○
島田参考人 ただいまの
笹森委員の御
質問はその
通りであると私は
考えております。
まず
最初の一点でございます
自治会のあり方でございますが、これは私
ども大学におきましても、実に長い間
研究に
研究を重ねておるのでございますが、その結論の一端としてこの際申し上げられますことは、現在の
自治会組織というものが、このままであ
つてはならないということは、まさしく事実のようでございます。これが近い将来においていかなる変化を現わして参りますか、この点はただいま必ずしも明確にな
つておらないのでございます。しかしただこれだけのことは申し上げられると
考えております。従来の
自治会規定が、そのままで将来に続くということはあり得ない、またあ
つてはならないということでございまして、おそらくこの昭和二十五年度の学年が終ると同時に、新しい
自治会の規定というものが早
稻田学園内においても施行されまして、それによ
つていわゆる
学生の
自治運動というものがいわば再出発するということは、免れざるところにな
つて来ておるように
考えられるのであります。と申しますのは、現在私
どもの
大学において、
大学が公認しております
自治会規定というものは、実は旧制の
学部の
諸君に適用すべきためにつくりました規定でございまして、新制の
学部の
諸君に対する規定というものは、おかしなことでありますが、実は今ないのでございます。なぜないかと申しますと、これは私
どもがつくらないわけではないのでございまして、つくることを過去
相当長い間努めたのでありますが、
学生諸君がこれに応じないのでありまして、この点が
学生諸君の
考えるところと
大学当局が
考えますところとは、いかほど論議を重ねましても、一致点を見出すことができなか
つたというのが、残念ながら事実でございます。ただ
早稻田大学においては、旧制の
学部の
諸君は本学年度をも
つて全部卒業されて、残りますものは全部新制の
学部の
諸君に切りかわりますから、もし
自治会制度というもの、あるいは現行の
自治会制度というものは、この学年が終ると同時に自動的に消滅をいたしまして、新しい
自治会規定がここに生れなければならぬという機運がまさしく現われて参りましたので、おそらく昭和二十六年の四月以降におきましては、新しい
自治会規定に基く新しい
自治会の
活動がここに
考えられるということは、申し上げることができると思うのであります。
それから第二の点でございますが、体育
関係の
諸君というお話が、
笹森委員からただいまございました。これもまさしく御指摘の
通りであると思うのでございます。先ほど申し上げましたように、私
どもの
大学といたしまして持
つております
学生数は、約二万に近い数を示しておりながら、これらいわゆる
学生自治会を
中心といたしまして
活動をしております、ことに政治的
活動に片寄
つております者の数は、私に言わせたならば、おそらくその百分の一以下であるのではないかという感じを持
つているのでございます。従いまして、その他のきわめて多数の
諸君は、ま
つたくこれと直接の関連を持
つておらないと申し上げてもあいて、過言ではないように
考えるのであります。しかしこの点について私の遺憾に思いますのは、多数の
諸君が直接関連を持
つておらないということが、また同時に、この問題についてあまりに多数の
学生諸君が無関心であり、無力であるということを
意味していると
考えざるを得ないのでございまして、この点が少数の
諸君に非常にリードされる結果を引起す大きな原因ではないかと
考えるのであります。しかしこれを矯正いたしますために、ただ体育
関係の方の問題を
解決すれば
解決がつくかどうかもまたこれきわめてむずかしい問題でございまして、
一つの方便ではございましよう。確かに
早稻田大学は体育会に所属いたします
学部の数から申しましても、現在二十九の部を持つほどの厖大な組織ではございますが、しかしながらただこれだけをも
つて、はたして少数の
諸君のあまりに片寄
つた活動を矯正し得るかどうかということは、これまた決して容易な話でないように思うのでございます。
一つの方便といたしまして、この
方面を助長させて行くということは、
笹森委員の御指摘のごとく、確かに私も同感を禁じ得ないということは伸し上げることができると
考えておるのであります。