運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-11-20 第8回国会 衆議院 郵政委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月二十日(月曜日)     午後二時二十七分開議  出席委員    委員長 池田正之輔君    理事 飯塚 定輔君 理事 風間 啓吉君    理事 白井 佐吉君 理事 吉田  安君       石原  登君    高木 松吉君       高橋 權六君    玉置  實君       坪川 信三君    降旗 徳弥君       山本 久雄君    土井 直作君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 田村 文吉君  委員外出席者         郵政事務次官  大野 勝三君         郵政事務官         (大臣官房文書         課長)     大塚  茂君         郵政事務官         (大臣官房人事         部長)     松井 一郎君         郵政事務官         (郵務局長)  浦島喜久衞君         郵政事務官         (貯金局長)  白根 玉喜君         郵政事務官         (簡易保險局         長)      金丸 徳重君         郵政事務官         (経理局主計課         長)      佐方 信博君     ————————————— 七月二十九日  委員深澤義守辞任につき、その補欠として川  上貫一君が議長指名委員に選任された。 同月三十日  委員高橋權六君及び玉置實辞任につき、その  補欠として小澤佐重喜君及び今村長太郎君が議  長の指名委員に選任された。 同月三十一日  委員小澤佐重喜君、今村長太郎君及び川上貫一  君辞任につき、その補欠として高橋權六君、玉  置實君及び深澤義守君が議長指名委員に選  任された。 八月十六日  委員深澤義守辞任につき、その補欠として木  村榮君が議長指名委員に選任された。 八月二十七日  委員大和田義榮君は死去された。 九月十二日  委員高田弥市君及び木村榮辞任につき、その  補欠として山本久雄君及び深澤義守君が議長の  指名委員に選任された。 同月十三日  委員深澤義守辞任につき、その補欠として木  村榮君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 七月三十一日  郵便料金及び特定郵便局制度に関する件  簡易生命保險郵便年金積立金運用再開に関  する件 の閉会審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  派遣委員調査報告聽取     —————————————
  2. 池田正之輔

    池田委員長 これより委員会を開会いたします。  議事に入ります前に御報告を申し上げます。ご承知の通り委員会委員でありました大和田義榮君は、去る八月二十七日不幸病のために逝去いたされました。まことに哀悼の至りにたえません。同君は第五回国会以来逓信委員、また国会法改正により本郵政委員として、多年の経験に基き、着実な研鑚の道を進んでおられたのでありまして、その誠実にしてかつ才能を誇らざる同君の風貌は、いまなお同僚たる委員諸君脳裡にほうふつたるものがあることと存じます。同君はほとんど委員会を休まれたこともないのでありまして、今後永久に同君の姿をこの席に見出すことのできなくなりましたことに対しましては、われわれといたしましてまことにさびしく、また痛惜にたえません。ここに大和田君の長逝に対しまして、本委員会といたしましても深く哀悼の意を表したいと思う次第であります。  それではこれより議事に入ります。去る七月三十一日、郵便料金及び特定郵便局制度に関する件、及び簡易生命保險郵便年金積立金運用再開に関する両件について、閉会中もなおこれを審査することに決しました。つきましては、これら両件の審査方法といたしまして、北海道地方、関東、東北地方中部地方、近畿、四国地方及び中国、九州地方の五地方に、特定長会廃止に伴う特定郵便局制度検討及び郵便料金調整、その他事業経営合理化につき、また簡易生命保險郵便年金積立金運用方法に関する各地の要望を聽取し、おのおのその対策樹立する目的で、委員を派遣いたしたのでありますが、このたび各委員には現地を詳細に調査いたして参つたようでございますので、これよりその調査報告を聽取いたしたいと存じます。なお報告の順序は、各班長等の都合によりまして、多少変更があるかと存じますが、あらかじめ御了解を願つておきます。  それでは第一班の白井君。
  3. 白井佐吉

    白井委員 ただいま委員長の御指名に基きまして、私ども第一班として北海道地方視察いたしました。その経過並びに内容等について御報告申し上げたいと存じます。この御報告は、その全部にわたつて十二分に盡し得ておるかどうかは、自分ながらいささか不安に感じておる次第でありますが、その詳細はまたプリントその他の方法によりまして提示いたしたいと存じますので、ただいまはその要点等につきまして御報告申し上げたいと存じます。  まず第一に、特定局長会廃止についての問題でありますが、特定局長会が相当の歴史を有しておりますことは言をまちません。すなわち逓信局特定局との中間にありまして、その所属の郵便局業務指導成績向上に努め、通信事業経済的運営や、また事業の全体的発展のために貢献するところはすこぶる大であつたのでありますが、今回の廃止によりまして、人員あるいは物、あるいは経費の点より見ましても、またその他あらゆる面から考えまして、その事業成績向上の点より、はなはだ遺憾の点が多いと思われたのでございます。しかして廃止された今日、その善後策を講じて、事業発展を阻害してはならないと思う次第でございます。  その対策として考えられる事柄は、まず第一に統轄指導局の設置であります。特定局長会廃止後は、今までそのつかさどつておりましたところの事務をいかに分散し、いかに効果を上げるかは問題であると思うのであります。いずれにしましても郵政局は直接に、交通不便な山間僻陬局や、また小さい無集配局まで、目を届かせることができないことはもちろんであります。すなわち監察制度の確立によりまして、監察官を十分活動せしめれば、ある程度まで補われるかもしれませんが、一年に一度も全管内の局に臨局できない今日、これには多大の期待はかけられない実情であろうと存じます。結局今までの局長会、部会を單位として、新たなる統轄指導局を設けて、これを補うよりほかはないと思われるのであります。  次に、普通局特定局区別は、不用であろうと思うのであります。元来普通局、前の一、二等局でありますが、政府直轄局であり、局舎はもとより経費従事員、全部国の直轄であるが、特定局地方名望家を必要とし、これに請負わしめて、その危險負担において、またその手腕により、事業経営をまかしておつたのでありますが、次第に形がかわつて従事員の任命や、給料を国の直轄にし、ことに終戰後労働攻勢の重圧に耐えかね、遂に実質的には制度をまつたく変形して、人件費物件費はもとより、局舎料まで、あげて国の直轄となり、特定局とは名のみにとどまり、特定局欠点は是正されたけれども経費が増大するとともに、他面特定局請負制度のよい面がなくなつたと申さねばなりません。従つて局長会廃止された以上、普通局特定局と、有名無実区別をする必要はごうもなく、すべては御破算にして、局の收支定員数等を標準とし、等級をつけ、能率によつて局等級局長の昇級を考慮する等、根本的に改正する必要があると思うのであります。  次に、小局請負制度実施であります。郵政事業は、公益性はきわめて強い事業でありますが、また独立採算制に立つているので、公益性一本やりでも行かず、ある程度は協調点がなければならぬわけであります。