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1950-07-20 第8回国会 衆議院 災害地対策特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年七月十四日  松井豊吉君が委員長に、青木正君、飯塚定輔君、  小淵光平君、小平久雄君、吉川久衛君、青野武  一君及び池田峯雄君が理事に当選した。     ————————————— 昭和二十五年七月二十日(木曜日)     午後二時二十六分開議  出席委員    委員長 松井 豊吉君    理事 青木  正君 理事 飯塚 定輔君    理事 小淵 光平君 理事 小平 久雄君    理事 吉川 久衛君 理事 青野 武一君       青柳 一郎君    岡延右エ門君       奧村又十郎君    金光 義邦君       北川 定務君    久野 忠治君       志田 義信君    高橋 權六君       永井 英修君    野村專太郎君       三浦寅之助君    金子與重郎君       笹森 順造君    吉田  安君       福田 昌子君    前田 種男君       前田榮之助君    砂間 一良君       寺崎  覺君  出席国務大臣         建 設 大 臣 増田甲子七君  出席政府委員         農林事務官         (農政局長)  藤田  巖君  委員外出席者         厚生事務官         (社会局物資課         長)      熊崎 正夫君         運 輸 技 官         (港湾局計画         課)      高橋 淳二君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      賀屋 茂一君         経済安定事務官         (建設交通局次         長)      今泉 兼寛君     ————————————— 七月十七日  委員小平忠辞任につき、その補欠として寺崎  覺君が議長指名委員選任された。 同月十八日  委員角田幸吉辞任につき、その補欠として志  田義信君が議長指名委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  小委員補欠選任に関する件  災害対策に関する件     —————————————
  2. 松井豊吉

    松井委員長 これより災害地対策特別委員会を開会いたします。  まず災害防止国土保全法案起草小委員選任につきまして御報告いたしたいと思います。去る十四日の委員会における決定に基きまして、同日委員会散会後、委員長におきまして    青木  正君  岡延右エ門君    久野 忠治君  仲内 憲治君    飯塚 定輔君  小淵 光平君    小平 久雄君  吉川 久衛君    床次 徳二君  青野 武一君    前田榮之助君  池田 峯雄君    小平  忠君 の十三名の方々を小委員指名いたしました。なお同小委員長には、一昨日の小委員会における互選の結果、小平久雄君が当選せられました。  次に皆さんにお諮りいたしたいと思います。右の小委員のうち、小平忠君が去る十七日委員辞任せられ、同日寺崎覺君がその補欠として委員選任されましたので、小平忠君の補欠として寺崎君を同小委員選任いたしたいと思いますが、御異議ないでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松井豊吉

    松井委員長 御異議がないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 松井豊吉

    松井委員長 それでは災害対策に関する件を議題といたします。本日政府側より農林事務官農政局長藤田巖君、建設技官河川局防災課長賀屋茂一君、農林技官農産課長竹内二郎君の三氏が御出席しておりますから、それぞれ御説明を願いたいと思います。農政局長からは、ひよう害と麦作の被害状況について御説明を願いたいと思います。
  5. 藤田巖

    藤田政府委員 私農林省農政局長藤田でございます。本年の六月に、主として関東地方を中心といたしました豪雨によりまして、農作物に対する被害相当出ております。それと、もう一つ今月の上旬でございましたか、群馬県にひよう害が発生いたしております。その二つの問題につきまして、農政局としていろいろ処置をいたしておりますことにつきまして、御参考までにその経過をお話いたしておきたいと考えております。あらかじめ申し上げておきますことは、農政局関係は、災害対策といたしましても、公共事業費には関係はいたしません。何らかこれに対する予算的措置を必要といたしますものにつきましては、一段の補正予算をもつてこれを要求しなければならぬ、こういうふうな性質のものであります。  まず六月に起りました水害対策でございますが、これは先ほど申し上げましたように、相当広範囲にわたつて水害が起つております。被害のございます県を大体申し上げますと、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、長野、静岡、愛知、福島、滋賀、こういうふうなところがいろいろの被害を受けておるわけであります。作物を申し上げますと、大体稲、麦、かんしよ、ばれいしよ、雑穀菜種蔬菜、かようなものであります。作物別被害面積を申し上げますと、大体稲につきましては五万七千町歩、麦につきましては十七万町歩、かんしよにつきましては六万四百町歩、ばれいしよにつきましては五千二百町歩雑穀につきましては七千七百町歩菜種が三千八百町歩蔬菜が六千二百町歩、かように相なつております。これに対する対策といたしましては、水をかぶつておりますところにつきましては、至急に稲苗を他から購入または輸送をいたしまして、植えかえをしなければならぬのであります。それといま一つは、こういうふうに水をかぶりましたあとにおいては非常に病害が発生するおそれがあるわけでありまするからして、薬剤を購入いたしまして、病害の防除をいたさなければならぬのであります。さような問題につきまして、関係の県において、あるいは団体、農家においていろいろ努力はいたしておりますが、なお国家においても、これがために必要な補助等をしていただきたいというふうな話があるわけであります。しかしながらこれも御承知通り、現在農林省農政局関係予算といたしましては、これに該当する既定の予算がございませんし、また補正予算は本国会ではなかなか提出もむずかしいのであります。われわれといたしましては、補正予算を次の適当な機会にでも要求いたしまして、できる限りこれが対策を講じたいということで、いろいろ準備をいたしておるわけであります。なおさしあたり対策といたしまして、どうしても植付が不能であり、ほかの作物を植えなければならぬというふうな場所につきましては、大豆等につきまして、約百石ばかりでございましたが、これをあつせんをいたしまして植えさすというようなことをいたしておるわけであります。なお補助金等、あるいは災害補償対象になるものにつきましては、またその対策があるわけでありますが、保険金が来ますまでの間、いろいろと今後の生産資金について困つておる問題については、具体的な措置といたしまして、金融機関に対して、私どもといたしましても及ばずながら協力いたしまして、これが金融の道をつけることに努力して参りたい、かように考えておりますわけでまります。  次に群馬県を襲いました降ひようによる被害の概況でございます。これも相当被害が甚大でございまして、これは群馬県だけかと考えますが、作物といたしましては水稲陸稲雑穀、かんしよ、蔬菜桑等が打撃を受けております。水稲被害面積が約四千九百町歩陸稲が千三百町歩雑穀が三百十町歩、かんしよが三百九十町歩蔬菜が四百九十町歩、桑が二千四百四十町歩、かようなことに相なつております。水稲につきましては、何とかその後肥料をやるようにいたしまして、収量はもちろん減少はいたしますけれども、何とかめんどうを見て行くということで、今いろいろ指導をいたしておるわけであります。なお桑については相当被害がございまして、おそらくこの夏秋蚕の掃立てにも非常に支障を来すのではないかということが、養蚕農家としては憂慮されているわけであります。これは水稲についてもあるいは桑についても、これらのものは農業災害補償制度対象となるわけでございます。さような問題について農業災害補償制度であたう限りの考慮はできようかと考えておるわけであります。  そのほかたとえば雑穀でございますとか、蔬菜——なす、トマト、きゆうり、かぼちやとか、いろいろそういうふうなものも相当やられているわけであります。かようなものについては、なかなかこれにかわるべき作物といたしましても困難であります。対策についてもなかなか手がないのであります。われわれといたしましては、できる限り肥料の問題についていろいろあつせんをいたしますとか、あるいは資金の問題であろうかと思いますが、さような点についてできる限りのめんどうをみて行きたいと考えております。  以上が概略水害及びひよう害によつて農政局関係で問題になつております事項でございます。御参考までに申し上げたわけであります。
  6. 松井豊吉

    松井委員長 ただいまの農政局長の御説明に対して何か御質疑はありませんか。
  7. 小淵光平

    小淵委員 ただいま農政局長から群馬県のひよう害についてのお話があつたのですが、稲作、桑等については農業災害補償制度によつて救済がある程度できるが、蔬菜については今のところ別段こういう制度がないから、何とかこれにかわる方法をできるだけ講じたいというようなお話があまりましたが、もちろんただいまの報告によつても、災害面積相当広汎になつておりますから、被害の甚大であることは言をまたないのですが、できるだけの方法を講ずるというお話の、できるだけという内容はどんなものですか、ある程度考えがありましたら、それをお聞かせ願いたいと思います。
  8. 藤田巖

    藤田政府委員 これにつきましても、国で何らかの助成をしていただきたいというふうな意向もあるわけでありますが、御承知通り最近非常に災害がたくさんでございまして、われわれとしては要求をするのでありますが、なかなか災害関係助成というものについては、予算が認められるのが非常に困難な事情があるのであります。従つてどもといたしましては、できる限りのその他の方法考えなければならぬと思うのであります。たとえば金融の問題が出て来るのではないかと思います。そういうふうな問題につきましては、具体的な問題といたしまして、これは農手対象にもならないよようなものであり、しかも肥料の今後の資金その他の生産資金にも非常に影響することがあるというふうな問題も起つて来ようかと思うのであります。さような点につきましては、私どもといたしましても、具体的ないろいろの資金計画なり御要求の数字をお聞かせいただいて、それによつて金融機関に対してもできる限りの援助を側面からいたして行くということはやつて行きたい、かように思つております。
  9. 小淵光平

