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1950-07-27 第8回国会 衆議院 農林委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十七日(木曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 千賀 康治君    理事 足立 篤郎君 理事 野原 正勝君    理事 井上 良二君       宇野秀次郎君    遠藤 三郎君      小笠原八十美君    越智  茂君       川西  清君    河野 謙三君       中馬 辰猪君    中垣 國男君       幡谷仙次郎君    平野 三郎君       八木 一郎君    大森 玉木君       吉川 久衛君    足鹿  覺君       木村  榮君    山口 武秀君       河口 陽一君  出席国務大臣         農 林 大 臣 廣川 弘禪君  出席政府委員         食糧庁長官   安孫子藤吉君  委員外出席者         農林事務官         (食糧庁総務部         物資課長)   長谷川善彦君         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 七月二十六日  宮城県下国有林野拂下げに関する請願庄司一  郎君紹介)(第六〇二号)  土地改良事業に対する国庫助成並びに融資制度  確立に関する請願山本猛夫紹介)(第六二  一号)  農林省東北地域農業試験場施設拡充に関する請  願(山本猛夫紹介)(第六二二号)  農地改革に伴う事務処理費国庫補助増額並びに  適正配分に関する請願山本猛夫紹介)(第  六二三号)  木炭対策及び金融措置に関する請願山本猛夫  君紹介)(第六二四号)  東北地方国有林野特別措置法制定に関する請願  (山本猛夫紹介)(第六二五号)  農作物栄養週期栽培法普及実施促進に関す  る請願森幸太郎君外一名紹介)(第六三五  号)  繭糸価安定施策実施促進に関する請願江崎真  澄君外一名紹介)(第六三六号)  主食の価格引下げ及び品質改善に関する請願(  大石ヨシエ紹介)(第六五四号)  農業協同組合短期融資請願本多市郎君紹  介)(第六八七号)  三豊郡下農業用水改良事業促進請願(島田末  信君紹介)(第六九二号)  農村金融対策確立に関する請願坪内八郎君紹  介)(第七〇二号)  報奨物資損失補償に関する請願本多市郎君  紹介)(第七〇七号)  家畜の価格保証に関する請願本多市郎君紹  介)(第七〇八号)  農産物価格引上げに関する請願本多市郎君紹  介)(第七一〇号)  家畜衞生試験場東海支場設置に関する請願(江  崎真澄紹介)(第七三一号)  農業災害補償制度改善に関する請願田中堯平  君紹介)(第七五三号)  尾白利加川地区国営かんがい事業計画調査費  に関する請願篠田弘作紹介)(第七五四  号)  廣島県の土地改良事業補助金交付請願(平  川篤雄紹介)(第七五五号)  山城せき工事促進に関する請願飯塚定輔君紹  介)(第七五七号)  農業災害補償制度強化に関する請願足立篤郎  君外三十八名紹介)(第七六九号)  矢本町外六箇町村用水路改修事業費国庫補助の  請願内海安吉紹介)(第七九三号)  矢本町外六箇町村揚水機電化事業費国庫補助の  請願内海安吉紹介)(第七九四号)  配給パン類製造業者免許制度法制化等に関す  る請願今村忠助紹介)(第八六五号)  農業基本政策確立等に関する請願塚田十一  郎君外二名紹介)(第八七〇号) の審査を本委員会に付託された。 同日  農業改良普及技術員の増員に関する陳情書  (第一五三  号)  精米精麦供出制度採用等に関する陳情書  (第一五四  号)  松くい虫防除に対する国庫補助陳情書  (第一五五  号)  裸供出農家に対する配給米買受価格引下げ等  に関する陳情書外一件  (第一五六号)  災害林道復旧国庫負担金増額に関する陳情書  (第一五  七号)  災害荒廃林地復旧費国庫負担金増額に関する陳  情書  (  第一五九号)  農村緊急対策に関する陳情書  (第一六〇号)  農業水害対策に関する陳情書  (第一七〇号)  水害農作物対策費国庫補助に関する陳情書  (第一七一号)  早場米奨励金制度継続に関する陳情書外二件  (第一七二号)  大豆増産対策に関する陳情書  (第一七三号)  農産物価格の保障に関する陳情書  (第一七五  号)  昭和二十五年度麦の供出減額補正に関する陳情  書(第一  九五号)  勝馬投票券控除率低減に関する陳情書  (第一九七号)  早場米並びに超過供出奨励金制度継続に関する  陳情書  (第一九八号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  主要食糧供出報奨物資配給に伴う損失の補て  んに関する法律案内閣提出第一六号)  麦の補正割当に関する件  小委員長より報告聽取     ―――――――――――――
  2. 千賀康治

    千賀委員長 これより農林委員会を開会いたします。  本日の日程に入る前に、政府から麦の補正割当の件について報告をしたいとの申出があります。これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 千賀康治

    千賀委員長 異議なしと認めます。それでは安孫子食糧庁長官発言を許します。
  4. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 ただいま資料をお配りいたしますが、ちよつと遅れましたので経過を先に申し上げたいと存じます。  ことしの麦作につきましては、播種期当初から成熟期にわたりまして、いろいろな障害がありまして、また登熟期に近づくに従いまして風水害等によつて主として近畿、東海関東方面被害が生じたのであります。それでこれを適正に補正しようといろいろと努力をして参つてつたのであります。六月十二日から十九日にわたりまして、地方庁の意見を聽取いたしました。また二十二日から二十四日にわたりまして、麦の播種以来の補正に関する詳密なる調査を本省としてもいたしたのであります。各種の資料によりまして、被害量を百六十六万二千三百米石算定をいたしたのであります。事前割当供出量は北海道を除きまして八百八万六千七百石でありますが、この供出農家の分につきましては、減額量百六十六万二千三百石中、百三十四万四千石を補正したいという政府原案をつくつております。これは事前割当量に対比いたしまして一六・五%に当るのであります。  この際経過を一応お話を申し上げたいと存じます。私どもといたしましては、今回の麦の補正につきましては、できるだけ食確法の精神にのつとりまして、適正な補正をいたしたいと心がけて参つてつたのであります。最後にどうしても今年の麦については、ナショナルベース割つてはいかぬというような要請があつたのでありますそういたしますと相当余裕のある補正をいたしますれば、反面それだけの超過供出を全国的に強く要請をしなければならぬということになるわけであります。作報数字から申しますと、事前割当数量相当上まわつた收穫予想高になつておりますけれども、いよいよこれを一つの強制的な力によつて強制的に超過供出をとるというようなことになりますと、なかなかそういうことはうまく行かぬと存じますので、この点をにらみ合せまして、減額補正の方は相当私の方としてはきつく考えざるを得ないというふうに思つておるわけであります。それにいたしましても昨年は六、七十万石の補正でありましたが、こういうきつさではとうていことしは行かぬだろうということで、最低私どもといたしましてはただいま申しました百三十数万石の減額補正というようなところで、問題を考えて参りたいということで原案を作成いたしたのであります。これをきのう農業調整審議会にお諮りをいたしました。全般情勢から申しましてやむを得ないであろう、しかしながら実收等が半減いたした場合には、米と同様な免責措置について考慮すべきである。また一面超過供出量相当強く期待するのであれば、超過供出奨励金を一・二五倍にあらずして、二倍にしてもらわなければ、とうていナショナルベースの確保は困難である。よつて二倍の超過供出奨励金を要求するという二つの條件をつけられまして、大体政府原案了承を得た次第であります。非常に簡單でありますけれども、大体の経過お話申し上げた次第であります。
  5. 千賀康治

