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1950-10-04 第8回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月四日(水曜日)    午前十時二十三分開会   —————————————   本日の会議に付した事件社会保障制度に関する調査の件  (厚生省関係予算に関する件)  (小学校の給食の中毒事件に関する  件)   —————————————
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これより厚生委員会を開会いたします。  本日は昨日に引続きまして厚生省質疑いたしますが、公衆衞当局に対する御質疑からお始め願いまして順次医務局保険局、こういう順序で参りたいと思います。十一時には文部大臣が出席する約束になつておりますから御了承を願います。尚厚生大臣は公務のため本日は出席ができませんので、これ又御了承を願います。
  3. 中山壽彦

    中山壽彦君 明年度予算を見ますというと、保健所の数も増し、又Aクラスに、或いはCからBに上る保健所も相当あるようでありますが、この保健所の機能というものはどうしても人を得ないというといかんじやなかろうか。で近来保健所の使命というものが非常に重大化している際でありますから、その保健所増設、殊にその仕事をいたしまする人に適当な人を得るようなことを至急にやらなければならん。こういう点に関して当局から一つ考えを承わつて置きたいと思います。
  4. 藤森眞治

    藤森眞治君 ちよつと速記を止めて下さい。
  5. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止
  6. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。  それでは只今藤森委員の御意見、並びに中山委員も御賛成でございましたので、公衆衞生局関係予算につきまして、当該の政府当局からもつと詳しい説明を聞くことにいたします。
  7. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 昭和二十六年度予算につきまして、特に結核の問一題について申上げたいと思います。結核予算は御案内のように、必ずしも公衆衞生局所管だけに限られておりませんでして、或いは医務局、或いは保険局等にまたがつております。総括的に申上げますというと、明年度総額は八十三億でございまして、およそ本年度に比べまして二十一億くらいの増加に相成つております。その主なるものを申上げますというと、結核療養所増設と、それから患者に対する医療費の一部負担ということが主なる増加の理由であります。特に先ず公衆衞生局関係の細部について申上げますと、B・C・Gの効果反応調査をやつておりますが、これはほぼ従来通りでございますが、健康診断費と重なる部分が若干の減少を示しております。それから結核予防研究委託費でございますが、これは前年度千五百万円でございましたが、本年度は千万円と相成つております。これは御案内のように結核予防会に対して委託する経費でございます。その代りに結核予防会につきましては特に結核技術者、医師、保健婦エツクス技師者等結核関係者養成訓練を新たに委託することによりまして、これが経費が二千百万円でございます。その外一般に広く技術者訓練をいたしたいと存じまして、別の予算を以ちまして地区別に、いわゆるブロツク別と称しておりますが、地区別一種講習会、或いは又府県別一種講習会を行う。こういう一種講習会経費の総計三百三十万円が認められております。次に健康診断経費が一億五千万円認められたのでございます。これは大体定期の健康診断といたしまして学生生徒工場事業場勤労者、或いは結核の多い都市、住民につきまして二千三百万人を対象といたして認められたのでございます。それのおよそ三割に対して国庫が三分の一を補助するという予算でございます。その外患者家族でございますとか、或いは地方に対して都市から病を得て帰郷して来た者、或いは特殊な状態の者三百四十万人に対して健康診断費が認められておるのでございます。その他若干少数ではございますが、健康診断を円滑ならしめるために各府県にレントゲンの自動車を設備する必要経費が認められております。それが合計一億五千万円でございます。  次に予防接種費について申上げますと、予防接種費につきまして満三十歳に至るまで、並びに健康診断対象である三十歳以上でも工場事業場等に勤務する者につきましての経費が認められたのでありますが、これは健康診断費と同様にその三割に対しまして、三分の一の国庫負担という経費でございましてれおよそ四千六百万円でございます。次に訪問指導費について申上げますが、結核患者が届け出られますと、保健所から保健婦訪問いたすのでございますが、従来これが旅費或いは訪問に際して家族等に、或いは本A等にいろいろな指導書をやる経費がなかつたのでありますが、明年度はこれが二千八百万円ほど認められまして、三分の一補助保健所自体がこれを処理する。又旅費を使うということになると思います。その次に予防措置費というものがございますが、これは入院したあととか、或いは死亡したあとの家屋の物件等消毒に際しまして、貧困者について消毒をしてやろうという経費が七百二十万円ほど認められております。その次に医療費について申上げます。医療費につきましては、一般結核患者の中特にストレプトマイシンを必要とする者、特にパスを必要とする者、或いは人工気胸を必要とする者、或いは外科手術を必要とする者、これらの治療費に対しまして国庫が四分の一を負担する尚府県に四分の一を負担せしめて本人は二分の一を負担すればいいということになりまして、その合計八億六千万円でございます。その他これに対する諸般の事務費、或いそうした患者選定に当る選定委員会等経費のための経費を合せまして、九億三千七百万円が認められております。この九億三千七百万円の中には命令によりまして就業を禁止された者、或いは命令によつて入院した者等がこうした国庫負担医療費以外の一般医療費について負担できない場合には全額まで負担してやるという経費が含まれております。その額およそ一億であります。
  8. 松原一彦

    松原一彦君 中に含まれておるのですか。
  9. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) そうです。大体以上が医療費負担でございます。その次に結核療養所建設費について申上げますが、国立の問題はさておきまして、先ず新らしく明年度からは府県でありますとか、市町村でありますとかいう公立結核療養所病床に対しまして助成を行なつて増加を図りたいという考え方でありますが、この公立につきましては、合計九千床その他伝染病等空床を転用すべき経費二千床合せて一万一千床の増加、これが八億四千五百万円であります。その他公益法人立結核療養所につきましても病床増加して国庫補助を得るという考え方でございますが、これに対しまして、千八百床を見込んでおりまして経費一億千万円でございます。これらの経費を合せて九億五千五百万円でございます。この機会に私共の所管ではございませんが、他局所管になりますが、建設面について申上げますというと、国立療養所におきましては千五百床の増床で一億七千三百万円、尚健康保険組合、これは政府管掌の場合も或いは組合管掌の場合もあるのでございますが、これらの健康保険組合に対しましてやはり助成を行なつて結核病床増加するという経費が認められておりまして、七千床に対しまして三億六千八百万円でございます。尚これら公立法人療養所に対しましては設備改善であるとか、或いは特に入院料金の未拂者、或いは減免者に対する赤字についても補助をいたしたいという考え方で、これが五千万円程度認められております。  以上が大体公衆衞関係経費でございますが、その外薬務局関係経費といたしまして、ストレプトマイシン買上費九億円、国立療養所経営経費五十億円というようなのが計上されております。合計八十三億というようなことに相成つております。前年度の五十二億に比べまして大体三十一億ほどの増加に相成つております。
  10. 藤森眞治

    藤森眞治君 国立療養所では何床殖えるのですか。
  11. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 千五百でございます。
  12. 山下義信

    委員長山下義信君) 国立療養所というのは国立病院を含めての意味ですか。
  13. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 大体療養所のほうではむしろ国立病院のほうから転換がございますような状況でございます。
  14. 山下義信

    委員長山下義信君) それではその次の説明をして貰いましよう。
  15. 山口正義

    説明員山口正義君) 保健所関係予算の御説明を申上げたいと存じます。昨日保健所につきましては会計課長から御説明申上げましたので或いは重複する点があるかと存じますが、その点お許し願いたいと存じます。  保健所施設整備でございますが、これは二十五年度は御承知のように、Aクラスが百五十ヶ所、Cクラスが五百五十四ヶ所ございます。合計七百四ヶ所ございますが、二十六年度におきましてはAクラスが三十ヶ所殖えまして百八十ヶ所であります。それから今までございませんでしたBクラス、つまりAクラスCクラスの中間に位しますものを六十ヶ所作ることになりました。それからCクラスが四百八十四ヶ所、合計七百二十四ヶ所、総数におきまして二十ヶ所増加することになります。その増加いたします二十ヶ所の内訳は、Bクラス九ヶ所、それからCクラスが十一ヶ所、そういうふうな数になります。施設設備の建築並びにその諸設備に要します経費が二億二千六百万円という数字になるのでございます。保健所整備につきましては只今申上げましたように、この建物或いはその内部設備整備を図りますと同時に、先ほど沖山議員からも御指摘がございましたように、中に働く職員資質向上ということを図ることが目下の急務と考えられます。それには職員講習その外の手段によつて資質向上さして行きたいと従来鋭意努力して参つてつたのでございますが、特に今まで問題にされましたのは職員特に医療関係者待遇という問題がしばしば問題になりました。私共といたしましても何とかして保健所職員待遇改善ということを図りたいと努力して参つたのでございまして、漸く来年度からは研究費という名目の下にAクラスにつききまして、は二十万円、Bクラスが十五万円、Cクラスでは十万円という額が認められまして、これを研究費という名前の下に職員にその研究費を出しまして、特別な一定のテーマを以てそれを研究して貰いながら仕事をやつてつて貰うというふうに持つて行くことにしたのでございます。これによりまして今まで懸案になつておりました待遇改善、或いは職員資質向上ということが或る程度達成されるのではないかと思うのでございますが、併しながらこれでは尚不十分な点が非常に多いと存じますので、私共といたしましても今後できるだけ職員資質向上ということに努力して参るつもりでおりますが、どうぞ今後ともこの点にきましていろいろ御鞭撻、御指導をお願い申上げたい、そういうふうに存じております。保健所整備並びに職員資質向上ということについて簡單に御説明申上げました。それから……。
  16. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) ちよつと間違いがございましたので……。只今明年度合計が八十三億と申上げましたが、これは八十七億の誤りでございまて、御訂正申上げます。尚従つて明年度の本年に比べました増加は三十四億と相成ります。
  17. 山口正義

    説明員山口正義君) 伝染病予防関係について御説明申上げたいと思います。伝染病予防関係につきましては本省費が大体三百七万一千円、それから伝染病予防補助関係委託費というのがございますが、これは都道府県全額国庫負担いたします職員委託費という恰好で全国に五百八十二名配置してございます。それの費用が七千二百十二万六千円、そういう費用が組んでございます。それから特に朝鮮方面からの密入国者検疫、これは表口から入つて参ります者に対しては検疫所検疫いたしておりますが、密入国者表口から入りませんので、すでに上陸してしまつた者を引つ捕まえまして、それに対して検診を実施し、又予防接種をやるわけでございますが、その費用を、これは全額国負担いたします建前になつておりまして、百二万五千円組んでございます。それから市町村並びに都府府県で実施いたします伝染病予防業務に対します補助でございますが、これは伝染病予防法に基きまして、市町村に対しては三分の一、府県に対して二分の一補助することになつておりますが、その額が五億二千九百八十六万円という額になつております。それから伝染病予防につきまして、特に二十六年度に大きく出て参りましたのは、地方伝染病院隔離病舎建設補助費の問題でございますが、これは従来毎年極く僅かしか公共事業費が認められておりませんでしたので、地方市町村のかたがたの熱望が非常に大きいのにかかわりませず、国として補助が十分出せなかつたのでございます。伝染病が少くなりましたとは申しながら、昨年度並びに本年度は、赤痢が非常に流行いたしまして、その患者收容にこと欠くという場合も出て参りましたし、又地方伝染病院、特に隔離病舎は、明治三十年代、四十年代に造られたものが非常にたくさんございまして、腐朽しておりまして、すでにとても患者收容して適正な医療を施せないというような状態のものがたくさんございますので、これをこの際どうしても適正な隔離を実施できます注同時に、適正な医療を施し得るような態勢に持つて行かなければならないという建前で、全国的に調査をいたしまして計画を立てまして、財務当局に折衝いたしました結果、来年度におきましては金額にしまして一億一千三百万円、ベツト数にいたしまして二千八百大十七床ばかり新設することが一応認められておるのでございます。これによりまして伝染病院隔離病舎整備を図つて行きたい。そういうふうに考えておるわけでございます。
  18. 山下義信

    委員長山下義信君) その他のもので顕著なものがあつたらこの際簡單に附加えて頂きたいと思いますが、特に著しいものがなければそれでよろしうございます。それでは御質疑を願います。
  19. 山口正義

    説明員山口正義君) 先ほど中山議員から御質問がございました職員資質向上ということでございますが、只今保健所予算簡單に御説明申上げましたときに申上げましたように、私共といたしましては毎年公衆衞生員につきましていろいろのコース医学科或いは栄養学科その他のコースを以ちまして、それによつて保健所職員を中央に集めまして、それに対して新らしい知識を授け、或いは私共の考えております方針を話合うということをいたしまして、資質向上を図つておるのでございますが、しばしば問題になりましたように待遇の問題がからみましてなかなかいい人が得られないという難点がございます。この問題を解決いたしますために先ほど申上げましたように来年度研究費を出しまして、保健所職員がみずからいろいろの問題を取上げて研究し、それによつて内容向上を図つて行くという方針をとつておるのでございます。これでは尚不十分だとは存じますが現下におきましては取りあえずそういうふうな方法を講じておるわけでございます。
  20. 中山壽彦

    中山壽彦君 大体昨日の説明只今の御説明も同じようでありますが、この保健所職員に対して特に何か手当を出すということはでき得ないのでありますか、予算関係で……。
  21. 山口正義

    説明員山口正義君) 手当を出すということでいろいろ折衝いたしたのでございますが、人事院のほうの関係、或いは大蔵当局のほうの関係といろいろ折衝いたしましたのですが、手当という名目で現在国として認めて行くということはどうしても困る。外の釣合いがございますのでどうしても困る。例えば非常に危險な業務に従事しておるような者は規定によりまして手当がございます。ただ保健所で働いておるからというので特別の手当を出すということはどうも現在においては特別な名目ができにくい。手当という恰好で出すということは現下におきましてはできないというような状態でございます。それを先ほど申上げました研究費という形で、これは飽くまでも研究費という名目でございます。それで幾らかでも二次的に待遇改善を図りたい。そして資質向上を図る、こういうふうにしております。
  22. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 只今保健所職員待遇の問題でございますが、これは手当を出して頂くということも一つ方法だと思いますけれども、手当を出すということのみが何も待遇改善ではないと思います。実は過般来方々の保健所を見て参りますのに、保健所所長を初めとしまして職員全体が自分の時間を使用して読みますような本がないのでございます。御承知のように或る所長自分のお金で一つ二つ雑誌を買わなければならない。保健婦なんかもやはり一つ二つ雑誌を購入しておる。それでAクラスの中でも東京特別保健所とか、杉並の保健所というようなところは図書室がございますけれども、保健所は小さくても図書室整備というものの予算は取れないものでございましようか。本年は何か図書予算をお考えになつておりますかどうか。
  23. 山口正義

    説明員山口正義君) 只今井上議員の御指摘の点誠に御尤もでございます。内部施設整備を図りまして十分仕事ができますようにいたしますのには、その知識向上させなければなりませんので、書籍並びに雑誌整備ということが必要だと存じます。やはり我々のほうでも図書購入費を今度折衝したのでございますが、残念ながら今回の、来年度予算には図書購入費というものは認められておりませんが、御指摘通りでございますので、将来何らかの方法でそういうものを整備して行きたいと思います。
  24. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 できるならば来年度でございますが、何とかこれを早く整備するように考えて行きたいと思います。非常に保健所無味乾燥でございます。無味乾燥ということはやはり研究ができないということです。外部に交渉を持たせて行くのも一つ研究でございます。そこから何らかの本を読んで研究をし合つたり、討論し合つたりして行く。それが職員の力となり、肉となるのではないかと思いますので、その点御努力願いたいと思います。それからもう一つ保健婦旅費でございますが、只今お話中に家庭訪問旅費が取れているとおつしやつたのでありますが、非常にこれは問題だと思う。これまで保健婦が十分に結核患者家庭訪問できなかつたということは、この旅費に拘束されておつたということが非常に大きいのでございます。普通の公務員のかたの出張のように保健婦家庭訪問が行われましては、どうも出にくいということであります。せめて管内の……、田舎でございますと仕方ございませんが、そういうふうに交通の便利なところでございますから、訪問区域フリーパスでも出して頂けないかと申上げるのでございますが、そういたしますと、一日に何回訪問いたしましても、ちつとも影響はないと思います。東京都でございますと、課長以上の人はフリーパス持づておられるが、肝心な家庭訪問をする保健婦のかたにフリーパスがございません。従つて、行こうと思つても、足に束縛されて行けないということになり、みすみすこれまで仕事ができなかつたということで、保健婦の能率が上らなかつたということは大きな問題だと思います。国鉄までは出して頂くということはむずかしいと思いますが、せめて管内パスを持つてどうにでも自由に歩けるような方法を講じて頂きたいと思います。若し何だつたらそういうふうに考えて頂きたいと思います。
  25. 山口正義

    説明員山口正義君) 保健婦旅費の問題は私共前からいろいろお話を伺つておりまして、実際にできにくいということを聞いております。私共としてもできるだけ活動して頂けるように思いまして、例えば、いろいろな項目ごと旅費を取つて、そうして動き易いように、働いて頂き易いように努力しておるわけであります。それが或る程度実現されつつあるわけでございます。併しまだ御指摘のような不十分な点があるかと存じます。この旅費の増額ということにつきましては、今後できる、だけ努力して参りたいと思います。それからお話訪問区域内のフリーパスでありますが、これはフリーパスというのはなかなかデリケートな問題もございますので、困難な点もあるかと思いますが、できるならばそういう方法を講じるように折衝して見たいと存じます。
  26. 藤森眞治

    藤森眞治君 昨日も伺つたのですが、保健所研究費、これは今御説明によると、純粋な研究費だということでありますが、一応これは保健所長権限で全部処理ができるという研究費という意味でございましようか。或いは又給與の補いのために定額的に給與に付加えてやつてもいいというような取り方で差支えないのでありますか。それともう一つ伺いますが、保健所仕事が近頃非常に殖えておるのでありまして、保健所の医者といわず保健婦といわず相当超過勤務しておるこの超過勤務手当というものが正当に出ておりますか。私共の見ております限りでは、どうも十分に出ておらないのじやないか、相当長い時間働くが何か制約されるところがあるので、例えば四時間の超過勤務をやつた者でもやつと一時間ぐらいしか認められないという事情がありはしないかということが考えられる。その超過勤務手当の点もお伺いしたい。
  27. 山口正義

    説明員山口正義君) 第一の研究費の問題でございますが、これは昨日も会計課長が御説明申上げたと思いますが、飽くまで名目研究費でございますが、併し所長の一存で誰に多くやるとか誰に少くやるというふうなやり方をするようには指導しないつもりでおります。大体一人について幾らというふうに研究費をきめてやるように指導して行きたいと思つております。
  28. 藤森眞治

    藤森眞治君 所長権限においてやるわけなんですね。使用は所長権限でやれるというふうに解釈してよろしいのですか。
  29. 山口正義

    説明員山口正義君) そうしますと、御質問の点は、所長権限で誰に多くやつてもいい、少くやつてもいいというそういうふうな御質問でございますか。
  30. 藤森眞治

    藤森眞治君 多少そういう点もありますが、個々の人の仕事の量とか、或いはそれによつて甲の人が、先ほど井上委員のおつしやつたように、非常にたくさん訪問したというような場合に、これは認められるところがない。そういう場合に所長考え方によつて幾分手当のような形式でこれを殖やしてやる、或いは純粋の研究費ではございますが、給與に対する補充というような解釈を保健所長がとつて表面給與とは言えないかも知れないが、そういうふうな形でやると、こういうふうな便法が講じられるかどうかという問題。
  31. 山口正義

    説明員山口正義君) 大体一人当り幾らというふうな基準を設けて、それに従つて所長にやつて貰うというような方針で進みたいと思つております。  それから超過勤務の問題でございますが、これは保健所のみならず、各所で問題になることでございますが、実際の面から参りますと予算に縛らて十分残つた時間だけ超過勤務手当が出ないというような場合も起り得るのでございます。その責任者が成るべく予算と睨み合せまして仕事を按配して、超過勤務手当を出せるような範囲内で責任者仕事を按配して行くというふうな方針で進んでおりますが、現実にはやはり実際四時間働きながら四時間分出ないという場合も起つております。これを成るべく是正して行きたいとそういうふうに考えております。
  32. 藤森眞治

    藤森眞治君 そうしますと、先ほどの御答弁では、個々の人について幾らというふうに決めたいというふうに受け取れましたのですが、そうすると、これは表面にはそう言えないでも給與に対する若干の補助という意味にも取れると思うのですが、大体私はさように了承して置いてその点はそれにいたします。  それから超過勤務の点ですが、予算と睨み合せてということでございますが、併し仕事の量というものには予算がないので、経費のほうには予算がありますが、仕事が順えて来たためにそれから必然的に起つて来ることなんで、成るほど予算的な措置というものは必要ではありますが、当然起つて来て余計に仕事をしたのは当然認めてやらなければならん。こういうところで待遇改善という問題が起つて来ますので、ただ予算は縛られるというだけで四時間働いておるものを二時間で切る、こういうふうなことはあり得ないことなんでありますから、今後そういう超過勤務というものが実際どのぐらい出るかということをよくお考えになつて予算措置を講ぜられる折にはして頂きませんと、待遇改善という一方には現在むしろ酷使しておる、そういう楽ございます。尚今後いろいろな法律が出ましても、何かと申しますと保健所單位に、保健所にということが出て参りますので、こういう点も考えて頂いて、超過勤務というものを是非十分活かすように今後ともお願いしたいと思います。
  33. 山口正義

    説明員山口正義君) 只今私が申上げましたのは少し言葉が足りなかつたかも存じませんが、予算がきまつているので、それ以上のものは全然出せないというわけではないのでございまして、できるだけ一応予算の範囲内で仕事をやるように責任者で按配して行くという建前でございますが、勿論仕事の性質上どうしても超過勤務をたくさんしなければならないという場合が起つて参りますれば、それに出て得るだけの超過勤務を追加的に要求して正当な超過勤務を出して行くようにして行くつもりでおります。
  34. 有馬英二

    ○有馬英二君 研究費の問題で大分御答弁があつたようでありますが、研究という内容がはつきり分つていないのですから、その内容に従つて、これを使わせるのならばいろいろに使用の方法があると私は思うのでありますが、研究ということを余り御存じでないかも知れんが、研究にはいろいろの研究があります。例えば図書を購入するのも研究費、それからモルモツトを購入することもやはり研究費一になります。モルモツトは消耗品であります。でありまするから、そういうような消耗品を買うのと、或いは設備に要するものを買うときは、買い方にいろいろの方法があると私は思う。そういうことを個人に委して置かないで、所長に委して置いてそこをよろしく勘案すれば、研究は進み、従つて生活のほうもゆるやかになると、かように思うのでありますが、どうでありますか、一つ御答弁を……。
  35. 山口正義

