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1950-07-31 第8回国会 衆議院 大蔵委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月三十一日(月曜日)     午前十一時二十五分開議  出席委員    委員長 夏堀源三郎君    理事 大上  司君 理事 奧村又十郎君    理事 小山 長規君 理事 田中織之進君       有田 二郎君    鹿野 彦吉君       田中 啓一君    苫米地英俊君       西村 直己君    三宅 則義君       武藤 嘉一君    内藤 友明君       竹村奈良一君  出席政府委員         大蔵事務官         (銀行局長)  舟山 正吉君  委員外出席者         議     員 今澄  勇君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 七月二十九日  協同組合による金融事業に関する法律の一部を  改正する法律案今澄勇君外二十名提出、衆法  第一二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  協同組合による金融事業に関する法律の一部を  改正する法律案今澄勇君外二十名提出、衆法  第一二号)  閉会中審査事件の追加申出に関する件  請願  一 喫煙用具に対する物品税軽減の請願(上林    山榮吉君紹介)(第三九号)  二 地方税法案不成立に伴う預金部資金融資利    子の国庫負担等に関する請願(神田博君紹    介)(第七六号)  三 同(江崎真澄君紹介)(第七七号)  四 畜産課税適正化に関する請願(大野伴睦    君紹介)(第一二四号)  五 揮発油税軽減に関する請願(畠山鶴吉君紹    介)(第一二五号)  六 同(岩本信行君紹介)(第一二六号)  七 謄写版用加工原紙に対する物品税免除の    請願(大野伴睦君紹介)(第一六四号)  八 釣用具類に対する物品税減免の請願(池見    茂隆君紹介)(第一六五号)  九 旧軍都転換特別措置に関する請願(池見茂    隆君紹介)(第一六六号) 一〇 同(江崎真澄君紹介)(第二〇七号) 一一 観音崎国際観光ホテル建設に米国対日援助    見返資金融資の請願(永井要造君紹介)(    第一六七号) 一二 北村山郡北部に葉たばこ収納取扱所及び尾    花沢販売所設置の請願(志田義信君紹介)    (第一六八号) 一三 勤労学生の所得中一定額学資金として非    課税とする請願(成田知巳君紹介)(第一    六九号) 一四 揮発油税軽減に関する請願(圓谷光衞君紹    介)(第一七〇号) 一五 同(天野公義君紹介)(第一七一号) 一六 同(大澤嘉平治君紹介)(第一七二号) 一七 同外十六件(小淵光平君紹介)(第一七三    号) 一八 同(黒澤富次郎君紹介)(第二四九号) 一九 同(星島二郎君紹介)(第二五〇号) 二〇 同(藤井平治君紹介)(第二五一号) 二一 同(大西禎夫君紹介)(第二五二号) 二二 同(田中重彌君紹介)(第二五三号) 二三 同(片岡伊三郎君紹介)(第二五四号) 二四 同(佐伯宗義君紹介)(第二五五号) 二五 同(早川崇君紹介)(第二五六号) 二六 同(飛嶋繁君紹介)(第五七号) 二七 同外一件(西村直己君紹介)(第二五八    号) 二八 同外三件(今村長太郎君紹介)(第二五九    号) 二九 揮発油税撤廃若しくは軽減に関する請願(    江崎真澄君紹介)(第二〇八号) 三〇 碁石及び碁盤に対する物品税免除の請願(    佐藤重遠君外五名紹介)(第二四七号) 三一 接収資産の再評価時期延期に関する請願(    奧村又十郎君紹介)(第二四八号) 三二 衣服用及び頭髪用ブラシに対する物品税撤    廃の請願(押谷富三君紹介)(第三一六    号) 三三 勤労学生の所得中一定額学資金として非    課税とする請願(宮腰喜助君紹介)(第三    一七号) 三四 揮発油税軽減に関する請願(坂田英一君紹    介)(第三一八号) 三五 同(佐藤榮作君紹介)(第三一九号) 三六 同(宮幡靖君紹介)(第三二〇号) 三七 同(庄司一郎君紹介)(第三二一号) 三八 同(關谷勝利君紹介)(第三二二号) 三九 同(内藤隆君紹介)(第三二三号) 四〇 同(保利茂君紹介)(第三二四号) 四一 同(坪内八郎君紹介)(第三二五号) 四二 同(押谷富三君紹介)(第三二六号) 四三 同(河原伊三郎君紹介)(第三二七号) 四四 同(岡崎勝男君紹介)(第三六六号) 四五 同(三浦寅之助君紹介)(第三六七号) 四六 同(志田義信君紹介)(第三六八号) 四七 同(千葉三郎君紹介)(第三六九号) 四八 同(白井佐吉君紹介)(第三七〇号) 四九 同(林讓治君紹介)(第三七一号) 五〇 同(門脇勝太郎君紹介)(第三七二号) 五一 同(高木吉之助君紹介)(第三七三号) 五二 同(飯塚定輔君紹介)(第三七四号) 五三 同(千賀康治君外一名紹介)(第四三二    号) 五四 同(土井直作君紹介)(第四三三号) 五五 同(森幸太郎君紹介)(第四三四号) 五六 同(栗山長次郎君紹介)(第四三五号) 五七 同(花村四郎君紹介)(第四三六号) 五八 同(井手光治君紹介)(第四三七号) 五九 同(高橋英吉君紹介)(第四三八号) 六〇 山林の資産評価に関する請願(野原正勝君    紹介)(第三五二号) 六一 冷蔵器に対する物品税減免即時実施の請願    (田中萬逸君紹介)(第三五三号)六二 果実エツセンスに対する物品税撤廃の請願    (田中織之進君外一名紹介)(第四一三    号) 六三 蓄音器針に対する物品税撤廃の請願(天野    公義君紹介)(第四一四号) 六四 児童乗物類に対する物品税撤廃の請願(天    野公義君紹介)(第四一五号) 六五 児童乗物類に対する物品税免税点設定に    関する請願(天野公義君紹介)(第四一六    号) 六六 身辺用細貨類等に対する物品税課税方法改    正に関する請願(天野公義君紹介)(第四    一七号) 六七 かみそり類に対する物品税撤廃若しくは軽    減に関する請願(天野公義君紹介)(第四    一八号) 六八 ガス器具に対する物品税軽減及び免税点設    定に関する請願(天野公義君紹介)(第四    一九号) 六九 照明器具に対する物品税軽減に関する請願    (天野公義君紹介)(第四二〇号) 七〇 革手袋に対する物品税免除の請願(天野公    義君紹介)(第四二一号) 七一 未復員者給与法の一部改正等に関する請願    (鈴木善幸君外一名紹介)(第四八〇号) 七二 特別未帰還者給与法の一部改正等に関する    請願(受田新吉君紹介)(第四八一号) 七三 人形類に対する物品税撤廃の請願(天野公    義君紹介)(第四八二号) 七四 陶磁器に対する物品税撤廃の請願(中村又    一君紹介)(第四八三号) 七五 水あめ及びぶどう糖に対する物品税撤廃の    請願(川端佳夫君紹介)(第四八四号) 七六 同(仲内憲治君紹介)(第五七二号) 七七 同(尾崎末吉君紹介)(第五七三号) 七八 同(北川定務君紹介)(第五七四号) 七九 同(永田節君紹介)(第五七五号) 八〇 同(川端佳夫君紹介)(第五七六号) 八一 同(川本末治君紹介)(第五七七号) 八二 同(田中元君紹介)(第五七八号) 八三 同(池見茂隆君紹介)(第五七九号) 八四 同(松永佛骨君紹介)(第五八〇号) 八五 同(柏原義則君紹介)(第五八一号) 八六 同(橋本龍伍君紹介)(第五八二号) 八七 台東区における国税滞納処分調査に関する    請願(園田直君紹介)(第四八五号) 八八 揮発油税軽減に関する請願(世耕弘一君紹    介)(第四八六号) 八九 同(生田和平君紹介)(第四八七号) 九〇 同(中野四郎君紹介)(第四八八号) 九一 同(小平忠君紹介)(第四八九号) 九二 同(金光義邦君紹介)(第四九〇号) 九三 同(高木松吉君紹介)(第四九一号) 九四 同(清水逸平君紹介)(第四九二号) 九五 同(佐瀬昌三君紹介)(第四九三号) 九六 同(川西清君紹介)(第四九四号) 九七 同(赤松勇君紹介)(第五五〇号) 九八 同(橋本金一君紹介)(第五五一号) 九九 同(大橋武夫君紹介)(第五五二号) 一〇〇 同(高橋等君紹介)(第五五三号) 一〇一 同(中島守利君紹介)(第五五四号) 一〇二 同(阿左美廣治君紹介)(第五五五号) 一〇三 同(飯塚定輔君紹介)(第五五六号) 一〇四 同(前田郁君紹介)(第五五七号) 一〇五 同(庄司一郎君紹介)(第五五八号) 一〇六 同(島村一郎君紹介)(第五五九号) 一〇七 同(尾関義一君紹介)(第五六〇号) 一〇八 同(松田鐵藏君紹介)(第五六一号) 一〇九 同(高田弥市君紹介)(第五六二号) 一一〇 同(中村幸八君紹介)(第五六三号) 一一一 同(水谷昇君紹介)(第五六四号) 一一二 同(田中角榮君外一名紹介)(第五六五    号) 一一三 同(大澤嘉平治君紹介)(第五六六号) 一一四 同(塚田十一郎君紹介)(第五六七号) 一一五 