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1950-07-31 第8回国会 衆議院 災害地対策特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月三十一日(月曜日)     午後二時九分開議  出席委員    委員長 松井 豊吉君    理事 青木  正君 理事 飯塚 定輔君    理事 小淵 光平君 理事 小平 久雄君    理事 吉川 久衛君       青柳 一郎君    岡延右エ門君       奧村又十郎君    甲木  保君       金光 義邦君    川端 佳夫君       北川 定務君    久野 忠治君       黒澤富次郎君    小玉 治行君       小山 長規君    志田 義信君       高橋 權六君    永井 英修君      橋本登美三郎君    床次 徳二君       前田榮之助君    前田 種男君       砂間 一良君  出席国務大臣         建 設 大 臣 増田甲子七君         国 務 大 臣 周東 英雄君  委員外出席者         建 設 技 官         (河川局長)  目黒 清雄君         経済安定事務官         (建設交通局         長)      小沢久太郎君     ————————————— 七月三十日  委員橋本登美三郎辞任につき、その補欠とし  て江田斗米吉君が議長指名委員選任てれ  た。 同月三十一日  委員江田斗米吉辞任につき、その補欠として  橋本登美三郎君が議長指名委員に選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度発生災害復旧事業費に関する件  災害復旧事業費国庫負担に関する件     —————————————
  2. 松井豊吉

    松井委員長 これより会議を開きます。  本日は昭和二十五年度発生災害復旧事業費に関する件及び災害復旧事業費国庫負担に関する件を一括議題といたします。  一昨二十九日本委員会におきましては、両件に関しまして政府当局の御出席を求め、一応質疑行つたのでありますが、なお十分なる御回答を得ることができなかつたのであります。幸いに本日は周東経済安定本部長官がお見えになつておりますので、前会に引続き、本日も両件を中心といたしまして質疑を行いたいと思います。  それではこれに関して質疑がありますれば、これを許可いたします。
  3. 小平久雄

    小平(久)委員 安本長官に一点だけ御質問いたします。一昨日の当委員会におきまして、今年度発生災害復旧費支出につきまして、同僚委員からの質問がありましたが、それに対しまして小笠原事務官の御答弁によりますと、さき閣議決定を見ました四十二億余の支出につきまして、関係方面折衝いたしましたところ、なかなかこれが認められない。予備費は百億という限られたものであるから、これを大切に使わなければならないというようなことであつてその折衝の際に受けた印象からいたしますならば、おそらく約半分くらいしか認められないのではないか。そこで安本としましては、いわば第二案を目下作成中であるというような、大体こういつたような御趣旨お話があつたのであります。実はその際も申し上げたのでありますが、今回の本年度予備費支出につきましては、特に本年は災害が非常に早く参つたという関係もありまして、関係の各府県等におきましても、一日も早くこれが支出を待望いたしておることは御承知通りなのであります。そこで各省の査定に基きまして、最初安本では約二十六億程度支出閣議に諮つたということを仄聞いたしておるのであります。ところが閣議におきましては、この予備費の百億というものは、大体これだけという性質のものでもない、これは災害であるから、今後どのように発生して参るかもわからぬというので、むしろ安本案を増額いたしまして、約四十二億かのものを出すように閣議で御決定になられたということを、われわれは直接建設大臣等からもお話伺つておるのでありまして、今後この予備費増額等につきましては、災害とにらみ合して御善処なさるというような御趣旨お話伺つてつたのであります。そこでわれわれとしましては、たいへんこの閣議の御決定に対して感謝をいたし、敬意を表しておつたのでありますが、先ほど申す通り、これがなかなか関係方面との折衝で思う通りに参らぬ。さつそ安本くでは第二案の作成中だというようなことでございますので、どうも安本当局のこの予備費支出に対する考え方というものと、閣議の御意見というこのとの間には相当相違があるのじやないかというふうに、われわれ議員には感じられるのであります。そこで一昨日も伺つたのでありますが、先方から受けた印象等によつて、ただちに第二案というものをつくる前に、まず長官先方折衝してもらうなり、何らかの政治的な手をもつと打つべきではないかという話を一応申し上げたのでありますが、この点につきまして、なるほど予備費を大切に使わなければならぬということは、もうあたりまえの話であります。しかし早いうちに必要な最小限度の手を打つて支出をしておくということが、むしろ大切に使うゆえんなのでありまして、こういう考えからいたしますときに、どうしても直接長官関係方面との折衝の任にもあたつていただきたいし、何とか少くとも閣議決定の線くらいは、ひとつこの際急いで出してもらいたいというのがわれわれの希望なのであります。この点につきまして、安本長官の従来のこれに対して御対処されましたいきさつやら、また今後の見通し等につきまして、この際伺つておきたい。
  4. 周東英雄

    周東国務大臣 お答えをいたします。御趣旨にありましたように、災害というものが予算範囲内で起つてくれれば、非常に都合がよいのでありますけれども、そういうことはないのであります。むしろ出て来た災害に対して、できるだけ早くこれに対して処置をするということが当然必要であろうと思います。今お話がありましたが、別に安定本部で小さく削るとか何とかいうことを考えておるのではなくて、大体予備費に対して相当額出すことが適当だと思うが、それについては、あまりありがたくない話だが、秋等における災害に対して、従来の例から言うと、特にそういう場合においての補正予算の見込みが立つか立たぬか、そういう場合やる意思があるかどうかということを、むしろ閣議政府全体として固めさしておく必要があるというので実はこのようにいたしたわけでございまして、幸いにして閣議では、われわれと同じような意味において、相当額ふやして出したことはお話通りでありますが、これは従来通りこちらだけできまらぬものでありますから、折衝はいたしておりますが、同じような考え方を向うは言うておる。何か補正予算見通しが立てば別だが、そうでなく、かなり先に出しておくとあぶないという話があつて、なかなか最終にまとまつて来ておりません。しかし今お話のように、だからといつてただちに第二案をつくるとか何といかうことをまだ考えておるのではなくて、この点重ねて押して押して今折渉中なのであります。私ももちろん折衝の衝に当つてみたいと思いますが、あまり第二案ができるとか何とかいうと響きがよくありませんし、まだそういうところまでは進んでおらないはずであります。
  5. 小平久雄

    小平(久)委員 ただいまの長官の話によりまして、まだ第二案を別段用意しておるわけでもない。今までの線で押して押して行くのだというので、たいへん安心いたしたのでありまするが、実はその点が先ほども申す通り、私は前回安本当局に申し上げたのでありまして、先方から申されたから、ただ会見の印象ですぐ引下つて、一旦閣議決定したものを、ただちに第二案を用意するということでなく、今後の長官の御尽力を切にお願いしたいと思います。
  6. 高橋權六

