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大泉委員 そうしますと、前
国会ではほとんど五月まで
国会が続いたので、それを
昭和二十五年一月から
実施するということは、やはり五箇月の
実施できない期間があ
つた計算になる。初めからそういうことは、結局五箇月なり半年なりというものは、遡及して
実施しなければならない一つの
法案であ
つて、しかもそれが幸か不幸か廃案に
なつたとすれば、前
国会の議案としては、まことに信任のない議案であ
つたということになるのであります。しかも今度の案が修正され、
固定資産においては幾分引下
つた。これは悪くないのでありますけれ
ども、
附加価値税においては、ともかく前
国会で否決のおかげでこうした結果を招いたとするならば、前
国会においてはとにかく両院議長を招請され、そうして修正には同意できないという
関係方面の意向を伝え、修正すら認められないという固い御
意見に対して、修正できないからこれが否決にな
つたので、否決に
なつた案と修正とはどちらが重いかということはわからないけれ
ども、修正の方は軽いように思うが、特にこの結果においてはそういうことに
なつた。そうして今度出された案は、こういうふうに一箇年も延ばされ、あるいはその他の点において、とにかく
国会の
意見を尊重して修正されたといいますけれ
ども、私は
政府当局の信念のないことをここに暴露するものではなかろうかと思う。私
どもは本来ならば、とにかく前
国会においては
相当種々な修正箇所もあ
つたのでありますけれ
ども、これはまかりならぬということが
関係方面から伝えられて、それでとにかくむりして衆議院は通して行
つた。それが廃案に
なつた。その結果また修正されたということについては、私
どもの立場は衆議院の絶対多数を持つ党員として、右向けといえば右、左といえば左、こんなばかばかしい話はおそらくない。
政府は私
ども多数党員の気持を迎えて、この
法案に当
つてもらいたいというのが私の
考えであります。
政府委員に対する立場はこれだけにしておきますが、特にこの
附加価値税に対する私
どもの要望している点に対して申し上げますが、
大臣の昨日の御
説明の中に、社会党の門司君の御質問に対して、
附加価値税はいわゆる大衆に物価として、あるいは商品の
価格として転嫁されるものであるというようなことを、半ば認められたような言葉がありましたけれ
ども、私は
附加価値税は、事業を経営する以上は、どうしても経費の一部に挿入しなければならぬ。いわゆる事業をやるものは必ず收益を目的として、また收益を唯一の努力の結晶として求めておる以上は、收益のない赤字経理であ
つたならば、なるほど経営困難とかその他の
事情において
負担過重になりますけれ
ども、收益のあるものであ
つたならば、收益の面からこれは経費として控除されるのであるから、何ら
負担において痛痒を感じない。しかも自由主義の立場において、自由競争が行われるとしたならば、自由競争という立場において、公衆に対してかえ
つて安い商品を提供し得られるというような機会を與えるということにな
つて、大衆に対しては絶対にこれは転嫁すべき問題ではないというふうに私は確信しておる。こうしたことはいわゆる今日までの統制経済のもとに経営をされたという半面から、原価
計算の中に
地方税が包含されたならば、これは一応統制の建前から物価の変動あるいは
価格の変化も生じて来ますけれ
ども、自由主義であ
つてみれば、いわゆる自由競争のもとにかえ
つてあらゆる経営上の改善を伴われて、物が安く提供されるという点からい
つて、これは大衆に転嫁するものでないという建前から、私はどうも
附加価値税というものは、日本の産業界に及ぼす影響はきわめて妥当で、あるいは復興を促す一つの税制であるというように
考えてお
つたのであります。
大臣におかれてもこのことについては常に大体同じ
意見であられると信じまして、非常に喜んでおりますけれ
ども、昨日の
答弁の中にやはり矛盾する
答弁がありましたので、一言
お答えを求めたいと思います。