    説明員山口正義君) 今有馬委員から御指摘がありました研究費の問題でございますが、仰せられるまでもなく、図書の購入、或いは消耗品の購入、それぞれ研究費で賄つて行かなければならない部面がたくさんあると思いますが、私共の今回の研究費によりまして資質向上を図り、延いては待遇改善に資するという狙いは、主としてモルモツトのような消耗品を買うというところでなしに、むしろ図書雑誌のようなものを研究費で買つて、そうして自分が勉強し、又今まで自腹を切つてつてつたのを、それで賄うというような方面に使つて行くようにしたい。そういうふうな方針で進んで行きたいと思つております。
  36. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は、保健所待遇改善についてはいろいろ考えておいでになるのでございますけれども、何と申しましても保健所の受持つ使命は非常に重大だと思うのでございますが、待遇改善々々といつて困難なことばかりにいつも行き当つて、少しもなされていないと思うのです。今度十万円の研究費は結構でございます。大変有難いと思うのでございますけれども、私昨年北海道のほうを視察に参りましたときに、北海道においては夕張、根室、室蘭或いは釧路というような大都市保健所にお医者さんがいない、いろいろ調査しましたら、殆んど三分の二と言つてもいいくらいの保健所に医者がいない。それで私帰つて来て早速局長にお伺いしましたらば、そんなことございませんでしよう……。いろいろ係のかたをお呼びして伺いましたら、まさにその通り……。一体保健所は作るだけでいいはずじやないと思うのでございます。医者が得られなくて、医者のいない保健所なんというものは、およそ私は意味がないと思います。それに対してその北海道の保健所にどの程度医者が得られたか、その後の状況についてちよつと伺いたい、北海道のみならず内地におきましても医者が非常に足りないということは分つておりますが、北海道は余りにもひどかつた。それは僻地であるしいろいろな点で待遇等も関係して参りますけれども、私余りにもひどい状態に実はびつくりしたようなわけでございます。その後どういうふうに補充されかということをちよつと伺いたい。
  37. 山口正義

    説明員山口正義君) 今お尋ねの北海道の保健所の医師の充実のお話でございますが、只今ここに各地方別の個々の資料を持合せておりませんので、後ほど藤原議員の方にお届けいたすようにいたします。
  38. 藤原道子

    ○藤原道子君 それにつれまして保健婦も非常に足りない。これは全国的なんでございます。その点については保健婦の補充とかというようなことに対してどういう計画がとられておるか。それから現在いる保健婦の再教育でございますが、これらについての予算ちよつと私見当らないのでございますけれども、それは今年度どのくらい取つておいでになるか。それから将来今のような待遇で果して医者が、保健婦が得られる自信がおありになるかという点についてちよつと伺いたいと思います。
  39. 山口正義

    説明員山口正義君) 保健婦待遇の問題は、今回の研究費は取りあえず医師に対して研究費を出すということになつたのでございます。保健婦待遇の問題は先ほど井上委員からもお話がございました旅費の問題もございますし、現在の段階では取りあえず旅費をできるだけたくさん都合して動き易いようにして頂く。そうして保健婦のかたがたに喜んで仕事をして頂けるようにして行く。そういうふうな考えで進んでおります。尚保健婦の再教育の問題は、これは公衆衞生のほうの予算に組まれておりまして、結核予防関係につきましても公衆衞生院のほうで保健婦の再教育をするという予算の組方になつているのでございます。医師、保健婦が現在の待遇で果して充実し得る自信があるかというお尋ねでございますが、完全にこれだけで充実し得るという自信は私共残念ながらなかなか持ちにくいのでございまして、しばしば指摘されておりますので、今後いろいろな方法で、医師、保健婦、或いは今の保健所の外の職員待遇改善を図つて充実して行きたいと、そういうふうに考えております。現状だけで、とてもこのままでできるものではないというふうに考えております。
  40. 藤原道子

    ○藤原道子君 課長さんは保健婦がどんな苦しい状態でやつておるか御存じでございましようか。私は保健所の機能を真に生かし得るのはやはり保健婦だと思う。あの山坂越えて保健指導に倦むことなく努力しておる保健婦、弱い立場にある保健婦。重大な任務のある保健婦をもう少し考えて頂かなければ到底保健所の機能は十分発揮し得ないと思うのでございます。だからその点については私は非常に厚生省が弱いと思う。  それから今一つ保健婦保健所保健婦、それから国保の保健婦、それから農協の保健婦というように個々ばらばらになつておりまして、非常にその点各府県では困つておるのでございますが、これらに対して将来統合するとかというようなお考えがあるかどうか。殊に農協がこの頃非常に困つて来ておるものですから保健婦をやめたり……、市町村でも受け切れない。而も村では絶対に必要だというような存在であるのでございますが、これは保健所が拡充されて十分保健婦が活動し得る状態になれば解決することでございますけれども、今のような、仕事は厖大に持ちながら保健所の定員が私は少いと思うのでございますが、そういう点で今の状態をどういうふうにお考えになつておるか。それから今一つ、先程井上委員の御質問の中にございました保健婦フリーパスの問題、あれは私は三年前ぐらいから、随分騒いだのでございますけれども、その頃から考慮しております、考慮しておりますと申しておるのでありますけれども、何とかこれはもう一度踏み切つて頂きたいと思います。東京都にある保健所、而も東京都で都電というものを運営しておるのでございます。それで何か話合いがつかないというのが私は納得が行かないのであります。足が、一日に一枚しか電券が出ないでしよう、それでどうして指導して歩くかということを考えて、もう少し課長さんあたり真剣に考えてくれれば解決つく問題ですが、医者の研究費はできたけれども保健婦のことは考えていないということで、いつも女なるが故に私はあれされているように思うのでございますが、このフリーパスは真剣に考えて是非とも実現して頂きたい。これについて一つ……。
  41. 山口正義

    説明員山口正義君) 保健所保健婦と国保関係保健婦、農協と保健所の組織の統合の問題でございますが、これは従来から私共のほうで問題にして考えておりましたので、保健婦仕事の能率を上げて行きますためには、どうしてもこれを一本にして統合してやつで行かなければならないという趣旨の下に進んで来ておるのでございますが、何分にも官庁の中におきましても、それぞれの局で所管しておるというふうな部面もございますし、その他いろいろな関係がありまして、現在までまだ全部統合できておりませんが、これは今後とも一本に統合して行きたい、そういう方針で進むことは従前と変りはないと存ずるのであります、それから定員が足りない。待遇の点は非常に保健婦が気の毒で重荷を負わされておるという今藤原委員からお叱りを受けたのでありますが、私共も保健婦自身からもいろいろ訴えを聞いておるのでありますので、何とかしてこれはやはりどうしても改善して行かなければならんというふうには考えております。定員が足りない、非常に重荷になるということも聞いておりますので、何とかして定員を殖したいと思うのでございますが、今度のBクラスを殖し、Aクラスを殖すというようなことも、箇所数を殖すというよりもむしろ内容を上げて行く、定員を多くして行つてそうして少くとも一人の負担を少くする。延いては全体で多く仕事ができるようにして行きたいという趣旨なのでございます。フリーパスの問題は随分前からお叱りを受けておるのでございますが、本当に本気になつてつて参ります。
  42. 藤原道子

    ○藤原道子君 もう一つだけ、今一つ伺いたいことは保健婦さんがこれからは六三三四になるわけですね。それで今の六三三四になつてから教育を受けておられる保健婦さんはどのくらいあるか。それで保健婦が充実して行けるかどうか。それをちよつと見通しを伺つて置きたいと思います。私このことは不勉強で……。
  43. 山口正義

    説明員山口正義君) 今のお尋ねは看護課の所管になりますので、午後お尋ね願いたいと思います。
  44. 藤原道子

    ○藤原道子君 失礼いたしました。
  45. 山下義信

    委員長山下義信君) さつき藤原委員の質問の中に保健婦の再教育にはどれくらいの予算を取つておるか。どういうふうにやつておるか質問した。これは公衆衞生院の所管でございますということですが、あなたのほうではお分りになりませんか、公衆衞生院がどれだけの費用を取つて、どういうふうにやつておるかということが国立公衆衞生院長を呼ばなければ分りませんか、分れば答弁を願います。
  46. 藤原道子

    ○藤原道子君 若し分らなければ院長を呼んで頂きます。
  47. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の資格を上げ事ときに保健婦も補充の見込みがあるかというようなことも、それは看護課の所管ですからと言つてはそれでおしまいです。保健所関係のあることはやはり当局者がよく知つてつて答弁して貰わなければならない。一カ所管の課に聞かなければ分らないというようなことでは、結局保健所関係のことはあなたのほうでまとめて御答弁を願いたい。
  48. 山口正義

    説明員山口正義君) 公衆衞生院における保健婦の再教育の予算でございますが、先般各項目につきまして、各項目と申しますか、保健婦の再教育全般の予算只今ここに手許に持ち合せておりませんので申訳ないのでありますが、後で御報告申上げることにいたします。  結核関係につきましては、本年度百三十万円予算を組みまして……、失礼いたしました。これは結核予防会で再教育をやつて貰うということになつております。
  49. 藤原道子

    ○藤原道子君 百三十万円ですね。
  50. 山口正義

    説明員山口正義君) 公衆衞生院での予算公衆衞生局関係でございますので、私のほうで調べまして、後で御報告申上げたいと存じます。
  51. 藤原道子

    ○藤原道子君 昨年は各府県一万円くらいしか来ない。余りに馬鹿にしておると思うのです。今年はどういう状態になつておるか。
  52. 小杉繁安

    ○小杉繁安君 私厚生委員のほうには非常に素人でございまして、初めて今度委員になつて視察いたしたのでありますが、どこに行つてもこれが大切な事業だということは分つておるが、予算の裏付がないように感じて来ました。ひとり今の保健所のみならず、果してこの問題について政府委員が真剣に考えておるか、ただ机上の空論を吐いて保健所を殖やすとか何とかいうようなことでは、これでは非常に迷惑だと思う。それで実情を本当に体験して、実際予算の裏付を持つて組んで頂けるのでなければ、この重大なる国民の保健というものは成り立たないと思う。従つて厚生委員会としても政府を鞭撻して、予算を取るだけの力を持たなければ役に立たんと思う。これは予算委員でも十分委員会として強く政府に要望して、本当に民間のこの声を聞いて予算を出して貰わなければかんと痛切に感じて参りました。そういうふうに私の考えを述べて、これから相ともに委員会並びに政府と、本当に考えて貰つて行かなければ、大きい重大な問題と思いますから、折角の厚生委員会も何ら意義をなさないと思う。我々も真剣に考えて政府を鞭撻しなければいかんと考えます。この点委員長においては一つ……。
  53. 山下義信

    委員長山下義信君) 同感でございます承知いたしました。
  54. 小杉繁安

    ○小杉繁安君 どうも政府のほうでは、この委員会をなめておるような感じがしております。このことはやはり我々委員としても考えなければ、反省しなければならんということも考えております。私は素人で分らないが、その一点は三県を廻りまして、ひとしい声を聞いて参りました。これは十分に政府に考えて貰つて予算の裏付に邁進して貰いたいと考えます。
  55. 有馬英二

    ○有馬英二君 保健所の充実ということは先ほどから多少或いは同僚議員からのお話がありまして、私も同感の一人としてどうしてもこれは政府当局にもつと真剣にやつて貰わなければ、我が国の保健事業の充実とか、或いは発展とかということは不可能であると私は思います。ただ今日は予算のことだというのでありますから、予算のことを伺うのでありますが、職員待遇改善の一助として特別研究所というものを一ヶ所当りAクラス二十万円、Bクラス十五万円、Cクラス十万円、こういう工合に補助をするというようなことのこの差別を、どういう考えでこういうことをしたのか、それを承わりたい。
  56. 山口正義

    説明員山口正義君) 今の差別でございますが、これは中におります職員の数に差がございまして、それによつて一応そういう差をつけたのであります。
  57. 有馬英二

    ○有馬英二君 Aクラスというのは私共の調査しておるところでは大体市であつて、そこには保健所の医者は大体定員が六名乃至四名でありましよう。それからCクラス、今まではBクラスはなくCクラスしかない。Cクラスは大抵二名若しくは三名でありましようが、先ほど藤原議員からも御指摘のように、北海道で各地を廻つて歩きますと、殆んど一人おればよいほうであります。二人というような所は非常に稀であります。先ほど藤原議員も言われたようにいない所さえたくさんある。そういうような工合で、基本数量の差ということは私は承認できない。僻陬の所とか、或いは生活上非常に不便を感ずるようなそういうようなところでは、生計費も多く要りますが、研究費も余計貰わなければならんというような所がたくさんあります。そういうようなところにこそ研究費をたくさんやつて、そうして割合に便利な所、例えば北海道で言いますと札幌にありますAクラス保健所、そういう所で研究すると言えば大学も傍にあるから幾らでも研究できますから、研究費はそうたくさん要らない。それよりも山奥のさつき言われたような夕張であるとか、或いは網走であるとかという保健所に来るにも十時間も十数時間も費して来るというような所は、研究するにも非常に金がかかるわけで、そういうような所にこそたくさん金をやつて頂きたい。そうするとここに書いてあるように生活費の一助となるかも知れないと私は思います。そういうところを少し加減をして頂くように御考慮願いたいと思います。
  58. 山口正義

    説明員山口正義君) この差をつけましたのは、先ほども申上げましたように、定員の数で頭数によつて差を付けたわけでございます。只今有馬議員から御指摘の点御尤もでございますが、御指摘の点につきましては来年度予算執行につきまして十分考えてやるようにしたいと考えます。
  59. 山下義信

    委員長山下義信君) この際議事の進行上させて頂きたいと思いますが、先刻から文部省から参つておられるのであります。大臣は文部委員会まで出ておるのでありまして、まだこちらに出席の運びになつておりません。折角文部省から久保田監理局長及び学校給食課長参つております。只今公衆衞生局関係質疑中でございますが、関連いたしまして過般来都内に起きました学校給食の中毒事件等につきまして、この際質疑を願いまして引続き公衆衞生局関係質疑の続行をいたしたいと思います。御了承を願います。
  60. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 先般学校給食をたまたま完全給食の形で実施しました。その直後でございますので、大変私共も大きな打撃を受けたわけでございますし、又皆さんにも大変御心配をお掛けしておる次第でございます。誠に申訳なく存じております。たまたまその頃給食をいたしておりました材料について都の衛生部、それから衛生試験所のほうが大変御協力下さいまして格別な御調査を頂いたわけでありますが、結局のところその当時使用いたしておりましたソーセージにウイルス菌の混入があつたのではなかろうかという嫌疑が一番濃厚な、又一番ありそうな原因に考えられておりまして、目下そのウイルス菌の培養、試験に御努力を願つておるわけでありますが、幸いにその関係でおかされました学童の病気は、せいぜい長くて症状的には二十四時間見当、その後一日ぐらい体がだるかつたりしまして学校を休んだといつたような、こういうあり勝ちの中毒事件にしましては結果が割合に軽微でございましたことを、まあ何よりと存じておる次第でございます。丁度学校給食をああいう形において始めますについて、それぞれ一応私共としましては、用意としましては設備関係も視察をいたしました。丁度中毒事件を起しました学校は都内では割合に成績がよく、従来でもその父兄から割合に喜ばれておつた学校でありますことと、又その設備関係から申しましても完全と申せませんまでも、非常に優秀だと私共認めておりました部類のものであります。又それに従事しておつて下さる関係者も非常に熱心に、又衛生方面のことについては特に注意をしておつて下さる関係のものでありましただけに、実はその当事者としましては誠に泣き切れんといつたようなことを現に私共にも申しております。それぞれその学校にも私参りまして実際を見て参りましたが、一生懸命にやつた結果にかかわらずそういう結果を出しておりますことを、この関係者がおられませんだけに特に申上げさして頂きたいと思います。併し私共としましてはすぐ調査をして頂きますと同時に、父兄のかたに又その当事者であります学童のかたに余りにも不安を持たせまいということを先ず第一の目標に置いたわけでありまして、取りあえずその関係のところには一応給食を中止いたしまして、一週間の間様子を見ながらかたがたPTAの関係者なり、給食に関係して頂くかたがたにも学校にお集まりり下さるような機会を作りまして、パンと温いミルクであれば、一応これ自体に当面の疑いもございませんし、又疑いようもない状態でございましたので、それらを中心にしてその関係者が御相談の上でこれなら絶対安全、例えば味噌汁をそれに加えるといつたような方法で再開して行くような方向に実は持つて行きまして、目下のところ東京都の関係で申せば全部再開いたしまして元通りに一応相成つております。その間PTAの関係者にもお目にかかるというような機会を作りまして、どうかこれを機会に今一度私がこの給食の関係について従来以上に、又全く新らしい角度から給食の安全性、又給食に対する理解を持つて頂くような方法をお互いに話合いましようというようなことで、だんだんとその不安を解消しておるつもりでございます。たまたま問題が東京都でありましただけで、地方にはございませんけれども、えてこうしたことは地方にも当然に出て来る危險性を持つております次第でございますので、私のほうに学校給食の審議会がございますので、その関係者のお知慧を借りることにいたしまして、こうした不安を、又こういう危險を防ぎますための措置といたしまして、絶対に温食主義をとつて頂きたい。それから献立や何かについても或る特定の人だけが見ておるというのではなくて、多少そこに御心配願う関係者を従来以上に新らしい意味で御参加を願い、又御監督かたがた御協力頂くといつたような方法に持つてつて頂きますようにといつたようなことを当面関係者に通知をいたしております。この十七日と思いますが、又そうした関係者がいろいろその後の御苦心もありましようし、私共いろいろ心配しております向もございますので、そうした全国の関係のかたにお集りを頂いて、こうしたことを二度と繰返さないように、かたがた給食の関係についていろいろ新らしい意味の批判も出て来ておるのでありますので、そうした意味の話合を十分いたしたいというふうなことで考えておる次第でございます。御質問にお答え申す前に極く簡單でございますが、今までの経過を申上げた次第でございます。
  61. 藤森眞治

    藤森眞治君 大臣がおいでになつてからお尋ねしたいと思つておりましたが、おいでになるか分らないということで今お伺いいたしますが、今回できましたことは、非常に我々も心配をいたしまして、尚今後において今のお話のように相当改善もされて御注意下さるということで、勿論当然のことと存じまするが、併しながらこういうふうな出来事が今後食品関係は絶対にないということは言えないということを一応考えなければならん。幸いに今回は症状も非常に軽微でございましたが、万一非常に重症的症状を現わして、そうして往々にして死亡するというようなことを仮定して、そういう場合に責任の帰属というものはどこにありましようか。これを伺いたいと思います。それから学校給食というものが、食品に関するいろいろな法律がございます。それとの関連性をどういうふうに持つて行かれますか。この二点を伺います。
  62. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 完全給食の枠の結局問題になろうと思うのでありますが、私共は完全給食と申しますよりは、カロリーの点から問題を解決すべき問題で、種類によつて限定すべきものとは思つておりませんけれども、差当つては今割合品物がまとまつて、而も成る程度の金額のものでおさまるという趣旨から申しますと、パンとミルクを中心にして、それに安全なものを入れて行くという建前をとつておる次第でございまして、食品関係につきましては、できるだけそういう危險性のないものという意味から、現に食品関係の法律にもそうした方面から温めて頂けそうなものをという主義を成るだけとりたいと思います。実際地方によつてこれは單に給食が学校だけの問題でなくて学校を持ちますその社会層、その生産層、全体とのからみ合いが起つて来ましようし、又單に食べさせるという意味でなくて、これに多少教育的な感度を私共は是非入れたいというふうに考えます関係から、給食そのものの問題でなくて、食品そのものの問題になりそうな危險の分は成るだけ避けたいというふうに考える次第でございます。
  63. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の藤森委員の質問は、今後こういうような重大な問題が起きたときには、責任は誰がとるのか、こういう質問です。それから食品衛生法との関係はどうするのかという、食品律法によつていろいろ検査とか法律上の適用をやはりその給食施設というものに対して受けるのかどうかということです。
  64. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 成るだけ食品の関係につきますものにつきましては、私共にしろ、学校当局にしろ、食品法による責任をとつて頂くより外に仕方がないと思つておりますが、できるだけそういうような事件を起させないような安全食という線を出して、その線から、ものを運ぶようにいたしたいと、こういうふうに考えております。
  65. 藤森眞治

    藤森眞治君 どうも御答弁が、私共の質問がよくお分りにならないのではないかと思うのでありますが、万一こういう不祥事件が起きた場合に、その中で不幸な事件が起きて、死亡その他の或いは非常な重症であるとかという問題が起きた場合の、この責任者は一体誰になるのか。国が負うのか、学校が負うのか、文部省が負うのか、こういう点をお尋ねしておるわけであります。この根本的の責任者の問題はどこに帰属するかということを先ずお尋ねいたします。
  66. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 食品班そのものにつきましての問題は、食品管理法によります責任だと考えます。それをどんなふうに持つてつたかという事実問題にからむ問題は、学校長に責任が来ると思います。
  67. 藤森眞治

    藤森眞治君 この学校給食というものは、これは今法律に定められてしておられるのではないと思いますが、そうしまして、而もこれは学校でやらなければならんということになつております場合に、少くともこの食糧品というものにはいつも安全だということの、保障は我々はできないので、そういうような事件が起つた場合に、学校長がその責任をとるというようになると、学校長はいつも切腹の覚悟でおらなければならん。こういうことになりますが、それで文部省としてはよろしいのでございますか。而も学校が必ずやらなければならんという法律の基礎がないという場合に、これは非常に我々考えなければならん問題だろうと思います。
  68. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 実は私共のほうでは、まだ強制の形は全然とつておる次第ではございません。ただ現状としまして隣りの学校がやつておる、又或るクラスは是非やりたいという形になつた。隣りのクラスは希望者がたまたまなくてとりかねるというときでも、実際の扱いができません関係から、現状的には可なり強制的な形がとられておるということは事実だと考えております。これは実際的に見まして、相当内容的に強制的な形をとつております。それを法律化しようという問題は事実私共の方でも真剣に考えておる次第でございまして、学校給食の審議会のほうからも、これを法制化して、その責任なり又その運営なりについて十分な形をとれという意味の御意見を、今中間報告的にこの八月受けておる段階でございます。
  69. 藤森眞治

    藤森眞治君 そうしますると、今あなたの御答弁からすると、責任は学校長にあると、こういうことで、国その他においては責任がないということに了承してよろしいように思うのですが、間違いございませんか。先ずそれから伺いましよう。
  70. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) この学校給食の運びということにつきましての責任を、学校長に負つて貰う筋の問題と私は考えておりますが、食品そのものについての関係というものにつきましては、学校長が当然に負わなければならん場合と、負い得ない場合とがあると考えております。
  71. 山下義信

    委員長山下義信君) 国の責任はどうする……、文部省は責任があるのかないのか。
  72. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) この運び方ということの次第によつてきまる問題だと考え募ります。たまたまそれぞれの枠が国の、従つて文部省の直接の関係者であります私共の責任になる場合と、学校長の場合と、食品そのものにからんだ場合とあり得ると考えております。
  73. 山下義信

