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1950-07-25 第8回国会 参議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十五日(火曜日)    午後一時四十三分開会   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○連合委員会開会の件 ○建設省その他建設事業に関する調査  の件  (ダム建設事業に関する件)  (災害に関する件)   ―――――――――――――
  2. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 只今から難波委員会開会いたします。この際お諮りいたします。本委員会に付託されております京都国際文化観光都市建設法案及び奈良国際文化観光都市建設法案につきまして、地方行政委員会におきまして、連合委員会を開くことを希望いたして参つておりますが、地方行政委員会連合委員会を開くことにして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 御異議ないと認めます。
  4. 赤木正雄

    赤木正雄君 電力特別委員会ができましたね。あれについて、若しも電源その他の建設委員会に当然関係のある事項がかかつた場合には、委員長は必ずこの建設委員連合委員会を開くように申込んで欲しい。皆さんにお諮り願います。
  5. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 只今赤木委員から電力問題につきまして特別委員会が設置されましたのでありますが、それに対しまして、建設省関係のあることにつきまして、連合委員会を要求されましたが、これに対してどういう取計らいをいたしますか、皆さんにお諮りいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 御異議ありませんか。ではさように、赤木委員の申込み通りに決定いたします。   ―――――――――――――
  7. 柴田政次

    委員長柴田政次君) それでは本日はこれから建設省矢野利水課長から御説明を伺うことにいたします。
  8. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 建設省で主管いたしております堰堤事業について概要を申上げたいと思います。御承知通り我が国河川は非常に洪水の出が早くて、その量も多くて、最近は非常に災害が多いのですが、年々災害の額は殖えております。大ざつぱに申上げまして、大体昭和八年頃までは、毎年時価に換算いたしまして三十億くらい、それが昭和九年、十年頃になりますと、一躍二百億くらいに上つております。それから昭和二十年になりますと三百五十億、最近では五百点近くの土木の災害復旧費が毎年計上せざるを得なくなつております。このように、我が国の川は非常に大きな特性として出水に伴う災害復旧費が非常に多くなつております。この方面に対しましては万全の治水方策を講じまして、種々努力いたしておりますがその一面川の利用という問題につきましても、建設省としましてはいろいろ研究して、今日まで実施して来ておりますが、未だに微弱で、今日も堰堤中心といたしましていろいろ御説明申上げたいと思いますが、まだどんな事業を行なつて行くというところまでになつておりません。それで河川堰堤説明をいたします前に、大体現在我が国河川がどんなふうに利用されておるかというようなことを概括的に御説明申上げたいと思います。  先ず農業水利の問題ですけれども、我が国河川は御承知通り大きいのも、小さいのもまぜまして五、六千本ばかりありますが、その河川によつて我が国水田面積三百二万町歩の内、河川による灌漑水田面積は二百三十万町歩程度であります。約七三%が河川によつて灌漑されているというよう状況であります。併しながらこの河川による灌漑も、必ずしもいずれも十分に行渡つているというわけじやなくて、比較的水が不足している地点が約五十七万町歩といつたよう厖大な数になつております。この外河川でなくて、外の降水からとつている水田面積もあるわけでありますが、それらも換算いたしますと、約九十万町歩、百万町歩足らず水田面積渇水のために毎年困つているというよう状況であります。  それから河川利用につきまして大きな問題といたしまして第二番目に水力発電でございますが、これは我が国の大体水力資源というものは大ざつぱに三千万キロワツトという電気を持つていることになつておりますが、御承知通りその内六百四十万キロワツト開発されておりまして、三分の二に当る千三百六十万キロワツトという厖大数字は未だ開発されていないという現状であります。それで未開発電源地帶といたしましてその主なものをとつて見ますと、只今非常に問題にされております阿賀野川、只見川であります。これは未だに百五、六十万キロワツト電気が未開発のままになつております。これが残されている我が国水力資源として一番大きなものであります。その外すでに問題になつております信濃川が九十万キロワツト木曾川が八十万キロワツト利根川が百万キロワツトである。大きな河川としまして七、八十万キロワツト電源が残されているというよう状態であります。その他小さいのを入れまして先程申上げました千三万六十万キロワツト電気が残されているというよう状況であります。  それから河川利用としまして第三番目に水道の問題ですが、河川水道水源地として我が国で使用されておりますのは、大体一万人以上の給水人口を持つている都市が三百七ケ所、一万人以下の給水人口を持つておる水道が四百十六ケ所、合計六百二十三ケ所という、そういう市町村が河川から水道水源地として利用しておるという状況であります。その外流域の問題とか、水運の問題とか、或いは河川漁業の問題とか、工業用水の問題とか、都市の浄化或いは観光といつたような面においていろいろ利用されておるのですが、数字は細かくなりますから省略いたしたいと思います。  それで結局河川資源というものは一体我が国でどの程度に使われておるが、という極く大雑把な考え方をいたして見たのですが、これは私の卑見なのですが、我が国河川で一年間にこの流れる水の量を計算いたして見ますと、これは年によつて非常に変化がございますが、平均いたしますと一年間に四千七百二十億立方メートル、約五千億立方メートルと言いますか、その程度の水が河川に流れておるわけです。でその五千億立方メートルの水がどういうよう利用されておるかというと、非常に概括的な計算ですがこれを調べて見ますと、灌漑用水として一千三百億立方メートル、水道の水としてこれはずつと桁が下りまして十六億立方メートル、工業用水として八十二億立方メートル、これらを合計いたしますと約千四百億立方メートルになります。それで先程申上げました四千七百億立方メートルの河川流量のうち一千五百億立方メートル、約三〇%の水がこれらの水に廻つておるというよう状況で、残りの六〇%は殆んど洪水として、或いは平時においても無駄に海に注がれているということになるわけです。尤も無駄という言葉を使いましたが、これは必ずしも無駄でなくて水力電気にも使われておりますし、河川というものは、河川の維持上或る一定量流さなければならないという点におきまして必ずしも無駄と言えませんが、大体そういつた程度我が国河川水資源というものは使われておるというよう状況であります。  それからこれも附随的な問題ですが、一年間に河川から上る收益というものはどのくらいあるか、ということも大体研究して見たのですが、先程毎年最近においては四、五百億の災害があると言いましたが、河川から受ける利益というものも大体毎年一千億程度利益が上つておるように計算いたしております。そういつた意味から行きまして、河川の今後の資源開発ということは大きな問題として取上げなければならないので、この方面につきまして私共いろいろ立案いたしておるわけですが、現在河川行政のうち利水行政につきましては基本方策とも言うべきものにつきまして私の卑見でございますが、大体骨格をお話申上げたいと存じております。これにつきましてはいろいろ議論がありますので、十分御批判を頂きたいと思つております。先ず現在一番問題になるのは利水行政というものが確固たる法律に立脚しておらないというよう見地から利水法というものを作る必要があるのじやないかということを感じております。勿論河川法というものがございまして、これをベースに置いて現在いろいろの行政が行われておるわけでありますが、現在の河川法は御承知のごとく主として治水を重点に置きまして、治水上必要な治水事業を許認可するというよう態度をとつておりますので、積極的な利水行政というものはベース付けられておらないという感がありますので、どうしても利水注を作る必要があるのじやないかと思つております。それから堰堤の問題になりますが、堰堤というものはそうざらにあるものじやない。一つの河にせいぜい一、二ケ所程度でありますので、どうしても堰堤計画回を樹立するに当つて河川全部の総合計画を確立しなければならないという点であります。それから第三番目に非常に問題になりますのは、利水行政をやるに当りまして、慣行による既得水利権というものがいろいろ禍いをなしております。これはまあ換言いたしますと水の封建制というものを打破しなければならないのじやないかという問題になりますが、過去において慣行によつて得た水利権というものは飽くまでも決定的な水利権であるというようなことが河川資源開発一つのネツクになつようなことが往々ある次第であります。その外今後の堰堤を造るに当りまして、極力大貯水地主義のものを作つて行きたいとか、或いは從来開発方針が主として採算着義で研究されておりましたが、これは資源開発というよう見地から、或る程度採算を度外視してでも有効適切なる開発をこやらなければならないというような考えも持つております。非常に大雑把でございますが、そういうよう考え方態度で現在は利水に関する行政を取扱つておるような次第であります。  それで現在一体それではどういう事業をやつておるかということを御説明申上げたいと思います。本日お手許にプリントを差上げましたものを中心にして御説明申上げたいと思います。このお手許に行きました事業説明書は本年度事業計画概要が書いてありますので、第一ページのところに総括表がございますので、それで大雑把に御説明申上げます。ここに十本の河川が載つております。一番先に載つておりますのは琵琶湖でありまして、琵琶湖水位を一メートル下げろ、結局一メートル三十の有効水量、これが九億二千万立方メートルありますが、これを一メートル三十琵琶湖水位を下げまして、下流発電を増強し、大阪附近工業用水水道灌漑用水補給を図るというのが根本の趣旨で、併せて琵琶湖沿岸水害を防止するという見地琵琶湖の水面を低下する、一メートル低下するということを基本方針といたしまして、昭和十八年以来着工いたしておる次第であります。これは大体完了いたしまして、明年度二十六年度で完成いたしたい予定でおります。これが現在建設省直轄でやつております一本の事業であります。その外、下にずらつと書いてあるのが九本ありますが、これは府県営河水統制事業でありまして、国がこれに助成をするというようなことをいたしております。九つの河川というのは総括表にありますよう大分県の大野川宮崎県の小丸川、愛媛県の銅山川、新潟県の三面川、この四本が今までやつております継続中の河川であります。それからその次に書いてあります岡山県の旭川奈良県の十津川、山形県の赤川、山口県の木屋川、徳島県の那賀川、この五本の河川は二十五年度より新規に着手する河川でありまして、現在すでに着工いたしておるような次第であります。それで継続中の事業である大分県の大野川宮崎県の小丸川、これはいずれも戰前に着工いたしておりまして、大野川は大体八〇%程度できておりまして、今明年で事業は完了いたす次第であります。宮崎県の小丸川は来年に若干残りますが、概ね本年度、二十五年度を以て完了いたす予定になつております。銅山川三面川は漸く二十四年度から着工いたしたので、これから事業を大いにやつて行くというような構勢であります。それでこの事業はいずれも根本方針としまして堰堤を築造いたしまして、降水を貯溜して、その貯溜した水を渇水期補給いたしまして、落差を利用して発電並びに灌漑用水その他の必要用水量を供給するのが基本方針でありまして、從つて治水面といたしましては降水流量を調整いたしまして、計画降水流量を低減するのが一つ方針であります。利水面としましては先程申上げました水力電気並びに灌漑用水補給というようなことを基本方針としてやつております。いずれの事業も大体そこに書いてありますように、十億から二十億乃至三十億程度事業費でありまして、毎年大体場所によつて違いますが、三億乃至五億程度事業をやつて四、五年間で完成したいというよう目標でやつております。それからこの事業は大きく分けますと、灌漑とか、或いは降水調節とかいつたよう公共的色彩を持つた事業と、それから水力電気のごとき公益的性質を持つた公益事業と、こういうふうに大きく分けられます。どの事業計画もいずれも同じですが、從つてその予算の組み方も公共的な色彩を持つておる事業に対しましては公共事業費で賄い、水力電気のごとき公益事業に対しましては、預金部資金から融資を受けまして金を借りてやつておるというようなわけであります。昨年は預金部資金からは約七億の融資ができましたが、本年度は大幅に上りまして約十九億の預金部の金が府県河水統制事業に廻りまして、両々相待つて事業をやつておるというよう状況であります。そうしまして大体面轄並びに府県工事両方併せまして、直轄は六千万円、府県工事は六億八千万円という事業をやつておるわけでありますが、それに先程申上げました十九億の預金部資金がありますので、大体二十七億ばかりの事業をやつておるわけであります。非常に額が少く、未だ華々しい事業というものはないわけであります。それで今後然らば一体どういう問題が河川総合開発としてあるかということを大雑把に御説明申上げたいと思います。大体私共といたしましては向う十五ケ年くらいの計画で四十六河川を処理して行きたい。この十五ケ年くらいの長期計画といたしまして大体金は二千五百億円くらいかかるであろうと思つております。そういう計画を持つております。これだけの事業をやることによりまして治水上の効果といたしまして約三十八万町歩の氾濫の防止ができるということと、四百五十万キロワツト電気開発できるということと、約三十九万町歩灌漑面積、これは補給面積も入つておりますが、それだけの灌漑が確実になるというような目安を持つてこの事業を進めて行きたいというふうに考えております。それからその内容につきましては、非常に多岐に亘りますし、時間もかかりますので別の機会に又ゆつくり御説明さして頂きたいと思いますが、大雑把に大きな問題といたしまして、皆さんすでに御承知通り只見川総合開発の問題、或いは利根川総合開発の問題、或いは西の方に行きまして琵琶湖並び熊野川総合開発問題というような大きな問題がございます。  この外にも勿論石狩川のごとき問題もありますし、北上川の問題もあります。四国に行きますと吉野川の問題もありまして、いずれも相当価値のある有益な事業計画だと思つておりますが、いずれも相当多額な事業費を要しますので、ここ一、二年では早急に着工するまでには至らないかと思いますが、現在いろんな面からこの計画農林省並び通産省などと力を合せまして立案計画中でございますので、近くいずれも案を確定いたしまして実現さして行きたい、こういうふうに考えております。非常に大ざつぱなお話になりましたが、大体現在やつております事業概要というものは以上申上げたような次第であります。
  9. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 次に農林省灌漑排水課長小川君に一つ説明をお願いいたします。
  10. 小川孝