    千賀委員長 この際質問をお許しします。足立君。
  6. 足立篤郎

    足立(篤)委員 政府は本年度の麦が異常な作柄であるために、それを救済する目的をもつて、五等麦の制度設定するやに聞いておりますが、その構想、特に買上げ価格あるいは品質の格付と申しますか、供出上の制限等、はつきりした点をお示し願いたいと思います。  なおあわせてどの程度数量の、今お示しになつた数字の中で五等麦が出るであろうと予想されておるか。あるいはその絶対数については、何らかの制限等をお考えになつておるか、どうか。そういう点についてはつきりお示し願いたいと思います。
  7. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 五等麦につきましては本年は全面的に買上げをいたしたいと思つております。府県ごと制限をいたしましたり、また数量制限をいたすということはいたさないつもりでおります。それから規格の問題でありますが、これは雨害等によつて光沢その他が非常に悪くなつたもの、粒張はいいのでありますが、光沢その他が相当落ちて不合格になつたもの、もちろんこれはとるつもりであります。それから重量が軽いもの、こういうものをとろうかと思うのであります。その規格は大体内定いたしておりますが、ただいまは手元にありませんけれども、実は昨日の中央調整審議会で、大体こういうものを五等麦としてとろうというので現物をお見せいたしたのであります。いろいろ意見がありましたが、現物を見ますと総合用には相当むりであるというような程度のものをとらざるを得ないかと思つております。これは私どもといたしましては、相当つらいのでありますけれども、ことしの麦の作況並びに供出の完遂の必要性から申しまして、さようにいたしたいと存じております。普通でありますと、うどんなどにはなるのでありますが、相当こまかく切れまして、そういうものにもなかなかむずかしいじやないかという程度のものも入つて来ようかと思います。しかし全然総合用に向かないというようなものははずして参るつもりであります。  それから価格につきましては、ただいま検討しておりまして、決定いたしておりません。できるだけ生産者の御要望にも沿いたいと存じますけれども、またそうしたものまでもとるということになりますれば、その実態に即した合理的な額というものを、どうしても考えなければいかぬのじやないかと存じております。
  8. 足立篤郎

    足立(篤)委員 価格につきましては、あす知事会議をおやりになるそうであります。これは老婆心ながら申し上げておきますが、これは結局供出減額割当をのめるかのめないかの境い目にある判断の重要な資料であろうかと思いますので、ぜひ急速におきめ願いたいと希望申し上げておきます。  なおただいま長官の話の中に、作報数字はきわめて嚴格と申しますか、数字が大きいという御説明がありました。作報秘密調査をいたしておりますので、この実態はわれわれ知るよしもないわけでありますが、漏れ聞くところによりますと、きわめて実態に沿わないような数字が出ているやに聞いております。これはかえつて適正なる補正判断を誤まらせることになりやせぬか、ことに関係方面等を誤まらせる原因になりやしないかということを、われわれ一農民として憂うるものであります。そういうことについては、作報はどのような調査技術をもつて、今回の麦について各県別にどのような数字を出しているか。もうここまで来れば御発表になつてもいいのだろうと思います。われわれも今後作報というもののあり方についての検討の資料にいたしたい、かように考えますので、ぜひお示しを願いたいと思います。なおここでおわかりになつておれば大体の数字でも御発表願いたいと思います。
  9. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 作報調査の具体的な方法につきましては、作報の方から御説明申し上げた方がよかろうと思います。ことしの作報数字は、予想收穫でありますが、米に換算いたしまして千九百五十一万石になります。事前割当数量が千六百八十二万石でありますので、一割六分程度事前割当に対しまして増というような形になつておるわけであります。しかしながらこの予想收穫にいたしました後においてのいろいろな被害状況もあるのでありますから、来月早々になりますれば実收高が判明いたしまして、ただいまからその予測をいたすことはできませんけれども、予想收穫よりも、麦の実態から申しますと若干下まわるのではなかろうかという想像も、私どもとしてはいたしております。これは食糧庁としての観察でありますので、この点は御了承願つておく次第であります。それでいろいろ昨日も話をいたしてみますと、これだけのものがとれないということではなくて、やはり実態相当とことんまで現われて来たというのではないかというふうに思われます。一つの心理的な影響といたしまして、麦が相当緩和されるというような報道も一時あつたのであります。そうしたことがやはり調査面にも出て来て、あまり抵抗なしに実態数字の上に出て来た、こういうようなこともありやしないかと想像いたします。それで統計調査報告は間違いじやなくて、やはり実態に順次近ずきつつある。ことしあたりの数字がほぼ実態をそのまま反映しておる数字になつているのじやなかろうかというふうに、私は見ているわけであります。
  10. 足立篤郎

    足立(篤)委員 この機会農林大臣に特にお願い申し上げ、お考えを伺つておきたいと思いますが、食確法の改正以来、水稻におきましては超過供出を強制するということをせずに済んだのでありますが、ここにお示しになりました数字で見ますと、あの食確法改正をまつこうに振り上げて、超過供出を強制するというような情勢が見えるわけで、ことしの麦の作況実態から申し上げますと、百三十四万石の補正におきましても、なおわれわれの観察としては、とうてい足りないと考えざるを得ない状況であるにかかわらず、それと同じ数量のものを見合つて出すと、いかにも政治的につくつた数字であると断定せざるを得ないわけでありまして、これは科学的に、純理論的になさるべき減額補正が、あるいはまた超過供出というりくつの上では成り立つでしようけれども、こういうふうにつくられた数字で押しつけられるということが、今まで農民をいかに毒して来たか、あるいは政府その他関係方面に対しましても、農民の不信の声を起さしておつたということをお考え願いまして、超過供出につきましては、それが希望的な数字であるということを、はつきり政府で腹をきめて、関係方面とも御折衝願い、さよう御決定あらんことを希望いたしますが、これに対する大臣のお考えを伺いたいと思います。
  11. 廣川弘禪

    廣川国務大臣 強制的な態度をとらずして、われわれといたしましてはあくまで行政指導によつて気持よく、心安く出させたい、こういう気持でやつておるのでありまして、超過供出をほんとうに強制するというようなことは、今までの例から見ましてもなかなかうまく参りません。そこでわれわれといたしましては、この点をその筋にも十分了解してもらうように、毎日折衝いたしておる状態なのであります。現在もなお交渉中であることを御了解願います。
  12. 河野謙三

