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舟山政府委員 最近信用状に対する
金融が円滑を欠いておる。そのために特に
水産のごとく商機を非常に大事にする取引に支障を来したというお尋ねでございますが、この信用状附の貿易手形の
金融につきましては、五月ころその声が非常に起つたのでございます。これの原因をいろいろ探索いたしたのでございますが、当時における
日銀の
貸出し
方針に伴いまして、
市中銀行でこのLC附の貿手を割引くことをあとまわしにして、
資金の限られておりますときに、この貿手
金融を他の、その
銀行がや
つております普通の
金融よりもあとにまわしたということが、この貿手
金融の梗塞の大きな原因であるようでございます。そう申しますのも結局
銀行に
資金が足りなかつたからなのでございます。しかしこの貿易振興、
従つて貿易手形の扱いということにつきましては、最優先の扱いをしておることは御
承知の
通り、これははなはだ遺憾なことでございましたので、その後
政府も注意いたしまして、現在では、その問題は改善されておると確信いたすのでございます。なお貿易手形の問題といたしましては、先ほど申しましたように、そういうあとまわしにされたという問題のほかに、たとえば新しい貿易業者——貿易によ
つて一旗あげてみようという業者であるが、反面力が足りないという
方面におきまして、その
金融機関が、その扱う貿手に信用を与えなかつたというような、例外的な事情もあるようでございます。大体は今申し上げたようなことであると思うのであります。ただいまは貿易手形の扱いは非常に改善されておるのでありますが、
松田委員の御指摘の
通り、対外貿易は商機を尊ぶもので、それらについて
金融の不円滑がないように、今後も注意して参りたいと存ずるのであります。
これに関連いたしますが、
日銀あるいは
市中銀行が
大蔵省の
方針に協力しないのではないかというような御指摘でございますが、
日銀を含めましてこれらの
金融機関は、もちろん
大蔵省の政策のもとに動かなければならないのでございます。もちろんこれらの
金融機関の信用につきましても、遺憾のないように
指導して参りたい。ただこの例としてお示しになりましたような、北海道における高度利用の
見返り資金の問題、これらの問題になりますと、
金額が一億単位という大きなものになります。そこで
市中銀行も、自分の責任において、かつこれを比較的
長期にわた
つて貸し出すことに相なると思うので、この事前の
審査として、いろいろ手続調査等に時間がかかるということも、やむを得ない点もあると思うのでありますが、これらも極力促進をさせまして
漁業の仕事をお進めになる上において、御不便のないようにいたして参りたいと存ずるのであります。これは余談にわたるかもしれま
せんが、本日も関係者に会いましたときに督促しておいたような次第でございます。御了承願いたいと思うのでございます。
次に
田口委員のお尋ねで、貿易関係の
金融を貿易業者につけるだけでなく、生産者にもつけたらどうかという御
意見でございます。現在
金融が各
方面でなかなかむずかしい問題にな
つて、そこで貿易
金融だけは是が非でも円滑を期さなければならないという扱いにいたしております上におきましては、その商品がぜひ輸出されるものである。必らず輸出されるものであるということを確認しなければならぬ。その意味におきまして貿易業者に着目いたしまして、必らずLCがついておるということを要求いたすわけでございます。生産者といえ
ども、比較的大きいところは、それなりに
金融がついておることと思うのであります。どれもこれも生産者に
金融をつけまして、見越し生産をさすということにつきましては、なるほど
漁業につきましては特殊性はあるように了承いたすのでありますが、それは全体の
建前といたしまして困難ではないかと
考えておるのでございます。
それから最後に
小高委員の御
質問といたしまして、
政府資金、特に
預金部資金を一般
金融機関に還元いたすべきであるということでございます。これらにつきましては、私
ども鋭意努めておるのでありますが、ただいまのところ、
預金部資金につきましては司令部の覚書がございまして、
国債の引受け、
地方債の引受け、あるいは公団に対する貸付というようなことに限られておりまして、一般
金融債券の引受けは認められておらないのであります。私
どもといたしましては、これを解決することが非常に現在のいろいろ山積しております
金融問題の解決の大きなかぎであると
考えまして、
努力を続けておる次第でございます。この問題が解決いたしま
せんと、たとえば
水産金庫のごとき特殊の
金融機関をこしらえましても、実は
資金の調達
方法がないわけであります。この普通の債券を出して一般から公募させて、
資金をこしらえるということは、特に
水産の問題につきましては、なかなか望めないことであります。
従つて預金部資金のごとき特殊のものを使うことがきわめて望ましいのでございます。また
預金部資金がこういう
水産債券のごときものに応募できる
建前になりますれば、また特に
水産金庫をこしらえま
せんでも、農林債券あたりを特にひもつきで、この目的のために債券を発行させて、
預金部が引受けるということも可能なわけでございます。ここらに問題があると存じまして、解決に向
つて努力いたしておる次第であります。