従つて交通不便ないなか郵便局は、定員二名ぐらいで請負制度とし、勤務時間四十四時間等で縛ることなく、現在の簡易郵便局制度と合併し、法律を改正して、契約者公共団体のみならず、個人をも認めるようにすべきと思われるのであります。  右三点をあげて、制度改正参考としたいと思います。  次には、簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する地方要望でございます。北海道庁内等地方自治団体等資金需要者側希望であります。現地地方資金は、預金部單一窓口から出されておるため、独占的色彩が強いから、将来は利用者の意思によつて、自由に融通先を選定できるようにしたいこと。二は、預金部資金の実例にかんがみ、申込み書類その他諾手続簡素化を望むこと。三、預金部資金正式融通まで一年近くもかかるが、郵政省では極力早期に融資が完了できるようにしてほしいこと。四、起債許可わく外においても、地方資金としてできるだけ多額簡易生命保險郵便年金積立金を還元して、実質的には地方債わくの拡大をはかること。五は、地方自治団体のみならず、農業協同組合漁業協同組合、その他中小工業団体等に対しても直接融通の道を開き、地方産業開発に幅の広い融資分野を持たせること。六、北海道はいまだ開拓の途上にあつて諸費源開発するため、必ずしも生産に正比例しがたい状態であり、多額資金を必要とする特殊事情があるので、簡易生命保險郵便年金積立金融資についても、その加入成績のみにとらわれることなく、本州の府県に比し、高度の地方還元実施するよう特別の配慮が望ましいこと。以上であります。  次は札幌郵政局側希望でございますが、一、地方自治団体等資金需要者側要望に沿い、申込み手続簡素化融通迅速化を実行するため、郵政審議会及び郵政省においては運用の大綱を決定するにとどめ、地方郵政局長にできる限り大幅の権限を委譲されたいこと。二、融通先個々可否決定は、募集維持等現場事務と密接な関係があるから、中央においてこれを決定することを避け、地元の実情を参酌して地方機関において決定すること。三、その他地方自治団体側要望各項目を実現することは、札幌郵政局側としても希望する。  結論運用再開に際しましては、従来預金部において一元的に運用していたときにおける諸欠点を除かねばならぬが、逓信省においてかつて運用していた場合における欠点を是正し、くふうをこらして、保險事業発展に表裏すべき地方産業文化発展のため、左記事項検討して善処すべきである。地方還元の幅は、その地方成績により自動的に増加すること。地方郵政局長及び郵便局長へ限度を示し、貸付の権限を與えること。手続簡易にし、融通を迅速にすること。融通団体範囲を拡張すること。終戰以来保險及び年金事業発展のがんとなつていた積立金運用が、郵政省の手で再開されるように解決すれば、地方文化開発と相呼応して、事業発展のため、ぜひともこの運用理想的最高度に効率をあげる制度に活用しなければならない。  三、郵便料金調整その他事業経営合理化について。郵便に関する收支につき、札幌郵政局管内全部を集計すると、收入十億八千万円、支出二十六億三千万円で、差引十五億五千万円の赤字で、收入の倍以上の経費がいる。これは北海道地域が広大なのにかかわらず入口は稀薄で、一局当り面積東京の十五平方キロ、大阪の十四平方キロ、名古屋の十九平方キロに比較して、北海道は七十四平方キロである。人口にしても、一局当り東京の七千五百人、大阪の六千人に比較して、北海道は三千九百人であり、同じ施設をしても利用者が少い結果、收入が上らないのである。主要及び普通局を比較しても、札幌郵便局のみが收益があり、他局は全部赤字である。ことに山間僻陬局になると、二倍以上の経費を要する局はざらにあるのであつて、表によると、十二倍の経費を要する局も見受けられるのである。従つて北海道独立採算制実施するとすれば、とうてい收支バランスがとれないわけである。  今参考までに全国郵政局收支状況を調べてみると、黒字は東京大阪名古屋の三郵政局のみで、残りの七つの郵政局はいづれも赤字で、札幌はさすが地域が広いだけあつて最も大なる赤字を示している。  増收対策節約方法も、別紙報告書通り相当努力していることがうかがわれる。従つて右のごとき赤字はやむを得ないもので、郵政局としては、努力したがこれ以上やれないというところまで来ているようである。  さらに詳しく利用状況を調べてみると、郵便料金値上げ後は、前に比して、第一種書状を除いてはいずれも増加している。ことに第二種、はがきが特に増加しているのは、料金が倍加した書状より、すえ置きのはがきに移行したためであると考えられる。  通常郵便物引受け方面から考察すると、一人当りの差出数は、北海道は年四十二通で、全国平均一人当り二十八通に比較すれば上まわつているのはおもしろい現象で、利用率は多いが、地域の広いことはコスト高を来しているのである。  次に、配達方面から考察すると、普通局市外配達郵便の中に、第三種郵便物日刊新聞が三五%もある。普通局でさえこれぐらいあるのであるから、特定局至つてはますます多く、普通局室蘭郵便局でさえ、三里の道を日刊新聞のために單独配達しているわけで、北海道郵便新聞配達言つてもよいほどで、百グラム八十銭ではいかに郵便事業收支償わず、赤字で苦しんでいるかがわかるのである。結論として、現行郵便料金適否に触れてみよう。第一種郵便物料金は昨年五月値上げしたばかりで、一般物価と大体均衡がとれているからこのままでよいが、第二種の郵便料金は、昨年一般郵便料金引上げの際二円にすえ置かれたため、従来の書状利用者は安いはがき利用に移行したから激増している。わが国郵便料金の沿革から見ても、長年にわたりはがき書状半額制を採用していたし、また万国郵便條約においても、料金最高限書状二十サンチームに対してはがき十二サンチームと規定しており、現行わが国外国郵便料金も、書状二十四円に対してはがき十四円で、はがき書状の半額以上に規定している。はがき利用増加は喜ぶべきであるが、料金以上のコストがかかるので、赤字予算脳む郵便事業としてこの際はがき料金を値上げして書状バランスをとり、赤字予算を克服しなければならぬと思う。第三、第三郵便物料金、第三種郵便物認可條件を規定に基いておる関係上、ただちに大多数の国民を対象とした政治、経済文化、その他公共的な事項を報道論議するもののみとするわけには行かず、従つて特別に保護しなければならぬ理由も薄弱なものが相当数あるので、これが認可範囲の大幅な縮小をする必要がある。なお現在等刊新聞官報発行人または売りさばき人から差出されるものの料金は、百グラムまで八十銭という低料金をもつて取扱つているが、この料金は常識的に考えて低きに過ぎており、国民文化向上をはかる上に必要やむを得ないとするならば、この料金差額一般会計より繰入れるべきで、赤字郵政会計負担させることは妥当ではない。第四、第五種郵便物料金、第五種便局物の低料制度は、勧農の意味から、おもに農家個人負担軽減をはかるために設けられたのであるが、社会経済事情推移に伴い、現在は特定の業者間に送受せられるものが大多数となつており、また農家個人のもつについても、農家のみに特別な利益を與え、それらのために郵政省赤字経営をしなければならない理由はないから、第五種郵便制度廃止し、小包郵便として差出させるか、あるいは第五種郵便制度を存続するならば、相当値上げするを妥当と思う。  次に要望事項でありますが、この要望事項は最も私ども脳裡に深刻に響いた問題でありますから、この旨を付言して御報告申し上げます。北海道開発計画に呼応して、通信施設拡充計画をなし、国土開発に協力すること。市内郵便取扱いを復活して、官公署、大商店等の使送を郵便局へ吸收すること。航空郵便取扱い開始をして、遠距離あて郵便物の速達をはかること。冬季郵便集配運送対策として、スキーその他積雪地方に不可欠な防寒用具等の整備をなし、冬季積雪時に能率の低下せざるよう施設すること。鉄値郵便車両を整備し、積雪地方従事員労苦緩和施設をなすこと。臨時逓送雪踏み人夫の冬季割増額を増加し、採用に対する障害を除き、事業運行遅延を救うこと、給與ベース人事院勧告通り引上げて、従事員困窮状態から救うこと。