    河野(謙)委員 食糧管理局長官に一言お尋ねしたいのです。ただいま補正の問題で御発表がありましたが、当初政府減額補正が百六十数万石と考えられておつたのですが、それが百三十四万石に補正数量減つた経過につきまして、少しく詳細にお伺いしたいと思います。時間の関係上、私はかようなわけで減つたのじやないかと思いますので、一言つけ加えておきます。この補正数量が減りましたのは五等麦を買い上げることになりましたので、そのために減額補正数量が百六十何方石から百三十何万石に減つたのか、それならば五等麦の買い上げ数量予定数量を三十万石前後に考えたのであるか、こういうことを私は想像するのですが、合せて五等麦の買い上げ数量予定量、これもひとつ御発表いただきたい。  それからさらに一括してお尋ねいたしますが、五等麦の規格の問題です。ただいま伺いますと、この五等麦の中には総合配給用には適しないものも予想されておるようですが、これを裏から解釈いたしますと、食糧に向かないもの以外のものは全量買い上げる。要するにえさその他に向ける以外に方法のないもの以外のものは、全部五等麦として買い上げる、こういうふうに五等麦の規格を承知していいかどうか。これらのことについてお伺いしたいと思います。
  13. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 百七十万石程度補正を当初いたしましたときは、ただいまお話がありましたように、五等麦は大体買わぬということで、私ども考えておつたのです。しかし全般情勢から考えれば、五等麦を買うのが適当であろうということで、それを見込みますれば減額の方は百三十万でもよかろうという判定をいたしました。五等麦の大体買い入れ見込み数量でございますが、私どもとしては大体六、七十万石のものはありやしないか、こういうふうに見ております。もつともこれは見込みでありますけれども、各府県意向等も聽取いたしますと、大体六、七十万石程度のものは、五等麦として入つて来るのではないかというように思つております。  それから規格の問題でありますが、こまかいことで恐縮でありますけれども大麦については一升重量二百四十五匁、それからはだか麦は三百三十五匁、小麦は三百二十匁以上、整粒歩合大麦では五五%、はだかが五五%、小麦が五五%、この程度のものから五等麦として買入れをいたしたい、そういうふうに考えております。
  14. 河野謙三

    河野(謙)委員 そういたしますと、五等麦の品質というものは、相当惡いものまで買い上げるということになるのですが、そこでこの五等麦の用途につきましては、たとえば粉にする場合、どういうふうな割当方法をやられるか、それからこういうものを買い上げました結果、当然総合用にも向かない、いわゆる食管赤字負担になるものがあると思いますが、これは当初から政策的にお買上げになるものなら、大体当初からそういうものはこれによつてどの程度政府負担が増すかというようなことを、この機会でなくていいですが、算出されまして、一応お示し願つた方がいいのではないか、かように思うのですが、いかがですか。
  15. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 ただいま申し上げましたような規格でありますと、総合用としては使えると思うのであります。ただ最近の消費者の実績から申しますと、なかなかやかましくなつて参りまして、多少品質の落ちたものは配給辞退になるという傾向がありますので、こういう傾向前提といたしますと、配給拒否にあうようなものが若干入つて来るのじやなかろうかという想像をいたしておるのであります。しかしながらこれも想像でありますが、今後今の米のやみ価格とか、あるいは小麦やみ価格が若干上昇しておる傾向等考えますと、配給辞退も若干少くなつて参るじやなかろうかというふうにも思うのであります。従いまして、この五等麦として買い入れましたものが、全部配給辞退になつて政府赤字になるという性質のものではございません。これは今後の情勢にもよるかと思いますので、この点は十分愼重経過を見て参りたいと想つております。ただいま御注意のありました最惡の場合における損失算定その他につきましては、決定いたしておりませんけれども、至急に決定をいたしましたあかつきにおいては、算定をいたして御審議を願いたいと思います。
  16. 河野謙三

    河野(謙)委員 五等麦について損失考えておらない、こういうことでありますけれども、私は今回の五等麦につきましては、五等麦の発生の原因が、まつたく不可抗力的な天候その他に支配された結果である。同時に五等麦を発生するところの農家というものは、大体精農か大農であるいうことから、政策的に五等麦の設定をされたと思う。でありますから、これによつて赤字が出ないようにするのではなくて、これによつて政策的に当然赤字は生ずべきである、赤字は覚悟して五等麦の価格設定をすべきである。かように思うのでありまして、その出ました赤字をいかに処理すべきかということは別の問題といたしまして、今のお話のように、五等麦を設定いたしまして、それによつて食管負担は全然起らないのだということになりますと、まつたく機械的に価格算定をされると思う。たとえば従来の四等麦に対しまして、この五等麦の品質のみから算定されました二割安とか、二割五分安というようなものができますると、これではまつたく五等麦を設定した意味がなくなるのであります。でありますから、そういうお考えでなく、逆に政策的にこの五等麦を設定した、こういう出発点から考えて、価格を政策的に御決定願いたい、かように思うのであります。なほこの機会に、価格発表はまだ時期に至つてないということでありますが、五等麦と四等麦の価格の開きがどのくらいであるかということぐらいは、御発表ができると思いますが、もし何でしたら値開きの率だけでも御発表願いたいと思います。
  17. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 値開きの率について大体その見当がついておりますれば、実は申し上げてもいいのでありますが、その辺をどの程度にきめるかということを、実はいろいろ検討いたしておるのであります。この点はもう少し愼重に研究いたしたいと思いますので、御要望の点は十分私どもわかつておりますが、また一面あまり非合理的なこともいかがと思いますので、その点の調整をはかりたいと思つて研究をいたしております。  価格設定はただいまお話がございましたように、これは救済的なものであるから、これに相当赤字を出してもいいのだという前提で私は考えたくないと思つております。しかしその事情もわかりますので、若干考慮はいたしたいと思いますが、やはり合理的な価格にいたしたいというふうに考えております。
  18. 千賀康治

    千賀委員長 次に進みます。山口武秀君。
  19. 山口武秀

    山口(武)委員 麦の補正の問題に直接関連したものではないのですが、供出関係があるから食糧庁長官にお聞きしたいのです。この前食糧庁でお調べに行きまして、その報告を私見たのですが、大体食糧庁報告というものは、でたらめきわまるものであるから御注意願いたい。当てにならぬことはなはだしい。農業協同組合の不正問題にからんで、食糧庁の調べたものと実情はまつたく相反しておる。そのために昭和二十五年度の農業計画によつて割当てられた、肥料の配給を受けられないというような問題が起つて来たわけなんです。これは供出代金協同組合の方で支拂つてくれないので受取れない。しかも大量に受取れない。こういうようなことになつて参りますると、農業計画そのものが重大な変更を来たし、あるいは農業計画そのものが否定されるようなことになりはしないか、これについての食糧庁の見解を承りたい。
  20. 千賀康治

    千賀委員長 山口君に御相談しますが、ただいまの御発言は、本日のただいまの議題が麦の補正割当の件について、政府から報告を聽取するということでありまするので、今のあなたの発言はまつたくこれと関係がありませんので、どうか次にしてもらいたい。一般質問になりますから、それは別の機会讓つてつてもらいたいと思います。これはどうぞ御承知を願います。  次をお許しいたします。井上良二君。
  21. 井上良二