    委員長山下義信君) 学校給食ということは、文部省は知らん顔をして、随意に各学校に任意でやらしているのですか。あなたのほうで多少その間にいろいろ指示をしたり、関係を持つておるのですか。御計画したりしてやつておるのですか。全く文部省は知らん顔をして、これを学校が随意に校長の任意でやつているのです万、文部省の一つ仕事なんですか、どうなんですか。
  74. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 現在の品物の関係が、たまたまガリオアの関係に依存しておりますために、非常に私共の態度が消極的な形を今のところはとらなければならん形にありますが、品物を配給します関係は、全部希望に対して出すという建前を一応とつております。事実私共の方から是非これを機械的にやれというような形で申しておる次第のものではございません
  75. 藤森眞治

    藤森眞治君 どうもぴつとした御返事がないので、文部省は、その制度が、こういう不祥事件が起きた場合に知らん顔をしてもよいのかどうか、責任が国にはないのかということを端的に言つて頂けばよいので、尚今あなたのお話ですと、学校のほうの任意にやつておるというふうな御説明のようにもとれるのですが、そういたしますると、若し或る学校によつて、こういうことをやりたくないという父兄の意見が強く出ます折には、直ちにやめることができるということに相成りますわけで、そういう場合に、校長の考え方としては、文部省のほうの意向を汲んで成るべく給食はやりたいというような場合ができた折に、これは一つの大きな矛盾がここに起きて参る。少くとも私共が先だつて調査に参りました範囲では、必ずしも学校給食をそこのPTAは賛成しておりません。一部には賛成しておりますけれども、併し学校長の或る希望があるために、それに順応して行つておるという形も相当見受けられるので、任意にやつてよいということであれば、今の学校給食というものは或る程度場所によつては崩れるのではないかということも考えられるのですが、そういう点で、責任ということをどうしても明らかにして置いてやりませんと、立法の根拠のないものは、若し事件の起きた折には、非常な面倒なことになつて参る。一例を挙げて申しますると、この前宮城県の百日咳の予防接種の惨事がありました。これは御承知と存じまするが、予防接種法は公布にはなつておりますが、実施前にやつたということで、国からの救援も何も十分な手を向けることができなかつた惨状を見ておりますが、こういうことを見ておりまするので、我我は学校給食について何か不幸な事件が起きた折には、何か救援の手を延べたい。併し立法的な根拠がないから見殺しにしなければならんという事態になつたら困るから、その責任の帰属を明らかにしたいということを考えておるのです。
  76. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 誠に行き違つたような御答弁を申上げまして恐縮でございますが、学校給食が全国の学校に一律に持つて行けるというような段階であれば、そこに大きな問題がはつきりして来ると思うのでありますが、現在はたまたまそういうララ物資の配給という形をとつておりますために、全国の学校でなくて、希望の学校に対してやつておるのだというように、形式的なお答えはできかねるのでございます。私共教育上の立場から、この給食をどんなふうに学校に嵌めて行くか。又学校の中の全課程とどういうバランスに置いて行くかという意味から申せば、全国一律に各学校に全く文部省の責任において運ぶべき筋合のものと考えております。たまたま現在行なつておりますものが、或る地域に限られるとか、或る都市に限られるとかいつたような立場にありますために、只今仰せのような一律的な責任の形でものを運ぶわけにいかんのでございます。考え方としては、飽くまで法律を定めて、法律による一つの課程として、又それが学校の全体の教科の内容の一つとして運ばれるようになりますときに、国との関係も明確になし得るので、今のところそれが限定できないし、又限定的な場所、限定的な子供たちに限られるといつたようなことのために、その点が一律化できないような情勢なのでございます。
  77. 山下義信

    ○議員長(山下義信君) 限定的にやつておる場合には文部省は責任はないというのですか。
  78. 久保田藤麿

    説明豪(久保田藤麿君) その責任の持ち方でありますが、全部が文部省なり学校なりというふうに限定できないる起つて来たそのケースの運び方によつて、その責任が、これは確かに国の責任になる、これは学校の責任になる、これは職員の責任になるというふうに区別して行くより、事実問題として仕方がないのではないかと申上げる次第であります。
  79. 藤森眞治

    藤森眞治君 私はその点を心配しておるので、法的の根拠を持つた折には、国の救援の手を伸べることが、先ほど事情を申上げたようにはつきりしている。そういうふうなあいまい模糊としている間に事件が起きた場合に困るというので、責任の帰属はあいまい模糊のうちにはつきりしておいて参ることが願わしい。あつた場合にはどうするかということで、自分の責任を明らかにして置きたい、こういうことを考えております。
  80. 山下義信

    委員長山下義信君) 委員長から関連して申しますが、我々が公衆衞生の見地から調理場とか、いろいろ材料とか、衛生の見地から見ると非常に覚束ない点が多々ある。そういう設備が不完全のまま文部省がこれを全般的であろうと局部的であろうとやつていることを認めて、そしてそのやり方、運営の方法も誰が責任を負うのか、学校が負うとしても、PTAと合作でやるのか、そのやり方もまちまちでやらしておいて、完全給食というものが、学校給食というものが教育の一環であると文部省は言うでしよう。教育の一環であつて、而もやるやらんは別問題であるというようなあいまい模糊たる状態でありますと、我々見るというと、公衆衞生の見地から甚だ心許ない状態のままでこれを進めている。藤森委員の心配されるように、或いはもつと重大なる中毒事件、不祥事件が起きたときに、これはどうなるのであるかという心配が公衆衞生の衛生的見地から非常に気ずかわしく思われる。そういう重大な責任を学校長に負わせるというのは、法的根拠がどこにあるか。学校長というものは、そういう給食のことまでもいろいろ心配して行かなければならんということになると、これは全国的に非常に重大な問題だろうというのです。ですから何かそういうところにあなたのほうに確たる確信があるならば、ここでお答え願います。こういうわけなんです。
  81. 小杉繁安

    ○小杉繁安君 今の説明員の御答弁は私納得行かないのですが、この給食問題は重要な問題である。従つて又学校と文部省との関係は、御承知通り文部省の監督に学校が……、そういう大きい問題を扱う上において、大きい問題が起きた場合に、文部省は学校長なりが責任を負つて、文部省は関しないということは私は納得が行かない。  そういう問題は十分文部省としてお考えになつて、若し仮にそういうふうなことが起きたならば、責任を負う者を、そういう問題を解決するのが私は本当だと思う。そういうことはどういうものですか、給食問題について。
  82. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 私共は責任を回避している形で申上げている意味では全然ございませんで、今文部省の責任と学校長自身に負つて頂かなければならん責任とが、事実問題として区別されるより外に今のところは仕方のない状態でございますということを申上げたので、例えば今度のような場合に文部省は全然無責任である。学校も無責任だということを申している次第でもございませんし、又食品自体の内容がどうであつたかということもまだ分折されておりませんが、食品自体の問題だということであれば、食品自体としての責任の帰属があるわけであります。私共が給食の指導それ自体に当るということであれば、私共の責任に当たるわけです。学校の中にたまたま一つの事が起つたということになれば、これに学校長の責任でありますし、問題によつては教育委員会の関係も起りましよう。決して学校長だけにということで申上げたわけではありません。
  83. 小杉繁安

    ○小杉繁安君 そういう意味ではない。ただ責任を負う覚悟でこういう問題を一つ処理して頂きたいという希望を述べている。
  84. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は先ほどから御答弁を伺つてつて、どうしても納得ができない。私今日御質問したかつたのも藤森委員と同じことなんです。私は今のような御答弁の趣旨から参りまするならば、京都におけるジフテリヤの中毒事件は、直接あれは薬品から来たのです。そんなら薬品の製造者だけに責任があるかということになる。私は責任の所在というものはそういうものではないと思います。それから今一つは、何と申しますか、学校給食は決して命じてやらしているものではないという御答弁でしたならばやらなくてもよろしいのでございます。責任の所在も分らない。幸いにして今度は死者はなかつたけれども、可愛い子供を持つておりまする母の立場から行くならば、これほど不安なことはないのでございます。そういう場合にこういう事件が起きたならば、もうそういう給食を受けるのは嫌だということになりましたら、やらなくてもよろしいのでございますか。それから今まで私伺つておりましたのは、今委員長も言われましたように、教育的見地もあると思つて聞いていた、責任が文部省で、やるときには……、私はこれは官僚の悪い癖だと思うのでございますけれども、やるときには自分の方へ何でもかんでもかつ込みたい。責任が起きれば、どうしたら責任を回避することができるだろうかということを、逃げ口上ばかりを考えておるように思えてならないのでございますが、その二つの点を私は伺いたい。
  85. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 若し学校で給食を希望していない場合には、やめてもいいかという第一の御質問伺つたのでございますが、形式的に申しますと、只今申しましたように、たまたまそういう仕事を取次いでいるということが非常に主になつております。これはララ物資、ガリオア物資でありますから、現在止むを得ずという、そういう消極的な態度でいるより仕方ない。形式的に申せばそういう議論をするより仕方ございませんが、実質的に、隣の学校が給食をやつているのに自分の学校だけやめるわけに行かない。実際上の問題では、相当強制的な形が現われております。そのように承知しております。従つて現在私共のほうは学校に成るたけ自発的な形をとつて頂いております。それがたまたま全国的でありますれば、一律に行えるという大体の前提がここに立ち得るならば、教科関係の内容として盛り方もあるわけでございますが、現在は只今申しましたように学校の希望ということを主に一応立てるという形になつております関係から、事実上一律の形がとれないために、只今申上げましたように給食の関係が学校の自発的な形ということで進む。形式的な議論から止むを得ずそういうことをお答えするより仕方ないのでございます。
  86. 山下義信

    委員長山下義信君) 学校が自発的にやるのであつて、文部省に余り関係ないような答弁であるのだつたら、文部省の学校給食課というものは、何一体のために置いてあるのか。学校給食課というのは学校給食の監督でもするのかしないのか。全然関係ないのかね。学校給食課というのは何のためにあるのか。(「誠意のある答弁を」と呼ぶ者あり)
  87. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 私共の今現にやつております部分は、できるだけ只今法律化して教科の内容にこれを織込んで行きたい、方法として努力しているわけでして、給食課も従つてそれに努力しておる次第でございます。従つて私共の方法としての今の課程と、現在たまたまそれを形式的に議論いたします場合との、そこに幅があることを御承知頂きたいのでございます。できるだけ教科の一つとしてこの給食が行われて、その監督という意味よりは、むしろ責任という点を明白にしろとおつしやるのだと思いますが、その関係を明白にできるような形に持つて行きたいという努力段階の緒にあるのだという点を御了承頂きたいのでございます。
  88. 藤原道子

    ○藤原道子君 それならば私は伺いたい。ララ物資を止むを得ずやつておるというふうに聞こえる。ララ物資が来るから止むを得ず取り次ぎをしているのだというふうに私は聞いたのは間違いございましようか。若しそうだとするならば、学童に給食しますその本当の意義はどこにあるか。やつてもやらなくてもいいのであるか、やつた方がいいのか。ララ物資が来るから仕方なくやつているというふうに了解してもいいかどうか。それから今一つは、ここで全般的のものではないということを繰返し繰返し私耳にいたすのでございますが、私共が承知しているのは、取りあえず八大都市に行なつて、漸次全国的に実施するというふうに聞いていた。それならば今私には勝手にやつているというふうにはとれない。形式的とか何とかということでなくて、本当に私は委員と政府というものは、もつと一体になつてやらなければいけない。突つ込まれまいとしてしよつちゆう警戒しておやりになるから、本当の政治ができないと思います。私はもつと率直な御意見を伺いたい。形式的じやない。もつと親心の籠もつた答弁をして下さい、子供の問題です。
  89. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 決して私共がものを包み隠しの言い方をしておるわけではございませんが、全国的に一律に持つて行きたい方法で私共は努力をいたしおります。たまたま現在文部省が直接に取扱つております関係のものは、ガリオア物資の関係のものを取り次いでおるような形のものが主体になつております。私共のやりたい方法はこの教育関係の一環としての給食といつた線に持つて行きたい。そういう意図のもとに現在やつております。段階だけの枠付けで申せば、そういうふうなつもりだということを申したのでございまして、学校のできるだけ希望の形をとつて頂きますことも、全国一律に法律化した形にまだ移る段階に来ておりませんために、その用意の間をそういうことで事実上繋いでおる。ただ私共の希望として、又是非そうあらしめたいという意図は全国的な一律な形において教科過程の一環として是非やらなければならない形のものに持つて行きたいと努力しておるのでございます。こんなふうに申上げたつもりでございます。
  90. 松原一彦

    松原一彦君 局長に伺いますが、今の学校給食の経営主体は誰なんですか。学校長ですか。又は経費の責任はどこにありますか、伺いたい。
  91. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 経営主体は学校長でございまして、経費は各人の負担ということの形になつております。
  92. 松原一彦

    松原一彦君 そうすると、文部省は今のお話では漸次全国に及ぼしたいというのは、学校給食というものを一つの教育的理想として教育の責任の範囲において、学校長が学校長の教育的責任の範囲においてこれを法的な措置としてやらせようとする将来のお見通しをお持ちでございますか。
  93. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 最後におつしやいましたように、法的な措置として持つて行きたいという理想でおります。
  94. 山下義信

    委員長山下義信君) よろしうございますか。
  95. 藤原道子

    ○藤原道子君 一つ伺いたいと思います。それで私共の根本的問題は仕方がないからそれだけにしておきますが、調理場その他で学校でやつておるそれに対しては指導されておるのか、それともどういうふうになつておりますか。今の私が児童福祉法を作るときにやはり給食の問題を取上げたときに、設備がないからできないというようなことでございましたが、今の学校でやつておる学校の設備は満足なものができておるのでございましようか。それをお伺いしたい。
  96. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) お蔭様でだんだんその設備関係又その人の関係の充実も進んで来ておりまして、毎年ブロック的にも全国的にも栄養関係のこと、調理をなさる人の講習会等を文部省自身やつておりますし、教育委員会自身にもやつて頂いておりまして、向上というものに努めておる次第でございます。
  97. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと藤原委員の質問指導しているかという意味は、調理場の例えば規格ですね。広さであるとか、設備であるとか。或いは釜はこうせいとか、お湯はこうせいとか、或いは調理場のいろいろな器具はこうせいとか、栄養士が要るのだ、衛生の検査はこうせいという基準を示して指導せいという質問であつたと思います。そういう條件からその基準を示して指導しておつたか。その基準に合わないところが若し給食を実施しておつたら差し止めておつたか、どうしたかということを聞いておると私は思つております。
  98. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 昨年度から設備関係を中心といたしましたモデル・スクール式のものを企画いたしまして、全国に金で申しますと約二千万円見当でございますが、そればかりのもので東京が十幾つであつたと思います。併し県では三、四校作り得たと思つておりますが、本年もそれを継続する計画になつておりますが、それをモデル・スクール式のものをこしらえまして、それを生徒数なりその規格なりというものを合わして、そこに一つの基準的なもののお世話をいたしております。たまたま基準に合わないから給食を止めるだけの措置もいたしておりません。
  99. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと関連して、そういう示した基準の金で全国の給食する学校の設備や人の問題の扱い方等について示した基準がありましたら、その資料を当委員会に今日中に届けて下さい。
  100. 藤森眞治

    藤森眞治君 最後にもう一つだけ、極く卑近なお尋ねをいたしまするが、我々はこの文部省の現在できましたことについて文部省の責任を追及しておるのでも何でもないので、今後のことを心配いたしますので、いろいろ伺つておるのですが、ここに今度のこの事故に対してこれはまあ大した事故がなかつたから結構ですが、不幸にして可なりの数の犠牲者が万一出ておりましたら、いわゆる死の転帰をとるような人ができたとか、或いは数十日に近い入院治療をしなければならない事態が起つたというようなことが万一にありました場合には、文部省としてはどういう処置をおとりになりますか。これを一つ具体的にお考えつてお答弁して頂きたい。
  101. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 先般、一番最初に申上げましたように取りあえず安全食という線を一応出したいと考えておりまして、その枠の範囲で問題ができるかできんかといつたような実際問題をこの十七日あたり私共関係の者が寄つて協議したいと思つておりますが、その枠から考えます問題について、たまたま発生して来ますことについては私が全責任を負うものだと思うわけでございます。
  102. 藤森眞治

    藤森眞治君 大分わかつて来ましたが、今私の申しておりますのは、そういう場合は具体的な問題としてどういうふうにやられるか。学校長の責任だから、又私の責任だからと言つて、ただそのままに放つて置かれるものか、具体的に一応そうしたことを考えて見なければなりません。将来を心配して、今あつたとしたらあなた方はどういう処置をとられるか、当面の処置がどういうふうになるかということを伺つておるわけであります。
  103. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 私個人としましては先ほど申したように考えておるわけでございますが、学校給食の審議会のほうでこの十七日を目標に一つ研究をしておつて頂く関係もございますので、私が先んじてあれこれ申上げるのもどうかと考えておりますが、当面東京で起りましたような場合に、その後にとりましたような措置とからみ合して、衛生関係の担当をしておつて頂きます部局あたりに格別な御援助を願つて、当面の処置を考えて行くより外は今のところ私としては格別な御援助を申上げる段階ではないのでございますが、この間起りました場面につきましては、すぐお医者さんに廻つて頂いて大体の症状から見て給食といつたところに主点を置いて、それからの処置といつたようなことになります。取りあえずは給食を一応中止しまして、先ず不安を除くといつたようなことに特別な始末をとたつもりでおります。個々の場合に応じた始末を考えるというよりは、先ず安全食という枠からその責任関係、そのときの処置の方法といつたようなことを取りきめて行きたい、固めて行きたいというふうに考えております。
  104. 山下義信

    委員長山下義信君) 間もなく支部大臣が出席するそうでございますからお含み置き願います。
  105. 松原一彦

    松原一彦君 大臣の来るまでに……、いろいろ問題が起つて文部省でも御心配のことと思うのですが、この学校給食は私は非常に結構なことと思うのです。将来大量に、殊に廉価に取入れて弁当を持たずにやられるようにすることは将来の理想として非常に結構なんです。今たまたま不祥なことが起りましたのは初めての試みであつて、まだまだ注意の足らん点もあつたでありましようから、どうか一つ文部省はこれに怯えないようにして頂きたい。そうして進んで大いに御奨励になつて、全国すべての学校に行届いて家庭の喜びになるように御奮発を願いたい。この事件で以て怯えてはならん。断じて怯えないように一つ御進行願いたい。そうして責任の回避などは一切言わんことで、責任を負う、まさか腹を切れとは言いませんから一切責任を負うという態度を持つて積極的に一つお進めになるように是非お願いします。怯えないように一つおやり下さい。
  106. 山下義信

    委員長山下義信君) この際公衆衞生局に聞いておきますが、この集団給食を実施しておる場合に、例えば工場等においては、工場に労働省の工場安全衛生規則があつていろいろ基準がある。それは労働省で監督しますが、一般の労働省のそういうふうな特殊な立法で取締つておる以外のものは、学校であろうが官庁であろうが、あなたのほうでどしどし検査に行つたりいろいろしますか。どういう程度まで権限が及んでおりますか、その点説明して頂きたい。
  107. 山口正義

    説明員山口正義君) 学校の給食施設、或いは工場給食施設は、全部食品衛生法の対象になります。食品衛生監視員が出かけて参りまして、その施設或いはそこで働く人たちについて監視をすることになつております。今までもやつておりました。それから先般食品衛生法が改正になりまして、各店頭に採点制を実施することになりました。それと同様に学校給食施設に対して採点制を実施することにいたしております。そうして若しそれが基準に合いませんときは、食品衛生法に基いて監視するということをやるようなつもりでおります。
  108. 藤原道子

    ○藤原道子君 今度の事件におきまして、食品衛生ではどういうふうな処置をおとりになつておりますか。ソーセージが悪かつたとか何とかいうようなことがここには書いてあるが、それに対してどういうふうな処置をされたか。
  109. 山口正義

    説明員山口正義君) 今度の事件につきましては、原因の関係がまだ最後の決定段階までになつておりません。ソーセージに原因があるように思われますが……。そのソーセージの中に含まれておつた病源物が何であつたかという最後の断定までは、未だ至つておりません。それをここで御報告申上げられないことを申訳ないと思います。それで取りあえずそのソーセージだと推定されますソーセージを作りました工場に、食品衛生監視員が今まででも行つておりましたが、今度の事件によりまして改めて参りまして調べましたところ、設備その他は大体基準に合つておる。比較的いい製造状況だつたのでありますが、いろいろ調べて見ましたところ、今度のソーセージの製造過程が少し不十分であつたのではないかというように疑われる点があるのであります。取りあえずソーセージが原因であるというふうに推定いたしましたので、その工場の製造販売を禁止しております。もう少しはつきり原因がわかるまで禁止しております。
  110. 藤原道子

    ○藤原道子君 今度の学校の中毒問題のみならず、この頃余りにも世上に中毒事件が起り過ぎると思うのです。非常にこれは不安なことです。従つて現在の指導員というのですか、それの働きの上に十分な注意、それとその人たちの教育というのですか、そういう問題はどうなつておるのですか。私は余りにも中毒事件が多過ぎると思うのです。
  111. 山口正義