    高橋(權)委員 きようは安定本部長官もおいでになつておりますから、すべて関係しておりますから、お伺いしておきます。筑後川流域に橋が幾つもあります。また今後もできると思います。あの橋脚によつて、水勢に非常に影響を及ぼすのでありますから、建設される場合には、そういう方面相当考慮していただきたいのであります。ただいまは、先日から申し上げたように、福岡県三瀦郡大善城島方面に非常に水害があるところが多いのでございまして、私らは県会議員当時に、昭和十二年でありましたが、六五郎橋という橋を建設していただくようになつてつた。今橋はできておりますが、あの方面にただちに築堤して、水を海に放水するという意味から、先日も建設大臣にお伺い申し上げておりましたが、あの節はいろいろ皆さん長く御質問で、遠慮しておりましたところ、その後六五郎橋というものができております方面に放水すれば、ただちに福岡県の今申し上げた三瀦郡城島方面に紆余曲折をしておるということになると、各所に八女郡及び山門郡方面からの関係で、より以上に雨が降れば筑後川堤防のために流水、雨水が停滞するというようなことになつております。それでこの筑後川の六五郎橋の方に流すだけの築堤に要する土も、立米は覚えませんが、相当の土も私らは残しておるのであります。それからいろいろそれに要する石材等ありますが、これを一日も早く実現さしていただいて、早く海面に水を放水するというようにしていただく御計画がないか。なぜならば、これについてはいろいろな方面から、自分たち方面利害関係のみを考えて、それを無視したような、表面と裏面のあるような行動をとつておる名誉職の人もありますが、はなはだこれはけしからぬことであつて、私らはその流域より相当距離が離れて、何ら直接に関係はありませんけれども、職務上こういうことこそほんとうに考えなければならぬ。まして佐賀県との関係がありますから、いろいろ今まで折衝して佐賀県の方にその築堤に要する土を準備さしてまで話は運んでおつたのであります。そうしてもう昭和十二年から今日まで十四年間たつて、依然としてまだそのままになつておりますが、一度御巡視なさいましていただければよくわかると思います。ひとつこの点についてどのくらい御計画になつておるか、また御視察でもなつてつたらお伺いしてみたい。
  7. 目黒清雄

    目黒説明員 お答えします。筑後川城島付近排水の悪いことは、私も十分承知しておるわけであります。ただいまはそれに対する水門の改造によつてこれを吐き出すか、あるいはその他の方法によるかということは目下研究しておりますが、城島付近堤防の補強の問題は、御承知堤防を引いてありますが、この堤防が一番弱いのでありまして、それを補強しなくちやならぬということが最近起つて参りまして、場合によりますと、見返り資金の金でこれをやれるというような段階まで立ち至つております。ただそれは筑後川堤防それ自身を強固にするものでありまして、城島排水は他の方法をもつて考えなくらやならぬということになります。
  8. 高橋權六

    高橋(權)委員 今当局からの答弁は、排水のことについてはほかの方法と言つておりますけれども、本委員の申し上げるように、洪水の場合、六五郎橋の方に放水すれば、城島方面雨水による水のはけ口も私は楽になりはせぬかと思うのであります。その点がどうも怪しく感じます。今お尋ね申したのに対して、六五郎橋の方に放水するように暗渠を設けておることも私は知つております。われわれがこしらえさせた暗渠がありますが、あの暗渠が小さければもう少し大きくしてもいいと思いますが、そういうところまで行つておるのでありますから、そうしないと、先日から大善寺の町内に、この筑後川の雨量が多いために決壊箇所ができて、相当美田を流したところもあるのでありますから、その点をちよつとお伺いしたいと思います。それについては何らお答えがなかつたのでありますが……。
  9. 目黒清雄

    目黒説明員 ただいまの点ですが、実は今のようなお説に従つてやることがいいのか、あるいは現在の暗渠の改造によつて排水をすることがいいのか、あるいはもし排水ができなかつた場合には他の方法、すなわちポンプ排水をしなくちやならないのか、その辺のところを目下考究中であります。まだはつきり案がまとまつてりませんので、はつきり申し上げられないという段階でありますから、よろしく御了解願いたいと思います。われわれは研究いたしたいと思います。
  10. 高橋權六

    高橋(權)委員 それから治水に対して見返り資金は出さないようになつているかのように新聞に載つている。反面にまたできるというような記事もわが九州地方の大新聞に書いてあるのであります。これについて当局見返り資金を流用していただけるかどうか、ちよつとお伺いしたいのであります。見返り資金治水に使う、使わぬという、新聞紙上にはどららにも書かしてあるからわかりませんが、ちよつとお伺いします。
  11. 増田甲子七

    増田国務大臣 見返り資金治水に大いに使わしてもらうことになつておりますし、お尋ねの筑後川も今度入つております。
  12. 高橋權六

    高橋(權)委員 筑後川でなく、矢部川治水もそれはあろうと思いますが、ダムと結びつけて、見返り資金が二十六億円も出るようになつたということを、福岡市内に配布してあるところの朝日、毎日、西日本、夕刊福日というようなものに書いてありますが、それは事実でございましようか。新聞では堂々と大きな活字で二十六億円の融資ができたと書かしてあります。それはダムの問題に融資と書いてありますが、ダムの方もそうきまつておりますか、ちよつとお伺いいたします。
  13. 周東英雄

    周東国務大臣 治水に関しまして、筑後川についても今見返り資金を大体出すことにして、それぞれ折衝中であります。矢部川にはまだ今度の場合には出ておりません。将来研究される問題だと思います。
  14. 高橋權六

    高橋(權)委員 それで少し安心しました。治水に出していただきたいと思いますが、ダムに出してやるように堂堂と大新聞に載せている。しかも私の意見は一向のつけてくれない。私の知合いの酒屋のやつの言うことは遠慮なく書いてあります。それで私は常にこちらにおつて、そういう方面に無関心であるためかもしれませんが、それで今度もしダムを設けるにつきましては、ちようと先日から諏訪湖の問題のようなこともありますから、十分当局においては考えていただきたいのであります。もし二、三の者が日発あたりに何か連絡をとつてでもやろうというもの、あるいは本省課長の名も書いてありますが、まあ気の毒ですから、課長の名は申し上げません。そういう課長があつたとするならば、材料は宿に持つて来ておりますが、気の毒だから一応ここには持つてつておりませんで、箱の中にくぎづけしておりますが、それはそのままにいたしまして、今後もしそういうことに参るような場合には、一度本省から公平なる調査の方がおいでいただきたい、こう思つておるのであります。幸いに見返り資金がまだ矢部川ダムのことについてきまつていないとするならば、私は今度帰りまして新聞を全部書き直させようと思つております。どうかしかるべく、今後公平な眼で御裁断くださるようにお願いいたしておきます。そしてもし新聞紙上にこれも載つておりましたならば、宮崎の上椎葉のダムが何だか行き詰まつておるそうでありますから、そういう方面を一日も早く完成させて、電気を福岡県の方に送つてくださるように御考慮していただきたいと思います。
  15. 前田種男

