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1950-07-24 第8回国会 参議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十四日(月曜日)    午後二時四十一分開会   —————————————   委員の異動 本日理事補欠互選の結果左の通り決 定した。    理事      岩沢 忠恭君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○薪炭需給特別会計に関する件   —————————————
  2. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 只今から薪炭需給特別会計の件を議題に供します。先ず林野庁長官横川信夫君の御説明をお願いいたします……今長官は他の委員会に出ておるそうでございますから、薪炭課長濱田説明員に一応御説明をお願いします。
  3. 濱田正

    説明員濱田正君) 私薪炭課長濱田でございます。お手許に只今差上げました薪炭需給調節特別会計整理状況という表につきまして御説明を申上げます。  御承知のように薪炭特別会計昭和十五年から始まりまして、昨年の八月一日にその会計機能を停止しまして、それからこの会計整理に入つたわけであります。それで只今まで整理を続行して来ておりまして、先ず第一はこの二十五年三月三十一日末の状況はどうなつておるかということを御説明しまして、それから前々国会でいろいろと問題になりました特別会計が、その時持つてつた手持ちの現金をどういうふうに措置したかという問題、それから二十三年末に、年度末に棚卸しをした場合、帳面ずらと現物とが差がある、いわゆる現物不足というものに対して、どういうふうな措置をしたかということにつきまして御説明申上げたいと思います。  先ず第一は三月三十一日現在のバランスシートを申上げます。これはまだ折角決算を続行中でありまして確定までは行きませんが、一応推定で御容赦を願いまして御説明申上げます。これで行きますと、借方の方で一番問題になる点は收入未済の十四億五千九百万円というのであります。これがまだ政府歳入なつております。これで借方、貸方の決を見ますと利益としまして五億九千四百万円というものが利益になつて参つております。これはバランスシートでは利益ということになるのでありますが、この註の2の所に書いてありますように、前に国会において一般会計より五十四億七千万円という繰入を願いましたので、從いましてこのバランスシートにおける利益をその繰入から差引きますと、註の2の最後の所に書いてありますが、四十八億七千五百万円というものがこの特別会計赤字なつておると、こういうわけであります。  その次に問題になりますのは收入未済であります。十四億五千九百万円の收入未済は、その内容はどういうものであるかというのが註の3に掲げてあります。薪炭特別会計相手方卸売業者、それから集荷業者日通、機帆船のような輸送業者、それから閉鎖機関その他というわけでこういう内容なつておるわけであります。でこの十四億何がしのものを回收しなくてはならんのでありますが、これにつきまして林野庁の方においていろいろやつておりますやり方を申上げますと、とにかくこれだけの金が取つぱぐれがないようにしなくてはならない。これが焦げつきになればなつただけ、今申上げました四十何億の損にプラスになるということになる。この取つぱぐれがないようにすることが第一次の先決問題で、そのやり方としましては法務総裁が国の代表者となりまして、卸売業者集荷業者或いは日通なりと民事訴訟法の手続で原則として即決和解という手があります。これによりまして三月は幾らというふうに政府相手方との間に確定しまして、そうしてそれを何月に幾ら何月に幾らというふうに納めるという計画を確定しまして、更にそれを裏打するために、その会社に不動産などがあれば抵当権の設定をやる、更に又会社重役諸公個人保証を求める、こういうわけであります。それからその会社だけでは危い、こういう場合はその会社が更に小売に対して売掛債権を持つておる、そこでその売掛債権を取らないと会社も又政府に納められない。こういうことになりますからして政府会社小売と三面の和解をやつて行く、小売に対しても政府は直接取れる。こういうやり方でこの内容を健全といいますか取りつぱぐれのないように健全なものにして行く。こういうやり方で進行しております。約七割通りまでは即決和解が大体成立いたしまして、あと残りについて目下盛んに法務総裁にお頼みして努力して参つておるわけであります。  それから次の表について説明します。この整理事務の最前線は全国四十七あります木炭事務所でありまして、その整理事務が完了したら直ぐ店を閉じるというやり方を取りまして、七月二十日現在三十四の事務所閉鎖を完了いたしました。現在尚残つております事務所が十三でありましてこの分はその括弧の中に書いてあります。これだけのものが現在残つておりまして目下整理を促進しておるわけであります。