    小淵委員 ただいま蔬菜等については、金融面等においてできるだけの考慮を払いたいというお話で、現在としては、しごく適切なお考えと思つておるわけです。しかしながら災害状態は実は非常にひどいのでありまして、保険金である程度補償するといいましても、水稲におきましては一億六千万円ほど大体損害が見積られておる、さらに蔬菜類が大体五千万円、蚕が四千四、五百万円、その他合計二億七千万円ほどの損害をこうむつておるわけです。群馬県はこの前にも非常に災害をこうむつておるので、経済的にも現在のところ非常に困難をきわめておる状態にあるので、特別の配慮をさらに払つていただきたいことを要請いたしておきたいと思います。  さらにこれは農政局といたしましては直接の所管ではないのですが、これらの農家等の租税の点等におきましてもお話合いになられて、何らか減免の措置を講ぜられるように、この点もひとつ御配慮が願いたいと思うのであります。この資金の問題は、よほど積極的にやつていただかないと、農家経済の挽回が非常に困難の状態考えられるので、ただいまお話にありまして、しごく当を得たとは考えますが、さらに特段の御配慮を払つていただきたいことを申し上げておきます。
  10. 金子與重郎

    金子委員 ただいま小淵委員から二、三質問があつたのでありますが、これに関連いたしまして申し上げますが、ひよう害というものは、その結果が收穫にそのまま現われて来るのに相当時間がありますので、これがひよう害の対策というものは非常に救助の方法がむずかしいと思つておりますが、ただいま話にありましたような資金貸付をするとか、あるいは病虫害の善後策を講ずるとかいうようなことがありますが、そのうち肥料の問題で、大体において今の段階では窒素肥料—桑は別でありますが、ほかの特作に対しては、災害の跡地に窒素肥料をやるということは、かえつて悪い影響さえ及ぼす場合があるのであります。ただ今その地方において困るのは燐酸カリ肥料が不足しておる、それが一番問題だと思つておりますので、燐酸カリ肥料のようなものを追加してあげるというふうなことをおやりになりましたか、あるいは考えておられるか、その点をちよつとお伺いしたいと思います。
  11. 藤田巖

    藤田政府委員 肥料の問題につきましても、御承知通り従来は、肥料割当てをすることが、相当重要な対策であつたのであります。しかし最近はむしろ肥料現物相当余つており、とればとれるのですが、資金関係でとれないというような状態に実はなつておるのであります。従つて割当をしておる肥料自身がまだとられてないわけです。私どもとしてはむしろ資金対策が必要ではないかと考えますけれども、しかし現物割当だけ全部とつていて、さらに肥料がほしいというふうな問題でございますならば、県から正式にいろいろお話がございますれば、七月以後になると公団がなくなりますので処置がございませんが、七月中ならまだ公団がありますから、またいろいろ御相談に応ずることができると存じております。
  12. 金子與重郎

    金子委員 ただいまの肥料の問題、私も実情を聞いたのでありますが、窒素肥料は確かに余つているらしいのでございますが、燐酸カリ肥料は、特に今の段階では何とか御心配を願わなければならぬということを聞き及んでおりまして、やがてそういうふうな申出があると思つております。そのときにはそういう処置を願いたいと思います。  なお資金と申しましても、これを実際に貸し付けるとき、その貸付方法が非常にむずかしいのでありまして、かりに中金経由貸付をいたしましても、それは信用組合連合会、單一の協同組合を通じまして貸し付けるよりほか道がないと思うのであります。そうなりますと、すでに従前の農手さえも落ちないというところに、貸付というものは国から資金が出ておりましても、実際上その取扱い機関として貸し得ないという現実にぶつかるのでございます。従つてこの問題は、新しい資金を貸し付けるということも一つ方法でありますが、もう一つ方法といたしまして、従来の農手を延期するということは、新しく貸付をするのと同じ結果が出て参ります。方法の問題としてこういうことがありますので、この点も参考のためにお話申し上げておきます。ゆえに新しい貸付金ができないというふうな現実にぶつかりましたときには、古い農手を年賦にするなり、延期にするなり、そういう形において、金融機関と十分御連絡になり、御協調願いたいと思います。
  13. 小平久雄

    小平(久)委員 水害による苗の植えかえについて補助をしてくれという声が方々にあるというお話でありましたが、植えたばかりの苗を、水害のためにまた植えかえをしなければならぬといつたような事態は、相当多いのではないかと思う。ところがその場合は、おそらくこれは農業災害保険の方の対象にならぬのじやないかと思うのですが、この際農業災害保険を一層拡充して、そういう場合までもひとつただちに適用ができるといつたようなことをお考えになつておられるかどうか、その点をまずお伺いいたしたいのであります。と同時にもう一つは、御承知でありましようが、最近河川の河床が非常に隆起しておりますために、堰堤がだんだん上つて参る。そんな関係でいわゆる堤外水排水ということが非常に大きな問題になつておる。一旦水が出ますと、排水施設があるところでは相当長期間にわたつて排水しなければならぬ。ところがその排水設備維持管理費というようなことについては、今まで一向政府ではめんどうをみておらない。相当長く降雨が続きますと、その維持管理費だけでも、一反歩当り多きは数千円にも達してしまうという実例すらあるのであります。こういう点につきまして、多分本年度予算編成の際でありましたか、農林省の方で反当り三百円以上とかの経費がかかつた場合は補助するというようなことで、農林省としては予算要求したそうでありますが、これが認められなかつたというようなことを聞いておるのであります。このことは二十五年度では不幸にして実現しなかつたようでありますが、二十六年度においてはぜひひとつ実現するように、農林当局において格段の御努力を願いたいと思うのでありますが、この点について当局のお考えをあわせて伺つておきたいと思います。
  14. 藤田巖

    藤田政府委員 六月の水害によつて、本田が侵水する、あるいは冠水するという結果、植付不能に相なります場合は、災害補償対象にはなるわけでございますが、植付不能に至らずして、稲を購入いたしまして、そして植えかえた。そういうようなことに対して当然の減収というものはあるわけでございますが、減収がありますれば対象にはなるけれども減収にならなければ対象にならない、こういうようなことに相なつておるわけでございます。これは現在といたしましては、災害事故保険事故には載つておりません。大体六月の水害というのが局部的な問題でございますので載つてはおりませんが、これについてはいろいろ研究をいたして参りたいと思つております。それから排水設備等についての助成の問題でございますが、これは予算といたしましては、農政局予算でなく農地局予算になるわけであります。私どもといたしましても、非常にけつこうだと考えております。この趣旨のことは農地局の方にもよく伝えまして、側面的にはその予算の通過いたしますように協力して参りたいと思つております。
  15. 松井豊吉

    松井委員長 藤田農政局長に御質疑はないでありましようか。——それでは御質疑がないようですから、次に今年度における災害復旧状況につきまして、建設技官賀屋茂一君から御説明を願いたいと思います。
  16. 賀屋茂一

    賀屋説明員 それでは建設省関係の、本年に入りましてからの水害状況を御説明申し上げます。ことしは融雪があまり多くはなかつたのでありますが、ときたまの豪雨があつたりいたしまして、春以来融雪にまざりまして、北海道辺が相当出水を来したのであります。それでお手元に資料を差上げておりますが、五月以前の災害と申しますのは、融雪を含めました災害でございまして、大体北海道外二十二県につきまして、私の方で復旧計画を樹立いたしました災害の結果でありまして、約四十億円復旧費が要するのでございます。それから六月九日から十四日までに長野県、茨城県方面に相当豪雨がございまして、この関係は十三県でございますが、検査いたしました復旧総工費は二十七億余万円なのでございます。五月以前のものと六月の豪雨、これを合せますと建設省関係では約六十七億の復旧費を実は要するわけでございます。これにつきましては、現在経済安定本部の方にも予備費要求を実はいたしておりまして、この配分につきましては、安定本部の方で目下検討してもらつておるわけでございます。なお地方におきましては、まだ予算がきまりませんので、応急的に現在重要なところの災害復旧を実は実施しておるわけでございまして、相当被害激甚地につきましては、その復旧が進んでおる状況であります。
  17. 松井豊吉

    松井委員長 ただいまの賀屋防災課長の御説明に対する御質疑はないでしようか。
  18. 飯塚定輔

    飯塚委員 ちよつとお伺いしますが、雪どけ水とそれから六月以降の災害による総経費が、大体六十七億を要するということを伺いましたが、それに対して現在安本に対して予備費要求しておられる。それから地方においては応急措置をして大体復旧に進んでおるということですが、地方に対して応急対策としてやつておる工事に対して、ほんとうに国の補助費とかその予算はどういう程度補助をされ、その補助をする時期がまた問題になると思いますが、その点についてちよつと伺いたいと思います。
  19. 賀屋茂一

    賀屋説明員 お答えいたします。大体建設庁災害復旧は前回も申し上げましたごとく、災害の初年には少くとも三割程度復旧をする、二年目には五割をやる、残りの二割は三年目に早急に済ます、こういうことが大体方針でございますが、本年の災害——去年も相当早かつたのでありますが、去年以上に相当早いのでございまして、また災害を受けましたときには、植付もまだ済んでおらないところがあつたというようなこともありますので、こういうような植付関係にも非常に影響いたしますので、三割というような線は実は破りまして、少くとも半分くらいは早急に復旧したい。また最近災害を受けました長野あたり状況を見ましても、茨城あたり状況を見ましても、非常に川の破堤というものが多くございまして、これをまず復旧を早くしませんと、せつかく再植付をしました耕地もまた夏、秋の水をかぶるというような状況でありますので、三割という程度は、本年度においては帳消しにいたしまして、もう少し、もう一歩ということで、三割以上の実は要求をしたわけでございます。なお去年は予備費もございませんでしたが、本年は予備費準備もございますので、この予備費からということで、実はそれ以上の要求をしておるわけでございます。融雪災害につきましては、予備費要求はわれわれの方はすでにいたしておりまして、六月十日に検査をして、予備費の交付をしてもらうように要求しております。後の六月十四日の災害につきましても、七月の十日前後には予備費要求をしております。こういう状況でございます。
  20. 飯塚定輔