    前田(種)委員 私は簡単に安本長官にお伺いいたします。大阪中心として、特に西大阪地盤が年々沈下しております。その沈下に対しては、府、市当局本省援助を受けまして、暫定的な応急的措置を講じておりますが、今のような状態で年々沈下いたしますと、根本的な対策が必要であるわけです。御承知のように大阪は産業、経済あるいは港その他の関係から行つても重要な地域でございます。そうした特殊の事情にある都市をどういうようにされるかという点が第一点です。  それから第二点は、大阪は昨年から今年にかけて大きな災害はございませんが、一年中今申し上げたような地区が高潮につかつております。それから最近はむしろ東大阪北大阪方面の低い土地が雨のたびに相当広汎な水害があるわけです。数日来のああいう豪雨のような場合は言うまでもありませんが、相当地区水害があるわけです。この原因は排水下水関係が十分でないという点がございますが、これまた府、市当局本省援助を受けていろいろの対策をやつておりますが、遅々として進んでおりません。根本的に国としての対策を御考慮願いたい。  第三点は、特に建設大臣にお願いしたいと思いますが、淀川改修工事でございます。これまた相当計画を今日実行してもらつておる過程でございますが、今のような計画程度では実に不安な状態に置かれております。昨年の台風のときには、決壊寸前に防止されて大きな被害はなくて済んだのでございますが、最近の台風その他の状況等を予測いたしますと、必ずや淀川が完成されるまでに相当大きな水害大阪はこうむるであろうということが予測されるのです。何と申しましても、淀川改修というものは重要な点でございます。もしこれに五十億、百億入れましても、一日も早くあの改修を完成せなければならぬと思います。一朝水害をこうむりますならば、一日にして何千億という損害大阪では受けるという現状でございますから、淀川改修については、さらに繰上げあるいは拡大して、最善の手を打つていただきたいと思いますが、その点におけるところの大臣の見解を承つておきたいと思います。
  16. 増田甲子七

    増田国務大臣 前田さんの御質問のまず地盤低下でございますが、これに対しましては、各種の対策を講じておるのでございまするが、御承知通り昔の浪花の里でございまして、洲の上にできた関係もあり、地盤が低下しますことは、これはやむを得ない理由もあるようでありますが、対策政府としては一生懸命講じます。また現に講じておることは前田さん御承知通りであります。  それから淀川改修については特に力を入れておりまして、本年度見返り資金が三億ばかり行くことになつておりまするし、また公共事業費の中の改修費が約四億くらいでありまして、合計七、八億の金を本年度淀川改修工事として支出いたすことになつております。もとよりこれをもつて完全とは言えませんから、毎年々々相当公共事業費を投下して、改修の完璧を期するつもりでございます。
  17. 吉川久衛

    吉川委員 建設大臣安本長官にお伺いいたします。せんだつて委員会において、建設大臣はお天気は予算を気がねしないというような意味のお言葉をおつしやつたし、ただいま小平委員の御質問に対して安本長官は、災害予算範囲内で起らない、これは同じ意味だと思いますが、せんだつて建設大臣のお言葉でわれわれは非常に安心をしたのです。災害予算範囲内で起らないので、予算を越えて起ることもあり得るんだ。従つて越えて起きた場合は、補正予算によつて何か対策を講じなければならぬことは当然である、こういうことをおつしやつたので、一同喜んだのであります。ところが先日小笠原事務官が——とこれは小笠原君としてはそこまではお答えできなかつたのでありましようが、関係方面との交渉の経緯を承つたのであります。それによりますと、あくまでも予算範囲内でやるということでございます。ただいままた安本長官のお言葉によりますと、補正予算見通しが立てばよいがというお言葉がございました。立たなければどうなるかということになる。そうすると、災害予算が立たなければ、もう自然にまかしておくのかということになるわけでございますが、この点安本長官建設大臣とで同じ政府の閣僚の間においての御意見が一致しないわけのございます。その辺をひとつ伺つておきたいと思います。
  18. 松井豊吉

    松井委員長 速記をやめて……。     〔速記中止
  19. 松井豊吉

    松井委員長 速記を始めてください。
  20. 吉川久衛

    吉川委員 それから実は昨日やはりここで伺つておりますと、そのときの私の受けた感じは、事務官あたりでもつぱら折衝をされておりまして、長官大臣が足を運ばれて折衝なさるのがはなはだ不十分であるような感じを受けたのでありますが、事務官等折衝は予備的な折衝であるのか、それとも初め大わく責任者がおとりになつておいて、そのこまかい問題については事務官にまかせてありますのか、そういうことについてどういうふうにおやりでございますか。
  21. 周東英雄

    周東国務大臣 先ほど小平さんにその点についてお答えいたしてございます。大体政府としては大わくをきめて、具体的な個々のものについて事務官から折衝いたさせております。根本的の問題についていろいろ問題があれば、当然私折衝に参るということを先ほど申し上げました。
  22. 吉川久衛

    吉川委員 これも安本長官に伺うことになるかもしれませんが、ただいままで災害を防止するために政府はいろいろの施策をとつて来られたのでありますが、防止策としていつも予算支出が非常に手間取る、初期においてはなはだ手遅れであり、不十分である、そういうことが、予想以上に損害を大きくしている。こういう点がありますので、この点については特に建設大臣として格別な御配慮をいただいているようでありますが、これはきわめて簡単な問題でありますけれども、きわめて重要な結果をもたらす問題でありますからこの点について格段の御配慮を願つておきたいと思います。  それから災害防止策として、河川砂防等に非常にお力をいただくことはたいへんけつこうでございます。しかし川を治めるには山を治めよという古い昔からのことわざがありますけれども、こういう林野砂防と申しますか、源を断つという根本的な問題についてはまことに不十分であります。ことに野砂防等予算なんかを見ますと、きわめて僅少でありまして、この根本問題について考えない限り、ただいまやつているようなやり方では賽の河原の石積みのようなものではないかと思います。せんだつてのあの非常なつゆどきに長野県の天龍川流域が非常な災害を受けまして、建設大臣から親しく御視察をいただいたのでありますが、建設省の直営工事でやられた上伊那郡の東春近村の堤防のごときは、二年かかつた工事がわずか数分間にして跡形もなく流れ、そのために数十町歩の水田が一瞬にして白河原になつているというような問題が起きておるのであります。こういう問題も、その源を断つということについてはなはだ施策が徹底をしていないというところから起きておるのでありますから、今後こういた問題について特に御配慮をいただかなければなりません。今後の予算的な措置等についてのお考え伺つておきたいと思います。
  23. 周東英雄

    周東国務大臣 お答えを申します。今の治水は山を治めるにありというお言葉でありますが、これは当然であります。政府考え方といたしましても、砂防あるいは植林ということに重点を置くということははつきりしております、来年度予算等についてもこれを考えて行く必要があります。ただ山の荒れた荒廃林地を治めて行くことに対しても、相当多額の経費を盛らなければ短月日では行かない。その間において、今荒れておる、河床が高まつておる川をそのままにしておくということは、やはり治水上重大な影響をもたらすものでありますから、治山治水山腹砂防植林、それから河川改修ということは、今日の時代においては並行して思い切つた施策をとつて行く必要がある、かように考えております。
  24. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 二、三の点について伺います。先ほど他の委員からの御質問で、今回の災害に対する政府当局態度は了承しましたが、一昨日小笠原事務官お話を聞いておりますと、どうも政府態度事務官に徹底しておらぬようなところが見えます。その日のお話ですと、すでに第二案を研究中であるというようなはつきりしたお話があつた政府閣議決定をもつて四十二億という金をきめた以上、できる限り閣議決定を生かすのが当然の措置ではないか。にもかかわらず、事務当局が差出がましくもそういう交渉に当るというのはおかしいじやないかという皆さんお話がありました。その点については大臣からお話がありましたから御質問申し上げません。  第二の点の、これはこの前も小笠原事務官にお聞きしたことですけれども、さき政府閣議決定なつたかどうかしれませんが、災害復旧費については全額国庫負担は二十五年度限りであつて、二十六年度は従来通りに七割の補助をもつて行う方針のように仄聞しておる。この問題は御承知のように地方税法にも関係があるのでありまして、地方税において千九百億というわくをきめたのは、原則としてといいますよりも、災害復旧が全額国庫負担という建前において千九百億円という地方税の收入が見込まれておると考えております。従つて年度全額国庫負担が行われないということになれば、これは地方財政の上にも大きな影響がある。従つてもし政府が、来年度においては全額国庫負担をしないのであるという方針であるならば、税関係についても御考慮があつての上での方針の決定であるかどうか。あるいはまた正式に決定しておらないとすれば、われわれといたしましては、全国の各市町村並びに知事会議決定にもありますように、災害復旧に対してはあくまで全額国庫負担を実行してもらいたい。なおただ従来においてもこの点についての疑義はあるのでありまして、従来は十五万円以上をもつて査定しております。従つて十五万円に満たないものもあるいは十五万円というようなことに、そこに不正がありはしないかという疑点もあります。かつまた十五万円以下の損害が認められないということは、地方によつてはこれは相当疑問があろうと思います。これらの点を解決するためには、ある程度の金額国庫負担として、それ以下のは三分の二なり、あるいは二分の一の国庫補助を行う、こういう方針がとられてもいいと思うのですが、この二点について安本長官並びに建設大臣にお伺いいたします。
  25. 周東英雄

