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1950-07-19 第8回国会 衆議院 人事委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    委員昭和二十五年七月十二日(水曜日)議長指名で次の通り選任された。       今村長太郎君    大野 伴睦君       岡西 明貞君    小澤佐重喜君       小淵 光平君    加藤隆太郎君       小玉 治行君    田中伊三次君       田中 重彌君    田中不破三君       西村 久之君    藤井 平治君       藤枝 泉介君    淵上房太郎君       星島 二郎君    芦田  均君       今井  耕君    中曽根康弘君       平川 篤雄君    成田 知巳君       松澤 兼人君    八百板 正君       加藤  充君    横田甚太郎君       岡田 春夫君 同日  田中伊三次君が議長指名委員長に選任され  た。     ————————————— 昭和二十五年七月十九日(水曜日)     午前十一時六分開議  出席委員    委員長 田中伊三次君       岡西 明貞君    小淵 光平君       加藤隆太郎君    藤井 平治君       藤枝 泉介君    淵上房太郎君       平川 篤雄君    成田 知巳君       松澤 兼人君    八百板 正君       土橋 一吉君    岡田 春夫君  出席政府委員         人  事  官 山下 興家君         人事院事務官         (人事院給与局         長)      山本 忠男君  委員外出席者         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 七月十七日  横田甚太郎君は委員を辞任した。 七月十九日  委員加藤充君辞任につき、その補欠として土橋  一吉君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  国政調査承認要求に関する件  国家公務員給与に関する説明聴取     —————————————
  2. 田中伊三次

    田中委員長 これより人事委員会開会いたします。  ごあいさつを申します。どうぞよろしく。  議事に入る前に、去る十七日、横田甚太郎君が委員を辞任せられております。これをお知らせ申し上げておきます。  まず諸君の座席についてお諮りいたします。これは必要の際は委員長において随時変更することといたしまして、ただいま御着席の通りにいたしておきたいと思いますが、これに御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中伊三次

    田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決定いたします。  ただいまより理事互選を行います。
  4. 藤枝泉介

    藤枝委員 理事はその数を五名といたしまして、先例により選挙の手続を省略し、ただちに委員長より指名せられんことを望みます。
  5. 田中伊三次

    田中委員長 藤枝君の動議に御異議はございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 田中伊三次

    田中委員長 御異議なしと認めます。それでは指名をいたします。    今村長太郎君  藤枝 泉介君    淵上房太郎君  平川 篤雄君    松澤 兼人君  以上の五君をそれぞれ理事指名いたします。     —————————————
  7. 田中伊三次

    田中委員長 次に国政調査承認要求の件についてお諮りいたします。  御承知通り衆議院規則第九十四条によりますと、常任委員会は、会期中に限り、議長承認を得た場合は、その所管に属する事項について、国政に関する調査を行うことができることとなつております。また、議長承認を求めるためには、調査しようとする事項目的方法及び期間等を記載した書面を議長に提出しなければならないこととなつております。この際当委員会におきまして、議長に対し国政調査承認要求をいたしたいと思いますが、これに御異議はございませんが。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 田中伊三次

    田中委員長 御異議なしと認めますよつて、さよう決定いたしました。  次に、国政調査承認要求書についてお諮りいたします。これは委員長において適当に作成いたした案がありますので、それを読み上げることにいたします。    国政調査承認要求書  一、調査する事項 国家公務員給与並びに人事行政に関する事項  二、調査目的 国家公務員給与並びに人事行政の適正を期するため  三、調査方法 関係方面よりの説明並びに意見聴取資料要求等  四、調査期間 本会期中  右によつて国政に関する調査をいたしたいから衆議院規則第九十四条により承認を求める。   昭和二十五年七月十五日      人事委員長  田中伊三次 衆議院議長  幣原喜重郎殿  以上の通りであります。これを議長に提出いたしたいと思いますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼び者あり〕
  9. 田中伊三次

    田中委員長 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。     —————————————
  10. 田中伊三次

    田中委員長 ほかに御発議はございませんか。
  11. 松澤兼人

    松澤委員 大体重要な手続は済んだようでございますが、ベース改訂の問題につきまして、私ども浅井人事院総裁に来てもらいまして、いろいろの経緯を承ろうと考え出席要求をしたのでありますが、聞くところによりますと、今日は出席できないという話でございまして、この問題についてまた別個に考えたいと存じます。そこで委員長にお尋ねいたしたいことは、新聞などによつて見ますと、いろいろと田中委員長給与改訂の問題について御奔走になつたということが出ておるのでございまして、委員長に関する限り、ベース改訂勧告がどうして行われなくなつたのか、御存じの範囲内でけつこうでございますから、一応お話くだされば幸いだと思います。
  12. 田中伊三次

    田中委員長 それでは松澤君の御質問に対して、私から知る範囲のことをお答え申し上げます。実は人事委員会は、御承知のごとく本日初めて第一回を開いたのでありまして、今まで人事委員会を開いて、委員各位の御意向を徴したわけではないのであります。しかしながら委員長に就任をいたしております限りは、給与ぺース引上げに関する問題、また引上げることを妥当とするとの勧告の時期、方法、その内容、こういう問題については人事委員会委員長としては、ぜひともその諸般情勢を知つておきたい、資料としてそれを常に頭に持つてつておきたい、これがたいへん大切なことであると実は考えておりましたので、前後数回にわたつて司令部訪問をいたしました、GS、ESにも訪問をいたしまして、どういう事情になつておるのか、どういう内容勧告をしようと人事院努力しておるのか、司令部との折衝はどういう結果になつておるかというようなことについて、べース引上げ並びにその引上げに関する勧告、その内容方法、時期、大体主としてその三点について、司令部人事院その他の関係方面から、その事情をできるだけ審議参考資料として聴取いたしたいという気持で、司令部訪問したことは事実であります。しかしながらそれに対しまして、新聞の書いておりますところによると、何かベース引上げの第二次勧告について、よいとか悪いとか、私がタツチしたような事柄が書いてございますが、それは事実と違うのでありまして、以上申し上げたような参考資料の収集という程度を出ておりません。そういう事情でございますから、どういう事情によつて勧告がされないことになつたのかということの真相は、私にはわかりかねるのでありますが、諸般事情を収集した際に、私がいろいろな勘でとりました感じからいたしますと、人事院はそもそも独立の機関で、独自の権限を持つて何人にも制約されない、何ものにも制約されない、立場勧告はする。しかしながらこういう情勢下における勧告は、財源見通しのない第二次勧告をいたずらに行うということは、いかがなものかというような空気が、相当関係方面において新しく議論として持ち上つたのではないかと想像をしております。だからやはり財源見通しを十分につけて、その上で勧告行つて行く、しかも勧告を行う時期については、財源見通しのついた時期に勧告を行うということが必要であるというようなことで、あるいは今国会開会中に勧告を行うことは、その時期ではないというような結論に到達したものではなかろうか、これは私の勘でありますが、私が諸般情勢調査いたしました結果は、そういうふうに考えるのであります。それ以上のことはわかりかねます。なぜ勧告を延期さすかという事柄は、直接関係方面の人人からこれを聞いたことはございません。
  13. 松澤兼人