    説明員小川孝君) 私農林省灌漑排水課長小川であります。農林省で今灌漑拜水事業として取上げております仕事、これはいわゆる低位生産地という、灌漑拜水の面から川水が少いとか、或いは拜水不良状態であるというような、こういうことのために低位生産地帶がございますが、これを改良する方法といたしまして拜水路を建設する、或いは拜水ポンプによつて拜水不良状態を是正する、或いはこの川水の点につきましてもポンプで水を揚げることによつて用水補給をいたす、或いは河川に頭百工を造りまして川水補給する、こういうふうな方法がございますが、貯水池によつて貯水量を増加したしまして用水補給をいたします。こういうものもその中に含まれておりますわけでございます。現在農林省といたしましてこういう灌漑拜水仕事をいたして行きます方法といたしまして、国営仕事をいたします方法と、県営仕事をいたしまして県に助成金を出す。こういう方法ともう一つ団体が行いますものに助成金を出す。こういう大体三本建の方法でこの仕事をいたしております。そういうことでやつておりますものの中で、現在実施いたしております貯水池事業の表を只今手許に差上げたのでございますが、現在やつております貯水池国営でやつておりますものが十二ケ所ございます。その総体の関係面積が約八万町歩ほどでございます。貯水池の規模は約三百万立米前後から二十万立米程度貯水量を持つた貯水池を現在施行中でございます。これによつてこの貯水池の十二地区関係で、この仕事が完成いたしました場合に増産をいたします目標といたしまして約三十万石の増産効果予定して現在工事中でございます。尚差上げてございます表のうち、上の十二が現在施行中のものでございまして、下の四本は来年か、或いは近い将来に農林省といたしまして着手いたしたい、こういうものでございます。  以上非常に簡單でございますが一応御説明を終ります。
  11. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 只今課長の御説明がありましたが、何かこれに対して御質疑がございませんか。
  12. 赤木正雄

    赤木正雄君 河川局利水課の方で計画しておられるのに、何分單に治水のみならず利水の問題がありますが、これは農林省の方と大体協定しておられますかどうか。又その他水道とか或いは発電とかそういうふうな部面がありますが、堰堤地区を一々協定しておられるのか、或いは利水課だけの調査によるのか伺いたい。
  13. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) これは灌漑の問題につきましては農林省と御相談をいたしております。それから電力の問題につきましては電気事業の認可の問題がありますので、当然通産省連絡をいたしております。例えば例を以て申上げますと銅山川銅山川堰堤を作りまして降水を調節すると同時に、分水をすることによりまして下流平野灌漑しますが、この灌漑事業農林省連絡といいますか、むしろ農林省の方が積極的に出られまして、分水までは建設省でやつておりますが、分水後の用水拜水、こういうものはすべて農林省がやつておられる。宮崎県の小丸川の問題も現在農林省でやつておられますが、近く岡山旭川も着工される。奈良県の十津川、これも古野川から分水いたしました後、灌漑用水ということは農林省でやられたわけでありまして、いずれも連絡を取りましてやつておる次第であります。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 この各場所につきましては或いは堰堤を作る場所、それについてはただその場所だけを調査された結果が、或いはその流域全体を調査してこういう計画になつているか、それを伺いたい。
  15. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 只今の御質問大体原則といたしましては河川全体の計画を樹立いたしまして、そのうち緊急なものを第一期工事として取上げてやつておるような次第であります。ただ戰前大野川小丸川というようなものは当時戰争中であつたとか、或いは又支障が生じて十分調査ができなかつたというような点で全般的な計画が立つておらなかつたという点がございます。大野川のごときはその感が非常にございます。旭川三面川銅山川十津川赤川、これらはいずれも全体の計画を立てております。特に十津川の問題だとか、銅山川の問題、こういうやつは昔からの問題でありますので、各省と数回に亘る協議会を開きまして、全体の計画作つた上でやつておるような次第であります。
  16. 赤木正雄

    赤木正雄君 今十津川の問題が出ましたが、実は十津川は、熊野川を改修する問題か以前に起つたのでありますが、その熊野川を改修するに際しては、どうしても上流を治めない以上はできない。ましてこういう堰堤を作る場合には上流を治めずしてそれができよう筈がない。そういう点で今あらゆる点から流域を御調査になつているならば、十津川に対してどれだけ着手しておられるか伺いたい。
  17. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 十津川の……、ここに十津川と実は書いてございますが、これは実は十津川熊野川支流であるから、十津川上流から流域変更いたしまして紀ノ川に落して、そうして奈良平野灌漑、それから和歌山県の灌漑、こういうものを主体として取扱つておりますので、むしろ河川自体として十津川と挙げたのが間違いで、紀ノ川と挙げた方がよかつたと思います。そんな関係支流である十津川総合開発というわけではないので、総合計画として載つておるかどうかという御質問には、ちよつとこの計画は入つておりません。
  18. 赤木正雄

