運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-10-21 第8回国会 参議院 建設委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十月二十一日(土曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○建設省その他の建設事業に関する調  査の件  (昭和二十六年度予算公共事業費及  び住宅金融公庫業務実績に関する  件) ○証人喚問に関する件   —————————————
  2. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) ではこれから本日の委員会を開きます。  二十六年度公共事業費につきまして、安本から見えておりますから、一応承わりたいと思います。
  3. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 二十六年度公共事業予算につきましては、先般来経済安定本部といたしまして事務当局案を作り、上のほう並びに党の方面とも連絡して、できればドツジ公使が来る前に、日本政府案というものを固めたいということで、事務当局案自体はとうにでき上りまして、それぞれ上のほうに閣議決定して頂くようにお願いしてあつたんですが、実は災害復旧費の問題が中心となりまして、大蔵省安定本部との意見が合わず、その他二、三の点についても各省との間に最後的な話合いがまだ固まりませんので、ついのびのびになりまして、実はいろいろな案が出おりまするが、日本政府の案としての固まつた案がまだできておりません。そういつたような関係で、計数的に災害復旧費幾らなつた、それから一般公共事業費幾ら、その中の内容、農業に幾ら河川幾らという計数的なきまりが、ただいろいろな案があるというだけであつて、最後的な閣議決定ラインというものはまだきまつておりませんので、甚だ今日御説明するのに、閣議決定の案はこうだということで御説明できないことを非常に残念に思います。大体見通しとしては大分上のほうで、もう事務当局の手は離れまして、各大臣相互間で御折衝を現在頂いておりますので、見通しとしては司令部審議も本格化して参つておるという、こういう状況でございますので、司令部のほうから一日も早く日本政府案というものを持つて来いということで、先般来督促を受けております。そういつた関係で、来週中には遅くとも日本政府案としての確定案ができるのではなかろうか、又我々としてもそういうラインで是非きめて頂きたいということを、上のほうの大臣にもお願いしてある状況でございます。大体この災害の問題については、明年度からは災害復旧は今年の全額負担という制度はやめて、大体三分の二国庫負担という制度に復したいということで、これは大蔵省安定本部と、意見はその点完全に一致しておりません。但しそういつた制度にした際に、それではどれだけ災害復旧費明年度盛るかという問題でございますが、この問題につきましては、公共事業費全般安本主張する数字と、それから先般閣議できまつた数字とえらいまあ隔りができまして、安定本部としては少くとも明年度公共事業費は千二百億以上ぐらいにやりたいという強い希望を持つてつたんでございますが、減税その他の振合いとの関係からも、経済安定本部で見ます公共事業費、つまり来年度からは文教その他の営繕関係は、一般行政費との関連において、大蔵省で見るということになつておりますので、そういつた営繕関係を、来年度からは、経済安定本部で従来見ておつた公共事業費の枠から外して考えております。これが本年度予算では九十一億ほどございますが、九百七十億の中九十一億が文教その他の経費になつております。こういつた、これに相応する明年度予算は、大蔵省のほうで見るということになつておりますので、先般閣議決定を頂いた経済安定本部公共事業費として見るという数字は、千六十六億六千七百万円、こういう状況なつております。従つてこの千六十六億六千七百万円の中、災害復旧費をどれだけ見るかという問題につきまして、大蔵省は今年度通り四百七十億見当に見るのが適当であろう、こういう考え方を持つておりますし、経済安定本部といたしましては、全額負担が三分の二の制度変つたのであるから、この金額は今少し減らしても十分……十分というのはちよつと語弊がありますけれども、三分の二の制度に切り換える以上、四百七十億は必要じやない、むしろ四百二十五億見当で、大体過年度それから明年発生の災害というものを処理して行くべきではないか。そうしてそれ以外の費用というものは、むしろ災害を防除する関係河川であるとか、砂防であるとか、こういつた方面に振り向けるべきである、こういう主張で、全額負担そのものせやめる点は、大蔵省と一致しておりますが、災害復旧費の盛り方の金額で、四百二十五億案と、四百七十億案というものが、まだ完全に一致しておりません。そういつた関係中心となりまして、今日までまだ最後的に閣議決定を得てないと、こういう状況でございます。経済安定本部の案で四百二十五億案にいたしましても、三分の二の国庫負担ということになりますから、総事業量は、今年の四百七十億に比べても、可なりの増加をいたします。それともう一つは、成るべく災害復旧関係というものは、まあ必要止むを得ない点は、どうしても計上しなければなりませんが、経済安定本部といたしましては、むしろ積極的に災害を防除する関係方面に、より以上力を注ぐべきである。こういう観点から、山砂防河川関係には相当重点を置いて考えております。その外に一般公共事業にしたところが、年々非常に圧縮しておりますので、これ又成る程度そういつた費用も緩和してやらなくちやならん。例えば都市計画等も従来五ケ年計画というのがあつたのでございますが、これも来年度においては非常に圧縮した五ヶ年計画に改訂させまして、そして最小限度公共事業を進めるということになつておりながら、二十五年度予算においてはその五ヶ年の雪年度も付いていない。こういう状況でございますので、まあ明年度においては少くとも五ヶ年計画最小限度の第二年目というものは付けて上げたい。こういうような考え方を持つておりますし、それから住宅等についても御承知通り非常に最近住宅不足の現況でございまして、庶民住宅等についても東京都においては五十倍以上の申込もある。住宅金融公庫等融資の途も講じましたけれども、ああいつた貨付方針についてはどうも余り借り手がない。貸付関係がきまつてもなかなか実際に資金調達等で家が建たぬというような問題でございまして、まあどうしてもやはり国が補助するところの庶民在宅というものをもつと重点的に考えてやらなくちやならん。こういう見地から住宅等についても或る程度相当増したい。かれこれいたしましてやはり安定本部といたしましては災害最小限度にとめて、それ以外の治山治水関係、それから一般公共事業費についても最小限度は是非盛りたい。こういうことで主張しておりますので、そういつた関係で必ずしも大蔵省その他とまだ完金な一致を見られずに今日まで論議が交されて来たような状況でございます。併し大体論議ももう盡されておると思いますので、後は上のほうで一つ閣議等において政治的に御解決願うということでお願いしてある次第でございまするが、来週には日本政府閣議決定という形において御了解願えるのじやないか、こういう見通しなつておる次第でございます。
  4. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 御質問ありませんか。
  5. 石川榮一

    石川榮一君 貯水池並びに河川改修のことですが、見返資金の件に関して公共事業費から貰いたいのですが、この見返資金が幸い資金解除は見られておりますが、この猿ヶ石はもともとありませんか。
  6. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 今日は数字を持つて来ておりませんので……。
  7. 石川榮一

