○
石原(圓)
委員 私も
川村委員とほぼ同様の
意見を持
つておるものであります。この場合
金融の小
委員会を開きまして、
委員長は本日御出席の各銀行及び金庫より御出席を願うことと思うのであります。そこでわれわれは水産の
金融、
漁村の
金融をどうするかということが、さしあたる問題でありまして、私本日少し席を離れましたけれ
ども、今日御出席の
興業銀行及び
勧業銀行、
日本銀行。それぞれ承るところによると、
漁村に対して、水産に対しての
金融を特にどうしたらよい、どういう方法をと
つた方がよいというような案を持
つておるとか、研究をしておるとかいうようなことについては、まだ承
つておらないのであります。この点がわれわれの最も御出席の方々に希望のある点でありまして、今の行き詰
つた漁村の
金融をどうするかということの対策であります。これが小
委員会の当面の急務とな
つておるのであります。私
たちの
考え方は、
興業銀行も、
勧業銀行も、中金も、それぞれ戰争の苦しい時代は済んだのであるが、この苦しい時代の難局を切り拔けて、今資本も増し、またその資本に応じて何十倍という
債券発行の権利も獲得されて、莫大な融通力、
資金力を持
つたわけであります。そうなるまでには戰争中の興銀なり、勧銀なりの株主、また小金の出資者等も負担は課せられておるのでありまして、そういう経過を経て今日大きな資本力を持つようになられたのであります。これは何がゆえにかといえば、日本の産業も順調に、強力にやらなければいかぬということで起
つた問題であると思うのであります。そういう建前から、この
水産金融に対しても、おのおのの部門においてどうせねばいかぬという真剣な案を立てることに、ぜひ御
協力を願わなければならぬと思うのであります。ただいま
興業銀行でありましたか、
漁船をつくる部門へは金が貸し得られるという
意味に承りましたが、これは貸すことに
方針がな
つておりますのか、貸す道はあるという
意味なのでありますか、この点がはつきりしないのであります。幸いにも
興業銀行が
漁村の船体に対して金を貸すということを
方針としてきめる場合には、非常に
漁村は助かるのであります。そういうような
意味において、また
勧業銀行にいたしましても、従来は
漁村の運転
資金、仕込み
資金というようなものには、相当便宜を與えておられたのでありますが、最近もそれに対するところの
方針はかわらぬのであるかどうか、この問題も具体的なことを私は聞きたいのであります。また中金にいたしましても、最近は――これは中金全体ではないかもしれませんが、
漁村に対しての
金融については、
漁村の中金に対する出資が少いとか、あるいは水産の方の
預金が少いとか、そういうところを対象にして融通をする。
従つて旧団体、新団体の間では相当の脅威を感じておるというようなことも聞くのであります。これらのことは非常に重大な問題でありまして、たとえば中金が、出資の額であるとか、
預金の額であるとかいうものを対象に貸出しをするというならば、勧銀も株主の株数の多いものを対象として融通するとかせぬとかいうことになる。また
興業銀行もそういうようなことになるならば、これはも
つてのほかのことであると私は思う。株主のいかんにかかわらず、出資や
預金のいかんにかかわらず、日本の産業を根本的に救済し助長するのが、この三つの
金融機関の根本の性格であ
つて、それがために国もそれに対して相当の
協力を與えておるという点に重点を置くべきだと思うのであります。また
日本銀行におきましても、
日本銀行の総裁はローマ法王だというような批評も巷間にはあるのでございまして、絶対的なる権力を持
つており、義務の
方面はほとんど認められないような
意味合いにな
つておる。民間の銀行でも、
日本銀行ににらまられるのがこわいがために、融通がうまく行かないというようなことも聞くのであります。こういう日本のおもなる大きな
金融機関には弊害があると思うのであります。この弊害を
是正することがまず急務ではなかろうかと思うのであります。また復興
金融金庫におきましても、すでに貸出しはやめて、取立てだけに大勢の人がおるとか、私の聞くところは正確であるかどうかしりませんけれ
ども、復金の最初の人的機構は、あまり減
つておらぬように聞くのであります。復金になるものは、少しむずかしいような産業の助成のために金を貸すということが使命であ
つて、そうして生れたものである。そのものが途中で常業はやめて、取立てだけをやる。取立てだけならば、貸出しに従事してお
つた人
たちはいらぬのではないか、そういう人
たちは整理してはどうか、そういう議論も出て来るのであります。また一部から聞くところによりますと、すでに二百数十億円の回收ができ、非常に回收は順調である。その金はどこへ行くのであるかといえば、国庫の方へまわす。そのまわすべきものが、まだ相当復金のうちに留保されておるというようなことも聞くのであります。またもう一つは、復金が機構をかえて再出発をして、やはり従来の使命に沿うような、貸出し常業を開始したらどうかという
意見もあるということなのであります。こういうことをすべてを総合して、権威ある
金融の
立場にある
皆様に、窮迫しておる
漁村の
金融、
水産金融を打開するために十分なる御
協力を願いたい、こういう点が私の念願するところであります。どうかそういう
意味合いをも
つてこの小
委員会は一時も早く日本の
金融の打開の道を講じてもらいたい。今
漁村に対する
金融の貸出しで困
つておるのは、おそらく中金であろうと思うのであります。これは新旧団体に対する貸出しで、すでに焦げついたようなものが相当あるのであります。これは中金の罪ではないので、国の
法律及び統制撤廃によるその後の打撃、いろいろな影響が相当あ
つたわけでありますが、
協同組合等への貸出しは、長期の貸出しに振りかえるか、利息を減免するか、何らかそれを打開しなければ
漁村は再生しないというふうに私
たちは考えておるのでありまして、そういうような点も十分取入れた御
協力、御援助をお願いしたいと思うのであります。
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