九月の末までには全部完了してあとは本省にあります薪炭課で総合して完成したい、こういう考えであります。その担当職員状況でありますが、九月三十日現在行政整理後の現在員が千六百九十五人おりまして、だんだんと木炭事務所を廃庁して参りまして七月二十日現在おりますのは三百四人で、差引千三百九十一人というものは配置転換といいますか他に職を求めました。こういうことであります。  その次の表は五十四億七千万円を前前国会において認めて頂くときに大きな議論になつた点でありますが、特別会計の持つてつた品物を売るについて相当値引をしないと消化できないのではないか、そのとき行政管理庁の調査報告によりますれば、その手持は日割乃至五割引かないときれいに捌いていけないのじやないか、といいますわけは丁度夏分であり又いいものが先にだんだんと売れて、結局こういう店じまいのときは惡いものが後に残つておる。同時に特別会計終つて後の取引というものについて割り方非常に品物のいいものが市場に出廻つておる。それと競争するのであるから四割乃至五割ぐらいの値引をせんと売れんのじやないか、そうすると更に十億程度の損が加わるのじやないか。從つて五十四億の繰入れ程ではこの会計の尻は拭けないのじやないかという点でありまして、それが非常な論議の的になつたのでありますが、その売払をやつた結果がこの表であります。木炭、薪、ガス薪三十三億五千二百万円というものを約二割三分引き二十五億七千万円というもので売払ができたわけであります。一応前々国会議論されました点はこの実績から見ますと、それ程心配することもなかつたのではないかというふうに考えるわけであります。それで二三%四という数字は総トータルでありまして木炭、薪、ガス薪につきましても場所により、品物のいい惡いにより、これより以下に売れたものもありこれより高く売れたものもありまして総トータルとして掲げたわけであります。  それから次は、これも今まで議論の的になつたわけでありますが、二十三年度末において今まで薪炭特別会計手持棚卸しをやらなかつたのでありますが、二十三年度末において棚卸しをしたところが現品不足しておつたこの不足しておつた数字がこの表の不足数Aという所であります。これについてそれぞれの原因を探して政府としてとるべきものはとるという建前で進まなくてはならないのでありまして、国会からもこの点については徹底的に糺明をせよというふうに言われたのであります。現在まではその内容が判明いたしましたのが判明数のBという所に書いてあります。木炭につきましてはこのうち九一%というものが内容的に明らかになつた、薪については五七%というものが明らかになつたガス薪については全部が明かにつた、目下更にその点を追及しつつあるものが、目下調査中というものの数字であります。そこで判明したところによりその内訳を申上げますと、この中から国の收入となるもの、つまり行方不明と称しておつたのであるが、どこに責任があるかということが書類上から証案だんだんと突きつめて行きましてやつたところが、先ず国の收入となる三億二千四百万円というものが責任の所在がはつきりした。その中で国の損となるもの、例えば保管しておつた場合に火災で燒けた、或いは水害にあつたとか不可抗力によつたものであるということがはつきりして、そのときのものは相手方に不可抗力のものを追及するわけには参りませんので、これが国の損となつたものが二億七千一百万円であります。  次には大きな問題でありまするが、帳簿整理上の間違というふうに書いてございますが、これは年度から年度へ越す木炭或いは薪、ガス薪について帳面に誤記或いは誤算があつたとか。或いはこれは具体的の例を挙げてありませんが、帳面の組織を説明することになるのでありますが、産地A事務所から消費地B事務所へ送るという場合にA事務所消費地B事務所に送つたときは、帳面上は払いにしないでB事務所に対する運送途中というふうな表に載つております。つまり在庫として載つておりますその在庫が消えるのは、消費地からそれだけのものを確かに受け取つたという通知が来たら在庫が消えるようになるのであります。ところが事務上の手違いで消費地受取つて受取つたということを産地に出したが産地がまだその書類を受取らなかつたとか、或いは受取つた帳面から消すのを忘れておつたとか、或いは消費地からまだ出していなかつたとか、こういうふうに産地消費地との間の連絡といいますか、その連絡が不十分であつた從つて帳面から落すべきものをその連絡不十分のために落さないでうつかり載せておつたと、こういうものがだんだんと追込んで行きまして書類で追及しておりますと出て来ます。そういう間違いで載るべからざるものが載つてつたとこういう数字が清算の進行の過程で出て来たわけであります。それで元に返りまして大体三月三十一日現在の状況で申上げますれば、この会計の損というふうに考えられるものが四十八万七千五百万円ということにこういうことに相成つておるわけであります。
  4. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは次に会計検査院の第二局長小林説明員の御報告を求めます。
  5. 小林義男

