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1950-07-22 第8回国会 参議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十二日(土曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○公共企業体労働関係法第十六條第二  項の規正に基き、国会の議決を求め  るの件(内閣送付) ○日本国有鉄道機構に関する件 ○税制改革交通事業並びに関連産業  に及ぼす影響に関する調査の件 ○連合委員会開会の件   —————————————
  2. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 只今より運輸委員会開会いたします。  国鉄裁定問題に関して組織変更に対する問題について御意見がありましたら……。
  3. 植竹春彦

    植竹春彦君 この問題につきまして、大臣以下国鉄総裁にお質問申上げたいと存じます。国鉄は省営から公共企業体に性格が変つたから、その機構変革に当りましては、法規上は国家機関変更のごとくに国会承認を必要としないということは、一応は考えられるところでありまするけれども、国鉄はその公共性重大性に鑑みまして、その機構に重大な変革が行われるような場合には、国会国有鉄道法第五章、第四章等に基きまする運輸大臣監督権を通じまして重大関心を有する次第であります。管理部廃止管理局設置というような重大なる機構変革に当りましては、事前に適当なる時機に、その時機を失せずに、十分に運輸大臣を通じまして、国会に緊密の連絡を取られることを強く要望いたします。況んや機構改革予算措置を伴う場合には、特に第三十九條に適合する万全の措置をとらるべきことは論を俟たざるところでありまするけれども、予算措置をとつて初めて実施すべき必要ありと感ぜられるような機構変革のような際には、特にその措置をとられなかつた場合には、我々国会の議員は十分に納得できるまでこの点に対して質問をなし、又十分の御答弁を要求申上げる次第であります。この点につきまして今回の機構変革に当りましては、相当な多額予算を要すると考えられますことについて、この前の本案に関しまする質疑応答の際に約七億というふうな予算である、それが又通信設備庁舎その他を完備するにおいては、それは厖大なる費用がかかるけれども、初めから完備をする必要もないから徐々にやつて改めて行くについては、それ程の経費はかからないという御答弁でありましたが、その実数は明確には御指示がなかつた。併し常識考えまするところ、これだけの大きな機構改革に当りましては、二十数億と言われているのが常識上は妥当な数字であると思われる、この点に対しまして明確に御答弁願いたい。そうして多額費用を要しまするときには、あの国有鉄道法の三十九條の條文に従いまして予算流用が許されていない、どうしても金額厖大になりまするときには、新たに予算の追加の審議措置をとるとか、尚又他の費目流用するとか、しないではこの措置は講ぜられない筈であると考えます。先ずその点について大臣監督権従つて国会事前の緊密な連絡要望するという点につきましての大臣並びに総裁の御所見を伺いたい。  そうして第二には只今予算措置に対しまする御答弁を伺いたいと存じます。それから以下又一問一答の形において御質問申上げたいと存じます。
  4. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 植竹君の御質問にお答えをいたします。実は前回の委員会において、次のできるだけ早い機会運輸大臣としての監督上の所見を明らかにするということを申上げて置きましたが、この機会所見を開陳いたして置きたいと思います。昨年六月日本国有鉄道を設立いたしましたのは、独立採算性による公共企業体として、その責任において高能率経営をなし、公共の福祉を増進することが、その趣旨であり、衆参両院におかれても、この国有鉄道経営自主性の確保並びに伸張のため、立法上或いは行政上格別の努力を拂うように、常に政府を御鞭撻され、たびたびの御要望があつたことは御承知通りであります。運輸大臣といたしましても、法規政府の権限に属する事項以外は、これを国鉄経営当局者の創意に委ね、その自主性の発揮に基く経営合理化を期待することが、適切であると思つておるのであります。而して、他面国鉄との連絡を密にして、常時その運営状況についての全貌を把握し、若しその公共的使命達成見地より見て遺憾の点があれば、直ちにこれを改善せしめる措置を講ずることが、国有鉄道に対する監督責任者としての立場であると信じております。この度の国鉄地方機構改革についても、上に述べた趣旨により、その企図する点が、能率の向上、経営合理化にあり、且つ国鉄内部組織に関する事項でありまするので、その具体的な点は、国鉄当局実施するところに委ねた次第でありますが、もとより機構不動のものではありません。実施後の推移により、必要を認められましたときは、これに対して速かに適当な措置を講じられなければならないということは、もとより当然のことと考えるのであります。繰返して申すのでありますが、機構不動のものではない、釘付けではないのでありまするから、その実施後の状況を見て、これに必要な改善、修正を命じて行くということは、運輸大臣として監督上当然なすべきことであると確信する次第であります。
  5. 植竹春彦

    植竹春彦君 只今大臣の御答弁によりまして、趣旨大綱について承わりまして、了承いたしました。只今予算措置の問題について、総裁から御答弁を願いたいと思います。
  6. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 先日の懇談会で私お答え申上げて置いたと存ずるのでありますが、あのときに申上げました通信施設宿舎と両面からする七億余の予算が、今回の機構改正に要する当面の費用であります。この費用すら、私共といたしましては、單に機構改正だけのために必要なのであつて、これが持出しだとは全然考えておらないのでございまして、通信施設にいたしましても、これは完備する程能率経営にはいい影響を與えるのであり、又宿舎にいたしましても、職員厚生的見地から見まして、大きくなればそれだけ職員が居住が容易であり、又職務執行上も便利なのであります。これは機構改正機会に支出する金額ではありますが、ロスと考える必要のない性質のものであるというふうに私共は考えております。  尚、これについては国会承認を得て予算の補正を要するのではないかというような御見解がございましたが、さようなことはございませんで、今年の初頭国会審議を頂きました予算内におきまして、その予算費目、つまり建築費、或いは通信費、主として建築費通信費等でございますが、そういう中から支出いたしますので、流用という関係はございません。この点ははつきり申上げて置きたいと存じます。
  7. 植竹春彦

