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政府委員(福島正雄君) 第一が、余裕外貨資金の活用による必要物資の輸入促進について。この問題は、物が出てそして外貨だけ溜まるという
状況が面白くない。やはり物が出つぱなして金だけ残
つたんじや
日本の
産業について面白くない影響があるから、早く積み上げた外貨を以
つてなくな
つた資財を補充せよ、こういう
意味と思います。このことは毎四半期毎の輸入
計画と同時に、更にそれに附け加えて何がしかの追加輸入或いは繰上げ輸入と言いますか、そういうふうな形において、この要求を満したいと思うのであります。ただ追加輸入、繰上げ輸入につきましても、多少技術的な相違がございまして、七——九の
予算が約二億六千万ドルに決ま
つておりますが、その中で特に緊急度の強いものを先にやるという技術的の差があります。それから予め七——九の
予算に入れなか
つたけれども、特にこの際
事変の影響上、特にこの際入れておきたいというものが若干ありますので、七——九の
予算以外に資金の許す範囲において、これを緊急に輸入したい。こういう二つの段階があります。それでこのラインにつきましては、この点につきましては是非そういうふうな手段で輸入を促進すべく司令部とも相談をいたしております。
それから第二の
朝鮮事変その他の特需に対し所要円資金の調達を円滑にする緊急
措置を講ずる、然るに現状においては、代金受領に至る期間までの所要円資金に対する
措置が円滑でない、特段の
措置を講ぜられたい。こういうことでありますが、現在までにおきましては後程お答えをいたします中にありますが、或る
程度の特需が起
つておりますことについて、まだはつきりした、断片的の情報より掴んでおりませんので、それに関する円資金がどの
程度まで窮屈であるかということについての多少情報の不足があります。で、概括いたしますと、現在の特需の段階は、今まで売れ残
つた品物が、幸いにして買われたという段階が特に多いのであります。今後の注文も無論ありますけれども、それについてまだ十分な情報を持ちませんので、ストックが、
一つの例でいいますと鉄條網、あれなども相当ストックがありましたものが一ぺんに捌けた。
従つてその面でその業者が金融が楽にな
つたという
状況はありますけれども、多くの注文を受けて、その準備のための仕込資金が足りなくて、注文が受け切れないというふうな確定的な情報はまだ手にいたしておりません。それらを心配いたしまするために、司令部から今後の調弁の大凡の大きさ、時期等についての内報が欲しいということを申しております。
従つてその第二の円資金の調達を円滑にするという問題は、すぐ引続いて緊急の
措置を講じなければならんと存じます。
第三が調達庁その他の
政府支払につき前払制度を至急復活する。これはこの文書には
事変勃発のため、とこうありますが、
事変の特需が調達庁を通しまするや否やは多少不明の点がございますが、私の観察では
事変予備費は調達庁を通さないのではないかというような観測を持
つております。調達庁は占領軍の需品
関係にほぼ限られて、この
事変関係の特需は別の機関が、若しも作られるとすれば別な機関が新しくできるのではないかという感じを持
つております。この辺につきまして、まだ自分らの段階ははつきりまとま
つておりません。
それから四が、
時局に基く金融繁忙化の実情に鑑み、各種金融対等につきこの際至急実情即応の最善
措置を講ずる。これは特段にお答えをいたしません。
五が、日銀金融と財政資金運用との両
政策を綜合一元化するため、両者を統合一元化する
措置を講ぜられたい。これは私からお答えいたしません。恰度政務
次官がおられますから。