    飯塚委員 予備費要求をしておられて、特に今年はいろいろ御考慮されているという点につきましてはわれわれも感謝しております。この経費の早く出る出ないによつて工事が進む進まないということになると思いますが、この点は安本においてどういうようにお考えになつておられるか、その折衝の結果を伺いたいと思います。
  21. 今泉兼寛

    今泉説明員 大体の被害総額防災課長から申し上げた通りでございますが、そのほかに農業関係、それから山林関係水産関係、道路、港湾、遠市計画、そういつた若干被害がございました。もつとも、その大部分は河川農業が八、九割程度を占めておるという状況でございますが、締めくくつて国庫負担分として査定済みが百五十九億一千八百万円、こういう計数になつております。そこで安定本部といたしましては、なるほど災害復旧の原則は、初年度三割、次年度五割、それから三年度二割、こういうのがずつと以前から平常状態における復旧状態でございましたが、昨年、一昨年は、御承知通り非常に災害額が多いのに比較いたしまして、実際の災害復旧費というものは非常に極端に圧縮された。そういう状況のため、やむを得ず昨年、一昨年の実績をとつてみますと、三〇%当然出すべき復旧費を昨年度においては平均いたしまして一二%程度しか当初においては見られなかつた、こういう状況でございます。もつとも昨年は予備費といつたような制度もございませんで、とりあえず融資をやつてつて、そのつなぎ融資あと補正予算で埋め合せた、こういう状況でございます。今年は幸いに金額はあまり多くございませんが二十五年度災害復旧予備費という意味において百億とつてございますので、その面でできるだけ災害復旧費をもつと多くしたらよいのではないか、こういう原案、しかし安本といたしましては、あとの保障さえあれば幾ら出してもさしつかえないわけでございますが、一体あとどの程度本格的な台風が来るのであろうか、それから補正予算がどの程度あと組めるか、こういう点もにらみ合せますと、無条件にこの第一回の災害に対して多額を出すこともいかがであろうかということで、最小限度当初としては見ようじやないか。そこで最初大体一九%程度、約二割近くを見て、とりあえず出そうというわけで、当初案は二十六億何がしの案をつくりまして、閣議の方に安本案として提出したわけでございます。ところが閣議の方におきましては、先ほど防災課長が申されたと思いますが、ことしは非常に早く災害が来た、できるだけ早い間にこれを復旧すべきである、こういう議論と、もう一つは、あとどれだけ起るかということはちよつと予測できないが、起つたら起つたときのことにして、まあ三割程度は出したらどうか、こういう大局的な御見解から二十六億案にさらに増して四十億ぐらい出せ、四十億ということで安本が調整案をつくつてもう一回閣議に出すようにと、こういう閣議のお示しがありましたので、私どもの方といたしましては、この閣議の意を体しまして、四十億円案を作成いたしまして、関係各省と実は今日も今まで折衝しておつた状況であります。ただ実際の問題として、実はこの前の閣議でもおきめいただくようにいたしたいと思つたのですが、増したがためにいろいろな御注文も出まして、事務当局間ではなかなか折れ合いのつかぬという問題も出て参りましたが、もうあしたの閣議でその問題が最終的に大体きめていただけるのじやなかろうかと考えております。あるいは今から予測できませんが、四十億あたりできまりますか、あるいは四十億若干上まわるようになりまするか、その辺あたりは明日の閣議で大所高所から御決定願う、こういうことになろうと思います。しかしこれは御承知でもあろうと思いますが、予備費の使用につきましては、こちら側だけでは支出ができないことになつておりますので、閣議決定を明日いたしますれば、その閣議決定のラインに基いて関係方面と折衝いたさせまして、そのOKが出て初めて認証ができる、こういうことになりますので、われわれといたしましては、あしたの閣議決定を待つて、早急に関係方面と折衝いたしまして、一日も早く災害復旧費が現地にまわるように手続をいたしたいと考えております。
  22. 飯塚定輔

    飯塚委員 災害復旧は、何べんもどなたからでもお聞きになつておることだと思いますから、くどくは申し上げませんが、早くなければその復旧費は倍加して行く、あるいはより以上にふえて行く。何となれば、春の水でこわれたところを夏水でさらにこわされるということになれば、最初に査定した金額ではとてもまかないきれないというように、従来のわれわれの苦い体験から申しておるのでありますから、この点はできるだけ早く折衝の結果、地方がその恩典に浴し得るようにしていただきたいということを申し上げておきます。  それから大臣にお伺いしたいのですが、あるいはただいまお答えできないかもしれませんが、将来の補正予算のことが今安本の話に出ましたが、そういう点についてどうお考えになつておられますか、その点一つだけ承つておきたいと思います。
  23. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 飯塚君にお答え申し上げます。今安本当局からお答えいたした点をさらに繰返すことになるかと思いますが、数字といたしまして、百五十何億というのは、私ちよつと記憶いたしませんが、あるいはその後ふえたかもしれませんが、先般百三十六億というようなときに二十六億という一応復旧費が出ておりまして、百三十六億というものは、農林災害その他のことはよく存じませんが、土木災害は全額国庫負担ということで、しかもことしはお説のごとく春の融雪災害及び六月初旬における豪雨災害であります。例の三割、五割、二割というような関係災害復旧が完成するゆえんのものは、九月の災害を予想しておる、そうして北海道のごときは十、十一以外は事業は実施できませんから、そこで三割、北海道、東北というようなことも勘案されておつたものと思う次第であります。ところが今年は幸か不幸か六月以前に起きておる。こういうことが一つ。従いまして七月以降は事業は実施し得るのであります。おそらくフル一年間の事業が実施できるというならば、急いだならばさしつかえないと思いまするし、もう一つ、おつしやるような夏水と申しまするか、雨期を控えた九月の災害を防除する意味におきましても、本年度は土木災害復旧費相当多額に計上する必要がある。事業を執行さえできれば、フルにいたしたところで一〇〇%出さなければならぬのですから、五〇%も出したい、こういうことも私は閣議において力説いたしまして、従来のわくで一生懸命安本当局等で勉強したこととは思いまするけれども、従来のわくをもつては律し得ない状態である、であるからして、少くともわれわれ常識で考えまして、ラウンド・ナンバーで四十億くらいにしたい。建設省当局としては十億と言う、農林当局ももう四億ないし五億と言つております。そういう関係も織込んで四十億にしてほしいということで、一応閣議でポリシーとしてきめたわけであります。そのポリシーに基いて、細分関係安本当局が折衝しておるようでありますが、明日の閣議で大綱がきまるのではないか、こう考えております。この前事務当局でつくつて来た二十六億を四十億にいたしたときに、しからば将来の災害をどうするかという心配が安本当局としてあるのは、これもむりのないことでありまして、今回の予算の特色は、災害予備費が去年はゼロであつた、今年はしかるところ百億ある、これが特色でありますから、災害が起きて来たら、その災害復旧に使用してこそ、予備費の特色を発揮し得るし、本年度予算の特色も発揮し得る次第である。これを雨期を控えた九月までを考えて、実際一〇〇%出さなければならぬのですから、土木災害のごときは、これを倹約したところでしかたがない。しかも事業を実施し得る時候を控えて事業をしないで拱手傍観しておつてもしようがない。だから所要額の査定は大事ですが、所要額を必要の時期においてどしどし執行することが必要である。これは全閣僚の意見が一致いたしまして、そうして所要額がたとえば四十億であり、残りが六十億であるなら、その六十億以上に災害が起きたときはどうするかということも閣僚が心配いたしましたが、そのときは補正予算なり何なりでやる。予算の範囲内において災害が起きるということはおてんとう様が約束してくれないから、天災地変に応じて、災害補正予算を組もう、こういう意味合いでありまして、閣議においては意見は一致しております。
  24. 飯塚定輔

    飯塚委員 今大臣の御説明によつて非常に意を強うし、またわれわれの考えておるところをお話いたされましたような気がいたしまして、この点感謝いたしておりますが、実際の担当当局である経済安定本部といたしましては、百億の予備費というものは決して二十五年度災害に対する——今大臣のおつしやつたように、おてんとう様と約束して、それだけの災害しか起らないというようなかた苦しいお考えでなく、とりあえず災害の起つた場合には、この予備費のわく内で手取り早くやり得るというお考えになつていただいて、そうして将来の災害に対しては、今大臣がおそらく大鼓判を押されたと思いますが、その補正予算をできるだけ多く出してもらうように、どうか予備費の使い方については、決して躊躇することなく使つていただきたいと思います。この点強くお願い申し上げて、私の質問を終ります。
  25. 奧村又十郎

    ○奧村委員 先ほど安本の方からの御説明では、総合して全部の金額が百五十九億と言われました。最初閣議に出されたときは百三十何億で、多少数字がふえておるようですが、この百五十九億の数字、このうちの一部は資料をいただきましたが、全部にわたつておりませんので、大づかみでよろしいから、この百五十九億円の内訳をひとつお示し願いたい。
  26. 今泉兼寛

