用のことでちよつと承わりたいのでございますが、過般の福井震災のときに福井の市民が国庫と、それから都道府県とそれから震災地の問題でごたごたしたことがありますが、或いは新らしい地方税法案として今回のように改正になりまして、地方の会計が非常にむずかしなると申しましようか、非常に多くなるのでございますけれども、いろいろな点でむずかしくなつて参りました。ああしたような摩擦が余計にあるのではないかと思いますが、これはどういうように当局ではお考えになつておられますか。その点を一つ
  4. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 只今お話がありました福井石川震災の際のごたごたと申されまたのは恐らくこういうことだろうと思います。当時まだ災害救助法についての事務的な手続が十分地方側にございませんでしたので、極めて常識的な意味でまあいいことだから何とか一生懸命やればいいのだということで、当時地元としてできる救済援護の世話は全部行なつてまつたというわけなのでございます。当時の地方側気持といたしましては、そういうことについては盡く災害救助法を以て国の方から一定割合でその費用負担して貰える、こういう気持でやつたわけでありますが、災害救助法には災害が起きました場合に国として行うべき救助範囲程度等を決めておりまするので、この範囲内で行いましたことにつきましては、法律の定めるところによつて義務的に一定割合を必ず負担いたしますけれども、それ以外のものについては負担できないような建前になつておるわけであります。この点を地方側が十分了解しないで行いましたので、あとで国の方で持つて呉れると思つておつたら実は持つて貰えなかつたというようなことで、若干国と地方側との間でこう考え方食違いがあつたのだろうと思います。併しこの際何分にも災害救助法実施されましてから、最初の大災害でもありましたので、国の側といたしましても大分当局と協議いたしまして、まあ技術的に見まして、法律解釈の許す限り広い範囲において国が負担をする、こういう態度を取つて協議をいたして事態解決に当りましたので、結果におきましては問題がなく、盡く解決をすることができた、こういうような状況に相成つてをるわけでございます。今回の改正におきましてもこの点は同様でございますが、ただすでに災害救助法が施行されましてから三年近くを経過しておりまして、地方側もこの法規については十分習熟して参りましたし、又国の負担率も非常に高まつて参りましたので、福井石川の際に見られましたような若干の行き違いというようなことは、今後はもう起らないということを申上げても決して言い過ぎではなかろうと思つております。
  5. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 もう一つついでに伺いたいのですが、お使いになつておられまする赤十字救護班赤十字の人員を派遣いたすのでございますが、あの救護班に要する費用はどういうように折半されておるのでございますか、その内情を承つて置きたい。
  6. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) これは災害救助法規定によりまして地元知事請求をいたしまして、救護班派遣して貰いました場合においては、救護班派遣に要する費用の一切を、一定の定める率に從つて負担をするということになつております。福井石川の際には、実はその点が必ずしも形式上十分に守られておりませんで、片方請求を待たないで飛出して行つた。片方は後になつて見るとそれ程までにして貰う必要はなかつたのだというようなことで、若干の行き違いはあつたようですが、建前としてはやはり請求を待つて出動する。その分については請求した側が持ち、そうでない場合は出動した側が持つ、こういうことになつております。
  7. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 それではこの際備蓄材料について伺いたいと思うのですが、この災害に要します備蓄材料は、先ず医薬品、食糧、その他の材料中央並びに都道府県では十分に備蓄材料を持たれておりますかどうか、それが一つと、それから東京にございましたキテイ台風のときにも非常に問題になりましたのですが、どうも備蓄材料のうちに輸送機関がないということでございます。水害のときは一艘の舟でも欲しいのですが舟が足りない。それから伝染病が発生したときにも保健所にジープ一台ないというので非常に困つておりました。この輸送機関整備ということは、災害がございます度に問題になつておりますが、これが輸送機関と申しましようか、そうしたものの備蓄材料はどうなつておりましようか。
  8. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 備蓄の問題につきましては、御説のように、国として直接管理下相当程度物資等を持つておりますることが、大災害が発生した場合に救助を速やかならしめる唯一の方法でございますので、厚生当局としてはここ三年来常にこの方面の用意を十分にするように努力をして参つたわけであります。形の上ではまだ十分実を結んでおりません。併し実質的には、例えば産業復興公団に五万人分をランニング・ストツクの形で備蓄をさして置きまして、一定期間が経過したらそれを一般に放出させ、そして又五万人分を蓄えさせるというような備蓄方法実施いたしましたし、又必要に応じまして、例えば凾館引揚援護局等に備えられておりまする物資を一時流用するとかいうような方法で、そのときそのときの必要に応じて参つたわけであります。大体の傾向を申上げますというと、最近は物資の出廻りも可なり潤沢になつてつておりまするので、例えば福井石川のようなああいう大規模の災害が起れば、それはとても地元では調達困難でございますが、中等程度以下の災害、例えば被害戸数が一千戸から二千戸程度範囲災害でありますれば、概ね地元で調達できるというようになつておりますのが最近の状況でございます。從つて厚生省といたしましては、その程度の分については大体地元で手当して貰つて請求を待つて必要の分は埋合せをする。それ以上の分につきましては厚生省がそのときどきに管理できまする物資を適宜放出をいたしまして事態に対応する、こういうやり方をしております。併しこれでは十分計画的な災害対策とは申しかねますので、明年度予算でも相当程度物資專ら災害用として備蓄するようにしたいということで、現在財務当局と折衝中でございます。それから輸送機関の問題につきましては、お話のように非常にその必要を痛感しておりますが、まだ十分の手当ができておりません。併しときどき行われます進駐軍からの放出等につきましては、優先的にこれを災害用に向けて貰うというようなことは、大体そのときどきにおいて話がついておりまして、極めて僅かではございますが、各県とも少しずつそういう方面の交通、材料を充実しておるというのが最近の状況でございます。
  9. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 災害費は…………こういつたことが起りますときは人心が不安になるのでございます。殊に昨年でございますか、東京に起りましたあの水害のときに非常にデマが飛びまして、確かな情報を、どこがどうなつているかというような情報を早く出して頂くと民心が安定するのじやなかろうかと思います。私共は正しい情報の速報というものを願いたいと言つたのでございますが、これは災害救助法ではどういう関連があるとお思いでしようか。