    松澤委員 大体事情はわかりました。新聞によりますと、勧告は出さないように田中委員長が奔走されたというようなことを聞いておつたのでありますが、ただいまの委員長お話ではそういうことでなく、ただ諸般事情研究調査するために各方面にお出でになつたという事情はよくわかつたのでありますが、大体私たち考えますと、この委員会というものは相当重要な職務権限を持つているものでありまして、われわれに言わせますならば、国会開会せられたならば、早急に人事委員会開会せられなければならないのであります。  私どもこれまで人事委員会関係していた者といたしまして、自由党の諸君が、例外もあるでせうが、非常に人事院関係の問題につきましては興味がなくて、故意に開会を延期されるというような風が見えないことはないのであります。その点私どもは従来の人事委員会運営については、非常に不満を持つております。しかし新しい委員長ができたのでありますから、人事委員会におきましても新発足をする、そのためにはできるだけすみやかに、かつまたしばしば人事委員が開催せられまして、単に給与改訂の問題だけでなく、公務員福利厚生の点についても、あらゆる角度から慎重に審議することが必要である。かように考えておるのであります。従いまして今回開会せられたのでありますが、私どもはこの人事委員会開会にあたりまして、先ほど委員長が申されました二、三の手続の問題は別として、ただちに本格的な給与問題その他の人事委員会所管の問題について、本質的な審議に入ることを希望し、浅井人事院総裁出席を求め、ただいま委員長に対しても質問を申し上げておるわけであります。つきましては、第一は、今日まで人事委員会開会が遅れました点及び田中委員長が今申されました単に研究調査のために、各方面に行かれたという話でありますが、私どもとしましては、委員会空気なり意見なりをあらかじめ御承知の上に、各方面に行かれて研究調査をされることが適当であり、もしそういうことでないと変な方向に奔走されるという結果になるのでありまして、できるだけすみやかに給与改訂の問題を本格的に調査して、どういう方向に持つて行くのが衆議院として最も適当であるかというふうな、意見の一致を見るようにおとりはからい願いたいと思います。これに関する委員長のお答えをお聞きいたしたい。  それからただいまのお話で、最後結論的に勘の上からのお話があつたのであります。財源問題等考慮して、今勧告を出すべき時期でないというお話があつたのであります。しかしながら御承知のように、人事院勧告は必ずしも予算財源の問題とは関係なしに勧告されておるのであります。昨年の十二月における勧告も、財源の点については何ら考慮されておらなかつたのであります。従いまして財源の点で勧告が延ばされたのであるという点につきましては、人事院立場から受取れないのでありますが、確かに人事院関係において財源に確たる見通しがないから、今回の勧告は延期するのであるというお話があつたのでありますが、以上三点についてお伺いいたします。
  14. 田中伊三次

    田中委員長 逆にまず最後の点をお答え申し上げますと、ただいまお話を申し上げたように、私の勘でそう感じたということを御参考に申し上げたのであります。財源の点の見通しがつかないから、勧告は延期をさせるのだという言明は、関係方面からもございませんし、人事院からもその点は聞いておりません。ただこういうことは、一応諸般空気から考えられらると私は思つたのであります。それは松澤君のただいまの御説明通り人事院の性質上、財源というものを考えに入れないで、民間給与とのバランスにおいて、合理的に適当なりと信ずる金額を勧告する。こういう建前をとつて行くことが人事院本来の建前でございましよう。しかしながら関係方面で私の見て来たところによりますと、それは平時通常の場合における考え方としては妥当であろう。今日のような情勢下においては、その影響するところを考慮に入れて勧告の時期を選定する。勧告する理想の計算は、どの程度の、どんな内容勧告をするかは理論通りにやるがよかろう、しかし勧告をする時期は、影響するところをよくにらんで勧告をすることが必要じやないか。それで勧告をする時期に関して相当慎重な考慮が払われたように私は考えます。それは私の意見じやないので、私が行つてあちらこちら歩いて、いろいろな要人に会つた結果、こういうふうに思われたという話をしておるのであります。お聞きになりますから、御参考お話申し上げたわけであります。  それからもう一つは、最初のお尋ねの二点でございますが、従来までの人事委員会の経過を、速記録その他の資料から私が判断をいたしますと、政府が立案をして持つて来た法律案審議する、人事院勧告をして来たその内容の当否を審議するというような、いわば受身の建前運営をしておつたように見えますが、松澤君の御意見、私はまことに同感でございますので、皆さんの御同意を得るならば、今後における当人事委員会運営においては相当積極的に、ベース引上げを必要とするという場合においては、ベース引上げに必要な独自の立法を当委員会においてやりたい。政府の提案を待たずしてやる努力も払いたい。それから勧告を行わしむることが必要だということになりますならば、勧告の時期については今がいいのだ、人事院はすみやかに勧告せよとの勧告をこの委員会から意見として人事院に持つて行くことも、何らさしつかえがない、こういうふうに考えますので、べース引上げ改訂に要する勧告、そういう問題については、すべて当委員会は今後国会委員会らしく積極的にびしびし活動をして行くことに努力をしたい。それがためには委員長立場は一党一派に偏することなく、あくまでも公平な立場を守りながら、その努力をして行きたいと考えます。皆さんの御同意をいただくならば、その都度御会合いただいて会議を開いて、会議結論によつて、以上のような積極的行動をとるように、努力して参りたいと存じます。
  15. 小淵光平

    小淵委員 給与局長が見えているようですが、寒冷地手当のことについてお伺いをいたしておきたいと思います。  寒冷地手当支給地域及び支給割合というプリントが配られたようですが、この寒冷地手当支給地域及び支給割合というのは、ほんとう実情に即した地域であり、割合はもちろんこの級によつてきめられておるのでしようから、この級があてはまることになりますが、ほんとう実情沿つてこういう地がきめられておるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  16. 瀧本忠男

    ○瀧本政府委員 ただいまの点にお答え申し上げます。従来寒冷地手当支給地域としてきまつておりましたものは、必ずしも合理性が十分にあるとわれわれは思つておりません。この点につきましては、すでに大蔵省に新給与実施本部がありました当時からきまつておりましたものを、その後引継いでおるというような状況になつております。われわれといたしましては、これを合理化することが最も急務であるというふうに考えまして、各種資料をとりそろえまして、いろいろ研究いたしておるのであります。ところが寒冷地地域区分というものは、その決定当時の事情がいろいろな力関係というようなものが反映しておる向きもありまして、全般を検討いたしてみますならば、必ずしもそれほど高くなくてもよいというふうな地域もございますし、また一方におきましては、もう少し上げた方がよいのではないかという地域も現実にあるわけです。そういう点を勘案いたしまして、われわれ案を作成しております。しかしながら給与ベース改訂も行われていないというような現在の場合といたしましては、このわれわれの案をただちに勧告いたしまして、もしそれが実行されるならば、多くの地域におきまして、実質上において給与の下るものが非常に多くなるというような実情にあります。従いまして、給与ベース引上げが行われました後に、そういうわれわれの案を勧告いたしまして、それに従つてつてもらいたい。この案によりますと、各種気象条件等を十分考慮いたしまして、合理的な案を作成して、今手持ちにいたしておる次第であります。
  17. 小淵光平