    今泉説明員 この前と今度との食い違いは、その後査定が進みまして、この前は一応まだ未査定があるということで、農林省も建設省も留保された分、特に農林省におきましては七分ほど未査定が確定したからといつてつて参りました。それから建設省が十二億余り持つて参りました。それがつけ加わつて、この前申し上げたよりかふえた、こういう状況になつております。内容を申し上げますと、国費の方で、ラウンド・ナンバーで申し上げますが、河川が八十五億、農業が三十六億、山林が十八億、水産関係が一億五千、道路はほんのわずかですから申し上げなくてもいいと思います。港湾関係が十億二千、都市計画が一億ちよつと、水道関係で五億、厚生もわずかで六百万ばかり、文教つまり学校関係が七百八十万、住宅関係で七千三百万、合計百五十九億ということになります。
  27. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいま河川の方は八十五億と言われましたが、河川局長からの資料によりますと、合計で六十六億ですが、あとからまた追加したのですか。ただいまいただいた資料のほかに追加しておるのですか。
  28. 今泉兼寛

    今泉説明員 そうじやございませんで、この前のにさらに十二億ほど加わつて八十五億になるわけであります。
  29. 奧村又十郎

    ○奧村委員 私のお尋ねいたしましたのは、ただいまわれわれのいただいた河川局の国庫負担の総額が資料によつて六十六億になつておりますが、それが安本の御説明によりますと八十五億になつております。約二十億ほどの食い違いがあるが、その点はどうなりますか。
  30. 賀屋茂一

    賀屋説明員 これは、六十七億は府県の災害でございまして、なお直轄の河川災害が約八億余りございます。それと、今安本でお出しになりましたのは、その後の災害があるわけです。これを実は現在査定いたしておりますので、それが現在安本の方に行つております。それが十二億あるわけであります。直轄と追加と合せまして約二十億、六十七億にこれをプラスされたものが八十五億というわけであります。
  31. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それではわれわれのいただいた資料のほかにあるということでありますが、そこでこれは今年だけの災害としては金額がどうも多いように思います。言いにくいことでありますが、港湾の十億というものは、今年の災害で一体どの辺にあつたのか伺いたいと思います。
  32. 高橋淳二

    高橋説明員 私運輸省の港湾局におります災害の担当官の高橋という者でございます。ただいまの御質問に対しまして概略御説明申し上げます。港湾関係で本年災害ということで出しておりますのは、主として日本海方面の冬季間における旋風または突風による港湾施設の被害関係が、大体北海道外十二府県ございまして、金額にいたしまして約五億五千万程度でございます。さらに最近に至つて、これは南海地震の余波でございますが、主として地殻の変動による地盤の沈下によつて、各地において港湾の施設が潮につかつて港湾機能に非常な影響を与えております。これをある程度かさ上げをする、あるいは埋立てをするというようなことで、機能の復旧をはからなくてはいけないのでありますが、このために要する費用が四億ちよつとございます。それで合計して約十億というような数字になつて出ております。
  33. 奧村又十郎

    ○奧村委員 建設大臣に特にお伺いいたしたいと思いますが、どうも最近において、河川であろうが、港湾であろうが、道路であろうが、災害の名のもとに予算ぶんどりをやろうという傾向が非常にきつくなつて来たという感じがしておりますが、これはおそらく私だけではなかろうと思います。現在、今年もすでに上半期だけで百五十九億を査定しておられる。おそらく今後の台風を見込むと三百億、四百億であろう。こういうことをこのまま認めて行くとするならば、これは災害復旧費だけで、ほかの公共事業には手がつかぬということになつて来ようと思う。建設大臣はそういうことについてどういうふうに感じておられるか、お伺いします。
  34. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 奥村さんにお答え申し上げます。私は土木行政についてそう経験の深いものではございません。ただ地方におりました関係上多少知つておるという程度でございますが、近来災害復旧の名のもとに、何でも災害と名をつけて予算を奪取する傾向があるという御前提に対しては、全然あなたとは所見を同じゆうすることはできない次第であります。むしろ私から申しますと、災害復旧がまだ完成しておらない。災害は非常にあるけれども、なかなか予算関係上、たとえば本年度にいたしましても、国庫で全額負担しなければならぬにもかかわらず、結局義務の履行を遅滞しておる、こういう状態であります。私は災害復旧が完成したならば、たとい根本的な防災対策を講じなくても、相当災害は予防し得るのではないかと考えております。ところが現在の状況は、建設白書でも申し上げてあります通り災害復旧というものは完成しない。しない間にまたあとから災害が起きて来る。そこで状態をいよいよ悪化さしておる、こういう状況でございまして、かりに奥村さんのおつしやる通り今年五、六百億の災害が起きたといたしましても、今安本当局ですら二割というようなことを言つておりますが、私は二割では困る、かりに三割といたします。しかし安本当局が二割と言つたのはよほどの奮発なんです。つまり過去において一二%きり初年度は出ていないというところから、二割といえばかなりの奮発ですが、かりに三割奮発してもらつても百八十億であります。建設事業費の総額は、本年の予算は去年の千五百億に比べまして、二千五百億あるのですが、そのうち私は最も必要なる災害復旧はやはり土木災害復旧であろうと思つておりますが、これに百八十億投ずるくらいのことは、災害関係委員会の皆様にぜひとも御奮発を願いたい、まだ足りないじやないかといつて私らを大いにうしろから推進をし、鞭撻をしていただきたいと思います。
  35. 奧村又十郎

    ○奧村委員 まことにこれは建設大臣の心強い御答弁でありますが、私の質問が杞憂に終れば国のためにまことに仕合せであります。ただ私の杞憂がまんざら杞憂で終らぬことがあるように思いますから申し上げたわけで、いずれこの点については、簡単な問題ではありませんから、私もなおよく勉強の上、別の機会に申し上げたいと思います。私の質問はこれで終ります。
  36. 久野忠治

    久野委員 建設大臣にお願いを申し上げたいと思います。御承知のように逐年災害が増加いたしまして、その処置には地方はまつたく困窮いたしております。特に今年度は全額国庫負担となりました関係上、ある程度予算の見通しがつかなければ工事にも着手でき得ないというような状況であります。ところが従来は御存じのように地方負担がありましたので、地方である程度金をまかないまして、その金によつて仕越工事として先に工事を完了したというところがたくさん見受けられたわけなのであります。ところが最近農村も不況な立場にありますので、とりかえる金もない、そのためにすでに災害を受けた箇所がそのまま放置されておつて、今またここに次の災害を受ければ、その工事箇所が倍増するというような地域が、私は全国には多数あるだろうと思う。そういう意味から行きまして、ぜひ建設大臣にこの際お願いいたしたいことは、応急費の四十億の割当の点で明日閣議が開かれるということでありますが、従来のわれわれの考え方から行きますれば、大体建設省側が災害費の七割ないし八割程度までは獲得をしておつたと思う。その観点より行きますと、四十億の七割といたしますれば二十八億を建設省がとることになるわけですが、伝えるところによりますと、これはうわさですから真偽のほどは存じませんが、建設省側の予算が従来の率より低いというように聞いております。どうかそうした意味合いから、私のこのうわさに対する杞憂が杞憂でなくなるように、ぜひひとつこの際建設大臣にお願い申し上げたいことは、明日の閣議においては、あくまでも大臣の政治力によつて四十億の少くとも七割程度獲得をして、そうして一日も早くこの予算地方にまわることによつて災害復旧の完成の近からんことをぜひひとつ要望申し上げたいのであります。これは明日きまるということでありますから、その結論を見なければわからないわけでありますが、名にし負う増田建設大臣は政治力の持主と私は聞き及んでおりますので、この際建設大臣としての第一の功名を見せていただいて、われわれ災害対策委員会をして愁眉を開かしめる御努力をぜひお願いする次第であります。以上お願いだけです。どうぞよろしくお願いいたします。
  37. 今泉兼寛

    今泉説明員 ちよつと私から——明日の結果どうこうというわけではございませんけれども、今御発言があつた中で、何か建設関係において七〇%だとかいうようなことから、今年もそうなるんじやないかというような御質問のようでありましたが、その点はいささか実際と違います。あるいは七〇%のときもございました。しかし災害程度、発生の場所その他によりまして、必ずしも七〇%というのは共通した現象ではございません。場合によつては五〇%のこともございましたし、五〇%を下まわるということもございますので、その点で明日必ず七〇%確保できなければ、何か建設大臣の政治力がないように思われては、はなはだ何でございますから、その点を特にお答えいたしておきます。
  38. 前田榮之助