    植竹春彦君 只今の七億という予算、その点に関しまする見解は、見解の相違であるか知れませんが、今日常識的に考えまして、例えば庁舎にしても、一ケ所二千万円にしても、二十七ケ所にして合計五億四千万円と、庁舎だけでもそういうことになる。殊に今一伝えられるところによりますると、庁舎だけでも十五億円からかかるのではないかというような計算の仕方もあるようであります。約二十数億円がかかるのであろうということは、殆んど常識的になつておるように思われます。通信設備のごときも、徐々にこれを移動したのでは、この大改革に伴いまして、完全なる通信設備移動できない筈である。どうしてもこの通信設備移動は、完備しなくても、応急的に間に合わせるだけでも、七億から五億四千万円引きました一億六千万円ぐらいの費用では、到底通信設備移動すら行われない筈であると、だから七億でできる筈がないというふうに考えられるのでありまするが、これだけの厖大機構改革が、六億や七億でできるとは考えられない。その点について、今後予算を立てられる場合には、余程の愼重なる経理面運営をなすつて行かないと、この問題は解決されないのではないかと考えられる。  それから第二点といたしまして、これは先日のお話と重複いたすかも知れませんが、速記の有無の関係上是非この際申上げたいのは、県ブロック関係なく、国全体の交通政策から考えて立案せられたというお話であつたけれども、県ブロツクがたまたま交通網中心になつておるような、つまり交通の要衝に当るような場合には、そこに当然管理局が設置されるべきではなかつたかと思われるような場所が全国に数ケ所あろうと思われます。ただ、今大臣の御答弁のように、機構をやつて見て悪かつたらそのときに改めるという、その抽象的な御趣旨の外に、更に一歩を進めて、特に具体的に今日問題になつておりまするところに対して考え直して、これを適当に速かなる時期において増置せられるというふうなお考えがあるかないかを質問申上げたいと思います。  それからその次に第三点といたしましては、今回の改革縦割改革であると言われますけれども、今までは横の連絡で以て仕事が円滑に管理部部内で以て取扱われていたものが、今度は縦割関係上、一々上級官庁にお伺いを立て、上級官庁同士横連絡を保つて行かなければならないために、分り易く言えば、三角形の一辺を辿つて仕事が運ばれておつたものが、今度三角形の二辺を辿つてでなければ、仕事能率が発揮できないというような場合が多々あるのではないか。日常の仕事が沢山あり、その疑問が非常に多いのじやないかと思われる。例えば営業から経理に対して要求した場合に、今までは一つ管理部部内において解決された問題も上級関係を通す、今言つたような三角形の二辺を迫るというような結果になつて、ちつとも能率的に運ばないというふうなことを危惧しておるのでありますが、この点についてお考えを伺いたいと存じます。以上二点について総裁の御答弁をお願いいたします。
  8. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 重ねて御疑惑を持つておられるようでありますが、予算につきましてはこれは実を申せば通信施設にしろ、建築にいたしましても、お金さえあればまだまだそれはやりたいこともやることは一杯あると存ずるのでありますが、何しろ制限のある予算内で、極力これを有効に使つて参る、新たに予算要求等をいたさないというのが、我々の考えの骨子でございますので、その機構改正機会に、通信施設なり汽車なり、従来の足りなかつたところを更に補つて行くというところから支出するわけであります。尚庁舎だけを考えても二千万円要するというお話でございましたが、もともとそういつたお金ができるだけかからないということも、今回の管理局を、設置場所を定めました一つの基準にいたしておるのでございまして、御承知のように、管理部というものがございまして、ここに相当の要員を持ち、通信施設もそこを中心としてやつてつておりますので、それをただ補うだけのもので、よいわけであります。私共といたしましては、新らしい管理局要員は、できることならば、従来の管理部要員程度管理して行くということが狙いでございまして、徒らに庁舎を殖やして、人を殖やすということが目的といたしておりませんので、そのために費用もそれ程植竹さんが考えておられる程かからないのであります。これは事実かからないので、私からはつきり申上げて置く次第でございます。尚大臣のお言葉によりまして、機構一定不動のものでなく、釘付けでないから、将来支障があれば変えるというお言葉があつたので、具体的にどうかというお尋ねでございますが、私共といたしましてはできるだけむしろ将来は減らして行きたいと考えております。経営能率を上げるということは、少い人数でうまく管理するということなんでございまして、従来の鉄道局では広過ぎて、ちよつと把握がむずかしい、従つてこれを適当な数に減らしたわけであります。併しながら従来の管理部そのものを直接管理として当てるには、これは多過ぎる。目は行き届くかも知れませんがそれだけ要員は余計に要りますし、経費も余計かかるわけであります。いわゆる中央との連絡にいたしましても、四十数個の管理局なつたのでは、中央から直接これを統制をいたしまする場合にも不便がある。そういう見地からやりましたので、目が届きさえすれば管理局の数はできるだけ少い方がいいのでありまして、方向といたしましてはできるだけ減らす方向に参りたいというのが私共の本意であります。併しながら業務鉄道仕事は生きた仕事でございまして、如何にそう考えましても、仕事の流れ、或いは輸送の流れ、業務量、そういつたものが変化をして参ります場合には、これはその変化に応じて建直して行かなければならないのでありまして、鉄道局を振返つて考えて見ましても、鉄道局につきまして、新潟でございますとか、広島でありますとか、四国鉄道局は、後になりまして設置せられた鉄道局なのでございます。これはいわゆる管理能力から見て、増設するのがいいという結果を見た場合に、そういう措置をとるということは、これは当然のことでございまして、もともとこのいわゆる現場作業把握をし、十分に目を届かして、管理するというのが本来の建前でありますために、それに支障を来たすというようなことがあれば、大臣が言われましたように、これは一定性のものであるということではないので、その場合に当然これを直して行かなければならない、かように考えるのであります。以上お答えいたします。
  9. 植竹春彦

    植竹春彦君 只今現場把握するにはやつぱり交通要所管理局を置かなければ現場把握できない。今回の措置を見ますると、交通の要点であるに拘わらず管理局が設置せられない場所が数ケ所あるのを先程指摘したのでありますが、この数ケ所の地点については、どういうふうにお考えになつておるか、今一応御答弁お願いいたします。
  10. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 交通要所と雖も、必ずしも管理局を設置するというようには私共考えておらないのであります。交通要所ということをどういう意味で言つておられるのか、私共はつきりした御意思は分らないのでございますが、例えば九州における鳥栖であるとか、東北本線における小山でありますとか、つまりジヤンクシヨンという意味からいいます交通要所国鉄を通じて沢山ございます。従いましてこの交通要所をそのまま管理局の所在地というようには考えておりませんで、先程申しましたように極力局の数も少い方がいいのであつて管理上少いのがいいのであつて、併しながら少な過ぎて現場作業の直接把握、直接管理ができない程、その範囲が広くては何もならないのでありまして、つまり極力少くしようという要請と、それから直接現場作業把握管理の必要にして十分であるという制約と、この両方からを満足せしめるところに、管理部の数なり、設置個所が決まるわけでありまして、非常に抽象的に申上げた次第でありますが、今回の管理局範囲を決めます場合に、又その設置個所を決めます場合に、そういう点を考慮して定めましたような次第でありまして、交通要所には必ず管理局を置くというふうには考えておらないのでございます。併しながら、これを例えばその地方経済産業について考えて見ます場合に、この中心たるべきところ鉄道機関がなくては、これはいわゆる鉄道部外との連絡調査、或いはいろいろな申出を受けるにつきましても、不便であると考えまして、そういつた経済事業、或いは観光事業、そういつたものの中心地には、営業中心を置きまして、これが直接中央と結びつつ、その地方産業、文化、経済との綿密な連絡を図る、そうして、鉄道業務改善を図つて行くことを期するという措置をとりました次第であります。
  11. 植竹春彦

    植竹春彦君 最後にそして最初総裁の御答弁を頂けなかつたので、問題を初めに遡らして再びお尋ねいたしますが、最初申上げました通り、この国鉄機構改革については、大臣監督権を通じて、国会重大関心を当然持つべきであり、又私達は持つておるわけでありますが、これに対して事前の適当な時期において御相談が是非ともなすことが妥当である。この点をお述べにならなかつたことについて総裁の御所見を承わりたいと思います。
  12. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 先程大臣のお言葉にありましたごとく、第一にはこれは経営内部の問題でありまして、何としても我々がこれを判断をいたしまして我々が良心的にこれなら自分でやつて行けるというところに基いて定めなければならない。かように考えまして案を立てたわけであります。併しながらこれがいわゆる行政方面政治との関連もございますので、尚いわゆる運輸大臣総括的監督も受けておりますので、運輸省並びに運輸大臣にも連絡を取りましてこういう方針で参りたい、かようなことをお願いしてやつて参りました次第であります。私といたしましては尚そこに国会開会中であるならば国会委員会等においてお諮りする機会があれば尚よろしかつたと存ずるのでありますが、何しろいわゆる善は急げと申しますか、経営合理化を志した以上は私は一日も早くこれを達成するのが自分達の道であると信じまして、運輸省並びに運輸大臣に御相談をいたしまして決定をいたしました次第であります。
  13. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 先刻大綱について運輸大臣としての所見を披瀝いたして置いたのでありますが、その後植竹君よりの再三の総裁に対する御質問もありましたので、この場合に一言私が附加えて申述べることが適当であると考えまして申上げる次第であります。それは申上げるまでもなくこの国有鉄道公団企業性公共性、この二つの重点に向つて使命達成をしなければならないことは申上げるまでもないのであります。併し国有鉄道当局者としては先ず以て企業性の完全なる態勢が整つて初めて公共性を発揮し得ることになるのであつて、順位があるわけではありませんけれども、当事者としては第一に企業性確立ということに專心当るということはその責任上当然のことであろうと考え、又そうでなければならないと私も考えるのであります。併しながらこれを地方経済社会政治面から見て参ります場合には、先ず以て公共性を主張するという形に相成ろうかと考えるのであります。これは併しながら公共性を主張するからといつて企業性はどうでもよろしいということとは考えませんけれども、一、二というような場合には注文する方の側は先ず以て公共性を主張して参ることはこれ又当然であり、又そうでなければならないと考えるのであります。運輸大臣としての監督責任という立場から申せば、この甲乙のない企業性公共性とを常に睨み合せてそうして国家の大局から判断をし監督をして行くべき筋合のものであろうと、かように考えるのであります。私の就任以前のことでありまするけれども、いずれにしても国有鉄道当事者としてはその責任の地位に立つて先ず以て企業性確立を図り、併せて公共性の充実に努めるということであると考えるのでありまするが、併し今日すでに各地に、先程植竹委員におかれても漠然と数個所と御指摘でありましたが、たしかにそれらの地方における政治的、社会的、経済的の面からの叫びの声があることは私も就任日浅いのでありますけれども、はつきりそれを認めておるのであります。従つて運輸大臣といたしましては、この企業性公共性を如何にこれを調和せしめ、如何に両方をしてできるだけ満足を與えしめるか、必ず、若しそれが一致する場合は申すことはないのでありますけれども、時と場合によつては、そのいずれかが先に立つ場合もあり得るのであります。ここに私が先刻申しました機構は決して一定不動のものではない。そのよろしきを制して適当の機会に適当の方法によつてこれを改革を加えて行くということが当然であると申上げた理由でありまして、私といたしましては、原則論として、大体論としては抽象的に申上げたのでありますけれども、こういう心持で申上げておるのであるということを委員諸君においても御了承を願つて置きたいのであります。
  14. 岡田信次