  10. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 災害救助法自体は、只今お話がありましたような場合の弘報宣伝について特別規定するという態度はとつておりませんが、災害救助の効果を十分に挙げて参りますためには、お説のように是非とも正しい情報を速かに罹災民に供給するということをしなければならんのでございまして、これは災害救助実施と並行いたしましていつも地方庁で常に意を用いて実施しております。東京の場合に若干の問題がありましたことは、私共非常に遺憾に存じておりますけれども、あの場合は強いて申しますれば多少意識的な働きかけが成る方面からされましたので、そういつたことによつて柳か撹乱されたという傾向があつたのでございますが、今後はそういつたことがないようにいろいろと現在努力をしおてる次第でございます。
  11. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の井上委員の御質問に関連してですが、委員長からも聽きたいのですが、災害救助法物資備蓄ですれ、これは非常に重大な問題だと思う。これは本省が直接に物資を用意して備蓄して持つておるのと、それから都道府県備蓄させるのと、それから今質問にあつたように日赤が持つているのと、備蓄状況はどういうふうになつておりますか。それから今の答弁ではよく分らんのですが、どれだけの救助資料と言いますか、物資備蓄状況がどうなつておるかというはつきりした資料本省にある筈です。なければ困るのですから、それがどういうふうな程度になつておるか、もつと詳細に説明をして貰いたい。それから災害救助法と関連してどういうふうにそれが平素保管なり運営なりされておるか、これは非常に重大な問題ですから……。
  12. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) 私から説明さして頂きますが、備蓄物資のことにつきましては先程局長代理の方からお話がありましたのでございますが、本省で持つておるものと、それから県で持つているものと、日赤で持つているものとの区別はどうかというような委員長の御質問でありますが、実は本省で本来持つのが正当であるというふうな判断の下に、先程も御説明がありましたように、たびたび予算措置その他につきまして努力いたして参つたのでありますが、何分にも財務当局との連絡がうまい工合に参りませんので、本省で直轄して物を持つということにつきましては、今のところ全然やつておりません。つまり厚生省予算で、備蓄物資というふうな予算というものは全然現在のところはございません。その代りに先程申し上げました産業復興公団に大体五万人分の備蓄計画を立てるいうことにいたしまして、これは昨年の秋から始めた仕事でございますが、これを国が直接産業復興公団備蓄しております資材を直ちに災害地に向けるという命令一本で出せるような機構にいたしまして、これは復興公団予算の使い方からいたしまして、大体国の予算を使わずに公団予算内でそういうことが賄えるというふうな見通しの下にこの計画をいたしたわけであります。併し公団存在自体がその後方々から示唆されまして、公団をしてそういうような備蓄物資をやらせるということにつきましては、今後の見通しは困難ではなかろうかという、こういう計画を考えておるわけであります。で、ありまするが故に本省で直接物を備蓄したいということにつきましては、今後とも我々としましては全力を挙げて努力いたしたいと存じております。それから県の備蓄内容につきましては、これは県の方で純県費を以ちまして、災害備蓄物資を購入しておる県は大部分の県がいたしております。御承知のようにイギリスには災害救助基金という募金制度がございまして、これは最低五百万円積立てなければならないというようなことになつておりまして、この基金を活用いたしまして、物を買うということは法律上も認められておりますので、その金で以て物を買う。又それ以外の純県費基金以外の県費を以ちまして物を買う。こういうふうにいたしておるのであります。この点は御承知のような凾館引揚援護局物資を処理するにつきましては、災害備蓄用といたしまして、県の方で県費に都合がついた場合にはこれを放出するというふうな呼びかけをいたしまして、その分から数千万円に互るものを各県に凾館から出した。つい最近のことであります。ただ数量がどの程度各県にあるかということにつきましては、手許にはつきりした資料がございませんので、これはいろいろと調査を進めた上で御報告いたしたい。こういうふうに存じます。それから日本赤十字社備蓄につきましては、これは日本赤十字社がこの災害救助法建前からいたしまして、災害救助事務に協力するというふうな大きな使命を与えられておりますので、日本赤十字社自体といたしましても、或いはアメリカのレッド・クロスを通じて救助備蓄物資というものを若干量本部には備蓄しておるようでございますし、又赤十字募金の方からも年間数百万円の金を災害備蓄用のものとしてこれに充てるというような計画を立てておりまして、これは本年度におきましても、すでに日本赤十字社においては行われておるような状況であります。まあ結論といたしましては、我々の本省で直接備蓄するというふうなプランは、或いは場合によつては、日本赤十字社使命に鑑みまして、日本赤十字社にどのような備蓄を委託するような方法も他方では考えられるというふうなことも事務的に今後解決して行かなければならない問題ではなかろうかというふうに、我々事務当局としては考えておるわけであります。
  13. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつともう一つ聞きますが、そうすると結局物資につきましては、何の準備もないということですか。それでどれだけの物資がどこに準備されているかということも正確に本省は把握していないということになりますと、そうするとこの救助法ですね、第八條に規定しておるこの災害救助対策協議会ではどういう計画が樹立されておるのか。今の現状ではどの程度の全般に亘つて災害救助計画を作られてあるか。ですからそれでもつて根本的な計画が立てられてあつて関係各省なり、関係各官庁はその計画についていつでも実施のできるだけの準備をして置かなければならんことをこの法が命じてある。それに関連して尚足りなければ、我々はこの法案審議したときに問題になつた第十二條の発動を合して、收容もやり、保管も命じ、いろいろ物資の動員もさせることの非常手段も取らせることにしてある。ですからどれだけの計画がしてあるのですか。その計画があれば、物資平素からの準備、その中にはいわゆる備蓄もどの程度してある。ですからいざという時分には指令か本省から出せる、連絡もできるということができてなければならん筈であるが、見ておるところ、今までの程度では結局何にもしてないというように感せられるが、どういうふうですか。その計画とか、そういう点につきましては、どうなつておりますか。実際はないのですか。どうですか。
  14. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 只今お話がありました点は大体こんなふうになつております。災害救助計画の上におきましては、只今説明を申し上げました産業復興公団をして備蓄せしめておるということになつております。五万人分が国の計画においてはいつでも需めに応じて放出できるものとして計画の上には載つておるわけでございます。
  15. 山下義信