    小淵委員 ただいま給与局長からのお話で、この支給地域は必ずしも適切なものでない、大蔵省から引継いだものであつて、よく検討してみれば、非常に矛盾があるというようなお説のようです。なおこの級の改訂についても、これは給与ベース改訂とともにスムースに解決いたしたいというお話で、これも一面もつとものようにも考えられるのでありますが、この寒冷地手当支給ということは、その地方の気温であるとか、あるいは積雪、風速、これらの気象条件を勘案して、その生活費が向上するから、それに支給をするということであつて、もちろん給与の一環としてやることは当然私ども考えておるところでありますが、こういう時期に際会しておればこそ、あるいは総理大臣施政方針演説にもあるように、給与改訂をしたいということを考えておるようですから、実現はされると考えておりますが、たとえばこういう時期でなかつたといたしますれば、こういうようなものは、ある程度長い時間解決がされないということになるのではないかということを私は非常に憂えておるのです。この寒冷地手当は、本年度の寒さを迎えるのときに、給与ベース改訂というようなことが万々一行われないときには、どういうふうにこれを解決する考えでありますか。これはそういう場合を想像してのことでありますが、もしそういうような時期にはどういうふうに処置されるか、この点をお伺いいたしておきたいと思います。
  18. 瀧本忠男

    ○瀧本政府委員 われわれは給与ース改訂がなるべく早く行われることを非常に期待しておるのであります。ただいま委員長お話の中にもありましたように、積極的に必要であるというふうに認めたならば、人事委員会においてむしろ卒先して、人事院なり何なりに対し勧告もするし、法律案につきましてもいろいろ考慮するというようなお話がございましたので、非常にありがたく思つておるのでありますが、そういうことを考えまして、何としても給与ース改訂をやつていただきたい。そしてその機会寒冷地手当も、新しい科学的基礎のあるものに従つて改訂して行きたいというふうに考えておるのです。しかしながらあまり長く延びるようでありますれば、これは別個に考えなければならぬということを考えております。しかしただいまのところ、それではどういう案があるかというふうに言われますならば、これはまだ現在のところ案はございません。
  19. 小淵光平

    小淵委員 先ほども申し上げましたように、想像してのことをお伺いするので、お伺いする方にもむりがあるかと思いますので、その程度のことで私は満足いたします。しかしながら寒冷地手当支給地域のその後の詳しい調査はもちろんできておられることで、先ほどの御答弁があつたことと思うので、研究課等に命じて、それぞれデーターが集まつておるのではないかと思うのでありまして、それをこの委員会の方へ出していただきたいということを要求いたすものであります。
  20. 田中伊三次

    田中委員長 ただいまの資料は出せる限度で早く出していただきたいと思います。  この際ちよつとお知らせを申し上げておきます。きよう加藤充君が委員を辞任せられまして、土橋一吉君が新たに委員になられました。以上お知らせ申し上げます。  それから松澤君、御発言がございますか。
  21. 松澤兼人

    松澤委員 ただいま山下人事官がおいでになりましたから、給与改訂勧告を行わないようになつ経緯について伺いたいと思います。
  22. 山本忠男

    山下政府委員 この前七千八百七十七円の勧告をいたしましたのは、この前の国会の当初であつたのでありますが、それからずいぶん研究いたしまして、最近の資料によつて勧告したいと思つて、それで民間給与の実態につきましては本年五月の調査をいたしまして、その結果が六月末になつてでき上りましたので、それを使つていろいろ検討いたしました結果が、大体のところ七千八百七十七円と総額においてはあまり大しては違わない、しかし内部の構造になりますと相当たくさん違いができますから、これはどうしても勧告をし直さなくてはならないという結論に達しまして、それで最近これを国会及び内閣に勧告しようというので、すつかり準備を整えたのであります。ところが関係方面といろいろ折衝を続けました結果、こういうことがはつきりして来たのであります。ただいまの十五箇月均衡予算というものは、御承知のようにドツジ・ラインによつてつくられたものであつて、これには一切手はつけられないのだ、ということがはつきりして来たのであります。そうすると、この国会に出しましても、補正予算が提出できないというのだと意味をなさないことになる。非常に困るのでありますが、同時にこういうことがまた明らかになりました。それは来年度の予算については、その予算の中に十分に勧告が組み入れることができるように、早く勧告することはさしつかえないのだということの了解に達したわけであります。そうしますと、来年度の予算を早くやるということになると、どうもやはり八月からそれをやらなくてはならぬということになるわけでありますから、勧告は一箇月遅らせますが、八月上旬か、おそくとも中旬ぐらいには勧告したいと思つております。結局勧告の時期は一箇月遅れでありますが、今度こそは十分に予算にも考慮してもらえるものだということを念願し、また自信を持つた次第であります。まぎわになつて変にかわつたことのいきさつは、こういつた次第でございます。
  23. 松澤兼人

    松澤委員 十五箇月予算変更がむずかしいということは、今にわかつたことではないと思うのです。七八ベースをお出しになつたときも、すでに十五箇月予算であつた。従いまして、今になつて十五箇月予算だから変更はできないのだということは、だれが言われたか。かつまた来年度予算には給与改訂予算を織り込むことができるのだということを言われたのは、だれが言われたのか。その点を明確にいたしたいと思うのであります。
  24. 山本忠男

    山下政府委員 むずかしい御質問であります。この前出しましたのは、あれは法律に一年に一回は国会に対して報告しなくてはならぬということになつております。それでちようど一年になりましたから、法律従つて出したのであります。しかしあのときにはつきりいたしましたように、これは何とかしてひとつ国会で扱つていただきたいのだ、国民に訴えるのだ、われわれは高いことを要求しておるのではない、国民一般生活の水準に合そうというのが目的であつて、それ以上を請求しているわけではありませんから、日本国民は全部これに賛成してもらえるはずだということを私は言つたのですが、御承知のようにできなかつたのです。今度は今の一箇年という制限はむろんないのでありますけれども、出せば有効にいたしたい、それで来年度の予算に対して、できるだけ早い機会に出したい。すなわち八月です。七月に出して、また八月に出すということではなくして、八月に出す。それにつきましては、だれが言つたかということでありますが、それはちよつとここで申し上げかねます。
  25. 松澤兼人

    松澤委員 先ほども申し上げましたように、昨年七八ベース勧告がありまして、これは一年に一回は報告をし、勧告しなければならないという法律によつてなされたのであります。そこで私たちがふしぎに思いますことは、人事院勧告しさえすればよい、そのことが実現しようとすまいと、それは人事院関係はないというようなふうにお考えになつていらつしやるならば、昨年七八ベース勧告があつた。それで、人事院の義務は果したわけでしよう。しかしながら人事院としましては、給与改訂の必要をうたつておる限りにおいては、これが実現できるまでは、やはり次から次に勧告しなければならぬわけであります。その間時間のずれがあれば、ずれに相当した改訂を加えながら勧告すべきであります。従いまして七八べース改訂は、これは法律によつてつたのだ、今は法律上の義務はないからおそくなつてもかまわない、こういう議論のように承るのでありますが、これでは公務員立場は、せつかく人事院ができましても、何にもよくならないのです。勧告することが目的であるのか、あるいは給与改訂されることが目的であるのかと言えば、これはわかり切つたことでありまして、改訂されることが目的である。そうなれば、できるだけ早い機会勧告すべきであり、かつまた人事院総裁は、参議院における質問に答えまして、できるだけすみやかに、あるいはまたもつと早い機会勧告を出すという言明をしておかれ、今日になつて新たなる事情が発見されたということで、勧告することを延期されている。こういうことがよくわからない。科学的あるいは合理的ということを、常に主張しておられるところの人事院当局として、そういう見通しなり、あるいは計算なりができなかつたということは、われわれはきわめてふしぎである。従いまして、できないならできないで、勧告するだけの義務は果さなければならない。実現するということであるならば、もつと積極的に働かなければいけない。昨年の勧告も、すでにドツヂ予算というものができ上つたときに勧告されているのであります。この点はしばしば言つておりますように、予算が編成されない前に勧告を出すべきであるということを私たちは主張しているのであります。従いまして結果から見ますと、人事院がただ法律上の義務だけを感じて、公務員の実際上の生活がよくなるということ、給与改訂が実現するということに、何らの興味も感じておらないというふうに、私たち結論を申し上げますならば、感ずるのであります。従いまして私はだれがそういう約束をされたかわかりませんが、今日のようなこういう事態が国際的に起つているときに、はたして来年度予算にこの給与改訂ということがうまく盛り込まれるかどうかということを非常に危惧しているのであります。絶対信頼のできる人が言うことでありますならば、かりに勧告は一箇月遅れても実現する可能性があるのであります。従いましてこの二つの問題をただいま山下人事官は明らかにされましたが、それがはたして信頼のできるものであるかということを私は質問したわけであります。名前は申されにくければ、私は伺わぬでもよろしいのでありますが、この見通しというものは絶対に確実なものであるか。この国際的な情勢のもとにあつて、来年度予算に必ず給与改訂というものが織り込まれるのであるかどうかということを、もう一度念を押したいと存ずるのであります。
  26. 山本忠男