    岡田信次君 私は運営委員会運営並びに一般情勢から判断いたしまして、国鉄は速かに本機構改革を断行せられたらよいと考えているものであります。国鉄自主性のためにも又先般来の議論につきましては、恐らく加賀山総裁以下国鉄幹部は百も御承知であり、耳に「たこ」のできる程お聞きの通りであります。而も昨年の九月に北海道のテストケースとして新らしい機構が施行され、その結果を判断されて飽くまで断行するという御決心を願つた筈と考えますので、早くやられたらよいと思うのであります。併しながらやはり私共長い間地方におりました者としても、鉄道運営自体の上からも又社会全般の上から見ましても、二、三の個所につきましては施行せられた後に速かに御考慮を煩わされた方が今後の運営の上にもよいとかように考えられますので、これらのものにつきましては、一つ深甚なる御考慮の願えるならば、早く施行して頂きたいとかように考えますので、この点につきまして、もう一度加賀山総裁に御見解を承わりたいと存ずるのであります。
  15. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 一つ率直に、我々も長い間いろいろ考えて進んで参りましたことなので、できることならば早急にこれを実施して、我々があらゆる熱意を以て国鉄経営改善に邁進いたしたいと存じているのであります。併しながらこのたとえ地方的にしろ部分的にしろ、このいろいろの御意見が現われておる今日におきまして、これらのことは十分に私共といたしましては頭にこびりついておりますが、私が幾ら頑張つてやるといたしましても、幾ら努力をしても、当然これは支障が出て来ている。この支障はどうしてもこれは努力だけでは取去ることができない。これはやはりどつかを改めなければこの支障は取去れないという結論が明らかになりました上は、私共といたしましては当然これはまあ、それを直す義務がある。かように考えておるのであります。
  16. 内村清次

    内村清次君 大臣に御質問いたしますが、先程の大臣の今回の国鉄公社機構改革に対しまする大綱及び又それに附随いたしましてのお考えにつきまして披瀝いたされたのでありまするが、併しこれは後で附加されましたことを通じましても、まだ明確でない点につきまして一、二点お伺いいたしたいのでありまするが、大臣の御説によれば、今回の機構改革は将来においても決して一定不動のものではないというようなお言葉があつたのでありまするが、この意味というものは、今度の機構改革の生ずるところ影響を勘案して、そうして更に又機構が変つて行くという意味であろうと私は総体的に思います。併しながらそういうことがあるというような総体的な考えであることも私は考えまするが、併し現今のこの機構改革に対するところ地方的な要望や、或いは又部内的におきましての、即ちこの機構改革に対するところ考え方に対しての御所見につきましては、余りに政治性があり過ぎる。こういうふうに私は思う。もう少し率直に一つ答弁願いたい。それは先程加賀山総裁は、むしろ今後においては機構はいわゆる設置個所におきましてもそれを少くするというようなことをはつきり言明された。これを即ち肯定の上において、只今大臣の御所見はこれを肯定の上において、そうして所懐を述べられたのであるかどうか。同時に又今回の国鉄のこの大きな変革につきましての全体的を肯定され、先ず国鉄自主性からしてこれはやらせて見ようというような、他に異論があつても先ずこれはやらせて見ようというような強い御意思によつてやられたのであるか。この先ず二点をお尋ねいたします。
  17. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 只今お尋ねの点でありますが、私が凡そ機構というものは釘付けのものではない、一定不変不動のものではないということを申上げたのは、加賀山総裁が近く、或いはむしろ傾向としては減らして、整理して行くべきであろうような場合も考えられる意味を述べられたのを肯定して申上げたのではないのでありまして、総括的に機構、制度というようなものは一定不変のものではないのであつて、そのときによつてよろしきを制して行くべきであるという意味を申述べたのであります。従つて今度の機構がすでに決まつて、そうして実行の段階に着々進みつつある今日の状態においてはこれを一応実施してよろしい、然るべきである。併しながら一度実施してもそれは一定不変のものではないのであつて、ここに欠陥を呈する場合においては直ちに速かに改善修正を加えて行くべきものであるという、こういう意味で申上げたということを改めて御了解願いたいと考えるのであります。
  18. 内村清次

    内村清次君 今の御答弁で大体分りました。先程大臣は公社が昨年の六月から移行されまして、勿論その中の今回変つた方針といたしましては企業の独立性、即ち独立採算制、企業経理の収支のバランスをとつて行くというこういうような方針につきまして、今後の国鉄の行き方が違つた点につきましてはこれはもうすでに私が申すまでもないと考えまするが、併しながらお言葉の中にも公共性をこれと並行して行かなくちやならん。勿論私達もこの点につきましては敢えてここで異論を申上げない。大体その方針におきまして私達も承認いたすわけでありまするが、併しながらただ問題はこの国鉄内部的には機構を変えて行きますことは、直ちにこれは内部的な即ち自主性によつてこれを容認する、これを直ちに容認をして行くということだけが自主性を確保されたものであるということには私は考えられない。即ちこの状態は直らにやはり公共的にも大きな影響をもたらすことの、即ちその影響の度合につきまして特に国民一般の観点からいたしましてはこれを強く考えなくちやいかん。そういう点を思うて見ますると、すでに今回の機構の問題につきましてもこれは私は昨日のこの委員会でも特にこの点は強調して質問をいたしたわけでありまするが、機構改革に対しまして一つも下部機関のいわゆる業務実態についての意見を聞く機会が少かつたということであります。即ちこれは全く秘密裡に作業されてあつたということ、而も又モデル局でありますところの北海道のその整備の状態が、これがまだはつきりと判然しないときにおきまして、そうして次々と四国又は本州、九州にこれが実施せられようといたしたということ、こういうような点を勘案いたして見ますと、ただ内部的から見ましても今回の本州及び九州その他の実施上、これが内部的に決してこれを強く要望いたしておるものではないという点は、これは部内的にも声が上つておる点でございまして、而も支局の特に第一線に働いておりまするところの従業員の一致した気持、一致した現在の基本的な人権の下におきましても、生活の問題におきましても、強い要望が現われておる点におきましても、これは看取せらるるところであります。而も又部外的におきましても、これはすでに管理部の設置した個所は、御承知のごとく各府県でありました関係で、今回これが改廃せられまして、そうして約半数ぐらいの府県に存置せられたあとは廃止の運命にあるという状態から考えて見ますると、即ち日本全国の多くの府県が部外的な公共機関に対するところの何というか、今までの密接な関係が或る程度の不便さを今後増して来るというような状態におきまして、相当波紋を生じておるということを勘案いたして見ますると、国内的にもこれは大半のところにおきましてまだ満足ならざる状態が現出いたしておること、これは私が申すまでもないこと、こういうような状況から判断いたして見ますると、この機構改革の即ち、何と申しまするか強行によりまして、そうして部内的なそういう空気が直ちに列車の運行に、或いは貨物の輸送に、こういうような貨客の輸送に影響を来たして、そうしてこの事態というものが、即ち企業性公共の福祉に対する影響の度合を考えて見ましたときにおきましては、決してこれはその度合が寡少であるということは、私は断定できないのであります。こういう点を考えて見ましたときにおきまして、そういう公共の福祉という考え方を少くして、ただ企業だけの、而も又これが一つは、民主的な会議も開かずにやつたという独善性そのものを、今後企業の自主性として容認される考えであるかどうか、こういう点を、私は大臣の所懐を今回明確に一つして頂きたい。我々が考えところ自主性というものは、必ずこれは公共の福祉に対しましても、好影響をもたらすような自主性でなくてはならない。従業員も管理者も一体となつた、そうして明朗な、即ちそこの企業実体ができるところの事態になるような自主性でなくてはならない。こういうような考え方でおるのでありまするが、この点に対しての大臣の御所見をお伺いいたしたい。
  19. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 只今の御高見に対しましては、私も非常に愼んで拜聴いたしたのであります。我々も御高見と同じような気持、同じような態度でこの問題の推移については深甚の注意を佛いつつ、運輸大臣としての監督の責めを盡して行かなければならないと考える次第であります。そうして御高見のうちにありましたが、やはり民主的に会合を開いて相談すべきであるというお話でありましたが、この御趣意に対しましても、私ももとより心から御同感の意を表する次第であります。ただ実際仕事運営し、計画し、企画して参ります場合に当つては、おのずからそこに限度のある場合があると考えるのであります。これは企画に当る当事者の心魂を打込んでの責任を遂行する上においては、やはりその限度というものは、当事者に対して信頼をして、その信頼に向わしめなければ、公共企業体として独立採算性の重大な責務を、国家並びに国民に対して持つ責任者としての責任を果し得ない場合もあるのでありますから、ただ徒らに民主主義の言葉の美名の下に、絶えず責任を転嫁しつつ行くというようなことになれば、民主主義の弊害も又そこに現われるわけでありまして、そこにはおのずから民主主義と責任を果すという当事者との間には、政治的にも常識的にも、そこに理解と判断とを加えて行かなければ、議会主義、民主主義というものは成立つて行かないものであろうと私は平常考えておるのでありますが、只今お話は私も全然御同感であります。そういう趣意によつて、私の権限も、先程申した運輸大臣としての今後の方針も進んで行きたいと思う次第であります。
  20. 山縣勝見