    委員長山下義信君) 何ですか品は、何が五万人分ですか。
  16. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) この内容作業者とそれから肌着五万人分でございます。それ以外の分につきましては、そのときどきの情勢に応じて地方から請求があつたら商工省農林省等関係省において急速に物資を調達して需めに応じて行く。こういうふうなやり方についての規定中央計画の上に載せておる。こういうようなことになつております。
  17. 山下義信

    委員長山下義信君) そうすると、今までは終戰後にいろいろあなたの方の援護物資と言いますか、何と言いますか、名称は分りませんが、物資があつて、いろいろ災害のときに急に本省から送られたようなことがたびたびありましたが、今ああいうものはありませんか。まだ若干ああいうふうに、そら薬とか、そら毛布とか、そらローソクだというようなふうに、緊急ああいつたような物資手持のものが、いざ災害時分には送り出すものがありますか、どういうふうになつておりますか。それは施設課で持つておりますか。もうありませんか。
  18. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) ローソクだとか、そういうふうなものにつきましては現在のところ、全然私の方では持つてございませんので、これはまあ從来の災害の経過を各県からいろいろ措置につきまして報告を得ましたのをずつと我々の方で統轄いたしておるわけでございますが、大体現地において出廻りが非常にスムースになりまして、全部現地で賄えるというような状態になつておるわけでございます。それ以外の被服の方につきましては、これは現在では佐世保、それから舞鶴に引揚援護物資手持に持つておりまして、非常災害のあつた場合には、この物資を活用する途は、財務当局との連絡さえつけば可能であるというふうなことにはなつておるわけでございます。
  19. 堂森芳夫