    説明員山口正義君) 只今指摘のように、最近中毒が非常に殖えておりまして、昨年と比較いたしますと特に八月になつてから非常に多く出て来ております。食品衛生法を監視しております立場といたしましても、何とかしてこれを防止しなければならないと思いまして、先般も食品衛生のほうの食品衛生調査会の協力対策委員会を開きまして、いろいろ関係のかたがたの御意見も伺つて今後できるだけこういうものを少くして行かなければならん。最善の努力を拂つていかなければならんということになつたのであります。食品衛生監視員の数と質との問題でごいますが、数がまだ店舗の数に比べまし十分というところまでは行つていないところもあるのでございます、特に先般省令が改正になりまして採点制を実施し、それから店舗にいろいろの格付をして参りますので、それを一通りとにかく忙しく廻つておりまして、それをやりますのにまだ少し手が足りないくらいで、手不足の所もあるのであります。それからこの問題につきましては先ほど申上げました公衆衞生院て衛生監視学科というものを三ケ月次から次へと繰返してやつております。これに各保健所から衛生監視員を呼びまして、そうして再教育して新しい知識を吹込むということをやつております。数が今まだ若干足らないというところがございます。これは現在予算に、平衡交付金に入つておりますが、補助金でないものでございますので、熱心な府県では非常に寄附してくれます。が、熱意が足りないところでは殖えてないと思います。これはできるだけ十分な監視ができるように人が殖えて行くように私共極力注意しております。
  112. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 先ほど松原委員も申上げましたように、学校給食のことは教育の一環といたしまして非常に大事なことでありますから、今度のことで怯えないで、そして積極的にもつと教育の、教場においての教育よりも今度は教場のこともありますが、これはそういう心の糧と一緒に、体の糧も一緒に、これは非常に重要なことでありますから、どんどん予算を取つて本当に各学料と同じように歩んで、大きな二本の線として将来の義務教育の線においては、いつも受持つて貰わねばならんと私共かねてから思つておるものでございまして、その意味で給食に進むということにつきましては非常な準備もし、又期待を持つて進んで貰いたいと思つておるものでございますので、それにつきましてはお話を伺つておりますと、一方で給食の内容として安全食を考えております。その線を出すこと、これはどういうことを意味するものでございましようか。その線を出すことを考えておる、まだはつきりしていないが、そのうちに八大都市が始め出した。その八大都市が始め出しましたことにつきまして、文部省としましては食品の管理のほうはまだ厚生省の食品の監視員でするとしましても、施設の作り方において八大都市で始めたことについてどの程度に、或いはこれくらいならよさそうだ、これくらいは適当だとか、まあよくできていないが、自発的にやつているのだから始め出したという程度であつたのか。その出発ましたときの、今日の報告にございました地域においてのそういう給食についての準備の程度、様子はどんな工合でございますか。先ずそれをお伺いしたい。
  113. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 却つて激励のお言葉を頂いて恐縮に存じます。私共完全給食という形で出発しましたが、準備の程度はパンとミルクを主体に実は計算いたしておりまして、たまたまそれに「いわし」の罐詰などを事上使つておる。又味噌汁というものが特に中心になつて使われておりますということ、この二つはたしかその場において設備の監督者からも検査を受けております。従つて温色と申しますか、釜と一応作り上げたものを児童に渡すまでの設備、そういつた程度の設備で、大体パンとミルク、そうしたものに限つた場合だけに行き得るという計算で出発したわけでございます。
  114. 松原一彦

    松原一彦君 私はちよつと今の話を補いますが、やるとなるとすぐ山村僻地まで一斉にやる癖が今まであつたのでありますが、これは都会地に一番必要なので、農村などではそんなに必要じやないと私は思います。弁当が非常に父兄には不利なので、甲の者は卵焼を持つて来る、魚を持つて来る。貧乏な家庭では梅干一つしかやらないというようなことがあつて、食事上の差別が同じ部屋の中で行われるために、子供も家庭も非常にお困りになつているのです。七円五十銭で以て弁当ができればこれは非常に安いものです。七円五十銭では弁当はできないのであります。が東京都民の中には随分貧富の差別が烈しいのでありますから、先ず私は都会地のようなところを標準にして、そうして完全給食をおやりになるならばこれは学童のために今日非常な大きい福音だと思うのです。ただやるとなると卒然としてすぐこれを全部に及ぼそうとするような無理がある。その無理は一つお除きになつて、できるところからやらせる。そうして十分文部省のほうで監督……、併し監督は御承知通り府県に監督者があるのですから、その方面にやらせるとしても、文部省は奨励せられる以上は奨励の責任を負つて、共同の責任の下に徐々にできるところからやらせる。設備等も一応でき、検査もして完全なものから漸進するという方針をおとりにならんというと、又大きな災いが起る。どうか余りお急ぎにならずに極めて安全なところから順次これを全国に及ぼすような御考慮を持つて頂きた。文部省の責任は私は今のところでは奨励の責任だと思う。又地方の実施するところではそこの個々の食品上の責任もありましようし、それを地方に販売した者の責任もありましよう。すべて責任の所在はいろいろなところにあることは当然でありますから、まあ避ける態度は一切とられんほうがいい。そうして皆の責任として……、親がやつてもやはり中毒は起るでしよう。そうそう完全に中毒の起らないものがあろうはずはありません。どうぞ従来のように六・三制を布くというと山間僻地まで一ぺんに布いてしまう。ああいう態度は断じてよろしくない。無理が行われる。一斉にやるというようなことはどうぞ御考慮になつて漸進策をおとりになつて、安全を図られたいということを希望します。
  115. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつとこの際文部省のかたに、これから完全給食を実施して頂きますにつきまして、一つ要望しておきたいことがございます。只今も今回の中毒事件からしてこれからの完全給食はカロリーよりも衛生的にということです。そうして、今の監理局長のお話からしまして、給食は一つの教育だということをおつしやいました。教育という意味は多々あろうかと思いますけれども、これは私共の見地からいたしまして衛生教育の点が多いと思いますが、完全給食をいたしまして、衛生教育をなさいますことに、本当に設備の点が不備であつたということは根本方針に反していることであると思います。文部省のことを申上げては悪いのでございますけれども、私共のこれまでこの厚生方面から文部省のやつていらつしやいます方向と申しますか、方針を見ておりますと、非常に理論はおよろしいのでございますが、どうも衛生方面と申しますか、本当の日常生活に応用した衛生教育というものが非常に欠けていたのじやないかと思います。それで病院にいたしましても私共見て参りますと、文部省の病院もたくさんございますが、理論的にはおよろしいのでございますが、実際の面において困つておりますようなことを承知いたしております。学校におきましてもそういうようなことで、これは文部省でやらなければならない根本的な教育の面が欠けていたのだと思います。どうもその点で学校の衛生教育という点を給食の点に備えて頂いて実施して頂きたいと、要望して置きます。
  116. 山下義信

    委員長山下義信君) 今完全給食をやつているのはどのくらいあるのですか。それから全国でおかずだけ作つたりして食べさしている学校は一体どのくらいあるのですか。
  117. 向井春夫

    説明員(向井春夫君) 現在八大都市で完全給食の実施対象になつておる学童数は百二十七万あります。六大都市に広島、福岡が入つておまりす。
  118. 山下義信

    委員長山下義信君) 学校の数は……。
  119. 向井春夫

    説明員(向井春夫君) 学校の数は私記憶がありませんが、後刻何だつたら学校の数は御報告いたします。
  120. 山下義信

    委員長山下義信君) 君らは所管仕事ではないか。こつちは学校の数が幾らだと聞いたのではないか。ですから正確なことは後から報告するならばよろしい、何だつたらということはない。これは後でよろしいから報告して下さい。
  121. 向井春夫

    説明員(向井春夫君) はあ。そうして現在全国で給食を実施している学校が一万一千校ありまして、その中で六百十万人が配給物資の対象になつておりまして、これは文部省のやつておりますものでございます。そうして結局府県で何とか融通をつけてやつている。実際の人間が百二十万殖えておりますから、七百三十万の対象人員を現在やつておるということになります。
  122. 山下義信

    委員長山下義信君) 分りました。それでは監理局長にお聞きしますが、今の文部省のほうで学校給食をやつておる全国の学校に対して、直接なり、間接なり物資の斡旋をしている事実があるかないか。その点を一つ……。
  123. 久保田藤麿

    説明員(久保田藤麿君) 現在給食を事実上やつておりますところと、文部省の配給物参資を受けているところと二種類あるわけでございまして、直接うぢが関係いたします分はパンの粉と脱脂乳、それだけでございますが、それ以外のものはそれぞれ單位の御希望に  よつて、例えば「いわし」の罐詰を文部省で斡旋しろというような注文がございましたときに世話をしているものがございます。
  124. 山下義信

    委員長山下義信君) 若干斡旋していますね。分りました。  文部大臣にお尋ねするのでありますが、こちらの厚生委員会は丁度今日から公衆衞関係の審議をやつております。たまたま先般御承知の都内で給食の中毒事件がありまして、衛生の関係がありますので委員も視察に参りましたりしております。そこで今日はあなたに出席を願いまして、これは全国的に非常に関係のあります問題とも考えられますので、いろいろお伺いしたいと思つておりまして、さつきからお待ちしておりましたがよろしく願います。御出席になります前に監理局長と委員との間に相当質疑応答を重ねたのでございますが、今委員のかたから再び同じことを繰返して大臣に質疑することも重複いたしますので、委員長が代つて一括して質問してくれろということでございますから、私から大体まとめて伺いたいと思います。  第一点はこの学校給食が完全給食であろうと一部給食でございましようと、この給食というものを実施なさるについて文部省が十分準備をなさつて、或いは調理上の規格でありますとか、或いは調理に従事しまする人の問題でありますとか、或いはそういうものの物資の購入、つまり給食というものの運営等につきましていろいろ方法、その他或いは規格に合するように、或いは方法よろしきを得るように万般の準備をなさつて給食を現に実施しておいでになるかどうか。不完全なままでやつておられるというようなことがありますと、例えば中毒事件等が起きましたときは大変な責任になつて来る。それで若しそれらの準備が不完全であるということになれば、現状が完全であればよろしいのでございますが、不完全であるということになればそれらの設備、或いは人の問題、或いは運営等につきまして、どういうふうな対策を今後お立てになりますかどうか。それで若し調理上の設備等も衛生上の見地から不完全な学校がありますれば、これは至急に完全にして貰わなければなりません。それから又いろいろ衛生或いはカロリー等につきまして、十分注意ををする必要があるならば、そういう人の問題についても御心配を願わなければなりません。例えば栄養士の配置でありますとか、そういうものも必要ではないかと存じます。それから又運営が非常に不明瞭である。例えば学校長が全般の指揮をとつてやるのか、或いはPTAというような人たちと合同でやるのか。誰がその学校給食というものの運営の責任を負うのかというようなことをはつきりいたして置かなければならんことであろうと思います。例えば先ほどから委員が心配いたしますのは、今回の中毒事件は軽症で幸いでございましたけれども、若し万一にも設備の不完全、或いは物資の購入等、或いはそれらの検査等が不完全なために学童中たとえ一人と雖もそれがために不祥な事態が発生することになりますと、誰が責任を負わなければならんかというようなことも十分注意いたしておかなければならん。それらに対して大臣はどういうふうにお考えになるか、この際不完全な学校があつても依然として一部の給食、或いは完全給食はそのままであるか。この東京都内に起きました中毒事件を契機として十分それらの改善を至急にするお考えがあるかどうか。又この学校給食というものを教育上是非必要であるからやるというのならば、明確な何か運営上の法規と言いますか、基準と言いますか、そういうものを作つて適正な運営、或いは責任の所在等も明確になさる御意思があるかどうか。又厚生省関係といたしましては或いは直接御承知であるかどうか存じませんが、食品衛生の監視の法律があります。そういうものとの関連はどうなさるかというような点につきましての大臣の御所見を承わりたい。これは学校給食は全国に今聞きますというと七百万の児童に一部、或いは完全、いずれにいたしましても給食が行われておる。これが非常に適正に運営され、而も衛生的に十分学童に対してのそういう衛生の見地の万全を期していなかければならん問題でありますので、これは関係者が非常に関心を深めておる。この際大臣から十分御責任のあります又明瞭な御方針なり御腹案を承わりたいと、こういうわけでございます。
  125. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 給食そのものは私はこれは非常に教育上よいことではないかと考えております。家庭によつては子供が非常に好き嫌いがあるというような家庭もありますが、そういうことも給食ということで止みますし、又学校に来たらば子供が違つた弁当を持つて来るのではなくして、皆が相集つて同じものを食べるということは非常によいことであるし、又同じものを皆で食べるということが実に親しみを増すことで、先生と一緒に食べるというのは実によいことだと思つております。私は実は甲南高等学校の校長をしたととがありますが、あの学校では以前から平生釟三郎先生の御創意で以て晝食は誰も持つて来ないで以て、すべての全学校の生徒が全体の先生と一つの食堂で食事をするということをされておりましたが、私は非常によいことだと思つております。戰時中物資不足のために中断せざるを得ませんでしたが、今は又やつておることと思いますが、そういう意味で私は給食ということは非常によいことだと思うのです。ただ十分な準備なくしてこれをやるということの不適当なことは言うまでもございませんけれども、日本の経済の現状においてどれだけが不十分だということもなかなか一概に言えないことで、見方によりますれば不十分でも先生がた、或いはPTAのかたがたのお考えによつては衛生的な食物を作ることもできるのではなかろうか。けれども準備が不十分であるならば、私はそう今のようにおかずまで皆食べるということは非常に危險が多いと思う。であるから私は一時これは停止したほうがよいかと思いましたが、併し停止でなくても、ハンと牛乳ぐらいということならば、何も危險はないという考えを聞いて、それも尤もだということで、今危險といいますか、そういう不十分なところではそういう処置をとつておると考えております。で今後できるだけこれを充実して行く。併しできないところは今申したようにパンと牛乳だけ出して、おかずは自由に持つて来るというようなことでもよいのではないかという考えを持つております。でこれは非常によいことであつても、又非常に危險も伴うことでありますから、その運営等については十分整備しておかなければならんという考えでございます。今のところ私としてはそれ以外十分な知識を持つておりませんし、御答弁できないことを遺憾といたします。
  126. 山下義信

    委員長山下義信君) 今大臣もおつしやつたように、どれだけが衛生的な設備であるかということは見方によつて違うとおつしやる、それはその通り。それか国のいろいろまあ状態で国力とも睨み合せなければならん。そうハイカラな理想的なこともできないということもおつしやる通り。それはありますが、大体の基準というものがあるのです。法律に例えば工場の賄い場あたりには、労働省が基準を持つておりますし、それから食品をいろいろ扱いまするような場合の或る程度の規定というものも食品衛生法中にもありますが、学校だから少々設備は不完全でもよいだろうということも、まあお考えになりますまいけれども、全国的に見渡した場合に、多少設備等においてまあ十分でないのではないかと思われる点が率直に言つてあるわけであります。これは至急に設備改善、或いは適当な人の問題等も御考慮願わなければなりません。お考え下さるようでもありましたし、その辺がしつかりわかりませんので、将来に対して十分設備等について御盡力下さるかどうかという点を念のために一つ承わつておきます。それから今一つは運営の問題でございますが、実際におきまして学校長が責任を持つて物資の買入れをいたしましたり、或いは調理人を指揮指図をしても、若し指揮指図するならば、学校の職員として調理人を雇入れなければならん。まあ実情は先般問題を起しました神田の学校を見ましても、調理をいたします賄い婦は都のほうで別に雇いまして、又は日傭労務者を雇つておる学校もございます。そういうふうな学校長の人事権と申しますか、指揮命令権のない者にやらせましたり、或いはPTAの有志の人たちが賄いの手分けをする、或いは物資の購入等々もそれらの人たちがする。その責任を学校長が万一の場合に負わなければならんということになりますと、学校長は非常に心配だ。そこまでその責任を負わすということになるならば、調理人等等につきましても、学校長の権限の中で、指揮命令等によつてやらせるように一定のものが立つて行かなければいけないのではないか。又、給食をするについて多少の費用も要るでありましよう。事務費といいますか、そういうものも要るのではないか。それはどこから出るかというと、子供一人ずつが出しております実費の中から……、事務費も成るべく要らんようにいたしましようが、いわゆる食費代として徴收しているものの中から事務費をぴんはねをするというようなことでありますから、学校で給食をするというならば、給食に必要な経費というものも、これは別途、殊に教育上結構だとおつしやるならば、学校の経費の中にそれをお取りになつて、実際の費用は、本当に煮炊きに要つた材料なり、炊さんの費用を合せましたその実費の費用を、子供から徴收するというようにしたほうが、合理的で明朗ではないかというような点も考えられます。従つて給食を全面的に御実施になり、御奨励になるならば、確たる完全な準拠すべきものでもお作りになりましてお示しになるという考えがございますか。そこまで心配はしない、おのおの随意にやれ、いろいろやり方もある、学校が直営するのもある、PTAと学校が合作するのもある、或いはPTAに全部任すのもある。いろいろ流儀々々でやつたらよかろうというお考えでありますか、文部省としての御方針を承わりたいと思います。
  127. 天野貞祐

    ○国務大臣(天野貞祐君) 只今おつしやることは、一々御尤もだと思います。一体十分な準備がなくしてこういうことをやると、余り理想に走つてやるということは、確かによくないことだろうと思います。だからして、準備のできないところは、私は今申したように、牛乳とパンだけ配るとか、そういうような措置を講じて、できるだけ十分な準備をするように文部省のほうでいたしたいと思います。そのために必要な経費とかいうようなことについても、努力をいたしたいと思います。それができない場合には、今申したように、むしろしないほうがよいというのもなことでございます。又基準というようなものも、これを作るようにすることが私は結構だと思います。文部省の事務当局に私がそういう話をしまして、できるだけ督励して、そういう基準というようなものも作らせるようにいたしたいと思います。私は、非常に申訳ないのですが、今日これから是非急いで本省に帰らなければならん用事を持つておりますので、皆さんも御承知のように、今教育界が非常な問題を持つておりますものですから、又御必要ならば私が他の機会に御答弁をいたしますが、今日はこれで以てお許しを願いたいと思います。
  128. 山下義信

    委員長山下義信君) 承知いたしました。公務でございますから、御退席を頂きまして結構でございます。御苦労様でした。それでは午前中はこの程度にいたしまして、暫時休憩いたしまして、午後公衆衞生局所管事項を続行いたします。午後は一時半から再開いたします。    午後零時四十四分休憩    —————・—————    午後一時四十八分開会
  129. 山下義信

    委員長山下義信君) 午前に引続いてこれより開会いたします。  公衆衞生局所管事項につきまして質疑の続行をいたします。
  130. 中山壽彦

    中山壽彦君 来年度におきましては療養所のベツドが非常に殖える、新しく療養所増設されるわけであります。従来の療養所というものは、いろいろな外の建物が療養所に活用されたというようなものが多い。地方に行つて見ましても、内容がまちまちになつておる。私はやはり療養所の病室とか、或いは研究室であるとか、図書室であるとか、或いは又調理場の消毒施設というようなものに対しては、中央において何とか大まかな基準をきめられたらいいのじやないか。むろんこの基準ができましても、皆その基準に当嵌めるというようなことは個々の場合には非常に困難でありますから、弾力性を付けなければならんということはもとよりでありますが、大体の基準を設ける必要があるのじやないかということを考えます。これに対する御答弁、御所見を伺いたい。  いま一つは、新しく療養所がたくさんできますというと、現在の療養所の定員の上においても、医員、看護婦等には相当の欠員ができはせぬか。今度増設される新しい病院を運営するに必要な職員というものを受入れられる御意思があるかどうか。これは本庁の保健所の場合と同じようなことを繰返すことになりますが、そういう点について御所見をお伺いします。
  131. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 只今中山委員の御質問に対して御答弁申上げます。  療養所におきます各般の基準につきまして、細部をやつたら如何かということでございますが、誠に同感でございまして、私共次に制定改正を考えております結核予防法の中におきましてそうしたことができるような法的措置を講じたいと思つております。勿論この場合、現在の医療法で定められております分は、そのままこれが活用されるわけでありますが、それ以外の細部につきまして、特に結核療養所に必要な部分につきましても結核予防法でやつたら如何かと考えております。  次に明年度増床いたします結核関係施設職員の問題でございますが、現在のところでは需給関係につきましては一応対象者はあるという自信は持つております。これに人を得るということにつきましては、やはり待遇その他なかなか困難を予想される向きもあるかと存じております。明年度増床につきましては、純新設の場合と、それから既設施設増加という場合と二色に考えられておりますが、既設施設増加の向きにつきましては、やや楽観し得るかと存じますが、純新設の場合につきましては、相当な努力工夫をいたさなければ困難があろうかと考えております。できるだけ皆様の御援助を得まして努力いしたいものと思います。
  132. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 中山委員の御質問に関連して伺いたいのでございますが、一万一千の公立病院増床、千八百の公益病院増床補助予算が出ておるが、一床当りどのくらいの予算を取つておられるのでございましようか。それから一床当り予算の範囲でどの程度なさるのでございましようか。実は昨日も各委員の報告がございました中に、現存の国立療養所はまるで豚小屋みたいなところがたくさんあるという話でございます。この私共のこうした生活を裏付けして頂いて、保障して頂くためには、病院はくつきりとした設備を持つていませんと、なまはんかな設備をして頂いては、入院するときになかなかたくさんの設備が要るというのでは、却つて国民が迷惑すると思うのでございます。それで折角予算をお立てになるときには、一床の中で何もかも、お蒲団も敷布も枕も全部この一床の中に付けて貰いたい。今度の新設病院のときには、その予算を計上して頂くということは必要だと思うのでございますので、先ずその点を一つお伺いいたしたいと思います。
  133. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 明年度二万一千床増加予算のうち、それの單価でございますが、この問題は、これは必ずしも單一でございません。例えば現在既存病院の中に増床する場合と純粋の新設をする場合と單価が違つております。それから又関係方面のいろいろ御示唆もございまして、結核対策のために、設備よりも病床を作る方が隔離の上からいいのじやないか、その中には幾分簡易な施設考えておるのでございます。完全な病院の新設の場合には一床二十七万円くらいかかるわけであります。それから増設の場合は十七、八万円かかるのは普通であります。又いわゆる施設の方でございますと、増設の場合は十二、三万円というふうに單価がまちまちでございますが、大体平均いたしまして、十五万円から二十万円の間のところが多いと考えております。純新設の場合は、御案内のように本館、炊事施設治療棟等を含むので非常に高くなつております。それからその内容についてでございますが、只今予算査定の内容におきましては、蒲団幾ら、その他細かい点がまだ出ておりません。もう少し研究いたさねばならないと思いますが、機械器具等、近代のいろいろなものが必要でございますので、今御発言の全部に蒲団が十分付くかどうかにつきましては、ちよつと自信がない数字でございます。
  134. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 只今の御説明でよくわかりましたのですが、近代的な設備をするための予算は非常に結構だと思いますが、その気持が今日の病院運営の上に非常に大きな影響をいたしております。私病院を見せて頂きにこの間も参りましたが、先ず手術室とかレントゲンとか機械設備を見せて頂きました。病室の方に参りますと、如何にも汚ないのでございます。病室の方はどうでもいいといろ観念になりがちになつているのではないかと思いますが、どうぞそうしたことにならないように、そういう機械設備を先にして、病室の設備あとになつて病室をないがしろにするということのないようによく御指導頂きたいと思います。それから看護の面でも、中山委員質問にもございましたが、幾ら看護婦をお雇いになつても、今の病院のように廻りくどいことおびただしいものであつては何もなりませんので、どうぞ廻りくどくないような、働き易いような、これは既設のは仕方ありませんが、少くとも新設されるときはそういうふうにして頂きたいと思います。患者の枕許に手拭がある、見たらそれが新しい病院でございます。現在建てつつある病院であります。実にその病院の設計がなつておりませんのでございますから、お医者の治療もさりながら、看護婦の看護という点も十分御考慮に入れて設計して頂きたいと思います。
  135. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 今井上さんがおつしやいましたのですが、この間からずつと病院の医療のほうを視察させて頂きまして、医療のことはわからない者でございますけれども、私共考えますのには、今おつしやいましたように、いろいろ新しい機械の施設、レントゲン、これは素晴しいレントゲンだと拝見いたしましたが、そういうのは結構でございますけれども、治療と共に、これはその病院に入院します者は、そこでの患者の生活というものが非常に大事で、日本人は生活というものを大事にしない、これから考えなければならんところに当面しておるのだろうと私共考えておるものでございますが、病院の中におきましても、入院患者の生活というものは考えていないという場合が多い。実に多い、至る所の国立病院におきまして、殊に国立病院療養所結核の人が大部分でございましようが、その結核の人が、今も病院をこしらえて早く收容しなければならんとおつしやるのは御尤もでありますけれども、併しあの枕許の所へ、ベツドの下へ炭俵を置いて、枕許の所に各自が各自の七輪を置いて、そこで火を起してやつておる。今日の療養の仕方がそういうことでやつておる。勿論治療のほうが大事かも知れませんが、そこで生活しておる人が枕許で物を煮たり、その枕許に今おつしやつたように手拭を掛けておる。看護の立場からは、今、井上さんがおつしやいましたけれども、そこにいる患者の生活の仕方からいつて、まあ窓越しに寝ながら、この頃は少し郊外にありますので、山の梢が見えますことは有難いことでありますけれども、すべてのものをベツドの周りに持込まなければならないような、置場もない、皆自炊しておる、炭俵を置く所も考えて上げない、外にそれを置く場所もない、入院は結核ですけれども、結核患者の実際の生活の仕方というものは、もう本当にあれを豚小屋と言うのだろうと思います。これは是非これから病院をお建て遊ばしますならばそういう生活をさす。療養生活でございますから、單なる治療だけではございませんから、これは是非日本の医療設備においてこれかもも大いに重きを置いて行かなければならないことを痛感して参りましたのでございますが、どうかそういうふうな立場からのこの予算の組み方というものを是非主張して頂きたいと思います。生活面に携つております私共は、しよつちゆうこの日本の家の中の生活ということを考えておりますにつきましても、病院で痛感して参りましたのでございますので、お考え願いたいと思います。
  136. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつとそれに関連してもう一つお願いしたいことがございます。先ほどの病院の設計計画でございますが、病院の設計計画は厚生省がなされておるのか。病院そのものがなされておるのか存じませんが、若し地方でなさるのでございましたら地方、中央でなさるのでございましたら厚生省で是非とも看護婦の声を取入れて頂きたいと思います。どうもこれまでの病院はお医者さん本位ということで、病院というものは患者本位でなくちやならんことでございますが、勿論患者の声も取入れなければならないでございましようけれども、お医者さんと看護婦の声を取入れて頂いて、そうして設計をして頂きたいと思います。実は今年国際看護婦協会のほうからそう言つて参つておりましたから、厚生省のほうでは看護婦の声を聞いて病院の設計をして頂きたい。保健所の設計をして頂きたいということを申入れて置きましたのでございますが、この際改めてお願いして置きたいと思います。
  137. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 只今患者の生活の改善或いは環境の改善につきまして、十分私御注意を承わりましたし、或いは今の設計等の問題につきましても看護婦さんの御意見も聞くということは御尤もでございます。私共もできるだけそれに副うようにいたしたいと思います。
  138. 藤原道子