    赤木正雄君 今の点分りました。では外の問題でありますが、やはり堰堤造つて大いに利水にも当て、又場合によつて発電にも役立てる、こういう計画は誠に結構でありますか、今までできた堰堤で随分埋まつてしまつた堰堤大分あるようであります。そういうふうなことについて十分利水課では調査しておられるのか、折角造つた堰堤泰阜堰堤のごときはもう全部理まつてしまつて、その上流まで堆砂のために水害が起きておる、これが現状なんであります。そういうふうでありますからやはり私は決して砂防だけというのではない。川全体を治める上から堰堤を以て治めようという場合には、それを利水役立ようという場合に上流を考えずにただ現状だけで以て堰堤を造るから十年か二十年か先には埋まつてしまう。そういう場合が沢山あるのです。それに対して十分調査しておられるか、それをお聞きしたい。
  19. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 堰堤の埋没問題につきましては、我々としては堪提のこれは生命線でありますので、重大な関心を以て毎年調査をいたしておるような次第であります。それで現在いろいろ資料が集まつておりまして整理いたしまして大体取りまとめたのですが、その結果によりますと一番代表的なのは今お話がありました天龍の泰阜とか、或いは木曾川の落合だとか、或いは最上川支流の梵字川というふうに九十何%という土砂量で殆んど大半は埋まつてしまつておるという堰堤が非常に多くあります。的確な数字は覚えておりませんが、堰堤利水量の七〇%が埋まつておるというよう堰堤が約十五、六ケ所我が国にあるという現状であります。そうしてこれはどうしたらいいか、どういうふうに防止したらいいか。埋まつたやつは掘り返すか、或いは埋まらないようにするにはどうしたらいいかという問題が起るが、これは私が申上げるまでもなく水源砂防対策をやらなければ、貯水池というものは持たないということは私も強く感じておりますので、いずれも十数ケ所の堰堤をこうやつております。尚日本発送電会社におきまして現在十数ケ所の発電事業をやつております。これはいずれも丸山の堰堤とか、或いは旭の堰堤とかいろいろありますか、堆砂問題は重大な問題なので砂防課連絡をとりましてこれらの事業の所期の目的を達し得るように、上流水源地砂防砂防課の方と協力いたしましてやつて頂くよう連絡をとつておるような次第であります。取敢えず今のところは大体この堰堤計画におまましては有効水深というものがあつて堰堤の総高から有効水深を引いたものはデット・ウオターになつております。その間は砂が溜るというふうに予定されておりますので、大体その流域情況等から考えまして二百立方メートルも三百立方メートルも土が流れて来るというふうな想定で、一年間の土砂量を計算いたしましてそのデツド・ウオターでそれが埋まるならば大体何年ぐらいかかるか。大体三、四十年を基準にとつておりますが、これも治水並びに利水計画に支障がないというよう考え方でやつておりますが、然らば三十年後、四十年後に事が起つたらどうなるかという問題が出て来るわけです。これは先程申上げましたようにそれにはすべて砂防工事は十分に上流でやつて頂く、又我々としてやらなければならんと考えております。
  20. 赤木正雄

    赤木正雄君 上流を治めるとお話がありましたが、例えて申しますと直ぐ傍の相模ダムと申しますか、あそこの堰堤は如何に土砂か毎日々々埋まつておるかということが分つております。併しそれに対してこの水源を治めるということは殆んどされていない。言われることと現実とは甚だ隔たりがある。これは恐らくどの河川でもそういう実情であると思います。でありますから、幾らこうした席上で立派なことをおつしやつてもそれは私共余り信用したくない。実際のことをやつて欲しい。それに対して責任を持つて政府がやれるか、若しも責任をお持ちになることができなければ、責任ある人の言葉を私は聞きたい。実際の今までの実情を申しますと、この委員会で一たびあの相模ダムを見たら分るが、毎日どんなに埋まつておるか、皆さん驚かれるだろうと思います。併し相模ダムだけではありません。恐らくみんなそうです。水源でよいのは三浦ダム、旭ダム、その外にはない。そこに大きな悩みがある。併し今言われたようにはそれは実際にはやつておられない。これに対して建設省はどういうようなお考えをお持ちになつておるか、治水の意義と言いますか、国土の意義と言いますか、これに対するもう少し責任のある人の言葉を開きたい。
  21. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 只今ダムの問題と上流砂防の問題につきまして赤木さんからいろいろ的確な御意見を承わりました。現状は実際に赤木さんのおつしやる通りであります。堰堤を造る当時におきましては、先程利水課長も言われました通り或る程度の計算に基いて進んでおられたと思いますけれども、山林の荒廃が予想外にひどくて、そのために或いは土砂の堆積が又予想外にひどかつたというために、最近における堰堤の土砂の堆積量は莫大なるものがあるのであります。それのみならず現在の河川についても下流の堤防のみでは、河床の上昇のためにやはり逐次蒿上げをしなければならんというような箇所も相当方々に出て来まして、上流を治めなければならないということについては河川局におきましても十分これは了承いたしておるのであります。ただ現在までの情勢で申上げますと、何分にも下流の蒿上げの場所がはげしいものですから、根本的に考えれば上流から治めて行けば非常によいのでありますけれども、眼の前の水害ということにどうしても追われましたために、下流の堤防の蒿上げということにどうしでも力が入つて来たというような実情でございまして、決して砂防費についてネグレクトしておるというわけではありません。昨年度におきましても相当の予算が要求せられまして、或る有力筋までには参りましたけれども、結局最後に参りまして僅かな金になつたということにつきましては、我々も責任を感じておる次第でございます。從つて今後におきまして決してお座なりに言う意味ではありません。私河川局次長としての立場から申し上げておるのでありまして、決してお座なりに申上げておるわけではありません。  砂防費につきまして更にもう少し余計頂きたいということにつきましては折に触れ、時に触れ財政当局並びに安本当局の方へもいろいろとお話を申上げておるような実情でございます。できれば一つこの建設委員会あたりからもこの問題については一つ大きく採りしげて尻押しをして頂きたいと思います。  尚堰堤と土砂堆積の問題を今になてから研究されるのは誠に遅過ぎるということもございましようが、相当重量なる問題になつておりますので、この問題については十分研究を進め、今後の堰堤築造につきましてはこれを資料にいたしまして、十分その点については戒心して参りたいと、こう思つておるような実情でございます。
  22. 小林亦治

    ○小林亦治君 これは直轄ではございませんが、この赤川の場合でございますが、現在どういうような進行状況になつておりますか。赤川の補助は、大体どのくらいの数字になつておるのでありますか。現在においての状態がはつきり分る程度に御説明願いたいと思います。これはいろいろ問題がありますから……。
  23. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 赤川は、本年度より着工するようになりましたので、本年度の国度補助額は五百万円であります。補助率は二分の一になつておりますので、一千万円というのが本年度の実情であります。でその予算も第二四半期から付きましたので、漸く最近着工したという程度であります。で何分一千万円という少額でありますので、恐らく本年度はダムのコンクリートを打つまでには勿論行かないので、補償問題を主として解決いたし、実施設計ができる。尚準備といたしまして、諸般の機械或いは現場の事務所というようなものを設営する程度になるだろうと思います。
  24. 小林亦治

    ○小林亦治君 実は私はこの赤川の地元民なんでございます。いろいろな問題が起きておりますが、先ず補償問題にぶつかりまして、現在課長は着工中だとおつしやつておられますが、着工はせられておりません。約一ケ月程前に、通知が地元に参りまして、起工式をやろうということを計画したのでありますが、地元民の反対に会つて、この起工式がお流れになつてしまつた。で県当局としては、何らこの補償條件というものを確定しておらないというよう状態で、六百年間住み馴れたところの地元民が挙つてこれに反対をしております。全部落の戸数は確か四十何戸、そのうちのたつた六名か七名の者が賛成しておる。この賛成されたところの分子は、どういつた色彩の者かと言いますと、引揚者なんです。まあ父祖以来土地に関係があるというだけのことであつて、たまさか戰争の結末によつて引揚げて参つた。でダムの完成後は、そこで貸ボートを営むとか、或いは釣堀をやるとかといつたような利権の予約を得たところのいわばアプレゲール・ボスのみが賛成せられた。あとは挙つて反対をしておる。私はやはり地元民でありまするが故に、それは困つたことだ。赤川工事というものは、いわばこれは県営ではあつても、国家的な大事業なのであるから、是非共これは完成させなければならないのだ、だが私共も補償條件その他について考えて見ますと、どうも県当局が圧制的で、お前らが反対ならば強権を発動しても何でもかんでも、これはやるようにするのだといつたような何と言いましようか、権力沙汰を以て遮二無二やるという状況になつておりますけれども、最近は段々反対の勢力が強くなつて来ておる。つい半月程前でございまするが、県会議員団と県当局が話合いのために現地に乘り込んだところが、一歩もこの部落には入れないというえらい騒ぎが起りました。到頭山に入りかねて、途中から引き返したというようなことになつておる。これは事実でございます。そこで先ずお聞きしたいのは、一体この補償の基準でございます。永年住み馴れたところの部落が湖底に沈む。そういつた場合に、幾代となく農耕事業をやつて来ました者に対する補償、換地、その他のいわば賠償を引つくるめた補償というものは、大体常識上或いは慣例上、どのくらいの数字のものか。物価とも大いにこれは関係かあるのでございまするが、それらのことを少し詳しくお聞きしたい。  それからこれは補強事業でありまするが、国もこれは相当な管掌権、或いは監督権をお持ちになつておるものと思うのでございますが、どの程度の管掌権或いは監督権があるものか。これは非常に大きな問題でもあり、今後この国土の開発といつたよう事業が進展して参りますれば、湖底に沈むところの部落とか、或いは打落というものか随所に出て参る問題ではないかと思います。その点から考えて見ますと、この赤川は、ダムの名前で申上げますれば、荒沢ダムの方は非常に大きな問題と考えておるのであります。成るべく下から出た質問でございますから、詳しく手ほどきから説明するといつたような順序で御説明願いたいのでございます。
  25. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 補償問題をどういうように取扱うかという御質問でございましたが、これはまあ原則論をここでお話いたしまして、個々の問題につきましては個々のいろいろ條件がございますので、具体的なことはちよつと申しかねますが、大体今まで例えば相模川にしましても、或いはすでに工事を完了しました錦川、那賀川などに建設省として取つて参りました態度は、現在の條件を下廻ることは絶対許さない。むしろ成る程度上廻るくらいの條件で生活環境が変るように……、それに加えてそういつたような物的な面だけでこれは解決する問題でなくて、非常に精神的な問題が沢山ありますので、それらにつきましては個々の問題として取上げて、十分考慮するというような考えでやつております。併しこれはまあ一つの抽象論で御納得が行かかいだろうと思いますが、個々の場合について非常に條件が違いますので、原則論的に申上げますと、そういつたよう程度しか申上げかねるようなわけであります。只今仰せになりました荒沢のダムの問題は私もいろいろ直接県当局からもお聞きいたしましたし、新聞紙上でいろいろ紛糾があることも拝聴しておりまして、非常に心配している問題ですが、これらも先ず第一に換地の問題を誠意を以て探して、県としては大体あるということを聞いております。そうしてそこを移住者によく見て頂いて、納得の行くよう方法を講じて移転するというようなことを県と再三打合しておるわけであります。この問題は実は旭川のダムも今年から清工することになつておりますが、これは又三百五十名というような非常に大きな戸数なので、非常にこれは大きな問題であります。非常にこの堰堤工事を進めるなどという大きな問題でありますので慎重を期しておるわけですが、大体考え方としてはそういう考え方でやつております。
  26. 小林亦治