    山下政府委員 ちよつと速記をとめて……
  27. 田中伊三次

    田中委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  28. 田中伊三次

    田中委員長 速記を始めて……。
  29. 松澤兼人

    松澤委員 たいへん頼もしいお方の頼もしいお言葉を伺つて意を強うしたのでありますが、もう一点明らかにしておきたいことは、そういうふうにいたしますと、今回勧告されるベースの額はどのくらいであるかわからないのでありますが、新聞の伝えるところによりますと、七千九百五十円という数字が出ていたようであります。これはいつの資料に基いてつくられたものであるかよく存じませんが、一箇月勧告を延ばされますと、もう一度新しい計算をなさるのでありますか。それとも現在出ております勧告、つまり延期した勧告として、現在出ております金額を一箇月延ばして勧告されるのでありましようか。この点いかがですか。
  30. 山本忠男

    山下政府委員 それは前に申しましたように、今度の給与ースは最近の五月の実績によつておりますから、もう民間調査はその以上新しいものによる必要はないと思います。しかしその民間給与の実態調査から集計をして行きます上に、少し急いだものですから、十分にこまかいところまで行つていない点もあります。そういうのもこれから一箇月の間に研究いたしまして、それでこまかな点については、多少変更があるかもしれませんが、大体の数においては違わない。あの東京新聞に出ておりました七千九百五十円とかいうのは、あれは全部でたらめでありまして、私どもが出した数字ではございません。しかしそれはどれだけの数字かと言われますと、これは最初に総理大臣議長にまず出してからでないといけない、しかし大体においてはあまり違わないものである、予算に大きな影響があるほど違わないものであるということを御了承願いたいと思います。
  31. 松澤兼人

    松澤委員 私前に個人的に山下人事官お話し申し上げたときにあまり違わないというお話を聞いたのであります。ところがその後七千九百五十円という数字が出て来たのであります。これが全然人事院でお出しにならないということはよくわかるのであります。しかしながら私その数字を見ますと、これは計算のある過程の数字であつて、実際計算を終了するとこれにプラス幾らという何かの手当がつきまして、七千九百五十円よりは多少上まわる計算になるのだと私は想像をしたわけであります。従いまして山下人事官があまりかわらないと言うことは、同じものではないが、七千九百五十円というところまでは行かないというふうにお考えになつていらつしやるのか、あるいは計算の途中であの数字が出たというふうに言われるのか、もう一つその点を具体的にお示し願いたいと思います。私は何もその数字を聞きたいということを申し上げておるのではなくて、どういう計算によつて七八べースよりは多少違うのだという、その計算の基礎をお示し願えれば幸いだと思います。
  32. 山本忠男

    山下政府委員 最初に断つておきますが、七千九百五十円というのは、先刻も申しましたように、あれはほんとうに一新聞記者の勘でありまして、その勘が当つておるか当つていないかは全然わからないのでありまして、われわれがもし発表いたしますと、一新聞でなく、全部の新聞に載るはずでございますし、それを国会や内閣に勧告しない前に新聞に出すということはあり得べからざることでございますから、あの数字だけはひとつお忘れを願いたいのであります。ただこういうことは確かでございます。CPSすなわち生活物資につきましては少し下り気味でございます。ですからまず十八才くいの独身者の生活水準といたしましては、前のは三千六百六円でありましたが、それよりは下ります。しかし一般民間給与の面で行きますと、少しながら上つております。今度給与を調べますときは、——この前も相当調べたのでありますが、今度は相当徹底的に公務員の級別に相当する民間の人を選びまして、非常にたくさんな数で実際の手取りを調査いたしました。その結果上りぐあいや何かは多少違つております。大体前の勧告すなわち七千八百七十七円にあまり違わぬものであるということだけは御了承願いたい。松澤委員の御心配になつておる点は特殊勤務手当の問題だと思いますが、特殊勤務手当については、私ども研究中でありまして、まだ資料が十分に集まりませんから、それが集まりましたら、ベースの中に入れるべきであるか入れるべきでないかということについても議論があろうと思います。なぜかというと、あれば一般のものではありませんからたとえば寒冷地手当とか、石炭手当とか、超過勤務手当とか、そういうものに匹敵するものではないから、あれをとりのけるべきであるかどうかということについては今研究中であります。
  33. 松澤兼人

    松澤委員 さらにお尋ねいたしたいことは地域給の問題であります。これは御承知のように六三べース勧告のときには最高五割となつております。七八のときには最高二割となつていたのであります。従いまして七八べース勧告のときに、もし勤務地手当を三割から二割に減らした場合に、手取りの実際賃金が減るというようなことになりはしないかということを私どもは心配していたのであります。この点につきまして、第一の原則としましては、手取りの給与が減らないということが建前でなければならないと存じます。従いまして、もし人事院が二割というような地域給の最高を勧告なさるということになると、相当影響を受ける公務員がたくさんおると思う。この点につきまして何かお考えがあるのかどうか承りたいと思います。
  34. 山本忠男

    山下政府委員 今のお話はごもつともなことと思いますが実は地域給が入つたり、扶養手当が入つたりする給与というものは、正しいあり方ではないと思うのであります。その仕事に対する給与でなくてはならぬ。その中にはどこに住もうとも住めるようになつておらなくてはならぬ、扶養家族がどんなにあつても、それでやらなければならぬということでありますから、そういうものがないことを希望するのでありますが、しかし御承知のように、非常に生活が苦しい立場でありますから、ああいうものがくつついておるわけであります。実は輸送費がだんだん安くなつて来るし、カーブを引いてみますと、東京といなかとの物価差というものは、だんだん減つて来て、これであたりまえになつたんだろうというわけで、実は物価差で二割でよかろうということになつたのであります。ところがその後は接近差があまり離れはしないのでありますが、接近する傾向が継続しないのであります。それでただ物価だけではいけないので、多少生活様式や何かも考えに入れなければならぬというので、いろいろ研究しましたあげく、あれは少し行過ぎだつたから、二割五分がいいのではないかというふうに、今は思つております。しかしそれでは二割をどこでどうするかということについては、こまかな研究を必要といたしますが、今のところはこの前の勧告と同じようにしよう、そういうふうに思つております。
  35. 松澤兼人