    周東国務大臣 ただいまの御質問はまことにごもつともな御質問であります。御承知のように昨年の二十五年度予算決定するにあたつて態度としては、はつきりと二十五年度限り全額国庫負担ということで予算もきめて進められたようであります。しかしただいまお話のように、これが実際面から見ると、全額負担についていろいろいいところも悪いところもあるようでありまして、実施されておる今日において、地方財政負担の問題等いろいろな点について考えなければならぬ点もあり、御承知通り皆様方の御意見もありますので、政府といたしましては、二十六年度予算編成にあたつて、全額負担するかしないかということは、慎重に研究してみたいということになつておることだけを申し上げておきます。従つてそれが決定するかいなかによつて出し方がきまつて来るのでありますが、もしきまつた場合においては、ただいまのような御意向は十分参酌して考えて行くべきだと思います。
  26. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 建設大臣にお聞きしたいのでありますが、すでに来年度予算についての下交渉は進められておるようであります。事務当局において予算の草案なるものはつくられつつあると思うのですが、その予算考え方は三分の二の方針によつて編成が進められておるとわれわれは考えるのです。この点はいかようになつておりますか。
  27. 増田甲子七

    増田国務大臣 一応三分の二ということで案を進めたのでございます。しかし今周東君からお答え申しました通り、まだその交渉決定したものではございません。それから決定いたすといたしますと、地方税あるいはその地方財政のことを適当に調整する必要があるということは、橋本さんと全然御同感でございます。
  28. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 安本長官にお願いしたいのでありますが、今後もいろいろの事情から、いずれに決定するかは明確でありませんが、万一三分の二と決定せざるを得ないような諸種の事情が起きた場合においては、少くとも平衡交付金の額について当然考えてもらわなければならぬ。地方税率を上げることは、すでに今回においても、二十四年度に比較しますれば三百七十億という増徴になつておるのでありまするから、なお地方税法によつて、地方税收入を上げるということは、これは現在の農村の窮状から考えて非常な大問題になると考えますので、こういう事情において、もし全額国庫負担が困難でありまする場合は、それに見返る金額は政府において考慮する、こういう建前において、関係当局において御相談を願いたいと思うのであります。
  29. 松井豊吉

    松井委員長 飯塚定輔君。
  30. 飯塚定輔

    ○飯塚委員 大体同僚諸君の御質問で、私のお伺いしたいことも尽きておるのでありまするけれども、なお二つ三つお伺いしたいと思います。それはことしの春の災害に対して閣議決定の四十二億でございますが、これはぜひ内閣においても強行して、司令部との折衝を続けていただきたいということをお願いいたします。  それからこれはあるいはどうかと思いますけれども、一定改修とか、すでに過年度分の災害等は、はつきりと工事量も災害の量もおわかりになつていることでありますから、これに対してはできるだけ見返り資金を出していただくことが——できるだけ多く見返り資金をそれに振り向けていただくことができるかどうか。さらに今年の災害に対しては、それはいたし方ありませんから、一般会計から補正予算なり何なりで、これも多く出してもらう。そういうようなことはできないかどうか。それをお伺いしたいと思います。
  31. 増田甲子七

    増田国務大臣 あとで補足されると思いまするが、私の所見だけ申し上げます。災害復旧を完成したいということは、災害復旧に主として関係を持つている建設省としては、一番深い関心を持つている次第であります。ところで昭和二十二年、二十三年、二十四年の建設省所管の災害復旧費として、千億ばかりございまするが、今まで五百億弱出ただけでありまして、まだ五百億の復旧費を出しませんと、二十四年度までの過年度災害が復旧されない状況であります。しこうして本年度計上されておりまする三百七十億という災害復旧費は、昭和二十四年度までの過年度災害の復旧に要するわけでありまして、おそらくこれを支出いたしましてなお五百億残るのではないかと考えております。そこであとの本年度予備費の百億はどういうふうに使うかといいますと、今飯塚さんも御指摘の通り昭和二十五年度に起つた、また起るべき災害の復旧に充てる費用でありまして、これがわくの中で済めばそれでよいし、わくの外に出れば補正予算を要することは、皆さんの御説の通りであります。それから見返り資金関係は、災害復旧には現在充てられておりません。改修の方に充てられておる次第でございますが、しかしともかくもわれわれは災害復旧をできるだけ急ぎたい、ことに過年度災害のごときは、本年度くらいにほんとうは完成したいものですが、どうぞ皆様の御協力をお願いする次第でございます。
  32. 飯塚定輔

    ○飯塚委員 なお来年度は、今橋本君からもお話があつたように、全額国庫負担にしてほしいという声が、地方からもずいぶん電報なり手紙なりで言つて来ておりまするから、その点御考慮を願いたいことと、また来年度予算には二十五年度予算の百億の予備費のような形の予算をおつくりになるかどうか、この点を一点お伺いしておきます。
  33. 周東英雄

    周東国務大臣 来年度予備費の問題は、これは全体の財政計画の立て方によるので、ただいまはつきりとそういうものを組むかどうかきまつておりませんが、おそらく本年度こしらえておいたことの敏速なる効果というものを考えて、希望としては、私どもも同じように置きたいという希望を持つているということだけ申し上げておきます。
  34. 飯塚定輔

    ○飯塚委員 ちよつと皮肉なようになりますが、安本長官の、今年度予備費の百億の決定したことによつて、敏速な効果というお言葉に間違いがなければたいへんけつこうでありますけれども、春水かから今までを考えますと、あまり敏速でないようでありますから、この点はできるだけ敏速にやつていただきたいという希望を申し上げて、私の質問を終ります。
  35. 周東英雄

    周東国務大臣 この点はお話通り、今日遅れておることは恐縮しております。いろいろの事情で一月半ほどはやむを得ざる形で遅れておると私は思うのです。今日私どもが引受けて後、非常なスピードで交渉にあたつております。
  36. 松井豊吉

