○
河野(謙)
委員 この
機会に公団小
委員会の審査の中間
報告並びに緊急を要する問題につきましてお諮りいたしたいと思います。
実は公団の小
委員会は、昨日まで三回にわたりまして油糧、肥料、
食糧並びに経済安定本部の
調査庁等を呼びまして、
愼重に
調査を進めて参りました。今後なお数日を要すると思いますが、その間の審査の過程におきまして緊急を要する問題が起
つたのであります。それは今月末をも
つて廃止される肥料公団におきまして、肥料の在庫品を
政府は公団をして
買上げさせておるのであります。この一般の買上品は工場から出荷させて、それぞれ適当な箇所に送致しておりますが、一部
数量を工場の單なる
報告数字によりまして——
実態をよく把握せずして、
報告数字によりましてこれを
買上げ、これに十数億の金を大蔵省は支出せんとしております。これは見方によりますと、か
つて起りました空気木炭の事件と同じような、空気肥料の事件にさえも発展するような憂いがあるのであります。そこでこの際工場の買取りの問題は別といたしまして、買い取る以上は嚴重なる
数量の確認並びに保管を
政府はすべきであるということを強く
考えましたので、この
機会にこの問題にからんで、当
委員会から当該所管
大臣に
要望をしておきたい、かように思うのであります。それにつきましての
要望書の案をひとつ読んでみます。
肥料の在庫買入れに伴う弊害の防止に関する
要望
今般肥料
配給公団の廃止にあたり、
政府は七月分生産肥料のうちから硫安、石灰窒素及び過燐酸石灰につき合計約六万数千トン、これが代価約十数億円の工場在庫買入れを行い、肥料生産業者に対して、一種の信用貸付を行わんとしている。在庫買入れ方式は
政府の必要に応じてただちに出荷を行う契約のもとに、生産された肥料を工場在庫のまま買い入れる方式であ
つて、肥料の保管に伴う経費の節減と肥料生産業者への資金上の圧迫を緩和することを目的とするものであるとはいえ、これが実施については在庫
数量の確認、保管上の責任あるいは出荷命令に対する遅滯なき出荷義務の遂行等に関して放漫に流れひいては国家財政に不測の障害を與えるおそれがある。
よ
つて政府は在庫買入れの実施にあた
つては、特に在庫買入れ
数量の確認並びに保管に留意し、いささかも国民に疑惑の念を抱かしめることのなきよう、
愼重かつ万全の措置を講ずべきである。
右
要望する。
かような意味の
要望書を、この
機会に当
委員会の名において所管
大臣に提出し、なお
委員長自体から、以上私が申し上げました趣旨を強く御
要望願いたい、かように
考えるものであります。
繰返し申し上げますが、今までの公団の閉鎖にあたりましてとりました処置、たとえば公団ではありませんけれ
ども、木炭の例をとりますと、
農民の場合は生産された木炭を
政府が財政上の理由で一方的に買入れ停止をやる。また最近では統制を撤廃されましたぬか油のごときは、小さな業者に対してはかような措置は
一つもと
つた例がないのであります。たまたま今度大資本によ
つて経営されておるところの肥料工業に対しまして、非常に莫大な
政府資金を融資する。しかも融資に対して、今申し上げるような非常にずさんな、むしろ悪意さえあるのではないかというような処置をとられんとしつつあることは、今後に非常な悪例を残すことでありますし、以上のようなことを
要望したいと
考えたわけでありますから、
委員長から各
委員諸子に、しかるべくおはからい願いたいと思います。