    松澤委員 地域給の問題はそれでわかりました。ただ現行の手取りを下げないということが中心の眼目であると思いますので、この点はぜひとも御考慮願いたいと存じます。  もう一つの問題は、俸級表のまん中のところにあります頭打ちの問題でありますが、これはもうすでにしばしばお願いもしておりますし、少しく頭打ちをゆるめるというお考えも持つておられたように考えるのでありますが、この点は給与表がどういうようになるのか承りたい。  もう一つは、教職員の特別俸給表ということが、六三ベースのときから問題になつておるのでありますが、教職員の勤務の状況及び生活状況などを考慮して、特別俸給表を設定してもらいたいということは、かなり強い希望であつたのであります。すでにそれから一年何箇月かたつておるのでありまして、これはぜひとも今回の勧告に入れていただきたいと存ずるのであります。この点をお伺いします。
  36. 山本忠男

    山下政府委員 教職員のものにつきましては十分研究をいたしております。ただ今度の勧告の中にすぐ入れた方がいいのか、あるいは別個のものとして出した方がよろしいかというような技術的のことにつきましては、これからまた研究させていただきまして、近い将来にそれを発表いたしたいと実は思つております。  それから頭打ちの問題につきましても十分研究しておりまして、あまりぐあいが悪くないように解決できると思います。
  37. 平川篤雄

    平川委員 ちよつと関連質問いたします。教職員の給与別表を最近、形式はともかくとして発表するというお話でたいへん喜ばしいと思うのでありますが、その際にただいま免許法が案施せられて、いわゆる新制大学の学歴を備えなければ教職員として適格でないという大方針が示されておるのですが、それについての御考慮というものが払われておるかどうか、ちよつとお尋ねしたい。
  38. 山本忠男

    山下政府委員 それにつきましては、もう少し研究させていただきます。それは今研究しておりますけれども、御承知のように小学も中学も大学も、教師は同じ給料でなくちやならないというような考え方は私はとりたくないのであります。それでこの点につきましては、多少是正したいという気持を持つておりますが、とにかく結論までには十分慎重に研究いたします。
  39. 平川篤雄

    平川委員 ちよつと誤解があるようでありますが、私の申し上げるのは中学校、小学校、大学等の教員の間に差が出ておるということを言うのではないのです。今も申し上げるように大体実情お話すると、私の郷里の広島県なんかは小学校の教員が六千三百円べースだけもらつていない。諸給与全部合せて平均が五千七百円程度であります。これはもちろん学歴の低い間に合せの教員もおるから、やむを得ないのでありますが、一般にそういう状況です。ところが今のように幼稚園の保姆を初めとしまして、全部が大学の卒業生と同等の学力を持たなければならぬということになつて、本年御承知でもありましようが、例の認定講習というような非常に大きな問題が各所に起つておるのであります。こういうような実情でありますのに、給与ははなはだ低いところに置かれ、しかも要求せられることはきわめて高い。ある者にはこの一月の講習を受けるだけに六千円も七千円も費用を使つておる。しかもそれを二年間ぐらいでやり上げなければならぬというような実情になつておる。こういうようなことは政治的に相当考慮されなければならぬと思いますが、実際今のように免許法の問題なんかがあります以上は、人事院としては総体的に考えてもらわなければならぬ問題じやないかと思う。そこでいわゆる大学卒業の資格を持つておつた者のグループというようなものの給与別表というものは、低いところがあつては意味をなさない。高いところから始まるということにして、一般に六千三百円なら六千三百円というベースがあるといたしますと、結局その教員の平均給与は七千円ベースになる。そういうような御考慮が払われておるかどうかということをお尋ねしておるわけであります。
  40. 山本忠男

    山下政府委員 つまり初任給の問題になると思いますが、どこからどこまでときまりまして、初任級が上れば御希望に沿うのではないかと思います。大体そういうふうにそれは考えております。
  41. 松澤兼人

    松澤委員 ただいま教職員の特別俸給表の問題について承つたのでありますが、先般人事院規則の改正によりまして、検察事務官の俸給表をかえるという手続ができたのでありますが、これについて裁判所の事務職員が同じような希望を持つております。これは単に人事院規則だけの問題で解決のつくことですが、裁判所職員の問題についてどういうお考えがあるか伺いたい。  それから教職員の特別俸給表も人事院規則で、ある一定の俸給表のところへあてはめてやる。つまり二、三級上の俸給表のところへ教職員をあてはめてやるということが、人事院規則の改正か何かでやれるならば、きわめて簡単にできるわけだと思うのです。この点はそういう手続でもできるのかどうか。この二つお答えを願いたいと思います。
  42. 山本忠男

    山下政府委員 裁判所職員につきましては、そういう御要求があるようでありますが、実は検察事務官のは捜査に従事する事務官でありまして、捜査に対しては危険が伴うということで、特別に調整することになつておるのであります。しかし裁判所までもそれに均霑をすることになりますと、どうも危険がないのだから、どうかと思いますが、その問題は最近起りました問題でありまして、まだ十分研究しておりませんから、もう少し時間を与えていただきたいと思います。  教職員につきましては、局長から説明いたさせます。
  43. 瀧本忠男

    ○瀧本政府委員 教職員につきましては、先ほども人事官から御答弁がありましたように、今回の勧告に入れるかどうかということで問題があつたのでありますが、実際問題といたしましては、教職員については大学の学長、こういう方の給与を改正する部面だけは法律改正によらなければむつかしいので、その他のことは人事院規則ないしはそれ以下のことで取扱いできる。従いまして目下そういう点を考慮いたしまして、案を進めておりますから、先ほど人事官が言われましたように、近日中にこの問題を解決するように考えております。
  44. 松澤兼人

    松澤委員 それでは確かめておきますけれども、教職員の特別俸給表の内容となるべき調整、あるいは給与引上げですが、これは新給与法の中に特別俸給表について研究調査をして勧告するということになつたのですが、その目的とする内容については法律の中で特別俸給表といふ別表をつくらなくても、人事院規則の改正でできるということを申されたわけですか。
  45. 瀧本忠男

    ○瀧本政府委員 特別俸給表をつくるかどうかという問題でございますが、教職員につきまして特別俸給表をつくることが、一番しまいの目的ではないとわれわれは思つております。要するに現在教職員が得ておられます初任給あるいはその後の昇給というものが、教職員の実情にマツチすることが一番必要なことでないかと思つております。それでそういうことをやるには、必ずしも特別俸給表によることが唯一の方策であるとは、われわれ思つておりません。これは現在の一般俸給表に結びつけてやるのがよいのではないか。その点につきましては人事院規則あるいはそれ以下の取扱いでできる。こういう見解を持つております。
  46. 土橋一吉

