○
金森国会図書館長 この
俸給と
資格の問題は、近ごろ
人事制度が非常に複雑になりましたために、行く先々では階級的な問題は問題の外に消えまして、何級俸という
月給の方で
標準がきま
つて行くということになるのであります。私が二級官、三級官とかいう言葉を使いましたが、これは移りかわ
つて行く今の
段階にあるのであります。でありますから、現実の
俸給の面といたしましては、
人事制度できま
つておりまする一級ないし十五級の
わくがありまして、その
わくの中に
ちやんと各人が割当てられているのであります。これは
身分のかわるとともに上るということはございませんので、
身分はかわ
つても従来の
月給のままで行く、こういう
根本方針を立てておるのでございます。と申しますのは、今後
人事制度がどうなるか、それはわかりませんが、ただいまのところでは
俸給を
基礎として、ほかのことは
考えないで、新しい
制度の中に織り込んで行く、こういうことにな
つております。ただそれは表向きの
説明でございまして、これはおつしやる通り、決して何らの経済的の
利益が個人に起らないということはございません。それは目ぼしいことはできませんけれども、一つの
利益を申しますと、今の五十数人の
主事、
主事補、
用人が上の
ランクに移
つて行きますと、そこで
恩給の
基礎年数というものの
利益が得られて参りますし、同時に
恩給ばかりでなく、旅費その他の面においても有利なことが出て来るのであります。それからまた
俸給の面におきましても、実際今まで
地位がきゆうくつであつたために、いわば行き詰まりと申しまするか、前途に望みなく、壁にぶつかつたようなところまで行
つております者が、今後新しい
地位に応じまして、次第々々に有利に展開する、こういう道はございますが、さしあたり特別な
変化は起らない、こういう
趣旨でございます。