    説明員小林義男君) 薪炭会計につきまして只今林野庁の方から二十四年度決算の見込について御説明がございましたが、私の方はこの二十四年度只今検査中でありまするのでそういう意味で検査状況を御説明申上げたいと思つております。  この会計は二十三年度の終り頃におきまして現物不足ということが問題になつたんでありまするので、自然その頃からのことを一応申し上げて見たいと思います。只今御手許へお届けしておるのでありまするが、二十三年度決算あらまし申上げてそして二十四年度の方に参るわけでございまするが、二十三年度末におきましては、この会計林野庁のほうの作成されました決算によりますと、二十三年度において九億五千一百万円の損ということになつております。会計検査院のほうでは二十三年度中の損が二十八億千五百万円ということになつております。從いましてその間に食い違いがあるわけでございますが、それは第二枚目のほうで食い違いの一々を説明いたしておるわけでございます。それを一々に申上げますと余り長くなりまするので食い違いあらましをこの項目を追つて申上げますと、先程来もお話になりました現品不足であります。それが一番とありまして十三億七百万円というのであります。これは二十三年度検査報告の五百九号にその内訳が載つておりまするので、若し御必要でありましたら後程御説明いたしたいと思います。同じく亡失の方で予定減耗率を越えた亡失というのがございまして、これ從来から薪炭関係では購入したものの〇・五%くらいは亡失するということで、それだけのマージンを見ておつたわけですがそれを越えた亡失というのが千八百万円ということでございます。  次に2でございまして値引による收入減、これは長尺薪なり製材薪なりというような品質惡いのを、いい薪と同じように購入をして売払値段も同じであつた、ところが実際売るときになると値引しなければ売れなかつたのでありまして、そういうような値引損が三億一千七百万円というのであります。  それから同じく二十三年の十二月からの冬は暖冬異変といわれた暖い等の関係もありまして都市にも沢山薪がございました。その分が保管中に品傷みなどいたしましてやはり値引いたさなければならんという関係値引したものが一億一千一百万円ということでございます。  それから第三番目といたしましては政府マージンを越えた経費十九億五百万円でございますが、そのうちの先ず第一の横持料は二十三年の十一月頃政府薪炭引渡場所を変更したのであります。それは從来店頭渡しであつたものを駅、港頭で渡す。そこで從来政府が店頭まで持つて行くに要した経費というものは、全部引取人の荷受人のほうへ渡したのでありますが、それでも尚足りないというので薪は一束につき一円、炭は一俵につき三円という横持科を出したのであります。この点の詳しいことは検査報告の第五百六号というところにございますので、そこで御承知をお願いいたしたいと思います。  その次の手数料の増額、これも前の横持料に相応いたしまして生産者集荷業者の方にやる手数料を増額しなければならんということで、炭一俵について四円、薪一束について四十銭というものを予定した以外に交付したというので、これは検査報告の五百七号に述べてございます。  それから備蓄及び一時保管経費でありますが、これが先程の暖冬異変の冬に備蓄保管した経費でありまして、それに要した経費七億六千四百万円、これがまあ当時備蓄になつたということは、いろいろ事情もあつて止むを得ないではないかという結論に達しまして不当の事故ということとは考えておりません。その次に特別小出賃及び早期築窯質でございますが、これも当時の生産事情等から予定以上に生産者に交付したものでありますので、不当の損の原因とはなつていないのであります。  その他といたしまして三億七千万円の経費予定以上に増嵩しておるのであります。まあ主なるものは薪炭会計が非常に金詰りになりまして、借入金が法律の限度の五十五億を甚しく超過した、その結果利子支払額嵩まりましてこういうものが入つておるのでありまして、その利子の点は五百八号という検査報告に記述してございます。  それから一体特別会計は毎年度支出未済経費が明確になつていなければならないのでありますが、二十二年度において支出未済のものが経理の都合上支出未済金額に載つていなかつた、併し実際二十三年度なつて見るとそれだけの金額は払わなければならなかつたという経費が、四番の一億八千八百万円というものがあるのであります。