    土橋委員 私は山下人事官に特にお尋ねを申し上げたいと思いますが、本日の委員会におきまして、委員長からいろいろお話がありまして、特に関係方面との折衝の経過について委員長の勘としてお話くださつた点を山下人事官出席されて具体的に明確にお話なつたと思うのであります。この点委員長の勘はきわめて的確でありまして、敬服かつ尊敬しておるのでありますが、山下人事官新聞記者の勘というものはきわめて不的確である。それは全部うそである、こういうように対照的に仰せになりまして、私は非常に思い当るものがありますが、まず山下人事官に私はお尋ねを申し上げたい。それは情勢適応の原則が二十八条の規定で書いてあります。人事院国会並びに政府勧告するというこの基本的な権限について、今あなたがいろいろ御説明になりましたような範囲から、一応人事院の態度を推察しますと、公務員諸君生活は非常に困窮しておる。こういう点は人事院においても十分お認めになつておるようであります。そうしますと今までの御説明によりますと、関係方面において補正予算は出さないのである。ドツジ予算はきわめて厳格である、こういう点を御説明になつたようであります。そうすると国家財政あるいは政府の政策に人事院勧告というものは常に随従し、生活が窮状にあるから、今ただちに勧告をしなければならないということを考えておつても、政府の財政政策や、あるいは与党とのいろいろの交渉上の結果、政府の基本的な経済政策に沿うて人事院勧告する、こういう内容に一応は私は委員長の勘と、山下人事官の勘を拝聴したのでありますが、はたしてそういうものであるかどうかという点を、まず私は承つておきたいのであります。
  47. 山本忠男

    山下政府委員 人事院といたしましては、数字を曲げるということは絶対いたしません。これは上からの圧迫も下からの圧迫も、どんなに方々から圧迫がありましても、決してかえないということが特長なのであります。世の中にそういう存在がほかにあるなら、人事院は必要はないのでありますけれども、世の中のもので何ものにあつても動かないという存在は今のととろありませんから、それが人事院としてのとりえだと実は思つておるのであります。しかし人事院といえども勧告した以上何とかして現実に受理されたいということだけは、これは当然であります。ただから鉄砲でも何でも、幾らでも勧告しろ、それでよければ幾らでもいたしますが、それではいけない。何としてもこれを実現させたいというわけであります。そこで今度はいつ出したら実現に非常にぐあいがよく行くかということになるのであつて、あるいはこれがもし政府から交渉があつたによつて動くのであつたならば、それは人事院の存在の意義がないのであります。そんなことでは決して動いておりません。しかし政府によつて動くのではなく、また政党によつて動くのでもないのであります。それは土橋さんも今の日本のあり方は十分御承知でありましよう。それで全然いつでも出せというわけには行かない。われわれは何とかしてこれを実現させたいと思つておるから、こういう操作をするのであつて、決して人事院が弱いためにするのではないということを御了承願いたいのであります。
  48. 土橋一吉

    土橋委員 非常に山下人事官の名答を承りまして、私はさらにお尋ねを申し上げたい。一体二十八条の規定は、今あなたが仰せになつたように、政府の政策がどうであろうと、あるいは政府がどういう見解をもつて財政政策の運用をしようとも、人事院公務員諸君の現実の生活の上に立脚して、現実の生活が困窮しているという事実を認定するならば、今あなたが仰せになりまするように、いかなるものにも屈することなく、現実の給与の百分の五以上の増減があるということを認定したならば、これは一回でなくてもよろしい。むしろ年間を通じて数回政府あるいは国会へその勧告をして、人事院公務員諸君立場においての給与が、いかにあるべきかということを示すべきであろうと思う。従いまして今国会が開かれまして、あなたのこの前の勧告で仰せになつておりまするように、十二月八日に勧告をしているが、これは松澤委員から御指摘になつたように、すでに十五箇月予算国会において通過した後において、十二月の八日の日に勧告をしているのであります。今回におきましても、補正予算の問題とか、あるいは十五箇月予算というドツジ・ラインが崩れないということがわかつたからして、もう一回研究をして、八月の上旬かあるいは中旬に出したいこういう御意向になつているのであります。もしあなたが先ほど仰せになつたような点を強く主張いたしまするならば、今は国会開会中でありますので、きわめて適当な時であると同時に、少くとも国会の再開される前に、人事院の明確なる勧告なり、またはそういう意思を表示せられることが必要である、このように常識で考えているのであります。ところがあなたの仰せになりました御答弁では、ほとんどそういうものが抹殺されまして、政府がドツジ予算の堅持にきわめて強固であるというため、補正予算を編成しないから、出しても時期的には問題にならぬ、従つて時期の問題であるというように仰せになつていることは、先ほどあなたが公務員諸君生活の窮状を十分お考えになつていることの趣旨から考えて、私は第二十八条の情勢適応の原則に対して、人事院は忠実でないのではないか。むしろ逆に政府や、あるいは多数政党のためにいろいろな工作が行われました結果、そういうものに従つてちようどこの人事委員会において十分論議すべき時期を失したときに勧告をする、こういう態度でありまするならば、これは私は政府なり、あるいは政府の財政政策のもとに随伴をして人事院勧告している、こう断ぜざるを得ないのであります。でありまするから、私はあなた自身がお考えになつているように、非常に公務員諸君が窮乏しているというならば、今日あるいは明日でも勧告なすつてしかるべきではないか、こう考えるのでありますが、その点はいかがでありましようか、これが第一点であります。  第二点は、私は新聞で拝見したから、また新聞の勘は全部でたらめだという御答弁があつては困りますが、廣川幹事長——現農林大臣でございまするが、この方がたしか七月の六日であつたと記憶しておりますが、当初においては人事院当局と数回にわたつて、朝七時ごろから御折衝になつて、いろいろな結果が出たように新聞は報道しておりますが、こういう事実があつたかなかつたか。  三番目としましては、新聞はでたらめであると仰せになれば、何をか言わんやでありまするが、少くとも本俸、家族手当、勤務地手当、特勤手当、こういうものについて四項目にわかれまして、ちやんと人事院の趣旨が一応の内容として現われているのであります。こういう点はだれが漏らしたのであるか、だれがこういう説明を加えたのであるか、こういう点を私はまず承つておきたいと思います。
  49. 山本忠男

    山下政府委員 廣川さんが来られたということでありますが、そういうことがあつたかどうか知りませんが、少くとも私は一回も会いません。まただれが来られて、どういう交渉をされたか知りませんが、おそらく人事院へ来て交渉せられても、無益だろうと思うのであります。勧告を出してくれとか、出さないでおけとかいういうような、そんなことに動かされることであつたならば、人事院の存在価値がないのであります。だれが来ようとも、それは問題とするところではない。  何べんでも勧告をしろとおつしやることは、この前七千八百七十七円を勧告したのは消えておらないのであります。そのまま残つておるのであります。なぜかというと、現状においてかくのごときものであるということを、日本全国に知らしたのでありますからその基礎のもとで予算研究されるのが、国会の任務であろうと私は思うのであります。それですから、何べん勧告してみても同じものである。一ぺんでもうたくさんなのである。回数を重ねれば熱心だと言われるなら、これは回数を重ねてもよろしいのでありますけれども、それは意味をなさぬと実は思うのであります。しかし今度はこまかな研究をいたしましたあげく、総額においては大してかわらないが、内部構造がずつと違う。それだから、今度は前のを訂正する意味において、勧告をする義務があると私ども考えたわけであります。しかしそれは先刻申しましたように、よくあなたも御了解になつたと思いますが、それを出すのに一番効果的な行き方は、こうだろうと人事院では考えました。これは政党から、また内閣からの圧迫でもないということは、はつきりとここで申し上げておきます。
  50. 土橋一吉