    井上(良)委員 この際特に補正問題に関連して質問をしたいのは、今河野さんからも質問をしておりました五等麦の問題でございます。これは二十四年度産米の五等米を設けたという前例にならつて政府が新しくこういう制度を採用されようというのでありますが、問題はこの買上げの場合の規格です。これはみな各県ともばらばらで、勢力の強いといいますか、いろいろな話の納得をされておるところは順調にやられておるけれども、そうでないところはびしびしはねられてしまつて、ほとんど三等、四等というものは買い上げられてない。ほとんど全部を五等に落してしまうというところが、至るところに現われておるのです。検査規格の問題について、もつと農民に徹底されるように、具体的な処置を講ずる必要がありはせぬかと思う。今あなたは一升の重量についてこれこれこれこれという、こまかい目方の話をしておりましたけれども、現実の買入れ場所においては、そういうこまかいところまで一々やつていないのです。一目見た上でぱんとはねてしまう。長い道を車に積んで、農業倉庫へ持つてつてはねられて、家に帰つてまた俵に詰め直して出て来なくてはならない、この農民の苦労は並々ならぬものがある。だから農林省の規格農民にもう少しよく理解せしめて、ほんとうに両方とも納得の上で売り買いするという処置を、この際特に講ずる必要がありはせぬかと思うのです。これに対するお考えはどうかということと、それから五等麦を買い上げる見込み額を、政府は一体どれくらい予想しておるのかということです。これによつて河野さんが御質問になりました問題が具体化されて来ます。あなたは五等麦によつて食管にはあまり赤字が出ない、どういう見込みのようでございますけれども、しかしながら事実問題として、麦類は月五万トン近い配給辞退が至るところに出ており、これ自身値を切つて売らなければ始末がつかない状態になつている。だからあなたの見込みとわれわれの見込みはちよつと違うと思いますが、あなたの方では、配給辞退はないという見込みを立つておりますか、この点を明らかに願いたいのであります。
  22. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 検査規格品を末端に徹底させるようにという御注意でございますが、その点はできるだけ努力いたしたいと思います。  それから、五等麦につきましても、至急に標準品をつくりまして、これを末端まで配付し、その標準品に基いて検査を実行させる段取りで、大体準備が完了いたしたわけでありますから、この点は末端に徹底すると思います。またいろいろな御注意がございましたら承りまして、具体的に措置をいたしたいと存じます。  それから五等麦の買入れ見込みでございますけれども、県からは大体七十五万石程度報告参つております。食糧事務所の見込みをとりましたならば六十五万石、この間に十万石の開きがありますけれども、七十万石前後が大体五等麦の買入れ見込み数量として私ども腹の中に持つておる数字であります。  それからこれに関連いたしまして、配給辞退に合うのは必然であるので、そうした場合に、食管特別会計に赤字が当然出るのではないかというお尋ねのようでございますが、私どもも、五等麦につきましては非常に心配をいたしておるのであります。一応物理的には総合用にまわるものでありましても、現在の消費者のいろいろな傾向から見ますと、拒否に合う必然性を相当つておると思うのであります。そうした場合には、事故麦なら安いので、これを飼料等に処分するようにいたさざるを得ない場合もあろうかと思うのであります。従いまして、先ほど私は少し強く申し上げたかと思いますけれども、全然赤字がないというふうには考えておりません。これによつて若干の赤字が出る場合が想定されるのであります。しかし、要はこの買入れ価格をどの程度にするかということが問題のポイントになるわけであります。先ほどお話がございましたように、これは一つの政策的なものであるから、高く買つてくれというような御要望は至るところから受けております。端的に申しますと、四等と五等との格差は七、八十円から百円ぐらいという御希望が相当強いのであります。私どもこれの用途、内容の分析その他を冷静に考えますと、三百円程度の格差という一つの結論も出るのであります。しかし、これでは現在の実情から申しましてあまりにひどいので、その辺実はどの程度調整しようかというようなことで、研究をいたしておるのであります。その結果に基きまして、若干の赤字も一応想定しなければならぬというふうに考えているのでありまして、はつきりした点は申し上げ得ないのでありますけれども、大体そういう気持で問題を考えているわけであります。
  23. 井上良二

    井上(良)委員 この際伺つておきますが、二十四年度産の五等米の買上げ数量はどのくらいですか。それからそれを総合用配給した数量はどのくらいですか。これを明かにしてもらいたい。  次に麦の買上げ價格の問題ですが、特に超過供出の奨励金の問題に関連して——。御存じの通り政府の案は一・二五、しかし二十五年度予算には二倍の買上げ予算が組まれておる。従つて生産農民を代表する側は、やはりこの予算に組まれている金額で奨励金をもらいたいというが、政府考え方は一・二五倍にして、そのかわり内容は基本価格に繰入れるという方針であるようにこの前承つたのでありますが、そういうことにするつもりでありますか、それともやはり二倍買上げで話を進めるつもりでありますか、この点を明確にしてもらいたい。
  24. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 昨年のくず米と申しますか五等米、これの買入れ数字は大体三十五万石程度。これは米でありますので、配給辞退とか何とかいうことはなく、大体処分をいたしております。そのために五等米を買つたから赤字が出たということはございません。これは麦とちよつと性質が違う点であります。  それから超過供出奨励金の一、二五倍の問題であります。私ども麦の基本価格をきめます際に、超過供出奨励金は予算上二倍に組まれておるけれども、これは相当引下げてもよいではないかという交渉を受けたのであります。その根拠は、超過供出奨励金は、御承知のように供出を促進さす意味のものであつて生産者に單に利益を與えるという意味のものではない。従つてやみ価格その他と対比してきめるべきものではないという思想が関係方面にある。ところが麦のやみ価格はずつと下つている。一・二五倍でも相当集荷してそれに対抗し得るということで実は交渉があつたのであります。予算上は二倍でありますけれども、そういうことになりますればそこに差額が出て来ますので、それはやはり生産者に返すという意味において米なりの基準価格に繰入れるということにいたしますれば生産者全体といたしましては損失はないのでありますから、麦の実情から申しまして、大体そういうことでよかろうという返事を一応いたしたことがあるのであります。この点については、昨年の米価審議会等におきまして、超過供出奨励金というものは、末端の割当が公正でない結果、あるいは災害その他の事情によつて、非常に努力をしてもらえない農家もあるし、あまり努力をしなくてももらえる農家がある。その結果は、農家が同じような経営規模であり、同じような努力をしているにもかかわらず、ある農家相当超過供出奨励金が入り、ある農家はほとんど入らぬというような不公平な事態も、末端においては相当見られるので、やはり基本的な方針としては、奨励金はやめて、基準価格を上げる方向に努力すべきであるというような御意見もありましたし、私どももさようにも思われますので、ただいま申しましたように、今年の麦の超過供出奨励金を二倍から一・二五倍に引下げる際は、米価その他にそれを織込むという前提でもつて了承した次第もあるのであります。そのときの情勢としましては、麦については減額補正をいたしまして超過供出というものは、ほんとうに農民の意思に基いてやらせるという方向を前提としておつたのであります。ところが今回の補正について、先ほど申しましたように、国全体のベースをどうしても維持しなければならないという大前提に立ちますれば、超過供出というものを行政指導によつていろいろ努力するわけでありますが、それにしてもやはり一・二五倍では十分ではない。これは元の案のように二倍にしてもらわなければならぬ。そういうことが一つ前提であるということで、ただいま交渉いたしておるのであります。その点は昨今の情勢の変化によりまして、主張をかえておるような次第であります。
  25. 井上良二