    ○山縣勝見君 先程来の大臣の御答弁に対しましては、大臣のお気持はよく了承できるのでありますが、この問題が本委員会にかかりまして以来の総裁の御答弁なり、その他の御答弁を通じて考えて見ますると、現在最も重要な関係にある数ケ所について、主として今回の機構改正の問題が問題になつておるのでありますが、私は更に根本的に、この問題に関しては考慮すべき点があるのじやないかということをこの委員会における御答弁を通じて痛感いたすのであります。と申しますのは、先般国鉄機構が改正になりましたが、その際に、いわゆる企業性を持たすということに主眼点があつたことは我々も承知いたしております。この企業性公共性を並び持つて、そうして国鉄というものを万全ならしめる趣旨であることも了承いたしておりますが、私の憂えますのは、企業性確立に急であつて公共性に対してややもすればそれをネグレクトするという傾向が強いのではないか。今回のこの地方管理局の配置、或いは今回の機構の改正に当りましても意識的にそうお考えになつておりますが、結果としては企業性確立に急にして公共性というものに対してお考えがあつて、而も結果としてはこれは非常に遺憾な点が多いのじやないか、そこに各方面における改正に対するいろいろな問題が起つておるのではないかということを私は痛感するのであります。私は何もその特殊の県、或いは特殊の地方だけが特別の扱いを受けるということに対しましては、必ずしも実はかようなこの委員会において発言をしようとは存じませんが、併し現実を見ますると、御答弁の中にも公共性に関しては云為されても、而も尚且つお言葉の中には、企業性確立が先ず大事であつて、それに伴つて或いはそれに附随して公共性ということをお考えになつておるのじやないか。無論そういうことは意識的にはお考えになつておらないと思いますが、先程からの総裁なり大臣の御答弁を承つておりますと、総裁の御答弁としてはどうしてもいわゆるできるだけ少くしたいというお言葉でありますが、これはどの地方においても経営合理化を図ることは当然であつて、少くすることが当然でありますが、併しながらそれはどうしてもお言葉の中に国鉄としての経営企業性、或いは経営合理化ということに急であつて、その結果或いは他の公共性に対して、殊に私は申上げたい点は、單なる他の事業と違つて地方経済、大きく言えば日本の経済というものに直結した非常に重要な意義のあるものでありますから、日本経済殊に地方経済に対する関係を重要視しなければならん。で先程大臣の御答弁にもございましたが、かような組織変更或いはかような国鉄運営に当つて責任を持つてやられるということは当然であります。当然でありまするが、併し国鉄の従来のいわゆる国鉄としての運営、或いは技術上の問題、これらに関しまして、国鉄責任を持つて責任のあるお考えの下に、責任ある運営をされますことは、これは国民として勿論同感でありまするが、但し、この国有鉄道が、日本の経済なり地方経済に、どういうふうな関連を実際に持つておるかということに対しましては、甚だ失礼な申しようでございますが、これは地方の者が一番よく知つておる。又国鉄の方々も有能な方々でありますが、経済に関する事情なり、実質的に問題を処理するに当りましては、日本国民の声を聞き、殊に機構の改正に当りましては、私は国会開会中でないというお話であつたのでありますが、かような重大な問題、日本の経済に重大な関係を持つておる企業であるだけに、この運輸委員会の意向を十分取入れて万全の措置をとることが日本全体のためによろしいと、私はさような見地から、この改正に対しては陳情的なことは申さないが、ただ私は国鉄としての企業性というものに対して公共性をお考えになりつつ而も企業性がどうしても勝ちまするお考えに対しては、今回の改正以外に、今後この運営のことを根本的にお考えをして頂きたいと思うのであります。と申しますのは、私はこの国鉄が独占事業でなくて、競争事業であるならば、決してかようなことは申しません。これは独占事業であるから、地方のいろいろな経済上の見地からいろいろな問題がありましてもいかんと言つても、これはもう地方としては何ら策がないのであつて、独占事業であるだけに、この企業性のみを堅持されると、勿論公共性考え合せてお考えになつておるとは思いますが、実質的な結果として、この企業性を堅持されると、これは独占事業であるだけに非常に問題がある。私はこの点はもつと根本的な問題としてお考えを願いたいと思うのであります。特に私はこの問題に対して現在に至りましてはすでに相当問題が経過いたしておりますから、必ずしも運輸大臣或いは国鉄総裁責任を問うわけではありませんが、今後特にかような問題に対しては、この国鉄法の第五十四條の規定からいつても、公共の福祉を増進するためには運輸大臣が命令すら国鉄総裁に対して出し得るような規定がありますから、国鉄のごとく公共性の最も大なるものについては、運輸大臣はその重大なる機構変更等については、公共性見地より万全の監督をなすべきものと考えるのであります。尚又いわゆる産業の動脈である国鉄の本質から申しまして、経済的な関係が一番大であり、重要であるのであります。さような見地からこの問題に関しましては、先程来運輸大臣のお気持は現在のこの経過から見て、直ぐに変更ができないということをこの委員会において申されることは、なかなかむずかしいお立場にあることは了承しますが、運輸大臣のお言葉を聽いておりますと、お気持として何とか早く改正すべきものはしたい、地方の実情をよく勘案して改正すべきものは早く改正したいというお気持であると私は拝承いたすのであります。私はさような意味において質問をいたしたのであります。さような意味において将来の善処を国務大臣、並びに国鉄総裁に御要望いたしたいと思います。若しもそれですらいかんということであれば、これは他の方法で以て善処をしてやらなければならんと思う。我々運輸委員の責におきましても、さような見地から考慮いたしたいと思います。是非とも私はこの点に対して運輸大臣国鉄総裁に御善処を近い機会に是非お願いする意味において、私はこの際お願いしたいと思います。尚又私は併せて申上げたいのでありますが、かような機構の改正は、單に技術上、或いは運輸の技術上、或いは配車上、或いは営業上、さような見地のみでなくして、或いは鉄道のごときは、最も災害事故が多いのでありますから、さような見地からどうあるべきか、或いは又地方経済がどうあるべきか、それらの事情は民間のもの、又專門のものが一番よく知つておるのでありますから、さような見地につきましてこの運輸委員会であるのでありますから、かような重大な問題は国鉄内部機構変更ということにおとりにならないで、将来はもつと実質的なものを御要望いたしたいのであります。その他申上げたいのでありますが、お急ぎのようでありますから、私はこの国鉄改正に当りましては、是非さようなことを以て、大臣が御善処下さることを期待し、又確信いたしまして、質問を終りたいと思います。
  21. 前田穰