    ○藤原道子君 答弁が落ちていたんじやないですか。設計に対してどこが責任を持つでやるか。
  139. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 設計につきましては、それぞれ設置主体がやると思いますが、国立につきましては、厚生省自身でやりますし、公立につきましては地方庁でありますとか、或いは今後の計画では健康保険組合病床、或いは公益法人のものについても援助して作らせる方針でございますが、国立以下のものにつきましては、私共いろいろ專門家の御意見を承わりまして、基準設計というような雛型を幾つか定めまして、それによつて指導して行こうというふうに考えております。
  140. 藤原道子

    ○藤原道子君 そこでお伺いしたいのでございますが、新しく建てておる看護婦の寄宿舎ですね、国立療養所の看護婦の寄宿舎はひどうございまして、高知ですか、愛媛でしたかしら、病棟を変えて看護婦の寄宿にしておりますが、そこで寝起きしておる、若い看護婦が。今度新しく予算を貰つて寄宿舎を建てておりましたが、更衣室もなければ手洗もない。一日勤務した者がそのまま帰つて寝る。新しく建てるときに更衣室とかお風呂というようなものを私は考慮するぐらいのことがあつて然るべきじやないかと考えますが、どこに設計の責任になるかたがありますか、実にひどい。
  141. 有馬英二

    ○有馬英二君 先般来各地方を廻つて参りまして病院並びに療養所を視察したのでありますが、これは殆んど全国的な声だろうと思いますけれども、国立病院は陸軍或いは軍部の方面の継承である。それから国立療養所は軍事保護院からというものもありましようが、大体において交通不便な所だとか、そういうことからいろいろな要求をしなければなりませんが、第一には、人的関係が不整備ということであります。これはどこまで行つても一様に来る話であります。その原因は先ほど保健所についても言われたのでありますが、やはり給與改善するということが最も急務であるというような各所の声であります。この点当局においては、すべからく何より第一に人間を充実するということ、それについて必要なる給與改善するということについて、予算措置がとつてあるかどうか御説明願います。
  142. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 只今国立関係につきましては、ちよつと私の主管でございませんので、甚だ申訳ないと思いますが、担当のほうから御説明をすることにいたしたいと思います。尚国立療養所につきましての並行する問題でございますから、いずれにいたしましても、私共協力いたしまして努力する考えでございます。
  143. 藤森眞治

    藤森眞治君 今小川課長から結核予防法の改正を行われるようなお話がありましたですが、勿論今度結核予防法も大幅に改正せられなければならんと信じております。第七国会におきまして、我々結核対策の小委員会といたしましては、相当結核予防に対する調査報告を出しておりまして、これについて十分予防法の中には織込まれておるとは存じまするが、まだ社会保障制度と睨み合わせて或いは十分にまとまつておらない点もあるかも知れませんが、併し従来の予防法と新しく構想されるものと、どういうところに大きく違つて来る点がありますか、大きく変つた点だけを要領的に御説明を願いたいのと、それから若し予防法の大綱でもできますならば、次回の委員会あたりにおいては大体の御方針を承わりたいと存じますので、その大体の変ります大きな点を御説明願いたいと思います。
  144. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 予防法の改正の予想されるところの特に重大な点という御質問でございまするが、卒直に申上げまするというと、今回の計上されます予算原案につきましては、必ずしも私共事務当局としては満足すべき数字には達しておらないのでございます。併しながら従来に比べまして、相当大幅に増額されましたことは勿論、国会方面の御意見が各方面に反映してのことで、ここで感謝をする次第でございます。併しながら今申上げましたように、必ずしも事務当局としては、十分な数字でございませんので、それによつて私共平素考えておりまする立派な法律に作り上げ、或いは又全般の御要望の中のいろいろなものが全部具体化されるということにはまだ一歩足りないじやないかと考えております。私共がどうしても実施いたしたいと考えております第一の問題は、健康診断或いは予防接種につきまして、その実施の義務制を従来の形を若干変えて行きたいという点でございます。予防接種につきましては、現在予防接種法の中に統轄せられております部分を現在予防法の中に取入れまして、これと健康診断と相関の関係において実施しで行きたいという点が第一の点であります。第二の点といたしましては、現行法にもあるのでございますが、これを予算の裏付けを以ちまして、もう少ししつかりやつて行きたいという点がございます。それは命令により就業を禁止さしたような方々が、それによつて医療費負担できないというような場合、現在では保護法の適用がないのであります。これは予防法の中でも規定して行きたいというふうに考えております。尚第三の点につきましては、医療費負担でございますが、現在医療費は自身が賄い、或いは社会保険、或いは種々の社会保険、それから生活保護法等によつて賄われているのでございますが、その特殊な医療に関しまして、国庫或いは地方公共団体の負担を明らかにするという点でございます。それから第四の点は、結核療養所の設置が現在では地方義務になつておらぬのでございますが、今後公共団体でも設置せしめる方式にいたしまして、地方の設置義務よいたしたいというようなことも研究しておる点でございます。勿論今後法律等で義務付けました大幅の健康診断等実施いたしますと、それにより事後措置等も考えなければならんと考えますが、特に考慮すべき点は、結核を発見した場合に、その人が不当な取扱を受けないというようなことなども十分研究いたさなければならん点だと考えております。尚こうした法律を運用いたしますに際しまして、私共事務当局の独善に陥らないために、法律の中に結核予防に関する審議会というようなものを規定いたしまして、有識者のお力をいつも借りて立派なものをやつて行きたい。これらも法律に謳いたいという点でございます。大体以上が今ここで気が付いたことであります。
  145. 藤森眞治

    藤森眞治君 いろいろ新しいものもできまして非常に結構なんですが、只今事務当局では、まだ十分でないというお話もございますので、ややもするとこの法律を作るに際し、或いは予算化とか或いはいろいろそういうふうな方面に制約されるために、それらの立派な法律を作ることが、まあ予算の面から押されて法律の面が十分に現われて来ないというような感じがあることも多々ありまするので、結核は今一時的のものではなくて、少くとも五年なり十年という長い計画を持つて行きますので、現在の予算が如何ようでありましようとも、五年乃至十年先の計画に合うような方法をお願いしたい。又途中で改正しなければならないということでなく、十年或いは十年以上になりましても立派に理想通り結核が世界の水準まで下がるということに自信を持つて、法律を主として予算をこれがリードして行くというふうな立場から御立法願いたいと存じます。  それに続きまして、結核予防法の中へ予防接種法を入れるという、これは非常に結構だと存じまするが、それにつきましてこの予防接種のBCGの問題があるのでございますが、昨日承わりましたところでは、どうもこのBCGの費用というものが患者負担になるというようなことを聞いたのでございます。果してさようでございましようか。苟くも国家が法律を以てやるのに、費用を接種を受けます者の負担で行うというようなことは、どうも納得が行きにくいので、少くとも材料だけは、強制をした場合には国が負担するのは当然じやないかと考えるのですが、この辺如何でございましようか。
  146. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 法律の制定の際に、予算に制約されることなく研究しろというお言葉でございますが、私共できるだけそのように努力いたしたいと考えております。御審議の節には何とぞよろしく御配慮願いたいと思います。  第二の、BCGの強制接種に際して個人負担になつておるかどうかという点でございますが、現在大蔵省の査定案の中では、定期接種すべきものの凡そ三割を無料でやつておるというようなことになつております。その三分の一を国が負担し、三分の一を府県負担し、三分の一は実施者或いは市町村負担する、できる限りこれを少くとも個人負担でなしにやりたいという考えは誠に同感であります。更に又予算或いは法律案実施等の際には再び努力いたしたいと考えております。
  147. 藤森眞治

    藤森眞治君 それから結核病床増床につきまして、地方公共団体、或いは公益法人等にも増床計画を許して補助するということもありますが、これも非常に名案で結構と存じます。それにつきまして、新しくできました医療法人に対してもやはりこれをおやりになることでございましようか、この点を……。
  148. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 現在の公益法人に対する補助の規定があるのであります。これは民法三十四條の法人をさしておりまして、現在のところでは、医療法人については考えておらんのでございますか、次回法律改正の際、営利を目的としない法人ということを書き現わせば可能になると思いますが、少し研究いたしたいと思つております。
  149. 藤森眞治

    藤森眞治君 医療法人は、御承知通り法律を以てやることになつておりますので、まだ現在においてはそう沢山医療法人もできておらないと思いますが、併し二十六年度においては相当できる。而も相当の結核病床を持つておるとか、或いは療養所を持つておるような人が医療法人になることは疑いないので、これは是非取入れるということにして頂きたいと存じまするが、尚それについて公益法人施設補助をされるのは、これはどの位の割合で公益法人に対して補助されるのでありますか。
  150. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 公益法人に対する補助は、現在の規定では二分の一以下ということになつております。この場合、私共としましてはできるだけ最高限の補助率を出したいと考えておりますが、やはり広く希望者と申しますか、各法人に呼びかけまして準備のほどを調査しなければならんのでございます。その場合に全部二分の一ということになりますというと、勿論結構なんでございますが、非常に増床の数が少くなる、或いは自分のところは三分の一でもやらしてくれというような向きもありますと、それらを勘案をいたしまして、できるだけ公平にやるという考えております。大体二分の一が最高でございます。
  151. 藤森眞治

    藤森眞治君 審議会をお設けになるということでございますが、この審議会は厚生省内に置くという審議会でございましようか。又もう一つ大きく、いわゆる国会議員等も入れ得る範囲の審議会でございましようか。
  152. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 只今考えておりますところは、厚生大臣の下にやることを考えております。
  153. 山下義信

    委員長山下義信君) 国会議員を入れる考えるがあるか。
  154. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 従つて私共事務当局としては、議員さんの御加入を考えておらぬのでございます。
  155. 山下義信

    委員長山下義信君) お尋ねいたしますが、結核対策を今後強力に遂行して行く上において、行政の運営上できるだけ一元的に強力にやらなければならんのじやないかと思う。今新聞で見ると結核対策本部というものができておる、ああいうもののやり方は相当恒久的にやる考えでおるか、或いは何かその行政機構の改革等に関連して、結核対策の一本化ということを考えるつもりでおりますか。そういうことに対する考えはどうなつておりますか。
  156. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 只今結核対策本部は、これは厚生省としましては、結核の問題が各局各課に跨る事項が多いのでありまして、これを法律的に運用いたしますために、機構の改革も考えていいわけでございますが、適当な手段が得られませんので、取りあえず各局各課総合された一つの動きをするという意味であの本部を考えたような次第であります。当分の間これによつてつて行くつもりであります。
  157. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 この結核予防接種に使いますBCGでございますが、BCGに期待をいたしますことは、実に至るところで期待いたしておりますが、なかなか間に合わないのですが、そうはできないのですか。それとも相当費用がかかつて予算の上でそうは行かんという意味ですか。それとも又今清瀬一ケ所で作つているのですが、あそこでは全能力であれだけしかできない、もつとああいう所をこしらえればできるというのですか。そういうことにつきまして予算などの制限があるのか。そういうことを聞かして頂きたいのです。
  158. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) BCGの問題は、薬務局の所管でありますが、私の承知しておりますことを申上げたいと思います。現在BCGの生産は順調でございまして、今製造所であります結核予防会の本部では百七十万人分の手持があるということを聞いております。尚年末には七、八百万人分は検定に出ておりますので、これが年末までに十分配給されるように聞いておりますから、大体において私共は十分であるというふうに考えております。ただこれが地方市町村というような実施形態になつておりますので、或いは赤痢等が出たような地域というような点では、全国的な実施計画ができておらぬような点があると思いますが、現在のところでは十分間に合うと思います。
  159. 藤森眞治

    藤森眞治君 新しくできた予防法の中では、自宅療養患者についてはどういうふうなことを考えておりますか。
  160. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 自宅療養患者につきましては、特別法律案の中では大きくは考えておりませんが、事が重大でございますので、ただ法律の書き方としては、特別の現わしようが少いのであります。そこで少くとも届出がございますれば、登録され、登録されたものにつきましては保健所から保健婦その他の者が十分に御面倒を見るというシステムにいたしたいと考えております。御案内のように、この九月から自宅患者につきましても栄養品の特配が漸く可能になりました。そのため却つて非常に届出が殖えて参りました。これらと併せまして保健活動を強化したいというふうに考えております。又関連した予算事項としましては、従来自宅療養者を訪問指導する保健婦が足りなかつたのでありますが、二十六年度からは相当保健婦が殖えるのじやないかと思います。
  161. 藤森眞治

    藤森眞治君 自宅療養患者については、自宅の居室或いはその環境を少し指導して改善してやるということで、收容施設が相当緩和されるのじやないかと思いますが、そういう点にも一つ御考慮を拂われる御意思はございませんか。
  162. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 甚だ遺憾なお答えをしなければならんのですが、只今の法律案でも、自宅療養者の家庭において特別な、特に必要な場合には改善を命じたり、指示する項目が入つているわけでございます。私共は具体的な予算の裏付けがございませんので、ただ指導としてやつて行きたい、そういうことで努力いたしたいと考えております。
  163. 藤原道子

    ○藤原道子君 先ほど藤森委員からも御質問ございましたけれども、BCGは国庫負担にしたほうがいいと思いますが、只今三分の一を国庫負担しておるようなことでございましたが、全額負担にして予算はどのくらいかかるのですか。
  164. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) 全額負担にいたしまして十億くらいかと存じます。
  165. 藤原道子

    ○藤原道子君 それから地方を廻りまして、BCGが現在百人分になつておりますが、そのために非常に無駄が出たりするので、是非とも十人分くらいにして欲しいというような要望が強いのでございますが、それはやはり予算に制約されてできないのでございましようか。そういう実情はすでに耳に入つていると思いますが、それを現在なされないのは、どこに原因があるのでございますか。
  166. 小川朝吉

    説明員小川朝吉君) BCGの少人数分の要望については十分に承知しておつたのでありますが、現在の製造上の能力から見まして、結局同じ操作が加わるため、十人分にすると機械設備がそれだけ余計に要り、それだけ人件費が要る。ただちよつと御注意を申上げたい点は、現在百人分というアンプルになつておりますが、実際の使い方では、大体私共は七十人分くらいというように考えておるのであります。と申しますのは、一々針を取り換えたり、或いは注射液を個人ごとに少し余計に出しますので、実際には百人分使えない。従つて小分けして仮に十人分といたしますと、五十人分以上の要望がある場合には、それは百人分に近いのであります。それから生産工程から見ますと、これを二十人分に仮定いたしましても、価格は余り下らんのでございます。充されますものは安い金額でございますが、これをただアンプルに詰めたり分けたりするほうに非常に原価計算上値上りを生ずるということでございまして、例えば百人分を五十人分にいたしましても、二分の一になりません。そういうような意味で取りあえず今のまま地方注文の場合は無駄をしても便宜を図るようにということで努力しております。
  167. 山下義信

    委員長山下義信君) 公衆衞生局関係の御質疑はまだあるかと思いますが、時間の都合上この程度にさして頂きたいと思います。但し山口部長、小川課長はお残り頂きたいと思います。この際午前に御質問がありました保健婦訓練に関しまする予算等々につきましての山口部長の答弁を求めることにいたします。
  168. 山口正義

    説明員山口正義君) 今朝ほど藤原委員から御質問ございまして、御返答を延ばさして頂きました保健婦の養成につきまして、今朝ほど申しました結核予防会に委託します講習会の外に、国立公衆衞生院で長期短期と二種類の保健婦講習をいたします。長期の方は二十五名、一年間、短期の方は五十名ずつ四ヶ月、三回、それに要します予算は百二十九万円計上してございます。尚この外に都道府県で実施いたします保健婦講習の計画を、医務局の方からお立てになつ予算で計画しておられます。これは医務局の方からお話して頂きたいと思います。
  169. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは只今から医務局に関しまする質疑に入ることにいたします。尚この際井上委員から要求のありました労働省の職業安定局から三好事務官が見えておりますので、井上委員質問簡單にお願いいたしたいと思います。
  170. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 労働省の係りの方にお伺いいたしますが、外でもございませんが、医務局関係いたしております派出看護婦の問題でございます。御承知のように第二国会で制定になりました職業安定法によりまして、現在看護婦は派出いたしておりますが、只今のところ二、三年の経験によりますと、職業安定所で紹介して頂きまして、非常に便利をしておりますところもあるのですが、職業安定所で紹介をして頂きますがために、患者のほうも不便を感じますし、それから看護婦の何と申しましようか、気持に少し……何と申しましようか、研究心が、一日たりとも研究はおろそかにしてはいけないと思うのでありますが、研究心が衰えで行くのではないか、單に身体だけを動かしておればよいのじやないかというような気分が起つて来るという不安もございます。看護婦の資質向上ということが一生懸命になつて行われまするのに、一方派出看護婦の面で資質が低下するというようなことがあつては非常によくないと思いますが、この頃看護婦の仲間で、そういうよう  な意味におきまして派出看護婦の職業紹介だけは何とか考えて頂かなければならないという声が起つておりますが、労働省のお考えは、どういうように派出看護婦の問題を取扱つて来られましたか。現在これをどういうように取扱われておりますか。将来これについて改善なさるようなお気持でもありますか。ちよつと伺わせて頂きたいと思います。
  171. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) 派出看護婦の紹介は、我々労働省のほうとしては職業紹介機関で紹介するということができますれば、これは一番よいと思うのでありまして、その方の体制を整えようということにも努力いたしておりますが、なかなか紹介技術上にいろいろむずかしい問題もございますし、地方看護婦という一つ技術者建前から、職業安定法で認められておりますところの有料の職業紹介機関はこれは労働大臣の許可事項といたしております。又各地に私営の職業紹介の施設をやつておるわけでございますが、看護婦さん自身が自分達でおまとまりになりまして、そうしてそこで実際に職業紹介をやつて行くという形は労働組合という形もありましようし、或いは申合せ組合という形もあろうかと存じますが、そういうふうな組合がやつて行きますときに、それが有料の職業紹介の中でも営利の職業紹介と非営利の形の職業紹介制度もございまして、実費の形などでおやりになつて行くということにつきましては、これは看護婦さん自身のためにも、手数料といいますが、自分たち自身で本当の実費だけでやつて行くということは、職業安定の上からもその方法でお進み頂くことは一向差支えないと考えております。尚教育の部面につきましては、職業安定機関としましては、そこまでは立入ることはできませんので、一つの紹介の過程を行うところの機関でございます。
  172. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 それではこの際ちよつとお伺いして置きたいと思うのでございますが、職業安定所で看護婦の登録を受けましてからすでに三年になると思うのでありますが、派出看護婦の数は増加いたしておりましようか、減つて来ておりましようか。
  173. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) 実際の数におきまして、当初よりも実数においでは殖えているという部面があるのでございますが、他方現存の安定所のほうの機能では十分な就職の機会を得られないというので、一つの私営の職業紹介機関の方向を辿ろうという傾向もありますので、その当時と最近までの比較は現在数の上ではできませんのでございますが……。
  174. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 只今伺いますと、数字ははつきりしておらないというお話でありますが、実は本年は非常に伝染病が多くて、御承知のように赤痢が流行りましたが、隔離の病人が、伝染病が出ましたときに臨時に雇い入れますのは派出看護婦でございますが、職業紹介機関に申入れましても、それが得られないで非常に不都合を来たしたということがあると思うのでありますが、こういうところの責任はどこがとつておるのでございましようか。ちつとお漏らしを願いたいと思います。
  175. 山下義信

