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説明員(
熊崎正夫君) 今までの三收益税の百分の五に替る普通税の当該
年度の收入見込額の百分の一ということに替えました根拠につきましては、第一点としましては無論これは税制
改正によりまして、三收益税という今までの地租、家屋税、事業税というものが課税主体が全然変
つて参ります。地租、家屋税は固定資産税ということで市町村へ参りますし、それから事業税というのは附加価値税という恰好にな
つて参りますので、三收益税というものが変
つて来ざるを得ない。そういうふうに変
つて来るものとしまして、結局
都道府県の税收入としまして適当なものは、
地方財政
委員会の方とも
連絡しました結果、普通税の收入見込算定額というものが、結局平衡交附金の算定の基礎にもな
つて参りますので、これを採用したわけでございます。それと同時に今までの三收益税の百分の五といいますのが、実は
法律制定当初におきましては、三收益税の標準賦課率で、算定いたしました合計額の百分の五といいますのは非常に額が少くなかつたわけでございまして、それがために或る
程度の大規模の
災害があれは当然
都道府県は国庫補助が貰えるということにな
つておつたんでありますが、その後三收益税の標準賦課率の倍率が異常な増加を示して来たわけでございます。建
つて標準賦課率が上
つて参りますが、而も片一方におきましては課税
内容につきましても一例を挙げますると、当初は営業税ということにな
つておりましたのが、今の事業税に変つたと同時に、これが第一種第二種といふううに分かれまして、山林所得或いは農業所得にまで事業税がかかるということにな
つて参りまして、非常に三收益税が異常な倍率を示して来た。これが法制定当初に比べますと、二十四
年度におきましてつまり昨
年度におきましては、五十数倍の増加率を示しておる。ところが一方におきまして
災害に要しまする、つまり
応急救助に要する
費用、炊き出しをやつたり、避難所を作つたりするような
費用の
内容につきましては、これは大蔵
当局と
連絡いたしまして、大体
厚生省の方で
一つの限度というものを決めておるわけでございますが、これにつきまして、数次の改訂をやりまして、勿論物価騰貴その他を勘案したわけでございますが、これが法制定当初に比べますと、僅か三倍
程度の値上のしかないということになりますと、結局
現状におきましては、片一方で三收益税の合計額というものが非常な倍率を示しておると同時に、実際
応急救助に要する
費用というものは、僅かな倍率しか示しておらない。結論におきまして余程大きな
災害でない限りは
応急救助に要する
費用につきましての国庫補助というものはででないのだ、こういうことになりましたので、その不合理な点を何とか是正するというのが、この度の
改正の主眼点にな
つているわけでございます。ただその場合に考慮しなければならない要素といたしまして、このような点が考えられると思います。三收益税が増加して来たということにつきましては、一方におきましてはこれは、法制定当初のつまり昭和二十二
年度当初の項に比べますると、県の財政は或る
程度豊かにな
つて来ておる。つまり財政
負担能力というものは、法制定当初に比べると、相当やはり充実して参つたと、こういうふうな観点も一方からは言えるわけでございます。これは我々の方で計数を弾いて参りますと、物価騰貴とますのは昭和二十一
年度頃から比べますと、約十二倍
程度に物価は騰貴しておつた。併し三收益税の倍率は五十数倍ということになりますと、どう見ましてもやはりこれは一応県の財政能力というものが充実して来たという結論にならざるを得ない。そういうことを考えまして結論といたしまして、三收益税の増加率とそれから物価の騰貴率、それから県の財政の
負担能力の増大、こういつた三つの要素を主なる算定の基礎にいたしまして総合的に考えました結果、百分の一という数字を出したわけでございます。結局百分の一ということになりますると、
現状において非常に不備な点が
改正されました。そのいい例としまして、今
年度におきまして大きな
災害に数えられます熱海の火事或いは秋田県の鷹巣の火事、こういつたものが、この率を百分の一というふうにされることによりまして国庫補助の対象になるというような結論が出て参
つたのであります。
現状のままで放
つて置くということになりますと、熱海の火事の場合あの三倍
程度の火事にならなければ国庫補助ができない、鷹巣の場合も同じことになります。その点を一応睨み合せまして百分の一あたりが丁度妥当なところではなかろうかということで、大蔵
当局と意見が一致したわけであります。