以上のようなものを合計いたしますと三十九億一千八百万円という損益計算上の損の方に上がる損失があつたわけであります。  ところが二十三年度末におきましては先程もちよつとお話がございましたが、政府手持薪炭年度末において時価によつて評価しなければならないという規定があるのであります。二十三年度末におきましては薪炭の今の備蓄保管等のために相当品も傷んでおる、或いは長尺薪のように品質惡いものであつて売れ残りの品もある、そういうものも一律に公定の売出価格で評価いたしまして評価益を出したものが十億六百万円あるのであります。そういう利益を計上いたしましたので差引そういう損益のものはその次の七のところに出ております二十九億一千百万円ということになります。それに弁償金の九千六百万円、或いは固定資産亡失損というようなものを差引きまして、差引きの純損失は二十八億一千五百万円という計算になるのであります。  そこで当時の林野庁は、前に戻りまして二十三年度までには九億五千一百万円、先程の本年度損失九億五千一百万円ということで決算を了しておられるわけであります。從いまして二十四年度におきましてはどういうことになるかというわけでありまするが、五十四億七千万円の薪炭会計赤字補填の繰入の法律が二十四年の十二月末に可決されまして、そうしてそれだけの金額がこの会計に繰入れられたわけであります。でその結果は先程林野庁の方でお示しになつておりまする推定貸借対照表にはまだ明確に出ておらないわけであります。三月三十一日の残だけの姿を現わしておりまするのでその点は分らないのでありまして、ただ利益が五億九千四百万円あるという、こういう御報告なのであります。  そこで我々の方としては、先ず第一にこの貸借対照表を見まして、勿論目下検査中なのでありますが、果して五億九千四百万円の利益になるかどうかということでございます。それにつきましてはこの薪炭需給調節特別会計が、二十五年の三月三十一日を以ちまして廃止になりました。廃止になりましたが、その決算從来特別会計当時の規定が有効でありまするので、その様式に從つてこの貸借対照表なり損益計算書をやがて提出することになつております。そういたしましてそのときの債権なり債務は一般会計へ引継がれるわけでございます。元来から申しますと、二十五年三月三十一日の状態はもう大体動かないようになつておらなければならない筈でありまするが、先程来もお話がありましたように、收入未済なるものについては現在尚即決和解なりの方法を講じておられる。これは御尽力は非常に多とする次第でありまするが、会計自体としてはそういう收入未済なりを確定するについて尚いわばいろいろな困難な問題があるということでありまして、そのことはやがてこの現物不足の問題と関連しておるわけであります。現物不足のことはもう先程お配りになりました表の一番しまいで不足数木炭でいいますと七万七千二百八十五トン、こういうことになつておりますが、これは先程私が申しました全部つつくるめますと金高にいたしまして十三億七百万円に相当するものでございます。この十三億七百万円というものをだんだんその行方なりを調査し或いはその原因調査して、先程来御説明のありましたようにだんだん整理はついて来たのでありますが、この過程におきましても尚目下調査中のものがあるという状況でありまして、当時会計検査院報告いたしました十三億七百万円という数量は、その当時は物はなかつたがその後には弁償をさせるなり、或いは買主が見つかりまして買主に対して代金を調定するなり、だんだん整理いたしておりますが、その金額がなかなか收入未済で国に入つて来ない。或いは随分ひどいものになると未だにその金額が固まらないという状況でありますので、我々の方としても一体現物不足というものが誰が持つて行つたのであろうかというような点を、各事務所実地検査をいたして当局が努力しておられます上に問我々の方も検査したわけでございますが、その結果はまだ全部まとまつてはおりませんがだんだん御報告いたす段階に達しつつあるわけであります。從いましてこの会計としてはここ一、二ケ月には確定したものをどうしても提出いたさなければなりませんが、それまでに先程検査中と申上げましたが全部の問題を確定いたしまして御報告いたしたいと思いますので、只今あらましだけを申上げる次第であります。
  6. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 御質問のあります方は御質問をなさつて下さい。何か御質問ございませんか。
  7. 尾山三郎