    石川榮一君 最近解除になりました五十里猿ヶ石或いは物部川の堰堤、あれは三ヶ年計画というのが大体多いようですが、本年度の見返資金はきまつたのですが、明年度明後年度等は若し見返資金に非常に変更があるようなことがあれば、これはやはり国の予算でやらなくちやならんということになるのでしようか。今の見通しでは、これらの見返資金に頼つて来ておりますこういうような工事は、見通しとしては見返資金で行ける見通しがありましようか。
  8. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 明年度の見返資金関係使用計画でございまするが、未だ総額がはつきりこれこれということを司令部から承されておりません。併し大体の見通し司令部のほうでも今年度よりは若干減るであろうが、まあこのぐらいの金額で一応日本政府案を出して見ろ、こういう内示を受けておりまして、今安定本部財政金融局中心となりまして私企業公企業関係について案をまとめつつございます。総額は大体千億ちよつと超す程度になりはしないかと思います。今年度に比べて明年度は減りますけれども、ただ今年度はその中に多額の債務償還を予定しておりまするが、明年度はこの見返資金による債務償還ということはやらない、こういう方針を立てておりまするので、私企業なり公企業なりに使用する金額は今年に比べてそう減らないのじやないか。更に今まで通信鉄道等にも見返資金から出資してそれぞれの事業をやつてつたのでございますが、大体通信関係についてはもう預金部資金においてこれを見るということになりまして、見返資金からは通信関係を外しております。鉄道も一応これもやはり外の資金計画で見ようじやないかということがありましたが、現在鉄道のほうから新線計画ですか、こういうものも最小限度、それから都市計画に伴う駅の移転とか何とか、そういつたつまり鉄道でやる公共事業関係、これの最小限度だけは是非見返資金で見て貰えんだろうかという希望もございまして、鉄道関係についても、或いは若干見返資金から鉄道関係に出資するということが出て来るかも知れませんが、それにしても昨年通信関係鉄道関係につきました金額に比べて、相当こういつた公企業関係も減つて来る見込でございますので、それこれ比較いたしますと私企業公企業に投融資される金額は今年とそう余り大きな差がないのじやないか、こういう見込を立てております。そのうち一体公共事業には来年どれぐらい使わしてくれるかということにつきましては、まだ向う内々話は進めておりますが、まだ公共事業に何ぼ廻すというようなことは向うの指示を受けておりません。まあ案というものは出してくれ、こういうことにはなつておりまするが、今一応案として考えますのは、今年の百十億に対して百二十億或いは百五十億ぐらいは是非つけて貰いたいということで、それぞれ二案乃至三案ぐらい作りまして、内部的に今固めつつある状況でございますが、私共の希望としては少くとも今年の百千億は下らない限度において公共事業にも見返資金は是非つけて貰いたい、こう考えておる次第でございます。と申しますのは、今御指摘になりました猿ヶ石とか、五十里であるとか、物部であるとか、こういつた堰堤は少くとも三年、場合によつては四、五年かかるものも出て来ると思いますが、こういつた計画で年々数億のどうしても投資をしなければ事業が完成しない。こういうものが継続費として残るわけでございますから是非来年においてはこういつた少くとも継続費というものは見返資金で見て行きたい、そういう計画を立てておりますので、私共といたしましてはそういつた大規模のダム関係で、すでに今年の使用計画を立てる際に、司令部には来年以降はこういつたほうに継続として尾を引きますよということを申上げて了解を得ておるものにつきましては、来年度の見返資金計画の中に織込んでこれを見て行くつもりでおります。できれば猿ヶ石五十里にせよ、物部にせよ、明年度工事がいつぱいいつぱいできる限度にああいつた堰堤について資金配分関係考えたいと思つておりまするが、何せ見返資金の問題は最終的には司令部がその年々方針をきめる、こういうことに相成つておりますので、今日の段階においては総額何ぼで、そうしてこういつたものには必ずつけるという保証は得ておりませんけれども、私たち事務当局考え方としては少くとも今年度の百十億を下らない限度において、更に欲を言えば百五十億、少くとも百五十億見当は是非つけて貰いたいということでそれぞれ案を立てておるような次第でございます。
  9. 石川榮一

    石川榮一君 もう一度関連してお伺いいたします。大体わかりましたが、本年百十億で明年百十億を下らないような主張をなさるということでございますが、債務償還がなくなるということと、それから電気通信特別会計のほうへの繰入がなくなるということと、それから日本国有鉄道のほうにももう出さずに済むだろうということになりますと、もつと二百億くらい公共事業費を要求し得るのではないかと我々は考える。例えば債務償還が五百億、それから電気通信に百二十億、国有鉄道に四十億、今年度出ておる六百六十億、こういう点から考えて見て、公共事業費というものが非常に少いように考える。私企業は四百億にも今年はなつておるようでございますが、今お話なつたようにあらゆる河川、あらゆる港湾が非常に災害をこうむり、又年々災害が激増する状況で、このまま行けば風水害亡国の憂さえあると言われておりますが、そこで公共事業費を飛躍的に殖やして貰わなければもう現在の国土の保全は保ち得ない。かような観点から公共事業費を殖やして貰いたいということが一般希望だと思うのです。そういう観点から二百億ぐらいは是非公共事業費のほうへ見返資金から出して頂くように御盡力を願うことはできないか。何故に百十億或いは百二十億ということになつておりますか、ということを伺いたい。とにかく千億になりましても、今年度の千五百億から考えれば仮に債務償還が五百億だけであるとその残りは千億になるのです。電気通信とか或いに日本国有鉄道とかいうものが若し除かれれば、ここに百六十億或いはそれに公共事業費百十億を加えましても二百七十億、こういう点から考えても二百億ぐらいは断じて取るということを安本主張して貰えないのか。これはどうして百十億や百二十億を同じように主張なさるか。財源の見通しがあるにもかかわらずどうも公共事業費に対する見返資金の獲得の熱意が乏しいように思います。将来のことはわかりませんが、どうしてそういうふうに遠慮して主張なさるのか伺いたいと思います。
  10. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 私共公共事業を扱つておる立場といたしましては、決して遺嘱をしておるわけではございませんので、できるだけ百五十億或いは二百億見当是非公共事業に廻して貰いたいということを事務当局としては、勿論それだけの熱意を持つていろいろな案の作成には参画しておるわけでございまするが、御承知通りこの公共事業に使わせるということは本年度初めて起きた次第でございまして、当初司令部考え方公共事業費は見返資金から使わせぬ。私企業融資として使わせるのだ。こういう観点からただ鉄道通信だけは認めるという立場をとつてつたのを、二十五年度においては百五十億という金額をドツジさんの裁定によつて使わせるということになつたのでございます。元来この見返資金私企業関係中心として見て行く。而も私企業の中では電力海運関係、それを最重点的に見て行くという、こういう立場をとつております。今日においてもその関係は、まだ向う意向は変つておりません。従つて年度においては、今年は私企業に四百億という割当をやつておりますが、政府電力海運にやはりもつと重点を置いてやり、なかんずくこの電力関係については今年の百五十億というようなあれは非常に不十分な関係なつておりますので、この関係にもつと重点を置きたいということで、電力海運ラインを延ばすという見地から言うと、今年の四百億では資金は足りないから五百億乃至六百億は電力海運中心とした私企業関係融資して貰いたい。又現在の長期資金枯渇関係はやはり見返資金によらなければなかなか緩和できないという問題もございまして、私企業重点を置いて行くというこういう立場から申しますと、まあ債務償還のこの減つた額は全体の資金減つた額ととんとんにいたしまして、あと私企業のうちの電力造船関係に力を入れるという観点から申しますと、今年以上非常に飛躍的に公共事業関係割当てるということは、なかなか割当関係から言つてむずかしくなつております。併しまだこれは最後決定を見たわけではございませんので、我々も強く主張しておりますし、先ほど申上げましたのは、我々のほうもどんな最惡の事態においても今年を下らないということで努力しております。できれば百五十億或いはそれ以上是非廻すように努めたいと考えておりますが、見通しの問題としてなかなか百五十億、二百億というような数字はむずかしいのじやなかろうかと率直に申上げた次第でございます。御要望の次第もございますので、まだきまつたわけではございませんので、今後御主張従つてできるだけ多く廻すように努力したいと君えております。
  11. 石川榮一