    土橋委員 私が御質問申し上げた点について、適切な御回答ではないのでございますから、もう一回私はお尋ね申し上げたい。今あなたの仰せになつ関係方面との補正予算の問題、あるいは一箇月遅らす、こういうことは人事院で御決定になつたとは思いますけれども、しかし私たち常識上考えまして、本日は本国会における人事委員会としては最初の会でございます。そして浅井総裁自身も、本来ならば姿を見せられまして、人事院の所信を明確に示されるべきでございますが、人事院総裁みずから出席もされておりません。そこで山下人事官にお尋ね申し上げると、それは何回出しても、から鉄砲のものはしようがない、一回出した昨年の勧告は、今日も効力がある、こう仰せになつておるわけですが、しかし昨年の十二月八日のものは、私の聞いた限りにおいては、一昨年の九月当初の資料に基いた勧告であるのであります。でございまするから、そういうものが今日なお政府の、あるいは与党のいろいろな関係によりまして、これが通過しておらぬから、なお効力を持つておる、こういう御説明はどうかと思うのでございます。もしあなたがそうお考えで今勧告しようとする、新聞も報道している勧告をむげにして、七千八百七十七円の給与ベースが今日も効力があるというような態度でございますならば、これは非常な問題であります。私はすみやかにあなたの方で誠意を持つて、そうして政府国会勧告されることが当然であると思います。人事院の態度は、当然国会やあるいは政府において、善処されて、しかるべく予算措置を講ぜられまして、公務員諸君給与を改善をするということに中心点があるのでありまして、今あなたが仰せられました、今日もまだ効力があるのだ、しかし自由党や政府がやらないのだというようなことでは、私は解決しないと思います。もちろん私は今日の自由党というものが、公務員諸君給与についてはほとんど熱意を持つておらない。なお人事委員会におきましても、自由党の諸君は絶対多数をとつておられまするにかかわらず、本委員会内容をごらんになりましても、このようであります。四名しか出席しておりません。二十五名なければ委員会を開催することはできないのであります。これは委員長も十分御了承と思います。従いまして本委員会は無効の委員会であります。本来ならば、定足に満たざる委員会は開催できない。自由党の諸君が絶対多数をとつてつて、なおかつ四名しか出席しない。こういう委員会においては、われわれは何をか言わんやである。そういう自由党を控え、そういう政府を控えております人事院といたしましては、もつと強く——あなたがおつしやつた数字の点については、いかなるものにも曲げない、これはあたりまえであります。少くとも数字を曲げるということは、これは神様といえどもできないのであります。あなたの方で曲げない数字を明確に示して、政府に自信をもつて、この給与支給しなさい。これが人事院が今日の物価を調べ、民間給与を調べ、公務員諸君の窮状を考えて、政府の政策よろしきを得ないで、こういう結果を招来したのだということを明確にする意味合いも考え合せて、人事院勧告すべきことは当然であります。ところがあなたが御答弁になつておりまするいろいろなことを承りますると、一体人事院は何のために、俸給をもらつて、人事官とか人事院総裁というような職を持つているのかわからない。給与改訂に関する限りにおいては、私は禄盗人である、このように断定してもはばからないと思います。少くともあなたに良心がございますならば、第二十八条の規定を、まつこうから精神解釈をしましても、現実の面から考えましても、政府や絶対多数をもつておりまする与党である自由党に対しまして、これを勧告し、これを示すことが、人事院の根本的な責任じやありませんか。これをあなたは否定なさるのでありますか。少くとも与党がいかように多数であろうと、政府がいかような政策を持つておろうと、現実に公務員諸君給与が不都合であるというような場合には、どんどん政府にも勧告をし、国会にも勧告をするのが、人事院建前であります。数字を曲げないというようなことは、人事院の不覊独立性の問題ではないのでありますよ。人事院は、政府がどういう経済政策を持とうと、財政政策を声明しようと、常に公務員の利益のために所信をげないで勧告をして、国会なり、政府を鞭撻する、こういうような態度が人事院の基本的な態度であります。これは国家公務員法の第一条や、第五条、あるいはその他の八条の規定を見ましても、明確に規定された点じやありませんか。こういうものをサボタージユするならば、何のための人事院か。この点を繰返して、これ以上あなたに御答弁を願いましても、いたし方がないから、でき得るならば浅井総裁が出席せられまして、二十八条の解釈上の問題と、現実に給与をどうするかという問題につきまして、あなたの方でもお忙しいではありましようが、浅井総裁の出席方をあなたの方にお願いしておきますから、御要請下さいまして、時機をあらためて私は伺いたいと思うのであります。  次の点は、委員長の御説明で、非常に私は満足に考えたのでございまするが、将来本委員会においては、少くとも過半数の出席をもちまして、そして権威ある態度において、人事委員会人事院に対して給与勧告を要請する態度はもちろんけつこうでございますが、でき得べくんば、先ほどお話がありましたように、少くとも今日の給与の標準なり、民間の給与状態を考えてみますならば、私は九千七百円はもちろんのこと、もつと高い給与支給するのが妥当であろうと考えております。そこであなたが七千八百七十七円と同じようなものだということを仰せになつたとするならば、今度出るであろう勧告というものも、ほぼ大体その近所をうろついておるものと思う。そこで私はとりあえず本委員会におかれましても、委員長はさつそく本委員会の名をもつて決議せられまして、人事院が至急に、本国会開会中に、人事委員会勧告内容を提示するように、また政府にも提示するようにとりはからいをお願いしたいと思います。第二点としましては、当然そういうものは効力があるのに政府がやらないということは、これは与党である自由党諸君の見解も承つておきたいのでございまするが、非常に不都合でございます。人事院が今日も効力があるとがんばつておるようなものが、少くとも自由党でそれができないということは、非常に不都合でございます。おそらく野党の諸君はどなたも異存のないところであり、当然支給すべきであるという態度は明確にしておるのでありますから、本日の委員会におかれましてもけつこうでございますから、ただちに人事院勧告政府は実施して、そうして予算措置を講ずるように、私はお手配を委員長にしていただきたい、こう考えるのでございます。 それでございまするから、本日時間もまだ相当ございますることでありますので、ぜひとも本委員会の名をもつて、即時勧告をいたすと同時に、先ほど山下人事官が仰せになつておりますように、七千八百七十七円は今日も効力があるという態度ならば、それをただちに政府同時に与党は、実施する責任と義務があると私は思います。もしそれを否定するのでありますならば、人事院給与勧告ということについて、与党は何ら考えておらないという点が明白であろうと思いますので、こういう点を本日の委員会において、委員長の方におかれまして、それを取上げられまして、ぜひ各員の御賛同を得まして、これが本委員会の決議として、政府なり同時に人事院の方へ至急通達するようにおとりはからい願いたいと思います。これが第二番目でございます。第三番目としましては、給与別表の問題でございますが、この問題は、先ほどつておりますと、検察官、警察官諸君あるいは教職員諸君については、いささか問題があるように承つておりますが、こういうものにつきましても、至急人事院におかれましては整備をして、一応本委員会において御説明くだざいまして、委員が了承の上、そのようなものが決定をするようにお願いをいたしたいと思うのでございます。これが第三番目。  第四番目に、ちよつと私承つておきたいのでございますが、全国の官公庁において特殊勤務手当というものがございます。これはあなたも御承知のように、その特勤手当が、今日いまだ二千九百二十円ベースあるいは三千七百九十一円ベース当初の特勤手当が支給されておる、こういう現状である官庁が多々ございますが、そういうことについて、人事院はどういう善処を当該官庁に行つておるか、私はたくさん例を知つておるのでございますので、こういう点について一応山下さんの御所見を承つておきたいと思うのでございます。あとは委員長お話を承つておきたいと思います。
  51. 山本忠男