    尾山三郎君 ちよつと林野庁の方にお尋ねいたします。この残務整理に当りまして木炭、薪が約二割引というようなお話でありますが、これは木炭或いは薪相通じての二割引のことでありますか、又別々に何か標準がありますか、それをちよつと御説明を願いたい。  それからもう一つ、私は富山県でありますが、富山市長をこの間までやつておりまして木炭薪炭の配給に非常に私共市長として協力して参りました。最後段階至つて市民に配給した場合或いは目減りが、四貫目あるものが二貫五百目であつても四貫目としなければ整理ができないというので、強制的にそれを市民に配給さして頂いたことがあるのですが、これらから行きますと絶対にそういう目減りとか或いは価格の差額が生ずることが考えられませんが、この辺どういうふうなことになりますか。
  8. 濱田正

    説明員濱田正君) 第一点でありますが、この表にも書いてありますように二割引といいますのは木炭、薪全部そうではありません。木炭についていえばトータルにつきましては二割一分、薪が三割四分、ガス薪が一割四分というばらばらなつております。而も又先程もちよつと申上げましたように木炭の中にも何といいますか銘柄がそれぞれ違うのもありますし、又銘柄の同じ物でも包装のがつちりしておるものとばらばらなつておるものとこれも又いろいろございますし、薪についても同じように半分腐つてつてもばりつとした強いものもあるし、いろいろこの木炭の中でもまあそれぞれ品物工合その土地の需給工合とそういうことで違つております。  それから先程第二点の四貫目あるやつを二貫目で押付けたかどうか。この問題はこれはそういうことがなかつたとは言いません、正にそういうこともあつただろうと思います。と申しますのはこれはその反対の結果もあるわけです。需給が非常に逼迫しておる時分は消費者から見れば黒いものであればそれは炭じやないか、欲しい、こういうような時代とだんだんと需給が緩和して参りましてふんだんに物が出て来たこういう時代とによつておのずから違つて参つておりまして、現実に見ますれば最初山から来て山から数回に亘つて人に運ばれて来たり、馬車で来たり、トラツクで来たり、こちらへ来てトラツク消費者に行くというときに四貫目のものがそのまま四貫目で山の奥から消費者まで来るということはあり得ないで、そのときの消費者の渇望の程度といいますか、程度によりましてむしろ消費者側が負担するという、目切れを消費者が負担せざるを得ないというような時代もあつたでありませう。今度は逆に物が豊富になつて来ますと消費者から見るといや丸俵はいかん、四貫俵でなければいかん、四貫俵でがつちり包装がしてなければならない、すべて目減りを見て逆に政府側がそういうものは負担しなければ売れないのじやないか、こういう時代あとになつて逆に出て来た。こういう関係がありまして、先ず前の方の時代においては確かに四貫目あるべきものが消費者に行つたときは三貫目であつたということはあり得ることであろうと考えます。ただそこで政府が直接消費者にこれを持つて行くわけではないので、その間に卸売通つて小売り通り消費者に至るのだ、こういう段階にその間に区切りが付いておるということを申上げて置きます。
  9. 尾山三郎

    尾山三郎君 それから現物不足関係でこういうことはありませんですか。或いは産地から百トンを輸出して荷受の方ではこれが五〇トンよりなかつたというような不正等はあつたようで、各検査地でも不評を得ておるようなことですが、そういう数字相当大きいものになるのではないかと思うのでありますが、この点はお調べになつたことはありませんですか。
  10. 濱田正

    説明員濱田正君) それがつまり弁償金ということになつて国歳入に出て来るわけであります。こういうふうになつております。  輸送機関が、産地で先ず生産者から荷を受ける、生産者から政府が買取るのですが、生産者輸送機関に渡す、そこで輸送機関消費地まで持つて来る、百トン積んだ輸送機関消費地まで持つて来る、そこで消費地で荷をさばくときに八十トンしかなかつたじやないか、つまり二十トン足らんじやないか、こういうことになりますと、その足らん分は輸送した者に契約上その二十トン分を弁償金として出せというふうにして、いわゆる歳入の調整を図つて行くという形になつておりまして、その不足分政府歳入なつて来る、こういうことになつて来るわけであります。
  11. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 ちよつとお伺いいたしますが、五十四億の特別会計を入れてそうして利益がどうということは、四十八億幾らかの損失だというのですか。それから現在まで手持木炭があつて割安に処理しておるものがある、そうしますと結局どういうことになるのでございますか。五十四億を入れましてもこれはまだ足りなくて、仮にそうだとすれば又追加予算で取らなければいけないという見通しになるのですか。そのことがよく分らないのですが。
  12. 濱田正