    ○小林亦治君 監督権の問題ですが、監督権とか或いは管掌権というものを本省がどの程度にお持ちであるか。余りにどうも知事が権柄ずくで押通す場合には許可とか認可とか、或いはそういつたものを取消すとか、制限する気があるかどうか。知事なんかは反対ならば強権を発動してやるといつたようなことを切札にして、真向からそれを振りかざしてやつておる。私共も持て余しておるのです。
  27. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 只今の問題でございまするが、私の方といたしましては、できるだけ地元でよく話合いの付くようにやつて頂きたいという点で、非常に努力して進めておるようなわけでありまして、併しどうしてもいけないという場合に、最後の手段として知事の採られるのがいわゆる土地收用法という法律に基くわけですが、土地收用法で收用すると申しましても、これは地元の方がなかなかむずかしいのでございまして、やはり或る程度両者間でやられないとなかなか困難な問題であると私は思つております。若し知事が強権を発動した場合にお前の方は取消すかどうか、こういうお話でございますが、この問題につきましては、その場合その場合の実情をよくお開きいたしまして、成るべくそういうことのないように進めて行きたいのであります。又知事がたとえ強権を発動せられましても、それが若し納得の行くものでありましたならば、私共としてそういう認可を取消すとか、許可を取消すとかいうように行きかねるかと存じておる次第でございます。
  28. 小林亦治

    ○小林亦治君 どうも私の質問にはさつぱり答えて貰えません。そんなことは私は聞かなくても分つていることである。そういう抽象論は聞かなくても分つている。問題はそういつた状態なつた場合に、監督官庁がどの程度の監督権を持つておるかということであります。成る程あなたがおつしやる通りに、具体的な場合に行過ぎたときにはそのときに考えるということでは、私のお聞きする質問に答えているというわけには行かない。その点をはつきりお聞きしたいと思います。これは勿論強権発動ということは土地收用、法以外にはあろう筈がない。土地收用法を断行するにしましても、いろいろ審議会があつたり、いろいろの法的のことはよく承知しております。問題は補償事業を県当局がどういう形式で出すのか。甚だしく事業の趣旨に反するとか、或いは土地の状況に反するといつたようなことにも関係があるといつたような場合に、監督官庁がどういつたような手を打つかという、そういう事態が仮に起きたとしまして、それをお聞きしたいのです。  それから補償問題ですが、どうも当局はそういう漢たるものなんでしようか。一体ダムとかそういつた事業のために部落を立退かなければならない者を、これは今日の金で五百万や六百万貰つても、これは被害者の立場であることは間違いないのであります。例えば荒沢ダムの場合でもそうなんです。一体どのくらいの数字が補償価格として相当であるかということを私共が推算してみたことがあつたのです。詳しい数字は忘れましたが、これは莫大なものになるのです。屋敷の中に柿の木が何本ある。栗の木が何本ある。葡萄があり、杏があり、梅の木がある。こういつたものの年々の收入になるところの全額、それから自然から受けるところの、近隣の山野からの産物、これは莫大なものである。地上権或いは小作権、それらの権利は計算できない程である。いわゆる入会権というか、自然から得るところの利益は莫大なものがある。何百を経て美田化したところの水田、これらの物を失つて、今後二、三十年間にそれに匹敵したところの物を得るまでの農家の犠牲と損失というものを考えると、成る程今日の金ではこれは一千万円くらいになります。一町二三反歩の農家の場合は……、ところが県当局町まあ家を建でて二町歩ぐらいの換地、換地といいましても、それは荒地であるか、原始林であるか、何であるか分らんのですよ。こういう物を與えた外に五千万円くらいのものはやれようと、こういつたような気構えでおつては、とても問題にならないのです。そこで本省が補償事業としてお取上げになつたのであるから、そういう状態にあるところの建設事業に対しては、もつと積極的な、押さえの利くところの、睨みの利くところの監督権なり管掌権というものが、これはなくちやならんわけである。その場合に臨んでから具体的にということ、こういう言葉は逃げ口上で、何ら責任を持たない行政官のおつしやることで、甚だ不まじめな話である。それからお調べになつておられるならば、或いは新聞で御覧になつたとおつしやるならば、どの程度の御認識を持つておられるか。それは相当大きな問題なんであります。尚お聞きしたいことが沢山ありまするが、一個の問題ですから成るベく差控えますが、やはり最もこれは問題が大きいですし、他にも例の及ぶ事項でありますから、もつと真劔なところをお伺いしたい。材料のお持合せがなければそれでいいのですから、お座なりの御答弁なら伺わない方がいい。分らないのなら分らないでいい。何でも答えなければならんというような答弁は私は嬉しくない。趣旨に反する。そういつたことは考えて貰いたくない。材料がどうであるとか正直におつしやつて頂きたい。
  29. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 赤川の問題につきましては実は先程申しあげましたように、本年は殆んど調査的な意味の予算しか持つておりません。現在大体赤川の骨格を作りまして、こういう事業は大体適当であろうという目安で事業を着手しようとしておるわけですが、そんなわけで、補償問題なども確か四十七戸か、四十三戸ですか、はつきり覚えておりませんが、五十戸足らずの家があるということを知つておる程度で、どういう種類の家があるか、どういう補償問題があるかという細部の事情などはまだ実測などもできておりませんような事情で、的確な人数、内容は存じておりません。それらの問題は全部ここに只今申上げました予算で具体的な測量調査をいたしまして、換地などの具体的な案も作つて、そうして補償料なども県で一応案を作つて相談に来て貰いたいというようなことになつておりまして、私のところでは具体的なところはまだはつきり分つておりませんので、価額の点などにつきましてもまだ県とも交渉いたしておりませんので、そう細部論になりますと、ちよつと御返答できかねるような情勢に現在あるのです。
  30. 小林亦治

    ○小林亦治君 分りました具体的なことはまだ材料がお手許にないとおつしやるのですから結構です。ただ問題は県当局が六月の十七日にやにわに起工式なるものを挙行したのであります。部落民が承諾もしないのに、而も未だ強権の発動がない。然るに起工式というのはどうも受取れないのだが、どういう次第だというので詰め寄つたところが、これには苦心があるのだ。一千万円というのが今年度の予算に計上されておるのだが、起工式をやりましたということにならなければその半額である五百万円という補助は貰えないのであるから、これを貰うために苦肉の策を講じてやるのがこの起工式だから、どうか惡しからずというような挨拶でびつくりした。まるで土方か、請負師がうまくちよろまかして来るようなものです。それが県当局かやつたところの、地元の全部の関係者を呼んで莊嚴にやつた席上で責任ある者がそういうことを言うのであります。実情がそこにあるのでありますから、そういつた状態の起工式、まだ工事ではないのであります。これは二分の一に相当するところの五百万円というものは本省はやらないでございましようね。やつちやならないと思うのでございますが、その点お聞きしたいのです。今の官庁のやり方をみておると何でも起工式をやつておる、鍬入れをやつたというと、ぽんと官庁が伝票を切るということをやつておるのです。かようなことがないように、若しこのダムについてそういうことがあつたならば、ものを言うことを一つ覚悟して貰いたい。
  31. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 今の起工式というものと予算との関係は、これはもう私共としてはそういうことを考えておりません。起工式があつたから事業を認証するとか、予算を出すとかいう問題は全然ございません。それから現在先程申上げましたように新規事業は第一四半期は見送りましたが、第二四半期から事業が認証になりまして、近く予算が行く段階になつております。現在まだ行つてないと思うのです。
  32. 江田三郎