    堂森芳夫君 私はこの福井県の震災当時丁度震測地におりましたが、そうして約半年くらい震災のいろいろな仕事をやつて見たのですが、当時一番感じたことは、丁度御承知のように中心地坂井郡になつて福井市が殆んど燒け、それから橋が全部落ちた。坂井郡というのは大郡ですが、福井市を通じて坂井郡に入る、その橋が全部落ちたわけですね。ところが私地震になると同時に坂井灘中をずつと廻つて見た。その晩から第一に避難民が求めることは医療なんです、医者にかかるということなんです。私が廻つたときにはまだ潰れた家の柱の下に挾まれてわめいておる、それから手を片方挾まれて泣いておるという患者が充満しておりました。そこでその翌日直すぐに県庁へ行つて、早く何とかしなければいかんじやないかという話をしたときに、災害救助法では橋を架けるということは御承知のようにできないのです。僕はぞのときに思つたのです。京阪地方から救護物資がどんどん入るのですが、全部橋が落ちておるのでどうにもならない。福井市の重要な病院も全部燒けてしまつたのです。日赤は燒けなかつたのですが。それから中心地が燒けたから薬も全部燒けた。それから坂井の町は全部燒けております。田舎は燒けないので薬屋が集中しておる。町は全部燒けておる。こういうわけです。薬は福井方面まで来ても震源地へは橋がないから来ないのです。そのとき県民が皆思つたことは、如何にそういうものが来ましても救助法じや仮橋を作ることができないのです。実際そんな予算がないから幾らこれをいろいろ躍起となつて橋を作れと言つても県はどうにもならない。橋を作る、そういう金はないのです。仮橋ができたのは一月後です。そういうわけで、一月間というものは川を裸で渡るか、或いは渡舟で渡る、渡舟は一回百円取るのです、小さいもので。そういうわけで殆んど半月ぐらいは医療品が入らない。こういうわけで災害救助法というものは、本当のああいう大きな災害になると役立たんというふうに私は感じたのです。ですから仮橋ぐらいは……。仮橋なんかを作るということすらできないというふうなことを私共は当時感じたのですが、そういう意味災害救助法で橋を作ることは別ですけれども、併し橋を作らんことには救助ができないのですから、そういうことができないかどうか。
  20. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 只今お話にありましたような事実があの当時たしかにあつたわけでございますが、ただ必ずしもすべての場合について橋が架けられなかつたり、或いは道路が開けなかつたりという程でもなかつたのでありまして、ただ法律建前からいうと、本格的に道路を作るとか、或いは橋を架けるということは応急救助範囲を逸脱するということでできないことになつておりますが、只今お話がありましたように、医療の目的を達するため或いは当座に必要な食糧運搬をするため、どうしても倒壊しておる家を切り開いて道を作らなければならんとか、或いは仮橋を作らなければならんという程度の場合は、災害救助法にいう応急救助範囲に入ると、こういう解釈をいたしまして実はあの当時やつたことはやつたわけなんでございます。ただそれにしても非常に小規模であり、部分的でござましたから、只今お話がありましたような事実が各所に出たわけでございますが、外にどうしても方法がないという場合には災害救助法でも若干道路を作つたり、それから仮橋を架けたりという程度のことはできるものだと、こういうふうに現在でも私共考えておりまするし、又過去においてもそれはやつて来たわけなんでございます。
  21. 中山壽彦

    中山壽彦君 この災害救助法審議のときにもいろいろお尋ねをしたのでありますが、災害救助というものは赤十字本社中核となつて、各関係団体と協力して救助の万全を期する、こういう建前になつておりまして、赤十字社使命というものが非常に私は大きいのではないかと思う。その後数次の災害に当りまして本社の方に私が行つていろいろ責任者に尋ねてみますというと、赤十字社施設というものが非常に貧弱である。例えば、輸送自動車もなければ、輸送飛行機もない、どうも救助法條文にあるような救助赤十字社中核となつて執行できないのだという、こういうことを責任者から直接私共は聞いておりますが、こういうことは、ただ救助法案一つの案文に終つておる、こういうふうにも極端に解せられるのでありますから、今後そういう面については、当局において十二分に充実をされるように私はこの機会に強く要望して置きたいのであります。
  22. 山下義信

    委員長山下義信君) 何か答弁しますか、政府は……。関連して、この前に救助法言法案が成立いたしますときに、大体の今、中山委員が指摘したように、日赤の、殊に組織民主化徹底的改進といいますか、ということが附帶決議として要望してありますが、そういうこともできましたかどうか。そういうことも関連して御答弁願います。
  23. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 最初中山委員の御発言誠に御尤もなことでございまして、事実の状態も大体おつしやつたものとそう遠からん現状でありますことを私共大変遺憾に存じております。ただ整わないことも共同募金から一部分け与えられるようになりましたから、特に又今年度からは独立して日赤募金をいたしておりますが、こういつたような募金が軌道に乘つて参りましてからは、そのうちの一部を計画的に、こういう場合の資材整備に当てるということを日赤計画的に始めておりますので、お話のように、飛行機を用意するというところまではなかなか参りかねるとは思いますけれども、急救自動車、或い救護班員派遣のための諸資材の充足というようなことが、かつかつながらも一通りできるというような状態にありますのは、そう遠くないと思つております。この点は、尚今後、私共も努力をいたしまして、一日も早く充実するように努力いたします。  それからあと委員長がおつしやいました組織民主化の問題につきましては、形の上で、特に、これといつてめぼしい動きは今のところ現わしておりませんが、何んと申しますか、組織全体として運営方法なり、考え方が逐次民主化されて来ておる、なかんずく從来日赤について非常に官僚化が言われておりましたのは、本部組織よりも、むしろ地方組織でございまして、いわば地方組織は依然として、官吏の人達は恰かも隠退所のような恰好で参事以下の職務に入り込んでしまつている。そうしてそこでは知事支部長であり、総務部長乃至或いは民生部長が副支部長であるという、こういうような組織で非常に官僚化しておる傾向が強いということが言われておつはたわけでありますが、この点、最近は非常に微弱ではありますけれども、逐次民主化するという動きを示して来ております。特に今年の初めから厚生省厚生行政における六大目標になつております事項の一つには、この種、全国的組織を持ちまする団体民主化ということが要求されておりますので、これに即応した組織編成替えということも逐次行われるという運びになつて参ろうかと思つておりますので、形の上に民主化ということが現われて参りますのもそう遠くないのじやなかろうかと、こんなふうに観測をしておる次第でございます。
  24. 山下義信