    委員長山下義信君) 三好事務官、あなたの方に多少責任がありますか。
  176. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) これは伝染病が実際起きて、そのために治療の面で支障が起きたということになりますと、これは問題は非常に大きな責任問題だと存じますが、職業安定機関といたしましては、求人者と求職者との結合を図るというところに一つの使命があり、そういう機能があるわけでございます。安定機関に登録しておる看護婦さんを、その場で求人者があるから行つてくれと言うことはこれは直ちにできると思います。登録してない、或いは登録しておりましてもよそへ收容しておる看護婦さんを直ちに集めて、ということは、やはり現在少し困難だと思うわけなんですが、それが相当な期日が、これは伝染病のような場合に余裕はないと存じますが、求職開拓に或る期間の経過が得られるならば、或る程度安定所の方で看護婦さんを多くすることができると思つております。
  177. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 そうしたような場合におきまして一つの実例がございますが、ここに看護婦さんがおるからというので、或る人が看護婦の仕事を持つて来て、直ちにそれが職業安定法違反になつて、労働基準法に引掛るというような例もあつたのでございますのですが、それはどういうふうに行くのでありましようか。
  178. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) 職業安定法で禁止しておりますというよりは、むしろ先ずこれは全般的に人の就労する機会というのは、求人者と求職者がお互いに話合い、最初の機会から話合つて、そしてそこで就職するということはいささかも問題はないわけでありまして、ただそうやつて集めるという方法に、募集という一つの制約がありまして、それから第三者を介してやつて行くというところに、或いは労働者供給事業、或いは私営職業紹介事業という部面も、禁止規定に掛る部面が出て来るのでありまして、たまたま看護婦さんが一人おられまして、患者自分の方でこの看護婦さんの所に直接に参りまして、雇入れたい、又看護婦さんも雇われたいということによつて、こういうような雇用関係ができ上つて行くということにつきましては、別に職業安定法で禁止しているわけではありません。
  179. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 大変時間を取りまして申訳ございません。この問題は非常に大きな問題と私共心得ておりますので、恐れ入りますが、労働省に、只今派出看護婦の登録人数に関する資料がございましたら、当委員会の方へでも出して頂きたいと存じます。
  180. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) 最近の数字だけでよろしければ、数字だけは承知いたしております。
  181. 山下義信

    委員長山下義信君) 資料を御提出願います。
  182. 藤原道子

    ○藤原道子君 派出看護婦の問題で、極く簡單にお伺いしたいと思いますが、派出看護婦というけれども、看護婦という性質から申しまして、職業安定所でお取扱いになることが妥当でし  ようか。伝染病は急に起きたりする場合がありますし、私たちいろいろ疑義があるのでございますが、どういうふうにお考えになつておりますか。
  183. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) 職業安定法といたしましては、看護婦さんが安定所の手を通じて就職したいというものを拒否する権限はありませんでして、当然そういう求職者が紹介して欲しいというふうに安定所を利用される場合に、安定機関としては、その人の就労の機会を一日も早く作るということが趣旨であります。併し他方成るべく安定所を利用して欲しいという考え方は、看護婦さん自身の問題について、私共どうこう言うのではありませんが、看護婦さんの就労の機会を得る過程において、従前は非民主的なものがありはしなかつたかという面で、その面から安定所を利用されるという方法がよいのではないかということを考えておるのでございます。
  184. 藤原道子

    ○藤原道子君 それだけでございますね。
  185. 三好由三郎

    説明員(三好由三郎君) そうです。
  186. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは久下医務局次長から、明年度医務局関係予算について御説明を願います。
  187. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) それでは私から医務局所管昭和二十六年度予算の重要な点だけを概略申上げて御了解を得たいと思います。  先ず申上げたいと思いますことは、公的医療機関の整備に関する計画であります。この問題につきましては、  すでにこの委員会におかせられましてもたびたび話題に載せられたことでありまして、筋途は御了解を得ておると思うのでございますけれども、私共といたしましては、新しい医療法の施行に関連をいたしまして、医療機関、特に病院設備整備を是非とも必要だということを感じて、実は前から予算の折衝をしておつたのでございます。そこにたまたま御承知社会保障制度の勧告も近く行われるというような段取りに相成りまして、厚生省といたしましては、全体として昭和二十六年度社会保障制度の準備をなすべき具体的な案に着手すべきだということで、いろいろとお聞き及びのような予算措置をとろうという計画を立てたわけでございます。その一環がこの公的医療機関の整備の問題でございます。併しながら何分にも多額の経費を要するものでございまして、私共としては甚だ遺憾ではございましたが、財政の都合上、昭和二十六年度はただ單にこの方針予算の上に頭を出したという程度の五千万円だけの予算が認められたことに只今のところなつておるのでございます。併しながら今申上げましたように、さような趣旨における公的医療機関、特に病院の整備という問題が正式に財務当局からも承認をせられたということは、私共医務局関係者といたしましては、一つの画期的な事柄であると思いまして、今後ともこの内容の充実に努力をいたしたいと思つておるのでございます。  それから次は、医務局の、第二と申しましても、順番ではございませんが、次に申上げたい大きな問題は、結核対策の一翼でございますが、私共の担当いたしております国立結核療養所の運営に関する問題でございます。これはすでに結核対策の全般をお聞き頂きましたので御了承頂いておると思うのですが、私共としては、従来の関係もありまするし、国立結核療養所の新設及び拡充を企図いたしまして、相当の結核ベツドの整備を計画して、予算の要求をいたしたのでありまするが、只今までの折衝の結果によりましては、僅かに来年は千五百床を療養所増設するということが認められたのみと相成つておるのでございます。併しながら国立結核療養所経営に必要なるいろいろな経費につきましては、昭和二十五年度よりも相当額の予算の増額も認められまして、先ず支障なく、この程度ならば療養所整備なり運営ができるのではないかと考えておるのでございます。  次に、療養所関係では、御承知通り年度は癩療養所につきまして二千床の増床が認められ、現在その工事を進めておるわけでございます。来年度は更にこれに一千床を増加することが只今までのところ認められております。このことは前にも私から申上げたと存じまするが、逐次我が国の在宅癩患者收容患者を全部癩療養所收容いたしまして、癩の根絶を図るという計画に一歩を進めたことになるのではないかと考えております。本年度二千床の増床を認められました分につきましても、来年度年度当初から経常費を認められまして、又これに必要な人員の増加も承認をされましたので、年度当初から異常なく運営ができる見込でございます。療養所関係その他につきましては、特に取立でて申上げることもございませんが、精神療養所につきまして、事実上患者收容能力がございますので、若干の予算上の増床は認められたことになつておるのでございます。  次に、国立病院の特別会計の問題につきまして大綱を御説明申上げて置きたいと思います。国立病院の特別会計につきましては、国会におかせられましてもいろいろ御心配を頂きましたのでございます。すでに第二年度に入つて只今つておるわけでございますが、昭和二十四年度の決算の結果によりますと、九ヶ月間、即ち二十四年の七月一日から本年の三月三十一日までの特別会計に入りました第一年度の決算を見ますると、貸借対照表の簿記上の剰余金の利益は三億三千万円でございます。現金で剰余金を生じましたのは十二億三千万円でございます。当初危惧いたしました経営上のそうした面における支障はなかつたものと考えておるのであります。勿論そういうことによつて、運営上の点につきまして、いわゆる営利的な運営の仕方をするということにつきましては、先ほども申上げましたように、私共は当初から機会あるごとに厳重に警告をして参つておりますので、先ず手前味噌を申上げるようでございますが、国立病院の治療上の面におきましては、そう大きな非難を加えられるほどのことは、特別会計のために起つたことはないと信じておるのでございます。さような経過を経まして、本年も今第二年度をやりつつあるのでございますが、これらの経験に徴しまして、来年度におきましても、同様な計画の下に国立病院の特別会計の運営ができるものと期待いたしております。ただ逐次患者増加を見ておりますが、本年度は入院患者二万二千八百、それから外来患者二万三千、これを日々の数といたしまして、予算の計画が立てられておつたのでございます。来年度はこれを入院、外来共に二万四千二百日々患者が来るというような計画の下に特別会計の予算を立てたのでございます。尚本年度承知通り国立病院のうち六ヶ所を結核療養所に転換をいたしたのでございます。これは当該国立病院が、殆んど大部分の患者結核患者收容しております実状に応じまして、さような措置が講ぜられたのでございます。来年度も同様にその後の経験に徴しまして結核療養所に転換をするほうが当該病院の運営上都合がいいと思われますので、やはり六ケ所を国立結核療養所のほうに転換をする計画を立てておるのでございます。従いましてその辺のベツドの差引はございまするので、それらを差引きいたしまして先ほど申上げました二万四千二百床の入院患者、二万四千二百人の外来患者を扱うという計画になつたわけでございます。さような関係から自然国立病院特別会計の收入の面も増額になるわけでありまして、同時に又患者一人々々の收入につきましても、実際に今までやつて参りました経験によりますと、逐次入院患者、外来患者共に一人当りの件数、社会保険によります件数が高まつて来ております。それらの点も実績を考慮いたしまして計算をし、そういう意味から国立病院の歳入の計画はベツドの増、それから一人々々の患者当りの收入の増というようなものを合せまして、今年度よりも相当の歳入の増になつているのでございます。それから一般会計の繰入れにつきましても、従来と同様に一般会計からの繰入れを受けなければ、勿論国立病院の適正な運営もできません。そういう線に沿つて要求をいたしたのであります。只今までにきまつておりまするところでは、一般会計の繰入額が今年度より二億九千万円ほど減額になる計算に相成つております。これは一つには、先ほど申上げたような歳入面の増加があるということから生じたものでございまするが、他面におきまして、只今のところの予算案の内容では、来年度における国立病院職員のベース改訂の費用は全然この中に含まれておりません。数字を申上げて差支えありませんが、只今までの特別会計の收入支出総額が、只今のところは四十億六千五百万円と相成つております。肝心な点を申上げないで恐縮でございますが、これは本年度に比較いたしますると六億六百万円ほどの増額になつております。即ち本年度は特別会計の收支予算額は三十四億五千九百万円、これを来年度は四十億六千五百方円に増額になつているのであります。この四十億六千五百万円の中には、来年度の国家公私員の給與ベースの改訂の予算が入つておらないのでございまして、これは財務当局との折衝の約束によりますれば、この分は当然一般会計の繰入れを以て賄つて行くという方針で話合いをいたしておるのでございます。従いまして一応は繰入額が本年度より減つておりまするが、そういう意味合いにおきまして、大体本年度と金額においては同程度の一般会計の繰入れができるだろうという考えであります。尤も比率から申しますと、当然御判断を頂けまするように、予算総額が欠けておりまするが、その意味からに今年度よりも繰入れの比率は減るのでありまするけれども、今申上げたような関係から、十分私共といたしましてもこれで来年度の病院運営は差支えなくでき得るものという見込みでございます。特に、これは療養所の所でも申上げませんでございましたが、特に国立病院につきましては、来年度は本年度に比較いたしますると、病院の改善のための費用、本年度はすべてを合せましても国立病院は七千万円、程度であつたと思いますが、来年度は全部で病院の補修費、改善費、改善と申しましても営繕的なもの、これが二億四千万円ほど計上をされておりまするし、又医療機械の面におきましても、来年度は七千万円と一応見込みを立てておりまして、本年度の約三倍強のものが医療機械の整備のために予定をせられてございます。そういうふうにその他の医療費或いは賄費等の單価は、米価の値上り等に基きます増額がありました外は、大体本年度と同額でございまするけれども、そういうような病院の内容改善の面につきましては、私共必ずしもこれで十分とは思つておりませんけれども、本年度に比較いたしますると相当程度の増額になります予定になつておる次第であります。極く大掴みの、而もまだまだ重要な問題がたくさんございますかも知れませんけれども、御質問に応じてお答えを申上げることにいたしまして、数個の点のみを申上げて御了解を得た次第であります。
  188. 中山壽彦

    中山壽彦君 只今久下次長から予算の御説明を承わつたのでございますが、明年度における公的の医療機関としての予算は極めて少額であつて、国家財政の立場からこれも止むを得ないと思いますが、当分これも非常にたくさん取つて欲しい。併し特に病院を増設するということが果していいかどうかということは、非常に困難のように私共見通しを付けております。現在の診療機関の分布、殊にこの病院の分布状態を見ますというと、地方の末端におきましては非常に少い。殊に十ベツド以下の病床数も相当あるようであります。この十ベツド以下の病床には四十八時間しか收容ができないという限定された制度になつております。どうしてもこの限定をされておりまする四十八時間という時間を、もう少しゆるやかにするというようなことをしないというと、地方の末端におきましては重症患者がありましても收容する所がない。又遠方に運ぶには輸送車もなければ道路も悪いというようなことで国民は非常に困つておるというような現状を地方に参ると聞かされておるのであります。この四十八時間の制度を若干ゆとりを付けるとかいうようなお考えが今の御当局にあるか。私共は是非この問題をもう少しゆるやかにやつて頂きたいと、こういうような感じを持つておるのです。この点に対する当局の……。
  189. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 只今のお尋ねの問題につきましては、すでに私共も各方面からいろいろと御同様の御意見を拝聴いたしておるのであります十分考えておるつもりでございますが、一方におきまして、実はこの問題は新しい医療法の狙つております最も根本的な考え方方針一つであります。恐らく考えようによりますると、この制度をやめるとか、或いはどの程度にいたしますか、ゆるやかにするというようなことになりますると、又医療法の根本的な御方針を変えて行くというような、極めて重大な事柄だと考えておるのでございまして、この席で私から今直ちにお尋ねのような点について御満足の行くようなお答えができませんことをお許しを頂きたいと思います。私共も日本の実情から考えまして、公的医療機関がこの法律の施行に差支えないように、つまり何と申しますか、医療法十三條の四十八時間制限というものが十分に病院のゆとりができることによつて、何ら支障がなく施行できるようにすることは、只今の段階においては見通しが持てないというふうな点につきまして、極めて実は悲観的な気持であるのであります。今日のごとき段階といたしましては、私共としては尚この問題につきましては公的医療機関の整備という問題、これは公的のみならず、一般医療機関の整備という問題につきまして、もう少し努力をして見まして、その上でその関連におきまして四十八時間制限の問題を何とか考えて見たいというような考えでおりますことだけを申上げて置きます。
  190. 中山壽彦

    中山壽彦君 只今国立病院の独立会計になりました経済情勢を承わつたのでありますが、独立採算制になります前と昨年七月から独立会計になりました後の患者一人に対する診療費というものについては、どういうふうな関係になつておりますか。
  191. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 国立病院の一人当りの医療費、これはいろいろな見方があろうかと存じます。総経費を外来或いは入院に振分けて考えるというようなやり方もございまするが、この点は実は外来と入院と分けて考えることを今研究はいたしております。或る程度の資料はできつつございますけれども、どういうふうに分けるかということはむずかしいのでございますので、別の面からお答え申上げて見たいと思います。これは收入の面から申上げて見たいと思います。昨年度特別会計の予算の編成をいたしましたときに予想されました入院慰者の一人当りの社会保険の点数で計算いたしますと、二六、五ぐらいになつたと思います。つまり一日入院患者一人当り二百六十五円くらいの計算になつております。それから二十五年度予算の編成につきましては、これが三十点になつております。二十六年度予算の編成に当りましては、私共としてはその後の病院の実態を見まして、すでに三十点を越しております。その他ストレプトマイシンでおりますとか、パスでありますとか、そういうふうな特殊な薬品が相当広く来われております。それらを併せ考え、更に又完全給食なり完全看護をいたしました場合に、それに合計四点の社会保険の点数の追加もあります。それらのことも併せ考えまして昭和二十六年度は入院患者一人当り三四・五、即ち三百四十五円というような工合な総額になるであろうという見込を立てております。外来患者は昨年十点、本年もたしか十点でございます。来年度は十一点ぐらいになるということで計算を立てております。
  192. 有馬英二

    ○有馬英二君 先ほどお尋ねしたのですが、国立病院の方でというお話でしたが、予算面に国立病院職員、特に医員の待遇改善というようなことが予算面に現われておるのですか。
  193. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 結論的に申上げますと、特に待遇改善という点は現われておりません。実はこの問題につきましては、私共その必要性を痛感いたしましてもうすでに長く、本年の初め頃から人事院に盛んに折衝をいたしておるのであります。何とか国立病院職員、特に治療に直接従事いたします医師、歯科医師といたしましては、一般の民間給與の点なども併せ考えまして待遇改善をしなければならんということをいろいろと話合いをいたしておるのでありますけれども、甚だ遺憾ながら今日までのところまだ人事院もそれに同意するに至つていない状況であります。先日御承知通り給與ベースの勧告を人事院が行われましたその際にも、特別な勧告がなかつたのでありますので、非常に残念に思つておりますが、尚この点は今後とも折衝を続けて行かなければならないものと考えております。これをやりますることは、ひとり国立病院給與ベースが上がるのみならず、他の公立病院或いは保健所等に働いております。医師の給與改善という面にも影響して参りますことであり、非常に重要な問題であり、必要なことと考えております。努力はいたしておりますが……。  それから附加えて給與改善に直接関連はないかも知れないが、国立病院の来年度予算の中には、医師の研究費というものがございます。医療上の研究費というものがございます。これは本年度は千五百万円でございましたが、来年度は若干、極く僅かでございますが、五百万円ほど増額いたしまして二千万円ちよつと越したものが計上されております。これは直接医師に渡す金ではございませんので、国立病院に働いております医師が医療上の研究をいたします場合に、それに必要な材料等を買つてやる費用でございます。
  194. 山下義信

    委員長山下義信君) 人事院は大体どういうのですか。大変御心配下さつておるのですが、一体どういうのですか。ただむつかしいというのですか。何か根拠があるようですか。
  195. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) これはこういう席で申上げるのは適当でないかと思います。推測になりますので速記を止めて頂いて……。
  196. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を止めて。    〔速記中止
  197. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を始めて。外に御質疑ございませんか。
  198. 藤森眞治

    藤森眞治君 公的医療機関の整備計画の中に、国民健康保険の方面の診療機関、これとの睨み合せはどういうふうになつておりますか。保険は保険で別個の行き方をして行かれるのでございますか、この点を伺いたいと思います。
  199. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 法定公的医療機関と申しておりますのは、実は実際的には非常に狭い意味でございます。経営主体が公的なものであるところの病院というふうに御了解願いたいのでございます。勿論厚生省といたしまして、国内に医療機関がどういうふうに分布をされており、将来これをどういうふうに整備して行くべきかということは、医務局が主となりまして、医療部に基く医療審議会で一応の結論は得ておるのでございます。その方針に基きまして各局それぞれその所管に応じた整備をして行くというような話合いにはなつておるのであります。実際問題といたしましては、ただ保険関係で、国民健康保険の方で国民健康保険の施設として診療所を整備する計画はすでにもう二、三年前からやつております。これなども医務局の計画に則つて十分打合せをしてやるという建前にはなつております。ただその保險組合の対象、或いは保険を担当しておる市町村の保険という面から見た仕事になりがちでありますので、必ずしも個々に亘つて十分連絡が密に行つておるとは申せないのであります。それからお尋ねの健康保険の機関におきましても、それと同様でありまして、健康保険については、まあ政府管掌健康保険組合におきまして立てるという建前であります。従つてそういう面から健康保険組合としての考え方というものが先ず第一義的に動いて参りますので、抽象的、一般的な医務局の計画が具体的にそのまま実現をするというふうにはなつておらないのを遺憾と思つておりますが、尚この点はその辺の関係に無駄のないように、全般として必要なところに医療機関ができて行くというようなことにすべきものと考えて話合いをいたしておるところでありますが、只今までのところは、今申上げたようないろいろな事情から、多少一般方針とは合わない行き方をしておる点がございます。
  200. 藤森眞治

    藤森眞治君 それから療養所のことについて少しお伺いしたいのですが、先般から我々視察に参りましたところが、そこのうちの可なり多くの療養所で水が足りない、給水関係が非常に悪いということを言われておりました。これは病院としては、療養所としては大問題なので、水が足りないというのは療養所としての形態をなさないのみならず、防火方面においてもこれは非常に重大に考えなければならんので、来年度においてこういうものはできるだけ改良せにやならんと思うのですが、そういう計画はどういうふうに相成つておりましようか。
  201. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) お話通りでございまして、従来どういうものでございますか、療養所を建てますときに、水のことは余り考えないでやつたのじやないかというふうに感ぜられるのであります。最近は私共十分この点に気が付きまして、療養所を新設するような場合には、先ず水がどうかということだけは第一條件に置くくらいに考えております。この問題は実はそういう意味合いにおきまして非常に金の掛る仕事が多い。簡單に済むものもございますが、大体の場合におきましては、ダムを築いて水をやる、或いは相当深い鑿泉を堀りますとか、或いは遠方から水管を引張つて来るとかというようなことで、相当多額な費用を要するものが多うございますので、私共としては、毎年この問題につきましては、具体的に療養所の実情を調べまして、そうしてその全部が整備できますように予算の要求だけはしているのでありますが、いつも掴み金と言いますか……、ということで非常に少額に予算が減らされるものでありますから、本当に切羽詰つたものから逐次にやつて行くというようなことになりまする関係上、今急速に解決ができないものがあるわけであります。来年度におきまして……資料を今具体的に……担当者が来ておるのでお答えできるかも知れませんが、全面的に解決できるかど  うか、自信もございませんが、若しなんでしたら、具体的にお話を頂ければ、それにつきましてお答えができるのじやないかと考えております。
  202. 藤森眞治

    藤森眞治君 具体的に申しますると、先般我々が廻りましたところの大部がそうなんでずね。例えば長野療養所、これなんかは廊下に酒樽を置いて、それに水を汲んで、夜溜めて水を使つている。こういうふうな状況でございますね。それからこれはまあ前からなんですが、兵庫県の多井畑とか、一々具体的に……とにかく非常に多い。大阪のあの大阪療養所でございますか、それから千石莊、これなんかもそうであります。
  203. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 六日向荘も不十分だと思います。
  204. 山下義信

    委員長山下義信君) 今具体的に出た分だけでも一つ……。
  205. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 殊に長野の療養所は、看護婦さんがバケツで運んでいるのです。三百幾人か入院患者がおつて、六百人からの水を看護婦さんが運んでおるのです。そういうふうにしなければならない状態になつておるのです。
  206. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) ちよつと具体的に申上げますが、長野の療養所につきましては、一部を第二四年半期までの予算で計画をしておりまして、尚不足分だけ第三四半期の予算を付けることになつております。
  207. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 それは水道ですか、井戸ですか。
  208. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) あれは長野療養所につきましては、水道で全部あそこの市の方でやつておるのです。ただ市の方に給水能力がないために困つておるのです。併しその能力につきましては、療養所自体の、例えば配管が悪いとか、パイプの大きさが足らんというような問題もありますが、そういう点を研究させまして、直すようにいたしたいと思います。それから神戸療養所の方は、非常に大きな経費を食いますので、これは神戸市の方でも水を引きたいというふうに考えておるようでございますけれども、それにしても私共が今年の春聞きましたところでは、少くとも六千万円の金を要する。それで療養所の方では井戸を掘る計画を立てまして、相当遠方の谷間に井戸を掘つて、約一キロ近くの開墾をやつて給水を考えたいと、こういう計画を持つて参りましたが、実は御承知のように、今年度のそんな問題の解決のための予算が僅かに四千万円ぐらいしかないものでありますから、どうしても私の方で金の面から取上げかねている実情でございます。
  209. 山下義信