    石川榮一君 大体わかりましたが、私共考えておりますことは、今田の予算の約六千億以上のものに対して、僅かに公共事業費に千百億乃至千二百億で、一割八分乃至二割程度しか公共事業に出しておらない。国民福祉増進として最も政治的にはつきりした政府仕事公共事業である。公共事業費金額の多少が国民福祉増進にもなり、減退にもなる。私共は公共事業費そのもの国民に直結した政治だと、こう考えております。それにもかかわらず、とにかく一割八分乃至二割しか出ておらない。そういうようなわけですから、あらゆる河川港湾仕事がないようになつておりまして、どうしようもないということを言つておる。只今電気も大事だ、海運も大事だ、これは勿論結構で、それも大事なことなんです。その前に日本国土の崩壊を防ぐということはもつと大事だという考えを持つておる。そういう点から公共事業費に対する安本の突つ張りは私は非常に賛成です。もつと強く……。見返資金についてはここ数年しか持つまりと思いますが、火急な場合はすぐ今にでもかけなければならないような河川道路なつておりますから、本予算の見返資金から配付を受けるところの公共専業費に極力安本としてはかかつて貰いたいということを希望として申上げます。  それからもう一つは、三十一日の発表を見ますというと、計画承認額に対する公共事業費はまだ使用なすつておらないような報告が出ておりますが、他の事業では、国鉄や電気では殆んど承認額を使つております。公共事業費のほうではまだその使用をしなかつたというような報告が第一四半期に出ておりますが、どういう理由でこの公共事業費が五十二億余円ありましたのを使わずにしまつたかということをお伺いいたします。
  12. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) まだ道路関係、それから橋梁関係について三件ほど正規の解除が未決のまま残つておりますが、あとは全部向うのほうで承認なつておりますので、最近の数字から申しますと、外の事業に比べて公共事業費は殆んど大部分、金額で申しますと九〇%以上はすでに解除なつておると申上げてよろしいと思います。
  13. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 一つお伺いしたいのですが、来年度から災害補助に対して三分の二国が補助する。こういう御意向らしいのですが、この額に対して、今三分の二は、十五万円以下のものに対してはどういうお考えでしようか。まだ決定していないと存じておりますが、大体のお考えは……。
  14. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 実は今年みたいな全額條件と言いますか、條件があるのですが……全額負担はやめて三分の二の制度に復そうという方針がきまつておりますが、然らばそれでは今年、従来十万円でございましたのを十五万円に引上げて全額負担にしたのでありますが、それを今度三分の二に返す際に今の最低限度の十五万円というものをもとの通りの十万円に復すかどうかとい問題は目下研究中でございまして、まだ今日どこまで戻すということを決定しておりません。かねて例のシヤウプ勧告附属書シヤウプさんが非常な名案を何かお出しになるということで我々も期待しておるわけでございますが、その後もまだ公に発表されておりませんので、その辺の勧告趣旨あたりも十分検討した上で、最後的に三分の二になつた場合の最低限度問題等も決定したいと、こう考えております。
  15. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 実際各町村に行きまして困つていますのは、貧弱町村の問題、従つて小さい災害、十五万以下ですね、それに対する補助は非常に困つておる問題がありますから、今の御案によりましてどの程度まで国が補助をするかという場合には、成るべく小さい災害に対しても補助し得るような途をお考え下さるように希望します。  もう一つ私の伺いたいことは、あなたのほうで直接関係はないかも知れませんが、都市計画のほうでもやはり河川工事をやつております。道路工事もやつております。女御承知通り土木局道路局或いは河川局でも同じ仕事をやつておりますが、これはあなたのほうで審議なさる場合、同じような仕事都市計画のほうと他の局とやつておりますので、その関連性、これに非常な齟齬を来たすというふうなお考えをお持ちになつておるかどうか。又これは行政機構の問題ですが、これを何とかすつきりした形にしたほうがいいのではないかと、こういうふうなお考え予算審議をなさる場合にお持ちになつたほうがいいと思いますが、今後どういうふうになさるおつもりでしようか。
  16. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 同じ建設省からの都市道路或いは河川関係であれば、これは同じ建設省内部でございまするからよく話合つて頂ければすぐ解決できる問題ではなかろうか。予算を作る際にも私共といたしましてはそういつた重複するようなことは成るべく避けてやつておりますが、現実の面に至りますと、或いは私たちの気付かぬところで重複したり関連があつたりするようなことが或いはあるかも知れませんが、その面は同じ建設省内部のことでありますから、各局が密接に御連絡を頂けば是正できる問題と思います。問題はこの建設省厚生省、或いは農林省との間において省が違いますと、なかなかその機関の連絡がうまく行かずに、例えば水道の問題等になりますと、建設省の面と、それから厚生省の面とが分れておりまして、これも話合いで一応の協定もできておるようでございますが、或いは実際に実施する際に今言つたような何か齟齬がまま起きることがあるというようなことを私共耳にしております。それから農林省関係においても若干例えば海岸提防というような問題等で、これも一応文書の上の取きめは、所管についての話合いは私共も中に入つてきめておるのでありますが、実際に実施の面になりますと、なかなか省が分れておりますと、取り合いになつたり、或いは場合によつては消極的にもうどつちもやらんというような問題が起きて来るというようなことも予想されますので、又現実にそういつた問題が起りました際は我々といたしましては、その調停的な立場において支障のないように調整して参りたいと考えております。
  17. 石川榮一

    石川榮一君 もう一度伺いますが、先ほどのお話で又繰返すようですが、見返資金は大体において私企業重点を置いて解放するということであるそうでありますが、今初めて今度の五つばかりのダム相当量の見返資金を放出願うことになつておりますが、このダム建設に伴います発電工事或いは灌漑工事というものは、結局私企業によるほうが見返資金を放出して貰うのによろしいか、公企業でも許して貰える余地は相当あるかどうかを伺いたいのと、若しそうだとすれば、今解放されて起工等を始めております田瀬、猿ケ石、或いは石淵、五十里永瀬等堰堤、これらの堰堤に対する私企業或いは公企業としての発電に関する計画が具体化してないのだろうかを伺いたいのですが。
  18. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) ダム建設に伴う発電の問題は実はすでにこの県営でやつております宮崎県等が昨年来見返資金をつけて貰えんだろうかということで私共のほうにも相談がありまして、司令部等にもその点について相談したのですが、何せ発電関係はそう短期間に終らない、相当資金を食う、それからやはりああいつた県営にしたところで営利的な半面を伴う、こういうようなことで発電関係に見返資金をつける際には、公共団体でやる場合は見返資金はつけないという現在のところ政府方針が大体確定しております。従つてこのダム建設に伴う発電関係は方々に案としては、会社でやるとか、或いは県でやるとか、こういうような案はありますけれども、発電関係に見返資金をつける際は、もう私企業として申請されなければ見返資金の選考の範囲には目下のところ入らない、こういう状況でございます。  それからもう一つは今年の御承知でもありましようが、五十里その他が非常に遅れたと申しますのは、発電関係をどうしておるかということで、非常に向うからあれがありまして、中にはこの発電関係をめぐつて非常にその権利の取合いというような問題で、大分問題を殊更に紛糾させたというような問題もありましたので、我々といたしましては、今度の公共事業によつてつたダムというものは洪水調節が主であつて発電は従たるものである。而も発電関係は今すぐに手をつけなければ間に合わんという問題じやない。早くて三年後にダムが完成する、或いはもつとかかるかも知れん。こういう問題であるから、今この水利権をどうこうしなくちやならんという問題はまだ先の問題である。それをきめなければ、ダム建設ができんということになりますと、これはえらいむずかしい問題がありますので、それをきめなければダム関係に使わないということになりますと、今年中につく可能性が出て来ない。こういう事情もございますので、経済安定本部としては一応案は案としてあるけれども、発電関係はもう別個の問題として考えたいということで、向うに説明しまして、御了解を願つてつているような次第であります。従つていろいろな計画はございますが、目下のところこの公共事業で始めた見返資金ダムに伴う発電計画はどこどこで今やるのだということを具体的にきめたのはまだ一件もございません。いろいろの案は、県営でやるとか、或いは特定の会社でやるとかという案は出ているようでございまするが、今日のところはもつと愼重に検討した上できめたいということで進んでおります。
  19. 石川榮一

    石川榮一君 もう一つ伺いたいのですが、灌漑のほうにつきましてはダム相当考えておりますか、どうですか。全然考えないで洪水調節だけでやつているのですか。灌漑用水に利用するかどうかということですね、要するにやはり潅漑に関する計画もこの中に含んでいるかお伺いいたします。
  20. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 一応主眼点は洪水調節でございまするが、これと併せて発電或いは灌漑用水というものはできるだけ最大限度に活用したいという趣旨で、設計その他も発電も予想し、それから灌漑も予想した設計で進んでおります。特に発電関係については、主眼点は洪水調節でございまするから、そう発電の便利のためというばかりには考えられませんけれども、農業水利関係については、もう最大限度に両者の目的が達成されますように設計その他をやつております。
  21. 石川榮一

    石川榮一君 わかりました。
  22. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 御質問ありませんか。それでは私も一つ……。見返資金で施工します砂防堰堤につきまして、その堰堤を少し加工することによつて或いは水力電気の取入れに利用する。無論その場合の費用電気会社の負担になるでしよう、そういう特別の設備だと……、そういう場合にその堰堤を利用させても差支えないように思いまするが、如何でしようか。
  23. 今泉兼寛