    井上(良)委員 もう一点その問題について伺つておきたいのです。問題は超過供出奨励金を出す政府考え方です。あなたの今の説明を聞いておると、やみ価格が一・五倍でも、それでほとんど十分出て来るという一つ考え方に立つてつて、少くとも政府は八百万石なら八百万石をどうしても供出させなければならぬし、さらに進んで五十万石なり百万石なり供出を超過して出してもらうというところに、私は政府考えなければならぬ重大な意義があるのじやないかと思う。もつとも割当だけ出してもらえば、超過の方は外国輸入食糧もあることだから、別に高い金を出して買わぬでもいいというのなら別です。しかし国内食糧を確保して行こうという考え方に立つ以上、やはり少くとも超過供出奨励金を、できるだけ多く出してもらうという手を打つべきじやないかと思う。その考え方いかんがこの倍率を何ぼにきめるかという根拠になるのじやないかと思う。  そこでいま一つは、あなたの話を聞いておると、二倍にするよりも一・二五倍にしておいて、あとを基本価格に織り込むことは私は反対ではない、賛成です。ところがそれを麦の基本価格に織り込むならば、話はわかるけれども、米の方へ持つて行く。それはもつてのほかなんです。御存じの通り、麦作農家というものはことごとく米をつくつておるのではない。特に四国、九州においては、麦專門の農家さえあるわけでありまして、そういう考え方から麦の倍率を低下して、それを基本価格に織り込みます場合は、当然麦の基本価格に織り込むべきであろう。それができなければ、あくまでも二倍買上げ政府は実行すべきじやないか、こう考えますが、この点に対してどうお考えでございましようか。
  26. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 麦は二倍の予算で組んである。超過供出奨励金を下げればその差額分は麦作農家に返せ、それを米に持つて行くという考え方は絶対間違つておるというお話でありますが、一応ごもつともだと思うのであります。しかしこれは米価審議会でもいろいろ議論がありまして、実ははつきりした資料は出ておらぬのでありますけれども、麦作農家には、米作を兼業しておる農家と、麦專門の農家とあるわけであります。麦專門の農家が一体どれくらいあるかということを、供出台帳等によつて調査をいたしておるのでありますが、実はまだ結論を得ておりません。私ども想像では、それほど多くはないというふうに思うのであります。それで米価の方に返してやりますれば、その点は大部分は救われるのではないか。しかし詰めて言いますれば、麦作專業農家相当不利を與えたということになるだろうと思います。また麦專業農家のうち、超過供出をなし得る農家について、相当予期に反した不利益を與えたということにはなろうかと思いますが、そのウエイトを比較して参りまするならば、やはり米価を将来において引上げる一つのきつかけといたしまして、その金を基準米価の中に織り込む方が、政策的に申しまして妥当ではないかというふうに考えて、実はそうした議論をいたしておつたのであります。いろいろこの点についての御意見もあろうかと思いますけれども、私ども考えました筋道だけを申し上げたわけであります。
  27. 井上良二

    井上(良)委員 先般大蔵大臣は、来年度予算において、産米の買上げ価格は国際価格にさや寄せをしたい、こういう考え方をもつて予算を編成するという話でありますが、食管長官としてはそういう考え方に立つていますか、この際これを伺つておきたい。
  28. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 来年度の予算編成につきましては、実は事務的には、主計局長等と大綱についてお話をいたしておるのであります。結局、来年の米価をどう見るかという問題、私どもといたしましては国際価格にさや寄せをする。要するに、補給金をできるだけその点で減らして行こうということでありましようが、しかし全般から申しますと、この際一挙にトン百四十ドルなり百二十ドルの国際価格に米価を持つて行くということは適当でない。しかしながら現状ではいかぬので、相当引上げてやらなければならぬ。パリティー計算ではじいたもののほかに二割程度のアロワンスを見た予算を組んでしかるべきではないかということで、話をいたしておるのであります。もちろんもう少し具体化いたさなければ何とも申されませんけれども相当含みを持つた予算をもつて米価についてはやつて参りたいと考えております。
  29. 足鹿覺

    足鹿委員 今の問題に関連いたしますが、麦の超過金を削つて米価に織り込むということはやむを得ないという話でありますが、この切下げによつて生じた余裕金を、そのまま基本米価に繰り込んで行かれるのでありますか。その点はつきり伺いたい。
  30. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 私どもの主張といたしましては、切下げた分はそのままそつくり米価なり生産者に入るような方法でまわして行きたいという考えであります。
  31. 足鹿覺

    足鹿委員 私どもがなぜその点について不安を持つているかというと、食管会計の全般を通じて、最近においてはまた賃金ベースの引上げから来る行政費が膨脹して来る面も出て来るでしよう。また今の調子で行けば配給辞退というようなことは、相当とまつて来るかもしれませんが、また見方によつては、その成行きというものはまつたく見当がつかない。それによつて赤字の増減が起きて来る。またいもの買入れ問題等によつても、食管会計には変動が来る。そういうようなものを差引して得た差額金を、米価へ持つて行くというような懸念が多分にあるのです。そういう点でただ米価審議会において、今井上委員から申された、麦を米へ持つて行くということそれ自体が間違いであるのみならず、そういつた余裕金をすべて米価へ持つて行き得るや否やということについて、非常に疑念を持つておる。その点をもう少し明確に、そういう方針を持つておるというようなことではなしに、今申しましたような点も勘案して、ほんとうに持つて行き得るのかどうか、それをひとつ承りたい。
  32. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 足鹿さんのおつしやつているのはその通りでありまして、そういう議論は相当強くございます。特に財政当局におきましては、そういう議論をいたしておるのであります。その点については、二、三回にわたりまして、相当やかましく議論を実は闘わしておるのでありますが、私どもはそういう考え方がいかぬというのは、生産者のために入るべきものを、そこでリザーブしたのだから生産者に返すということで、そこは考えて行かなければならぬということで強く主張いたしておるのでありまして、大体そうした主張は私は認められるものと思つておるのであります。しかしその点については相当議論があることだけは、その通りであります。その点は十分に私どもも努力して、一・二五倍ということになりますれば、その差額は基準米価に持つて行くということできめたいというふうに思つております。
  33. 足鹿覺

    足鹿委員 昨日私農林大臣質問いたした際に、せつかく省議を元の予算通りの二倍にまとめて、超過金はその省議によつて関係筋と折衝しておるという話でありました。米価審議会の要望に沿うて努力しておられる政府の御苦心の点については、非常に敬意を表しておるのでありますが、今朝の新聞等を見ると、またそれは全然見込みが薄いというふうな新聞記事も出ておる。この点については昨日の中央農業調整審議会においても、やはり米価審議会と同様な意見が答申されておるように見ておるのですが、実際関係筋との折衝の見通しは、今日の新聞紙上に見るような事実であると解釈していいのでありますか。これは非常に大きな問題です、先刻も麦の問題をおつしやいましたが、政府自身が出した統計によつて、米をつくらない麦作農家というものが七十六万戸ある、これは政府の出した統計ではつきりしておる。そういう麦作農家の犠牲において基準米価に織込む方針を立てて行く、それもうまく行かない、また議論があつて統一されておらない、うまく行くのかどうかわからない。また答申そのものに対しても、実現するのかしないのかわからないというような事態では、ほんとうに不安で、農民としては今後の供出問題にも、非常に政府の施策に対する信頼感と申しますか、そういう点が非常に動揺して来ると思うのです。今申しました関係筋との見通しの問題を、この際おわかりになつておれば明らかにしていただきたい。
  34. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 今の問題は、米価審議会におきましても強い御答申がありましたので、その後二倍ということによつて折衝を再び開始しておつたのであります。今回の麦の補正について、超過供出の点を相当強く要請をするという事態になりますれば、なおさらその点は私どもとしては合理性を持つて来るし、強い主張をし得る段階になつたというふうに考えまして、ここ数日来その点については、大臣のお供をいたしまして折衝いたしたのでありますが、昨日までの段階といたしましては、なかなか事態は好転いたしておりません。本日もその問題について、また後に大臣のお供をいたしまして参るつもりでおりますが、必ずしも情勢は好転はしておらぬということは言えると思います。
  35. 足鹿覺