同外一件(坪川信三君紹介)(第五六八    号) 一一六 同外一件(早稻田柳右エ門君紹介)(第    五六九号) 一一七 同外一件(前尾繁三郎君紹介)(第五七    〇号) 一一八 同外四十八件(佐藤榮作君紹介)(第五    七一号) 一一九 同(越智茂君外一名紹介)(第五八三    号) 一二〇 同(田中萬逸君紹介)(第五八四号) 一二一 同(高木章君紹介)(第五八五号) 一二二 同(安部俊吾君紹介)(第五八六号) 一二三 同(石原圓吉君紹介)(第五八七号) 一二四 同(吉田省三君紹介)(第五八八号) 一二五 同(保利茂君紹介)(第五八九号) 一二六 同(林讓治君紹介)(第五九〇号) 一二七 同(田中啓一君紹介)(第五九一号) 一二八 同(橋本龍伍君紹介)(第五九二号) 一二九 同(中村純一君紹介)(第五九三号) 一三〇 同(根本龍太郎君紹介)(第五九四号) 一三一 同(小笠原八十美君紹介)(第五九五    号) 一三二 同(星島二郎君外一名紹介)(第五九六    号) 一三三 同(福田一君紹介)(第五九七号) 一三四 同(亘四郎君紹介)(第五九八号) 一三五 同外一件(西村英一君紹介)(第五九九    号) 一三六 日本銀行盛岡支店設置に関する請願(山    本猛夫君紹介)(第六二〇号) 一三七 引揚者収容施設のため固有財産を関係地    方公共団体無償譲与の請願(山本猛夫君    紹介)(第六二九号) 一三八 マツチに対する物品税撤廃の請願(首藤    新八君紹介)(第六三七号) 一三九 白下糖に対する砂糖消費税撤廃促進の請    願(長野長廣君紹介)(第六四一号) 一四〇 冷蔵器に対する物品税減免即時実施の請    願(三宅則義君紹介)(第六四二号) 一四一 未復員者給与法の一部改正等に関する請    願(山本利壽君紹介)(第六四三号) 一四二 遺族補償制度確立並びに未復員者給与法    の一部改    正に関する請願(青柳一郎君外四名紹介)    (第六五一号) 一四三 松尾寺駅から大波地区に至る旧軍用鉄道    引込線の一時使用許可に関する請願(大石    ヨシエ君紹介)(第六六二号) 一四四 陶磁器製植木鉢に対する物品税軽減に関    する請願(久野忠治君紹介)(第六六七    号) 一四五 化粧品に対する物品税撤廃の請願(島村    一郎君外一名紹介)(第六六八号) 一四六 日本勧業銀行農村金融機関としての機    能整備に関する請願(本多市郎君紹介)(    第六八五号) 一四七 農民に対する課税軽減に関する請願(本    多市郎君紹介)(第七〇九号) 一四八 預金部資金地方還元に関する請願(本    多市郎君紹介)(第七一一号) 一四九 家具に対する物品税撤廃の請願(西村直    巳君紹介)(第七一五号) 一五〇 陶磁器製花器に対する物品税免税点設    定に関する請願(久野忠治君紹介)(第七    四四号) 一五一 病院用寝台等に対する物品税免除の請願    (西村直己君紹介)(第七四七号) 一五二 アルバムに対する物品税撤廃若しくは軽    減に関する請願(三宅則義君紹介)(第七    四八号) 一五三 運動具に対する物品税撤廃の請願(小西    英雄君紹介)(第七五八号) 一五四 ラジオ受信機等に対する物品税減免の請    願(長谷川四郎君紹介)(第七七五号) 一五五 織物消費税並びにメリヤス製品物品税の    廃止に伴う業者の損失補償に関する請願(    小林運美君紹介)(第七七八号) 一五六 国民金融公庫法の一部改正に関する請願    (野村專太郎君紹介)(第七八〇号) 一五七 瓦製造業者に対する適正課税の請願(三    宅則義君紹介)(第八〇三号) 一五八 揮発油税撤廃若しくは軽減に関する請願    (三宅則義君紹介)(第八一〇号) 一五九 揮発油税軽減に関する請願(武藤嘉一君    紹介)(第八一一号) 一六〇 同(石田博英君紹介)(第八一二号) 一六一 同(山崎岩男君紹介)(第八一三号) 一六二 同(松木弘君紹介)(第八一四号) 一六三 同(北川定務君外一名紹介)(第八一五    号) 一六四 同(高木松吉君紹介)(第八一六号) 一六五 同(河原伊三郎君紹介)(第八一七号) 一六六 同(竹村奈良一君紹介)(第八一八号) 一六七 同(木村公平君紹介)(第八一九号) 一六八 同(伊藤郷一君紹介)(第八二〇号) 一六九 同(武藤運十郎君外一名紹介)(第八二    一号) 一七〇 同(神田博君紹介)(第八二二号) 一七一 同(小高熹郎君紹介)(第八二三号) 一七二 同(松野頼三君紹介)(第八二四号) 一七三 同(宇田恒君紹介)(第八二五号) 一七四 同(塚原俊郎君紹介)(第八二六号) 一七五 同(田中元君紹介)(第八二七号) 一七六 同(畠山鶴吉君紹介)(第八二八号) 一七七 同(井上知治君紹介)(第八二九号) 一七八 同(橋本龍伍君紹介)(第八三〇号) 一七九 同(夏堀源三郎君紹介)(第八三一号) 一八〇 同(菅家喜六君紹介)(第八三二号) 一八一 同(岡村利右衞門君紹介)(第八三三    号) 一八二 同(山村新治郎君紹介)(第八三四号) 一八三 同(河原伊三郎君外一名紹介)(第八三    五号) 一八四 同外一件(菊池義郎君紹介)(第八三六    号) 一八五 同外一件(大石武一君紹介)(第八三七    号) 一八六 同外一件(尾崎末吉君紹介)(第八三八    号) 一八七 同外一件(大上司君紹介)(第八三九    号) 一八八 同外一件(星島二郎君紹介)(第八四〇    号) 一八九 同外三件(山口喜久一郎君紹介)(第八    四一号) 一九〇 同外三件(首藤新八君紹介)(第八四二    号) 一九一 同外五件(佐藤榮作君紹介)(第八四三    号) 一九二 同外十八件(滿尾君亮君紹介)(第八四    四号)  陳情書  一 所得税申告納税適正課税等に関する陳情    書(第    二号)  二 農村及び中小企業融資対策に関する陳情    書(第    一一号)  三 未復員者給与法の一部改正に関する陳情書    (第一    九号)  四 名古屋財務局静岡支部及び静岡清水両税務    署を関東地区に編入の陳情書    (第二三号)  五 葉たばこ耕地増反に関する陳情書    (第二八号)  六 陶磁器製品に対する物品税撤廃陳情書    (第五六号)  七 商工会議所に対する物税、市民税及び土地    家屋税免税陳情書    (第五七    号)  八 特別未帰還者給与法適用範囲拡張に関す    る陳情書    (第五八号)  九 農業協同組合連合会等融資促進陳情書    (第    八八号) 一〇 預金部資金中小企業に融資の陳情書    (第一〇二    号) 一一 消防用揮発油税免除陳情書    (第一〇九号) 一二 積雪寒冷地方に対する減税及び平衡交付金    の増額に関する陳情書外一件    (第一一三号) 一三 脱税取締に関する陳情書    (第一二三号) 一四 酸土改良用炭カル導入に米国対日援助見返    資金割当陳情書外一件    (第一    二八号) 一五 証券取引法の一部改正に関する陳情書    (第一三    三号) 一六 酒税引下げに関する陳情書    (第一四六号) 一七 同    (第一五二号) 一八 農業協同組合に対する特別融資等に関する    陳情書    (第一五八号) 一九 閉鎖機関整理委員会所有生糸放出に関する    陳情書    (第一九六号) 二〇 農業協同組合に対する課税に関する陳情書    (    第二〇一号) 二一 北日本に対する税制改革に関する陳情書    (第二三七号) 二二 国際通貨基金及び国際復興開発銀行に加入    促進の陳情書    (第二四    三号) 二三 酒税引下げに関する陳情書    (第二四六号) 二四 信用保証制度の法制化に関する陳情書    (第二四九号) 二五 小水力電源開発に対し見返資金融資の陳情    書(第二六    一号) 二六 中小金融特別店舗融資増加に関する陳情    書    (第二七三号) 二七 漁業協同組合連合会長期低利資金の融資    に関する陳情書    (第二七四号) 二八 船舶金融対策に関する陳情書    (第二七八号)     ―――――――――――――
  2. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 これより会議を開きます。  議案の審査に入ります前にお諮りいたします。それは閉会審査申出に関する件についてでありますが、前回の委員会におきまして、税制及び金融制度について閉会審査を申し出ることに決定いたしましたが、その後竹村委員より、国有財産処理状況調査について、閉会審査事件として申し出てほしいとの旨の発言がありましたので、理事会で協議の結果、国有財産処理状況調査に関しても、閉会審査申出をすることに決定いたしたのであります。この際お諮りいたしますが、国有財産処理状況調査に関して、閉会審査申出をするに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 御異議ないようであります。さよう決定いたします。     —————————————
  4. 夏堀源三郎