    説明員今泉兼寛君) 全く御趣旨の通り考えております。
  24. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 別に御質問なければ公共事業のほうはよろしうございますか。……それでは有難うございました。   —————————————
  25. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 次に住宅金融公庫のほうの関係、御質問がありますか。住宅局の住宅金融課長が見えております。
  26. 田中一

    ○田中一君 住宅金融公庫で募集を始めましたのち今日までの成果と言いますか、結果ですね、それを一応御報告願いたいと思います。
  27. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 資料によりまして御説明いたします。公庫が六月の五日に開始いたしまして、十月の十八日までに受付けた申込、審査申請、契約の概況等でございますが、一般の申込と申しますのは、個人若しくは住宅組合で申込む場合でありまして、この戸数……、件数と戸数とこの場合は一緒になります。それが八万六千二百四件、これは八万六千三百四戸の家を建てたいという希望でございまして、その金額が百七十七億余円になります。それから賃貸住宅と申しますのは、御承知のようにアパートを建てて、これを経営しようという計画でございまして、これは戸数にいたしまして九千二百二十七が申込件数になります。申込を主体別にしますと約三十口ぐらいになります。その金が三十九億ほどでございます。結局それを総計いたしますと戸数にして九万五千五百三十一戸の家を作りたい。金額にいたしますと二百億の申込であります。これは申込の合計でありまして、その結果いろいろ作業を進めておりますが、手続といたしましては先ず申込をいたしたものにつきまして、大体申込をしたものは当初第一回におきましては八割程度にいたしまして、抽籤ということにいたしましたけれども、その後いろいろ考えまして審査された上……、銀行における審査によつてはそれほど落ちるものはございません。現在その結果殆んど大部分が済んで設計を進めております。そのうち設計審査を申請いたしましたものが二万八千九百八十一件ございます。設計が済みまして公庫の審査に合格いたしますと直ちに契約をいたします。その契約が現在までに一万一千百八件、契約の金額が二十一億となりまして、これで御覽願いますように、当初百五十億の年間の資金でございますが、申込額が二百億をすでに突破している。併しながら実際に申込みましたところが、いろいろ土地を見付けたり或いは設計をしたりいたしまして、まだそれほど実際に家を作る契約をする段階に至つておるものはそれほどありません。併しこれは時期のズレもありまして、殊に最近十月に入りましてから急激に殖えております。と申しますのは、七月の初めから受付を開始いたしまして、七月の終りから八月頃まで大体銀行のほうの審査が済みまして、それから現在設計がすでにできておるということで、急に設計ができておりますので、その設計の審査というものもここ暫くのうちにうんと出て来ると思います。勿論申込をしたものが全部設計してすぐ建設するということは期待できませんけれども、まだあともございますし、大体我々の計画いたしました程度のものが一応今のところ進んでおるという状況でございます。
  28. 田中一

    ○田中一君 よくわかりましたが、この設計が済んだというもの、申請が済んだというものについて土地の問題がまだ決定していないというものは相当あるのじやないかと思います。その点はどうなつておりますか、成るほど設計の審査が済んでも土地の問題が解決しないのじやないか。こういうような問題の数、比率ですね、御説明願いたいと思います。
  29. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 今のお話の設計が済んだもの、こういうことでございますが、ここにあります設計審査申請と申しますのは、これは正式に出た申請でございます。その場合にはすべて土地ははつきりきまつております。お話のように一応個人としては設計ができて家の構想ができましたけれども、ただ土地がきまらんという件数が相当あると思います。ただそれは公庫の側にはよくお話しになりませんのでわかりませんが、実際上申しますと相当あると思います。現在困つておる状況を聞きますと、一つは土地が、折角申込みましたれども土地がなかなかうまく行かなかつた。当初話合いでいいと思つたところが、具体的に書面を取交して見たらうまく行かない。こういうふうに土地がうまく行かないということで、折角申込んだけれども、なかなか設計の審査もできない。もう一つは頭金がなかなか調達できない。十万円か七、八万円で何とかなると思つたところが、実際具体的にやつて見たところがなかなかむずかしい。この二つの問題で申込が八万、九万であるにかかわらず実際に設計審査のできたのはこの程度でございます。
  30. 田中一