    前田(榮)委員 建設大臣にお尋ね申し上げておきたいのですが、今安本あるいは建設省の防災課長等の説明によりますと、大体災害については初年度三割、次年度五割、三年度で二割程度をやるという方針を持つておるということでありますが、この方針はただ従来の各年度工事量等においてそういう結論が出たために、大体この程度ならよかろうということできめられたのだと思うのでありますが、今建設大臣のおつしやつた通り、本年度は非常に災害が早期に発生いたしまして、本年度工事を行う期間が相当つて、その工事を行う期間に沿う予算の必要の点から、閣議で非常にがんばつていただいておるとは思いますが、大体政府が三割、五割、二割というようなことをきめること自体が間違つておることであつて、やはりその年度に施工し得るところの工事量が、その予算の執行の上においての量にならなければならぬ。従つてここで建設大臣にお尋ね申し上げておきたいのは、百億円の予備費を本年度は計上されておりますが、これは過般の国会におけるところの災害対策に対する決議案等にも現われて、国会の総意であつたわけであります。従つて年度のように早期に起つた場合においては、政府は責任を持つて、この災害に対するところの工事を遅滞なく、全額負担の建前からいたしましても行わねばならぬと思うのであります。従つて百億円の中であるいは今まで起りましたものが四十億円となるか、あるいはそれより減額されるか、あるいはまた閣議の方で建設大臣がごふんばりになつて、五十億にもなるか、その点はわかりませんが、もしかりに五十億となつたといたしますと、あと五十億しか残らないということになるのであります。御承知のようにすでに南九州においても暴風が起つたという警報も出ておりますが、本年も必ず出ると思うのであります。従つてこのあとに残る額は、本年度災害対策といたしまして五十億では不足するという見通しが私はつくと思うのであります。従つて建設大臣は、予算の補正を行われるこの次の臨時国会が開かれるだろうと予想されておりますが、その際において、この災害費の予備費の不足を予想して、建設大臣の責任において予算を増額させて、そうしてこの秋に来るべき災害に対する準備に対して、万全を期する態勢で行う御意思があるかどうか、この点をお伺い申し上げます。
  39. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 前田さんにお答え申しますが、これは飯塚さんに先ほどお答え申し上げたところで御了承願いたいと思います。前田さんは前に御出席なさつていなかつたならば、さらに簡単にお答え申し上げます。この間の閣議の際、先ほど今泉君の言うような御心配はあつたのであります。ところが災害というものは予備費百億の範囲で起きるものではないし、また百億しか使わぬ、という意味で予算を計上し、皆さんの議決を受けたわけではありませんから、やはり法規の命ずるわくだけはこの際の災害復旧のためには支出すべし、こういう意味合いで一応四十億と決定したのであります。でありますから将来災害が六十億でとどまればその範囲で、数百億になればまた——それも災害のために儲けようとか損しようとかいうことでないのですから、実際災害復旧ということが何よりも大事である、こう思いますから、でき得る限り財政経理の関係をあんばいして補正予算を計上すべきである、こういうふうに閣僚の意見が一致した次第であります。それからなお今年の災害復旧にいたしましても、所要量というものは本年度施工し得る事業量、こういう見地からわれわれが考えたのでありまして、もとより事務当局は事務的技術的見地から案を立てて来てはおるのでありますが、やはり各省としてもそれぞれの考えがある。また安本としての考えもある。そこでポリシイを決定すべき閣僚が集まつた閣議において、およそ四十億ぐらいは今年の範囲において実行し得る事業量である。またこれだけの事業量は実行してもらうという意味において、事務当局にそれぞれ流し、施行せしめるという意味において閣議は決定に相なつた次第であります。  なお土木費の関係でありますが、港湾とかあるいは農林災害とかいうものを含めて七〇%という久野さんの御質問でありますが、本年度の三百七十億の配分は七一%になつておるそうであります。でありますからわれわれも建設当局としては極力努力いたしたいと思つておりますが、ただ港湾も十億だとか、あるいはいろんな山林災害等もありますし、山を治めるということが根本にも相なりますから、所要額をできる限り確保することに努めるということで御了承願いたいと思います。
  40. 高橋權六

    高橋(權)委員 私すべてのことについてお伺いしたいのでありますが、それは皆様方が各所でやつておられるから、私は九州の方面として特に筑後川及び矢部川のことについて申し上げます。これについては相当いろいろ御配慮にあずかつておるわけでありますので、その点は感謝しておりますが、この際お願いしたいのは、せつかく災害復旧するということについては、工事請負のごときは入札の際の安いものに与えるということが、これは昔からの習慣になつております。かりに請負をさせる場合には安いものにということできまつておる。ところが日本人には悪いくせがありまして、またこわれたらまた請負わしてもらうということで、この点はアメリカあたりから笑われておる点であります。よくあることですが、また川がこわれた、またこわれたといつて、同じ箇所がこわれるということは、これは工事人の人格の現われであります。今後全国に洪水の出ました場合は、出水期から水の引く程度というようなものを、全国もよりもよりに当局者がおるのでありますから、どのくらいの水のときには彼岸のどこに当るとか、こちらのどこに当るとか、大いにその水勢のいかんということを考えて早くやつていただきませんと、あながち高等数学ばかりでやつてつてもいけないと思います。一例を申し上げますと、熊本の城を築いた加藤清正は、何ら尋常小学校も高等小学校も卒業しないで、高等数学以上の頭でもつて熊本に洪水が入らないようにした。ところがこのごろの新知識の頭の人が高等数学でいじつたりしたものですから、熊本市中にはたびたび洪水が入るようになつたのであります。これは昔の高等数学が偉かつたことになるのであります。そこで今後工事を請負わせる場合には、出水、水の引けぐあい、そういう点をもよりよりの係の者を早く出張させて——いらない出張などさせないで、そういう場合にこそ欠かさず出張させて、災害には関係なく、水勢のいかんによつて護岸工事をやるというようなことをひとつしていただきたい。  もう一つ私お願いしたいのは、本年六月八日、木曜日でありますが、矢部川のことについて本省の村技官に御出張いただいておるのであります。また六月十五日、これもふしぎにも木曜日になつておりますが、本省の佐藤事務官においでいただいておるのであります。これは多分長い間の矢部川の復旧その他のことでおいでいただいておると思いますが、ある半面聞知しておるところによりますと、ある人間が矢部川の上流の大淵村の松瀬というところにダムをつくろうと策動しておるのであります。この策動しておる人間は、大体これは名が出ておる人であります。だれであるかというと、前の商工大臣の石井光次郎、それから元の代議士であつた増永元也、この二人が私らの近所の木下光太郎——やはりつくり酒屋のおやじでありますが、これらと一緒に参つております。そうしてこの松瀬のダムをつくることを強要しておるのであります。このダムというものは、諧謔を言いますと、ダムダム世の中を悪くするというわけで、この松瀬というところはふしぎとほかにはない自然の岩盤であります。こさえるのには非常に都合のよいところであるけれども、ダムをつくるというのは、ただセメントのみでつくることはできない。ところが地元農民はこれには皆反対しておる。現に農林省で犬山のため池というものをつくつておる。私は十五年前に反対いたしましたが、それをしやにむに始めましたために、ちよつとした……。(「簡単々々」と呼び発言する者あり)山潮を知らぬ者は出て行きなさい——それでそのダムをつくるとき、そのダムがどういうふうになつておるかというと、犬山ため池に引く水は矢部川本流の水である。もう一つ北川内、これは本省の福岡の地方建設事務局の役人さんが間違つておると思いますが、星野村の池の山という元噴火山であつたという説のあるその大きなため池の水を入れる。もう一つは串毛村の田代川という水を引いて、そうして犬山ため池に水を引いて行く。五月、六月の渇水期においてため池をからにしても現在既存の田畑の水をまかなうには足りないということを、去年の十一月十七日に福岡県当局が答弁しておるのであります。それをしやにむにつくろうとする。引水をするためにその山間地帯の二十五町歩という美田がつぶれるのであります。それではなぜそういうことをするかというと、田畑を増すための灌漑用水のためにやる。もう一つは発電のためにと、こういつておりますけれども、現在戦争であまりはげ山になつてしまつたために、もう水が足りない。今花廻の発電所で、三瀦郡の甲木さんあたりが出ておられる方面の発電の水すら危うい。そういうのにどうでしようか。三瀦郡、八女郡、三池郡と、さらに欲張つて大牟田の工業用水まで間に合せようとしている。それはしろうとの言うこと、頭のはげた人に雨が落ちると、すぐつるつると落ちてしまう。われわれのように頭の毛がしつかりはえている者にとつては、いつまでもしずくの落ちるがごとく——あまり詳しいことを言うと簡単という人がありますから申し上げませんが、とにかく樹木が鬱蒼としておるならば必ず水は持つのであります。しかも私の反対している理由は、この矢部村というところに行きまして、よく見てみますと、このダムをこしらえて、かりに運よく水がたまつたとするならば、戸数において一箇村二百三十三戸というものが、建設大臣に請願を出しておりますが、その二百三十三戸、人口において千二百幾らという人間は大分から熊本に引越さなければならない。山の頂上には家は建てられない。しかもこの地方は植林をもつて業としておる、そういうことになつておるのであります。せつかく全国の頭のいい代議士さんがおいでになつて災害対策のことを言われるならば、将来これは山潮の出ないようにするためには、私は植林が一番大切であると思う。私はきよういなかの新聞を忘れましたが、上椎葉のダムが予算で行き詰まつておる。それから二十六億の見返り資金を借りてやるというようなことが新聞に書いてあります。そういうことであつたならば、私は宮崎県のその上椎葉のダムに、その二十六億の金を使つてより以上発電をして送電してもらいたい、こう思つておるのであります。しかもこの矢部川というものは非常に昔から水害のはげしいところであります。大正十年この方私の言うことを県当局が用いなかつたために、昭和二十一年には私の言つた箇所の堤防が決壊して、瀬高町というところはほとんど水につかつて困つたことがあります。これはしろうとはかえつて言い当てるものであつて、くろうとが間違いやすい世の中である。世がさかさまになつております。それで私は今お願いする。このダムがつくられるのならば、そういうふうにたくさんの人間が困るのであります。おまけに私にうちわをあげておるものは、朝鮮鴨緑江のダムをつくつた権威者であり、また台湾の日月潭のダムをつくつた権威者がこの高橋權六にうちわをあげております。なぜならば新高山、琵琶湖、諏訪湖のごとき湖を控えておるなら両手をあげて私はこのダム建設に賛成するけれども、今言うように、追放該当者を今後立入りさせるやいなや。追放該当者、パージにかかつておる元商工大臣であつたものであろうと、元代議士であろうと、絶対入ることのできない人間が、それを無視してそういうことに尽力して、あくまでやらせようとすることは、私はその山奥に豊富に水があるなら賛成するけれども、はげ山であります。権現嶽といつておりますが、これは御前嶽であります。これが筑後で一番高い山であります。ところがこの分水嶺の向うは大分県であり、大分湾の水を用水とするわけに行かぬ。塩水を入れたら淡水になおさなければならぬ。こういうことになつておるのでありますから、このダムをつくることについては建設大臣から、これは水のある方に見返り資金をまわしてもらつて、こういうつまらないダムはつくつてもらいたくないのであります。どうか今の宮崎県の上椎葉のダムは行き詰まつておりますから、そういう方面に私は金をまわして発電して、安い電力が使えるようにしていただきたい。こういう問題はあまりないことでありますから、お願いする次第であります。どうか大臣におかれましてはこの点どうぞきびしく御詮議くださいまして、絶対そういう者の立入りのできないように、ほかの方に御命令あるようにしていただきたい。またそういうお考えがあるかどうか、ちよつとお伺いしたい。
  41. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 護岸工事だとか、堤防だとか、堰堤をつくる場合に、あるいは災害復旧をする場合に、単に技術的見地ばかりでなく、頭の中に常識という高等数学を用いるという点は、私は賛成であります。すなわち古老の言を聞くとか、あるいは河川自身の長年月かかつた調査をする。これはやはり科学でありますから、単に数学だけが科学ではないのでありまして、科学的な調査をして、診断をして、適切妥当なる防災工事を施すということは賛成であります。  それからダムの点は、これは私はやはり高橋さんと同じように常識論で言うのですが、上流に相当の耕地でもあるというような場合でしたら別でございますが、そうでなければ、水力資源の開発に役立つという感じを持つておりまするが、今の問題は私はよく存じませんから、通産大臣にもよく話しまして調査をいたしたい。こう思つております。  それからなお追放該当者が電力開発事業に介入することはどうかというような御質問でございますが、これは建設大臣としてお答えするのはどうかと思いまするが、国務大臣という立場から申しますと、追放該当者が政治的な活動をすることは、これはいけません。しかし生活のために各種の事業を営むことは、許されている次第であります。従つて水力資源開発といつたようなことが、もし当該者の方の生活のためであれば、政治活動にならぬ範囲においては許されている。こういうふうにわくで申し上げるよりいたし方がないと思います。あとの具体的の問題のことは、具体的に御相談に応じたいと思います。
  42. 高橋權六