    委員長山下義信君) 明年度は……。
  210. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 明年度は実はこの施設整備費の方は、やはり今年と同じように四千五百万円ぐらいしかございませんので……。併し特に水の問題は私共も一番気にしておりまするので、成るべくもう少し計画をいろいろ研究させまして、でき得る範囲内のことはできるだけ取上げて参りたいと思つております。それから六日向莊は、現在公共事業費予算が十月以降の第二期分に相当するものを付けることになつておりますので、そこで今年度増床計画の一環として水の問題を解決するようになつておる次第であります。この具体的な工事の内容につきましては、私今手許に資料がないのです。千石莊と大阪療養所は隣合せになつておりまして、千石莊のほうの給水管といいますか、配管が非常に悪いために、ロスが相当多いのです。この配管を直しまして、今度その漏洩を防止しよう、そうすると現在何とかかつかつの水を間に合わすようになるのではないか。一方大阪療養所のほうで井戸を掘りまして、この予算的な措置も実はすでに付けてございます。今度第二期、従いまして十月以降の予算として出るということになつております。但し大阪療養所と千石莊は、御承知のようにジエーン台風によりまして非常な被害がございましたので、その応急処置のほうに災害復旧費が出ないことになりますと、どうしても今の金を廻さなければいかんというような実情のように伺つております。併し千石莊の配管工事だけは、災害復旧費をたとえ外でやりくりをしてもやつてしまいたいと考えております。
  211. 松原一彦

    松原一彦君 高知はどうですか。
  212. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 高知療養所の水の問題は、実は増床の計画に今年度見返資金の約二千万円見当でございますか、今正式に申請を出しております。大体非公式の了解は取つてございますので、それを出しまして解決したいと、こういうように考えております。併し配水のほうにも非常に大きな金を食いますので、全体の計画として、果して百床を増床しながらそうしたところまで完璧を期し得るかどうか、実はこの前も技師を派遣いたしまして、今全体の計画を立てさせております。併し最近私たちが聞いた範囲内では、高知療養所所長の意見では、あすこに軍隊が約一万近くおつたそうでありますが、その当時に、勿論人手はあつたけれども、何とか水の量としてはやりくりしておつたわけで、現在二百床くらいあるのですが、今年度見返資金の金が若し承認になれば、百床増床になりますが、それくらいの人数ならば何とか賄つて行けるのではないかというような話もございまして、それに必要な井戸を掘る金は、一応増床の計画の中に織り込んでおるような状況でございます。
  213. 山下義信

    委員長山下義信君) 藤森委員、今の問題はもうよろしうございますか。
  214. 藤森眞治

    藤森眞治君 具体的に申しますと、先だつて廻りました所には随分多いのです。国立療養所日野莊、これも水の問題に困つております。それから草津の癩療養所、これも今使う水にはそう不自由していないかも知れませんか、一日に千二百石程度の水を必要とするので、万一火災でもあつたら困るという話をしておりました。それから国立岐阜病院、これも水の問題で困つております。こういうふうに随分水の問題は多いようでございます。
  215. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の療養所の水のことで御発言のかたございますか。
  216. 松原一彦

    松原一彦君 水ではございませんが、それに関連して高知の療養所の土地の帰属の問題はどうなつておりますか、ちよつと伺いたい。
  217. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 土地の帰属の問題と申しますと……。
  218. 松原一彦

    松原一彦君 あれは土地が大蔵省の所管で、厚生省の方に移つていないということですが……。
  219. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 高知の療養所につきましては、昔医療団の一応施設になつたのであります。土地につきましては、大蔵省のほうから私共のほうが所管替を受けることになつておりますので、これはただ手続が遅れておるということはあるかも知れませんが、そのために今大蔵省のほうと意見が合わないでどうこうということはないように聞いております。
  220. 松原一彦

    松原一彦君 そこで私共の聞いたところでは、土地が大蔵省のものであつて、まだ厚生省所管でない。濕潤な地域に対しての排水は、市のほうに負担して貰うか、県のほうに負担して貰うかして、それにおぶさつて何とかこの際解決しようかというような意見すらも出ておる。いやしくも国立療養所がそういうようなことではいかんし、あの折角の広い十三万坪の地域を、早く厚生省のほうの所管に移して、そうしてやはり厚生省の責任としてこれを処理せられたほうがよかろうと我々は申して帰つたのですが、どうか一つはつきりするようにお急ぎ頂きたい。
  221. 山下義信

    委員長山下義信君) 私からも一応関連して言つて置きますが、あれは水がびしよびしよに溜つていて非常に湿地でああいうふうになつている、その排水工事を併せてやらなければならんと思うのです。ああいう療養所は非常に少いと思う。水がああいうふうにびしよびしよになつて、自動車で行けば自動車が水の中を通つて行かなければいかんという状態なんですから、排水工事のことを一つ考えてくれますか、高知の療養所につきましては……。折角増床のことがあつても土地がああいう湿地でびしよびしよになつたままではいかんでしようから、してくれますか。
  222. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 実は今地元負担の問題が出ましたが、高知の療養所につきましては、県のほうと市のほうで是非増床するように御要望がございまして、全体の計画、水道、排水工事それから病棟、治療棟は御覧になりましたように、あの療養所は殆んど未完成で、病棟が今四棟あるだけでございます。あとは殆んど昔の軍隊の建物をあちこちに引張り廻しまして事務所にしたり、看護婦さんが入つたりしております。この高知の療養所整備問題につきましては、県と市のほうに参りましたときに、全体計画を一応私のほうで作りましたところが約四千万円近くかかり、今後私共が二千万円くらいで以て何とか病床増床をしようという計画を立てておりますものは、どうしても金が半分くらい足らない。ところが私共が排水工事と水道をこの中でやつてもよろしいのでございますけれども、実はあの療養所に全然治療棟がございません。治療棟としては御覧になりましたと思いますが、今病棟があります反対側の広い敷地がございます。そこに将来少くとも五百床増床しても支障を出さない程度の治療棟を造りまして、今年度病床を取りあえず百床造るというだけで実は手一ぱいなのであります。然らばそちらのほうを止めまして、水道と排水を完備して行きたいと言つたらどうかという意見になるわけなのでありますが、私共としてはむしろそうやりたい。併しながら地元のほうとしては、とにかく患者で非常に待期しておる者が多いものですから、何とか市でも県でも協力する、それで排水関係は何とか一つ地元で協力し合つて解決するから、治療棟と病棟のほうに国としては力を注いで貰いたい、こういう地元のほうの申出がありましたので、そのような打合せを療養所長と実は八月の初めでございましたか、いたしました次第であります。若しもこれが地元のほうでどうしてもそれだけの協力ができ得ないということになりますと、私共としては排水関係と水道関係は先ず第一番に何を置いてもやらなければいかん、かように考えております。
  223. 松原一彦

    松原一彦君 実は高地県は八十三万の人口に対して二百床しかない、国立で一万に対して二人何ぼという患者收容施設しかないのであります。愛媛県は一千床以上持つてつて、これは一万人に高知県に二人幾らで、愛媛県は一万人に対して六人以上の結核患者收容力を持つておる。これは国の施設としては非常に不均衡だと思う、私は昨日報告もして置いたのでありますが、高知県は全く結核療養所としての施設が少し貧弱だ、香川県も二百床しかありませんけれども、特にあの広域の高知県であれだけの国の施設は非常に不均衡であります。これは金がかかつても是非あの敷地を利用して、もつと充実さして頂くような御計画はございませんか。たつた百床の増床ではまだ間に合わん。今三百人以上の患者が待期しておるというような状況で非常に不遇な地位に置かれております。まあ資力もない県でありますから、他にも外の施設はないのでありますが、どういうようなお考えでございましようか、承わりたいと思います。
  224. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 私からお答えいたします。高知県が結核ベツドが少いことはお話通りであります。私共といたしましても、高知県には是非優先的にベツドの施設をいたそうと考えます。実は先ほど整備課長から御説明申上げました見返資金の中から百床だけでもさきましたのは、そういう考え方から出たわけでございます。と申しますのは、見返資金につきましては、大体の考え方は、私共は普通の予算では結核療養所の新設ということはできない、日本の今の状態ではとてもできそうもない。見返資金によつて是非療養所のない所へ療養所を造るようにしたい。その交渉は全国にこれだけあるからということで、それを原則として交渉いたしたのでありますが、高知は少いながらも療養所はあるのでありますけれども、御覧の通りにベツドが足りません。特にそうした一般的な方針にもかかわらず、増床ということで見返資金を高知県に廻わしたわけであります。これは決して百床で終るつもりはございません。只今整備課長が申上げましたように、大体あすこは全体として七、八百床くら小の大療養所になすべきものと考えております。予算の許します限り逐次これはやつて行くつもりでございます。
  225. 山下義信

    委員長山下義信君) 今年の見返資金の問題ですが、きまりましたか。やはり二億五千万円ですか。
  226. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 二億七千万円です。
  227. 山下義信

    委員長山下義信君) それでついでに私も聞きまするが、高松の療養所の百床の増床計画は……。
  228. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 高松の療養所の百床の増床は、見返資金でなくて一般の今年度増床予算であります。
  229. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 先ほど国立療養所及び国立病院の水の問題が出ましたが、それと関連いたしまして水ではございませんけれども、いろいろ今増床のことを伺つておりましたが、それも結構で、私が行つて見た療養所は皆百二、三十人も待つている所ばかりで、増床は非常に結構なんでございますが、そこに働いている人たちの生活と申しませうか、まあ率直に申しますと、或る国立病院は随分僻陬の地にございます。それに病院のほうに住む建物もないので遠くから通つている。なかなか医者が来てくれない、そういうのも稀にございました。それから看護婦さんの住む所がなくて、病室の一部に住んでおつたり、非常に気の毒な狭い所に住んでおつたり、農家の蚕室を借りて、それに少し手を加えて薄暗い所に住んでおつたり、それから宿屋の一部を借りて今暫く通つているというようなことで、そういうように働く人たちが生活する上においてのそういう問題と、それから今度病院の運営におきましても、岐阜の国立病院なんかは、これも設備のときに余り考えなかつたのでせう、ボイラーも小さくて炊事を行うと治療ができない、治療をしておれば炊くことができない。そういうふうで非常に非能率的で、結核患者が半分と、他の方が半分と随分大勢の患者がおりましたのですが、いつも結核患者が非常にたくさん待つているというような状態でしたが、岐阜の国立病院なんかは、そういうような施設仕事の上における支障がありますし、それから又松本病院なんかは、あれだけの非常に大勢の人たちが入つていて、本当に機械のほうなんかは曾てない日本一の防音装置のような設備もしている所でありますけれども、そこの入院患者の人たちの炊事、それが薪で以て燃やしておる。煙が濛々でありまして、炊事する能力も低いし、それからいろんな患者の魚なんかを一々本当に小さい火鉢の炭火で以てやつておる、あういうことは炊事場をもう少し何とかするということ、尤も水も必要でありますけれども、そういうふうな生活において、大勢の人の生活ですから、まあ完璧に、するに越したことはございませんけれども、非常にそういうことは中にいる人の生活に関することでございますから、殊に若い看護婦さんが外から通つておりましたから、あの山の上で、僻地なああいう療養所のところで、病院の患者さんの病陳の一部で、夜も晝もそう違わない生活をするということは、体を休めるのに何も無くて、非常に気の毒でございましたので、どうか病床と共に、できるだけ予算をお考え下さつて、そういう中で働く人たちの生活の運営及び大勢の生活のしいいようなことにつきましても、病院のそれぞれの欠点についても考えて下さいますように、これは予算に随分関係することでございますが、いろいろお考えだと思いますけれども、お耳に入れて置きたいと思います。
  230. 藤原道子

    ○藤原道子君 ちよつと住宅関係に関連してお伺いしたいのですが、この結核の病棟を殖やす、ベツドを殖やすと言いながら、そこに働く人も殖えるはずでございますが、ここに看護婦ですか、国立病院療養所の看護婦寄宿舎を整備するために必要なる経費という所が減になつておるんですね。たとえ僅かでもそれらに対して、働く人のことを考えなければ、能率は上らないと思うのですが。
  231. 小沢辰男

    説明員(小沢辰男君) 現在私共が、今年度の公務員宿舎の、大蔵省で持つております十二億円の中で、医療関係国立療養所及び病院の公務員に対する宿舎の予算として要求を申上げましたのが二億五千六百八十二万あつたのであります。ところが実際に査定を受けまして、今年度宿舎の予算として頂きましたのがこの三千百四十万円、それでこの三千百四十万円の本年度の公務員宿舎の費用につきましては、大蔵省の公務員宿舎をやつております管財局の意見としては、看護婦宿舎まで到底考えられない。従つて看護婦宿舎は一般予算のほうで賄つて貰いたいという話がございました。私共としては、この公務員宿舎の話がきまりましたのが六月の末項だつたと思います。ところが一方今年度国立療養所増床が約八千五百床の恒久需要費を頂いております。私共としてはこの八千五百床の増床をやりますときに、例えば或る療養所に百床の増床をやつた場合には、当然これに基く増員を考え、その看護婦さんの宿舎の増築なり、或いはその他の手段によりまして、増員分の看護婦さんを收容するだけのものを公共事業の予算の中に組んで提出をいたしましたのですが、安本のほうでは、公務員宿舎予算が別になつておる関係上、これを安本として認証するわけに行かないという話がございまして、先ず四月に公務員宿舎予算関係は、公務員宿舎予算というもののほうに、どうしても安本としては優先的に考えるように話をするから、そちらのほうで賄つて貰いたいという話がありまして、一応結核増床予算としては、病棟なり治療棟なり或いはその他の附属設備改善の方に廻してしまつたのであります。ところが公務員宿舎の予算の査定が六月の末項にありまして、その内容がかくのごとく三千百四十万円であるということでありましたので、私共としては非常に因つたことでございますが、看護婦宿舎は当初別に二十五年度予算としまして、公共事業費で病院の看護婦宿舎の整備ということで、八百五十万円ばかり予算を認められまして、国立病院を十八ブロックに分け、最も緊急な看護婦宿舎だけを取上げまして、約八ヶ所看護婦宿舎の新築をやりました。来年度予算につきましては、現在のところ公務員宿舎の関係予算折衝はまだ全然始まつておりませんので、私共としては現在不足しております看護婦宿舎と職員宿舎を挙げて、猛烈に強く要求するはずであり、予算要求書も作りまして、大蔵省のほうに折衝をすべく準備中でございます。二十六年度予算としましては、やはり看護婦宿舎という名目で八百三十四万三千円を現在までのところでは査定を受けております。
  232. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体医務局関係は終りたいと思いますから……。
  233. 藤森眞治

    藤森眞治君 もう一つ、病院のことですが、給食関係のことで、都会と田舎とで給食の材料が違つておるようでございますが、これについて最近田舎であつても都会に買出しに行かなければならんと、こういう事情である。若しもそうなると、田舎のほうが材料費が高くつく、殆んどこれを輸送しなければならんとすると、輸送するだけでも高くつく、それで地域的な差を取つて欲しいという要求が非常にたくさんあるのでございますが、これにつきましてのお考え如何でございましようか。
  234. 尾村偉久

    説明員(尾村偉久君) 国立病院のほうは、只今のところ賄費の單価の差を付けておらんのでありますが、結核療養所のみにつきまして、六大都市の所在とそれから福岡県を入れまして、ここに存在する療養所だけ二円の差を一日に付けております。以前はそういうことはなかつたのでありますが、昨年都会地のいろいろな材が高かつた、非常に不合理であるからというので、先般の療養所長の会議で要求がございまして、その結末に基きまして、一応差を付けたのであります。お話通り最近は逆な現象も起つて参りまして、今年の五月に又、我々のほうで勝手に、資料に基かずにやつては又元に戻つてはいかんと思いまして、療養所長と庶務課長の会議にかけまして、意見を取つたのであります。これは丁度半半の意見でございまして、九州、中国方面では、是非もうこれを撤廃していい、不合理じやないという意見でございました。関西から東の方、殊に東京を含めました関東地方では、入所者のまだ質が違う、都会地のはどちらかというと、普通の勤人階級或は職工にいたしましても自家製品を食べないような者で、食内容が相当違う、どうしても油物とか魚類を好むもので、どうしてもそういうお菜になるから高いのだと、田舎の人はそういう高い物をやつても食べないことがあつて、昨日まで野菜を中心にしたお菜を好んでおつて安く済んだということで、私のほうでは判断に困りまして、じやもう一四半期だけ現状のままやつて見よう、その間に詳細なデータを、各療養所でどちらの意見がいいか取つてくれ、その多数によつて大体金を出す。そうした方法できめれば差支えないだろうと、こういうことになつておりまして、その結果に基きまして、一月以降は或は平等に帰る見込でございます。
  235. 藤森眞治

    藤森眞治君 これは田舎の交通の便の悪い所をお聞きになるとこれがよくわかるので、大きな都会にあるものと、それと一緒にしてお聞きになると数字は必ずしも公平なものが出るということは……。
  236. 藤原道子

    ○藤原道子君 時間もございませんので極く簡單に箇條的に御質問したいと思います。看護婦の再教育に必要なる費用、これがここに載つておりますが、これでどのぐらいの再教育ができるかということが一つと、それから国立療養所の看護婦養成所に必要なる経費でございますが、それに対して国立療養所何ヶ所ぐらいに養成所をお置きになるかということと、それからここに国立病院附属甲種看護婦養成所の経費というものが零になつております。これはもう甲種看護婦の養成は必要がないということになつたのでございますか、その点をお伺いしたい。それから看護婦が御承知のように非常に不足でございまして、各地とも無理が行つておるけれども、定員の中から雑使婦まで取られていて看護婦は非常に少いのでございます。この点で各所に結核で倒れた人が、過労から倒れた人が殖えて来ておりますが、この間岡山の療養所で看護婦が三十名結核で倒れた。九十名のうち三十名が入院しておるのです。ところがその三十名いなくなつただけの負担が六十名にかかつて来ておる。これではますますばたばた倒れて行く傾向にあるので、病院では入院しても定員に含まれておるために新規採用ができない。そのために派出看護婦を止むを得ず雇つておる。どうにも病院の運営ができないというので派出看護婦で急場を凌いでおるというような現象でございますが、病気になつて入院しても何らの方法を求めることができないかどうかということを私は非常に心配をしておるのであります。それといま一つは、療養所の性格が昔と大変違つて来て、外科的な手術などもございますし、昔の療養所と比べて非常に看護婦が忙しい。ところが病院では四人に対して一人になつております。ところが療養所は六人に対して一人になつておる、これで果して妥当であるかどうか御見解を伺いたい。
  237. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつとお諮りいたしますが、藤原委員の御提議になりました質疑は、非常に重大で、且つ広汎でありますので、これをどうしても本式に委員会としても取上げることになつております。今日は時間もありませんので一応の答弁を求めて置くということで一応御了承置きを願いたいと思います。
  238. 久下勝次

    説明員(久下勝次君) 私から、先ず最初のことにつきましては、これは後ほど看護課長からお答えいたします。国立療養所の看護婦養成所は来年度十ヶ設ける予定でございます。これはちよつといきさつがございますので御了承を頂くために申上げて置きますが、実は新しい看護婦制度ができまして、極く最近まで結核療養所のような特別な患者のみを扱つておる施設においては、看護婦の養成は適当でないという方針で、関係方面の御意向もありましたので、国立療養所といたしましては、これまで相当多数の看護婦養成所を持つてつたのでございますが、つまり旧制度の看護婦養成施設を持つておりました。ところが、昨年度からはこの方針をやめまして、実は来年度は看護婦養成所がなくなる予定になつております。ところが看護婦の需給の関係から申しまして、そういうことを言つてつては非常に大問題になるというので、看護婦養成所の指定の基準をゆるめまして、療養所でも指定の実習については近所の病院と連絡して実習のできるような場所なら養成所を認めようという方針に変りまして、私共としては、取りあえず査定としては十ヶ所をそういう意味におきまして来年度新制度による乙種看護婦の養成所を始めることになつたのであります。それから御指摘の甲種看護婦養成所が零になつておるということでありますが、ちよつと私共の持つております資料と、或いはお手許にある資料とは違うかも知れませんが、趣旨としては一般会計にありますものを特別会計に組みましたもので、それで要求としては、最初一般会計でやつて貰いたいというような要求をしましたのですが、これは当然特別会計にやるべきものであるというので、特別会計のほうに組み込まれましたので、御覧のように零になつておるのだと思います。それからその次に病気になつております看護婦の補充の問題でございます。実は申すまでもなく休職になりましても一応定員があります関係上、この問題は長期の欠勤者につきましては、確かにひとり看護婦のみならず、病院の職員につきましても相当な支障を来たしておる向きがあるので、この点は私共のほうとしても何とかしなければならんと思つておるのでありますけれども、予算関係と定員の関係もありますので、今急にこれを解決して行くというわけには参らない。何とかこの点は実はもうここに伺います前に、すでにそういう熱心な話を聞いておりました。私共も内部におきましてこの問題を打開をするように考えて見たいと思つております。それから療養所の看護婦の定員が少いのではないかというお話でございますが、私共も実は同様に考えております。いろいろな條件を考え併せまして、結核療養所でありましても入院患者五人に対して一人の看護婦にいたしますれば絶対間に合つて行くのであります。今年度も実はそういう基準で予算の要求は私共としてもいたしたのでありますが、一つは、増員抑制という一般方針に引掛かりまして、財政上の理由ともなつたかと思いますが、査定としては、昨年の基準を変えることに成功いたさなかつたのでありますが、この点は御指摘のように六人に一人で十分でないことは私共も十分痛感をいたしておりますが、今後の努力を続けたいと思います。
  239. 金子光