    ○前田穰君 私もこのような画期的な機構の改正をやられるについては、若しでき得るならば、参議院なり、或いは衆議院なりの運輸委員会に、予めお知らせになつて置いた方が当局者として賢明な措置ではなかつたかとかように考えるのでありますが、併しながら国有鉄道総裁責任において今日運営せられておる、その総裁責任を持つてやるんだ、こういうふうな御決心をなすつたということに関しましては、又一面大いに敬意を拂わなければならないと思う。又この縦割横割という問題は、敢えて今日始つた問題ではない、非常に古い問題だと私は考えておるそうしてなかなか歴代のこういうことに直接携つて参つた役人が、決断がなかなかできなかつた問題である。それを今日いわゆる客観的情勢もあつたでありましようが、とにかくやろうという決心をされたことについては、私はその勇気に実は敬意を拂つておるのでありますが、併しながら国有鉄道は全面的の縦割主義を採つたことはないけれども、部分的には縦割主義に似た機構を採つたことがある。即ち曾て倉庫事務に関して縦割を採つたことがある。又工場の運営に対して縦割を実行したことがある。併しながらこれはいずれも短時日の間に元通り還元されまして、決して成功の歴史ではなかつた、こういうことを感ずるのであります。さような経験を持つておられる国有鉄道が、今回断乎としてかような画期的な大改革をやられるということは、余程のこれは勇気がおありになつたのだろう、こういうことを私は信じまするが故に、殊に運輸省といたしましても、総裁意見を尊重されてこれを黙視せられたか、或いは承認せられたか知りませんが、とにかく実行なさるような段取になつている。もう一つここに管理委員会というものがあるわけでありますが、管理委員会意見に関しては今日までまだ一回も伺つていないのでありますが、これは恐らく同じ考え方で進んでおられるのであろうと思いますから、私はこの縦割主義を御実行になることに別段異議はないのでありますが、ただ縦割主義は一面において総裁もしばしば言われておるように、このいろいろな部面の最も適当な場所にそれぞれの機構を置くことができる、或いは命令が二途に出るのを防ぐといつたような非常に大きな利益がある。今日横割主義の制度において一番不便とし、又欠点とされている点が除去されるということはもうたしかにそうだと思うのです。今日横割主義といつたつて完全に横割主義が実行されているわけでなく、縦割主義的の事務の取り方が非常に沢山横割主義の現有の機構の中に入り込んでいる。これが今日の横割主義の弊害の現われの一つの事由だと思うのですが、そういう縦割主義は長所があると同時にいろいろ短所がある。すでに倉庫の仕事において、工場の仕事において十分御経験になつていると思う。これらの短所、弊害等は、十分御承知になつて、如何にすれば除去し得るかということを十分御研究になつたのだろうと思うのです。それを我々が具体的に知るのには、もつともつと非常に細かい機構の決め方、或いは事務の分掌なり、事務の取り方をやらなければ今回の縦割主義がやつていいのか、悪いのかという判断を、我々にしろと言われてもそれは無理の点がある。その点は責任者たる国有鉄道総裁に信頼するということ以外には途がないと私は思うのであります。この間も総裁自分責任者としてやるのだから、責任者意見は尊重して貰いたいといつたような意味お話がありまして、私は誠に御尤もだと考える。だからこれに対して総裁には十分に御研究になり、十分用意していろいろ整えたのであるということであれば、私はそれに信頼したい、かように考える。ただこの運輸委員会におきまして、今日までいろいろ問題になつた点を考えて見ますると、準備に足りない点がありはしないかという、こういうふうな御議論もあるのです。又たとえ実施期日としては、この八月一日という時期が果して適当なのかどうか、こういうことに対して疑問を持つておられる委員の方があるように見られるのであります。この実行の時期ということに関しまして、準備という意味と、それから八月一日という時期に対する適否の問題と、この二つの問題は、私には分らないのです。只今いろいろの小さい個々の部分につきまして、もつと改善を講ずべき点があるのではないかというお話がありまして、それらの点が、いわゆる準備が不十分だということの内容であるならば、これは或いは実行後に補完することができるかも知れない。そうでなければ縦割ということに対して、今一応の御説明を願いたいと思います。
  22. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 各委員の段々の御意見を拜聽いたしまして、誠に有難くお礼を申上げます。運輸大臣として非常に参考になつたように伺います。御意見の箇條々々は、或いは直ちにでき得るものもあります、或いは適当な時期を見て実際に移さなければならんものもあります、或いは又参考として伺つて置くものもあるのでありますが、段々の御意見は非常に当局者として益するところが多いということを一言申させて頂く次第であります。
  23. 内村清次

    内村清次君 この際私は動議を提出いたしたいと思います。その動議は一昨昨日の委員会から引続きまして、三回に亘つた本委員会におきまして、今回の国鉄機構に対しまするところ運輸大臣の御所見につきましても、又公社側の御意見についても、各委員の方々、殆んど大多数の方々の質疑によりましても、この今回の国鉄機構が、内部的には如何なる性格のものであるか、或いは又、これが如何に公共性と密接な連関があるかというような点につきましての全貌が分つたように存じます。そこにおきまして私達は、この国鉄機構の及ぼすところ影響につきまして、深甚に考えまする関係からいたしまして、成るたけこの企業の自主性考えると同時に、その自主性が直ちに公共福祉に対しまして一点の影響もなく、而も現下の輸送状態の打開につきまして、又この輸送が現在の客観情勢の逼迫いたしておりまするところ状況について、好影響を與えるような状態において、この大変革がなされなくてはならないという見地からいたしまして、次のごとき新機構に対する意見を申上げたい。こういう点を動議として御採択あらんことをお願いいたすわけでありまするが、先ず意見の案を朗読いたしますると、  日本国有鉄道は、その機構に関して、今回国有鉄道創始以来ともいうべき極めて広範囲に亘る大改正を実施せんとしておるが、元来輸送機関は、その国の経済の動脈であり、国民の足として安全、迅速、正確、利便を最高度に確保しなければならないものであり、その機構改正に当りては、国民に不安の念を抱かしめないように愼重なる計画と、完全なる準備とを必要とすることは言うまでもないことである。  然るに今回の機構改正は、その準備期間において不十分であると認められるので、内外多事の現在の国情において、輸送機関能率を保持する必要上、新機構実施には十分の準備期間を取るため当分その実施を延期するよう政府において適当の措置をとること。 以上の意見案を提案いたす次第でありまするが、これを各委員の方々の成るべく全会一致の意見といたしまして政府に提出せられるよう、委員長におきましてここに取扱をして頂けまするように特に私は希望いたす次第であります。
  24. 前田穰

    ○前田穰君 私の質問に対する答弁がまだ伺つてないです。
  25. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 過去の御経験から我々いろいろお教えを頂いて大変有難く存ずるのでありますが、今最後にお尋ねになりました時期の問題、準備の問題並びにこの八月一日は動かないものかどうかということに関しましてお答え申上げたいと思います。実は先程の内村さんのお問いにもちよつと入ると思うのでありますが、私共この準備を極秘にというお話がございましたが、決して極秘にいたしたつもりはございませんので、昨年の九月に北海道に実施して以来公明正大にこの準備をいたして参つたのであります。北海道におきましてスタートいたしましたのは九月でございましたが、その後実施後いろいろの経験から一部ずつの変更を加えて、本年の一月の十日にやや整備をいたしまして、で約半年の間北海道についてはいろいろ検討を加えて参つたわけであります。続いて四国は、従いまして四月一日から実施をいたしたのでございますが、これには北海道の経験がございましたので、極めて僅かな期間においてこの切替りを実施いたしました。その当時からすでに北海道、四国を実施するということから、試験的にするということは気紛れにやつたのではございませんので、できることなら全国的にという含みで以て検討を加えて来たわけでございますので、そこで得た経験を元といたしまして、本州、九州等においてやればどういう形になるかということを検討をして参つたわけでありまして、私はこの準備期間において不十分であるとは存じないのでございますが、何しろ鉄道は現在の仕事をやりながら切替えて行くのでありまして、これは幾ら延ばしましても、結局そこに人の異動とか切替わりになりますと、同じことになるわけです。例えば人が入つている東京鉄道局を廃止するということでございますと、これは新らしい管理局を作る場合に、そこを……まあ準備というのは施設の準備や人を揃える準備になろうと思いますが、施設はとにかく現在の基礎があるわけでございますので、主として人の準備に相成ろうかと思うのでありますが、この人の準備ということに相成りますと、どうしても現在働いている人をそこに持つて行く以外にないのです。これは如何に延ばしましても、切替のときには同じく起る問題なのであります。従いまして私共は決して現在八月一日にやるということを困難とは考えておらないのでございまして、これを先へ延ばしても同じ状態に相成るというふうに考えております。  尚この八月一日を指定いたしましたのは、これは時期として八月一日がいいというように判断いたしたせいでございますが、併しもとは、ここでまあ率直に申上げますならば、関係方面からも一日も早くという示唆を受けておりまして、この日取りもいわゆる関係方面の意向が加わつて決めたものであるということを申上げて置きたいと存ずるのであります。
  26. 前田穰