    説明員濱田正君) これは結論を簡単に申上げますと、この表の現在の推定から見れば五十四億七千万円繰入れてしまつたのでありますが、この利益なつておる五億九千四百万円は逆に返せるということになつておりまして、更に入れなくてはならんということではありません。但しここで問題になりますのは、このバランスシートは五億九千四百万円を返せる、一応五十四億七千万円は頂きましたが、五億九千四百万円は返せるということになりますが、この收入未済の十四億というものを全部通つてしまつたら返せるということであります。今申上げましたように抵当権を取つたり、個人負債を取つたり、だんだん取りぱぐれのないようになつておりますが、最後の土壇場において幾らか取りはぐりができた場合にはその分だけはこの五億九千四百万円の利益から、その分だけ減るかも知れん。巧く取つて貰えばこれだけ返せる、こういうことであります。
  13. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 外に御質問ありませんか。
  14. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 農林省の林野庁の表の二ページの欄の職員のところですが、二十四年九月三十日現在で一千六百九十五人、それが三百四人残つてつて差引千二百九十一人が配置転換済である、千三百九十一人の内訳について少し聴きたいのですが、配置転換ということは農林省の林野庁の内部で配置転換をされたのか、或いは農林省全体で配置転換が行われたのか、或いは又そうでなくして他の地方庁或いは民間会社等に転出をしたのか、したとすればここにこの千三百九十一人の内容について一つ説明して頂きたい。
  15. 濱田正

    説明員濱田正君) この細かい内容は実は持つておりませんから細かくは申上げられませんが、先ず大体のところを申上げますと農林省だけでやつたのではありません。あとから細かく表にして差上げますが今大体を申上げますと、このうち約四割程度が農林省の中でやりました。営林局とか或いは作物報告所とかであります。それからその他が府県庁とか極く少数の者が民間団体に行つた、こういうことであります。細かくこれは配置転換先をあとから説明いたします。
  16. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 重ねてそれでは聴きますが、この中には地方庁或いは農林省の内部等の外にどちらにも行くことができない、今までの勤務先の都合或いは住宅、家庭の事情等において行けなかつた、止むを得ずやめたというような人があるのですか。
  17. 濱田正

    説明員濱田正君) あります。それもはつきりしませんが二百八十人程度退官した者があつたような気がしております。
  18. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 そうするとこの表の配置転換済ということには一応ならんことになるのですね。
  19. 濱田正

    説明員濱田正君) 配置転換済といいますのは、これは退官するにしても強引に首を切つたのではありませんから……。こういうわけで一応北海道なら北海道に職があるから行かんか、それでは困る、それなら帰つて仕事をする方がいいという話合でやつたのでありますから一括して言えばそういう意味であります。
  20. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 今の説明ではどうもこういう公文書の上に出されることとしてはどうもはつきりしないように私思うのですが、その議論は別として後程細かい資料を出すように委員長の方から要求願いたいと思います。
  21. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) それでは浜田説明員の方に申上げますが、只今カニエ委員から要求もありますので千三百九十一名の配置転換内訳を詳細に御報告願います。
  22. 濱田正

    説明員濱田正君) 承知しました。
  23. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 外にございませんか。
  24. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 この会計検査院の主張されているバランスシート林野庁の出されているバランスシートとの差が可なりあるようにこの表では見受けられるのですが、この大体食い違いでの点はどういうところにあるのか一つどちらからでもいいのですが。
  25. 濱田正

    説明員濱田正君) 検査院の出された最初の一番上の表を御覧願います。と、問題の一番大きいところは薪炭というところがあります。薪炭会計検査院の作成による三十四億千六百万円、それから林野庁作成による四十七億七千四百万円これが一番大きいところです。これは一応棚卸をして現場不足であつた分を会計検査院の方は、この手持薪炭の方から落してしまつたわけであります。それから林野庁の方は棚卸をしたけれどもまだ正式に検査院に対してこれだけありませんでした、しかじかかようでありましたというような報告を三月三十一日現在においてはしていないということと、それからその現物不足を尚いろいろ探究して見れば、先程も説明しましたように不足には違いないが、責任をだんだん追及して行けば政府の金になるものもあるはずだというので、この現物不足分を評価したものを落さないで一応帳面ずらだけで評価してここに挙げたということの相違が一番大きいと思います。  それからこの過年度支出五億五千六百万円というものが貸方にありますが、これは林野庁の方では二十四年度の予算で貰つたものですから、この分を決算の方に挙げてなかつたというこの二つの相違点を足して見れば丁度同じように結論はなつて来るわけであります。
  26. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 次に会計検査院の第二局長の御説明を願います。
  27. 小林義男