    高橋(權)委員 今おつしやるように、法務総裁の言うべきところもありますからそれは追究いたしません。ただ今申し上げることは、生活じやないのです。石井君のごときはそんなことに関係すべきではない。増永元也君もそんな関係です。いつ何日出て来たということは、あとで書類でよろしゆうございますから、お知らせ願いたい。出て来ていることは、私は確かにたしかめております。何日と何日に出て来ておる。建設省にもやつて来ておるはずです。そういうことをいなかに帰つてつて、人心を惑わしておる。犬山の負担金の四百万円すら今まとまらないのに、これにまた地元の地主に迷惑をかけるということは、これは間違いです。ダムをつくつて二十六億円も見返り資金を使うということは、こんな計算は高等小学校の一年生、いや尋常小学校の四年生でもわかるのであります。これについては絶対やめさせるように私はお願いしたい、こう考えるのであります。
  43. 奧村又十郎

    ○奧村委員 先ほどの同僚委員から建設大臣に御質問になりましたところの質問に対して、なお重ねてお尋ねをいたします。建設大臣の御答弁によりますと、ことしの災害復旧について、不足分については追加予算要求する、こういうお言葉であります。これは原則として全額国庫負担になるわけでありますから、それでは来るべき追加予算要求の時期までの災害復旧の全額に対して、補正予算要求なさるのかどうか。これは政府としても、またわが党としても今後の財政政策に重大な問題でありまするから、重ねて念を押してお尋ねいたしたいと思います。
  44. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 ことしは災害復旧予備費が百億とつてあります。そこでかりに明日四十億なら四十億出すといたしますと、そうすると、あと六十億前後の金が残る。それに対してたとえば災害が三百億起きたといたします。それに対して、ことしの支出分というものが、やはりわくで三割なら三割きまつておる。そうすると九十億出すということになります。その九十億から六十億引くと、三十億はどうしても出さなければならぬ。そうすると、その三十億が補正予算になる。こういうふうに一応私どもとしては考えられる次第であります。ことし三百億起きたからといつて、六十億を引いて、二百四十億ことし計上するわけではない。やはり三割、二割、五割というわく、あるいはかりに七月の末に災害が起きて、八月、九月、十月、十一月、十二月、一月までも災害復旧をなし得るようなよい気候のところに災害が起きたといたしましても、今度のわくで申しますと三割、場合によつては二割ということになることがあり得るかもしれませんが、災害復旧費として三割をかけて、それが六十億を上まわつた分は、補正予算を出す国家の義務がある。また出す用意を全閣僚は持つている次第であります。
  45. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それで大体わかりますが、そういたしますと、三割なら三割の分は補正予算で出す。あとの分は来年度予算にそのうちの何パーセントかを請求なさる、そういうことになりますが、この分だけでなしに、過年度災害がある。その過年度災害と、ことしの災害の次年度へ繰越しの分とは、これは取扱いは同じようになさるわけなんですか、その点お伺いします。
  46. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 こまかい数字のことは、安本当局その他でなければよくわかりませんが、結局三割、二割、五割、こう出すといたします。そうすると、明年度の分は十五箇月予算を組むか、十二箇月予算を組むかわかりませんが、明年度予算災害復旧費が、ことしは三百七十億でありますが、かりに四百億といたしますと、その中には本年度分の五割というものが、土木費で申しますと入つております。それから去年の分の二割なら二割が入つております。港湾なり農林関係は、それぞれわくがあつて、去年起きた災害についての来年度分支出額、ことし起きた災害の明年度分支出額というのが、災害復旧費になつて、ことし計上されたような三百七十億、ああいう数になる、こういうふうに御承知願いたいと思います。
  47. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ところがことしの分は全額国庫負担でありますから、全額受けている。過年度の分は府県あるいは市町村と分担して行く、そういうふうに解釈してよいのですか。
  48. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 今年は全額国庫負担であります。来年は今のところ三分の二になりはせんか。こういうふうな全額国庫負担ということはとりやめるというふうに一応なつているのであります。まだこれはそのときになつてみないとわかりませんが、閣議の予算編成方針は一応そうなつております。しかしながらこれには私は条件を自治庁長官とともにつけてあります。全額今年にあつて、来年三分の二なら三分の二になるというような関係の調整は、数字的に見てもややこしい問題であるから、調整はうまくやつてほしい。うまく行かなかつたならば、また全額国庫負担なら全額国庫負担に帰つてほしいという条件をつけてやつているのであります。今年の全額負担はどういうものをやるかというと、今年支出すべき金額は全額負担するのだというようなことを、建設関係では言つております。こまかい点は安本当局なり建設省の係官からお答をいたしたいと思います。
  49. 今泉兼寛

    今泉説明員 今年全額国庫負担制度にいたしましたのは、今年の発生災害全部について、国がこれを全額負担として、その全額を今年国庫支出するのだ、こういう趣旨ではございませんで、その点はやはり予算の点で制約されまして、予算の許す範囲内で、国はある程度災害場所を採用したならば、それについては地方に負担をかけないで、国が全額出す。その全額も無条件で何もかもではございません。大体中心は土木災害であります。土木災害で、ここは今年取上げるというふうに査定したものについては、地方に負担をかけずに、国がこれを全額負担する、こういつた趣旨でございまして、今年発生した災害全部を財政的に何もかもみな負担して、完了するという趣旨ではございませんので、その点特に誤解のないようにお願いしたいと思います。
  50. 久野忠治

    久野委員 安本当局にお尋ねをいたしますが、すでに明年度の公共土木事業費等について予算の折衝が始まつておりますか。
  51. 今泉兼寛

    今泉説明員 来年度予算編成につきましては、関係当局の方から、例年より一箇月早く予算案を提出しろという注文がございまして、一般行政費、公共事業費につきましては、今週初めから各省それぞれ安本の方に来ていただきまして、現に予算の編成につきまして各省の説明を聞いております。来週始めごろまで大体そういつた説明聴取の時間がかかるのではないかと思います。
  52. 久野忠治

    久野委員 安本当局ちよつとお願いがあるのでありますが、実は逐年災害がふえておりますが、これは事前に防除施設が講じられれば、相当程度災害を防ぐことができると私は思う。災害ができてから復旧するというのは、遅いのであつて、でき得ることであれば、事前に災害の起りそうな箇所に防除施設を施すということが、最良の災害防除策であると私は考えるのであります。ところが昨年度災害防除施設費が削除されて、海岸修築費、それから河川維持費の二項目にわかれた。建設省の中には防災課なるものがありますので、当然防災そのものの予算相当程度計上されておると、一般しろうとの人は考えておりますけれども、さにあらず、この二つの費目にわかれましたものの額が、わずかに三億八千万円しか計上されていないのであります。こういうことはまつたく不合理なことである。次から次に起きて参ります災害を防ぐという意味から行きましても、起きた災害復旧すると竝行いたしまして、起りそうな箇所に防除施設を講ずるということが大切であります。そういう意味合いから、今年度はぜひこの災害防除施設費なるものを復活していただきまして、でき得る限りの厖大な予算を御計上願うことが、すなわち災害を未然に防止する一つの策である。私はさように考えるわけであります。先般の議会であつたと思いますが、大蔵省の主計局長にこのお話を申し上げましたところが、大蔵省側においては、でき得るだけ考慮いたそうという言明をはつきりいたされたのでありますが、安本当局においてはこの点についていかなる御見解を持つておいでになりますか。
  53. 今泉兼寛