    ○前田穰君 私が八月の一日が適当であるかどうかということについてお尋ねしましたのは、鉄道が非常に大きな変革をやる場合には、或いは輸送の状況とか或いは季節とかによりまして、非常にその仕事をやるのに混乱を生ずるとか生じないとかいう関係があろうから、八月一日を特にお選びになつたのはそういつたことが如何に考慮されているか、こういう意味お尋ねしたのです。
  27. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 八月一日は一般的に旅客方面では可なり忙がしい、現業といたしましては忙がしい時期でございますが、貨物輸送等から考えますと、一年中でも比較的閑散な時期になりますし、却つて九月、十月、十一月と行く程、これは国有鉄道といたしましては輸送の最盛期を迎えるわけでもございます。従いましてこの春と秋との中間を選ぶということも多少意味があるわけでありますし、又切替える場合に例えば下半期からということにいたしますれば十月になるわけでありまするが、これはどつちかと申しますと却つて八月よりは仕事の面から見れば困難な時期に入ろうが、先程の一日も早くという気持と、実は当初八月一日ということを最初に言い出されたのは関係方面からでございますので、私共はこの八月一日を自分でよく判断して、これが最もいいかどうかということを判断の上決定いたしましたというふうに御報告申上げたいと思います。
  28. 岡田信次

    岡田信次君 もう一つは、或いは私が質問したということにおとりにならなかつたかも知れませんが、監理委員会との関係はどういうふうになつておるのですか。
  29. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 国有鉄道に関しましては、勿論運輸大臣監督権は一般的にあることは申すまでもないのでございますが、経営自体について指導並びに統制を受けているのは、国会において承認を受けて任命されておられるところの監理委員会の職権に相成つておるわけでございまして、この監理委員会に対しましては、当然に私共事前にこの方策を北海道の試験的施行から引続きまして、監理委員会の意向を十分に御理解を願いまして、そうして進んでいるということを御報告いたしたいと思います。
  30. 植竹春彦

    植竹春彦君 議事進行について。内村委員から大切な動議が提出されたのでありますが、この動議は大切な動議でありまするので、その写し——コツピーも頂きたいと思いますので、我が党の委員が会議をいたしたいと存じますので、お許しを得れば暫時休憩を願いたいと思います。
  31. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) ちよつと速記を止めて。    〔速記中止〕
  32. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 速記を始めて。それでは休憩いたします。    午後零時四分休憩    —————・—————    午後零時五十一分開会
  33. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) それでは会議を再開いたします。
  34. 山縣勝見

    ○山縣勝見君 休憩前に今回の国鉄機構に関しての答弁に関して、大臣に対して御発言申上げ、今又、御要望を申上げたのであります。尚又それに関連して国鉄総裁にも併せて御要望を申上げ、又一部御質問を申上げたのでありますが、先程大臣から岡田さんに対する、岡田さんの御発言と併せて御発言があり、御返答があつたように拜承いたしますが、この問題は非常に重大な問題でありまするし、将来日本の経済の再建という見地からも重大な問題であります。国民生活の安定という点からも非常に重大な問題であります。でありまするから、この問題をどういうふうに取扱うかということについて我々が判断いたす上から、大臣なり国鉄総裁から尚より明確に御返答を願つた上で法案の審議を続行いたしたいと思つております。
  35. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 只今山縣委員よりの御発言でありますが、先刻来運輸大臣といたしましては、その所信の大要を繰返し陳述いたした次第でありますけれども、只今改めて念を押しての御要望でありますから、簡單ながら一言にして私の趣意を申述べて御了解を得たいと考えるのであります。先刻も申上げましたように、日本国有鉄道の公団とじての在り方については、企業性公共性、この二本建によつてその独立採算制の重大な責任を果して行かなければならない使命を持つておるということをはつきり申上げて、特に最近における地方……政治経済社会各般からの立場におけるこの度の機構改革に対する御要望、全国と申すのではありません。数ケ所の県において、私、新任以来直接に地方要望に接しておるのであります。これらの状況に対しましては、特に監督官庁である運輸省として、運輸大臣として、企業性公共性とのこの見地に立つて善処いたしたいと考えるのであります。繰返して申上げますが、その善処するということは、機構というようなものは一定不変のものにあらずして、その実行上における実情に徴しては直ちに適切な修正、改変を加えるべきものである。その場所は全国的に広汎に申上げるのではなくて、今日すでに問題となつておる数ケ所の県について十分の考慮を拂いたい、善処したい、かように考えておることを申上げ、山縣君の御要望に応えたいと考えるのであります。
  36. 加賀山之雄

    説明員加賀山之雄君) 只今大臣の言われましたことは、私もそのまま同様に考えておるのでございますが、先程もむしろ減らして行くべきであるという御発言をいたしましたが、これは我々の心構えを申上げたのでありまして、経営の任に当つて、できるだけ経済的に運用をして行くというためには、機関の数も、管理に当る人員の数も、いずれもできるだけ少くして一人当りの給與をよくする、いわゆる高能率高賃金にするということがいいのだと思つておるという心構えを申上げたのでありまして、具体的に減らして行くのだということを申上げたのではないということを併せて申上げて置きたいと存ずるのであります。で、大臣の言われましたように、実施をいたします上でどうしてもこの支障機構を変えなければこの支障を取去ることができないということになり、又衆議がそうであるならば、私共といたしまして当然それに変更を加えて、いいものにして行くということが我々の義務である、こういうふうに考えております。
  37. 山縣勝見