石炭手当トン当り五千円、平均三・五トン計一万七千五百円に引上げ、早期支給すること。郵政事業に即応した特別な職階制樹立すること。  最後に提案事項を申し上げます。郵便局庁舎新築計画樹立について。通信事業公衆が最も効率的に利用のできる繁華街に、最も能率的なサービス提供のできる局舎が必要である。札幌函館小樽等局舎を見ると、四十余年前にこれらの局舎を建設した当時は、上述のごとき気魄に満ちていたことが察せられるのであつて函館局のごときは、いなかよりわざわざ局舎の見物に来たほどであつた。しかるに今日は裏町通りに老朽の姿をさらしており、今昔の感にたえぬものがある。上述都市繁華街には、各銀行、各保險会社建物が堂々と軒を連ねて建設されておるのを見ると、郵便局舎もまた都市繁華街に進出することの絶対必要なることを痛感せざるを得ない。アメリカを初め諸外国の例を見ても、郵便局舎はその都市の有数の建物として偉容を現わし、ここにアメリカにおいては郵便局舎には、政府出先機関が幾つも置かれて、総合官庁の観を呈し、いかに郵便局舎国民の目に映ることの偉大なるか、推察のできることである。この際全国都市郵便局舎を詳細調査し、ここに五箇年ないし十箇年計画をもつて全国都市郵便局舎をその繁華街に進出せしめ、新時代に処する最も能率的なサービス公衆提供をなすことが必要である。ここに左記のごとき方面より計画資金を得て、郵便局庁舎新築計画樹立を提唱する。計画資金、一、見返り資金、二、公債募集、三、民間資本あるいは郵便局庁舎建設公社。  以上をもつて北海道方面の御報告を終ります。
  4. 池田正之輔

    池田委員長 次に第二班飯塚
  5. 飯塚定輔

    飯塚委員 今回の国勢調査につきまして第二班は日数その他の関係上、主として東北地方視察行つたのでありますが、調査内容及びこれに対する所見の詳細は、別に印刷の上御配付することになつておる視察報告書によつて御承知願うことにいたしまして、私からはその概略について、ごくかいつまんで御報告することにいたしたいと思います。  承認を受けました調査事項はやや広汎にわたりますので、特定郵便局制度に関しましては、目下問題となつている特定局長廃止の影響並びにその対策についてもつぱら調査を行い、その他保險及び年金の両積立金運用に関しては、現在までの積立金放資状況調査して従前事業主体たる郵政省がみずから積立金運用していた時代の実体を明らかにするほか、運用再開に関連して、地方側要望するところをただし、事業経営合理化に関しては、郵便料金値上げの要否を判定する資料として、現行郵便料金適否郵便物利用状況等調査し、またこれに関連して、現業局收支状況につき、多方面より検討を加えましたほか、これが付随事項として、従事員待遇状況にも調査を進め、あわせて広く各事項にわたる要望の声を聽取いたしたのであります。  まず特定局長会廃止についてでありますが、右制度に関しては、特定局長側並びにその監理者側、双方の事実上の必要に基き、五十数年にわたる長い歴史の間に、現体制が漸次確立さるるに至つた経緯にかんがみ、いまや全事業の中心的不可欠の存在となつ右制度廃止すること、及び右度制廃止に伴う機構の空白を補充するために、郵政省の現にとらんとしている方策については、ともに幾多の疑点が存し、今後における事業運営推移については、嚴重監視の要あることが痛感されたのであります。  次に、事業経営合理化でありますが、まず第一に各局收支状況、特に郵便関係について申し上げます。  仙台管内は、一口に言つて土地が広大で、その割に通信施設が少いといわれていますが、管内面積全国郵便局中、札幌に次いで第二位を占め、全国平均の約一・八倍、管内郵便局の一局当り面積全国平均の一・五倍に当つており、まさに全面積の広大さと郵便局分布状態の劣性を示していますが、一人当り通信力及び一局当り取扱い総数は、全国平均とほぼ同数になつていて、通信需要量を基準に置くときは、決して局数が少いとは言えないのであります。これと同時に、わが国通信機関普及状態標準型として、その收支状態は好箇の資料となると思うのであります。  さて両省分離以来の各局收支状況を見ますと、支出收入に対する指数は、普通局において一六七、特定局において九〇であつて、これを東京管内と比較するとき、事業経営体としての特定局合理性とともに、その従業員給與について改善の余地の多きことの暗示を受ける一面、当管内にあつては、一、通信力が低く、かつその都市集中化がはなはだしくないこと、二、土地の広大が事業收支を悪化していること、三、特定局普通局に対する比率が他管内に比し大きいこと等の特性が、收支面に強く反映していることが看取できたのであります。なお簡易郵便局及び無集配特定局、なかんずく小局收支性右小局請負化適否等については、報告書について詳細ごらん願いたいのであります。  第二に、増收対策及び節約方法に関しましては、ここに特に申し上げるほどのことはございません。ただ現在郵政赤字が、もつぱら戰前利用量に回復できないことに主たる原因を有するのに、当管内にあつては、すでに戰前の九五%程度に回復しておりますので、他管内と同様の方法増收をはかることは、きわめて困難であることを指摘するにとどめたいと思います。  第三に、現行郵便料金適否でありますが、現下諸情勢下にあつて独立採算上厖大な事業收支赤字を擁する郵政事業において、事業経営合理化をはかるためには、極力冗費の節約に努めるのほか、現行料金適否検討し、真に合理的な料金体系を確立する必要のあることは申すまでもないところであります。これがためには嚴密な原価計算を必要とする次第でありますが、このような根本問題には触れず、ただ郵便物取扱いの実際面における体験からも、第一種、第二種料金間のアンバランス、第三種郵便物には事業負担の著しく不当と思われるもののあること、現行小包料金制度に対しては根本的検討を加える必要のあること等を、特に痛感いたしたのであります。そもそも現行料金は、もつぱら通信事業特別会計制度実施以前の所産で、爾来若干の改正を経ておりますが、手数料主義とともに社会政策的色彩を濃厚に反映し、現行制度上、特に独立採算の見地からは、相当批判の余地のあることは明らかであると同時に、原価計算的立場のみによつてその当否を決定せんとすること、及びその漫然その都度の赤字一般会計からの受入れに仰いで、收入の帳じりを符合せしめることは、ともに理論上からも実行上からも、きわめて疑義の存するところであると申さねばなりません。郵政料金恒久性に対する一般国民の信頼は、料金決定上の最高要請であつて事業経営者はよろしく、郵務行政に対する国家的要請事業採算総合的観点につき、確固不動の見解と方針を確立し、この基盤に立つて事業経営上の赤字の真の原因を究明しその合理化をはかる要あることを、この際特に指摘いたしたいのであります。  次に従業員待遇関係でありますが、右給與の実際から見て、べース・アツプの必要なことはあらためて申し上げる必要もありません。ここで特に指摘したいことは、給與体系についてであります。現業企業体として郵政省に対し、これとまつたく性質を異にする他官庁とともに、画一的に同一の給與体系法規が適用されている不合理性については、多言を要しないところであります。電通職員との給與アンバランス超過勤務手当の不拂い問題、給與の頭打ちに問題等、幾多従業員勤労意欲向上を阻止し、事業進展上に暗影を投じている諸問題については、従来たびたび政府当局の答弁を見ている次第でありますが、これらの多くの場合は、現業の実際に忠実な発言とは申しにくく、当委員会においても真に納得するに至つていない場合が少くないのでありまして、勤労意欲向上を真に確保する給與体系樹立は、喫緊の要務と申さねばなりません。右に関し定員関係も同様の関係に立つもので、常に事業の増進に伴い、事務量に変化を生ずる現業事業に対し、他の一般行政官庁と同一の前提に立つ画一的な定員法を押しつけているのは、きわめて不合理であります。郵政事業のように、事業收入事業の幅によつて自動的に定まるところにあつては、一定の收入を最も効率的に使用するのが、最高無二の要請であつて、事情を異にする一般官庁との振合い的おつき合いによつて、不必要かつ有害な制肘を受けねばならぬ理由は、発見するに苦しむところであります。右は定員関係のみならず、一般に予算の編成、実行についても問題であつて事業主体が、政府であると公共企業体であるとによつて、等差をつけるべき筋合いでなく、事業の真に要請する予算体系の確立こそ、事業経営合理化上最も望ましい不可欠の基本的要件というべく、右の樹立に並行または随伴して、初めて上述諸般の根本問題は、その解決を見るに至ることを確信するものであります。  以上のほかに要望事項もありますが、これらはすべて報告書に讓り、簡單ながら以上をもつて私の報告を終りたいと思います。