    今泉説明員 私も今御質問の趣旨とまつたく同様の感じを持つておるのでございます。災害の起きたところに、あとからあとから賽の河原みたいに積み重ねてやるということは、これは必要やむを得ざる悪としてやつている次第でございますが、できればそういつたことを予見して、それが起きないようにやることが、一番大事なことだと考えております。そこで昨年災害防除というような名目は、予算の項目からはなくなりましたが、実質上は治山治水という見地から、二十五年の予算編成で一番重点をおきましたのは、一般公共事業費の中では治山治水事業でございます。治山治水の中の植林、崩壊地の復旧、渓流砂防、河川砂防、それから河川改修、こういつた点に最も重点をおいて、今年度においても予算を組んだ次第でございます。しかしながらあまりにも今まで災害が多いということで、絶対額から申しますと三百七十億の災害復旧費予備費が百億で、大体四百七十億ですが、大体九百七十億の過半を災害復旧に充てざるを得なかつた。これはまことに必要やむを得ざる悪でありまして、できればこういつた災害復旧費を年々少くして、もつと根本的な治水関係公共事業費の重点をおいて参りたい。二十六年度予算編成につきましても、総額はまだ確定いたしておりませんけれども予算の許す範囲内においてなるべく多額の公共事業費を獲得いたしまして、その編成の重点は、今おつしやいました御趣旨に沿うべく、最大限の重点を置いて参りたいと考えておる次第でございます。
  54. 久野忠治

    久野委員 今のお話で私まつたく心強く感じたものでありますが、しかし建設省だけの防災関係が、海岸修築費や河川維持費といつたものに二元的にわかれておることは、取扱い上非常に不便だろうと私は思う。でき得ることであるなら、従来ありましたように、この両者を統合いたしまして、災害防除施設費というような費目にしていただいて、一元的に建設省関係の防災費をまとめていただくことが、取扱い上、また地方民としても非常に便利だと思う。そういう意味合いから、ぜひともひとつ昭和十一年以来施行せられて参りました災害防除施設費なるものを、復活していただくことに御努力をいただきたいと思うのであります。  それからもう少し申し上げたいのでありますが、それはこのたびの二十五年度災害費の割当の問題であります。これが地方の各県に割当てられた場合に、各県で二十三年災が三割、あるいは二十四年災が五割というふうに金が予算化されました場合に、この割振りが一律に割振られずに、県によりますと、県費工事に厚く、市町村工事に薄いというような方法がとられておるのであります。特にそういう顕著な例が私の方にもあります。そのためにせつかく予算のわくを頂戴いたしましても、今もつて二十三年災が全然手がついていないという箇所がたくさん残つております。こういう点について、県費、市町村費なるものは、建設省においてすでにそういう割当をおきめになつて、これをお渡しになつておるかどうかということをお尋ねしたい。
  55. 賀屋茂一

    賀屋説明員 私からお答え申し上げます。割当の問題でございますが、これは大体安本と折衝の際にも、何年災害ということでほぼ金額のきまるものでございますから、各年災害でおのずと補助費の配付の金額もきまるわけでございます。また町村工事と府県工事関係でございますが、これは実は建設省本省から割振ることは、府県の実情に沿わぬ点もあるのであります。その意味で、建設省といたしましては、一応全災害工事費、市町村工事費、府県工事費、この割合を、いわゆる総額を均衡を失わぬ程度に、大体同じようなレベルで仕事を進める、そしてその実際採択されるものは、自由にしてもらいたいという方針を指示しておるのであります。その採択は府県から申請されまして、建設大臣の方で指定をして実施せしめておる。こういう実情なのでございます。
  56. 久野忠治

    久野委員 事実はそうはうまく行つてない。御注意願いたい。
  57. 砂間一良

    ○砂間委員 先ほど建設大臣は、災害復旧費の全額国庫負担のことに触れられまして、来年度予算編成方針についてはそれを改めて、三分の二くらいを国庫負担にするような御意向のように申されました。そこで大臣に希望を一つ申し上げておきたいのですが、全額国庫負担が二十五年度だけといたしますと、今年取上げられた工事、そこのところは全額国庫で負担してもらいまして、非常に得をしたわけでありますが、しかし過年度災害におきましても、本年度発生した新たな災害にしましても、それが今年で全部復旧が完成しておらぬわけであります。従つて二十六年度以降に相当のものが残つているし、また新たな災害が起つて来るわけでありますが、それが全額国庫負担は今年だけであつて、来年度はまた別にかわつて行くということになりますと、均衡という点からいいましても、非常に不公平な、えこひいきな点が出て来ると思います。元来災害というものは、私ども考えからすれば、当然全額国庫で負担してやつてもらいたいというふうに考えておるのであります。でありますから、全額国庫負担ということは、この前の国会で通過した法律は今年度限りということになつておりますが、ぜひあれを来年度以降においても継続してやつていただくようにしていただきたいさらにその場合につけ加えて申し上げたい点は、全体の額が非常に少くては、やはり工事箇所、工事量が減つて来るから同じことなんです。今年のように初めから三百七十億というふうにきまつていて、そのわくの中でやつて行けば工事量が当然減つて来るわけでありますから、来年度予算は、方針としては全額国庫負担ということで継続してやつてつていただきたいということと、同時に予算の額をも増加いたしまして、そうして工事量も減らないようなふうに、ひとつ努力していただきたいということを今希望として述べておきます。
  58. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 砂間さんの希望はよく承つておきます。
  59. 小平久雄

    小平(久)委員 本日の同僚委員質疑は、大体本年度発生の災害に対する予備費百億円を中心として行われたようでありますが、建設省が発行されました国土建設の現況によりますと、二十四年度末におきまする災害復旧状況を見ますると、二十二年の災害が六五%、二十三年の災害が二八%、二十四年度が一六%であつたにもかかわらず、本年度のこの予算施行の結果は、二十二年度災害が完了する二十三年度が五三%、二十四年度災害は三七%、大体こういう目標でおやりになるということが載つておるのであります。これを見ますると、その災害復旧の進行度から見まして、特に二十三年度災害でありますが、これが本年度の末におきましても、五三%しか復旧しないこういうことになるようであります。しかるに昨年度の二十四年末におきましては、前々年度たる二十二年度災害は六五%復旧しておるというようなことで、従つて両者を比較しますと、二十三年度災害というものが非常に置去りにされておるような感がいたすのであります。そういう点から考えますときに、なるほど本年度これから発生するであろう災害に対しまして、大臣に極力政治力を御発揮願いたいのはもちろんでありますが、同時にでき得るならば、この過年度災害、特に置去りにされておるような感の深い二十三年度災害復旧の進捗というものをもう少し早めるように特に補正予算等の機会におきましては、ぜひともあわせて御尽力を願いたいと思うのであります。この点は希望を申し上げますと同時に、もし御所信が伺えましたら伺いたいと思うのであります。  それと第二点として、これは安本の方でありますが、本年度災害復旧費三百七十億、過年度分でありますが、これについて従来どの程度の支出がされておるか。この点は過般の予算審議等におきましても、各党あげて極力早く出せということは、これは一様の希望であつたのでありますが、実際どんなふうに行つていますか。この点を承つておきたいと思います。
  60. 増田甲子七

    ○増田国務大臣 小平さんの御希望はごもつともでありまして、三百七十億のあの災害復旧費をもつてしては、五三%遂行できるにすぎないということは、御同様遺憾でございますから、なおこの上とも折衝いたして力をいたしたいと思います。
  61. 今泉兼寛

    今泉説明員 公共事業費は大体今日まで年間予算の中の半分、上期という分が大体認証を終つております。災害復旧費につきましては、なるべく早く年度当初に復旧する必要を認めまして、一般公共事業費については、上期分は五〇%でございますが、災害復旧費は特別にその額を多くしまして、今日まですでに年間予算の八〇%は安本において認証済みでございます。従つて残額はあと二〇%しか残つておらない状況でございます。
  62. 小平久雄

    小平(久)委員 認証済みはよろしゆうございますが、実際に金は出ておるのですか。
  63. 今泉兼寛

    今泉説明員 認証はかなり早く、もう終つておりますから、今度は支出負担行為の認証ということで、大蔵省が若干手間をとることもございますので、あるいは大蔵省に若干残つておるかもしれませんか、安本の手はすでにとうに離れて、大蔵省の方も私の見込みでは、そうひつかかつているのはもうなくて、現地にはもういつでも八〇%近くが支出できる状況に至つていると思います。また最近農業関係で一部少し遅れてしまいましたから、それで現実に大蔵省の支出負担行為の認証の方が進展しているかどうかということは確かめておりませんが、大体その程度になつております。
  64. 小平久雄

    小平(久)委員 大体すでに支出されておるだろうというお話でありまするが、こういつた費用につきましては、地方等では非常に待つておることは御存じの通りなんですから、書類をまわしたからそれであとよろしいということでなく、特に安本等においては一日も早く出るように、今後とも御督促をお願いいたしたいと思います。
  65. 松井豊吉

    松井委員長 建設大臣に対しほかに御質疑のある方はありませんか。
  66. 高橋權六

    高橋(權)委員 安定本部の方にお伺いしますが、先ほどの矢部川のダムの問題は、安定本部農林省と、それから建設省の三省が関係があるはずですが、あなたの方もよく調べておられると思う。大体去年もそういうふうではげ山になつており、去年の七月十一日は悪かつたのが、もう一年もたたないうちに樹木が大きくなつていいかのように言うのだが、これは一省が反対してもできないことになつているだろうと思いますから、その点どの程度成算あるか、ちよつと承りたいと思います。
  67. 今泉兼寛

