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1950-07-20 第8回国会 衆議院 図書館運営委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月二十日(木曜日)     午後一時三十二分開議  出席委員    委員長 東井三代次君    理事 圓谷 光衞君       青木 孝義君    尾関 義一君       水谷  昇君  早稻田柳右エ門君       三宅 正一君  委員外出席者         国立国会図書館         長       金森徳次郎君 四月十八日  委員森戸辰男議員辞職につき七月十二日その  補欠として三宅正一君が議長指名委員に選  任された。 五月二日  東井三代次君が議長指名委員長補欠選任  された。 七月十二日  委員木村公平君、千賀康治君、多田勇君、北村  徳太郎君、及び渡部義通辞任につき、その補  欠として尾関義一君、小峯柳多君、山村新治郎  君、木村左衞門君及び中西伊之助君が議長の  指名委員に選任された。 同月十九日  委員小峯柳多君及び山村新治郎辞任につき、  その補欠として多田勇君及び青木孝義君が議長  の指名委員に選任された。 同月二十日  理事水谷昇君の補欠として圓谷光衞君が理事に  当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事補欠選任に関する件     —————————————  国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する  規程案  国立国会図書館支部上野図書館組織規程の一部  を改正する規程案     —————————————
  2. 東井三代次

    東井委員長 それではこれから会議を開きます。  まず理事水谷昇さんが今回文部政務次官に就任をされましたために、本委員会理事辞任されたいということでありますが、これを許可するに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 東井三代次

    東井委員長 御異議なしと認めます。  それではこの際理事補欠選任を行うことといたしまして、慣例によりまして、委員長において指名をいたしてよろしゆうございましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 東井三代次

    東井委員長 御異議なしと認めまして、それでは委員長圓谷光衞君を理事指名をいたします。圓谷さん、よろしくお願いをいたします。     —————————————
  5. 東井三代次

    東井委員長 次いで日程に入ります。図書館側から国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する規程案及び国立国会図書館支部上野図書館組織規程の一部を改正する規程案が、本委員会承認を求めるために提出されて参りましたので、両規程案を一括して議題といたします。図書館長の御説明を願います。金森図書館長。     —————————————
  6. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 ただいま御審議を願つております二つの規程案は、現在の姿のものは、本年度の予算に応じまするために、前の議会におきまして御承認願つたの根本でありまして、これに対しまして人数の上に変化をするのであります。  この趣旨は、人数を実質上は一人もふやすという意味を持つておりません。また一人々々の俸給標準をとりかえる、こういう意味も少しも持つておりません。従来の図書館の人間の定め方は、この規程の中に現われておりますように、司書から主事まで実は五つ種類がございます。この五つ種類はこの規程の中に掲げてありますが、その五つ種類よりももう少し低い扱いをしておりまするところの主事補用人は、この規程の中には出ていないのでありまして、他のものによつてきめておるのであります。これはどこの官庁も同じような扱い方でありまして、今まで規程に出ておりませんでした。主事補というのは、いわば雇いというものに当つておりますし、その下の用人は、ごく低い小使のようなものをも含んでおるのであります。かようにして人員は、前の議会において御承認を得て規則を実行しておりましたが、公務員の職階の制度がだんだん具体化されて参りますと、いろいろ機構も精密に考えられて参ります。そういたしますと、その機構の中におきまして、相当重要な仕事を、雇員用人のところの人がやつておるということは、ときにはなはだおもしろくない場面も出て来るのであります。また他の一面から申しまして、私の方の図書館職員は、大体優秀な人々を採用するという立場から、大学を卒業した人、專門学校高等学校を卒業した人、そのほか多くの経験を持つておる、学歴が非常にあるか、そうでなければ相当の経験を持つておる人を用いております。そこでそういうようなりつぱな資格者雇員用人の中にありますことも、やはり若干のむりが起るような感じもいたします。そこで大蔵省関係人々とよく相談をいたしまして、従来の予算に少しも支障を起さない、また人数にも何らの変化を起さないという範囲におきまして、今までの雇用人級のところから五十八人だけの要員を削りまして、それを本館上野の方面におきましての他のものに振り充てたのであります。実際のやり方は、本館におります主事級、古い思想で申しますれば判任官に当るところのランクから、上の方のランクに多少移しまして、そして主事補用人のところから来た者を主として主事に移す、こういうような考え方をしておるのであります。  そこでなおこまかに申しますと、本館におきましては、五十人の主事補用人人数の上で削減をいたしまして、これに当ります五十人の数をこの規程の中にあります諸種の要員の中に割当てて行つたのであります。実際は現在主事である者が司書調査員参事に若干昇格をいたします。そして雇用人格から上つて来た人々は、さしあたり主事定員の中に取入れられるということに方針をつくつております。上野図書館におきましても同じような考え方でありまして、主事補用人の中から八人を定員の上から削りまして、これに該当いたしまする数を司書参事主事の方にふやしまして、実際は現に主事である者から、上の職に充てて行く、そうして主事補用人の中から、主事にいたして行く、こういうような方針を用いて実行して行くという考えであります。大体そのような行き道は、現在多くの官庁が新しい体制に移るためにやつておることでありまして、私どももその線に沿つて来たのであります。この考え方を実現して行きますると、今まで非常に不合理な、たとえば係長とか課長補佐とかいうような立場の人が、かなり低い名前の職員であつたということが救済されまして、その地位につく者も励みがつく、またかつこうもよくなるという結果になろうと存じます。何分よろしく御審議をお願いいたしたいと存じます。
  7. 東井三代次