    夏堀委員長 次に請願及び陳情書審査小委員長より、請願及び陳情書審査の結果の報告をするため発言を求められております。この際これを許します。三宅則義君。     〔委員長退席小山委員長代理着席
  5. 三宅則義

    三宅(則)委員 これより請願及び陳情書審査小委員会の、請願及び陳情書審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本小委員会審査を付託されました請願総計百九十二件、陳情は二十八件でありますが、昨三十日、日曜にもかかわりませず、小委員各位の御参集を得て、熱心なる審査の結果、左の結論を得たのであります。すなわち請願につきましては、日程第六〇、第七〇、第一三七、第一四三、第一四七及び第一五五の各請願は留保すべきものとし、日程第七一、第七二、第八七、第一四一及び第一四二の各請願は採択すべきものとし、他のすべての請願は、すなわち「揮発油税撤廃若しくは軽減に関する請願」百二十七件、「物品税撤廃若しくは軽減に関する請願」三十八件、其の他十六件、計百八十一件については、採択の上内閣に送付すべきものと決定いたした次第であります。  なお陳情につきましては、日程すべてにつきまして了承いたすことに決定いたした次第であります。  以上簡單でありますが、小委員長より御報告申し上げます。
  6. 小山長規

    小山委員長代理 小委員長報告は終りました。これより本日の日程に上せました請願及び陳情書を全部議題として採否を決定いたします。請願及び陳情書につきましては、小委員長報告通り決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小山長規

    小山委員長代理 御異議ないようですから、小委員長報告通り決定いたしました。  なお報告書の作成その他につきましては委員長に御一任を願います。     —————————————
  8. 小山長規

    小山委員長代理 次に一昨二十九日本委員会に付託されました議員提出法律案、すなわち協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案、これを議題としてまず提出者より提案趣旨説明を求めます。提出者今澄勇君。     —————————————
  9. 今澄勇

    今澄勇君 本法律案は過ぐる第五国会に提出されました協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正するものでございます。本法律案趣旨とするところは、中小企業等協同組合法による信用協同組合設立にあたつて、大蔵大臣自由裁量にこれがまかしてあるため、非常に免許が遅れ、信用協同組合設立支障を来しておるがために、この大蔵大臣自由裁量にまかしておるところを、定款事業方法等法令規定に違反しない限り、免許することを必要とする旨の追加規定を加えようとするものでございます。本改正案趣旨は、政府提出の際に原案にうたわれておつた法規裁量規定を、原案にもどそうとするものでございまして、第二条に次の一項を加えようとするものであります。すなわち「大蔵大臣は、第一項の規定により免許申請があつた場合においては、定款事業方法又は事業の計画が法令規定に違反するときを除いて、免許しなければならない。」「附則」「この法律は、公布の日から施行する」以上の追加条項協同組合による金融事業に関する法律の第二条に加えようとするのが、この法律案提出趣旨でございます。
  10. 小山長規

    小山委員長代理 提案趣旨説明は終りました。これより質疑に入ります。有田委員
  11. 有田二郎

    有田(二)委員 今澄君にお尋ねいたしますが、信用協同組合のこの法案をお出しになつた趣旨は御説明でよくわかつたのでありますが、今まで大蔵省からこういう法案を出さなかつたために許可が非常に遅れた、あるいは非常に不便であつたというような実際的なお話があつたら承りたいと思います。
  12. 今澄勇

    今澄勇君 今の御質問の、本法改正がなければどの程度支障を来しておるかということでございましたが、大体信用協同組合設立認可については、本年の一月十五日現在において、私が緊急質問をいたした際においては、実に一年有半にわたつておりながら、わずかに六組合しか設立許可が出ておらなかつたような状態でありました。今日の段階においては、総計において内認可を含めて約六十、そのうちすでに認可の出ておるものは三十というような状態でございます。われわれは少くとも本法施行後一年において、これが年間にせめて百五十ないし二百程度設立ができるということでなければ、中小企業者みずからが信用事業を行い、そうして今日まで金融難打開に邁進すべくつくりました本法律の意義はない。かように考えてこの修正案提出いたした次第であります。
  13. 有田二郎

    有田(二)委員 今澄氏の今の御答弁に対して、いわば政府の不信任というようにも解釈されるのでありますが、銀行局長にこれに対する御答弁を願います。
  14. 舟山正吉

    舟山政府委員 昨年の法律制定以来の免許数は、大体ただいまお話通りでございます。事務当局といたしまして免許申請書審査するにあたりましては、協同組合は、なるほど国家の中小業者金融難を打開いたしますために、できるだけこれを認めまして、その金融難打開に資したいという気持はあるのでありますが、また同時に協同組合金融機関として健全に発達する、あるいは少くとも発足早々において破綻のないようにすることがきわめて緊要なのでございます。御承知の通り新法におきましては、協同組合には組合員外からの貯金、いわゆる員外貯金も扱うのでございます。それで一たび大蔵大臣免許がある組合として発足いたしますと、世間の大衆というものはそれをひとえに信用いたしまして、貴重なる預金を持つて来るのであります。このような見地からいたしますと、協同組合が万一にも破綻を来すというようなことがありましたならば、たいへんなのであります。従いまして一面金融の需要に応ずる面も考えますが、また信用協同組合がそこに存立の基盤をつくり、そうして経営者に当を得て、これが健全に発達して行くという点を愼重に審査いたすのであります。従いまして現在までのところ約六十組合の内免許があつたということであります。なおこの六十組合免許につきましては当局といたしましては極力審査を急ぎまして、十分世間の要望にこたえておると信じておるのであります。この法律施行後早々の間は、申請者の方にも、これを審査いたしまする方にも、いろいろと予備的知識を涵養しなければならぬというような事情がございまして、法律施行後早早にはそうすぐにたくさんの免許があるわけではないのであります。極力私どもといたしましてはこれを急いだのでありまして、申込に対して審査を遅らす、いわんや故意に免許を渋るというようなことは万々ないことを、この機会に申し上げたいと思います。
  15. 有田二郎

    有田(二)委員 もう一度銀行局長にお尋ねしたいのであります。しからば本法案がなくとも銀行局長としては十分期待に沿い得る、かようにお考えになりましようか、この点をお伺いいたします。
  16. 舟山正吉

    舟山政府委員 事務当局の良心といいますか、この法律の運用については、決して世間から非難を受けることのないように確信を持つておるのであります。しかしまた国会の御意思はもちろんこれを尊重するということは、申すまでもないことであります。
  17. 有田二郎

    有田(二)委員 銀行局長の御答弁でよくわかつたのであります。しかしながら私どもはどうも銀行局の現在のあり方に十分なる信頼が置けない。たとえば日本銀行の検査官である銀行局長は、日銀総裁の月給を言えと言つても言わない。とにかくわれわれ国民を代表しておる者に対して答弁を避けようとする。こういうような官僚独善的なやり方から推してみて、どうも信用できぬ、こういうような感じを持つのであります。しからば今澄君から出されておるこの法案が、本国会を通つた場合においての銀行局長としての不安な点、ただいまの御説明によりますと、非常に基礎内容の十分でないところが、この一つの規定によつて許可されて行くということになると、そのために預金者に非常な迷惑をかけるというような不安があるような感じを御説明によつて受けるのでありますが、今、今澄君の出されておるこの協同組合による金融事業に関する法律の一部改正、これによつて御懸念のある点をひとつ御説明を承りたいと思います。
  18. 舟山正吉