    松井委員長 砂間一良君。
  37. 砂間一良

    ○砂間委員 私のお尋ねしたいことは、天然の災害ではありませんで、いわば人為的な災害とも言うべきことについでであります。つまり海上の禁漁区域の問題であります。何か実弾射撃か演習で漁業ができないということにつきまして、新聞紙上に伝えられるところによりますと、ことし五億とか六億とか補償するというふうなことが出ておりますが、あのやむを得ざる事情のために漁業ができなくなつた、禁漁区域が設定されたというふうな場合の補償はどういう事情になつておりますか。政府は補償される方針でありますかどうですか。その点をひとつ詳しくお伺いしたいと思います。
  38. 周東英雄

    周東国務大臣 ただいまの点につきましては、何らかの救済方法をとるべく、今考究中であります。しかも考究中ということは、考えとるという意味ではなくて、実行的に案を進めつつあるということだけ申し上げます。
  39. 砂間一良

    ○砂間委員 ただいまの安本長官お答えによりますと、まだこの金額等はわかつておらないような御様子でありますが、そうすると新聞紙上等に伝えられていることはデマでありますか。先般地方税法のことにつきまして、地方行政委員会その他の委員会との連合審査の場合におきましても、どなたであつたか、政府委員の方が水産庁において目下調査中であるから、近くその調査もわかる予定だというふうなことも申しておられるのでありますが、まだ全然それはできておらないのですか。大体の目安もついておらないのですか。
  40. 周東英雄

    周東国務大臣 一応の目安はありますが、これはいろいろの方面折衝も要しまするし、額が今幾らということを申し上げる時期に達しておらないということであります。
  41. 砂間一良

    ○砂間委員 額はきまつておらないようでありますが、もしきまつたといたしまするならば、それはどういう財政的な措置をとられるのでありますか。この費目から捻出されるのか。
  42. 周東英雄

    周東国務大臣 これは予算措置をとるとすれば、次の国会までに提出して協賛を求めなければならぬと思います。それらの点について今具体的に方法考えておるわけであります。しかし大体において、お話のような額の範囲で、どこからどういうふうに出すかということで折衝をしておるのであります。本国会に間に合わなかつたことを遺憾とします。
  43. 砂間一良

    ○砂間委員 先だつて地方税法の連合審査のときに、池田大蔵大臣は、多分終戦処理費から出ることになるのではないかというふうなことを申されておつたのでありますが、そういうふうなことはまだきまつておらないのですか。  それからもう一つお尋ねしたい点は、これもどなたの政府委員の方であつたか、ちよつと忘れたのですが、全国でそういうところが十五箇所あるということを申されましたが、その十五箇所はどことどこでありますか。
  44. 周東英雄

    周東国務大臣 箇所は私今覚えておりませんが、それだけの全体をくるめて、全体的に救済の処置をとるということで進んでおりますから、さよう御承知を願いたい。
  45. 砂間一良

    ○砂間委員 十五箇所を覚えておられないとすれば、またあとから資料でもいいから、ひとつこの十五箇所を具体的に発表していただきたい。それからこの関係漁民の数は何戸ぐらいになりますか。それから、それは一時的の補償でありますか。あるいは年々補償されるものでありますか。あるいはその補償基準等について少し具体的に、政府はどういう基準で、どんなふうな調査をやつておるかということをひとつお尋ねいたします。
  46. 周東英雄

    周東国務大臣 まだそういう詳しいことを申し上げるところに至つておらぬということを申し上げておきます。但し必ずそういうふうなものに対しての救済の措置をとるということで御了承願つておきたいと思います。きまればいずれ発表いたします。
  47. 砂間一良

    ○砂間委員 たいへんのんきなことを申しておられるように私は思うのですが、地方のそういう被害を受けるところの人たちとしては、これはもう実に切実な真剣な問題なんです。私も静岡県でありますけれども、静岡県の御前崎の西の方から愛知県にかけまして—先だつて水産庁の漁政課の何とかいう方が来て、漁民に説明したところによりますと、東西四十海里、南北十一海里、非常に広範なところが禁漁区域に設定される。地図等によつて見ますと、これらの海面は底引き漁業であるとか、かつお漁業であるとかの、一番いい漁場の中心をなしているので、静岡県だけでも数万の漁民が全然生業を失つてしまうわけです。関係産業の人たち、たとえばかつお節だとかあるいは魚を加工するとか、そういう関係している産業の人たちを含めると、静岡県だけでも莫大な人口になるるわけです。特に沖に出ておる漁師というものは、陸に上つて転業するということが非常に困難なんです。普通の陸の工場で働いている人は一旦解雇されましても他の工場に就職するとか何とかいうことができるのですが、小さいときから船に乗つて、海の上で漁業というふうな特殊な技術で生活して来ている人は、転業ということが非常に困難で、ほとんど一生生計の資料を失うということになるわけです。この補償なんか、単に補償といつて、名目的な一時的なすずめの涙ほどの金でごまかされて、それでもう十分補償したというようなことでは、これは泣いても泣き切れないです。しかもこれが何もきのうきよう突如として始まつたことではなくて、静岡県の場合なんかは、ことしの春ごろからの話でありますけれども、たとえば千葉県の片貝等におきましては、数年前からこういう問題があるわけなんです。それを荏苒今日まで放擲して来ておいて、まだ考えておるのだとか何とかいうようなことは、私はこの政府のやり方は非常に怠慢だと思う。これは地方議会においても問題になつておりまして、静岡県などにおきましては、昨年の十二月の県議会においてもいろいろ問題になつて論議されていて、知事や副知事が被害区域とか、被害漁民とかいうような言葉まで使つておるようですけれども、これは地方だけでは解決できない問題なんです。ですからそういう問題については、たとい占領下にあるとはいえ、日本の国民の生活を見てやるということは当然政府の義務でありますから、もつと事態を国会で明らかにして、国会の協力も得て、そうしてこれを何とか救済してやるということを迅速にやるべきだと思うのです。これは単に海上ばかりの問題ではありません。陸上にもそれに類似するようなところがたくさんあるわけです。それを何か隠したようで、発表しないで、こそこそ何かやつておるようで、やつていないようでいてちつともわからない。こういうことでは国会はまるでつんぼ棧敷に坐らされているというか、明盲にされている。事実を率直に発表して、政府はどういう対策をとろうとしておるのか、これをはつきり言うていただきたい。
  48. 周東英雄

    周東国務大臣 私が先ほどから申し上げておるのは、隠しておるわけではなくて、はつきりと確定して、やることについてきまつた上でないと、これは発表できない。従つてはつきりきまりました上で発表すると申し上げたのです。今のんきに構えているのでなくて、実行的に案を進めつつある。きまつた上で申し上げるというのでありまして、きまらないうちに無責任なことは申し上げかねる、こういうことを申し上げます。
  49. 砂間一良

    ○砂間委員 とにかくそういう問題が起つて関係しておる当事者の人は非常に困つてつて、どこへ訴えていいやらまつたく途方に暮れて、泣くにも泣けないような状態でおるということを政府は強く認識して、すみやかにその対策をとつて、十分なる補償をやつていただきたいということを強く要望いたします。
  50. 松井豊吉