    委員長山下義信君) 日本赤十字社法という單独法を作るとかいうような一部の噂さがありますが、政府の方で何かそういうことを研究しておることがありますか。
  25. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 只今お話のありました日本赤十字社法につきましては、一応事務的な研究をいたしたことはございますが、ただ実施の順序といたしましては先ず社会事業全体についての基本的組織整備するという意味での社会事業基本法を取りまとめ、それが一通りまとまつた後にこの種のことを考えたいというようなことで、今のところそういつた希望を持つているという程度で、余り具体的な準備に取掛つておりません。
  26. 中山壽彦

    中山壽彦君 この救助につきましては災害直後の救助というものも非常に必要でありますが、又例えば国の救済のごとき医療に当つておりまする医師或いは歯科医師の診療というものは、殆んど全滅して何ら医療をできないというような立場になることがあるのですが、当時現地から該当者が見えてこの融資について非常に協力されておりましたが、なかなか埓が明かない。結局私共のところへも来られまして、約半年余の長い時日を経過いたしまして、漸く二十三年度の末に二千万円、二十四年度の初めに二千万円、合計四千万円の融資を受けました。当時私は大蔵省にも行き、地方災害事務所へも行きまして広く要望をして、漸く八ケ月の時日を経過してこの融資が僅かながらできた。当時関係方面にも私はいろんな事情を訴え、関係方面の人も現地を視察して融資の必要を非常に唱えておられた。その災害直後の興奮からいつて、当然そういう融資は政府がしなければならないじやないか。こういう解釈関係方面では持つておられ、私もそのことを言われたのでありますが、これは社会局としては今後こういうような不時の災害のありました場合に、只今申しましたような事例に基いて融資をできるだけ迅速に協力するというような態度をお持ちになるのかどうか。これは大蔵省の関係もありまするが、社会局自身がそういう強いお考えを持つておかんというと、災害を受けた者が非常に困難するということを私共各方面から聞いております。この機会に一応お尋ねをして置きたい。
  27. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 只今お話、全く御尤もでございまして、あの当時、この問題のみが捗々しい解決を示さず非常に関係の社会局医務局として腐心した問題の一つでございます。その後一ノ関の水害におきましても、ほぼ同様の問題が起つて参りまして、非常に解決に悩んだ問題でありまして、私共としてはでき得るならば災害救助法規定した当然の事項であるという解釈がとりたいということで、いろいろ技術的に研究して見たわけなんでありますが、どうも法律解釈としてそういうことを主張することは成立たないということだけは、どうもいろいろ議論しました結果はつきりして参りまして、関係方面も結局そういうふうに解釈せざるを得ない。ただ英文で読む限りにおいてはどうも入りそうな気がするというようなことで、あのとき一応幕が閉じたわけでございますが、何とか大災害の場合には今おつしやいましたようなことが円滑に行くようにしなければならん。これは災害救助に当つておりまする社会局としても常に考えておることでございます。
  28. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつと先程赤十字お話が出ましたのでちよつとお尋ねしたいのでございますが、赤十字も今度は地方税の改正でなかなか税金の問題が大きな問題になつておるのでありますが、その赤十字組織の改革に当りまして、政府はこの赤十字を、日本放送協会だとか、專売公社のような、ああいうような性格をお持たせになるようなことはございませんか。お聞きしたいと思います。
  29. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 赤十字は何と申しましても国際的な規模において考えられておりまする非常に大きな組織でありまするので、当局側といたしましては赤十字社に対しては問題を与えるということはいたしますけれども、中の仕組について特にかれこれということを申すことは現在のところでは、差控えたいし、又すべきではなかろうと、こういうふうな考えでいるわけであります。
  30. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと先程中山委員の御質疑に関連して念を押して置きますがね、災害救助と関連していわゆる罹災者の融資ということが常に密着して起るのでありますが、その災害救助仕事の限界と罹災者の起ち上るためのいろいろなバラツクで何するとか、今は医療機関関係者の関連しての融資の問題が出たのでありますが、それらの点はこれは災害救助法範囲じやないのだから大蔵省へ行けというようなことにしますのですか。その間は罹災者の起ち上るための救助の広義的にいわば広い範囲に属する一つとしてあなたの方で何らかの連絡を持つてそういうところまで心配しますか。それらの分界点はどういうような取扱方針で行こうというような考えなんですか、これを一つはつきりして置かれた方がいいのじやないか。我々の考えでは罹災者が起ち上るために直ちに必要なバラツクでどうするとか、こうするというようなマーケツトを作る、屋台店でも作るというようなときは成るべくこの災害救助法範囲内で取入れて行く。実際大火災とか、大水害あと直ぐそこで取敢えず住居などは起ち上るために応急的必要なものでありますから殆んど救助的な意味の方が重いのでできるだけこの災害救助法も適用が彈力を持つて行くのがよいのじやないかと思うのでありますが、その点当局はどうですか。努力する考えはありますか、その方針を聞いて置きたいと思います。
  31. 小山進次郎