  6. 池田正之輔

    池田委員長 第三班の石原君。
  7. 石原登

    ○石原(登)委員 私は同僚議員と名古屋、長野、金沢三管内をまわつたわけでございます。私どもは出発に先だちまして、従来国会の国政調査が、非常に権威がないというたうな風評を聞かされておりましたので、今度は是が非でも、国会の権威にかけてもしつかりした国政調査を行おうというような申合せをいたしまして、初めからきわめて緊張した気持で出かけたわけでございます。私どもがまず心配をいたしましたものは、先ほど申しました国会調査は権威がない、こういうような空気が郵政部内にもありはしないか、従つてそういうような空気が、われわれの調査に対しても相当浮薄な態度で臨まれるのじやないかというような面も、実は危惧いたしたわけでありましたが、私どもが参りましたこの三管内におきましては、私どものこの調査にたいへんな期待を持たれまして、また心からなる協力を寄せられたことに対しましては、非常に安心をいたしますとともに、国会の権威が郵政省を通じて国民にも浸透しつつあるという、この実情を見ましてきわめて満足をいたしたような次第でございます。委員会から示されました調査事項は、非常に各方面にわたつておりまして、たいへんな問題でありましたが、何分にも日数が少いために、これを全部つまびらかにすることはできませんでしたが、それても相当の調査をなし得たと確信をいたしております。詳しいことは報告書によりまして提出いたすことにいたしますが、本日はその中で特に申し上げておきたいという申だけを摘出いたしまして、御報告を申し上げたいと存じます。幸いにいたしまして本日は政府当局も、各幹部おそろいいただいておりまするので、ぜひ私どもが実際に見聞いたしました事柄につきましては、十分御検討を願いまして少しも早い機会において改善できるように、特に要望を申し上げたい次第でございます。  第一番に考えましたことは、終戰後最も混乱いたしましたところの郵政従業員が、いち早く立ち直りまして、これではいけない、何とかして早く元の郵政事業に返らなくてはならないというような、非常に真摯な努力の跡が見受けられたことであります。このことは本省の幹部各位が、あのような事態にあつたにもかかわらず、その後事態はきわめてうまく收拾されまして、今日の状態に復させられたという、この努力に対しては衷心から敬意を表したい、かよりに考えているわけでございます。ただ私はかねてから考えておつたのでありますが、また今回の調査はそういうような趣旨に基いて、他の議員とも御相談して行つて来たのでありますが、大体において私どもは中央の幹部の方々の意見は、委員会その他の機会を通じて、割合に知ることができるわけであります。また地方の幹部の方々の意見もまた、中央の幹部の方々を通じて相当聞ける。だからわれわれは常に自分たちの意見を、何とかして郵政事業に反映させたい、こういう貴重な意見を持つておられる方々が、どうしてもその機会が與えられなかつた。そういう人の意見を聞くことに努力をいたしました。従いましてたとえて申しますならば、第一線に活動しておりまするところの郵便集配人の諸君の御参集を願つて、その第一線の苦労を聞いて参りました。あるいは保險の募集員のお集りを願いまして、その苦心談も聞いて参りました。こういうことで私どもはおもに、ほんとうに第一線で働いていらつしやる方々の言い分を聞きました。それに基いてこれを指導していらつしやる方々の、いわゆる幹部の方々の意見も同様お聞きしたわけであります。これは私どもかねてから、郵政事業は現業第一主義である、現業がしつかりとしない限りは、いくら中央でどのように旗を振つても、この事業の運営がうまく行かない、こういうことを考えたからでございまして、こういう面からの調査は、私は相当の成果を上げられたのではないかと考えて参つたのであります。  まず私が申し上げたいことは、これは特に政府においてもお考え願いたいのでありますが、従来日本の官庁の機構が、中央集権的に流れておりまする関係上、担当の者が中央に一度参らないと、どうしても物事の事態の解決ができない。これがために非常に物事の臨機応変な処置ができないというようなうらみがございます。これはひとり郵政事業だけでなしに、各官庁にそういうような弊が見られるのでございますけれども、これはどうしても改めてもらわなくてはいけない。特に第一線主義を主張しておりまするところの郵政省が、もちろん地方の事情はいろいろな問題によつて取上げられると、私は確信はいたすのでございますけれども、中央で旗を振つて、その通りに動かすということは、きわめて危險ではないか、そこで私どもが特に感じましたことは、地方の第一線の指導者は、もつと具体的に申しますならば、あるいは郵政監察局長、こういうような人に大幅に権限委譲をする必要があるのではないかと考えて参りました。  それはどういうことかと具体的に申しますと、実は郵政收入を増加するために、一つの問題を私は提起いたしたわけであります。それはひとつ郵政省で新聞の配達業務を行うことになれば、相当の收益が上るのじやないか。ある郵政監察局長さんに、ひとつあなたの権限に基いて、どこか特定の局を選んで、県を選んで実施して見てくれませんか、その結果よかつたならば、全国的に実施してみたいものだということを相談してみたところが、そういうようなことをやるには、どうしても本省の了解が得られなかつたのではできない。またそのほかにいろいろな企画につきましても、あるいはいろいろな施策についても、中央の許可が必要である。こういうようなことで、実は郵政局長さん、あるいは部長さん方で、相当傾聽すべき意見を持つておられるにかかわらず、それが実施できない。まして課長、係長においては、まつたく中央からの文書の指令に基いて、その指令を忠実に実行することのみに汲々としている。これはあまりにも言い過ぎかもわかりませんが、そういうような事態が見受けられるわけでございます。従いまして、その仕事を行います限わにおきましては、あるいはその人の仕事としての責任は、完全になし遂げられたであろうと思いますが、それが地方的な実情に即しているかどうかという問題になりますならば、これは大きな問題があるのじやないか。一例をあげて申しますと、郵便局舎をつくる。これもずつと中央から局舎の設計とか何とかいうものは、一律に一つの規格みたいなものができている。それがために寒暖とか、あるいはその土地に即したところの地方の風潮というようなものが取入れられてないために、能率が上らないだけでなしに、従業員の健康その他にも相当大きな影響があるように見受けられたわけでございます。そういうわけで郵便局長に相当大幅に権限を委譲いたしまして、また第一線の意見を聞き取ることをいたしますならば、相当効果が上げられるのじやないかと思うわけであります。先般何かの雑誌だつたと思いますが、中村経理局長アメリカに行かれまして、アメリカのサゼスチヨン・システムが非常にりつぱであつたということを発表されておつたようでございます。私もこれはまつたく同感でありまして、ああいう制度を日本の場合にも取入れられるならば、おそらく全從業員の諸君が奮い立つて、業務の運営に貢献するところの努力をいたすだろうというようなことを考えて参つたわけでございます。  