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門司委員 私はその
考え方は承服できない。国の
法律を制定いたします場合には、その場その場で
法律をこしらえて行くという不定見なことは、私はやめたいと思います。やはりできるだけ恒久法に直しまして、そうして日本の
法律そのままの姿で完全に
施行できるようにしておきませんと、あなたの
考えるようなことでありましたならば、国民は非常に迷惑をいたします。大体国民全体は、十月五日に
教育委員の
選挙があるものだと心得ております。それが今年に
限つて十一月五日に延ばされるということは、国民が迷惑をする。
趣旨の
徹底という
お話でありますが、
趣旨の
徹底というならそれで、これは恒久法にしておく必要があるのであります。これを臨時に、いつまたかわるかわからぬようなあいまいな
法律をつくるということは、きわめて不見識だと思う。少くとも国会が審議いたします場合におきましては、やはり確固とした信念のもとにつくる
法律でなければなりません。そのときそのときでどうなるかわからぬものを、暫定的に
法律をこしらえておくというのでは、法の
精神は
徹底しない。法の
精神が
徹底しないということは、必ずそこに犯罪も起るし、間違いも起ると思います。私はそういう
意味から
考えて行きますならば、今回の
特例によ
つて一箇月延ばしたということは、何の
意味もないことであり、きわめて不見識なことであると思う。これは当然恒久法に直すべきだと
考えておるのであります。同時に私は、先ほど申し上げましたように、他の意図があるのではないかというような一応の
考え方を持ちましたのは、これはうわさの程度でありますから私ははつきりは申し上げませんが、巷間伝えられるところによりますると、教育に携わ
つておりまする教職員の諸君のいわゆる政治
活動の問題が、今は政府の一部においてはいろいろとりさたされておるように、われわれは拜承いたしておるのであります。そうしてこれに対して、やはり何らかの制限を加える必要があるのではないか、いわゆる国家公務員法に準じたような方法をこれに講ずべきではないかというような
考え方が、相当強くあるやにわれわれは実は仄聞いたしておるのであります。
従つて地方公務員法がまだ出ておりません今日、これを別の
法律で、教職員等の政治
活動に関する取締りの
法律を出すかどうかということは、これはいろいろ議論があると思いますが、そういうことをわれわれが仄聞して参りますると、この
法律が臨時立法に
なつたということも、やはりそれらに多分の関連があるのではないかというようなことを
考えざるを得ないのであります。もし政府にはつきりした信念と根拠がございますならば、当然これは恒久法になるべきものであります。今年一年何もそういうことをしなくても、十年先にぶつかるということがわか
つておるならば、はつきり日にちを書いておきさえすれば問題はないのであります。ことにこの場合におきましては、
教育委員の在
任期間が延びておりますので、
従つて何らの
支障がないと思う。従来
都道府県あるいは
市町村の
議員の
選挙等が延ばされまする場合におきましては、こういう処置をとらないで、
告示をも
つて、ただ遅らすということで、
議員の機能は自然消滅いたしまして、その間は従来あつた参事会というようなものが大体これを代行いたして参りました。そうして
期日というものは大体変更されてお
つたのであります。しかし今回の場合は、もしそうだといたしますならば、私はそういう処置をと
つて、そうしてほんとうに便宜的にやるのなら便宜的にやる方法が私はあると思う。ことさらに臨時
特例でこれをやらなければならないということは、われわれが杞憂いたし、われわれが仄聞いたしておりまするように、一部教職員の政治
活動に対して、悪く
考えますと何らかの処置を講ずる腹があるのではないかというように
考えておりますが、この点は一体どういうようなお
考えでおられますか、そういうお
考えがあるかないかということをこの際はつきり承
つておきたいと思います。