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法制局参事(
今枝常男君) それでは
只今お尋ねのありました点につきまして、私共の方で一応検討いたしましたところを御
報告申上げます。実は事実
関係が具体的に十分に
呑込めておりませんので、
前提が違
つておりますと或いは
結論的にも違いが起
つて来るかも知れませんが、問題の
特別俸というのは形の上では
一定期間一
号俸乃至九
号俸を問題の
職員について昇給したというような形で出されたものだ、というふうに理解しました
前提で申上げたいと思います。若しそういう事実
関係でありますればこの場合の
法律関係といたしましては、当時
昭和二十二年の
法律四十六
号政府職員の新
給与実施に関する
法律というのが実施されておりますので、これらの
給与はこの
法律の枠の中でと申しますか、この
適用の中でしか出せないものじやないかと、こう考えるわけであります。従いまして
只今申上げましたような増俸の仕方をいたしたといたしますれば、それはその
法律にありましたところの
俸給の引上げという形によ
つたのではないかと思います。そうなりますと、この
法律に基いて出ておりまするところの
昭和二十三年の
政令四百一号というのがございまして、それには
給与を増す場合の各種の基準を置きまして
一定の
制約をいたしておるわけであります。それでその
制約におきましては少くとも二
号俸以上を飛躍して昇給するというようなことは原則として認められていないことに
なつておりますので、少くともそういうものについては法規的に抵触しておることになるのではなかろうか、こういうように考えて実る次第でございます。尚尤もこの
只今申上げました
政令四百一号は
昭和二十三年十一月末に
なつて出ておりまして、それが施行されました後その施行と同時にそれが同年度の一月一日まで遡
つて適用されておるわけであります。その
政令が遡ります結果その
適用の上において法に合わない、こういう結果に
なつて来るのじやないかと思います。従いまして現にそうい
つた措置がとられました時期にはその
政令もございませんのでありますので、それが行われました当時といたしましては、一応牴触する法規がなか
つた、こういうことに
なつておるように思われるのでここといます。
それからもう一つの
寒冷地、
積雪地手当の方でございますが、これは
政府といたしましては先程申しまた
政府職員の新
給与実施に関する
法律に申しておりまするところの、
勤務地手当ということで出されておるのではないかと思うのでございますが、この場合におきましては、その
法律の二十八条におきまして一応経過的に
勤務地手当は
従前の例によ
つて出せるということに
なつておりまして、その
従前の例と申しますのは
昭和二十三年
法律十二号の
政府職員の
俸給等に関する
法律というものに当るのではないかと思うのでございますが、この
法律によりますと
勤務地手当は
大蔵大臣の定めるところによ
つて大体出せるように
なつておるようであります。ただこれには
本俸の一割乃至三割という限定があるわけでございますが、従いましてこの限界の中で出されて行く限度におきましてはこの方は法的には牴触するものがなか
つた。若し三割を超過する分がご
ざいますればその分については問題はありますが、その枠の中で行われていたといたしますれば一応は牴触しないということになるのではなかろうか、とこのように考えておる次第でございます。