    東井委員長 ただいまの図書館長説明に対しまして、何か御質疑はございませんか。
  8. 圓谷光衞

    圓谷委員 上野図書館の方はわかるのですが、東洋文庫、静嘉堂文庫、ここには用人は一人も出ていないようです。静嘉堂の方はどうなつているのですか。
  9. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 今の点は、新しく項目をきめて予算を請求するという意味におきましては考えておりません。もちろん実際は、小使またこれに近い者もいるわけなのでありまして、ごく少数の職員でありますが配属されております。ただ今後来年度の問題として何らかのくふうをするかどうかという点が、おまわししてある書類なのであります。
  10. 圓谷光衞

    圓谷委員 館長の御説明では、結局今までの主事補雇用人というような関係を、おのおののその職の階級をかれえることによつて図書館の運営が非常によくなるということですが、現在おる人をかえて行くだけですか、また新しく別に人を内部に入れるというのですか、その点をひとつ伺いたい。
  11. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 今考えておりまするのは、合計で五十八人、本館で五十人、上野で八人ということになつておりますが、これは内部におるところの職員の中から、最も適する人を上の方に上げて行くということが根本考え方であります。そこで今の様子を見ますと、上の方に上るに適しまする有資格者が非常にたくさんありまして、それのおおよそ半分くらいが、今回のこの方法によつて上げられて行く、あとの半分は上げることもできないというような状況になつております。これが現状でありまして、ただ五十八人の中の一人だけはまだ職員を採用しておりませんので、従つてこの形によつて採用する場面がございます。
  12. 圓谷光衞