    ○江田三郎君 先程赤木さんからダムを建設する場合の砂防その他のことについで質問があつたのですが、少し答えがはつきりしなかつたのです。大体こういうダムを作つた場合には、砂防であるとか、或いは治山関係とか、それに釣り合うよう計画が必ず樹てられておるということなのですか、若しそういうことであれば、総合開発計画としてここに出ておるものに、ダムから下のことだけでなしにダムから上のものも一緒に出される方がよいのではないかと思うのですが、そういうよう計画の樹て方をやつておられるのですか、どうですか。
  33. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) ここに出ておりますところの計画は、大体現在の状態をそのまま認識いたして問題の出て来るのを或る程度考慮に入れて作つております。今赤木さんのおつしやつたよう砂防を仮にやつて、それと睨み合せて、私の方の計画は樹てておる。こういうわけではございません。先程の赤木さんへのお答えは、要するに現在の堰堤なり、何なり許すに当つては、それらの土砂の問題に対して許すならば許すについて、造林の関係を十分見てやらなければいけない。こういうお叱りを受けたのですが、尤もなことだと思うております。或いは堰堤の一年間の堆積量というようなことを調べまして、治水におきましてもダムの築造に対する認可につきましてもその点を十分力を入れて考慮して行かなければならん。それと共に公共事業といたしてその間の砂防というものについてどうして行くかということと両方考えて行かなければならん。こう思うわけでございます。今のよう電気事業者が許可を受ける場合に、砂防まで私の方でやつて電気事業者の何をやるということではなくして、若し電気事業者がやる場合においては、そういうような点を考慮してやらなければ、壽命がなくなるということと、公共事業の面から言つて、そういうよう堰堤を築造し、又築造せんとするよう場所につきましては、入れた経費を有効に活かすがために砂防というものをどう考えて行くか、もう少し重点的に入れて行かなければならん。こういう点を我々として考えて行かなければならん。こう考えておるわけでございます。
  34. 江田三郎

    ○江田三郎君 そういう点を考えて行かなければならんと言われたのですが、過去の実績で今まで沢山埋没したダムのことを考えるならば、考えて行かなければならんというのでなしに、この計画を樹てる時に、総合的に、並行的に考えて行かなければならんのですが、そこまで過去の実績ははつきり物語つておると思うのですが、それを今頃まだ躊躇逡巡するよう態度であつたならば、恐らくいろいろなダムが作られたところで、繋留砂防的な役目しかできないようなことになりやしないかと思いますが、そういう点は、もう少しはつきり御方針をお持ちになる方がよいのではないかと思いますが……。
  35. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 今の仰せの通りのことを考えて行かなければならんということは、決してそう考えておるだけではなくて、やりたいと思つておりますけれども、いろいろの予算の実情なんかからそれに追いつけないというよう現状でありますので、そういうことのないよう一つこれから力を入れて行きたい。こういうことであります。
  36. 江田三郎

    ○江田三郎君 若しそういうことでしたならば、これは後で結構ですから、ここに出ておる計画の、これの上流施設をどういうふうに農林省なり、或いは建設省などはおやりになつておるか。資料を後で結構ですから願いたいと思います。  それから尚そういうようなことをする場合に、事業主体が国の直轄であり、或いは県というような場合には、公共事業費の使い方、或いは公共事業費だけでは勿論済まないわけで県としても相当見なければならん。地元も負担をして行かなければならんのですが、そういう事業主体が公共団体でなしに、一私企業の場合に、これが果してスムースに行くかどうかということは、どう考えられますか。
  37. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 只今のお話は、発電事業の場合がそういう場合だと思いますが、発電の場合におきまして、その投じた経費の効果を挙げるために、私の方で金があれば別でありますが、ない場合におきまして、これは発電業者として考えて見れば、砂防を自分でやりながらダムを造ることは結構ですけれども、埋まつてもいいと言われる場合に、それに対して條件を付けて、砂防事業をやれというまでは、ちよつと私の方では今のところは決しかねる次第でございます。
  38. 江田三郎

    ○江田三郎君 私は、その考え方は非常に危險な考え方じやないかと思うわけでして、ダムが埋まつてもいいというて、工事をした発電全社からいえば、それでもいいかも知れませんが、ダムが埋まるということは、下流に取つては将来の非常に大きな災害の因になるわけで、わざわざ禍いの種を作つてつたようなことになる。それに対して、そういうことの起らないように、これが私的企業の場合にも、国が一定の強制力を以て、上流地域に対して何かもつと強制力を持つた措置を講ずるということが、はつきり今までの実績から見て必要になつておると思います。そこで私はこういうことを計画するのに、一体事業主体として私の企業でやるということに対して、相当考えて行かなければならんのじやないか。或いは公社方式とか。或いはTVA的な考え方とか、そういうものに切り換えなければ、今までのダムの埋まつた経験から見て非常に危險性があると、そういう工合に考えるわけですが、その点もう少しはつきり考えた方がいいのではないのですか。
  39. 伊藤大三

    説明員(伊藤大三君) 先程ちよつと申上げましたように、今の土砂の地積の方から考えまして今後のダムの強化につきましては、そういうような問題を十分研究して行くという方針を今立てておるわけでございます。そこで砂防をやらなければ許可せんかというような問題につきましては、将来といたしましては、これを成るべくダムのために上流に影響のないように、これはいろいろの條件を付けて行くという方針に決めております。私今までの方針はそういうようにやつて来たという実情を述べたわけでございまして、今後の問題といたしましては、その点は十分気をつけて行こうと、こういう方針でございます。
  40. 柴田政次

    委員長柴田政次君) ちようとお諮りいたします。只今の問題は、非常に皆さん御熱心な問題でございますが、ちよつと今日すぐに必要な問題があるのでございまして、この方を先にお願いしたいと思います。
  41. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 ちよつとこれに関連して、簡單ですから……。
  42. 柴田政次

    委員長柴田政次君) それでは簡單にお願いします。
  43. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 今諸君から、質問や御意見があつて、当局でも大いに心配しておるようでありまするが、ダムの問題は勿論治山、砂防の問題と関連するので、どうしてもこれは我々の考えとしても、建設省とその関係農林省当局と、これは一体になつて常に考えなければならんということは、言うまでもないと考えるのですが、そういうことを具体的に今日やつておりますか、やろうとする計画がありますか。
  44. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) 具体的な例でお話いたしますと例えば安定本部の中に官制で河川総合開発審議会というものがございます。それが中心になりまして、そのメンバーは、各省並びに学識経験者を似て組織しております。幹事などがおりまして、主として農林省通産省建設省の三省でございますが、その三省の係官が集まりまして、各河川ごとに、例えば只見川の審議会とか、熊野川の審議会とか、河川ごとの審議会を持ちまして、いろいろ研究いたしております。尚、もう一つ資源というような立場から、安定本部に資源調査会というのがございまして、そこでおのおの又別な立場で、関係者を集めて協議しております。
  45. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 それは常時やつておるにしては、余りにも最近そういう方面の被害が多い。今度天龍川の洪水なんか、そういうこともあるのですが、一体やつておるといつて、どの程度までやつておるのですかね。形式的に審議会を作つて、お歴々が顔を合せておる程度か、本気にそういう実情を調査してやつておるのか。  これは又別な下流の方の問題ですけれども、灌漑拜水の問題もあるのでございますが、下流において、特に利根川の中流地帶においては、河床が非常に上つて来ておるので、在方がなくて拜水をやらなければならんという場合に、建設当局と農林省がさつぱり連絡がないようだ。農林省が、或いは県営で、補助事業として相当やるとしても、一体そういうことをやるについては、先ず河床の上つておるやつを何とかするということを、これは強く建設省関係に言わなければならんにも拘わらず、恐らくそういうことは余りやかましく言わずに、まあ県から頼まれたから簡單に補助金を出そうというようなものが非常に多いと思うのです。まあそれは例を挙げればいろいろございますが、とにかく例の印旛沼の問題でも、放水路の問題と灌漑拜水の問題とが、一緒にやつてうまく行けば、これは大いに国費の節約にもなるのだけれども、それがうまく行かずに、片方が急ぎ過ぎて、片方が計画が立たなかつたとか、いろいろな事情があるでしようけれども、そういうところがまだ連絡が不十分である。まあこれは一つの例でございますが、そういう意味で、灌漑拜水の問題を取扱うところの農林省の農地局の方で、そういう場合に常にその河床の隆起とか、そういう問題を頭に置いで建設省河川局関係と相談の上で、そういうことの助成金を出すとか、いろいろな計画を立てるとかいうことをやつておりますか、拜水課の方にお伺いいたします。
  46. 小川孝