こういうような一つの行き方というものは、実は予算のつくり方にも影響があるようでございます。私はこの予算のやり方つきましても、いろいろ御相談したのでありましたが、今の予算の組み方を見ていると、どうも中央で前年度の実情を考えられて、それに基いてつくつておられる。従いまして、地方事業計画というものが取入れられてないとは、もちろん私は申さないのでありますけれども、その時々に応じた、すなわち事業計画に基いての予算ではないのではないか。たとえばここに郵便局舎をつくる、あるいはここにどういうような事業をやると、これだけ收益が上り、これだけ支出がある。しかしながら全体としたらこれだけの收入があるのだ。こういうような地方々々のいわゆる事業計画に基いての、全体の国家予算というものが、組まれてないのじやないかというようなことを、特に痛感いたして参りました。こういう点も、どうかひとつお聞き置きが願いたいわけでございます。  もう一つは、私は非常に案じておつたのでありますが、郵政従業員は決して退嬰的な従業員でないということを、はつきりと知つて参りました。従来私の経験からいたしましても、郵政従業員は上司にものを申すということを、非常に遠慮しておつたというふうに私は考えておつたのでありましたが、今回の調査によりますと、決してそうじやない。何か機会があるならば、自分たちの意見をぜひ聞いてもらいたい。こういうような熱烈な意見を持つてつたようでございます、ただそれを上申する機会がどうしても與えられない。そうしてたまたま自分の係長とか、あるいは課長とか、あるいは部長に、そういうような意見を言う機会があつても、どうもそれを無視されるというような傾向が多いのでございます。まず係長が課長に、それから課長が部長にというような順序でありまして、係長はいきなり局長に自分の意見を言う、あるいは部長に言う、そういうようなことが全然行われていないようでございます。これがために直接の上司が、そういう意見があつたにかかわらず、それをどうしてもうまく取次いでくれない。ここのところに相当従業員に不満があつたように見受けられたわけでございます。こういう点につきましても、本省の方からひとつ積極的にこういり意見を取上げる、善悪は別でございますが、意見を取上げる。そして積極的な郵政従業員を養成する。こういう面にどうか御留意が願いたい、かように考えて参つたような次第でございます。  それからこういうような地方権限の問題につきましては、物を買うにいたしましても同じようなことでございます。たとえば支給されております被服なんかも、ほとんど中央で買う。あるいは自転車なども中央で買う。ところが自転車とか被服は、必ずしも全面的に同じものでいいというわけに行かないようでございます。たとえば九州あたりでは、自転車のブレーキはコースターのブレーキであるこつちは手のブレーキであるこれも簡單なようですが、非常に能率に影響する。それから従業員の着ております被服にいたしましても、山形で着るものと、大阪あるいは九州の福岡で着るものと、決して同じであつてはいけないはずであつて、その土地々々に相当適合するようなものをつくつてやるべきであつて、そのためには地方で調弁することが最も必要である、かように考えて参りました。この地方で調弁することは、そういう地方に即したものをつくるというだけでなしに、その地方々々にあるこういう官署が、経済的に地方人と非常に密接な関係を持ちます関係上、相当事業を運営して行く上において便利な点が幾多出て来ようかというようなことも、考えて参つたようなわけでございます。どうかこういう点はお考えくださいまして、地方の者ももつと仕事がしやすいように、ぜひ御配慮願いたいわけであります。  次にもう一つ、先ほど申しました人の問題でありますが、これは事業運営について人の配置が最も重大であることは、申すまでもないわけでございます。私は実はそういう趣旨も考えまして、各地方郵政局あるいは監察局の幹部の方々とは、またできるだけお目にかかりまして、いろいろ意見も聞いて参りました。幸いにいたしまして、きわめて優秀な方々が、しかも第一線で働いていてくださることは、まことに喜びにたえなかつたのでありますが、今度はその中には、一つのからの中に入られたために、もうまつたく考え方がコンクリートになつてしまつた。そういうことで、四十年ないし五十年来やつて参りましたところの事業に対する考え方が、今日の事業運営と相当隔たりがあるにかかわらず、やはり従前通りの考え方でやつている実例があるのであります。まず大ざつぱに考えましても、郵政事業独立採算制を強要されまして、これは純然たる事業体になつたにかかわらず、その運営の中にまだまだかつてのいわゆる社会に対する奉仕体、サービス事業としての形が残つております。先ほども飯塚議員あるいは白井議員から、たびたび言われたのでありましたが、事業運営がどうも奉仕機関だというような形が残つている。たとえば第三種郵便にいたしましてもその通りでありますが、こういうように事業自体が根本的に行き方がかわつて来たにかかわらず、そういうような事態が残つているということは、これは私どもの責任でもありますが、また一面にはそういうような頭の切りかえができていない人が、依然として昔のままの考え方でこれを推し進めて行つているというような事例が、幾多見受けられたのであります。詳しいことは報告書に書いてございますから、あまり詳しく申し上げませんが、この点もぜひ御配慮が願いたいわけであります。  それから人の問題でありますが、ちようど私どもが行きましたとき、かなり人事の異動がありまして、中央から優秀な若い方々が配置せられまして、非常に喜ばしいことだと考えて参りました。ただそういう人たちではありませんが、今までの事例といたしまして、大学を出て本省でしばらく事務官をやつてつた、そういう人が地方へ行きますと、いきなり部長になり、相当厖大な、しかも重大な仕事の責任者として、一切まかせられるわけであります。ところが残念なことには、こういう人たちは学理的な勉強はしておりますが、事業実態についてはあまり知つていらつしやらない。そういう人が、郵政局に入つて今まで二十年、三十年、孜々営々として、あるいは行嚢と取組み、あるいはスタンプと取組んだ人たちを指揮するわけであります。ところがその指揮が、これはどうもはなはだ率直で恐れ入りますけれども、権力に立つて指揮しておるというような面がどうしても見受けられる。そういう人が自分が郵政事業人として郵政のことを根本から知ろうという努力でなしに、自分が部長である、おれの言うようにやれと、非常に高圧迫な態度をもつて臨むようなけはいが感ぜられる。これがために第一線の従業員の方々と、真から融和できないような面があるように私は見受けて参りました。これは人間の当然の帰結であると思いますが、なにあの若造が、何も知らぬくせに、こういうような気持が、自然に風紀を乱すものがあるのではないか。そこでこの点については、特に地方の方に栄転される方々については、中央の幹部の皆さん方からぜひよく言い聞かしてもらつて、少くとも権力でもつて臨むのだというような態度は拂拭願わなければならない。できますればこういうような人たちは、勉強するというような意味で行くのでありますから、いきなり責任ある部長というようなことでなしに、やはり郵政局長付とか何とかという形でそこへ持つてつて、現業の第一線を勉強して来る。そうしてほんとうの郵政人となるまでは、いきなり責任ある地位につけるということは、今後とらない方がいいのじやないかというようなことを、痛切に感じて参つたようなわけであります。と同時に地方に二十年、三十年と郵政事業と取組みまして、それから現業を完全にマスターしておる人間が、これを全体的に郵政事業の中に取入れた方がいいじやないかという意見を持つておる人が多分にありますから、今度は地方の人を中央でとるというようなことについても、今後格段の御配慮が願えたらいいじやないかということを、特に考えて参つたわけであります。