    今泉説明員 矢部川は全国の河川総合開発調査の一つ河川といたしまして、安本としても取上げまして、関係各省と調査は進めております。しかしながらその結果に基いてこれをどういう形において実施するかというような問題につきましては、まだ何もきまつておりません。調査は完全には終つておりませんので、今後なお進めますけれども、実施については各方面の意見も十分聞き、実際の状況に合うような方針を立てたいと思います。今は何もきまつておらない状況であると思います。
  68. 高橋權六

    高橋(權)委員 そういうふうになつているならいいけれども、堂々たる新聞にもうさもきまつたように記載されているのであります。ついでに安定本部関係されたことだから、筑後川の六五郎橋の方に流れるのに対して昭和十二年私ら県会当時ちやんとはかつておつたのでございまして、そのためにはもうちやんと土の何立方米をも保存しておるのでありますから、城島という方面に水を流さないで、築堤するような考え安定本部あたりでも考えていらつしやるか、それをちよつと伺いたいと思います。非常に紆余曲折しているために、水が流れることが遅くなつて、筑後川の流域が非常に損害を受けておるのであります。
  69. 今泉兼寛

    今泉説明員 はなはだ技術的な御質問で、私今日そこまで検討しておりませんので、次の機会に……。
  70. 高橋權六

    高橋(權)委員 それでは、保留さしてもらいます。     —————————————
  71. 松井豊吉

    松井委員長 ほかに質疑もないようですから、次に災害救助法の一部を改正する法律案についてお諮りいたします。  御承知のごとく、本法案はこのたび内閣より提出せられ、厚生委員会に付託となつたのでありますが、その内容は、都道府県の支弁した救助費の国庫負担の基準を現状に即すよう合理的に改正せんとするものでありまして、従いまして、委員会としても重大な関心が持たれるわけであります。つきましては、ただいま厚生省より厚生事務官社会局物資課長熊崎正夫君がお見えになつておりますので、本法案について一応の御説明を求めたく考えますが、よろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 松井豊吉

    松井委員長 御異議がなきものと認めて御説明をいただきます。
  73. 熊崎正夫

    ○熊崎説明員 私厚生省社会局物資課長の熊崎であります。災害救助法の一部改正案につきまして、簡単に御説明を申し上げたいと思います。御承知通り災害救助法は、従来は災害にかかつた県の災害救助に要します費用、これは簡単に申し上げますと、災害救助法と申しますのは、人命の救助、罹災者の救助ということが目標でございまして、間髪を入れず罹災者に十分な応急救助が届くような手を打つということになつておりますので、救助内容につきましては、たとえば避難所の設置だとか、あるいはたき出しの救助だとか、あるいは医療品、生活必需品の給与、こういつたものをやるようになつておりますが、災害にかかりました県がそういつたものに使います費用が、当該罹災県の地租、家屋税、事業税の、このいわゆる三収益税の標準賦課率で算定いたしました合計額の百分の五を越える場合に初めて国庫補助をする、こういうふうな規定になつておるわけでございます。ところが、このたび地方税法案が国会に提出されますと同時に、地方税の内容につきまして、従来の地租、家屋税あるいは事業税の内容が根本的に変更して参りましたので、この点地方税法改正に伴います改正をやることが必要であるということと合せまして、現在三収益税の標準賦課率で算定いたしました合計額の百分の五を越える災害につきまして、初めて国庫補助をするというふうな——規定三収益税の税額といいますのは、法制定がなりましたのは昭和二十二年でございますが、それ以後非常にふえて参りました現在では、五十八倍程度に増加しております。その三収益税の合計額の増加に比べまして、災害にかかりました費用の額と申しますのは、わずかに三倍程度の値上りしかいたしておりませんので、非常な不合理な結果になつております。その点を合理的に改正いたしたい。この二つの点より関係方面といろいろ折衝いたしました結果、ようやく案がまとまりまして、このたびの改正は、法第三十六条だけの改正を地方税法関連法案として上程することにいたしたわけであります。簡単に例を申し上げてみますと、皆様御承知通り、本委員会でも問題になりました熱海の大火がありましたが、あのときには、静岡県といたしましては、熱海の火事に大体応急救助に要する費用約千二、三百万円の金を使つておりますが、当時静岡県が千二、三百万円の応急救助に要する費用を使いましても、現行法のもとでは、先ほど申しました地租家屋税、事業税の合計額の百分の五を越える額というのは四千数百万円になつておりますので、千二、三百万円の金を使いましても国庫補助はもらえないというふうな不合理な結果になつておりますのを、このたびの改正によりますと、大体千二、三百万円程度の応急救助に要する費用を静岡において使いますと、国庫補助が出る、こういうふうな補助率の引下げをいたしたわけであります。簡単でございますが、御説明申し上げます。
  74. 松井豊吉

    松井委員長 ただいまの御説明に対し、何か御質疑はありませんか。
  75. 砂間一良

    ○砂間委員 私はこの災害救助法の内容はよく知らないわけですが、あれはたき出しなんか罹災を受けてから十日間とか、それから生活費なんかについても、家を焼かれたような場合は幾らかとか、一日に幾らとかいうふうな制限があるのですか、そういうふうな点をちよつと御説明願いたいと思います。
  76. 熊崎正夫

    ○熊崎説明員 お答え申し上げます。お手元に配りました資料の中に、その点法制定当時から第四次改訂までの表を差上げまして、その中でどのようにかわつて来たかということについて説明が入つておりますので、これは四十九ページをごらんになつていただくとわかると思います。大体厚生省の方で、各都道府県のたき出しに要する費用は、避難所につきましては一人一日幾ら、それを何日以内でやるようにというふうな指示をそれぞれの救助内容について指示しているわけであります。従いまして、県におきましては、災害救助を発動いたします場合には、たき出しならたき出しを、十日間以内なら十日間以内で必要な限度内でやる。それ以上にたき出しが必要であるといたしましたならば、厚生大臣の方に直接電報をもつて報告していただきまして、その期間の延長をやることもできるようになつております。
  77. 砂間一良

    ○砂間委員 私は先般の熱海の大火のときに現地へ行つてお寺や学校へ避難しておる人たちの実情を聞いたのですが、詳しいことは忘れましたけれども、その救助というものがいかにもすずめの涙ほどで、ほんとうの救助にならない。罹災の程度にもよりますけれども、火事なんかの場合に、家からなべからすつかり焼かれてしまつて、非常に困つておるような人たちもあるわけです。応急の処置としては、たき出しとか握り飯を出してやつておることもありますけれどもあとでやはり自分の生活を打立てるという場合には、相当の生活資金もいるわけです。もつともこの救助法では応急の場合のめんどうを見るだけであつてあとのことまで見ることになつておらないと思うのですが、それにしても救済期間も短かいし、給与額なんかも非常にわずかなものであつて、これではだめだということを痛感したのです。今おつしやつた資料も私の手もとにありませんし、こまかいことは時間がありませんから申し上げませんが、できればこの改正を機会にぜひそういう内容の点についても、もう少し救助に値するように尽力していただきたい。これは希望であります。
  78. 小平久雄

    小平(久)委員 今回の災害救助法の一部の改正はまことに時宜を得たものであり、われわれ非常に喜んでおるわけでありますが、特に私はこの際昨年末の今市の震災の際に当委員会から派遣されまして実情調査した一人として申し上げておきたいと思うのであります。というのは、その際も申し上げたのでありますが、この一時的なる災害救助、特にただいま御説明のごとく、ごく限られた期間のいわば人命救助的な政府の施策、救助ということももちろん必要であるけれども、さらに将来におきましては、これに一歩を進めて、たとえば倒壊家屋の復旧とか、あるいは流失した家屋の復旧費とか、そういうものについて補助なりあるいは融資なり、そういつた面にまで政府のあたたかい手が及ぶように、今後厚生当局においては特に御努力を願いたい。こういうことをこの際一言だけ御希望を申し上げておきたいと思うのであります。
  79. 熊崎正夫

    ○熊崎説明員 ただいまの小平委員の御要望、厚生省といたしましてもまことに痛感いたしておりまして、一応災害救助法を施行いたしておりまして、現地に人を派遣し、あるいはわれわれが大臣、次官あたりと一緒に参りましても、常にそういう声を聞くのであります。この点は災害救助法の応急救助の使命から申し上げますと、あるいは法規の逸脱になるのではないかということを前々から事務当局のわれわれといたしましては感じたのでありますけれども、結局応急救助の幅を広げて行くというふうなことで、この点は近い将来におきまして、われわれとしてはぜがひでもこの救助法の中に入れたい、こういうふうに痛感いたしております。このたびの改正にあたりましてもできるならばそこまでこの改正の手を伸ばしたいというふうには考えたのでありますが、何分にも地法税法の関係法案としての性格をより一層鮮明にする必要からいたしまして、三十六条だけの改正にとどめたことを御了解いただきたいのであります。この次の機会には何とぞ皆様方の御援助によりまして、ぜひともそういう方面の法律改正をやつて行きたい、こういうふうに切に希望いたす次第であります。
  80. 松井豊吉

    松井委員長 それでは本法案につきましては、特に質疑もないようですから、この程度でとどめることにいたしたいと思います。  本日はこの程度で散会いたします。     午後四時三十六分散会