    舟山政府委員 先ほど申し上げるのが適当であつたかと思いますが、新法施行後新規に内免許いたしました数字は六十四でございます。しかし新法によりますと、従来の市街地信用組合も、また産業組合法による組合も、商工協同組合法によります組合も、あわせて一本に規制されておるのでございまして、それらの組合からの改組分は六百四十一を数えておるのであります。そうしまして現在内免許を得ました組合の総数は総計六百四十七でございます。なるほど新規免許の分は六十四でございますが、これらを合せまして各地方に相当網を張つてこれを適当に指導監督いたしますれば、相当資金の需要に応じて当面の中小業者金融難に処し得るという確信を持つておる次第でございます。  さて、ただいまの御質問でございますが、私どもは申すまでもなく免許にあたりまして、当局が手続あるいは審査の心構えにおきまして、官僚的の弊に陥らぬように極力自戒しておるような次第でありまして、現在末端に至りますまでその弊はないと確信する次第でございます。もし国会の御意思を尊重いたしまして、現行法に改正を加えられるということでありましても、ただいま御提案になつておりますように定款事業方法事業計画というものが、一応形の上において法規の規定に違反するのでなければ、大蔵大臣はこれを免許しなければならないといういわゆる規則認可の形式になりますことは、実はいかがかと存ぜられるのであります。世間一般大衆は、大蔵大臣免許ということを非常に強く信頼いたしますので、ただ申請書が形において適法でございますれば、内容は全然手放しにしてしまうということでは健全なる組合の発生は期待できないと思います。すでに六百からございます信用組合の中に、若干弱体な組合が発生いたしまするならば——これは言うまでもないのでございますが、金融機関は全体として一つの連鎖をなしておる、その鎖の中の一つに弱体なものができて参りますると、この信用制度全体について世間の信用を害することにもなりますので、かりに免許大蔵大臣が拘束せられるということになりましても、やはり申請して参る信用組合の内容について、政令その他で何らかの基準を差示すことが必要ではないかと考えておる次第でございます。
  19. 有田二郎

    有田(二)委員 今燈氏にお伺いいたします。今の銀行局長の御答弁は一応ごもつともだと思う点があるので、これに対する今澄氏の御所見を承りたい。
  20. 今澄勇

    今澄勇君 提案者として一言お答え申し上げます。  中小企業等協同組合法の制定以来、この中小企業等協同組合法に含まれた信用組合にしろ、あるいは経済的な企業組合にしろ事業協同組合にしろ、大蔵省は常にこれら中小業者の要望しておる金融に対して、これを制限するがごとき態度を連続とつておることは御承知の通りでございます。私は、今日の中小業者金融難の打開には——なるほど政府保証等の大きな国家的な信用供与、あるいは国家機関の設立による貸付等の問題がございますが、これらのものは本国会において実現いたしておりません。業者みずからがつくつた信用協同組合の全国的なものに対して、政府は十億なり二十億なりあるいは五十億なりの投資をして、これによつて中小業者みずから立ち上ろうとする意欲を、大蔵省としては十分後援すべきものと私は思います。従来の市街地信用組合が新たな信用協同組合に編成がえをされまして、総計して六百有余あるそうでございますが、従来の市街地信用組合は商業金融をおもに営んでおるのであります。新たな中小企業等協同組合法による信用組合は、中小企業の設備資金、運転資金等工場経営に要する金融をするということが目的でつくられたものである。全国の中小工場が要求するところの資金は、昭和二十五年度において、その従業員数三百名以下の代表的なもの約二千の数字だけでも、優に四百億を突破する状態でございます。政府はこれら中小工場の要望する資金の融通ができないのみならず、このような信用協同組合設立についてもいまだ本認可三十というまことに微々たる状態で、私どもは中小工場の金融について一体どのような考えを持つておるのか疑わざるを得ない。さらに、この信用協同組合とは関係はないが、中小企業等協同組合法により認められおる数々の組合に対しても、大蔵省の態度は非常に問題がある。国民金融公庫に対しても、大蔵省はこれを縛り上げて何ら運転できざる状態に立至らしめていることは御承知の通りであります。われわれは、できれば国民金融公庫法の一部を改正して、資金が十分運転できるような措置を講じたいと考えておりましたが、本会期も本日をもつて打切りとなる関係上これを断念いたしたのであります。この信用協同組合設立認可の問題については、委員諸氏の御検討を願つて絶大なる賛意を賜わりたいと、提案者は切に思う次第でございます。
  21. 有田二郎

    有田(二)委員 今澄君の御趣旨はよくわかりました。  銀行局長にお尋ねしたいことは、これらによつてできるところの金融事業に対して、銀行局の検査部としてはどういう態度で臨まれるか。銀行局の検査部がへのような検査をしておるから、いろいろな心配も生れて来るのではないかと思うのですが、銀行局の検査部はどういうような方向でお進みになるか、御所見を承りたいと思います。
  22. 舟山正吉

    舟山政府委員 大蔵省といたしましては、金融機関全部に対しまして——もちろん信用協同組合も含めてございますが、これらに対しまして経理検査を励行いたしまして、災いを未然に防ぎたいという気持を持つておるのでございます。今後の予想といたしましては、一年一回必ず定期検査をすることにいたしたいと考えておるのでございますが、行政部面における人員の関係もあり、ことに新規増員がなかなかむずかしい際でございますので、検査陣の充実というところまではなかなか参らぬので、さしあたつては年一回の定期検査という段階までしか行くことはできないと考えておるのであります。また年一回かりに検査をいたしましても、次の定期検査までの間に相当の不良貸しが行われるというようなこともあり得るのであります。ことに組合のごとき小さな金融機関におきましては、たつた一つの貸付のあやまりが、その組合の運命をくつがえすということがあることも容易に想像できるのであります。ことしの検査が安心であつたからといいましても、常時そばについていて一々貸し出しを見ているわけではございません。ただいま申しましたように、その後たつた一つのあやまりのために、組合の運命を左右するような不良貸しができるということもあり得るのであります。私どもといたしましては、検査ということに重点を置きたいと思いますが、しかしこればかりにもなかなか期待できぬ場合があるのであります。
  23. 有田二郎

    有田(二)委員 銀行局長の御答弁は一応ごもつとものように承れるのであります。とにかく検査を抜本的におやりになれば相当能率化されるではないか。検査のやり方いかんによつては十分なる成績が上げ得られるではないか。先般も私決算委員会で会計検査院に対して厳重なる申入れをいたしておいたのでありますが、会計検査院というものがあるから、これをわれわれは信用しておる。また銀行局の検査部があるから、われわれはこれを信用しておる。ところが今の銀行局長の御答弁によれば、はなはだ物足りない。しかも今日の全国の銀行というもののあり方から考えて、今日われわれはいろいろな情報を耳にするのであります。従つて許可しないということに重点を置くよりも、許可をしたものについて十分国民を代表して政府の立場から監督をする。その監督の仕方についても今までのような旧態依然たるやり方ではなくして、人数にも制限があるわけであります。従つてこれに対して十分なる方法で行くという——先般も私は決算委員会で会計検査院に対して、地方に行つてごちそうになるかと言うと、ごちそうになると言う。会計検査院が地方に行つてごちそうになつて、それから検査をして万全を期せられるとは、われわれは考えられない。今日公団にいろいろな問題が起つて来ている大きな責任の一半は会計検査院にある。それと同じように銀行の検査部というものも、もう少し運用の方法において考慮を払うべき点があるのではないか。私はこの点を将来とも研究いたしたいと考えておりますが、とにかくこの点にもつと改良の余地がないかどうか、この点を銀行局長に御答弁願いたいと思います。
  24. 舟山正吉

    舟山政府委員 大蔵省の検査陣を充実いたしまして、その検査の方法についても刷新を加えまして、ここに健全なる検査制度というものを確立する。その無言のにらみによりまして、検査はなるほど定期検査であるけれども、金融機関をして自粛自戒せしめまして、経営の合理化を進めるということは、有田委員お話通りでありまして、私ども当局といたしましても同感でございます。その目標に向つて進んでおるわけでありますが、これにつきましてはなお検査人員の増員ということもふれて参ります。これについても私どもは考慮いたしておる次第であります。
  25. 有田二郎

    有田(二)委員 検査人員の増員ということも必要でありますが、とにかく検査の方法、やり方、毎月報告をさせるというような方法で、たくさんの金融機関が、特に今度こういうものが出ると、よけいに金融機関の数がふえるのでありますから、それによつて国民への迷惑も十分に考えて毎月報告をさせる。そうしてそれを地方の各財務局なり国税庁なりというものが、大蔵省の末端機構としてあるわけでありますから、そういうところを通じて一定の調査をさせるということによつて、ある程度の問題は未然に防げるのではないか。もう少し私は検査の方法についても積極的にやらなければならぬ。現状の銀行局の検査部のやり方というものは、私はまだよく研究ができておりませんけれども、消極的に大過なく行くというような、日本官僚の最も悪いあり方がそのままあるだけではないかという気がするのでありますが、これに対しての銀行局長の御所見をお伺いいたします。
  26. 舟山正吉

    舟山政府委員 検査につきましては、今御質問のございましたような必要を痛感いたしまして、検査方針にも外国の例等を参酌いたしまして、その長所はこれを取入れ、そうして検査の効果の万全を期するような方向に進んでおるわけでございます。ただ特に新設の金融機関等につきましては、報告によつても相当監督の実が上るのじやないかというようなお話もございましたが、新設の金融機関あたりにおきましては、これをなかなか励行しないというような面もございまして、知らない間に相当不正不良なことをやつておるというようなこともございます。検査と同時にまた金融機関の気持をほんとうに公共的な仕事をするのであるというふうに指導して参ることが、必要であるというふうに考えておるのであります。
  27. 有田二郎