    松井委員長 青木正君。
  51. 青木正

    ○青木(正)委員 安本長官に二、三お尋ねしたいと存じます。実はこの災害対策委員長におきまして、前回の委員会から引続きまして、私どもの間でいろいろ検討している問題があるのであります。その一つの問題といたしましては、災害は日本においてはほとんど毎年出て来る。そこでそのたびにいつも復旧費について困難を来しており、今年は幸いにして予備金も百億計上して、することになつたのでありますが、それも今年限りということになつておる。そこでこれは日本としては毎年出ることではありますし、先ほど安本長官の申しましたように、敏速の効果をあげるためにも。予備金制度でなしに、災害の基金制度にしまして、災害の起きた場合に敏速に至急対策の金が出るような道を講ずる必要があるのじやないかというようなことで、私ども寄り寄り研究いたしておるのであります。明治の初めに、御承知のごとく、正金を基金ととして災害基金制度が設けられたこともあるのでありますが、現在におきましては、結局金さえあれば何も基金がなくてもいいということも言い得ると思うのでありますが、年々五百億なり一千億なりの災害——平均してどれくらいになりますか、五百億なら五百億の災害ということになりますれば、大体それくらいのものを基金制度にして、毎年々々そのたびに苦しむことのないようにそういう措置を講ずる必要があるのじやないかということで、私ども寄り寄り研究いたしておるのであります。もちろん政府におきましてもそういつた点について確定的の御意見に到達しているとも私ども承知しておりませんが、そういう点について、安本長官としてのお考えをこの機会に承つておきたいと思うのであります。
  52. 周東英雄

    周東国務大臣 お話災害基金制度というものですが、十分研究の余地はあると思います。ただそれが、私こまかいことは知りませんが、一方的に政府だけが積立てておいて出すということですと、今の予備金制度とあまりかわらぬと思う。おそらくは何らかの方法で市町村等も一部は積立てをする。同時に政府はその数倍するものを基金として積立てる。そして政府と離れて、その中から一定の調査の上出して行くというような形にでもする、金庫制度ですか、そういうものができれば、これは非常に敏速に行くかと思います。これは将来に向つて、政策としてもよく研究すべきものだと考えます。
  53. 青木正

    ○青木(正)委員 安本長官のお考えもよくわかりました。私どもの間にもそういつたこともいろいろ研究せられておるのでありますが、なお政府におきましても、そういつた問題につきましてとくと御研究願いたいことを、この機会にお願いしておきます。  なおそれに関連いたしまして、私ども昨年来災害が起るたびに地方の方が陳情に参る。ところが災害は建設省関係もあれば、農林省関係もある。あるいはまた厚生省関係もある。地方の方方が非常にそのたびに各省に連絡することでなかなか奔命に疲れておる。また各省で一応地方の被害状況がわかりまして、さてこれを査定する場合になりますと、安本において統括して、それからまた各省にわかれて行く。こういうようなこともありましてなかなかその間に事務上少からぬ支障もある。また安本というものは——これは安本長官を前に置きましてそういうことを申し上げるのは、はなはだ失礼かもしれませんが、もともと経済安定本部は恒久的な機関であるかどうか、いろいろ議論もありまして、これは企画官庁として縮小するというような議論も一部には行われております。しかしながら日本の災害は今年ばかりでなく毎年ある。そして各省に関係を持つておる。そこで理想とすれば、そういうふうな外局の災害対策本部とか災害復旧本部にするといつたような考え方もある。私どもは災害審議会というようなもにして、そうして関係各省を網羅した一つの委員会、多数制の行政機関か何かをつくつたらどうかというような話もいろいろあるのでありますが、何かそういつた災害対策本部式なものを総理府の外局に設けて、災害対策についてもつと恒久的な、そして統合的な機関を設ける必要があるのではないか、こういう意見も研究されておるのであります。そういつた問題につきまして、安本長官のお考えを承りたい。
  54. 周東英雄

    周東国務大臣 お答えします。ただいまのような御意見はごもつともでありますが、災害対策本部と申しましても、災害に対するだけの対策ではいかぬのであつて、結局日本の国土を育成し、維持し保全するということの総合的な立場から、積極面における開発と、消極面における災害対策というものが考えられなければならぬ。しかもそのことは同時に日本の産業の全般的基盤を養成することになりますので、このたびできておりまする国土総合開発審議会というものの行き方とも関連させて、常に総合的に考えられる必要がある。今災害対策委員会等がございますが、これは私どもの個人的意見でしたけれども、できれば総合開発委員会と一緒になつた大きなものができることが必要じやないか。こういうふうに国会等においても考えていただきたいと思います。そういう意味合いで、ただいまのところは安定本部建設交通局がこれにあたつておりますが、しかし今日日本が積極的な産業の復興計画、生産増強ということの総合計画を立てるに際しまして、その基本をなす国土の保全維持というものにあたつての大きな計画をまとめて立てたいと考えておりますから、そういうものの案ができますれば、当然諮問されるが、関係各省はもちろんのこと、民間を含めた復興委員会というようなものを活用して行きたい、かように考えております。
  55. 青木正

    ○青木(正)委員 安本長官の御説まことにごもつともであります。私どももその点はよく了承しておるのでありますが、国土総合開発の問題と関連はありますが、私どもの考えておりますのは、災害が起きたらその復旧ということに重点を置いて、即座に活動するためにそういつたものが必要じやないか、こういうような考えで、ある面におきましては総合開発の方に包含さるべきものもあるかもしれませんが、そうでなしに災害が起きて復旧、原状回復ということに重点を置いた意味の、何かそういつた総合的な機関が必要じやないか、こういう意味なのであります。この点につきましてお伺いいたしたい。
  56. 周東英雄

    周東国務大臣 ただいまのお話の点は、実行にあたつておるのは建設交通局で、各局からみな代表も出ておられます。そこで各局各省を集めていろいろ案を立てておるわけであります。これを今後の問題といたしまして、もつと拡大強化するということも一つの行き方かと思います。先ほど申しました消極面からする国土総合開発委員会というような構想も、もちろんその一部門であつてもいいわけでありますが、今お話の速急を要するものであるとすれば、ただいまの建設交通局がそれにあたつておるようなかつこうであります。内容の改善拡充というようなものについては、十分考慮して行きたいと考えております。
  57. 青木正

    ○青木(正)委員 それからもう一点承りたいのでありますが、それは災害の復旧につきまして、公共施設につきましては、いろいろと国におきましても考えておるのであります。ところがたとえば火災は別といたしまして、地震の場合であるとか、あるいは水害の場合、家が流れた場合に厚生省所管におきまして、とりあえずバラツクを建てるということをやつてくれますがそれ以上の本建築をやる場合に、資金の融通の方法もなければ、いわんやそれに補助する道もない。これは個人の問題でありますから、国が補助するということはそこに問題もあると思いますが、さればといつて災害による家屋の流失等に対する保険制度ということも、保険経済から成り立つかどうかという問題があると思うのであります。ただしかし実際問題となりますと、大きな災害を受けて家屋が流失する。そのときに建設省にも援助もなければ、また資金の融通を受けるにも、そういう個人に対して融道の道もない。こういう問題につきましては、何かの方法も研究をする必要があるのではないかと思うのでありますが、そういつた点につきまして、政府の方で何らか御研究になつたことがありますかどうか。
  58. 周東英雄