    説明員(金子光君) 看護婦の再教育の計画につきまして御説明申上げます。看護婦の再教育の計画といたしましては、従来三種類の再教育の計画を持つてつたのでありますが、来年度からは一種類殖えまして四種類になります。従来の形と申しますのは、実は先ず第一に取上げておりますのは、幹部看護婦の再教育でございまして、これは各病院或いは療養所の婦長、主任級を最低といたしまして、期間は大体いつも三ヶ月でございます。年四回、一回に五十人ぐらいというのが来年度の計画でございます。そうしてこれは婦長、主任級を最低といたしまして更にこの人たちで三ヶ月勉強しました者がそれぞれの病院、療養所施設に帰りまして、自分の所の院内の看護婦の再教育を伝達的に講習するということにして、自然全体に及ぼして行きたいという考えでおります。この再教育を実施することに当りましては、私共のほうでは年四回の予算を頂いたわけでございますけれども、日本助産婦看護婦保健婦協会の御協力を得まして、これを倍に引延ばしまして、各地区に一回ずつという計画で進めることになつております。尚これに更に附随して来る形といたしまして、各都道府県の再教育の補助費を出しておりますが、この補助は二分の一の補助額でございまして、年一回一ヶ月の期間で五十人を対象にいたしております。これの実施に当りまして、県の補助費でございますので、県が相当額これに加算いたしまして、尚都道府県、日本助産婦看護婦保健婦協会の都道府県支部がこれに協力をして下さいまして、三つのものが一緒になつてつています。補助金としては、県に出ますものが僅かにございますが、県が可なりの負担をしてきめるのと、協会が御援助下さるのとで、都道府県單位に行います講習会は、県によりましては、一年間に繰返して行なつて下さつた所がございます。この講習会の趣旨といたしましては、幹部看護婦の再教育に漏れますよらな人と、例えば小さな診療所に勤めておりますような看護婦と、或いは開業医の下に働く者、或いは派出看護婦のような、グループで院内再教育を受けることのできない者についてだけ、特に集めてして貰いたいということを県のほうに連絡してあります。尚この二つの種類の外にもう一つ再教育の形としてやつているのが、新しい制度に基きます看護婦学校及び養成所、或いは従来の形の学校がまだ来年三月まで続きますのでございますが、この養成所の専任教員として、将来教員として働いて行きます者のための、教員としての再教育ということをいたしております。これは従来の養成施設にはそういつた種類の特別教育を受けました看護婦教員がおりませんでしたために、養成内容が大変乱れておりましたのを統一したいと考えて、そのために特別な教育というものを一年に一回四ヶ月のコースで五十人を対象にいたしております。これは本年度厚生省といたしましては、只今いたしておりますのが五回目で、二年前から始めているのでございますけれども、本年度は文部省のほうでも予算をお取りになりましたので、協力いたしまして一緒に共催の形で年二回できることになつております。尚このコースにつきましては、今年度から初めて日本助産婦看護婦保健婦協会の協力を受けることになりまして、三つの種類の講習会がそのような形で動いております。尚その外に来年度から新しく加えられます講習会というのは、結核療養所に働いている看護婦の幹部の連中の再教育を特別に取上げたのでございます。従来は一つの地区でやつてつた幹部看護婦の再教育の行き方の中に、結核療養所の看護婦も入つてつたのですが、比較いたしますと、一般病院の者のほうが、遥かに多くて、結核療養所の看護婦が講習に出る機会が少なかつたのでございます。それと結核対策に併せまして、もう少し結核病院に働きます看護婦たちの、その結核に対する特別の專門智識も技術も欲しいと思つて、この分だけを引拔きまして講習会に持つて行くことになりました。この分はその地区でいたします。その地区で一年に二回ずつ五十人、九地区でいたします予算を頂戴いたしました。この分につきましては、比較的十分にできるのではないかと考えております。尚附加えまして恐縮でございますが、公衆衞生局のほうからの御質問の、保健婦の再教育でございますが、保健婦の再教育も、只今申上げました看護婦の再教育と同じ歩調を取りましていたしております。ただ幹部看護婦と申しまする場合には、公衆衞生院のコースがございますので、これとダブりませんように、私共のほうでは保健所の婦長だけを対象にいたしまして、そうしてこの婦長の教育の内容で区分けをいたしまして、職場教育ということに重点を置く、保健所管内指導監督のために、特に必要な技術、知識指導するという、つもりでおりますので、公衆衞生院のコースにはぶつからないようにと思つて協力いたしております。
  240. 山下義信

    委員長山下義信君) 医務局関係は終ることにいたします。それでは保険局長が参つておりますので、先に保険局関係の御質疑を願うことにいたします。尚大蔵省から銀行局預金部の大隅事務官が出席いたしておりますから御了承願います。
  241. 安田巖

    説明員(安田巖君) 保険局長でございますが、保険局関係のことで、特に御説明申上げたい点をお話申上げたいと思います。事業別で参りまして、人員の点はずつと変りがございません。それから国民保険に必要な経費の所でございますが、国民保険の補助金が、本年は多少増額になりましたので、その内容を御説明申上げます。著しい点は、国民保険をやつておりますところの保険者に対しまして、事務費が、昨年は七割の補助でありましたのを、本年は十割の補助に増額をされておるわけであります。この額が十四億四千七百六十八万三千円でございます。これは十割と申しましても、昨年の一人当りよりか殖えておりますので、実質的には昨年の額を十割に引き直しましたものよりは額が多くなつている。尚平均交付金等、の関係がございますので、十割補助ということじやなくて、定額補助というふうな言葉にいたしたいということでございます。  それからその次に、直営診療所の設置の補助でございますが、これが昨年は二億五千万円でございましたのが、本年は四億に増額されました。四億を三分して出張補助に使いますから、これを全額使いますならば十二億の金を使われるわけでございます。それから十のところへ参りまして、健康保険組合国庫負担金というのがございますが、この事務費補助は、昨年は事務費の七割に対する補助でございましたのが八割の補助になつております。尚これは單価の増と、それから被保険者の増がございまして、それが見込んでございます。その次の結核病床の設置補助、これはその次の項の厚生保険特別会計繰入と申すのと関連があるのでございますが、上のほうが健康保険組合でございまして、厚生保險特別会計の繰入というのが政府管掌の健康保険でございます。同じようなものでございまして、事務費のほうで、健康保険組合事務費に対しまして二億六千某とありますし、政府管掌の健康保険の事務に対しましては、その下の三億九百万円ばかりも、これも同様に十分の一だけ増額になつておるわけであります。この結核療養所設置補助と、それからその次に厚生保険特別会計のほうに繰入の中の、福祉施設財源でございますが、これもどちらも結核病床で、これは大体国で三分の一を負担いたしまして、あとの三分の二を保険者が負担をするわけでございます。それから健康保険組合のほうは三千床でございまして、政府の管掌の保険のほうが四千床でございます。従いましてあとで特別会計の所で御説明申上げますけれども、健康保険のほうでは、組合自体で三分の二のものを負担いたしますし、政府管掌の場所には、三分の二は保険料の自前で以て負担をすると、こういうことになるわけでございます。それからあとの、この特別会計で大変厄介でございますが、その中で特に御説明申上げなければなりませんのは、厚生年金の保険のほうで、福祉施設といたしまして一億五千万円のものが増額になつたわけであります。これは実は本日御質問があるかと思うのでありますけれども、厚生年金の積立金が八月末の現在で大体二百六十億ばかりに達しておるのであります。この二百六十億の積立金の一部は、厚生年金ができました当時の経緯から申しますというと、その一部を被保険者の福祉施設に還えして貸付けるという約束がありまりしたけれども、終戰後の指令によりましてそれが止つておるわけであります。でいろいろこの二年間余り大蔵省のほうでも非常に好意を持つて頂いて、大蔵省と相協力いたしましてそれぞれ関係方面に折衝いたしておるのでありますけれども、一般の財政計画との睨み合せでどうもうまく行かなかつたわけであります。そういつた福祉施設のほうの金を少しでも余計に出したいというのが、まあ一億五千万円の金が計上されました経緯でございます。でこれは今のところでは、大阪と東京に整形外科を中心にいたしましたつまり厚生年金の被保険者に直接関係のあるような病院を建設してはどうかというようなつもりでおります。その外若し御質問がありましたならば……。
  242. 山下義信

    委員長山下義信君) 御質疑ございませんか。
  243. 中山壽彦

    中山壽彦君 この二十六年度予算に、社会保険の医療費国庫一部負担ということを私ちよつと聞いておつたのでありますが、今日の段階におきましてはその目的を達し得られなかつたことを非常に遺憾に思つておるのであります。従つて年度において既設の社会保険がどういうふうに運用できる、政府管掌の健康保險におきましても、昨年の八月以来約三億の融資を得て、漸くその運営を続けておるような状況でありますから、組合管掌の国民健康保険等におきましても、その運営が非常に困難であることを予想いたさなければならんと存じます。これらの運営に関しまして、政府当局はどういうお考えをお持ちになつておるかというこうを一応御質疑をして置きたいと思います。
  244. 安田巖

    説明員(安田巖君) 社会保険の運営をいたします上に、給付費というものが大体年々に殖えて参ります。特にこの医療費の支拂というものがだんだんと増額をいたして参りまして、これがまあ一つの赤字の原因になつておるわけであります。そこで社会保障制度ができまして、私共といたしましては、給付費が若干国庫負担でもありますならば、保険者としても非常な励みにもなりますし、財政的にも直接助けになるということで、そういつたような方針で進んでおじましたけれども、只今中山委員も仰せになりましたように、いろいろ財政上の都合で今年度実現いたさなかつた次第でございます。そこで来年度の保険経済にどの程度の影響があるかということでありますが、政府管掌の健康保険の数字が、これは何と申しましても一番統計的には掴み易い確かな数字でございますので、そこに例を取つて申しますと、今のところ四月以降だんだん医療費の支拂が殖えて参りまして、大体年度末へ参りまして二十七億ばかりの赤字が出るような見込みでございます。ただ今のところでは先ほど中山委員からお話がありましたように、大蔵省のほうから国庫保有金の振替え使用を許されておりまして、そこの便宜を得まして、大体医師のほうの支拂は遅れておりませんけれども、年度末になりますと大体二十七億ばかりの赤字が出るのではないかと、こういうような状況でございます。そこで私共といたしましては、こういう際でございますから、保険の料率を引上げますとか、或いは医療の内容の制限をするとかいうことは、昨年以来極力避けて参つたわけでございますけれども、事ここに至りましてはどうしても何かそういう点に手を付けなければ解決する途がございませんので、近く現在の料率の千分の五十五を六十に引上げるような措置をとつたり、関係の機関にお話をいたしました上で、国会に御提出をし、御審議を願いたい、こういうふうに考えておる次第であります。その外国民保険等につきましても相当影響があると思いますけれども、これは御承知のように保険者が市町村でございますので、その経済の内容は千差万別でございます。最近ぽつぽつうまく行かないようなものが殖えておるという話を聞きますけれども、又一方におきましては、明年いろいろ各市町村等の選挙がございますので、そう急激な変化も起つていないという点もあるのであります。来年度におきましては、いずれにいたしましても相当苦しくなるだろう、こういうふうに考えております。
  245. 中山壽彦

    中山壽彦君 保険料の千分の五をお上げになりますと、保険経済にどのくらいの影響がプラスになりますか。
  246. 安田巖

    説明員(安田巖君) 千分の五でございますと大体七億か八億になります。
  247. 中山壽彦

    中山壽彦君 そうしますというと、まだなかなか赤字には追いつかんわけですね。
  248. 安田巖

    説明員(安田巖君) そのほうは一つこれからできるだけ診療費の上るのを抑えますとか、いろいろできるだけの工夫努力をいたしまして、そうして成るべく負担が殖えますことは避けて、ぎりぎりまで一つ我慢をして工夫をして参りたいと思つております。
  249. 中山壽彦

    中山壽彦君 今局長のお話では、国民保険は来年は地方議員の選挙もあるのでいいようになるのではないかという多少楽観的な御説明でもありましたが、私共実際地方に廻つて見ますと、国民保険というものは、何か医療費国庫負担でもないと運営ができんという声が強く唱えられておるように聞いておるのですが、実際どんなものでしようか。少し局長のお話が楽観過ぎやせんかと思いますが……。
  250. 安田巖

    説明員(安田巖君) 先日も実は約七十ばかりの市が健康保険をやつておりますが、その責任者を集めて会議をいたしましたが、やはりおつしやる通り相当苦しい。ただ市町村が経営主体でございますので、まあいろいろ苦しくなつた場合に一般会計から若干でも出すとか、そういうようなことが考えられておるようでありますが、国民保険の場合には、医療置の増嵩ということも保険経済を圧迫いたしております大きな原因でありますけれども、一つには、保険料の徴收が非常に困難だという点も大きな原因をなしております。これは医療費国庫負担があれば気分が非常に改まりまして、元気付くことはたしかでございますけれども、やはり現在の状況といたしましては、保険料の徴收をもう少し能率的にやる方法でありますとか、それから又一般的に言いまして、保険料が若干低いというような点もございますので、そういつたところでできるだけ一つ工夫して努力するように話をいたしておるわけであります。
  251. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 それに関してでございますが、村で助産婦の免状を持つた保健婦をお使いになつていらつしやる結局それで直営といいますか、直営診療所の形で直営助産をさせる、その助産料は三百円が国保で、三百円が自弁で六百円の助産をさせている。助産婦の人たちは普通助産券でございますと、農村で九百円、市町村で千円、健康保険でございますと二千円の助産料でございます。そういうように非常に村では国保の経済が苦しいために、そういうような直営助産をさせて、そうして普通の開業助産婦を圧迫しておるという話が出ておるのでございますけれども、これも保険経済苦しさからでございましようが、ちよつとお伺いしたいのでございますが……。
  252. 安田巖

    説明員(安田巖君) 私もそういう話まで実は存じませんでございましたけれども、やはり直営でやりますと、又直営でやつたらよい点もあるのではないかと思うのでありまして、そうなりました場合に、いわば俸給制にするか、或いはそういうふうに出来高拂と言つちやなんでございますけれども、成績によりまして拂うという方法があると思います。そこらのほうは保険者、つまり市町村に任しておるようなかつこうでございまして、別に私共のほうから何か言つておるとか、そういうことはございません。
  253. 藤森眞治

    藤森眞治君 非常に事務的のことを伺うのですが、保険で入院しておる場合の附添或いは附添看護婦、これの看護料というものは、これは患者が一時立替えて拂うことになつて患者が請求することになつておりますか、或いは附添の看護婦或いは附添が直接支拂を受けるようになつておりますか。
  254. 安田巖

    説明員(安田巖君) ちよつと私よく存じませんでございますが、早速取調べまして……。
  255. 藤原道子

    ○藤原道子君 今の藤森さんの御質問は是非十分調べて頂きたい。この間御一緒に視察に参りまして、患者が一時立替えて三ヶ月から四ヶ月たたなければ貰えない。生活保護法で入院しておる者、保険の者これらは非常に困つておるわけなんです。
  256. 安田巖

    説明員(安田巖君) これはたしか届出か何かで認可制か何か取つておる記憶がございますが、あとでよく調査しましてお答え申上げます。申訳ありません。
  257. 松原一彦

    松原一彦君 保険局長にお尋ねします。国民保険の保険料が非常に滯納が多くて経理がつかないために、保險局長のお扱いで本年四月十三日に各都道府県知事に通牒があつて、大蔵省のほうで短期の融資をするということになつてつたのでありますが、その実績は如何でしようか。
  258. 安田巖

    説明員(安田巖君) 実績は今のところ覚えておりませんけれども、相当利用されておるようでございます。ただ九州からは私もたびたびこの円滑に行かないということを聞いておりますので、そのほうは先般の市の保健所の会議でも話が出まして、早速取調べさせております。大蔵省のほうへよく話しまして円滑に行くように話したいと思つております。
  259. 松原一彦

    松原一彦君 これは九州だけの現象かも知れませんが、大分県に我々が調査に参つたときには、大分県からは非常に困難であるという答えが出ておるので、大分県のほうで南九州財務局長に宛てそれぞれ申請しましたところが、この財務局では即決が困難で極めて望み薄であるということであつて、希望者が書類の提出を今では差控えておるけれどもが、これでは折角厚生省が好意を持つて計らつてくれたことを大蔵省のほうで以て否認する傾向となつて非常に遺憾であるということを申しておるのであります。幸い今日は大蔵省のほうからもおいでになつておりますから、全国的にこういうことにあるのか、或いは一部的にかような取扱があるのか、その点をお聞きしたいのであります。
  260. 大角武

    説明員(大角武君) 只今の問題につきましては、先ほどお話もございましたように、厚生省のほうからの御要望によりまして、銀行局長から四月の十二日に全国の財務局長宛に、市町村の国民保険利用者に対しまして融資をするようにという通牒を出したわけでございますが、それが條件が三つございまして、その一つが、例えば東北地方の單作地帶のごとく住民の收入が季節的に偏しているため、保険料の徴收もこれに順応して行わなければならないような経済的特殊事情のある農漁村の場合、第二番目が、保険料の納期を年四回程度とせざるを得ない事情があつて、納期の中間におて一時資金繰りに窮する場合、三番目が、罹病率が著しも季節的に偏し、保険料の收入と、診療徴收の支拂が時期的に見合わぬ場合、こうするという三つの條件を通牒の中に謳つてつたわけでございます。従つて財務局によりましては、東北地方だけのようなことでなけりやいかんというように考えたところも一時あつたようでございますが、その点につきましては、会議の席上全国の関係課長に対しまして、そういうことは極く季節的に限るものではないから、困るところがあれば融資をするようにということに言つておりますので、そういう誤解がだんだんなくなつたろうと思いますが。
  261. 松原一彦

    松原一彦君 現にこの厚生省からは融資の枠も示されておるのであつて、熊本財務局での融資の枠もはつきりとここに出ております。勿論東北のほうが多くなつてはおりますものの、かような枠があるにかかわらず、九州では偏頗な扱いをしておいでになる。大分県においても町村公営の国民健康保険は、農山漁村を対象としておるのであつて、その生業は米麦作は勿論、たばこ、養蚕、椎茸、木炭、薪炭、畜産等すべて一定の時期に偏しておつて收入が不定である。従つてこれは東北と同じような條件で貸して貰えるものであるにかかわらず、どうも九州ではこれを拒んでおる、そうして望みがないというので、殆んど受付けないような傾向である、こう言うて参つておるのであります。これはすでに八月のことでございますが、今日ではどういう状態になつておりまりしようか、九州の財務局の当局がさような偏頗な考えを持つておるのでありましようか、はつきりとお答えを願いたいのであります。
  262. 大角武

    説明員(大角武君) 只今の問題につきましては、九州のほうからもそういつた要望が強いということについての、財務局のほうからは報告を受けておりませんが、九州地区に対して特に嚴格に扱えということも言つておらんし、そういうものがある場合には融資をするようにということを言つておりますので、最近はそういつた事態はないのではないかと思います。
  263. 松原一彦

    松原一彦君 保険局長は、国の健康保険でも非常に大きな融資の困難を来たして、国のほうで立替えておるというお話があつたのでありますが、国民健康保険に対してはすでにこうして通牒まで発し、そうして更に七月二十四日附を以て都道府県民生部長に対して、短期融資について大蔵省と交渉しておる、よく融資ができるように理解を求めておつて、漸次融資も円滑に取運ばれておると思うというような御通牒が出ておるのでありますが、今御交渉になりました結果をお話願いたい。御交渉になつた後の結果を、これは八月一日附だろうと思いますが……七月二十四日附でございます。
  264. 安田巖

    説明員(安田巖君) 大蔵省のほうでは、今のお話のような工合でございまして、別にそういつたような偏頗な取扱をしないということでございますので、今後のことをよくお願いいたしたような次第であります。
  265. 山下義信

    委員長山下義信君) 松原委員の質問されたような九州方面の事態ですね、出先の財務局が澁つたようなことになつておるという状態保険局長のほうへは何か報告がありますか。耳に入つております。
  266. 安田巖

    説明員(安田巖君) やはり九州からの不平が一番多いのですから、調べて見たいということであつたのですが、併し今お話のように、これは市町村が保険者であるから、そういうふうに融資はできるのでありますけれども、融資をいたしましてもそれが償還が確実であるということは、恐らく預金部といたしましても最も愼重に考えられておる点ではないかと思う。それでこの問題を当初は東北だけの問題でお話をして御承諾を願つて、更にこれを全国に拡げたといういきさつもございますので、多少そんなこともありやしないかということも予測されますけれども、併しいろいろ各出先の機関におきまして、これがこの條件に該当するかどうか、或いは償却が確実であるかどうかという御判断の内容まで、私共でいろいろ立入るわけにも行きませんが、一つ大蔵省のほうで十分その点についてお話願えるようにとこういうふうに思つております。
  267. 山下義信

    委員長山下義信君) 大蔵省のほうで、現在今の融資状況は、今あなたの手許にありませんか。
  268. 大角武

    説明員(大角武君) 一括しておりませんので、よくわかりません。
  269. 松原一彦

    松原一彦君 御承知のように、九州方面では特に国民保険が今危機に陥つておりまして、大分県でもすでに休止状態のものが大部分でございまして、かろうじて続けておりまするものが八十ヶ町村に過ぎないのであります。これは将来、近く行われる社会保障制度の実施の上から見ても、医療が当面の急務である関係から非常に重大な問題だと思うのであります。今この保険料の徴收が困難なために、一部で数百万円の支拂が困難でますますこれが拡がつて行くというようなことが、大変困難を極めているという実情を御洞察の上に、この際至急に円滑な融資のできますように、この上とも御盡力を願いたい。大蔵省の方面でも、その辺は府県のほうでは監督をして十分支拂わせるということをはつきり言つておりますから、府県を御信用になりまして、かような偏頗なお取扱のないようなお取計らいを願いたいと思います。
  270. 山下義信

    委員長山下義信君) 善処するように局長等とお話願えますか。
  271. 大角武

    説明員(大角武君) その問題につきましては、帰りまして局長と相談をいたしまして、至急に南九州の財務局に連絡いたしたいと思います。
  272. 山下義信

    委員長山下義信君) 他に御質問のかたございませんですか。それでは薬務局は時間の関係上、次回に社会局と一緒に十分御質疑を願うことにいたします。
  273. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつと、外でもございませんが、発言を許して頂きたいのですが、先ほど委員長が藤原委員の発言のときに、この病院看護の問題、看護婦の法律の問題等について当委員会でも取上げて研究したいというお言葉がございましたが、是非何らかの方法でこの委員会でもこの問題について研究して頂きたいということを私は要望する次第でございます。
  274. 山下義信

    委員長山下義信君) 承知しました。賛成でございます。  それではこれを以て本日は散会いたします。次回は十四日午前十時開会の予定でありますから、御記憶願いたいと思います。    午後四時三十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     山下 義信君    理事            小杉 繁安君            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            大谷 瑩潤君            中山 壽彦君            河崎 ナツ君            藤原 道子君            常岡 一郎君            藤森 眞治君            星   一君            松原 一彦君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   説明員    大蔵省銀行局預    金部      大角  武君    文部省管理局長 久保田藤麿君    文部省管理局学    校給食課勤務  向井 春夫君    厚生省    公衆衞生局環境    衛生部長    山口 正義君    厚生省公衆衞生    局予防課長   小川 朝吉君    厚生省医務局次    長       久下 勝次君    厚生省医務局整    備課長     小沢 辰男君    厚生省医務局看    護課長     金子  光君    厚生省医務局療    養所課長    尾村 偉久君    厚生省保険局長 安田  巖君    労働省職業安定    局雇用安定課勤    務       三好由三郎君