    説明員小林義男君) 会計検査院の作成いたしました貸借対照表と、林野庁の作成いたしました貸借対照表との差違の点でございますが、林野庁の作成されたのは二十三年の農林省所管薪炭需給調節特別会計決算として国会に正式に提出された書類でありまするので、これは飽くまでも正式のものであります。これに対しまして会計検査院はその決算がどういうふうに違つているかということを批評したわけであります。それによりますと、この順番で申上げますと借方の現金なるものはこれは両方とも現に現金があるかどうかということで、この点にも争いがない、收納未済もよろしいというふうに参りますと、第三番目の今の薪炭年度末におきまする在庫高の問題でございます。この林野庁におかれては四十七億七千四百万円というふうにされておるわけであります。ところがなぜこういう違いが出たかという発端からちよつと申上げますと、二十四年の三月末においてまあその前からだんだん現物不足ということを感じておつたのでありますが、試みにそれでは一齊に在庫調べをやつて見ようというので、長野県の二郡というものを選びまして会計検査院の職員が一週間ばかりに亘りまして山の奥まで、丁度あれはまだ雪もあつた頃でありますが、実際現場へ行きまして帳簿と現品とを対照したわけでございます。その結果帳簿の在高に対して二割とか或いはそれ以上不足している場合にしばしば出合つたわけであります。その二郡の結果によりましてこれは全国的に見ると非常に現品不足しておるに相違ない。併しながら薪炭の集荷場所というのは全国では当時七万ケ所と数えられておりましたので、到底一々の現場について行くことはできませんので長野県の実地の調査というものをモデルにいたしまして、一体帳簿の在高に対してそこに現品がないのはどういう原因かということで、その原因を十八項目ばかりに分けまして、そうして全国の木炭事務所についてそういう十八項目の理由で現に現品のないものは報告してよこせということを、会計検査院の方で全国の四十六の木炭事務所の方に通知したわけであります。それに対して回答を六月までに出せということで着々回答が参つたのでありまして、それによりますとどうしても先程十三億六百万円と申しましたが、木炭だけでいいますとトン数で七万七千何トン、俵数でいいますと五百万俵からの炭がどうしても現在高に対して物がないということになつたわけであります。これは勿論輸送中のものなどは考慮しておるのでありまして、それだけのものが一応物がないのだ、その原因は大きなものをいえば荷受人品物を渡したが受領証がないというようなものが大分あるわけでありますが、とにかく十八項目もあるのでありまするから、それの行先を捜せばどつかにかある筈だということで、その後林野庁でも調査をされました。私の方でも調査をいたしまして、例えばその方法はいろいろあつたのでありますが、その一つを申上げますと東京へ炭を送つた場合のことを考えまして、東京には四十五、六の炭の着く駅がある、そこの駅へ行つて炭を運んで来た貨車の控えが、この日通の店にありますのでその一貨車々々々を丁度二十三年の十二月分から二十四年末までの分をまあ六万貨車ばかり調べたのです。それによると荷物は荷受人に確かに行つているということは日通調査では分るが、役所の方では受領書もとつておらんというものがだんだんあつたりしたのですが、そういうようないろいろな方法で攻め立てて参りまして、そのうちでは現品不足というものがまあだんだん減つて来なければならんわけですが整理されて来たわけです。併しそれでも尚相当の数量が保管中に消えてなくなつた、或いは棚卸ししなかつた、まあ過去の亡失かと推定されるものもあつたわけでして、そういう十三億を引きましたものが我々の方は年度末においては三十四億六千六百万円で、林野庁の方は依然として帳簿上の残高を元にしまして、先程も申上げましたが年度末においては帳簿上の残つておる在高に対しては、公定価格が上つておりますから上つた価格で四十七億七千四百万円と評価された。こういうふうに違いができて来ておるわけでして、こいつはその後のつまり只今検査中でありますが、検査中の結果におきましても先ず大体それくらいのものが現物として不足しているのではないか。尚調べておりまするうちには昨年度においては自分の方は炭が不足しているということは何も報告して来なかつた。今年になつていよいよ店じまいになつて調べて見るとやはり不足しているものが新らしく出るというような事態も稀にはあるのですが、とにかくそういう薪炭の在高に対する数字の違いである。  それからその外の点で違いまするのは、薪炭特別会計でありまするので毎年その收入未済なり支出未済というものを決算しなければならんわけです。そこでこの過年度支出の五億五千六百万円というものでありまするが、この五億五千六百万円と申しまするのは、二十三年度中に運搬なりさせた或いは品物を商品として薪炭を購入した。で購入したがまだ決済がついておらん、支払が完了しておらない、そういうものは実態から申しますれば支出未済なりの四十六億九千七百万円というところへ入る筈なんだ。ところが二十三年度におきましてはその五億五千六百万円という支出未済があるにも拘わらず、その支出未済の中にちやんと積算してなかつた。こういう次第でありまして、なせこういうことをやつたかということについては会計法上の技術の問題もあるわけですが、とにかくこの貸借対照表は実態を現わしておらん。こういうつまり実際より二十三年度中の債務なんですからして、この支出未済というものを考えれば、これを加えたもので貸借対照表というものを見なければならん、こういう数字なんであります。從いまして損などの計算の出し方が大分そういう二つのことを元にして損失の点が違つて来る、こういう次第であります。
  28. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 只今林野庁の方の言い分と会計検査院の言い分を聞いて見ますると、実際はどうであつたかは別として、どうも林野庁の方の貸借対照表というものはただ帳簿の上にあるものをそのまま転記されたのにひとしいような感じを受ける。そうして実際の棚卸が明確化されていない、勿論これは棚卸をどういう方法で明確にされておつたか知らないが、とにかく棚卸が明確でない。又過年度支出の点においてでもそういつたような同じような意味のことが言えるのではないかと思う。この点林野庁としては非常にまあ棚卸を嚴密にやるということは或いはむずかしかつたかも知れませんが、この表と棚卸の実際と、数字でなくして実際とは合つていたのかどうか、こういう点ですね、問題は。合つておるというならばどういう方法においてその合つているということを立証されるか、この点を一つ納得の行くように説明して頂きたい、こう思うのであります。
  29. 濱田正

