○高田(富)
委員 それでは大蔵
大臣に
ちよつとお伺いしたいのですが、さつきも風早
委員から
質問がありまして、重複する部分は全部省略いたしますが、大蔵
大臣の言葉で言いますと、今
日本はおかゆ腹だ、おかゆを食
つているという話ですが、おかゆ腹でとにかく戦争に協力しようというのでありますから、この結果は大体はつきりしていると思う。おそらくこれは近いうちにぶつ倒れてしまうでしよう。そのおかゆ腹で戦争に協力してぶつ倒れる過程におきまして、最初にぶつ倒れるのは、やはり
地方自治体だと思います。この
地方財政に対しまして、中央の財政のしわをどんどん押しつけて来る、こういうことになるのが当然予想されますので、さつきもこの
標準税率以上に
相当とるのではないかという
質問があ
つたわけです。むろんそれも根拠を示せというわけですが、根拠も幾らもあるのでありますが、まだそのほかに
独立税をとるとか、寄付金だ
つて禁止されているわけではないので、いろいろなことで
地方財政の需要はこの状態の中ではどんどん増大する。しかも一
地方の住民としましては、特殊な軍需的な
産業等については、軍需インフレなどという声もある通り、金もどんどん入るでしよう。けれども農業その他の平和的中小商工業地帯におきましては、一方はどんどん枯れてしまうし、とる方は猛烈な財政需要が起
つて来るということで、
地方財政は、そういう面から、非常に不均衡ではあるけれども、まつ先に平和
産業や農業地帯において瓦解するのではないかと思う。現にすでに吏員の給料が払えないとか、一番重点的に扱われている自治体の警察官の給料さえも滞るところが
相当できておるわけです。私どもも、下級警察官の諸君が、あの重労働をや
つて、夜も握り飯一つで活動されて、そして給料が遅配だということを聞かされては、ま
つたく同情にたえないのです。これらの団結権も罷業権もない下級警察官の諸君さえ、現在では給料の遅欠配にな
つている。こういう状態でありますから、
地方自治体に対するしわ寄せは、当然戦争協力体制のもとにおいては急速に来るものと
考えざるを得ない。その点で大蔵
大臣に二、三お答えを願
つておきたいと思うことは、たとえば公共
事業費などにしましても、おそらくこういう状態の中では、軍需的な必要性のある道路であるとか、その他特殊な方面にはどんどん出ましようけれども、農業
関係、水利
関係であるとか、災害復旧であるとか、あるいは失業救済のための平和的の
事業というような方面に出るものは、ここで急速に減
つて行くということは当然予想されるわけです。そうなると、
地方自治体としましては、やらずにいればやられて参
つてしまうのでありますから、のらなくてはならぬというので、むちやくちやな徴税をやるとか、寄付金をとるとかいうことにな
つて現にそれは起
つております。神奈川県あたりでも、県下の土木工事などは二〇%しかやれない。全国的に至るところそういう現象がありますが、これはもつとここでひどくなると
考えられます。また見返り資金等でそういう方面に出されるものも、おそらくこれからは組み方がかわ
つて来て、平和的な方面の、
地方自治体を多少でも潤すような方面のものは、容赦なく削られて行くということになると思う。こういうことは一つの例にすぎないので、そのほかたくさんあるわけでありますが、
地方自治体に対する非常な負担を増して来る。失業対策費はどの問題にしましても、この間は、東京都内でも、この付近の市の市長が、職業安定所へ行
つて、輪番制ではとても困る、何とかしてくれということを泣きついているくらい、市自体がしりぬぐいをせざるを得ないという重大なところに来ている。失業問題一つと
つてみましても、この点で大蔵
大臣は、そういう中央財政の戦争協力の方向への急速な切りかえに伴いまして、
地方の負担が
相当加重されて行くであろうということは、おそらく否定されないと思うのですが、これに対する対策を持
つておられるか、その点をはつきりお答え願いたい。