そういう人がいろいろな意見があるにもかかわらず、非常に限られた範囲で、しかもその限られた範囲が、しかも中央の指令の通り動かなければならないということで、脾肉の歎をかこつておるというような人も、若干見受けられたわけであります。  次にもう一つ申し上げておきたいことは、従業員の将来の問題でございます。従来逓信省時代には逓信講習所がございまして、この逓信講習所が広く秀才を天下に募りまして、五十名に一人とか、六十名に一人とかいうような割合で人を求めまして、従いましてこれらの試験に合格いたしまして部内に入りました者は、相当優秀でございます、明らかにそういうような諸君は、今日郵政事業のほんとうの中権の幹部として、今では地方局長あたりにもそういう人たちが多々見受けられるようになつたことは、非常に喜ばしい次第でございます。しかしながら今度の制度の改革以来、こういうようなこともなくなりまして、今ではわずかに郵政研修所とかいうような名目で、郵政事業に入つて十年、二十年あるいは三十年にもなんなんとするような人たちを再訓練しているのでありますが、この実情も相当研究して参りました。確かに再訓練の結果は、実積を上げているようでございます。特にある郵政局長のごときは、この再訓練に非常に力を入れまして最も優秀な職員をこの面にさいて、あすの郵政事業発展のために遠大な計画で努力してくださつていることは、心から喜んで参つたのでありますが、私は今の研修所制度をさらに一段と飛躍させまして、もう一回昔に返しまして、單なる再訓練ということではなしに、ほんとうに地方のすぐれた者を全国的にとり、それをほんとうの郵政従業員として育てあげる、そういう制度をもう一度復活していただきたい。これを切に希望いたしているような次第であります。大体以上申し上げたことを特に痛感した次第であります。  最後に要望事項として、いろいろなことを聞かされて参りました。特に私は最も期待いたしました労働組合の諸君にはつとめて会いましたが、労働組合の諸君の指導は、よほど政府としても考えなくてはいけないと思います。労働組合の諸君に数十回会いましたが、その要望はみな同じことであります。いわゆる給與ベース改訂とか何とか、型にはまつたことばかりである。だから私はむしろ逆に私の方から、君たちは、郵政事業赤字なんだ、この赤字をどうしたらいいかという意見はないのかということを聞いたのであります。君たちの知つていることは同じことで、それは中央で聞いてよく知つておるから、聞かぬでもよろしい。むしろ君たちは地方におつて郵政事業をこうしたらこうなんだという意見を聞かしてくれというようなことを言つて参りましたが、これは今日の地方の労働組合の諸君にはむりなことであつて、そういう面に対してはやはり地方地方の役所の責任の方々が、そういう面も指導されて、一致一丸となつて郵政事業発展のために、全力をあげて行くという方向に御指導願いたいと考えて参つたわけであります。  そのほか一般的な要望事項といたしましては、局舎の建築とか、あるいは職員宿舎の建設とか、あるいは寒冷地帯の問題とか、いろいろな問題がございます。これは一々もつともなことで、でき得る限り早急に解決に努力いたしたいとは考えて参りましたが、なかなか簡單には行かないだろと思います。  ただ私が考えましたのは、長野の管内で、保險と貯金の第一線の従業員諸君の座談会を開きました。その当時いろいろな話が出まして、貯金の奨励や保險の募集なんかに行くと、持つているカバンが非常にみつともない。中には破れて紙を入れたあぶないようなものもある。ある奨励員なんかは、何か一ぺんに七十万円の預金がもらえて、喜び勇んで飛んで行つたところが、現金を出して来てくれたので、その現金をカバンの中に入れたら、そのカバンがズツクで、一部が破れていたために、君それじやあぶないというので、取消れたというような事例があつて、非常に嘆いているような次第であります。これは確かにカバンのよい、確実だということは、向うに安心させるだけでなしに、やはりいいカバンを持つて歩いておるということが、郵政従業員の体面保持の上にも非常に必要なことだと考えましたので、この面に対してもぜひともひとつ御考慮が願いたい、かように考えておるようなわけであります。  それから、これはこまかなことですが、夏必要な扇とかタオルとかいうものも、そういう諸君に行き渡り方が円滑に行つていないという話もありましたが、非常に苦労して郵政事業を今日まで守つて来た諸君の労苦に対して、何とかして報いなくてはならないと、実は考えて来たようなわけであります。  それからこれは国会委員会といたしましても考えなくちやならない、またこれから研究しなくちやならない問題でありますが、制度の問題でございます。特にこれは保險と貯金に関係する問題でありますが、地方では地方保險局と郵政局の保險部、地方貯金局と郵政局の貯金部、この二つがあつて、この二つの仕事は、もちろんその仕事の行き方も任務も違つているのでありますけれども、これは私ども考えてみましても、やはり二つが同じように動いて、切めて仕事の活発な運営ができるのじやないかとういとを感じたわけであります。実はある郵政局へ参りまして、第一線の貯金の処理あるいは保險の募集について、どういうような指導をしておるか、その場合にどういうものを資料にするかということを考えてみると、その実際の動きを知るのは地方保險局、地方貯金局であつて、その動きを知らないでおつて、あるいは貯金部、あるいは保險部というものがいろいろ企画あるいは指導をしている、こういうような事態が出ておりまして、ここのところは何とか調整しなければならぬというようなことを深く考えて参つたようなわけで、この問題については現地貯金局長あるいは保險局長とも、あるいは従業員の方々ともいろいろ検討したのですが、非常に議論がわかれまして、徹底した意見を聞くことはできませんでしたけれども、この問題ももう一ぺん研究する要があるのではないか、かように考えて参つたような次第でございます。  以上申し上げた通りでありましたが、幸いにいたしまして、私どもが参りましたこの三局管内は、非常に国会の国政調査の意義をよく理解してくれまして、しかもこれに非常に大きく期待をしてくれたということにつきましては、私ども非常に喜ばしい次第であります。従いましてこの調査によつて特に取上げ、この調査によつて非常に期待された事項につきましては、是が非でも実現をしなければならぬ。こういうようなことを私どもは実は責任的にも感じているようなわけでございます。なお詳細につきましては、今後委員会におきまして、あるいはまた私どもいろいろな機会におきまして、郵政省当局の方々にもよく御説明を申し上げたいと考えております。以上をもつてども調査報告を終りたいと考えております。要は地方におりますところの優秀な従業員を、さらにより高度に活用してもらいたい。また中央の有力な方々も地方に行かれて、第一線主義だという郵政事業の第一線を、より深く理解して帰つていただきたい。こういうところに私ども希望がございます。以上申し上げまして私ども調査報告を終ることといたします。
  8. 池田正之輔

    池田委員長 次に第四班の玉置君。
  9. 玉置實