    ○田中一君 この進捗状況を拝見いたしますと、少くとも住宅金融公庫の出発当時意図されたものが非常に歩みが遅いということは業者としても痛感されておられると思いますけれども、これに対する隘路ですね、何故こういう現象が起つて来るか。もう家の欲しい人は沢山あるわけですが、それが出発しましてから半年になるのにまだこうしたことになつている。そういう点についてあなたのほうで隘路打開の方法をお考えなつておるかどうか。又新聞紙上で私も一、二回見ましたけれども、改正したい、改正するというような意思がおありのように聞いておりますけれども、その隘路の御説明と、それをどうして打開するか、方法ですね。そういう点を御説明願いたいと思います。
  31. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 公庫の概況は御指摘の通りでございまして、折角非常に期待をかけましてできた、公庫も実績によりますと、なかなか利用しがたいという批評が多いのでございます。いろいろお話のよう隘路を検討いたして見ますと、先ず第一に公庫の貸付の條件相当高い。家がなくて困つている人はいわゆるお金持ではございません。一般の庶民でございます。庶民にとつてこの公庫の條件では相当きついのでございます。具体的に申しますと一つは二割五分の自己負担、頭金がなかなか調達困難であります。普通の木造の十五坪の家を造りましても大体七、八万円、雑費を合せますと十万円くらいは準備しておきませんと十五坪の家はできないのであります。これが第一点。それからその次は利率でございます。五分五厘という利率は法案御審議を願つたときにも御説明いたしましたけれども、一般の金利から見ますと相当安いのでございますけれども、これが償還金の中へ加わつて来まして、庶民が毎月償還して行くということを考えますと相当高くなります。一般の庶民の所得水準と申しますか、サラリーマンと申しますと、賃金の水準が上りませんとなかなか月々三千、二千というふうなことは非常に償還困難であります。そのために家を建てるために借りたいけれども償還がむずかしいからまあ控えておこう、こういう点がございます。同時に償還金につきましては、利率の次に期間の点でございます。十五年若しくは二十年というふうな條件でやつておりますけれども、ただこれだけの條件ではやはり月負担が二千円前後になつて来ますので、これでは毎月の負担に困るということでございます。それからもう一つの問題は公庫の手続が意外に煩瑣であるということであります。この点につきましては折角銀行に申入れたところが非常に申込書が複雑怪奇である。或いは役所に設計を頼んだところが非常に面倒なことを言うというようなことでありまして、家に困つている人というものは余り役所とか銀行とかいうところへ始終行つている人ではない。それが行つて見ると、非常に面倒なことを要求されるので困るという方々の批評が相当ございます。それからもう一つは公庫の要求する建設基準と申しますか、家の基準が相当嚴格である。簡單にバラックのような家を造ろうと思つたところが、或いは簡易耐火構造でなければいけないという嚴重な基準があるということで、簡單に家を造ろうと思つていたところがなかなかむずかしい。大体大まかに申しまして、そういうような点が今まで公庫を利用したという側の要望なり、或いは批評でございます。それにつきまして現在考えておりますところは、この第一の問題の頭金、これは実は法律に規定がございまして、二割五分は自己資金、七割五分は貸付ける。こういうふうに法で定めておるのでありますので、これは法律の改正を要します。併しこの点は実は公庫法を御審議になります際にすでに参議院のこの委員会においてもいろいろ御意見を拝聽いたしましたが、いろいろ御承知のように関係方面意向もございまして、こうなりまして、その後折衝を続けております。この点につきましては幸い我々もいろいろ話をし、日本一般の在宅に困つておる人の実情も大分わかつて来ましたので、或いは近くこの点は二割五分を一割五分前後に下げてもいいというふうな了解が得られるのじやないかという見通しを持つております。これは外国の例を調べて見ますと、相当緩いのでございます。一割或いは全然、全部貸すという礼もあつたのでありまして、二割五分を要求するというのは余りございません。そういう点をいろいろ話をいたしまして、大体この点はできれば、了解さえ得れば最も近い機会に御審議を願つて一般の要望に応えたいと思つております。それから次の利率と年限の問題は、これはなかなか意見が強うございまして、五分五厘という利子は現在最も安い利子で、これを下げるということは非常にむずかしいというので、ちよつとこの点につきましては見通しはついておりません。実はこれは法律にございますので、法律を改正しない限り何ともなりませんが、法律の改正案を提出するには尚時日を要し、いろいろ研究しませんと簡單にはできませんので、非常に努力はいたしますけれども、今のところその見通しはございません。それから手続の問題は、これは公庫の法律に関係ございません。公庫自体のいろいろの事務の点でございます。先ず考慮頂きたいのは不動産金融でございますので、やはり登記とか公正証書とかいろいろなものによつて、簡單に金を貸借りするということではなくて、将来十五年なり、三十年続けてその間に返すということもありますので、ちよつと素人が考える以上に、止むを得ず担保金融である関係上要求する点もございますが、併しそれ以外の点で、いわゆる役人や銀行員が余計なことを要求してやるということは、これはいけませんので、即座にいろいろ研究いたしまして、目下研究しながら工夫はいたしております。初め銀行が初めて業務を開始したときには、銀行に対する相当な批判がございましたが、最近はそのほうが一応済んた関係もありますが、一般に周知徹底いたしまして、よく聞けばわかるということで、むしろ最近は銀行に対する非難ではなくて、今度新しい問題は設計審査に対する非常な意見が出て参りました。ところがこの設計審査につきましては、公庫自体の手続と同時に一般の建築に関する法規も一緒に扱つておりますのでその関係のいろいろ手続の面倒ということがダブつて来ております。例えばこの場所へ作つてはいかんということを公庫で要求しなくても、一般都市計画法とか、市街地建築物法とか、こういうような法規でこの場所へ作つてはいけないということが出ます。この公庫の場合に一般のも扱つておりますので、公庫の建築は甚だむずかしいということになつておりますので、公庫の側といたしましてはそういう場合もありますけれども、併し公庫の側としていろいろ設計につきましても細かいことを言う、或いは金を支拂う場合には二回も三回もその場所に行くようなことをしないと、金を出せないという点もございますので、これも現在進行中でございますので、極力研究いたしまして、もつと気持よく、スムーズに金が行くようにし、仕事がルーズに行かない限りそれ以外の点はすべて借入希望者の御便宜に副うように毎日研究いたしております。その次の建設基準の点につきましては、当初案を作りましたときに、公庫の側ではこの機会に法律にありますように、文化的で而も健康的ないい家を作つてやろうというようなことを考えましたので、相当高い水準を持つて来ており、例えば準防火地区には、法律では一般の木造でも許されますけれども、公庫で貸す場合には耐火構造にして、日本都市の防火、並びに個人の財産の保護ということを考えたのであります。実際に当つておりますと、それは困る。値段がなかなか高く、耐火構造には一般の普通の人ではとてもまだ賄い切れない。やはり家を建てるということを一般の法律で認めるほうがよいのではないかというような意見が強いのであります。その点は将来改めまして、大体建設基準につきましては現在の建築に関する法令の許す範囲ならば一応よいという点まで下げております。例えば建物と敷地との割合、これも保健、衛生、それから火災というような点から考えまして、一般の法律が認めているよりもうんときつく例えば三割ということを公庫のほうで指定しております。これは実際自分で行つて而も自分で土地を買つて家を建てるというのに三割しか家が建てられないというのでは非常に困難でございます。このために折角土地がありながら家が建たないとか、家を建てたいが土地がとても手に入らないというようなことがあるので、この点もできるだけ近く施行されます建築基準法の一般原則によるというふうに、こういうふうにいろいろ研究いたしまして、まだ勿論実務も慣れておりませんし、我々の研究も不十分で一般国民のすべて満足というところまで行つておりませんけれども、その線に沿つて公庫及び主管庁のほうで御意見によりまして将来尚研究を進めます考えでおりますから、よろしくお願いいたします。
  32. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 これは建築の貸付の内規でもあるのかも知れませんけれども、或る人が本年度の専業申告を税務署にして税金は納めずにそのままにして近くの銀行に行つたところが、銀行のほうは国税を納めておらないから貸付けるわけには行かない。こういうふうに断わられた実例が私のほうに三、四ある。なぜ国税を納めないかというと、税務署は一旦税金を納めると更正決定をするが、併し更正されてもなかなかその税金が戻つて来ない。戻つて来るには一年も二年もかかる。それだから皆実際の再審査の決定を見なければ税金を納めないということでやつておる。こういうものを全部、税務署のほうが間違つてつても一応納めなければ貸出しはできないのでしようか。
  33. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 現在公庫が行なつておりますのは個人の收入の確定方法といたしまして、月給を貰つておる者は月給を貰つておる所へ行つて本人がどれくらい覧つておるかということの証明を貰いませんと証拠がありません。月給を貰つておる人についてはどれだけ收入があるかということはちよつと見当がつきません。本人の言う通りにいたしますと、何もない全然無收入のルンペンでも書くのはどんなにでも書けますから、その通り信用いたしますと非常に困るというので、所得税を納めておるのを見て、成るほどこの人はこの程度の收入があるというので、それから推定しておるわけです。こういうことをしておる。その関係で税務署の所得税の証明が要る。併しそれは一応そういう收入の確定と申しますか、見通しをつけるためでございますので、具体的の場合には必ずしも証明書がないというので。いかんという工合に行つておりますかどうか、聞いておりませんが、大体今まで証明書が得られないからどうしようかということを聽いて来たことはありませんので、順調に行つておるのではないかと思つております。
  34. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 それは初めて所得を申告するのではなくて、数年来所得を申告して国税を納めておる。それを本年に限つて非常に昨年と比較して、随分無茶なことを言つて来ておる。再審査をすれば是正するということは間違いないということがわかつておるのに、税務署は一日直接納めなければならないと言つておる。今初めての所得を出すというのならとにかく、ここ数年間も国税を納めて来ておるのですから、その証拠はないわけはない。そこを一つ御配慮を願いたいと思いますが、どういうものでしようか。
  35. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) そういう点になりますと、一応我々のほうとしましては最近のものを取れと言つております。その関係で最近というのは今年の分だというので、やはり窓口の扱いの仕方が嚴格に四角四面に行つておるか知れませんが、これは個々の件として場合によつては幹部のかたなり、上のかたにお通しになれば、我々のほうは税金というものを絶対要件としてはおりません。これは実際上本人の信用を調査する一つの手段ですから、信用さえあれば事務手続のほうは適当に省略できると思いますので、そういう場合には上のほうにお話しになつて信用を得られればよいと思います。
  36. 尾山三郎

    ○尾山三郎君 そういたしますと、或る銀行の窓口でそういう理由で断わられても、他にそれを保証するような方法があり、又信用すべき他の証明があれば、銀行のほうは仮に断わられても、上のほうにきつく言つてつても差支えないですか。
  37. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 私はそれで公庫の本来の業務が曲げられることはないと思つておりますが、これは公庫の事務でございますから、事務の関係上で要求しておりますので、そう事務の点できつく要求する必要はないと思つております。
  38. 小川久義

    ○小川久義君 それでも公庫のほうではつきりと線を引いて貰つたほうが明瞭になるのではないかと思います。今尾山さんが言われたようなことが習慣になるために資金貸付を受けられない。ところで申告納税によつて納めた金かある筈だ。それが規定に沿うだけの資格を備えておれば貸付けをするのだ。それがはつきりしないとそこに混乱が出て来る。更正決定の分は納めていないが、その先の申告納税は、ちやんとやつておる。そうして申告して納税した額が條件にかなうておれば無條件に貸付ける。ここに線を公庫としては引いて貰うのが一番よいと思う。
  39. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 只今の問題は、実は私初めて聞きましたので、よく実情を聽きまして、どちらかはつきりするようにいたします。
  40. 田中一