    ○山縣勝見君 只今大臣並びに国鉄総裁からの御返答でありますが、これは従来何回もこの委員会においてこの問題が討議されましたが、初めて明確に大臣及び総裁から御返答があつた点に対しましては私は満足いたします。殊に、この公共性企業性に関して、先程御指摘を申上げた通り企業性公共性に先行するような態勢であり、或いは運営でありますことに対しましては、先程来も申されましたが、只今一も、大臣からはつきりとその点に対しては留意いたしておるという御発言であり、尚又監督官庁として、運輸大臣としてこの問題に対しては適正な制度であり、適正な運営であることに対して監督官庁としてこの点に対して善処するという御発言であります。尚又、機構一定不変のものにあらずして、その内容等に対して適切な措置をとるべきときには至急にとるべきである。尚又、その変更を加えるべき点についても、例えば、場所等においては全国的にあらずして、すでに問題になつており、大臣に対してすでにお話を申上げておるような個所については適切にして而も迅速に措置をとる、それに対して善処するという明確な御発言がありました。その通り了承いたします。尚又国鉄総裁におかれましては、数回の委員会における御発言に比して、極めて明確に御発言がありまして、只今大臣の御発言に対して全的に御了承になつておるようであります。これは従来の委員会における御発言に対しては非常に明確になつた点を多といたすのであります。殊に先程の御発言で数を少くするということは、これは一つのただ言葉の綾であつて考え方の表現であり、将来改正すべき点は速かに改正するに吝かでない、又衆議の意見も十分尊重して、改正するという御発言でありますから、只今大臣及び国鉄総裁の御発言に対しましては、もとより十分の満足はいたしませんが、現状に即して極めて近い機会に、大臣及び総裁において善処されるということを要望いたしまして、私は只今の私の質問に対する御回答を了承することにいたしたいと思います。
  38. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 今の大臣の、不変のものでないということはまあ止むを得ないと思います。世の中が変るに従つて変るということは止むを得ないと思うのでありますが、今回とにかく我々の予想するところでは、総裁の言明されたことは、どうも、もう少し金が要るように思うのでありますが、それだけにしても七億の金は現実に使うのであります。そうして機構改革をやつて行くが、そのうちに、近い将来において実状に印して変える、こういうふうなこともあるかも知らんという言明に解釈していいと思うのでありますが、そうすると、一つ大きな金を使つて相当のまあ人を動かしたり何かして、国の、公共機関を試験台に使うというふうに、まあ悪く言えば、そういう表現ができないこともないと私は思います。従いまして今回の本州及び九州におけるところ地方組織の改正というものも、北海道でやられたときのようなテストケースというふうな一つ考え方でおやりになるつもりか、それともやる以上はやはりこれだけ金も使つて世の中の問題にもなるようなことをやる以上は、やはり自信を持つて、これは先ず現在の段階において一番いい方法だというふうに考えて、私は長くそれをやるというだけの自信を持つてやらなければならんと思うのですが、まあやつて工合が悪かつたら変えるというようなふうにとれるといたしましたならば、これは一つテストケースとしてやつて見るのだというようなお考えであるかどうか、その点そういうふうに私、今の言明によつて受取つたのですが、そういうふうにお考えかどうか、大臣の御答弁を承わりたいと思います。
  39. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) 只今の御発言にお答えいたします。やつて見て悪ければ直ぐやり直す、国の大きな機関多額費用を使つてテストケースをやるつもりであるのかというようなお尋ねだつたのでありまするが、監督官庁としての運輸大臣としてこのケースを見ます場合には、国鉄総裁が全責任を持つてそのなすべき権利義務の間において確信を持つて断行するのであると信ずる、認めるのであります。全面的にテストケースであるというようなことで御議論になつて来ると、その御議論が余りに飛躍し展開し過ぎるように思うのであります。勿論人間のすることでありますから、十が十、必ず完全無欠ということはあり得ないことは、御同様に常識範囲内だと考えるのでありまするけれども、若し悪いところがあればそれは改めるに吝かでないということは、さように飛躍し展開した意味ではありませんので、全責任を持つて、最善と信じて行なつところであるけれども、若し欠点があるならばそれを改めるに吝かでないという意味が、我々監督立場にある運輸大臣としての考えであり、又当事者である国鉄総裁考えであると、かように信じておる次第であります。
  40. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 私はそういう考え方が、もう出発の前から或いは変るかも知れんというようなあやふやなことに対して反対なんです。というのは、出発のときにはもう我々は全責任を持つてやるのだ、運輸大臣としても、監督責任者として、総裁から申請が来たが……、もう初めから腰の浮いたような……どうも悪くとればとれんこともないと思います。そこで内村君の先程提出した動議ということにもなるのでありまして、今更どうもひよつとしたら危ないかも知れないと……、これはもうはつきりとれるのであります。そういうふうにひよつとしたら危ないかも知れないということに了解してよろしうございますか。
  41. 山崎猛

    国務大臣山崎猛君) それはあなたの御見解でありますが、国鉄総裁は百パーセント大丈夫なりと信じたればこそこの案を立案し、実行に着手したのである。さように監督者の立場としての運輸大臣は信じておるのであります。只今申上げたことが、あなたのお考えなつたようなふうに聞えたとすれば、私の言葉の綾がそういうふうに曖昧な印象をお與えしたかも知れませんけれども、今申上げた一点が本旨であります。
  42. 菊川孝夫

    ○菊川孝夫君 これはどうもくどいようですけれども、これははつきりして置かないと、私はちよつと延ばしてもう少し慎重に、無理の起らんようにやつた方がいいという意見を持つておるものですから、今になつて、やつて見るけれども、あとになつて折角拵えても又直すというようなことでは、全く国の機関を、公共機関を弄ぶ結果になると思うのであります。従いましてやる以上は、これはもう百パーセントの自信を持つて、これはどうしても運営しなければならんようなことに対しては、やはり相当の責任を感ずるというだけの確信を持つておやりになるのが当り前だと思う。国の金を使つて……、組合の方の僅か三億ばかりの問題について、最高裁判所に行つてまで争つて、醜い……、労働組合と当局側は争わなければならない。七億ばかりと雖も疎かに使うべきじやないと思います。どうしてもこれだけは確信を持つてやるという行き方でなければ……、今になつてどうも怪しいというふうな今大臣の言明では……、百パーセントの自信を持つてやるのだ、当分はこれで変更なく、飽くまでも既定方針で進むと、私はこういうふうに解釈しております。
  43. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 外に御意見ありませんか……  委員長としてお諮りいたしたいと思いますが、いろいろ御意見はあるようであります。あるようでありますが、大臣及び総裁の言明されたところによると、誠に誠意のある言明だと私は思います。そこで各委員の諸君の御意中は十分お察しでき、又私も諒察できるのでありますが、この程度で一つ決議などということはなさらずに、十分政府及び国鉄総裁は善処するものなりということで、その他至らざるところがありますれば、委員長において何かと大臣及び総裁に勧告或いは忠告或いは進言などをいたす用意を持つておりますが、お委せ願いたいのでありますが、如何でありましようか。
  44. 内村清次

    内村清次君 今委員長の御発言の点は、更に又影響するところ重大でありまするが、私はこの問題は先程動議に出されましたごとく、動議の内容におきましても、国鉄企業が今後独立採算を旨としまして、同時に強度な公共性、勿論これは独立採算制を旨としたところ公共性、この公共性を決して損ずることなく、而も客観情勢と即応したところの企業の進展を願うために、動議として、善意な即ち忠告として、現実の状態からいたしましたならば、又国民感情からいたしましても、又内部的におきましても、十分なる調節が取られておらないという観点につきまして、この準備の過程を少し延期して頂きたいというような動議を出したわけであります。これを私は今の総裁及び大臣の今日の委員会の最終的御答弁によつて満足し得るものではないと私は断定するが故に、私はただここに考えて置きますことは、まだ各委員の方々の御判定につきまして、手続上においていろいろの御意見もあるようであります。でこの御意見を総合いたしまして、動議の提出者といたしましては、この際動議の趣旨を今少し徹底し、而も又これを普遍的にならしむるためには、監理委員会の委員長を呼んで御聴取の機会を速かに、この委員会において割いて頂くことが一つ。次に問題はこの機構そのもののプランが決まりましても、その運営というものはすべて実際にその従事するところの従業員にあるのであります。この従事員の、即ち職務の観点から来ますところ社会福祉の程度、この点は決して企業自体として見逃すべきではない。而も又今回の組織内容につきましても、更に又は組織から来るところ管理部廃止に対し、或いは又管理局に収容せられるところの従業員の配置転換や、或いは又就業の過程におきまするところの、生活環境の変化につきましての不安状態につきまして公社と、それから労働組合というものが今の段階におきましては、何ら円満なる妥結を見ておらない、こういう点も含んで参りましたならば、速かにその労働組合との間におきまして、円満なる妥結の促進を私は一日も早く希望いたしますと共に、その労働組合が今考えておるところの、即ち業態はどういうものであるかということを当委員会といたしましても聞く必要がある問題でありますから、この労働組合の委員長乃至その他、この問題に特に関係しておる方々の或る一人でも二人でもよろしい、その人を呼んで頂いて、そうしてここで委員会におきまして、両者の意見を、その最後的に聞きまして、そして更にこの動議の問題につきまして、私は今日は保留いたしますが、そうして決してこれを撤回するの意思のないことだけは今日の段階におきましてはないということだけを皆さん方に敷衍いたしまして、私の提議といたします。
  45. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 私ここ少し健康を害して席を外しておりましたので、動議の内容について知らないのであります。極く簡單でいいですから、どういう動議かお伺いしたい。又その動議はどういう法律上の根拠によつて出ておるのかをお教え願いたいと思います。
  46. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) それではあなたのお考えをお願いいたしたいと思います。
  47. 内村清次