    説明員小山進次郎君) 只今の問題についての希望は、只今委員長がおつしやいました通り当局側としても考えおるわけでありますが、いろいろ関係の機関と論議いたしました結果、災害救助法の二十三條第一項の第五号に「生業に必要な資金、器具又は資料の給与又は貸与」というものの範囲をそこまで読むことはちよつとこの法律全体の建前から見て読み過ぎであろうというようなことで、一応法律解釈としては落ち着きました結果只今言われましたようなところまでは延ばすことはできない、從つてこの五号に言います範囲で非常に狭められてしまいます。例えば大工が災害にかかつて鑿、鉋がなくなつてまつた場合に鑿、鉋を取敢えず応急に与えるため金を出すとか、或いは農家が種苗をなくしてしまつた場合に取敢えず種苗を補給するというような極めて限られたものしかこの範囲では読めないというようなことになつたわけでございます。從つて希望としては委員長が申されたと同じ希望を持つておるのでありますが、先程来問題になりました事項までは災害救助法にいわゆる応急救助としてはできない。併し応急救助法に引継ぐものとして事実上は厚生省当局としてはこの仕事が円滑に行くようにいわば事実上のお手伝をしなければならないというような考えを以ちまして、地方側から要求があります都度、一緒に通れ立ちまして大蔵省その他関係の先に行つて、それがうまく行くように頼んでやつておるというようなやり方を現在しておるわけであります。
  32. 山下義信

    委員長山下義信君) これは私から一つ伺いますが、今回の改正は、標準税率で以てその年度の收入見込額の百分の一を超過するときは、ということに替えられるのでありますが、どういうわけで百分の一というものを出して来ましたか、その根拠を一つ聽かせて貰いたい。
  33. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) 今までの三收益税の百分の五に替る普通税の当該年度の收入見込額の百分の一ということに替えました根拠につきましては、第一点としましては無論これは税制改正によりまして、三收益税という今までの地租、家屋税、事業税というものが課税主体が全然変つて参ります。地租、家屋税は固定資産税ということで市町村へ参りますし、それから事業税というのは附加価値税という恰好になつて参りますので、三收益税というものが変つて来ざるを得ない。そういうふうに変つて来るものとしまして、結局都道府県の税收入としまして適当なものは、地方財政委員会の方とも連絡しました結果、普通税の收入見込算定額というものが、結局平衡交附金の算定の基礎にもなつて参りますので、これを採用したわけでございます。それと同時に今までの三收益税の百分の五といいますのが、実は法律制定当初におきましては、三收益税の標準賦課率で、算定いたしました合計額の百分の五といいますのは非常に額が少くなかつたわけでございまして、それがために或る程度の大規模の災害があれは当然都道府県は国庫補助が貰えるということになつておつたんでありますが、その後三收益税の標準賦課率の倍率が異常な増加を示して来たわけでございます。建つて標準賦課率が上つて参りますが、而も片一方におきましては課税内容につきましても一例を挙げますると、当初は営業税ということになつておりましたのが、今の事業税に変つたと同時に、これが第一種第二種といふううに分かれまして、山林所得或いは農業所得にまで事業税がかかるということになつて参りまして、非常に三收益税が異常な倍率を示して来た。これが法制定当初に比べますと、二十四年度におきましてつまり昨年度におきましては、五十数倍の増加率を示しておる。ところが一方におきまして災害に要しまする、つまり応急救助に要する費用、炊き出しをやつたり、避難所を作つたりするような費用内容につきましては、これは大蔵当局連絡いたしまして、大体厚生省の方で一つの限度というものを決めておるわけでございますが、これにつきまして、数次の改訂をやりまして、勿論物価騰貴その他を勘案したわけでございますが、これが法制定当初に比べますと、僅か三倍程度の値上のしかないということになりますと、結局現状におきましては、片一方で三收益税の合計額というものが非常な倍率を示しておると同時に、実際応急救助に要する費用というものは、僅かな倍率しか示しておらない。結論におきまして余程大きな災害でない限りは応急救助に要する費用につきましての国庫補助というものはででないのだ、こういうことになりましたので、その不合理な点を何とか是正するというのが、この度の改正の主眼点になつているわけでございます。ただその場合に考慮しなければならない要素といたしまして、このような点が考えられると思います。三收益税が増加して来たということにつきましては、一方におきましてはこれは、法制定当初のつまり昭和二十二年度当初の項に比べますると、県の財政は或る程度豊かになつて来ておる。つまり財政負担能力というものは、法制定当初に比べると、相当やはり充実して参つたと、こういうふうな観点も一方からは言えるわけでございます。これは我々の方で計数を弾いて参りますと、物価騰貴とますのは昭和二十一年度頃から比べますと、約十二倍程度に物価は騰貴しておつた。併し三收益税の倍率は五十数倍ということになりますと、どう見ましてもやはりこれは一応県の財政能力というものが充実して来たという結論にならざるを得ない。そういうことを考えまして結論といたしまして、三收益税の増加率とそれから物価の騰貴率、それから県の財政の負担能力の増大、こういつた三つの要素を主なる算定の基礎にいたしまして総合的に考えました結果、百分の一という数字を出したわけでございます。結局百分の一ということになりますると、現状において非常に不備な点が改正されました。そのいい例としまして、今年度におきまして大きな災害に数えられます熱海の火事或いは秋田県の鷹巣の火事、こういつたものが、この率を百分の一というふうにされることによりまして国庫補助の対象になるというような結論が出て参つたのであります。現状のままで放つて置くということになりますと、熱海の火事の場合あの三倍程度の火事にならなければ国庫補助ができない、鷹巣の場合も同じことになります。その点を一応睨み合せまして百分の一あたりが丁度妥当なところではなかろうかということで、大蔵当局と意見が一致したわけであります。
  34. 山下義信