    ○田中一君 もう一つ、公庫の賃貸住宅、この実情を御報告願いたいのと賃貸住宅に対する何と言いますか、申込條件と言いますか、契約條件一般申込と若し相違があればその相違を伺いたい。賃貸住宅に対するのと、一般申込の何と言いますか、貸付基準と言いますか、融資の基準と言いますか、その相違があればそれを伺いたいと思います。
  41. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) ちよつと今日賃貸住宅のほうの資料を持つておりませんので、口頭で恐縮でございますが、條件は法律にきまつておるところではそれほどございません。ただ賃貸住宅と申しますと、一つの貸家企業でございます。貸家企業に対して堅実に貸家企業をして行けるかどうかという点を見て行きます。この自己資金が二割五分要る、それから貸付利子が五分五厘であります。ただ公庫のほうでは今のところ賃貸住宅は全部鉄筋コンクリートの共同住宅、アパートメントに決定しておリます。賃貸住宅と申しますのは全部今までできておりますのは鉄筋コンクリートのアパートメントでございます。これは都市の防火、それから住宅の改良という点から公庫のほうでも強く要求しております。ところが、この場合問題になりますのは、この公庫の貸付條件で、借りて一般の民間の企業として一般の利廻りでペイするということは絶対に不可能でございます。それで現在三千軒ばかりできておりますのは特殊なものもございますが、大部分は公共団体が実施をし、若しくは特別の貸付をいたしますところの公共性のある団体でございます。東京にも東京住宅協会というのがございます。これは都のほうで頭金の二割五分に相当する何億という金を貸付けます。その金は公庫の金としてアパートを建設しておる。大阪にも大阪住宅協会というのがありまして、これも大阪府のほうで作つた団体で知事が会長をしておりますが、大阪府のほうで貸付をする。その貸付は無利子であります。無利子で三十年以後に返す。公庫より緩い條件で貸付をして貰つて、そこに公庫の資金を一緒にして経営して行く、こういう団体が殆んど大部分でございます。あと民間にも特殊なものがありまして、住宅に困つている者に三十年間で償還するという貸付をやつているという特殊なものもございます。こういうのは一応会社形態でやつておりますが、会社形態で二千万の資本金を投下してやつておりまして、そしてその資本金の部分を事務費に使い、大部分を頭金に使つてあと公庫で借りてアパートを作つて行こう、こういうのも二、三ございます。それを合計いたしまして三十ばかり出ております。戸数が九千戸ばかり……。
  42. 田中一

    ○田中君 東京都に一億六千万から出しておりますのは、東京住宅協会ですか、あそこに行きまして私実情を聞いて見ましたところが、一億六千万円の頭金の額だけをとにかく拂込んでその建築をやる。建築をやつて賃貸アパートを作る。併しながら公庫に対する償還というものはおのずから定められた基準によつて償還されなければならん。同時に賃貸価格といいますか、家賃は一応の基準で抑えられている。その実情から言つて、到底東京都にあるところの住宅協会は三年たてばもう償環できなくなつて来ます。これは明らかなんです。三年たてば明にもう駄目なんです。そうしますと非常に不健全な貸付になるわけです。東京都でそれに対して相当補助金を出すというならば別ですが、東京都がやつておるのではない。財団法人の協会がやつておるのであつて、こういう点家賃で以て償還をするということはあり得ません。頭を抑えられておりますから……、併しながら公庫に対してもその協会は月賦で拂わなければならないのですから、そういう点についてこれは何と肯いますか、見方をどう考えておられるか。或は東京都が次々と金を出してよこす。三年後には又出すというようなことは非常に不健全な貸付じやないかと思います。事務費をたしか五分五厘使つているそうです。あそこでは工事費の五分五厘とか言いました。こういう点に対して十分御監督願えないか。曾ての住宅営団のような不始末が再び起るような気配がするのです。各地方の公共団体がやつておると言いましても、無論予算の面で以てそれができるものかどうか、それに対する考え方一つ伺いたいと思う。
  43. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 御指摘の通り公庫の貸付條件とそれから家賃の間の鞘が少いものですから、非常に困難な経営であります。その点経営上無理を強いますので、これをそのまま放置して置きますと、将来そういう問題の出る危險もございます。その点は併し将来の監督でございますが、これについては出資なり、直接やつておりますところの公共団体と十分話をしまして、これは実は都に貸して貰いたいというような、公共団体に金を貸したらどうかという御意見があつたのですが、いろいろな関係でそれができないということで止むを得ずこういつた形をとりましたので、公庫のほうは我々といたしましては住宅は応国なり或いは公共団体の責任において供給されなければならんという考えを持つておりますので、国と公庫と公共団体の三者で適当にこの運営を進めて行くようにする。例えばこれはちよつとわかりませんが、若しこれで貸付條件、利子のほうでも考えて頂けば経営は可なり円滑に行きます。それでそういう点もありますので、これは公庫の側の問題、若し経営が、公庫に対する償還がむずかしくなつた場合に、一応現在の我々が認めております計算では、收入家賃から必要な費用を引いて公庫に償還ができる計算になつております。
  44. 田中一

    ○田中君 それをちよつとお示し願いたいのですが……、建築費ですね。頭金利廻り、家賃償還率というものを、今公共団体がやつておるという計画一つ細かくお示しを願いたいと思います。
  45. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 持つて参ります。その計画かよくなければ償還の見込のないものには貸しておりませんから、実際上その通り行くかどうかという点については意見があると思いますが、一応公庫の側とすればこれなら無理だけれども、行けるだろうという範囲内において貸しておりますので…。公庫のほうではみんなできております。
  46. 田中一

    ○田中一君 簡單に考えましても、家賃がアパートなんかの部屋を借主に三十年間なりで以て分割売りをするという建前ならこれも考えられます。併しながら一億円や二億円の金を都が出して、借りている人から家賃を集めて拂つて行くということは、どういう観点から安全性をお認めになつているのか。我々素人の考えよりもあなた方自身のほうがよくおわかりと思うのですが、これも一つ十分にお考えなつてその数字を出してお示し願いたい。曾ていろいろな不始末が住宅問題でありましたから、これは一つこの委員会でこの数字を明らかにして頂きたい。一応希望して置きます。
  47. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 今の問題は、この次委員会数字を明らかにして示して貰うことにしたいと思います。それでよろしうございますか。
  48. 田中一

    ○田中君 よろしいです。
  49. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 一例で結構ですね。或いは方々の例をとりますか。
  50. 田中一

    ○田中君 それは契約をして貸出をしていると思いますが、その実例で結構です。
  51. 石川榮一

    石川榮一君 今田中先生のおつしやること私共も同感です。なけなしの金で建てられない人が入る、而もそれが鉄筋コンクリートの立派な文化住宅に、部屋摩は小さくても入ろうというのだから相当に高くつく。それが公庫の金で建設されて、而も完全にそれを償却ができるということはちよつと常識的に考えられないのでありますが、それは後で伺います。  もう一つ伺いますが、現実に銀行が貸しておる公庫の貸付は、土地代金に対する七五%、建物代金に対する七五%を貸付けておりますが、金額に端数が出ております。例えば十三万五千円、或いは十三万七千五百円、十三万九千円と、こういうような場合にこの九千円を切つてしまう。万円以下を切つてしまう。その土地のほうで削られ、そうして建物で削られるということになりますと、大きく考えますと二万円弱までは、人によつては融通して貰う法律上の見解は立つていても、措置において二万円減らされる。そうしますと先ほど課長さんが御心配なさつておる七五%、二割五分も予定できない人が更に又一割もその点で貸付金を削られるごとになりますが、この点は是止できるのじやないか。むしろその金を七割五分になつたら、その端数まで貸したらよいのじやないか、その点今は切り捨てることになつておると聞いておりますが、これを一つ伺いたい。  もう一つ、これは土地と建物と合算したものの七割五分にしてやらなければならん。そしてでき得るならば端数は切り上げて、十三万五千円なら十四万円貸す、むしろ切り捨てないで、切り上げるという方針を金融業者にとらして、たとい少しでも今苦しんでおる、沢山の住居を希望しておる人たち一つ親心を示して貰いたいと思うのですが、どうですか。
  52. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 御指摘のように利子の計算事務の便宜上でございますが、万円單位で出しております。その結果そういう場合もあると思います。実はお話の土地と建物とは計算は一緒にしておるはずでございます。個人ごとに今土地代金と建築代金、そういうふうにして一緒にしてやつておると思いますが……。
  53. 石川榮一