    足鹿委員 大体御盡力になつておる模様でありますので、あえてこれ以上は申しませんが、ひとつぜひ審議会の答申を実現せしめられるように、一段の御努力をお願いいたしたいと思います。  次に麦の補正の問題ですが、補正超過供出を、当局はむりに結びつけて行かれようとしておられるのでありますが、これは一体どういうわけでありますか。補正補正、別個の問題じやないですか、どうしてこれを結びつけて行かなければならぬのですか、私はそれがわからぬのですが伺いたい。
  36. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 補正補正、超過は超過というのは、これは当然そうだと思います。このお手元に差上げました表で、減額が百三十四万で超過が百三十四万でぴつたりしておりますから、そこに非常に作為的なものがあるようにお考えになられると思いますが、結局前提といたしましては、今年は事前割当数をぜひ確保すべきである。それから作報数字等から申しますれば、当然確保できるはずのものである。これは作報数字から申しますと当然そうなる。作報数字自体についていろいろ問題があるといたしましても、事前割当数量から比較いたしますれば、今年の麦作は一割五、六分見当の増産になつておるわけであります。そうすると一方において災害がありまするから、その災害の農家に対しては補正は当然だろうと思います。しかしながらそれに見合う、あるいはそれ以上の超過供出数字の上では可能であるという結果になつて来るのであります。作報数字を基礎といたしますれば、供出農家について考えましても、二百万石程度超過供出というものが、数字の上では可能であるというような結論が出て来るのであります。しかしそこは最小限度ナショナルベースを維持するという意味において、百三十何万という超過供出を願うということにいたしておるのでありまして、同じように並べたから、ちよつと奇異な感じをお持ちになるものと思いますけれども、わけて考えますとそうおかしいものではないと思います。
  37. 足鹿覺

    足鹿委員 それではますますおかしいと思う。そんなばかな話はないと思う。超過供出する能力がある農家と、被害を受けて補正を受ける農家が、末端に行つて一致するというべらぼうな話はない。国の帳面の手前、あなた方の机の上ではそういうことは成立つかもしれませんが、県に入り郡に入り、町村に入つて行けば、今申しましたように、そういうことが一致する理由はない。そこに私は今度の補正に非常な矛盾があると思う。今の長官の御答弁では百姓が聞いて笑います。
  38. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 それは減額補正を受ける農家と、超過供出を受ける農家とはもちろん別なのであります。この表でごらんになつてもおわかりのように、つまり西の方は県ごとにもそれが違つて来るわけであります。その県でもつて減額した分だけはそこで超過をしてもらうという立て方でもありません。だから全然系統は別なのであります。増收のあつた所にはこれくらいの期待ができるのではないかということでありますから、関東方面事前割当数量よりも全体としてオーバーしておる。オーバーしておるけれども減額の方はある。それから西の方は事前割当数量には絶体量においても達しない。しかし内容は減額の方が非常に多くて、超過の方が若干ある。差引しても目標には達しないという傾向がこの表に現われておるのでありますが、それでずつと末端におきましても、減額を受ける農家超過供出をしてもらう農家は全然別なのであります。地帯も別でありますし、個人的にも別なのでありましようから、そう笑われるようなこともないのではないかと思います。
  39. 足鹿覺

    足鹿委員 そうお考えになつておれば、見解の相違ですからいたし方がないでしよう。しかしこういう補正のやり方というものは、私は農民が納得しないと思う。必ず矛盾が出で来るということだけは確言できると思いますから、この問題はこれで打切つておきます。  そこで次に、長官が幸いおいでになつておりますから、昭和二十四年産の米の最終価格の決定はどういうふうになつておるのですか、伺いたい。バツク・ペイは大体いつごろおやりになる見通しであるか。非常に遅くなると、バツク・ぺイそのものの農村の金詰まりに與える影響というものは、相当大きいようです。地方の人たちといろいろ話をすると、盆に間は合うのか間に合はぬのか。一体出すのか、出さぬのか。出るとすればどのくらい出るのかという質問を、私どもはしよつちゆう受けるのです。この点もどういうふうにお考えになつておるか。もう今日は、ひとつはつきりさしていただいてもいい時期だと思うので、この点をひとつはつきりしていただきたい。
  40. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 その御要望は、私毎々受けておりますので、できうるだけ旧盆に間に合はしたい。全部というわけにも参りませんが、若干のものは間に合はしたいと思つて努力しておるのでありますが、大体どのくらいになるかということは、ただいま記憶いたしておりませんので、明日でも具体的に御答弁申し上げたいと思います。
  41. 足鹿覺

    足鹿委員 最終米価の価格はきまつておりますか。
  42. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 大体きまつております。
  43. 足鹿覺

    足鹿委員 その資料は明日お出し願えますか。
  44. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 大体お出しできると思います。
  45. 足鹿覺

    足鹿委員 旧盆に間に合うことを一つ御確約を願いたい。
  46. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 全部というわけには参らぬかと思います。その辺の見当のぎりぎりのところを明日でも御説明申し上げます。
  47. 足鹿覺

    足鹿委員 そうしますと、二十四年産米の最終価格をすみやかに決定されまして、追加のバツク・ぺイは旧盆に間に合うようにひとつ実行していただきたい。日にちもあまりないようでありますから、全部とは言いかねるがというきわめてあいまいな御答弁でありますけれども、これは切実な農家の声でもあるし、せつかくバツク・ぺイをなさるならば、喜ぶときにおやりになつた方が、政府としても、受ける方でも一番いいことでありますので、準備が進んでおれば、さらにこれは促進していただきたい。これは強く要望をいたしておきたいと思います。他にもありますが、この程度で私の質問を打ち切ります。
  48. 山口武秀