    説明員小川孝君) 只今のお話でございますが、利根川水位が上昇したために、拜水不良なつたということ、これはその附近の耕地から申しますと、利根川全体の大きな問題と一部分の拜水不良と、こういうことで、利根川の河床の問題というのは簡單にはどうにもならない、こういうことでございますが、拜水ポンプを付けることによつて、その区域が從前の通り、或いは從前より拜水がよくなる、こういう計画であるということを私の方で承認いたしましたものについて、農林省といたしましては現に助成金を出し、或いは県営事業でやることを助成金を出して推進をしておる、こういうことであります。
  47. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 勿論農林省としてはそういう枠内のことをやつていると思うのですが、それでは本当の意味の拜水というものの趣旨が誠に不自然な形を取らざるを得ないという実情にあるのだから、真劔にこの問題と取組むならば、勿論この問題は一応現実においてはその拜水をやらなければ当面の問題は解決しないとしても、併しそれだけでは本当のものにならん。これはこういうふうに建設当局に我々は強力に当つて、早く河床の隆起を浚渫なら浚渫をされるように努力をするということをしなければ、拜へのただポンプを付ける、助成金を出してやるというだけでは……、要するに自分の枠内のことだけやつているということで真に農民を救い、農地の改良に努力をするということが徹底しないと思います。そういうことについてどういう考えを持つておるか。だから私はそういうことになるからもつと灌漑拜水の問題を建設省河川局その他と常時連絡を取つてつて貰いたい。こういう常時連絡機関が必要ではないかと思うのですが、あなた方の考えはどうですか。
  48. 小川孝

    説明員小川孝君) 常時連絡というお話でございますが、勿論利根川の堤防等に拜水機を付ける、こういう問題につきましては、常に連絡を取つて仕事をしておるのでありまして、現在の段階におきましては、而もそれを早く解決するということについては、この方法が最も安当である、こういうことの相談が両者でできまして、現在今拜水ポンプを付ける、こういつたよう仕事をやつておるわけでございます。
  49. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 ですから、ポンプを付けることで一応は解決するのですよ。併しそれでは本質的には何にもならないのだから、これはやはりポンプを付けて農地を助けてやるという根本趣旨があるならば、更に一歩前進して、建設省河川局に交渉して早く河床を下げるようなことに対してもつと努力しないでいいのかと言うんです。どういう考えか、拜水課の方では……。当面のことは解決して置いて又すぐに問題がぶち壊されて来ることをやつて、国費を濫費して、それでもいいのかという質問なんですがね。特に改まつた答弁がなければそういう希望を私は持つて、農地局あたりがもつと河川局あたりと連絡を持つて貰いたい。そういうことの具体的なことをお考え願いたいということを御希望申上げまして質問を打切ります。
  50. 小林亦治

    ○小林亦治君 ちよつと一つだけ農地局の方がおられますからこの際お伺いして、置きたいのですが、兒島湾の淡水化の問題ですね、あれについて一体河川局農林省の意見は一致しておるのかどうかということですね。我々はあれは非常に地盤が沈下しているところから、そして潮位が上つている関係から、非常に危險だと思つているんですが、農林省の方では、これは工事のために潮位が上るのではなくして、地盤沈下だけの原因であるとして逃がれようとされているけれども、それについては建設省農林省と同じ考えを持つておられるかどうか、伺いたい。
  51. 清野保

    説明員(清野保君) 農林省の技術課長であります。兒島湾の締切に伴う潮位の上昇等に関する御質問でありますが、これは事実上地理調査所の基準点を本にいたしまして、我々の方で兒島湾沿岸の耕地の標高を調べまして、即ち事実上耕地が三十乃至四十センチ下つておる、こういうような実情から、工事によるところの潮位の上昇はない。耕地の低下に伴う潮位の相対的な上昇である、つまり耕地が下つたから自然的に潮位が上つておるように見えるのだ、こういうふうなことにつきましては、本計画を立案しました岡山の農地事務局におきましてはしばしば地建と連絡いたしまして、その点については十分了解がついておると考えております。尚この基準点の問題等については、しばしば建設省の地理調査所と相談いたしましてその点を確認いたしております。
  52. 岩崎正三郎

    ○岩崎正三郎君 河川局の方も同じ御意見かどうか……。
  53. 矢野勝正

    説明員矢野勝正君) この問題につきましては、過日農林省の方から具体的な資料をお示し下さいまして、いろいろ詳しい御説明を聴きましたので、その資料を頂きまして今いろいろ研究中でございます。河川局といたしましては、まだ正式に御返答いたしておらないのが現実であります。
  54. 柴田政次

    委員長柴田政次君) お諮りいたしますが、先程申上げた件につきましてて、実は地方行政委員会の方から話がちよつとあつたのでございますが、実は本日の日程にあります奈良京都国際文化観光都市建設法案でございますが、これは本日の予備審査になつておるのでございますが、只今の御質問を後日継続いたすことといたしまして、この法案を一つ御審議願いたいのでございますが、これに対しまして各委員の御賛成を願いたいと思いますが、如何でございますか。
  55. 赤木正雄

    赤木正雄君 今委員長の言われたことは了解に苦しみますが、地方行政の方が連合委員会を申込んでおるのですか。
  56. 柴田政次

    委員長柴田政次君) さようでございます。
  57. 赤木正雄

    赤木正雄君 それで審議は明日にしようというのですか、今日というのですか。
  58. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 明日にいたすにつきましても、本日地方行政委員会はもう今少しで終るから、連合委員会が明日開けるならば今日の中にそのお話を伺つて置きたい、こちらの方の意見をやはり向うは早く聴いて置きたい、こういうふうなわけでございますので明日やりますにも、やはり向うの委員会におきまして皆さんにお諮りして、そうして明日やるということに決めたいというお話があるのでございます。では速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  59. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 速記を始めて下さい。
  60. 赤木正雄

    赤木正雄君 先に総合調査の御質問がありましたが、私もう一言御質問します。青森県の浅瀬石川の沖の浦の堰堤、これも堰堤を造る場合に、私は上流砂防をしなければ駄目だということを言つたのです。その当時私内務省におりまして……併しその通りやらなかつた。その結來埋まつてしまつたのです。これもあなたの御心配の通り埋まつてしまつているのです。先程の泰阜堰堤もそうですが、それを造る場合にあの上流の三峰川と小澁川に砂防をやらなければならんと強調したのです。ところが小澁川と三峰川に直轄砂防区域になつておる。小澁川はちよつとやつただけです。先程の浅瀬石川は県で少しやつただけで放棄してしまつておる。そういう関係でありますから、先に河川局次長のお話の考えと実情は大分つておるのです。でありますから我々もやはり現にこの委員の中にもそういうふうな総合の関係を考えなければならんというお方もあることでありますからこれは今しつかりしておかんと、こういうことは今後幾らしてもしようがないのでありますからして、この委員会としても十分検討して析角河川局の方でもそういうふうなお考えをお持ちになつて、今まではそういうことを我々が申しても実現されなかつたのです。この実態をよく考えて頂きたいのです。それからもう一つ河川局に申しますと、私は如何にも直轄砂防を否認しておる、直轄砂防を成るべく避けるこういうふうに一般に言われておる、評判は聞いております。併し私はこれを言いたい、この直轄砂防と言つても、府県砂防はどこを以て直轄砂防となさるか、無論これは砂防法に限定されております。そこで日本の河川昭和八年頃と今日と余り変つていやしない。背荒れた川はやはり荒れたままです。昭和八年頃どれとどれの川を五轄砂防にする、例えば先程申した熊野川、或いは大井川、或いは十津川はこれはどうしても府県仕事ではできないから、直轄砂防でやる、こう取上げてある。それは少しもやりはしない。それをやらずにおつて山国川とか、ここにもありますが大淀川、こうものを取上げて直轄になさる。どういうわけでこういうふうに方針が変るか、それが知りたい。私は直轄をやつてよろしい、先程申す通りに小澁川のごとき三峰川のごとき直轄に入つておるのです。小満川は僅かに仕事をやつております、三峰川は全然やつていやしない。すでにこれは指定地になつておる、小澁川の砂防をやつた時に三峰川も指定地になつておる。それを直轄工事としてやつていない。それをやらないで大淀川、或いはここに高瀬川もありますが、そういうものをなさる。その方針が分らない、決して私は直轄砂防を否認するものでもない。直轄砂防はどうしてもやつて欲しい。例えて申しますと常願寺川のごとき、これを府県仕事をなさいと言つてもできやせない。これは多額の費用を投じて直轄仕事でどんどんやつて貰纂わんと常願寺川は治まりやしない。こういうものに対してなさるべき仕事は大きい。而も一つ河川を少しも完成せずにおつて尚次から次になさる。それでは砂防効果は挙りやしない。だから府県に任じていいものは任じなさい、それが私の論点です。これに対して先ず河川局の御意見を伺いたい。
  61. 目黒清雄

    説明員(目黒清雄君) 直轄砂防府県砂防の今のあれでありますが、今の赤木さんの説のようにあれは結局重要なる河川上流砂防をなるべく早く完成したい。その流域に重点を置いているわけでありまして、直轄とか府県とかいうその区別のために重点は置いておりません。たまたま直轄砂防区域は主として直軸河川の、重要河川上流に位するのが多いのでありまして、そこに重点を置かれるということが一つと、もう一つ府県の事情によりまして、なかなか府県の予算の割合範囲では大きな仕事ができにくいということが多いのであります。これは地方のいろいろの実情によりましてどうしても重点施行が困難である結果かも知れませんが、そういう観点でどうしても重点を置けない。府県に行きますと多少ばらまき式になるというようなことで、どうしてもこちらの思う通りにならん事情があります。そこで直轄砂防でやりますればそこに思い切つた金が投じ込めるという非常に有利な條件がありますので、さようなことも考え合せまして本年は相当直轄砂防に重点を置いたのであります。要は砂防工事が早く進んで今までのような心配が一日も早く除去されることを我々は望んでおるのでありまして、直轄とか府県とかという区別の問題ではないと思うのであります。而もそれを重点的に施行しなければならんのが、現在の予算の少い時代のやり方だと思いますので、そういうふうな行き方をとりたいと考えております。
  62. 赤木正雄