    石川榮一君 一緒でない。
  54. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) では実例を調べて置きます。
  55. 石川榮一

    石川榮一君 一緒にして頂きたい。利息の計算というのは七千円でも八千円でも、なけなしの人は悲鳴を挙げます。それで万円單位を切上げて、手に親心があれば……住宅の足らない人は戰災によるか、そういう気の毒な人で、国家が挙げて救うべきものです。ただ入れてもいいはずのものですが、そうは行きません。それに対して端つぱを貸さない。その端つぱがないと、それがためにできない人もある、こういうことです。そういつたものを一つお調べ下さつて、五千円以下だつたら五千円、五千円から一万円の間だつたら一万円貸してやる、そういう程度の親心を示されて頂きたい。一つ御善処を願いたいと思います。
  56. 田中一

    ○田中一君 もう一つ伺いたいのですが、集団住宅ですか、集合住宅といいますか、そうしたものの計画がある場合に、それに対する整地費、土木費というものが別箇の貸出をする形式をとるのですか。それとも全部含めたものをとるのですか。例えばこれは説明が足らないで遺憾ですが、土地があつて五百戸建てる、或いは三百戸建てるというような場合には、例えば上下水の問題にしても、相当大規模な土木費がかかる。それを一戸当りどのくらいに見ていらつしやるか、それを伺いたい。住宅計画に対する特例の補助、援助、そういうものがおありになると思いますが、それをお示し願いたい。
  57. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 建設費のうちに多少そういうものは入つておりますが、お話のような集団住宅を造る場合の大きな土木事業なり、整地事業には実は金は入つておりません。実はそれをいたしますと、まあ建物のためには非常に必要なのでございますが、個人が返す場合に、実際自分の利用する建物に金が沢山かかる。鉄筋の場合ですと坪三万円という金がかかりますが、その外に整地費が一万円かかれば四万円かかります。そうなりますと償還が五千円とかそれ以上になる。そういうような関係で、最小限度にしておりましても、今のところ……、標準価格の資料を忘れて来ましたので、金額の点は詳しく申上げられませんが、余り今までのお話程度にまで貸付は拡がつていない、そういうわけであります。
  58. 田中一

    ○田中一君 それは最近おきめになつたのですか。
  59. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) はあ、最近多少拡げられて来ました。
  60. 田中一

    ○田中一君 多少拡げられるようにきめてあるはずだと思うのですが、その場合その住宅計画に対しても、でき上れば賃貸住宅と同じような形のものができまして、住宅組合なら住宅組合ができまして、それが責任をとるというような形になれば、貸出すようなことができるのじやないですか。
  61. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 今のお話のそういう集合住宅について貸すことは貸します。ただ私申上げましたのは、その土地費とか、整地工事費用を貸す問題であつて、今お話の集合住宅を造る、アパートのようなものを個人が集まつて一緒に造るというような場合に貸すことはします。
  62. 田中一

    ○田中一君 坪当りどのくらい貸すのですか。
  63. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) それは一般と同じです。鉄筋ですと三万円。
  64. 田中一

    ○田中一君 それは建設費でございましよう。
  65. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) それは多少ちよつと……。
  66. 田中一

    ○田中一君 併し整地費がない住宅というものはないのですが、下水もない、井戸も堀つちやいかん、家だけぽんと建つている家というものはない。そういう不親切な住宅金融公庫なんか話にならん。下水を作るには金がかかる。その費用も認めない。井戸もない、水道もない、そういうようなものは庶民住宅を建てる上において考えられないと思うのです。今お手許に資料がなければこの次に一つ御提出願いたいと思います。
  67. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) ではこの次に申上げます。
  68. 田中一

    ○田中一君 もう一つ伺いたいと思うのですが、隘路打開の対策としていろいろ御説明がありましたが、一番望ましいことは第一の法の改正、頭金二割五分を一割五分くらいにしたいということは非常に結構なことだと思います。これは是非実現して頂きたいと思います。第二、第三の点、これも法律の改正によつて可能なんですが、これは困難だというお話がございましたが、この困難さは解決できるのじやないかと思います。無論その建物を担保として貸付けになる金融措置なんですから、それが期限を長くしてもその財産が消耗されないということならば、貸し得ると思うのです。無論そのできた建物の価値に対して貸付をするわけですから、その価値が或いは三十年たつても四十年たつても減損しないという建物なら、これは喜んで期限を延長してもよいのではないかということも考えられます。これは無論担保附きの金融なんですから……。それからこの建築法規の点については、現行の建築基準を以てやつて頂くことが非常に結構だと思います。ただその次の手続上の問題ですが、手続の煩瑣ということもおつしやつておりましたが、公庫の定員ですね、従業員、職員が不足しているという現状じやないのですか。それを一つ伺いたいと思います。それから査定については、今までもう貸出しをした、すつかり済みまして担保ができ上つて貸出を開始したという事実がありましたならば、その一つの例でよろしうございますが、その中ででき上つたものに対する貸出の査定というものは、初めの設計さ定申請当時の貸出の取きめ契約と、でき上つたものに対する貸出というものがその通り行われているかどうか。或いは鑑定人が行つて価値判断をして、お前のほうは二十万円貸すということになつているけれども、これは十五万円しか貸せないというような事実がありやしないか。それから今日の朝鮮動乱以来、非常に手間も物価も上つております。特に建築資材は非常に高騰しております。今までやつておりますような一万八千円とか、或いは鉄筋の三万二千円ですか、ああいうような基準で以て貸し得るかどうか、その場合にはそれによつて貸出の標準を局めるかどうか、その点も一つ伺いたいと思うのです。それから元へ戻りまして一割五分で以てやる場合、無論これは建物を対象として金融をするわけなんですが、その木造建築というもの、燃える建築です、燃える建築を一切やめて不燃住宅というものにして頂きたいと思うのです。そういうものはたとえ保險を付けると言つたところが、結局損害を受けるのは国なんです。保険契約が條件なつておりますけれども、燃えたのでは国が結局損をするのです。非常に低率な頭金で貸す場合にはその建物の永続する価値というものを非常に高めるわけです。木造建築を好むかたもいらつしやいましようけれども、木造建築に住むと同じような環境にあるような耐火構造建築もあると思うのです。こういう点も御研究願つて耐火構造建築というものに限定する。極端に言えば限定するというような点まで遜進めて欲しい、こういう希望を申上げて置きます。今の点について一つ
  69. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) この貸付の條件、殊にこの利率、年限その他については今後の見通しがあるかというような点でありますが、我々もそれを確信し、努力もしておりますので、ただまだ結論に達しておりませんし、その点でちよつと見通しはつかんと思いますが、その線に浩つて努力はしておりますから、その点御了承を願います。それから事務の煩瑣につきまして、公庫の人員が少いのじやないかという御指摘は御尤もであります。これは政府予算関連しますので、公庫のほうでも実際の事務に必要な限り人を要求し、或いは折衝しておりますか、又一方余り役人を殖やすという点も考えられますので、依然として非常な少い人員で努力をしておる事情でございます。併しこの公庫の係り自体は殆んど第一線の事務をいたしません。第一線の事務は銀行と公共団体でございます。この公共団体のほうと銀行は、公庫のほうの予算で委託料を拂つておりますので、その委託料の範囲内で必要な人を置いて貰つておるのであります。この点で或いは使い方が非常にまずいという点もありますが、人が少いので実は今まで公庫のほうから十分指導が徹底していなかつたという点と、銀行にしましても、或いは公共団体にしましても、事務が初めてで慣れなかつたという点で相当不親切なこともありましたけれども、相当慣れて来まして、殊に勧業銀行なんかの評判を聞いて見ますと、非常に親切にやつてくれると言つて喜んでおるところもありますので、この点は暫くたちますと軌道に乘つて行くのじやないか。むしろ人の問題よりもきめた決め方、或いはこういうことを書いて来いという要求をもう少し工夫すればいのじやないか。併し勿託現在公庫の人が足りませんので困つておりますけどども、これは予算の点で簡單にどうもできませんので、一応きまつた限度内において努力はしております。それから当初貸付の予約を結んだのと実際借りた時に後で金が減つた実例があるかどうかというようなお話でございますが、これは調べておきます。大体私はないと思います。当初予約を結んだ金何万円というのをその通り貸してあると思います。一応そういうことで実際の審査をして著しく不当に下げておるというのは、これは超過貸付になりますので下げることも可能でございますけれども、今までまだそういうような例は聞いておりませんし、ないと思つておりますが、一応調べて見ます。それから不燃化住宅のことでございますが、御尤もな趣旨と思います。ただ今までの、先ほど申しましたように、全防火建築は公庫の資金を増すのだから、だから簡易耐火構造でやれというようなことでやつておりましたところが、これは困つた原因は、やはり建築費が高過ぎます。たとえ公庫の貸付條件相当安くいたしましても、やはり坪当りどうしても二万五千円とか三万円かかりますので、一般の住宅に困つておる人は出しきれないと思います。余ほどこの條件を緩和いたしまして、初めの頭金も一割位にするとか、或いは全然なしにするとか、或いは利子も極く安くするということになれば或いはできるかと思いますけれども、当分の間、現在のような條件ではこれを強制するということは非常に困難ではないかと思います。この点は貸付條件をむしろ木造を作るよりも有利になるという経済的な條件でも持つて行きませんと、簡單に奨励なり強制することはできませんので、條件を緩和できれば木造とちつとも変らない同じにするということになれば、簡單な指導及び一般の啓蒙によつて不燃化住宅はできますので、木造を造る場合と耐火構造を造る場合とは、経済的な負担において同じであるという線にまで是非進めて行きたいと思つおります。それから資材の高騰、この点は御指摘のように動乱以来多少上つております。現在手許で資料を調査いたしまして、主な資材については一割二、三分の上りじやないかと思つております。公庫のほうでもこれをどう扱うかということは現在審議いたしております。資金を公庫の考えではもうちよつと増したい、今すぐ上げますと一般に対して相当影響します。これは簡單に上げて行きますと個人の負担が重くなる半面、釣り上げるという傾向になる虞れもありますので、成るべくならば庶民の家でありますから、家を安く作つてやりたいということを思つておりますので、上るほうは澁々でございます。併し一般の経済が変つておるのに、徒らに低い貸出ではこれは実際仕事はできませんので、一般の経済に順応して行きますけれども、まだ公庫のほうではすぐ上げるというところまで行つておりません。併し数字等の資料はとつて研究しております。
  70. 田中一

