○山縣勝見君 先程来の
大臣の御
答弁に対しましては、
大臣のお気持はよく了承できるのでありますが、この問題が本
委員会にかかりまして以来の
総裁の御
答弁なり、その他の御
答弁を通じて
考えて見ますると、現在最も重要な
関係にある数ケ所について、主として今回の
機構改正の問題が問題にな
つておるのでありますが、私は更に根本的に、この問題に関しては
考慮すべき点があるのじやないかということをこの
委員会における御
答弁を通じて痛感いたすのであります。と申しますのは、先般
国鉄の
機構が改正になりましたが、その際に、いわゆる
企業性を持たすということに主眼点があつたことは我々も
承知いたしております。この
企業性と
公共性を並び持
つて、そうして
国鉄というものを万全ならしめる
趣旨であることも了承いたしておりますが、私の憂えますのは、
企業性の
確立に急であ
つて、
公共性に対してややもすればそれをネグレクトするという傾向が強いのではないか。今回のこの
地方の
管理局の配置、或いは今回の
機構の改正に当りましても意識的にそうお
考えにな
つておりますが、結果としては
企業性の
確立に急にして
公共性というものに対してお
考えがあ
つて、而も結果としてはこれは非常に遺憾な点が多いのじやないか、そこに各方面における改正に対するいろいろな問題が起
つておるのではないかということを私は痛感するのであります。私は何もその特殊の県、或いは特殊の
地方だけが特別の扱いを受けるということに対しましては、必ずしも実はかようなこの
委員会において発言をしようとは存じませんが、併し現実を見ますると、御
答弁の中にも
公共性に関しては云為されても、而も尚且つお
言葉の中には、
企業性の
確立が先ず大事であ
つて、それに伴
つて或いはそれに附随して
公共性ということをお
考えにな
つておるのじやないか。無論そういうことは意識的にはお
考えにな
つておらないと思いますが、先程からの
総裁なり
大臣の御
答弁を承
つておりますと、
総裁の御
答弁としてはどうしてもいわゆるできるだけ少くしたいというお
言葉でありますが、これはどの
地方においても
経営の
合理化を図ることは当然であ
つて、少くすることが当然でありますが、併しながらそれはどうしてもお
言葉の中に
国鉄としての
経営の
企業性、或いは
経営の
合理化ということに急であ
つて、その結果或いは他の
公共性に対して、殊に私は申上げたい点は、單なる他の事業と違
つて地方の
経済、大きく言えば日本の
経済というものに直結した非常に重要な意義のあるものでありますから、日本
経済殊に
地方経済に対する
関係を重要視しなければならん。で先程
大臣の御
答弁にもございましたが、かような
組織の
変更或いはかような
国鉄の
運営に当
つて責任を持
つてやられるということは当然であります。当然でありまするが、併し
国鉄の従来のいわゆる
国鉄としての
運営、或いは技術上の問題、これらに関しまして、
国鉄が
責任を持
つて、
責任のあるお
考えの下に、
責任ある
運営をされますことは、これは国民として勿論同感でありまするが、但し、この
国有鉄道が、日本の
経済なり
地方経済に、どういうふうな
関連を実際に持
つておるかということに対しましては、甚だ失礼な申しようでございますが、これは
地方の者が一番よく知
つておる。又
国鉄の方々も有能な方々でありますが、
経済に関する事情なり、実質的に問題を処理するに当りましては、日本国民の声を聞き、殊に
機構の改正に当りましては、私は
国会開会中でないという
お話であつたのでありますが、かような重大な問題、日本の
経済に重大な
関係を持
つておる企業であるだけに、この
運輸委員会の意向を十分取入れて万全の
措置をとることが日本全体のためによろしいと、私はさような
見地から、この改正に対しては陳情的なことは申さないが、ただ私は
国鉄としての
企業性というものに対して
公共性をお
考えになりつつ而も
企業性がどうしても勝ちまするお
考えに対しては、今回の改正以外に、今後この
運営のことを根本的にお
考えをして頂きたいと思うのであります。と申しますのは、私はこの
国鉄が独占事業でなくて、競争事業であるならば、決してかようなことは申しません。これは独占事業であるから、
地方のいろいろな
経済上の
見地からいろいろな問題がありましてもいかんと言
つても、これはもう
地方としては何ら策がないのであ
つて、独占事業であるだけに、この
企業性のみを堅持されると、勿論
公共性を
考え合せてお
考えにな
つておるとは思いますが、実質的な結果として、この
企業性を堅持されると、これは独占事業であるだけに非常に問題がある。私はこの点はもつと根本的な問題としてお
考えを願いたいと思うのであります。特に私はこの問題に対して現在に至りましてはすでに相当問題が経過いたしておりますから、必ずしも
運輸大臣或いは
国鉄総裁の
責任を問うわけではありませんが、今後特にかような問題に対しては、この
国鉄法の第五十四條の規定からい
つても、
公共の福祉を増進するためには
運輸大臣が命令すら
国鉄総裁に対して出し得るような規定がありますから、
国鉄のごとく
公共性の最も大なるものについては、
運輸大臣はその重大なる
機構の
変更等については、
公共性の
見地より万全の
監督をなすべきものと
考えるのであります。尚又いわゆる
産業の動脈である
国鉄の本質から申しまして、
経済的な
関係が一番大であり、重要であるのであります。さような
見地からこの問題に関しましては、先程来
運輸大臣のお気持は現在のこの経過から見て、直ぐに
変更ができないということをこの
委員会において申されることは、なかなかむずかしいお
立場にあることは了承しますが、
運輸大臣のお
言葉を聽いておりますと、お気持として何とか早く改正すべきものはしたい、
地方の実情をよく勘案して改正すべきものは早く改正したいというお気持であると私は拝承いたすのであります。私はさような
意味において
質問をいたしたのであります。さような
意味において将来の善処を
国務大臣、並びに
国鉄総裁に御
要望いたしたいと思います。若しもそれですらいかんということであれば、これは他の方法で以て善処をしてやらなければならんと思う。我々運輸委員の責におきましても、さような
見地から
考慮いたしたいと思います。是非とも私はこの点に対して
運輸大臣、
国鉄総裁に御善処を近い
機会に是非お願いする
意味において、私はこの際お願いしたいと思います。尚又私は併せて申上げたいのでありますが、かような
機構の改正は、單に技術上、或いは運輸の技術上、或いは配車上、或いは
営業上、さような
見地のみでなくして、或いは
鉄道のごときは、最も災害事故が多いのでありますから、さような
見地からどうあるべきか、或いは又
地方の
経済がどうあるべきか、それらの事情は民間のもの、又專門のものが一番よく知
つておるのでありますから、さような
見地につきましてこの
運輸委員会であるのでありますから、かような重大な問題は
国鉄内部の
機構の
変更ということにおとりにならないで、将来はもつと実質的なものを御
要望いたしたいのであります。その他申上げたいのでありますが、お急ぎのようでありますから、私はこの
国鉄改正に当りましては、是非さようなことを以て、
大臣が御善処下さることを期待し、又確信いたしまして、
質問を終りたいと思います。