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梨木委員 ここでもう少し明確にお伺いしておきたいと思うのでありますが、一例を申しますと、こういう例があるのであります。七月の三日に平和文化祭という集会を、共立講堂で行うことに
なつてお
つたのであります。この平和文化祭というのは、料金をとりまして、歌と踊りと映画だけをやるのであります。これは六月十二日にやることに
なつてお
つたのが、これが禁止されたのであります。そこでさらに七月三日にやることになりまして、これは歌と踊りと映画で、しかも料金をと
つてやる文化的
内容のものでございますが、一面からいえば、興行的なものであります。これは届ける必要のない性質のものでありますが、念のためにこの主催者側で警視庁へ届けて、そうして警視庁でもや
つてもよろしいということに
なつてお
つたのであります。そうして警視庁の原部長は、この文化祭は都條例その他の日本の
法律では取締り対象とはならない、こういうことをはつきり言
つておるのであります。ところが七月三日になりまして、日本の
法律では取締りの対象にならないものが、禁止されたのであります。警視庁から聞きますと、司令部の方から特別の禁止令が出たということに
なつておるのであります。そこが伺いたいのは、こういう場合に、日本の
法律によ
つては禁止する何らの
法的根拠もない場合に、集会が禁止される。その禁止は連合軍最高司令官の
指令に基いたものである。こう
なつた場合に、われわれ人民としては、日本の
法律に従えば禁止されないものを、連合軍最高司令官から禁止が出ておる、それでは何という方が出して、どういう命令のものなのか、その
内容を示してもらいたいということを警視庁に
要求したところが、警視庁は示さないのであります。ここなのであります。つまり司令部から命令が出たということで、それで禁止する、この場合は一体日本の官憲の独断によ
つてや
つておるのか、司令部の
指令によ
つてや
つておるのか。司令部の命令を見せてくれない限り、われわれにはわからない。だからこの点について、政府のやり方といたしましては、どうしてもこういう場合に、日本の
法律に従えば禁止することはできないもので、しかも司令部の
指令によ
つて禁止するものならば、一体司令部の
指令というものは、やはり日本人民の
要求があれば、どこのどういう地位にある人が、どんな
内容の命令を出したのかということを、われわれに示してくれない限りは、こういう混乱からわれわれの基本的の人権が脅かされるということになるのであります。そこで政府のこういう問題についての取扱い方といたしましては、日本の
法律に従えば禁止することのできないものについて、司令部から
指令が出たら、これはどうしても命令を出した人と、その
内容を明らかにし、これを日本の人民が
要求すれば示すような、こういう
一つの方針を打立ててもらわない限りは、まつたくこれは基本的人権がいかに
法律や憲法で確立された形をと
つても、脅かされるということになるのであります。この点についての政府の見解をお伺いしたいのであります。