    委員長山下義信君) この説明は分りますが、そうするとこの標準税率の收入見込の百分の一というふうに一応基準が出たのは、法制定当時の三收益税の百分の五程度の補助をやろうというのですか、或いはそれよりかもつと補助の基準を低めて全国の災害に国として相当補助を出そうというお考えで百分の一と決めたのですか、その辺の考えはどうなのですか。法制定当時の線を維持するためには、今の標準税率の百分の一が丁度それに匹敵するという考えですか。或いはそれより下げて行こうという考えでおるかどうか。それからいま一つは、百分の一ということの考え方は今回の地方税の改正を考えて百分の一と考えたのですか、その点、具体的に例えば熱海の災害について、この法が成立すれば熱海の災害に遡及して適用しようというのでしよう。そうすると熱海の災害という具体的な例で取れば、法制定当時の三收益税の百分の五にすれば、熱海の災害はどう引掛つて来るのか。それと簡單に比べて見て今回の百分の一というのは一体災害救助の補助を法制定当時よりもつと出しよくなつておるのか、まだまだそれより窮屈になるのか、その比較ですね。その辺はどういうふうなことになりましようか。
  35. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) 先程申上げました法制定当時と比べて考えたいということにつきまして、若干補足して説朗いたしますと、法制定当時は昭和二十二年度でございますので、前年度の合計額を一応参考にするということから、昭和二十一年度の三收益税の合計額を参考にするということになります。併し昭和二十一年度と申しますと、終戰直後のときでありまして、地方としては疲労困憊に達しておりましたときでありまするので、三收益税の合計額というものをそのまま現状に当嵌めて考えるということは余り妥当ではないのではないかという意見もありまして、結論といたしまして、明和二十二年度の三收益税の合計額を採用した方がよろしいというようなことになりまして、結局百分の一の算定の基礎になりましたのは、昭和二十二年度の三收益税の合計額と昭和二十四年度の三收益税の合計額の倍率を考えまして、それに先程申上げました物価騰貴或いは財政負担の能力といつたものを考えまして、百分の一としたわけであります。從つて昭和二十二年度災害につきましては、これは二十一年度の三收益税額が対象になりまするので、二十二年度災害に比べますと、現在の改正は補助率におきましては若干低くならざるを得ないと思います。併し二十三年度以降のものにつきましては、相当いいということが言えるわけでございます。
  36. 山下義信