    ○田中一君 不燃化の問題ですが、あなたは今木造のほうが安い、不燃化のほうは家を取得する人間の負担が重いとおつしやいましたけれども、実際三十ヶ年或いは十五ヶ年という償還期間で細かい数字を以て比べますと、どつちが高いか安いかということを一つあなたのほうでお調べになつてお示しになつて、確かに不燃化のほうが安いのだということを計数的に数字を以てお示し願いたいと思います。私は耐火構造建築のほうが三十年という割合にすれば安いということを信じております。もう材料の点においてもあらゆる点において三十ヶ年の鉄筋の建物を作つたほうが金をかける人間としても、経済的な負担は減るということを確信しておりますので、これを一つ、若しもあなたのほうでお作りにならなければ私が数字を出して公庫のほうへお示ししてもいいと思いますが、一つその点はあなた方可能な範囲でお調べになつて出して頂きたいと思います。従つてこれは三十ヶ年の償還とか火災保險料とか、或いは障子を張るとか、畳を二年半なり三年に一遍取変えるとか、あらゆる面において耐火構造建築の三十ヶ年の負担は木造建築の十五ヶ年の負担というものと全然経済的に違います。一万五千円で十五年というのと、片方は三万円で三十Xヶ年で償還するのと……。我々の生活は現在の経済能力を基準にして考えておりますから、一万五千円で住宅ができて十五Xヶ年と、三万円で住宅を作りまして三十ヶ年というのは、我々の負担する額は同じです。従つてそれに今度は加えまして官理、保管あらゆるものを計算しますと、必ず鉄筋のほうが安い。無論その建物自体は三十ヶ年の担保に入つておるのですから、貸出をするほうも安全です。木造の場合はだんだん減つて行きますから、我々も入つてわかつておる通り減損して行く。減損して行くから、これを見る場合には必ずや鉄筋コンクリート、あえて鉄筋とは申しません、下燃化住宅に入つたほうが各人の負担も減ると思う。ただ概念的に木造のほうが安い、一万一五千円で鉄筋の、下燃化のほうは三万円で高いのじやないかということをお示しになることは甚だ不親切だと思いますので、どうぞこの点をよくお調べになつて、次の委員会にお出し願いたいと思います。
  71. 江田三郎

    ○江田三郎君 今の公庫の質問じやないのですけれでも、委員会の今後の問題についてちよつと希望があるのです。それは昨日治水の問題につきましてそれぞれ專門家を呼んで御意見を聞かして頂きまして、非常に我々も教えられたのですが、私は治水の問題についてもう一つ問題が残つておると思うのです。それは大体治水という、水の問題というものが純治水という見地から問題になると同時に、農業関係からの水或いは発電関係からの水ということが当然問題になる。更に治山、治水という面になればやはり農業と山との関係、こういうものも問題になつて来るわけでして、農業と山との関係は一応過去において日本の開拓政策というものが非常に乱暴に扱われたためにマイナスの面ばかり出ておるようでありますけれども、併しこれは必ずしもマイナス面を出さないでも行けるのじやないかという問題もあると考えます。治水の問題を扱うのにそういう見地からもう一遍国会開会までに適当な人を証人として呼んで頂きたいわけです。  それから更にもう一つダムを作る場合の、他目的ダムの場合の経費のアロケーシヨン、割引の問題、この問題についてGHQのこの間の四十七ヶ條の中にもその問題が出ておりますけれども、またこういうことについてもはつきりとした政府のほうの見解を聞いたことはありませんので、そういう点をできれば次の国会までにもう一遍証人喚問をやつて頂きたいと思います。その人選等は委員長なり專門員のほうで適当に願いたいと思います。
  72. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) 今江田委員の申込の、次の国会までにもう一回適当な人の証人喚問の儀は如何いたしますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) ではそれは適当な人をこつちで選びます。  もう一つ御相談したいと思います。本日特別調達庁から所管事項の説明をしたい、こういうことがあります。又建設業法の実施状況、これを聞くことになつておりましたが、本日の委員会はこれを以て閉会して、この次の国会までに適当の時期を見て開会したいのでありますが、それでよろしうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  74. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) ではさように……。
  75. 田中一

    ○田中一君 もう一つ議事で以て相談したいのですが、今月の二日にGHQのエーミス氏から、建設関係の労働組合を結成せよという勧告を受けております。これは無論所管も労働省の問題でございますけれども、こと建設の面でもありまして、労組結成についてどういう予算面、或いはいろいろな面においてどういうものがあるかということに対して、一応建設省として考えなければならんと思うのです。この点について建設省の誰が担任しますか知りませんけれども、労働省も建設省に対して相当連絡をとつてつて欲しいと思うのです。この問題について次の委員会で聞きたいと思うのですが、そういう建設省の係りの方、或いは労働省の係りの方の出席を願つて、説明を聞きたいと思うのですが、如何でございましようか。
  76. 赤木正雄

    理事赤木正雄君) よろしうございます。然るべく取計らいます。  では本日の委員会はこれで散会いたします。    午後零時十三分散会  出席者は左の通り。    理事      赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石坂 豊一君            石川 榮一君            島津 忠彦君            江田 三郎君            田中  一君            東   隆君            尾山 三郎君   説明員    経済安定本部建    設交通局次長  今泉 兼寛君    建設省住宅局住    宅金融課長   前田 光嘉君