    赤木正雄君 成る程それも一つの理窟でしよう。では砂防法に規定してある直轄砂防というのは全然もうお考えにならないのですか、砂防法規は。
  63. 目黒清雄

    説明員(目黒清雄君) 御承知通り砂防法が嚴然として控えております今日、砂防法のやはり法規を曲げてやるわけには参らんと思いますが、そこに法規の解釈の範囲というものが多少ありまするので、その砂防法の許された解釈の範囲内においてやつて行くということに相成ろうと思います。
  64. 赤木正雄

    赤木正雄君 私は、では申します。大井川がどれほど荒れておるか、そういうことを現に御調査なすつた人があるのですか。ではもう一遍申します。我々は大井川の荒れたことを二回も調査したのです。これは内務省にいたときですが、あの川はどうしても砂防直轄でやらなければいけない、そういう結論に達したのです。そうして土木会議でこれを決定したのです。今は土木会議はありませんが、とにかくああいう川は直轄砂防として早くせんならんということを言つているのでありまして、十津川も、さつき申しました熊野川然り、併し熊野川河川改修をやらないならば十津川砂防のために多額の費用を投じても意味はない。河川改修をやるならばどうしても砂防をやらないではできない。こういう結論に達しまして、あれを直轄砂防に加えておる。そういうようなところを全然放棄されて、例えて申しますと、ここにありますが、大淀川は府県砂防として立派に効果を挙げておる。それを改めて府県砂防をやるのは何の必要があるのです。それよりも今申しましたように、大きな川で府県ができないものを、それをなぜ取上げないかということなんです。
  65. 目黒清雄

    説明員(目黒清雄君) 大井川の話が出ましたが、大井川も過去におきましてはそういう話もありましたし、現在も相当荒れておるのですが、やはり我我として重点を置かなければならんのは毎年起ります災害状態を考えて、やはり経済的な観点に立つて砂防工事をやらなければならないと思います。幸いにして大井川は沿線は現在のところは差当り災害が起らない。それよりも最近頻繁として起ります地方の災害を、その原因は何であるかということになりますると、結局山が荒れておるということが原因になつて来ることは明らかでありますので、そういう地方を何とかして又治めて行かなければならん。その方に非常に忙しいといいますか、迫られている状態なんであります。それで現在砂防を恐らく理想的にやりますれば、十ケ年位に三千億くらいの費用、これでも足りないかも知れんという現状です。そこへ持つて来て現在十八億の予算が計上されておるに過ぎない。こういう状態でございますので、どうしても砂跡は災害によつて崩壊される、荒廃される、或いは流出され石土砂を止めるだけさえもできていないというのが現状だろうと我我は思うんであります。それで最近我我はこの砂防の最も基本となるべき調査が欠けておりますので、一応この土砂の流出量というものを調査ようとかかつておるのですが、或る程度この調査も進んでおりますが、これもなかなか困難な調査厖大調査に相成る。そういうふうなものの基礎資料が整いますれば、明らかにどこに重点を置くかということが分ると思うのですか、ただ山を見ただけで直観的に考えるという行き方でありますると、そこに何ら数字的に根拠がありませんので、なかなかそれには議論が多いと思うんでありまして、そういう科学的な資料を今整えつつあります。これができますれば今の重点がどこにあるかということがはつきりいたすと思います。それから仮に十砂の流出量がありましても、その土砂の流出による被害がどの程度であるか。下流に及ぼす影響はどの程度であるかということによつてこれを判断して来なければならん。つまり下流に大河川を控えておるということになりますと、その土砂の流失が相当広範囲に亘つて被害を及ぼすというようなことになりますので、こういうところの上流は捨て置きがたいということにも相成ると思うのであります。
  66. 赤木正雄

    赤木正雄君 近年方々に災害が多いので、その意味で災害のあるところにやられねばならん。それなれはこそ府県砂防が必要なのです。今日根本的に治水をやる意味では、直轄砂防は最も必要である。その例は常願寺川、或いは手取川のごとき……、併し府県方面に毎年起る災害を防ぐには、何といつてもむしろ府県砂防の方が多いのです。又せねばならんところが多いのです。そこに根本的の相違があるのです、見解に……。もう一つは土砂の、これは全く技術的には結構なことであります。併し一体土砂をどこでお計りになるか、そのお計りになる場所を聞きたい、お計りになる場所と時を伺いたい。
  67. 目黒清雄

    説明員(目黒清雄君) 今の赤木さんのお説のように土砂の流出量というものはなかなか困難であります。これを科学的にどこで掴むかというようなことは非常に困難であります。そこで現存ラフでも結構だという意味で、大体工作物のある地点、例えば先程お話に出ました各堰堤堰堤地点なりの埋没土砂量を調べて見ますると、これは一番確実に調査ができます。それから上流に至りまするところの調査は非常に面積が広い、今日どのくらい堆積したかということになりますと、この計算はなかなか正確な資料を作る調査ができないというのが現状でありますが、併しこの調査にいたしましても、結局は或る程度の正確さかありまして、この調査は或る程度或る見通しの問題、或いは目標の問題に対しては或る程度の示唆を與えるのであります。こういう程度に実は考えておるのであります。
  68. 赤木正雄

    赤木正雄君 土砂の調査は非常にこれは困難なものであります。土砂の調査の必要なことは分つております。又せねばなりません。これは砂防の大きな目的として必要です。併し私は川を見て、谷川を見て、或いは山を見てこれがただ見ただけでは、先の局長の意見では何だか見ただけでは余り意味がないというよう次意味のことをおつしやいましたが、この山がどういうふうに崩壊するか、この溪流がどういうふうに流れるか、それくらいが分らんで砂防計画ができる筈かない。又土砂の流出を放つておいたら、あと何十年終つてもできやせんのでありますから、局長のおつしやることは全く結構でありますが、現実の状況をよく御覧下さつて、私は議論をしたくないのです。どうか直轄砂防或いは府県砂防とか、そういうことを言わず、砂防の法規もあることでありますから、今まで大きな河川砂防しなければなりません。大きな、先程申しました常願寺川にしても手取川にしても、これらは砂防をやらねばならん。その砂防にしても手取川の一番害をなす本は仕事をしないで放棄した、これが現状なんです。その中間の砂防をやつておる、或る川で堰堤に土砂が溜つて来るのはいいですが、土砂か溜つてしまつたならば又堰堤が崩壊してしまう、その奥の崩壊の原因を直さなければなりません。これをしないでは何百年経つて砂防はできやせん。そういう情勢でありますから、もう少し本当にどこに病源があるかをよく調べて、それに手を着けて欲しい。これを希望して今日の私の質問は止めます。
  69. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 只今この砂防関係につきましては大分議論も生じたと思いますが、もうこれで質問はよろしうございますか。
  70. 赤木正雄

    赤木正雄君 今日の質問はこれで……。   ―――――――――――――
  71. 柴田政次

    委員長柴田政次君) それじや次に移ります。災害関係の問題に移ります。六月十一日長野県その他の災害及びグレイス台風の状況、これを中央気象台予報部長土佐林君に御説明を願いたいと思います。
  72. 土佐林忠夫