    内村清次君 動議の内容をそれでは朗読いたします。  日本国有鉄道は、その機構に関して、今回国有鉄道創始以来ともいうべき極めて広範囲に亘る大改正を実施せんとしておるが、元来輸送機関は、その国の経済の動脈であり、国民の足として安全、迅速、正確、利便を最高度に確保しなければならないものであり、その機構改正に当りては、国民に不安の念を抱かしめないように愼重なる計画と、完全なる準備とを必要とすることは言うまでもないことである。  然るに今回の機構改正は、その準備期間において不十分であると認められるので、内外多事の現在の国情において、輸送機関能率を保持する必要上、新機構実施には十分の準備期間を取るため当分その実施を延期するよう政府において適当の措置をとること。これが今日出しました動議の内容であります。
  48. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 その動議の法規上の根拠を教えて頂きたい。運輸委員会としての職務権限によるのであろうと思うのですが、その根拠をですね、法規的根拠を一つお教え願いたい。
  49. 内村清次

    内村清次君 私は先に前之園委員も御承知のごとく、前三ケ年の運輸委員会の委員といたしまして、石炭のカロリー低下に関して本委員会に質疑をいたしまして、そうして当局にそれを促進させるばかりでなくして、我が委員会も一体となつて、事業の運営の利便に資するような決議をいたしました。又更に陸運行政変革に対しまして、その一部が地方委讓に転換されようとするときにおきまして、やはり道路運送法を制定いたしました性質からいたしまして、やはりこれに対しましても、政府に対しまして運輸委員会といたしまして、決議をいたしました。こういうような決議そのものというものは、国民の代表といたしまして、そうしてでき得べくんば自主的行動を取りたいというので、私達はそういう根拠に基いて、今回の動議を提出したのでありまするが、併しながら、今回の問題は、これは地域的におきまして、或いは機構そのものの内容は別といたしまして、管理局その他に対するところ設置個所のあつた地域の方々におきましては、或いはこの問題に対しまして、深くこれをこの動議そのものに御賛成の御態度がない点も考えられまするが、併しながら一般的な又大局的な点から考えて見ましたときにおきまして、今後の国鉄運営というものにおきまして、すでに内容的に支障を来たしておるというような点も、私は大局的にこれを眺めまして、そうしてこの動議を提出したのでありまして、或いは賛成がない委員のお方のあることは、これは致し方ないといたしましても、大局的にこれを考えて見て、この事業が非常に円滑に、而も公共の福祉、而も又地方的の波乱をこの問題によつて幾分でも減少するようにというような考え方から動議を提出したわけであります。
  50. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 大体分りましたが、只今の動議の提出者の御意見は先例がある、こういう先例もあるのだから動議を出したのだということになるようでありますが、私の承つておるのは運輸委員会というものは国会法、参議院規則に委員会の主管事項、或いは権限というものがはつきりとなつておると思うのでありますが、国会法なり、或いは参議院規則なり、どの條項によつてお出しになつたものかということをお尋ねしたい。こういうわけです。法規上の根拠ですね。
  51. 内村清次

    内村清次君 これは今日の公報にも明らかでありますように、委員会の即ち国鉄機構の問題、即ち一つの業態の問題にもなつておるのであります。この意味におきまして、国鉄機構は国と密接なる関係があるものであるという論点からいたしまして、今動議もその観点に立つて出したのであります。
  52. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 結局法規上の根拠については分らない。立法の問題は鉄道の従業員にとつても、又国民生活にとつても大事なことであるから、この動議を出したのだ、法規上の根拠についてはよく考えていない、こういうふうに承つていいわけですか。
  53. 内村清次

    内村清次君 考えておらないということではない。
  54. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 尚根拠を明確に示して頂きたいと思います。それでないと私共は審議の上に非常に困ると思うのであります。この場でなくてもよろしうございます。いずれこれは延びましようから、私も研究しなければならん。提出者においても御研究を願いたい。次の機会にでもこういう根拠によつて提出するのだ、ということを明確に示して頂きたい。
  55. 植竹春彦

    植竹春彦君 これは提出者はこういう御意向でなかつたのでしようか。日本国有鉄道法の第五章監督というところに、第五十二條に「日本国有鉄道運輸大臣監督する。」という一條があり、第五十四條に「運輸大臣は、公共の福祉を増進するため特に必要があると認めるときは、日本国有鉄道に対し、監督上必要な命令をすることができる。」第五章の監督権に基いて国鉄機構改革のごとき、この国鉄公共性重大性に鑑みて、これに国鉄機構に重大なる変革が行われるようなときには国会重大関心を有する。従つてこの国鉄改革について国会に報告事項として上程されるその報告に対して意見を述べ、或いは希望を述べることはこれはこの国会の権限であると、そう考えられてこの意見案を出されたのではないでしようか。内村委員のお考えは如何でございますか。
  56. 前之園喜一郎

    ○前之園喜一郎君 どうですか。この問題はお互いに研究して、まだ御発言があれば私共申上げなければならないことになりますから、この次の機会にいたしましよう。
  57. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) お諮りいたします。いろいろ御議論があるようでありますが、法律上の根拠についても検討を要するという御意見もありますし、又この内村君の御要求に対しまして、監理委員会の委員長、労働組合の委員長等を証人として、又は参考人として聞いた上で態度を決すべきだという御意見もありますので、そのように委員長は計らいたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 異議ないと認めます。ここでそうなりますると、調査承認の要求を出すことになります。さよう計らいます。それでついでに申上げますが、その後証人及び参考人は月曜日午後一時の委員会にやりたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 御異議ないようでありますからさよう決定いたします。   —————————————
  60. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 次にお諮りいたします。国鉄裁定問題について労働委員会より合同審査を非公式に申入れられておりますが、これを許可することに御異議ありませんか。追つて正式には来ると思いますが、非公式ながら申入れがあるのであります。労働委員会から合同審査の要求があります。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 御異議ないようでありますからさよう計らいます。正式に参りましてから決定いたします。
  62. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 次に地方税法案につきまして前国会におきまして、当委員会意見地方行政委員会及び政府に通じて置いたことは御承知通りでありますが、然るに前国会におきましては御承知通り否決未成立に終つたのでありまして、今国会は若干の修正の上提出されました。これについて当委員会地方行政委員会と合同審査の機会を得ましたが、尚当委員会としてこれを如何ように扱いましてよろしいかお諮りいたします。
  63. 山縣勝見

    ○山縣勝見君 今回の税制改革につきましては、運輸業が一番大きな重大な関係を持つておるのであります。第七国会においても調査研究を遂げられまして、当委員会から政府及び地方行政委員会にその要望を強く出されたのでありますが、第八国会において提出されております地方税法案を検討いたし、又最近その修正案等について検討しておりますがいずれも本国会に提出されております法案並びに伝えられておりまする修正法案に関しましては、運輸業に関しましては我々がかねて要望いたしておりまする点についての修正が殆んどありません。この地方税法案におきましては他の産業、他の部門におきましていろいろな問題がありまするけれども、たびたび申しておりまするが運輸業に対しましては最も重大な問題がありますから本委員会におきましては、この際更に修正案を検討して委員会の議をまとめまして地方行政委員会及び政府関係等にその意思を表示いたしたいと思います。この点を委員長においてお諮りを願いたいと思います。
  64. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 只今山縣君の御意見通りこの問題は非常に関係が厚い個所が多いと思います。又いろいろな点がありますので、この問題に対して各党の方から代表的な主査と申すようなものを出して頂きまして検討を加えて見たいとこう思います。そこでこの主査と申しまするか、專任にお願いを申上げたい方をお示しを申上げたいと思います。緑風会の村上さん、山縣さん、小泉さんこの御三方にお願いしたいと思います。異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  65. 佐々木鹿藏

    ○委員長(佐々木鹿藏君) 御苦労様でございますが、どうかお願いを申上げます。それでは只今申上げた通り次の委員会は月曜日午後一時に開会をいたします。誠に長時間有難うございました。これで閉会いたします。    午後一時二十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     佐々木鹿藏君    理事            植竹 春彦君            小泉 秀吉君    委員            岡田 信次君            山縣 勝見君            内村 清次君            菊川 孝夫君            小酒井義男君            前田  穰君            村上 義一君           前之園喜一郎君            松浦 定義君            鈴木 清一君   国務大臣    運 輸 大 臣 山崎  猛君   政府委員    運輸省鉄道監督    局長      足羽 則之君   説明員    日本国有鉄道総    裁       加賀山之雄君