    有田(二)委員 結局今のお話を承ると、いわゆる金融機関から銀行局がなめられておるという、私のいわゆるなめられておる論に尽きるのです。先般も大蔵大臣に本委員会をなめておるのではないかという質問をしたのでありますが、今日の銀行局のあり方というものは、まつたく各金融機関から銀行局がなめられておる。報告しろというのを報告しない。それで銀行局長が、なかなか報告しませんからというような、第一銀行局長の腰が弱いからそういうことになる。はつきり命令を出し、はつきりしたやり方をして行けばぴしつと報告がとれるのじやないか。少くとも新設の金融機関でなしに、大銀行であろうが日本銀行であろうが毎月報告をさせる。日本銀行の総裁の月給が本委員会説明ができないような、そんな銀行局長だから私はそういうことになると思うのであります。もつとひとつ腹を締めて、単なる新しい金融機関だけではなくて、少くとも日本銀行であろうが、興銀であろうが、勧銀であろうが、あるいは復金であろうが、およそ各銀行に対して毎月一回ずつの検査資料をとつて、そうしてわずかの人数で最大の効果の上げられるような方向に、銀行局長としては勉強していただきたい。この問題はひとつ次期国会まで銀行局長の宿題として私は問題を与えておきますから、この次の国会において私の納得し得るような御報告を願いたい。これをもつて質問を終ります。
  28. 田中織之進

    田中(織)委員 本案の審議に関連いたしまして、大蔵当局にお伺いいたしたいのですが、本案は議員提出法案でありまして、持に協同組合による金融事業に関する法律に基いて許可を受ける場合につきまして、法規裁量によつて定款及び事業方法または事業の計画が法令に違反しない場合のほかは、免許しなければならぬという規定を新たに設けようとするものでありますけれども、ただわれわれの聞くところによると、法令規定に違反しない場合ということだけでは困る。従つて従来からもすでに六十四認可を与えておるわけでありますが、その与えた場合の免許の基準というものを明らかにしなければ、ただ単に法令に違反しない場合は、免許しなければならないという規定だけではいけないのではないかという意見が、大蔵事務当局にあるように私どもは聞いておるのであります。この場合従来の六十四の免許にあつた大蔵省がとられました基準、それが今後この法律改正案にあるように、法令規定に違反しない場合の中に、その基準に適合するか適合しないかという問題が包含して考えられるかどうか。場合によればその点について、この法案自体に対する修正を施さなければならぬ関係がありますから、その点についての大蔵当局の意向をまず伺いたい。
  29. 舟山正吉

    舟山政府委員 今後一定の基準に合つたものを大蔵大臣免許しなければならないという免許の形式をとることといたしますれば、その基準がどうなるかという問題につきましては、従来私どもが免許申請に対する審査の基準としておりましたところを申し上げると、御参考になるかと思うのであります。これにつきましては、まず設立せんとする場合の組合が、その地方における金融情勢、経済情勢から見まして、あるいは資金の蓄積上あるいは資金の需要上、金融機関がなくて非常に不便を感じておるということを考える必要があろうと思います。  その次に、なお信用組合は必要であるといたしましても、その地方における、たとえば他の金融機関の存在の状況というようなものも、勘案する必要があろうかと思います。  なお組合員数は法律規定によりまして、信用協同組合につきましては、三百人以上でなければ設立することができないということに相なつておるのであります。それから次に組合設立するにあたりましては、いろいろの適格要件、その多くは将来の予想にかかるものでありますが、法律規定におきまして預金その他の対外債務に対して、出資金は少くとも三%なければならぬということもあるのでございます。また何と申しましても出資金が対外債務の最後の保証になる。またいわゆる金利を払わない出資金が相当程度ありますことが、金融機関経営の基礎になるという点にかんがみまして、出資金については法律上特に制限はない。すなわち各組合員出資一口以上を持てばいいといつたような規定でありまして、その一口の出資の金額についても特に制限はないのでありますが、出資総額につきましては、やはり最低限度の要請というものがあるというふうに考えるのでございます。それにつきましては、信用組合の存在する大都市、それからその他の市制施行地、なおその他の町、その他の地域というふうにわけて考えることが適当であろうと思うのでございまして、大都市につきましては、少くとも五百万円、市制施行地につきましては三百万円、その他の地域につきましては二百万円、これだけはまず出資金をそろえまして、免許申請をしてもらわなければならないというふうに考えるのでございます。  それから次に、その組合が発足いたしまして、予金がどれだけ集まるかということが、これは一面においては貸出しに応ずる資金源ともなるものでございますし、また組合の收益源ともなるものでありますので、相当の予金が集まらなければならない。これまで協同組合設立申請されました動機の中には、特に預金を集める見込みはあまりないのだが、組合ができれば何とか政府資金でも流してもらえるだろうといつたような、漫然たる希望を持つておられた向きもあつたのであります。しかしそういうことでは組合として成長して行かない。もちろん組合ができました上、別途の制度のもとにおいて、政府資金その他の資金の利用ができますことはもちろん望ましいことでございますが、それだけを当てにして組合設立を企画されても困る。こういう意味におきまして、大都市における組合については、必ず一年後には少くとも五千万ぐらいの預金は集まる目途を持つていただかなければならない。市制施行地については二千五百万円、その他の地域につきましては、一千万円程度預金は一年後には集まるという見通しがなければ困ると思うのであります。なお預金総額のうちに、定期制預金というものが半分以上集まることが望ましいと考えております。次に運用面におきまして、なるほど当面中小業者の資金需要に応ずるためには、貸出しに中心を置くということが要請されて参るのであります。しかし組合の資産構成というものも相当の制約がありまして、適正を維持しなければならないと思うのでございます。まず事業計画において貸出金に運用する金額は定期性預金の八〇%、要求払い預金の六〇%、この両者を合しました額以内にとどめておくことが、堅実経営の趣旨にかなうのではないかと考えております。なおその次には、組合の経常収支が均衡を保たれて赤字を出さぬということも、これは大きな要素でございます。それからとにかく組合ができまして、それが堅実に発達して行くかどうかは役職員の能力、資格ということにかかるのでありまして、役職員が金融業務に関して十分な経験、識見を有することが必要かと考えるのであります。  それから同じような金融機関が同地域に併存いたしまして、お互いに競争し合うということは、一面競争の利益もありますが、従来金融機関が弱体化した原因は、また競争の弊害によつて不良貸出しをあえてしたというところにもあるのにかんがみまして、競争はけつこうであるが、不当な競争は防止する配慮が必要であろうと考えるのであります。それで既存の信用組合がすでに十分あるところには、新規に認めるよりも、既存の組合を拡充し、この活動を活発化して行くということが、より望ましいことではないかと考えるのであります。たとえば人口十万未満の都市においては、二組合以上を認めないといつたような原則が必要かと思うのであります。それからもう一つは組合が政治的に中立であり、特に特定の政党のために利用されるおそれがないということが必要であると考える。純経済的な活動をするものであるということが必要であろうと思うのでございます。その他設立の手続等について適法を要することは、もちろん申すまでもないことであります。
  30. 田中織之進

    田中(織)委員 ただいま大体信用協同組合免許の場合の基準についての御説明を伺つたのでありますが、これは従来認可されておる六十四組合認可にあたつて、大蔵省がとられた基準であると同時に、今後もこの基準を踏襲せられるおつもりでありますかどうか、その点が一点。  次にこれらの問題は、今後この改正案によりまして、法令規定に違反しない場合のほかは、免許しなければならぬという法規裁量を大蔵大臣にさせるということになりますと、こうした基準を別途政令か何かで明確にする必要があるかどうか。われわれはできれば、法令ということになりますれば、協同組合による金融事業に関する法律並びにその施行令、それからかりに政令によつてこうした基準を定める場合も、広い意味においては、この改正案にある法令という中に含まれ得る、こういうふうに考えますならば、大体こうした基準に適合しない場合ということを規定することと、それから法令規定に違反しないという場合とで、多少意味が違つて来るのであります。この法律のお取扱いについて、われわれ考えなければならないことになるのでありますが、大蔵省としては大体今述べられましたところの基準を、政令か何かで制定する必要がありとお考えになつておられるかどうか。この点についてお答えを願いたいと思います。
  31. 舟山正吉

    舟山政府委員 従来の組合免許につきましては、ただいま申し上げましたような基準の諸点について審査をして参つたのでございます。今後大蔵大臣免許が拘束されまして、一定の基準に合つたものは、当然自動的に認可しなければならないということになりますれば、この基準は従来と違いまして、行政官庁内部の一種の目安ということから離れまして、世間に公知する必要も出て参ります。そこでこれは政令その他で制定することが適当であろうかと考えます。その際にはただいま御提案になつております字句だけで足りるかどうかということにつきましては、若干の問題もあるかと存ずるのでありまして、すなわち政令にその基準の制定を委任するといつたような字句が現われて来ないと、いけないのではないかというふうに考えます。
  32. 田中織之進