    委員長山下義信君) 二十二年度の三收益税の方は資料の中はありましたか。
  37. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) あります。これは資料の四十五頁のところに、各歩度別の三收益税の合計額が出てございます。それで東京都の例を一応取上げて申しますと、三收益税額の百分の五と申しますのが東京におきましては、昭和二十一年度は五百二十八万円でございます。それから二十二年度は三千九百六十六万円、二十四年度になりますと、四億犬千七百七十七万円、こういうようなことになりまして、これは例えば昨年度キテイ台風東京都の災害あたりは、東京都は一億三千万円程度費いましたのでございますが、三收益税の百分の玉が四億六千万円でございますので、補助はでない。ところが今度の改正はその前に出ておりまするが、四十三頁でございます。普通税收入見込額の百分の一の、東京都の例を御覧願つて頂きたいと思いますが、一億三千九百五十七万ということになつております。從いまして、三收益税の百分の五という現行の場合だと四億六千万円であるのが、一億二千九百五十七万円くらい、大体一億四千万円になりますので、三分の一程度災害で当然補助が出る、こういう考え方になつておるわけであります。
  38. 山下義信

    委員長山下義信君) それと今の地方税のこと……。
  39. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) それから地方税の改定をどういうふうに考えるかという御質問でございますが、この点は地方税の改正によりまする今度の普通税の收入見込額というのを大体地方自治庁の方と連絡をいたしまして、総額七百四億、つまり七百億程度都道府県地方税收入見込額を財務当局の方では算定をいたしておりますので、その今年度地方税見込額が結局平衡交付金法の算定の基礎にこの金額を使われておりますので、その金額をそのまま使いまして、それで以て各県の大体二十五年度の收入見込額を算定をして見たわけでございます。だから結局三收益税の合計額は二十四年度におきましては四百数十億に大体なるわけでございますが、それに比べますと、地方税の收入見込額といいますのは七百億程度でございますので、一・〇五倍程度の收入見込は、余分にはなつて来ておるわけでございます。だから実際的には今までの三收益税の百分の五といいますのが、三收益税をそのまま二十五年度若し仮に取るといたしますれば、これが百分の一・五ぐらいのところになる。それが普通税の收入見込額をとりましたので、百分の一になつた、こういうことになるのでございます。
  40. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の説明を聞くと、一応税法の改正に伴うての改正は当然のことですが、この補助の補助率を出して行く基準の、前で言えば百分の一、百分の五の改正では、この補助をうんと出してやろうという考え方は余りない。これは二百分の一にするとか、百五十分の一にするというふうに、もつと補助を出してやるという根本的なそういう考え方は、別にまあこれに含まれていないのですね。予算関係ですか何か救助するということに対しての補助を出すことについて、本省に確たる方針か何か持つておりますか。
  41. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) この法律改正をやるにつきまして、いろいろとまあ事務当局として苦労いたしましたことなんでございますが、どこまでも現行法の線のままで、改正をやらなければならん。それが現行法のままというふうに申上げますのは、地方税法と関連をさして現行法のままで、法律の手直しをする、それがために三十六條だけの地方税に関連の法律條文改正いたしたわけでございまして、大蔵当局としては当然税内容の改定を考えればよいということで、補助率の点は現状のままに据置きたいというふうな強い気持があつたのでございますが、それが現行制度が非常に不合理になつておるという点で、もう少しこれを法律の十分な適用があり得るような合理的なものに改めたいというふうな点がそれに加味されまして、こういうふうな改正をいたしたわけでございますので、即ち以上の現状よりも更に数段の進歩した国庫補助の改定をやるという点は事実上におきまして、なかなか困難であるので、こういうことになつたわけでございます。
  42. 山下義信

    委員長山下義信君) 各都道府県の財政の不均衡に対しては、こういうふうに考えるのでございますか、もう貧弱な県であろうと、富裕な県であろうと標準税率の收入見込の百分の一は、一律平等に貧弱な県が大火災をしても、富裕な県が大火傷しても補助は同じようにやるということですか、もつと平衡交付金の考え方のように、貧弱な県が災害したときにやる補助というものに対しては、何か幅のあるような考え方がないのですか、これはどうなりますか。
  43. 熊崎正夫

    説明員熊崎正夫君) この点につきましては、地方財政委員会の方では、一応平衡交付金法によりまして、特別交付金で災害を受けた県については、別途考慮をするということを申しておりますので、即ち災害にかかつた場合の応急救急助につきましては、この法律によりまして、国庫補助が貰えますと同時に、片一方におきまして、災害によりまたいろいろな支出の増大につきましては、別途特別交付金の方で考慮をされる、こういうことになつて参ろうかと思います。
  44. 山下義信

    委員長山下義信君) 本日は第一回でございますから、各委員の方々も、お調べを願わなければなりませんのでこの程度にいたして置きたいと存じます。明日は続きまして、本案の審議を御続行願いたいと思います。それでは本日はこれを以て散会いたします。    午前十一時四十九分散会  出席者は左の通り    委員長     山下 義信君    理事            小杉 繁安君            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            大谷 瑩潤君            中山 壽彦君            河崎 ナツ君            堂森 芳夫君            藤原 道子君            深川タマヱ君            松原 一彦君   説明員    厚生省社会局長    代理      小山進次郎君    厚生省社会局施    設課長     熊崎 正夫君