○
説明員(
濱田正君) 私
薪炭課長の
濱田でございます。お手許に
只今差上げました
薪炭需給調節特別会計整理状況という表につきまして御
説明を申上げます。
御
承知のように
薪炭特別会計は
昭和十五年から始まりまして、昨年の八月一日にその
会計機能を停止しまして、それからこの
会計の
整理に入
つたわけであります。それで
只今まで
整理を続行して来ておりまして、先ず第一はこの二十五年三月三十一日末の
状況はどう
なつておるかということを御
説明しまして、それから前々
国会でいろいろと問題になりました
特別会計が、その時持
つてお
つた手持ちの現金をどういうふうに措置したかという問題、それから二十三年末に、
年度末に
棚卸しをした場合、
帳面ずらと
現物とが差がある、いわゆる
現物不足というものに対して、どういうふうな措置をしたかということにつきまして御
説明申上げたいと思います。
先ず第一は三月三十一日現在の
バランス・
シートを申上げます。これはまだ
折角決算を続行中でありまして確定までは行きませんが、一応
推定で御容赦を願いまして御
説明申上げます。これで行きますと、
借方の方で一番問題になる点は
收入未済の十四億五千九百万円というのであります。これがまだ
政府の
歳入に
なつております。これで
借方、貸方の決を見ますと
利益としまして五億九千四百万円というものが
利益にな
つて参つております。これは
バランス・
シートでは
利益ということになるのでありますが、この註の2の所に書いてありますように、前に
国会において
一般会計より五十四億七千万円という繰入を願いましたので、從いましてこの
バランス・
シートにおける
利益をその繰入から
差引きますと、註の2の
最後の所に書いてありますが、四十八億七千五百万円というものがこの
特別会計の
赤字に
なつておると、こういうわけであります。
その次に問題になりますのは
收入未済であります。十四億五千九百万円の
收入未済は、その
内容はどういうものであるかというのが註の3に掲げてあります。
薪炭特別会計の
相手方は
卸売業者、それから
集荷業者、
日通、機帆船のような
輸送業者、それから
閉鎖機関その他というわけでこういう
内容に
なつておるわけであります。でこの十四億何がしのものを回收しなくてはならんのでありますが、これにつきまして
林野庁の方においていろいろや
つております
やり方を申上げますと、とにかくこれだけの金が取つぱぐれがないようにしなくてはならない。これが焦げつきになればな
つただけ、今申上げました四十何億の損にプラスになるということになる。この取つぱぐれがないようにすることが第一次の先決問題で、その
やり方としましては
法務総裁が国の
代表者となりまして、
卸売業者、
集荷業者或いは
日通なりと
民事訴訟法の手続で原則として
即決和解という手があります。これによりまして三月は
幾らというふうに
政府と
相手方との間に確定しまして、そうしてそれを何月に
幾ら何月に
幾らというふうに納めるという計画を確定しまして、更にそれを裏打するために、その
会社に不動産などがあれば
抵当権の設定をやる、更に又
会社の
重役諸公に
個人保証を求める、こういうわけであります。それからその
会社だけでは危い、こういう場合はその
会社が更に
小売に対して売
掛債権を持
つておる、そこでその売
掛債権を取らないと
会社も又
政府に納められない。こういうことになりますからして
政府、
会社、
小売と三面の
和解をや
つて行く、
小売に対しても
政府は直接取れる。こういう
やり方でこの
内容を健全といいますか取りつぱぐれのないように健全なものにして行く。こういう
やり方で進行しております。約七割
通りまでは
即決和解が大体成立いたしまして、
あと残りについて目下盛んに
法務総裁にお頼みして努力して参
つておるわけであります。
それから次の表について
説明します。この
整理事務の最前線は全国四十七あります
木炭事務所でありまして、その
整理事務が完了したら直ぐ店を閉じるという
やり方を取りまして、七月二十日現在三十四の
事務所が
閉鎖を完了いたしました。現在尚残
つております
事務所が十三でありましてこの分はその括弧の中に書いてあります。これだけのものが現在残
つておりまして目下
整理を促進しておるわけであります。九月の末までには全部完了して
あとは本省にあります
薪炭課で総合して完成したい、こういう考えであります。その
担当職員の
状況でありますが、九月三十日現在
行政整理後の現在員が千六百九十五人おりまして、だんだんと
木炭事務所を廃庁して参りまして七月二十日現在おりますのは三百四人で、
差引千三百九十一人というものは
配置転換といいますか他に職を求めました。こういうことであります。
その次の表は五十四億七千万円を