    圓谷委員 人事は非常にむずかしいものですが、ただいまの御説明では、有資格者として上るべき可能性のある者の約半分が上るというようなことですけれども、それはどういう方法で昇格されるわけですか。何か試験制度でもやるのですか、あるいは館長の独断でもつてやられるのですか。
  13. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 私の方の人事は、新規採用いたしますときには、試験はもうすでに行われております。過去の採用の段階におきまして嚴重試験をしております。筆記試験口述試験の両方を用いまして、人事院とちやんと連繋をとりまして、その方針従つてつて行くというのが、いわば正式の職員と申しますか、新しい人々を正規の方法で採用いたしまする常道であります。それ以外の場合は、他の官庁において経験しております人を、一般官吏の転任の形で、ごくわずかではありますが、必要に応じて採用しております。それからまたごく軽い職員、いわゆる雇用人範囲におきましては、これはもつと簡易な方法選考をしてとつております。そこで今回は、それらの職員の中におきまして、主事級から上のいわば二級官に人をとつて行く場合と、雇用人の方から主事にとつて行く場合と、二階段ございますが、これにつきましては、任用資格は現に国会職員任用規定がございますので、その資格に合せて、はつきりその条件に合わない限りは採用できません。すべてその形によつて採用して参りますし、また国会職員任用に定まつております資格は、いわば最低限をきめておるのでありまして、その資格があるからとて、ただちにそのまま採用するということはできません。そこで内部において職員の進級についての公正を期しますために、許された範囲内の資格を一層嚴重にする内部規定をつくりまして、たとえばこれだけの学歴を持つておる人が、これだけの執務年数を持つた場合には採用し得る、というような根本の原則を置きまして、学歴と実際勤務経験との双方を加え合せた標準によつて嚴重に査定をして行くのであります。従つて主事から上に上つて行きます、つまり昔の考えで行くと、判任官級から奏任官級に上つて行きます場合におきましても、国会職員任用規定によりますると、およそ六十人ばかり有資格者があるのであります。しかしその六十人の全部を昇格させることはできません。今申しましたようないくつもの条件を定むる規定を置きまして、これによつて今のところ六十人の中の三十七人は昇給させることができる、かように考えております。今までつくりました条件従つて——さらに昇級をさせますときには、規則ばかりによるのではなくて、館内に特に選考委員というものを設けまして、その選考委員の合議の結果によつて採用するという方針をきめております。
  14. 圓谷光衞

    圓谷委員 先ほど館長の御説明では、冒頭に人員はふえない、それから資格を上げても、俸給の点においては別に支障がないのだというようなお話でしたが、しかし資格を上げて、それに対する物質的の昇給とか優遇とかいうことを考えないはずはあり得ないと思うのです。その点は率直にひとつ説明願いたいと思います。
  15. 金森徳次郎

    金森国会図書館長 この俸給資格の問題は、近ごろ人事制度が非常に複雑になりましたために、行く先々では階級的な問題は問題の外に消えまして、何級俸という月給の方で標準がきまつて行くということになるのであります。私が二級官、三級官とかいう言葉を使いましたが、これは移りかわつて行く今の段階にあるのであります。でありますから、現実の俸給の面といたしましては、人事制度できまつておりまする一級ないし十五級のわくがありまして、そのわくの中にちやんと各人が割当てられているのであります。これは身分のかわるとともに上るということはございませんので、身分はかわつても従来の月給のままで行く、こういう根本方針を立てておるのでございます。と申しますのは、今後人事制度がどうなるか、それはわかりませんが、ただいまのところでは俸給基礎として、ほかのことは考えないで、新しい制度の中に織り込んで行く、こういうことになつております。ただそれは表向きの説明でございまして、これはおつしやる通り、決して何らの経済的の利益が個人に起らないということはございません。それは目ぼしいことはできませんけれども、一つの利益を申しますと、今の五十数人の主事主事補用人が上のランクに移つて行きますと、そこで恩給基礎年数というものの利益が得られて参りますし、同時に恩給ばかりでなく、旅費その他の面においても有利なことが出て来るのであります。それからまた俸給の面におきましても、実際今まで地位がきゆうくつであつたために、いわば行き詰まりと申しまするか、前途に望みなく、壁にぶつかつたようなところまで行つております者が、今後新しい地位に応じまして、次第々々に有利に展開する、こういう道はございますが、さしあたり特別な変化は起らない、こういう趣旨でございます。
  16. 東井三代次

    東井委員長 ほかに何か御質疑はございませんか——質疑もないようでございます。それでは国立国会図書館職員定員規程の一部を改正する規程案及び国立国会図書館支部上野図書館組織規程の一部を改正する規程案は、いずれもこれを承認することに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 東井三代次

    東井委員長 御異議がないようでございます。それではこの両規程案承認を与えることに決します。     —————————————
  18. 東井三代次

    東井委員長 次に来年度図書館予算につきましては、もうすでに編成の時期に達しておりますので、現在におきまする図書館側の御意図なり、また御方針なりをいろいろと聞いた上で、本委員会といたしましてもできるだけ、これに協力をいたして参りたい、こういうことで後ほど懇談をいたしたいと思いますが、委員会は一応この程度で散会をいたしまして、あと懇談の形式でこれを進めたいと存じます。  本日はこれをもつて散会をいたします。     〔午後一時五十四分散会