    玉置(實)委員 第四班といたしましては、大阪、四国、両郵政局管内でありますが、大体第一班から第三班を通じまして、各班の御調査になりました論点が、私どもの第四班とも通有するところがあろうと思いますので、私といたしましてはごく簡單に第四班の特殊性と申しますか、この点につきまして御報告申し上げたいと思います。  第一班から第三班を通じまして、特定局長会廃止につきましては相当論議があつたようでありますが、第四班もこれに漏れず、局長会の存在、その廃止ということは、相当地元におきましても紛争の種になつておるようであります。もしこれを廃止いたしますれば、業務の運行上いかなる結果を及ぼすものであろうか、これは特に郵政本省におかれましても、非常に御心配の種であろうと思うのでありますが、早急にこれにかわるべき十分なる施策を施していただきたい。にわかに廃止いたしましたならば、業務の上にどんなに悪影響を及ぼすかということは、すでに御承知の通りであります。従いまして経費の面におきましても、相当の人員とまた経費の増額も必要である。こういうことはおおうべくもない事実と申さねばならぬと思うのでございます。従いまして御当局といたしましては、早急に管理事務の一部を分担する組織を御研究になつていただきたいこういうふうに要望する次第であります。  第二点といたしましては、簡易生命保險郵便年金の積立金運用の問題でありますが、大阪、四国両管内要望事項といたしましては、まず第一点といたしまして、近年の預金部資金の借入れ手続が非常に煩瑣をきわめておる、非常に繁雑である。こういう点にかんがみまして、来るべき資金融通の申込み手続は、簡素にはかつていただきたい、これが第一点のお願いであります。第二点といたしましては、資金の需要は、できるだけその要求に応じまして御融通を願いたい。つまり資金が非常に逼迫しておる、あるいは資金が比較的閑散である、この繁閑の度合いに応じまして、資金の投入をお願いいたしたい、これが第二点のお願いであります。第三点といたしましては、簡易保險の資金の利率の件でありますが、利率はさしむき預金部資金と同率にお願いをいたしまして、貸付期間は大体五箇年以内のすえ置きの期間を設け、償還期間は二十年程度の長期債をお認め願いたい、これが第三点のお願いであります。第四点といたしましては、地方自治法の第二百二十七條によります一時の借入金に対する貸付制度を御設定願いたい、これが第四点の希望でございます。次に第三の問題でありますが、これも第一班、第三班を通じて同様の問題と思うのでありますが、郵便局調整の件であります。大阪、四国管内各局收支状況検討いたしてみますと、両管内とも普通局は大体プラスとマイナスがゼロのようでありますが、特定局におきます集配、無集配両局ともに、相当の赤字のようであります。特に山間の僻陬局におきましては、相当の赤字の累積があるようであります。この点は特に地方側要望もございましたが、将来の郵政事業の拡充強化という見地から見まして、相当これはひとつお考えおき願いたい。特に先ほどの各班からの御希望にもございましたが、郵政事業が非常に社会的な公共性を持つておる一面におきまして、独立採算制事業である。つまり相反する二面の性格を持つておりますので、この企業性をどういうふうに発揮するか、この点が今後に残りました郵政当局の非常な御苦心になる点であると思いますので、早急に御検討をしていただきたいと存ずる次第であります。  次に最後の第四の問題でありますが、これは御多分に漏れず、従業員諸君の待遇関係であります。特に給與ベース引上げ、家計が非常に赤字の累積であるということは、一般の公務員諸君と御同様でありますので、これはあらためて私から申し上げるまでもないことでありますが、特に大阪管内におきましては、六級、七級、八級程度の中堅職員、こういう指導幹部が相当給與が低いために、家計が頭打ちの状況になつている。従いましてその志気にも相当の影響を及ぼしておるということは、十分研究をお願いいたしたいと存ずる次第でありまするが、特に私たちといたしまして考えを及ぼしたいと思います点は、郵政省従業員諸君と、一方の電気通信省の従業員諸君との間に、非常な給與の不均衡があるという点であります。つまり同じ大臣の下で同じ屋根の下で、同じ仕事をしておりながら、電気通信省の諸君は、郵政省従業員の諸君に比べますると、相当給與の点がいいようでありまするが、この点はひとつぜひ郵政御当局の面目にかけましても、少くとも同一のレベルにまで引上げをお願いいたしたい。特に主管大臣が一人の大臣でありまするので、この点の政治的解決は、私は相当困難ではなかろうかと存じまするので、ひとつ至急に御研究を煩わしたと思う次第であります。  大体以上御報告申し上げた点でございまして、なお地方側要望事項数件がございまするが、この点は別紙の調査報告書に詳細に述べてありまするので、省略させていただきます。  以上まことに簡單でありまするが、御研究の上で、関係御当局の御善処を希望する次第であります。
  10. 池田正之輔

    池田委員長 次は第五班の高橋君より御報告願います。
  11. 高橋權六

    高橋(權)委員 第五班といたしまして、このたび委員派遣によりまして、中国、九州地区を約十日間にわたり親しく調査して参つたのであります。  調査事項並びに調査の目的などにつきましては、すでに皆様御存じの通りであります。私どもといたしましては、本委員会におきまして郵政省の幹部の方々や組合の方々から、常に郵政事業の各般にわたることをお尋ねしたのであります。私どものなすべきことにつきましては、研究努力しておるのでありまするが、地方各局の第一線で働いておられる方々の事業に対し、御意見や実情現地において親しく拜見し、拜聽する機会はほとんどなかつたのであります。ところが幸いに去る八月初旬から旬日にわたり、地方各局調査する機会を得ましたことは、私どもの最も喜びとするところであります。  さてこのたびの調査の対象となりました各事項は、何と申しましても郵政事業の根本的な重大な問題でありますので、私どもといたしまして短時日の調査によつて、ただちにその結論を引出すようなことはできないのであります。将来これらの問題を処理する場合の判断の材料だけは得て来たつもりであります。その点におきましてこのたびの委員派遣は、大いなる收獲を得たものと思つております。  調査事項に対する詳細については、別途報告書について御了承を願いたいと存じます。ここでは私ども現地において見たまま聞いたままを、簡單に報告申し上げたいと存じます。  第一に、特定局長会廃止についてでありますが、特定局長会はその五十有余年にわたる活動の歴史から見まして、ボスの集団とまで見られる向きもあつたようでありますが、他面郵政事業運営上の補助機関としまして、その存在価値が大であつたことも忘れてはなりません。このたびの廃止措置は、地方現業組織に相当の困難を生じたものと思われるのであります。特に保險、貯金部門におきましては、その募集並びに奨励で相当の影響が予想されるのであります。一例をあげますと、広島管内におきましては、貯金の消化率は普通局三、特定局七の割合でありますが、このたびの措置により特定局成績は三〇%方低下するだろうとの見通しであります。その他各般にわたり支障を生じておることの実体を直視して、対策樹立しなければならないと思うのでありますが、仄聞するところによると、郵政省としてはこれらに対し相当の対策案を持つておられた模様でありますが、最近実施された集中局制度を見ると、まことにお粗末なもので、事業運営地方側に相当困難を感じさせるようであります。中央が関係方面との折衝などにおいて、弱腰であるため、地方にその負担がかかつて来るようなことになりては、第一線の皆様に申訳ないわけでありますから、幹部の方々におかれましても、十分御考慮の上、今後の御善処をお願いしたいと思います。第二に保險、年金の積立金運用再開についてでありますが、これについては現在までに一応論議し盡されておる問題でありまして、運用再開を前提としてのいろいろの意見も拜聽して来ましたが、最後には立法措置を必要とする事項が多いのでありますから、私どもとしても十二分に研究してみたいと存じております。  第三として、料金調査その他事業経営合理化についてでありますが、私どもの見て参りました範囲では、主要局の大部分は黒字でありますが、山間僻陬向においては、その大部分が赤字であります。郵便局分布状態より考えてみますと、全国的に見た場合でも、大部分の局が農山村の僻陬地でありますから、窓口機関は採算のとれないところに多く分布しておると言えます。このことは第三種郵便物などの非生産的料金と考え合せて、事業の企業性と公共性との矛盾の現われと言い得ると思います。企業性と公共性といずれを優先せしめるかは、為政者のイデオロギーの相違まで淵源するとはいえ、最近独立採算を至上命令として行つて来た料金政策も、現在のごとき破綻を生じて来ておることは、皆様御承知の通りであります。