前前国会において認めて頂くときに大きな
議論にな
つた点でありますが、
特別会計の持
つてお
つた品物を売るについて
相当の
値引をしないと消化できないのではないか、そのとき行政管理庁の
調査報告によりますれば、その
手持は日割乃至五
割引かないときれいに捌いていけないのじやないか、といいますわけは丁度
夏分であり又いいものが先にだんだんと売れて、結局こういう店じまいのときは
惡いものが後に残
つておる。同時に
特別会計が
終つて後の取引というものについて割り方非常に
品物のいいものが市場に出廻
つておる。それと競争するのであるから四割乃至五割ぐらいの
値引をせんと売れんのじやないか、そうすると更に十億
程度の損が加わるのじやないか。
從つて五十四億の繰入れ程ではこの
会計の尻は拭けないのじやないかという点でありまして、それが非常な論議の的にな
つたのでありますが、その売払をや
つた結果がこの表であります。
木炭、薪、
ガス薪三十三億五千二百万円というものを約二割三分引き二十五億七千万円というもので売払ができたわけであります。一応前々
国会で
議論されました点はこの実績から見ますと、それ程心配することもなか
つたのではないかというふうに考えるわけであります。それで二三%四という
数字は総
トータルでありまして
木炭、薪、
ガス薪につきましても場所により、
品物のいい
惡いにより、これより以下に売れたものもありこれより高く売れたものもありまして総
トータルとして掲げたわけであります。
それから次は、これも今まで
議論の的にな
つたわけでありますが、二十三
年度末において今まで
薪炭特別会計は
手持の
棚卸しをやらなか
つたのでありますが、二十三
年度末において
棚卸しをしたところが
現品が
不足してお
つたこの
不足してお
つた数字がこの表の
不足数Aという所であります。これについてそれぞれの
原因を探して
政府としてとるべきものはとるという建前で進まなくてはならないのでありまして、
国会からもこの点については徹底的に糺明をせよというふうに言われたのであります。現在まではその
内容が判明いたしましたのが
判明数のBという所に書いてあります。
木炭につきましてはこのうち九一%というものが
内容的に明らかにな
つた、薪については五七%というものが明らかにな
つた、
ガス薪については全部が
明かにな
つた、目下更にその点を追及しつつあるものが、
目下調査中というものの
数字であります。そこで判明したところによりその
内訳を申上げますと、この中から国の
收入となるもの、
つまり行方不明と称してお
つたのであるが、どこに
責任があるかということが
書類上から
証案だんだんと突きつめて行きましてや
つたところが、先ず国の
收入となる三億二千四百万円というものが
責任の所在がはつきりした。その中で国の損となるもの、例えば
保管してお
つた場合に火災で燒けた、或いは水害にあ
つたとか不可抗力によ
つたものであるということがはつきりして、そのときのものは
相手方に不可抗力のものを追及するわけには参りませんので、これが国の損とな
つたものが二億七千一百万円であります。
次には大きな問題でありまするが、
帳簿整理上の
間違というふうに書いてございますが、これは
年度から
年度へ越す
木炭或いは薪、
ガス薪について
帳面に誤記或いは誤算があ
つたとか。或いはこれは具体的の例を挙げてありませんが、
帳面の組織を
説明することになるのでありますが、
産地の
A事務所から
消費地の
B事務所へ送るという場合に
A事務所が
消費地の
B事務所に送
つたときは、
帳面上は払いにしないで
B事務所に対する運送途中というふうな表に載
つております。
つまり在庫として載
つておりますその
在庫が消えるのは、
消費地からそれだけのものを確かに受け取
つたという通知が来たら
在庫が消えるようになるのであります。ところが
事務上の手違いで
消費地が
受取つて、
受取つたということを
産地に出したが
産地がまだその
書類を受取らなか
つたとか、或いは
受取つたが
帳面から消すのを忘れてお
つたとか、或いは
消費地からまだ出していなか
つたとか、こういうふうに
産地と
消費地との間の
連絡といいますか、その
連絡が不十分であ
つた、
從つて帳面から落すべきものをその
連絡不十分のために落さないでうつかり載せてお
つたと、こういうものがだんだんと追込んで行きまして
書類で追及しておりますと出て来ます。そういう
間違いで載るべからざるものが載
つてお
つたとこういう
数字が清算の進行の
過程で出て来たわけであります。それで元に返りまして大体三月三十一日現在の
状況で申上げますれば、この
会計の損というふうに考えられるものが四十八万七千五百万円ということにこういうことに相成
つておるわけであります。