    説明員濱田正君) 確かに御質問通り四十七億七千四百万円というものは、帳面で合つておるものを評価しただけであります。その後調べました数字は先程説明いたしましたように、木炭は七万七千三百八十五トンというものが不足をしておつたわけであります。從つてこれだけのものの不足を正式に処理してしまわない限りは、ただ勝手にそれだけしかなかつたのだから、我々の帳面を勝手に落してしまつて決算して行くといういい加減なことはできないので、はつきりそうなつた、なつたものを検査院にはつきり報告した上で処理するならする、こういうふうにしなければなりませんからして、一応その手続が完了してない三月三十一日現在で掴めば、これはまだできておりませんから、その後いろいろ調べてからこういう数字が出て来たわけでありますから、ですから三月三十一日現在の線でこれをやつたということであります。だから決算をもつとずつとうんとあとで遡つてつてもいいということになれば、検査院のような数字でやらざるを得ないのではないか、かように考えております。
  30. カニエ邦彦

    ○カニエ邦彦君 この問題を掘下げて質問いたしますると相当時間もかかりますし、一応これをよく私共も検討して次の機会に質問いたしたい、かように思いまして私の質問は一応これで留保いたします。
  31. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) 外に御質問ございませんか……外に御質問ございませんければ本日は一応この問題につきましてはこの程度で保留をいたしまして、次の適当な機会に質疑を続行したいと考えます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 前之園喜一郎

    委員長前之園喜一郎君) ではさようにいたします。本日はこれを以て散会いたします。    午後三時五十分散会   出席者は左の通り    委員長    前之園喜一郎君    理事            カニエ邦彦君            溝口 三郎君    委員            小杉 繁安君            廣瀬與兵衞君            小泉 秀吉君            棚橋 小虎君            赤澤 與仁君            井上なつゑ君            尾山 三郎君            杉山 昌作君            常岡 一郎君            岩男 仁藏君            谷口弥三郎君            矢嶋 三義君   説明員    会計検査院第二    局長      小林 義男君    林野庁薪炭課長 濱田  正君