しかるに来年度予算においては、二十六億余の一般会計よりの繰入れが考えられておる模様であるが、このことは政府独立採算の建前を捨てたものと思われるのでありますが、一体政府としては企業性と公共性とのいずれをとるつもりであるか、了解に苦しむところであります。かくのごとき一時しのぎ的の当面をごまかしてしまおうとするがごときやり方では、永久に事業の再建はできないと思います。イデオロギーの相違は別といたしまして、この根本方針が定まつていない限り、合理的な料金政策も、窓口機関の設置などは不可能であると思われるのでありまして、私どもはこのたび地方の状況を拜見いたしまして、特にこの点について考えさせられたのであります。  第四として、従業員待遇関係についでありますが、熊本管区における従業員の生活程度は、エンゲル係数をもつて示してみますと、四月が四八・九%、五月が五三%六月が四八%であります。それで三箇月の採算平均では五〇%でありまして、これより見ますと、管内従業員の生活程度は最低生活、すなわち健康保持程度となつているのであります。なお給與の頭打ち状況は、現業官庁としての特殊性もありまして、級別人員の分布状態は、窓口業務の中堅層に多いことから考えまして、すみやかに特別な給與対策をつくる必要を感じたのであります。給與の頭打ちを救済することは、従業員の従業意欲の向上に最も必要なことでありますから、これが対策樹立する必要があると思うのであります。次に、電通部門との給與の不均衡は、超過勤務手当において特にはなはだしい模様であります。同じ局舎にいながら、同じような勤務をしながら手当の違いがあることは、他委員も相当述べておられるところであります。  その他は重複を避けまして、二、三要望を申し上げたいのであります。九州地方といたしまして特にお願いしたいのは、保健関係でありまして、大きな郵便局には医務室を設置するということを、第一点としてお願いしたいのであります。特にこの郵政事業に従事する皆さんは、全国より集まるものでありまして、その投函する人には健康者のみでなく、非常に不健康な人の投函した書類のごときもあつて、特にほこりの中に常に従業しているということは、実に気の毒あるいは危險であるかもしれぬのであります。それでそういう点から、この病気があまり重態にならないうちに、そういう方面に、留意するという点から、それを要望するものであります。  なほついでにお願いしたいのでありますが、私ら中国並びに九州方面におきましては、南洋方面に行つてもあまり暑さを感じない程度に暑い所が多いのでありまして、ちようど寒冷地手当を寒い方面に與えてあるかのように、われわれの方面でも同じ日本人である、暑いところには何ら手当をやらない。ところがその低い賃金ベースから、アイス・ケーキも食わなければならぬし、また扇風機の設備もしなければならぬ。それで同じ能率を上げしめるならば、その暑い南洋に行つてもそう苦痛を感じないような暑い方面には、ちようど寒冷地手当を同じ日本国内において十数県が、いろいろな緯度その他によつて研究してあるかのように、ひとつ中国、九州方面従業員に対しても、相当の考慮を拂つていただきたいものであります。  その次には第二点といたしまして、福岡の地方貯金局の改築の件であります。この貯金局は白ありのために荒されていることは、外観より見るよりも、專門家がちよつとハンマーをもつてたたいてみても、実に危險きわまるほど白ありに侵されているのであります。しかもこの貯金局の位置たるや、県庁に参るところの庁員は申すに及ばず、福岡県全体、あるいは他府県から参る人、また福岡市内に居住する者の、非常に往来の頻繁な所であります。ちようどこのあたりで言うならば、虎ノ門の次の田村町の四つかどくらいの頻繁な所であります。いなかとしてはそういうような頻繁な所である。局内の事務に従事している者も危險であるが、ただその危險をそういう人が感ずるのみならず、先日の龍巻のごときものが起つて往来の多数の人民をして殺傷せしめるようなことがあつては、私はゆゆしき問題ではないかと思う。今日人権を尊重される場合において、こういうことこそ一日もゆるがせにしてはならない問題だと私は感じたのであります。ほかのことは他委員から熱心にお述べになつておりますから、私は中国並びに九州方面をまわつて、そういうことについて感じたままを要望しておきたいのであります。これをもつて私の報告を終る次第であります。
  12. 石原登

    ○石原(登)委員 一点だけ申し落したので申し上げます。これは特に各管内とも感じたことですが、私はいわゆる窓口から出るのが、ほとんど郵政省に対する苦情とか何とかになると考えるわけであります。割合にこの窓口に対して、郵便局の管理者が注意をしておらない。たとえば大きな郵便局には副局長というような制度があるようですけれども、その副局長も依然としてずつと奥の方の、局長の隣の部屋に納まつておる。極端にいうと、あるいは為替とか、保險とか、貯金とか、郵便とか、電話とか、電信とか、いろいろな部面にまたがつておる窓口の監督をする人がいないために、窓口全体がいわゆる公衆と接する面での円滑が欠けておる。だからこの副局長制度のあるところは、是が非でも局長みずからが窓口に進出して、全体の監督をしてもらわなければならない。また副局長がいないところでも、何かそういうような処置をとられるならば、私は今日郵政事業に対するところの非難の多くはほとんどもう取除かれる、こういうことを感じまして、これは各郵政局長さん並びに第一線の郵便局長さんには申し上げてもありますが、なお今日政府の方もいらつしやいますので、この点もひとつお聞き願いたい、かように考えております。
  13. 池田正之輔

    池田委員長 これにて全部の報告を終りました。次いで大野事務次官から発言を求められております。これを許します。大野説明員。
  14. 大野勝三

    ○大野説明員 郵政大臣がやむを得ない用件のために中座されておりますので、はなはだ僣趣でございますが、私よりこの際一言お礼を申し上げたいと存じます。  今夏炎暑の際、当委員会におかれましては、非常に御多忙な多数の委員をそれぞれ分担されまして各地に御派遣になりまして、実に御熱心に郵政業務の全般にわたりまして、親しく現地において御調査をせられ、ただいまその御調査の結果についての詳細なる御報告を拝聽することができましたことは、私どもといたしましてはまことに感謝にたえないところでございます。御報告内容は、あるいは小規模郵便局制度について、あるいは簡易保險、郵便年金の運用再開についての地方要望事項その他について、またまつたく業務の運営上大事でございます郵便料金の問題を中心としての御調査、さらに事業運営の根本とも申しますべき人事管理の適正の問題について、その他あらゆる面についての、実に剴切なる御報告を拜聽いたすことができましたことは、私ども直接その事業を担当いたしております者にとりまして、この上もないよい御意見と考えます。将来十分にこれを研究いたしまして、着々御趣意に沿うように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。ことに地方官署におります郵政職員の要望いたしておりますような事柄につきましても、よく耳をお傾けくださいまして、逐一これを当委員会の席上でごひろうくださいましたことは、最も感激にたえない点でございます。業務の管理組織、あるいは運営についての要望意見はもとよりといたしまして、この待遇改善その他についての御理解のあるお言葉は、私ども実に百万人の味方を得た感じがいたすのでございます。将来にわたりまして、十分にひとつ御期待に沿うように善処いたしたいと考えておる次第でございます。詳細は報告書を別に拜見でき得るものと考えておりますので、それらを十分ひとつ勉強いたしまして、極力すみやかにただいま申しました線に沿つて善処をいたしたいと考えます。一言御礼にかえまして以上申し上げた次第でございます。
  15. 池田正之輔

    池田委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。     午後四時十二分散会