    山下政府委員 一番最初のことについては、別に私の意見を吐く必要もないようでありますから、最後の特殊勤務手当のことにつきましては、先刻松澤さんからも言われましたように、これは十分研究しなくてはならぬのであります。それは逓信関係や何かに多いのでございまして、御承知のように、全般的ではございません。ですから給与ースの中に入れるべきか入れるべきでないかということも、先刻申しましたように、疑問なのであります。調査も五月の調査が、まだその点こまかくできておりませんから、先刻申しましたように、十分調査をいたしまして、それからそれを勧告の中に入れるか入れないかという研究をいたします。
  52. 土橋一吉

    土橋委員 山下人事官は、逓信部内にそういうことがあるということを御承知に相なつておりまして、その善処方がいまだできないのでございますか。あなた御自身が、逓信関係にいまだ二千九百二十円当初の割合の特勤手当があるということを、今この委員会においてお認めになり、御承認に相なつて、なおかつその善処方が今日もできないのでありますか。いかがでございますか。
  53. 山本忠男

    山下政府委員 二千九百円ベースのときのものそのままでありますか、どうですか、それは私わからないのであります。実のところ、特殊勤務手当というものは非常に複雑でありまして、なかなか調査が困難あります。しかし五月の実態調査についてはずいぶん詳しくやつておりますから、遠からずそれは結論が出ます。その際御報告いたします。
  54. 土橋一吉

    土橋委員 これはきわめて明白な事実でございまして、特に郵政関係におきまする従業員諸君の、たとえば有技者手当とか、あるいは現金出納手当とかその他の諸手当というものは、きわめて明白でございます。また電気通信関係におきましてもそういう点は明白でございます。こういうものにつきまして、これがかりに、三千七百九十一円ベース当初のものであるということが明白に相なつておりますれば、これは当然他の官庁の振合いもありますので、これをただちにあなたの方で勧告せられまして、当該官庁に六千三百七円の特勤手当なり、また今日の七千八百七十七円ベースなり、あるいはあなたの方で今日予定せられておりますそういう給与ベース引上げを、当然あなたの方でおやりになりませんと、職務怠慢になるのではないかと思いますが、これは至急ひとつやられまして、そうして従業員諸君の利益のために至急御手配を願わなければならぬと思います。そのほか政治活動制限に関する問題、登録の問題、いろいろ私はお尋ね申し上げたい点がございますが、先ほど委員長にもお願いをしておりますので、それを一応本委員会できめまして、さらに時間がありましたら、いろいろお尋ねいたします。
  55. 田中伊三次

    田中委員長 今土橋君の御発言の件でございますが、実はそういう御発言の内容は非常に重大な事柄を含んでおると思います。当委員会としても、そういう御発言がある以上は、慎重に審議をして結論を出して、その結論に基いて各方面に動きをする必要があるように存じます。  それから、根本的な態度としましては、先ほど私が申し上げたように、この委員会審議をどんどん進めて参りまして、意思表示すべきは意思表示をするという態度で、積極的運営をやつて行くということについては、先ほどお話を申し上げた通りであります。
  56. 土橋一吉

    土橋委員 今私が申し上げたような、現在人事院において研究調査中の勧告を発表するということにつきましては、私は僣越ではございますが、各野党の諸君におかれましては、これは反対の御意思はそうないように考えておるのでございます。従いまして、この問題について最も難関でありますのは、自由党諸君であります。それで自由党の方の出席もございまするから、一応藤枝君でもけつこうでございます、自由党の所信を承りまして、そうして次の機会におきましては、少くとも委員長が御説明になつておるような精神に基きまして、この問題を早急に解決いたしまして、人事院勧告するという方向へ私は、持つて行きたいと思うのでございます。これはぜひともきめていただきませんと、今のような都合が出て参ります。会期はきわめて少いのでございますから、この点は自由党諸君の方で責任をもつて発言を願いまして、次の機会には全委員出席の上で決定する、そうして人事院に至急勧告を要請するという、委員長の御趣旨に沿うように私はやつていただきたい。  次は給与の問題も同様に、これは社会党の松澤君の方からも御発言がございましたので、内容も明確になつていますが、少くとも、本日この委員会においてお話くださつた七千八百七十七円が、今日も効力があるという点が人事官から説明されておりますから、こういう点についても、自由党はどういう考えを持つておるか、私は、まことに最小限度ではございますが、これをただちに実施をする、あるいは来るべき勧告給与内容も、当然これを実施しなければなりませんけれども、そういう御趣旨についても、自由党の諸君はどう考えておられるかというような点につきまして、早急にひとつ自由党を代表してどなたか御発言を願いまして、確約をしていただきたいと思います。
  57. 田中伊三次

    田中委員長 土橋君にちよつと申し上げますが、自由党を代表して意見を言え、それもけつこうでございましようが、大体そういう御発言にお答えをするということになると、党に立ち帰つて、党議に諮つて藤枝君が代表するということになつて、了解を得ませんと、この発言は藤枝君もできにくいと思います。そこで……
  58. 土橋一吉

    土橋委員 それはおかしいではありませんか。一体この委員会に自由党を代表しないという委員はどこにあるのですか。私たちは少くとも日本共産党を代表いたしまして申し上げておる。これは党の基本的な方針から、われわれは全責任を持つて申し上げておるような政策でございます。従いまして、自由党の諸君出席せられて、この自由党諸君では意思の決定ができないということになれば、この委員会はだれの委員会でございますか。私物ではございませんよ。これは国家の公の機関でありますよ。少くとも自由党の政策は自由党諸君は十分知つているはずであります。その線から自由党を代表して説明ができないというこんな委員会は私は初めてでございます。少くとも私は責任をもつて常任理事諸君から説明すべきだと思います。
  59. 田中伊三次

    田中委員長 委員長の言うことをちよつと最後まで……  そこで突然起つた質問に党を代表してこの委員会で答えをするなどどいう形式はありません。ないのみならず、かりに答えるとしても、党に一応相談しなければできないということは、お互いが党人として、党運用の建前はそういうことになる。私はそう思う。そこできようはこの限度にしておきまして、御趣旨はよくわかつておるから、今度はしつかり出席をさせて、委員長先ほど申し上げたような方針に基いて、あなたの御意思を貫くように慎重に協議をする、こういうようにして行きたいと思います。
  60. 土橋一吉

    土橋委員 委員長の御趣旨は私は感激をして拝聴しております。この点は委員長の御趣旨は異存はないのでございます。ただ委員長がいかように仰せになりましようとも、自由党の諸君の方でそういう気持を発表しないことには、私は自由党という党を信用できないのです。でありますから、幸いにして新進気鋭の委員長を迎えまして、まことにりつぱな御発言でありますので、ぜひ自由党諸君もこれにはいかなる意見を持つておるか承つておきませんと、委員長がそのように仰せになりましても、かんじんの自由党諸君の方がやらなければ何にもならない。ぜひ委員長から促していただいて、藤枝君などは長いこと人事委員会等で御努力を願つておるのでありますから、大体の空気は御承知になつておると思います。
  61. 田中伊三次

    田中委員長 委員委員に答弁を求めて答弁をするという前例がないから、とにかく今日はこの程度にしておいて、次に慎重にやることにいたしましよう。次会は公報をもつてお知らせすることにいたします。  本日はこれにて散会することにいたします。     午後零時四十三分散会