    周東国務大臣 ごもつともなお話であります。こういう点については、将来具体的に研究を進めたいと思つております。家等につきましては、例の住宅公庫法案による資金の出し方、あれは主として戦災地におけるものが優先順位になる。従つてそれに関連して、最近は火災等については積極的に出させるように建設省で指導されております。そういう面から考えると、資金のわくの問題ですが、それをある程度考えて、洪水等に関してもめんどうを見させるというような形も一つの行き方ではないか、一番衣食住のうち住を考えてやることが必要でありましようがよく御趣旨に沿うて研究をいたしたいと思います。
  59. 飯塚定輔

    ○飯塚委員 それに関連して安本長官にお伺いしますが、今の住宅金融公庫は、現在のところでは災害に対して起り得る住宅の問題には、現在の御規定ではほとんど利用ができないような状態ですから、それを将来利用のできるようにお願いできましようか。できるとすればそれでお答えはいらないのです。
  60. 周東英雄

    周東国務大臣 今申しましたのは、もう少し考えて行きたいと考えております。
  61. 志田義信

    ○志田委員 遅れて参りましたので、関係委員から大体質問の要旨が尽されておると思いますが、二十六年度災害の点につきましては、二十五年度と同様に全額の国庫負担の特例を適用していただきたい。これは私からお願い申し上げておきます。どうも質問は暑いのでありますが、せめて質問を冷たい質問にして行きたいと思います。昭和二十五年度の主要直轄河川工事につきまして御質問申し上げたいと思います。治水関係予算は、御承知通り今年は公共事業の中の約四〇%、四百億出ておるのでありますが、そのうち直轄河川工事費用と、北海道国費河川の費用との間に、全国直轄河川工事費用が案外少いんじやないか。たとえば七十三河川だと思いましたが、そのうち北海道は十一河川であります。この点について今後もこんなような比率といいますか、案分で予算を編成せられるものであるかどうか、その点をお聞きいたします。
  62. 目黒清雄

    目黒説明員 北海道河川と内地河川との予算比率の問題でありますが、これは必ずしも一定比率でやるという原則は立つておりまん。その事情々々に応しまして、大体かわつて参ります。河川につきましては、毎年その比率は北海道の方が増加しつつあるような傾向を帯びておるようであります。ちようど今度から北海道開発庁が発足いたしましたので、今度は見方が多少かわて参るとわれわれは考えておるのであります。従つてあるいは来年度予算においては、内地河川との比率の問題はどうなりまするか、その辺は総合的な北海道開発庁の意見相当反映するものではないか、かように考えております。
  63. 志田義信

    ○志田委員 この問題は単に改修事業費や、あるいは附帯工事費、ないしは維持費だけにとどまりませんで、災害復旧費においても同様な関係があるのでありますが、ただいまの政府委員の御答弁によりますと、直轄河川に対する予算の配分につきましての行き方については、漠としたお答えをいただきましたが、災害復旧費においては、その配分を直轄河川と北海道国費河川との間に、どういうふうに考えておられますか、その点をひとつお伺いいたしたい。
  64. 目黒清雄

    目黒説明員 災害復旧費予算配分ですが、これは御承知通り災害発生しました災害総額を見まして、それに対する予算わくをいかにするかということになります。大体北海道河川、直轄河川、それから北海道の国費と地方費とありますが、それとこちらの内地の地方府県の補助と、直轄の災害復旧費というものは、大体において重点的に施行しなければならない大きな河川につきましては、一般の比率よりも多少多くしております。しかしかがら大体におきまして、たとえばその年度当初に二割、五割、三割というような理想の形に予算をいただきますると、初年度に二割、次年度に五割、あとは三割というふうに割りますと、非常にけつこうで、その程度の割振りができますが、先ほどどなたかの質問に対してお答え申しました通りに、大体において千億のうち五百億近く残つておる。過年度災害はそういう状態でありますので、おそらくこの比率は二十二年度における災害に対して全部できておる、二十三年度が五十数パーセント、二十四年度が四〇%、その程度行つておりますが、この比率は内地も北海道も全然かわつておりません。多少かわりますのは、今のようなどうしてもやらなければならぬ大きな河川につきまして、多少加減をするということであります。
  65. 志田義信

    ○志田委員 今二十五年度における災害の復旧予定は、二十二年度工事は全部完了して、二十三年度は五十数パーセント、二十四年度は四〇%完了しておるというような程度の復旧を予定しておつたというお話でございましたが、予定だけでなく、そのパーセンテージで復旧ができておるかどうか。
  66. 目黒清雄

    目黒説明員 ただいま申し上げました数字は、予算の配当でありまして、この金は地方庁あるいは北海道に流れておりまするので、おそらくこの程度はできておると思うのでありますが、府県によりましては、実際の仕事はそれ以上できておるところがあります。これは非常にこちらの予算配付が少い関係上、地方で地方の財源をかき集めまして仕事をやつておるというのが現状でありまして、相当進んでおるとわれわれ考えております。
  67. 志田義信

    ○志田委員 この際建設大臣にお尋ね申し上げたいと思いまするが、実は山形県の最上川上流工事につきまして、このたび非常に綱紀粛正をモツトーとするわが党内閣において、建設省官僚の間に忌むべき事件としてすでに検察当局の活動となつて、所長以下多数の者がこれに贈收賄で拘置されておる事実があるのでありますが、こういうような直轄工事において、たとえば飯場長というようなものを請負業者にやらせて、工事量と人夫の頭をごまかして、工事費を横領するという事件が起きておるのでありまするけれども、これに対する建設大臣の監督上の今後の御処置並びに今後の御方針についてお伺いいたしたい。
  68. 増田甲子七

    増田国務大臣 志田さんにお答え申し上げます。  最上川上流直轄工事の現場職員の間に涜職者を出したことにつきましては、建設大臣として深く痛みいる次第でございます。将来建設省関係現業員並びに職員に対する監督は、一層嚴重にこれを行いましてあくまで公正に職務を担当遂行するようにいたさせるつもりでございます。最上川関係の職員の涜職の内容は、ただいま聞いたところでは、給与が少いためにやみ人夫というような形式で、事実上何かボーナス的なものを出したというようでありまして、請負人との間における贈收賄の涜職ではない。こういうことがもしありといたしましても、非常によろしくないことでございまして、もちろん政府としては、給与のことについてはできるだけ給与條件の維持もしくは改善、あるいは超過勤務手当を実際の勤務に即応するように給付すべきものと考えておりまするが、その方面に対する努力を払うと同時に、公正に職務を遂行するように、十分これから監督をいたす所存でございます。
  69. 志田義信

    ○志田委員 今回の問題を起すに至つた原因は、給与の少いということもあるでありましようが、給与の少いということだけでこの問題をゆるがせにできないことは、大臣も御存じのことだろうと思います。そこで最上川の問題でございますが、最上川の改修工事といい、あるいは災害復旧工事と言い、東北におきましては大臣承知通りに、北上川の問題と同様に、きわめて原始的な工事より進められていない現状でございまして、本年に入りましてから、初めて砂防工事事務所が最上川上流にできたような状態でありまして、今までは砂防工事の監督事務所もできてないような状態でございます。そこで部下の中にもそういう不都合をする者があるのでありますから、この機会に私は東北北上川あるいは最上川に、ぜひひとつ現場をお調べくださいまして、将来かようなことのないような指導と是正をするお考えがあるかどうか、お尋ねを申し上げたいと思います。
  70. 増田甲子七