    田中(織)委員 その点はこれは議員提出法案になつておりますから、私らも提案者ということになつておるので、後刻態度を決定いたしたいと思うのであります。  次に先ほど述べられました免許の基準について一、二お伺いをしたいのであります。大都市出資金の問題でございますが、当然貸出し等を行う関係から、利子のいらない預金、資金を用意するという意味で、ある程度の出資総額についても最低限度を示す必要があると言われる趣旨には、われわれ必ずしも反対ではないのでありますが、この場合先ほどの説明によりますと、大都市というものと、それから市制施行地——大都市を除いたところとでは大分違つて来るのであります。この点は出資金の問題につきまして五百万円という出資金の最低限度を要求するのは、これを六大都市に限定いたしまして、それ以外の市制施行地の方は三百万円、こういうふうに変更せられる意思があるかないかということ。それから預金額の問題でございますが、これも一年後における額を先ほどお示しになられたのでありますが、やはり出資金の場合と同じように、大都市五千万円、あるいは大都市を除いた市制施行地が三千万円、その他の地域二千万円ということになりますと、大都市という範囲が必ずしも明確ではないのであります。そこでこれはいわゆる六大都市に限定された方がいいのではないかと思うのです。そういう点で出資金並びに預金額の一年後における見通しの問題でありまするけれども、それは大都市というのを六大都市に限定する。同時に預金額の問題につきましては、六大都市を除いた都市と申しましても、相当の段階があるかと思うのでございまして、その意味から特に預金額の問題につきましても、三千万円という預金額を一年後に持つという見通しを持たないということになりますと、現在と同じように、その見通しの認定にもかかるわけでありますけれども、なかなか組合設立が困難になるおそれがあると思うのであります。この点については六大都市を除いた市部は三千万円という線を、あくまで固執せられるおつもりであるかどうか。それがずれて参りますると、その他の地域の二千万円もちよつと過大ではないか、こういうふうにわれわれは考えるのであります。もちろん預金者保護の建前から、金融機関としての確実性をねらうという点から見まして、出資金並びに預金について一つの見通しを持たなければならぬということには、われわれも賛成でございますが、額の点については多少考慮の余地がないかどうか、この際明確にしていただきたいと思います。
  33. 舟山正吉

    舟山政府委員 まず大都市の範囲でございますが、これは通常の場合に六大都市あるいは福岡を入れまして七大都市、これを大都市と通称することになつておりますので、そう申し上げたのであります。福岡を入れるか入れないかは問題でございますが、大体その程度で限りたい。六大都市あるいは七大都市で限りたいと考えております。それから出資金につきましては先ほど漏らしましたが、その金を一般運転資金に使いますほかに、組合が事務所を持ちますれば、そのために固定施設費が若干いるのでありまして、このくらいはすぐいつてしまうのであります。それをすらも預金その他の外部資金でまかなうということは、はなはだ不堅実でございますして、先ほど申し上げました数字は最低のものであろうと思うのであります。それから預金につきましても大都市は五千万円と申しましたが、三百人の組合をこしらえまして、そのうち百人に五十万円ずつ貸しましても五千万円はいつてしまうのでありまして、大都市におきましては五千万円は最低限度ではないかと思いますが、その他の市制施行地につきましてはまあ二千五百万、その他につきましては千万ぐらいでもあるいはよろしいかと考える次第でございます。
  34. 田中織之進

    田中(織)委員 それから預金の点については、大都市——これは六大都市にするか七大都市にするか、その程度の都市に限定されるということで明確になつたのでありますが、それ以外の市部が二千五百万、その他の地域は一千万円ということにしていただきますならば、大体これらの地域にできる組合としても、その程度預金を持たなければならないということは納得が行くのではないか、かように考えるわけであります。同時にこの点は一般的な問題とも関連をいたすわけでありますけれども、こうした信用協同組合の中央機関との結びつきの問題が、まだ未解決になつておると思うのであります。全国信用組合連合会ができておるようでありますが、従来市街地信用組合は農林中央金庫に属しておりましたけれども、この協同組合による金融事業に関する法律から見ますと、この法律に準拠することに対処いたしまして、今のところ中央機関がないのです。そういう点から見まして、これを商工中央金庫の系統的な組織に持つて行くおつもりであるかどうかということが一点。  それから同時に、私なぜ系統的な中央金庫との結びつきの問題を申し上げるかというと、これらの協同組合をつくつて自分たちのいわゆる協同的な金融機関をつくろうというところには、勢い片一方信用事業をやることによりまして、政府資金がこうした中小企業方面へ流れて来ることに対する期待が、こうした組合をつくろうという機運に盛り上つて来ておると思うのでありますが、預金部資金あるいは見返り資金等を、こうした信用協同組合に対して今後流して行くだけの政府として準備があるかどうか。中小企業の金融問題は大きな政治問題でございまして、政府は市中銀行等に、中小金融等の店等を指定いたしましてやつておりますけれども、やはりなかなか零細なる中小企業者等に、そうした資金が流れて来ないところに、彼らみずからの協同の団結の力によるところの、金融機関設立しようという機運が出て来ておるのであります。これは今後の問題になりますけれども、預金部資金あるいは、見返り資金等をそうした中小企業方面へ流す場合に、これらの信用協同組合を活用なさる御意思があるかどうか。この二点をお伺いしたいと思います。
  35. 舟山正吉

    舟山政府委員 信用協同組合の中央機関につきましては、商工中央金庫をこれの中央機関としたらよかろうという考え方、それから別個に中央機関を持つたらよかろうという考え方とあるのであります。これは法制上の機構をきめるときにきめるならばともかく、現在におきましては、とにかく組合の自主的な意向を相当尊重しなければならぬというわけでございまして、現在のところは全国的な信用協同組合だけの連合体をつくるという方向に進んで参り、全国信用組合連合会というものがこの四月から発足いたしております。その加入員もだんだん増しおるのでありますが、当局といたしましても、これを強化して参るようにいたしたい。そうして組合相互間の資金の融通有無相通ということもこの機関によつてやりたい。なお中央に相当資金の余剰ができますれば、商工中金等との結びつき、商工債券をこの連合会に持たすといつたようなことによつて解決もし、さらに政府資金を組合に流すことはしごく適切なことであると、かねて思つておるのでありますが、そういう際にもこの全国的な連合会をパイプの口とするということが、しごく適切ではないかというふうに考えておるのでございます。
  36. 田中織之進

    田中(織)委員 もう一点お伺いしたいのでありますが、その他の地域という場合でありますけれども、これは業種等によりまして数箇町村等にまたがつておる協同組合ができる場合は、やはり預金額及び出資額の限度は、そのままで一つのものとして考えていいわけですか。
  37. 舟山正吉

    舟山政府委員 現在までのところ業務区域の最大限は県単位でございます。これは大体協同組合でありますから、人的のつながりだという趣旨から参つておるのでございます。今後の業務区域につきましては、そう広汎なものは協同組合の本質に合わないと考えております。従つて出資金につきまして区域が広いから多くするという、そういう考え方は現在持つておりません。
  38. 田中啓一

    田中(啓)委員 提案者にお伺いしたいのであります。この信用協同組合におきまして、どれくらいの出資で、どれくらいの預金、貸付金があれば、信用組合は立つて行くつもりか。つまりこれは農業協同組合も、従来経営の計画というものがしつかりしておらなかつたために、いろいろ難儀な事態を生じて、今もつぱら経営刷新ということに非常な努力をし、ある程度政府のせわにもならなければならぬという事態を来しておるのでありまして、私はやはり協同組合というもの全体がよく発達をしないということは、これまでの組合にも影響を与えることでありまするので、信用協同組合について、提案者はその点をどういうふうにお考えになつておりますか。つまり事業計画的な御所見を伺いたい。
  39. 今澄勇