    山口(武)委員 今の足鹿委員質問に対しての安孫子長官の答弁は、きわめて私はふまじめだと思う。第一減額量と超過量の不一致という問題について、これはたまたま一致するのだ、そのような答弁はどこにあるのか。一致するはずはないのだ。少くとも、そういう態度は委会をちよろまかしておけばそれでいいのだ。——一致するのではなくて、あなたが一致させたのだ。一致させたものを、委員会質問されればいいかげんにおつつけておく。こういうのは、單に農民に対しての補正要求というものを無視するばかりでなく、国会の審議というものすらも無視して、ただおつつけておけばいい。このようなことは私はふらちなことだと思う。ほんとうのところはこれが偶然一致したのか、お聞きしておきたい。
  49. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 この超過量の百三十四万四千というものは、私は作報数字からはじきますれば、あるいはこれは二百万石近い数字にもなる。しかしそのうち期待いたしますのが百三十四万であつて、それを府県別に振当てをつけて見れば、こういう数字になるのだという意味において、ここへ掲示をいたしたのでありまして、これはお話のように減額量を見合つて、その分だけは超過供出をどうしてもとらなければならぬという前提に立ちますれば、こういう府県のバランスになるということで申しておるのでありまして、作報数字をそのままとりますならば、この超過供出量というものが二百万石くらいにもなるのであります。それを減額量と同じ数字にしたという点についてはもちろん意識的ではありますけれども、これを同じにしたからこれは非常に不当なものであるということにはならぬ。なおこれが府県別のバランスについてそうした見方をすれば、私どもとしては最善を盡して一つのバランス案であるというふうに申し上げたのであります。
  50. 山口武秀

    山口(武)委員 先ほどの答弁と今の答弁はまつたく違つております。先ほどは偶然一致した。今は意識的に一致した。そういうようないいかげんな答弁は今後しないようにしてもらいたい。
  51. 吉川久衛

    ○吉川委員 長官にちよつと伺つておきたいのですが、先だつて会議のときに、農林大臣の御答弁にあつたと思うのですが、ただいま手持の食糧が四箇月分ある。私は次の米穀年度へ繰越す予定が四箇月分と聞いておるのですが、現在でもなおかつそれと同等の数字であると考えてよろしいのですか。
  52. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 現在手持ちをしております食糧が、大体四箇月分あるというふうに御了承願つておきます。
  53. 吉川久衛

    ○吉川委員 これは長官に伺うのは少しむりかもしれませんが、麦の価格の問題についても、米の価格についても同様でありますが、單に、農民が期待をしたのではなくて、予算面で期待するような形になつておる。たとえば超過分については二倍の特別価格というものが予算の上に盛られておる。従つて当然ここに一つの期待権が発生しておるわけなのです。そのつもりでそれだけの経費をかけて増産をやつて来た。ところが突如それが政府の御都合で、その特別価格をかえるというようなことは、明らかに農民の増産意欲を減退させるところの措置である。日本の食糧の自給度を高めるという、政府が繰返し繰返し述べられておるところの政策と、たいへん違うのでありますが、一体そういう考え方でいいのかどうか。私はむしろ大臣に伺うべきことだと思うのであります。ことに日本の官庁のセクショナリズムから申しますならば、食糧庁長官食糧の確保だけしていればいい、増産なんかどうでもいいでしようけれども、結局は確保に影響するのでありますから、そういう点も十分考慮して、その農民の期待権を裏切ることがないような策をとらなければ、政府は口の先で自給度を高めなければならないと言いながら、全然逆な矛盾をしたところの政策をとつておるというようなことについて、特別の配慮を煩わさなければならない。そこで私自身はこの国際関係でもつて非常に食糧の見通しについて不安を持つております。聞くところによると、南鮮から輸入を予定された食糧、四十万トンでございますか、それがただいまのところまで九万トンしか入つていない。あとは現地において集荷の見通しもつかない。そういうところへもつて参りまして、ただいまああいうような事変と申しますか、戰争が勃発をしておりますから、今後の日本の需給の問題に、相当の影響があるのじやないかと思うのであります。そういつた点について、おさしつかえなかつたならば、お見通しを伺つておきたいと思います。
  54. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 朝鮮の米の輸入は、昨年の秋とれました朝鮮の米は、十万トンの契約をいたしました。そのうち入りましたのが九万何千トンで、一万トン弱が積み残しになつております。これは見込みはないと思います。それから今年の秋とれます新米は、大体二十万トン予定しておつたのでありまして、これはこの事変の結果、ほとんど見込みはなかろうかと思います。今年のものにつきましては一万トンばかり減りましたけれども、新聞等にも出ております通り、加州米が五、六万トン入りますので、これを九州方面あるいは中国方面に振りまきますから、米食率は既定通りに維持できると考えております。来年度の問題につきましては、朝鮮の分をエジプトでありますとか、タイ、ビルマというような方面に、私どもとしては期待を持つて、確保いたしたいということで、いろいろ今交渉いたしている最中でございます。
  55. 遠藤三郎

    ○遠藤委員 私はこの際、ただいまの質問に関連しまして、食糧庁長官に御要求を申し上げておきたいと思うのであります。それはこの委員会の最初の日に、私は今年度の食糧需給状況についての数字を、早くこの委員会を通して発表してくれということを要求しておきました。ただいまいろいろ問題になつております麦の越過供出の問題についても、あるいは米価の問題についても、その他のいろいろな問題は、要するに今後の需給がどうなるかということから出発する問題のみでございます。その基本的な数字がわからないために、委員会としては非常に迷惑をしておるのでありまして、それをすみやかに発表してくれということを、私は委員会の最初の日に要求しておつたわけであります。それに対して、政府はまだその数字発表をしていないのでありますが、もう二週間以上もたつておりまから、今日ここで詳細なる発表をしていただきたいということを要求いたします。
  56. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 実は手違いで、さような結果になつていることを、私は今初めて知りましたので、非常に申訳ないと存じます。御要求のありましたときに、さつそく本年度の需給の見通しについて、詳細な資料を出すように檢討いたしまして、作成いたしたのであります。当然できておりまして、お手元までに配付されていると実は考えておつたのでありますが、まだ参つていないようでありますので、この点は非常に恐縮いたします。あすにでも詳しい資料を御提出申し上げたいと思います。その際に御説明申し上げた方がいいか、あるいはこの際に若干の状況を申し上げた方がいいか、どういたしましようか。
  57. 遠藤三郎

    ○遠藤委員 資料に基いてけつこうです。
  58. 木村榮

    ○木村(榮)委員 五等麦についてでありますが、去年の米の検査のきに、初めて政府が五等米というものをよけいこしらえて、そしてやたらに五等米、五等麦が配給されておる。そして品質の惡い外国食糧がたくさんまざつているから、そのために配給辞退が多いのに、そのことは一向言わないで盛んに日本の五等米や五等麦があるということに轉嫁している、こういうことが大体本質だと思います。その点はどうお考えですか。
  59. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 五等麦を買いましたことはほとんど今までありませんので、現在手持ちをいたしておりまする政府の麦について配給辞退があるということは、内地の五等麦が配給辞退になつているということではございません。普通の品物が配給辞退になつているというふうに実は申し上げているのであります。
  60. 木村榮