    増田国務大臣 建設省の担当事務は、河川改修あるいは道路の改修、あるいは砂防でございまして、すべて東京におつただけでは仕事はなし得ない、事業の対象は百聞一見にしかずでございますから、できるだけ事業の対象をそれぞれ見て、それぞれの個性を知る必要があるということを私は痛感しております。国会でも済みましたならば、自分の職務でもありますし、北上川、最上川といわず、全国の道路あるいは重要河川等は自分の目で親しく拝見いたしたいと考えている次第でございます。
  71. 床次徳二

    ○床次委員 中座をいたしましたので、あるいは同僚からすでに御質問があつたかと思いますが、伺わせていただきたいと同時に、建設大臣にお願いいたしたいのであります。昨年度においては災害は非常に多かつたのでありますが、これに対して予定された工事費は、比較的少額しか割当がなかつたために、各府県においては予定額を超過して工事をやつているわけであります。本年度から申しますれば、過年度の超過工事という形でありまして、府県ではそれぞれ自分のあり合せの金をくめんして工事をやつている状態であります。ここに再び新しい災害を迎えることになつたわけでありますが、この災害に対しましては、すでに各議員からその資金について政府に至急善処方をお願いしておることは御承知のことであります。昨年度において実施いたしました超過分に対しても至急、金の手配をいたさないと、非常に他の将来の工事の実施上に困難を来すと考えております。今年の予備費の重要な問題がすでに問題になつてつたようでありますが、できればこの予備費の中から、やはり過年度の超過実施分に対しましても、予備費の流用を認めていただきたいというような切なる地方の要望がありますので、ひとつお聞きをいただきたいと思う次第であります。
  72. 増田甲子七

    増田国務大臣 床次さんにお答え申し上げます。大体各府県が事業主体としてやつているところは、直轄は別でございます、府県が事業の主体であるところは、かりに三分の二であろうと、あるいは全額国庫負担であろうと、一応予算としては府県予算として災害復旧費は計上されております。そうして県によつては事業はどんどんやつてしまつて災害復旧は事実上完成しているところがあるかもしれません。そういう場合は、国費の五割、三割、二割というのが行くのが遅れているという状態でありまして、熱心な府県に対しては、はなはだ相済まぬと思つております。今年は三百七十億のうち、建設省に配当された分がその三分の二なら三分の二というところへ、あと払いになりますが、行くわけでありますけれども、おそらく事業としては三百七十億ではとても間に合つていない、府県にやはり払うべき借りがあるという状態で年を越すことになるかもしれません。先ほども橋本委員に申し上げたのでありますが、二十二年、二十三年、二十四年の災害復旧費は総額で千億余でございます。そのうち二十五年度の三百七十億の予算をもつて全部支払つたと仮定いたしまして、五百億支払つただけであります。あとまだ払わなくてもならぬものが五百億あります。もつとも事業に着手してないかもしれませんし、それから事業をしていしまつて、府県の国に対する債権という形で残つておるかもしれませんが、とにかく五百億あるという状態で、非常にわれわれ遺憾に思つております。明年度災害復旧費は、できるだけよけいに計上してもらいたいと考えております。  それから本年度の百億の予備費でありますが、これは当初百億計上したときは、かりに本年度災害が百億以内で治まつた場合は、三百七十億円といわずに、かりに十億円の金が残つたといたしましても、これは府県がそれぞれの事業をやつてしまつて、国に対する債権になつておりますから、その分に充てる予定で最初の予算は計上されたそうであります。しかしながら本年度予算は百億のわくでは治まりそうもございませんから、結局明年度予算をもらつて来て熱心な府県に対する債権を払う。それから事業に着手していないところに対しては着手してもらう、こういうことだと私は考えておりますので、この点につきましても、どうか災害委員の皆様の御協力を切にお願いする次第であります。
  73. 高橋權六

    高橋(權)委員 先ほどちよつとお伺いしたのですが、関門トンネルの工事見返り資金関係上中止されたように承るのでございます。これはやむを得ませんが、福岡県は各都道府県からおいでになるには重要な地位にありまして、交通も非常に頻繁であります。そこで矢部川方面の浦島橋外四架橋について、当局に大方陳情したことがあると思いますが、それについては二十六年度に計上してありますか。もししてなかつたならば、今後していただくお考えがおありなさいますか、それをちよつとお伺いしておきたいのでございます。特に矢部川でも筑後川でも非常に水害の激しいところでありますから、これをひとつ永久橋に奮発していただきたいと思いますが、それは予算に組んであるでしようか。
  74. 増田甲子七

    増田国務大臣 詳しいことはわかりませんが、ただいま河川局長から聞いたところによりますと、あなたはいらつしやいませんでしたが、先ほど福岡県の方々から、矢部川へ浦島橋をかけてほしいということを陳情を受けております。これはあなたも従来熱心に提唱されておるようでございます。それから佐賀県との境の大川橋はぜひ見返り資金でかけてほしいという陳情を受けております。九州と本州とを結ぶ関門連絡道路がうまく行かないから、その金をほかへまわしてもいいじやないかということは、一応りくつは立ちますし、道理にかなつているというふうにわれわれは考えております。この関門がいけないならば、その金をもせつかくほかへ活用いたしたい、そうしてできるだけその地方の希望にも沿い、地方民各位の御要望に応じたいと考えて努力中でございます。
  75. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 これは建設大臣にお聞きすることはあるいはどうかと思うのでありますが、せんだつて来他の委員会で、特に共産党の諸君から、今回の朝鮮動乱に関連する輸送のために、地方の公共団体の負担が多くなり、従つて地方の税金が上るようなことはないかという質問があつたのであります。これに対して所管大臣よりは、その必要はないという返事でありました。聞くところによりますと——これは電気通信関係ですが、進駐軍が必要なものについては、修理費にしても、決して日本の税金の負担にはさせない、自分の費用において払うから、その点についてはこまかく請求するようにというような非常に理解のある態度をとつておられるという話でありますけれども、建設関係においては、港湾等の必要なる修理について、その意味においての向うからの命令がありますかどうか。もしありました場合において、そら予算措置は、他の省において言われているように、これは実際進駐軍の費用であつて日本政府の費用ではないというような方針でもつてやられておるかどうか。この点国民としては、朝鮮事変によつて、あるいは日本の国民の税の負担額が多くなりはしないかというような心配もあるのでありますから、もし関係の点があれば、その点明らかにしていただければ、われわれ国民としては了解する点が多いだろうと思うのであります。
  76. 増田甲子七

    増田国務大臣 橋本さんの御質問に対してお答え申し上げます。これは安本長官からお答えした方がいいと思いますが、国務大臣としてという立場から知つている範囲のことを申し上げます。  ただいままで各種の物資について特需がございますが、これについてはすべてドル貨で支払いをいたしております。それから道路、港湾、河川等について、軍事関係からの特別な命令はいまだにございません。将来もしありといたしましても、他の特需物資に対する支払いと同じでありまして、全部向う様が持たれるもので、われわれの負担するものは、従来の皆さんの議決にかかる終戦処理費以上には出ないと私は確信いたしております。
  77. 松井豊吉

    松井委員長 他に御質疑はありませんか——なければ本日はこれをもつて散会いたします。     午後三時四十分散会