    今澄勇君 お答えいたします。私は本信用協同組合設立については、当初第五国会に出た政府原案に示してあるように、大体時の農協に関する信用事業については設立その他の条項はなくて、これは法規裁量で全部許可になる、少くとも中小業者みずからが、この際最も唯一の隘路である金融を打開して立ち上りたいというときに、中小業者を擁護する目的でできた中小企業協同組合による信用事業についての法規裁量の規定が、御承知のように時の大蔵委員会のいろいろの意見によつて、今日の施行案のようになつておるわけであります。そこで私は少くとも中小業者の立場から言うならば、今日の金融難において、これらの中小企業者だけにそのような規定が与えられて、しからば農協関係が放置されておるのはどうか、というような意見が出て参るのは当然であると思います。私は少くとも預金者の利益を擁護するという名に隠れて、既存の金融業者のみを擁護する日本の金融事業については、新たな発展と新しい形態とをあくまで拒否するというような態度は芳ばしくない。かような考えから私は本修正案提出したようなわけでございます。  そこで御指摘のように信用協同組合の経営なり、あるいはこれの出資金の問題なりといつたようなことは、私の当初の考えでは、今日の中小業者のみずからの反省と、そうして自主的な力によつて、中小業者みずから会員となつてやつて行くところのこの信用協同組合については、中小業者みずからが打撃をこうむるというようなことはないであろう。中小業者の真撃の努力をわれわれは信頼して、これを法規裁量の規定でやるということの方が、今日この設立が非常に遅れておる現段階においては、適当ではないという建前から、法令規定するところに違反しない限りにおいては、これを免許すべきであるという法規裁量の形にいたした次第であります。しかしながら指摘のような、少くとも信用協同組合の経営の人件費幾らで、不動産幾ら、それに対して大体出資金は幾らで、これに対する経営費がどの程度というような詳しい調査もありませんが、しかしそれはその土地の人口なり、あるいはその特殊性というようなものによつて定めらるべきもので、一律にこれを政令の上に簡単に規定し去るには、あまりにそれは多くの要素を含んでおるというのが私の見解であります。よつて私は少くとも資本金、出資金は百万円程度あれば、今日の一般の都市においては十分であろうという見解を持つておるものであります。そうして、特別の大都市になれば、これはどうしても三百万円程度の出資金はいるであろう。それで人件費は一人どの程度にいるかというような問題がありますが、これも私は大都市においては二千万円、小さい普通の都市においては五百万円くらいの預金をかき集めることができるならば、非常に人件費その他のものも節約して、中小業者の今日の危機打開のために十分行き得るのではないか、それらの問題を政令において置きかえなされようとするならば、私はあえて反対するものではありませんが、今日、危急に臨む中小業者がいかに金融を要望しておるかという点に思いをいたしますれば、預金者保護の名前において、既存の金融業者のみを保護するということに相なるおそれのあることを私は心配している。一例をあげれば、過ぐる第五国会における中小業企業等協同組合法制定によつて、市街地信用組合は根拠を失つておる。しかるに市街地信用組合は御承知のように全国的な連合体を結成しようという動きがあつて、これに対して前大蔵省の銀行局長は関係方面とも折衝をつけて、それらのものを許可してやるからというので、許可認可を受けておる。しかし市街地信用組合中小企業等協同組合法によつて協同組合となつて、十二月をもつてなくなつておる。かようなことになつて来ると、大蔵省内の根本方針は、預金者の名において常に既存の金融業者を保護する態度に出ておることを実証しておるものと、私は思うのであります。  以上のような観点から、御指摘の組合の運営についての私どもの意見は、そういうような程度でよいであろうか。預金者の保護の名によつて、既存の金融機関を保護して、中小業者に金融がなくて、この協同組合設立がはかばかしくないのは、中小企業等協同組合法設立趣旨に反するのではないか、かように考えておるのでございます。
  40. 田中啓一

    田中(啓)委員 ただいま提案者の御説明で、理論につきましてはある程度ごもつともと思うところもございますが、事業計画について、これは具体的なしかも簡単なことでございますが、御意見を伺うことができなかつたのは残念でございます。重ねて御意見を申し上げますが、実は形式から行ますと、協同組合はかような基準を示さないで、法規裁量の認可制度になつておるわけであります。しかしそこに大きな穴があつたために、今日非常な難儀の事態を生じまして、そうして政令を出して拘束をしようという傾向に進んでおりまして、おそらく政令が出ますのも、あまり遠からぬことであろうと私は思つておるのであります。しかもその政令の内容は、その組合の固定資産並びに上級機関に対する出資、少くともそれだけは出資しなければならないということであるのでありますから、農業協同組合が単位であるところの町村協同組合は、総合協同組合でありますために、固定資産の額は莫大であります。資産評価をいたしますれば、おそらくは一村一千万円前後にも上るのではなかろうか、こういうような傾向でありまして、そういう出資を急速にすることが非常に困難でありますので、経過規程等の実情に即して発達せしめるように、政府と団体とは折衝中であるのでありますが、それにしましても、その趣旨は何人も認めざるを得ないものであろうと私どもは思つておるのであります。そういう大きな資産があることが、金融事業に対しては信用のもとになりまして、金融事業を円満にやつて行くということになるわけであります。でありますから、今ここで現在の農業協同組合法律の文面とこれとを、ただ簡単に合せるというだけではいけない時勢になつて来ておると思うのであります。のみならず協同組合ができました時分は、相当農村の景気のよかつた時代であり、かつ長い歴史を持つておりますので、多額の預金を持つておつたわけであります。出資がなくとも固定したところの定期的な大きな預金を持つておつて、発足をしておつたのであります。それがすでに経営難に陥る、こういう状態であるのでありますから、私はやはり提案者のお口から、出資並びに預金、貸金等々、それからこの経営事務の運営とはどんな関係になるのだということをおつしやつていただきたい。それに基いて法規裁量の基準を定めるのにも、やはり提案者の意思は大いに尊重してしかるべきであると思いますので、繰返し御質問申し上げた次第であります。
  41. 今澄勇

    今澄勇君 時間もございませんので、簡単に御了解を得たいと思います。御趣旨の点はよくわかります。ただ提出者としての意向は、この法律に示されておるように法令規定によつて認可の条項が備わつておれば、認可許可を出してしかるべしと思つて提案しておるわけであります。これに対して委員会の皆様方の方で、それは政令をつくり、その政令の中に一定の条項をこういうふうにも、こういうふうにも入れたらよかろうという点について御意見がございますれば、修正されてさしつかえないと思います。ただ私はそれらの点については、先ほど来銀行局長から田中委員質問について詳細な説明がございましたが、あまり厳重にして実行不可能の基準をつくるということは、協同組合設立された根本趣旨に反するものである。私はどのような厳重なものによつて銀行が許可され、どのような厳重な条項によつて市街地信用組合許可されようとも、その国の経済情勢なり、その国の施策に誤りがあれば恐慌を生ずることは、かつてのパニツクにおいて十分了解できることである。要はそれらのことは政令を定めるとか、規格を定めるとかいうことの問題でなく、その国の政治のあり方と経済の運行の状態で定まる。今日信用組合あるいはその他においていろいろの事件が起つたということは、一つの厳重なる規格のもとで許可された市街地信用組合といえども、このような状態に相なるということを証明するのであります。だからここに一つ二つの規格をつくることによつて、決してこれらの信用事業が将来栄えるものではない。それらの信用事業を栄えさすものは、一に政府の熱意とその国の経済のあり方をきめる施策によるものであつて、私どもは日本の経済がりつぱに運行し、これらのものを盛り立てようという意欲が大蔵省にあるならば、これらの政令による一つ一つの規定はなくとも、十分預金者の保護はなし得ると考えておるのであります。
  42. 田中啓一

    田中(啓)委員 最後にもう一度提案者に御質問申し上げたいと思うのでありますが、どうも協同組合に対する見解は、私と提案者とは違つておるように思うのであります。私は長い間の協同組合の運動者の一人として——子供のときからの協同組合運動者として、いやしくも協同組合と名のつくものが、非常な乱雑な形になつてつぶれるものが多いということで、協同組合全体の信用を害することは、ゆゆしき大事だと思うのであります。今日農業協同組合が、それは政府の施策が悪いから、経済政策が悪いから難儀な状態になつたのだという、高飛車な御議論であつたのでありますが、それは確かに経済の変動も影響しておることは間違いございません。しかしあまりにも自由主義的な農業協同組合設立趣旨でありまして、経営者はかつてほうだいなことをした。たとえば預金がわずか一千万円しかないのに、七百万円の澱粉工場をつくつてしまつた。これではつぶれるのはあたりまえであります。そういうようなことになつては非常に困るので、私はやはり日本の協同組合というものは昭和二十一、二年ごろはかなり自由設立のほうはいたる機運があつたのですが、しかしこの経験に徴しますと、相当程度国が干渉もすれば保護もするということに行かなければ、農業協同組合中小企業は立つて行かないのではないかという考えを持ちますので、この点について重ねて見解をただしまして、私の質問を終わることにいたします。
  43. 今澄勇

    今澄勇君 いろいろ御指摘の点はごもつともであると思います。ただ私は先ほども申しましたように、これらの基準については今後とも金融事業でございますから、対外的な信用とかその他の問題があるので、普通の都市においては百万円の資本金で預金は五百万円程度、それから大きなところになれば三百万円程度の出資金で、預金は少くとも二千万円程度の見通しがあればいいであろうというようなもの、それからその中で定期預金が大体半額くらいなければならない。経常収支の均衡が保たれるとか、いろんなものがなければならないという問題については、あなたの御指摘の論には私も賛同いたすのであります。先ほど私が申し上げました基準は、一応提案者はその程度の問題を考えておつたのであります。それ以外のことについては、中小業者の今日の金融難打開の意味において、われわれはこれを法規裁量の形でまかしても行けるだろうという点で申し上げたわけであります。ただ長い経験から御指摘のように、これまでのような自由設立協同組合組織では、非常に難点が多かつたというあなたの観点については、私も大いに今後研究したいと思いますが、ただ当面あまりにも信用協同組合設立の数が少い。かつ法案通過以来二年になんなんとしておるのに、現在のような状態ではいけないから、この設立を今少しく促進するという意味合いにおいて、本改正案を出したことをひとつ御了承願いたいと思います。
  44. 三宅則義