    説明員(土佐林忠夫君) 私は中央気象台の予報部長の土佐林と申します。実は本日、先般のグレイス台風を主にいたしまして御質問のことと思いまして、資料はこのグレイス台風の資料だけしか持つて参りません。で今プリントをお手許までお届けいたしたいと思います。  それから六月のたしか九日から十三日頃に直りまして豪雨があつたのでありますが、その豪雨の概況につきまして資料はないのですけれども、記憶いたしておりますところを御説明申しげたいと思います。梅雨時にはえてして豪雨が伴うということがよくあるのでございます。特に梅雨期の末期におきましてはよくあるのでございます。今年の六月九日から十三日頃に亘ります東海道、それから信州方面に亘ります豪雨は聊か趣を異にしておつたのでございます。やや專門的に亘りますけれども、その時の気象状況を御説明いたしますと、高気圧が例年ならばオホーツク海方面に非常に発達しておる筈なんでございますけれども、本年は太平洋のやや北部の方に蟠踞いたしておりまして、丁度八日頃に潮の岬の南方に発生いたしました低気圧が東の方に進んで参つたのでございますけれども、今申しました高気圧の進行が阻まれまして、非常にその進行の速度が遅く、じわじわ東海道の沿岸に沿うて東の方に移つて来たのでありますが、その低気圧が本州を去りましたのは十三日頃だつたのでございますが、その期間に本州の中部以東に相当の大雨が降つたわけでございます。その時の降雨状況を申上げますと、静岡県方面沿岸地方が約二百ミリ、それから信州との国境方面が約五百ミリ以上、それから信州の南部地区にやはり五百ミリを越す程度の雨をもたらしたわけでございます。そのために天龍川その他が氾濫いたしたのでございまして、ただ普通の台風のときの降雨と違いまして、四五日間の日数の間にそれだけ降つたのでございまして、じわじわ降つたということでございまして、それが一度に降るものなら大変な惨事を引起したと思われるのでございますけれども、四五日間かかつて五百ミリ程度つたというので、まあ雨量に比較いたしますと比較的被害が少かつたのじやなかろうかと思うのであります。その時の降雨は幸にして利根川上流地帶には非常に少つかたのでありまして、本流が氾濫するというまでには到らなかつたのでございますけれども、栃木県の北部日光山脈方面には相当の雨がありましたために、確か小見川方面が氾濫いたしまして被害があつたように記憶しております。  それから続いて先般の台風でございますが、先般の台風はややその趣は普通のものと違つておるのでございまして、実はその時の台風は二つあつたのでございます。一つは十六日頃に丁度硫黄島の南方方面にありましたフロシー台風というのでございます。これは非常に小さな台風でございます。直径にいたしましてまあ百キロとかそんな程度の非常に小さい台風でございます。これは豆台風と我々は言つておるのであります。それが西北西の方に進行いたして参りまして、十八日頃に九州南部に近付きまして、それからあすこの屋久島の西の方を通りまして、九州の西の方に達したのでございますが、その頃にはもう非常に衰えまして、九州南部に暴風雨が少しあつたくらいで、長崎方面を通過して九州北部に出る頃にはもう消減してしまつたのです。併しながら、この台風に伴いまして非常に濕つた南風が入つて参りましたので、十八日頃は四国、九州の太平洋岸地方には相当の雨を降らしておりました。この豆台風が通過しております頃に、これは前から台湾の東南東方面に台風らしいそう強くはなかつたわけでございますけれども、台風になりそうな熱帶性の低気圧がやはりあつたのでございます。それが除々に今度は北の方に進行して参りまして、やや発達いたしまして、十九日から二十日とだんだん九州の方に近付いて参つたのでございますが、これも九州の南部地区に三十メートル内外の暴風があり、又五島列島或いは関門地区というところに非常な暴風が起きたのでございますが、これも九州の西海岸の沿岸を通つておりますうちにだんだん衰弱いたしまして、朝鮮から北鮮の方に抜けて衰滅するといつたよう状況でございました。この台風に伴う雨は大体九州南部鹿兒島県、宮崎県、それから四国の高知県方面に多かつたのでございます。大体二百ミリ前後であります。ただ吉野川上流の高知県に入つた部分に五百ミリ程度の雨を降らしでおります。又電報ではつきりしないのでありますけれども、宮崎県の極く一部には千ミリ程度の雨が降つたという電報が入つておりましたので、どうも周囲の状況から見てそんなに多く降つた筈もないので現在調査中であります。今度の台風はグレイス台風もやはり豆台風に、どちらかと申しますと割合にこれは規模の小さいものであります。今年の春の台風の発生状況を見ますと、例年ならばつもと南から発生するのでございますけれども、今年はずつと北に寄りまして、硫黄島、台湾を結ぶ線あたりに発生しておるのでありまして、從つてまだ発達しないうちにやつて来る。從つでその規模が小さくて豆台風の恰好をとつておるというよう状況となつております。で九州方面は特に例年台風の災害を受け易いのでありまして、非常に我々の方も心配しておるのでございますが、本年は建設省方面の御盡力がございまして、九州全般に亘ります河川の氾水予報の組織又特に筑後川の氾水予報組織というものも結成いたされまして、氾水に対する対策も確立いたしましたし、又各種の警報の伝達組織に関しましても、殊に鹿兒島県等におきましては各機関、例えば県庁、測候所、放送局或いは国鉄それから電通関係、或いは国家警察といつたような機関を動員いたしまして、一般民衆に直ぐに台風の状況を知らせるといつたような組織を丁度確立いたしておりましたので、今度の場合におきましても手配は十分にできたと思つております。特に今度のグレイス台風なんかは、進行は非常に遅かつたのでございまして、又予想も割合に的確に行つたようでございまして、私の方といたしましては徹底して予め警戒をする資料というものが一般に周知できたのじやなかろうかと思つておる次第でございます。大体以上で御報告を終ります。
  73. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 二十五年度災害状況につきまして、概略今泉経本建設交通局次長にお尋ねいたします。
  74. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 今年度発生した災害につきましては、先般来各省においてそれぞれ各府県からの調査報告によりまして査定をいたしておりましたところ、先般来一応その査定が終りまして、私共の方にその予算要求として出て参つた点、どのくらいになるか、それによつて安定本部としてはどういう手を今まで打つておるか、こういつた点について極く概略御説明申上げたいと思います。先ず河川関係につきましては、まあその被害が一番多大でございまして、事業費にいたしまして、極くラウンド・ナンバーで申しますが、八十七億五百万円、それから国費の負担額にいたしまして八十五億四千四百万円、それから農業関係につきましては事業費で五十七億三千六百万円、国庫負担で三十六億七千六百万円、それから山林関係につきましては事業費で三十八億二十八百万円、国費で十八億一千五百万円、それから水産関係につきましては漁港でございまするが、事業費で二億五百万円、国費で一億五千四百万円、道路関係はございますが、これはもうほんの微々たる数字でございまして、百万が切れますので省略さして頂きます。港湾関係につきましては、事業費、十億二千九百万円、国費も同じでございます。  それから都市計画、これは熱海、上松、鷹巣といつた火災による……、大規模の火災でございますが、この火災による被害、それを都市計の面、或いはこの防災といつたような面から見た被害額でございまするが、これが事業費で二億六百万円、国費で一億三百万円、それから上下水道、これが事業費で八億六十四百万円、国費で五億五百万円、それから厚生施設としてこれはもう検疫所やそれから伝染病院、こういつたものでございまするが、事業費で六百十八万円、国費で同額、それから学校等の文教施設でございますが、これが七百八十万円程事業費で、国費も同額、それから住宅としてございまするが、これもやはり熱海、上松、鷹巣といつたところの応急住宅でございますが、九千八百万円、そのうち国費関係で七千三百万円。合計いたしまして事業費で申しますと百九十六億九千万円、国費で申しますと百五十九億一千八百万円、こういう状況になつております。これに対して各省からそれぞれの御要求がありましたのでございまするが、御承知通り今年の予算には災害の予備費として百億とつてございます。從つてこれからどの程度これを出すかということでいろいろ問題はございましたが、最後の閣議といたしましては大体この査定額に対して三割程度の復旧費を出そうじやないかということで、先般一応閣議の内定を見まして、この配分につきましては総額四十二億程度を取敢えず見ようということで、この四十二億の内訳を申上げますと、河川関係には二十二億五千万円、農業関係で十億、それから山林関係について四億五千二百万円、水産関係四千四百万円、海湾関係二億九十五百万円、都市計画四千五百万円、それからし下水道とありますが、下水道は見ませんで上水道だけ見まして八千四百万円、厚生施設六百万円、文教施設七百万円ちよつとでございますが、大体七百万円、住宅が千四百万円、百万單位で下の方は今読上げるのを省略いたしますが、合計四十二億という案を一応内定いたしまして、目下司令部とその承認方について交渉中でございます。まだその結果については今日これがそのまま認められるか、或いは相当大幅減額になるかということについて、まだ予断を許されませんけれども、今まで二、三折衝したところでは、司令部の意向といたしましては、この百億の予備費に対して三割今直ちに出すということは多過ぎるというような意見の方が強いようであります。併し我々は極力閣議の意を体しまして、できるだけ今回の災害に対してはなるべく予備費もあることでございまするので、まあ昨年と違つて今年は少し余分に出して早くこれを復旧したいということで、現在進めている、こういう状況でございます。概略御説明申上げました。
  75. 赤木正雄

    赤木正雄君 港湾の事業費はこれは全額補助ですか。
  76. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 港湾は全部が全額負担ではございませんが、ここに拾つてありますものは、全額負担のものだけを取上げておるために、こういうことになるわけであります。
  77. 赤木正雄

    赤木正雄君 どういうのが全額ですか。
  78. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 今日は実は具体的な港湾につきまして資料を持つておりません。
  79. 赤木正雄

    赤木正雄君 全額の補助は二十五年度災害に限つてでしたかね。
  80. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 今年は御承知通り特例法が出まして、昭和二十五年度におきましては、やはり昭和二十五年度に施工する主として土木災害でございますが、土木災害については、国が全額国庫負担する。いつそれが発生したからという原因じやなくて、本年度施工するものについては、予算の範囲内において、土木災害中心といたしまして、国が全額負担する、こういう建前になつております。先程港湾について御質問でありましたが、特に漁港関係につきましては、具体的な港湾は、今資料を持ち合せておりませんが、抽象的に申しますと、漁港関係は公共団体以上が施工する漁港については全額負担、こういう建前になつております。それから港湾関係も今内容を……、どの港ということは資料を持つておりませんが、大体ここに拾い上げたのは直轄ということに承知いたしております。
  81. 赤木正雄

    赤木正雄君 山林なんかは全額国庫負担と違いますね。先程は主に土木事業とおつしやいましたが……。全額国庫は……。
  82. 今泉兼寛

    説明員(今泉兼寛君) 山林は大部分は補助関係になります。
  83. 柴田政次

    委員長柴田政次君) 何かあと御質問ありますか。それではこの程度で本日は散会いたします。    午後三時五十一分散会  出席者は左の通り。    委員長     柴田 政次君    理事            岩崎正三郎君            赤木 正雄君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            石坂 豊一君            平井 太郎君            江田 三郎君            田中  一君            小林 亦治君            尾山 三郎君            東   隆君   説明員    建設省河川局長 目黒 清雄君    建設省河川局次    長       伊藤 大三君    建設省河川局利    水課長     矢野 勝正君    農林省農地局灌    漑排水課長   小川  孝君    農林省農地局技    術課長     清野  保君    中央気象台予報    部長      土佐林忠夫君    経済安定本部建    設交通局次長  今泉 兼寛君