    ○木村(榮)委員 それなら五等麦だから配給辞退が出るのだというのはおかしい。五等麦であろうが何であろうが、惡いものは配給辞退になるのであつて、そして当然三等にも二等にも買えるものを五等麦だといつて落して、五等麦だから配給辞退の出る傾向が、去年の五等麦について出ている。そうやつて等外米をこしらえて、こういうふうに惡い惡いと言つて、いかにも日本の米や何かが惡いから配給辞退が出るように言つている、それはインチキだ。
  61. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 昨年の米と麦と、別にお答え申し上げた方がいいかと思います。去年の米につきましては、屑米が相当多かつたからということで、供出を完遂いたしまするためには、どうしても五等米を買わなければならぬ情勢にありましたために、五等米を買う方計をとつたのであります。先ほど申しましたように、それで買いましたものが三十五万石程度あります。これはほとんど配給辞退なしに処分を終つております。それから今年の麦について、当然合格になるべき性質のものを五等麦というふうにけ落しておいて、そしてけちをつけておるというようなお話がございましたが、そういうことは絶対にございません。やはり等級につきましては全部規格がございまして、御承知のように、標準品を作成いたしまして、その等級を検査いたすのであります。その間に当然合格すべきものを不合格にしているというようなことはないのであります。それから今年の麦は相当作柄か惡いのでありまして、品質も惡くございますから、供出を完遂するためには、どうしても五等麦を設定して、これを政府で買入れ対象にしなければならないというふうに考えますので、五等麦を設定したと考えているのであります。今の状態では、四等以上の普通品すら配給辞退にあつている状況だから、それよりは規格の下つている五等麦は、なおさら配給辞退が多いであろうと申し上げているわけであります。
  62. 木村榮

    ○木村(榮)委員 今年は俵裝が相当やかましいようですが、俵裝のための俵裝料といいますか、そういつたものが値上げになるのですか、去年のままですか。
  63. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 昨年よりは上げるつもりであります。
  64. 木村榮

    ○木村(榮)委員 縱なわをかけまして縱にやる。あれをやつていないと、絶対今度は検査に合格しませんか。
  65. 安孫子藤吉

    安孫子政府委員 俵裝について一定の規格をつくりまして、その励行を実は望んでいるのでありまして、縱なわはかけていただきたいと思います。     —————————————
  66. 千賀康治

    千賀委員長 これより主要食糧供出報奨物資配給に伴う損失の補填に関する法律案を議題といたし、審査を進めます。
  67. 足立篤郎

    足立(篤)委員 私はこの際、動議を提出いたしたい。動議は二つにわかれますが、第一は、本件に関しまして、昨日来各委員から質疑あるいは強い御要望のありましたこの補填金を配分するのにつきまして、最も合理的な方法で配分してほしいということと、配分をいたしましたあと、その結果を本委員会報告政府から求めるという、この二点を本委員会の申合せ事項といたしたいということであります。  第二の動議は、この申合せができましたならば、この際討論を省略いたしましてただちに採決いたしたい、この二つの動議についておはかり願いたいと思います。
  68. 千賀康治

    千賀委員長 ただいまの動議に対しまして、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。  これより主要食糧供出報奨物資配給に伴う損失の補填に関する法律案について採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  70. 千賀康治

    千賀委員長 起立総員。よつて本案は原案通り可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。ただいま可決いたしました法案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  71. 千賀康治

    千賀委員長 異議なし認めます。さよう決します。     —————————————
  72. 千賀康治

    千賀委員長 この際公団に関する小委員長より発言を求められております。これを許します。河野謙三君。
  73. 河野謙三

    河野(謙)委員 この機会に公団小委員会の審査の中間報告並びに緊急を要する問題につきましてお諮りいたしたいと思います。  実は公団の小委員会は、昨日まで三回にわたりまして油糧、肥料、食糧並びに経済安定本部の調査庁等を呼びまして、愼重調査を進めて参りました。今後なお数日を要すると思いますが、その間の審査の過程におきまして緊急を要する問題が起つたのであります。それは今月末をもつて廃止される肥料公団におきまして、肥料の在庫品を政府は公団をして買上げさせておるのであります。この一般の買上品は工場から出荷させて、それぞれ適当な箇所に送致しておりますが、一部数量を工場の單なる報告数字によりまして——実態をよく把握せずして、報告数字によりましてこれを買上げ、これに十数億の金を大蔵省は支出せんとしております。これは見方によりますと、かつて起りました空気木炭の事件と同じような、空気肥料の事件にさえも発展するような憂いがあるのであります。そこでこの際工場の買取りの問題は別といたしまして、買い取る以上は嚴重なる数量の確認並びに保管を政府はすべきであるということを強く考えましたので、この機会にこの問題にからんで、当委員会から当該所管大臣要望をしておきたい、かように思うのであります。それにつきましての要望書の案をひとつ読んでみます。  肥料の在庫買入れに伴う弊害の防止に関する要望   今般肥料配給公団の廃止にあたり、政府は七月分生産肥料のうちから硫安、石灰窒素及び過燐酸石灰につき合計約六万数千トン、これが代価約十数億円の工場在庫買入れを行い、肥料生産業者に対して、一種の信用貸付を行わんとしている。在庫買入れ方式は政府の必要に応じてただちに出荷を行う契約のもとに、生産された肥料を工場在庫のまま買い入れる方式であつて、肥料の保管に伴う経費の節減と肥料生産業者への資金上の圧迫を緩和することを目的とするものであるとはいえ、これが実施については在庫数量の確認、保管上の責任あるいは出荷命令に対する遅滯なき出荷義務の遂行等に関して放漫に流れひいては国家財政に不測の障害を與えるおそれがある。   よつて政府は在庫買入れの実施にあたつては、特に在庫買入れ数量の確認並びに保管に留意し、いささかも国民に疑惑の念を抱かしめることのなきよう、愼重かつ万全の措置を講ずべきである。   右要望する。 かような意味の要望書を、この機会に当委員会の名において所管大臣に提出し、なお委員長自体から、以上私が申し上げました趣旨を強く御要望願いたい、かように考えるものであります。  繰返し申し上げますが、今までの公団の閉鎖にあたりましてとりました処置、たとえば公団ではありませんけれども、木炭の例をとりますと、農民の場合は生産された木炭を政府が財政上の理由で一方的に買入れ停止をやる。また最近では統制を撤廃されましたぬか油のごときは、小さな業者に対してはかような措置は一つもとつた例がないのであります。たまたま今度大資本によつて経営されておるところの肥料工業に対しまして、非常に莫大な政府資金を融資する。しかも融資に対して、今申し上げるような非常にずさんな、むしろ悪意さえあるのではないかというような処置をとられんとしつつあることは、今後に非常な悪例を残すことでありますし、以上のようなことを要望したいと考えたわけでありますから、委員長から各委員諸子に、しかるべくおはからい願いたいと思います。
  74. 千賀康治

    千賀委員長 お諮りいたします。ただいまの河野委員長の御提案にありました通り、関係大臣あて要望書を提出することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認め、さようとりはからうことにいたします。     —————————————
  76. 千賀康治

    千賀委員長 なおこの際小委員会の設置についてお諮りいたします。土地改良、農業水利等の農業関係の公共事業の問題について調査するため、特に小委員十五名より成る公共事業小委員会を設置いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  77. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なしと認めます。  それでは小委員及び小委員長の選任につきましてお諮りいたしますが、これは委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 千賀康治

    千賀委員長 御異議なし認め、後刻委員長において指名いたします。  これにて暫時休憩いたします。午後は一時より畜産に関する件について議事を進める予定でありますので御承知おきを願います。     午前十一時五十八分休憩      ————◇—————     午後三時十四分開議
  79. 千賀康治

    千賀委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  本日は都合によりまして、これにて散会いたしたいと思います。  次会は明二十八日午後一時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時十五分散会