    三宅(則)委員 三点だけ簡単にお伺いいたします。第一点は有田委員が痛烈に政府に要望されましたから、私はそれを補足する意味において申し上げます。もちろん許可認可ということは今までやつておつたことでありますが、今度の法律案によつて免許しなければならないという強行的手段を講ずるわけですが、やはり政府としましては厳重に検査する必要がある。これは有田委員も指摘されまして、大銀行等においては、ほとんど銀行検査をやつておらない。これはもつともでない話でありますので、ぜひこれは大銀行でも中銀行でもまた協同組合でも、厳重に監査する制度を設けられたいと思いますが、これに対して政府はどう考えておられますか、伺いたい。
  45. 舟山正吉

    舟山政府委員 最近まで食糧事情その他の関係で一応検査ということは非常に困難な情勢にあつたのでありますが、今年からは検査員も充実いたしまして、本格的な定期検査を実行し始めております。
  46. 三宅則義

    三宅(則)委員 それでは舟山政府委員の言を信頼いたしまして、有田委員と同様に、次の国会には、その成績を本委員会に発表してもらいたい。これを希望しておきます。  二番目は、これは私は証券業者にも注意したことでありますが、資本金があまり小さ過ぎてはいかぬ。ことにその他の地域で二百万円という内示でありますが、一人一万円になつておりません。少くとも大都市では一千万円ぐらい、中都市では五百万円くらい、その他の地域においては三百万円くらい、一人で一万円くらいの出資をする必要があると信じておりまするが、政府はどう考えておりますか、承りたい。
  47. 舟山正吉

    舟山政府委員 出資はできるだけ多い方が望ましいことは、お説の通りだろうと思います。しかしまた協同組合設立の能否ということも考えまして、先ほど申し上げました程度が適当と考えております。
  48. 三宅則義

    三宅(則)委員 第三点、今までの信用組合等が、かえつて害をなされた理由というものは、理事者がかつてに自分もしくは自分の親戚、友人等に融通した点にあると思う。これはわれわれといたしましては忠告を促すべき点があると思いますから、これは厳重に毎月月報をとる、また監査をするという制度を開きたい、かように考えております。もし私をして言わしめるならば、各地方々々もしくは財務局等においても、大蔵省の意を体しまして、厳重に毎月監査するという方法をとつてもらいたいと思いますが、これに対する構想を承りたい。これで質問を終ります。
  49. 舟山正吉

    舟山政府委員 お説の通り、むしろ規模の小さい金融機関ほど大蔵省は目を光らして監督しなければならないことかと考えております。毎月実地について監査をするというようなことは、人員の関係その他で不可能と思いますが、財務局その他の地方部局の機構も動員いたしまして、毎月一回くらいは何かの形で、たとえば書面審査等によりまして、監査の面を続けて行くというふうなことは十分考えたいと思います。
  50. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私はこの際、ただいま本委員会提案されました今澄勇君外二十名提出法律案に対する修正案提出いたしたいと思います。すなわち、   協同組合による金融事業に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。  「法令規定に違反する」を「法令規定に違反し又は政令の定める基準に適合しない」に改める。  その理由といたしましては、原案提出者は、協同組合による金融事業に対する免許を、大蔵大臣自由裁量にまかせることなく、法令規定に違反しない限り免許することという趣旨のもとに、原案提案せられたのでありますが、現在の金融事情、経済事情、その他各般の事情を参酌いたしまするのに、今この法律を即座に実施するということは、はなはだ不都合な点があると考えまするので、この際この「法令規定に違反し」のほかに、政令でもつて一定の基準を定めまして、その基準に該当する分については当然許可をするというふうにいたしたいと考えるのであります。
  51. 竹村奈良一

    竹村委員 修正案提案された奥村君に少し質問いたしたいのでございます。先ほど田中委員銀行局長との質疑応答の中に、従来の協同組合許可をいたす場合におきましては、大体大都市においては出資金が五百万円、市制施行地におきましては三百万円、その他の地域におきましては二百万円、そうして一年後における預金が大都市は五千万円、六大都市を除いた市制施行地は二千五百万円、その他の地域は一千万円を基準として従来は認可をして参つた、こういう説明であつたのでありますが、修正案提案者におかれましては、この政令の定める基準というのは、ここに基準を置かれるのであるかどうか、この点をはつきりしていただきたいと思うのであります。
  52. 奧村又十郎

    ○奧村委員 お答え申し上げます。大体において基準案としては、ただいま銀行局長からお話のありました通りでありますが、ただ預金額において大都市は五千万円、市制施行地は二千五百万円、その他の地域は一千万円でやつたらよろしいと考えております。
  53. 竹村奈良一

    竹村委員 もう一点だけ伺います。それでは銀行局長にお伺いしますが、先ほど御説明になつたものは、従来大体これを免許の基準にして参つた、こういうように言われておるわけです。われわれも原案提出者の一人になつておるのでありますが、従来そういうような基準で認可されるがゆえに、この協同組合が成立しなかつた。従つてそのわくをとるために本案を提出したのでありまして、もし修正案提出されたような形における政令がきまるならば、これは従来と何らかわりない。今のままの法律でもかわりないということになるのでありますか、あるいは今までと認可の点においてどの点が異なるのか、その点をお聞かせ願いたい。
  54. 舟山正吉

    舟山政府委員 従来は当局の裁量による免許でございましたために、特に出資金等はただいま申し上げましたような金額に必ずしも参つておらなかつたものもあるのであります。それからまたその審査資料要求等につきまして往復を重ねまして、そのために時間がかかつたというような非難もあるのであります。こういうことが政令で基準が示され、その基準にのつとつたものが免許されるということでありますれば、それらの点は非常に改善されるのではなかろうかと思います。
  55. 小山長規

    小山委員長代理 ほかに質疑はありませんか。——それではこれより本案及び修正案を一括して討論に入ります。竹村君。
  56. 竹村奈良一

    竹村委員 私は共産党を代表いたしまして、原案はわれわれも提出者の一人でありまして異議ないのでありますが、この修正案に対しましては、遺憾ながら反対を表明するものであります。その理由といたしますところは、先ほど提案者の説明にもあつたごとく、従来二年有余たつのにかかわらず、この協同組合設立は遅々として進まない。その原因は、大蔵省におけるいろいろな許可規定等に対する圧迫であつた。こういうことがはつきりしておるわけであります。従つて先ほどからのいろいろな質疑応答の中に、この修正案をそのまま通しますならば、従来と何らかわらない。従つて結局におきましては、従来と同じように大蔵省のいわゆる厳重な規定のわくになるわけであります。この原案提出いたしました趣旨といたしましては、従来各協同組合は、組合員自身の利用すべきものであつて、組合員自身が監督し、経営等も自身が自由にやつて行つて、ただ資金の融通をやつて行くという点に欠くるところがあつたとわれわれは考えるわけでありまして、この修正案に賛成いたしますならば、原案提出しました趣旨が、全然抹消されるという観点から、この修正案に対しましては反対するものであります。
  57. 田中織之進

    田中(織)委員 私は原案並びに修正案に対しまして賛成の意見を述べるのであります。従来の信用協同組合設立が非常に遅れておるという点につきましては、大体大蔵省の免許にあたつての認定の基準等が明確でなかつたということも、一つの理由になつておると思うのであります。それがこの際こうして明確にされるということは、一つの前進であると考えます。但しこの委員会で明確になりました免許の基準の案についてみましても、なお大蔵省の認定による部分が多くあるのでありまして、この点につきましては運用上特に中小企業者の現在一番困難に直面しております金融面を打開するために、政府といたしましても、こうした信用協同組合を積極的に設立し、助成するという積極的な気持をもつて、これらの基準に照し合せて認可を最もすみやかにやつていただきたいという強い要望を申し上げておきたいのであります。  さらにこの修正した法律の通過によりまして、今後続々信用協同組合設立されることと信ずるのでありますが、これに対しまする政府資金の積極的な放出と申しますか、その点につきまして先ほど銀行局長からも非常に力強い御答弁をいただいたのでありますが、やつていただくということに相なりますならば、この基準に明示されることでございますので、ほんとうに中小企業者金融機関として、ことに組合員以外の預金を吸収する場合の信用をも、十分保持したところの組合設立されることを期待いたしますので、あわせて預金部資金あるいは見返り資金等の中小企業への放出につきましては、これらの信用協同組合を積極的に活用するということを、政府において特に留意願いたいという二点の希望条件を付しまして、この修正案並びに修正部分を除いた原案に、社会党といたしまして賛成の意思を表明するものであります。
  58. 小山長規

    小山委員長代理 討論は終局いたしました。  これより本案及び奥村委員提出にかかる共産党を除く各派共同提案修正案を一括議題として採決いたします。本改正案を、奥村君提出のごとく修正議決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  59. 小山長規

    小山委員長代理 起立多数。よつて本案は奥村委員提出のごとく修正議決するに決定いたしました。  なお報告書の作成その他につきましては委員長に御一任願います。  午前中はこの程度にして休憩いたします。     午後零時五十四分休憩     —————————————     〔休憩後は開会に至らなかつた〕