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川上政府委員 農事用の
電力料金につきましては、今
お話がありましたように、二つの種類がありまして、いわゆる恒久的な
施設につきましては、第一項の規定によりまして、月額最低
料金の
年間分というのを最底
料金としてとることにな
つております。しかしとりはずしをしますものについては、第二項によりまして、そういう
基本料金をとることにはな
つていないのでありまして、單にとりはずしの費用をもらうということに相な
つておるわけであります。恒久的な
施設につきましては、もちろんそれは
年間のうちにあるいは二月、三月季節的に使うということになりましようけれども、恒久的な
施設にな
つております
関係から、少くとも維持費につきましては、使わない月でありましてもある
程度とらなければならないということで、現在の月額最低
料金の
年間分を最小限の
料金としてと
つておるのであります。ただこの
料金につきまして、非常に高いじやないかしという問題があるのでありますが、これにつきましては、私どもの方としましても、何とかしてもう少し軽減してもらうように、いろいろ
関係方面とも折衝いたしたのですが、今日までこれが残念にも実現されていないわけであります。しかしいずれにしましてもて第一項の恒久的な
施設におきまして、少くとも最低の維持費をとるというような
考え方から、現在先ほど申し上げましたような月額最低
料金の
年間分をとるというようなことに相な
つておるわけであります。
なおこの農事用の
電力料金の問題に関しまして、従来どういうようないろいろ
努力を拂
つて来たかということにつきまして私から簡單に申し上げておきます。農事用の
電力料金につきましては、御承知の
通り前年度と比べまして三つの点につきまして非常な違いが生じて来ておるわけであります。第一点は、
料金が
全国一律でなくな
つた。それは
地域差の
関係から
全国一律でなくな
つて参りまして、関東と九州方面とは相当違
つた料金にな
つたという点が一点であります。第二点は、先ほど
灌漑排水用につきましていろいろ
お話がありましたが、従来三
割引にな
つていたものが全然
割引を認められずに、しかも
全国平均三割以上の
値上げになりました結果、相当大幅の
値上げにな
つたという点が
一つであります。この点につきましては、先ほど申し上げましたように、さらに
地域差がつきますと九州方面におきましては相当高くなるわけであります。第三点は、先ほど申し上げました恒久
施設につきましては、最低月額
料金の
年間分を拂わなければならぬようにな
つたという点。この三点が従来と非常に違う点であるわけでありまするが、この問題につきましては、前の議会でもいろいろ問題になりましたし、私どもの方としましても、特に
灌漑排水用につきましては非常に値上りになりますので、何とかしてこれを引下げるようにということで、いろいろ向うとも折衝をいたしたわけであります。特に農事用につきましては、従来とも
灌漑排水用三
割引という
政策料金制度にな
つていましたので、何とかして今度の
料金におきましても
政策料金を適用してもらうようにということで、いろいろ折衝をいたしたのですが、この前の国会でもいろいろ
お話申し上げましたように、
政策料金は認めるべきでないというような
意見から、今日までこれが実現を見ておりません。しかしながらこの農事用の
電力料金は相当大きい問題でありますし、私どもの方といたしましても、何とかして現在の規定の範囲内においてやれないものであるかという点を、いろいろ
研究いたしまして、先ほど申しました月額最低
料金の
年間分の
計算にあたりまして、解釈し得る限りの最も有利な解釈をいたしまして、これをある
程度低くしております。
それから第二項の工事費につきましても、たとえば材料費のごときはゼロにするというような
考え方で、これまたある
程度軽減をいたしておるわけであります。また従来多角経営に非常に不便なような
料金制度にな
つておりましたが、今回は少くとも多角経営に非常に便になるように、すなわち多角経営をすればするほど
料金が安くなるように現在や
つておるわけでありまして、この三点につきましては、
配電会社を通しまして、
全国統一的にこれを実施してもらうようにや
つております。しかしながらこれでもなお十分でない点があるわけでありまして、特に短
期間のものにつきましては、やはり最低月額
料金の
年間分という問題があります
関係から、ある
程度どうしても割高になるわけであります。
従つて私どもの方としましては、最近さらにこの問題を検討いたしまして、何とかして現在の規定の範囲内において、さらにもつと引下げる
方法はないかとい
つて、日夜検討いたしまして、近日中に大体私どもの方の原案ができる予定にな
つております。ただそれにしましてもどうしてもなお高くなるというような場合におきましては、
政策料金の問題として、
関係方面とさらに折衝を続けたいと
考えております。